JP2008175371A - 摺動式トリポード形等速ジョイント - Google Patents

摺動式トリポード形等速ジョイント Download PDF

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Abstract

【課題】ローラ30とトリポード軸部22との間に発生する摩擦モーメントを低減することにより、誘起スラスト力を確実に低減できる摺動式トリポード形等速ジョイントを提供する。
【解決手段】トリポード軸部22は、柱状からなり、基端部がボス部21に一体に形成される軸部本体221と、軸部本体221に一体または別体に形成され、軸部本体221の外周面から軸部本体221の柱直交方向外側に放射状に突出する複数の突出部222とを備える。そして、ローラ30は、その軸心とローラ溝11の延伸方向とが直交するようにローラ溝11に嵌挿される外ローラ31と、円筒状からなり、軸部本体221の外接円よりも大きな内径からなり、内周面が突出部222の端部に当接し、外ローラ31に対して相対回転可能で且つ外ローラ31の径方向内側に同軸的に配置される内ローラ32とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、摺動式トリポード形等速ジョイントに関するものである。
摺動式トリポード形等速ジョイントとしては、例えば、特開2000−256694号公報(特許文献1)に開示されたものがある。特許文献1に開示された摺動式トリポード形等速ジョイントは、トリポード軸部が円柱状をなしており、ローラの内周面が円筒状をなしている。この場合、ローラは、常にトリポード軸部に対して同軸上に位置している。そのため、ジョイント角が0度でない場合に、ローラがローラ溝を転動しようとする方向と、ローラ溝の延びる方向とが一致しない状態となる。このことにより、ローラとローラ溝との間に滑りが発生し、その結果、ジョイント軸方向に誘起スラスト力が発生する。この誘起スラスト力は、車体の振動や騒音の発生原因となり、車両のNVH性能に影響を与える。
そこで、誘起スラスト力を低減するために、例えば、特開平3−172619号公報(特許文献2)に開示されたものがある。特許文献2に開示されたトリポード型等速ジョイントを構成するローラは、内ローラと外ローラとを備える。そして、内ローラの内周面を円筒状とし、トリポード軸部の外周面形状を球面突状にしている。これにより、ローラがトリポード軸部に対して揺動可能となり、外ローラがローラ溝を転動しようとする方向と、ローラ溝の延びる方向とが常に一致するようになる。従って、外ローラとローラ溝との間に滑りが発生しないとされている。
特開2000−256694号公報 特開平3−172619号公報
ここで、特許文献2の摺動式トリポード形等速ジョイントにおいて、当該ジョイントが回転する際に、球面突状のトリポード軸部と円筒内周面の内ローラとの接触部位は、楕円状の範囲となる。そして、当該楕円状の接触範囲が広いほど、ローラがトリポード軸部に対して揺動する際に、ローラとトリポード軸部との間に生じる摩擦により大きなモーメントが作用する。以下、このモーメントを摩擦モーメントと称する。具体的には、当該楕円状の接触範囲のうち中心点から遠い位置ほど、摩擦モーメントが大きくなる。この摩擦モーメントは、ローラがトリポード軸部に対して揺動しにくくなるように作用する。つまり、この摩擦モーメントが大きいほど、ローラがトリポード軸部に連れて移動する可能性が高くなる。その結果、外ローラがローラ溝を転動しようとする方向と、ローラ溝の延びる方向とが一致しない状態が発生する可能性がある。そうすると、外ローラとローラ溝との間に滑りが発生し、誘起スラスト力が生じる可能性がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ローラとトリポード軸部との間に発生する摩擦モーメントを低減することにより、誘起スラスト力を確実に低減できる摺動式トリポード形等速ジョイントを提供することを目的とする。
(1)本発明の摺動式トリポード形等速ジョイントは、筒状からなり、内周面にその軸心方向に延びる3本のローラ溝が形成された外輪と、シャフトに連結されるボス部、および、ボス部からそれぞれシャフトの径方向外側に延在しそれぞれのローラ溝に挿入される3本のトリポード軸部を備えるトリポードと、環状からなり、トリポード軸部に対して揺動可能に支持され、且つ、トリポード軸部に対してシャフトの径方向に摺動可能に支持されるとともに、ローラ溝に転動可能に係合するローラと、を備える。
