JP4218162B2 - トリポード型等速ジョイント - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車の駆動系内でジョイント角をもって接続される回転軸間に介装され、等速で回転トルクの伝達を行なうトリポード型等速ジョイントに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の駆動系に組み込まれる等速ジョイントの一種として、従来からトリポード型等速ジョイントが広く使用されている。例えば特開昭63−186036号公報や同62−233522号公報等には、図9,図10(図9中のA−A断面図)に示したように、シングルローラ式のトリポード型等速ジョイント(以下、単に等速ジョイントと記す)が記載されている。この等速ジョイント1は、ディファレンシャル装置側のドライブシャフト等である第1回転軸2の軸端に固着される中空筒状のハウジング3と、車輪側のドリブンシャフト等である第2回転軸4の軸端に固着されるトリポード5とを備えている。
【0003】
ハウジング3の内面には、円周方向で等間隔(120゜間隔)に、3箇所の凹部7が形成されている。第2回転軸4に固着されるトリポード5は、第2回転軸4の軸端が嵌入するボス部13と、このボス部13の外周面から円周方向で等間隔(120゜間隔)に立設された円柱形状の3本のトラニオン15とから構成されている。各トラニオン15には、ニードル軸受17を介して、外周に凸球面状の転動面21が形成されたローラ19が回転自在に且つ軸方向に互る若干の変位自在に支持されている。そして、これらローラ19をハウジング3側の凹部7に嵌合させることにより、等速ジョイント1が構成されている。各凹部7を構成するそれぞれ一対ずつのトラック面9は、それぞれ円弧状凹面となっており、各ローラ19は、これら一対のトラック面9の間に、転動および揺動自在に支持される。
【0004】
この等速ジョイント1では、例えば第1回転軸2が回転すると、その回転トルクは、ハウジング3から、ローラ19、ニードル軸受17、トラニオン15を介して、トリポード5のボス部13に伝わり、ボス部13に軸端が固着された第2回転軸4を回転させる。また、第1回転軸2の中心軸線と第2回転軸4の中心軸線とが不一致の場合(第1回転軸2と第2回転軸4との間にジョイント角が存在する場合)には、これら両回転軸2,4の回転に伴って各トラニオン15が、対応する凹部7のトラック面9に対して、図9,図10に示したようにトリポード5のボス部13を中心として揺動する。この際、各トラニオン15に支承されたローラ19は、各凹部7のトラック面9上を転動すると共に、各トラニオン15の軸方向に沿って移動する。これらの動きにより、周知のように、第1,第2回転軸2,4間での等速性が確保される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のトリポード型等速ジョイントには、以下の問題があった。すなわち、シングルローラ式の等速ジョイント1では、ジョイント角が存在する状態で第1,第2回転軸2,4を回転させると、各ローラ19が複雑な運動を行なう。すなわち、この状態で各ローラ19は、対応するトラック面9に沿ってハウジング3の軸方向に対して向きを変えながら移動し、且つトラニオン15の軸方向に沿って摺動する。各ローラ19にこのような複雑な動きをさせると、これら各ローラ19の転動面21と対応するトラック面9との間の相対移動が必ずしも円滑に行なわれず、これら両面間に比較的大きな摩擦抵抗が生じることがある。この場合、図9,図10に示した等速ジョイント1では、1回転毎に比較的大きな3次の軸力変動が発生し、自動車の駆動系等において大きなジョイント角をもって大トルクを伝達する際に、シャダー(shudder)と呼ばれる振動が生起される。
【0006】
このような振動を抑えるものとして、特開平10−238552号公報には、図11に示したように、各トラニオン15の外周面を凸球面状にすると共に、転動面21が凸円弧状断面を有するローラ19をこれらトラニオン15の外周にころ軸受31を介して取り付けたトリポード型等速ジョイントが提案されている。また、特開平11−13779号公報には、図12に示したように、ニードル軸受17を介して各トラニオン15に支承されるローラ19が、内側ローラ23と外側ローラ25とから構成されると共に、外側ローラ25が転接するトラック面9をトラニオン15の中心軸線に対して所定角度θ傾けたものが提案されている。
