JPWO2014125967A1 - 3,6−O−架橋ピラノース化合物及びα−O−ピラノシドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明の課題は、汎用性が高く、厳格な反応条件を設定しなくても、α−O−ピラノシドを高い選択率で簡便に製造するための方法、及び該方法に用いるピラノース供与体を提供することである。本発明の2,4−O−架橋ピラノース化合物は、一般式(1)[式中、R1は−SR6基(R6は置換基を有していてもよい低級アルキル基等)等、R2は水素原子等、R3は水素原子等、R4及びR5はハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル基等を示す。nは1〜4の整数を示し、p及びqは各々0〜4の整数を示す。]で表される3,6−O−架橋ピラノース化合物、又はその鏡像異性体である。

Description

本発明は、3,6−O−架橋ピラノース化合物及びα−O−ピラノシドの製造方法に関する。
天然に存在するステロイド等のアルコールにピラノース(糖)がグリコシル結合した化合物(ピラノシド)には、α−O−ピラノシド及びβ−O−ピラノシドの2種の異性体が存在する。ピラノシドは、種々の生理活性を有する重要な化合物が知られており、これらの異性体を選択的に製造する方法が期待されている。グルコシル化法としては、酵素を利用した方法及び一般的な化学合成を利用した方法が知られている。
しかしながら、酵素を利用した方法では酵素の基質特異性のため限られた糖鎖しか合成できず、工業的な製造方法としては適していない。また、一般的な化学合成を利用した方法では、α−O−ピラノシドとβ−O−ピラノシドとの混合物が得られるに止まり、α−O−ピラノシドを高選択的に製造することは困難である。
高α選択的な化学合成によるグリコシル化法として、ピラノースの2位の保護基として隣接基関与が起きないベンジル基を用いる化学的製造法が示されている(非特許文献1)。しかしながら、この方法は、2位の保護基としてアシル基を用いた場合にβ選択的な隣接基関与が起きることを防ぐ方法であり、そのためにα選択的に反応を進行させるために厳格な反応条件を設定する必要がある。
また、α選択的な隣接基関与を利用する化学的製造法も提案されている(非特許文献2及び3)。しかしながら、これらの方法ではピラノースの2位の保護基として、窒素原子を有するアルキル基又はヘテロアリールアルキル基を導入する必要がある。
さらに、ピラノースと1,4−オキサチアン環とのビシクロ化合物を用いた方法も提案されている(非特許文献4)。しかしながら、この方法においても1位及び2位の保護基に制限がある。
従って、十分な高α選択性並びに、反応条件及び適用できる基質の汎用性という観点から、決定的な高α選択的な化学合成方法が未だ見出されていないのが現状である。
Fukase, K.; Hasuoka, A.; Kinoshita, I.; Aoki, Y.; Kusumoto, S. Tetrahedron1995, 51, 4923−4932. Kim, J.-H.; Yang, H.; Park, J.; Boons, G.-J. J. Am. Chem. Soc. 2005, 127, 12090-12097. Cox, D. J.; Fairbanks, A. J. Tetrahedron: Asymm. 2009, 20, 773-780. Fascione, M. A.; Webb, N. J.; Kilner, C. A.; Warriner, S. L.; Turnbull, W. B. Carbohydr. Res. 2012, 348, 6−13.
本発明の課題は、汎用性が高く、厳格な反応条件を設定しなくても、α−O−ピラノシドを高い選択率で簡便に製造するための方法、及び該方法に用いるピラノース供与体を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、下記一般式(1)で表される3,6−O−架橋ピラノース化合物を合成することに成功し、該3,6−O−架橋ピラノース化合物が所望のα−O−グリコシル化剤になり得ることを見出した。本発明は、このような知見に基づき完成されたものである。
本発明は、下記項1及び2に示す3,6−O−架橋ピラノース化合物及び項3に示すα−O−ピラノシドの製造方法を提供する。
項1.一般式(1)
Figure 2014125967
[式中、Rは−SR基(Rは置換基を有していてもよい低級アルキル基又は芳香環上に置換基を有していてもよいアリール基を示す)、−OR基(Rは水素原子、水酸基の保護基又は結合する酸素原子とともに脱離基として作用する基を示す)又はハロゲン原子を示す。
は、水素原子又は水酸基の保護基を示す。
は、水素原子又は水酸基の保護基を示す。
及びRは同一又は異なって、ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルコキシ基、ニトロ基又はハロゲン原子を示す。
nは1〜4の整数を示し、p及びqは各々0〜4の整数を示す。
p個のRは同一であっても異なっていてもよく、q個のRも同一であっても異なっていてもよい。
p個の互いに隣接するRは互いに結合してベンゼン環を形成してもよく、q個の互いに隣接するRは互いに結合してベンゼン環を形成してもよい。]
で表される3,6−O−架橋ピラノース化合物、又はその鏡像異性体。
項2.前記一般式(1)中のRがハロゲン原子である、前記項1に記載の3,6−O−架橋ピラノース化合物、又はその鏡像異性体。
項3.前記項2に記載の3,6−O−架橋ピラノース化合物を一般式(2)
OH (2)
[式中、Rは、第1級、第2級又は第3級アルコールの残基を示す。]
で表されるアルコール化合物と反応させて、一般式(3)
Figure 2014125967
[式中、R、R、R、R、R、n、p及びqは前記に同じ。]
で表されるα−O−ピラノシド又はその鏡像異性体を製造する方法。
3,6−O−架橋ピラノース化合物
本発明の3,6−O−架橋ピラノース化合物は、下記一般式(1)で表される。
Figure 2014125967
[式中、R、R、R、R、R、n、p及びqは前記に同じ。]
本明細書において、低級アルキル基とは、炭素数1〜6のアルキル基を、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基を示し、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、neo−ペンチル基、n−ヘキシル基、iso−ヘキシル基、3−メチルペンチル基等を挙げることができる。
低級アルコキシ基とは、炭素数1〜6のアルコキシ基を、好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基を示し、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、n−ペントキシ基、neo−ペントキシ基、n−ヘキシルオキシ基、iso−ヘキシルオキシ基、3−メチルペントキシ基等を挙げることができる。
低級アルカノイル基とは、炭素数1〜6のアルカノイル基を、好ましくは炭素数1〜4のアルカノイル基を示し、例えば、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、2−メチルプロパノイル基、ペンタノイル基、2−メチルブタノイル基、3−メチルブタノイル基、tert−ブチルカルボニル基、ヘキサノイル基等が挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
水酸基の保護基としては、今日までに広く知られている既存の水酸基の保護基であればよく、例えば、アリル基;メタリル基;置換基としてハロゲン原子、低級アルコキシ基及びアリールオキシ基からなる群より選ばれる少なくとも一種の基を1〜5個有していてもよい低級アルキル基;置換基としてハロゲン原子、低級アルキル基及び低級アルコキシ基からなる群より選ばれる少なくとも一種の基を芳香環上に1〜3個有していてもよいフェニル基;置換基としてハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基及びニトロ基からなる群より選ばれる少なくとも一種の基を芳香環上に1〜3個有していてもよいベンジル基;置換基としてハロゲン原子、低級アルキル基及び低級アルコキシ基からなる群より選ばれる少なくとも一種の基を芳香環上に1〜3個有していてもよいトリフェニルメチル基;ホルミル基;置換基としてハロゲン原子、低級アルコキシ基、アリール基及びアリールオキシ基からなる群より選ばれる少なくとも一種の基を1〜5個有していてもよい低級アルカノイル基;置換基としてハロゲン原子、低級アルキル基及び低級アルコキシ基からなる群より選ばれる少なくとも一種の基を芳香環上に1〜3個有していてもよいベンゾイル基;ケイ素原子上に低級アルキル基及びアリール基からなる群から選ばれる少なくとも一種の基が3個置換したシリル基等が挙げられる。具体的には、アリル基、メタリル基、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、メトキシメチル基、4−メトキシフェニル基、ベンジル基、ジメチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、2−ニトロベンジル基、トリフェニルメチル基、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、tert−ブチルカルボニル基、ベンゾイル基、トリ低級アルキルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基等が挙げられる。これらの保護基の中でも、アリル基、ベンジル基、ジメチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、トリ低級アルキルシリル基が好ましい。
が低級アルキル基を示す場合、該アルキル上の置換基としては、低級アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子等が挙げられ、より具体的には、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、ハロゲン原子等が挙げられる。
がアリール基を示す場合、該芳香環上の置換基としては、例えば、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子等が挙げられ、より具体的には、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
で示される、結合する酸素原子とともに脱離基として作用する基としては、今日までに広く知られている既存の基であればよく、イミド基;ハロゲン原子を1〜5個有していてもよい低級アルキルスルホニル基;置換基としてハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基及びニトロ基からなる群より選ばれる少なくとも一種の基を芳香環上に1〜3個有していてもよいベンゼンスルホニル基等が挙げられる。具体的には、トリクロロアセトイミド基、4−トリフルオロメチルベンジルチオ−N−(4−トリフルオロメチルフェニル)ホルムイミド基、メタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基、4−トルエンスルホニル基、2−ニトロベンゼンスルホニル基等が挙げられる。
一般式(1)において、p個の互いに隣接するRは互いに結合してベンゼン環を形成するとは、例えば、互いに隣接する2個のRが互いに結合してRが結合しているベンゼン環と共にナフタレン環を形成する場合が挙げられる。
一般式(1)において、q個の互いに隣接するRは互いに結合してベンゼン環を形成するとは、例えば、互いに隣接する2個のRが互いに結合してRが結合しているベンゼン環と共にナフタレン環を形成する場合が挙げられる。
一般式(1)におけるRは、水素原子又は水酸基の保護基である。ここで水酸基の保護基とは、上述した水酸基の保護基と同様のものが用いられる。
一般式(1)におけるRは、水素原子又は水酸基の保護基である。ここで水酸基の保護基とは、上述した水酸基の保護基と同様のものが用いられる。
一般式(1)におけるnの数値は1〜4の整数であるが、1〜3の整数が好ましく、2〜3の整数がさらに好ましく、2が特に好ましい。
一般式(1)におけるp及びqの値はそれぞれ0〜4の整数であるが、p及びqは共に0〜2の整数が好ましく、0又は1が特に好ましい。
一般式(1)で表される3,6−O−架橋ピラノース化合物は、その架橋部における2個の芳香環がアルキレン基を介して結合している化学構造を有している。そのため、当該3,6−O−架橋ピラノース化合物の架橋部は構造上適度な自由度を有しているため、架橋部をピラノースから外す反応が進行しやすい利点を有している。
一般式(1)で表される3,6−O−架橋ピラノース化合物の鏡像異性体とは、下記一般式(1’)で表される3,6−O−架橋ピラノース化合物を意味する。
Figure 2014125967
[式中、R、R、R、R、R、n、p及びqは前記に同じ。]
一般式(1)で表される3,6−O−架橋ピラノース化合物は、その立体配座を考慮すると下記式のように表すこともできる。
Figure 2014125967
[式中、R、R、R、R、R、n、p及びqは前記に同じ。]
一般式(1)で表される3,6−O−架橋ピラノース化合物には、下記一般式(1A)、(1B)及び(1C)で表される化合物が包含される。
Figure 2014125967
[式中、Xはハロゲン原子を示す。R、R、R、R、R、R、n、p及びqは前記に同じ。]
これらの化合物は、その立体配座を考慮すると下記式のように表すこともできる。
Figure 2014125967
[式中、R、R、R、R、R、R、X、n、p及びqは前記に同じ。]
