JP2014047155A - 保護硫酸化オリゴ糖化合物及びその製造方法 - Google Patents

保護硫酸化オリゴ糖化合物及びその製造方法 Download PDF

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純一 田村
Koichi Kuushiyo
弘一 空處
Hiroshi Akagi
博 赤木
Yudai Sato
雄大 佐藤
Fumitaka Goto
文孝 後藤
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Abstract

【課題】本発明は、多硫酸化ヒアルロン酸の製造中間体となりうる、保護された硫酸化オリゴ糖化合物を提供することを課題とする。
【解決手段】N−アセチルグルコサミン/グルクロン酸を基本の構成単位として、それらの水酸基を保護硫酸基で保護した糖供与体化合物と糖受容体化合物とを反応させる。
【選択図】なし

Description

本発明は、多硫酸化ヒアルロン酸の製造中間体となりうる保護された硫酸化オリゴ糖化合物と、その製造方法に関する。
多硫酸化されたヒアルロン酸は、優れた抗アレルギー作用及び抗炎症作用等の薬理学活性を有することが報告されている(特許文献1)。特許文献1によれば、当該多硫酸化ヒアルロン酸は、生物由来のヒアルロン酸を酵素処理等で調製した後、硫酸化することにより製造されている。しかし、当該製造方法では、ヒアルロン酸のように糖鎖が長くなると、硫酸化する部位が増加することから、硫酸化されるべき部位が全て確実に硫酸化された硫酸化糖を得ることが難しくなる傾向にあった。
一方、O−グリコシド結合型のオリゴ糖の製造方法としては、アノマー位に脱離基を有する糖(糖供与体)と、遊離の水酸基を有する糖(糖受容体)とを、縮合反応(グリコシル化)させる方法が知られている(非特許文献1)。また、アノマー位にイミデート基を脱離基として有するグルコサミン誘導体(糖供与体)と、グルクロン酸誘導体(糖受容体)とをグルコシル化してヒアルロン酸タイプのオリゴ糖を製造する方法が知られている(非特許文献2)。
しかしながら、今日まで、グリコシル化反応を用いて多硫酸化ヒアルロン酸を製造する効果的な方法は、確立されていなかった。
WO2010/087207号公報
Angew. Chem. Int. Ed. 2009, 48, 1900-1934 J. Org. Chem., 2009, 74, 4208-4216
本発明は、多硫酸化ヒアルロン酸の製造中間体となりうる保護された硫酸化オリゴ糖化合物を提供することを課題とする。
また、本発明は、保護された硫酸化オリゴ糖化合物を効率よく製造する方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、前記製造方法に適用可能な、糖供与体化合物及び糖受容体化合物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討した結果、通常のヒアルロン酸を構成するグルクロン酸/N−アセチルグルコサミンの単位ではなく、N−アセチルグルコサミン/グルクロン酸を基本の構成単位として、それらの水酸基を保護硫酸基で保護した糖供与体化合物と糖受容体化合物とを用いることで反応させることが可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。即ち、本発明は下記項1〜5に記載する保護された硫酸化オリゴ糖化合物、その製造方法、その製造方法に用いる糖供与体化合物及び糖受容体化合物を提供するものである。
項1.一般式(1)で表される保護された硫酸化オリゴ糖化合物。
Figure 2014047155
[式中、Rは、水酸基の保護基を示す。Rは、C1−8アルキル基、C1−6ハロアルキル基、ベンジル基(ベンジル基のフェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)又はフェニル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)を示す。R及びRは、同一又は異なって水素原子、C1−4アルキルカルボニル基、C1−4ハロアルキルカルボニル基又はC1−4ハロアルコキシカルボニル基を示すか、互いに結合してC1−4アルキレン基、C2−4アルケニレン基又はフェニレン基を示す。R、R及びRは、水酸基の保護基又は基−SOを示す。RはC1−4アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)、ベンズヒドリルオキシカルボニル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)又は基−CHORを示す。ここでRは、水酸基の保護基を示す。m及びnは、同一又は異なって0〜4の整数を示す。]
項2.一般式(2)で表される糖供与体化合物と、一般式(3)で表される糖受容体化合物とを、酸の存在下で反応させることを特徴とする一般式(1)で表される保護された硫酸化オリゴ糖化合物の製造方法。
Figure 2014047155
[式中、Rは、水酸基の保護基を示す。Rは、C1−8アルキル基、C1−6ハロアルキル基、ベンジル基(ベンジル基のフェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)又はフェニル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)を示す。R及びRは、同一又は異なって水素原子、C1−4アルキルカルボニル基、C1−4ハロアルキルカルボニル基又はC1−4ハロアルコキシカルボニル基を示すか、互いに結合してC1−4アルキレン基、C2−4アルケニレン基又はフェニレン基を示す。R、R及びRは、水酸基の保護基又は基−SOを示す。RはC1−4アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)、ベンズヒドリルオキシカルボニル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)又は基−CHORを示す。ここでRは、水酸基の保護基を示す。m及びnは、同一又は異なって0〜4の整数を示す。]
Figure 2014047155
[式中、R、R、R、R、R、R、R及びmは前記に同じ。Xは脱離基を示す。]
Figure 2014047155
[式中、R、R、R、R、R、R、R及びnは前記に同じ。]
項3.一般式(2)で表される糖化合物。
Figure 2014047155
[式中、Rは、C1−8アルキル基、C1−6ハロアルキル基、ベンジル基(ベンジル基のフェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)又はフェニル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)を示す。R及びRは、同一又は異なって水素原子、C1−4アルキルカルボニル基、C1−4ハロアルキルカルボニル基又はC1−4ハロアルコキシカルボニル基を示すか、互いに結合してC1−4アルキレン基、C2−4アルケニレン基又はフェニレン基を示す。R、R及びRは、水酸基の保護基又は基−SOを示す。RはC1−4アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)、ベンズヒドリルオキシカルボニル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)又は基−CHORを示す。ここでRは、水酸基の保護基を示す。mは、0〜4の整数を示す。Xは脱離基を示す。]
項4.一般式(3)で表される糖化合物。
Figure 2014047155
[式中、Rは、水酸基の保護基を示す。Rは、C1−8アルキル基、C1−6ハロアルキル基、ベンジル基(ベンジル基のフェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)又はフェニル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)を示す。R及びRは、同一又は異なって水素原子、C1−4アルキルカルボニル基、C1−4ハロアルキルカルボニル基又はC1−4ハロアルコキシカルボニル基を示すか、互いに結合してC1−4アルキレン基、C2−4アルケニレン基又はフェニレン基を示す。R及びRは、水酸基の保護基又は基−SOを示す。RはC1−4アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)、ベンズヒドリルオキシカルボニル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)又は基−CHORを示す。ここでRは、水酸基の保護基を示す。nは、0〜4の整数を示す。]
項5.一般式(1a)で表される糖化合物。
Figure 2014047155
[式中、Rは、水酸基の保護基を示す。Rは、C1−8アルキル基、C1−6ハロアルキル基、ベンジル基(ベンジル基のフェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)又はフェニル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)を示す。R及びRは、同一又は異なって水素原子、C1−4アルキルカルボニル基、C1−4ハロアルキルカルボニル基又はC1−4ハロアルコキシカルボニル基を示すか、互いに結合してC1−4アルキレン基、C2−4アルケニレン基又はフェニレン基を示す。R、R及びRは、水酸基の保護基又は基−SOを示す。RはC1−4アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)、ベンズヒドリルオキシカルボニル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)又は基−CHORを示す。ここでRは、水酸基の保護基を示す。]
項6.一般式(2a)で表される糖供与体化合物と、一般式(3a)で表される糖受容体化合物とを、酸の存在下で反応させることを特徴とする一般式(1a)で表される保護された硫酸化オリゴ糖化合物の製造方法。
Figure 2014047155
[式中、Rは、水酸基の保護基を示す。Rは、C1−8アルキル基、C1−6ハロアルキル基、ベンジル基(ベンジル基のフェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)又はフェニル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)を示す。R及びRは、同一又は異なって水素原子、C1−4アルキルカルボニル基、C1−4ハロアルキルカルボニル基又はC1−4ハロアルコキシカルボニル基を示すか、互いに結合してC1−4アルキレン基、C2−4アルケニレン基又はフェニレン基を示す。R、R及びRは、水酸基の保護基又は基−SOを示す。RはC1−4アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)、ベンズヒドリルオキシカルボニル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)又は基−CHORを示す。ここでRは、水酸基の保護基を示す。]
Figure 2014047155
[式中、R、R、R、R、R、R及びRは前記に同じ。Xは脱離基を示す。]
Figure 2014047155
[式中、R、R、R、R、R、R及びRは前記に同じ。]
項7.一般式(2a)で表される糖化合物。
Figure 2014047155
[式中、Rは、C1−8アルキル基、C1−6ハロアルキル基、ベンジル基(ベンジル基のフェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)又はフェニル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)を示す。R及びRは、同一又は異なって水素原子、C1−4アルキルカルボニル基、C1−4ハロアルキルカルボニル基又はC1−4ハロアルコキシカルボニル基を示すか、互いに結合してC1−4アルキレン基、C2−4アルケニレン基又はフェニレン基を示す。R、R及びRは、水酸基の保護基又は基−SOを示す。RはC1−4アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)、ベンズヒドリルオキシカルボニル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)又は基−CHORを示す。ここでRは、水酸基の保護基を示す。Xは脱離基を示す。]
項8.一般式(3a)で表される糖化合物。
Figure 2014047155