【0007】
ところが、図11に示したトリポード型等速ジョイントでは、回転トルクが負荷されてローラ19がトラック面9を転動する際に、図13に示したようにローラ19の外側端面27が反アンカ側のガイド11に接触したり、図14に示したようにローラ19の転動面21がトラック面9に接触することがあった。そして、このような場合には、ローラ19の転がり抵抗が当然に大きくなり、軸力低減効果が小さくなると同時に車両の振動低減効果も少なくなる等の問題が生じていた。一方、図12に示したトリポード型等速ジョイントでは、優れた振動低減効果を有する反面、車両の左右ドライブシャフトに装着する場合に凹部7の形状からハウジング3の共用化が行えず、部品点数や組立工数が必然的に多くなることも相俟って、製品コストが高くなる問題があった。
本発明は上記状況に鑑みなされたもので、比較的安価かつ単純な構成を採りながら、シャダー等の振動を効果的に抑制したトリポード型等速ジョイントを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、上記課題を解決するべく、請求項1の発明では、軸方向一端側が開口した中空筒状に形成され、第1の回転軸の軸端に固着されるハウジングと、このハウジングの内面に円周方向で等間隔に形成された3箇所の凹部と、これら各凹部内で互いに対向する部位に前記ハウジングの軸心に沿って延設された一対のトラック面と、前記各凹部内で前記トラック面のハウジング外周側に形成されたガイドと、略凸球面状の外周面を有して前記各凹部内に進入する3本のトラニオンがその外周面に円周方向で等間隔に突設されると共に、第2の回転軸の軸端に固着されるトリポードと、前記各トラニオンの外周面にそれぞれニードル軸受を介して回転かつ摺動自在に外嵌すると共に、それぞれの外周に前記トラック面に対応する転動面が形成された3個のローラとを備えた車両用のトリポード型等速ジョイントであって、前記トラック面が凹円弧断面形状に形成される一方、ローラの転動面が当該トラック面に対応する凸円弧断面形状に形成され、前記ローラを前記ガイドに当接させた状態において、当該ローラの転動面の曲率中心が前記トラック面の曲率中心よりハウジング外周側にオフセットし、かつ、車両装着時の常用ジョイント角度において、前記トラニオンの外周面の曲率中心が前記トラック面の曲率中心よりハウジング中心側にオフセットするように設定したものを提案する。
【0009】
このトリポード型等速ジョイントでの回転力伝達時において、ローラは、トラニオンを支点として中立位置から所定量揺動することで、アンカ側のトラック面およびガイドに押し付けられる一方、反アンカ側のトラック面およびガイドとは所定の間隙を有した状態で転動する。
【0010】
また、請求項2の発明では、軸方向一端側が開口した中空筒状に形成され、第1の回転軸の軸端に固着されるハウジングと、このハウジングの内面に円周方向で等間隔に形成された3箇所の凹部と、これら各凹部内で互いに対向する部位に前記ハウジングの軸心に沿って延設された一対のトラック面と、前記各凹部内で前記トラック面のハウジング外周側に形成されたガイドと、略凸球面状の外周面を有して前記各凹部内に進入する3本のトラニオンがその外周面に円周方向で等間隔に突設されると共に、第2の回転軸の軸端に固着されるトリポードと、前記各トラニオンの外周面にそれぞれニードル軸受を介して回転かつ摺動自在に外嵌すると共に、それぞれの外周に前記トラック面に対応する転動面が形成された3個のローラとを備えた車両用のトリポード型等速ジョイントであって、前記一対のトラック面がハウジング外周側に向かって拡大するテーパ形状をなす一方、前記ローラの転動面が当該トラック面に対応する円錐形状に形成され、当該両トラックの形成するテーパ角をθ1とし、当該ローラの円錐角をθ2としたとき、θ1<θ2となるように設定したものを提案する。
【0011】
このトリポード型等速ジョイントでの回転力伝達時において、ローラは、トラニオンを支点として中立位置から所定量傾斜することで、アンカ側のトラック面およびガイドに押し付けられる一方、反アンカ側のトラック面およびガイドとは所定の間隙を有した状態で転動する。
【0012】
