JP2014055439A - ホイールローダ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、簡易な操作で良好な掘削作業性を得ることができるホイールローダを提供することにある。
【解決手段】リンク機構は、ブームを上方に回動させるときに、ブームに対する作業具の相対角度を変更する。これにより、作業具の水平方向に対する角度の変化量が、ブームに対する作業具の相対角度を一定としてブームを上方に回動させるときの作業具の水平方向に対する角度の変化量よりも小さくなる。制御部は、自動チルト制御を実行する。自動チルト制御において制御部は、掘削中に、ブームを水平方向よりも低い角度範囲で上方に回動させるときに、作業具を上方に回動させる。
【選択図】図9

Description

本発明は、ホイールローダに関する。
ホイールローダは、車体と、車体に取り付けられた作業機とを備えている。作業機は、ブームと、作業具とを有する。ブームは、車体に回動可能に取り付けられる。作業具は、例えばバケットやフォーク等であり、ブームの先端部に取り付けられる。
特許文献1に開示されているように、作業機は、平行リンク機構やZバーリンク機構などのリンク機構を備えている。リンク機構は、ブームと作業具とを連結しており、ブームの動作に連動して作業具を動作させる機構である。Zバーリンク機構を搭載したホイールローダでは、ブームが上方へ回動すると、作業具の水平方向に対する角度が変化する。しかし、例えばバケットに荷物を積んだ状態でバケットを高く持ち上げるときには、バケットの角度を水平に維持することが好ましい。
そこで、平行リンク機構は、ブームが上方へ回動すると、バケットの角度が水平に維持されるように、バケットのブームに対する相対角度を変更する。また、上述した平行リンク機構の他にも、ブームが上方へ回動するときに、バケットの水平方向に対する角度の変化を小さく抑える機能(以下、「姿勢保持機能」と呼ぶ)を有するリンク機構も知られている。なお、以下の説明において「平行リンク機構」は、狭義の平行リンク機構に限らず、姿勢保持機能を有する他のリンク機構も含むものとする。
特開2010−265639号公報
ホイールローダの掘削作業では、バケットを砂利などの対象物に押し込む。このとき、タイヤのスリップを防ぐために、オペレータは、対象物にバケットの刃先を差し込むと同時にブーム上げ操作を行うことにより、タイヤの接地圧を増大させる場合が多い。
このとき、Zバーリンク機構を搭載したホイールローダでは、ブームの上方への回動と同時にバケットが適度に上方に回動する構造となっているため、バケットの操作無しでブームの操作のみでも対象物がバケット内に入りやすい。さらに、オペレータがブーム上げ操作を続けた場合に、バケットが適度に上方に回動することによって、作業機が受ける反力が緩和される。これにより、ブームシリンダの油圧の上昇やストールが抑えられて、ブームが上がりやすくなるため、すくい込みの操作性が良い。
一方、平行リンク機構を搭載したホイールローダでは、ブームの上方への回動に関わらず、バケットの角度は、ほぼ一定である。このため、ブーム上げ操作のみでは、掘削時に作業機が受ける反力が大きくなり、ブームが上がりにくい。このため、掘削の開始時に、ブーム上げ操作と同時にバケットを上方に回動させる操作を行なわないと、良好な掘削作業性が得られない。
本発明の課題は、簡易な操作で良好な掘削作業性を得ることができるホイールローダを提供することにある。
本発明の第1の態様に係るホイールローダは、車体と、作業機と、リンク機構と、制御部とを備える。作業機は、ブームと作業具とを有する。ブームは、上下方向に回動可能に車体に取り付けられる。作業具は、上下方向に回動可能にブームの先端部に取り付けられる。リンク機構は、ブームを上方に回動させるときに、ブームに対する作業具の相対角度を変更する。これにより、作業具の水平方向に対する角度の変化量が、ブームに対する作業具の相対角度を一定としてブームを上方に回動させるときの作業具の水平方向に対する角度の変化量よりも小さくなる。制御部は、自動チルト制御を実行する。自動チルト制御において制御部は、掘削中に、ブームを水平方向よりも低い角度範囲で上方に回動させるときに、作業具を上方に回動させる。
本発明の第2の態様に係るホイールローダは、第1の態様のホイールローダであって、制御部は、自動チルト制御の開始時から所定時間が経過したときに自動チルト制御を終了する。
本発明の第3の態様に係るホイールローダは、第1又は第2の態様のホイールローダであって、制御部は、ブームの水平方向に対する角度が、水平方向よりも低い所定角度に達したときに自動チルト制御を終了する。
本発明の第4の態様に係るホイールローダは、第1から第3の態様のいずれかのホイールローダであって、作動油を吐出する作業機用油圧ポンプをさらに備える。作業機は、ブームを駆動するブームシリンダをさらに有する。制御部は、ブームを上方に回動させるためにブームシリンダに供給される油圧の大きさに基づいて掘削中であるか否かを判定する。
本発明の第5の態様に係るホイールローダは、第1から第4の態様のいずれかのホイールローダであって、牽引力パラメータ検知部をさらに備える。牽引力パラメータ検知部は、牽引力パラメータの値を検知する。牽引力パラメータは、ホイールローダの前進方向への牽引力の大きさを示すパラメータである。牽引力パラメータが所定値以上であるか否かに基づいて、制御部は、自動チルト制御の実行を判定する。
本発明の第6の態様に係るホイールローダは、第1から第5の態様のいずれかのホイールローダであって、自動チルト制御の有効と無効とを選択するための選択部をさらに備える。
本発明の第7の態様に係るホイールローダは、第1から第6の態様のいずれかのホイールローダであって、作業機操作部と、作業機ロック操作部とをさらに備える。オペレータは、作業機操作部によって、作業機を操作する。作業機ロック操作部は、作業機操作部による操作に関わらず作業機をロックする。制御部は、作業機ロック操作部によって作業機がロックされているときには、自動チルト制御を実行しない。
本発明の第8の態様に係るホイールローダの制御方法は以下のステップを備える。第1ステップでは、ブームを上方に回動させる。第2ステップでは、ブームが上方に回動するときに、ブームに対する作業具の相対角度がリンク機構によって変更される。これにより、ブームの先端部に装着された作業具の水平方向に対する角度の変化量が、ブームに対する作業具の相対角度を一定としてブームを上方に回動させるときの作業具の水平方向に対する角度の変化量よりも小さくなる。第3ステップでは、自動チルト制御を実行する。自動チルト制御では、掘削中に、ブームを水平方向よりも低い角度範囲で上方に回動させるときに、作業具を上方に回動させる。
本発明の第1の態様に係るホイールローダでは、掘削中に、ブームを水平方向よりも低い角度範囲で上方に回動させるときに、作業具が自動的に上方に回動する。このため、オペレータが、ブームの操作と同時に作業具の操作を行なわなくても、良好な掘削作業性を得ることができる。
本発明の第2の態様に係るホイールローダでは、作業機が受ける反力が大きい掘削の開始時に限って、作業具が自動的に制御される。これにより、作業具が不必要に自動的に制御されることが抑えられる。
本発明の第3の態様に係るホイールローダでは、作業具を大きく持ち上げたときには、自動チルト制御が解除される。これにより、作業具を大きく持ち上げた状態では、リンク機構による姿勢保持機能によって操作性を向上させることができる。
本発明の第4の態様に係るホイールローダでは、制御部は、ブームシリンダに供給される油圧の大きさに基づいて掘削中であるか否かを精度良く判定することができる。
本発明の第5の態様に係るホイールローダでは、前進方向への牽引力が大きいときに、自動チルト制御が実行される。このため、作業機が受ける反力が大きい状況で、自動チルト制御を行うことができる。
本発明の第6の態様に係るホイールローダでは、オペレータは、自動チルト制御が不要なときに、選択部によって自動チルト制御を無効にすることができる。これにより、作業具が不必要に制御されることが抑えられるため、操作性が向上する。
本発明の第7の態様に係るホイールローダでは、作業機ロック操作部によって作業機がロックされているときには、自動チルト制御が実行されない。これにより、自動チルト制御の不用な実行を回避することができる。
本発明の第8の態様に係るホイールローダの制御方法では、掘削中に、ブームを水平方向よりも低い角度範囲で上方に回動させるときに、作業具が自動的に上方に回動する。このため、オペレータが、ブームの操作と同時に作業具の操作を行なわなくても、良好な掘削作業性を得ることができる。
本発明の実施形態に係るホイールローダの側面図。 ホイールローダの前部を示す側面図。 ホイールローダに搭載された油圧回路の構成を示すブロック図。 ホイールローダに搭載された油圧回路の構成を示すブロック図。 自動チルト制御の実行の可否を判定するための処理を示すフローチャート。 自動チルト制御の実行開始を判定するための処理を示すフローチャート。 自動チルト指令値情報の一例を示す図。 自動チルト制御の終了を判定するための処理を示すフローチャート。 ホイールローダにおいて自動チルト制御が実行されたときのバケットのチルト角度の変化を示す図。 変形例に係るホイールローダに搭載された油圧回路の構成を示すブロック図。 変形例に係る自動チルト制御の実行開始を判定するための処理を示すフローチャート。 変形例に係る自動チルト制御の終了を判定するための処理を示すフローチャート。
以下、本発明の一実施形態に係るホイールローダ50について、図面を用いて説明する。図1は、ホイールローダ50の斜視図である。ホイールローダ50は、車体51と、作業機52と、複数のタイヤ55と、キャブ56と、リンク機構59とを備えている。キャブ56は、車体51上に載置されている。作業機52は、車体51の前部に取り付けられている。作業機52は、ブーム53とバケット54とブームシリンダ57とバケットシリンダ58とを有する。
ブーム53は、バケット54を持ち上げるための部材である。ブーム53は、上下方向に回動可能に車体51に取り付けられている。ブーム53は、ブームシリンダ57によって上下に回動する。バケット54は、上下方向に回動可能にブーム53の先端部に取り付けられている。バケット54は、バケットシリンダ58によって上下に回動する。なお、以下の説明において、「チルト」とは、バケット54が上方に回動する動作を意味する。「ダンプ」とは、バケット54が下方に回動する動作を意味する。なお、ブーム53には、バケット54に代えてフォークなどの他の作業具が装着可能とされている。
リンク機構59は、図2に示すように、ベルクランク59aと連結リンク59bとを有する。リンク機構59は、バケット54をブーム53の動作に連動して動作させる。
ベルクランク59aは、ブーム53の長手方向における中央部付近に連結されている。ベルクランク59aは、回動可能にブーム53に連結されている。ベルクランク59aの一方の端部はバケットシリンダ58に連結されている(図1参照)。ベルクランク59aの他方の端部は、連結リンク59bに連結されている。連結リンク59bの一方の端部は、バケット54の背面に回動可能に連結されている。連結リンク59bの他方の端部は、ベルクランク59aに回動可能に連結されている。
リンク機構59は、ブーム53を上下に回動させるときに、バケット角度θbuの変化量が、バケット相対角度θbu’を一定としてブーム53を上方に回動させるときのバケット角度θbuの変化量よりも小さくなるように、バケット相対角度θbu’を変更する。バケット角度θbuは、バケット54の底面の水平方向に対する角度である。バケット相対角度θbu’は、ブーム53の基準線Lに対するバケット54の底面の角度である。ブーム53の基準線Lは、ブーム53の車体51に対する回動中心O1と、バケット54のブーム53に対する回動中心O2とを結ぶ線である。
