JP4992074B2 - シアル酸誘導体、及びシアル酸含有糖誘導体の製造方法 - Google Patents

シアル酸誘導体、及びシアル酸含有糖誘導体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、シアル酸誘導体、及びシアル酸含有糖誘導体の製造方法に関する。特には、シアル酸を糖供与体として用いる糖受容体とのグリコシル化反応において、高い収率及び高いα選択性を有するグリコシル結合を形成することのできる、糖供与体としてのシアル酸誘導体、及びシアル酸を糖供与体として用いる糖受容体とのグリコシル化反応において、高い収率及び高いα選択性を有するグリコシル結合を形成することのできるグリコシル化法(シアル酸含有糖誘導体の製造方法)に関する
シアル酸は、9個の骨格炭素からなるカルボキシル基を有する2−ケト−3−デオキ
シノノン酸の総称のことであり、N−アセチルノイラミン酸、N−グリコリルノイラミ
ン酸、デアミノノイラミン酸の3大分子種と、それらのアセチル化体、ラクチル化体、
硫酸化体等の修飾シアル酸が知られている。これらのシアル酸はの多様性は、他の単糖
類にはない特徴の一つであり、シアル酸が独特の生物学的機能を有すると考えられている一つの根拠である。
シアル酸は、糖タンパクや糖脂質の糖鎖の周辺部分に位置する様々な機能性糖鎖の重要な構成要素であり、このような糖タンパクや糖脂質は細胞表層に存在しており、様々な生物学的機能を有していると考えられている。近年、糖タンパクや糖脂質の研究が活発に行われるようになり、感染、ホルモンや毒素の受容体、細胞接着、細胞の分化、細胞の増殖、癌化、老化、免疫応答等の多様な生命現象において、これらの糖タンパクや糖脂質が重要な役割を担っていることが明らかになりつつある。
これらの糖タンパクや糖脂質等の複合糖質の機能を解明するためには、複合糖質の標品を入手する必要がある。しかしながら、天然に存在している複合糖質は極微量であり、ある程度の量の表品を得ることは困難である。従って、これらの複合糖質の機能を解明するためには、化学的に合成された純粋な標品を準備する必要がある。
一方、複合糖質の末端にはシアル酸が存在している場合があり、このシアル酸の存在の有無によって糖鎖の機能が大きく異なってくる。このシアル酸の機能を解明するため、シアル酸を末端に有し、結合様式が明確である糖鎖が必要となってくる。天然に存在しているシアル酸の結合様式はα体のみであり、α−グリコシド結合を構築することが望まれている。一般に、上述したような糖鎖を化学合成するには、シアル酸のアノマー位に脱離基を導入し、水酸基、アミノ基を保護してこれを糖供与体とし、適当な保護基を導入した糖受容体をプロモーターの存在下で反応させ、グルコシル化を行う。しかしながら、シアル酸の3位はデオキシ体であるため、隣接基効果を利用することができず、熱力学的なα−グリコシル化は困難である。シアル酸を糖供与体として簡便かつα−選択的なグリコシル化法が求められており、活発な研究が行われている。
一方、従来より、シアル酸誘導体を合成する方法として、立体選択の発現に有効な置換基を3位に導入した誘導体を用いる方法が知られている。
直接的なシアリル化反応の方法として、非特許文献1、非特許文献2及び非特許文献3に、5位の保護基をN−Troc、N-Fnmoc、N−TFA、又はNトリクロロアセチルとした変換された誘導体を用いる方法が開示されている。このような誘導体を過剰量用いて、溶媒としてアセトニトリルやプロピオニトリル等の配位性溶媒を用いて、α−選択性を得ている。しかし、非特許文献1、非特許文献2及び非特許文献3に開示された方法では、収率が低く、満足できる値を得ることはできない。また、オリゴマー合成が容易にできる方法ではなかった。
Boons,G.-J.;Demchenko,A.V. Chem. Rev. 2000, 100, 4539-4565 Meo,C.M.; DemChenko,A.V. Boons, G.J. Org. Chem. 2001, 66, 5490-5497 Yu,C.-S.;Niikura,K,;Lin,C.-C,;Wong,C.-H, Angew.Chem.Int.Ed. 2001, 40, 2900-2903
上述したように、従来の方法では、α選択性が高く、かつ収率の高いグリコシル化法とは言えなかった。従って、本発明の目的は、シアル酸を糖供与体として用いる糖受容体とのグリコシル化反応において、高い収率及び高いα選択性を有するグリコシル結合を形成することのできる、糖供与体としてのシアル酸誘導体を提供することにある。
また、本発明は、シアル酸を糖供与体として用いる糖受容体とのグリコシル化反応において、高い収率及び高いα選択性を有するグリコシル結合を形成することのできるグリコシル化法(シアル酸含有糖誘導体の製造方法)を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明者らは鋭意検討した結果、4,5位を環状保護基で保護した、特定の構造を有するシアル酸誘導体が上記目的を達成し得るという知見を得た。本発明は上記知見に基づいてなされたものであり、下記一般式(1)で表わされるシアル酸誘導体を提供するものである。
Figure 0004992074
(上記一般式(1)において、Rは、置換されていてもよいアルキルオキシ基、ハロゲン原子、又はSRであり、Rは、置換されていてもよいアルキル基、ベンジル基、フェニル基であり、R及びRは一体となり環状保護基を形成しており、R、R及びRは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アシル基、ベンジル基、アリル基、クロロアセチル基、又はアセタール基であり、Rは置換されていてもよいアルキル基、ベンジル基、フェニル基、又はヘテロ環基である。)
また、本発明は、上記シアル酸誘導体を、糖誘導体と反応させる工程を有する、シアル酸含有糖誘導体の製造方法を提供する。
本発明によれば、シアル酸を糖供与体として用いる糖受容体とのグリコシル化反応において、高い収率及びα選択性を有するグリコシル結合を形成することのできる、糖供与体としてのシアル酸誘導体が提供される。
また、本発明によれば、シアル酸を糖供与体として用いる糖受容体とのグリコシル化反応において、高い収率及びα選択性を有するグリコシル結合を形成することのできるシアル酸含有糖誘導体の製造方法が提供される。
以下、本発明のシアル酸誘導体について説明する。
本発明のシアル酸誘導体は、下記一般式(1)で表わされる。
Figure 0004992074
上記一般式(1)において、Rは、置換されていてもよいアルキルオキシ基、ハロゲン原子、又はSRである。アルキルオキシ基としては、酸素を介したアルキル基であり、アルキル基としては、炭素原子1〜4個のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソブチル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基が挙げられ、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。また、Rは置換されていてもよいアルキル基、ベンジル基、フェニル基、又はヘテロ環基が挙げられる。アルキル基としては、上述したRと同様であり、アルキル基、ベンジル基、フェニル基を置換する置換基としては、アルキル基、ハロゲン原子、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。ヘテロ環基としては、例えば、フラン、チオフェン、ピラン、ピリジン、ピロール、ピラジン、アゼピン、アゾシン、アゾニン、アゼシン、オキサゾール、チアゾール、ピリダジン、トリアジン、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、モルホリン、チオモルホリン、ピペリジン、ピペラジン、キノリン、イソキノリン、インドール、イソインドール、キノキサリン、フタラジン、キノリジン、キナゾリン、キノキサリン、ナフチリジン、クロメン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン等の5〜10員の単環式またはニ環式の窒素、酸素および硫黄から選択される1〜4個の原子を含有するヘテロ環基が挙げられる。
上記一般式(1)において、Rは、置換されていてもよいアルキル基、ベンジル基、フェニル基である。アルキル基としては、上述したRにおけるアルキルオキシ基について説明したものと同様ものが挙げられる。また、R及びRは一体となり環状保護基を形成している。R及びRは一体となり環状保護基となったものとしては、後述する、一般式(2)及び一般式(3)で表わされるものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、上記一般式(1)において、R、R及びRは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アシル基、ベンジル基、アリル基、クロロアセチル基、又はアセタール基である。アシル基としては、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オレオイル基、オキサリル基、マロニル基、スクシニル基、ベンゾイル基、トルオイル基、サリチロイル基、シンナモイル基、ナフトイル基、フタロイル基等が挙げられる。また、アセタール基としては、鎖状アセタール基及び環状アセタール基のいずれでもよい。
次に、本発明のシアル酸誘導体の具体例について説明する。本発明のシアル酸誘導体の具体例としては、例えば、一般式(2)で表わされるシアル酸誘導体が挙げられる。
Figure 0004992074
上記一般式(2)において、Rは、置換されていてもよいアルキルオキシ基、ハロゲン原子、又はSRである。アルキルオキシ基としては、酸素を介したアルキル基であり、アルキル基としては、炭素原子1〜4個のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソブチル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基が挙げられ、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。また、Rとしては置換されていてもよいアルキル基、ベンジル基、フェニル基、又はヘテロ環基が挙げられる。アルキル基及びヘテロ環基としては、上述したRと同様であり、アルキル基、ベンジル基、フェニル基を置換する置換基としては、アルキル基、ハロゲン原子、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。
上記一般式(2)において、Rは、置換されていてもよいアルキル基、ベンジル基、フェニル基である。アルキル基としては、上述したRにおけるアルキルオキシ基について説明したものと同様ものが挙げられる。また、上記一般式(2)において、R、R及びRは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アシル基、ベンジル基、アリル基、クロロアセチル基、又はアセタール基である。アシル基としては、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オレオイル基、オキサリル基、マロニル基、スクシニル基、ベンゾイル基、トルオイル基、サリチロイル基、シンナモイル基、ナフトイル基、フタロイル基等が挙げられる。また、アセタール基としては、鎖状アセタール基及び環状アセタール基のいずれでもよい
