JP2014043202A - 車両カウル部の遮音構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】シール部材の捲れを抑制しつつ遮音効果を高くする。
【解決手段】車両10では、シール部材50が、カウルパネル20上に配置されて、ウィンドシールドガラス12に当接されているため、カウルパネル20自体を透過する音a及びウィンドシールドガラス12とカウルパネル20との間から車室16内へ漏れる音bがシール部材50によって遮音される。また、シール部材50が、重合部28の後端を覆うと共に、ダッシュインシュレータ32の上端部に当接されているため、重合部28において仮に微小な隙間があっても、エンジンルーム14から当該隙間を通過する音cがシール部材50によって遮音され、エンジンルーム14から車室16への音漏れの経路が形成されることが抑制される。しかも、シール部材50が、インパネ36とカウルパネル20とで狭持されているため、インパネ36によってシール部材50が捲れることが抑制される。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両カウル部の遮音構造に関する。
下記の特許文献1の図9に記載された自動車のカウル部遮音構造(以下、第1の構造という)では、カウルとダッシュパネルとが重ね合わされた部分を跨ぐようにインシュレータ(ダッシュインシュレータ)が設けられている。これにより、第1の構造では、この重ね合わされた部分におけるカウルとダッシュパネルとの間の微小隙間からエンジンルーム内の音が車室側へ漏れることが、インシュレータによって抑制される。
また、下記の特許文献1の図5に記載された自動車のカウル部遮音構造(以下、第2の構造という)では、インシュレータが、カウルに設けられたインシュレータと、ダッシュパネルに設けられたインシュレータと、に分割されている。これにより、第2の構造では、カウルとダッシュパネルとが重ね合わされた部分にインシュレータを跨ぐように配置する必要がないため、インシュレータの組付性を向上できるというメリットがある。
特開2006−168405号公報
しかしながら、上記第1の構造では、カウルとダッシュパネルとが重ね合わされた部分を跨ぐようにインシュレータが設けられているため、例えばインシュレータに作用する張力によってインシュレータの先端部(前端部)が捲れるという問題がある。このため、インシュレータの先端部とインストルメントパネルとの間にウレタン部材を設けて、インシュレータの先端部の捲れを抑制している。
また、上記第2の構造では、上述したようにインシュレータを組付ける際の組付性を向上できるというメリットはあるが、カウルとダッシュパネルとが重ね合わされた部分におけるカウルとダッシュパネルとの間の微小隙間からエンジンルーム内の音が車室側へ漏れるという問題がある。
本発明は、上記事実を考慮し、シール部材の捲れを抑制しつつ遮音効果を高くできる車両カウル部の遮音構造を提供することを目的とする。
請求項1に記載の車両カウル部の遮音構造は、ウィンドシールドガラスの下縁に沿って車両幅方向に延びるカウルと、エンジンルームと車室とを区画すると共に、上端部が前記カウルの後端部と板厚方向に重ね合わされたダッシュパネルと、前記カウルと前記ダッシュパネルとが重ね合わされた部分よりも車両下側に配置され、前記ダッシュパネルの後面を覆うように前記ダッシュパネルに組付けられたダッシュインシュレータと、前記カウル上に配置されると共に、前端部が前記ウィンドシールドガラスに当接された状態でインストルメントパネルと前記カウルとで狭持され、後端部が前記ダッシュパネルと前記カウルとが重ね合わされた端部を覆うと共に前記ダッシュインシュレータの上端部に当接されたシール部材と、を備えている。
請求項1に記載の車両カウル部の遮音構造では、ウィンドシールドガラスの下縁に沿ってカウルが車両幅方向に延びている。このカウルの後端部には、ダッシュパネルの上端部が板厚方向に重ね合わされて、このダッシュパネルによってエンジンルームと車室内とが区画されている。また、ダッシュパネルの後面を覆うようにダッシュインシュレータがダッシュパネルに組付けられており、ダッシュインシュレータは、カウルとダッシュパネルとが重ね合わされた部分よりも車両下側に配置されている。
