JP2014055286A - 照明用放熱部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】放熱性、長時間点灯後の白色性、嵌合による欠け・変形耐性、成形品薄肉部への充填率に優れた照明用放熱部材を提供する。
【解決手段】(A)ポリアミド樹脂100重量部に対して、(B)水酸化マグネシウム40〜250重量部、(C)ガラス繊維50〜200重量部および(D)酸化チタン1〜40重量部を配合してなる熱可塑性樹脂組成物を成形してなる照明用放熱部材。
【選択図】図1

Description

本発明は、放熱性、長時間点灯後の白色性、嵌合による欠け・変形耐性、成形品薄肉部への充填率に優れた照明用放熱部材に関するものである。
近年、環境低負荷に対する観点から、蛍光灯や電球と比較して省電力で長寿命な性能を有する光源であるLED(エルイーディー:Light Emitting Diode)が数多く開発され、市場に供されている。中でも照明用等に用いられる高発光効率のLEDは、優れた省電力性と長寿命性を有する点で注目され、産業用から一般家庭用などに用途が拡大されつつある。特に消費電力が大きく、短寿命である電球に代わる次世代照明材料として拡大が期待される。
一方、LEDの発する光の強さを増大させるためには、供給する電流を多くする必要がある。しかし、素子が熱に弱く、80℃以上になると素子が劣化するため、LED寿命が低下し、それに伴い明るさが低下するという特性がある。LED寿命の低下、明るさの低下を防ぐためには、適切に放熱する部材を用いることが好ましく、適切に放熱しないと上述する発光効率の低下や寿命の短縮でLEDの利点が失われる他、発煙・発火などの事故に繋がる事がある。
現在、高発光効率LEDの放熱対策として、LED基盤や筐体にはアルミダイカストなどの金属材料をLED放熱部材として用いている。しかし、アルミダイカストなどの金属材料は、部品を作製する際に、バリ取りする必要があるため加工に手間がかかり、生産性が不十分である。また、蛍光灯や電球と比較して製品重量が増すために、設置するときに誤って落下させてしまう危険性があるなどの課題がある。また、意匠性の観点から、LED基盤や筐体には白色性が望まれている。
上記課題に対し、近年、熱伝導性を有する樹脂を用いたLED放熱用部材の検討がなされている。
例えば、特許文献1には、ポリフェニレンスルフィド樹脂と水酸化マグネシウムとガラス繊維を配合してなる熱伝導率が0.8W/m・K以上の樹脂組成物からなるLED放熱用部材が開示されている。しかし、該部材では、例えば光透過カバーとの嵌合やネジ止めなどの強い衝撃に対しては強度・靭性が足りないため、欠けや変形が生じる懸念があった。また、白色性に関しては、例え着色した場合でも、LEDによる長時間の熱を受けると変色しやすく、改良が望まれていた。
一方、強度に優れるポリアミド樹脂を使用した材料も開示されている。
例えば、特許文献2には、ポリアミド樹脂と水酸化マグネシウムとガラス繊維を含有する難燃性ポリアミド成形用組成物が開示されている。該組成物は水酸化マグネシウム含有量から判断すると熱伝導率に優れる材料と推定されるが、高温雰囲気下で変色しやすく、照明用放熱部材に使用するには満足できるものではなかった。
また、特許文献3には、ポリアミド樹脂と水酸化マグネシウムを含有する熱伝導率に優れた樹脂組成物を使用したコネクタ付き電線が開示されている。しかし、該樹脂組成物は機械的強度が低く、照明用放熱部材に使用した場合、例えば光透過カバーとの嵌合やネジ止めなどの強い衝撃で欠けや変形が生じる懸念があった。また、高温雰囲気下で変色しやすく、照明用放熱部材に使用するには満足できるものではなかった。
また、特許文献4には、ポリアミド樹脂と酸化マグネシウムを含む熱伝導性に優れた樹脂組成物が開示されている。しかし、該樹脂組成物は機械的強度・靭性が低く、照明用放熱部材として使用する場合、例えば嵌合やネジ止めなどの衝撃に対しては欠けや変形が生じる懸念があり、満足のいくものではなかった。
さらに、特許文献5には、テレフタル酸単位と1,9−ノナンジアミン単位および/または2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位からなるポリアミド樹脂と酸化チタンと水酸化マグネシウムと強化剤を含有するLEDリフレクター成形用ポリアミド樹脂組成物が開示されている。該樹脂組成物は、LEDの製造工程を想定した高温短時間の加熱処理を行っても高い白色度を維持するが、熱伝導率が低いため放熱性に劣り、LED筐体などの長時間熱がかかる部材に使用した場合には、白色性が維持されにくく、照明用放熱部材として使用するには満足のいくものではなかった。
特開2011−228685号公報 特開平6−234913号公報 特開2009−59649号公報 特開2012−107135号公報 特開2006−257314号公報
本発明は、前記課題に対し、放熱性、長時間点灯後の白色性、嵌合による欠け・変形耐性、成形品薄肉部への充填率に優れた照明用放熱部材を提供することを課題とする。
本発明では、ポリアミド樹脂、水酸化マグネシウム、ガラス繊維および酸化チタンを特定割合で配合してなる熱可塑性樹脂組成物を照明用放熱部材に用いることにより、上述の課題を解決できることを見出した。すなわち本発明は、(A)ポリアミド樹脂100重量部に対して、(B)水酸化マグネシウム40〜250重量部、(C)ガラス繊維50〜200重量部および(D)酸化チタン1〜40重量部を配合してなる熱可塑性樹脂組成物を成形してなる照明用放熱部材である。
本発明により、放熱性、長時間点灯後の白色性、嵌合による欠け・変形耐性、成形品薄肉部への充填率に優れた照明用放熱部材を提供することが可能となる。
実施例および比較例で使用するLED筐体を真横から見たときの説明図である。 実施例および比較例で使用するLED筐体を真下から見たときの説明図である。 実施例および比較例で使用するLED筐体を真上から見たときの説明図である。 図3の点線部分を真横から見たときの説明図である。 光透過カバーの説明図である。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の照明用放熱部材は、ポリアミド樹脂、水酸化マグネシウム、ガラス繊維および酸化チタンを配合してなる熱可塑性樹脂組成物を成形してなる。
本発明に用いられる(A)ポリアミド樹脂とは、アミド結合を有する高分子からなる樹脂のことであり、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸を主たる原料とするものである。本発明の照明用放熱部材を構成する熱可塑性樹脂組成物にポリアミド樹脂を配合することにより、機械的強度、靭性、白色着色性に優れた成形品を得ることができる。かかる熱可塑性樹脂組成物を照明用放熱部材に適用することにより、照明用放熱部材を他の部品と嵌合した際の欠けや変形に対する耐性、長時間点灯後の白色性を高めることができる。ポリアミド樹脂の原料の代表例としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸;ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム;テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン;メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミンなどの芳香族ジアミン;1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの脂環族ジアミン;アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸などが挙げられる。本発明においては、これらの原料から誘導されるポリアミドホモポリマーまたはコポリマーを2種以上配合してもよい。
