JP2014041263A - 偏光板、偏光板の製造方法および液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温高湿下における寸法変化が少なく、かつセルロースエステルフィルムなどの透明フィルムと偏光子との接着性が高い偏光板とその製造方法を提供する。
【解決手段】偏光子と、前記偏光子の少なくとも一方の面に配置された透明フィルムと、前記偏光子と前記透明フィルムとの間に配置された活性エネルギー線硬化型接着剤の硬化物層と、を含み、前記透明フィルムの前記硬化物層が配置される表層は、アセチル基の置換度をAとし、炭素数3以上のアシル基の置換度をBとしたとき、下記式(a−1)および下記式(b−1)を満たすセルロースエステルを主成分として含む、偏光板。
0≦A<2.6 …(a−1)
0≦A+B<2.6 …(b−1)
【選択図】図1

Description

本発明は、偏光板、偏光板の製造方法および液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、通常、液晶セルと、それを挟持する一対の偏光板とを有する。偏光板は、偏光子と、それを挟持する一対の保護フィルムとを有する。
偏光板を構成する偏光子としては、透過率および偏光度が高いことから、例えば、ヨウ素を吸着させたポリビニルアルコールフィルムを延伸して得られるヨウ素系偏光子が広く用いられている。
偏光板は、一般的に、偏光子と保護フィルムとを、ポリビニルアルコール系化合物を水に溶かした水系接着剤を介して貼り合わせて得られる。このような水系接着剤とともに用いられる保護フィルムとしては、セルロースエステルフィルムが好ましく用いられている。セルロースエステルフィルムは、水蒸気透過性が高いだけでなく、アルカリ水溶液に浸漬することでフィルム表面を鹸化処理し、親水化することで、偏光子と良好に接着させうるからである。
しかしながら、水系接着剤を用いた偏光板の製造方法では、偏光子と透明フィルムとを貼り合わせた後に、水系接着剤に含まれる水分などを除去する乾燥工程が必要となる。偏光板の製造工程に乾燥工程が含まれると、偏光板の生産性を向上させる上で好ましくない。
また、水系接着剤を用いて製造された偏光板は、高温や、高温高湿度下では、寸法変化が大きいなどの問題があった。特に、薄型で大画面の液晶表示装置では、水系接着剤を用いて製造された偏光板は、バックライトの熱や気温などにより寸法変化しやすい。それにより、液晶表示装置の画面の一部に光抜けが生じ、表示ムラが生じるという問題がある。
これらのことから、水系接着剤の代わりに、活性エネルギー線硬化型の接着剤(特に紫外線硬化型の接着剤)を用いることが提案されている。例えば、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート等のアクリルオリゴマーを、アクリル又はメタクリル系モノマーで希釈した紫外線硬化型接着剤が提案されている(特許文献1)。また、良好な接着性を有する活性エネルギー線硬化型の接着剤として、ウレタン(メタ)アクリレート、ヒドロキシ(メタ)アクリレート、およびアクリルアミド誘導体を含有する接着剤が提案されている(特許文献2)。さらに、良好な接着性と耐水性とを有する活性エネルギー線硬化型の接着剤として、特定の単官能性モノマーと、(メタ)アクリルアミド基を有する多官能性モノマーとを含む接着剤などが提案されている(特許文献3〜5)。
また、透明フィルムの、活性エネルギー線硬化型の接着剤層が配置される面に「易接着層」を設けることが提案されている(特許文献6)。
特開昭61−246719号公報 特開2007−177169号公報 特開2010−077199号公報 特開2010−078699号公報 特開2010−078700号公報 特開2009−98623号公報
しかしながら、特許文献1〜5に示されるような硬化型の接着剤は、ノルボルネン系樹脂フィルムやアクリル系樹脂フィルムと偏光子との貼り合わせでは良好な接着性を示すものの、セルロースエステルフィルムと偏光子との貼り合わせでは、必ずしも良好な接着性を示すものではなかった。
一方、特許文献6に示される方法は、セルロースエステルフィルムと偏光子との貼り合わせでも比較的良好な接着性を示すと考えられる。しかしながら、透明フィルム上に易接着層を設ける工程を新たに行う必要があり、偏光板の製造工程が煩雑になるだけでなく、材料コストも高くなりやすい。また、易接着層を有する偏光板を含む液晶表示装置は、易接着層を有しない偏光板を含む液晶表示装置と比べて、コントラストが低くなりやすいという問題があった。
このように、高温高湿下における偏光板の寸法変化を抑制でき、かつ易接着層などを設けなくても、セルロースエステルフィルムと偏光子とを良好に接着させる方法が求められている。特に、セルロースエステルフィルムは、保護フィルムとしてはもちろん、位相差フィルムとしても多用されている。そのため、材料コストや製造コストを高めることなく、セルロースエステルフィルムと偏光子とを活性エネルギー線硬化型接着剤により良好に接着できることが求められている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、高温高湿下における寸法変化が少なく、かつセルロースエステルフィルムなどの透明フィルムと偏光子との接着性が高い偏光板とその製造方法を提供することを目的とする。さらに、偏光板の寸法変化に起因する表示ムラが抑制された液晶表示装置を提供することを目的とする。
[1] 偏光子と、前記偏光子の少なくとも一方の面に配置された透明フィルムと、前記偏光子と前記透明フィルムとの間に配置された活性エネルギー線硬化型接着剤の硬化物層と、を含み、前記透明フィルムの前記硬化物層が配置される表層は、アセチル基の置換度をAとし、炭素数3以上のアシル基の置換度をBとしたとき、下記式(a−1)および下記式(b−1)を満たすセルロースエステルを主成分として含む、偏光板。
0≦A<2.6 …(a−1)
0≦A+B<2.6 …(b−1)
[2] 前記透明フィルムは、単層のセルロースエステルフィルムである、[1]に記載の偏光板。
[3] 前記透明フィルムは、前記式(a−1)および前記式(b−1)を満たすセルロースエステルを主成分として含む単層のセルロースエステルフィルムである、[2]に記載の偏光板。
[4] 前記透明フィルムは、下記式(a−2)および下記式(b−2)を満たすセルロースエステルを主成分として含むセルロースエステルフィルムの表層を構成するセルロースエステルのアセチル基の置換度Aまたは炭素数3以上のアシル基の置換度Bを低下させて、前記表層を構成するセルロースエステルのアセチル基の置換度Aおよび炭素数3以上のアシル基の置換度Bが前記式(a−1)および式(b−1)を満たすように前記セルロースエステルフィルムを表面処理したものである、[2]に記載の偏光板。
0≦A<3.0 …(a−2)
0≦A+B<3.0 …(b−2)
[5] 前記表面処理は、鹸化処理またはプラズマ処理である、[4]に記載の偏光板。
[6] 前記透明フィルムは、積層フィルムであって、前記積層フィルムの、前記活性エネルギー線硬化型接着剤の硬化物層が配置される表層が、前記式(a−1)および前記式(b−1)を満たすセルロースエステルを主成分として含む、[1]に記載の偏光板。
[7] 前記表層に含まれるセルロースエステルは、下記式(a−3)をさらに満たす、[1]〜[6]のいずれかに記載の偏光板。
1.5≦A<2.5 …(a−3)
[8] 前記活性エネルギー線硬化型接着剤は、(メタ)アクリロイル基を含む化合物を少なくとも一種類以上含む、[1]〜[7]のいずれかに記載の偏光板。
[9] 前記活性エネルギー線硬化型接着剤は、N置換(メタ)アクリルアミド系化合物と、(メタ)アクリレート系化合物とを含む、[1]〜[8]のいずれかに記載の偏光板。
[10] 前記活性エネルギー線硬化型接着剤に含まれる硬化性化合物の合計に対して、前記N置換(メタ)アクリルアミド系化合物の含有量は25〜99質量%であり、かつ前記(メタ)アクリレート系化合物の含有量は1〜75質量%である、[9]に記載の偏光板。
[11] 前記活性エネルギー線硬化型接着剤の硬化物層の厚みは、10μm以下である、[1]〜[10]のいずれかに記載の偏光板。
[12] [1]〜[11]のいずれかに記載の偏光板を含む、液晶表示装置。
[13] [1]〜[11]のいずれかに記載の偏光板の製造方法であって、アセチル基の置換度をAとし、炭素数3以上のアシル基の置換度をBとしたとき、下記式(a−1)および下記式(b−1)を満たすセルロースエステルを主成分として含む表層を有する透明フィルムを得る工程と、
0≦A<2.6 …(a−1)
0≦A+B<2.6 …(b−1)
前記透明フィルムの前記表層上に、活性エネルギー線硬化型接着剤を塗布して、接着剤層を得る工程と、前記透明フィルムと前記偏光子とを前記接着剤層を介して積層して積層物を得る工程と、前記積層物に活性エネルギー線を照射して、前記接着剤層を硬化させて硬化物層を得る工程と、を含む、偏光板の製造方法。
[14] 前記透明フィルムは、単層のセルロースエステルフィルムであって、
前記透明フィルムを得る工程は、下記式(a−2)および下記式(b−2)を満たすセルロースエステルを主成分として含むセルロースエステルフィルムの表層を構成するセルロースエステルのアセチル基の置換度Aまたは炭素数3以上のアシル基の置換度Bを低下させて、前記表層を構成するセルロースエステルのアセチル基の置換度Aおよび炭素数3以上のアシル基の置換度Bが前記式(a−1)および式(b−1)を満たすように前記セルロースエステルフィルムを表面処理して前記透明フィルムを得る工程を含み、前記透明フィルムの前記表層は、前記表面処理された面である、[13]に記載の偏光板の製造方法。
0≦A<3.0 …(a−2)
0≦A+B<3.0 …(b−2)
[15] 前記表面処理は、鹸化処理またはプラズマ処理である、[14]に記載の偏光板の製造方法。
[16] 前記透明フィルムは、積層フィルムであって、前記透明フィルムを得る工程は、透明樹脂ドープと、前記式(a−1)および式(b−1)を満たすセルロースエステルを含むドープとを共流延して前記透明フィルムを得る工程を含み、前記透明フィルムの前記表層は、前記セルロースエステルを含むドープから得られる層である、[13]に記載の偏光板の製造方法。
[17] 前記透明フィルムは、積層フィルムであって、前記透明フィルムを得る工程は、透明樹脂層上に前記式(a−1)および式(b−1)を満たすセルロースエステルを含むドープを塗布して透明フィルムを得る工程を含み、前記透明フィルムの前記表層は、前記セルロースエステルを含むドープから得られる層である、[13]に記載の偏光板の製造方法。
[18] 前記活性エネルギー線硬化型接着剤は、(メタ)アクリロイル基を含む化合物を少なくとも一種類以上含む、[13]〜[17]のいずれかに記載の偏光板の製造方法。
[19] 前記活性エネルギー線硬化型接着剤は、N置換(メタ)アクリルアミド系化合物と、(メタ)アクリレート系化合物とを含む、[13]〜[18]のいずれかに記載の偏光板の製造方法。
