JP2005036982A - 等速継手 - Google Patents

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チャン ティエン クリスティアン
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Abstract

【課題】所定の構造的強さと寿命とに対してさらに小サイズの等速継手を供給する。
【解決手段】この等速継手は、少なくとも2つのトラニオン(8)と外径DAEの軸とを有する雄要素(4)を具備する。各ホイール(32)は取り付けられて各トラニオン(8)上を回転する。継手はまた雌要素(20)をも具備し、雌要素(20)は各ホイール(32)のために一対の通路(22、24)を有しかつ通路の原円PCDを画成する。軸(12)の外径DAEの、通路原円の直径PCDに対する比率は0.55より大きい。本発明は自動車両の伝動装置の継手に応用できる。
【選択図】図2

Description

本発明は請求項1の前文により規定された等速継手に関する。
これは特に、供給業者GKN Driveline S.A.により販売されている「G1」型継手のような三脚等速継手に適合する。
特許文献1(FR−A−2809145)は、継手のサイズまたは体積を縮小する一方でその構造的強さとその寿命との均衡を得るために、寸法比率に特定の割合を持たせた前記の型の等速継手を記述している。
継手の構造的強さは、静的及び動的応力を受ける際の、継手を構成する要素の機械的強さに関係する。継手の寿命は、通路、ホイール、及びニードルの接触面の、スケーリング(scaling)などの摩耗に耐える能力に関係する。
上に引用した文献によれば、構造的強さに影響するパラメーターは、中でも、軸の直径(ds)、トラニオンの直径、ホイール肉部の厚さ、及びホイールの幅である。寿命に影響するパラメーターは、案内通路の原円(primitive circle)の直径(PCD)、トラニオンの直径、ニードルの長さ、及びニードルの直径である。
文献FR−A−2809145の継手は、軸の直径(ds)の、通路原円の直径(PCD)に対する比率が0.5から0.55の範囲にある。ホイールの幅の、ホイールの外径に対する比率は0.32に等しいか、あるいはこれより小さく、好ましくは0.27から0.24の範囲にある。トラニオンの直径のホイール直径に対する比率は0.54から0.57の範囲にある。
前記文献は、ホイールの幅の、ホイールの外径に対する比率を小さくすることが、継手の直径の縮小に極めて重要に寄与すると述べている。
FR−A−2809145
本発明の目的は、所定の構造的強さと寿命とに対して、さらに小サイズの等速継手を提案することにある。
この目的のため、本発明は請求項1の特徴部分の特徴で特徴づけられた上記タイプの等速継手を提供する。
本発明による等速継手は、
・少なくとも2つのトラニオン(8)と、第1の軸線(X−X)に沿って伸長する外径DAEの軸(12)と、を有する雄要素(4)において、各トラニオン(8)には、第2の軸線(Y−Y)、特に第1の軸線(X−X)に直角な軸線に沿って広がりかつ転がり面直径DSRを持つ転がり面(10)が設けられた雄要素(4)と、
・各トラニオン(8)毎に取り付けられ、第2の軸線(Y−Y)の周りに回転し、前記軸線に沿って自由に滑動する、外径DGEのホイール(32)と、
・各ホイール(32)毎に一対の通路(22、24)を備え、通路の原円を画成する雌要素(20)と、
を備え、継手の第1の比率と呼ばれる、軸(12)の外径DAEの、通路原円の直径PCDに対する割合が0.55より大きいことを特徴とする。
具体的実施形態において、本発明の継手は従属請求項に示される1以上の特徴を含む。
本発明は、単に例として示され、添付図面を参照して作成された以下の記述を読むことで、よりよく理解されよう。
図1及び2に示した2つの継手は幾何学的比率だけが異なっている。そのため、図1及び2の類似の要素には同じ符号がつけられている。
継手2は自動車車両の伝動装置に用いるもので、事実上以下の要素を備えている。
雄要素4、すなわち中心軸線X−X(図面の平面に対して直角)を中心とする三方に対称な三脚。これは、ハブ6と、120°間隔で角度配置された各軸線Y−Yを持つ3つの半径方向のトラニオン8と、を備えている。各トラニオン8のほぼ円筒形の転がり面10の直径DSRは、各トラニオン8の軸線Y−Yを中心とする。雄要素4の小外径DMPは、ハブ6の外径により規定され、トラニオン8の半径方向の長さの2倍である大外径DMGは、その軸線X−Xに沿って測定される。
ハブ6は、ハブ6と軸12とにある相補形のフルーティング(fluting)14、16により第1の回転軸12に固定される。軸12の外径DAEは、軸のフルーティング14の外径により規定される。
トラニオン8と転がり面10とは第1の軸線X―Xに対して取り付けられる。