ここで、カウル上にシール部材が配置されている。すなわち、ダッシュインシュレータとは別にシール部材がカウル上に設けられている。これにより、エンジンルームからカウル自体を透過する音がシール部材によって遮音される。
また、シール部材の前端部が、ウィンドシールドガラスに当接されている。このため、ウィンドシールドガラスとカウルとの間がシール部材によってシールされて、ウィンドシールドガラスとカウルとの間から車室内へ漏れる音がシール部材によって遮音される。しかも、上述したように、ダッシュインシュレータとは別にシール部材がカウル上に設けられており、シール部材の前端部が、インストルメントパネルとカウルとで狭持されている。このため、インストルメントパネルによってシール部材の先端が捲れることが抑制される。
さらに、ダッシュパネルとカウルとが重ね合わされた端部をシール部材の後端部が覆っている。これにより、この重ね合わされた端部がシール部材によってシールされる。このため、ダッシュパネルとカウルとが重ね合わされた部分においてダッシュパネルとカウルとの間に仮に微小な隙間があっても、エンジンルームから当該隙間を通過する音がシール部材によって遮音される。しかも、シール部材の後端部がダッシュインシュレータの上端部に当接されているため、カウル及びダッシュパネルを車両後側からシール部材及びダッシュインシュレータで覆う構造にできる。これにより、エンジンルームから車室内への音漏れの経路が形成されることが抑制される。以上により、シール部材のカウルからの捲れを抑制しつつ遮音効果を高くできる。
請求項2に記載の車両カウル部の遮音構造は、請求項1に記載の車両カウル部の遮音構造において、前記カウルと前記ダッシュパネルとが重ね合わされた部分には、車両後側へ突出されると共に前記インストルメントパネルが固定される固定部が形成され、前記シール部材には、前記固定部が挿通される挿通溝と前記固定部を露出させる露出部が形成されている。
請求項2に記載の車両カウル部の遮音構造では、カウルとダッシュパネルとが重ね合わされた部分に、車両後側へ突出された固定部が形成されている。この固定部は、シール部材の挿通溝内に挿通されて、シール部材の露出部において露出されており、固定部にインストルメントパネルが固定されている。これにより、カウルとダッシュパネルとが重ね合わされた部分をシール部材によって覆っても、露出部によって露出された重ね合わされた部分にインストルメントパネルを固定できる。このため、車両における遮音効果を維持しつつ、インストルメントパネルを車体(カウル及びダッシュパネル)に固定できる。
請求項3に記載の車両カウル部の遮音構造は、請求項2に記載の車両カウル部の遮音構造において、前記固定部の幅方向両端部が前記挿通溝に当接されている。
請求項3に記載の車両カウル部の遮音構造では、固定部の幅方向両端部が前記挿通溝に当接されているため、カウルとダッシュパネルとが重ね合わされた部分をシール部材に密着させた状態でシール部材をカウル及びダッシュパネルに組付けできる。これにより、カウルとダッシュパネルとが重ね合わされた部におけるシール部材の遮音性能を一層高くすることができる。
請求項1に記載の車両カウル部の遮音構造によれば、シール部材の捲れを抑制しつつ遮音効果を高くできる。
請求項2に記載の車両カウル部の遮音構造によれば、車両における遮音効果を維持しつつ、インストルメントパネルを固定できる。
請求項3に記載の車両カウル部の遮音構造によれば、カウルとダッシュパネルとが重ね合わされた部におけるシール部材の遮音性能を一層高くすることができる。
本実施の形態に係る車両カウル部の遮音構造Sが適用された車両の要部を示す車両左側から見た断面図(図3の1−1線位置における断面図)である。 図1に示されるシール部材の露出部を示す車両左側から見た断面図(図3の2−2線位置における断面図)である。 図1に示されるシール部材を示す車両左斜め後方から見た斜視図である。 図1に示される車両の遮音特性と比較例の車両の遮音特性とを示すグラフである。