[20] 前記接着剤層の塗布厚みは、10μm以下である、[13]〜[19]のいずれかに記載の偏光板の製造方法。
本発明によれば、高温高湿下における寸法変化が少なく、かつセルロースエステルフィルムなどの透明フィルムと偏光子との接着性が高い偏光板とその製造方法を提供することができる。さらに、偏光板の寸法変化に起因する表示ムラが抑制された液晶表示装置を提供することができる。
本発明の偏光板の構成の一例を示す模式図である。 本発明の液晶表示装置の構成の一例を示す模式図である。 実施例における評価用の偏光板の構成の一例を示す模式図である。 実施例における評価用の偏光板の構成の一例を示す模式図である。 実施例で用いた液晶表示装置の構成の一例を示す模式図である。
1.偏光板
本発明の偏光板は、偏光子と、その少なくとも一方の面に配置される透明フィルムと、偏光子と透明フィルムとの間に配置され、活性エネルギー線硬化型接着剤の硬化物層とを含む。そして、透明フィルムの、活性エネルギー線硬化型接着剤の硬化物層が配置される表層が、低置換度のセルロースエステルを主成分として含むことを特徴とする。
図1は、本発明の偏光板10の一例を示す模式図である。図1に示されるように、偏光子11と、その一方の面に配置された透明フィルム13と、他方の面に配置された透明フィルム15と、偏光子11と透明フィルム13または透明フィルム15との間に配置された活性エネルギー線硬化型接着剤の硬化物層17とを有する。そして、透明フィルム13の活性エネルギー線硬化型接着剤の硬化物層17が配置される表層13Aと、透明フィルム15の活性エネルギー線硬化型接着剤の硬化物層17が配置される表層15Aとが、それぞれ低置換度のセルロースエステルを主成分として含む。
偏光子11について
偏光子は、一定方向の偏波面の光のみを通過させる素子である。偏光子は、ポリビニルアルコール系樹脂を含む偏光フィルムであり;具体的には、ポリビニルアルコール系樹脂を含むフィルムを一軸延伸した後、二色性染料で染色して得られるフィルムであってもよいし、ポリビニルアルコール系樹脂を含むフィルムを二色性染料で染色した後、一軸延伸したフィルムであってもよい。ポリビニルアルコール系樹脂を含むフィルムを一軸延伸し、かつ二色性染料で染色して得られるフィルムである。
偏光子に含まれるポリビニルアルコール系樹脂の例には、ポリビニルアルコール樹脂およびその誘導体が含まれる。ポリビニルアルコール樹脂の誘導体の例には、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール樹脂をオレフィン(例えばエチレンやプロピレン)、不飽和カルボン酸(例えばアクリル酸、メタクリル酸やクロトン酸)、不飽和カルボン酸のアルキルエステル、アクリルアミドなどで変性したものが含まれる。なかでも、偏光特性や耐久性に優れ、色斑が少ないことなどから、ポリビニルアルコール樹脂、エチレン変性ポリビニルアルコール樹脂が好ましい。
ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、100〜10000であることが好ましく、1000〜10000であることがより好ましい。平均重合度が100未満であると、十分な偏光特性が得られにくい。一方、平均重合度が10000超であると、水に対する溶解性が低下しやすい。ポリビニルアルコール系樹脂の平均ケン化度は、80モル%以上であることが好ましく、98モル%以上であることがより好ましい。平均ケン化度が80モル%未満であると、十分な偏光特性が得られにくいことがある。
二色性色素の例には、ヨウ素や有機染料などが含まれる。有機染料の例には、アゾ系色素、スチルベン系色素、ピラゾロン系色素、トリフェニルメタン系色素、キノリン系色素、オキサジン系色素、チアジン系色素およびアントラキノン系色素などが含まれる。
偏光子は、必要に応じて可塑剤、界面活性剤などの添加剤をさらに含有していてもよい。可塑剤の例には、ポリオールおよびその縮合物が含まれ、具体的にはグリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。これらの添加剤の含有量は、例えばポリビニルアルコール系樹脂に対して20重量%以下としうる。
偏光子の厚みは、特に制限されないが、30μm以下であることが好ましく、偏光板を薄型化するためには、20μm以下であることがより好ましい。一方、偏光子の厚みは、一定以上の強度や染色性を確保するためには、0.5μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましい。
透明フィルム13または15について
透明フィルムは、少なくともその表層がセルロースエステルを主成分として含むフィルムであることが好ましい。透明フィルムの表層以外の層は、任意の熱可塑性樹脂を主成分として含むことができ、好ましくはセルロースエステルを含みうる。
後述するように、活性エネルギー線硬化型接着剤を用いた透明フィルムと偏光子との貼り合わせでは、例えば透明フィルム上に活性エネルギー線硬化型接着剤を塗布した後;当該塗布層上に偏光子を配置した後、光照射する。しかしながら、本発明者らは、活性エネルギー線硬化型接着剤;特に(メタ)アクリロイル基を含有する化合物を硬化性化合物として含む接着剤が、セルロースエステルを含む透明フィルムに対して過剰に浸透しやすく、瞬時に染み込んでしまうことを見出した。つまり、活性エネルギー線硬化型接着剤を塗布した後、光照射するまでの間に、活性エネルギー線硬化型接着剤の大部分が、セルロースエステルを含む透明フィルムに浸透する。その結果、活性エネルギー線硬化型接着剤が透明フィルムの表面に保持されず、偏光子との接着性が低下しやすいと考えられる。
透明フィルムの表面に、活性エネルギー線硬化型接着剤を保持させるためには、透明フィルムへの活性エネルギー線硬化型接着剤の過剰な浸透を抑制することが有効であり;活性エネルギー線硬化型接着剤の過剰な浸透を抑制するためには、透明フィルムの表面に適度な親水性を付与することが有効であると考えられる。活性エネルギー線硬化型接着剤は、比較的疎水性の高いことから、親水性が付与された透明フィルムの表面には浸透しにくいと考えられるからである。
そこで本発明では、透明フィルムの活性エネルギー線硬化型接着剤の硬化物層が配置される表層に含まれるセルロースエステルの置換度を低くすることを特徴とする。即ち、セルロースエステルの置換度が低いことは、水酸基を多く含み、親水性が比較的高いことを意味する。例えば、透明フィルムの活性エネルギー線硬化型接着剤の硬化物層が配置される表層(図1では、透明フィルム13の表層13Aや透明フィルム15の表層15A)に含まれるセルロースエステルは、アセチル基の置換度をAとし、炭素数3以上のアシル基の置換度をBとしたとき、下記式(a−1)および下記式(b−1)を満たすことが好ましい。
0≦A<2.6 …(a−1)
0≦A+B<2.6 …(b−1)
前記表層に含まれるセルロースエステルは、下記式(a−3)をさらに満たすことが好ましい。
1.5≦A<2.5 …(a−3)
透明フィルムの表層とは、透明フィルムの一方の面を含む層を意味する。表層の厚みは、透明フィルムの全体厚みに対して例えば15%以下でありうる。具体的には、表層の厚みは、5μm以下とすることができ、好ましくは1μm以下とすることができ、より好ましくは200nm以下としうる。
このような表層を有する透明フィルムは、(A)単層のセルロースエステルフィルムであってもよいし、(B)セルロースエステルを主成分として含む表層を有する積層フィルムであってもよい。
(A)単層のセルロースエステルフィルム
単層のセルロースエステルフィルムは、(A1)未処理のセルロースエステルフィルムであってもよいし、(A2)表面処理されたセルロースエステルフィルムであってもよい。
(A1)未処理のセルロースエステルフィルム
未処理のセルロースエステルフィルムは、前述の通り、アセチル基の置換度をAとし、炭素数3以上のアシル基の置換度をBとしたとき、下記式(a−1)および下記式(b−1)を満たすセルロースエステルを主成分として含む。下記式(b−1)における(A+B)は、アシル基の総置換度ともいう。
0≦A<2.6 …(a−1)
0≦A+B<2.6 …(b−1)
セルロースエステルは、セルロースの水酸基を、脂肪族カルボン酸または芳香族カルボン酸でエステル化して得られる化合物である。
セルロースエステルに含まれる炭素数3以上のアシル基の置換度は、炭素数3以上の脂肪族アシル基または芳香族アシル基であり、好ましくは炭素数3以上の脂肪族アシル基である。なかでも、炭素数3以上の脂肪族アシル基は、好ましくは炭素数3〜6、より好ましくは炭素数3〜4の脂肪族アシル基であることがより好ましい。炭素数3〜4の脂肪族アシル基の例には、プロピオニル基、ブタノイル基などが含まれ、より好ましくはプロピオニル基である。
セルロースエステルの具体例には、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどが含まれ、好ましくはセルロースアセテートまたはセルロースアセテートプロピオネートである。
未処理のセルロースエステルフィルムに含まれるセルロースエステルは、下記式(a−3)をさらに満たすことがより好ましい。
1.5≦A<2.5 …(a−3)
セルロースエステルのアシル基の置換度は、ASTM−D817−96に準じて測定することができる。
セルロースエステルの数平均分子量は、一定以上の機械的強度を有するフィルムを得るためには、3.0×10以上2.0×10未満であることが好ましく、4.5×10以上1.5×10未満であることがより好ましい。セルロースアセテートの重量平均分子量は、1.2×10以上2.5×10未満であることが好ましく、1.5×10以上2.0×10未満であることがより好ましい。
セルロースアセテートの分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は、1.0〜4.5であることが好ましい。
セルロースエステルの数平均分子量Mnおよび重量平均分子量Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。測定条件は以下の通りである。
溶媒:メチレンクロライド
カラム:Shodex K806、K805、K803G(昭和電工(株)製)を3本接続して使用する。
カラム温度:25℃
試料濃度:0.1質量%
検出器:RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ:L6000(日立製作所(株)製)
流量:1.0ml/min
校正曲線:標準ポリスチレンSTK standardポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1.0×10〜5.0×10までの13サンプルによる校正曲線を使用する。13サンプルは、ほぼ等間隔に選択することが好ましい。