具体的には、リンク機構59は、バケット角度θbuが一定となるように、ブーム角度θboの変化に応じて、バケット相対角度θbu’を変更する。すなわち、ブーム53が上下に回動するときに、リンク機構59は、バケット角度θbuを一定に維持する。これにより、バケット54が平行移動する。なお、ブーム角度θboは、ブーム53の基準線Lの水平方向に対する角度である。ブーム角度θboは、側面視において、水平方向を0度とする。水平方向よりも下方の角度は、マイナスの値であり、水平方向よりも上方の角度は、プラスの値であるものとする。
図3及び図4は、ホイールローダ50に搭載された油圧回路の構成を示すブロック図である。ホイールローダ50は、主として、エンジン1、作業機用油圧ポンプ2、チャージポンプ3、走行機構4、エンジンコントローラ8、車体コントローラ9を有している。
エンジン1は、ディーゼル式のエンジンであり、エンジン1で発生した出力トルクが、作業機用油圧ポンプ2、チャージポンプ3、走行機構4等に伝達される。エンジン1の実回転速度はエンジン回転速度センサ1aによって検知される。また、エンジン1には、燃料噴射装置1bが接続されている。エンジンコントローラ8は、設定された目標エンジン回転速度に応じて燃料噴射装置1bを制御することにより、エンジン1の出力トルクと回転速度とを制御する。
走行機構4は、エンジン1からの駆動力によってホイールローダ50を走行させる。走行機構4は、走行用油圧ポンプ5と、油圧モータ10と、駆動油圧回路20とを有する。
走行用油圧ポンプ5は、エンジン1によって駆動されることにより作動油を吐出する。走行用油圧ポンプ5は、可変容量型の油圧ポンプである。走行用油圧ポンプ5から吐出された作動油は、駆動油圧回路20を通って油圧モータ10へと送られる。走行用油圧ポンプ5は、作動油の吐出方向を変更可能である。具体的には、駆動油圧回路20は、第1駆動回路20aと第2駆動回路20bとを有する。
作動油が、走行用油圧ポンプ5から第1駆動回路20aを介して油圧モータ10に供給されることにより、油圧モータ10が一方向(例えば、前進方向)に駆動される。この場合、第2駆動回路20bを介して油圧モータ10から走行用油圧ポンプ5に作動油が戻る。作動油が、走行用油圧ポンプ5から第2駆動回路20bを介して油圧モータ10に供給されることにより、油圧モータ10が他方向(例えば、後進方向)に駆動される。この場合、第1駆動回路20aを介して油圧モータ10から走行用油圧ポンプ5に作動油が戻る。
そして、油圧モータ10が駆動軸11を介して上述したタイヤ55を回転駆動することにより、ホイールローダ50が走行する。すなわち、ホイールローダ50では、いわゆる1ポンプ1モータのHSTシステムが採用されている。
駆動油圧回路20には、駆動回路圧検知部17が設けられている。駆動回路圧検知部17は、第1駆動回路20a又は第2駆動回路20bを介して油圧モータ10に供給される作動油の圧力(以下、「駆動回路圧」)を検知する。具体的には、駆動回路圧検知部17は、第1駆動回路圧センサ17aと第2駆動回路圧センサ17bとを有する。第1駆動回路圧センサ17aは、第1駆動回路20aの油圧を検知する。第2駆動回路圧センサ17bは、第2駆動回路20bの油圧を検知する。第1駆動回路圧センサ17aと第2駆動回路圧センサ17bとは、検知信号を車体コントローラ9に送る。また、走行用油圧ポンプ5には、走行用油圧ポンプ5の吐出方向を制御するための前後進切換弁27とポンプ容量制御シリンダ28とが接続されている。
前後進切換弁27は、車体コントローラ9からの制御信号に基づいてポンプ容量制御シリンダ28への作動油の供給方向を切り換える電磁制御弁である。ポンプ容量制御シリンダ28は、ポンプパイロット回路32を介して作動油を供給されることにより駆動され、走行用油圧ポンプ5の傾転角を変更する。また、ポンプ容量制御シリンダ28は、ポンプ容量制御シリンダ28に供給される作動油の供給方向に応じて走行用油圧ポンプ5からの作動油の吐出方向を切り換える。
ポンプパイロット回路32には、圧力制御弁29が配置されている。圧力制御弁29は、車体コントローラ9からの制御信号に基づいて制御される電磁制御弁である。圧力制御弁29は、ポンプパイロット回路32の油圧を制御することにより、走行用油圧ポンプ5の傾転角を調整する。
ポンプパイロット回路32は、カットオフ弁47を介してチャージ回路33と作動油タンクとに接続されている。カットオフ弁47のパイロットポートは、シャトル弁46を介して第1駆動回路20aと第2駆動回路20bとに接続されている。シャトル弁46は、第1駆動回路20aの油圧と第2駆動回路20bの油圧とのうち大きい方をカットオフ弁47のパイロットポートに導入する。カットオフ弁47は、駆動回路圧が所定のカットオフ圧以上になると、ポンプパイロット回路32を作動油タンクに連通させる。これにより、ポンプパイロット回路32の油圧が低下することにより、走行用油圧ポンプ5の容量が低減され、駆動回路圧の上昇が抑えられる。
チャージポンプ3は、エンジン1によって駆動され、駆動油圧回路20へと作動油を供給するためのポンプである。チャージポンプ3は、チャージ回路33に接続されている。チャージポンプ3は、チャージ回路33を介してポンプパイロット回路32に作動油を供給する。チャージ回路33は、第1チェック弁41を介して第1駆動回路20aに接続されている。チャージ回路33は、第2チェック弁42を介して第2駆動回路20bに接続されている。
チャージ回路33は、第1リリーフ弁43を介して第1駆動回路20aに接続されている。第1リリーフ弁43は、第1駆動回路20aの油圧が所定の圧力より大きくなったときに開かれる。チャージ回路33は、第2リリーフ弁44を介して第2駆動回路20bに接続されている。第2リリーフ弁44は、第2駆動回路20bの油圧が所定の圧力より大きくなったときに開かれる。
チャージ回路33は、低圧リリーフ弁45を介して作動油タンクに接続されている。低圧リリーフ弁45は、チャージ回路33の油圧が所定のリリーフ圧より大きくなったときに開かれる。駆動回路圧がチャージ回路33の油圧より低くなったときには、第1チェック弁41又は第2チェック弁42を介して、作動油がチャージ回路33から駆動油圧回路20へ供給される。
作業機用油圧ポンプ2は、エンジン1によって駆動される。作業機用油圧ポンプ2は、作業機52を駆動するための油圧ポンプである。作業機用油圧ポンプ2から吐出された作動油は、作業機用油圧回路31を介してブームシリンダ57及びバケットシリンダ58に供給される。これにより、作業機52が駆動される。
図3に示すように、作業機用油圧回路31には、ブーム制御弁18が設けられている。ブーム制御弁18は、作業機操作部23の操作量に応じて駆動される。ブーム制御弁18は、ブーム制御弁18のパイロットポートに印加されるパイロット圧(以下、「ブームPPC圧」と呼ぶ)に応じて、ブームシリンダ57に供給される作動油の流量を制御する。ブームPPC圧は、作業機操作部23のブームPPC弁23aによって制御される。ブームPPC弁23aは、作業機操作部23の操作量に応じたパイロット圧をブーム制御弁18のパイロットポートに印加する。これにより、作業機操作部23の操作量に応じてブームシリンダ57が制御される。
ブームPPC圧は、ブームPPC圧センサ21によって検知される。また、ブームシリンダ57に供給される作動油の圧力は、ブーム圧センサ22によって検知される。ブームPPC圧センサ21及びブーム圧センサ22は、検知信号を車体コントローラ9に送る。
ブーム53には、ブーム角度センサ38が設けられている。ブーム角度センサ38は、ブーム角度θboを検出する。ブーム角度センサ38は、検知信号を車体コントローラ9に送る。
図4に示すように、作業機用油圧回路31には、バケット制御弁35が設けられている。バケット制御弁35は、作業機操作部23の操作量に応じて駆動される。バケット制御弁35は、バケット制御弁35のパイロットポートに印加されるパイロット圧(以下、「バケットPPC圧」と呼ぶ)に応じて、バケットシリンダ58に供給される作動油の流量を制御する。バケットPPC圧は、作業機操作部23のバケットPPC弁23bによって制御される。バケットPPC弁23bは、作業機操作部23の操作量に応じたパイロット圧をバケット制御弁35のパイロットポートに印加する。これにより、作業機操作部23の操作量に応じてバケットシリンダ58が制御される。
バケットPPC圧は、バケットPPC圧センサ36によって検知される。バケットPPC圧センサ36は、検知信号を車体コントローラ9に送る。また、バケットシリンダ58には、バケット角度θbuが所定の閾値を超えたことを検出するための近接スイッチ37が設けられている。所定の閾値は、バケット54が最大にチルト動作した状態でのバケット角度θbuに相当する。従って、近接スイッチ37は、バケット54が最大にチルト動作した状態であるか否かを検出する。
作業機用油圧回路31には、バケットチルト制御弁61と高圧選択弁62とが設けられている。バケットチルト制御弁61は、車体コントローラ9からの制御信号に基づいてバケット制御弁35に印加されるパイロット圧を制御する電磁制御弁である。高圧選択弁62は、バケットチルト制御弁61から供給されるパイロット圧とバケットPPC弁23bから供給されるパイロット圧のうち、大きい方のパイロット圧を選択してバケット制御弁35のパイロットポートに供給する。これにより、作業機操作部23が操作されなくても、車体コントローラ9からの制御信号によってバケットシリンダ58を制御することができる。
図3に示す油圧モータ10は、可変容量型の油圧モータ10である。油圧モータ10は、走行用油圧ポンプ5から吐出された作動油によって駆動される。油圧モータ10は、タイヤ55を回転させるための駆動力を生じさせる走行用のモータである。油圧モータ10は、走行用油圧ポンプ5からの作動油の吐出方向に応じて前進方向と後進方向とに駆動方向が変更される。
油圧モータ10には、モータシリンダ12と、モータ容量制御部13とが設けられている。モータシリンダ12は、油圧モータ10の傾転角を変更する。モータ容量制御部13は、車体コントローラ9からの制御信号に基づいて制御される電磁制御弁である。モータ容量制御部13は、車体コントローラ9からの制御信号に基づいてモータシリンダ12を制御する。
モータシリンダ12とモータ容量制御部13とは、モータパイロット回路34に接続されている。モータパイロット回路34は、チェック弁48を介して第1駆動回路20aに接続されている。モータパイロット回路34は、チェック弁49を介して第2駆動回路20bに接続されている。チェック弁48,49により、第1駆動回路20aと第2駆動回路20bとのうち大きい方の油圧、すなわち駆動回路圧の作動油が、モータパイロット回路34に供給される。
モータ容量制御部13は、車体コントローラ9からの制御信号に基づいて、モータパイロット回路34からモータシリンダ12への作動油の供給方向および供給流量を切り換える。これにより、車体コントローラ9は、油圧モータ10の容量を任意に変えることができる。
ホイールローダ50は、前後進操作部材26を備えている。前後進操作部材26は、車両の前後進を切り換えるためにオペレータによって操作される。前後進操作部材26の操作位置は、前進位置と後進位置と中立位置とに切り換えられる。前後進操作部材26は、前後進操作部材26の位置を示す操作信号を車体コントローラ9に送る。オペレータは、前後進操作部材26を操作することによって、ホイールローダ50の前進と後進とを切り換えることができる。
ホイールローダ50は、作業機ロック操作部25を備えている。作業機ロック操作部25は、ロック位置と解除位置とに切換可能に設けられており、オペレータによって操作される。作業機ロック操作部25がロック位置にあるときには、作業機操作部23による操作に関わらず作業機52がロックされる。作業機ロック操作部25が解除位置にあるときには、作業機操作部23による操作に応じて作業機52が動作する。作業機ロック操作部25の位置を示す操作信号が車体コントローラ9に送られる。