また、上記一般式(2)において、Rは水素又はアルキル基である。アルキル基としては、炭素原子1〜4個のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソブチル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基が挙げられる。また、一般式(2)において、R10はアルキレン基又はケトン基であり、アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が挙げられる。
上記一般式(2)の具体例としては、例えば、Rが水素であり、R10がケトン基である、下記一般式(3)で表わされる化合物が挙げられる。
Figure 0004992074
一般式(3)において、R、R、R、R及びRは、一般式(2)において説明したものと同様である。
本発明のシアル酸誘導体のさらなる具体例としては、例えば、下記式(7)で表わされる化合物が挙げられる。
Figure 0004992074
本発明のシアル酸誘導体は、シアル酸を糖供与体として用いる糖受容体とのグリコシル化反応において、高い収率及び高いα選択性を有するグリコシル結合を形成するグルコシル化反応(シアル酸含有糖誘導体の製造方法)に用いることができる。この反応については後述する。
本発明のシアル酸誘導体を製造する方法に特に制限はなく、従来公知の方法によって製造することができる。本発明のシアル酸誘導体を製造する方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
以下、本発明のシアル酸誘導体を製造する方法の具体例の一つについて、式(7)で表わされる化合物を製造する場合について説明する。なお、詳細な製造方法については後述する実施例において説明する。
まず、式(8)で表わされる化合物の8位及び9位に環状保護基を導入し、5位の窒素に保護基を導入する。次いで、4位の酸素に保護基を導入した後、4位の酸素及び5位の窒素をケトン基によって結合させ、環状保護基を形成する。次いで、脱アセチル化、クロロアセチル化を行い、式(7)で表わされる化合物を得る。なお、各工程における反応は公知の反応であり、従来より公知の方法に従って実施することができる。
Figure 0004992074
本発明のシアル酸誘導体は、シアル酸を糖供与体として用いる糖受容体とのグリコシル化反応において、糖供与体として用いられるものであり、具体的には、後述する方法によってシアル酸含有糖誘導体を製造するために用いられる。本発明のシアル酸誘導体を用いることにより、シアル酸含有糖誘導体を高収率で得られ、かつ高いα選択性を有するグリコシル結合を形成することが可能である。
次いで、本発明のシアル酸含有糖誘導体の製造方法について説明する。
本発明のシアル酸含有糖誘導体の製造方法は、本発明のシアル酸誘導体を、糖誘導体と反応させる工程を有する。
用いられる糖誘導体としては、下記一般式(4)で表わされる糖誘導体が挙げられる。
Figure 0004992074
一般式(4)において、R、R、R、R及びRは一般式(1)で説明したのと同様である。一般式(4)において、R11は、置換されていてもよいアルキル基、ベンジル基、フェニル基である。アルキル基としては、炭素原子1〜4個のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソブチル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基が挙げられる。アルキル、ベンジル基、フェニル基を置換する置換基としては、アルキル基、ハロゲン原子、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。
また、一般式(4)において、R12は、置換されていてもよいアルキル基、又は糖鎖である。アルキル基としては、炭素原子1〜10個程度のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソブチル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、 等が挙げられる。糖鎖としては、従来公知の糖鎖であればいずれのものも用いられ、例えば、一般式(1)又は一般式(4)で表わされる糖誘導体が複数個結合したオリゴ糖等が挙げられる。
一般式(4)で表わされる糖誘導体の具体例としては、例えば、一般式(5)で表わされる糖誘導体が挙げられる。
Figure 0004992074
上記一般式(5)において、R、R、R、R11及びR12は一般式(4)と同様である。上記一般式(5)において、R及びR10は、一般式(2)と同様である。
また、一般式(5)で表わされる糖誘導体の具体例としては、例えば、Rが水素であり、R10がケトン基である、下記一般式(6)で表わされる化合物が挙げられる。
Figure 0004992074
本発明のシアル酸含有糖誘導体の製造方法においては、本発明のシアル酸誘導体が糖供与体として用いられ、一般式(4)で表わされる糖誘導体が糖受容体として用いられる。糖受容体として用いられる、一般式(4)で表わされる糖誘導体を製造する方法としては、特に制限はなく、一般式(1)で表わされるシアル酸誘導体と同様の方法で製造することができる。
本発明のシアル酸含有糖誘導体の製造方法は、上述した、本発明のシアル酸誘導体を、上述した糖誘導体と反応させる工程を有する。
本発明のシアル酸含有糖誘導体の製造方法において、一般式(1)で表わされるシアル酸誘導体と、糖誘導体との反応は、適当な有機溶媒中で実施することができるが、塩化メチレン、及び塩化メチレンを主成分とする溶媒等の中で実施することが好ましい。また、補助溶媒として、アセトニトリル、プロピオニトリル、ジエチルエーテル、ニトロメタン、トルエン、ジメチルホルムアミド等を用いることが好ましい。従来、シアル酸含有等誘導体を製造する際は、糖供与体であるシアル酸誘導体と糖受容体とをアセトニトリル中で行うことが通常であったが、本発明の方法によれば、塩化メチレンを使用することができ、カチオン中間体の活性を高めることができる溶媒を用いることができる点から好ましい。
本発明のシアル酸含有糖誘導体の製造方法においては、糖供与体としてのシアル酸誘導体と、糖受容体との使用量は、シアル酸誘導体1モルに対し、糖受容体を0.3〜3モル程度用いることが好ましい。
反応は、−78〜0℃程度の温度で、0〜5時間程度行なうことが好ましく、また反応系にはモレキュラーシーブスを存在させて行うことが好ましい。また、シアル酸誘導体を活性化させる必要があり、そのために、反応系に活性化剤を混合することが好ましい。このような活性化剤としては、例えば、N−ヨードコハク酸イミド、トリフルオロメタンスルホン酸、N−ヨードコハク酸イミド+トリフルオロメタンスルホン酸銀、ジメチル(チオメチル)スルホニウムトリフレート等が挙げられる。
本発明のシアル酸含有等誘導体の製造方法においては、シアル酸誘導体と糖受容体とを用いて、シアル酸を含有する二量体を得ることができる。次いで、得られた二量体を、同様のシアル酸誘導体と反応させることにより、三量体を得ることができ、同様に、四量体等の合成も可能である。また、本発明のシアル酸含有糖誘導体の製造方法においては、溶媒として、非配位性の塩化メチレンを用いた場合であっても、目的とするα−グリコシドの製造が可能である。
本発明のシアル酸含有等誘導体の製造方法によれば、従来は合成不可能と考えられていた、シアリル2,3,4量体の効率的な合成を可能にし、この方法を用いて得られるシアル酸含有糖誘導体を用いることにより、シアル酸オリゴマーの機能解明及びその知見を利用した薬剤の開発に応用することも可能である。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。なお、本発明の範囲は、かかる実施例に限定されないことはいうまでもない。
実施例1
下記式(9)で表わされる化合物(60g)をメタノール(300mL)及びメタンスルホン酸(66.7mL)混合溶液に加え、60℃の温度で12時間反応を行った。12時間反応を行った後、反応溶液の一部をサンプリングし、TLC(溶媒;クロロホルム/メタノール/水=3/6/1、RF=0.5)を行って反応の終了を確認した。次いで、トリエチルアミン(14.3mL)を添加し、反応溶液を減圧下濃縮し、粗生成物を得た(158.8g)。
Figure 0004992074
得られた粗生成物(158.8g)を、水−アセトニトリル(1:15)の混合溶媒(300mL)に溶解し、トリエチルアミン(21.5ml)を加えた。次いで、反応系を0℃に冷却した後、炭酸スクシンイミジルトリクロロエチルエステル(29.9g)を加え、0℃で2時間反応を行った。2時間反応を行った後、反応溶液の一部をサンプリングし、TLC(溶媒;クロロホルム/メタノール=4/1、RF=0.7)を行って反応の終了を確認した。次いで、反応溶液を1000mlの水に注ぎ、酢酸エチルを用いて抽出を行った。得られた抽出溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥を行った後濃縮して化合物を得た(95.5g)。
このようにして得られた化合物(95.5g)を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF,500mL)に溶解し、ベンズアルデヒドジメチルアセタール(28.4mL)、及びカンファースルホン酸(25.9g)を加え、室温(約25℃、以下、室温という場合は、約25℃のことを意味する。)で4時間反応を行った。4時間反応を行った後、反応溶液の一部をサンプリングし、TLC(溶媒;トルエン/アセトン=1/1、Rf=0.5)を行って反応の終了を確認した。次いで、トリエチルアミン(14.3mL)を加え、反応溶液を1N塩酸水溶液(1000mL)に注ぎ、酢酸エチルを用いて抽出を行った。得られた抽出溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥を行った後濃縮し、得られた化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン/アセトン系アセトン含有量=17%)にて精製を行い、下記式(10)で表わされる化合物(メチル(フェニル8,9−O−ベンジリデン−3,5−ジデオキシ−2−チオ−5−(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルアミノ)−D−ブリセロ−β−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシド)オネート)を得た(45g、収率:67%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.15-7.54 (m, 20H, aromatic), 5.94 (s, 1H), 5.83 (s, 1H), 5.30 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 5.14 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 4.83-4.93 (m, 2H), 4.38-4.44 (m, 2H), 4.02-4.28 (m, 6H), 3.91-3.94 (m, 2H), 3.76-3.84 (m, 4H), 3.50-3.55 (m, 7H), 3.40 (d, 1H, J = 8.2 Hz), 2.78-2.85 (m, 2H) 2.55-2.59 (m, 2H) 2.05-2.13 (m, 2H; IR (KBr) 3327, 2949, 1748, 1540, 749,692 (cm-1); Anal. Calcd for C27H32Cl3NO13S: C,49.03; H, 4.43; N, 2.20. found:C, 45.04; H, 4.48; N, 1.95.
