JP2009257392A - 動力伝達シャフト - Google Patents

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和之 市川
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Abstract

【課題】高トルク領域での捩り剛性を高くし且つ低トルク領域での捩り剛性を低くすることが可能であって、部品点数を少なく且つ簡易である新規な構成の動力伝達シャフトを提供する。
【解決手段】動力伝達シャフトを、内周面に径方向の凸部または凹部が形成された中空の筒部41を有する第一シャフト11と、第一シャフト11の筒部41内に回転軸を共有して同軸配置され、第一シャフト11とのトルク伝達がない状態で第一シャフト11の凸部または凹部に当接する凹部または凸部を外周面に有する第二シャフト12とにより構成する。第一シャフト11と第二シャフト12との間で伝達されるトルクの増大に伴い、第一シャフト11と第二シャフト12との少なくとも一方が弾性変形することによって、トルク伝達なし状態に比べて広い面積で両シャフト12、12が当接することを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、ドライブシャフトなどの動力伝達シャフトに関するものである。
例えば、特開昭55−87623号公報(特許文献1)には、駆動源のトルクが車輪に伝達された状態で運転者がブレーキペダルを踏んでいるような状態における振動を低減するため、ドライブシャフトなどの動力伝達シャフトに対して、高トルク領域においては十分な強度(すなわち、高い捩り剛性)を有するとともに、低トルク領域においては低い捩り弾性(すなわち、低い捩り剛性)を有することが有効であると記載されている(特許文献1の図7参照)。ここで、捩り剛性とは、動力伝達シャフトの一端と他端の捩れ角の変化量に対する、動力伝達シャフトの一端から他端との間の伝達トルクの変化量である。
そして、上記を達成するために、特許文献1に記載の動力伝達シャフトは、高い捩り弾性を有する第一伝動要素としての中実軸部材と、低い捩り弾性を有する第二伝動要素としての中空軸部材とを有するようにしている。
特開昭55−87623号公報
しかし、特許文献1に記載の動力伝達シャフトは、部品点数が多く、非常に複雑な構成であるため製造コストが高くなるという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、高トルク領域での捩り剛性を高くし且つ低トルク領域での捩り剛性を低くすることが可能であって、部品点数を少なく且つ簡易である新規な構成の動力伝達シャフトを提供することを目的とする。
課題を解決するための各手段について、以下に記載する。
(手段1)手段1の動力伝達シャフトは、
内周面に径方向の凸部または凹部が形成された中空の筒部を有する第一シャフトと、
前記第一シャフトの筒部内に回転軸を共有して同軸配置され、前記第一シャフトとのトルク伝達がない状態で前記第一シャフトの凸部または凹部に当接する凹部または凸部を外周面に有する第二シャフトと、
を備え、
前記第一シャフトと前記第二シャフトとの間で伝達されるトルクの増大に伴い、前記第一シャフトと前記第二シャフトとの少なくとも一方が弾性変形することによって両シャフトが相対回転することで、前記トルク伝達なし状態に比べて広い面積で両シャフトが当接することを特徴とする。
ここで、第一シャフトの凹部とは、回転軸を中心とする円(第一シャフトの内周面の内接円より大きく且つ外接円より小さな円)に対して、周辺部よりも径方向外側に位置している部分を意味する。すなわち、第一シャフトの凹部とは、筒部の内周面における周辺部に比べて回転軸からの距離が大きな部位およびその周辺を意味する。第一シャフトの凸部とは、回転軸を中心とする円(第一シャフトの内周面の内接円より大きく且つ外接円より小さな円)に対して、周辺部よりも径方向内側に位置している部分を意味する。すなわち、第一シャフトの凸部とは、筒部の内周面における周辺部に比べて回転軸からの距離が小さな部位およびその周辺を意味する。
また、第二シャフトの凹部とは、回転軸を中心とする円(第二シャフトの外周面の内接円より大きく且つ外接円より小さな円)に対して、周辺部よりも径方向内側に位置している部分を意味する。すなわち、第二シャフトの凹部とは、外周面における周辺部に比べて回転軸からの距離が小さな部位およびその周辺を意味する。第二シャフトの凸部とは、回転軸を中心とする円(第二シャフトの外周面の内接円より大きく且つ外接円より小さな円)に対して、周辺部よりも径方向外側に位置している部分を意味する。すなわち、第二シャフトの凸部とは、外周面における周辺部に比べて回転軸からの距離が大きな部位およびその周辺を意味する。
例えば、第一シャフトの筒部の内周面が径方向に直交する平面により形成されている場合、筒部の内周面が多角形断面の場合には、第一シャフトの凸部が当接部となる。また、第二シャフトの外周面が径方向に直交する平面により形成されている場合、外周面が正多角形断面の場合には、第二シャフトの凹部が当接部となる。
手段1によれば、両シャフト間で伝達されるトルクの増大に伴い、第一シャフトと第二シャフトの少なくとも一方が弾性変形することによって、両シャフトの当接部の接触面積が広くなっていく。ここで、シャフトが弾性変形することによって、シャフトには弾性力が作用する。そして、両シャフト間で伝達できるトルクは、弾性力の大きさが大きくなればなるほど大きくなる関係にある。つまり、シャフトが弾性変形することによって、接触面積が広くなっていくことで、シャフトに作用する弾性力を徐々に大きくすることが可能となる。従って、動力伝達シャフトを上記のような第一シャフトと第二シャフトとにより構成することで、動力伝達シャフトの捩り剛性を徐々に高くすることが可能となる。