ホイールローダ50は、入力装置24を備えている。オペレータは、入力装置24によって、ホイールローダ50のオプション選択に関する情報を入力することができる。オプション選択は、平行リンク機構やZバーリンク機構などのホイールローダ50に取り付け可能なリンク機構の種類を含む。また、入力装置24は、後述する自動チルト制御の有効/無効を選択するためにオペレータによって操作される。
エンジンコントローラ8は、CPUなどの演算装置や各種のメモリなどを有する電子制御部である。エンジンコントローラ8は、設定された目標回転速度が得られるように、エンジン1を制御する。
車体コントローラ9は、CPUなどの演算装置や各種のメモリなどを有する電子制御部である。車体コントローラ9は、各検知部からの出力信号に基づいて各制御弁を電子制御することにより、走行用油圧ポンプ5の容量と油圧モータ10の容量とを制御する。具体的には、車体コントローラ9は、エンジン回転速度センサ1aが検知したエンジン回転速度に基づいて指令信号を圧力制御弁29に出力する。これにより、走行用油圧ポンプ5の容量が制御される。
車体コントローラ9は、エンジン回転速度センサ1aおよび駆動回路圧検知部17からの出力信号を処理して、モータ容量の指令信号をモータ容量制御部13に出力する。これにより、油圧モータ10の容量が制御される。
次に、車体コントローラ9によって実行される自動チルト制御について説明する。自動チルト制御は、掘削中に、ブーム53を水平方向よりも低い角度範囲で上方に回動させるときに、バケット54を自動的に上方に回動させる制御である。図5は、自動チルト制御の実行の可否を判定するための処理を示すフローチャートである。
ステップS1では、車体コントローラ9は、上述した入力装置24によるオプション選択において、リンク機構の種類が、平行リンク機構に設定されているか否かを判定する。リンク機構の種類として、平行リンク機構が設定されているときには、ステップS2に進む。
ステップS2では、車体コントローラ9は、上述した入力装置24によるオプション選択において、自動チルト制御の有効/無効が有効に設定されているか否かを判定する。自動チルト制御の有効/無効が有効に設定されているときには、ステップS3に進む。
ステップS3では、車体コントローラ9は、作業機ロックが解除されているか否かを判定する。車体コントローラ9は、作業機ロック操作部25が解除位置にあるときに、作業機ロックが解除されていると判定する。作業機ロックが解除されているときには、ステップS4に進む。
ステップS4では、自動チルト制御許可フラグがONに設定される。自動チルト制御許可フラグがONであることは、自動チルト制御の実行が許可されることを意味する。従って、ステップS1からS3の条件の全てが満たされているときに、車体コントローラ9は、自動チルト制御を実行可能と判定する。
ステップS1からS3の条件の少なくとも1つが満たされていないときには、ステップS5に進む。ステップS5では、自動チルト制御許可フラグがOFFに設定される。自動チルト制御許可フラグがOFFであることは、自動チルト制御の実行が許可されないことを意味する。従って、ステップS1からS3の条件の少なくとも1つが満たされていないときには、車体コントローラ9は、自動チルト制御を実行しない。
図6は、自動チルト制御の実行開始を判定するための処理を示すフローチャートである。車体コントローラ9は、自動チルト制御許可フラグがONであるときに、図6に示す処理を行う。
ステップS101では、車体コントローラ9は、掘削フラグがONであるか否かを判定する。掘削フラグは、ホイールローダ50が掘削を行なっているか否かを示すフラグである。掘削フラグがONであることは、ホイールローダ50が掘削を行なっていることを意味する。掘削フラグがOFFであることは、ホイールローダ50が掘削を行なっていないことを意味する。
車体コントローラ9は、ブームボトム圧の大きさに基づいて掘削中であるか否かを判定する。ブームボトム圧は、ブーム53を上方に回動させるためにブームシリンダ57に供給される油圧である。例えば、車体コントローラ9は、ブームボトム圧が所定の圧力閾値以上であることを含む所定条件が満たされたときに、掘削フラグをONに設定する。ブームボトム圧が所定の圧力閾値以上であることは、掘削が行なわれていると見なすことができる程度にブームシリンダ57に大きな負荷がかかっていることを意味する。ステップS101において掘削フラグがONであるときには、ステップS102に進む。
ステップS102では、車体コントローラ9は、ブーム角度が所定の角度閾値A1より小さいか否かを判定する。角度閾値A1は、水平方向より下方のブーム角度である。ブーム角度が所定の角度閾値A1より小さいときには、ステップS103に進む。
ステップS103では、ブーム上げPPC圧が所定の圧力閾値B1以上であるか否かを判定する。ブーム上げPPC圧は、ブーム53を上昇させるためのブームPPC圧である。圧力閾値B1は、ブーム53が上昇し始めるときのブーム上げPPC圧に相当する。ブーム上げPPC圧が所定の圧力閾値B1以上であるときには、ステップS104に進む。
ステップS104では、駆動回路圧が所定の圧力閾値C1以上であるか否かを判定する。ここで、駆動回路圧は、油圧モータ10を前進方向に駆動する場合の油圧(例えば第1駆動回路20aの油圧)である。従って、駆動回路圧は、ホイールローダ50の前進方向への牽引力の大きさを示す牽引力パラメータとして用いられる。圧力閾値C1は、バケットが土砂に突っ込んでいる状態でのホイールローダ50の牽引力に相当する。駆動回路圧が所定の圧力閾値C1以上であるときには、ステップS105に進む。
ステップS105では、車体コントローラ9は、近接スイッチ37からの信号がCLOSEであるか否かを判定する。近接スイッチ37からの信号がCLOSEであることは、バケット角度θbuが所定の閾値を超えていないことを意味する。言い換えれば、近接スイッチ37からの信号がCLOSEであることは、バケット54が掘削時等に受ける反力が大きい位置にあることを意味する。車体コントローラ9は、近接スイッチ37からの信号がCLOSEであるときには、ステップS106に進む。
ステップS106では、車体コントローラ9は、バケットダンプPPC圧が所定の圧力閾値D1より小さいか否かを判定する。バケットダンプPPC圧は、バケット54をダンプさせるためのバケットPPC圧である。圧力閾値D1は、バケット54をダンプさせる操作が行なわれていないときのバケットダンプPPC圧に相当する。車体コントローラ9は、バケットダンプPPC圧が所定の圧力閾値D1より小さいときには、ステップS107に進む。
ステップS107では、車体コントローラ9は、バケットPPC圧センサ36が正常であるか否かを判定する。例えば、車体コントローラ9は、バケットPPC圧センサ36からの信号の電圧が適正範囲内であるときに、バケットPPC圧センサ36が正常であると判定する。バケットPPC圧センサ36が正常であるときにはステップS108に進む。
ステップS108では、車体コントローラ9は、自動チルト制御を開始する。自動チルト制御において、車体コントローラ9は、自動チルト指令値情報に基づいてバケット54のチルト角度を制御する。チルト角度は、バケット54がチルト動作するときのバケット角度を意味する。
図7は、自動チルト指令値情報の一例を示している。自動チルト指令値情報は、自動チルト指令値とブーム上げPPC圧との関係を規定する。自動チルト指令値は、バケットチルト制御弁61への指令値である。従って、車体コントローラ9は、ブーム上げPPC圧に応じてバケット54のチルト角度を制御する。図7に示すように、自動チルト指令値情報では、ブーム上げPPC圧が大きいほど、自動チルト指令値は大きい。自動チルト指令値が大きいほど、バケットチルト制御弁61は、大きなバケットPPCをバケット制御弁35に供給する。すなわち、ブーム上げPPC圧が大きいほど、チルト角度が大きくなる。
より詳細には、自動チルト指令値情報では、ブーム上げPPC圧がp1より大きくp2以下の範囲であるときは、ブーム上げPPC圧がp1以下の範囲であるときよりも、ブーム上げPPC圧に対する自動チルト指令値の増加率が大きい。従って、ブーム上げPPC圧が小さいときには、自動チルト制御でのチルト角度の増加量が小さい。
図8は、自動チルト制御の終了を判定するための処理を示すフローチャートである。ステップS201では、車体コントローラ9は、掘削フラグがOFFであるか否かを判定する。掘削フラグがOFFであるときには、ステップS210に進む。ステップS210では、車体コントローラ9は、自動チルト制御を終了する。
ステップS202では、車体コントローラ9は、ブーム角度が所定の角度閾値A2以上であるか否かを判定する。角度閾値A2は、上述した角度閾値A1と同じ値であってもよく、或いは、異なる値であってもよい。角度閾値A2は、水平方向よりも低い角度である。ブーム角度が所定の角度閾値A2以上であるときには、車体コントローラ9は、ステップS210において、自動チルト制御を終了する。従って、車体コントローラ9は、ブーム角度が、所定角度A1より小さく角度から増大して所定角度A2に達したときに自動チルト制御を終了する。
ステップS203では、ブーム上げPPC圧が所定の圧力閾値B2より小さいか否かを判定する。圧力閾値B2は、上述した圧力閾値B1と同じ値であってもよく、或いは、異なる値であってもよい。ブーム上げPPC圧が所定の圧力閾値B2より小さいときには、車体コントローラ9は、ステップS210において、自動チルト制御を終了する。
ステップS204では、駆動回路圧が所定の圧力閾値C2より小さいか否かを判定する。ここで、駆動回路圧は、油圧モータを前進方向に駆動する場合の油圧(例えば第1駆動回路20aの油圧)である。圧力閾値C2は、上述した圧力閾値C1と同じ値であってもよく、或いは、異なる値であってもよい。駆動回路圧が所定の圧力閾値C2より小さいときには、車体コントローラ9は、ステップS210において、自動チルト制御を終了する。
ステップS205では、車体コントローラ9は、近接スイッチ37からの信号がOPENであるか否かを判定する。近接スイッチ37からの信号がOPENであることは、バケット角度θbuが所定の閾値を超えていることを意味する。言い換えれば、近接スイッチ37からの信号がOPENであることは、バケット54が掘削時等に受ける反力が過大とならない位置にあることを意味する。近接スイッチ37からの信号がOPENであるときには、車体コントローラ9は、ステップS210において、自動チルト制御を終了する。
ステップS206では、車体コントローラ9は、バケットダンプPPC圧が所定の圧力閾値D2以上であるか否かを判定する。圧力閾値D2は、上述した圧力閾値D1と同じ値であってもよく、或いは、異なる値であってもよい。バケットダンプPPC圧が所定の圧力閾値D2以上であるときには、車体コントローラ9は、ステップS210において、自動チルト制御を終了する。
ステップS207では、車体コントローラ9は、バケットPPC圧センサ36が異常であるか否かを判定する。例えば、車体コントローラ9は、バケットPPC圧センサ36からの信号の電圧が適正範囲内ではないときに、バケットPPC圧センサ36が異常であると判定する。バケットPPC圧センサ36が異常であるときには、車体コントローラ9は、ステップS210において、自動チルト制御を終了する。
ステップS208では、車体コントローラ9は、ブーム角速度が所定の角速度閾値W1より小さいか否かを判定する。車体コントローラ9は、例えば、ブーム角度センサ38からの検出値に基づいて、ブーム角速度を算出する。角速度閾値W1は、ブーム53が上昇していないと見なせる程度に小さい値である。ブーム角速度が所定の角速度閾値W1より小さいときには、車体コントローラ9は、ステップS210において、自動チルト制御を終了する。