[式中、Rは、水酸基の保護基を示す。Rは、C1−8アルキル基、C1−6ハロアルキル基、ベンジル基(ベンジル基のフェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)又はフェニル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)を示す。R及びRは、同一又は異なって水素原子、C1−4アルキルカルボニル基、C1−4ハロアルキルカルボニル基又はC1−4ハロアルコキシカルボニル基を示すか、互いに結合してC1−4アルキレン基、C2−4アルケニレン基又はフェニレン基を示す。R及びRは、水酸基の保護基又は基−SOを示す。RはC1−4アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)、ベンズヒドリルオキシカルボニル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)又は基−CHORを示す。ここでRは、水酸基の保護基を示す。]
本発明によれば、多硫酸化ヒアルロン酸及びその他の硫酸化多糖等を、目的とする糖鎖長及び硫酸化度に制御されたオリゴ糖を用いて合成することが可能となる。
糖供与体化合物(2−1)のH−NMR(500MHz,CDCl)チャートである。 糖受容体化合物(3−1)のH−NMR(500MHz,CDCl)チャートである。 糖受容体化合物(3−2)のH−NMR(500MHz,CDCl)チャートである。 糖供与体化合物(2−2)のH−NMR(500MHz,CDCl)チャートである。 糖受容体化合物(3−3)のH−NMR(500MHz,CDCl)チャートである。 糖供与体化合物(2−3)のH−NMR(500MHz,CDCl)チャートである。
本発明に係る下記一般式(1)で表されるオリゴ糖化合物は、文献未記載の新規化合物であり、各種生理活性物質の製造中間体になり得る化合物である。
Figure 2014047155
[式中、Rは、水酸基の保護基を示す。Rは、C1−8アルキル基、C1−6ハロアルキル基、ベンジル基(ベンジル基のフェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)又はフェニル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)を示す。R及びRは、同一又は異なって水素原子、C1−4アルキルカルボニル基、C1−4ハロアルキルカルボニル基又はC1−4ハロアルコキシカルボニル基を示すか、互いに結合してC1−4アルキレン基、C2−4アルケニレン基又はフェニレン基を示す。R、R及びRは、水酸基の保護基又は基−SOを示す。RはC1−4アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)、ベンズヒドリルオキシカルボニル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)又は基−CHORを示す。ここでRは、水酸基の保護基を示す。m及びnは、同一又は異なって0〜4の整数を示す。]
特に、下記一般式(1a)で表される糖化合物は、多硫酸化ヒアルロン酸の製造中間体に成り得る有用な化合物である。
Figure 2014047155
[式中、R、R、R、R、R、R、R、R及びRは、前記と同じ。]
前記一般式(1)で表される保護された硫酸化オリゴ糖化合物は、下記一般式(2)で表される糖供与体化合物と、下記一般式(3)で表される糖受容体化合物とを、酸の存在下で反応させることにより製造される。
Figure 2014047155

[式中、R、R、R、R、R、R、R、R及びmは、前記と同じ。Xは脱離基を示す。]
Figure 2014047155
[式中、R、R、R、R、R、R、R、R及びnは、前記と同じ。]
前記一般式(2)で表される糖供与体化合物も、文献未記載の新規化合物である。特に、下記一般式(2a)で表される糖化合物は、多硫酸化ヒアルロン酸の製造原料になり得る有用な化合物である。
Figure 2014047155
[式中、R、R、R、R、R、R、R、R及びXは、前記と同じ。]
前記一般式(3)で表される糖受容体化合物も、文献未記載の新規化合物である。特に、下記一般式(3a)で表される糖化合物は、多硫酸化ヒアルロン酸の製造原料になり得る有用な化合物である。
Figure 2014047155
[式中、R、R、R、R、R、R、R及びRは、前記と同じ。]
1.保護された硫酸化オリゴ糖化合物及び糖化合物
1−1.一般式(1)で表される保護された硫酸化オリゴ糖化合物
一般式(1)中の各基は、次のとおりである。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
1−4アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基が挙げられる。
1−8アルキル基としては、例えば、前記C1−4アルキル基で例示した基に加えて、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等の炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基が挙げられる。
1−4ハロアルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロジフルオロメチル基、ブロモジフルオロメチル基、ジクロロフルオロメチル基、1−フルオロエチル基、2−フルオロエチル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−ヨードエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、ペンタフルオロエチル基、1−フルオロイソプロピル基、3−フルオロプロピル基、3−クロロプロピル基、3−ブロモプロピル基、4−フルオロブチル基、4−クロロブチル基等の1〜9個、好ましくは1〜5個のハロゲン原子で置換された炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基が挙げられる。
1−6ハロアルキル基としては、例えば、前記C1−4ハロアルキル基で例示した基に加えて、5−クロロペンチル基、5−フルオロペンチル基、6−クロロヘキシル基、6−フルオロヘキシル基等の1〜13個、好ましくは1〜7個のハロゲン原子で置換された炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基が挙げられる。
1−4アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、シクロプロピルオキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状アルコキシ基が挙げられる。
1−4ハロアルコキシ基としては、例えば、フルオロメトキシ基、クロロメトキシ基、ブロモメトキシ基、ヨードメトキシ基、ジクロロメトキシ基、トリクロロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、クロロジフルオロメトキシ基、ブロモジフルオロメトキシ基、ジクロロフルオロメトキシ基、1−フルオロエトキシ基、2−フルオロエトキシ基、2−クロロエトキシ基、2−ブロモエトキシ基、2−ヨードエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、2,2,2−トリクロロエトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、1−フルオロイソプロポキシ基、3−フルオロプロポキシ基、3−クロロプロポキシ基、3−ブロモプロポキシ基、4−フルオロブトキシ基、4−クロロブトキシ基等の1〜9個、好ましくは1〜5個のハロゲン原子で置換された炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状アルコキシ基が挙げられる。
1−4アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等の炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状アルコキシカルボニル基が挙げられる。
1−4アルキルカルボニル基としては、例えば、メチルカルボニル基(アセチル基)、エチルカルボニル基(プロピオニル基)、n−プロピルカルボニル基(ブチリル基)、イソプロピルカルボニル基(イソブチリル基)、n−ブチルカルボニル基(バレリル基)、イソブチルカルボニル基(イソバレリル基)、sec−ブチルカルボニル基、tert−ブチルカルボニル基等の炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状アルキルカルボニル基が挙げられる。
1−4ハロアルキルカルボニル基としては、例えば、フルオロメチルカルボニル基、クロロメチルカルボニル基、ブロモメチルカルボニル基、ヨードメチルカルボニル基、ジクロロメチルカルボニル基、トリクロロメチルカルボニル基、ジフルオロメチルカルボニル基、トリフルオロメチルカルボニル基、クロロジフルオロメチルカルボニル基、ブロモジフルオロメチルカルボニル基、ジクロロフルオロメチルカルボニル基、1−フルオロエチルカルボニル基、2−フルオロエチルカルボニル基、2−クロロエチルカルボニル基、2−ブロモエチルカルボニル基、2−ヨードエチルカルボニル基、2,2,2−トリフルオロエチルカルボニル基、2,2,2−トリクロロエチルカルボニル基、ペンタフルオロエチルカルボニル基、1−フルオロイソプロピルカルボニル基、3−フルオロプロピルカルボニル基、3−クロロプロピルカルボニル基、3−ブロモプロピルカルボニル基、4−フルオロブチルカルボニル基、4−クロロブチルカルボニル基等の1〜9個、好ましくは1〜5個のハロゲン原子で置換された炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状アルキルカルボニル基が挙げられる。
1−4ハロアルコキシカルボニル基としては、例えば、フルオロメトキシカルボニル基、クロロメトキシカルボニル基、ブロモメトキシカルボニル基、ヨードメトキシカルボニル基、ジクロロメトキシカルボニル基、トリクロロメトキシカルボニル基、ジフルオロメトキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基、クロロジフルオロメトキシカルボニル基、ブロモジフルオロメトキシカルボニル基、ジクロロフルオロメトキシカルボニル基、1−フルオロエトキシカルボニル基、2−フルオロエトキシカルボニル基、2−クロロエトキシカルボニル基、2−ブロモエトキシカルボニル基、2−ヨードエトキシカルボニル基、2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、ペンタフルオロエトキシカルボニル基、1−フルオロイソプロピルオキシカルボニル基、3−フルオロプロピルオキシカルボニル基、3−クロロプロピルオキシカルボニル基、3−ブロモプロピルオキシカルボニル基、4−フルオロブチルオキシカルボニル基、4−クロロブチルオキシカルボニル基等の1〜9個、好ましくは1〜5個のハロゲン原子で置換された炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状アルコキシカルボニル基が挙げられる。
1−4アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基を挙げることができる。これらアルキレン基は、酸素原子、硫黄原子を含んでいてもよく、フェニレン基を介していてもよい。このようなアルキレン基としては、例えば、−CHOCH−、−CHOCHCH−、−CHSCH−、−CHSCHCH−、
Figure 2014047155
等が挙げられ、任意の位置にC1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基、フェニル基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
2−4アルケニレン基としては、ビニレン基、プロペニレン基、2−ブテニレン基、1,4−ブタジエニレン基等が挙げられ、任意の位置にC1−4アルキル基、フェニル基等の置換基を有していてもよい。
フェニレン基としては、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基が挙げられ、任意の位置にC1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基、フェニル基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