なお、第一シャフトの筒部の内周面が凸部または凹部を有し、且つ、第二シャフトの外周面が凹部または凸部を有する構成とすることで、両シャフトが周方向で必ず係合し合うことになる。つまり、第一シャフトと第二シャフトとが相対回転し続けることなく、確実にトルク伝達し得る形状をなしている。さらに、手段1における動力伝達シャフトは第一シャフトと第二シャフトのみにより構成される。つまり、従来に比べて、部品点数は少なく、且つ、非常に簡易な構成である。
(手段2)手段1の動力伝達シャフトにおいて、
前記第一シャフトの内周面と前記第二シャフトの外周面のそれぞれには、両シャフト間で伝達されるトルクが所定値以上になった際に隙間なく当接する高トルク用当接面を備え、
前記トルクが所定値以上の場合に、前記第一シャフトの前記高トルク用当接面と前記第二シャフトの前記高トルク用当接面とが互いに面接触することにより前記第一シャフトと前記第二シャフトの間でトルクを伝達するとよい。
つまり、両シャフトの高トルク用当接面は、隙間なく当接しているため、第一シャフトと第二シャフトとの間における捩り剛性が高くなる。そして、本手段における動力伝達シャフトは、両シャフト間で伝達されるトルクが所定値以上になった際に、高い捩り剛性を発揮する。つまり、動力伝達シャフトは、高トルク領域において高い捩り剛性を発揮し、低トルク領域において低い捩り剛性を発揮するようにできる。
(手段3)手段2の動力伝達シャフトにおいて、前記高トルク用当接面の少なくとも一部は、前記トルク伝達なし状態において両シャフトが当接する低トルク用当接部と異なる部位に位置するとよい。
手段3によれば、高トルク領域と低トルク領域のそれぞれにおいて、両シャフトの当接位置が異なる。従って、高トルク領域と低トルク領域において発揮すべき捩り剛性を確実に発揮できる。
(手段4)手段2または3の動力伝達シャフトにおいて、前記高トルク用当接面の少なくとも一部は、両シャフト間で伝達されるトルクが前記所定値未満において当接しないようにするとよい。
手段4によれば、両シャフトの高トルク用当接面は、低トルク領域(トルクが所定値未満の領域)において当接しない。従って、低トルク領域において、高トルク用当接面は捩り剛性に寄与しない。つまり、低トルク領域において、低トルク用当接部によって確実に低い捩り剛性を発揮できる。
(手段5)手段2〜4の何れかの動力伝達シャフトにおいて、各前記シャフトにおけるそれぞれの前記高トルク用当接面は、他の前記高トルク用当接面の平行面に対して傾斜するように形成されているとよい。
仮に、二つの高トルク用当接面が平行である場合には、二つの高トルク用当接面によるなす角度、すなわち、くさび角が、0°となる。くさび角が0°となる二つの高トルク用当接面が接触している状態において、元に戻るためには大きな力が必要となる。つまり、くさび角が0°の場合には、一旦、両シャフトの高トルク用当接面同士が当接した状態になると、当該高トルク用当接面が離間できないおそれがある。
そこで、本手段は、それぞれの高トルク用当接面が、他の高トルク用当接面の平行面に対して傾斜するように形成している。これにより、二つの高トルク用当接面によるなす角度(くさび角)が0°ではなくなる。従って、一旦、両シャフトの高トルク用当接面同士が当接した状態となったとしても、当該高トルク用当接面が離間することが容易となる。つまり、高トルク用当接面の全てが当接している状態ではなく、低トルク用当接部が当接している基準状態に戻ることが容易になる。例えば、第一シャフトの筒部の内周面および第二シャフトの外周面の軸直交方向断面形状が、正多角形の場合には、奇数角形とすることで、上記を達成できる。
(手段6)手段1〜5の動力伝達シャフトにおいて、両シャフト間で伝達されるトルクが所定値未満において両シャフトが当接する前記第一シャフトの低トルク用当接部と、これに当接する前記第二シャフトの低トルク用当接部の少なくとも一方は、断面円弧状に形成されているとよい。
手段6によれば、低トルク用当接部からその周囲の面に両シャフトの当接位置が移動する場合に、滑らかに移動できる。特に、両シャフトの当接位置が、低トルク用当接部と高トルク用当接面との間で移動する場合に、振動の発生を防止できる。つまり、低トルク領域と高トルク領域との間において、捩り剛性が変化する際に、振動の発生を防止できる。
(手段7)手段1〜6の何れかの動力伝達シャフトにおいて、前記第一シャフトの凸部又は前記第二シャフトの凹部は、前記回転軸の径方向に対して直交する平面状に形成されるようにしてもよい。
手段7によれば、第一シャフトの凸部が当該平面状に形成されている場合には、第二シャフトが第一シャフトの凸部に当接している状態から、第二シャフトが第一シャフトの凸部の周囲に当接する状態へ移動する際に、滑らかになる。一方、第二シャフトの凹部が当該平面状に形成されている場合には、第一シャフトが第二シャフトの凹部に当接している状態から、第一シャフトが第二シャフトの凹部の周囲に当接する状態へ移動する際に、滑らかになる。両シャフトが高トルク用当接面を備える場合には、両シャフトの高トルク用当接面の少なくとも一部が平面状に形成されていることになる。この場合、高い捩り剛性を確実に発揮できる。
(手段8)手段1〜7の何れかの動力伝達シャフトにおいて、前記第一シャフトの凸部または凹部、および、これに対応する前記第二シャフトの凹部または凸部が当接することで、前記第一シャフトと前記第二シャフトとを同軸的に位置決めする。