Figure 0004992074
上述のようにして得られた、式(10)で表わされる化合物(15g)を、氷冷下、酢酸(44mL)に溶解し、次いで、粉末亜鉛(43g)を氷冷下に加え、2時間反応を行った。2時間反応を行った後、反応溶液の一部をサンプリングし、TLC(溶媒;クロロホルム/メタノール=3/1、RF=0.5)を行って反応の終了を確認した。次いで、セライトを用いて反応溶液をろ過し、不溶物を除去した後、飽和重炭酸水素ナトリウム水溶液(1000mL)に注ぎ、クロロホルムを用いて抽出を行った。得られた抽出溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥を行い、濃縮物を得た。
上述のようにして得られた濃縮物を水−アセトニトリルの当量混合溶液(300mL)に溶解し、重炭酸ナトリウム(9.3g)を加えた。次いで、クロロ蟻酸パラニトロフェニル(11.1g)をアセトニトリル(80mL)に溶解した溶液を室温下滴下した。溶液の滴下を行った後、反応溶液の一部をサンプリングし、TLC(溶媒;トルエン/アセトン=1/1、RF=0.6)を行って反応の終了を確認した。次いで、1000mLの水に注ぎ、酢酸エチルを用いて抽出を行った。得られた抽出溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥を行った後濃縮し、得られた化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール系、メタノール含有量=3%)にて精製を行い、下記式(11)で表わされる化合物(メチル(フェニル5−アミノ−8,9−O−ベンジリデン−4−O,5−N−カルボニル−3,5−ジデオキシ−2−チオ−D−グリセロ−β−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシド)オネート)を得た(8.3g、収率:77%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.18-7.52 (m, 20H, aromatic), 5.93 (s, 1H), 5.87 (s, 1H), 5.76 (s, 1H), 5.74 (s, 1H), 4.65-4.74 (m, 2), 4.40-4.48 (m, 4H), 4.37 (dd, 1H, J = 4.3 Hz, J = 8.7 Hz), 4.30 (dd, 1H, J =6.3 Hz, J =8.7 Hz), 4.04-4.22 (m, 4H), 3.63-3.72 (m, 8H), 3.45 (dd, 1H, J = 10.1 Hz, J = 10.6 Hz), 3.34 (dd, 1H, J= 10.1 Hz, J = 10.6 Hz), 3.04-3.10 (m, 2H), 2.89-2.96 (m, 2H), 2.31-2.40 (m, 2H); IR (KBr) 3352, 2921, 1752, 1063, 753 (cm-1); HRMS(ESI-TOF) Calcd for C24H25NO8SNa[M+Na]+510.1193 found 510.1189
Figure 0004992074
上述のようにして得られた、式(11)で表わされる化合物(88mg)を塩化メチレン(2mL)及びピリジン(73μL)の混合溶液に溶解し、次いで、無水酢酸(17μL)及びN,N−ジメチルアミノピリジン(5mg)を氷冷下で加え、室温まで温度を上昇させた後、2時間反応を行った。2時間反応を行った後、反応溶液の一部をサンプリングし、TLC(溶媒;トルエン/アセトン=3/1、RF=0.5)を行って反応の終了を確認した。次いで、1N塩酸水溶液(30mL)に注ぎ、酢酸エチルを用いて抽出を行った。得られた抽出溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥を行った後濃縮し、得られた化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒など:クロロホルムメタノール、メタノール含有量=1.5%)にて精製を行い、下記式(12)で表わされる化合物(メチル(フェニル5−アミノ−7−O−アセチル−9−O−ベンジル−4−O,5−N−カルボニル−3,5−ジデオキシ−2チオ−D−グリセロ−β−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシド)オネート)を得た(92mg、収率:96%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ7.18-7.52 (m, 20H, aromatic), 5.93 (s, 1H), 5.87 (s, 1H), 5.76 (s, 1H), 5.74 (s, 1H), 4.65-4.74 (m, 2), 4.40-4.48 (m, 4H), 4.37 (dd, 1H, J = 4.3 Hz, J = 8.7 Hz), 4.30 (dd, 1H, J =6.3 Hz, J =8.7 Hz), 4.04-4.22 (m, 4H), 3.63-3.72 (m, 8H), 3.45 (dd, 1H, J = 10.1 Hz, J = 10.6 Hz), 3.34 (dd, 1H, J= 10.1 Hz, J = 10.6 Hz), 3.04-3.10 (m, 2H), 2.89-2.96 (m, 2H), 2.31-2.40 (m, 2H); IR (KBr) 3352, 2921, 1752, 1063, 753 (cm-1); HRMS(ESI-TOF) Calcd for C24H25NO8SNa[M+Na]+510.1193 found 510.1189
Figure 0004992074
上述のようにして得られた、式(12)で表わされる化合物(92mg)を、テトラヒドロフラン(2mL)に溶解し、次いで、モレキュラーシーブス4A(50mg)を加え、室温下で15時間反応を行った。15時間反応を行った後、反応溶液の一部をサンプリングし、TLC(溶媒;トルエン/アセトン=3/1、RF=0.4)を行って反応の終了を確認した。次いで、不溶物をセライトろ過によって除去し、溶液を1N硫酸−酢酸エチル混合溶液(1:1、150mL)に注ぎ、20分間撹拌を行った。次いで、酢酸エチルを用いて抽出を行った。得られた抽出溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥を行った後濃縮し、得られた化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒など:トルエン/アセトン系、アセトン含有量=15%)にて精製を行い、下記式(13)で表わされる化合物(メチル(フェニル5−アミノ−7−アセチル−9−O−ベンジル−4−O,5−N−カルボニル−3,5−ジデオキシ−2−チオ−D−グリセロ−β−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシド)オネート)を得た(71.5mg、収率:77%)。
[α]D 21 -108.5(c 0.89, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.16-7.55 (m, 10H,aromatic), 5.54 (br-s, 1H, NH), 5.05 (dd, 1H, H-7, J6,7= 2.4 Hz, J7,8= 8.2 Hz), 4.73 (dd, 1H, H-6, J5,6=9.7 Hz, J6,7= 2.4 Hz), 4.67 (ddd, 1H, H-4, J3ax.,4=12.6 Hz, J3eq.,4= 3.9 Hz, J4,5= 10.6 Hz), 4.58 (d, 1H, Bn, J = 11.6 Hz), 4.44 (d, 1H, Bn, J = 11.6 Hz), 4.06 (br-ddd, 1H, H-8), 3.56 (m, 1H, H-9a), 3.56 (s, 3H, OMe), 3.49 (dd, 1H, H-9b, J= 9.9 Hz, J = 4.3 Hz), 3.09 (dd, 1H, H-5, J4,5 = 10.6 Hz, J5,6= 9.7 Hz), 2.91(dd, 1H, H-3eq., J3eq.,4= 3.9 Hz, Jgem= 13.0 Hz.), 2.60 (d, 1H, OH, J = 7.2 Hz) 2.29 (dd, 1H, H-3ax. J3ax.,4= 12.6 Hz, Jgem= 13.0 Hz) 1.97 (s, 3H, Ac); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) d171.1, 167.7, 159.4, 137.4, 136.3, 129.9, 129.3, 129.0, 128.6, 128.1x2, (89.5 anomeric), 73.6, 73.1, 71.8, 69.7, 67.5, 59.0, 52.7, 37.4, 20.8; IR (KBr) 3392, 2913, 1438, 1372, 752 (cm-1); HRMS (ESI-TOF) Calcd for C26H29NO9SNa [M+Na]+ 554.1455, found 554.1451
Figure 0004992074
上述のようにして得られた、式(13)で表わされる化合物(70mg)を、塩化メチレン(1.3mL)及びピリジン(0.032mL)の混合溶液に溶解し、次いで、クロロ酢酸クロリド(0.012mL)を氷冷下に加え、室温まで温度を上昇させた後、1時間反応を行った。1時間反応を行った後、反応溶液の一部をサンプリングし、TLC(溶媒;トルエン/アセトン3/1、Rf=0.5)を行って反応の終了を確認した。次いで、1N塩酸水溶液(30mL)に注ぎ、酢酸エチルを用いて抽出を行った。得られた抽出溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥を行った後濃縮し、得られた化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン/アセトン系、アセトン含有量:10%)にて精製を行い、本発明のシアル酸誘導体である、下記式(14)で表わされる化合物(メチル(フェニル 5-アミノ-7-O-アセチル-9-O-ベンジル-4-O,5-N-カルボニル-3,5-ジデオキシ-2-チオ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシド)オネート)を得た(74.8mg、収率:92%)。