そして、摺動式トリポード形等速ジョイントを構成するトリポード軸部は、柱状からなり、基端部が前記ボス部に一体に形成される軸部本体と、軸部本体に一体または別体に形成され、軸部本体の外周面から軸部本体の柱直交方向外側に放射状に突出する複数の突出部と、を備える。さらに、ローラは、その軸心とローラ溝の延伸方向とが直交するようにローラ溝に嵌挿される外ローラと、円筒状からなり、軸部本体の外接円よりも大きな内径からなり、内周面が突出部の端部に当接し、外ローラに対して相対回転可能で且つ外ローラの径方向内側に同軸的に配置される内ローラと、を備える。
ここで、本発明の等速ジョイントが回転する際における、内ローラとトリポード軸部との接触範囲について、特許文献2に記載の従来の等速ジョイントと比較しながら説明する。
従来の等速ジョイントは、上述したように、内ローラの接触部位は円筒状からなり、トリポード軸部の接触部位は球面突状からなる。そして、内ローラの円筒内周面の内径と、トリポード軸部の球面突状の外径とは、ほぼ同一である。従って、従来の等速ジョイントは、当該等速ジョイントが回転していない状態において、内ローラとトリポード軸部とが一周に亘って線接触している。そして、この従来の等速ジョイントにおいて、当該等速ジョイントが回転する際には、内ローラとトリポード軸部との接触範囲は、楕円状の範囲となる。この接触範囲の楕円状の長径は、最大で内ローラの半周に相当する長さとなる。
一方、本発明の等速ジョイントにおいては、当該等速ジョイントが回転していない状態において、放射状に延びる複数の突出部の端部が、内ローラの内周面に当接する。そして、当該等速ジョイントが回転する際には、複数の突出部のうち何れかが、内ローラの内周面に当接する。つまり、等速ジョイントが回転する際には、少なくとも1個の突出部の端部が内ローラに当接する。ここで、突出部は、軸部本体の外周面の周方向に亘って断続的に設けられている。
従って、本発明の等速ジョイントにおける内ローラとトリポード軸部との接触範囲は、1以上の点接触、または、1以上の楕円状の範囲等となる。当該接触範囲が楕円状の範囲である場合には、この楕円状の長径は、突出部の端部の幅相当となる。つまり、本発明の等速ジョイントにおける内ローラとトリポード軸部との接触範囲は、従来の等速ジョイントにおける内ローラとトリポード軸部との接触範囲に比べて、非常に狭い範囲となる。
このように、当該接触範囲を狭くすることにより、ローラとトリポード軸部との間に作用する摩擦モーメントが小さくなる。つまり、ローラがトリポード軸部に連れて移動するための力が低減する。これにより、外ローラがローラ溝を転動しようとする方向と、ローラ溝の延びる方向とが一致するようにできる。その結果、確実に誘起スラスト力が低減される。
(2)また、それぞれの突出部の端部は、内ローラの内径以下の曲率半径の球面突状からなるようにするとよい。この場合、複数の突出部の端部の外接円は、内ローラの内径以下となる。これにより、ローラがトリポード軸部に対して確実に揺動できる。
(3)また、軸部本体の外周面に、周方向に向かって断続的に複数の凹部を形成し、複数の突出部は、軸部本体に別体に形成され、それぞれの凹部に嵌挿されるようにしてもよい。ここで、突出部が軸部本体に一体に形成する場合に比べて、突出部が軸部本体に別体に形成する方が、突出部の硬度を高くすることができる。軸部本体が含まれるトリポードは、複雑な形状であるために、加工性の良好な材料が用いられる。従って、トリポードの硬度を高めるには限界がある。つまり、突出部がトリポード軸部の軸部本体と一体的に形成される場合には、突出部の硬度は、トリポード軸部の軸部本体とボス部との一体成形品の硬度に影響を受ける。これに対して、突出部が軸部本体と別体に形成される場合には、突出部の硬度は、突出部のみに適した材料・加工法などを採用することができ、軸部本体の硬度に全く影響を受けない。従って、突出部のみを成形することで、突出部の硬度を十分に高くすることができる。このように、突出部の硬度を十分に高くすることで、トリポード軸部として耐久性を向上することができる。