未処理のセルロースエステルフィルムは、必要に応じて糖エステル化合物、ポリエステル化合物、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、レターデーション調整剤、帯電防止剤、剥離剤、マット剤(微粒子)などの添加剤をさらに含んでいてもよい。
糖エステル化合物
糖エステル化合物は、下記式(1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2014041263
式(1)のR〜Rは、置換もしくは無置換のアルキルカルボニル基、または置換もしくは無置換のアリールカルボニル基を表わす。R〜Rは、互いに同じであっても、異なってもよい。
置換もしくは無置換のアルキルカルボニル基は、炭素原子数2以上の置換もしくは無置換のアルキルカルボニル基であることが好ましい。置換もしくは無置換のアルキルカルボニル基の例には、メチルカルボニル基(アセチル基)が含まれる。アルキル基が有する置換基の例には、フェニル基などのアリール基が含まれる。
置換もしくは無置換のアリールカルボニル基は、炭素原子数7以上の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基であることが好ましい。アリールカルボニル基の例には、フェニルカルボニル基が含まれる。アリール基が有する置換基の例には、メチル基などのアルキル基が含まれる。
式(1)で示される化合物の具体例には、以下のものが含まれる。表1中のRは、式(1)におけるR〜Rを表す。
Figure 2014041263
可塑剤の例には、下記式(2)で表されるポリエステル化合物などが含まれる。
Figure 2014041263
式(2)中、Aは、炭素原子数4〜12のアルキレンジカルボン酸から誘導される2価の基または炭素原子数6〜12のアリールジカルボン酸から誘導される2価の基を表す。Bは、水素原子またはカルボン酸から誘導される1価の基を表す。Gは、炭素原子数2〜12のアルキレングリコールから誘導される2価の基、炭素原子数6〜12のアリールグリコールから誘導される2価の基、または炭素原子数が4〜12のオキシアルキレングリコールから誘導される2価の基を表す。nは、1以上の整数を表す。
Aの、炭素原子数4〜12のアルキレンジカルボン酸から誘導される2価の基の例には、1,2-エタンジカルボン酸、1,3-プロパンジカルボン酸、1,4-ブタンジカルボン酸などから誘導される2価の基が含まれる。Aにおける炭素原子数6〜12のアリールジカルボン酸から誘導される2価の基の例には、1,2-ベンゼンジカルボン酸(フタル酸)、1,3-ベンゼンジカルボン酸、1,4-ベンゼンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸などのナフタレンジカルボン酸などから誘導される2価の基が含まれる。
Bの、カルボン酸から誘導される1価の基の例には、安息香酸やトルイル酸などの芳香族カルボン酸、酢酸などの脂肪族カルボン酸などから誘導される1価の基が含まれる。
Gの、炭素原子数2〜12のアルキレングリコールから誘導される2価の基の例には、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,2-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール(3,3-ジメチロールペンタン)、2-n-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール(3,3-ジメチロールヘプタン)、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、および1,12-オクタデカンジオール等から誘導される2価の基が含まれる。
Gの、炭素原子数6〜12のアリールグリコールから誘導される2価の基の例には、1,2-ジヒドロキシベンゼン(カテコール)、1,3-ジヒドロキシベンゼン(レゾルシノール)、1,4-ジヒドロキシベンゼン(ヒドロキノン)などから誘導される2価の基が含まれる。Gにおける炭素原子数が4〜12のオキシアルキレングリコールから誘導される2価の基の例には、ジエチレングルコール、ジプロピレングリコールなどから誘導される2価の基が含まれる。
一般式(2)で表されるエステル化合物の例には、以下のものが含まれる。
Figure 2014041263
Figure 2014041263
Figure 2014041263
一般式(1)および一般式(2)で示される化合物の含有量は、セルロースエステルに対して1〜40質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましい。
セルロースアセテートフィルムは、必要に応じて他の可塑剤をさらに含んでもよい。
他の可塑剤は、特に限定されないが、多価アルコールエステル系可塑剤、多価カルボン酸エステル系可塑剤(フタル酸エステル系可塑剤を含む)、グリコレート系可塑剤、エステル系可塑剤(脂肪酸エステル系可塑剤を含む)、およびアクリル系可塑剤などが好ましい。これらは、単独で用いても、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
多価アルコールエステル系可塑剤は、2価以上の脂肪族多価アルコールと、モノカルボン酸とのエステル化合物(アルコールエステル)であり、好ましくは2〜20価の脂肪族多価アルコールエステルである。多価アルコールエステル系化合物は、分子内に芳香環またはシクロアルキル環を有することが好ましい。
2価のアルコールエステル系可塑剤の例には、以下のものが含まれる。
Figure 2014041263
3価以上のアルコールエステル系可塑剤の例には、以下のものが含まれる。
Figure 2014041263
Figure 2014041263
Figure 2014041263
多価カルボン酸エステル系可塑剤は、2価以上、好ましくは2〜20価の多価カルボン酸と、アルコール化合物とのエステル化合物である。多価カルボン酸は、2〜20価の脂肪族多価カルボン酸であるか、3〜20価の芳香族多価カルボン酸または3〜20価の脂環式多価カルボン酸であることが好ましい。
多価カルボン酸エステル系可塑剤の分子量は、特に制限はないが、300〜1000であることが好ましく、350〜750であることがより好ましい。多価カルボン酸エステル系可塑剤の分子量は、ブリードアウトを抑制する観点では、大きいほうが好ましく;透湿性やセルロースエステルとの相溶性の観点では、小さいほうが好ましい。
多価カルボン酸エステル系可塑剤の例には、トリエチルシトレート、トリブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート(ATEC)、アセチルトリブチルシトレート(ATBC)、ベンゾイルトリブチルシトレート、アセチルトリフェニルシトレート、アセチルトリベンジルシトレート、酒石酸ジブチル、酒石酸ジアセチルジブチル、トリメリット酸トリブチル、ピロメリット酸テトラブチル等が含まれる。
多価カルボン酸エステル系可塑剤は、フタル酸エステル系可塑剤であってもよい。フタル酸エステル系可塑剤の例には、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジシクロヘキシルテレフタレート等が含まれる。
グリコレート系可塑剤の例には、アルキルフタリルアルキルグリコレート類が含まれる。アルキルフタリルアルキルグリコレート類の例には、メチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、オクチルフタリルオクチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、エチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルプロピルグリコレート、メチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルメチルグリコレート、ブチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルプロピルグリコレート、メチルフタリルオクチルグリコレート、エチルフタリルオクチルグリコレート、オクチルフタリルメチルグリコレート、オクチルフタリルエチルグリコレート等が含まれる。
エステル系可塑剤には、脂肪酸エステル系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤やリン酸エステル系可塑剤などが含まれる。
脂肪酸エステル系可塑剤の例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、およびセバシン酸ジブチル等が含まれる。クエン酸エステル系可塑剤の例には、クエン酸アセチルトリメチル、クエン酸アセチルトリエチル、およびクエン酸アセチルトリブチル等が含まれる。リン酸エステル系可塑剤の例には、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、およびトリブチルホスフェート等が含まれる。
他の可塑剤の含有量は、セルロースエステルに対して1〜40質量%であることが好ましい。
セルロースエステルフィルムは、取扱性を向上させるために、微粒子(マット剤)をさらに含んでもよい。微粒子は、無機微粒子または有機微粒子であり、フィルムのヘイズの増大を少なくするためには、二酸化ケイ素であることが好ましい。
微粒子の一次平均粒子径は、20nm以下であることが好ましく、5〜16nmであることがより好ましく、5〜12nmであることがさらに好ましい。
未処理のセルロースエステルフィルムの厚みは、10〜200μmであることが好ましく、10〜100μmであることがより好ましく、15〜45μmであることがさらに好ましい。フィルムの厚みが200μm超であると、熱や湿度により位相差の変動が大きくなりやすい。一方、フィルムの厚みが10μm未満であると、十分なフィルム強度が得られにくい。
(A2)表面処理されたセルロースエステルフィルム
表面処理されたセルロースエステルフィルムは、下記式(a−2)および下記式(b−2)を満たすセルロースエステルを主成分として含むセルロースエステルフィルムを表面処理したものである。即ち、表面処理されたセルロースエステルフィルム部分が、透明フィルムの表層となる。
0≦A<3.0 …(a−2)
0≦A+B<3.0 …(b−2)
表面処理は、表層を構成するセルロースエステルのアシル基の総置換度が、表層以外の層を構成するセルロースエステルのアシル基の総置換度よりも相対的に低く(例えば0.1〜0.9、好ましくは0.2〜0.7程度)なるように行われることが好ましい。具体的には、表面処理は、(表面処理された面を含む)表層に含まれるセルロースエステルが、後述する式(a−1)および式(b−1)を同時に満たすように行われることが好ましい。
表層とそれ以外の他の層との境界は、必ずしも明確ではないことが多い。例えば、表層からそれ以外の他の層にわたって、セルロースエステルのアシル基の総置換度が段階的に変化していることが多いと考えられる。