また、一般式(1)で表される3,6−O−架橋ピラノース化合物のうち、好ましい化合物は、下記一般式(1a)、(1b)、(1c)、(1d)及び(1e)で表される化合物である。
Figure 2014125967
[式中、R、R、R、R、R及びnは前記に同じ。]
本発明のR及びRが共に水素原子を示す一般式(1A)の3,6−O−架橋ピラノース化合物(一般式(1A−1)の化合物)並びにR及びRが共に水酸基の保護基を示す一般式(1A)の3,6−O−架橋ピラノース化合物(一般式(1A−2)の化合物)は、例えば、下記反応式−1に示すようにして製造される。
Figure 2014125967
[式中、R、R、R、n、p及びqは前記に同じ。R2’及びR3’は各々水酸基の保護基を示す。X及びXは、各々ハロゲン原子を示す。]
化合物(4)と化合物(5)との反応は、例えば、後記実施例1に示すようにトルエン及びジメチルホルムアミド(DMF)の混合溶媒等の適当な溶媒中、水素化ナトリウム等の塩基性化合物の存在下で行われる。該反応は、好ましくは化合物(4)の溶液と化合物(5)の溶液とをそれぞれ適当な速度で、塩基性化合物の溶液又は懸濁液に滴下することにより行われる。この反応は、70℃〜溶媒の沸点付近の温度で10〜20時間撹拌するのがよい。
この反応において、出発原料として用いられる化合物(4)は、公知の化合物であり、化合物(5)は公知の化合物であるか又は公知の化合物から容易に製造できる化合物である。溶媒にトルエンとDMFの混合溶媒を使用する場合のトルエン及びDMFの混合割合は、例えば体積比でトルエン1Lに対してDMF0.1〜1Lを混合した溶媒を使用することができる。該反応では、化合物(4)1モルに対して、化合物(5)を1〜3モル使用するのが好ましい。該反応では、化合物(4)1モルに対して、塩基性化合物を2〜10モル使用するのが好ましい。
化合物(6)を化合物(1A−1)に導く反応は、例えば、後記実施例1に示すように、2つの工程により行われる。この工程はジクロロメタン等の適当な溶媒中、トリフルオロメタンスルホン酸 トリメチルシリル等のルイス酸及びモレキュラーシーブスの存在下にRSH(式中、Rは前記に同じ。)と化合物(6)とを反応させる工程(A工程)及びA工程で得られる生成物とナトリウムメトキシド等の塩基性化合物とをメタノール等のアルコール溶媒中で反応させる工程(B工程)である。
A工程の反応は、反応温度が−78〜25℃で、反応時間が1〜60分であることが好ましい。該前半の反応では、化合物(6)1モルに対して、RSHを0.8〜1.5モル使用するのが好ましい。A工程の反応では、化合物(6)1モルに対して、ルイス酸を0.8〜2モル使用するのが好ましい。
B工程の反応は、反応温度が0〜65℃(さらに好ましくは室温付近)で、反応時間が5〜60分であることが好ましい。該後半の反応では、使用する塩基性化合物の量は、例えば、A工程の反応で使用した化合物(6)1モルに対して、塩基性化合物を0.001〜10モル使用することができる。
化合物(1A−1)を化合物(1A−2)に導く反応は、塩基性化合物の存在下、水酸基に保護基を導入する一般的な条件で行うことができる。例えば、後記実施例2に示すように、トルエンとDMFの混合溶媒等の適当な溶媒中、水素化ナトリウム等の塩基性化合物の存在下で行うことができる。該反応は、反応温度が20〜100℃で、反応時間が30〜120分であることが好ましい。溶媒にトルエンとDMFの混合溶媒を使用する場合のトルエン及びDMFの混合割合は、例えば体積比でトルエン1Lに対してDMF0.2〜2Lを混合した溶媒を使用することができる。該反応では、化合物(1A−1)1モルに対して、塩基性化合物を2〜10モル使用することが好ましい。
化合物(1A−2)において、R2’及びR3’で示される水酸基の保護基が異なる場合、化合物(1A−1)を化合物(1A−2)に導く反応は2つの工程を経て、化合物(1A−2)を得ることができる。まず、第一の工程では、化合物(1A−1)とR2’(式中、R2’は前記に同じ。Xは、ハロゲン原子を示す。)とをテトラヒドロフラン等の適当な溶媒中、水素化ナトリウム等の塩基性化合物及び塩化銅(II)の存在下反応させることで、一般式(1A)においてRが水酸基の保護基、Rが水素原子を示す化合物を得ることができる。該反応は、好ましくは化合物(1A−1)及び塩基性化合物の混合溶液を撹拌したものに、塩化銅(II)を加え、その後R2’を加えることにより行われる。第二の工程では、得られた化合物を、塩基性化合物の存在下、水酸基に保護基を導入する一般的な条件により、所望の化合物(1A−2)を得ることができる。
本発明のRが水素原子を示す一般式(1B)の3,6−O−架橋ピラノース化合物(一般式(1B−1)の化合物)、Rが水酸基の保護基又は結合する酸素原子とともに脱離基として作用する基を示す一般式(1B)の3,6−O−架橋ピラノース化合物(一般式(1B−2)の化合物)及び一般式(1C)の3,6−O−架橋ピラノース化合物は、例えば、下記反応式−2に示すようにして製造される。
Figure 2014125967
[式中、R、R、R、R、R、X、n、p及びqは前記に同じ。R7’は水酸基の保護基又は結合する酸素原子とともに脱離基として作用する基を示す。]
化合物(1A)を化合物(1B−1)に導く反応は、例えば、後記実施例3に示すように、アセトンと水の混合溶媒等の適当な溶媒中、N−ブロモスクシンイミド等のN−ハロスクシンイミドの存在下で行われる。該反応は、反応温度が−40〜30℃で、反応時間が0.1〜4時間であることが好ましい。溶媒にアセトンと水の混合溶媒を使用する場合のアセトン及び水の混合割合は、例えば体積比でアセトン1Lに対して水0.01〜0.5Lを混合した溶媒を使用することができる。該反応では、化合物(1A)1モルに対して、N−ハロスクシンイミドを1〜3モル使用することが好ましい。
化合物(1B−1)を化合物(1B−2)に導く反応は、塩基性化合物の存在下、水酸基に保護基又は結合する酸素原子とともに脱離基として作用する基を導入する一般的な条件で行われる。
化合物(1B−1)を化合物(1C)に導く反応は、例えば、後記実施例4に示すように、テトラヒドロフラン等の適当な溶媒中、三フッ化ジエチルアミノ硫黄(DAST)等のハロゲン化剤の存在下で行われる。該反応は、反応温度が−20〜40℃で、反応時間が1〜60分であることが好ましい。該反応では、化合物(1B−1)1モルに対して、ハロゲン化剤を1〜6モル使用することが好ましい。
一般式(1’)で表される化合物についても、上記各反応式において、対応する鏡像異性体を出発原料とすること以外は同様の反応を行うことで製造することができる。
上記反応により得られる一般式(1)で表される化合物は、通常の分離手段により反応混合物より分離され、精製される。このような分離及び精製手段としては、例えば蒸留法、再結晶法、カラムクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルクロマトグラフィー、親和クロマトグラフィー、プレパラティブ薄層クロマトグラフィー、溶媒抽出法等を挙げることができる。
一般式(1)で表される化合物は、水素化の条件により架橋部をピラノースから外すことができる。該反応は、水素化触媒存在下、水素雰囲気下で行われる。該反応において、水素化触媒としては、今日まで広く知られている既存の水素化触媒を用いればよく、例えば、パラジウム/炭素、水酸化パラジウム/炭素等が挙げられる。
本発明の一般式(1)で表される化合物は、α選択的糖供与体として、グリコシル化剤に適したものである。α選択的にグリコシド結合が形成される理由は、未だ明確になっていないが、架橋部がピラノース環の一方の面を覆う形状をしているため、β面での立体反発によりα面から選択的に反応が進行するためであると推察される。本発明の一般式(1)で表される化合物は、α選択的糖供与体として作用した後、上記のように架橋部を外す反応を一般式(3)で表されるα−O−ピラノシド化合物に対して行うことで、α−O−グリコシル結合を有する種々の糖、糖蛋白質、糖脂質等を製造することが可能である。
α−O−ピラノシドの製造方法
一般式(1C)で表される3,6−O−架橋ピラノース化合物と一般式(2)であらわされるアルコールとを反応させることにより、一般式(3)で表されるα−O−ピラノシド化合物を選択的に合成することができる(下記反応式−3)。
Figure 2014125967
[式中、R、R、R、R、R、X、n、p及びqは前記に同じ。]
一般式(2)において、Rで示される第1級、第2級又は第3級アルコールの残基とは、第1級、第2級又は第3級アルコールから水酸基を取り除いた残りの基を意味する。
一般式(2)のアルコールは、公知の化合物であり、特に限定されるものではないが、シクロヘキシルメタノール等の炭素数3〜8のシクロアルキル基を有する低級アルコール又は水酸基を有する糖、糖脂質並びに糖蛋白質等が挙げられる。
一般式(1C)の化合物と一般式(2)のアルコールとの反応は、例えば、ジエチルエーテル等の適当な溶媒中で行われる。これらの溶媒は、無水溶媒であるのが好ましい。
化合物(1C)とアルコール(2)との使用割合は、化合物(1C)1モルに対して、アルコール(2)を通常0.5〜2モル程度、好ましくは1〜1.2モル程度とするのがよい。
化合物(1C)とアルコール(2)との反応において、反応系内に活性化剤を存在させるのが好ましい。活性化剤としては、例えば、ジシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド(CpZrCl)/過塩素酸銀(I)(AgClO)の組み合わせ等を挙げることができる。活性化剤の使用量としては、化合物(1C)1モルに対して、CpZrClが通常1〜5モル程度、好ましくは1〜3モル程度、AgClOが通常1〜7モル程度、好ましくは1〜5モル程度である。
また、該反応において、モレキュラーシーブス(例えば、モレキュラーシーブス4A)を存在させることにより、目的化合物である化合物(3)の収率がより一層向上する。
この反応は、通常−90〜0℃程度、好ましくは、−80〜−40℃において好適に進行する。
上記反応により得られるα−O−ピラノシドは、例えば、通常の分離手段により反応混合物より分離され、精製される。このような分離及び精製手段としては、上記したものを挙げることができる。
上記反応により得られる各種のα−O−ピラノシドは、例えば、糖類、糖脂質、糖蛋白質の合成等の重要な用途に使用されうる。
本発明の一般式(1)で表される3,6−O−架橋ピラノース化合物又はその鏡像異性体は、α−O−グリコシル化剤として好適に使用され得る。
本発明の一般式(1)で表される3,6−O−架橋ピラノース化合物又はその鏡像異性体を使用すれば、厳格な反応条件を設定しなくても、α−O−ピラノシドを高い選択率で簡便に製造することができる。
以下に実施例を掲げて、本発明をより一層明らかにする。なお、以下において、必要な場合は窒素又はアルゴン雰囲気下で反応を行った。また、シリカゲルクロマトグラフィーによる精製はシリカゲル60N(粒状、中性、40−50μm)又はシリカゲル60N(粒状、中性、63−210μm)(共に関東化学社製)を用いた。
化合物の理化学的性質の測定にはそれぞれ以下の機器を使用した。
IR:JASCO FT/IR−4200(ATR;全反射法)
比旋光度:JASCO DIP−370(100mmセル、波長:589nm、溶媒:CHCl
NMR:JEOL JNM−ECX−400(H:400MHz、13C:100MHz)
なお、13C−NMRの測定において、当該炭素に結合する水素原子の数をDEPT法により測定し、それぞれC(s)、CH(d)、CH(t)、CH(q)で示した。
HRMS:JEOL JMS−700(イオン化法:ESI)。
実施例1
Figure 2014125967
[式中、Phはフェニル基を示す。]
フェニル 3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]−1−チオ−D−グルコピラノシドの製造
トルエン(80mL)に60%油性水素化ナトリウム(585mg、水素化ナトリウムとして351mg、14.6mmol)を加え撹拌した。この懸濁液を80℃撹拌しているところに、2,2’−ビス(ブロモメチル)ビベンジル(934mg、2.53mmol)のトルエン溶液(40mL)及び1,2,4−オルトアセチル−α−D−グルコピラノース(500mg、2.44mmol)のジメチルホルムアミド溶液(40mL)を同時に滴下した。これら2つの溶液の滴下にはシリンジポンプを使用し、それぞれ1mL/分の滴下速度において、40分間かけて滴下した。滴下が終了した後、この混合物をさらに80℃において14時間撹拌した。その後、反応混合物を0℃に冷却下、水(20mL)を加えてクエンチした。得られた混合物を酢酸エチル(50mL×2回)によって抽出し、抽出物を合わせ、これを水(20mL×1回)で洗浄した。さらに抽出溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、綿栓濾過した後、溶媒を留去し、化合物3の粗生成物を得た。
得られた化合物3の粗生成物、モレキュラーシーブス5A(7.29g)及びジクロロメタン(49mL)の混合物に、チオフェノール(269mg、2.44mmol)及びトリフルオロメタンスルホン酸 トリメチルシリル(644mg、2.90mmol)を−75℃において加えた。この混合物を−75℃において15分撹拌した後、さらに5分室温で撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(5mL)を加えてクエンチし、得られた混合物を綿及びセライトにより濾過し、混合物からモレキュラーシーブスを除いた。その後、得られた混合物をクロロホルム(20mL×2回)によって抽出し、抽出物を合わせた。さらに抽出溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、綿栓濾過した後、溶媒を留去し、黄色アモルファスの粗生成物を得た。