ここで、第一シャフトと第二シャフトとは、従来一本のシャフトとして機能させていたものである。つまり、第一シャフトの回転軸と第二シャフトの回転軸とは、一致していることが要求される。そこで、手段8によれば、両シャフトの凹凸部の当接により、両シャフトを同軸的に位置決めするようにしている。つまり、両シャフトの凹凸部は、上記手段に記載したように、トルク伝達に寄与する部位であるが、併せて、回転軸位置決め用にも寄与させるようにしている。つまり、別途回転軸位置決め用の専用部材を設ける必要がないため、構造上簡易化を図ることができる。
(手段9)手段1〜8の何れかの動力伝達シャフトにおいて、前記トルク伝達なし状態からの前記第一シャフトと前記第二シャフトとの相対的な位相が大きくなるにつれて、両シャフトの当接部における弾性力が大きくなるように、前記第一シャフトと前記第二シャフトとの少なくとも一方が弾性変形するとよい。
上述したように、両シャフトの当接部における弾性力が大きくなるほど、両シャフト間の捩り剛性が高くなる。従って、当該弾性力が大きくなるほど、両シャフト間の伝達トルクが大きくなる。つまり、低トルク領域において、トルク伝達なし状態から徐々に、両シャフト間で伝達されるトルクを大きくできる。また、両シャフト間にトルクがかかっている状態からトルク伝達なし状態に戻る場合には、弾性力が次第に小さくなるように変化する。従って、両シャフト間でトルク伝達がない状態になると、第一シャフトと第二シャフトとの相対的な位相が基準状態に戻る。
(手段10)手段1〜9の何れかの動力伝達シャフトにおいて、
両シャフト間で伝達されるトルクが所定値未満において前記第二シャフトのうち前記第一シャフトに当接し得る低トルク用当接部は、前記トルク伝達なし状態において前記第一シャフトとの当接位置より前記第二シャフト側に曲率中心を有し且つ前記第一シャフトとの当接位置から前記回転軸までの距離より大きな曲率半径を有する円弧状をなし、
両シャフト間で伝達されるトルクが所定値未満において前記第一シャフトのうち前記第二シャフトに当接し得る低トルク用当接部は、前記トルク伝達なし状態において前記第二シャフトとの当接位置より前記第二シャフト側に曲率中心を有し且つ前記第二シャフトの前記低トルク用当接部の曲率半径より大きな曲率半径を有する円弧状または平面状をなすとよい。
手段10のように、両シャフトの低トルク用当接部の曲率を設定することで、両シャフト間にトルクがかかっている状態からトルク伝達なし状態に戻る場合に、第一シャフトと第二シャフトとの相対的な位相が基準状態に確実に戻る。
(手段11)手段1〜10の何れかの動力伝達シャフトにおいて、前記第一シャフトのうち前記第二シャフトと当接する部分、および、前記第二シャフトのうち前記第一シャフトと当接する部分の少なくとも一方には、摩擦係数を低減する表面処理が施されるとよい。
本発明の動力伝達シャフトは、両シャフト間で伝達されるトルクが変化すると、両シャフトの相対的な位相がずれる。つまり、両シャフト間で滑りが生じる。従って、両シャフトが相対的に回転している状態から基準状態へ戻るためには、両シャフト間における滑り摩擦の影響を受ける。しかし、本手段によれば、摩擦係数を低減する表面処理を施すことで、両シャフト間において、滑り摩擦を小さくできるため、基準状態に確実に且つ容易に戻ることができる。
<第一実施形態>
<車両用ドライブシャフト全体構成>
本発明の動力伝達シャフトについて、車両用ドライブシャフトを例に挙げて、図面を参照しながら説明する。まず、図1を参照して、車両用ドライブシャフトの全体構成について説明する。図1は、車両用ドライブシャフトの全体を示す部分断面図である。
車両用ドライブシャフトは、中間シャフト10と、第一の等速ジョイント20と、第二の等速ジョイント30とから構成される。
中間シャフト10は、回転軸を共有して同軸配置された第一シャフト11と第二シャフト12とから構成されており、第一シャフト11と第二シャフト12と係合部分である軸方向中央にトルク伝達調整部40を備えている。第一シャフト11および第二シャフト12は、中空または中実の棒状部材からなる。第一シャフト11の一端(図1の左端)の外周面にはスプライン13が形成されている。この第一シャフト11の他端(図1の右端)には、トルク伝達調整部40を構成する筒部41が設けられている。また、第二シャフト12の一端(図1の右端)の外周面にはスプライン14が形成されている。この第二シャフト12の他端(図1の左端)には、トルク伝達調整部40を構成する軸部42が設けられている。トルク伝達調整部40の詳細な構成については後述する。
第一の等速ジョイント20は、中間シャフト10の一端(図1の左側)に設けられた摺動式トリポード形等速ジョイントであり、第二の等速ジョイント30は、中間シャフト10の他端(図1の右側)に設けられた固定式ボール形等速ジョイントである。
つまり、中間シャフト10のうち第一シャフト11の一端(図1の左端)に形成された外周スプライン13に、摺動式トリポード形等速ジョイント20のトリポード21に形成された内周スプラインが嵌合している。そして、トリポード21が、外輪22に対して軸方向に相対移動可能となるように、外輪22内に収容されている。
一方、中間シャフト10のうち第二シャフト12の他端(図1の右端)に形成された外周スプライン14に、固定式ボール形等速ジョイント30の内輪31に形成された内周スプラインが嵌合している。そして、内輪31は、ボール32を介して、外輪33の内周面と周方向に係合している。