[α]D 21 -97.0(c 0.91, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.24-7.40 (m, 10H, aromatic), 5.43 (br-s, 1H, NH), 5.36 (dd, 1H, H-7, J6,7= 2.4 Hz, J7,8= 5.8 Hz), 5.29 (br-ddd, 1H, H-8), 4.67 (ddd, 1H, H-4, J3ax.,4=12.6 Hz, J3eq.,4= 3.9 Hz, J4,5= 11.1 Hz), 4.58 (dd, 1H, H-6, J5,6=9.7 Hz, J6,7= 2.4 Hz), 4.46 (d, 1H, Bn, J = 12.1 Hz), 4.32 (d, 1H, Bn, J = 12.1 Hz), 4.07 (d, 1H, CH2Cl, Jgem = 17.4 Hz), 4.03 (d, 1H, CH2Cl, Jgem = 17.4 Hz), 3.82 (dd, 1H, H-9a, J8,9b = 2.4 Hz, Jgem= 11.1 Hz), 3.62 (dd, 1H, H-9b, J 8,9b = 5.8 Hz, J gem = 11.1 Hz), 3.61 (s, 3H, OMe), 3.11 (dd, 1H, H-5, J4,5 = 10.6 Hz, J5,6= 9.7 Hz), 2.82 (dd, 1H, H-3eq., J3eq.,4= 3.9 Hz, Jgem= 13.0 Hz.), 2.24 (dd, 1H, H-3ax. J3ax.,4= 12.6 Hz, Jgem= 13.0 Hz) 2.03 (s, 3H, Ac); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) d171.1, 167.6, 166.7, 159.2, 137.6, 135.7, 130.1, 129.4, 128.9, 128.5, 127.9, 127.8, (89.1 anomeric),76.9, 76.8, 73.3, 72.9, 70.3, 67.1, 58.6, 52.8, 40.9, 36.7, 20.7; IR (KBr) 3393, 2953, 1776, 1453, 1372, 751,694 (cm-1); Anal. Calcd for C28H30ClNO10S: C, 55.31; H, 4.97; N, 2.30. found: C, 54.93; H, 5.07; N, 2.31
Figure 0004992074
実施例2
実施例1で中間物質として得られた、式(11)で表わされる化合物(4.9g)を、テトラヒドロフラン(50mL)に溶解し、次いで、モレキュラーシーブス4A(1g)を加え、ボロラントリメチルアミン(4.5g)、トリクロロアルミ(8.2g)を氷冷下で加え、室温まで温度を上昇させた後、16時間反応を行った。16時間反応を行った後、溶液の一部をサンプリングし、TLC(溶媒;クロロホルム/メタノール=15/1、Rf=0.4)を行って反応の終了を確認した。次いで、不溶物をセライトろ過によって除去した。次いで、1N硫酸水溶液−酢酸エチル混合溶液(1:1、1000mL)に注いで20分間撹拌を行った。次いで、酢酸エチルを用いて抽出を行った。得られた抽出溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥を行った後濃縮し、得られた化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール、メタノール含有量=1.5%)にて精製を行い、下記式(15)で表わされる化合物(メチル(フェニル5−アミノ−9−O−ベンジル−4−O,5−N−カルボニル−3,5−ジデオキシ−2−チオ−D−グリセロ−β−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシド)オネート))を得た(74.6g、収率:93%)。
[α]D 21 -192.6(c 1.11, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.30-7.48 (m, 10H,aromatic), 6.36 (br-s, 1H, NH), 4.64 (ddd, 1H, H-4, J3ax.,4=12.6 Hz, J3eq.,4= 3.9 Hz, J4,5= 10.6 Hz), 4.55 (d, 1H, Bn, J = 12.1 Hz), 4.51 (d, 1H, Bn, J = 12.1 Hz), 4.47 (dd, 1H, H-6, J5,6=9.7 Hz, J6,7= 4.3 Hz), 3.79 (br-ddd, 1H, H-8), 3.54-3.72 (m, 4H, H-7, H-9a, H-9b, OH), 3.59 (s, 3H, OMe), 3.42 (dd, 1H, H-5, J4,5 = 10.6 Hz, J5,6= 9.7 Hz), 2.60 (d, 1H, OH, J = 5.8 Hz), 2.87 (dd, 1H, H-3eq., J3eq.,4= 3.9 Hz, Jgem= 13.0 Hz.), 2.27 (dd, 1H, H-3ax. J3ax.,4= 12.6 Hz, Jgem= 13.0 Hz; 13C NMR (100 MHz, CDCl3) d168.3, 159.9, 137.7, 136.4, 130.1, 129.1, 128.9, 128.6, 128.0, 127.8, (88.8 anomeric),77.4, 76.2, 73.5, 72.3, 71.1, 69.3, 58.7, 52.9, 36.9; IR (KBr) 3499, 3288, 2945, 1747, 1453, 1371, 752 (cm-1); HRMS (ESI-TOF) Calcd for C24H27NO8SNa[M+Na]+ 512.1350, found 512.1347
Figure 0004992074
上述のようにして得られた、式(15)で表わされる化合物(100mg)を、塩化メチレン(2mL)及びピリジン(0.33mL)に溶解し、次いで、クロロ酢酸クロライド(0.065mL)を氷冷下で加え、温度を室温まで上昇させた後、1.5時間反応を行った。1.5時間反応を行った後、溶液の一部をサンプリングし、TLC(溶媒;トルエン/アセトン=3/1、RF=0.6)を行って反応の終了を確認した。次いで、溶液を1N塩酸水溶液(30mL)に注ぎ、酢酸エチルを用いて抽出を行った。得られた抽出溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥を行った後濃縮し、得られた化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチルい、酢酸エチル含有量=35%)にて精製を行い、本発明のシアル酸誘導体である、下記式(16)で表わされる化合物(メチル(フェニル 7-O-アセチル-5-アミノ-9-O-ベンジル-4-O,5-N-カルボニル-8-O-クロロアセチル-3,5-ジデオキシ -2-チオ-D-グリセロ−β−D-ガラクト-2-ノヌロピラノシド)オネート)を得た(87.7mg、収率:67%)。
[α]D 21 -88.6(c 1.06, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.25-7.47 (m, 10H, aromatic), 5.51 (br-s, 1H, NH), 5.40 (dd, 1H, H-7, J6,7= 3.4 Hz, J7,8= 5.8 Hz), 5.28 (ddd, 1H, H-8, J7,8 = 5.8 Hz, J8,9a = 2.9 Hz, J8,9b = 5.3 Hz), 4.63-4.70 (m, 1H, H-4), 4.60 (dd, 1H, H-6, J5,6=9.7 Hz, J6,7= 3.4 Hz), 4.50 (d, 1H, Bn, J = 12.1 Hz), 4.37 (d, 1H, Bn, J = 12.1 Hz), 4.09 (d, 1H, CH2Cl, Jgem = 18.0 Hz), 4.05 (d, 1H, CH2Cl, Jgem = 18.0 Hz), 3.94 (d, 1H, CH2Cl, Jgem = 15.0 Hz), 3.86 (d, 1H, CH2Cl, Jgem = 15.0 Hz), 3.82 (dd, 1H, H-9a, J8,9b = 2.9 Hz, Jgem= 11.1 Hz), 3.64 (dd, 1H, H-9b, J 8,9b = 5.3 Hz, J gem = 11.1 Hz), 3.60 (s, 3H, OMe), 3.19 (dd, 1H, H-5, J4,5 = 11.1 Hz, J5,6= 9.7 Hz), 2.83 (dd, 1H, H-3eq., J3eq.,4= 3.4 Hz, Jgem= 13.0 Hz.), 2.26 (dd, 1H, H-3ax. J3ax.,4= 13.0 Hz, Jgem= 13.0 Hz); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) d 167.5x2, 166.9, 159.2, 137.3, 135.8, 130.2, 129.4, 128.6, 128.1, 128.0 (89.2 anomeric),77.0, 73.5, 72.7, 72.5, 72.2, 66.8, 58.9, 52.9, 40.8, 40.4, 36.7;IR (KBr) 3394, 2954, 1757, 1362, 752, 694 (cm-1); Anal. Calcd for C28H29Cl2NO10S: C, 52.34; H, 4.55; N, 2.18. found: C, 51.97; H, 4.50; N, 2.18.