即ち、表面処理されたセルロースエステルフィルムの、表層に含まれるセルロースエステルは、下記式(a−1)および下記式(b−1)を同時に満たすことが好ましい。
0≦A<2.6 …(a−1)
0≦A+B<2.6 …(b−1)
表層に含まれるセルロースエステルは、下記式(a−3)をさらに満たすことが好ましい。
1.5≦A<2.5 …(a−3)
表層に含まれるセルロースエステルは、(A1)未処理のセルロースエステルフィルムに含まれるセルロースエステルと同様としうる。
一方、表層以外の他の層に含まれるセルロースエステルは、前記式(a−2)および前記式(b−2)を満たすことが好ましく、下記式(a−4)および式(b−4)を満たすことがより好ましい。
2.6≦A<3.0 …(a−4)
2.6≦A+B<3.0 …(b−4)
表層に含まれるセルロースエステルのアセチル基置換度Aや、アシル基の総置換度(A+B)は、後述する方法で測定することができる。
表層の厚みは、前述の通り、表面処理されたセルロースエステルフィルムの厚みに対して15%以下としうる。具体的には、表層の厚みは、1μm以下とすることができ、好ましくは200nm以下としうる。表面処理されたセルロースエステルフィルムの厚みは、前述の(A1)未処理のセルロースエステルフィルムの厚みと同様としうる。
表面処理されたセルロースエステルフィルムは、鹸化処理またはプラズマ処理されたセルロースエステルフィルムであることが好ましい。
表層以外の他の層に含まれるセルロースエステルの種類や分子量は、アシル基の種類やアシル基の置換度が異なる以外は(A1)未処理のセルロースエステルフィルムに含まれるセルロースエステルと同様としうる。
表面処理されたセルロースエステルフィルムは、必要に応じて前述の(A1)未処理のセルロースエステルフィルムに含まれるものと同様の添加剤などをさらに含んでもよい。
(B)積層フィルム
積層フィルムは、二以上の層を含む積層物である。そして、積層フィルムを構成する二以上の層のうち、活性エネルギー線硬化型接着剤の硬化物層が配置される層が、下記式(a−1)および式(b−1)を満たすセルロースエステルを主成分として含む。即ち、活性エネルギー線硬化型接着剤の硬化物層が配置される層が、前述の透明フィルムの表層となる。
0≦A<2.6 …(a−1)
0≦A+B<2.6 …(b−1)
活性エネルギー線硬化型接着剤の硬化物層が配置される層に含まれるセルロースエステルは、下記式(a−3)をさらに満たすことが好ましい。
1.5≦A<2.5 …(a−3)
活性エネルギー線硬化型接着剤の硬化物層が配置される層に含まれるセルロースエステルの種類や分子量は、アシル基の種類や置換度が異なる以外は(A1)未処理のセルロースエステルフィルムに含まれるセルロースエステルと同様としうる。
活性エネルギー線硬化型接着剤の硬化物層が配置される層以外の他の層は、透明性や熱安定性の良好な熱可塑性樹脂を主成分として含むことが好ましい。そのような熱可塑性樹脂の例には、セルロースエステル、環状ポリオレフィン、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、(メタ)アクリル樹脂などが含まれる。なかでも、共流延などで製造しやすいことなどから、セルロースエステルが好ましい。
積層フィルムは、必要に応じて、前述の(A1)未処理のセルロースエステルフィルムに含まれるものと同様の添加剤をさらに含んでもよい。
活性エネルギー線硬化型接着剤の硬化物層が配置される層の厚みは、積層フィルム全体の厚みに対して0.5〜15%程度としうる。具体的には、活性エネルギー線硬化型接着剤の硬化物層が配置される層の厚みは、0.1〜10μmとすることができ、好ましくは0.5〜5μmとしうる。
積層フィルムの厚みは、20〜200μmであることが好ましく、30〜100μmであることがより好ましく、30〜80μmであることがさらに好ましい。フィルムの厚みが200μm超であると、熱や湿度により位相差の変動が大きくなりやすい。一方、フィルムの厚みが20μm未満であると、十分なフィルム強度が得られにくい。
後述するように、積層フィルムは、最外層となるセルロースエステルを含有するドープと、他の層となる透明樹脂を含有するドープとを共流延するか;または他の層となる透明樹脂層上に、最外層となるセルロースエステルを含有するドープを塗布して得ることができる。
透明フィルムの光学特性
透明フィルムの表層に含まれるセルロースエステルのアシル基の置換度は、ASTM D−817−91に準じた方法;セルロースエステルを完全に加水分解し、遊離したカルボン酸もしくはその塩をガスクロマトグラフィーまたは高速液体クロマトグラフィーで定量する方法;H−NMRまたは13C−NMRによる方法などを、単独または組み合わせて測定することができる。さらに、フィルムのある一定の深さにおけるセルロースエステルのアシル基の総置換度は、FT−IR法により測定することができる。
これらの測定に用いられる測定サンプルは、以下のようにして準備することができる。
(測定用サンプル)
(A1)単層フィルム
製膜したフィルムを細かくシュレッドし、必要量採取して、測定用サンプルとする。
(A2)表面処理されたフィルム
ダイプラ・ウィンテス株式会社製 SAICAS DN(表面・界面物性解析装置)を用いて、表面処理されたフィルムの表面処理された面から刃先を入れて必要量削り取り、測定用サンプルとする。刃先を入れる深さは、フィルムの表面処理深さを超えない程度とし、例えばフィルムの表面処理された面から0.2μm程度の深さとする。
(B)積層フィルム
ダイプラ・ウィンテス株式会社製 SAICAS(R) DN(表面・界面物性解析装置)を用いて、積層フィルムを構成する層のうち活性エネルギー線硬化性接着剤が塗布される層(X)に刃先を入れて必要量削り取り、測定用サンプルとする。刃先を入れる深さは、層(X)の厚みを超えない程度とする。
(置換度の測定)
前述のようにして得られた測定用サンプルを用いて、ガスクロマトグラフィーもしくは高速液体クロマトグラフィー測定;またはH−NMRもしくは13C−NMR測定を行う。それにより、セルロースエステルのアセチル基の置換度A、炭素数3以上のアシル基の置換度B、およびアシル基の総置換度(A+B)を測定する。
さらに、セルロースエステルのアシル基の総置換度(A+B)は、FT−IR法によっても測定することができる。特に、フィルムの一定の深さにおけるセルロースエステルのアシル基の総置換度は、FT−IR法により比較的簡易に測定することができる。
(FT−IR)
(1)検量線の作成
1−1)アシル基の種類や置換度の異なる複数のセルロースエステルを準備する。これらのセルロースエステルのアセチル基置換度A、炭素数3以上のアシル基(好ましくはプロピオニル基)置換度Bおよびアシル基総置換度(A+B)を上記置換度の測定方法により測定する。
1−2)これらのセルロースエステルを100℃で3時間乾燥させた後、セルロースエステルの粉状体を薄片状に加工する。得られた薄片状のセルロースエステルの吸収スペクトルをFT−IRの反射型ATR法により測定する。ATRクリスタルとしては、ダイヤモンド(測定波長域10000〜55cm−1)を使用する。
1−3)FT−IRで得られた各セルロースエステルの吸収スペクトルにおいて、カルボニル由来の吸収ピーク強度(1750cm−1付近の吸収ピーク強度)Xと、セルロースのピラノース環由来の吸収ピーク強度(1000〜1100cm−1付近の吸収ピーク強度)Yを測定する。そして、得られたX/Yの値を、アシル基総置換度(A+B)に対してプロットして検量線を得る。
(2)測定
2−1)前述のようにして準備した測定用サンプルを、前記1−2)と同様にして、FT−IRの反射型ATR法によりスペクトルを測定し、X/Yの値を得る。得られたX/Yの値から、検量線に基づいて、表層に含まれるセルロースエステルの総置換度(A+B)を算出する。
2−2)フィルムの表層を、深さ方向に0.2μmさらに削り取り、同様の測定を行う。この操作を、フィルムの深さ方向に0.2μmずつ行い、表面処理されていない部分に到達するまで行う。それにより、表面処理されていない部分の深さよりも一段階浅い部分の深さを「表面処理深さ」として求めることができる。
また、表層を有する透明フィルムをATRクリスタルに接触させて、FT−IRの反射型ATR法による測定を行うこともできる。それにより、フィルムの表層のある一定の深さにおけるセルロースエステルのアシル基の総置換度を簡易に測定することができる。
透明フィルムの面内方向または厚み方向のレターデーションは、液晶セルの表示方式や、求められる光学性能に応じて設定される。例えば、VA方式の液晶セルの位相差を調整するためには、保護フィルムの、23℃55%RHの環境下で、波長590nmにて測定される面内方向のレターデーションRoは、30〜90nmであることが好ましく、厚み方向のレターデーションRthは、70〜300nmであることが好ましい。
レターデーションRoおよびRthは、それぞれ以下の式で定義される。
式(I) Ro=(nx−ny)×d
式(II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
(nx:フィルム面内の遅相軸方向xの屈折率、ny:フィルム面内において、遅相軸方向xに対して直交する方向yの屈折率、nz:フィルムの厚み方向zの屈折率、d:フィルムの厚み(nm))
レターデーションRoおよびRthは、例えば以下の方法によって測定することができる。
1)フィルムを、23℃55%RHで調湿する。調湿後のフィルムの平均屈折率をアッベ屈折計などで測定する。
2)調湿後のフィルムに、当該フィルム表面の法線に平行に測定波長590nmの光を入射させたときのRoを、KOBRA21ADH、王子計測(株)にて測定する。
3)KOBRA21ADHにより、フィルムの面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)として、フィルムの表面の法線に対してθの角度(入射角(θ))から測定波長590nmの光を入射させたときのレターデーション値R(θ)を測定する。レターデーション値R(θ)の測定は、θが0°〜50°の範囲で、10°毎に6点行うことができる。フィルムの面内の遅相軸は、KOBRA21ADHにより確認できる。
4)測定されたRoおよびR(θ)と、前述の平均屈折率と膜厚とから、KOBRA21ADHにより、nx、nyおよびnzを算出して、測定波長590nmでのRthを算出する。レターデーションの測定は、23℃55%RH条件下で行うことができる。
フィルムの、JIS K−7136に準拠して測定される内部ヘイズは、0.01〜0.1であることが好ましい。フィルムの可視光透過率は、90%以上であることが好ましく、93%以上であることがより好ましい。
活性エネルギー線硬化型接着剤の硬化物層17について
活性エネルギー線硬化型接着剤の硬化物層17は、前述の偏光子11と透明フィルム13または15とを接着させる機能を有する。活性エネルギー線硬化型接着剤は、後述するように、硬化性化合物を含む。