<トルク伝達力調整部40の詳細構成>
トルク伝達調整部40は、第一シャフト11と第二シャフト12との間で伝達されるトルクを調整するための部材である。このトルク伝達力調整部40の詳細構成について図2〜図4を参照して説明する。図2は、基準状態における、図1のA−A断面図(径方向断面図)である。図3は、第一シャフト11の端部である筒部41の径方向断面図である。図4は、第二シャフト12の端部である軸部42の径方向断面図である。
図2および図3に示すように、第一シャフト11の筒部41は、多角形の軸直角方向断面である内周多角面部60を備える。つまり、筒部41の内周面には、径方向の凸部と凹部とが形成されていることになる。ここで、筒部41の凸部とは、回転軸を中心とする円(第一シャフト11の筒部41の内周面の内接円より大きく且つ外接円より小さな円)に対して、周辺部よりも径方向内側に位置している部分を意味する。筒部41の凹部とは、回転軸を中心とする円(第一シャフト11の筒部41の内周面の内接円より大きく且つ外接円より小さな円)に対して、周辺部よりも径方向外側に位置している部分を意味する。
本実施形態では、内周多角面部60の軸直角方向断面は、ほぼ五角形状に形成している。具体的には、五角形のうち隣り合う二つの角部の中央部分が、当該二つの角部を結ぶ直線に対して径方向内側に突出している。つまり、筒部41の凸部は、当該突出部分に相当し、筒部41の凹部は、角部付近に相当する。なお、ここで言う「五角形」とは、各辺が直線であるものに限らず、曲線や、直線と曲線の混合したものなどを含む意味である。
より具体的には、内周多角面部60は、径方向内側に最も突出する内凸部61と、径方向外側に最も窪んでおり五角形の角部に相当する最窪み部62と、内凸部61と最窪み部62との間に位置し平面状に形成された平面部63とを備える。また、内凸部61は、隣り合う最窪み部62の中間に位置している。換言すると、内周多角面部60の五角形の各面の軸直角方向断面形状は、ほぼ二等辺三角形をなしている。また、内凸部61は、曲率半径Rの円弧凸状に形成されている。そして、内凸部61の境界の接線と平面部63とが同一平面上に位置する。
また、図2および図4に示すように、第二シャフト12の軸部42は、内周多角面部60の角数と同数の多角形の軸直角方向断面であり、内周多角面部60を挿入可能な外周多角面部50を備える。つまり、軸部42の外周面には、径方向の凸部と凹部とが形成されていることになる。ここで、軸部42の凸部とは、回転軸を中心とする円(第二シャフト12の軸部42の外周面の内接円より大きく且つ外接円より小さな円)に対して、周辺部よりも径方向外側に位置している部分を意味する。軸部42の凹部とは、回転軸を中心とする円(第二シャフト12の軸部42の外周面の内接円より大きく且つ外接円より小さな円)に対して、周辺部よりも径方向内側に位置している部分を意味する。
本実施形態では、外周多角面部50の軸直角方向断面は、ほぼ正五角形状に形成している。具体的には、五角形のうち隣り合う二つの角部の間が、平面状に形成されている。つまり、軸部42の凸部は、五角形の角部に相当し、軸部42の凹部は、隣り合う角部の中央付近に相当する。なお、ここで言う「五角形」とは、各辺が直線であるものに限らず、曲線や、直線と曲線の混合したものなどを含む意味である。
そして、内周多角面部60と外周多角面部50とが嵌合している。具体的には、図2に示すように、第一シャフト11と第二シャフト12との間でトルク伝達がない状態において、内周多角面部60の内凸部61と外周多角面部50の平面状部分とが当接した状態で嵌合している。特に、外周多角面部50における回転軸と各辺との距離は、内周多角面部60における回転軸と内凸部61との距離より僅かに大きく設定している。従って、図2の状態において、外周多角面部50と内凸部61とは圧入の状態となる。
そして、図2に示す状態においては、内周多角面部60の平面部63と外周多角面部50の各面との間に隙間70が形成されている。さらに、内周多角面部60のそれぞれの内凸部61と外周多角面部50の各面とが接触することで、第一シャフト11の筒部41と第二シャフト12の軸部42とを同軸的に位置決めしている。この位置決めに際して、専用部材を設けておらず、構造上簡易化を図っている。
<トルク伝達力調整部40の動作>
次に、トルク伝達力調整部40の動作について、図2、図5および図6を参照して説明する。図2は、上述したように、基準状態における、図1のA−A断面図(径方向断面図)である。図5は、第一シャフト11の筒部41と第二シャフト12の軸部42とが基準状態から相対的に回転した状態における、図1のA−A断面図である。図6は、第一シャフト11の端部(図1の左端)と第二シャフト12の端部(図1の右端)との捩れ角に対する、第一シャフト11と第二シャフト12との間で伝達されるトルクの関係を示す図である。
基準状態は、第一シャフト11と第二シャフト12との間でトルク伝達がない状態である。このとき、第一シャフト11の筒部41と第二シャフト12の軸部42の相対的な位相が、図2に示すような所定位相の場合の状態となる。つまり、基準状態は、内周多角面部60の平面部63が外周多角面部50に当接していない状態であり、内凸部61が外周多角面部50に当接している状態である。ここで、基準状態において、内凸部61は、外周多角面部50の外周面のうち回転軸からの距離が最も小さい部分に当接している。従って、基準状態が、最も安定している状態となる。