得られた黄色アモルファスの粗生成物、ナトリウムメトキシド(380mg、7.03mmol)及びメタノール(48mL)の混合物を室温において30分撹拌した。その後、反応混合物に1規定塩酸(5mL)を加えてクエンチし、得られた混合物を酢酸エチル(15mL×2回)によって抽出し、抽出物を合わせ、これを水(5mL×1回)で洗浄した。さらに抽出溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、綿栓濾過した後、溶媒を留去し、フェニル 3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]−1−チオ−D−グルコピラノシドの粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO:8g、酢酸エチル/n−ヘキサン(体積比)=1/5→1/2)で精製し、フェニル 3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]−1−チオ−D−グルコピラノシド(アノマー異性体の混合比α:β=1:1、419mg、0.875mmol、収率:36%)を白色アモルファス固体として得た。
上記過程において、化合物3は粗生成物をそのまま次の工程に使用したが、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO:8g、酢酸エチル/n−ヘキサン(体積比)=1/5→1/2)で精製することができた。化合物3の理化学的性質は以下の通りである。
mp:68−71℃
[α] 25=−24.3(c=1.00、CHCl
IR(ATR):2920, 2866, 1740, 1604, 1491, 1454, 1405, 1378, 1326, 1307, 1288, 1239, 1223, 1181, 1137, 1090, 1057, 1039, 1005, 949, 900, 882, 869, 847, 749, 670, 657, 634, 616, 603 cm−1
H−NMR(400MHz、CDCl):δppm
7.42−7.19 (m, 6H), 5.77 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 4.69 (d, J= 11.4 Hz, 1H), 4.69 (m, 2H), 4.55-4.49 (m, 2H), 4.42-4.34 (m, 2H), 3.97 (s, J = 3.8 Hz, 2H), 3.72 (s, 1H), 3.69 (d, 1H), 3.15-3.00 (m, 4H), 1.61 (s, 3H)
13C−NMR(100MHz、CDCl):δppm
141.9 (s), 141.8 (s), 135.3 (s), 134.3 (s), 131.2 (d), 131.0 (d), 129.4 (d), 129.1 (d), 128.9 (d), 128.4 (d), 126.5 (d), 126.3 (d), 119.0 (d), 98.0 (d), 74.8 (d), 72.7 (d), 72.5 (t), 70.8 (t), 70.6 (d), 70.5 (d), 69.2 (t), 33.6 (t), 33.0 (t), 20.4 (q)
HRMS−ESI(m/z):[M+Na]
計算値(C2426 23NaOとして)433.1627、実測値433.1612。
フェニル 3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]−1−チオ−D−グルコピラノシドのアノマー異性体混合物は、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/n−ヘキサン(体積比)=1/5→1/2)で精製し、それぞれα異性体及びβ異性体に分離することができた。それぞれの理化学的性質は以下の通りである。
フェニル 3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]−1−チオ−α−D−グルコピラノシド
mp:76−80℃
[α] 25=+7.9(c=0.52、CHCl
IR(ATR):3424, 3060, 3022, 2868, 1733, 1604, 1584, 1492, 1481, 1452, 1438, 1405, 1373, 1323, 1248, 1074, 1046, 1024, 907, 847, 729, 691, 666, 647, 621, 609cm−1
H−NMR(400MHz、CDCl):δppm
7.56−7.48 (m, 3H), 7.40−7.26 (m, 7H), 7.25−7.18 (m, 3H), 5.36 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 4.70 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 4.47 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 4.40 (s, 2H), 4.22 (ddd, J = 8.6, 4.9, 4.2 Hz, 1H), 4.15 (br s, 1H), 4.07 (br s, 1H), 3.99 (t, J= 8.9, 8.6 Hz, 1H), 3.86 (t, J = 3.4, 3.4 Hz, 1H), 3.70 (dd, J = 8.9, 4.9 Hz, 1H), 3.16−2.96 (m, 4H)
13C−NMR(100MHz、CDCl):δppm
141.9 (s), 141.3 (s), 135.5 (s), 135.1 (s), 134.8 (s), 129.6−126.5 (13個のダブレットが重複: 10個のピークを観測), 83.8 (d), 77.6 (d), 77.3 (d), 72.8 (t), 70.2 (t), 69.7 (d), 68.0 (t), 64.5 (d), 33.9 (t), 33.4 (t)
HRMS−ESI(m/z):[M+Na]
計算値(C2830 23NaOSとして)501.1712、実測値501.1692。
フェニル 3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]−1−チオ−β−D−グルコピラノシド
mp:73−78℃
[α] 23=−45(c=0.53、CHCl
IR(ATR):3435, 3063, 3011, 2870, 1732, 1604, 1583, 1479, 1439, 1359, 1218, 1042, 809, 747 cm−1
H−NMR(400MHz、CDCl):δppm
7.62−7.58 (m, 1H), 7.47−7.40 (m, 3H), 7.38−7.35 (m, 1H), 7.31−7.27 (m, 4H), 7.25−7.19 (m, 2H), 7.17−7.11 (m, 2H), 4.63 (s, 2H), 4.59 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 4.48 (d, J = 9.4 Hz, 1H), 4.40 (d, J = 9.4 Hz, 1H), 4.32 (ddd, J = 8.0, 7.7, 3.2 Hz, 1H), 3.91 (dd, J = 11,0, 3.2 Hz, 1H), 3.79 (dd, J = 11.0, 3.0 Hz, 1H), 3.74 (t, J = 8.2, 8.0 Hz, 1H), 3.60 (ddd, J = 7.7, 3.2, 3.0 Hz, 1H), 3.51 (ddd, J = 8.6, 8.2, 2.9 Hz, 1H), 3.04−2.82 (m, 4H), 2.65 (d, J = 2.9 Hz, 1H), 1.86 (d, J= 3.2 Hz, 1H)
13C−NMR(100MHz、CDCl):δppm
141.3 (s), 138.8 (s), 136.7 (s), 135.7 (s), 133.1 (d, 2 C), 132.0 (s), 131.4 (d), 130.2 (d), 129.3 (d), 129.2 (d), 129.0 (d, 2 C), 128.9 (d), 128.5 (d), 128.0 (d), 126.9 (d), 126.4 (d), 87.1 (d), 83.1 (d), 79.2 (d), 73.0 (t), 69.0 (t), 68.3 (d), 64.1 (d), 62.7 (t), 32.8 (t), 32.7 (t)
HRMS−ESI(m/z):[M+Na]
計算値(C2830 23NaOSとして)501.1712、実測値501.1711。
実施例2
Figure 2014125967
[式中、Phは前記に同じ。Bnはベンジル基を示す。]
フェニル 2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]−1−チオ−D−グルコピラノシドの製造
フェニル 3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]−1−チオ−D−グルコピラノシド(39mg、81.5μmol、α/β異性体混合物)及びベンジルブロマイド(55mg、322μmol)をジメチルホルムアミドとトルエンの混合溶液(体積比で1:1、4mL)に溶解し、室温において撹拌しているところに、60%油性水素化ナトリウム(20mg、水素化ナトリウムとして12mg、0.50mmol)を加えた。これを75℃において1時間撹拌した後、反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液(5mL)を0℃冷却下加え、クエンチした。得られた混合物を酢酸エチル(5mL×2回)によって抽出し、抽出物を合わせ、これを水(5mL×1回)及び飽和食塩水(5mL×1回)で洗浄した。さらに抽出溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、綿栓濾過した後、溶媒を留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(SiO:500mg、酢酸エチル/n−ヘキサン(体積比)=1/30→1/10)で精製し、フェニル 2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]−1−チオ−D−グルコピラノシド(アノマー異性体の混合比α:β=約50:50、43.1mg、65.3μmol、収率:80%)を白色アモルファス固体として得た。
別途、フェニル 2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]−1−チオ−D−グルコピラノシドα異性体及びβ異性体を、上記実施例2において、それぞれ分離したフェニル 3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]−1−チオ−α−D−グルコピラノシド又はフェニル 3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]−1−チオ−β−D−グルコピラノシドをそれぞれ原料として使用することで得た。それぞれの理化学的性質は以下の通りである。
フェニル 2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]−1−チオ−α−D−グルコピラノシド
mp:50−55℃
[α] 25=+110(c=0.50、CHCl
IR(ATR):3063, 3027, 2867, 2244, 1603, 1584, 1494, 1481, 1454, 1438, 1392, 1362, 1326, 1250, 1208, 1072, 1026, 908, 820, 728cm−1
H−NMR(400MHz、CDCl):δppm
7.55−7.29 (m, 13H), 7.25−7.13 (m, 10H), 5.66 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 4.85 (d, J= 10.1 Hz, 1H), 4.76 (d, J = 11.9 Hz, 1H), 4.73 (d, J = 11.7 Hz, 1H), 4.50 (d, J = 10.1 Hz, 1H), 4.38 (d, J = 11.7 Hz, 1H), 4.32−4.19 (m, 4H), 4.10 (br d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.04 (ddd, J= 4.9, 3.6, 1.2 Hz, 1H), 3.92−3.80 (m), 3.20−2.85 (m, 4H)
13C−NMR(100MHz、CDCl):δppm
142.3 (s), 142.0 (s), 138.4 (s), 138.0 (s), 136.4 (s), 136.1 (s), 135.0 (s), 131.5−126.2 (23個のダブレットが重複: 18個のピークを観測), 86.4 (d), 76.3 (d), 74.6 (d), 73.5 (t), 73.1 (d), 73.1 (1個のダブレットと1個のトリプレット: 1個のピークを観測), 71.5 (t), 70.4 (t), 69.7 (t), 34.1 (t, 2 C)
HRMS−ESI(m/z):[M+Na]
計算値(C4242 23NaOSとして)681.2651、実測値681.2682。
フェニル 2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]−1−チオ−β−D−グルコピラノシド
mp:35−38℃
[α] 22=−43(c=0.83、CHCl
IR(ATR):3063, 3032, 2907, 2871,1496, 1449, 1366, 1205, 1095, 1076, 1028, 913, 731cm−1