また、請求項3の発明では、請求項1または2の発明において、前記ハウジング外周側のガイドに対峙する前記ローラの外側端面を所定のテーパ角を有する凸円錐形状としたものを提案する。
【0013】
このトリポード型等速ジョイントでの回転力伝達時において、ローラが進行方向に所定の傾き角度で傾いても、ローラの外側端面とガイドとの接触が凸円錐面上となることにより、エッジ接触による転がり抵抗の増大が防止される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1には本発明に係るトリポード型等速ジョイントの第1実施形態を縦断面視により示している。尚、本実施形態の等速ジョイント1を自動車の駆動系に組み込んだ状態で自動車を前進させると、ハウジング3およびトリポード5は図1中で反時計方向に回転する。従って、次述するトラック面9とローラ19との当接において、時計方向前側のトラック面9とローラ19の転動面21とが、互いに当接して回転トルクを伝達するアンカ側となる。これに対して、時計方向後側のトラック面9とローラ19の転動面21とが互いに離隔する反アンカ側となる。
【0015】
この等速ジョイント1は、ディファレンシャル装置側のドライブシャフト等である第1回転軸(図示せず)の軸端に固着される中空筒状のハウジング3と、車輪側のドリブンシャフト等である第2回転軸(図示せず)の軸端に固着されるトリポード5とを備えている。ハウジング3の内面には、円周方向で等間隔(120゜間隔)に3箇所の凹部7が形成されている。各凹部7内には、それぞれ一対の凹円弧状断面形状のトラック面9が対向して設けられている。また、両トラック面9のハウジング外周側には、トラック面9に連続するかたちでガイド11がそれぞれ形成されている。
【0016】
一方、トリポード5は、第2回転軸の軸端が嵌入するボス部13と、このボス部13の外周面から円周方向で等間隔(120゜間隔)に立設された略凸球面状の外周面を有する3本のトラニオン15とから構成されている。各トラニオン15の外周面には、ローラ19が、ニードル軸受17を介して回転かつ軸方向に所定量の変位自在に嵌合し、ニードル軸受17と一体にトラニオン15に対して所定量揺動可能となっている。また、ローラ19の転動面21は、トラック面9に対応する凸円弧状断面形状に形成されている。
【0017】
第1実施形態では、図2に示したように、ローラ19をガイド11に当接させた状態において、ローラ19の転動面21の曲率中心Orがトラック面9の曲率中心Otsよりハウジング外周側に所定量αをもってオフセットし、かつ、車両装着時の常用ジョイント角度において、トラニオン15の外周面の曲率中心Otrが前記トラック面9の曲率中心Otsよりハウジング3の中心側に所定量βをもってオフセットするように設定されている。
【0018】
以下、第1実施形態の作用を述べる。
自動車を前進させると、前述したように、ハウジング3およびトリポード5は、図1で反時計方向に回転する。すると、ローラ19は、図3に示したように、その外周面がトラック面9に密着すると共に、同図中に矢印で示したように負荷を受ける。この際、ローラ19には、図4に示したように、その転動面21の曲率中心Orよりハウジング3の中心側に曲率中心Otrを有するトラニオン15の外周面とその曲率中心Otsが転動面21の曲率中心Orに略一致したトラック面9とに挟まれることにより、ハウジング3の外周側に移動させる力が作用する。その結果、ローラ19は、その外側端面27がハウジング3のガイド11に押し付けられて転がり方向が安定すると同時に、反アンカ側においてはガイド11およびトラック面9との接触が防止される。尚、本実施形態では、ローラ19の外周面の曲率半径をR1、トラック面9の曲率半径をR2、ローラ19の外径をDとしたとき、R1≒R2かつD≦(2×R1)となるようにしたが、同様の効果を得ることができれは、このような寸法関係を満たす必要はない。
【0019】
これにより、本実施形態では、ローラ19は、アンカ側でガイド11に案内されてトラック面9上を安定して転動することになり、従来装置のような大きな転がり抵抗を受けることがなくなる。また、ニードル軸受17の内周面がトラニオン15の略凸球面状の外周面に外嵌しているため、ジョイント角度が付された状態においても、トラニオン15とローラ19との軸方向相対変位が円滑に行われる他、トリポード5の偏芯運動もニードル軸受17とトラニオン15との嵌合面で吸収される。