水酸基の保護基としては、通常糖化合物の水酸基の保護基として使用されるものであれば特に制限されず、例えばProtective Group in Organic Synthesis, Chapter 2, pp. 10-142, Theodora W. Greene and Peter G. M. Wuts, 2nded.に記載される水酸基の保護基を例示できる。より具体的には、例えば、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、p−ニトロベンジル基、メトキシメチル基、tert−ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ベンゾイル基、アセチル基、ピバロイル基、レブリニル基、アリル基、ビニル基等を挙げることができ、隣接する2つの水酸基に対して、C1−4アルキル基、C2−6アルケニル基又は置換基を有することのあるフェニル基で置換されてよい炭素数1〜3の2価基で環を形成してもよい。
なお、前記C2−6アルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、1,3−ブタジエニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1,1−ジメチル−2−プロペニル基、1−エチル−2−プロペニル基、1−メチル−2−ブテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、1,1−ジメチル−2−ブテニル基、1,1−ジメチル−3−ブテニル基等の任意の位置に少なくとも1つの二重結合を有する炭素数2〜6の直鎖状又は分岐鎖状アルケニル基が挙げられる。
また、前記炭素数1〜3の2価基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン、プロピレン基、イソプロピリデン基、エチルエチレン基、アリルメチレン基、ベンジリデン基、p−メトキシベンジリデン基等が挙げられる。
一般式(1)で表される保護された硫酸化オリゴ糖化合物の中でも、R及びRが水素原子及びアセチル基である化合物が好ましい。
一般式(1)で表される保護された硫酸化オリゴ糖化合物の中でも、R及びRが水素原子及びトリクロロアセチル基である化合物が好ましい。
一般式(1)で表される保護された硫酸化オリゴ糖化合物の中でも、Rがアセチル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、レブリニル基、アリル基である化合物が好ましく、アセチル基、レブリニル基又はアリル基である化合物がより好ましい。
一般式(1)で表される保護された硫酸化オリゴ糖化合物の中でも、R及びRが一緒になってプロペニリデン基又はベンジリデン基を形成した化合物が好ましい。
一般式(1)で表される保護された硫酸化オリゴ糖化合物の中でも、Rが基−SOである化合物が好ましい。
一般式(1)で表される保護された硫酸化オリゴ糖化合物の中でも、RがC1−4アルコキシカルボニル基である化合物が好ましい。
一般式(1)で表される保護された硫酸化オリゴ糖化合物の中でも、Rが基−CHORであって、Rが水酸基の保護基である化合物が好ましく、更に、アリル基、ビニル基、アセチル基、又はベンジル基が特に好ましい。
一般式(1)で表される保護された硫酸化オリゴ糖化合物の中でも、m及びnが0である化合物、すなわち、一般式(1a)で表される糖化合物が好ましい。
1−2.一般式(2)で表される糖供与体化合物
上記一般式(2)中の各基は、次のとおりである。
一般式(2)中の、R、R、R、R、R、R及びRにおける各基は、一般式(1)における各基と同じである。
脱離基としては、ハロゲン原子、メチルチオ基等のC1−4アルキルチオ基、フェニルチオ基等のアリールチオ基、C1−5アルキルカルボニルオキシ基、C2−6アルケニルカルボニルオキシ基、トリハロアセトイミドイルオキシ基を挙げることができる。
一般式(2)で表される糖供与体化合物の中でも、R及びRが水素原子及びアセチル基である化合物が好ましい。
一般式(2)で表される糖供与体化合物の中でも、R及びRが水素原子及びトリクロロアセチル基である化合物が好ましい。
一般式(2)で表される糖供与体化合物の中でも、Rがアセチル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、レブリニル基、アリル基である化合物が好ましく、アセチル基又はレブリニル基である化合物がより好ましい。
一般式(2)で表される糖供与体化合物の中でも、R及びRが一緒になってプロペニリデン基又はベンジリデン基を形成した化合物が好ましい。
一般式(2)で表される糖供与体化合物の中でも、R及びRが基−SOである化合物が好ましい。
一般式(2)で表される糖供与体化合物の中でも、RがC1−4アルコキシカルボニル基である化合物が好ましい。
一般式(2)で表される糖供与体化合物の中でも、Rが基−CHORであって、Rが水酸基の保護基である化合物が好ましく、更に、アリル基、ビニル基、アセチル基、又はベンジル基が特に好ましい。
一般式(2)で表される糖供与体化合物の中でも、mが0である化合物、すなわち、一般式(2a)で表される糖化合物が好ましい。
一般式(2)で表される糖供与体化合物の中でも、XがC1−4アルキルチオ基、C2−6アルケニルカルボニルオキシ基、トリハロアセトイミドイルオキシ基である化合物が好ましく、トリハロアセトイミドイルオキシ基である化合物が特に好ましい。
1−3.一般式(3)で表される糖受容体化合物
一般式(3)中の、R、R、R、R、R、R及びRにおける各基は、一般式(1)における各基と同じである。
一般式(3)で表される糖受容体化合物の中でも、Rがメチル基、ベンジル基、p−メトキシフェニル基、又はp−メトキシベンジル基である化合物が好ましく、p−メトキシフェニル基である糖化合物がより好ましい。
一般式(3)で表される糖受容体化合物の中でも、R及びRの一方が水素原子、他方がアセチル基である化合物が好ましい。
一般式(3)で表される糖受容体化合物の中でも、R及びRの一方が水素原子、他方がトリクロロアセチル基である化合物が好ましい。
一般式(3)で表される糖受容体化合物の中でも、R及びRが一緒になってプロペニリデン基又はベンジリデン基を形成した化合物が好ましい。
一般式(3)で表される糖受容体化合物の中でも、R及びRが基−SOである化合物が好ましい。
一般式(3)で表される糖受容体化合物の中でも、RがC1−4アルコキシカルボニル基である化合物が好ましい。
一般式(3)で表される糖受容体化合物の中でも、Rが基−CHORであって、Rが水酸基の保護基である化合物が好ましく、更に、アリル基、ビニル基、アセチル基、又はベンジル基が特に好ましい。
一般式(3)で表される糖受容体化合物の中でも、nが0である化合物、すなわち、一般式(3a)で表される糖化合物が好ましい。
2.製造方法
2−1.保護された硫酸化オリゴ糖化合物の製造方法
本発明の一般式(1)で表される保護された硫酸化オリゴ糖化合物の製造方法は、下記反応式−1に示すとおり、一般式(2)で表される糖供与体化合物と、一般式(3)で表される糖受容体化合物とを酸の存在下で反応させることを特徴とする。
Figure 2014047155
[式中、R、R、R、R、R、R、R、R、m、n及びXは、前記に同じ。]
本反応に使用する酸としては、硫酸等の無機酸、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(BF・OEt)、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル、トリフルオロメタンスルホン酸トリエチルシリル、トリフルオロメタンスルホン酸トリプロピルシリル、トリフルオロメタンスルホン酸ジメチルエチルシリル、トリフルオロメタンスルホン酸トリベンジルシリル、トリフルオロメタンスルホン酸トリナフチルシリル又はトリフルオロメタンスルホン酸トリベンジルメチルシリル、トリフルオロメタンスルホン酸銀、シクロペンタジエニル塩化ハフニウム、シクロペンタジエニル塩化ジルコニウム、塩化錫等のルイス酸、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の有機酸が挙げられる。これらの中でもルイス酸が好ましく、特にトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリルが好ましい。
これらの酸は、1種または2種以上を併用することができ、その使用量は一般式(2)で表される糖供与体化合物に対して0.1〜5当量、好ましくは0.2〜1.5当量とするのがよい。一般式(2)で表される糖供与体化合物と一般式(3)で表される糖受容体化合物との使用割合は任意の割合で使用することができるが、糖供与体1モルに対して、好ましくは、糖受容体を0.2〜10モル、更に好ましくは0.7〜4モルとするのがよい。
本反応は、通常、溶媒中で行われる。使用する溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば、特に制限されず、例えば、ヘキサン、ヘプタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、四塩化炭素、クロルベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチルイミダゾリジノン等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、アセトニトリル、プロパンニトリル等のニトリル類又はこれらの混合溶媒等が挙げられる。これらの中でも、芳香族炭化水素類、ニトリル類及びハロゲン化炭化水素類が好ましく、ハロゲン化炭化水素類が特に好ましい。具体的には、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、四塩化炭素、クロルベンゼン、o−ジクロロベンゼンが好ましい。
これら溶媒の使用量は、一般式(2)で表される糖供与体化合物1kg当たり1〜100リットル程度、好ましくは1〜40リットル程度とすればよい。
本反応は、通常、−100℃〜40℃、更に好ましくは−40℃〜25℃の温度で行われる。反応時間は特に制限されないが、通常1〜24時間で進行する。
また、本反応は、系内の水及びハロゲン化水素酸等を除去しておくことが好ましく、モレキュラーシーブ等の捕捉体を使用するのが好ましい。
なお、本反応において一般式(2)で表される糖供与体化合物のXがC2−6アルケニルカルボニルオキシ基である場合は、フェニルセレニウムブロマイド/トリフルオロメタンスルホン酸銀/トリtert−ブチルピリジン等の活性化剤とルイス酸及び塩基とを組み合わせて反応させることが好ましい。活性化剤、ルイス酸及び塩基の使用割合は、例えば、一般式(2)で表される糖供与体化合物に対して、活性化剤を1〜5当量程度、ルイス酸を1〜5当量程度、塩基を1〜5当量程度とすればよい。あるいは、N−ヨードこはく酸イミド/トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル等の活性化剤とルイス酸とを組み合わせて反応させることも好ましい。活性化剤とルイス酸の使用割合は、例えば、一般式(2)で表される糖供与体化合物に対して、活性化剤を1〜5当量程度、ルイス酸を0.1〜2当量程度とすればよい。溶媒及びその量、反応時間及び温度は、上記と同様である。
本発明の製造方法によれば、多硫酸化ヒアルロン酸化合物のβ(1→3)グリコシル結合を効率よく製造することができる。
2−2.糖供与体化合物の製造方法
前記反応式−1で使用される一般式(2)で表される糖供与体化合物は、例えば、次の反応式−2に従って製造することができる。
Figure 2014047155
[式中、R、R、R、R、R、R、R、m及びXは、前記に同じ。]
上記反応式−2に示したとおり、一般式(4)で表される糖化合物の遊離水酸基を、所定の脱離基に置換することで、目的とする一般式(2)で表される糖供与体を得ることができる。
一般式(4)で表される糖化合物は、公知であるか、公知の原料から容易に製造することができる。例えば、後記の参考例に準じて製造される。
一般式(4)で表される糖化合物の1位に、所定の脱離基を置換させる反応は、導入させる脱離基に相当する反応剤に応じた反応を選択して行う。
脱離基として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子を導入する場合は、通常、反応に悪影響を与えない溶媒中で、例えば、従来公知のハロゲン化剤を作用させればよい。
ハロゲン化剤としては、塩素、臭素、ヨウ素、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、臭化水素等が挙げられる。このようなハロゲン化剤の使用量は、使用するハロゲン化剤の種類に応じて適宜設定されるものであるが、通常、一般式(4)で表される糖化合物に対して、少なくとも等モル以上用いればよい。
また、使用する溶媒としては、例えば、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸、水等を挙げることができる。これらの溶媒は、1種を単独で使用でき、又は必要に応じて2種以上を混合して使用することができる。
脱離基として、メチルチオ基等のC1−4アルキルチオ基、フェニルチオ基等のアリールチオ基を導入する場合は、通常、反応に悪影響を与えない溶媒中、酸又は塩基の存在下に、酸無水物と所定のチオール化合物を作用させればよい。