雌要素20、すなわち中心軸線X'―X'を中心とする三方に対称なチューリップ。軸線X'―X'は継手2が図示の如くその整列位置にあるとき、軸線X−Xと一致する。各トラニオン8の一方の側で、チューリップ20は一対の対面する転がり通路22、24を画成する。雌要素20は第2の回転軸(図示せず)に固定される。チューリップ20は、2対の隣接する通路22、24間に広がる部位23の内側の半径の2倍である小内径DFPと、一対の通路22、24間に位置するアーチ25の内側の半径の2倍である大内径DFGとを規定する。
通路22、24は、各対の通路ごとに点Pを中心とする半径RPの円弧状断面である。通例の如く、通路22、24は、軸線X'―X'を中心とし三つの点Pを通る通路原円を画定する。この円の直径をPCDと呼ぶ。
各トラニオン8に対する機械的伝動部材30。これは軸線Y−Yと一致する回転軸Z−Zのホイール32を備えている。ホイール32は対応する通路22、24の一方或いは他方上を回転するように設計されている。
各ホイール32の外側表面34は球形の一部の形状を成す。外側表面34は直径DGEを有する。ホイール32はさらに、軸線Z―Zを中心とするほぼ円筒形の、直径DGIの内側転がり面36を備えている。ホイールの幅LGは軸線Z―Zに沿って測定される。このようにして、ホイール32はもっぱら第2の軸線Y−Y廻りを、またさらにこの軸線に沿って回転移動ができる。
さらに、伝動部材30のローラーニードル38の環は、ホイール32の転がり面36上でもトラニオン8の転がり面10上でも回転する。ニードル38の環は軸方向に止め環(リテーニング リング)40と、トラニオン8の端部に形成された溝44にスナップ留めされる割り環42とによりトラニオン8に保持される。ニードル38は長さLAを有する。
継手のサイズと寿命とに影響するパラメーターは、実質的にホイール32の幅LGと、通路原円の直径PCDと、ホイールの外径DGEとである。しかしながら、サイズと寿命についてのこれらのパラメーターの各々の影響の大きさは異なる。計算と徹底的なテストとにより意外にも、サイズに関して最も不利なパラメーターは直径PCDであるが、この直径の縮小は比較的僅かな寿命短縮しか招かず、一方上記3つのパラメーターのうち、サイズへの影響が少なく寿命への影響が最も大きいパラメーターは、ホイールの外径DGEであることが分かった。
本発明の継手はこのように、軸の外径DAEの、通路原円の直径PCDに対する0.55より大きい比率を提示する。好ましくは、この比率は0.56より大きく0.59より小さくする。
ホイール32の幅LGの、ホイール外径DGEに対する比率は0.28から0.32の範囲にあり、好ましくは0.30から0.31の範囲にある。
転がり面の直径DSRの、ホイール外径DGEに対する比率は0.53から0.58の範囲にある。
さらに、転がり面の直径DSRの、軸外径DAEに対する比率は0.86より大きく、好ましくは0.86から0.91の範囲にある。これもまた継手に長い寿命を与える。
ニードルの長さLAの、転がり面の直径DSRに対する比率は、有利には少なくとも0.56でかつ0.61より小さくし、好ましくは0.58より小さくする。
さらに、チューリップ20の内側小径DFPの、内側大径DFGに対する比率は0.65から0.68の範囲にあるように選択する。雄要素4の小径DMPの、雄要素の大径DMGに対する比率は、0.55から0.6の範囲、好ましくは0.57から0.58の範囲にあるように選択する。
チューリップの小内径DFPの、軸外径DAEに対する比率は、1.83から1.92の範囲にある。このように、この比率は大きく、チューリップと雄要素との不整列/滑動の図形に大きな値域を生む。言い換えれば継手は、雄要素4と雌要素20間の一定の相対的変位に対する大きなベンド角を可能とする。
加えて、ホイールの外径DGEはホイールの外側の半径RGEの2倍である。
ホイール32の外側半径RGEの、通路22、24の半径RPに対する比率は1より小さく、好ましくは0.997より小さく、特に0.93より小さい。この比率は表面34と通路22、24との軸方向端部での高い接触圧を回避し、また弱い軸方向反力しか発生させず、弱い振動しか招かない。
図2では、鎖線2'で図1の継手の外側を表している。本発明の継手は嵩が小さいことが理解されるだろう。
上に指定した比率を用いることにより、継手は所定の構造的強さと寿命とに対してもっとコンパクトになる。加えて、本発明の継手は動作中僅かの振動と僅かなノイズしか発生させない。
先行技術による等速継手の断面図である。 図1の等速継手と類似の図における、本発明の等速継手の図である。
符号の説明
2 継手
2' 図1の継手の外側
4 雄要素
6 ハブ
8 トラニオン
10 トラニオンの転がり面
12 軸
14、16 相補的フルーティング
22、24 通路
23 通路間部位
25 アーチ
30 伝動部材
32 ホイール
34 ホイールの外側表面
36 ホイールの内側転がり面
38 ニードル
40 止め環
42 割り環
44 溝
DGE ホイール外径
DGI 内側転がり面直径
DSR 雄要素転がり面直径
RP 通路半径
RGE ホイールの外側半径
LA ニードルの長さ
LG ホイールの幅
DMP 雄要素小外径
DAE 軸外径
PCD 通路原円直径
DFP チューリップの小内径
DMG 雄要素大外径
DFG チューリップの大内径