そして、第一シャフト11と第二シャフト12との間でトルクがかけられた場合には、第一シャフト11の筒部41と第二シャフト12の軸部42とが相対回転する。ここで、基準状態において外周多角面部50のうち内凸部61が当接している部位は、回転軸からの距離が最も小さい部分である。従って、第一シャフト11と第二シャフト12との間でトルクがかけられた場合には、筒部41と軸部42の少なくとも一方が弾性変形しながら、筒部41と軸部42とが相対回転する。
さらに、このとき、第一シャフト11と第二シャフト12との間で伝達されるトルクの増大に伴い、当該弾性変形による弾性力が大きくなる。その結果、基準状態から徐々に筒部41と軸部42との当接面積が広くなっていく。なお、この時点においては、まだ、内凸部61と外周多角面部50の各面とが当接している状態である。
このときの捩れ角に対する伝達トルクの関係は、図6に示すように、捩れ角が0°からθ1に達するまでの間、伝達トルクは緩やかに上昇している。つまり、捩り剛性は、比較的小さい。なお、捩り剛性とは、第一シャフト11の一端(図1の左端)と第二シャフト12の一端(図1の右端)の捩れ角の変化量に対する、第一シャフト11の一端から第二シャフト12の一端との間の伝達トルクの変化量である。すなわち、捩り剛性は、図6における傾きに相当する。ここで、内周多角面部60の内凸部61と、外周多角面部50のうち内凸部61に当接する部分が、本発明における「低トルク用当接面」に相当する。
そして、第一シャフト11と第二シャフト12との間で伝達されるトルクがさらに増大して、当該トルクが所定値以上になった際には、図5に示すように、内周多角面部60の平面部63と外周多角面部50の各面とが、隙間なく当接する状態となる。
つまり、外周多角面部50の「平面」と内周多角面部60の「平面」とが接触する状態となる。そして、この接触し合う「平面」は、多角面部を構成する面であるため、両シャフト11、12の回転軸を中心とする円の接線に対して必ず傾きを持つ。従って、当該接触し合う「平面」同士は、両シャフト11、12の周方向に係合し合っている状態となる。
従って、図6に示すように、内凸部61と外周多角面部50の各面との当接による捩り剛性に比べて、平面部63と外周多角面部50の各面との面接触による係合における捩り剛性は、非常に高くなる。ここで、内周多角面部60の平面部63と、外周多角面部50のうち平面部63に当接する部分が、本発明における「高トルク用当接面」に相当する。
このように、低トルク領域、すなわち捩れ角がθ1以下の領域においては、捩り剛性が低く、高トルク領域、捩れ角がθ1より大きい領域においては、捩り剛性が高くなる。そして、本実施形態によれば、第一シャフト11の筒部41と第二シャフト12の軸部42のみにより、トルク伝達力調整部40を構成している。つまり、従来に比べて、部品点数は少なく、且つ、非常に簡易な構成である。
上述したように、トルク伝達なし状態からの第一シャフト11と第二シャフト12との相対的な位相が大きくなるにつれて、第一シャフト11の筒部41と第二シャフト12の軸部42の当接部(内凸部61と外周多角面部50の各面)における弾性力が大きくなる。従って、第一シャフト11と第二シャフト12との間にトルクがかかっていない状態(基準状態)が最も弾性力の小さな安定した状態となる。トルクが伝達されている時、すなわち筒部41と軸部42とが基準状態から相対的に回転している時から、トルク伝達がない状態になると、最も安定した状態に戻るように動作する。つまり、トルクがかかっていない場合には、確実に、筒部41と軸部42との位置関係は基準状態に戻る。
さらに、第一シャフト11の筒部41の内凸部61は、断面円弧状に形成されている。さらに、内凸部61の境界の接線が平面部63に一致するように形成されている。さらに加えて、軸部42の外周多角面部50の各面が回転軸の径方向に対して直交する平面状に形成されるようにしている。これらにより、内凸部61が外周多角面部50の各面に当接している状態から、平面部63と外周多角面部50の各面とが当接する状態に移動する場合に、非常に滑らかとなる。従って、低トルク領域と高トルク領域との間において、捩り剛性が変化する際に、振動の発生を防止できる。
さらに、筒部41の内周多角面部60の平面部63と外周多角面部50の各面とが当接している状態において、それぞれの当接面は、他の当接面の平行面に対して傾斜するように形成されている。本実施形態においては、外周多角面部50の軸直角方向断面を正五角形としているので、各辺は必ず平行とならない。
仮に、二つの当接面が平行である場合には、二つの当接面によるなす角度、すなわち、くさび角が、0°となる。くさび角が0°となる二つの当接面が接触している状態において、元に戻るためには大きな力が必要となる。つまり、くさび角が0°の場合には、一旦、両シャフトの当接面同士が当接した状態になると、当該当接面が離間できないおそれがある。
そこで、本実施形態のように、それぞれの当接面が、他の当接面の平行面に対して傾斜するように形成することで、二つの当接面によるなす角度(くさび角)が0°ではなくなる。従って、一旦、当接面(平面部63と外周多角面部50の各面)同士が当接した状態となったとしても、当該当接面が離間することが容易となる。つまり、当接面の全てが当接している状態ではなく、基準状態に戻ることが容易になる。
なお、互いに当接する第一シャフト11の筒部41と第二シャフト12の軸部42の当接面の一方もしくは両方には、摩擦係数を低減する表面処理を施すことが望ましい。この表面処理としては、例えばDLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の低摩擦係数を有する薄膜を成膜したり、グリスの保持性を高めるための微細な溝または微細な窪みを多数設けたりすること等が考えられる。これにより、平面部63と外周多角面部50の各面とが接触した状態から、基準状態により確実に戻ることができる。