【0020】
図5には本発明に係るトリポード型等速ジョイントの第2実施形態を縦断面視により示している。尚、本実施形態の等速ジョイント1を自動車の駆動系に組み込んだ状態で自動車を前進させると、ハウジング3およびトリポード5は、第1実施形態と同様に図5中で反時計方向に回転する。従って、時計方向前側のトラック面9とローラ19の転動面21とが互いに当接して回転トルクを伝達するアンカ側となり、時計方向後側のトラック面9とローラ19の転動面21とが互いに離隔する反アンカ側となる。
【0021】
この等速ジョイント1は、ディファレンシャル装置側のドライブシャフト等である第1回転軸(図示せず)の軸端に固着される中空筒状のハウジング3と、車輪側のドリブンシャフト等である第2回転軸(図示せず)の軸端に固着されるトリポード5とを備えている。ハウジング3の内面には、円周方向で等間隔(120゜間隔)に3箇所の凹部7が形成されている。各凹部7内には、ハウジング外周側に向かって拡大するテーパ形状をなす一対のトラック面9が対向して設けられている。また、両トラック面9のハウジング外周側には、トラック面9に連続するかたちでガイド11がそれぞれ形成されている。
【0022】
一方、トリポード5は、第2回転軸の軸端が嵌入するボス部13と、このボス部13の外周面から円周方向で等間隔(120゜間隔)に立設された略凸球面状の外周面を有する3本のトラニオン15とから構成されている。各トラニオン15の外周面には、ローラ19が、ニードル軸受17を介して回転かつ軸方向に所定量の変位自在に嵌合し、ニードル軸受17と一体にトラニオン15に対して所定量揺動可能となっている。また、ローラ19の転動面21は、両トラック面9に対応する円錐形状に形成されている。そして、両トラック9の形成するテーパ角をθ1とし、ローラ19の円錐角をθ2としたとき、θ1<θ2となるように設定されている。
【0023】
以下、第2実施形態の作用を述べる。
自動車を前進させると、前述したように、ハウジング3およびトリポード5は、図5で反時計方向に回転する。すると、両トラック9の形成するテーパ角θ1がローラ19の円錐角θ2より小さく設定されていることから、図6に示したように、ローラ19はトラック面9に密着すると反時計回りに回転することになり、反アンカ側ではトラック面9およびガイド11とローラ19との間に間隙が生じる。
【0024】
これにより、本実施形態では、ローラ19は、アンカ側でガイド11に案内されてトラック面9上を安定して転動することになり、第1実施形態と同様に、従来装置のような大きな転がり抵抗を受けることがなくなる。また、ニードル軸受17の内周面がトラニオン15の略凸球面状の外周面に外嵌しているため、ジョイント角度が付された状態においても、トラニオン15とローラ19との軸方向相対変位が円滑に行われる他、トリポード5の偏芯運動もニードル軸受17とトラニオン15との嵌合面で吸収される。
【0025】
図7には本発明に係るトリポード型等速ジョイントの第3実施形態を要部拡大縦断面視により示してある。本実施形態の全体構成は前述した第1実施形態と同一であるが、ローラ19の形状のみ一部異なっている。すなわち、第3実施形態では、ハウジング3のガイド11に対峙するローラ19の外側端面27には、所定のテーパ角γをもった凸円錐面29が形成されている。
【0026】
以下、第3実施形態の作用を述べる。
駆動力の伝達時において、ローラ19は、トラック面9に対して幅方向で隙間を有しているため、図8に示したように進行方向に傾き角λをもって傾きながら転動し、ガイド11に接触することになる。この際、傾き角λが大きいほど、ローラ19の中心からガイド11との接触点Pまでの距離(ガイド長さ)も大きくなる。そして、接触点Pでの押付荷重をF、その際のガイド長さをLとすると、モーメントM1(=F×L)とローラ19の進行方向を変化させるために要するモーメントM2とが釣り合った状態(すなわち、M1=M2)で傾き角λが決定される。
【0027】
そこで、テーパ角γを運転時に傾き角λが最大となる場合にも接触点Pが凸円錐面29上に存在するように設定することで、ガイド11がローラ19のエッジ(転動面21と凸円錐面29との境界)に接触することがなくなり、転がり抵抗の低減により軸力を小さくすることが可能となる。尚、ローラ19の外側端面27が平面である場合、ローラ19の転動方向が進行方向に僅かでも傾くと、ガイド11がローラ19のエッジに接触することになり、ローラ19の転がり抵抗と軸力との増大が避けられなくなる。