硬化性化合物は、ラジカル重合性化合物、カチオン重合性化合物、またはそれらの混合物であってもよい。硬化性化合物は、モノマー、オリゴマーまたはこれらの混合物でありうる。
ラジカル重合性化合物
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であることが好ましい。ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の好ましい例には、(メタ)アクリロイル基を有する化合物が含まれる。(メタ)アクリロイル基を有する化合物の例には、N置換(メタ)アクリルアミド系化合物、(メタ)アクリレート系化合物などが含まれる。(メタ)アクリルアミドは、アクリアミドまたはメタクリアミドを意味する。
N置換(メタ)アクリルアミド系化合物
N置換(メタ)アクリルアミド系化合物は、ヒドロキシル基を有するN置換(メタ)アクリルアミド系化合物またはそれ以外の他のN置換(メタ)アクリルアミド系化合物を含み、好ましくはヒドロキシル基を有するN置換(メタ)アクリルアミド系化合物を含みうる。ヒドロキシル基を有するN置換(メタ)アクリルアミド系化合物は、低水分率の偏光子や、透湿度の低い透明フィルムに対しても良好な接着性を示しうるからである。
ヒドロキシル基を有するN置換(メタ)アクリルアミド系化合物は、アミド基を形成する窒素原子(N)に結合する置換基が、少なくとも1つのヒドロキシル基を有する。
ヒドロキシル基を有するN置換(メタ)アクリルアミド系化合物の例には、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(2,2−ジメトキシ−1−ヒドロキシエチル)−(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、p−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミド、N,N’−(1,2−ジヒドロキシエチレン)ビス(メタ)アクリルアミドなどが含まれる。なかでも、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドが好ましい。
他のN置換(メタ)アクリルアミド系化合物は、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
CH=C(R)−CONR(R) …(1)
式(1)において、Rは、水素原子またはメチル基を示す。Rは、水素原子または置換基を有してもよい炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を示す。炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基が有しうる置換基は、メルカプト基、アミノ基もしくは第4級アンモニウム基でありうる。Rは、水素原子または炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖のアルキル基を示す。ただし、RとRは、同時に水素原子である場合を除く。また、RとRは、互いに結合して、酸素原子を含んでもよい5員環または6員環を形成してもよい。
またはRで示される炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖のアルキル基の例には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基などが含まれる。置換基としてのアミノ基を有するアルキル基の例には、アミノメチル基、アミノエチル基などが含まれる。
とRが互いに結合して形成しうる、酸素原子を含んでもよい5員環または6員環の例には、酸素原子と窒素原子とを有する複素環;具体的には、モルホリン環、ピペリジン環、ピロリジン環、ピペラジン環などが含まれる。
ヒドロキシル基を有しないN置換(メタ)アクリルアミド系化合物の例には、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロール−N−プロパン(メタ)アクリルアミド、アミノメチル(メタ)アクリルアミド、アミノエチル(メタ)アクリルアミド、メルカアプトメチル(メタ)アクリルアミド、メルカプトエチル(メタ)アクリルアミド;
N−アクリロイルモルホリン、N−アクリロイルピペリジン、N−メタクリロイルピペリジン、N−アクリロイルピロリジンなどが含まれる。これらの化合物は、単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
ヒドロキシル基を有するN置換(メタ)アクリルアミド系化合物と、それ以外の他のN置換(メタ)アクリルアミド系化合物とを組み合わせる場合は、塗工性、接着性、得られる偏光板の耐久性などを高めるためには、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドとN−アクリロイルモルホリンとを組み合わせることが好ましい。
ヒドロキシル基を有するN置換(メタ)アクリルアミド系化合物と、それ以外の他のN置換(メタ)アクリルアミド系化合物とを組み合わせる場合、良好な接着性を得るためには、ヒドロキシル基を有するN置換(メタ)アクリルアミド系化合物の含有割合は、ヒドロキシル基を有するN置換(メタ)アクリルアミド系化合物と、それ以外の他のN置換(メタ)アクリルアミド系化合物の合計に対して、好ましくは40質量%以上であり、より好ましくは40〜95質量%であり、さらに好ましくは60〜90質量%である。
N置換(メタ)アクリルアミド系化合物は、それ以外の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物や、ビニル基を含有する化合物などと組み合わせて用いられうる。
N置換(メタ)アクリルアミド系化合物以外の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物の例には、(メタ)アクリレート系化合物などが含まれる。
(メタ)アクリレート系化合物の例には、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートなどの炭素数1〜12のアルキル(メタ)アクリレート;
(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル化合物;
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリルや(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレートなどのヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート化合物;
カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレートなどのカルボキシル基含有(メタ)アクリレート化合物;
アクリル酸のカプロラクトン付加物などが含まれる。
これらのなかでも、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート化合物は、それを含む接着剤を透明フィルムの表層上で濡れ広がりやすくすることができるため、好ましい。さもなくば、活性エネルギー線の照射に至るまでの間(硬化前)に、フィルムと偏光子との間で、一旦濡れ広がった接着剤の一部がフィルム上ではじかれてムラとなることがある。また、本発明では、接着剤の透明フィルムへの過剰な浸透を抑制することが重要であるものの;接着剤が透明フィルムの表層上に模様ができる程度の浸透を有さないと、硬化後も十分な接着性が得られにくいことがある。そこで、接着剤を、透明フィルムの表層上に適度に濡れ広がらせ、かつ適度に浸透させるために、接着剤にヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート化合物を含有させることが好ましい。
(メタ)アクリレート系化合物の例には、エポキシ(メタ)アクリレート化合物、ウレタン(メタ)アクリレート化合物、ポリエステル(メタ)アクリレート化合物なども含まれる。
エポキシ(メタ)アクリレート化合物は、芳香環とヒドロキシ基とを有する単官能の(メタ)アクリレート化合物であることが好ましい。当該(メタ)アクリレート化合物におけるヒドロキシ基は、芳香環の置換基に含まれてもよいが、芳香環と(メタ)アクリロイル基とを結合する2価の有機基(2価の炭化水素基、特にアルキレン基)に含まれることが好ましい。
芳香環とヒドロキシ基を有する単官能の(メタ)アクリレートは、例えばフェニルグリシジルエーテル、t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、フェニルポリエチレングリコールグリシジルエーテルなどの芳香環を有する単官能のエポキシ化合物と、(メタ)アクリル酸との反応物でありうる。
芳香環とヒドロキシ基を有する単官能の(メタ)アクリレートの例には、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルポリエチレングリコールプロピル(メタ)アクリレートなどが含まれる。
活性エネルギー線硬化型接着剤は、硬化性が高く、良好な接着性が得られることから、N置換(メタ)アクリルアミド系化合物と、(メタ)アクリレート系化合物とを含むことが好ましい。接着性を高めるためには、N置換(メタ)アクリルアミド系化合物と(メタ)アクリレート系化合物の少なくとも一方が、ヒドロキシル基を含有していることがより好ましい。
活性エネルギー線硬化型接着剤に含まれる硬化性化合物の合計中、N置換(メタ)アクリルアミド系化合物の含有量は、好ましくは25〜99質量%、より好ましくは25〜75質量%であり、かつ(メタ)アクリレート系化合物の含有量は、好ましくは1〜75質量%であり、より好ましくは30〜50質量%である。
他の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物の他の例には、
アクリル酸などの(メタ)アクリル酸;
無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物基含有化合物;
スチレンスルホン酸やアリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などのスルホン酸基含有化合物;
2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどの燐酸基含有化合物;
マレイミド、N−シクロへキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等;
(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチル、3−(3−ピリニジル)プロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキル系化合物;