ステップS209では、車体コントローラ9は、自動チルト制御の継続時間が所定の時間閾値T1以上であるか否かを判定する。自動チルト制御の継続時間が所定の時間閾値T1以上であるときには、車体コントローラ9は、ステップS210において、自動チルト制御を終了する。従って、車体コントローラ9は、自動チルト制御の開始時から所定時間T1が経過したときに自動チルト制御を終了する。
以上のように、ステップS201からS209までの条件の少なくとも1つが満たされたときに、車体コントローラ9は、自動チルト制御を終了する。言い換えれば、ステップS1からS9までの条件が全て満たされているときには、車体コントローラ9は、自動チルト制御を継続する。
本実施形態に係るホイールローダ50では、掘削中に、オペレータが、ブーム上げ操作を行うと、その操作量に応じてブーム53が上方に回動する。このブーム53の動作に連動して、リンク機構59は、バケット角度θbuが一定となるように、ブーム角度θboの変化に応じて、バケット相対角度θbu’を変更する。このとき、ブーム53が水平方向よりも低い所定の角度範囲(角度閾値A1より小さい角度範囲)内であるときには、車体コントローラ9が自動チルト制御を実行する。これにより、バケット54が上方に回動する。
図9は、本実施形態に係るホイールローダ50において自動チルト制御が実行されたときのブームヒンジピンの高さに対するバケットのチルト角度の変化を示している。ブームヒンジピンの高さは、図2に示すように、バケットの回動中心O2の高さHに相当する。従って、ブーム上げ操作によってブームヒンジピンの高さは大きくなる。図9において、L_autotiltは、本実施形態に係るホイールローダ50において自動チルト制御が実行されているときのチルト角度の変化を示す。L_parallelは、平行リンク機構を備えているが、自動チルト制御を実行しない従来のホイールローダ(以下、「従来の平行リンク型ホイールローダ」と呼ぶ)でのチルト角度の変化を示す。L_Zbarは、Zバーリンクを備える従来のホイールローダ(以下、「Zバーリンク型ホイールローダ」と呼ぶ)でのチルト角度の変化を示す。
図9に示すように、本実施形態に係るホイールローダ50では、掘削の開始時点P1から掘削の開始直後の時点P2までの間は、チルト角度が従来の平行リンク型ホイールローダよりも大きく増大する。これにより、チルト角度がZバーリンク型ホイールローダと同様に変化する。これは、自動チルト制御が行われることによって、チルト角度が大きくなるように、バケット54が自動的に制御されるからである。
そして、時点P2以降は、チルト角度の変化が小さくなる。これにより、チルト角度が従来の平行リンク型ホイールローダと同様に変化する。これは、自動チルト制御が終了することによって、オペレータの操作によるチルト角度の変化を除いて、チルト角度の変化が、リンク機構59の姿勢保持機能による変化のみになるからである。
以上のように、本実施形態に係るホイールローダ50では、掘削の開始当初において、バケット54が自動的に上方に回動する。このため、オペレータが、ブーム53の操作と同時にバケット54の操作を行なわなくても、良好な掘削作業性を得ることができる。
図8のステップS209に示すように、車体コントローラ9は、自動チルト制御の開始時から所定時間T1が経過したときに自動チルト制御を終了する。従って、作業機52が受ける反力が大きい掘削の開始時に限って、バケット54が自動的に制御される。これにより、バケット54が不必要に自動的に制御されることが抑えられる。
図8のステップS202に示すように、車体コントローラ9は、ブーム角度が、水平方向よりも低い所定角度A2に達したときに自動チルト制御を終了する。従って、バケット54を大きく持ち上げたときには、自動チルト制御が解除される。これにより、バケット54を大きく持ち上げた状態では、リンク機構59による姿勢保持機能によって操作性を向上させることができる。
車体コントローラ9は、ブームボトム圧の大きさに基づいて掘削中であるか否かを判定する。このため、車体コントローラ9は、掘削中であるか否かを精度良く判定することができる。
図6のステップS104に示すように、自動チルト制御の開始条件は、駆動回路圧が所定の圧力閾値C1以上であることを含む。従って、前進方向への牽引力が大きいときに、自動チルト制御が実行される。このため、作業機52が受ける反力が大きい状況で、自動チルト制御を行うことができる。
オペレータは、自動チルト制御が不要なときに、入力装置24によって自動チルト制御を無効にすることができる。これにより、バケットが不必要に制御されることが抑えられるため、操作性が向上する。
図5のステップS3に示すように、作業機ロック操作部25が解除位置ではないとき、すなわち、作業機ロック操作部25がロック位置であるときには、車体コントローラ9は、自動チルト制御の実行を不可と判定する。従って、作業機ロック操作部25によって作業機52がロックされているときには、自動チルト制御が実行されない。これにより、自動チルト制御の不用な実行を回避することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記の実施形態では、1つの油圧ポンプと1つの走行用油圧モータを含む1ポンプ1モータのHSTシステムを搭載したホイールローダを例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、1つの第1油圧ポンプと2つの走行用油圧モータを含む、1ポンプ2モータのHSTシステムを搭載したホイールローダに対して、本発明を適用してもよい。
上記の実施形態では、走行機構としてHSTシステムを例示しているが、走行機構は、トルクコンバータやトランスミッションを介して駆動軸を駆動する機構であってもよい。この場合、牽引力パラメータとして、トルクコンバータの速度比から算出した牽引力が牽引力パラメータとして使用されてもよい。
自動チルト制御の実行の可否の判定条件と、自動チルト制御の開始条件と、自動チルト制御の終了条件と、掘削フラグの判定条件とは、上記の実施形態で例示した条件と異なる条件が採用されてもよい。
上記の実施形態では、作業具としてバケットが例示されているが、他の作業具が用いられてもよい。
上記の実施形態では、車体コントローラとエンジンコントローラが別の構成として記載されているが、一体のコントローラであってもよい。或いは、車体コントローラが複数のコントローラによって構成されてもよい。
上記の実施形態において、近接スイッチ37に代えて、バケット角度センサが用いられてもよい。バケット角度センサは、バケット角度θbu或いはバケット相対角度θbu’を検出する。この場合、上述したステップS105において、車体コントローラ9は、バケット角度θbu或いはバケット相対角度θbu’が、所定の角度閾値より小さいか否かを判定する。また、上述したステップS205において、車体コントローラ9は、バケット角度θbu或いはバケット相対角度θbu’が、所定の角度閾値以上であるか否かを判定する。
上記の実施形態では、作業機操作部23は、油圧制御方式の操作部であるが、電気制御方式の操作部が用いられてもよい。図10は、変形例に係るホイールローダに搭載された油圧回路の構成を示すブロック図である。なお、図10において、上述した実施形態と同じ構成には同じ符号を付している。
図10に示すように、変形例に係るホイールローダは、作業機操作部23’を備える。作業機操作部23’は、電気制御方式の操作部である。作業機操作部23’は、操作量に応じた操作信号を車体コントローラ9に出力する。例えば、作業機操作部23’は、操作量に応じた電圧値を有する操作信号を車体コントローラ9に出力する。また、変形例に係るホイールローダは、第1バケットチルト制御弁61aと、第2バケットチルト制御弁61bとを有する。第1バケットチルト制御弁61aと、第2バケットチルト制御弁61bとは、車体コントローラ9からの制御信号に基づいてバケット制御弁35に印加されるパイロット圧を制御する電磁制御弁である。
車体コントローラ9は、作業機操作部23’からの操作信号に基づいて、第1バケットチルト制御弁61a及び第2バケットチルト制御弁61bへの指令値を決定する。ただし、自動チルト制御の実行中には、車体コントローラ9は、自動チルト指令値情報に基づいて決定した指令値と、作業機操作部23’からの操作信号に基づいて決定した指令値とのうち大きい方を、第1バケットチルト制御弁61aへの指令値として決定する。
図11は、変形例に係る自動チルト制御の実行開始を判定するための処理を示すフローチャートである。図11に示すように、ステップS103’では、車体コントローラ9は、ブーム上げ操作量が所定の操作量閾値E1以上であるか否かを判定する。ブーム上げ操作量は、ブーム53を上昇させるための作業機操作部23’の操作量である。
また、ステップS106’では、車体コントローラ9は、バケットダンプ操作量が、所定の操作量閾値F1より小さいか否かを判定する。バケットダンプ操作量は、バケット54をダンプさせるための作業機操作部23’の操作量である。なお、車体コントローラ9は、作業機操作部23’からの操作信号に基づいて、ブーム上げ操作量及びバケットダンプ操作量を取得する。
ステップS107’では、車体コントローラ9は、作業機操作部23’が正常であるか否かを判定する。例えば、車体コントローラ9は、作業機操作部23’からの操作信号の電圧値の範囲が適正範囲内であるか否かに基づいて、作業機操作部23’が正常であるか否かを判定する。図11に示す他の処理については、図6に示す処理と同様である。
図12は、変形例に係る自動チルト制御の終了を判定するための処理を示すフローチャートである。図12に示すように、ステップS203’では、車体コントローラ9は、ブーム上げ操作量が所定の操作量閾値E2より小さいか否かを判定する。また、ステップS206’では、車体コントローラ9は、バケットダンプ操作量が、所定の操作量閾値F2以上であるか否かを判定する。ステップS207’では、車体コントローラ9は、作業機操作部23’が異常であるか否かを判定する。図12に示す他の処理については、図8に示す処理と同様である。
本発明によれば、簡易な操作で良好な掘削作業性を得ることができるホイールローダを提供することができる。
51 車体
53 ブーム
54 バケット
52 作業機
59 リンク機構
9 車体コントローラ(制御部)
2 作業機用油圧ポンプ
57 ブームシリンダ
17 駆動回路圧検知部(牽引力パラメータ検知部)
24 入力装置(選択部)
23 作業機操作部
25 作業機ロック操作部
本発明は、ホイールローダに関する。
ホイールローダは、車体と、車体に取り付けられた作業機とを備えている。作業機は、ブームと、作業具とを有する。ブームは、車体に回動可能に取り付けられる。作業具は、例えばバケットやフォーク等であり、ブームの先端部に取り付けられる。
特許文献1に開示されているように、作業機は、平行リンク機構やZバーリンク機構などのリンク機構を備えている。リンク機構は、ブームと作業具とを連結しており、ブームの動作に連動して作業具を動作させる機構である。Zバーリンク機構を搭載したホイールローダでは、ブームが上方へ回動すると、作業具の水平方向に対する角度が変化する。しかし、例えばバケットに荷物を積んだ状態でバケットを高く持ち上げるときには、バケットの角度を水平に維持することが好ましい。
そこで、平行リンク機構は、ブームが上方へ回動すると、バケットの角度が水平に維持されるように、バケットのブームに対する相対角度を変更する。また、上述した平行リンク機構の他にも、ブームが上方へ回動するときに、バケットの水平方向に対する角度の変化を小さく抑える機能(以下、「姿勢保持機能」と呼ぶ)を有するリンク機構も知られている。なお、以下の説明において「平行リンク機構」は、狭義の平行リンク機構に限らず、姿勢保持機能を有する他のリンク機構も含むものとする。