さらに、突出部を軸部本体に一体に成形すると、非常に複雑な形状となる。しかし、突出部を軸部本体に別体に形成することで、それぞれの形状が加工の容易な形状となる。その結果、低コスト化を図ることができる。
また、突出部を軸部本体と別体にするため、突出部が軸部本体に位置決めされるような手段を採らなければならない。そこで、軸部本体に形成された複数の凹部に、突出部を嵌挿することで、突出部の位置決めが可能となる。特に、軸部本体に形成された複数の凹部を、周方向に向かって断続的に形成することで、確実に、突出部を位置決めできる。なお、「周方向に向かって断続的」の意味は、周方向に亘って連続的に形成される溝状のものと区別するものである。
(4)また、(3)に記載したように、突出部が軸部本体と別体からなる場合には、当該突出部は、球体からなるようにするとよい。一般に、種々の部材の形状の中で、球体が最も硬度を高くすることができる。例えば、転がり軸受等に使用される球体は、非常に硬度の高いものである。このように、突出部を球体とすることで、より突出部の硬度を高くすることができ、トリポード軸部の耐久性をより確実に向上することができる。さらに、既に市販されている、転がり軸受等に使用される軸受鋼により成形された球体を、使用することができる。従って、非常に安価となる。さらに、それぞれの突出部が球体とすることで、これら複数の突出部の外接円は、内ローラの内径以下となる。これにより、ローラがトリポード軸部に対して確実に揺動できる。
(5)また、軸部本体に形成された複数の凹部は、球面凹状からなり、突出部は、球面凹状に倣う球体とするとよい。ここで、等速ジョイントが回転する際に、軸部本体の凹部と突出部との間でトルクが伝達される。つまり、軸部本体の凹部は、突出部により押圧力を受ける。そして、軸部本体の凹部は突出部に倣う形状からなるため、軸部本体の凹部はほぼ全面に亘って突出部に当接する。このように、軸部本体の凹部が突出部に当接する面積を広くすることができるので、軸部本体の凹部が突出部から受ける面圧を低減できる。これにより、軸部本体の耐久性を向上することができる。
(6)また、突出部は、軸部本体の外周面のうちシャフトの軸心方向の両端部以外の位置に配置されるようにしてもよい。換言すると、突出部は、軸部本体の外周面のうちシャフトの軸心方向の両端部に配置しない。
ここで、トリポード軸部の突出部と内ローラとの間にてトルク伝達が行われる範囲は、突出部と内ローラとが、シャフトの周方向に係合する範囲である。従って、軸部本体の外周面のうちシャフトの軸心方向の両端部においては、突出部と内ローラとの間にてトルクが伝達されることはない。従って、突出部は、軸部本体の外周面のうちシャフトの軸心方向の両端部に配置されていないとしても、突出部と内ローラとの間におけるトルク伝達には影響を及ぼさない。そして、突出部を当該両端部に配置しないことで、突出部の個数を低減することができる。その結果、低コスト化を図ることができる。
(7)また、上記(6)において、突出部は、2個からなり、軸部本体の外周面のうちシャフトの軸心直交方向の両端部に配置されるようにしてもよい。ここで、軸部本体の外周面のうちシャフトの軸心直交方向の両端部は、トリポード軸部と内ローラとの間において、最も大きなトルクを伝達できる位置である。そして、この位置に、2個の突出部を配置することで、トリポード軸部と内ローラとの間において、確実にトルク伝達が可能となる。
また、突出部と内ローラとの接触範囲において、等速ジョイントが0度でない場合にトリポード軸部が内ローラに対して揺動する際の揺動中心から遠い位置ほど、摩擦モーメントが大きくなる。そして、当該揺動中心は、軸部本体の外周面のうちシャフトの軸心直交方向の両端部に相当する。つまり、当該揺動中心のみに突出部を配置することで、突出部と内ローラとの間に生じる摩擦モーメントを非常に小さくすることができる。その結果、外ローラがローラ溝を転動しようとする方向と、ローラ溝の延びる方向とが確実に一致するようになる。つまり、外ローラとローラ溝との間に滑りの発生を抑制でき、誘起スラスト力を低減できる。
さらに、突出部の個数を2個とすることで、ローラの外径を大きくすることなく、突出部の球体の直径を大きくすることができる。ここで、球体は、直径が大きいほど、受けることができる面圧が高くなる。つまり、突出部の球体の直径を大きくすることにより、球体が受けることができる面圧を高くすることができ、球体自体の耐久性が向上する。