H−NMR(400MHz、CDCl):δppm
7.53−7.27 (m, 13H), 7.25−7.08 (m, 10H), 5.17 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 4.78 (d, J= 11.9 Hz, 1H), 4.74 (d, J = 11.9 Hz, 1H), 4.49 (d, J = 10.3 Hz, 1H), 4.40 (d, J = 10.3 Hz, 1H), 4.37 (d, J = 11.9 Hz, 1H), 4.31 (d, J = 11.9 Hz, 1H), 4.20 (d, J = 10.3 Hz, 1H), 4.16 (d, J = 10.3 Hz, 1H), 4.13 (m, 1H), 3.89 (m, 1H), 3.86 (m, 1H), 3.68 (dd, J = 8.9, 2.3 Hz, 1H), 3.64 (dd, J = 9.4, 2.8 Hz, 1H), 3.60 (dd, J = 9.4, 8.2 Hz, 1H), 3.05−2.88 (m, 4H)
13C−NMR(100MHz、CDCl):δppm
141.9 (s), 141.6 (s), 138.4 (s), 137.8 (s), 135.7 (s), 135.0 (s), 134.1 (s), 131.9−126.1 (23個のダブレットが重複: 18個のピークを観測), 83.8 (d), 80.5 (d), 79.6 (d), 78.1 (d), 73.2 (t), 72.9 (d), 72.5 (t), 71.0 (t), 70.2 (t, 2C), 33.2 (t), 33.1 (t)
HRMS−ESI(m/z):[M+Na]
計算値(C4242 23NaOSとして)681.2651、実測値681.2668。
実施例3
Figure 2014125967
[式中、Ph及びBnは前記に同じ。]
2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]−D−グルコピラノースの製造
フェニル 2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]−1−チオ−D−グルコピラノシド(258mg、0.392mmol)をアセトン(9mL)及び水(1mL)の混合溶媒に溶解した。この混合溶液を0℃において撹拌しているところに、N−ブロモスクシンイミド(105mg、0.587mmol)を加え、室温において1時間撹拌した。その後、0℃において反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(5mL)を加えクエンチした。得られた混合物を酢酸エチル(10mL×2回)によって抽出し、抽出物を合わせ、これを水(5mL×1回)及び飽和食塩水(5mL×1回)で洗浄した。さらに抽出溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、綿栓濾過した後、溶媒を留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(SiO:450mg、酢酸エチル/n−ヘキサン(体積比)=1/10→1/3)で精製し、2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]−D−グルコピラノース(アノマー異性体の混合比1:1、185mg、0.326mmol、収率:83%)を白色アモルファス固体として得た。
2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]−D−グルコピラノースの理化学的性質は以下の通りである。
IR(ATR):3397, 3041, 3029, 2868, 1731, 1604, 1494, 1454, 1366, 1252, 1216, 1069, 940, 914, 847, 814, 743cm−1
H−NMR(部分データ、400MHz、CDOD):δppm
4.48 , J = 3.9 Hz), 4.37 (d, J = 6.9 Hz)
HRMS−ESI(m/z):[M+Na]
計算値(C3638 23NaOとして)589.2566、実測値589.2551。
実施例4
Figure 2014125967
[式中、Bnは前記に同じ。]
2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]グルコシルフルオライドの製造
2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]−D−グルコピラノース(150mg、265μmol)及び三フッ化ジエチルアミノ硫黄(DAST、128mg、794μmol)をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解し、室温において10分間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(1mL)を加えてクエンチした。得られた混合物を酢酸エチル(10mL×2回)によって抽出し、抽出物を合わせ、これを飽和食塩水(5mL×1回)で洗浄した。さらに抽出溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、綿栓濾過した後、溶媒を留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(SiO:3g、酢酸エチル/n−ヘキサン(体積比)=1/15→1/5)で精製し、2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]グルコシルフルオライド(アノマー異性体の混合比7:3、120mg、211μmol、収率:80%)を無色のシロップとして得た。
2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]グルコシルフルオライドは、高速液体クロマトグラフィー(カラム:YMC-Pack R&D SIL, R-SIL-5, 250 x 4.6 m,溶出液:酢酸エチル/n−ヘキサン(体積比)=92:8,流速:1 mL/min,検出:UV, 254 nm)で精製し、α異性体及びβ異性体に分離することができた。これら2種の異性体それぞれの理化学的性質は以下の通りである。
2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]グルコシルフルオライド(異性体1:上記高速液体クロマトグラフィーの条件で保持時間12分)
[α] 22=−47(c=0.17、CHCl
IR(ATR):3029, 2869, 1496, 1455, 1368, 1216, 1091, 948, 699, 609cm−1
H−NMR(400MHz、CDCl):δppm
7.44−7.27 (m, 10H), 7.25−7.09 (m, 8H), 5.76−5.58 (dd, J = 55.2, 3.4 Hz, 1H), 4.79 (d, J = 12.1 Hz, 1H), 4.69 (d, J = 11.9 Hz, 1H), 4.45 (d, J = 11.9 Hz, 1H), 4.42-4.36 (m, 3H), 4.33 (ddd, J = 11.0, 5.3, 0.9 Hz, 1H), 4.24 (s, 2H), 3.87−3.80 (m, 2H), 3.75 (br s, 1H), 3.73−3.65 (m, 2H), 3.10−2.97 (m, 1H), 2.92−2.81 (m, 3H)
13C−NMR(100MHz、CDCl):δppm
141.8 (s), 141.7 (s), 137.8 (s), 137.6 (s), 135.7 (s), 134.7 (s), 131.6-126.2 (d, 18C, 18個のダブレットが重複: 13個のピークを観測), 107.3 (d, J C-F = 218 Hz), 76.0 (d), 75.7 (d), 74.3 (d), 73.0 (t), 72.4 (t), 71.2 (t), 70.8 (t), 70.6 (d), 70.0 (t), 33.7 (t), 33.3 (t)
HRMS−ESI(m/z):[M+Na]
計算値(C3637 23NaFOとして)591.2523、実測値591.2525。
2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]グルコシルフルオライド(異性体2:上記高速液体クロマトグラフィーの条件で保持時間14分)
[α] 23=+24(c=0.050、CHCl
IR(ATR):3025, 2867, 1496, 1455, 1365, 1216, 1094, 754, 700cm−1
H−NMR(400MHz、CDCl):δppm
7.43−7.27 (m, 12H), 7.25−7.09 (m, 6H), 5.66 (dd, J = 58.2, 3.0 Hz, 1H), 4.76 (d, J = 11.9 Hz, 1H), 4.74−4.66 (m, 3H), 4.42 (s, 2H), 4.32 (br s, 1H), 4.25 (d, J= 10.0 Hz, 1H), 4.17 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 4.05 (br d, J = 4.9 Hz, 1H), 4.01 (br d, J = 5.6 Hz, 1H), 3.87 (ddd, J = 14.4, 5.6, 3.0 Hz, 1H), 3.72−3.68 (m, 2H), 3.14−3.03 (m, 1 H), 2.95−2.83 (m, 3H)
13C−NMR(100MHz、CDCl):δppm
141.6 (s), 138.2 (s), 137.9 (s), 135.6 (s), 135.2 (s), 131.5-126.3 (d, 18C, 18個のダブレットが重複: 13個のピークを観測), 105.1 (d, 1JC-F = 225.0 Hz C-1), 78.5 (d), 75.1 (d, 2JC-F = 21.0 Hz C-2), 74.3 (d), 74.2 (d), 73.2 (t), 72.7 (t), 71.3 (t), 69.7 (t), 69.3 (t), 33.7 (t), 33.5 (t)
HRMS−ESI(m/z):[M+Na]
計算値(C3637 23NaFOとして)591.2523、実測値591.2540。
実施例5
Figure 2014125967
[式中、Bnは前記に同じ。]
2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]グルコシルフルオライドのα−グリコシル化反応
活性モレキュラーシーブス4A(105mg)、ジシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド(CpZrCl;26mg、88.9μmol)、過塩素酸銀(I)(AgClO;36mg、174μmol)及びジエチルエーテル(1.0mL)の混合物を室温において10分撹拌した。この混合物に−50℃において、シクロヘキシルメタノール(4.7mg、41.2μmol)のジエチルエーテル溶液(0.25mL)及び2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]グルコシルフルオライド(20.0mg、35.1μmol)のジエチルエーテル溶液(0.25mL)を加えた。その後、−50℃で14時間反応混合物を撹拌した後、反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(5mL)を加えクエンチした。得られた混合物をジエチルエーテル(20mL)によって希釈した後、綿及びセライトにより濾過し、混合物からモレキュラーシーブスを除いた。有機層を分離した後、有機層を飽和食塩水(5mL×1回)で洗浄した。さらに有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、綿栓濾過した後、溶媒を留去し、粗生成物をアノマー異性体の混合物で得た。粗生成物のアノマー異性体の混合比をH−NMRのスペクトルデータ(400MHz、CDCl)のアノマー位水素ピークの積算値の比率より決定したところ、α:β=97:3であった。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(SiO:2g、ジエチルエーテル/n−ヘキサン(体積比)=1/20→1/10)で精製し、シクロヘキシルメチル 2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]−α−D−グルコピラノシド(16.1mg)及びシクロヘキシルメチル 2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]−β−D−グルコピラノシド(0.3mg)を白色アモルファス状固体として得た。依って、異性体混合物としてシクロヘキシルメチル 2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]−D−グルコピラノシド(アノマー異性体の混合比α:β=98:2、16.4mg、24.7μmol、収率:70%)を単離した。
シクロヘキシルメチル 2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]−α−D−グルコピラノシドの理化学的性質は以下の通りである。
mp:32−35℃
[α] 25=+53.2(c=1.00、CHCl
IR(ATR):3063, 3028, 2921, 2854, 2245, 1604, 1494, 1452, 1363, 1260, 1270, 1151, 1070, 1043, 908, 845, 832, 808, 729cm−1