図1には、本実施の形態に係る車両カウル部の遮音構造Sが適用された車両10の要部が車両左側から見た断面部にて示されている。なお、図面では、車両前方を矢印FRで示し、車両左方(車両幅方向一方側)を矢印LHで示し、車両上方を矢印UPで示す。
車両10は、ウィンドシールドガラス12の下縁に沿って車両幅方向に延びる「カウル」としてのカウルパネル20と、エンジンルーム14と車室16との間を区画するダッシュパネル24と、ダッシュパネル24の後面を覆うダッシュインシュレータ32と、カウルパネル20及びダッシュパネル24を車室16側から覆うように配置されたインストルメントパネル(以下、単に「インパネ」という)36と、シール部材50と、を含んで構成されている。以下、それぞれの構成について説明する。
カウルパネル20は、板金により製作されている。このカウルパネル20は、側面視で車両下方へ開放された略V字形状に形成されて、車両幅方向に沿って配置されている。そして、カウルパネル20の前端部は、ウィンドシールドガラス12と略平行になるように配置されている。また、カウルパネル20の後端部には、カウル側フランジ部22が一体に形成されており、カウル側フランジ部22は板厚方向を車両上下方向にして車両後側へ屈曲されている。
ダッシュパネル24は、板金により製作されて、板厚方向を略車両前後方向にしてカウルパネル20の車両下側に配置されている。このダッシュパネル24の上端部には、ダッシュ側フランジ部26が一体に形成されており、ダッシュ側フランジ部26は、車両後側へ屈曲されて、カウル側フランジ部22と平行に配置されている。また、ダッシュ側フランジ部26の後端面とカウル側フランジ部22の後端面とは、平面視で面一になるように配置されている。そして、ダッシュ側フランジ部26は、スポット溶接等によってカウル側フランジ部22に結合されており、カウルパネル20とダッシュパネル24とが重ね合わされる部分が、重合部28とされている。
また、図2に示されるように、ダッシュ側フランジ部26の後端部には、後述するインパネ36を固定するための複数(本実施の形態では5つ)の固定片30が一体に形成されている。この固定片30は、平面視で略台形状に形成されて(図3参照)、ダッシュ側フランジ部26における重合部28よりも車両後側へ突出されている。
図1及び図2に示されるように、ダッシュインシュレータ32は、ダッシュパネル24の後面を覆うようにダッシュパネル24に組付けられて、遮音材として用いられている。ダッシュインシュレータ32の上端部は、重合部28の車両下側の位置において、車両幅方向に沿って配置されて、ダッシュインシュレータ32の上端部における後面が、重合部28の後端と面一になるように配置されている(図1参照)。
さらに、図2に示されるように、ダッシュインシュレータ32の上端部には、前述した固定片30に対応する位置において、車両後側へ開放された凹部34が形成されており、後述するインパネ36を固定片30に固定するためのクリップ40とダッシュインシュレータ32との干渉が当該凹部34によって抑制されるように構成されている。
インパネ36は、樹脂により製作されて、車室16の車両前側部分に配置されている。このインパネ36には、インパネ36に取付けられた内装部材38を介してクリップ40が組付けられている。このクリップ40の車両前側部分には、一対の狭持部42が車両上下方向に並んで形成されており、この狭持部42の間に固定片30が挿入されて、インパネ36がダッシュパネル24に固定されている。なお、クリップ40は、インパネ36に直接組付けられていてもよい。
また、インパネ36の前端部36Aは、側面視でウィンドシールドガラス12と略平行に屈曲されると共に、カウルパネル20の車両上側にカウルパネル20から離間して配置されている。
次に、本発明の要部であるシール部材50について説明する。
図1及び図3に示されるように、シール部材50は、ウレタン等の発泡材によって製作されて、車両幅方向に沿って配置されている。このシール部材50は、シール部材50の車両前側部分を構成する前側シール部52と、シール部材50の車両後側部分を構成する後側シール部54と、を含んで構成されている。