特開2010−265639号公報
ホイールローダの掘削作業では、バケットを砂利などの対象物に押し込む。このとき、タイヤのスリップを防ぐために、オペレータは、対象物にバケットの刃先を差し込むと同時にブーム上げ操作を行うことにより、タイヤの接地圧を増大させる場合が多い。
このとき、Zバーリンク機構を搭載したホイールローダでは、ブームの上方への回動と同時にバケットが適度に上方に回動する構造となっているため、バケットの操作無しでブームの操作のみでも対象物がバケット内に入りやすい。さらに、オペレータがブーム上げ操作を続けた場合に、バケットが適度に上方に回動することによって、作業機が受ける反力が緩和される。これにより、ブームシリンダの油圧の上昇やストールが抑えられて、ブームが上がりやすくなるため、すくい込みの操作性が良い。
一方、平行リンク機構を搭載したホイールローダでは、ブームの上方への回動に関わらず、バケットの角度は、ほぼ一定である。このため、ブーム上げ操作のみでは、掘削時に作業機が受ける反力が大きくなり、ブームが上がりにくい。このため、掘削の開始時に、ブーム上げ操作と同時にバケットを上方に回動させる操作を行なわないと、良好な掘削作業性が得られない。
本発明の課題は、簡易な操作で良好な掘削作業性を得ることができるホイールローダを提供することにある。
本発明の第1の態様に係るホイールローダは、車体と、作業機と、リンク機構と、制御部と、牽引力パラメータ検知部とを備える。作業機は、ブームと作業具とを有する。ブームは、上下方向に回動可能に車体に取り付けられる。作業具は、上下方向に回動可能にブームの先端部に取り付けられる。リンク機構は、ブームを上方に回動させるときに、ブームに対する作業具の相対角度を変更する。これにより、作業具の水平方向に対する角度の変化量が、ブームに対する作業具の相対角度を一定としてブームを上方に回動させるときの作業具の水平方向に対する角度の変化量よりも小さくなる。制御部は、自動チルト制御を実行する。自動チルト制御において制御部は、掘削中に、ブームを水平方向よりも低い角度範囲で上方に回動させるときに、作業具を上方に回動させる。牽引力パラメータ検知部は、牽引力パラメータの値を検知する。牽引力パラメータは、ホイールローダの前進方向への牽引力の大きさを示す。牽引力パラメータが所定値以上であるか否かに基づいて、制御部は、自動チルト制御の実行を判定する。
本発明の第2の態様に係るホイールローダは、第1の態様のホイールローダであって、制御部は、自動チルト制御の開始時から所定時間が経過したときに自動チルト制御を終了する。
本発明の第3の態様に係るホイールローダは、第1又は第2の態様のホイールローダであって、制御部は、ブームの水平方向に対する角度が、水平方向よりも低い所定角度に達したときに自動チルト制御を終了する。
本発明の第4の態様に係るホイールローダは、第1から第3の態様のいずれかのホイールローダであって、作動油を吐出する作業機用油圧ポンプをさらに備える。作業機は、ブームを駆動するブームシリンダをさらに有する。制御部は、ブームを上方に回動させるためにブームシリンダに供給される油圧の大きさに基づいて掘削中であるか否かを判定する。
本発明の第の態様に係るホイールローダは、第1から第の態様のいずれかのホイールローダであって、自動チルト制御の有効と無効とを選択するための選択部をさらに備える。
本発明の第の態様に係るホイールローダは、第1から第の態様のいずれかのホイールローダであって、作業機操作部と、作業機ロック操作部とをさらに備える。オペレータは、作業機操作部によって、作業機を操作する。作業機ロック操作部は、作業機操作部による操作に関わらず作業機をロックする。制御部は、作業機ロック操作部によって作業機がロックされているときには、自動チルト制御を実行しない。
本発明の第の態様に係るホイールローダの制御方法は以下のステップを備える。第1ステップでは、ブームを上方に回動させる。第2ステップでは、ブームが上方に回動するときに、ブームに対する作業具の相対角度がリンク機構によって変更される。これにより、ブームの先端部に装着された作業具の水平方向に対する角度の変化量が、ブームに対する作業具の相対角度を一定としてブームを上方に回動させるときの作業具の水平方向に対する角度の変化量よりも小さくなる。第3ステップでは、自動チルト制御を実行する。自動チルト制御では、掘削中に、ブームを水平方向よりも低い角度範囲で上方に回動させるときに、作業具を上方に回動させる。第4ステップでは、ホイールローダの前進方向への牽引力の大きさを示す牽引力パラメータの値を検知する。そして、牽引力パラメータが所定値以上であるか否かに基づいて、前記自動チルト制御の実行を判定する。
本発明の第1の態様に係るホイールローダでは、掘削中に、ブームを水平方向よりも低い角度範囲で上方に回動させるときに、作業具が自動的に上方に回動する。このため、オペレータが、ブームの操作と同時に作業具の操作を行なわなくても、良好な掘削作業性を得ることができる。また、前進方向への牽引力が大きいときに、自動チルト制御が実行される。このため、作業機が受ける反力が大きい状況で、自動チルト制御を行うことができる。
本発明の第2の態様に係るホイールローダでは、作業機が受ける反力が大きい掘削の開始時に限って、作業具が自動的に制御される。これにより、作業具が不必要に自動的に制御されることが抑えられる。
本発明の第3の態様に係るホイールローダでは、作業具を大きく持ち上げたときには、自動チルト制御が解除される。これにより、作業具を大きく持ち上げた状態では、リンク機構による姿勢保持機能によって操作性を向上させることができる。
本発明の第4の態様に係るホイールローダでは、制御部は、ブームシリンダに供給される油圧の大きさに基づいて掘削中であるか否かを精度良く判定することができる。
本発明の第の態様に係るホイールローダでは、オペレータは、自動チルト制御が不要なときに、選択部によって自動チルト制御を無効にすることができる。これにより、作業具が不必要に制御されることが抑えられるため、操作性が向上する。
本発明の第の態様に係るホイールローダでは、作業機ロック操作部によって作業機がロックされているときには、自動チルト制御が実行されない。これにより、自動チルト制御の不用な実行を回避することができる。
本発明の第の態様に係るホイールローダの制御方法では、掘削中に、ブームを水平方向よりも低い角度範囲で上方に回動させるときに、作業具が自動的に上方に回動する。このため、オペレータが、ブームの操作と同時に作業具の操作を行なわなくても、良好な掘削作業性を得ることができる。また、前進方向への牽引力が大きいときに、自動チルト制御が実行される。このため、作業機が受ける反力が大きい状況で、自動チルト制御を行うことができる。
本発明の実施形態に係るホイールローダの側面図。 ホイールローダの前部を示す側面図。 ホイールローダに搭載された油圧回路の構成を示すブロック図。 ホイールローダに搭載された油圧回路の構成を示すブロック図。 自動チルト制御の実行の可否を判定するための処理を示すフローチャート。 自動チルト制御の実行開始を判定するための処理を示すフローチャート。 自動チルト指令値情報の一例を示す図。 自動チルト制御の終了を判定するための処理を示すフローチャート。 ホイールローダにおいて自動チルト制御が実行されたときのバケットのチルト角度の変化を示す図。 変形例に係るホイールローダに搭載された油圧回路の構成を示すブロック図。 変形例に係る自動チルト制御の実行開始を判定するための処理を示すフローチャート。 変形例に係る自動チルト制御の終了を判定するための処理を示すフローチャート。
以下、本発明の一実施形態に係るホイールローダ50について、図面を用いて説明する。図1は、ホイールローダ50の斜視図である。ホイールローダ50は、車体51と、作業機52と、複数のタイヤ55と、キャブ56と、リンク機構59とを備えている。キャブ56は、車体51上に載置されている。作業機52は、車体51の前部に取り付けられている。作業機52は、ブーム53とバケット54とブームシリンダ57とバケットシリンダ58とを有する。
ブーム53は、バケット54を持ち上げるための部材である。ブーム53は、上下方向に回動可能に車体51に取り付けられている。ブーム53は、ブームシリンダ57によって上下に回動する。バケット54は、上下方向に回動可能にブーム53の先端部に取り付けられている。バケット54は、バケットシリンダ58によって上下に回動する。なお、以下の説明において、「チルト」とは、バケット54が上方に回動する動作を意味する。「ダンプ」とは、バケット54が下方に回動する動作を意味する。なお、ブーム53には、バケット54に代えてフォークなどの他の作業具が装着可能とされている。
リンク機構59は、図2に示すように、ベルクランク59aと連結リンク59bとを有する。リンク機構59は、バケット54をブーム53の動作に連動して動作させる。
ベルクランク59aは、ブーム53の長手方向における中央部付近に連結されている。ベルクランク59aは、回動可能にブーム53に連結されている。ベルクランク59aの一方の端部はバケットシリンダ58に連結されている(図1参照)。ベルクランク59aの他方の端部は、連結リンク59bに連結されている。連結リンク59bの一方の端部は、バケット54の背面に回動可能に連結されている。連結リンク59bの他方の端部は、ベルクランク59aに回動可能に連結されている。
リンク機構59は、ブーム53を上下に回動させるときに、バケット角度θbuの変化量が、バケット相対角度θbu’を一定としてブーム53を上方に回動させるときのバケット角度θbuの変化量よりも小さくなるように、バケット相対角度θbu’を変更する。バケット角度θbuは、バケット54の底面の水平方向に対する角度である。バケット相対角度θbu’は、ブーム53の基準線Lに対するバケット54の底面の角度である。ブーム53の基準線Lは、ブーム53の車体51に対する回動中心O1と、バケット54のブーム53に対する回動中心O2とを結ぶ線である。
具体的には、リンク機構59は、バケット角度θbuが一定となるように、ブーム角度θboの変化に応じて、バケット相対角度θbu’を変更する。すなわち、ブーム53が上下に回動するときに、リンク機構59は、バケット角度θbuを一定に維持する。これにより、バケット54が平行移動する。なお、ブーム角度θboは、ブーム53の基準線Lの水平方向に対する角度である。ブーム角度θboは、側面視において、水平方向を0度とする。水平方向よりも下方の角度は、マイナスの値であり、水平方向よりも上方の角度は、プラスの値であるものとする。
図3及び図4は、ホイールローダ50に搭載された油圧回路の構成を示すブロック図である。ホイールローダ50は、主として、エンジン1、作業機用油圧ポンプ2、チャージポンプ3、走行機構4、エンジンコントローラ8、車体コントローラ9を有している。
エンジン1は、ディーゼル式のエンジンであり、エンジン1で発生した出力トルクが、作業機用油圧ポンプ2、チャージポンプ3、走行機構4等に伝達される。エンジン1の実回転速度はエンジン回転速度センサ1aによって検知される。また、エンジン1には、燃料噴射装置1bが接続されている。エンジンコントローラ8は、設定された目標エンジン回転速度に応じて燃料噴射装置1bを制御することにより、エンジン1の出力トルクと回転速度とを制御する。
走行機構4は、エンジン1からの駆動力によってホイールローダ50を走行させる。走行機構4は、走行用油圧ポンプ5と、油圧モータ10と、駆動油圧回路20とを有する。
走行用油圧ポンプ5は、エンジン1によって駆動されることにより作動油を吐出する。走行用油圧ポンプ5は、可変容量型の油圧ポンプである。走行用油圧ポンプ5から吐出された作動油は、駆動油圧回路20を通って油圧モータ10へと送られる。走行用油圧ポンプ5は、作動油の吐出方向を変更可能である。具体的には、駆動油圧回路20は、第1駆動回路20aと第2駆動回路20bとを有する。