Figure 0004992074
実施例3
実施例1で得られた、式(14)で表わされるシアル酸誘導体を糖供与体として用い、下記式(17)で表わされる糖誘導体を糖受容体として、グルコースのシアル酸含有糖誘導体の製造を行った。
反応は、糖誘導体及び糖受容体を等モル量となるように用い、塩化メチレン及びアセトニトリルの混合溶液(塩化メチレン:アセトニトリル=3:2)中で、N−ヨードコハク酸イミド(糖供与体及び糖受容体の1.2倍モル量)、トリフルオロメタンスルホン酸(糖供与体及び糖受容体の0.1倍モル量、及びモレキュラーシーブス3A(糖供与体及び糖受容体に対して0.5g/ミリモル)の存在下で行った。なお、糖供与体の濃度は10mL/ミリモルであり、反応は3時間行い、反応温度は、反応開始時が−78℃で、その後、徐々に上昇させ、反応終了時の温度を−40℃となるようにして反応を行い、下記式(18)で表わされる化合物(メチル2,3,4-トリ-O-ベンジル-6-O-(メチル 7-O-アセチル-5-アミノ-9-O-ベンジル-4-O,5-N-カルボニル -8-O-クロロアセチル-3,5-ジデオキシ-D-グリセロ−β−D-ガラクト-2-ノヌロピラノイルオネート)-a-D-グルコピラノシド)を得た。反応の収率は94%であり、α体及びβ体の混合比(α/β)は95/5以上であった。なお、α体及びβ体の量はH−NMRにより測定を行った。また、α体及びβ体の混合比(α/β)が95/5以上であることは、β体が検出されない(β体の存在量は検出限界以下である)ことを意味する。
なお、式(18)で表わされる化合物のNMRスペクトルは下記の通りであった。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ7.17-7.34 (m, 20H, aromatic), 5.36 (br-s, 1H, NH), 5.29 (br-ddd, 1H, H-8’), 5.24 (dd, 1H, H-7’, J6’,7’= 1.4 Hz, J7’,8’= 10.1 Hz), 4.90 (d, 1H, Bn, J = 11.1 Hz), 4.63-4.80 (m, 5H, Bn ), 4.62 (d, 1H, H-1, J1,2= 3.4 Hz), 4.52 (d, 1H, Bn, J = 12.1 Hz), 4.07 (d, 1H, CH2Cl, Jgem = 15.0 Hz), 4.14-4.21 (m, 4H, H-6a, H-6’, Bn, CH2Cl), 3.94 (dd, 1H, H-3, J2,3=9.7 Hz, J3,4= 9.2 Hz), 3.88 (m, 1H, H-4’), 3.72-3.76 (m, 4H, H-5’, OMe), 3.58 (dd, 1H, H-4, J3,4=9.2 Hz, J4,5= 9.7 Hz), 3.49 (dd, 1H, H-1, J1,2 = 3.4 Hz, J2,3 = 9.7 Hz), 3.34-3.37 (m, 4H, H-6b, OMe), 3.24 (dd, 1H, H-9a’, J8’,9a’ = 1.4 Hz, Jgem= 11.6 Hz), 2.90-2.96 (m, 2H, H-5’, H-3’eq.), 2.86 (dd, 1H, H-9b’, J 8’,9b’ = 2.4 Hz, J gem = 11.6 Hz). 2.24 (dd, 1H, H-3’ax. J = 13.0 Hz, Jgem= 12.6 Hz), 1.64 (s, 3H, Ac)
Figure 0004992074
Figure 0004992074
実施例4
反応溶媒をアセトニトリルとした以外は、実施例1と同様に操作を行い、反応を行った。式(18)で表わされる化合物の収率は91%であり、α体及びβ体の混合比(α/β)は95/5以上であった。
実施例5
反応溶媒を塩化メチレンとし、反応終了時の温度を−50℃とした以外は、実施例1と同様に操作を行い、反応を行った。式(18)で表わされる化合物の収率は95%であり、α体及びβ体の混合比(α/β)は95/5以上であった。
実施例6
反応溶媒を、塩化メチレン及びMeNOの混合溶媒(塩化メチレン:MeNo=2:1)とし、反応終了時の温度を−50℃とした以外は、実施例1と同様に操作を行い、反応を行った。式(18)で表わされる化合物の収率は93%であり、α体及びβ体の混合比(α/β)は95/5以上であった。
実施例7
実施例1で得られた、式(14)で表わされるシアル酸誘導体を糖供与体として用い、下記式(19)で表わされる糖誘導体を糖受容体として、シアル酸含有糖誘導体の製造を行った。
反応は、糖受容体1モルに対し、糖供与体を1.5モル用い、反応溶媒として塩化メチレンを用い、N−ヨードコハク酸イミド(糖受容体の1.8倍モル量)、トリフルオロメタンスルホン酸(糖受容体の0.15倍モル量、及びモレキュラーシーブス3A(糖供与体及び糖受容体に対して0.5g/ミリモル)の存在下で行った。なお、反応は5時間行い、反応温度は−78℃とした。得られた化合物(メチル[オクチル5-アミノ-4-O,5-N-カルボニル-3,5-ジデオキシ-8-O-(メチル5-アミノ-9-O-ベンジル-4-O,5-N-カルボニル-7,8-O-ジクロロアセチル-3,5-ジデオキシ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシルオネート)-D-グリセロ-α-D- ガラクト-2-ノヌロピラノシド]オネート)は、下記式(20)で表わされる。反応の収率は86%であり、α体及びβ体の混合比(α/β)は95/5以上であった。
[α]D 21 -22.5 (c 1.14, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.24-7.40 (m, 10H, aromatic), 5.70 (br-s, 1H, NH), 5.42 (dd, 1H, H-7’, J6’,7’= 1.0 Hz, J7’,8’= 9.7 Hz), 5.36 (m, 1H, H-8’), 5.33 (br-s, 1H, NH), 4.61 (d, 1H, Bn, Jgem = 12.1 Hz), 4.54 (d, 1H, Bn, Jgem = 12.1 Hz), 4.50 (d, 1H, Bn, Jgem = 12.1 Hz), 4.36 (d, 1H, CH2Cl, Jgem = 15.0 Hz), 4.35 (d, 1H, Bn, Jgem = 12.1 Hz), 4.20 (d, 1H, CH2Cl, Jgem = 15.5 Hz), 4.19 (dd, 1H, H-6’, J5’,6’ = 10.6 Hz, J6’,7’= 1.0 Hz), 4.04-4.07 (m, 2H, H-6, H-8), 3.89-3.95 (m, 12H, H-4, H-4’, H-7, H-9a, OMe x2, CH2Cl x2), 3.73 (dd, 1H, H-9b, J 8,9b = 5.8 Hz, J gem = 10.6 Hz), 3.62 (dt, 1H, OCH2, J = 6.8 Hz, Jgem = 8.7 Hz), 3.55 (dd, 1H, H-9’a J 8’,9’a = 1.9 Hz, J gem = 11.1 Hz), 3.50 (dd, 1H, H-9’b J 8’,9’b = 2.9 Hz, J gem = 11.1 Hz), 3.47 (dd, 1H, H-5, J4,5= 10.6 Hz, J5,6 = 10.6 Hz), 3.19 (dt, 1H, OCH2, J = 6.8 Hz, Jgem = 8.7 Hz), 2.87-2.91 (m, 2H, H-3eq., H-3’eq.), 2.80 (d, 1H, OH, J = 6.3 Hz ), 2.18 (dd, 1H, H-3’ax., J3’ax.,4’= 13.0 Hz, Jgem= 12.6 Hz), 2.05 (dd, 1H, H-3ax., J3ax.,4= 13.0 Hz, Jgem= 12.6 Hz), 1.49 (br-t, 2H, OCH2CH2), 1.25 (m, 10H, aliphatic), 0.86 (t, 3H, CH2CH3, J = 7.2 Hz) ; 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 169.0, 168.2, 167.8, 167.1, 159.7, 159.2, 137.8, 137.0, 128.7, 128.5, 128.3, 128.2, 127.8, 127.6, (100.9, 100.3 anomeric),77.2, 76.6x2, 73.9, 73.6, 73.5, 72.9, 70.8, 70.3, 69.5, 67.0, 65.3, 58.0, 57.5, 53.6, 52.9, 41.3, 40.2, 37.4, 36.8, 31.8, 29.6, 29.4, 29.2, 26.0, 22.7, 14.1;IR (KBr) 3404, 2927, 1761, 1362, 1015, 752 (cm-1); HRMS (ESI-TOF) Calcd for C48H62N2O19Cl2Na[M+Na]+ 1063.3216, found 1063, 3218
Figure 0004992074
Figure 0004992074
実施例8
実施例7で得られた、式(20)で表わされる化合物のクロロアセチル基を除去した化合物(下記式(21))を糖受容体として用い、糖供与体の使用量を糖受容体の3倍モル量用いた以外は実施例7と同様に操作を行い、シアル酸含有糖誘導体の製造を行った。得られた化合物(メチル[オクチル 5-アミノ-9-O-ベンジル-4-O,5-N-カルボニル-3,5-ジデオキシ-8-O-(メチル 5-アミノ-9-O-ベンジル-4-O,5-N-カルボニル-3,5-ジデオキシ-8-O-(メチル5-アミノ-9-O-ベンジル-4-O,5-N-カルボニル-7,8-O-ジクロロアセチル-3,5-ジデオキシ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシルオネート)-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシルオネート)-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシド]オネート)は、下記式(22)で表わされる。反応の収率は89%であり、α体及びβ体の混合比(α/β)は95/5以上であった。