【0028】
以上述べたように、上記各実施形態では、比較的安価かつ単純な構成を採りながら、シャダー等の振動を効果的に抑制することを実現できた。尚、本発明の態様はこれらの実施形態に限られるものではなく、ハウジングやトリポードの具体的形状等についても、本発明の主旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。
【0029】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1のトリポード型等速ジョイントによれば、軸方向一端側が開口した中空筒状に形成され、第1の回転軸の軸端に固着されるハウジングと、このハウジングの内面に円周方向で等間隔に形成された3箇所の凹部と、これら各凹部内で互いに対向する部位に前記ハウジングの軸心に沿って延設された一対のトラック面と、前記各凹部内で前記トラック面のハウジング外周側に形成されたガイドと、略凸球面状の外周面を有して前記各凹部内に進入する3本のトラニオンがその外周面に円周方向で等間隔に突設されると共に、第2の回転軸の軸端に固着されるトリポードと、前記各トラニオンの外周面にそれぞれニードル軸受を介して回転かつ摺動自在に外嵌すると共に、それぞれの外周に前記トラック面に対応する転動面が形成された3個のローラとを備えた車両用のトリポード型等速ジョイントであって、前記トラック面が凹円弧断面形状に形成される一方、ローラの転動面が当該トラック面に対応する凸円弧断面形状に形成され、前記ローラを前記ガイドに当接させた状態において、当該ローラの転動面の曲率中心が前記トラック面の曲率中心よりハウジング外周側にオフセットし、かつ、車両装着時の常用ジョイント角度において、前記トラニオンの外周面の曲率中心が前記トラック面の曲率中心よりハウジング中心側にオフセットするように設定したため、回転力伝達時において、ローラは、トラニオンを支点として中立位置から所定量揺動することで、アンカ側のトラック面およびガイドに押し付けられる一方、反アンカ側のトラック面およびガイドとは所定の間隙を有した状態で転動し、従来装置のような大きな転がり抵抗を受けることがなくなる。
【0030】
また、請求項2のトリポード型等速ジョイントによれば、軸方向一端側が開口した中空筒状に形成され、第1の回転軸の軸端に固着されるハウジングと、このハウジングの内面に円周方向で等間隔に形成された3箇所の凹部と、これら各凹部内で互いに対向する部位に前記ハウジングの軸心に沿って延設された一対のトラック面と、前記各凹部内で前記トラック面のハウジング外周側に形成されたガイドと、略凸球面状の外周面を有して前記各凹部内に進入する3本のトラニオンがその外周面に円周方向で等間隔に突設されると共に、第2の回転軸の軸端に固着されるトリポードと、前記各トラニオンの外周面にそれぞれニードル軸受を介して回転かつ摺動自在に外嵌すると共に、それぞれの外周に前記トラック面に対応する転動面が形成された3個のローラとを備えた車両用のトリポード型等速ジョイントであって、前記一対のトラック面がハウジング外周側に向かって拡大するテーパ形状をなす一方、前記ローラの転動面が当該トラック面に対応する円錐形状に形成され、当該両トラックの形成するテーパ角をθ1とし、当該ローラの円錐角をθ2としたとき、θ1<θ2となるように設定したため、回転力伝達時において、ローラは、トラニオンを支点として中立位置から所定量傾斜することで、アンカ側のトラック面およびガイドに押し付けられる一方、反アンカ側のトラック面およびガイドとは所定の間隙を有した状態で転動し、従来装置のような大きな転がり抵抗を受けることがなくなる。
【0031】
また、請求項2の発明によれば、請求項1または2のトリポード型等速ジョイントにおいて、前記ハウジング外周側のガイドに対峙する前記ローラの外側端面を所定のテーパ角を有する凸円錐形状としたため、回転力伝達時において、ローラが進行方向に所定の傾き角度で傾いても、ローラの外側端面とガイドとの接触が凸円錐面上となることにより、エッジ接触による転がり抵抗の増大が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す縦断面図である。