(8)また、突出部は、凹部に圧入されるようにしてもよい。これにより、突出部を軸部本体の凹部に圧入した後には、突出部が凹部から離脱することを抑制できる。従って、等速ジョイントの組み付けが容易となる。
本発明の摺動式トリポード形等速ジョイントによれば、ローラとトリポード軸部との間に発生する摩擦モーメントを低減することにより、誘起スラスト力を確実に低減できる。
(1)第1実施形態
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。ここで、本実施形態の摺動式トリポード型等速ジョイント(以下、単に「等速ジョイント」と称する。)は、車両の動力伝達シャフトの連結に用いる場合を例に挙げて説明する。例えば、ディファレンシャルギヤに連結された軸部とドライブシャフトなどのシャフトとの連結部位に用いる場合である。
第1実施形態の等速ジョイント1について、図1および図2を参照して説明する。図1は、等速ジョイント1の径方向断面図を示す。図2は、図1におけるトリポード軸部22および内ローラ32のA−A断面図を示す。
この等速ジョイント1は、図1に示すように、ディファレンシャルギヤ(図示せず)に連結される外輪10と、シャフト(図示せず)に連結されるトリポード20と、外輪10とトリポード20との間に介在するローラ30とから構成される。
外輪10は、筒状(例えば、有底筒状)に形成されており、一端側がディファレンシャルギヤに連結されている。そして、外輪10の筒状部分の内周面には、外輪回転軸方向(図1の前後方向)に延びるローラ溝11が、外輪回転軸の周方向に等間隔に3本形成されている。
トリポード20は、外輪10の筒状部分の内側に配置されている。このトリポード20は、ボス部21と、3本のトリポード軸部22とを備える。ボス部21は、円筒状からなり、内周側には内周スプライン21aが形成されている。この内周スプライン21aは、ドライブシャフト(図示せず)の端部の外周スプラインに嵌合連結される。
それぞれのトリポード軸部22は、ボス部21の外周側に、シャフトの軸心(トリポード20の軸心)の径方向外側に向かって延在するように、且つ、ボス部21の周方向に等間隔(120度間隔)に形成されている。それぞれのトリポード軸部22の先端部は、外輪10のそれぞれのローラ溝11内に挿入されている。
このトリポード軸部22は、軸部本体221と、複数の突出部222とから構成される。軸部本体221は、円柱状からなり、基端部がボス部21に一体に形成されている。この軸部本体221の外周面には、図2に示すように、周方向に向かって断続的に複数の凹部221aが形成されている。本実施形態においては、凹部221aは、2個からなり、一方の凹部221aは、他方の凹部221aの裏面側に形成されている。より詳細には、凹部221aは、軸部本体221の外周面のうちシャフトの軸心直交方向の両端部に形成されている。そして、この凹部221aは、球面凹状に形成されている。具体的には、凹部221aは、同径の半球体をほぼ完全に収容できる形状からなる。
複数の突出部222は、球体からなり、軸部本体221と別体に形成されている。この球体からなる突出部222は、軸部本体221に形成される凹部221aに倣う形状からなる。つまり、突出部222の半径は、凹部221aの曲率半径とほぼ同等である。そして、複数の突出部222は、それぞれの凹部221aに嵌挿されている。従って、突出部222は、軸部本体221の外周面から軸部本体221の柱直交方向外側に放射状に突出している。ここで、突出部222の半径は、後述する内ローラ32の内径以下の曲率半径からなる。従って、突出部222が凹部221aに嵌挿された状態において、軸部本体221の外周面から突出している突出部222の突出端部は、後述する内ローラ32の内径以下の曲率半径の球面突状からなる。ここで、この球体からなる突出部222は、例えば、SUJ2などの軸受鋼により形成される。従って、突出部222は、非常に高い硬度を有する。
ローラ30は、全体形状としては、環状からなる。このローラ30は、トリポード軸部22の外周側に配置されている。さらに、ローラ30は、トリポード軸部22に対してシャフトの径方向(トリポード軸部22の軸心方向)に摺動可能に支持されている。また、ローラ30は、トリポード軸部22に対して揺動可能に支持されている。このローラ30は、外ローラ31と、内ローラ32と、ニードルローラ33と、止め輪34、35とから構成される。