酸無水物としては、無水酢酸等が挙げられる。酸無水物の使用量としては、通常、一般式(4)で表される糖化合物に対して、少なくとも等モル以上用いればよい。
チオール化合物としては、メチルチオール、イソプロピルチオール、チオフェノール等が挙げられる。このようなチオール化合物の使用量は、使用するチオール化合物の種類に応じて適宜設定されるものであるが、通常、一般式(4)で表される糖化合物に対して、少なくとも等モル以上用いればよい。
酸としては、BF・OEt等のルイス酸等が挙げられる。
塩基としては、1,3−ジメチルイミダゾリウムクロリド、トリエチルアミン等が挙げられる。このような酸又は塩基の使用量は、使用するチオール化合物の種類、使用量に応じて適宜設定されるものであるが、例えば、一般式(4)で表される糖化合物に対して、少なくとも0.1モル以上、好ましくは等モル以上用いればよい。
また、使用する溶媒としては、ジクロロメタン、アセトニトリル、トルエン、水等の単独又は2種以上の混合溶媒を挙げることができる。
脱離基として、C1−5アルキルカルボニルオキシ基を導入する場合は、通常、反応に悪影響を与えない溶媒中で、塩基存在下に、必要に応じて反応促進剤を併用して、反応剤を作用させればよい。
反応剤としては、無水酢酸、無水プロピオン酸等が挙げられる。このような反応剤の使用量は、使用する反応剤の種類に応じて適宜設定されるものであるが、通常、一般式(4)で表される糖化合物に対して、少なくとも等モル以上用いればよい。
塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)等が挙げられる。このような塩基の使用量は、使用する反応剤の種類、使用量に応じて適宜設定されるものであるが、通常、一般式(4)で表される糖化合物に対して、少なくとも等モル以上用いればよい。
反応促進剤としては、ジメチルアミノピリジン等が挙げられる。
また、使用する溶媒としては、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒等を挙げることができる。これらの溶媒は、1種を単独で使用でき、又は必要に応じて2種以上を混合して使用することができる。
脱離基として、C2−6アルケニルカルボニルオキシ基を導入する場合は、通常、反応に悪影響を与えない溶媒中で、塩基存在下に、必要に応じて反応促進剤を併用して、反応剤を作用させればよい。
反応剤としては、無水4−ペンテニル酸 無水3−ブテニル酸等が挙げられる。このような反応剤の使用量は、使用する反応剤の種類に応じて適宜設定されるものであるが、通常、一般式(4)で表される糖化合物に対して、少なくとも等モル以上用いればよい。
塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン塩基等が挙げられるこのような塩基の使用量は、使用する反応剤の種類、使用量に応じて適宜設定されるものであるが、通常、一般式(4)で表される糖化合物に対して、少なくとも等モル以上用いればよい。
反応促進剤としては、ジメチルアミノピリジン等が挙げられる。
また、使用する溶媒としては、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒等を挙げることができる。これらの溶媒は、1種を単独で使用でき、又は必要に応じて2種以上を混合して使用することができる。
脱離基として、トリフルオロアセトイミドイルオキシ基、トリクロロアセトイミドイルオキシ基、N−フェニルトリクロロアセトイミドイルオキシ基等のトリハロアセトイミドイルオキシ基を導入する場合は、通常、反応に悪影響を与えない溶媒中で、塩基存在下に、反応剤を作用させればよい。
塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、DBU等が挙げられる。これらの塩基の使用量は、使用する反応剤の種類及び使用量に応じて適宜設定されるが、通常、一般式(4)で表される糖化合物に対して、通常0.1〜10当量、好ましくは0.1〜5当量、より好ましくは0.2〜1.0当量程度とすればよい。
反応剤としては、トリクロロアセトニトリル、トリフルオロアセトニトリル等を作用させればよい。これらの反応剤の使用量は、使用する反応剤の種類に応じて適宜設定されるものであるが、一般式(4)で表される糖化合物に対して、通常1〜200当量、より好ましくは5〜100当量程度とすればよい。
また、使用する溶媒としては、例えば、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒等を挙げることができる。これらの溶媒は、1種を単独で使用でき、又は必要に応じて2種以上を混合して使用することができる。これらの溶媒の使用量としては、一般式(4)で表される糖化合物1重量部に対して、通常、10〜100重量部程度、好ましくは10〜50重量部程度とすればよい。
本反応は、通常、−100℃から使用する溶媒の沸点温度までの範囲内で行うことができ、−50℃〜室温で反応を行うのが好ましく、−40℃〜0℃で反応を行うのがより好ましい。反応時間は、使用する反応剤の種類、反応温度等により異なり、一概には言えないが、通常、0.5〜24時間程度で該反応は完結する。
2−3.糖受容体化合物の製造方法
前記反応式−1で使用される一般式(3)で表される糖受容体化合物は、例えば、次の反応式−3に従って製造することができる。
Figure 2014047155
[式中、R、R、R、R、R、R、R及びnは、前記に同じ。Yは、水酸基の保護基を示す。]
反応式−3に示したとおり、一般式(3)で表される糖受容体化合物は、一般式(5)で表される糖化合物の非還元性末端3位水酸基の保護基Yを脱保護することで製造することができる。
一般式(5)で表される糖化合物は、公知であるか、公知の原料から容易に製造することができる。例えば、後記の参考例に準じて製造される。
Yの水酸基の保護基としては、一般式(1)における水酸基の保護基と同じものが挙げられる。
例えば、保護基Yがアリル基の場合は、通常、反応に悪影響を与えない溶媒中で、その他の置換基が脱保護されない条件、例えば水素を担持させたイリジウム錯体を触媒として用いてビニル基へ異性化後、加水水分解を行うか、あるいはパラジウム塩/酸/バッファー/水によって脱保護を行うことができる。
イリジウム錯体としては、例えば、(1,5−シクロオクタジエン)ビス(メチルジフェニルフォスフィン)イリジウム(I)ヘキサフルオロフォスフェート等が挙げられる。
触媒の使用量は、使用する反応剤の種類及び使用量に応じて適宜設定されるが、通常、一般式(5)で表される糖化合物に対して、0.005〜1当量、好ましくは0.01〜0.5当量量程度とすればよい。
加水分解に用いる反応剤としては、例えば、ヨウ素/重曹あるいは希塩酸等が挙げられる。
これらの反応剤の使用量は、使用する反応剤の種類に応じて適宜設定されるものであるが、一般式(5)で表される糖化合物に対して、ヨウ素が通常1〜20当量、より好ましくは2〜5当量程度、重曹は、通常1〜200当量、より好ましくは10〜30当量程度、希塩酸は、通常1〜200当量、より好ましくは10〜30当量程度とすればよい。
また、使用する溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒等を挙げることができる。これらの溶媒は、1種を単独で使用でき、又は必要に応じて2種以上を混合して使用することができる。
これらの溶媒の使用量としては、一般式(5)で表される糖化合物1重量部に対して、通常、3〜50重量部程度、好ましくは5〜20重量部程度とすればよい。
本反応は、ビニル基への変換反応の際には通常、−10℃から使用する溶媒の沸点温度までの範囲内で行うことができ、0℃〜室温で反応を行うのが好ましい。反応時間は、使用する反応剤の種類、反応温度等により異なり、一概には言えないが、通常、0.5〜12時間程度で該反応は完結する。加水分解反応の際には、通常、−10℃から使用する溶媒の沸点温度までの範囲内で行うことができ、−5℃〜10℃で反応を行うのが好ましい。反応時間は、使用する反応剤の種類、反応温度等により異なり、一概には言えないが、通常、0.5〜12時間程度で該反応は完結する。
また、パラジウム塩/酸/バッファー/水での脱保護に際に使用されるパラジウム塩としては、例えば、塩化パラジウムが挙げられる。パラジウム塩の使用量としては、使用する反応剤の種類及び使用量に応じて適宜設定されるが、通常、一般式(5)で表される糖化合物に対して、1〜50当量、好ましくは5〜20当量量程度とすればよい。
パラジウム塩/酸/バッファー/水での脱保護に際に使用される酸としては、例えば、酢酸、ギ酸等が使用される。通常、一般式(5)で表される糖化合物に対して、1〜100重量部、好ましくは10〜20重量部程度持ちいればよい。
パラジウム塩/酸/バッファー/水での脱保護に際に使用されるバッファーとしては、例えば、酢酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム等が使用される。その使用量は、酢酸など使用する酸の種類及び使用量に応じて適宜設定されるが、通常、一般式(5)で表される糖化合物に対して、1〜100当量、好ましくは5〜30当量程度とすればよい。
パラジウム塩/酸/バッファー/水での脱保護に際に使用される水は、通常、一般式(5)で表される糖化合物に対して、0.1〜100重量部、好ましくは0.5〜10重量部程度とすればよい。
また、例えば、保護基Yがレブリニル基の場合は、通常、反応に悪影響を与えない溶媒中で、反応剤を作用させればよい。
反応剤としては、ヒドラジン酢酸等が挙げられる。これらの反応剤の使用量は、一般式(5)で表される糖化合物に対して、通常1〜20当量、より好ましくは1〜10当量程度とすればよい。
また、使用する溶媒としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセとアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒等を挙げることができる。これらの溶媒は、1種を単独で使用でき、又は必要に応じて2種以上を混合して使用することができる。これらの溶媒の使用量としては、一般式(5)で表される糖化合物1重量部に対して、通常、10〜100重量部程度、好ましくは10〜50重量部程度とすればよい。
本反応は、通常、−100℃から使用する溶媒の沸点温度までの範囲内で行うことができる。−30℃〜室温で反応を行うのが好ましく、−20℃〜10℃で反応を行うのがより好ましい。反応時間は、使用する反応剤の種類、反応温度等により異なり、一概には言えないが、通常、0.5〜24時間程度で該反応は完結する。
また、一般式(3)で表される糖受容体のうち、RがC1−4アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基又はベンズヒドリルオキシカルボニル基である糖受容体は、例えば、次の反応式−4に従って製造することができる。
Figure 2014047155
[式中、R、R、R、R、R、R及びnは、前記に同じ。R10は、C1−4アルキル基、ベンジル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)又はベンズヒドリル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)を示す。]
反応式−4に示したとおり、一般式(6)で表される糖化合物の構成単位である糖の5位の−CHOHを酸化した後、保護基を導入することで、一般式(3)の糖受容体に包含される一般式(3’)で表される糖受容体を製造することができる。
一般式(6)で表される糖化合物は、公知であるか、公知の原料から容易に製造することができる。例えば、後記の参考例に準じて製造される。
本反応の酸化反応は、通常、溶媒中、酸化に必要な触媒と再酸化剤とを組み合わせて行われる。
触媒としては、TEMPO(2,2,6,6-tetramethylpiperidine 1-oxyl)、再酸化剤としては、次亜塩素酸、BAIB((Diacetoxyiodo)benzene)、過酸化水素、過マンガン酸カリウム等が用いられる。
これらの触媒の使用量は、一般式(6)で表される糖化合物に対して、通常、0.05〜10当量、好ましくは0.1〜2当量程度とすればよい。また、再酸化剤の使用量は、一般式(6)で表される糖化合物に対して、通常、1〜50当量、好ましくは1.5〜3当量程度とすればよい。
使用される溶媒としては、該反応に対して不活性な溶媒である限り、公知の溶媒を広く使用することができ、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族もしくは脂環式炭化水素系溶媒、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶媒、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒等を挙げることができる。これらの溶媒は、1種を単独で使用でき、又は必要に応じて2種以上を混合して使用することができ、これに水を加えた二相系反応溶媒が使用される。