本発明において、特に有用なポリアミド樹脂は、150℃以上の結晶融解温度を有する、耐熱性や強度に優れたポリアミド樹脂である。150℃以上の結晶融解温度を有するポリアミド樹脂の具体的な例としては、ポリカプロアミド(ポリアミド6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリペンタメチレンアジパミド(ポリアミド56)、ポリテトラメチレンアジパミド(ポリアミド46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ポリアミド610)、ポリペンタメチレンセバカミド(ポリアミド510)、ポリテトラメチレンセバカミド(ポリアミド410)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)、ポリウンデカンアミド(ポリアミド11)、ポリドデカンアミド(ポリアミド12)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ポリアミド6/66)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ポリアミド6/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ポリアミド66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ポリアミド66/6I)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミド/ポリカプロアミドコポリマー(ポリアミド66/6I/6)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ポリアミド6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリデカンアミドコポリマー(ポリアミド6T/12)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ポリアミド66/6T/6I)、ポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)、ポリメタキシリレンセバカミド(ポリアミドMXD10)、ポリパラキシリレンアジパミド(ポリアミドPXD6)、ポリパラキシリレンセバカミド(ポリアミドPXD10)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ−2−メチルペンタメチレンテレフタルアミドコポリマー(ポリアミド6T/M5T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリペンタメチレンテレフタルアミドコポリマー(ポリアミド6T/5T)、ポリペンタメチレンテレフタルアミド/ポリペンタメチレンアジパミドコポリマー(5T/56)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ポリアミド9T)、ポリノナメチレンテレフタルアミド/ポリ2−メチル−1,8−オクタメチレンテレフタルアミドコポリマー(ポリアミド9T/M8T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド10T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ポリアミド10T/66)、ポリデカメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンドデカミドコポリマー(ポリアミド10T/612)、ポリドデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド12T)およびこれらの混合物ないし共重合体などが挙げられる。ここで「/」は共重合体を示し、以下同じである。
とりわけ好ましいものとしては、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド56、ポリアミド610、ポリアミド510、ポリアミド410、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6/66、ポリアミド66/6T、ポリアミド66/6I、ポリアミド6T/6I、ポリアミド66/6I/6、ポリアミド6T/12、ポリアミド66/6T/6I、ポリアミドMXD6、ポリアミド6T/M5T、ポリアミド6T/5T、ポリアミド9T、ポリアミド9T/M8T、ポリアミド10T、ポリアミド10T/66、ポリアミド10T/612、ポリアミド12Tなどを挙げることができる。これらのポリアミド樹脂を、成形性、耐熱性、靭性、表面性などの必要特性に応じて2種以上配合することも実用上好適である。これらの中で、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド410、ポリアミド66/6I/6は、機械的強度、靭性、白色着色性、射出成形性のバランスに優れ、これらのポリアミド樹脂を配合してなる熱可塑性樹脂組成物を照明用放熱部材に適用することにより、他の部品と嵌合した際の欠けや変形に対する耐性、長時間点灯後の白色性、成形品薄肉部への充填率をより高めることができるため好ましい。中でもポリアミド6およびポリアミド66/6I/6は、前記特性に加え、融点が適度に低いため溶融混練や射出成形における加工温度を低く設定することが可能であり、水酸化マグネシウムの脱水反応を抑制することができる。このため、水酸化マグネシウムの脱水反応に起因する空洞の形成などを抑制して照明用放熱部材の充填率をより向上させ、放熱性をより向上させることができることから好ましい。さらにポリアミド66/6I/6では、熱可塑性樹脂組成物の融点と降温結晶化温度の差が適度に大きくなるため、射出成形時に金型内ですぐには結晶化が起こらずに流動し、照明用放熱部材の薄肉部への充填率を向上でき、さらに放熱性を高めることができる。また充填率が高くなるため、嵌合による欠け・変形も少なくなる。さらに金型転写性が良くなるため、表面外観も良好となり、最も好ましい。
これらポリアミド樹脂の重合度には特に制限はないが、相対粘度が1.5〜2.8であることが好ましい。ここでいう相対粘度とは、ポリアミド樹脂濃度0.01g/mlの98%濃硫酸溶液中、25℃で測定した値をいう。複数のポリアミド樹脂を併用する場合、ポリアミド樹脂全体としての相対粘度が1.5〜2.8であることが好ましい。相対粘度が1.5以上であれば、照明用放熱部材を他の部品と嵌合した際の欠けや変形をより抑制することができる。1.7以上がより好ましい。一方、相対粘度が2.8以下であれば、熱可塑性樹脂組成物の溶融粘度を適切な範囲に抑え、照明用放熱部材の薄肉部への充填率をより高めることができる。2.7以下がより好ましい。
本発明に用いられる(B)水酸化マグネシウムとしては、化学式Mg(OH)で示される無機物を80重量%以上含む純度の高い水酸化マグネシウムが好ましい。本発明の照明用放熱部材を構成する熱可塑性樹脂組成物に水酸化マグネシウムを配合することにより、照明用放熱部材の放熱性、他の部品と嵌合した際の欠けや変形に対する耐性、長時間点灯後の白色性を高めることができる。放熱性および他の部品と嵌合した際の欠けや変形に対する耐性の点から、Mg(OH)で示される無機物を80重量%以上含み、CaO含量5重量%以下、塩素含量1重量%以下である高純度水酸化マグネシウムがより好ましく、Mg(OH)を98重量%以上含み、CaO含量0.1重量%以下、塩素含量0.1重量%以下である高純度水酸化マグネシウムがさらに好ましい。
本発明に用いられる水酸化マグネシウムの形状は、粒子状、フレーク状、繊維状いずれでもよいが、押出混練時のフィード性、分散性などの観点から、粒子状、フレーク状が好ましい。また、その粒子径に関して特に限定はないが、照明用放熱部材を他の部品と嵌合した際の欠けや変形に対する耐性と成形品薄肉部への充填率のバランスを取る上で、レーザー回折法によって測定した平均粒子径が0.1〜10μmの範囲であることが好ましく、0.3〜4μmの範囲のものがより好ましい。