外ローラ31は、円筒状に形成されている。この外ローラ31の外周面は、ローラ溝11に倣った形状からなる。そして、外ローラ31は、その軸心とローラ溝11の延伸方向とが直交するようにローラ溝11に嵌挿されている。また、外ローラ31の内周面は、外ローラ31の軸心方向に亘って、ほぼ同径に形成されている。ただし、外ローラ31の内周面の両端開口側には、全周に亘って止め輪溝31a、31bが形成されている。
内ローラ32は、円筒状に形成されている。この内ローラ32の外周面は、ローラ軸心方向全体に亘って、同径に、且つ、外ローラ31の内径よりも小さな外径に形成されている。そして、内ローラ32は、外ローラ31の径方向内側に離隔して配置されている。この内ローラ32と外ローラ31との隙間には、全周に亘って、複数のニードルローラ33が配置されている。そして、このニードルローラ33を介することで、内ローラ32は、外ローラ31に対して相対回転可能とされている。さらに、内ローラ32は、外ローラ31に対して、径方向内側に同軸的に配置されている。
また、内ローラ32の内周面は、ローラ軸心方向全体に亘って、同径に形成されている。この内ローラ32の内径は、軸部本体221の凹部221aに突出部222が嵌挿された状態において、複数の突出部222の外接円の径に一致している。つまり、内ローラ32の内周面は、突出部222の端部に当接している。なお、当然であるが、内ローラ32の内径は、軸部本体221の直径(外接円)よりも大きい。
止め輪34、35は、切り込み部分が形成されたC字型状からなる。つまり、止め輪34、35は、縮径可能な形状からなる。これらの止め輪34、35は、外ローラ31の止め輪溝31a、31bにそれぞれ嵌め込まれる。そして、止め輪34、35は、内ローラ32およびニードルローラ33に対して、ローラ30の軸心方向に係合するようにされている。つまり、止め輪34、35は、内ローラ32およびニードルローラ33が外ローラ31から離脱しないようにするための部材である。
以上のような構成からなる等速ジョイント1の動作について説明する。内ローラ32は、円筒状からなり、この内周面は、突出部222に当接している。従って、ジョイント角が0度でない場合に、内ローラ32がトリポード軸部22に対して揺動することができる。つまり、ローラ30全体としても、トリポード軸部22に対して揺動することができる。
さらに、上述したように、トリポード軸部22の突出部222は、球体からなり、内ローラ32は、円筒状からなる。従って、等速ジョイント1が回転していない状態において、内ローラ32とトリポード軸部22とは、2個の突出部222の端点にて二点接触している。そして、等速ジョイント1が回転する際には、内ローラ32とトリポード軸部22との接触範囲は、一方の突出部222の端部の楕円状となる。この楕円状の長径は、最大で突出部222の半周分となる。この接触範囲の楕円状の長径は、従来の等速ジョイントにおける接触範囲の楕円状の長径より短くなる。従って、本実施形態の等速ジョイント1における当該接触範囲は、従来の等速ジョイントにおける当該接触範囲に比べて狭くなる。
このように、当該接触範囲を狭くすることにより、内ローラ32とトリポード軸部22との間に作用する摩擦モーメントが小さくなる。つまり、ローラ30がトリポード軸部22に連れて移動するための力が低減する。これにより、外ローラ31がローラ溝11を転動しようとする方向と、ローラ溝11の延びる方向とが一致するようにできる。その結果、確実に誘起スラスト力が低減される。
さらに、突出部222は、非常に高い硬度の軸受鋼からなる。つまり、トリポード軸部22のうち内ローラ32と当接する突出部222の硬度を高くすることで、トリポード軸部22の耐久性を高めることができる。また、トリポード軸部22を軸部本体221と複数の突出部222とに分割することで、部品点数が増加するが、軸部本体221の形状が加工の容易な形状となることにより、結果として低コスト化を図ることができる。さらに、軸部本体221の凹部221aが突出部222の球体に倣う球面凹状とすることで、凹部221aが突出部222から受ける面圧を低減できる。