作動油が、走行用油圧ポンプ5から第1駆動回路20aを介して油圧モータ10に供給されることにより、油圧モータ10が一方向(例えば、前進方向)に駆動される。この場合、第2駆動回路20bを介して油圧モータ10から走行用油圧ポンプ5に作動油が戻る。作動油が、走行用油圧ポンプ5から第2駆動回路20bを介して油圧モータ10に供給されることにより、油圧モータ10が他方向(例えば、後進方向)に駆動される。この場合、第1駆動回路20aを介して油圧モータ10から走行用油圧ポンプ5に作動油が戻る。
そして、油圧モータ10が駆動軸11を介して上述したタイヤ55を回転駆動することにより、ホイールローダ50が走行する。すなわち、ホイールローダ50では、いわゆる1ポンプ1モータのHSTシステムが採用されている。
駆動油圧回路20には、駆動回路圧検知部17が設けられている。駆動回路圧検知部17は、第1駆動回路20a又は第2駆動回路20bを介して油圧モータ10に供給される作動油の圧力(以下、「駆動回路圧」)を検知する。具体的には、駆動回路圧検知部17は、第1駆動回路圧センサ17aと第2駆動回路圧センサ17bとを有する。第1駆動回路圧センサ17aは、第1駆動回路20aの油圧を検知する。第2駆動回路圧センサ17bは、第2駆動回路20bの油圧を検知する。第1駆動回路圧センサ17aと第2駆動回路圧センサ17bとは、検知信号を車体コントローラ9に送る。また、走行用油圧ポンプ5には、走行用油圧ポンプ5の吐出方向を制御するための前後進切換弁27とポンプ容量制御シリンダ28とが接続されている。
前後進切換弁27は、車体コントローラ9からの制御信号に基づいてポンプ容量制御シリンダ28への作動油の供給方向を切り換える電磁制御弁である。ポンプ容量制御シリンダ28は、ポンプパイロット回路32を介して作動油を供給されることにより駆動され、走行用油圧ポンプ5の傾転角を変更する。また、ポンプ容量制御シリンダ28は、ポンプ容量制御シリンダ28に供給される作動油の供給方向に応じて走行用油圧ポンプ5からの作動油の吐出方向を切り換える。
ポンプパイロット回路32には、圧力制御弁29が配置されている。圧力制御弁29は、車体コントローラ9からの制御信号に基づいて制御される電磁制御弁である。圧力制御弁29は、ポンプパイロット回路32の油圧を制御することにより、走行用油圧ポンプ5の傾転角を調整する。
ポンプパイロット回路32は、カットオフ弁47を介してチャージ回路33と作動油タンクとに接続されている。カットオフ弁47のパイロットポートは、シャトル弁46を介して第1駆動回路20aと第2駆動回路20bとに接続されている。シャトル弁46は、第1駆動回路20aの油圧と第2駆動回路20bの油圧とのうち大きい方をカットオフ弁47のパイロットポートに導入する。カットオフ弁47は、駆動回路圧が所定のカットオフ圧以上になると、ポンプパイロット回路32を作動油タンクに連通させる。これにより、ポンプパイロット回路32の油圧が低下することにより、走行用油圧ポンプ5の容量が低減され、駆動回路圧の上昇が抑えられる。
チャージポンプ3は、エンジン1によって駆動され、駆動油圧回路20へと作動油を供給するためのポンプである。チャージポンプ3は、チャージ回路33に接続されている。チャージポンプ3は、チャージ回路33を介してポンプパイロット回路32に作動油を供給する。チャージ回路33は、第1チェック弁41を介して第1駆動回路20aに接続されている。チャージ回路33は、第2チェック弁42を介して第2駆動回路20bに接続されている。
チャージ回路33は、第1リリーフ弁43を介して第1駆動回路20aに接続されている。第1リリーフ弁43は、第1駆動回路20aの油圧が所定の圧力より大きくなったときに開かれる。チャージ回路33は、第2リリーフ弁44を介して第2駆動回路20bに接続されている。第2リリーフ弁44は、第2駆動回路20bの油圧が所定の圧力より大きくなったときに開かれる。
チャージ回路33は、低圧リリーフ弁45を介して作動油タンクに接続されている。低圧リリーフ弁45は、チャージ回路33の油圧が所定のリリーフ圧より大きくなったときに開かれる。駆動回路圧がチャージ回路33の油圧より低くなったときには、第1チェック弁41又は第2チェック弁42を介して、作動油がチャージ回路33から駆動油圧回路20へ供給される。
作業機用油圧ポンプ2は、エンジン1によって駆動される。作業機用油圧ポンプ2は、作業機52を駆動するための油圧ポンプである。作業機用油圧ポンプ2から吐出された作動油は、作業機用油圧回路31を介してブームシリンダ57及びバケットシリンダ58に供給される。これにより、作業機52が駆動される。
図3に示すように、作業機用油圧回路31には、ブーム制御弁18が設けられている。ブーム制御弁18は、作業機操作部23の操作量に応じて駆動される。ブーム制御弁18は、ブーム制御弁18のパイロットポートに印加されるパイロット圧(以下、「ブームPPC圧」と呼ぶ)に応じて、ブームシリンダ57に供給される作動油の流量を制御する。ブームPPC圧は、作業機操作部23のブームPPC弁23aによって制御される。ブームPPC弁23aは、作業機操作部23の操作量に応じたパイロット圧をブーム制御弁18のパイロットポートに印加する。これにより、作業機操作部23の操作量に応じてブームシリンダ57が制御される。
ブームPPC圧は、ブームPPC圧センサ21によって検知される。また、ブームシリンダ57に供給される作動油の圧力は、ブーム圧センサ22によって検知される。ブームPPC圧センサ21及びブーム圧センサ22は、検知信号を車体コントローラ9に送る。
ブーム53には、ブーム角度センサ38が設けられている。ブーム角度センサ38は、ブーム角度θboを検出する。ブーム角度センサ38は、検知信号を車体コントローラ9に送る。
図4に示すように、作業機用油圧回路31には、バケット制御弁35が設けられている。バケット制御弁35は、作業機操作部23の操作量に応じて駆動される。バケット制御弁35は、バケット制御弁35のパイロットポートに印加されるパイロット圧(以下、「バケットPPC圧」と呼ぶ)に応じて、バケットシリンダ58に供給される作動油の流量を制御する。バケットPPC圧は、作業機操作部23のバケットPPC弁23bによって制御される。バケットPPC弁23bは、作業機操作部23の操作量に応じたパイロット圧をバケット制御弁35のパイロットポートに印加する。これにより、作業機操作部23の操作量に応じてバケットシリンダ58が制御される。
バケットPPC圧は、バケットPPC圧センサ36によって検知される。バケットPPC圧センサ36は、検知信号を車体コントローラ9に送る。また、バケットシリンダ58には、バケット角度θbuが所定の閾値を超えたことを検出するための近接スイッチ37が設けられている。所定の閾値は、バケット54が最大にチルト動作した状態でのバケット角度θbuに相当する。従って、近接スイッチ37は、バケット54が最大にチルト動作した状態であるか否かを検出する。
作業機用油圧回路31には、バケットチルト制御弁61と高圧選択弁62とが設けられている。バケットチルト制御弁61は、車体コントローラ9からの制御信号に基づいてバケット制御弁35に印加されるパイロット圧を制御する電磁制御弁である。高圧選択弁62は、バケットチルト制御弁61から供給されるパイロット圧とバケットPPC弁23bから供給されるパイロット圧のうち、大きい方のパイロット圧を選択してバケット制御弁35のパイロットポートに供給する。これにより、作業機操作部23が操作されなくても、車体コントローラ9からの制御信号によってバケットシリンダ58を制御することができる。
図3に示す油圧モータ10は、可変容量型の油圧モータ10である。油圧モータ10は、走行用油圧ポンプ5から吐出された作動油によって駆動される。油圧モータ10は、タイヤ55を回転させるための駆動力を生じさせる走行用のモータである。油圧モータ10は、走行用油圧ポンプ5からの作動油の吐出方向に応じて前進方向と後進方向とに駆動方向が変更される。
油圧モータ10には、モータシリンダ12と、モータ容量制御部13とが設けられている。モータシリンダ12は、油圧モータ10の傾転角を変更する。モータ容量制御部13は、車体コントローラ9からの制御信号に基づいて制御される電磁制御弁である。モータ容量制御部13は、車体コントローラ9からの制御信号に基づいてモータシリンダ12を制御する。
モータシリンダ12とモータ容量制御部13とは、モータパイロット回路34に接続されている。モータパイロット回路34は、チェック弁48を介して第1駆動回路20aに接続されている。モータパイロット回路34は、チェック弁49を介して第2駆動回路20bに接続されている。チェック弁48,49により、第1駆動回路20aと第2駆動回路20bとのうち大きい方の油圧、すなわち駆動回路圧の作動油が、モータパイロット回路34に供給される。
モータ容量制御部13は、車体コントローラ9からの制御信号に基づいて、モータパイロット回路34からモータシリンダ12への作動油の供給方向および供給流量を切り換える。これにより、車体コントローラ9は、油圧モータ10の容量を任意に変えることができる。
ホイールローダ50は、前後進操作部材26を備えている。前後進操作部材26は、車両の前後進を切り換えるためにオペレータによって操作される。前後進操作部材26の操作位置は、前進位置と後進位置と中立位置とに切り換えられる。前後進操作部材26は、前後進操作部材26の位置を示す操作信号を車体コントローラ9に送る。オペレータは、前後進操作部材26を操作することによって、ホイールローダ50の前進と後進とを切り換えることができる。
ホイールローダ50は、作業機ロック操作部25を備えている。作業機ロック操作部25は、ロック位置と解除位置とに切換可能に設けられており、オペレータによって操作される。作業機ロック操作部25がロック位置にあるときには、作業機操作部23による操作に関わらず作業機52がロックされる。作業機ロック操作部25が解除位置にあるときには、作業機操作部23による操作に応じて作業機52が動作する。作業機ロック操作部25の位置を示す操作信号が車体コントローラ9に送られる。
ホイールローダ50は、入力装置24を備えている。オペレータは、入力装置24によって、ホイールローダ50のオプション選択に関する情報を入力することができる。オプション選択は、平行リンク機構やZバーリンク機構などのホイールローダ50に取り付け可能なリンク機構の種類を含む。また、入力装置24は、後述する自動チルト制御の有効/無効を選択するためにオペレータによって操作される。
エンジンコントローラ8は、CPUなどの演算装置や各種のメモリなどを有する電子制御部である。エンジンコントローラ8は、設定された目標回転速度が得られるように、エンジン1を制御する。
車体コントローラ9は、CPUなどの演算装置や各種のメモリなどを有する電子制御部である。車体コントローラ9は、各検知部からの出力信号に基づいて各制御弁を電子制御することにより、走行用油圧ポンプ5の容量と油圧モータ10の容量とを制御する。具体的には、車体コントローラ9は、エンジン回転速度センサ1aが検知したエンジン回転速度に基づいて指令信号を圧力制御弁29に出力する。これにより、走行用油圧ポンプ5の容量が制御される。
車体コントローラ9は、エンジン回転速度センサ1aおよび駆動回路圧検知部17からの出力信号を処理して、モータ容量の指令信号をモータ容量制御部13に出力する。これにより、油圧モータ10の容量が制御される。
次に、車体コントローラ9によって実行される自動チルト制御について説明する。自動チルト制御は、掘削中に、ブーム53を水平方向よりも低い角度範囲で上方に回動させるときに、バケット54を自動的に上方に回動させる制御である。図5は、自動チルト制御の実行の可否を判定するための処理を示すフローチャートである。