水酸化マグネシウムは、例えば、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシランなどのビニルシラン化合物、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシシラン化合物、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノシラン化合物、ステアリン酸、オレイン酸、モンタン酸、ステアリルアルコールなどの長鎖脂肪酸または長鎖脂肪族アルコールなどにより表面処理が施されていてもよい。特に、エポキシシラン化合物および/またはアミノシラン化合物により表面処理が施された水酸化マグネシウムは、照明用放熱部材の放熱性および嵌合した際の欠けや変形に対する耐性をより高めることができるため、好ましく使用される。
本発明に用いられる(B)水酸化マグネシウムの配合量は、(A)ポリアミド樹脂100重量部に対して、40〜250重量部である。(B)水酸化マグネシウムの配合量が40重量部より少ないと、得られる熱可塑性樹脂組成物の熱伝導率が小さく、照明用放熱部材の放熱性が低くなる。70重量部以上がより好ましい。一方、(B)水酸化マグネシウムの配合量が250重量部より多いと、得られる熱可塑性樹脂組成物の溶融粘度が高くなり、薄肉部を有する照明用放熱部材を成形することが困難となったり、薄肉部への充填率が低くなったりする。200重量部以下がより好ましい。
本発明に用いられる(C)ガラス繊維は、特に制限はなく、公知のものが使用できる。本発明の照明用放熱部材を構成する熱可塑性樹脂組成物にガラス繊維を配合することにより、照明用放熱部材を他の部品と嵌合した際の欠けや変形に対する耐性を高めることができる。ガラス繊維は、所定長さにカットしたチョップドストランド、ロービングストランド、ミルドファイバーなどの形状のものがあるが、いずれを使用してもよい。繊維径は特に制限はないが、4〜11μmのものが好ましい。繊維径が4μm以上であれば、照明用放熱部材における成形品薄肉部への充填率を高めることができる。一方、11μm以下であれば、熱可塑性樹脂組成物中のガラス繊維の本数が多くすることができ、ガラス繊維による補強効果が得られやすくなることから、照明用放熱部材を嵌合した際の欠けや変形に対する耐性を高めることができる。ここで、ガラス繊維の繊維径とは、各ガラス繊維の繊維径の数平均値を指し、以下の方法により求めることができる。SEM(走査型電子顕微鏡)を使用してガラス繊維の断面(繊維の長さ方向に対して直角な面)を観察し、最大径と最小径を測定し、その平均値を各ガラス繊維の繊維径とする。無作為に選んだ10本のガラス繊維の繊維径の数平均値を算出することにより、ガラス繊維の繊維径を求めることができる。チョップドストランドを使用する場合、繊維長に特に制限はないが、押出混練作業性の高いストランド長3mmのガラス繊維が好ましく使用される。ロービングストランドを使用する場合、押出機にロービングストランドを直接投入する公知の技術により複合することができる。これらのガラス繊維を2種以上併用してもよい。
本発明に用いられる(C)ガラス繊維の配合量は、(A)ポリアミド樹脂100重量部に対して、50〜200重量部である。(C)ガラス繊維の配合量が50重量部より少ないと、照明用放熱部材を嵌合した際の欠けや変形に対する耐性が低くなる。70重量部以上がより好ましい。一方、(C)ガラス繊維の配合量が200重量部より多いと、得られる熱可塑性樹脂組成物の溶融粘度が高くなり、薄肉部を有する照明用放熱部材を成形することが困難となったり、薄肉部への充填率が低くなったりする。150重量部以下がより好ましい。
本発明に用いられる(D)酸化チタンは、特に制限はなく、公知のものが使用できる。本発明の照明用放熱部材を構成する熱可塑性樹脂組成物に酸化チタンを配合することにより、照明用放熱部材の長時間点灯後の白色性を高めることができる。酸化チタンは、ルチル型、あるいはアナターゼ型などの結晶型を持つが、ルチル型の結晶型は白着色性と熱安定性に優れるため好ましく使用される。また平均粒子径は、照明用放熱部材を嵌合した際の欠けや変形に対する耐性や、長時間点灯後の白色性をより高めるため、5μm以下が好ましく用いられる。平均粒子径3μm以下がより好ましく、平均粒子径1μm以下が最も好ましい。なお、平均粒子径は、レーザー回折散乱式粒子径測定機(例えば、株式会社島津製作所製のSALD−2000)を用いて測定することができる。
酸化チタンは、表面処理が施されていることが好ましく、照明用放熱部材を嵌合した際の欠けや変形に対する耐性をより高めることができる。表面処理剤としては、公知の無機化合物および/または有機化合物を1種以上用いることができる。表面処理剤のうち、無機化合物としては、例えば、アルミニウム、ケイ素、ジルコニウム、スズ、チタニウム、アンチモンなどの酸化物、水酸化物、水和酸化物などが挙げられる。また、表面処理剤のうち、有機化合物としては、例えば、多価アルコール、アルカノールアミンまたはその誘導体、有機ケイ素化合物、高級脂肪酸またはその金属塩などが挙げられる。具体的には、例えば、多価アルコールとしては、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。アルカノールアミンとしては、トリエチルアミンなどが挙げられる。有機ケイ素化合物としては、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンなどのポリシロキサン類、ヘキシルトリメトキシシランなどのアルキルシラン類、アミノシラン、ビニルシランなどのシランカップリング剤などのオルガノシラン類などが挙げられる。高級脂肪酸としては、ステアリン酸などが、高級脂肪酸の金属塩としてはステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
前記表面処理剤の中から、無機化合物および有機化合物を各1種以上組み合わせて表面処理した酸化チタンがより好ましい。具体的な好ましい態様としては、無機化合物としてアルミニウムおよび有機化合物として多価アルコールを用いて表面処理した酸化チタン、無機化合物としてアルミニウム、ケイ素および有機化合物としてポリシロキサン類を用いて表面処理した酸化チタンなどが挙げられる。これら無機化合物および有機化合物を各1種以上組み合わせて表面処理した酸化チタンは、公知の方法により製造することも可能であり、また市販品を用いることも可能である。
本発明に用いられる(D)酸化チタンの配合量は、(A)ポリアミド樹脂100重量部に対して、1〜40重量部である。(D)酸化チタンの配合量が1重量部より少ないと、照明用放熱部材において長時間点灯時の白色性が悪くなる。3重量部以上がより好ましい。一方、(D)酸化チタンの配合量が40重量部より多いと、照明用放熱部材において嵌合した際の欠けや変形に対する耐性が低くなる。30重量部以下がより好ましい。
一般に、樹脂組成物中に酸化チタンを多量に配合すればするほど白色性が増し、照明を長時間点灯した後の白色維持性も高くなるが、酸化チタンを多量に配合すると、機械的強度が大きく低下し、例えば、嵌合した際の欠けや変形に対する耐性は低くなることが多かった。本発明では、酸化チタンの配合量は少なくても、酸化チタンと水酸化マグネシウムを組み合わせ、さらにその配合量を調整することにより、照明を長時間点灯しても白色性を高度に維持し、照明用放熱部材として好ましく使用できることを見出した。
本発明に用いられる(B)水酸化マグネシウムと(D)酸化チタンの配合量については、酸化チタンの配合量に対する水酸化マグネシウムの配合量の比(水酸化マグネシウムの配合量/酸化チタンの配合量(重量比))が7〜25であることが好ましい。この比が7以上であれば、照明用放熱部材を他の部品と嵌合した際の欠けや変形に対する耐性をさらに大きくすることができる。8以上がより好ましい。一方、この比が25以下であれば、照明用放熱部材において、長時間点灯しても白色性をさらに高度に維持することができる。18以下が好ましい。