また、突出部222は、軸部本体221の外周面のうちシャフトの軸心直交方向の両端部に配置されている。従って、等速ジョイント1が回転する際に、軸部本体221と内ローラ32との間において、突出部222を介して、確実にトルクが伝達される。そして、突出部222は、軸部本体221の外周面のうちシャフトの軸心方向の両端部に配置されていない。このように、トルク伝達に寄与しない部分に配置しないことで、突出部222の個数を低減することができ、結果として低コスト化を図ることができる。また、突出部222の個数を少なくすることにより、ローラ30の外径を大きくすることなく、突出部222の外径を大きくすることができる。ここで、大きな外径の突出部222は、受けることができる面圧が高い。つまり、突出部222の耐久性を向上することができる。
なお、上記において、突出部222は、凹部221aに嵌挿するとした。このとき、突出部222は、凹部221aに圧入されるようにしてもよい。これにより、突出部222を凹部221aに圧入した後には、突出部222が凹部221aから離脱することを抑制できる。従って、等速ジョイント1の組み付けが容易となる。なお、圧入の他に、凹部221aは、種々の係止手段を備えるようにしてもよい。
(2)第1実施形態の変形態様
第1実施形態のトリポード軸部22の変形態様について、図3および図4を参照して説明する。図3は、第1変形態様のトリポード軸部41を示す。図4は、第2変形態様のトリポード軸部42を示す。なお、図3および図4は、何れも、図2に対応する図である。すなわち、図3および図4は、図1のA−A断面図に相当する。
第1変形態様のトリポード軸部41は、軸部本体411と、突出部412とから構成される。軸部本体411は、八角柱からなり、基端部がボス部21に一体に形成されている。この軸部本体411の外周面には、図3に示すように、周方向に向かって断続的に2個の凹部411aが形成されている。この凹部411aは、第1実施形態の凹部221aと同形状からなる。この凹部411aには、球体からなる突出部412が嵌挿されている。この突出部412は、第1実施形態の突出部222と同形状且つ同材質からなる。そして、突出部412は、軸部本体411の外周面から軸部本体411の柱直交方向外側に放射状に突出している。この場合も、上記第1実施形態と同様の効果を奏する。
また、第2変形態様のトリポード軸部42は、軸部本体421と、突出部422とから構成されている。軸部本体421は、円柱状からなり、基端部がボス部21に一体に形成されている。この軸部本体421の外周面には、図4に示すように、周方向に向かって断続的に6個の凹部421aが形成されている。ここでも、凹部421aは、軸部本体421の外周面のうちシャフトの軸心方向の両端部には形成されていない。つまり、図4の右側と左側とに、それぞれ3個ずつの凹部421aが形成されている。この凹部421aの曲率半径は、第1実施形態の凹部221aの曲率半径に比べて僅かに小さい。そして、この凹部421aに、球体からなる突出部422が嵌挿されている。この突出部422は、凹部421aに倣う形状からなる。つまり、突出部422は、第1実施形態の突出部222より僅かに小さな径からなる。そして、突出部422は、軸部本体421の外周面から軸部本体421の柱直交方向外側に放射状に突出している。この場合、第1実施形態と実質的に同様の効果を奏する。
(3)第2実施形態
次に、第2実施形態の等速ジョイント100について、図5および図6を参照して説明する。図5は、等速ジョイント100の径方向断面図を示す。図6は、図5におけるトリポード軸部52および内ローラ32のB−B断面図を示す。ここで、第2実施形態の等速ジョイント100は、第1実施形態の等速ジョイント1に対して、トリポード軸部52のみが相違する。そこで、以下に当該相違箇所のみについて説明する。
トリポード軸部52は、軸部本体521と、2個の突出部522とから構成される。軸部本体521は、円柱状からなり、基端部がボス部21に一体に形成されている。そして、2個の突出部522は、円柱状からなり、その先端部が球面突状に形成されている。この突出部522の外径は、軸部本体521の外径に比べて、非常に小さい。
そして、突出部522は、軸部本体521の外周面に一体に形成されている。具体的には、突出部522が、軸部本体521の外周面から軸部本体521の柱直交方向外側に放射状に突出している。さらに詳細には、突出部522の柱延伸方向が、軸部本体521の外周面のうちシャフトの軸心直交方向に延びるように配置されている。つまり、2個の突出部522は、それぞれ、軸部本体521に対して反対方向に突出している。そして、突出部522の先端が、内ローラ32の内周面に当接している。