前側シール部52は、略長尺板状に形成されて、板厚方向を車両上下方向にして車両幅方向に沿って配置されている。この前側シール部52は、カウル側フランジ部22を含むカウルパネル20上に配置(載置)されている。そして、図1に示されるように、前側シール部52の下面における車両前側部分は、側面視で車両前方へ向かうに従い車両上方へ傾斜して配置されると共に、カウルパネル20の車両前後方向中間部と平行に配置されている。また、前側シール部52の下面における車両後側部分は、車両上下方向に対して直交する方向に沿って配置されて、カウル側フランジ部22と平行に配置されている。これにより、前側シール部52がカウルパネル20に密着された状態でカウルパネル20上に配置(載置)されている。
前側シール部52の車両前側端部には、当接部56が一体に形成されている。この当接部56は、側面視で略矩形状に形成されて、車両幅方向に沿って延びている。そして、当接部56は、側面視で前側シール部52から車両前斜め上方へ突出されており、当接部56の先端がウィンドシールドガラス12に当接されている。また、当接部56の先端面は、ウィンドシールドガラス12と平行に配置されており、当接部56がウィンドシールドガラス12側へ押圧されて、当接部56の先端面がウィンドシールドガラス12に密着されている。なお、図1及び図2では、当接部56がウィンドシールドガラス12に押圧される前の状態を示している。
また、当接部56の根元部には、カウルパネル20とは反対側の位置において、前述したインパネ36の前端部36Aが当接されて、シール部材50の前端部がインパネ36とカウルパネル20とで狭持されている。これにより、インパネ36によってシール部材50の捲れが抑制されるように構成されている。
後側シール部54は、側面視で矩形状に形成されており、後側シール部54の上端部が前側シール部52の後端部に一体にされて、後側シール部54の下端部が前側シール部52よりも車両下側に配置されている。そして、後側シール部54の前面が、重合部28の後端及びダッシュインシュレータ32の上端部における後面と当接されている。すなわち、車両前方から見て後側シール部54とダッシュインシュレータ32の上端部とがオーバーラップしている。これにより、重合部28の後端(すなわち、カウル側フランジ部22とダッシュ側フランジ部26との合わせ目)がシール部材50(後側シール部54)によってシールされると共に、重合部28とダッシュインシュレータ32の上端部との間がシール部材50(後側シール部54)によってシールされている。換言すると、カウルパネル20及びダッシュパネル24が、ダッシュインシュレータ32及びシール部材50によって車両後側から覆われるような構造にされている。
さらに、図2及び図3に示されるように、シール部材50の車両後側の角部には、前述したダッシュパネル24の固定片30に対応する位置において、車両上方及び車両後方へ開放された露出部58が形成されている。この露出部58の車両下側部分は車両前後方向に貫通されており、この貫通された部分が開口孔60とされている。
また、シール部材50には、各開口孔60の車両幅方向外側において、一対の「挿通溝」としてのスリット62(図3参照)が形成されている。スリット62は、車両前後方向に沿って貫通されると共に、開口孔60側へ開放されて開口孔60と連通されている。そして、スリット62の車両上下方向の溝幅寸法は、固定片30の板厚寸法に比して僅かに大きく設定されており、スリット62内に固定片30が挿入されて、固定片30の一部が露出部58から露出されると共に、露出部58内に前述したクリップ40が配置されている。また、この状態では、固定片30の車両幅方向外側の端部がスリット62の車両幅方向外側面に当接されている(突き当てられている)。
さらに、露出部58の車両上側部分における底面58A(図3参照)は、前述したクリップ40の狭持部42に対応して、側面視で車両前方へ向かうに従い車両上方へ傾斜して配置されている。これにより、露出部58とクリップ40との間の干渉が抑制されるように設定されている。
次に、本実施の形態の作用及び効果について説明する。
上記のように構成された車両10では、エンジンルーム14と車室16とはダッシュパネル24によって区画されており、ダッシュパネル24のダッシュ側フランジ部26とカウルパネル20のカウル側フランジ部22とが板厚方向に重ね合わされて結合されている。また、ダッシュパネル24の後面は、遮音材として用いられるダッシュインシュレータ32によって覆われている。