式(22)で表わされる化合物のNMRスペクトルは下記の通りであった。
[α]D 21 -28.6 (c 1.53, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ7.24-7.39 (m, 15H, aromatic), 5.77-5.81 (br-s, 1H, NHx2), 5.33-5.41 (m, 1H, H-7’’,H-8’’, NH), 4.59 (d, 1H, Bn, Jgem= 12.1 Hz), 4.46-4.55 (m, 4H, Bn), 4.35-4.39 (m, 2H, Bn, CH2Cl ), 4.30 (m, 1H, H-8), 4.19 (d, 1H, CH2Cl, Jgem = 15.0 Hz), 4.18 (m, 1H, H-6’’), 3.65-4.03 (m, 23H, H-4, H-4’, H-4’’, H-6, H-6’, H-7, H-7’, H-8’, H-9a, H-9b, H-9a’, H-9b’, OMe x3, CH2Cl x2), 3.52-3.62 (m, 3H, H-9a’’, H-9b’’, OCH2), 3.37-3.50 (m, 2H, H-5, H-5’), 3.17-3.28 (m, 3H, , OCH2, OHx2), 3.04 (dd, 1H, H-5’’, J = 10.1 Hz, J= 10.6 Hz ), 2.88-2.92 (m, 1H, H-3eq., H-3’eq., H-3’’eq) 2.24 (dd, 1H, H-3’ax., J = 12.6 Hz, J = 13.0 Hz), 2.23 (dd, 1H, H-3’’ax., J = 12.6 Hz, J = 13.0 Hz), 2.00 (dd, 1H, H-3ax., J = 12.6 Hz, J = 12.6 Hz), 1.49 (br-t, 2H, OCH2CH2), 1.26 (m, 10H, aliphatic), 0.87 (t, 3H, CH2CH3, J = 6.8 Hz) ; 13C NMR (100 MHz, CDCl3)a168.7, 168.3x2, 168.0, 167.3, 160.0x2, 159.3, 137.7, 137.6, 128.7, 128.6x2, 128.2, 128.0x2, 127.8, 127.7, (101.1,100.4, 100.3, anomeric), 76.8, 76.6x2, 75.7, 74.1, 73.6x2, 73.5, 71.4, 70.3, 70.1x2, 69.7, 67.0, 65.3, 58.9, 57.9, 57.4, 53.6x2, 53.0, 41.4, 40.4, 37.5, 37.1, 35.7, 31.9, 29.6, 29.4, 29.3, 26.0, 22.7, 14.1; IR (KBr) 3396, 2929, 1739, 1450, 750, 599 (cm-1); HRMS (ESI-TOF) Calcd for C66H83N3O27Cl2Na[M+Na]+ 1442.4483, found 1442.4487
Figure 0004992074
Figure 0004992074
実施例9
実施例1で得られた、式(14)で表わされるシアル酸誘導体を糖供与体として用い、下記式(23)で表わされる糖誘導体を糖受容体として、シアル酸含有糖誘導体の製造を行った。
反応は、糖受容体1モルに対し、糖供与体を1.0モル用い、反応溶媒として塩化メチレンを用い、N−ヨードコハク酸イミド(糖受容体の1.2倍モル量)、トリフルオロメタンスルホン酸(糖受容体の0.1倍モル量、及びモレキュラーシーブス3A(糖供与体及び糖受容体に対して0.5g/ミリモル)の存在下で行った。なお、糖供与体の濃度は10mL/ミリモルであり、反応は5時間行い、反応初期の温度を、−78℃とし、徐々に温度を上昇させ、反応終了時の温度を−30℃とした。得られた化合物(メチル[オクチル7-O-アセチル-5-アミノ-4-O,5-N-カルボニル-3,5-ジデオキシ-8-O-(メチル 7-O-アセチル-5-アミノ-9-O-ベンジル-4-O,5-N-カルボニル-8-O-クロロアセチル-3,5-ジデオキシ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシルオネート)-D-グリセロ-α-D- ガラクト-2-ノヌロピラノシド]オネート)は、下記式(24)で表わされる。反応の収率は94%であり、α体及びβ体の混合比(α/β)は87/13であった。
式(24)で表わされる化合物のNMRスペクトルは下記の通りであった。
[α]D 21 -6.33 (c 0.43, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.25-7.38 (m, 5H, aromatic), 5.46 (br-s, 1H, NH), 5.41 (m, 1H, H-8’), 5.39 (br-s, 1H, NH), 5.33 (dd, 1H, H-7’, J6’,7’= 1.4 Hz, J7’,8’= 10.1 Hz), 4.98 (dd, 1H, H-7, J6,7= 2.4 Hz, J7,8= 9.2 Hz), 4.61 (d, 1H, Bn, Jgem = 12.1 Hz), 4.39 (d, 1H, CH2Cl, Jgem= 15.5 Hz), 4.38 (d, 1H, Bn, Jgem = 12.1 Hz), 4.23 (dd, 1H, H-6’, J5’,6’ = 9.7 Hz, J6’,7’= 1.4 Hz), 4.18 (d, 1H, CH2Cl, Jgem= 15.5 Hz), 4.16 (m, 1H, H-8), 4.07 (dd, 1H, H-6, J5,6 = 9.7 Hz, J6,7 = 2.4 Hz), 3.93 (m, 1H, H-4), 3.92 (m, 1H, H-4’), 3.85 (s, 3H, OMe), 3.83 (m, 1H, H-9a ), 3.81 (s, 3H, OMe), 3.74 (m, 1H, OCH2 ), 3.70 (m, 1H, OH ), 3.52-3.59 (m, 2H, H-9a’, H-9b’), 3.40 (dd, 1H, H-9b, J 8,9b = 2.4 Hz, J gem = 9.7 Hz), 3.24 (dt, 1H, OCH2, J = 6.8 Hz, Jgem = 8.7 Hz), 3.08 (dd, 1H, H-5, J4,5= 10.6 Hz, J5,6 = 9.7 Hz), 3.02 (dd, 1H, H-5’, J4’,5’ = 12.6 Hz, J 5’,6’= 9.7 Hz), 3.01 (dd, 1H, H-3eq ), 2.92 (dd, 1H, H-3’eq., J3’eq.,4’= 3.9 Hz, Jgem= 12.1 Hz.), 2.15 (s, 3H, Ac), 2.09 (dd, 1H, H-3ax., J3ax.,4= 13.0 Hz, Jgem= 12.1 Hz), 2.08 (dd, 1H, H-3’ax., J3’ax.,4’= 13.0 Hz, Jgem= 12.1 Hz), 2.02 (s, 3H, Ac),1.54 (br-t, 2H, OCH2CH2), 1.28 (m, 10H, aliphatic), 0.88 (t, 3H, CH2CH3, J = 6.8 Hz) ; 13C NMR (100 MHz, CDCl3) d 171.4, 171.2, 169.5, 168.7, 166.7, 159.3, 159.2, 137.1, 128.6, 128.1x2, (100.2, 99.9 anomeric),76.6, 74.3, 74.0, 73.5, 71.0, 69.3, 68.6, 67.3x2, 65.5, 65.3, 57.9, 57.8, 53.6, 53.2, 41.5, 37.4, 37.1, 31.8, 29.5, 29.3, 29.2, 25.9, 22.7, 20.9, 20.7, 14.1;IR (KBr) 3527, 3399, 2924, 2856, 1742, 1376, 1023, 772 (cm-1); HRMS (ESI-TOF) Calcd for C43H59N2O20ClNa [M+Na]+ 981.3242, found 981.3242
Figure 0004992074
Figure 0004992074
実施例10
実施例9で得られた、式(24)で表わされる化合物のクロロアセチル基を除去した化合物(下記式(25))を糖受容体として用い、糖供与体の使用量を糖受容体の1.2倍モル量とし、N−ヨードコハク酸イミドの使用量を糖受容体の1.44倍モル量)、トリフルオロメタンスルホン酸の使用量を糖受容体の0.12倍モル量とした以外は実施例9と同様に操作を行い、シアル酸含有糖誘導体の製造を行った。得られた化合物(メチル[オクチル7-O-アセチル-5-アミノ-4-O,5-N-カルボニル-3,5-ジデオキシ-9-O-(メチル7-O-アセチル-5-アミノ-4-O,5-N-カルボニル-3,5-ジデオキシ-9-O-(メチル 7-O-アセチル-5-アミノ-9-O-ベンジル-4-O, 5-N-カルボニル-8-O-クロロアセチル-3,5-ジデオキシ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシルオネート)-D-グリセロ-a-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシルオネート)-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシド]オネート)は、下記式(26)で表わされる。反応の収率は83%であり、α体及びβ体の混合比(α/β)は95/5以上であった。