H−NMR(400MHz、CDCl):δppm
7.47−7.35 (m, 5 H), 7.34−7.27 (m, 5 H), 7.25−7.12 (m, 6 H), 7.01−7.08 (m, 2 H), 4.83 (d, J = 3.3 Hz, 1 H), 4.72 (d, J = 12.4 Hz, 1 H), 4.66 (d, J = 12.4 Hz, 1 H), 4.56 (d, J = 9.8 Hz, 1 H), 4.45 (d, J = 11.7 Hz, 1 H), 4.40 (d, J = 11.5 Hz, 1 H), 4.36 (d, J = 12.0 Hz, 1 H), 4.26 (d, J = 9.8 Hz, 1 H), 4.20 (d, J = 12.1 Hz, 1 H), 4.16 (dd, J = 7.1, 7.1 Hz, 1 H), 4.10 (dd, J = 6.8, 6.8 Hz, 1 H), 3.93 (ddd, J = 6.9, 3.4, 2.5 Hz, 1 H), 3.76 (dd, J = 10.5, 3.4 Hz, 1 H), 3.71 (dd, J = 7.1, 3.4 Hz, 1 H), 3.68 (dd, J = 10.8, 2.3 Hz, 1 H), 3.53 (dd, J = 9.4, 6.6 Hz, 1 H), 3.14 (dd, J = 9.4, 6.4 Hz, 1 H), 3.10−2.90 (m, 4 H), 1.85−1.73 (m, 2 H), 1.73−1.65 (m, 2 H), 1.65−1.57 (m, 1 H), 1.32−1.13 (m, 4 H), 1.02−0.88 (m, 2 H)
13C−NMR(100MHz、CDCl):δppm
141.7 (s), 140.0 (s), 138.9 (s), 138.7 (s), 136.3 (s), 135.6 (s), 131.5 (18個のダブレットが重複: 13個のピークを観測), 96.6 (d), 79.0 (d), 75.2 (d), 74.1 (t), 73.0 (d), 73.0 (t), 72.6 (t), 72.0 (d), 71.5 (t), 69.8 (t), 65.6 (t), 38.0 (d), 33.5 (t), 33.3 (t), 30.1 (t, 2C), 26.7 (t), 26.0 (t), 25.9 (t)
HRMS−ESI(m/z):[M+Na]
計算値(C4350 23NaOとして)685.3505、実測値685.3475。
シクロヘキシルメチル 2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]−β−D−グルコピラノシドの理化学的性質は以下の通りである。
mp:30−33℃
[α] 25=−53.0(c=1.00、CHCl
IR(ATR):3062, 3027, 2922, 2855, 2361, 2337, 1605, 1495, 1453, 1371, 1218, 1092, 939, 910, 875, 862, 846, 831, 809, 774cm−1
H−NMR(400MHz、CDCl):δppm
7.45−7.41 (m, 2H), 7.39−7.27 (m, 8H), 7.25−7.08 (m, 8H), 4.86 (d, J = 12.1 Hz, 1H), 4.79 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 4.71 (d, J = 12.1 Hz, 1H), 4.44 (d, J = 10.1 Hz, 1H), 4.38 (d, J = 10.3 Hz, 1H), 4.36 (d, J = 11.9 Hz, 1H), 4.29 (br d, J = 10.8 Hz, 2H), 4.20 (d, J = 10.6 Hz, 1H), 4.05 (br t, J = 7.9, 4.5 Hz, 1H), 3.85−3.78 (m, 2H), 3.70 (dd, J = 9.4, 6.2 Hz, 1H), 3.66−3.56 (m, 3H and H-6), 3.28 (dd, J = 9.4, 6.9 Hz, 1H), 3.06−2.83 (m, 4H), 1.87−1.57 (m, 6H), 1.31−1.09 (m, 3H), 1.03−0.87 (m, 2H)
13C−NMR(100MHz、CDCl):δppm
141.9 (s), 141.4 (s), 138.9 (s), 138.0 (s), 135.7 (s), 135.3 (s), 131.5−126.1 (18個のダブレットが重複: 13個のピークを観測), 101.4 (d), 81.1 (d), 80.6 (d), 76.1 (d), 75.3 (t), 73.3 (t), 73.2 (d), 72.5 (t), 71.1 (t), 70.3 (t), 69.9 (t), 38.2 (d), 33.2 (t, 2C), 30.3 (t), 30.0 (t), 26.8 (t), 26.0 (t), 26.0 (t)
HRMS−ESI(m/z):[M+Na]
計算値(C4350 23NaOとして)685.3505、実測値685.3517。
実施例6〜8
反応温度及び反応時間を下記表1に記載のものとする他は、実施例5と同様の方法により、反応を行った。得られたシクロヘキシルメチル 2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]−D−グルコピラノシドの収率及びアノマー異性体の比率を下記表1に示す。なお、実施例6〜8の収率及びアノマー異性体の比率はH−NMR(溶媒:CDCl、標準物質:アセトン、α/βはアノマー位水素ピークの積算値の比率)より求めた。
Figure 2014125967
実施例9
CpZrClをSnClに代えた他は、実施例6と同様の方法により、反応を行った。実施例6と同様、H−NMRより求めたシクロヘキシルメチル 2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]−D−グルコピラノシドの収率は63%であり、アノマー異性体の比率はα:β=93:7であった。
実施例10〜18
反応温度を25℃、反応溶媒及び反応時間を下記表2に記載のものとする他は、実施例5と同様の方法により、反応を行った。実施例6と同様の方法により求めたシクロヘキシルメチル 2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]−D−グルコピラノシドの収率及びアノマー異性体の比率を下記表2に示す。なお、表2中、Etはエチル基、i-Prはイソプロピル基、t-Bu基はターシャリーブチル基、THFはテトラヒドロフラン、CPMEはシクロペンチルメチルエーテルを示す。
Figure 2014125967
実施例19
Figure 2014125967
モレキュラーシーブス4A(52.8mg)、ジシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド(CpZrCl;12.9mg、44.1μmol)、過塩素酸銀(I)(AgClO;18.2mg、87.8μmol)及びジエチルエーテル(0.5mL)の混合物を室温において10分撹拌した。この混合物に室温において、(+)−ジヒドロコレステロール(8.2 mg、21μmol)並びに2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]グルコシルフルオライド(10.0mg、17.6μmol)のジエチルエーテル溶液(1.5mL)を加えた。その後、室温で10分間反応混合物を撹拌した後、反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(5mL)を加えクエンチした。得られた混合物をジエチルエーテル(20mL)によって希釈した後、綿及びセライトにより濾過し、混合物からモレキュラーシーブスを除いた。濾液を酢酸エチル(30mL)で抽出し、抽出物を合わせ、これを飽和食塩水(5mL)で洗浄した。さらに有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、綿栓濾過した後、溶媒を留去し、粗生成物をアノマー異性体の混合物で得た。粗生成物中のジヒドロコレステリル 2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジルビス−2,2’−(メチレン)]−D−グルコピラノシドの収量をH−NMR(溶媒:CDCl、標準物質:アセトン)を用いて求めたところ、収率は74%であり、また、アノマー位水素ピークの積算値の比率から求めたアノマー異性体比率はα/β=96/4であった。
ジヒドロコレステリル 2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジルビス−2,2’−(メチレン)]−α−D−グルコピラノシドの理化学的性質は以下の通りである。
[α] 22=+41.8(c=0.15、CHCl
IR(ATR):3062, 3027, 2929, 2864, 1731, 1604, 1495, 1454, 1381, 1259, 1215, 1148, 1070, 1027, 954, 805, 750, 697cm−1
H−NMR(400MHz、CDCl):δppm
7.49-7.27 (m, 10 H), 7.25-7.02 (m, 8 H), 5.03 (d, J = 3.4 Hz, 1 H), 4.72 (d, J= 12.3 Hz, 1 H), 4.64 (d, J = 12.3 Hz, 1 H), 4.52 (d, J = 9.7 Hz, 1 H), 4.45 (s, 2 H), 4.35 (d, J = 12.2 Hz, 1 H), 4.27 (d, J = 9.7 Hz, 1 H), 4.20-4.16 (m, 2 H), 4.05 (dd, J = 6.9, 5.0 Hz, 1 H), 3.95 (br d, J = 6.6 Hz, 1 H), 3.75 (dd, J = 10.8, 3.2 Hz, 1 H), 3.69-3.66 (m, 2 H), 3.48 (dddd, J= 15.6, 9.6, 4.6, 4.6 Hz, 1 H), 3.05-2.96 (m, 4 H), 1.97-1.17 (m, 25 H), 1.16-0.85 (m, 15 H), 0.79 (s, 3 H), 0.64 (s, 3 H)
13C−NMR(100MHz、CDCl):δppm
141.8 (s), 139.7 (s), 138.9 (s), 138.8 (s), 136.6 (s), 135.7 (s), 131.6 (d), 130.9 (d), 129.1 (d), 129.0 (d), 128.8 (d), 129.1-127.9 (9個のダブレットが重複: 5個のピークを観測), 127.6 (d), 127.4 (d), 126.4 (d), 126.2 (d), 94.6 (d), 79.4 (d), 77.2 (d), 75.3 (d), 73.1 (d), 73.1 (t), 72.3 (t), 71.8 (d), 71.6 (t), 69.9 (t), 64.9 (t), 56.7 (d), 56.5 (d), 54.5 (d), 45.2 (d), 42.8 (s), 40.2 (t), 39.7 (t), 37.1 (t), 36.3 (t), 36.1 (t), 35.9 (d), 35.8 (s), 35.7 (d), 33.5 (t), 33.3 (t), 32.3 (t), 28.9 (t), 28.4 (t), 28.2 (d), 27.9 (t), 24.4 (t), 24.0 (t), 23.0 (q), 22.7 (q), 21.4 (t), 18.8 (q), 12.5 (q), 12.2 (q)
HRMS−ESI(m/z):[M+Na]
計算値(C6384 23NaOとして)959.6166、実測値959.6138。
ジヒドロコレステリル 2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジルビス−2,2’−(メチレン)]−β−D−グルコピラノシドの理化学的性質は以下の通りである。
[α] 23=+12.3(c=0.065、CHCl)、
IR (ATR):3036, 3027, 2925, 2853, 1729, 1604, 1494, 1454, 1377, 1261, 1214, 1151, 1071, 1029, 954, 804, 751, 698 cm−1
1H NMR (400 MHz, CDCl3):δppm
7.44−7.28 (m, 10 H), 7.23−7.08 (m, 8 H), 4.93 (d, J = 7.1 Hz, 1 H), 4.87 (d, J = 12.1 Hz, 1 H), 4.71 (d, J = 12.4 Hz, 1 H), 4.42 (d, J = 10.3 Hz, 1 H), 4.37 (d, J = 10.1 Hz, 1 H), 4.37 (d, J = 12.4 Hz, 1 H), 4.28 (d, J = 12.1 Hz, 1 H), 4.27 (d, J = 10.8 Hz, 1 H), 4.18 (d, J = 10.5 Hz, 1 H), 4.04 (m, 1 H), 3.82 (dd, J = 2.1, 1.8 Hz, 1 H), 3.79 (dd, J = 2.3, 2.1 Hz, 1 H), 3.65−3.55 (m, 4 H), 3.02−2.86 (m, 4 H), 2.09−1.62 (m, 7 H), 1.51−0.92 (m, 24 H), 0.90 (d, J = 6.6 Hz, 3 H), 0.86 (d, J = 8.2 Hz, 3 H), 0.86 (d, J = 6.6 Hz, 3 H), 0.79 (s, 3 H), 0.64 (s, 3 H)、