N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミドやN−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミドなどのスクシンイミド系化合物なども含まれる。
ラジカル重合性化合物は、一種類であっても、二種以上の混合物であってもよい。
カチオン重合性化合物
カチオン重合性化合物は、エポキシ基を含む化合物であることが好ましい。なかでも、硬化速度が速く、得られる硬化物との接着性も良好であることから、エポキシ基と(メタ)アクリロイル基とを含有する(メタ)アクリル変性エポキシ化合物が好ましい。
(メタ)アクリル変性エポキシ化合物は、2以上の(メタ)アクリロイル基を含むことが好ましい。2以上の(メタ)アクリロイル基を含む(メタ)アクリル変性エポキシ化合物は、多官能のエポキシ化合物と、(メタ)アクリル酸とを反応させて得ることができる。
(メタ)アクリル変性エポキシ化合物を構成する多官能のエポキシ化合物の例には、芳香族エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物などが含まれる。
芳香族エポキシ化合物の例には、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェールFのジグリシジルエーテル、ビスフェノールSのジグリシジルエーテルのようなビスフェノール型エポキシ化合物;フェノールノボラックエポキシ化合物、クレゾールノボラックエポキシ化合物、ヒドロキシベンズアルデヒドフェノールノボラックエポキシ化合物のようなノボラック型のエポキシ化合物;テトラヒドロキシフェニルメタンのグリシジルエーテル、テトラヒドロキシベンゾフェノンのグリシジルエーテル、エポキシ化ポリビニルフェノールのような多官能型のエポキシ化合物などが含まれる。
脂環式エポキシ化合物の例には、前記芳香族エポキシ化合物の水添物、シクロヘキサン系、シクロヘキシルメチルエステル系、シシクロヘキシルメチルエーテル系、スピロ系、トリシクロデカン系等のエポキシ化合物が含まれる。
脂肪族エポキシ化合物は、脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテルなどであってよく、その具体例には、1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル、エチレングリコールやプロピレングリコール、グリセリンのような脂肪族多価アルコールに1種以上のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド)を付加して得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテルなどが含まれる。
(メタ)アクリル変性エポキシ化合物を構成する多官能のエポキシ化合物は、脂肪族エポキシ化合物であることが好ましく、二官能の脂肪族エポキシ化合物であることがより好ましい。多官能のエポキシ化合物のエポキシ当量は、通常30〜3000g/当量、好ましくは50〜1500g/当量でありうる。
カチオン重合性化合物は、一種類であっても、二種以上の混合物であってもよい。
活性エネルギー線硬化型接着剤の硬化物層の厚みは、例えば10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましく、2μm以下であることがさらに好ましく、1μm以下であることが特に好ましい。
2.偏光板の製造方法
本発明の偏光板の製造方法は、1)前述の表層を有する透明フィルムを得る工程、2)透明フィルムの表層または偏光子の少なくとも一方の表面に、活性エネルギー線硬化型接着剤を塗布する工程、3)塗布して得られた接着剤層を介して、透明フィルムと偏光子とを積層する(貼り合わせる)工程、4)得られた積層物に活性エネルギー線を照射して、接着剤層を硬化させる工程、を含む。
1)表層を有する透明フィルムを得る工程
表層を有する透明フィルムは、その形態に応じて種々の方法で得ることができる。
(A1)未処理の単層セルロースエステルフィルム
未処理の単層セルロースエステルフィルムは、任意の方法で製造されてよく、溶液流延法で製造されても、溶融流延法で製造されてもよい。薄膜で平面性の高いフィルムが得られるなどの観点から、溶液流延法で製造されることが好ましい。
セルロースエステルフィルムを溶液流延法により製造する工程は、A1−1)前述したセルロースエステルと、添加剤とを溶剤に溶解させてドープを調製する工程、A1−2)ドープを無端状の金属支持体上に流延する工程、A1−3)流延したドープを乾燥してウェブとする工程、A1−4)ウェブを金属支持体から剥離する工程、A1−5)ウェブを延伸してセルロースエステルフィルムを得る工程、A1−6)セルロースエステルフィルムをさらに乾燥する工程を含む。
A1−1)ドープを調製する工程について
ドープに含まれるセルロースエステルは、前記式(a−1)および前記式(b−1)を同時に満たすことが好ましい。ドープに含まれるセルロースエステルの濃度は、乾燥負荷を低減するためには高いことが好ましいが、セルロースエステルの濃度が高すぎると濾過しにくく、濾過精度が低下しやすくなる。このため、ドープに含まれるセルロースエステルの濃度は10〜35質量%であることが好ましく、15〜25質量%であることがより好ましい。
ドープに含まれる溶剤は、1種類でも2種以上を組み合わせたものでもよい。生産効率を高める観点では、セルロースエステルの良溶剤と貧溶剤を組み合わせて用いることが好ましい。良溶剤とは、セルロースエステルを単独で溶解する溶剤をいい、貧溶剤とは、セルロースエステルを膨潤させるか、または単独では溶解しないものをいう。そのため、良溶剤および貧溶剤は、セルロースエステルの平均アシル基置換度(アセチル基置換度)によって異なる。
良溶剤と貧溶剤を組み合わせて用いる場合、セルロースエステルの溶解性を高めるためには、良溶剤が貧溶剤よりも多いことが好ましい。良溶剤と貧溶剤の混合比率は、良溶剤が70〜98質量%であり、貧溶剤が2〜30質量%であることが好ましい。
良溶剤の例には、メチレンクロライド等の有機ハロゲン化合物、ジオキソラン類、アセトン、酢酸メチル、およびアセト酢酸メチルなどが含まれ、好ましくはメチレンクロライドまたは酢酸メチルなどである。貧溶剤の例には、メタノール、エタノール、n−ブタノール、シクロヘキサン、およびシクロヘキサノン等が含まれる。ドープ中には、水分が0.01〜2質量%含まれていることが好ましい。
セルロースエステルを溶剤に溶解させる方法は、一般的な方法であってよく、例えば加熱および加圧下で溶解させる方法、セルロースエステルに貧溶剤を加えて膨潤させた後、良溶剤をさらに加えて溶解させる方法、および冷却溶解法などでありうる。
なかでも、常圧における沸点以上に加熱できることから、加熱および加圧下で溶解させる方法が好ましい。具体的には、常圧下で溶剤の沸点以上であり、かつ加圧下で溶剤が沸騰しない範囲の温度に加熱しながら攪拌溶解すると、ゲルやママコと呼ばれる塊状未溶解物の発生を抑制できる。
加圧は、窒素ガス等の不活性気体を圧入する方法や、加熱して溶剤の蒸気圧を上昇させる方法などによって行うことができる。加熱は、外部から行うことが好ましく、例えばジャケットタイプのものは温度コントロールが容易であるため好ましい。
加熱温度は、セルロースエステルの溶解性を高める観点では、高いほうが好ましいが、高過ぎると、圧力を高める必要があり、生産性が低下する。このため、加熱温度は、45〜120℃であることが好ましく、60〜110℃がより好ましく、70℃〜105℃であることがさらに好ましい。圧力は、設定された加熱温度において、溶剤が沸騰しないような範囲に調整される。
得られるドープには、例えば原料であるセルロースエステルに含まれる不純物などの不溶物が含まれることがある。このような不溶物は、得られるフィルムにおいて輝点異物となりうる。このような不溶物等を除去するために、得られたドープを濾過することが好ましい。
ドープの濾過は、濾紙等の濾過材によって行われる。濾過材の絶対濾過精度は、ドープに含まれる不溶物等を高度に除去するためには小さいことが好ましいが、小さすぎると目詰まりが生じやすい。このため、濾過材の絶対濾過精度は、0.008mm以下であることが好ましく、0.001〜0.008mmであることがより好ましく、0.003〜0.006mmであることがさらに好ましい。
濾過材の種類は、通常の濾過材であってよく、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)等のプラスチック製の濾過材や、ステンレススチール等の金属製の濾過材などでありうる。なかでも、繊維の脱落等が少ない観点から、金属製の濾過材が好ましい。
ドープの濾過は、濾過前後の差圧を少なくするために、ドープの調製と同様に、加熱および加圧下で行うことが好ましい。加熱温度も、ドープの調製と同様に、溶剤の常圧での沸点以上で、かつ加圧下で溶剤が沸騰しない範囲の温度とすることが好ましく、具体的には45〜120℃であることが好ましく、45〜70℃であることがより好ましく、45〜55℃であることがさらに好ましい。
濾圧は、低いことが好ましく、具体的には1.6MPa以下であることが好ましく、1.2MPa以下であることがより好ましく、1.0MPa以下であることがさらに好ましい。
ドープの濾過は、得られるフィルムにおける輝点異物の数が一定以下となるように行うことが好ましい。具体的には、径が0.01mm以上である輝点異物の数が、200個/cm以下、好ましくは100個/cm以下、より好ましくは50個/cm以下、さらに好ましくは0〜10個/cm以下となるようにする。径が0.01mm以下である輝点異物も少ないことが好ましい。
フィルムの輝点異物の数は、以下の手順で測定することができる。
1)2枚の偏光板をクロスニコル状態に配置し、それらの間に得られたフィルムを配置する。
2)一方の偏光板の側から光を当てて、他方の偏光板の側から観察したときに、光が漏れてみえる点(異物)の数をカウントする。
A1−2)ドープを流延する工程について
ドープが流延される金属支持体は、表面が鏡面仕上げされたものが好ましい。金属支持体の好ましい例は、ステンレススチールベルトや、鋳物で表面がメッキ仕上げされたドラムなどである。
ドープの流延幅は、搬送性や製造効率を考慮して設定され、通常は1〜4m程度であり、好ましくは1.4〜4mであり、より好ましくは1.6〜3mである。幅が4mを超えると搬送しにくくなる。ドープが流延される金属支持体の表面温度は、ウェブの乾燥速度を高めるためには高いことが好ましいが、高すぎるとウェブが発泡したり、ウェブの平面性が低下したりすることがある。そのため、金属支持体の表面温度は、−50℃以上溶剤の沸点未満に設定されることが好ましい。ウェブの温度は、0〜55℃であることが好ましく、25〜50℃であることがさらに好ましい。
金属支持体の表面温度の制御方法は、特に制限されないが、温風または冷風を吹きかける方法や、温水を金属支持体の裏側に接触させる方法などであってよい。
A1−3)流延したドープを乾燥する工程について