そして、車両前側からダッシュパネル24の固定片30をシール部材50のスリット62内に挿入させつつ、シール部材50がカウルパネル20上に組付けられる。さらに、カウルパネル20及びダッシュパネル24を覆うようにインパネ36が車両後側から組付けられて、インパネ36の前端部36がシール部材50に当接される。この際には、インパネ36や内装部材38によってシール部材50が車両前側へ押し込まれて、シール部材50の後側シール部54が、ダッシュパネル24とカウルパネル20との重合部28の後端に当接される(突き当てられる)と共に、ダッシュインシュレータ32の上端部に当接される(突き当てられる)。
ここで、シール部材50の前側シール部52がカウルパネル20に密着された状態で、シール部材50がカウルパネル20上に配置されている。すなわち、ダッシュインシュレータ32とは別にシール部材50がカウルパネル20上に設けられている。これにより、エンジンルーム14からカウルパネル20自体を透過する音a(図1に示される矢印a参照)がシール部材50によって遮音される。
また、シール部材50の前端部には当接部56が形成されており、当接部56がウィンドシールドガラス12に密着された状態で当接されている。このため、ウィンドシールドガラス12とカウルパネル20との間がシール部材50(当接部56)によってシールされて、ウィンドシールドガラス12とカウルパネル20との間から車室16内へ漏れる音b(図1に示される矢印b参照)がシール部材50によって遮音される。
しかも、上述したように、ダッシュインシュレータ32とは別にシール部材50がカウルパネル20上に設けられており、シール部材50における当接部56の根元部が、インパネ36の前端部36Aとカウルパネル20とで狭持されている。このため、インパネ36によってシール部材50の先端がカウルパネル20から捲れることが抑制される。
さらに、ダッシュパネル24とカウルパネル20との重合部28の後端がシール部材50の後側シール部54によって覆われている。これにより、この重合部28の後端がシール部材50によってシールされるため、重合部28においてダッシュパネル24とカウルパネル20との間に仮に微小な隙間があっても、エンジンルーム14から当該隙間を通過する音c(図1に示される矢印c参照)がシール部材50によって遮音される。
しかも、シール部材50の後側シール部54がダッシュインシュレータ32の上端部における後面に当接されている。このため、カウルパネル20及びダッシュパネル24を車両後側からシール部材50及びダッシュインシュレータ32で覆う構造にできる。これにより、エンジンルーム14から車室16への音漏れの経路(例えば、図1に示される矢印dのような経路)が形成されることが抑制される。
このように、車両10においてシール部材50を用いることで、車両10におけるエンジンルーム14から車室16への音漏れを遮音できる。この点について、図4に示されるグラフを用いて比較例と対比した一例を説明する。図4に示される実線は、本実施の形態における車両10の遮音特性を示し、図4に示される点線は、比較例における車両の遮音特性を示す。この比較例の車両では、本実施の形態の車両10からシール部材50が省略されると共に、インパネ36の前端部36Aとウィンドシールドガラス12との間に別の遮音材が追加されている。また、この図に示されるグラフでは、エンジンルーム14内に対する車室16内の遮音効果を周波数毎に示しており、横軸が音の周波数(Hz)を示し、縦軸が遮音効果としてdBで示されている。つまり、このグラフでは、縦軸が高くなるほど、エンジンルーム14内に対する車室16内の遮音効果が高くなるように示されている。そして、この図に示されるように、本実施の形態における車両10は、比較例の車両と比較して、1000Hzの音に対して約12dBの改善効果が得られ、2000Hzの音に対して約8dBの改善効果が得られる。
以上により、ダッシュインシュレータ32とは別のシール部材50用いることで、シール部材50のカウルパネル20からの捲れを抑制しつつ遮音効果を高くできる。