式(26)で表わされる化合物のNMRスペクトルは下記の通りであった。
[α]D 21 -8.35 (c 0.70, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.25-7.38 (m, 5H, aromatic), 5.48 (br-s, 1H, NH), 5.46 (br-s, 1H, NH), 5.41 (br-s, 1H, NH), 5.38 (m, 1H, H-8’’), 5.34 (dd, 1H, H-7’’, J6’’,7’’= 1.9 Hz, J7’’,8’’= 10.6 Hz), 5.07 (dd, 1H, H-7 or H-7’, J = 9.2 Hz, J = 1.9Hz), 5.00 (dd, 1H, H-7 or H-7’, J = 9.2 Hz, J = 1.9Hz), 4.61 (d, 1H, Bn, Jgem = 12.1 Hz), 4.39 (d, 1H, CH2Cl, Jgem = 15.0 Hz), 4.38 (d, 1H, Bn, Jgem= 12.1 Hz), 4.23 (dd, 1H, H-6’’, J5’’,6’’= 9.7 Hz, J6’’,7’’= 1.9 Hz), 4.10-4.19 (m, 3H, H-8, H-8’, CH2Cl), 4.05-4.08 (m, 2H, H-6, H-6’), 3.76-3.95 (m, 14H, H-4, H-4’, H-4’’, H-9a, H-9a’, OMe x3), 3.70 (dt, 1H, OCH2, J = 6.3 Hz, Jgem = 9.2 Hz), 3.64 (d, 1H, OH, J = 4.8 Hz ), 3.51-3.55 (m, 3H, H-9a’’, H-9b’, H-9b’’), 3.38 (dd, 1H, H-9b, J8,9b = 2.4 Hz, J gem = 10.6 Hz), 3.24 (dt, 1H, OCH2, J = 6.8 Hz, Jgem = 9.2 Hz), 2.99-3.12 (m, 5H, H-3eq., H-3’eq., H-5, H-5’, H-5’’), 2.91 (dd, 1H, H-3’’eq., J3’’eq.,4’’= 3.4 Hz, Jgem= 12.1 Hz.), 2.00-2.18 ( m, 12H, H-3ax., H-3’ax., H-3’’ax., Ac x3), 1.54 (br-t, 2H, OCH2CH2), 1.27 (m, 10H, aliphatic), 0.88 (t, 3H, CH2CH3, J = 4.3 Hz) ; 13C NMR (100 MHz, CDCl3) d 171.4, 171.3, 171.2, 169.6, 169.0, 168.6, 166.7, 159.3, 159.2x2, 137.1, 128.7, 128.2, 128.1, (100.2, 100.0x2, anomeric)76.6, 74.7, 74.4, 74.0, 73.5, 70.8x2, 69.2, 68.7, 67.4, 67.2, 65.3, 64.9, 57.9, 57.8, 53.8, 53.3, 41.5, 37.4, 37.0, 36.9, 31.9, 29.5, 29.3, 29.2, 25.9, 22.7, 21.0, 20.7, 14.2 ;IR (KBr) 3400, 2929, 1772, 1732, 743 (cm-1); HRMS (ESI-TOF) Calcd for C56H76N3O29ClNa[M+Na]+ 1312.4145, found 1312.4165
Figure 0004992074
Figure 0004992074
実施例11
実施例8で得られた、式(22)で表わされる化合物50.6mgをエタノール1mL及び水1mLの混合物に溶解し、水酸化リチウム一水和物44.8mgを加え、80℃で7時間反応させた。反応溶液の一部をサンプリングし、TLC(溶媒;クロロホルム/メタノール/水=3/6/1)を行って反応の終了を確認した。次いで、反応溶液を減圧下濃縮し、得られた濃縮物を逆相のシリカゲル(溶媒;メタノール/水=10/90)にて精製を行い、式(27)で表わされる化合物(オクチル5-アミノ-8-O-(5-アミノ-8-O-(5-アミノ-9-O-ベンジル-3,5-ジデオキシ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシロン酸)-9-O-ベンジル-3,5-ジデオキシ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシロン酸)-9-O-ベンジル-3,5-ジデオキシ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシロン酸)を得た(35.7mg、収率:87%)。
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ7.17-7.36 (m, 15H, aromatic), 4.50-4.67 (m, 6H, Bn ), 4.44 (br-ddd, 1H, H-8), 4.00 (m, 6H, H-4 or H-4’ or H-4’’, H-7, H-8’, H-8’’, H-9a, H-9b), 3.77-3.85 (m, 6H, H-6, H-6’, H-7’, H-9a’, H-9b’, H-9a’), 3.68 (dd, 1H, H-7’’, J6’’,7’’= 1.9 Hz, J7’’,8’’= 9.2 Hz) 3.61-3.65 (m, 2H, H-9b’’, OCH2), 3.52 (dd, 1H, H-6’’, J5’’,6’’= 10.1 Hz, J6’’,7’’ = 1.9 Hz), 3.33-3.48 (m, 2H, H’, H-4 or H-4’ or H-4’’, H-4 or H-4’ or H-4’’, OCH2 ) 2.97 (dd, 1H, H-3eq. or H-3’eq. or H-3’’eq., J = 4.8 Hz, J= 12.6 Hz) 2.73-2.78 (m, 3H, H-5, H-5’, H-5’’), 2.62 (dd, 1H, H-3eq. or H-3’eq. or H-3’’eq., J = 4.8 Hz, J = 12.6 Hz), 2.35 (dd, 1H, H-3eq. or H-3’eq. or H-3’’eq., J = 5.3 Hz, J = 13.0 Hz), 1.84 (dd, 1H, H-3ax. or H-3’ax. or J H-3’’ax., J = 11.6 Hz, J= 11.6 Hz ), 1.61 (dd, 1H, H-3ax. or H-3’ax. or J H-3’’ax., J = 12.1 Hz, J = 12.1 Hz ), 1.53 (dd, 1H, H-3ax. or H-3’ax. or J H-3’’ax., J = 11.6 Hz, J = 11.6 Hz ), 1.46 (br-t, 2H, OCH2CH2), 1.23-1.28 (m, 10H, aliphatic), 0.86 (t, 3H, CH2CH3, J = 6.8 Hz) ; 13C NMR (100 MHz, CD3OD) d 175.6, 175.0, 174.3, 140.4, 140.3, 140.2, 129.6, 129.5, 129.3, 129.2, 128.9, 128.8, 128.6, (104.6, 103.0, 102.8 anomeric), 77.5, 76.9, 76.6, 76.5x2, 75.0, 74.7, 74.6, 73.5, 73.3, 72.9, 72.4, 72.3, 72.2, 71.8, 70.8, 70.7, 70.4, 65.7, 55.7, 55.6, 54.6, 42.5, 42.2, 40.5, 33.3, 31.3, 31.0, 30.7, 27.6, 24.0, 14.7 IR (KBr) 3523, 2924, 1652, 1029, 736 (cm-1); HRMS (ESI-TOF) Calcd for C56H81N3O22Na[M+Na]+ 1170.5204, found 1170.5212
Figure 0004992074
実施例12
実施例11で得られた式(27)で表わされる化合物4.0mg、及び炭酸水素ナトリウム50mgを水(40μL)に溶解し、室温下においたまま、無水酢酸(100μL)を加えた。次いで、室温で3時間撹拌した。3時間撹拌した後、反応溶液の一部をサンプリングし、TLC(溶媒;クロロホルム/メタノール水=9:9:1)を行って反応の終了を確認した。次いで、次いで、減圧下で溶媒を除去した後、メタノール500μL及び水500μLを加えて残渣を溶解させ、ナトリウムメトキシド6.8mgを加えた。室温下で24時間反応させた後、減圧下で溶媒を除去し、ゲルろ過(LH20)を用いて精製を行い、式(28)で表わされる化合物(オクチル 5-アセトアミド-8-O-(5-アセトアミド-8-O-(5-アセトアミド-9-O-ベンジル-3,5-ジデオキシ-D-グリセロ -α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシロン酸)-9-O-ベンジル-3,5-ジデオキシ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2 -ノヌロピラノシロン酸)-9-O-ベンジル-3,5-ジデオキシ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシロン酸)を得た(4.6mg、収率:87%)。