流延したドープを、残留溶媒が一定以下となるように乾燥させる。金属支持体からウェブを剥離するときのウェブの残留溶媒量は、得られるフィルムの平面性を高めるためには10〜150質量%であることが好ましく、20〜40質量%または60〜130質量%であることがより好ましく、20〜30質量%または70〜120質量%であることがさらに好ましい。
ウェブの残留溶媒量は、下記式で定義される。下記式において、Mは、製造中のウェブまたは製造後のフィルムから任意の時点で採取した試料の質量を示す。Nは、前記試料を115℃で1時間加熱した後の、試料の質量を示す。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
A1−4)ウェブを剥離する工程について
ウェブの剥離は、一般的な方法で行われるが、ウェブの両端をクリップ等で把持するテンター方式で幅方向(横方向)に延伸することによって行うことが好ましい。ウェブの剥離張力は、300N/m以下とすることが好ましい。
ウェブの剥離は、前記A1−3)の工程でウェブを乾燥した後、剥離する方法だけでなく、前記A1−2)の工程の後に、乾燥させることなくキャスト膜を冷却して、残留溶媒を多く含む状態のままゲル化させた後に、ドラムから剥離してもよい。
剥離されたウェブをさらに乾燥してもよい。剥離されたウェブの乾燥は、一般的に、ウェブを搬送させながら行うことができる。具体的には、剥離されたウェブを、上下に配置した多数のロールにより搬送しながら乾燥させるロール乾燥方式や、テンター方式などがある。
ウェブの乾燥方法は、特に制限されないが、一般的に、熱風、赤外線、加熱ロールおよびマイクロ波等で乾燥する方法であってよく、簡便である点から、熱風で乾燥する方法が好ましい。ウェブの乾燥温度は、40℃から200℃にかけて、段階的に高くすることが好ましい。
A1−5)ウェブを延伸する工程について
ウェブの延伸により、所望の面内のレターデーション値Roおよび厚み方向のレターデーション値Rthを有するセルロースエステルフィルムを得る。セルロースエステルフィルムの面内のレターデーション値Roおよび厚み方向のレターデーション値Rthは、ウェブに掛かる張力の大きさを、搬送方向または幅方向に調整することによって制御することができる。
ウェブの延伸は、一軸延伸であっても、二軸延伸であってもよい。二軸延伸には、ウェブの搬送方向(縦方向)と、ウェブ面内で搬送方向と直交する幅方向(横方向)と、に延伸することが含まれる。延伸は、逐次延伸であっても同時延伸であってもよい。
ウェブの延伸倍率は、例えば互いに直交する方向に二軸延伸する場合には、最終的には搬送方向(縦方向)に0.8〜1.5倍、幅方向(横方向)に1.1〜2.5倍とすることが好ましく、搬送方向(縦方向)に0.8〜1.0倍、幅方向(横方向)に1.2〜2.0倍とすることがより好ましい。
ウェブの延伸温度は、120℃〜200℃であることが好ましく、150℃〜200℃あることがより好ましく、150℃を超えて190℃以下であることがさらに好ましい。
延伸されるウェブの残留溶媒は、20〜0質量%であることが好ましく、15〜0質量%であることが好ましい。具体的には、延伸されるウェブの、155℃における残留溶媒が11質量%であること、もしくは155℃における残留溶媒が2質量%であることが好ましい。または、延伸されるウェブの、160℃における残留溶媒が11質量%であること、もしくは160℃で残留溶媒が1質量%未満であることがより好ましい。
ウェブの延伸方法は、特に制限されず、複数のロールに周速差をつけ、その間でロール周速差を利用して縦方向に延伸する方法(ロール延伸法)、ウェブの両端をクリップやピンで固定し、クリップやピンの間隔を縦方向に向かって広げて縦方向に延伸したり、横方向に広げて横方向に延伸したり、縦横同時に広げて縦横両方向に延伸する方法など(テンター延伸法)などが挙げられる。これらの延伸方法は、組み合わされてもよい。
テンター延伸法は、リニアドライブ方式でクリップ部分を駆動することが好ましい。クリップ部分の移動が滑らかであるため、延伸を行い易く、ウェブの破断を生じる危険性を低減できるからである。
ウェブの幅保持や横方向の延伸は、テンター法により行うことが好ましい。テンター法は、ピンテンター法でもクリップテンター法でもよい。
延伸により得られたセルロースエステルフィルムは、必要に応じてさらに乾燥されうる。
(A2)表面処理されたセルロースエステルフィルム
前記式(a−2)および前記式(b−2)を同時に満たすセルロースエステルを主成分として含むフィルムを表面処理して「(A2)表面処理されたセルロースエステルフィルム」を得ることができる。
表面処理は、前述したように、表面処理した面を含む表層を構成するセルロースエステルのアシル基の総置換度が、前記表層以外の層を構成するセルロースエステルのアシル基の総置換度よりも低くなるように行うことが好ましい。そのような正面処理は、鹸化処理またはプラズマ処理であることが好ましい。
鹸化処理は、例えば60℃の2モル/Lのアルカリ水溶液に浸漬させた後、水洗および乾燥して行うことができる。アルカリ水溶液は、例えば水酸化カリウム溶液としうる。
プラズマ処理は、フィルム表面における水酸基、アミノ基、カルボニル基、カルボキシル基等を増加させうる。プラズマ処理は、0.133〜2660Pa(10−3〜20Torr)の低圧ガス下での低温プラズマであっても、大気圧下でのプラズマ処理であってもよい。プラズマ励起性ガスの例には、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、窒素、二酸化炭素、テトラフルオロメタンの様なフロン類及びそれらの混合物などが挙げられる。印加電圧は、1〜15kVの範囲とすることができ;処理時間は、10〜30秒間とすることができる。
(B)積層フィルム
積層フィルムは、透明樹脂層と、セルロースエステル層とを含む積層物であり、共流延法または塗布法により得ることができる。
共流延法について
共流延法では、少なくとも透明樹脂ドープと、セルロースエステルドープとを含む2種以上のドープを金属支持体上に共流延するステップを経て積層フィルムを得ることができる。
セルロースエステルドープは、前述の溶液製膜法と同様に、前述の式(a−1)および(b−1)を同時に満たすセルロースエステルを主成分として含む。そして、セルロースエステルドープから得られる層が、積層フィルム(透明フィルム)の表層となる。
透明樹脂ドープおよびセルロースエステルドープは、溶媒に透明樹脂またはセルロースエステルを溶解させた溶液であるか、透明樹脂またはセルロースエステルの溶融物でありうる。
共流延法は、流延方向に異なる位置に設けられた複数の流延口からドープをそれぞれ流延させながら逐次的に積層する方法(逐次積層共流延)であってもよいし;流延方向に同じ位置に設けられた複数の流延口からドープを同時に流延して積層する方法(同時積層共流延)であってもよい。
塗布法について
塗布法では、透明樹脂層上に、セルロースエステルドープを塗布するステップを経て積層フィルムを得ることができる。セルロースエステルドープは、共流延法におけるセルロースエステルドープと同様としうる。そして、セルロースエステルドープから得られる層が、積層フィルム(透明フィルム)の表層となる。
2)活性エネルギー線硬化型接着剤を塗布する工程
偏光子と前述の透明フィルムの少なくとも一方の表面に、活性エネルギー線硬化型接着剤を塗布して接着剤層を得る。特に、前述の透明フィルムを用いることで、透明フィルムの表面に活性エネルギー線硬化型接着剤を塗布したときに問題となりやすい、活性エネルギー線硬化型接着剤の透明フィルムへの過剰な染みこみを好ましく抑制できる。
活性エネルギー線硬化型接着は、前述の硬化性化合物と、光重合開始剤とを含み、必要に応じて光増感剤などをさらに含んでもよい。
光重合開始剤
光重合開始剤は、硬化性化合物の種類に応じて選択され、光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤またはそれらの組み合わせでありうる。
光ラジカル重合開始剤の例には、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α’−ジメチルアセトフェノン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)−フェニル]−2−モルホリノプロパン−1などのアセトフェノン系化合物;
ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アニゾインメチルエーテルなどのベンゾインエーテル系化合物;
2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノンなどのα‐ケトール系化合物;
ベンジルジメチルケタールなどのケタール系化合物;
2−ナフタレンスルホニルクロリドなどの芳香族スルホニルクロリド系化合物;
1−フェノン−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシムなどの光活性オキシム系化合物;
ベンゾフェノンやベンゾイル安息香酸、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物などが含まれる。市販品の例には、ダロキュア1173(登録商標)などが含まれる。
光カチオン重合開始剤の例には、アリールジアゾニウム塩、アリールスルホニウム塩(例えばトリアリールスルホニウム塩など)、アリールヨードニウム塩、アレン−イオン錯体などが含まれる。市販品の例には、サンアプロ株式会社製 CPI−100P、CPI−101A、CPI−200KおよびCPI−210S(いずれもトリアリールスルホニウム塩)などが含まれる。
光重合開始剤の含有量は、硬化性化合物100質量部に対して通常0.1〜10質量部程度とすることができ、好ましくは0.5〜5質量部、さらに好ましくは1〜4質量部としうる。
光増感剤
活性エネルギー線硬化型接着剤は、硬化性や接着性を高めるために、380nmより長い波長の光に極大吸収を示す光増感剤をさらに含んでもよい。前述の光ラジカル重合開始剤は、300nm付近またはそれよりも短い波長に極大吸収を示し、その付近の波長の光に感応して、カチオン種またはルイス酸を発生させ、カチオン重合型の硬化性化合物のカチオン重合を開始させるが、それよりも長い波長の光にも感応するように、380nmより長い波長の光に極大吸収を示す光増感剤が配合される。
光増感剤は、下記一般式(at)で示されるアントラセン系化合物であることが好ましい。
Figure 2014041263
式(at)中、RおよびRは、それぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基または炭素数2〜12のアルコキシアルキル基を示す。Rは、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示す。