本発明の照明用放熱部材は、照明用放熱部材から抽出したポリアミド樹脂の、0.01g/mlの98%硫酸溶液の25℃における相対粘度が1.5〜2.8であることが好ましい。この相対粘度は、前述の、熱可塑性樹脂組成物に配合されるポリアミド樹脂の相対粘度にほぼ等しい。複数のポリアミド樹脂を併用する場合、配合されるポリアミド樹脂全体としての相対粘度にほぼ等しい。相対粘度が1.5以上であれば、照明用放熱部材を他の部品と嵌合した際の欠けや変形をより抑制することができる。1.7以上がより好ましい。一方、相対粘度が2.8以下であれば、熱可塑性樹脂組成物の溶融粘度を適切な範囲に抑え、照明用放熱部材の薄肉部への充填率をより高めることができる。2.7以下がより好ましい。例えば、所望の相対粘度を有するポリアミド樹脂を配合することにより、照明用放熱部材から抽出したポリアミド樹脂の相対粘度を前述の範囲にすることができる。
ここで、照明用放熱部材から抽出したポリアミド樹脂の相対粘度は、以下の方法で測定する。照明用放熱部材から10gを採取し、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)100mLに浸漬して24時間撹拌した後、ガラスフィルターでろ過してろ液を回収する。その後、ろ液中の溶媒(HFIP)をエバポレートして除去し、残存したポリアミド樹脂を回収して、80℃で24時間以上真空乾燥する。その乾燥品を使用して、樹脂濃度0.01g/mlの98%濃硫酸中、25℃の条件でオストワルド式粘度計を用いて、相対粘度(ηr)を測定する。
本発明の照明用放熱部材の融点と降温結晶化温度の差は、45〜70℃であることが好ましい。照明用放熱部材の融点とは、示差走査熱量計(DSC)を用いて、窒素雰囲気下、溶融状態から20℃/分の降温速度で20℃まで降温して2分間保持した後、20℃/分の昇温速度で昇温した際に現れる吸熱ピークの温度と定義する。但し、吸熱ピークが2つ以上検出される場合には、最も温度の高いピークを融点とする。また、照明用放熱部材の降温結晶化温度とは、示差走査熱量計(DSC)を用いて、窒素雰囲気下、20℃/分の昇温速度で、照明用放熱部材に含まれるポリアミド樹脂の融点+30℃まで昇温して2分間保持した後、20℃/分の降温速度で20℃まで降温した際に現れる発熱ピークの温度と定義する。但し、発熱ピークが2つ以上検出される場合には、最も温度の低いピークを降温結晶化温度とする。
照明用放熱部材の融点と降温結晶化温度の差が45℃以上であれば、射出成形時に金型内ですぐには結晶化が起こらずに流動し、照明用放熱部材の薄肉部への充填率を向上でき、さらに放熱性を高めることができる。また充填率が高くなるため、嵌合による欠け・変形も少なくなり、さらに金型転写性が良くなるため、表面外観も良好となる。照明用放熱部材の融点と降温結晶化温度の差は48℃以上であることがより好ましい。また、照明用放熱部材の融点と降温結晶化温度の差が70℃以下であれば、射出成形時の金型からの離型性に問題はなく、連続生産性が向上する。照明用放熱部材の融点と降温結晶化温度の差は65℃以下であることがより好ましい。例えば、前述の(A)ポリアミド樹脂に、(B)水酸化マグネシウム、(C)ガラス繊維および(D)酸化チタンを前述の特定量配合することにより、照明用放熱部材の融点と降温結晶化温度の差を45〜70℃にすることができる。
ここで、照明用放熱部材の融点と降温結晶化温度は、以下の方法で測定する。照明用放熱部材を約5mg採取して、示差走査熱量計(セイコーインスツル製、ロボットDSC−RDC220)を用い、窒素雰囲気下で測定する。降温結晶化温度は、20℃/分の昇温速度で、照明用放熱部材に含まれるポリアミド樹脂の融点+30℃まで昇温して2分間保持した後、20℃/分の降温速度で20℃まで降温した際に現れる発熱ピークの温度とする。但し、発熱ピークが2つ以上検出される場合には、最も温度の低いピークを降温結晶化温度とする。また、融点は、示差走査熱量計を用いて、溶融状態から20℃/分の降温速度で20℃まで降温して2分間保持した後、20℃/分の昇温速度で昇温した際に現れる吸熱ピークの温度とする。但し、吸熱ピークが2つ以上検出される場合には、最も温度の高いピークを融点とする。
本発明の照明用放熱部材を構成する熱可塑性樹脂組成物には、その特性を損なわない範囲で、必要に応じて、前記(A)(B)(C)(D)以外の成分を配合しても構わない。
例えば、その特性を損なわない範囲で、必要に応じて、(A)ポリアミド樹脂以外の熱可塑性樹脂を配合してもよい。(A)ポリアミド樹脂以外の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリスルホン樹脂、四フッ化ポリエチレン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリチオエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂やABS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリアルキレンオキサイド樹脂等が挙げられる。かかる熱可塑性樹脂は2種以上併用することも可能である。かかる熱可塑性樹脂を用いる場合、その配合量は、特に制限はないが、本発明の照明用放熱部材を構成する(A)ポリアミド樹脂100重量部に対して、0.1〜400重量部が好ましい。
また、本発明の照明用放熱部材を構成する熱可塑性樹脂組成物に、その特性を損なわない範囲で、必要に応じて、ゴム質重合体を配合してもよい。ゴム質重合体とは、ガラス転移温度が室温より低い重合体であって、分子間の一部が共有結合・イオン結合・ファンデルワールス力・絡み合い等により、互いに拘束されている重合体を指す。ゴム質重合体としては、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン/ブタジエンのランダム共重合体およびブロック共重合体、該ブロック共重合体の水素添加物、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、ブタジエン/イソプレン共重合体などのジエン系ゴム、エチレン/プロピレンのランダム共重合体およびブロック共重合体、エチレン/ブテンのランダム共重合体およびブロック共重合体、エチレン/α−オレフィンの共重合体、エチレン/アクリル酸エステル、エチレン/メタクリル酸エステルなどのエチレン/不飽和カルボン酸エステル共重合体、ブチルアクリレート/ブタジエン共重合体などのアクリル酸エステル/ブタジエン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体などのエチレン/脂肪酸ビニル共重合体、エチレン/プロピレン/エチリデンノルボルネン共重合体、エチレン/プロピレン/ヘキサジエン共重合体などのエチレン/プロピレン/非共役ジエン3元共重合体、ブチレン/イソプレン共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマーなどの熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。これらの中でも、(A)ポリアミド樹脂との相溶性の観点から、エチレン/不飽和カルボン酸エステル共重合体が好ましく用いられる。不飽和カルボン酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸エステルが挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸とアルコールとのエステルである。(メタ)アクリル酸エステルの具体的な例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。