<第二実施形態>
次に、第二実施形態のトルク伝達調整部140について図7〜図9を参照して説明する。図7は、第二実施形態の基準状態における、図1のA−A断面図(径方向断面図)である。図8は、第一シャフト11の端部である筒部141の径方向断面図である。図9は、第二シャフト12の端部である軸部142の径方向断面図である。
図7および図8に示すように、第一シャフト11の筒部141は、多角形の軸直角方向断面である内周多角面部160を備える。つまり、筒部141の内周面には、径方向の凸部と凹部とが形成されていることになる。ここで、筒部141の凸部とは、回転軸を中心とする円(第一シャフト11の筒部141の内周面の内接円より大きく且つ外接円より小さな円)に対して、周辺部よりも径方向内側に位置している部分を意味する。筒部141の凹部とは、回転軸を中心とする円(第一シャフト11の筒部141の内周面の内接円より大きく且つ外接円より小さな円)に対して、周辺部よりも径方向外側に位置している部分を意味する。
本実施形態では、内周多角面部160の軸直角方向断面は、ほぼ正五角形状に形成している。具体的には、五角形のうち隣り合う二つの角部の間が、平面状に形成されている。つまり、筒部141の凹部は、五角形の角部に想到し、筒部141の凸部は、隣り合う角部の中央付近に想到する。なお、ここで言う「五角形」とは、各辺が直線であるものに限らず、曲線や、直線と曲線の混合したものなどを含む意味である。
また、図7および図9に示すように、第二シャフト12の軸部142は、内周多角面部160の角数と同数の多角形の軸直角方向断面であり、内周多角面部160を挿入可能な外周多角面部150を備える。つまり、軸部142の外周面には、径方向の凸部と凹部とが形成されていることになる。ここで、軸部142の凸部とは、回転軸を中心とする円(第二シャフト12の軸部142の外周面の内接円より大きく且つ外接円より小さな円)に対して、周辺部よりも径方向外側に位置している部分を意味する。軸部142の凹部とは、回転軸を中心とする円(第二シャフト12の軸部142の外周面の内接円より大きく且つ外接円より小さな円)に対して、周辺部よりも径方向内側に位置している部分を意味する。
本実施形態では、外周多角面部150の軸直角方向断面は、ほぼ五角形状に形成されている。具体的には、外周多角面部150は、頂点部151と、中央凸部152と、平面部153とを備える。頂点部151は、五角形の頂点をなし、外接円上に位置する。中央凸部152は、五角形のうち隣り合う二つの頂点部151の中央部分であり、当該二つの頂点部151を結ぶ直線に対して径方向外側に突出している。この中央凸部152は、円弧状に形成されている。円弧状の中央凸部152は、トルク伝達なし状態(図9に示す基準状態)において、第一シャフト11の筒部141との当接位置より第二シャフト側に曲率中心を有し、且つ、第一シャフト11の筒部141との当接位置から回転軸までの距離R0より大きな曲率半径を有する。そして、中央凸部152の一部は、内接円上に位置する。平面部153は、頂点部151と中央凸部152との間に位置し、平面状に形成されている。この平面部153は、中央凸部152の境界の接線と同一平面上に位置する。つまり、筒部141の凸部は、頂点部151に相当し、筒部141の凹部は、中央凸部152付近に相当する。
そして、内周多角面部160と外周多角面部150とが嵌合している。具体的には、図7に示すように、第一シャフト11と第二シャフト12との間でトルク伝達がない状態において、内周多角面部160の平面状部分と外周多角面部150の中央凸部152とが当接した状態で嵌合している。特に、内周多角面部160における回転軸と各辺との距離は、外周多角面部150における回転軸と中央凸部152との距離より僅かに大きく設定している。従って、図7の状態において、内周多角面部160と中央凸部152とは圧入の状態となる。
そして、図7に示す状態においては、内周多角面部160の各面と外周多角面部150の平面部153との間に隙間170が形成されている。さらに、外周多角面部150のそれぞれの中央凸部152と内周多角面部160の各面とが接触することで、第一シャフト11の筒部141と第二シャフト12の軸部142とを同軸的に位置決めしている。この位置決めに際して、専用部材を設けておらず、構造上簡易化を図っている。
次に、トルク伝達力調整部140の動作について、図7、図10および図6を参照して説明する。図7は、上述したように、基準状態における、図1のA−A断面図(径方向断面図)である。図10は、第一シャフト11の筒部141と第二シャフト12の軸部142とが基準状態から相対的に回転した状態における、図1のA−A断面図である。図6は、第一シャフト11の筒部141と第二シャフト12の軸部142とのトルク伝達力を示す図である。
基準状態は、第一シャフト11と第二シャフト12との間でトルク伝達がない状態である。このとき、第一シャフト11の筒部141と第二シャフト12の軸部142の相対的な位相が、図7に示すような所定位相の場合の状態となる。つまり、基準状態は、外周多角面部150の平面部153が内周多角面部160に当接していない状態であり、中央凸部152が内周多角面部160の各面に当接している状態である。ここで、基準状態において、中央凸部152は、内周多角面部160の内周面のうち回転軸からの距離が最も小さい部分に当接している。従って、基準状態が、最も安定している状態となる。