ステップS1では、車体コントローラ9は、上述した入力装置24によるオプション選択において、リンク機構の種類が、平行リンク機構に設定されているか否かを判定する。リンク機構の種類として、平行リンク機構が設定されているときには、ステップS2に進む。
ステップS2では、車体コントローラ9は、上述した入力装置24によるオプション選択において、自動チルト制御の有効/無効が有効に設定されているか否かを判定する。自動チルト制御の有効/無効が有効に設定されているときには、ステップS3に進む。
ステップS3では、車体コントローラ9は、作業機ロックが解除されているか否かを判定する。車体コントローラ9は、作業機ロック操作部25が解除位置にあるときに、作業機ロックが解除されていると判定する。作業機ロックが解除されているときには、ステップS4に進む。
ステップS4では、自動チルト制御許可フラグがONに設定される。自動チルト制御許可フラグがONであることは、自動チルト制御の実行が許可されることを意味する。従って、ステップS1からS3の条件の全てが満たされているときに、車体コントローラ9は、自動チルト制御を実行可能と判定する。
ステップS1からS3の条件の少なくとも1つが満たされていないときには、ステップS5に進む。ステップS5では、自動チルト制御許可フラグがOFFに設定される。自動チルト制御許可フラグがOFFであることは、自動チルト制御の実行が許可されないことを意味する。従って、ステップS1からS3の条件の少なくとも1つが満たされていないときには、車体コントローラ9は、自動チルト制御を実行しない。
図6は、自動チルト制御の実行開始を判定するための処理を示すフローチャートである。車体コントローラ9は、自動チルト制御許可フラグがONであるときに、図6に示す処理を行う。
ステップS101では、車体コントローラ9は、掘削フラグがONであるか否かを判定する。掘削フラグは、ホイールローダ50が掘削を行なっているか否かを示すフラグである。掘削フラグがONであることは、ホイールローダ50が掘削を行なっていることを意味する。掘削フラグがOFFであることは、ホイールローダ50が掘削を行なっていないことを意味する。
車体コントローラ9は、ブームボトム圧の大きさに基づいて掘削中であるか否かを判定する。ブームボトム圧は、ブーム53を上方に回動させるためにブームシリンダ57に供給される油圧である。例えば、車体コントローラ9は、ブームボトム圧が所定の圧力閾値以上であることを含む所定条件が満たされたときに、掘削フラグをONに設定する。ブームボトム圧が所定の圧力閾値以上であることは、掘削が行なわれていると見なすことができる程度にブームシリンダ57に大きな負荷がかかっていることを意味する。ステップS101において掘削フラグがONであるときには、ステップS102に進む。
ステップS102では、車体コントローラ9は、ブーム角度が所定の角度閾値A1より小さいか否かを判定する。角度閾値A1は、水平方向より下方のブーム角度である。ブーム角度が所定の角度閾値A1より小さいときには、ステップS103に進む。
ステップS103では、ブーム上げPPC圧が所定の圧力閾値B1以上であるか否かを判定する。ブーム上げPPC圧は、ブーム53を上昇させるためのブームPPC圧である。圧力閾値B1は、ブーム53が上昇し始めるときのブーム上げPPC圧に相当する。ブーム上げPPC圧が所定の圧力閾値B1以上であるときには、ステップS104に進む。
ステップS104では、駆動回路圧が所定の圧力閾値C1以上であるか否かを判定する。ここで、駆動回路圧は、油圧モータ10を前進方向に駆動する場合の油圧(例えば第1駆動回路20aの油圧)である。従って、駆動回路圧は、ホイールローダ50の前進方向への牽引力の大きさを示す牽引力パラメータとして用いられる。圧力閾値C1は、バケットが土砂に突っ込んでいる状態でのホイールローダ50の牽引力に相当する。駆動回路圧が所定の圧力閾値C1以上であるときには、ステップS105に進む。
ステップS105では、車体コントローラ9は、近接スイッチ37からの信号がCLOSEであるか否かを判定する。近接スイッチ37からの信号がCLOSEであることは、バケット角度θbuが所定の閾値を超えていないことを意味する。言い換えれば、近接スイッチ37からの信号がCLOSEであることは、バケット54が掘削時等に受ける反力が大きい位置にあることを意味する。車体コントローラ9は、近接スイッチ37からの信号がCLOSEであるときには、ステップS106に進む。
ステップS106では、車体コントローラ9は、バケットダンプPPC圧が所定の圧力閾値D1より小さいか否かを判定する。バケットダンプPPC圧は、バケット54をダンプさせるためのバケットPPC圧である。圧力閾値D1は、バケット54をダンプさせる操作が行なわれていないときのバケットダンプPPC圧に相当する。車体コントローラ9は、バケットダンプPPC圧が所定の圧力閾値D1より小さいときには、ステップS107に進む。
ステップS107では、車体コントローラ9は、バケットPPC圧センサ36が正常であるか否かを判定する。例えば、車体コントローラ9は、バケットPPC圧センサ36からの信号の電圧が適正範囲内であるときに、バケットPPC圧センサ36が正常であると判定する。バケットPPC圧センサ36が正常であるときにはステップS108に進む。
ステップS108では、車体コントローラ9は、自動チルト制御を開始する。自動チルト制御において、車体コントローラ9は、自動チルト指令値情報に基づいてバケット54のチルト角度を制御する。チルト角度は、バケット54がチルト動作するときのバケット角度を意味する。
図7は、自動チルト指令値情報の一例を示している。自動チルト指令値情報は、自動チルト指令値とブーム上げPPC圧との関係を規定する。自動チルト指令値は、バケットチルト制御弁61への指令値である。従って、車体コントローラ9は、ブーム上げPPC圧に応じてバケット54のチルト角度を制御する。図7に示すように、自動チルト指令値情報では、ブーム上げPPC圧が大きいほど、自動チルト指令値は大きい。自動チルト指令値が大きいほど、バケットチルト制御弁61は、大きなバケットPPCをバケット制御弁35に供給する。すなわち、ブーム上げPPC圧が大きいほど、チルト角度が大きくなる。
より詳細には、自動チルト指令値情報では、ブーム上げPPC圧がp1より大きくp2以下の範囲であるときは、ブーム上げPPC圧がp1以下の範囲であるときよりも、ブーム上げPPC圧に対する自動チルト指令値の増加率が大きい。従って、ブーム上げPPC圧が小さいときには、自動チルト制御でのチルト角度の増加量が小さい。
図8は、自動チルト制御の終了を判定するための処理を示すフローチャートである。ステップS201では、車体コントローラ9は、掘削フラグがOFFであるか否かを判定する。掘削フラグがOFFであるときには、ステップS210に進む。ステップS210では、車体コントローラ9は、自動チルト制御を終了する。
ステップS202では、車体コントローラ9は、ブーム角度が所定の角度閾値A2以上であるか否かを判定する。角度閾値A2は、上述した角度閾値A1と同じ値であってもよく、或いは、異なる値であってもよい。角度閾値A2は、水平方向よりも低い角度である。ブーム角度が所定の角度閾値A2以上であるときには、車体コントローラ9は、ステップS210において、自動チルト制御を終了する。従って、車体コントローラ9は、ブーム角度が、所定角度A1より小さく角度から増大して所定角度A2に達したときに自動チルト制御を終了する。
ステップS203では、ブーム上げPPC圧が所定の圧力閾値B2より小さいか否かを判定する。圧力閾値B2は、上述した圧力閾値B1と同じ値であってもよく、或いは、異なる値であってもよい。ブーム上げPPC圧が所定の圧力閾値B2より小さいときには、車体コントローラ9は、ステップS210において、自動チルト制御を終了する。
ステップS204では、駆動回路圧が所定の圧力閾値C2より小さいか否かを判定する。ここで、駆動回路圧は、油圧モータを前進方向に駆動する場合の油圧(例えば第1駆動回路20aの油圧)である。圧力閾値C2は、上述した圧力閾値C1と同じ値であってもよく、或いは、異なる値であってもよい。駆動回路圧が所定の圧力閾値C2より小さいときには、車体コントローラ9は、ステップS210において、自動チルト制御を終了する。
ステップS205では、車体コントローラ9は、近接スイッチ37からの信号がOPENであるか否かを判定する。近接スイッチ37からの信号がOPENであることは、バケット角度θbuが所定の閾値を超えていることを意味する。言い換えれば、近接スイッチ37からの信号がOPENであることは、バケット54が掘削時等に受ける反力が過大とならない位置にあることを意味する。近接スイッチ37からの信号がOPENであるときには、車体コントローラ9は、ステップS210において、自動チルト制御を終了する。
ステップS206では、車体コントローラ9は、バケットダンプPPC圧が所定の圧力閾値D2以上であるか否かを判定する。圧力閾値D2は、上述した圧力閾値D1と同じ値であってもよく、或いは、異なる値であってもよい。バケットダンプPPC圧が所定の圧力閾値D2以上であるときには、車体コントローラ9は、ステップS210において、自動チルト制御を終了する。
ステップS207では、車体コントローラ9は、バケットPPC圧センサ36が異常であるか否かを判定する。例えば、車体コントローラ9は、バケットPPC圧センサ36からの信号の電圧が適正範囲内ではないときに、バケットPPC圧センサ36が異常であると判定する。バケットPPC圧センサ36が異常であるときには、車体コントローラ9は、ステップS210において、自動チルト制御を終了する。
ステップS208では、車体コントローラ9は、ブーム角速度が所定の角速度閾値W1より小さいか否かを判定する。車体コントローラ9は、例えば、ブーム角度センサ38からの検出値に基づいて、ブーム角速度を算出する。角速度閾値W1は、ブーム53が上昇していないと見なせる程度に小さい値である。ブーム角速度が所定の角速度閾値W1より小さいときには、車体コントローラ9は、ステップS210において、自動チルト制御を終了する。
ステップS209では、車体コントローラ9は、自動チルト制御の継続時間が所定の時間閾値T1以上であるか否かを判定する。自動チルト制御の継続時間が所定の時間閾値T1以上であるときには、車体コントローラ9は、ステップS210において、自動チルト制御を終了する。従って、車体コントローラ9は、自動チルト制御の開始時から所定時間T1が経過したときに自動チルト制御を終了する。
以上のように、ステップS201からS209までの条件の少なくとも1つが満たされたときに、車体コントローラ9は、自動チルト制御を終了する。言い換えれば、ステップS1からS9までの条件が全て満たされているときには、車体コントローラ9は、自動チルト制御を継続する。
本実施形態に係るホイールローダ50では、掘削中に、オペレータが、ブーム上げ操作を行うと、その操作量に応じてブーム53が上方に回動する。このブーム53の動作に連動して、リンク機構59は、バケット角度θbuが一定となるように、ブーム角度θboの変化に応じて、バケット相対角度θbu’を変更する。このとき、ブーム53が水平方向よりも低い所定の角度範囲(角度閾値A1より小さい角度範囲)内であるときには、車体コントローラ9が自動チルト制御を実行する。これにより、バケット54が上方に回動する。
図9は、本実施形態に係るホイールローダ50において自動チルト制御が実行されたときのブームヒンジピンの高さに対するバケットのチルト角度の変化を示している。ブームヒンジピンの高さは、図2に示すように、バケットの回動中心O2の高さHに相当する。従って、ブーム上げ操作によってブームヒンジピンの高さは大きくなる。図9において、L_autotiltは、本実施形態に係るホイールローダ50において自動チルト制御が実行されているときのチルト角度の変化を示す。L_parallelは、平行リンク機構を備えているが、自動チルト制御を実行しない従来のホイールローダ(以下、「従来の平行リンク型ホイールローダ」と呼ぶ)でのチルト角度の変化を示す。L_Zbarは、Zバーリンクを備える従来のホイールローダ(以下、「Zバーリンク型ホイールローダ」と呼ぶ)でのチルト角度の変化を示す。