前記ゴム質重合体は、(A)ポリアミド樹脂との反応性の観点から、反応性官能基を有することが好ましい。反応性官能基としては、例えば、エポキシ基、酸無水物基、アミノ基、カルボキシル基、カルボキシル金属塩、オキサゾリン基、水酸基、イソシアネート基、メルカプト基、スルホン酸基等が挙げられる。これらを2種以上有してもよい。これらの中でも、エポキシ基、酸無水物基、アミノ基、カルボキシル基、カルボキシル金属塩、オキサゾリン基は反応性が高く、しかも分解、架橋などの副反応が少ないため好ましく用いられる。反応性官能基をゴム質重合体に導入する方法としては、通常公知の技術が挙げられ、特に制限はないが、例えば、反応性官能基を有する単量体とゴム質重合体の原料である単量体とを共重合する方法、反応性官能基を有する化合物をゴム質重合体にグラフトさせる方法などを用いることができる。
かかるゴム質重合体は2種以上併用することも可能である。かかるゴム質重合体を用いる場合、その配合量は、特に制限はないが、本発明の照明用放熱部材を構成する(A)ポリアミド樹脂100重量部に対して、0.1〜400重量部が好ましい。
また、本発明の照明用放熱部材を構成する熱可塑性樹脂組成物に、その特性を損なわない範囲で、必要に応じて、無機充填材を配合してもよい。かかる無機充填材としては、例えば、炭素繊維、チタン酸カリウムウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、硼酸アルミニウムウィスカ、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維などの繊維状無機充填材、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、カオリン、マイカ、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、アスベスト、タルク、アルミナシリケートなどの金属珪酸塩、アルミナ、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄などの金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの金属硫酸塩、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物、ガラスビーズ、セラミックビーズ、窒化ホウ素および炭化珪素などの非繊維状無機充填材が挙げられ、これらは中空であってもよい。また、これら無機充填材は、イソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、エポキシ化合物などのカップリング剤で予備処理されていてもよい。かかる無機充填材は2種以上併用することも可能である。かかる無機充填材を用いる場合、その配合量は、特に制限はないが、本発明の照明用放熱部材を構成する(A)ポリアミド樹脂100重量部に対して、0.1〜400重量部配合が好ましい。
また、本発明の照明用放熱部材を構成する熱可塑性樹脂組成物に、その特性を損なわない範囲で、必要に応じて、各種添加剤を配合してもよい。かかる各種添加剤としては、例えば、結晶核剤、着色防止剤、酸化防止剤(熱安定剤)、耐候剤、離型剤、可塑剤、滑剤、染料系着色剤、顔料系着色剤、帯電防止剤、難燃剤、発泡剤などを挙げることができる。これらを2種以上配合してもよい。その配合量に特に制限はないが、本発明の照明用放熱部材を構成する(A)ポリアミド樹脂100重量部に対して、0.01〜20重量部配合されることが好ましい。
酸化防止剤(熱安定剤)としては、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物、ヒドロキノン系化合物、リン系化合物およびこれらの置換体、ハロゲン化銅、ヨウ化化合物などが好ましく使用される。特にヒンダードフェノール系化合物、リン系化合物が好ましく用いられる。
ヒンダードフェノール系化合物の具体例としては、トリエチレングリコール−ビス[3−t−ブチル−(5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N、N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、N,N’−ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−s−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニル)プロピオネート、3,9−ビス[2−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンなどが挙げられる。中でも、アミド型高分子ヒンダードフェノールタイプが好ましく、具体的には、N、N’−ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]が好ましく用いられる。
リン系化合物の具体例としては、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビス(2,4−ジ−クミルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビスフェニレンホスファイト、ジ−ステアリルペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、トリフェニルホスファイトなどのホスファイト系化合物;3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスフォネートジエチルエステルなどが挙げられる。
耐候剤としては、レゾルシノール系化合物、サリシレート系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ヒンダードアミン系化合物などが好ましく使用される。
離型剤としては、脂肪族アルコール、脂肪族アミド、脂肪族ビスアミド、エチレンビスステアリルアミドや高級脂肪酸エステルなどが好ましく使用される。
可塑剤としては、p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼンスルホンアミドなどが好ましく使用される。
染料系着色剤としては、ニグロシン、アニリンブラックなどが好ましく使用される。
顔料系着色剤としては、硫化カドミウム、フタロシアニン、カーボンブラックなどが好ましく使用される。
帯電防止剤としては、アルキルサルフェート型アニオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩型カチオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートなどの非イオン系帯電防止剤、ベタイン系両性帯電防止剤などが好ましく使用される。
難燃剤としては、メラミンシアヌレート、水酸化アルミニウム等の水酸化物、ポリリン酸アンモニウム、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンオキシド、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂あるいはこれらの臭素系難燃剤と三酸化アンチモンとの組み合わせなどが好ましく使用される。
本発明の照明用放熱部材を構成する熱可塑性樹脂組成物の熱伝導率は、0.8W/m・K以上であることが好ましい。熱可塑性樹脂組成物の熱伝導率が0.8W/m・K以上であれば、発熱する照明(光源)から照明用放熱部材(基盤および筐体など)を介して熱を効率良く放散させて、照明の温度上昇を大きく抑制することができる。その結果、照明の点灯時の明るさや発光効率を向上させ、照明を長寿命化させることが可能となる。ここで、熱可塑性樹脂組成物の熱伝導率とは、熱可塑性樹脂組成物を射出成形することにより角板成形品(50mm×50mm×厚み3mm、フィルムゲート)を作製し、この成形品の両表面を深さ0.5mm切削して厚さ2mmの試験片としたものを用いて、熱流計法熱伝導率測定装置(リガク株式会社製GH−1S)により測定して得られる熱伝導率を指す。