Claims (15)

  1. 等速継手において、
    ・少なくとも2つのトラニオン(8)と、第1の軸線(X−X)に沿って伸長する外径DAEの軸(12)と、を有する雄要素(4)であって、各トラニオン(8)には、第2の軸線(Y−Y)、特に第1の軸線(X−X)と直角な軸線に沿って広がりかつ転がり面直径DSRを持つ転がり面(10)が設けられた雄要素(4)と、
    ・各トラニオン(8)毎に取り付けられ、第2の軸線(Y−Y)の周りに回転し、前記軸線に沿って自由に滑動する、外径DGEのホイール(32)と、
    ・各ホイール(32)毎に一対の通路(22、24)を備え、通路の原円を画成する雌要素(20)と、
    を備え、継手の第1の比率と呼ばれる、軸(12)の外径DAEの、通路原円の直径PCDに対する比率が0.55より大きいことを特徴とする等速継手。
  2. 請求項1に記載の等速継手において、前記第1の比率は0.56より大きいことを特徴とする等速継手。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の等速継手において、前記第1の比率は0.59より小さいことを特徴とする等速継手。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の等速継手において、ホイール(32)の軸方向の幅LGはホイールの軸線(Z−Z)に沿って測定され、継手の第2の比率と呼ばれる、軸方向の幅(LG)の、ホイール(32)の外径DGEに対する比率は0.28から0.32の範囲にあることを特徴とする等速継手。
  5. 請求項4に記載の等速継手において、前記第2の比率は0.30から0.31の範囲にあることを特徴とする等速継手。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の等速継手において、継手の第3の比率と呼ばれる、転がり面(10)の直径DSRの、ホイール(32)の外径DGEに対する比率は0.53から0.58の範囲にあることを特徴とする等速継手。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の等速継手において、継手の第4の比率と呼ばれる、転がり面(10)の直径DSRの、軸の外径DAEに対する比率は0.86より大きく、また好ましくは0.86から0.91の範囲にあることを特徴とする等速継手。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の等速継手において、各転がり面(10)と各ホイール(32)との間にはニードル(38)が配置され、継手の第5の比率と呼ばれる、ニードル(38)の長さLAの、転がり面(10)の直径DSRに対する比率は少なくとも0.56でありかつ0.61より小さく、好ましくは0.58より小さいことを特徴とする等速継手。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の等速継手において、ホイール(10)は外側半径RGEを有し、各通路(22、24)は半径RPの断面を有し、また、継手の第6の比率と呼ばれる、ホイールの外側半径RGEの、断面の半径RPに対する比率は1より小さく、好ましくは0.997より小さく、特に0.93より小さいことを特徴とする等速継手。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の等速継手において、雌要素(20)は、2つの隣接する通路対(22、24)の間に広がる部位(23)の内側の半径の2倍である小内径DFPを規定し、継手の第7の比率と呼ばれる、直径DFPの、軸の外径DAEに対する比率は1.83から1.92の範囲にあることを特徴とする等速継手。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の等速継手において、ホイール(32)はもっぱら第2の軸線(Y−Y)の周りを前記軸線に沿って回転移動できることを特徴とする等速継手。
  12. 請求項11に記載の等速継手において、ホイール(32)はほぼ円筒形の内側表面(36)を含み、トラニオン(8)の転がり面(10)はほぼ円筒形の表面であることを特徴とする等速継手。
  13. 請求項12に記載の等速継手において、ニードル(38)はホイール(32)の転がり面(36)上でもトラニオン(8)の転がり面(10)上でも回転することを特徴とする等速継手。
  14. 請求項1乃至13のいずれか1項に記載の等速継手において、トラニオン(8)と転がり面(10)とは第1の軸線(X−X)に対して固定されることを特徴とする等速継手。
  15. 前記請求項に記載の等速継手において、継手は三脚継手であることを特徴とする等速継手。
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