そして、第一シャフト11と第二シャフト12との間でトルクがかけられた場合には、第一シャフト11の筒部141と第二シャフト12の軸部142とが相対回転する。ここで、基準状態において内周多角面部160のうち中央凸部152が当接している部位は、回転軸からの距離が最も小さい部分である。従って、第一シャフト11と第二シャフト12との間でトルクがかけられた場合には、筒部141と軸部142の少なくとも一方が弾性変形しながら、筒部141と軸部142とが相対回転する。
さらに、このとき、第一シャフト11と第二シャフト12との間で伝達されるトルクの増大に伴い、当該弾性変形による弾性力が大きくなる。その結果、基準状態から徐々に筒部141と軸部142との当接面積が広くなっていく。なお、この時点においては、まだ、中央凸部152と内周多角面部160の各面とが当接している状態である。
このときの捩れ角に対する伝達トルクの関係は、図6に示すように、捩れ角が0°からθ1に達するまでの間、伝達トルクは緩やかに上昇している。つまり、捩り剛性は、比較的低い。ここで、外周多角面部150の中央凸部152と、内周多角面部160のうち中央凸部152に当接する部分が、本発明における「低トルク用当接面」に相当する。
そして、第一シャフト11と第二シャフト12との間で伝達されるトルクがさらに増大して、当該トルクが所定値以上になった際には、図10に示すように、外周多角面部150の平面部153と内周多角面部160の各面とが、隙間なく当接する状態となる。
つまり、外周多角面部150の「平面」と内周多角面部160の「平面」とが接触する状態となる。そして、この接触し合う「平面」は、両シャフト11、12の回転軸を中心とする円の接線に対して必ず傾きを持つ。従って、当該接触し合う「平面」同士は、両シャフト11、12の周方向に係合し合っている状態となる。
従って、図6に示すように、外周多角面部150の中央凸部152と内周多角面部160の各面との当接による捩り剛性に比べて、外周多角面部150の平面部153と内周多角面部160の各面との面接触による係合における捩り剛性は、非常に高くなる。ここで、外周多角面部150の平面部153と、内周多角面部160のうち平面部153に当接する部分が、本発明における「高トルク用当接面」に相当する。
このように、低トルク領域、すなわち捩れ角がθ1以下の領域においては、捩り剛性が低く、高トルク領域、捩れ角がθ1より大きい領域においては、捩り剛性が高くなる。そして、本実施形態によれば、第一シャフト11の筒部141と第二シャフト12の軸部142のみにより、トルク伝達力調整部140を構成している。つまり、従来に比べて、部品点数は少なく、且つ、非常に簡易な構成である。
上述したように、トルク伝達なし状態からの第一シャフト11と第二シャフト12との相対的な位相が大きくなるにつれて、第一シャフト11の筒部141と第二シャフト12の軸部142の当接部(中央凸部152と内周多角面部160の各面)における弾性力が大きくなる。従って、第一シャフト11と第二シャフト12との間にトルクがかかっていない状態(基準状態)が最も弾性力が小さな安定した状態となる。トルクが伝達されている時、すなわち筒部141と軸部142とが基準状態から相対的に回転している時から、トルク伝達がない状態になると、最も安定した状態に戻るように動作する。つまり、トルクがかかっていない場合には、確実に、筒部141と軸部142との位置関係は基準状態に戻る。
さらに、両シャフト間で伝達されるトルクが所定値未満において第二シャフト12の軸部142のうち第一シャフト11の筒部141に当接し得る低トルク用当接部(中央凸部)152は、トルク伝達なし状態において第一シャフト11の筒部141との当接位置より第二シャフト11の軸部142側に曲率中心を有し且つ第一シャフト11の筒部141との当接位置から回転軸までの距離R0より大きな曲率半径Rを有する円弧状をなしている。さらに、第一シャフト11の筒部141の内周多角面部160は平面状をなしている。
このように、両シャフト11、12の低トルク用当接部の曲率を設定することで、両シャフト11、12間にトルクがかかっている状態からトルク伝達なし状態に戻る場合に、第一シャフト11と第二シャフト12との相対的な位相が基準状態に確実に戻る。
また、第二実施形態の構成によれば、第一実施形態における他の効果と同様の効果を奏する。
<その他>
上記実施形態においては、第一実施形態においては内周多角面部60が平面部63を備え、第二実施形態においては外周多角面部150が平面部153を備えるようにしたが、この平面部63、153は、平面状に限られるものではない。曲面であっても適用可能である。ただし、高トルク領域におけるトルク伝達力を確保するために、平面であることが望ましい。
また、上記実施形態においては、好ましい態様として、外周多角面部および内周多角面部の軸直角方向断面形状は、奇数角形であるが、偶数角形でも可能である。ただし、くさび角が0°とならないように設定することが望ましい。
また、第二実施形態において、内周多角面部160は、平面状に形成したが、以下のような円弧状に形成してもよい。すなわち、両シャフト11、12間で伝達されるトルクが所定値未満において第二シャフト12の軸部142のうち第一シャフト11の筒部141に当接し得る低トルク用当接部(内周多角面部160の各面)は、トルク伝達なし状態において第一シャフト11の筒部141との当接位置より第二シャフト12の軸部142側に曲率中心を有し、且つ、第一シャフト11の筒部141との当接位置から回転軸までの距離R0より大きな曲率半径を有する円弧状をなす。この場合も、第二実施形態と同様の効果を奏する。すなわち、基準状態へ確実に戻るように動作する。