本発明の照明用放熱部材を構成する熱可塑性樹脂組成物の製造方法としては、溶融状態での製造や溶液状態での製造等が使用でき、生産性の観点から、溶融状態での製造が好ましく使用できる。溶融状態での製造については、押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ミキシングロールによる溶融混練等が使用でき、生産性の点から、連続的に製造可能な押出機による溶融混練が好ましく使用できる。押出機としては、単軸押出機、二軸押出機、四軸押出機等の多軸押出機、二軸単軸複合押出機等が挙げられる。これらの押出機を複数組み合わせてもよい。混練性、反応性、生産性の向上の点から、二軸押出機、四軸押出機等の多軸押出機が好ましく、二軸押出機がより好ましい。
二軸押出機を用いた溶融混練方法としては、例えば、(A)ポリアミド樹脂、(B)水酸化マグネシウム、(C)ガラス繊維、(D)酸化チタンおよび必要に応じて(A)(B)(C)(D)以外の成分を予備混合して、シリンダー温度が(A)ポリアミド樹脂の融点以上に設定された二軸押出機に供給して溶融混練する手法が挙げられる。原料の混合順序に特に制限はなく、全ての原料を上記の方法により溶融混練する方法、一部の原料を上記の方法により溶融混練し、さらに残りの原料を溶融混練する方法、あるいは一部の原料を溶融混練中にサイドフィーダーを用いて残りの原料を混合する方法など、いずれの方法を用いてもよい。(A)ポリアミド樹脂、(B)水酸化マグネシウム、(D)酸化チタンおよび必要により(A)(B)(C)(D)以外のその他成分を押出機根元(原材料が供給される側を上流、溶融樹脂が吐出される側を下流とし、スクリューの上流側端部の位置)から投入して溶融混練後、サイドフィーダーを用いて(C)ガラス繊維を押出機途中から投入し、溶融混練する方法が好ましい。また押出機途中で真空状態に曝して発生するガスを除去する方法も好ましく使用される。
本発明の照明用放熱部材は、前記した熱可塑性樹脂組成物を通常の成形方法(射出成形、押出成形、プレス成形、ブロー成形、インジェクションプレス成形など)により、溶融成形することにより製造することができる。なかでも量産性の点から射出成形、インジェクションプレス成形により成形することが好ましい。本発明の照明用放熱部材を構成する熱可塑性樹脂組成物は、溶融成形時の流動性に優れるため、例えば、図1〜4に示すような薄肉のフィン状突起物を多数有するLED筐体を成形する場合でも、充填率を高くすることが可能であり、成形不良を低減できる。
本発明の照明用放熱部材は、放熱性、長時間点灯後の白色性、嵌合による欠け・変形耐性、成形品薄肉部への充填率の全てに優れており、照明の発熱に対する放熱性が必要とされる部材、その発生した熱を放散する金属に接する部材、構成部品、周辺部品、筐体に適している。例えば、照明用の素子(特にLED)を封止した実装基盤、実装基盤に接する放熱プレート、光源、照明用の実装基盤および/または放熱プレートなどを収容する筐体、LED電源回路を保護するケース、ランプソケット、コネクター、コネクターソケット、リフレクター、コンデンサー、回路類が挙げられる。これらは、照明により発生した熱を外部へ放散する機能を有する。特に近年の発光効率の高いLEDの放熱部材として用いることが可能である。これら照明用放熱部材は金属などとの複合体として用いることもできる。
前記に示した照明用放熱部材のうち、光源を収容する筐体に好ましく使用でき、照明で発生した熱を外部へ効率よく放散することができる。照明にLEDを使用したときの筐体の代表的な形状を図1〜4に示す。図1はLED筐体を真横から見たときの説明図であり、図2はLED筐体を真下から見たときの説明図であり、図3はLED筐体を真上から見たときの説明図である。該筐体は、LEDで発生した熱を高効率で放熱させるために薄肉のフィン状突起物(1)を多数有する。図2に示すLED配線口(2)を通して図3に示すLED搭載位置(3)にLEDを有する。また、該筐体は、図5に示す光透過カバーを取りつけるための嵌合部(4)を有する。図4は、図3の点線部分を真横から見たときの説明図である。嵌合部(4)は、図5に示す光透過カバーのツメ(9)と嵌合され、光透過カバーのツメ(9)をスライド方向(7)にスライドさせることにより、光透過カバーを取り付けることができる。
前述の熱可塑性樹脂組成物は溶融成形時の流動性に優れるため、図1に示すような薄肉のフィン状突起物を多数有する形状であっても、充填率を高くすることが可能であり、成形不良が低減された筐体を作製可能である。また、光透過カバーとの嵌合部(4)(一箇所の大きさが3mm×1mm×高さ2mm)に、図5に示す形状が3mm×1mm×高さ2mmのツメ(9)を有した光透過カバーを嵌合させてスライド方向(7)にスライドさせても、欠け・変形が少なくすることができ、LED照明器具の不良品率を低減することが可能となる。さらに、前述の熱可塑性樹脂組成物は、熱伝導率に優れるため、その熱可塑性樹脂組成物を使用したLED筐体は、LEDの発する熱をすばやく放熱してLED本体の温度上昇を抑制でき、LEDを長寿命化することが可能となる。また、前述の熱可塑性樹脂組成物を使用したLED筐体は、水酸化マグネシウムと酸化チタンを特定比率で配合しているため、長時間のLED点灯に対しても高い白色性を維持し、長期間意匠性を維持することができる。
以下、実施例を挙げて本発明の効果をさらに具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例に用いたポリアミド樹脂(A)は以下の通りである。なお、ポリアミド樹脂(A)の相対粘度は、樹脂濃度0.01g/mlの98%濃硫酸中、25℃の条件でオストワルド式粘度計を用いて測定した。
(A−1):融点222℃、密度1.13g/cm、相対粘度2.35のポリアミド6樹脂。
(A−2):融点222℃、密度1.13g/cm、相対粘度3.40のポリアミド6樹脂。
(A−3):融点263℃、密度1.14g/cm、相対粘度2.70のポリアミド66樹脂。
(A−4)融点225℃、密度1.08g/cm、相対粘度2.35のポリアミド610樹脂。
(A−5)融点250℃、密度1.09g/cm、相対粘度2.35のポリアミド410樹脂。
(A−6):融点306℃、密度1.14g/cm、相対粘度2.50の、テレフタル酸単位と1,9−ノナンジアミン単位および2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位(1,9−ノナンジアミン単位/2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位=85/15モル%)からなるポリアミド9T/M8T樹脂。
(A−7):融点222℃、密度1.13g/cm、相対粘度2.00のポリアミド6樹脂。
(A−8):融点222℃、密度1.13g/cm、相対粘度1.60のポリアミド6樹脂。
(A−9):融点228℃、密度1.13g/cm、相対粘度2.00のポリアミド66/6I/6(=76/17/7重量%)樹脂。
実施例および比較例に用いた水酸化マグネシウム(B)は以下の通りである。
(B−1):密度2.36g/cm、Mg(OH)で示される無機物含有量が99.7重量%、レーザー回折法によって測定した平均粒子径が0.83μmの水酸化マグネシウム「“KISUMA 5EU”」(協和化学工業株式会社製)
実施例および比較例に用いたガラス繊維(C)は以下の通りである。
(C−1):繊維径10.5μm、密度2.55g/cmのガラス繊維「T−249H」(日本電気硝子株式会社製)。
(C−2):繊維径13μm、密度2.55g/cmのガラス繊維「T−249」(日本電気硝子株式会社製)。
(C−3):繊維径10.5μm、密度2.55g/cmのガラス繊維「T−275H」(日本電気硝子株式会社製)。
(C−4):繊維径10.5μm、密度2.55g/cmのガラス繊維「T−747H」(日本電気硝子株式会社製)。
実施例および比較例に用いた酸化チタン(D)は以下の通りである。