以上のような構成からなる等速ジョイント100の動作について説明する。第2実施形態の等速ジョイント100は、第1実施形態の等速ジョイント1と同様に、ローラ30がトリポード軸部52に対して揺動することができる。さらに、内ローラ32とトリポード軸部52との接触範囲についても、第1実施形態における内ローラ32とトリポード軸部22との接触範囲と実質的に同様である。従って、従来に比べて、摩擦モーメントを小さくできることにより、誘起スラスト力を低減できる。また、突出部522を軸部本体521に一体に形成することにより、部品点数の増加を防止できる。
等速ジョイント1の径方向断面図を示す。 図1におけるトリポード軸部22および内ローラ32のA−A断面図を示す。 第1実施形態の第1変形態様のトリポード軸部41を示す。 第1実施形態の第2変形態様のトリポード軸部42を示す。 等速ジョイント100の径方向断面図を示す。 図5におけるトリポード軸部52および内ローラ32のB−B断面図を示す。
符号の説明
1、100:摺動式トリポード型等速ジョイント、
10:外輪、 11:ローラ溝、
20:トリポード、 21:ボス部、 21a:内周スプライン、
22、41、42、52:トリポード軸部、
221、411、421、521:軸部本体、
221a、411a、421a:凹部、
222、412、422、522:突出部、
30:ローラ、 31:外ローラ、 31a、31b:止め輪溝、
32:内ローラ、 33:ニードルローラ、 34、35:止め輪

Claims (8)

  1. 筒状からなり、内周面にその軸心方向に延びる3本のローラ溝が形成された外輪と、
    シャフトに連結されるボス部、および、前記ボス部からそれぞれ前記シャフトの径方向外側に延在しそれぞれの前記ローラ溝に挿入される3本のトリポード軸部を備えるトリポードと、
    環状からなり、前記トリポード軸部に対して揺動可能に支持され、且つ、前記トリポード軸部に対して前記シャフトの径方向に摺動可能に支持されるとともに、前記ローラ溝に転動可能に係合するローラと、
    を備える摺動式トリポード形等速ジョイントであって、
    前記トリポード軸部は、
    柱状からなり、基端部が前記ボス部に一体に形成される軸部本体と、
    前記軸部本体に一体または別体に形成され、前記軸部本体の外周面から前記軸部本体の柱直交方向外側に放射状に突出する複数の突出部と、
    を備え、
    前記ローラは、
    その軸心と前記ローラ溝の延伸方向とが直交するように前記ローラ溝に嵌挿される外ローラと、
    円筒状からなり、前記軸部本体の外接円よりも大きな内径からなり、内周面が前記突出部の端部に当接し、前記外ローラに対して相対回転可能で且つ前記外ローラの径方向内側に同軸的に配置される内ローラと、
    を備えることを特徴とする摺動式トリポード型等速ジョイント。
  2. それぞれの前記突出部の前記端部は、前記内ローラの内径以下の曲率半径の球面突状からなる請求項1に記載の摺動式トリポード形等速ジョイント。
  3. 前記軸部本体の外周面に、周方向に向かって断続的に複数の凹部を形成し、
    複数の前記突出部は、前記軸部本体に別体に形成され、それぞれの前記凹部に嵌挿される請求項1に記載の摺動式トリポード形等速ジョイント。
  4. 前記突出部は、球体からなる請求項3に記載の摺動式トリポード形等速ジョイント。
  5. 前記凹部は、球面凹状からなり、
    前記突出部は、前記球面凹状に倣う球体である請求項4に記載の摺動式トリポード形等速ジョイント。
  6. 前記突出部は、前記軸部本体の外周面のうち前記シャフトの軸心方向の両端部以外の位置に配置される請求項3〜5の何れか一項に記載の摺動式トリポード形等速ジョイント。
  7. 前記突出部は、2個からなり、前記軸部本体の外周面のうち前記シャフトの軸心直交方向の両端部に配置される請求項6に記載の摺動式トリポード形等速ジョイント。
  8. 前記突出部は、前記凹部に圧入される請求項3〜7の何れか一項に記載の摺動式トリポード形等速ジョイント。
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