車両用ドライブシャフトの全体を示す部分断面図である。 第一実施形態の基準状態における、図1のA−A断面図(径方向断面図)である。 第一シャフト11の筒部41の径方向断面図である。 第二シャフト12の軸部42の径方向断面図である。 第一シャフト11の筒部41と第二シャフト12の軸部42とが基準状態から相対的に回転した状態における、図1のA−A断面図である。 第一シャフト11の筒部41と第二シャフト12の軸部42とのトルク伝達力を示す図である。 第二実施形態の基準状態における、図1のA−A断面図(径方向断面図)である。 第一シャフト11の筒部141の径方向断面図である。 第二シャフト12の軸部142の径方向断面図である。 第一シャフト11の筒部141と第二シャフト12の軸部142とが基準状態から相対的に回転した状態における、図1のA−A断面図である。
符号の説明
10:中間シャフト、 11:第一シャフト、 12:第二シャフト
11、12:外周スプライン
20:第一の等速ジョイント、 21:トリポード、 22:外輪
30:第二の等速ジョイント、 31:内輪、 32:ボール、 33:外輪
40:トルク伝達力調整部
41、141:筒部、 42、142:軸部
50、150:外周多角面部、 151:頂点部、 152:中央凸部
153:平面部
60、160:内周多角面部、 61:内凸部、 62:窪み部、 63:平面部
70、170:隙間

Claims (11)

  1. 内周面に径方向の凸部または凹部が形成された中空の筒部を有する第一シャフトと、
    前記第一シャフトの筒部内に回転軸を共有して同軸配置され、前記第一シャフトとのトルク伝達がない状態で前記第一シャフトの凸部または凹部に当接する凹部または凸部を外周面に有する第二シャフトと、
    を備え、
    前記第一シャフトと前記第二シャフトとの間で伝達されるトルクの増大に伴い、前記第一シャフトと前記第二シャフトとの少なくとも一方が弾性変形することによって両シャフトが相対回転することで、前記トルク伝達なし状態に比べて広い面積で両シャフトが当接することを特徴とする動力伝達シャフト。
  2. 前記第一シャフトの内周面と前記第二シャフトの外周面のそれぞれには、両シャフト間で伝達されるトルクが所定値以上になった際に隙間なく当接する高トルク用当接面を備え、
    前記トルクが所定値以上の場合に、前記第一シャフトの前記高トルク用当接面と前記第二シャフトの前記高トルク用当接面とが互いに面接触することにより前記第一シャフトと前記第二シャフトの間でトルクを伝達する請求項1に記載の動力伝達シャフト。
  3. 前記高トルク用当接面の少なくとも一部は、前記トルク伝達なし状態において両シャフトが当接する低トルク用当接部と異なる部位に位置する請求項2に記載の動力伝達シャフト。
  4. 前記高トルク用当接面の少なくとも一部は、両シャフト間で伝達されるトルクが前記所定値未満において当接しない請求項2または3に記載の動力伝達シャフト。
  5. 各前記シャフトにおけるそれぞれの前記高トルク用当接面は、他の前記高トルク用当接面の平行面に対して傾斜するように形成されている請求項2〜4の何れか一項に記載の動力伝達シャフト。
  6. 両シャフト間で伝達されるトルクが所定値未満において両シャフトが当接する前記第一シャフトの低トルク用当接部と、これに当接する前記第二シャフトの低トルク用当接部の少なくとも一方は、断面円弧状に形成されている請求項1〜5の何れか一項に記載の動力伝達シャフト。
  7. 前記第一シャフトの凸部又は前記第二シャフトの凹部は、前記回転軸の径方向に対して直交する平面状に形成されている請求項1〜6の何れか一項に記載の動力伝達シャフト。
  8. 前記第一シャフトの凸部または凹部、および、これに対応する前記第二シャフトの凹部または凸部が当接することで、前記第一シャフトと前記第二シャフトとを同軸的に位置決めする請求項1〜7の何れか一項に記載の動力伝達シャフト。
  9. 前記トルク伝達なし状態からの前記第一シャフトと前記第二シャフトとの相対的な位相が大きくなるにつれて、両シャフトの当接部における弾性力が大きくなるように、前記第一シャフトと前記第二シャフトとの少なくとも一方が弾性変形する請求項1〜8の何れか一項に記載の動力伝達シャフト。
  10. 両シャフト間で伝達されるトルクが所定値未満において前記第二シャフトのうち前記第一シャフトに当接し得る低トルク用当接部は、前記トルク伝達なし状態において前記第一シャフトとの当接位置より前記第二シャフト側に曲率中心を有し且つ前記第一シャフトとの当接位置から前記回転軸までの距離より大きな曲率半径を有する円弧状をなし、
    両シャフト間で伝達されるトルクが所定値未満において前記第一シャフトのうち前記第二シャフトに当接し得る低トルク用当接部は、前記トルク伝達なし状態において前記第二シャフトとの当接位置より前記第二シャフト側に曲率中心を有し且つ前記第二シャフトの前記低トルク用当接部の曲率半径より大きな曲率半径を有する円弧状または平面状をなす請求項1〜9の何れか一項に記載の動力伝達シャフト。
  11. 前記第一シャフトのうち前記第二シャフトと当接する部分、および、前記第二シャフトのうち前記第一シャフトと当接する部分の少なくとも一方には、摩擦係数を低減する表面処理が施された請求項1〜10の何れか一項に記載の動力伝達シャフト。
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