13C NMR (100 MHz, CDCl3):δppm
141.9 (s), 141.4 (s), 139.1 (s), 138.0 (s), 135.8 (s), 135.4 (s), 131.5 (d), 131.2 (d), 129.2 (d), 128.7 (d), 128.4−128.3 (8個のダブレットが重複: 4個のピークを観測), 128.1 (d, 2C), 127.6 (d, 2C), 126.3 (d), 126.1 (d), 99.4 (d), 81.4 (d), 81.0 (d), 78.6 (d), 76.1 (d), 73.5 (t), 73.3 (d), 72.5 (t), 71.1 (t), 70.4 (t), 69.9 (t), 54.6 (d), 56.4 (d), 54.5 (d), 44.9 (d), 42.7 (s), 40.2 (t), 39.7 (t), 37.2 (t), 36.3 (t), 36.0 (d), 35.8 (s), 35.6 (d), 34.9 (t), 33.2 (t, 2C), 32.3 (t), 29.8 (t), 29.0 (t), 28.4 (t), 28.2 (d), 24.4 (t), 24.0 (t), 23.0 (q), 22.7 (q), 21.4 (t), 18.8 (q), 12.5 (q), 12.2 (q)、
HRMS−ESI(m/z):[M+Na]
計算値(C63H84 23NaO6として)959.6166、実測値959.6145。
実施例20〜24
Figure 2014125967
シクロヘキシルメタノールに代えて、下記表3に記載のアルコールを用いた他は、実施例3と同様の方法により、反応を行った。得られた化合物の収率及びアノマー異性体の比率を下記表3に示す。実施例20〜23はH−NMR(溶媒:CDCl、標準物質:アセトン)を用いて求めた収率であり、実施例24は単離収率である。なお、得られた化合物は接触水素添加により、2及び4位等のベンジル基、3及び6位のビベンジル2,2’−ビスメチレン基を脱保護した後、各アルコールを無水酢酸とピリジンを用いてアセチル化することで既知化合物へと誘導し、α/βの異性体を同定した。
Figure 2014125967
実施例20で得られた化合物の理化学的性質は以下の通りである。
・α体
[α] 24=+31.4(c=0.615、CHCl)、
IR (ATR):3041, 3027, 2922, 2868, 1733, 1605, 1540, 1495, 1455, 1368, 1216, 1095, 1028, 921, 850, 821 cm−1
1H NMR (400 MHz, CDCl3):δppm
7.44−7.27 (m, 11 H), 7.24−7.09 (m, 7 H), 5.06 (d, J = 4.1 Hz, 1 H), 4.82 (d, J = 12.1 Hz, 1 H), 4.75 (d, J = 10.1 Hz, 1 H), 4.62 (d, J = 12.1 Hz, 1 H), 4.49 (d, J = 10.8 Hz, 1 H), 4.35 (d, J = 11.9, 1 H), 4.3 (d, J = 10.8, 1 H), 4.23 (d, J = 10.1, 1 H), 4.21 (d, J = 11.9 Hz, 1 H), 4.07 (br d, J = 7.3 Hz, 1 H), 4.01 (m, 6.6 Hz, 2 H), 3.78−3.71 (m 3 H), 3.49 (dt, J = 10.5, 4.1 Hz, 1 H), 4.19−2.89 (m, 4 H), 2.38 (ddt, J = 16.5, 7.1, 2.5 Hz, 1 H), 2.00 (br d, J = 11.9 Hz, 1 H), 1.67−1.60 (m, 2 H), 1.35−1.26 (m, 3 H), 0.95−0.82 (m, 2 H, メチルと重複), 0.88 (d, J= 6.5 Hz, 3 H), 0.85 (d, J = 6.9 Hz, 3 H), 0.78 (d, J = 6.9 Hz, 3 H)、
13C NMR (100 MHz, CDCl3):δppm
142.1 (s), 141.3 (s), 139.2 (s), 138.7 (s), 136.0 (s), 135.9 (s), 131.5 (d), 131.3 (d), 129.3 (d, 2C), 128.7 (d), 128.6 (d), 128.3−128.2 (d, 4個のダブレットが重複: 3個のピークを観測), 127.9 (d, 2C), 127.7 (d, 2C), 127.5 (d), 127.4 (d), 126.3 (d), 126.2 (d), 92.9 (d), 78.0 (d), 75.6 (d), 75.1 (d), 73.6 (d), 73.4 (t), 73.1 (t), 72.4 (d), 71.2 (t), 69.9 (t), 67.8 (t), 48.2 (d), 40.4 (t), 34.6 (t), 33.8 (t), 33.7 (t), 31.5 (d), 25.1 (d), 23.2 (t), 22.5 (q), 21.3 (q), 16.1 (q)、
HRMS−ESI(m/z):[M+Na]
計算値(C46H56 23NaO6として)727.3975、実測値727.3983。
・β体
[α] 25=+1.3(c=0.59、CHCl)、
IR (ATR):3029, 2922, 2868, 1731, 1604, 1496, 1455, 1365, 1214, 1093, 849, 822, 752 cm−1
1H NMR (400 MHz, CDCl3):δppm
7.42−7.28 (m, 11 H), 7.25−7.11 (m, 7 H), 4.88 (d, J = 7.1 Hz, 1 H), 4.81 (d, J = 11.9 Hz, 1 H), 4.7 (d, J = 11.7 Hz, 1 H), 4.45 (d, J = 10.3 Hz, 1 H), 4.38 (d, J = 10.3 Hz, 1 H), 4.38 (d, J = 11.9 Hz, 1 H), 4.32 (d, J = 11.9 Hz, 1 H), 4.23 (d, J = 10.5 Hz, 1 H), 4.19 (d, J = 10.5 Hz, 1 H), 4.08 (br m, 1 H), 3.83 (br s, 1 H), 3.78 (br s, Hz, 1 H), 3.65 (dd, J = 9.4, 6.6 Hz, 1 H), 4.59 (dd, J = 7.1, 3.2 Hz, 1 H), 3.57 (dd, J = 6.6, 3.2 Hz, 1 H), 3.36 (dt, J = 10.6, 4.4 Hz, 1 H), 3.03−2.87 (m, 4 H), 2.37 (ddt, J = 16.0, 6.9, 2.1 Hz, 1 H), 2.16 (br d, J = 12.1 Hz, 1 H), 1.63−1.59 (m, 3 H), 1.47−1.25 (m, 3 H), 1.09−0.93 (m, 1 H), 0.9 (d, J = 6.4 Hz, 3 H), 0.85 (d, J= 7.1 Hz, 3 H), 0.72 (d, J = 7.1 Hz, 3 H)、
13C NMR (100 MHz, CDCl3):δppm
141.9 (s), 141.4 (s), 139.0 (s), 138.0 (s), 135.8 (s), 135.3 (s), 131.5 (d), 131.2 (d), 129.3 (d), 128.8 (d, 2C), 128.4 (d, 2C), 128.3−128.2 (5個のダブレットが重複: 3個のピークを観測), 128.1 (d, 2C), 127.7 (d, 2C), 126.3 (d), 126.1 (d), 101.7 (d), 81.8 (d), 81.5 (d), 81.4 (d), 76.0 (d), 73.5 (t), 73.2 (d), 72.4 (t), 71.0 (t), 70.6 (t), 69.9 (t), 48.8 (d), 43.5 (t), 34.5 (t), 33.2 (t, 2C), 31.9 (d), 25.0 (d), 23.1 (t), 22.5 (q), 21.4 (q), 16.1 (q)、
HRMS−ESI(m/z):[M+Na]
計算値(C46H56 23NaO6として)727.3975、実測値727.3986。
実施例21で得られた化合物の理化学的性質は以下の通りである。
・α体
[α] 23=+14.5(c=0.54、CHCl)、
IR (ATR):3063, 3026, 2951, 2921, 2867, 1735, 1604, 1495, 1454, 1366, 1239, 1216, 1071, 1037, 919, 848, 789 cm−1
1H NMR (400 MHz, CDCl3):δppm
7.52−7.58 (m, 11 H), 7.23−7.02 (m, 7 H), 5.05 (d, J = 3.43 Hz, 1 H), 4.73 (d, J = 11.9 Hz, 1 H), 4.58 (d, J = 11.9 Hz, 1 H), 4.53 (d, J = 9.9 Hz, 1 H), 4.44 (d, J = 11.9 Hz, 1 H), 4.38 (d, J = 11.9 Hz, 1 H), 4.33 (d, J = 11.7 Hz, 1 H), 4.28 (d, J = 9.9 Hz, 1 H), 4.21 (dd, J = 7.8, 4.4 Hz, 1 H), 4.15 (d, J = 11.9 Hz, 1 H), 4.06 (dd, J = 7.1, 4.4 Hz, 1 H), 4.02 (m, 1 H), 3.66 (dd, J = 10.3, 3.0 Hz, 1 H), 3.58 (dd, J = 7.8, 3.4 Hz, 1 H), 3.54 (dd, J = 10.3, 3.9 Hz, 1 H), 3.45 (dt, J = 10.5, 4.4 Hz, 1 H), 3.06−2.85 (m, 4 H), 2.27 (ddt, J = 13.5, 6.6, 1.6 Hz, 1 H), 2.15 (br d, J = 12.4 Hz, 1 H), 1.69−1.58 (m, 3 H), 1.36−1.23 (m, 3 H), 1.11−0.90 (m, 1 H, メチルと重複), 0.88 (d, J= 6.6 Hz, 3 H), 0.85 (d, J = 7.1 Hz, 3 H), 0.71 (d, J = 6.9 Hz, 3 H)、
13C NMR (100 MHz, CDCl3):δppm
141.7 (s), 139.6 (s), 138.7 (s), 138.6 (s), 136.7 (s), 135.7 (s), 131.6 (d), 130.1 (d), 129.0 (d), 129.0 (d), 128.8 (d), 128.4 (d, 2C), 128.2−128.1 (3個のダブレットが重複: 2個のピークを観測), 127.9−127.8 (4個のダブレットが重複: 2個のピークを観測), 127.6 (d), 127.4 (d), 126.4 (d), 126.2 (d), 98.0 (d), 81.6 (d), 79.4 (d), 75.4 (d), 73.2 (d), 73.1 (t), 72.4 (t), 71.8 (d), 71.7 (t), 70.0 (t), 64.6 (t), 48.6 (d), 43.1 (t), 34.5 (t), 33.5 (t), 33.2 (t), 31.8 (d), 25.0 (d), 23.2 (t), 22.5 (q), 21.3 (q), 16.3 (q)、
HRMS−ESI(m/z):[M+Na]
計算値(C46H56 23NaO6として)727.3975、実測値727.3987。
・β体
[α] 22=−26.3(c=0.76、CHCl)、
IR (ATR):3058, 3028, 2949, 2921, 2867, 1731, 1604, 1494, 1454, 1369, 1244, 1216, 1089, 1048, 991, 941, 846, 752 cm−1
1H NMR (400 MHz, CDCl3):δppm
7.44−7.28 (m, 11 H), 7.25−7.10 (m, 7 H), 4.87 (d, J = 7.1 Hz, 1 H), 4.85 (d, J = 12.2 Hz, 1 H), 4.68 (d, J = 12.2 Hz, 1 H), 4.52 (d, J = 10.8 Hz, 1 H), 4.38 (d, J = 11.9 Hz, 1 H), 4.35 (d, J = 10.8 Hz, 1 H), 4.32 (d, J = 11.9 Hz, 1 H), 4.26 (d, J = 10.5 Hz, 1 H), 4.2 (d, J = 10.5 Hz, 1 H), 3.99 (m, 1 H), 3.88 (dd, J = 2.7, 2.3 Hz, 1 H), 3.81 (dd, J = 2.8, 2.7 Hz, 1 H), 3.66 (dd, J = 9.6, 4.8 Hz, 1 H), 3.58 (dd, J = 9.6, 8.2 Hz, 1 H), 3.54 (dd, J = 7.1, 2.8 Hz, 1 H), 3.45 (dt, J = 10.6, 4.4 Hz, 1 H), 3.06−2.85 (m, 4 H), 2.27 (ddt, J = 13.7, 6.6, 2.5 Hz, 1 H), 2.15 (br d, J = 12.2 Hz, 1 H), 1.67−1.61 (m, 2 H), 1.38−1.18 (m, 3 H), 1.03−0.83 (m, 2 H,メチルと重複), 0.90 (d, J= 6.6 Hz, 3 H), 0.86 (d, J = 7.1 Hz, 3 H), 0.75 (d, J = 6.9 Hz, 3 H)、