これらの溶媒の使用量は、使用する反応剤の種類と反応の種類等によって適宜設定すればよいが、通常、一般式(6)で表される糖化合物1重量部に対して、1〜100重量部程度、好ましくは1〜50重量部程度使用すればよい。
反応時間は、使用する反応剤の種類、反応温度等により異なり、一概には言えないが、通常0.5〜24時間程度で該反応は完結する。
上記酸化反応の後、保護基の導入反応は、通常、溶媒中、反応剤を作用させることにより行われる。
例えば、溶媒中、反応剤としてトリメチルシリルジアゾメタン等を作用させる方法、あるいは、反応剤として、アルコール/塩酸の混合物を作用させることにより、用いたアルコールによるエステル化反応を行う方法などが挙げられる。
トリメチルシリルジアゾメタン等の反応剤を用いる際の使用量は、通常、一般式(6)で表される糖化合物に対して、1〜50当量、好ましくは1.5〜5当量程度とすればよい。
この時に使用される溶媒としては、該反応に対して不活性な溶媒である限り、公知の溶媒を広く使用することができ、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族もしくは脂環式炭化水素系溶媒、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶媒、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒等を挙げることができる。これらの溶媒は、1種を単独で使用でき、又は必要に応じて2種以上を混合して使用することができる。
これらの溶媒の使用量は、使用する反応剤の種類と反応の種類等によって適宜設定すればよいが、通常、一般式(6)で表される糖化合物1重量部に対して、1〜100重量部程度、好ましくは1〜50重量部程度使用すればよい。
本反応は、通常、−40℃から使用する溶媒の沸点温度までの範囲内で行うことができる。−20℃〜30℃で反応を行うのが好ましく、より好ましくは、−10℃〜25℃である。
反応時間は、使用する反応剤の種類、反応温度等により異なり、一概には言えないが、通常0.5〜24時間程度で該反応は完結する。
アルコール/塩酸の混合物によるエステル化において用いる塩酸の量は、通常、一般式(6)で表される糖化合物に対して、0.02〜2当量、好ましくは0.1〜1当量程度とすればよい。
また、使用するアルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等が用いられる。これらのアルコールの使用量は適宜設定できるが、通常、一般式(6)で表される糖化合物1重量部に対して、1〜50重量部程度、好ましくは1〜10重量部程度使用すればよい。
本反応は、通常、−40℃から使用する溶媒の沸点温度までの範囲内で行うことができる。−20℃〜30℃で反応を行うのが好ましく、より好ましくは、−10℃〜25℃である。
反応時間は、使用する反応剤の種類、反応温度等により異なり、一概には言えないが、通常0.5〜24時間程度である。
また、一般式(3)で表される糖受容体化合物のうち、グルコサミンユニットにおいて、C4位とC6位を架橋させた保護基を有する糖受容体は、例えば、次の反応式−5に従って製造することができる。
Figure 2014047155
[式中、R、R、R、R、R及びnは、前記に同じ。R11及びR12は、同一又は異なって水素原子、C1−4アルキル基、C2−6アルケニル基又はフェニル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)を示す。]
反応式−5に示したとおり、一般式(7)で表される糖化合物のグルコサミンユニットにおいて、C4位とC6位を架橋させて保護基を導入することで、一般式(3)の糖受容体に包含される一般式(3’’)で表される糖受容体を製造することができる。当該架橋させて得られる保護基としては、例えば、プロペニリデン基やベンジリデン基等が挙げられる。
一般式(7)で表される糖化合物は、公知であるか、公知の原料から容易に製造することができる。例えば、後記の参考例に準じて製造される。
本反応は、通常、溶媒中で反応剤及び酸の存在下に行われる。
反応剤としては、プロペニリデン化の際には、例えば、アクロレインジエチルアセタール、ベンズアルデヒドジエチルアセタール、アクロレイン等が使用される。また、ベンジリデン化の際には、例えば、ベンズアルデヒドジメチルアセタール、ベンズアルデヒドジエチルアセタール、ベンズアルデヒド等が使用される。
これらの反応剤の使用量は、一般式(7)で表される糖化合物に対して、通常、1〜50当量、好ましくは2〜10当量程度とすればよい。
酸としては、例えば、p-トルエンスルフォン酸1水和物、10−カンファスルフォン酸、トリフルオロ酢酸等が挙げられる。
酸の使用量は、一般式(7)で表される糖化合物に対して、通常、0.1〜10当量、好ましくは0.2〜2当量程度とすればよい。
使用される溶媒としては、該反応に対して不活性な溶媒である限り、公知の溶媒を広く使用することができ、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族もしくは脂環式炭化水素系溶媒、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセド、N-メチルピロリドン等のアミド溶媒、ジメチルスルホキシド等極性溶媒等の1種を単独で使用でき、又は必要に応じて2種以上を混合して使用することができる。
これらの溶媒の使用量は、使用する反応剤の種類と反応の種類等によって適宜設定すればよいが、通常、一般式(7)で表される糖化合物1重量部に対して、1〜100重量部程度、好ましくは1〜50重量部程度使用すればよい。
以下に、参考例、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
実施例及び参考例において、シリカゲルカラムの充填剤には、特に指定しない限り、シリカゲル60N(粒子径100−210μm)を使用し、ゲル濾過の充填剤には、Sephadex LH−20を使用した。
また、以下の各参考例、実施例における各反応式において記載される略号は以下のとおりである。
Ac:アセチル基、All:アリル基、Bn:ベンジル基、Et:エチル基、Lev:レブリニル基(−C(O)CHCHC(O)CH)、Me:メチル基、TCA基:トリクロロアセチル基、OMP:p−メトキシフェノキシ基、Ph:フェニル基、Z:基−SOCHCCl
参考例1
Figure 2014047155
グルコースから化合物(8)の製造
グルコース(30 g)にN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(200 ml)を加え室温で撹拌した後、Benzaldehyde dimethyl acetal(30 ml)とカンファースルホン酸(CSA)(2.06 g)を順に加え、室温で減圧下、25時間撹拌した。原料の消失を薄層クロマトグラフィー(TLC)で確認した後、減圧下でDMFを留去し、得られた濃縮残査にトリエチルアミン(1.5 ml)とピリジン(150 ml)を加えて溶解させた。溶解液を氷浴で0〜5℃に冷却し、無水酢酸(150 ml)を加え、10分間撹拌した。その後室温に戻し、15時間攪拌した後、減圧下でピリジンを留去した。得られた濃縮残査にトルエン(100 ml)を加えて、減圧下、共沸により更にピリジンを留去した。この操作を合計3回行った。得られた濃縮残査にジクロロメタン(200 ml)を加えて濃縮残査を溶解させ、飽和重曹水(150 ml)、飽和食塩水(150 ml)で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後濾過し、濾液を減圧下濃縮して得られた濃縮残査を、熱メタノールで結晶化させて化合物(8)(30.25 g,収率 45.9%)を得た。
化合物(8)から化合物(9)の製造
化合物(8)(90g)にテトラヒドロフラン(THF)(900 ml)を加えて溶解させ、ベンジルアミン(31.2 ml)を加えて室温で24時間撹拌した。反応終了後、ジクロロメタン(1500 ml)を加え、1N塩酸(300 ml)、飽和重曹水(600 ml)、飽和食塩水(600 ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルカラムで精製して化合物(9)(62.3 g,収率77.6%)を得た。
化合物(9)から化合物(10)の製造
化合物(9)(82.8g)にジクロロメタン(2100ml)を加えて溶解させ、窒素雰囲気下で内温−10℃に冷却した。これにトリクロロアセトニトリル(117.8ml)を加え、−10〜−3℃の範囲を維持しながらDBU(10.4ml)をゆっくり滴下した。−8〜−5℃で3時間撹拌した後、反応液を減圧下で濃縮し、得られた濃縮残渣をシリカゲルカラムで精製して化合物(10)(104.1g,収率90.0%)を得た。
参考例2
Figure 2014047155
マンノースから化合物(11)の製造
マンノース(10.0 g)及びピリジン(40.3 ml)に、アルゴン雰囲気下でp−トルエンスルホニルクロリド(16.93 g)/ピリジン(34.3 ml)溶液を滴下して加え、室温で4.5時間撹拌し、無水酢酸(29.3 ml)を加えて、室温で16.5時間撹拌した。反応液を氷に注ぎ入れ、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水、飽和重曹水、飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。有機層をろ過し、ろ液を濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムにて精製した。これにアルミナ(316.89 g)を加えて濃縮し、真空乾燥を行った。真空乾燥後のアルミナにマイクロ波(高周波出力 500 W)を2分間照射し、粉末を良くかき混ぜた後、さらに2分間加熱した。セライトろ過後、エタノール/酢酸エチル(9/1)の溶液で洗浄し、濃縮を行い、濃縮残渣にメタノール(110 ml)、トリエチルアミン(55 ml)、水(55 ml)を加えて16.5時間撹拌した。反応液を濃縮し、トルエン共沸を行った後の濃縮残渣をシリカゲルカラムで精製して、化合物(11)(4.0666g,収率 48.4%(2 steps))を得た。
化合物(11)から化合物(12)の製造
化合物(11)(80.0 g)を無水DMF(400 ml)に溶解させ、アクロレインジメチルアセタール(128.8 ml)及びp−トルエンスルホン酸一水和物(9.4 g)を加えた後、室温で3日撹拌した。反応終了後、反応液に1%重曹水(800 ml)及び酢酸エチル(2000 ml)を加えて分液し、水層に酢酸エチル(800ml)を加えて抽出した。得られた有機層を合わせて飽和食塩水(1200 ml)、飽和重曹水(1200 ml)、飽和食塩水(1200 ml)の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=3/1→1/1→2/3)で精製して化合物(12)(71.1 g,収率72%)を得た。
化合物(12)から化合物(14)の製造
化合物(12)(64.0 g)を無水ジクロロメタン(900 ml)に溶解させて、反応系内を窒素で置換した後、氷浴で内温を0〜5℃に冷却した。1,2−ジメチルイミダゾール(DMI)(81.2 g)、化合物(13)(298 g)を加え、室温まで自然昇温で戻し、そのまま14.5時間撹拌した。反応終了後、反応液にジクロロメタン(960 ml)を加えて希釈し、飽和食塩水(1080 ml)、飽和重曹水(1080 ml)、飽和食塩水(1080 ml)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=10/1→4/1→3/1)で精製して化合物(14)(123.2 g,収率92%)を得た。
化合物(14)から化合物(15)の製造
化合物(14)(134 g)を無水THF(1615 ml)に溶解させて、反応系内を窒素で置換した後、氷浴で内温を0〜5℃に冷却した。トリメチルアミンボラン(MeN・BH)(285 g)を加え、塩化アルミニウム(AlCl)(665 g)/ジエチルエーテル(1350 ml)溶液を滴下して加えた。滴下終了後、水(35 ml)を加え、室温に戻して21時間撹拌した。1N塩酸でクエンチし、クロロホルム(2000 ml)を加えて分液し、水層をクロロホルム(1000 ml)で抽出した。得られた有機層を合わせて飽和食塩水(1200 ml)、4%重曹水(1200 ml)、飽和食塩水(1200 ml)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルカラム(トルエン/酢酸エチル=20/1)で精製して、化合物(15)(56.8 g,収率42%)を得た。
化合物(15)から化合物(16)の製造