(D−1):密度4.20g/cm、レーザー回折法によって測定した平均粒子径が0.21μm、無機化合物としてアルミニウム、有機化合物として多価アルコールで表面処理されたルチル型酸化チタン「タイペークCR−60−2」(石原産業株式会社製)。
実施例および比較例に用いた(A)(B)(C)(D)以外の成分は以下の通りである。
(E−1):融点280℃、密度1.34g/cm、キャピログラフ(東洋精機株式会社製)装置を用い、ダイス長10mm、ダイス孔直径0.5mm、300℃、剪断速度1000/秒の条件で測定した溶融粘度が5Pa・sのポリフェニレンスルフィド樹脂。
(F−1):密度3.65g/cm、平均粒子径7μmの酸化マグネシウム「“RF−70C−SC”」(宇部マテリアルズ株式会社製)
(F−2):密度3.65g/cm、平均粒子径53μmの酸化マグネシウム「“RF−50−SC”」(宇部マテリアルズ株式会社製)
(F−3):密度3.65g/cm、平均粒子径72μmの酸化マグネシウム「“RF−10C−SC”」(宇部マテリアルズ株式会社製)
(G−1):熱安定剤「IR1098」(N、N’−ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド])(BASF製)。
(G−2):熱安定剤「PEP36」(ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト)(株式会社ADEKA製)。
(G−3):熱安定剤「AO80」(ビス[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオン酸](2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン−3,9−ジイル)ビス(2,2−ジメチル−2,1−エタンジイル))(株式会社ADEKA製)。
実施例および比較例における評価は、以下の方法により行った。
(1)熱伝導率の評価
実施例および比較例で得られた熱可塑性樹脂組成物のペレットを、射出成形機(住友重機械工業株式会社製、SG75H−MIV)を用いて、表1および表2に記載のシリンダー温度、金型温度に設定し、下限圧(最低充填圧力)+5kgf/cmの条件で射出成形して角板成形品(50mm×50mm×厚み3mm、フィルムゲート)を作製し、この成形品の両表面を深さ0.5mm切削して厚さ2mmの試験片としたものを用いて、熱流計法熱伝導率測定装置(リガク株式会社製GH−1S)により熱伝導率を測定した。なお、この値が高いほど、熱伝導性に優れることを示す。
(2)光沢度の評価
実施例および比較例で得られた熱可塑性樹脂組成物のペレットを、射出成形機(住友重機械工業株式会社製、SG75H−MIV)を用いて、表1および表2に記載のシリンダー温度、金型温度に設定し、鏡面仕上げの80mm×80mm×厚み1mmの金型を使用して、下限圧(最低充填圧力)+5kgf/cmの条件で射出成形して角板を作製した。次にJIS−Z−8741に基づいて、デジタル変角光沢計(スガ試験機株式会社製、UGV−5D)を用いて、入射角60℃の光沢度を測定した。この値が高いほど、光沢度に優れることを示す。
(3)LED筐体の成形品比重、成形品薄肉部充填率の評価
実施例および比較例で得られた熱可塑性樹脂組成物のペレットを、射出成形機(住友重機械工業株式会社製、SG75H−MIV)を用いて、表1および表2に記載のシリンダー温度、金型温度に設定し、下限圧(最低充填圧力)+5kgf/cmの条件で、図1〜4に示すLED筐体(フィン厚み:1mm、上面平板の厚み:3mm、光透過カバーとの嵌合部:3mm×1mm)を射出成形し、成形品の比重を比重測定装置AUW320/SMK−401(島津製作所社株式会社製)で測定し、10個の平均値を成形品比重とした。理論比重は、各配合材料の密度を元に算出し、下記式より、成形品充填率を算出した。なお、この値が高いほど、薄肉部への充填率に優れることを示す。
成形品充填率=(成形品比重/理論比重)×100
(4)LED筐体の表面外観の評価
前記(3)に記載の方法により得られた図1〜4のLED筐体の上面平板の鮮明度を肉眼で観察し、以下の基準で評価した。
○:蛍光灯の反射像が輪郭まで明瞭に観察される。
△:蛍光灯の反射像が不明瞭ながらも観察される。
×:蛍光灯の反射像が観察できない。
(5)LED筐体の嵌合による欠け・変形の評価
前記(3)に記載の方法により得られた図1〜4のLED筐体の嵌合部(4)(一箇所の大きさが3mm×1mm×高さ2mm)を、図4に示す顕微鏡観察方向(8)から顕微鏡で20倍に拡大して観察し写真撮影した。次いで、図1〜4のLED筐体の4箇所の光透過カバーとの嵌合部(4)に、図5のポリカーボネート製で形状が3mm×1mm×高さ2mmのツメ(9)を有した光透過カバーを嵌合させて、図4に示すスライド方向(7)にスライドさせた後、一旦取り外し、嵌合部(4)を顕微鏡で顕微鏡観察方向(8)から20倍に拡大して観察し写真撮影した。4箇所の嵌合部について、嵌合部における嵌合前面積と嵌合後面積を写真上から算出し、4箇所の嵌合後面積の合計/4箇所の嵌合前面積の合計の数値で、嵌合部の欠け・変形を評価した。なお、この値が小さい(1に近い)ほど、良好であることを示す。
(6)LED筐体の放熱性の評価
前記(3)に記載の方法により得られた図1〜4のLED筐体の上面平板にLEDを搭載し、2.5Wの電力を投入してLEDを点灯させ、30分経過後の室温(15℃)からのLED本体の温度上昇(T1)およびLED直下上面平板裏側(厚さ3mm)の温度上昇(T2)を測定した。なお、この温度上昇が低いほど、放熱性に優れることを示す。
(7)LED筐体の白色性の評価
前記(3)に記載の方法により得られた図1〜4のLED筐体の上面平板にLEDを搭載し、2.5Wの電力を投入してLEDを点灯させ、LED点灯前と1000時間点灯後の白色度を評価した。なお、白色度は、LED筐体から上面平板を切り取り、カラーコンピューターSM−5−IS−2B(スガ試験機株式会社製)を用いて、明度(L値)、赤色度(a値)および黄色度(b値)を求め、以下の式に従って算出した。なお、この値が高いほど、白色性に優れることを示す。
白色度=100−[(100−L)+a+b)]1/2
(8)LED筐体から抽出したポリアミド樹脂の相対粘度の評価
前記(3)に記載の方法により得られたLED筐体から10gを採取し、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)100mLに浸漬して24時間撹拌した後、ガラスフィルターでろ過してろ液を回収した。その後、ろ液中の溶媒(HFIP)をエバポレートして除去し、残存したポリアミド樹脂を回収して、80℃で24時間以上真空乾燥した。その乾燥品を使用して、樹脂濃度0.01g/mlの98%濃硫酸中、25℃の条件でオストワルド式粘度計を用いて、相対粘度(ηr)を測定した。
(9)LED筐体の融点と降温結晶化温度の評価
前記(3)に記載の方法により得られたLED筐体から約5mg採取して、示差走査熱量計(セイコーインスツル製、ロボットDSC−RDC220)を用いて、窒素雰囲気下で融点および降温結晶化温度を測定した。LED筐体の降温結晶化温度は、20℃/分の昇温速度で、配合したポリアミド樹脂の融点+30℃まで昇温して2分間保持した後、20℃/分の降温速度で20℃まで降温した際に現れる発熱ピークの温度とした。但し、発熱ピークが2つ以上検出される場合には、最も温度の低いピークを降温結晶化温度とした。また、熱可塑性樹脂組成物の融点は、示差走査熱量計を用いて、溶融状態から20℃/分の降温速度で20℃まで降温して2分間保持した後、20℃/分の昇温速度で昇温した際に現れる吸熱ピークの温度とした。但し、吸熱ピークが2つ以上検出される場合には、最も温度の高いピークを融点とした。
実施例1〜15、比較例1〜10