また、ダッシュパネル24のダッシュ側フランジ部26には、車両後側へ突出された固定片30が形成されている。この固定片30は、シール部材50のスリット62内に挿通されて、シール部材50の露出部58において露出されており、固定片30にインパネ36がクリップ40を介して固定されている。これにより、カウルパネル20とダッシュパネル24との重合部28をシール部材50によって覆っても、露出部58によって露出された固定片30にインパネ36を固定できる。このため、車両10における遮音効果を維持しつつ、インパネ36を車体(カウルパネル20及びダッシュパネル24)に固定できる。
さらに、固定片30の幅方向両端部がスリット62の車両幅方向外側面に当接されているため、ダッシュパネル24(ダッシュ側フランジ部26)をシール部材50に密着させた状態でシール部材50をダッシュパネル24に組付けできる。これにより、カウルパネル20とダッシュパネル24との重合部28におけるシール部材50の遮音性能を一層高くすることができる。
なお、本実施の形態では、シール部材50はウレタン等の発泡材により製作されているが、シール部材50の材料はこれに限らない。例えば、フェルト材によってシール部材50を製作してもよい。すなわち、シール部材50を弾性及び遮音性を有する材料で製作してもよい。
また、本実施の形態では、ダッシュパネル24のダッシュ側フランジ部26に固定片30が形成されている。これに替えて、カウルパネル20のカウル側フランジ部22に固定片30を形成してもよい。また、カウルパネル20とダッシュパネル24との重合部28に固定片30を形成してもよい。この場合には、シール部材50のスリット62の車両上下方向の溝幅寸法が固定片30の板厚に合わせて設定される。そして、重合部28に固定片30が形成する場合には、シール部材50のスリット62の部位で重合部28が密着されるため、重合部28におけるシール部材50の遮音性能をより一層高くすることができる。
さらに、本実施の形態では、インパネ36の前端部36Aが、シール部材50における当接部56の根元部に当接されて、シール部材50の捲れが抑制されているが、インパネ36の前端部36Aがシール部材50に当接される部位はこれに限らない。例えば、インパネ36の前端部36Aがシール部材50の前側シール部52に当接されてもよい。つまり、シール部材50の捲れを抑制できるようにインパネ36の前端部36Aがシール部材50に当接されていればよい。
12 ウィンドシールドガラス
14 エンジンルーム
16 車室
20 カウルパネル(カウル)
24 ダッシュパネル
30 固定片(固定部)
32 ダッシュインシュレータ
36 インストルメントパネル
36A 前端部
50 シール部材
58 露出部
62 スリット(挿通溝)
S 車両カウル部の遮音構造

Claims (3)

  1. ウィンドシールドガラスの下縁に沿って車両幅方向に延びるカウルと、
    エンジンルームと車室とを区画すると共に、上端部が前記カウルの後端部と板厚方向に重ね合わされたダッシュパネルと、
    前記カウルと前記ダッシュパネルとが重ね合わされた部分よりも車両下側に配置され、前記ダッシュパネルの後面を覆うように前記ダッシュパネルに組付けられたダッシュインシュレータと、
    前記カウル上に配置されると共に、前端部が前記ウィンドシールドガラスに当接された状態でインストルメントパネルと前記カウルとで狭持され、後端部が前記ダッシュパネルと前記カウルとが重ね合わされた端部を覆うと共に前記ダッシュインシュレータの上端部に当接されたシール部材と、
    を備えた車両カウル部の遮音構造。
  2. 前記カウルと前記ダッシュパネルとが重ね合わされた部分には、車両後側へ突出されると共に前記インストルメントパネルが固定される固定部が形成され、
    前記シール部材には、前記固定部が挿通される挿通溝と前記固定部を露出させる露出部が形成された請求項1に記載の車両カウル部の遮音構造。
  3. 前記固定部の幅方向両端部が前記挿通溝に当接された請求項2に記載の車両カウル部の遮音構造。
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