化合物(15)(49.1g)をジクロロメタン(600 ml)に溶解させ、反応系内を窒素で置換した後、氷浴で内温を−10℃に冷却した。ピリジン(23.9 ml)とトリフルオロメタンスルホン酸無水物(40.1 ml)をゆっくり加え、0℃まで昇温して1時間撹拌した。反応終了後、飽和重曹水(1000 ml)を反応液にゆっくり注ぎ入れて分液し、得られた水層をジクロロメタン(760 ml)で抽出した。得られた有機相を合わせ、飽和食塩水(1000 ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下濃縮し、得られた残査に粉末状モレキュラーシーブス(MS)3A(34.6 g)、アジ化ナトリウム(38.7 g)を加えた後、DMF(530 ml)を加えて溶解させ、室温で3時間撹拌した。反応終了後、反応液を濾過し、濾液に酢酸エチル(2200 ml)を加えて希釈した後、飽和食塩水(500 ml)に水(1000 ml)を加えた水溶液で3回洗浄し、次いで飽和食塩水(1000 ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製して、化合物(16)(39.4 g,収率74%)を得た。
化合物(16)から化合物(17)の製造
化合物(16)(45.0 g)をメタノール(166 ml)に溶解させ、塩化スズ(II)・2水和物(SnCl・2HO)(46.4 g)を加えて室温で1.5時間撹拌した後、反応液を濃縮した。濃縮残渣にジクロロメタン(200 ml)を加えて減圧濃縮した。この操作を3回繰り返した後、得られた残渣を更に真空ポンプで乾燥させた。残査に無水ジクロロメタン(180 ml)を加えて溶解させ、氷浴で内温を0〜5℃に冷却した。トリエチルアミン(78.1 ml)を加えた後、内温を0〜5℃に保ちながらトリクロロアセチルクロリド(45.7 ml)をゆっくり加え、このままの温度で1時間撹拌した。反応液にジクロロメタン(1800 ml)を加えて希釈し、1N塩酸(650 ml)でクエンチした後、分液した。水層をジクロロメタン(1080 ml)で抽出し、得られた有機層を合わせ、飽和重曹水(610 ml)、飽和食塩水(610 ml)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=10/1→5/1)で精製して、化合物(17)(42.8 g,収率74%)を得た。
化合物(17)から化合物(18)の製造
化合物(17)(49.6 g)を無水酢酸(996 ml)に溶解させた。酢酸(50.9 ml)及びトリフルオロ酢酸(396 ml)を加えて40℃に昇温させ、14時間撹拌した後、反応液を室温に戻して減圧下濃縮した。濃縮残渣にトルエンを加えて溶解させ、減圧下濃縮した。この操作を3回繰り返した。得られた濃縮残査をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=8/1→5/1→1/1)で精製して、化合物(18)(44.2 g,収率75%)を得た。
化合物(18)から化合物(19)の製造
化合物(18)(9.43 g)を無水DMF(92.5 ml)に溶解させ、反応系内を窒素で置換した後、ヒドラジン酢酸(1.97 g)を加えて室温で2時間撹拌した。反応液に水(200 ml)及び酢酸エチル(400 ml)を加えて分液した。得られた有機層を飽和食塩水(200 ml)、飽和重曹水(200 ml)、飽和食塩水(200 ml)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた後、有機層を濾過した。濾液を減圧下濃縮し、得られた濃縮残査に無水ジクロロメタン(82 ml)を加えて撹拌し、溶解させた。反応系内を窒素で置換した後、この溶液を−42℃〜−38℃に冷却し、トリクロロアセトニトリル(206.3 ml)、DBU(0.43 ml)を加えて1時間撹拌した。反応液をシリカゲルカラムに直接チャージし、そのままシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=10/1→5/1→4/1→1/1)で精製して、化合物(19)(5.9 g,収率54%)を得た。
参考例3
Figure 2014047155
グルコサミンから化合物(20)の製造
金属ナトリウム(37.02 g)をメタノール(1300 ml)に加え、その溶液にD−(+)−グルコサミン塩酸塩(313.87 g)を加えて10分間撹拌した。メタノール(400 ml)で共洗いを行いながら反応液を濾過し、得られた母液にS−カルボキシメチル−O−エチル キサンテート(S-Carboxymethyl-O-ethyl Xanthate [EtO(=S)SCH2COOH])(318.3 g)を加えて室温で30分撹拌した。反応液に、3Nナトリウムメトキシド/メタノール溶液(387 ml)と1Nナトリウムメトキシド/メタノール溶液(100 ml)を加え、pHを10付近に調整して撹拌を続けた。1Nナトリウムメトキシド/メタノール溶液を23時間後に270ml、更に46時間後に200ml追加した後、51時間撹拌した。合計で5日間反応を継続した後、反応液を40℃以下で減圧濃縮し、無水酢酸(650 ml)とピリジン(650 ml)を加えて終夜撹拌した。反応液を減圧濃縮し、濃縮残渣にクロロホルムと水を加えて希釈・分液し、水層をクロロホルムで抽出した。得られた有機層を合わせて飽和重曹水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルカラム(トルエン/酢酸エチル=15/1→1/4)で精製して、化合物(20)(110.84 g,収率17%)を得た。
なお、本反応で用いたS−カルボキシメチル−O−エチル キサンテートは、次のように合成した。
水酸化ナトリウム(70.06 g)を水(770 mL)に溶解し、0℃に冷却してモノクロロ酢酸(166.9 g)を加え、15分間撹拌した。反応液にカリウムエチルキサンテート(280.3 g)を水(800 ml)に溶解させた溶液を加え、0℃から室温まで連続的に温度を上昇させながら終夜撹拌した。反応液に濃塩酸(160 ml)を加えた後、クロロホルムで抽出し、有機層を無水無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。濾過後、濾液を40℃以下で減圧下濃縮し、濃縮残渣にトルエンを加えて減圧下濃縮し、シラップ状のS−カルボキシメチル−O−エチル キサンテート(318.3 g)を得た。
化合物(20)から化合物(21)の製造
化合物(20)(1.43 g)をジクロロメタン(14 ml)に溶解させ、0℃でクロロカルボニルスルフェニルクロリド(Chlorocarbonylsulfenyl Chloride)(400 μl)を加えて2.5時間撹拌した。反応液に0℃に冷やした飽和重曹水を加え、クロロホルムで抽出し、有機層を飽和重曹水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。濾過後、濾液を40℃以下で減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラム(トルエン/酢酸エチル=15/1→1/8)で精製して、化合物(21)(618.5 mg,収率40%)を得た。
化合物(21)から化合物(22)の製造
化合物(21)(8.96g)をジクロロメタン(38ml)に溶解させ、この溶液に0℃で33%臭化水素−酢酸溶液(38 ml)を滴下して加え、室温まで連続的に温度を上昇させながら終夜撹拌した。反応液にクロロホルムを加えて希釈し、飽和重曹水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。反応液を濾過し、ろ液を40℃以下で減圧下濃縮した。得られた残渣にアセトン(100 ml)と水(33 ml)を加えて溶かし、室温で8時間撹拌した。この溶液を40℃以下で減圧下濃縮し、得られた残渣にクロロホルムを加え、飽和重曹水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶液を濾過し、ろ液を40℃以下で減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラム(トルエン/酢酸エチル=5/1→1/2)で精製して、化合物(22)(6.64 g,収率81%)を得た。
化合物(22)から化合物(23)の製造
化合物(22)(6.64 g)をジクロロメタン(70ml)に溶解させ、トリクロロアセトニトリル(15.8 ml)及び炭酸カリウム(6.06 g)を加えて、室温で3時間撹拌した。反応液を直接シリカゲルカラム(トルエン/酢酸エチル=20/1→1/2)で精製して、化合物(23)(5.87 g,収率66%)を得た。
参考例4
Figure 2014047155
化合物(10)から化合物(24)の製造
化合物(10)(200.0 mg)とp−メトキシフェノール(60 mg)をジクロロメタン(1 ml)に溶解させ、MS4A(500 mg)を加えて室温で1時間撹拌し、−20℃に冷却した。反応液にトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(TMSOTf)(81μl)を加えてそのままの温度で1時間撹拌した。反応液をセライト濾過し、重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。反応液を濾過し、ろ液を濃縮して得られた残渣をカラム精製して、化合物(24)(164mg,収率89%)を得た。
化合物(24)から化合物(25)の製造
化合物(24)(100 mg)にジクロロメタン(1.7 ml)及びメタノール(1.1 ml)を加えて室温で撹拌し、溶解させた。このものに1Mナトリウムメトキシド(110μl)を加えて3時間撹拌した。反応終了後、反応液に1N塩酸を加えて反応をクエンチした後、ジクロロメタンで反応液を希釈した後、分液した。水層をジクロロメタンで抽出し、得られた有機層を合わせて飽和食塩水、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。有機層を濾過し、ろ液を濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムで精製して、化合物(25)(67.8mg,収率83%)を得た。
化合物(25)から化合物(26)の製造
化合物(25)(67.6 mg)、ジクロロメタン(730μl)、MS4A(300 mg)を加えて室温で撹拌した。アルゴンガスで反応系内を置換した後、0℃に冷却し、DMI(43.5 mg)、化合物(13)(166 mg)を加えて0℃で1日反応させた。その後DMI(43.5 mg)と化合物(13)(166 mg)とを反応液へ追加投入し、更に1日反応させた後、反応液を減圧下濃縮した。得られた濃縮残渣をシリカゲルカラムで精製して、化合物(26)(110.2mg,収率76%)を得た。
化合物(26)から化合物(27)の製造
化合物(26)(1.62 g)をジクロロメタン(20 ml)に溶かし、0℃に冷却した。これに、トリエチルシラン(TES)(3.9ml)及びBF・OEt(513μl)を加え、室温まで戻し、室温で8時間反応を行った。反応終了後、ジクロロメタンと3%重曹水を加えて分液し、水層をジクロロメタンで再抽出した。得られた有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルカラムで精製して、化合物(27)(966 mg,収率59%)を得た。
参考例5
Figure 2014047155
化合物(26)から化合物(28)の製造
化合物(26)(13.04 g)にジクロロメタン(1100 ml)及びメタノール(1100 ml)を加えて溶解させ、この溶液にカンファスルフォン酸(CSA)(26.59 g)を加えた後、35℃に昇温させて9時間撹拌した。反応液に5%重曹水を加えて分液し、水層をジクロロメタンで抽出した。得られた有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。有機層を濾過し、ろ液を減圧下濃縮し、得られた残渣をジクロロメタン/ヘキサンで再結晶して、化合物(28)(7.2 g,収率61%)を得た。
化合物(28)から化合物(29)の製造
化合物(28)(4.86g)を無水DMF(21 ml)に溶解させ、アクロレインジメチルアセタール(4.1 ml)及びp−トルエンスルホン酸一水和物(0.6525 g)を加えた後、室温で5日間撹拌した。反応終了後、反応液に1%重曹水及び酢酸エチルを加えて分液し、水層に酢酸エチルを加えて抽出した。得られた有機層を合わせて飽和食塩水、飽和重曹水、飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。有機層を濾過後、濾液を減圧下濃縮し、濃縮残査をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=3/1→1/1→2/3)で精製して、化合物(29)(2.05 g,収率40%)を得た。
化合物(29)から化合物(30)の製造