【図2】第1実施形態の要部拡大図である。
【図3】第1実施形態の作用を示す説明図である。
【図4】第1実施形態の作用を示す説明図である。
【図5】本発明の第2実施形態を示す縦断面図である。
【図6】第2実施形態の作用を示す説明図である。
【図7】本発明の第3実施形態を示す要部拡大縦断面である。
【図8】第3実施形態の作用を示す説明図である。
【図9】従来のトリポード型等速ジョイントの一例を示す斜視図である。
【図10】図9中のA−A断面図である。
【図11】従来の改良型トリポード型等速ジョイントの一例を示す要部縦断面図である。
【図12】従来の改良型トリポード型等速ジョイントの一例を示す縦断面図である。
【図13】図11の改良型トリポード型等速ジョイントの作動状態を示す説明図である。
【図14】図11の改良型トリポード型等速ジョイントの作動状態を示す説明図である。
【符号の説明】
3‥‥ハウジング
5‥‥トリポード
7‥‥凹部
9‥‥トラック面
11‥‥ガイド
15‥‥トラニオン
17‥‥ニードル軸受
21‥‥転動面
27‥‥外側端面
29‥‥凸円錐面
Or‥‥ローラ転動面の曲率中心
Otr‥‥トラニオン外周面の曲率中心
Ots‥‥トラック面の曲率中心
θ1‥‥トラックの形成するテーパ角
θ2‥‥ローラの円錐角
α,β‥‥オフセット量
γ‥‥テーパ角

Claims (3)

  1. 軸方向一端側が開口した中空筒状に形成され、第1の回転軸の軸端に固着されるハウジングと、
    このハウジングの内面に円周方向で等間隔に形成された3箇所の凹部と、
    これら各凹部内で互いに対向する部位に前記ハウジングの軸心に沿って延設された一対のトラック面と、
    前記各凹部内で前記トラック面のハウジング外周側に形成されたガイドと、
    略凸球面状の外周面を有して前記各凹部内に進入する3本のトラニオンがその外周面に円周方向で等間隔に突設されると共に、第2の回転軸の軸端に固着されるトリポードと、
    前記各トラニオンの外周面にそれぞれニードル軸受を介して回転かつ摺動自在に外嵌すると共に、それぞれの外周に前記トラック面に対応する転動面が形成された3個のローラと
    を備えた車両用のトリポード型等速ジョイントであって、
    前記トラック面が凹円弧断面形状に形成される一方、ローラの転動面が当該トラック面に対応する凸円弧断面形状に形成され、
    前記ローラを前記ガイドに当接させた状態において、当該ローラの転動面の曲率中心が前記トラック面の曲率中心よりハウジング外周側にオフセットし、
    かつ、車両装着時の常用ジョイント角度において、前記トラニオンの外周面の曲率中心が前記トラック面の曲率中心よりハウジング中心側にオフセットするように設定したことを特徴とするトリポード型等速ジョイント。
  2. 軸方向一端側が開口した中空筒状に形成され、第1の回転軸の軸端に固着されるハウジングと、
    このハウジングの内面に円周方向で等間隔に形成された3箇所の凹部と、
    これら各凹部内で互いに対向する部位に前記ハウジングの軸心に沿って延設された一対のトラック面と、
    前記各凹部内で前記トラック面のハウジング外周側に形成されたガイドと、
    略凸球面状の外周面を有して前記各凹部内に進入する3本のトラニオンがその外周面に円周方向で等間隔に突設されると共に、第2の回転軸の軸端に固着されるトリポードと、
    前記各トラニオンの外周面にそれぞれニードル軸受を介して回転かつ摺動自在に外嵌すると共に、それぞれの外周に前記トラック面に対応する転動面が形成された3個のローラと
    を備えた車両用のトリポード型等速ジョイントであって、
    前記一対のトラック面がハウジング外周側に向かって拡大するテーパ形状をなす一方、前記ローラの転動面が当該トラック面に対応する円錐形状に形成され、
    当該両トラックの形成するテーパ角をθ1とし、当該ローラの円錐角をθ2としたとき、θ1<θ2となるように設定したことを特徴とするトリポード型等速ジョイント。
  3. 前記ハウジング外周側のガイドに対峙する前記ローラの外側端面を所定のテーパ角を有する凸円錐形状としたことを特徴とする、請求項1または2記載のトリポード型等速ジョイント。
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