13C NMR (100 MHz, CDCl3):δppm
141.9 (s), 141.3 (s), 139.2 (s), 138.0 (s), 136.0 (s), 135.6 (s), 131.4 (d), 131.2 (d), 129.4 (d), 128.7 (d), 128.7 (d), 128.4−128.3 (9個のダブレットが重複: 3個のピークを観測), 128.1 (d, 2C), 127.7 (d), 127.6 (d), 98.4 (d), 81.8 (d), 80.9 (d), 77.3 (d), 76.3 (d), 73.4 (t), 73.2 (d), 72.5 (t), 71.2 (t), 70.6 (t), 69.6 (t), 48.2 (d), 41.0 (t), 34.7 (t), 33.4 (t, 2C), 31.7 (d), 25.3 (d), 23.4 (t), 22.5 (q), 21.2 (q), 16.1 (q)、
HRMS−ESI(m/z):[M+Na]
計算値(C46H56 23NaO6として)727.3975、実測値727.3975。
実施例22で得られた化合物の理化学的性質は以下の通りである。
・α体
[α] 21=+17.3(c=0.5、CHCl)、
IR (ATR):3062, 3022, 2906, 2851, 1730, 1604, 1495, 1454, 1354, 1304, 1216, 1150, 1070, 1043, 982, 941, 909, 812, 754 cm−1
1H NMR (400 MHz, CDCl3):δppm
7.51−7.27 (m, 10 H), 7.24−7.02 (m, 8 H), 5.34 (d, J = 3.7 Hz, 1 H), 4.76 (d, J = 12.4 Hz, 1 H), 4.58 (d, J = 12.4 Hz, 1 H), 4.54 (d, J = 9.9 Hz, 1 H), 4.45 (d, J = 11.9 Hz, 1 H), 4.42 (d, J = 11.9 Hz, 1 H), 4.38 (d, J = 11.9 Hz, 1 H), 4.26 (d, J = 9.9 Hz, 1 H), 4.23 (dd, J = 7.8, 4.8 Hz, 1 H), 4.20 (d, J = 11.9 Hz, 1 H), 4.08−4.03 (m, 2 H), 3.76 (dd, J = 10.8, 2.8 Hz, 1 H), 3.71 (dd, J = 10.8, 2.0 Hz, 1 H), 3.64 (dd, J = 7.8, 3.7 Hz, 1 H), 3.06−2.94 (m, 4 H), 2.12 (br s, 3 H), 1.84 (br d, J = 11.7 Hz, 3 H), 1.79 (br d, J = 11.5 Hz, 3 H), 1.61 (s, 6 H)、
13C NMR (100 MHz, CDCl3):δppm
141.7 (s), 139.6 (s), 138.9 (s), 138.8 (s), 136.8 (s), 135.7 (s), 131.7 (d), 130.8 (d), 129.1 (d), 120.0 (d), 128.8 (d), 128.4 (d, 2C), 128.2 (d, 2C), 128.1 (d), 127.9 (d, 2C), 127.8 (d, 2C), 127.6 (d), 127.4 (d), 126.4 (d), 123.2 (d), 89.2 (d), 79.5 (d), 75.2 (d), 74.4 (s), 73.2 (t), 72.9 (d), 72.2 (t), 71.6 (t), 71.5 (d), 69.9 (t), 64.4 (t), 42.6 (t, 3C), 36.4 (t, 3C), 33.6 (t), 33.4 (t)、
HRMS−ESI(m/z):[M+Na]
計算値(C46H52 23NaO6として)723.3662、実測値723.3652。
・β体
[α] 21=−6.41(c=0.245、CHCl)、
IR (ATR):3062, 3027, 2905, 2852, 1951, 1728, 1604, 1494, 1454, 1354, 1305, 1215, 1071, 1048, 941, 844, 813, 749 cm−1
1H NMR (400 MHz, CDCl3):δppm
7.45−7.27 (m, 10 H), 7.23−7.08 (m, 8 H), 5.10 (d, J = 7.6 Hz, 1 H), 4.89 (d, J = 12.1 Hz, 1 H), 4.72 (d, J = 12.4 Hz, 1 H), 4.42 (d, J = 10.3 Hz, 1 H), 4.37 (d, J = 12.1 Hz, 1 H), 4.36 (d, J = 10.3 Hz, 1 H), 4.29 (d, J = 12.1 Hz, 1 H), 4.26 (d, J = 10.5 Hz, 1 H), 4.14 (d, J = 10.5 Hz, 1 H), 4.01 (m, 1 H), 3.82 (dd, J = 2.4, 2.1 Hz, 1 H), 3.78 (dd, J = 2.8, 2.4 Hz, 1 H), 3.62 (dd, J = 9.4, 5.0 Hz, 1 H), 3.56 (dd, J = 9.4, 6.0 Hz, 1 H), 3.55 (dd, J = 7.6, 2.4 Hz, 1 H), 3.04−2.84 (m, 4 H), 2.14 (br s, 3 H), 1.91 (br d, J = 11.7 Hz, 3 H), 1.8 (br d, J = 11.7 Hz, 3 H), 1.62 (br s, 6 H)、
13C NMR (100 MHz, CDCl3):δppm
141.9 (s), 141.3 (s), 139.2 (s), 138.1 (s), 135.8 (s), 135.5 (s), 131.4 (d), 131.2 (d), 129.2 (d), 128.7 (d), 128.6 (d), 128.4 (d, 2C), 128.3 (d, 3C), 128.2 (d, 4C), 127.6 (d), 127.5 (d), 126.3 (d), 126.1 (d), 93.7 (d), 81.9 (d), 81.0 (d), 75.9 (d), 74.9 (s), 73.5 (t), 73.3 (d), 72.5 (t), 71.0 (t), 70.5 (t), 69.6 (t), 42.9 (t, 3C), 36.5 (t, 3C), 33.1 (t, 2C), 30.8 (d, 3C)、
HRMS−ESI(m/z):[M+Na]
計算値(C46H52 23NaO6として)723.3662、実測値723.3652。
実施例23で得られた化合物の理化学的性質は以下の通りである。
・α体
[α] 24=+29.6(c=0.48、CHCl)、
IR (ATR):3062, 3029, 2905, 2859, 1604, 1496, 1454, 1362, 1215, 1159, 1072, 1028, 912, 753, 698, 667, 630, 610 cm−1
1H NMR (400 MHz, CDCl3):δppm
7.41−7.27 (m, 21 H), 7.24−7.00 (m, 12 H), 5.01 (d, J = 3.2 Hz, 1 H), 4.94 (d, J = 11.0 Hz, 1 H), 4.82 (d, J = 11.0 Hz, 1 H), 4.81 (d, J = 11.0 Hz, 1 H), 4.75 (d, J = 11.7 Hz, 1 H), 4.72 (d, J = 11.7 Hz, 1 H), 4.68 (d, J = 11.0 Hz, 1 H), 4.6 (d, J = 12.4 Hz, 1 H), 4.59 (d, J = 12.4 Hz, 1 H), 4.56 (d, J = 11.2 Hz, 1 H), 4.55 (d, J = 3.4 Hz, 1 H H-1), 4.42 (d, J = 11.2 Hz, 1 H), 4.36 (d, J = 11.2 Hz, 1 H), 4.32 (d, J = 11.9 Hz, 1 H), 4.2 (d, J = 11.2 Hz, 1 H), 4.13 (d, J = 11.9 Hz, 1 H), 4.13 (dd, J = 7.0, 3.8 Hz, 1 H), 4.02 (dd, J = 3.8, 1.8 Hz, 1 H), 4 (dd, J = 3.2, 1.8 Hz, 1 H), 3.98−3.94 (m, 2 H), 3.76 (dd, J = 7.0, 3.2 Hz, 1 H), 3.76−3.73 (m, 1 H), 3.90−3.57 (m, 4 H), 3.43 (dd, J = 3.4, 9.6 Hz, 1 H), 3.32 (s, 3 H), 3.10−2.91 (m, 4 H)、
13C NMR (100 MHz, CDCl3):δppm
141.8 (s), 140.3 (s), 139.1 (s), 138.9 (s), 138.7 (s), 138.7 (s), 138.4 (s), 136.2 (s), 135.7 (s), 131.5 (d), 131.0 (d), 129.2 (d), 129.1 (d), 128.8 (d), 128.5−128.4 (10個のダブレットが重複: 3個のピークを観測), 128.2 (d, 2C), 128.2 (d, 2C), 127.9 (d, 2C), 127.9 (d, 2C), 127.8 (d, 2C), 127.7−127.6 (5個のダブレットが重複: 3個のピークを観測), 127.4 (d), 126.4 (d), 126.2 (d), 98.2 (d), 96.8 (d), 82.2 (d), 80.1 (d), 78.5 (d), 78.0 (d), 75.7 (t), 75.1 (t), 74.8 (d), 73.5 (t), 73.0 (1個のダブレット及び1個のトリプレット), 72.5 (t), 72.4 (d), 71.6 (t), 70.4 (d), 69.6 (t), 66.4 (t), 66.1 (t), 55.2 (q), 33.6 (t), 33.5 (t)、
HRMS−ESI(m/z):[M+Na]
計算値(C64H68 23NaO11として)1035.4659、実測値1035.4659。
実施例24で得られた化合物の理化学的性質は以下の通りである。
・α体
[α] 23=−0.752(c=0.355、CHCl)、
IR (ATR):3055, 3020, 2980, 2936, 2901, 1495, 1454, 1381, 1256, 1212, 1167, 1071, 998, 910, 863, 734 cm−1
1H NMR (400 MHz, CDCl3):δppm
7.44−7.15 (m, 16 H), 7.06−7.04 (m, 2 H), 5.5 (d, J = 4.8 Hz, 1 H), 4.98 (d, J = 3.6 Hz, 1 H), 4.77 (d, J = 12.4 Hz, 1 H), 4.63 (d, J = 12.4 Hz, 1 H), 4.57−4.55 (m, 2 H), 4.41 (d, J = 11.6 Hz, 1 H), 4.37 (d, J = 11.6 Hz, 1 H), 4.34 (d, J = 12.0 Hz, 1 H), 4.32 (dd, J = 8.0, 2.0 Hz, 1 H), 4.31 (d, J = 11.6 Hz, 1 H), 4.28 (dd, J = 4.8, 2.8 Hz, 1 H), 4.28 (d, J = 12.0 Hz, 1 H), 4.14 (dd, J = 6.8, 3.6 Hz, 1 H), 4.07−4.01 (m, 3 H), 3.83 (dd, J = 10.8, 6.0 Hz, 1 H), 3.77 (dd, J = 10.8, 3.2 Hz, 1 H), 3.73−3.67 (m, 3 H), 3.09−2.91 (m, 4 H), 1.49 (s, 3 H), 1.43 (s, 3 H), 1.31 (s, 3 H), 1.28 (s, 3 H)、
13C NMR (100 MHz, CDCl3):δppm
141.7 (s), 140.1 (s), 138.8 (s), 138.7 (s), 136.3 (s), 135.7 (s), 131.6 (d), 131.0 (d), 129.2 (d), 129.0 (d), 128.8 (d), 128.4 (d, 2C), 128.4 (d), 128.2 (d, 2C), 127.8 (d, 2C), 127.8 (d, 2C), 127.6 (d), 127.4 (d), 126.4 (d), 126.3 (d), 109.2 (s), 108.7 (s), 96.8 (d), 96.4 (d), 78.8 (d), 74.9 (d), 73.0 (t), 72.8 (d), 72.4 (t), 72.1 (d), 71.4 (t), 70.9 (d), 70.8 (d), 70.7 (d), 69.7 (t), 66.7 (t), 66.2 (d), 65.7 (t), 33.5 (t), 33.3 (t), 26.3 (q), 26.2 (q), 25.1 (q), 24.6 (q)、
HRMS−ESI(m/z):[M+Na]
計算値(C48H56 23NaO11として)831.372、実測値831.3733。
実施例25
Figure 2014125967
フェニル 2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]−1−チオ−β−D−グルコピラノシドのα−グリコシル化反応