表1および表2に示す配合組成で各成分を予備混合し、窒素フローを行いながら、スクリュー径が30mm、スクリューが2条ネジの2本のスクリューである、L/D=35の同方向回転完全噛み合い型二軸押出機(株式会社日本製鋼所製、TEX−30α)を使用し、表1および表2に示すシリンダー温度に設定し、スクリュー回転数200rpm、吐出量20kg/hで溶融混練を行い、吐出口(L/D=35)よりストランド状の溶融樹脂を吐出した。その際のスクリュー構成は、L/D=7、16、25の位置から始まる3箇所のニーディングゾーンを設け、各ニーディングゾーンの長さLk/Dは、順番にLk/D=3.0、3.0、3.0とした。さらに各ニーディングゾーンの下流側に、逆スクリューゾーンを設け、各逆スクリューゾーンの長さLr/Dは、順番にLr/D=0.5、0.5、0.5とした。また、スクリュー全長に対する前記ニーディングゾーンの合計長さの割合(%)を、(ニーディングゾーンの合計長さ)÷(スクリュー全長)×100により算出すると、26%であった。さらに、L/D=23の位置にサイドフィーダーを設置し、(C)ガラス繊維を除く全ての原料を押出機根元(L/D=1の位置)(原材料が供給される側を上流、溶融樹脂が吐出される側を下流とし、スクリューの上流側端部の位置を0%、スクリューの下流側端部の位置を100%とした場合、3%の位置)から投入し、(C)ガラス繊維を押出機途中(L/D=23の位置)(原材料が供給される側を上流、溶融樹脂が吐出される側を下流とし、スクリューの上流側端部の位置を0%、スクリューの下流側端部の位置を100%とした場合、66%の位置)から投入した。ベント真空ゾーンをL/D=30の位置に設け、ゲージ圧力−0.1MPaで揮発成分の除去を行った。ダイヘッドを通過して4mmφ×2ホールから吐出された溶融樹脂をストランド状に引いて冷却バスを通過させて冷却し、ペレタイザーにより引取りながら裁断することにより、熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。該ペレットを80℃で24時間以上真空乾燥した後、前記した評価を行った。各種評価結果を表1および表2に示す。
Figure 2014055286
Figure 2014055286
実施例1〜15の熱可塑性樹脂組成物を使用したLED筐体においては、光透過カバー嵌合時の欠け・変形が少ないことがわかり、LED照明器具の不良品率を低減することが可能となる。また、実施例1〜15の熱可塑性樹脂組成物は、熱伝導率に優れるため、その熱可塑性樹脂組成物を使用したLED筐体は、LEDの発する熱をすばやく放熱してLED本体の温度上昇を抑制できることがわかり、LEDを長寿命化することが可能となる。また、実施例1〜15の熱可塑性樹脂組成物を使用したLED筐体は、水酸化マグネシウムと酸化チタンを特定比率で配合しているため、長時間のLED点灯に対しても高い白色性を維持し、長期間意匠性を損なうことがない。さらに、実施例1〜15の熱可塑性樹脂組成物は、溶融成形時の流動性にも優れるため、図1に示すような薄肉のフィン状突起物を多数有するLED筐体を成形する場合でも、充填率を高くすることが可能であり、成形不良を低減できる。また実施例14および15の熱可塑性樹脂組成物を使用したLED筐体では、融点と降温結晶化温度の差が適度に大きいため、射出成形時に金型内ですぐには結晶化が起こらずに流動し、LED筐体の薄肉部への充填率を向上でき、さらに放熱性を高めることができる。また充填率が高くなるため、嵌合による欠け・変形も少なくなり、さらに金型転写性が良くなるため、表面外観も良好となる。
比較例1の熱可塑性樹脂組成物を使用したLED筐体は、白色性に乏しいことがわかる。
比較例2の熱可塑性樹脂組成物は、ガラス繊維の配合量が少ないため、機械的強度が低く、その熱可塑性樹脂組成物を使用したLED筐体は、光透過カバー嵌合時の欠け・変形が大きいことがわかる。
比較例3の熱可塑性樹脂組成物は、ガラス繊維の配合量が多いため、LED筐体を溶融成形できなかった。
比較例4の熱可塑性樹脂組成物は、水酸化マグネシウムの配合量が少ないため、熱伝導率が低く、その熱可塑性樹脂組成物を使用したLED筐体は、放熱性に劣り、LED本体の温度上昇が大きい。また、LED筐体の温度上昇も大きく、長時間のLED点灯に対して白色性が大きく低下することがわかる。
比較例5の熱可塑性樹脂組成物は、水酸化マグネシウムの配合量が多いため、LED筐体を溶融成形できなかった。
比較例6、7の熱可塑性樹脂組成物は、水酸化マグネシウムと酸化チタンを併用しているが、その配合比率が本願とは大きく異なるため熱伝導率が低く、その熱可塑性樹脂組成物を使用したLED筐体は、放熱性に劣り、LED本体の温度上昇が大きい。また、LED筐体の温度上昇も大きく、長時間のLED点灯に対して白色性が大きく低下することがわかる。さらに、該熱可塑性樹脂組成物は、水酸化マグネシウムおよびガラス繊維の配合量が少ないため機械的強度が低く、その熱可塑性樹脂組成物を使用したLED筐体は、光透過カバー嵌合時の欠け・変形が大きくなることがわかる。また、比較例7ではポリアミド樹脂にポリアミド9T/M8Tを使用しており、その融点は306℃であるため、溶融混練や射出成形における加工温度では水酸化マグネシウムから水が脱離しやすい。その結果、射出成形品において空洞が形成されたりするため、成形品薄肉部充填率も低い。
比較例8の熱可塑性樹脂組成物では、実施例2における水酸化マグネシウムの代わりに酸化マグネシウムを使用しているが、機械的強度が低く、その熱可塑性樹脂組成物を使用したLED筐体は、光透過カバー嵌合時の欠け・変形が大きくなることがわかる。また長時間のLED点灯に対して白色性が大きく低下することもわかる。
比較例9の熱可塑性樹脂組成物は、ポリアミド樹脂の代わりにポリフェニレンスルフィド樹脂を使用しているが、その熱可塑性樹脂組成物を使用したLED筐体は、光透過カバー嵌合時の欠け・変形が大きくなることがわかる。
比較例10の熱可塑性樹脂組成物は、比較例9同様、ポリフェニレンスルフィド樹脂を使用してさらに酸化チタンを添加しているが、ベース樹脂にポリフェニレンスルフィド樹脂を使用しているため、LEDによる長時間の熱を受けると変色し、意匠性が損なわれてしまうことがわかる。
(1):フィン状突起物
(2):LED配線口
(3):LED搭載位置
(4):光透過カバーとの嵌合部
(5):嵌合部の高さ
(6):光透過カバーのツメのスライド箇所
(7):光透過カバーのツメのスライド方向
(8):顕微鏡観察方向
(9):光透過カバーのツメ

Claims (8)

  1. (A)ポリアミド樹脂100重量部に対して、(B)水酸化マグネシウム40〜250重量部、(C)ガラス繊維50〜200重量部および(D)酸化チタン1〜40重量部を配合してなる熱可塑性樹脂組成物を成形してなる照明用放熱部材。
  2. 前記熱可塑性樹脂組成物における酸化チタンの配合量に対する水酸化マグネシウムの配合量の比(重量比)が7〜25である、請求項1に記載の照明用放熱部材。
  3. 前記照明用放熱部材から抽出したポリアミド樹脂の、0.01g/mlの98%硫酸溶液の25℃における相対粘度が1.5〜2.8である、請求項1または2に記載の照明用放熱部材。
  4. 前記照明用放熱部材の融点と降温結晶化温度の差が45〜70℃である、請求項1〜3のいずれかに記載の照明用放熱部材。
  5. 前記(A)ポリアミド樹脂がポリアミド6および/またはポリアミド66/6I/6共重合体を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の照明用放熱部材。
  6. 前記(A)ポリアミド樹脂がポリアミド66/6I/6共重合体を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の照明用放熱部材。
  7. 前記(C)ガラス繊維の繊維径が4〜11μmである、請求項1〜6のいずれかに記載の照明用放熱部材。
  8. 前記照明用放熱部材が光源を収容する筐体である、請求項1〜7のいずれかに記載の照明用放熱部材。
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