図9に示すように、本実施形態に係るホイールローダ50では、掘削の開始時点P1から掘削の開始直後の時点P2までの間は、チルト角度が従来の平行リンク型ホイールローダよりも大きく増大する。これにより、チルト角度がZバーリンク型ホイールローダと同様に変化する。これは、自動チルト制御が行われることによって、チルト角度が大きくなるように、バケット54が自動的に制御されるからである。
そして、時点P2以降は、チルト角度の変化が小さくなる。これにより、チルト角度が従来の平行リンク型ホイールローダと同様に変化する。これは、自動チルト制御が終了することによって、オペレータの操作によるチルト角度の変化を除いて、チルト角度の変化が、リンク機構59の姿勢保持機能による変化のみになるからである。
以上のように、本実施形態に係るホイールローダ50では、掘削の開始当初において、バケット54が自動的に上方に回動する。このため、オペレータが、ブーム53の操作と同時にバケット54の操作を行なわなくても、良好な掘削作業性を得ることができる。
図8のステップS209に示すように、車体コントローラ9は、自動チルト制御の開始時から所定時間T1が経過したときに自動チルト制御を終了する。従って、作業機52が受ける反力が大きい掘削の開始時に限って、バケット54が自動的に制御される。これにより、バケット54が不必要に自動的に制御されることが抑えられる。
図8のステップS202に示すように、車体コントローラ9は、ブーム角度が、水平方向よりも低い所定角度A2に達したときに自動チルト制御を終了する。従って、バケット54を大きく持ち上げたときには、自動チルト制御が解除される。これにより、バケット54を大きく持ち上げた状態では、リンク機構59による姿勢保持機能によって操作性を向上させることができる。
車体コントローラ9は、ブームボトム圧の大きさに基づいて掘削中であるか否かを判定する。このため、車体コントローラ9は、掘削中であるか否かを精度良く判定することができる。
図6のステップS104に示すように、自動チルト制御の開始条件は、駆動回路圧が所定の圧力閾値C1以上であることを含む。従って、前進方向への牽引力が大きいときに、自動チルト制御が実行される。このため、作業機52が受ける反力が大きい状況で、自動チルト制御を行うことができる。
オペレータは、自動チルト制御が不要なときに、入力装置24によって自動チルト制御を無効にすることができる。これにより、バケットが不必要に制御されることが抑えられるため、操作性が向上する。
図5のステップS3に示すように、作業機ロック操作部25が解除位置ではないとき、すなわち、作業機ロック操作部25がロック位置であるときには、車体コントローラ9は、自動チルト制御の実行を不可と判定する。従って、作業機ロック操作部25によって作業機52がロックされているときには、自動チルト制御が実行されない。これにより、自動チルト制御の不用な実行を回避することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記の実施形態では、1つの油圧ポンプと1つの走行用油圧モータを含む1ポンプ1モータのHSTシステムを搭載したホイールローダを例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、1つの第1油圧ポンプと2つの走行用油圧モータを含む、1ポンプ2モータのHSTシステムを搭載したホイールローダに対して、本発明を適用してもよい。
上記の実施形態では、走行機構としてHSTシステムを例示しているが、走行機構は、トルクコンバータやトランスミッションを介して駆動軸を駆動する機構であってもよい。この場合、牽引力パラメータとして、トルクコンバータの速度比から算出した牽引力が牽引力パラメータとして使用されてもよい。
自動チルト制御の実行の可否の判定条件と、自動チルト制御の開始条件と、自動チルト制御の終了条件と、掘削フラグの判定条件とは、上記の実施形態で例示した条件と異なる条件が採用されてもよい。
上記の実施形態では、作業具としてバケットが例示されているが、他の作業具が用いられてもよい。
上記の実施形態では、車体コントローラとエンジンコントローラが別の構成として記載されているが、一体のコントローラであってもよい。或いは、車体コントローラが複数のコントローラによって構成されてもよい。
上記の実施形態において、近接スイッチ37に代えて、バケット角度センサが用いられてもよい。バケット角度センサは、バケット角度θbu或いはバケット相対角度θbu’を検出する。この場合、上述したステップS105において、車体コントローラ9は、バケット角度θbu或いはバケット相対角度θbu’が、所定の角度閾値より小さいか否かを判定する。また、上述したステップS205において、車体コントローラ9は、バケット角度θbu或いはバケット相対角度θbu’が、所定の角度閾値以上であるか否かを判定する。
上記の実施形態では、作業機操作部23は、油圧制御方式の操作部であるが、電気制御方式の操作部が用いられてもよい。図10は、変形例に係るホイールローダに搭載された油圧回路の構成を示すブロック図である。なお、図10において、上述した実施形態と同じ構成には同じ符号を付している。
図10に示すように、変形例に係るホイールローダは、作業機操作部23’を備える。作業機操作部23’は、電気制御方式の操作部である。作業機操作部23’は、操作量に応じた操作信号を車体コントローラ9に出力する。例えば、作業機操作部23’は、操作量に応じた電圧値を有する操作信号を車体コントローラ9に出力する。また、変形例に係るホイールローダは、第1バケットチルト制御弁61aと、第2バケットチルト制御弁61bとを有する。第1バケットチルト制御弁61aと、第2バケットチルト制御弁61bとは、車体コントローラ9からの制御信号に基づいてバケット制御弁35に印加されるパイロット圧を制御する電磁制御弁である。
車体コントローラ9は、作業機操作部23’からの操作信号に基づいて、第1バケットチルト制御弁61a及び第2バケットチルト制御弁61bへの指令値を決定する。ただし、自動チルト制御の実行中には、車体コントローラ9は、自動チルト指令値情報に基づいて決定した指令値と、作業機操作部23’からの操作信号に基づいて決定した指令値とのうち大きい方を、第1バケットチルト制御弁61aへの指令値として決定する。
図11は、変形例に係る自動チルト制御の実行開始を判定するための処理を示すフローチャートである。図11に示すように、ステップS103’では、車体コントローラ9は、ブーム上げ操作量が所定の操作量閾値E1以上であるか否かを判定する。ブーム上げ操作量は、ブーム53を上昇させるための作業機操作部23’の操作量である。
また、ステップS106’では、車体コントローラ9は、バケットダンプ操作量が、所定の操作量閾値F1より小さいか否かを判定する。バケットダンプ操作量は、バケット54をダンプさせるための作業機操作部23’の操作量である。なお、車体コントローラ9は、作業機操作部23’からの操作信号に基づいて、ブーム上げ操作量及びバケットダンプ操作量を取得する。
ステップS107’では、車体コントローラ9は、作業機操作部23’が正常であるか否かを判定する。例えば、車体コントローラ9は、作業機操作部23’からの操作信号の電圧値の範囲が適正範囲内であるか否かに基づいて、作業機操作部23’が正常であるか否かを判定する。図11に示す他の処理については、図6に示す処理と同様である。
図12は、変形例に係る自動チルト制御の終了を判定するための処理を示すフローチャートである。図12に示すように、ステップS203’では、車体コントローラ9は、ブーム上げ操作量が所定の操作量閾値E2より小さいか否かを判定する。また、ステップS206’では、車体コントローラ9は、バケットダンプ操作量が、所定の操作量閾値F2以上であるか否かを判定する。ステップS207’では、車体コントローラ9は、作業機操作部23’が異常であるか否かを判定する。図12に示す他の処理については、図8に示す処理と同様である。
本発明によれば、簡易な操作で良好な掘削作業性を得ることができるホイールローダを提供することができる。
51 車体
53 ブーム
54 バケット
52 作業機
59 リンク機構
9 車体コントローラ(制御部)
2 作業機用油圧ポンプ
57 ブームシリンダ
17 駆動回路圧検知部(牽引力パラメータ検知部)
24 入力装置(選択部)
23 作業機操作部
25 作業機ロック操作部

Claims (8)

  1. 車体と、
    上下方向に回動可能に前記車体に取り付けられるブームと、上下方向に回動可能に前記ブームの先端部に取り付けられる作業具と、を有する作業機と、
    前記ブームを上方に回動させるときに、前記作業具の水平方向に対する角度の変化量が、前記ブームに対する前記作業具の相対角度を一定として前記ブームを上方に回動させるときの前記作業具の水平方向に対する角度の変化量よりも小さくなるように前記ブームに対する前記作業具の相対角度を変更するリンク機構と、
    掘削中に、前記ブームを水平方向よりも低い角度範囲で上方に回動させるときに、前記作業具を上方に回動させる自動チルト制御を実行する制御部と、
    を備えているホイールローダ。
  2. 前記制御部は、前記自動チルト制御の開始時から所定時間が経過したときに前記自動チルト制御を終了する、
    請求項1に記載のホイールローダ。
  3. 前記制御部は、前記ブームの水平方向に対する角度が、水平方向よりも低い所定角度に達したときに前記自動チルト制御を終了する、
    請求項1又は2に記載のホイールローダ。
  4. 作動油を吐出する作業機用油圧ポンプをさらに備え、
    前記作業機は、前記ブームを駆動するブームシリンダをさらに有し、
    前記制御部は、前記ブームを上方に回動させるために前記ブームシリンダに供給される油圧の大きさに基づいて掘削中であるか否かを判定する、
    請求項1から3のいずれかに記載のホイールローダ。
  5. 前記ホイールローダの前進方向への牽引力の大きさを示す牽引力パラメータの値を検知する牽引力パラメータ検知部をさらに備え、
    前記牽引力パラメータが所定値以上であるか否かに基づいて、前記制御部は、前記自動チルト制御の実行を判定する、
    請求項1から4のいずれかに記載のホイールローダ。
  6. 前記自動チルト制御の有効と無効とを選択するための選択部をさらに備える、
    請求項1から5のいずれかに記載のホイールローダ。
  7. 前記作業機を操作するための作業機操作部と、
    前記作業機操作部による操作に関わらず前記作業機をロックする作業機ロック操作部と、
    をさらに備え、
    前記制御部は、前記作業機ロック操作部によって前記作業機がロックされているときには、前記自動チルト制御を実行しない、
    請求項1から6のいずれかに記載のホイールローダ。
  8. ブームを上方に回動させるステップと、
    前記ブームが上方に回動するときに、前記ブームの先端部に装着された作業具の水平方向に対する角度の変化量が、前記ブームに対する前記作業具の相対角度を一定として前記ブームを上方に回動させるときの前記作業具の水平方向に対する角度の変化量よりも小さくなるように前記ブームに対する前記作業具の相対角度がリンク機構によって変更されるステップと、
    掘削中に、前記ブームを水平方向よりも低い角度範囲で上方に回動させるときに、前記作業具を上方に回動させる自動チルト制御を実行するステップと、
    を備えているホイールローダの制御方法。


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