化合物(29)(1.56g)をTHFに溶解させ、反応系内をアルゴンガスで置換した後、0℃に冷却した。この溶液にトリメチルアミンボラン(1.37g)を加え、塩化アルミニウム(4.26 g)/ジエチルエーテル(20 ml)溶液を滴下して加えた。滴下終了後、水(0.23 ml)を加え、室温に戻して20時間攪拌した。1N塩酸でクエンチし、クロロホルムを加えて分液し、水層をクロロホルムで抽出した。得られた有機層を合わせて飽和食塩水、飽和重曹水、飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。有機層を濾過後、濾液を減圧下濃縮し、濃縮残査をシリカゲルカラム(トルエン/酢酸エチル=20/1)で精製して、化合物(30)(0.483 g,収率31%)を得た。
参考例6
Figure 2014047155
化合物(28)(8.57 g)にジクロロメタン(180ml)と水(90 ml)を加えて溶解させた。TEMPO(378 mg)及びBAIB(9.76 g)をそれぞれ加えて1.5時間撹拌した。BAIB(1.95 g)を追加し、更に1.5時間撹拌した。反応液に1Mチオ硫酸ナトリウム水溶液(380 ml)を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。有機層を濾過し、ろ液を40℃以下で減圧下濃縮した。残渣にトルエン(570ml)及びメタノール(190ml)を加え溶解させた。0℃に冷却した後、2Mトリメチルシリルジアゾメタンのエーテル溶液(18 ml)を加えて室温で30分間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラム(トルエン/酢酸エチル=1/0→1/2)で精製して、化合物(31)(7.82g,収率87%) を得た。
参考例7
Figure 2014047155
化合物(32)の製造
アルゴンガス雰囲気下、化合物(19)(1.93 g)及び化合物(27)(1.31 g)のジクロロメタン(74ml)溶液にMSAW300(331.1mg)を加え、1時間撹拌した。この懸濁液に−20℃でTMSOTf(320μl)を加えて7時間撹拌した。反応液に飽和重曹水を加えてセライトろ過し、ろ液をクロロホルムで抽出後、有機層を飽和重曹水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。有機層を濾過し、ろ液を40℃以下で減圧下濃縮し、得られた濃縮残渣をゲル濾過(クロロホルム/メタノール=1/1)で精製して、化合物(32)(1.17g,収率51%)を得た。
化合物(32)から化合物(33)の製造
化合物(32)(62.9mg)をジクロロメタン(1.3ml)及びメタノール(2.6ml)を加えて溶解させ、アセチルクロリド(130 μl)を加えて室温で1日間撹拌した。反応液にトリエチルアミンを加えて反応を停止し、ゲル濾過(クロロホルム/メタノール=1/1)(LH-20, CHCl3-MeOH = 1:1) で精製して、化合物(33)(56.6mg,収率93%)を得た。
化合物(33)から化合物(5−1)の製造
化合物(33)(175.8mg)を155mM DMIのクロロホルム溶液(3.1 ml)に溶解させ、化合物(13)(177.5 mg)を加えて室温で10時間撹拌した。反応液に化合物(13)(41.6 mg)を追加投入して4時間撹拌した。反応液をクロロホルムで希釈し、飽和食塩水と飽和重曹水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。反応液を濾過し、ろ液を40℃以下で減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラム(トルエン/酢酸エチル=1/0→4/1)で精製して、化合物(5−1)(167.6 mg,収率82%)を得た。
参考例8
Figure 2014047155
化合物(34)の製造
アルゴンガス雰囲気下、化合物(19)(2.24g)及び乾燥MS4A(950 mg)に化合物(30)(1.47g)の無水トルエン溶液(12.8 ml)を加え、室温で2.5時間撹拌した。この懸濁液に−20℃でTMSOTf(0.27 ml)を加え、そのままの温度で1時間撹拌した。反応液をセライトろ過し、ろ液をゲル濾過(クロロホルム/メタノール=1/1)で粗精製し、次いでシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=10/1→5/1→3/1)で精製して、化合物(34)(1.35g,収率51%)を得た。
化合物(34)から化合物(35)の製造
化合物(34)(0.62g)をジクロロメタン(6 ml)及びメタノール(12 ml)を加えて溶解させ、0℃に冷却した。この溶液にアセチルクロリド(0.6 ml)を加えて室温で14時間撹拌した。反応液にトリエチルアミンを加えてクエンチした後、反応液を減圧下で濃縮し、得られた濃縮残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製して、化合物(35)(0.54g,収率89%)を得た。
化合物(35)から化合物(36)の製造
化合物(35)(1.28 g)とMS4Aにジクロロメタン(30 ml)を加え、反応系内をアルゴンガスで置換した後、0℃に冷却した。この懸濁液にDMI(0.34 g)のジクロロメタン(30 ml)溶液、化合物(13)(1.35 g)を加えて室温で1日間撹拌した。反応液をセライトろ過し、ろ液を飽和食塩水、飽和重曹水、飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。反応液を濾過し、ろ液を減圧下濃縮し、濃縮残査を得られた残渣をシリカゲルカラム(クロロホルム/酢酸エチル=10/0→30/1→10/1)で精製して、化合物(36)(1.09g,収率73%)を得た。
参考例9
Figure 2014047155
化合物(5−1)(480.4mg)にアセトニトリル(24ml)及び水(6ml)を加えて溶解させ、ヘキサニトラトセリウム(IV)酸アンモニウム(CAN)(844.5mg)を加えて室温で2.5時間撹拌した。反応液にクロロホルムを加え、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。有機層を濾過し、ろ液を40℃以下で減圧下濃縮した。得られた濃縮残渣をシリカゲルカラム(トルエン/酢酸エチル=30/1→5/1)で精製して、化合物(4−1)(285.0 mg,収率64%)を得た。
参考例10
Figure 2014047155
化合物(36)(1.09 g)、酢酸ナトリウム(1.42 g)を酢酸(16.8 ml)及び水(0.94 ml)に溶かし、塩化パラジウム(II)(PdCl)(1.28 g)を加えて室温で1日間撹拌した。反応液に飽和重曹水及び酢酸エチルを加えて分液した。水層を酢酸エチルで抽出(3回)した。有機層を先の酢酸エチル層と合わせて無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。有機層を濾過し、ろ液を減圧下濃縮し、得られた濃縮残査をシリカゲルカラム(クロロホルム/メタノール=10/0→30/1)で精製して、化合物(6−1)(1.00g,収率96%)を得た。
実施例1(糖供与体化合物(2−1)の製造)
Figure 2014047155
化合物(4−1)(285.0 mg,194.8 μmol) をジクロロメタン(1ml)に溶解させ、−40℃でトリクロロアセトニトリル(1.0 ml,9.97 mmol)と1M DBUのジクロロメタン溶液(39 μl)を加えて3時間撹拌した。反応液を直接シリカゲルカラム(トルエン/酢酸エチル=1/0→10/1)で精製して、糖供与体化合物(2−1)(173.2 mg,収率55%)を得た。
Mass:ESI calcd for C3436Cl1823, m/z=1605.49, found:1604.3[M−H]
H−NMR(500MHz,CDCl)チャートを、図1に示した。
実施例2(糖受容体化合物(3−1)の製造)
Figure 2014047155
触媒量のヘキサフルオロりん酸(1,5−シクロオクタジエン)ビス(メチルジフェニルホスフィン)イリジウム(I){(1,5-Cyclooctadiene)bis(methyldiphenylphosphine)iridium(I) hexafluorophosphate}をTHF(2ml)に溶解させ、水素で活性化させた。反応系内をアルゴンガスで置換し、THF(2ml)に溶解させた化合物(5−1)(247.3mg,157.6 μmol)を加えて室温で1時間撹拌した。反応液を0℃に冷却し、水(780 μl)、重炭酸ナトリウム(265.1 mg,3.113 mmol)及びヨウ素(82.5 mg,325 μmol)を加えて50分間撹拌した。反応液に過剰の1Mチオ硫酸ナトリウム水溶液を加えてクロロホルムで抽出し、有機層を飽和重曹水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。反応液を濾過し、ろ液を40℃以下で減圧下濃縮し、得られた濃縮残渣をシリカゲルカラム(トルエン/酢酸エチル=1/0→5/1)で精製して、糖受容体化合物(3−1)(95.4 mg,収率40%)を得た。
Mass:ESI calcd for C3638Cl15NO24, m/z=1528.59
H−NMR(500MHz,CDCl)チャートを、図2に示した。
実施例3(糖受容体化合物(3−2)の製造)
Figure 2014047155
化合物(6−1)(1.00 g)をジクロロメタン(26.9 ml)に溶解させ、水(8.3 ml)を加えて、内温を0℃に冷却した。この溶液にTEMPO(43.5 mg)及びBAIB(1.12 g)を加えて室温で1.5時間撹拌した。反応液に2%重亜硫酸ナトリウム水溶液加えて分液した。水層を酢酸エチルで抽出(3回)し、先の有機層と合わせて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。有機層を濾過し、ろ液を減圧下濃縮した。濃縮残査にトルエン(30.6 ml)及びメタノール(10.2 ml)を加えて溶解させた。0℃に冷却した後、トリメチルシリルジアゾメタン(1.04 ml)を加えて室温で1時間撹拌した。反応液を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラム(トルエン/酢酸エチル=3/1)で精製して、糖受容体化合物(3−2)(0.59g,収率58%) を得た。
Mass:ESI calcd for C3032Cl15NO25, m/z=1464.5, found:1463.2[M−H]
H−NMR(500MHz,CDCl)チャートを、図3に示した。
参考例11
Figure 2014047155
化合物(3−2)から化合物(37)の製造
アルゴンガス雰囲気下で化合物(3−2)(0.486 g)にピリジン(80.9 ml)、無水酢酸(94.4 ml)、DMAP(4-N,N-dimethylaminopyridine)(12.2 mg)を加えて、室温で1日間撹拌した。反応液にメタノールを加えて減圧下濃縮し、残渣にトルエンを加えて再度減圧下濃縮してピリジンを除いた。得られた濃縮残査をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製して、化合物(37)(0.33g,収率65%)を得た。
化合物(37)から化合物(4−2)の製造
化合物(37)(0.330 g)をアセトニトリルに溶解させ、水(1.25 ml)を加えて0℃に冷却した。この溶液にCAN(1.2 g)を加えて、室温で1時間撹拌した。反応液に酢酸エチル及び水を加えて分液し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。有機層を濾過し、ろ液を減圧下濃縮し、濃縮残査をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=4/1→3/1)で精製して、化合物(4−2)(0.237 g,収率77%)を得た。
実施例4(糖供与体化合物(2−2)の製造)
Figure 2014047155
化合物(4−2)(0.237 g,0.334 mmol)を仕込み、反応系内をアルゴンガスで置換した後、ジクロロメタン(0.5 ml)及びトリクロロアセトニトリル(1.7 ml,0.017 mmol)を加えて−40℃に冷却した。この溶液にDBU(4.9 ml,0.034 mol)を加えて、このままの温度で1時間撹拌した。反応液をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=5/1→3/1)で精製して、糖供与体化合物(2−2)(0.186 g,収率71%)を得た。
H−NMR(500MHz,CDCl)チャートを、図4に示した。
参考例12
Figure 2014047155
化合物(38)の製造
アルゴンガス雰囲気下、化合物(23)(7.46 g)及び化合物(31)(7.82 g)をジクロロメタン(290ml)に溶解させ、MS AW300(1.65 g)を加えて、1時間撹拌した。この懸濁液に−20℃でTMSOTf(1.2 ml)を加え、14℃まで連続的に温度を上昇させながら7時間撹拌した。反応液に飽和重曹水を加えた後、セライトろ過し、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。有機層を濾過し、40℃以下で減圧下濃縮し、得られた残渣をゲル濾過(クロロホルム/メタノール=1/1)で精製して、化合物(38)(9.38g,収率78%)を得た。