活性モレキュラーシーブス4A(82.8mg)、フェニル 2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]−1−チオ−β−D−グルコピラノシド (17.9mg、 27.2μmol)、及び酢酸エチル(1.4mL)の混合物を、0℃で5分間攪拌した。この混合物にN−ブロモスクシンイミド(NBS;5.1mg、29μmol)及びシクロヘキシルメタノール(3.7mg、33μmol)を0℃で加え、0℃で2時間攪拌した。その後、反応混合物に10%亜硫酸ナトリウム水溶液(10mL)を加えて反応をクエンチし、綿及びセライトにより濾過することでモレキュラーシーブス4Aを除いた。濾液を酢酸エチル(20mL×2)で抽出し、抽出物を合わせ、これを10%亜硫酸ナトリウム水溶液(20mL)及び飽和食塩水(20mL)で洗浄した。洗浄した抽出物を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、綿栓濾過した後、溶媒を留去し、粗生成物を得た。粗生成物中のシクロヘキシルメチル 2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]−D−グルコピラノシドの収率及びアノマー異性体の比率はH−NMR(溶媒:CDCl、標準物質:アセトン、α/βはシクロヘキシルメトキシ基のOCHの水素ピークの積算値の比率)より求めたところ、収率は71%であり、また、アノマー異性体比率はα/β=96/4であった。
実施例26
フェニル 2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]−1−チオ−α−D−グルコピラノシドのα−グリコシル化反応
活性モレキュラーシーブス4A(33.1mg)、フェニル 2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]−1−チオ−α−D−グルコピラノシド(7.4mg、11μmol)、及び酢酸エチル(0.6mL)の混合物を、0℃で5分間攪拌した。この混合物にN−ブロモスクシンイミド(NBS;2.4mg、13μmol)及びシクロヘキシルメタノール(1.5mg、13μmol)を0℃で加え、0℃で1時間攪拌した。その後、反応混合物に10%亜硫酸ナトリウム水溶液(10mL)を加えて反応をクエンチし、綿及びセライトにより濾過することでモレキュラーシーブス4Aを除いた。濾液を酢酸エチル(10mL×3)で抽出し、抽出物を合わせ、これを10%亜硫酸ナトリウム水溶液(10mL)及び飽和食塩水(10mL)で洗浄した。洗浄した抽出物を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、綿栓濾過した後、溶媒を留去し、粗生成物を得た。粗生成物中のシクロヘキシルメチル 2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]−D−グルコピラノシドの収率及びアノマー異性体の比率はH−NMR(溶媒:CDCl、標準物質:アセトン、α/βはシクロヘキシルメトキシ基のOCHの水素ピークの積算値の比率)より求めたところ、収率は67%であり、また、アノマー異性体比率はα/β=95/5であった。
実施例27
Figure 2014125967
活性化モレキュラーシーブス4A(85.3mg)、フェニル 2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]−1−チオ−β−D−グルコピラノシド(18.4 mg、27.9μmol)及び(+)−ジヒドロコレステロール(13.5 mg、34.7μmol)を酢酸エチル(1.4 mL)に加え、0℃で5分間攪拌した。0℃に冷却したまま、この反応液にN−ブロモスクシンイミド(NBS、 5.8 mg、 33μmol)を加え、温度を維持したまま2時間攪拌した。10%亜硫酸ナトリウム水溶液を加え、反応をクエンチした。得られた反応混合物から、綿及びセライトにより濾過して、モレキュラーシーブス4Aを除いた。この濾液を酢酸エチル(20mL×2)によって抽出し、抽出物を合わせ、これを10%亜硫酸ナトリウム水溶液(20mL)及び飽和食塩水(20mL)を用いて洗浄した。さらに抽出溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、綿栓濾過した後、溶媒を留去し、粗生成物を得た。粗生成物のアノマー異性体の混合比をH−NMRのスペクトルデータ(400MHz、CDCl)のアノマー位水素ピークの積算値の比率より決定したところ、α:β=98:2であった。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(SiO:1g、n−ヘキサン/酢酸エチル(体積比)=1/0→14/1)で精製し、異性体混合物としてジヒドロコレステリル 2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジルビス−2,2’−(メチレン)]−D−グルコピラノシド(23.6mg、25.2μmol、収率:90%)を無色のシロップとして単離した。
実施例28
Figure 2014125967
2,4−ジ−O−[ビベンジルビス−2,2’−(メチレン)]−D−グルコピラノシル−トリクロロアセトイミデートの製造
2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]−D−グルコピラノース(100mg、0.177mmol)、炭酸セシウム(CsCO;58.0μg、0.177mmol)、及びトリクロロアセトニトリル(0.16mL、1.59mmol)を乾燥ジエチルエーテル(1mL)中で室温、2時間撹拌した。反応混合物を綿、セライト、SiO及びセライトにより濾過することにより、反応混合物からCsCOを除いた。濾液を濃縮して、粗生成物として、2,4−ジ−O−[ビベンジルビス−2,2’−(メチレン)]−D−グルコピラノシル−トリクロロアセトイミデート (128mg、定量的、45:55のジアステレオマー混合物)を得た。更なる精製を行わずに、得られた粗生成物を実施例29で用いた。
2,4−ジ−O−[ビベンジルビス−2,2’−(メチレン)]−D−グルコピラノシル−トリクロロアセトイミデートの理化学的性質は以下の通りである。
IR (ATR):3333, 3064, 3029, 2941, 2907, 2869, 1732, 1670, 1496, 1455, 1363, 1289, 1217, 1075, 1030, 971, 834, 796, 755, 699, 648 cm−1
1H NMR (部分データ、400 MHz in CDCl3, α異性体とβ異性体の混合物):δppm
8.43 (s), 8.37 (s), 6.23 (d, J = 1.8 Hz), 6.18 (d, J = 4.7 Hz)、
13C NMR (部分データ、100 MHz in CDCl3, α異性体とβ異性体の混合物):δppm
161.5 (s), 161.1 (s), 97.0 (d), 95.1 (d), 91.6 (s), 91.3 (s)。
実施例29
Figure 2014125967
2,4−ジ−O−[ビベンジルビス−2,2’−(メチレン)]−D−グルコピラノシル−トリクロロアセトイミデートのα−グリコシル化反応
活性モレキュラーシーブス4A(150mg)、2,4−ジ−O−[ビベンジルビス−2,2’−(メチレン)]−D−グルコピラノシル−トリクロロアセトイミデート(20.1mg、44.1μmol)、及びシクロヘキシルメタノール(6.50μL、53.0μmol)を乾燥ジエチルエーテル(1mL)中で室温、15分間撹拌した。混合物を−40℃まで冷却した後、混合物にTiCl(5.80μL、53.0μmol)を加え、−40℃で1時間撹拌した。その後、反応混合物に飽和NaHCO水溶液(1mL)を加えて、クエンチした。クエンチした反応混合物を綿及びセライトにより濾過し、モレキュラーシーブス4Aを除いた。濾液をジエチルエーテルで抽出し、有機層を飽和NaHCO水溶液、水、飽和食塩水で順次洗浄した。さらに抽出溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、綿栓濾過した後、溶媒を留去し、粗生成物を得た。粗生成物中のシクロヘキシルメチル 2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]−D−グルコピラノシドの収率及びアノマー異性体の比率はH−NMR(溶媒:CDCl、標準物質:アセトン、α/βはシクロヘキシルメトキシ基のOCHの水素ピークの積算値の比率)より求めたところ、収率は62%であり、また、アノマー異性体比率はα/β=94/6であった。
実施例30〜39
TiCl及びモレキュラーシーブス4Aを下記表4に記載の活性化剤に代え、反応温度及び反応時間を下記表に記載のものに代えた他は、実施例29と同様の方法により、反応を行った。得られたシクロヘキシルメチル 2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]−D−グルコピラノシドの収率及びアノマー異性体の比率を実施例29と同様に求め、下記表4に示す。なお、表4中、TMSはトリメチルシリル、TESはトリエチルシリル、TBSはトリブチルシリル、TIPSはトリイソプロピルシリル、Tfはトリフルオロメチルスルホニル、Si−gelはシリカゲル 60(pH=6.8;メルク社製)、MSはモレキュラーシーブスを示し、その他の略称は上記と同様である。また、実施例39は活性化剤としてモレキュラーシーブス4Aのみを用いた。
Figure 2014125967
実施例40〜44
反応温度を−10℃、TiClをTBSOTf、反応溶媒及び反応時間を下記表5に記載のものとする他は、実施例29と同様の方法により、反応を行った。得られたシクロヘキシルメチル 2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]−D−グルコピラノシドの収率及びアノマー異性体の比率を実施例29と同様に求め、下記表5に示す。なお、表5中で用いた略称は上記と同様である。
Figure 2014125967
実施例45
Figure 2014125967
2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]−D−グルコピラノース(10.0mg、17.6μmol)をCHCl(0.5mL)及びDMF(50μL)の混合溶媒に溶かした溶液に、オキサリルクロライド(2.5mg、20μmol)を加え、混合物を室温で撹拌した。反応混合物を濃縮し、粗生成物を得た。得られた粗生成物とシクロヘキシルメタノール(2.4mg、21μm)及び活性モレキュラーシーブ4A(17.6mg)をジエチルエーテル(0.5mL)中、室温で1日撹拌した。反応混合物に飽和NaHCO水溶液(5mL)を加えて反応をクエンチした。ジエチルエーテル(20mL)をさらに加えた後、混合物を綿及びセライトにより濾過し、モレキュラーシーブス4Aを除いた。濾液に酢酸エチル(30mL)を加えて、抽出し、有機層を水(5mL)、飽和食塩水(5mL)で順次洗浄した。さらに有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、綿栓濾過した後、溶媒を留去し、粗生成物をアノマー異性体の混合物で得た。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(SiO:200mg、酢酸エチル/n−ヘキサン(体積比)=1/10→1/1)で精製し、異性体混合物としてシクロヘキシルメチル 2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−O−[ビベンジル−2,2’−ビス(メチレン)]−D−グルコピラノシド(アノマー異性体の混合比α:β=92:8、3.1mg、4.7μmol、収率:27%)及び未反応の原料(5.5mg、9.7μmol、回収率:55%)を単離した。また、アノマー異性体の混合比はH−NMRスペクトルにおけるシクロヘキシルメトキシ基のOCHの水素ピークの積算値の比率)より求めた。

Claims (3)

  1. 一般式(1)
    Figure 2014125967
    [式中、Rは−SR基(Rは置換基を有していてもよい低級アルキル基又は芳香環上に置換基を有していてもよいアリール基を示す)、−OR基(Rは水素原子、水酸基の保護基又は結合する酸素原子とともに脱離基として作用する基を示す)又はハロゲン原子を示す。
    は、水素原子又は水酸基の保護基を示す。
    は、水素原子又は水酸基の保護基を示す。
    及びRは同一又は異なって、ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルコキシ基、ニトロ基又はハロゲン原子を示す。
    nは1〜4の整数を示し、p及びqは各々0〜4の整数を示す。
    p個のRは同一であっても異なっていてもよく、q個のRも同一であっても異なっていてもよい。
    p個の互いに隣接するRは互いに結合してベンゼン環を形成してもよく、q個の互いに隣接するRは互いに結合してベンゼン環を形成してもよい。]
    で表される3,6−O−架橋ピラノース化合物、又はその鏡像異性体。
  2. 前記一般式(1)中のRがハロゲン原子である、請求項1に記載の3,6−O−架橋ピラノース化合物、又はその鏡像異性体。
  3. 請求項2に記載の3,6−O−架橋ピラノース化合物を一般式(2)
    OH (2)
    [式中、Rは、第1級、第2級又は第3級アルコールの残基を示す。]
    で表されるアルコール化合物と反応させて、一般式(3)
    Figure 2014125967
    [式中、R、R、R、R、R、n、p及びqは前記に同じ。]
    で表されるα−O−ピラノシド又はその鏡像異性体を製造する方法。
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