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ7.20-7.38 (m, 15H, aromatic), 4.48-4.71 (m, 6H, Bn ), 4.45 (br-ddd, 1H, H-8), 4.38 (br-ddd, 1H, H-8’), 4.20 (dd, 1H, H-9a, J = 5.3 Hz, J = 10.6), 3.54-4.08 (m, 19H, H-4, H-4’, H-4’’, H-5, H-5’, H-5’’, H-6, H-6’, H-6’’, H-7, H-7’, H-7’’, H-8’’, H-9b, H-9a’’, H-9b’’, H-9a’’, H-9b’’, OCH2), 3.40 (m, 6H, H-6, H-6’, H-7’, H-9a’, H-9b’, H-9a’), 3.68 (dd, 1H, H-7’’, J6’’,7’’= 1.9 Hz, J7’’,8’’= 9.2 Hz) 3.61-3.65 (m, 2H, H-9b’’,), 3.52 (dd, 1H, H-6’’, J5’’,6’’= 10.1 Hz, J6’’,7’’ = 1.9 Hz), 3.33-3.48 (m, 2H, H’, H-4 or H-4’ or H-4’’, H-4 or H-4’ or H-4’’, OCH2 ), 3.40 (dt, 1H, OCH2, J = 6.8 Hz, Jgem = 8.7 Hz), 2.92 (dd, 1H, H-3eq. or H-3’eq. or H-3’’eq., J = 3.9 Hz, J = 12.6 Hz), 2.67 (dd, 1H, H-3eq. or H-3’eq. or H-3’’eq., J = 4.3 Hz, J = 12.1 Hz), 2.61 (dd, 1H, H-3eq. or H-3’eq. or H-3’’eq., J = 4.8 Hz, J= 12.1 Hz), 1.88, 1.95, 1.99 (3S, 9H, Ac), 1.86 (dd, 1H, H-3ax. or H-3’ax. or J H-3’’ax., J = 12.1 Hz, J = 12.1 Hz ), 1.75 (dd, 1H, H-3ax. or H-3’ax. or J H-3’’ax., J = 11.6 Hz, J = 11.1 Hz ), 1.60 (dd, 1H, H-3ax. or H-3’ax. or J H-3’’ax., J = 12.1 Hz, J = 12.1 Hz ), 1.50 (br-t, 2H, OCH2CH2), 1.26-1.31 (m, 10H, aliphatic), 0.87 (t, 3H, CH2CH3, J = 6.3 Hz) ; 13C NMR (100 MHz, CD3OD) d 175.4, 175.3, 175.2, 174.8x3, 140.2, 140.1, 139.8, 129.7, 129.6, 129.1, 129.0, 128.9, 128.8, 128.7, (103.5, 103.0, 102.5 anomeric), 76.1, 75.7, 74.8, 74.7, 74.6, 74.3, 73.2, 72.9, 71.3, 70.9, 70.3, 70.2, 70. 1, 69.5, 69.1, 66.1, 54.5x2, 54.3, 42,6, 42.1, 40.6, 33.3, 31.3, 31.0, 30.7, 27.5, 24.0, 23.6, 23.1, 23.0, 14.7IR (KBr) 3479, 2928, 2642, 2039, 755(cm-1); HRMS (ESI-TOF) Calcd for C62H87N3O25Na[M+Na]+ 1296.55211, found 1296.5516
Figure 0004992074
実施例13
実施例12で得られた、式(28)の化合物14.3mgを、メタノール1mL及び水1mLの混合溶液に溶解し、1気圧の水素の存在下に反応させた。反応溶液の一部をサンプリングし、TLC(溶媒;クロロホルム/メタノール/水=9:9:1)を行って反応の終了を確認した。次いで、減圧下で溶媒を除去し、得られた粗精製物をゲルろ過(LH20)を用いて精製を行い、式(29)で表わされる化合物(オクチル 5-アセトアミド-8-O-(5-アセトアミド-8-O-(5-アセトアミド-3,5-ジデオキシ-D-グリセロ-α
-D-ガラクト -2-ノヌロピラノシロン酸)-3,5-ジデオキシ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシロン酸)-3,5-ジデオキシ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシロン酸)を得た(8.7mg、収率:77%)。
Figure 0004992074
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ4.48-4.71 (m, 4H, ), 3.59-3.91 (m, 19H), 3.39 (dt, 1H, OCH2, J = 6.8 Hz, Jgem = 8.7 Hz), 2.75 (dd, 1H, H-3eq., J3eq.,4 = 4.3 Hz, Jgem= 12.1 Hz ), 2.65 (dd, 1H, H-3’eq., J3’eq.,4 = 4.3 Hz, Jgem= 12.1 Hz ), 2.61 (dd, 1H, H-3’’eq., J3’’eq.,4 = 4.3 Hz, Jgem= 12.1 Hz ), 2.04, 2.04, 2.08 (3S, 9H, Ac), 1.72 (dd, 1H, H-3ax., J3ax.,4 = 12.1 Hz, Jgem= 12.1 Hz), 1.70 (dd, 1H, H-3’ax., J3’ax.,4 ‘= 12.1 Hz, Jgem= 12.1 Hz), 1.57 (dd, 1H, H-3’’ax., J3’’ax.,4’’ = 12.6 Hz, Jgem= 12.1 Hz), 1.52 (br-t, 2H, OCH2CH2), 1.24-1.33 (m, 10H, aliphatic), 0.83 (t, 3H, CH2CH3, J = 6.3 Hz) ; 13C NMR (100 MHz, CD3OD) d 174.8x2, 174.7, 173.3, 173.2, 172.9 (101.0, 100.9, 100.2 anomeric), 78.1, 77.9, 73.5, 73.4, 72.5, 71.5, 69.3, 69.2, 68.3, 68.1, 68.0, 64.9, 62.5, 61.3, 61.2, 52.3, 52.2, 51.6, 40.3x2. 30.9, 28.8, 28.1, 25.0, 22.2x2, 21.9, 21.8x2, 13.2 IR (KBr) 3542, 2927, 1655, 1034 (cm-1); HRMS (ESI-TOF) Calcd for C41H69N3O25Na[M+Na]+ 1026.4112, found 1026.4155

Claims (5)

  1. 下記一般式(2)で表わされるシアル酸誘導体。
    Figure 0004992074
    (上記一般式(2)において、R、ハロゲン原子、又はSRであり、Rは、置換されていてもよいアルキル基、ベンジル基、フェニル基であり、R、R及びRは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アシル基、ベンジル基、アリル基、クロロアセチル基、又はアセタール基であり、Rは水素又はアルキル基であり、R10はアルキレン基又はケトン基であり、Rは置換されていてもよいアルキル基、ベンジル基、フェニル基、又はヘテロ環基である。)
  2. 下記式一般式(3)で表わされる、請求項1に記載のシアル酸誘導体。
    Figure 0004992074
    (上記一般式(3)において、R、ハロゲン原子、又はSRであり、Rは、置換されていてもよいアルキル基、ベンジル基、フェニル基であり、R、R及びRは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アシル基、ベンジル基、アリル基、クロロアセチル基、又はアセタール基であり、Rは置換されていてもよいアルキル基、ベンジル基、フェニル基、又はヘテロ環基である。)
  3. 請求項1又は2に記載のシアル酸誘導体を、糖誘導体と反応させる工程を有する、シアル酸含有糖誘導体の製造方法。
  4. 糖誘導体が、下記一般式(5)で表わされる、請求項3に記載のシアル酸含有糖誘導体の製造方法。
    Figure 0004992074
    (上記一般式(5)において、R、R及びRは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アシル基、ベンジル基、アリル基、クロロアセチル基、又はアセタール基であり、Rは水素又はアルキル基であり、R10はアルキレン基又はケトン基であり、R11は、置換されていてもよいアルキル基、ベンジル基、フェニル基であり、R12は、置換されていてもよいアルキル基、又は糖鎖である。)
  5. 糖誘導体が、下記一般式(6)で表わされる、請求項3に記載のシアル酸含有糖誘導体の製造方法。
    Figure 0004992074
    (上記一般式(6)において、R、R及びRは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アシル基、ベンジル基、アリル基、クロロアセチル基、又はアセタール基であり、R11は、置換されていてもよいアルキル基、ベンジル基、フェニル基であり、R12は、置換されていてもよいアルキル基、又は糖鎖である。)

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