化合物(38)から化合物(39)の製造
化合物(38)(9.50 g)をジクロロメタン(460ml)に溶解させ、ジチオスレイトール (dithiothreitol)(5.13 g)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(760 μl)を加えて室温で1.5時間撹拌した。反応液にジチオスレイトール(469 mg)を追加して1時間撹拌した後、反応液を半分程度まで減圧下濃縮し、残渣をゲル濾過(クロロホルム/メタノール=1/1)してMethyl{(2-amino-3,4,6-tri-O-acetyl-2-deoxy-β-D-glucopyranosyl)-(1→4)-p-methoxyphenyl 2,3-bis-O-trichloroethoxysulfo-β-D-glucopyranosyl}uronate (9.05g)を得た。この生成物をジクロロメタン(180ml)に溶解させ、無水酢酸(180 ml)及びピリジン(180 ml)を加えて室温で終夜撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣をゲル濾過(クロロホルム/メタノール=1/1)で精製して、化合物(39)(6.84 g,収率77%)を得た。
化合物(39)から化合物(7−1)の製造
化合物(39)(6.86g)をジクロロメタン(150ml)とメタノール(300ml)に溶解させ、アセチルクロリド(5.9 ml)を加えて室温で4日間撹拌した。反応液を飽和重曹水と酢酸AcOHで中性に調整した後、減圧下濃縮し、得られた残渣をゲル濾過(クロロホルム/メタノール=1/1)で精製して、化合物(7−1)(5.61 g,収率93%)を得た。
実施例5(糖受容体化合物(3−3)の製造)
Figure 2014047155
化合物(7−1)(833.3 mg, 886.1 μmol)をベンズアルデヒド(10 ml)に溶解させ、塩化亜鉛(701.6 mg, 5.148 mmol)を加えて室温で2時間撹拌した。反応液をそのままゲル濾過(クロロホルム/メタノール=1/1)で精製して、糖受容体化合物(3−3)(845.8 mg,収率93%)を得た。
Mass:MALDI calcd for C3337ClNO19, m/z=1026.95, found:1028.13[M+H]
H−NMR(500MHz,CDCl)チャートを、図5に示した。
参考例13
Figure 2014047155
化合物(3−3)(222.7 mg)をピリジン(6.7 ml)に溶解させ、1M無水レブリン酸/1,2−ジクロロエタン溶液(540 μl)と触媒量のDMAP(4-N,N-dimethylaminopyridine)を加えて室温で1.5時間撹拌した。反応液をそのままゲル濾過(クロロホルム/メタノール=1/1)で精製して、化合物(40)(236.6 mg,収率97%)を得た。
実施例6(糖供与体化合物(2−3)の製造)
Figure 2014047155
化合物(40)(195.2mg,173.3 μmol)をアセトニトリル(10ml)及び水(2.5ml)に溶解させ、CAN(576.0mg,1.1mmol)を加えて室温で1時間撹拌した。反応液にクロロホルムを加えて分液し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。有機層を濾過し、ろ液を40℃以下で減圧下濃縮し、得られた濃縮残渣をシリカゲルカラム(WakogelC-300,トルエン/酢酸エチル=5/1→1/5)で粗精製して原料化合物(40)と化合物(4−3)との混合物(135.8 mg)を得た。この混合物をジクロロメタン(1 ml)に溶解させ、−40℃でトリクロロアセトニトリル(1.0 ml,9.97 mmol)と2M DBUのジクロロメタン溶液(13 μl)を加えて3時間撹拌した。反応液をそのままシリカゲルカラム(WakogelC-300,トルエン/酢酸エチル=5/1→1/6)で精製して、糖供与体化合物(2−3)(75.5 mg,収率37%(2工程))を得た。
H−NMR(500MHz,CDCl)チャートを、図6に示した。
実施例7(オリゴ糖化合物(1−1)の製造)
Figure 2014047155
アルゴンガス雰囲気下で、予め乾燥させたMSAW300(80 mg)、糖受容体化合物(3−2)(45 mg,30.7μmol)及び糖供与体化合物(2−2)(71.2 mg,46.0 μmol)にジクロロメタン(12.8 ml)を加え、室温で1.5時間撹拌した。反応液の内温を0℃に冷却してTMSOTf(2.8 μl,15.4 μmol)を加えた後、室温に戻して撹拌した。1時間後、2時間後、及び3時間後にTMSOTfをそれぞれ(2.8 μl,15.4 μmol)、(5.5 μl,30.8 μmol)、(5.5 μl,30.8 μmol)加えて、20時間撹拌した。反応液をセライト濾過、得られたろ液を飽和重曹水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。この反応液をろ過し、ろ液を減圧下濃縮し、得られた濃縮残渣をゲル濾過(クロロホルム/メタノール=1/1)して、目的物を含むフラクションを集めて濃縮した。得られた濃縮物をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=3/1→2/1)で精製して、オリゴ糖化合物(1−1)を含む混合物(17.7 mg)を得た。
Mass:ESI calcd for C5558Cl3049, m/z=2849.03, found:2848.2[M−H]
実施例8(オリゴ糖化合物(1−2)の製造)
Figure 2014047155
糖受容体化合物(3−3)(51.1 mg,49.7 μmol)及び糖供与体化合物(2−3)(52.8 mg,45.3 μmol)をジクロロメタン(3.0 ml)に溶解させ、MSAW300(176.3 mg)を加えて室温で1時間撹拌した。この懸濁液を−20℃に冷却してTMSOTf(4.2 μl,23 μmol)を加えた後、室温まで連続的に温度を上昇させながら終夜撹拌した。反応液に飽和重曹水を加えて、セライトろ過し、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和重曹水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。この有機層を濾過し、ろ液を40℃以下で減圧下濃縮し、得られた濃縮残渣をゲル濾過(クロロホルム/メタノール=1/1)で粗精製した後、分取用シリカゲルプレート(Silica Gel 60 F254(Merck社製))(分離溶媒:トルエン/酢酸エチル/メタノール=8/4/1)で精製して、オリゴ糖化合物(1−2)を含む混合物(7.7 mg)を得た。
Mass:ESI calcd for C6472Cl1238, m/z=2029.88, found:3030.80[M+H]

Claims (4)

  1. 一般式(1)で表される保護された硫酸化オリゴ糖化合物。
    Figure 2014047155
    [式中、Rは、水酸基の保護基を示す。Rは、C1−8アルキル基、C1−6ハロアルキル基、ベンジル基(ベンジル基のフェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)又はフェニル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)を示す。R及びRは、同一又は異なって水素原子、C1−4アルキルカルボニル基、C1−4ハロアルキルカルボニル基又はC1−4ハロアルコキシカルボニル基を示すか、互いに結合してC1−4アルキレン基、C2−4アルケニレン基又はフェニレン基を示す。R、R及びRは、水酸基の保護基又は基−SOを示す。RはC1−4アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)、ベンズヒドリルオキシカルボニル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)又は基−CHORを示す。ここでRは、水酸基の保護基を示す。m及びnは、同一又は異なって0〜4の整数を示す。]
  2. 一般式(2)で表される糖供与体化合物と、一般式(3)で表される糖受容体化合物とを、酸の存在下で反応させることを特徴とする一般式(1)で表される保護された硫酸化オリゴ糖化合物の製造方法。
    Figure 2014047155
    [式中、Rは、水酸基の保護基を示す。Rは、C1−8アルキル基、C1−6ハロアルキル基、ベンジル基(ベンジル基のフェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)又はフェニル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)を示す。R及びRは、同一又は異なって水素原子、C1−4アルキルカルボニル基、C1−4ハロアルキルカルボニル基又はC1−4ハロアルコキシカルボニル基を示すか、互いに結合してC1−4アルキレン基、C2−4アルケニレン基又はフェニレン基を示す。R、R及びRは、水酸基の保護基又は基−SOを示す。RはC1−4アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)、ベンズヒドリルオキシカルボニル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)又は基−CHORを示す。ここでRは、水酸基の保護基を示す。m及びnは、同一又は異なって0〜4の整数を示す。]
    Figure 2014047155
    [式中、R、R、R、R、R、R、R及びmは前記に同じ。Xは脱離基を示す。]
    Figure 2014047155
    [式中、R、R、R、R、R、R、R及びnは前記に同じ。]
  3. 一般式(2)で表される糖化合物。
    Figure 2014047155
    [式中、Rは、C1−8アルキル基、C1−6ハロアルキル基、ベンジル基(ベンジル基のフェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)又はフェニル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)を示す。R及びRは、同一又は異なって水素原子、C1−4アルキルカルボニル基、C1−4ハロアルキルカルボニル基又はC1−4ハロアルコキシカルボニル基を示すか、互いに結合してC1−4アルキレン基、C2−4アルケニレン基又はフェニレン基を示す。R、R及びRは、水酸基の保護基又は基−SOを示す。RはC1−4アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)、ベンズヒドリルオキシカルボニル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)又は基−CHORを示す。ここでRは、水酸基の保護基を示す。mは、0〜4の整数を示す。Xは脱離基を示す。]
  4. 一般式(3)で表される糖化合物。
    Figure 2014047155
    [式中、Rは、水酸基の保護基を示す。Rは、C1−8アルキル基、C1−6ハロアルキル基、ベンジル基(ベンジル基のフェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)又はフェニル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)を示す。R及びRは、同一又は異なって水素原子、C1−4アルキルカルボニル基、C1−4ハロアルキルカルボニル基又はC1−4ハロアルコキシカルボニル基を示すか、互いに結合してC1−4アルキレン基、C2−4アルケニレン基又はフェニレン基を示す。R及びRは、水酸基の保護基又は基−SOを示す。RはC1−4アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)、ベンズヒドリルオキシカルボニル基(フェニル環上には、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4ハロアルキル基、C1−4アルコキシ基、C1−4ハロアルコキシ基、C1−4アルコキシカルボニル基、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基が1個以上置換してもよい)又は基−CHORを示す。ここでRは、水酸基の保護基を示す。nは、0〜4の整数を示す。]
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