式(at)で示されるアントラセン系化合物の例には、9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン、9,10−ジイソプロポキシアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジペンチルオキシアントラセン、9,10−ジヘキシルオキシアントラセン、9,10−ビス(2−メトキシエトキシ)アントラセン、9,10−ビス(2−エトキシエトキシ)アントラセン、9,10−ビス(2−ブトキシエトキシ)アントラセン、9,10−ビス(3−ブトキシプロポキシ)アントラセン、2−メチル又は2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、2−メチル又は2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセン、2−メチル又は2−エチル−9,10−ジプロポキシアントラセン、2−メチル又は2−エチル−9,10−ジイソプロポキシアントラセン、2−メチル又は2−エチル−9,10−ジブトキシアントラセン、2−メチル又は2−エチル−9,10−ジペンチルオキシアントラセン、2−メチル又は2−エチル−9,10−ジヘキシルオキシアントラセン等が含まれる。
光増感剤は、活性エネルギー線硬化型接着剤に高い硬化性を付与しうる。光増感剤の含有量は、硬化性の向上効果を得るためには、活性エネルギー線硬化型接着剤100質量部に対して0.1質量部以上であることが好ましい。一方、光増感剤の含有量が多すぎると、低温保管時に析出する等の問題が生じることから、活性エネルギー線硬化型接着剤100質量部に対して2質量部以下としうる。偏光板のニュートラルグレーを維持するためには、偏光子と透明フィルムとの接着性が適度に保たれる範囲で、接着剤中の光増感剤の含有量を少なくすることが好ましい。例えば、活性エネルギー線硬化型接着剤100質量部に対し、光増感剤の含有量を0.1〜0.5質量部、さらには0.1〜0.3質量部の範囲としうる。
光増感助剤
活性エネルギー線硬化型接着剤は、必要に応じて光増感助剤をさらに含んでもよい。光増感助剤は、下記式(nf)で示されるナフタレン系光増感助剤であることが好ましい。
Figure 2014041263
式(nf)中、RおよびRは、それぞれ独立して炭素数1〜6のアルキル基を示す。ナフタレン系光増感助剤の例には、1,4−ジメトキシナフタレン、1−エトキシ−4−メトキシナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、1,4−ジプロポキシナフタレン、1,4−ジブトキシナフタレン等が含まれる。
ナフタレン系光増感助剤は、活性エネルギー線硬化型接着剤の硬化性を高めうる。ナフタレン系光増感助剤の含有量は、硬化性の向上効果を得るためには、活性エネルギー線硬化型接着剤100質量部に対して0.1質量部以上としうる。一方、ナフタレン系光増感助剤の含有量が多すぎると、低温保管時に析出する等の問題を生じることから、硬化性化合物100質量部に対して10質量部以下、好ましくは活性エネルギー線硬化型接着剤100質量部に対して5質量部以下としうる。
このような活性エネルギー線硬化型接着剤を、偏光子と透明フィルムの少なくとも一方に塗布して、接着剤層を得る。活性エネルギー線硬化型接着剤の塗布方法は、特に制限されないが、例えばドクターブレード、ワイヤーバー、ダイコーター、カンマコーター、グラビアコーター、スピンコーター等であってよい。
接着剤層の塗布厚みは、0.01〜10μmであることが好ましく、0.02〜5μmであることがより好ましく、0.03〜2μmであることがさらに好ましく、0.1〜1μmであることが特に好ましい。塗布厚みが0.01μmより薄いと、十分な凝集力が得られず、接着強度が不十分となるおそれがある。一方、塗布厚みが10μmを超えると、接着剤が多すぎるため、得られる偏光板の厚みを増大させるだけでなく、CSを落としたり、積算照射量を多くするために照射距離を長くしたりする必要があり、生産性が低下しやすい。
前述のように、本発明では、活性エネルギー線硬化型接着剤が付与される透明フィルムの表層に含まれるセルロースエステルの置換度を低くしている。そのため、活性エネルギー線硬化型接着剤が透明フィルムに過剰に染み込むのを抑制し、活性エネルギー線硬化型接着剤をフィルム表面に保持させることができると考えられる。それにより、例えば活性エネルギー線硬化型接着剤の塗布量を少なくしても、後述する活性エネルギー線を照射する工程までの間に、偏光子と透明フィルムとの間に活性エネルギー線硬化型接着剤を保持させることができる。その結果、偏光子と透明フィルムとを活性エネルギー線硬化型接着剤を介して良好に接着させることができると考えられる。
その一方で、活性エネルギー線硬化型接着剤に、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート化合物を含有させることで、接着剤を透明フィルムの表層上で十分に濡れ広がらせることができる。それにより、偏光子と透明フィルムとを、一層良好に接着させることができると考えられる。
また、セルロースエステルを含む透明フィルムは、従来のアクリル樹脂フィルムや環状オレフィン樹脂フィルムよりも位相差を調整しやすい。そのため、セルロースエステルを含む透明フィルムを位相差フィルムとして用いた場合でも、偏光子と活性エネルギー線硬化型接着剤を介して良好に接着させることができる。
3)透明フィルムと偏光子とを積層する(貼り合わせる)工程
透明フィルムと偏光子とを接着剤層を介して積層する(貼り合わせる)。例えば、前述の塗布工程において、偏光子の表面に活性エネルギー線硬化型接着剤を塗布した場合には、当該塗布された接着剤層上に、透明フィルムの表層が接するように重ね合わせる。あるいは、透明フィルムの表層上に活性エネルギー線硬化型接着剤を塗布した場合には、当該塗布された接着剤層上に偏光子を重ね合わせる。
偏光子の一方の面または両方の面に、透明フィルムを積層すればよい。偏光子の両方の面にそれぞれ透明フィルムを積層した場合、得られた積層物を、一対のロール等で挟んで加圧して貼り合わせることができる。即ち、偏光子と透明フィルムとの積層(貼り合わせ)は、透明フィルムと偏光子とをロールトゥロールで貼り合わせて行うことができる。
ロールの材質は、金属やゴムなどであってよい。積層物の両面に配置される一対のロールは、互いに同じ材質であってもよいし、異なる材質であってもよい。
4)活性エネルギー線を照射して接着剤層を硬化させる工程
前述で塗布した接着剤層に活性エネルギー線を照射して、活性エネルギー線硬化型接着剤層に含まれる硬化性化合物を硬化させる。それにより、偏光子と透明フィルムとを良好に接着させる。
偏光子の片面のみに透明フィルムを貼り合わせる場合、活性エネルギー線を、偏光子または透明フィルムの一方を介して接着剤層に照射してもよい。また、偏光子の両面に透明フィルムを貼り合わせる場合、活性エネルギー線を、それぞれの透明フィルムを介して接着剤層に照射してもよい。
活性エネルギー線の例には、可視光線、紫外線、X線、電子線等が含まれる。取扱いが容易で硬化速度も十分であることから、一般的には、電子線や紫外線が好ましい。
紫外線の照射条件は、接着剤層を十分に硬化できる条件であれば、任意に設定されうる。紫外線の照射量は、積算光量で50〜1500mJ/cmの範囲内であることが好ましく、100〜500mJ/cmの範囲内であることがより好ましい。
紫外線の照射光源は、紫外線領域の波長を発するものであればよく、例えば高圧水銀灯、メタルハライドランプ、LED光源などであり、好ましくはメタルハライドランプでありうる。
電子線の照射条件は、前記接着剤を硬化しうる条件であれば、任意の適切な条件を採用できる。例えば、電子線照射は、加速電圧が好ましくは5kV〜300kVであり、さらに好ましくは10kV〜250kVである。加速電圧が5kV未満であると、電子線が接着剤まで届かず硬化不足となるおそれがある。加速電圧が300kVを超えると、試料を通る浸透力が強すぎて電子線が跳ね返り、透明フィルムや偏光子にダメージを与えるおそれがある。
照射線量は、5〜100kGy程度とすることができ、好ましくは10〜75kGyとしうる。照射線量が5kGy未満であると、接着剤が硬化不足となりやすい。一方、100kGyを超えると、透明フィルムや偏光子にダメージを与え、機械的強度の低下や黄変を生じるおそれがある。
偏光子と透明フィルムとの貼り合わせをロールトゥロールで行う場合、ライン速度は、接着剤の硬化時間によるが、1〜500m/minの範囲とすることができ、好ましくは5〜300m/minの範囲、より好ましくは10〜100m/minの範囲としうる。ライン速度が小さすぎると、生産性が低下するだけでなく、透明フィルムへのダメージが大きくなりやすく、耐久性の高い偏光板が得られにくいことがある。一方、ライン速度が大きすぎると、接着剤層を十分に硬化させることができず、所望の接着性が得られないことがある。
3.液晶表示装置
本発明の液晶表示装置は、少なくとも前述の偏光板を含む。具体的には、液晶表示装置は、液晶セルと、それを挟持する第一および第二の偏光板と、バックライトとを有する。第一および第二の偏光板のうち、少なくとも一方;好ましくは液晶セルの視認側に配置される第一の偏光板と、液晶セルのバックライト側に配置される第二の偏光板の両方を、本発明の偏光板としうる。
図2は、液晶表示装置の構成の一例を示す模式図である。図2に示されるように、液晶表示装置20は、液晶セル30と、それを挟持する第一の偏光板50および第二の偏光板70と、バックライト90とを有する。同図では、第一の偏光板50と第二の偏光板70の両方を本発明の偏光板とした例の一つを示す。
液晶セル30の表示方式は、特に制限されず、TN(Twisted Nematic)方式、STN(Super Twisted Nematic)方式、IPS(In−Plane Switching)方式、OCB(Optically Compensated Birefringence)方式、VA(Vertical Alignment)方式(MVA;Multi−domain Vertical AlignmentやPVA;Patterned Vertical Alignmentも含む)、HAN(Hybrid Aligned Nematic)方式等がある。高いコントラストを得るには、VA(垂直配向)方式が好ましい。
VA方式の液晶セルは、通常、二つの透明基板と、それらの間に配置され、液晶分子を含む液晶層と、を有する。
二つの透明基板のうち一方は、画素電極が配置される。対向電極は、画素電極が配置される一方の透明基板に配置されてもよいし、他方の透明基板に配置されてもよい。
液晶層は、負または正の誘電率異方性を有する液晶分子を含む。液晶分子は、ネマチック液晶分子であることが好ましい。
電圧無印加時では、液晶セルは、透明基板の表面に対して垂直に配向している。そして、電圧を印加時には、透明基板の表面と平行方向の電界を生じさせて、液晶分子を、その長軸が透明基板の表面に平行となるように配向させうる。このように、液晶層を駆動し、各副画素の透過率および反射率を変化させて画像表示を行う。
第一の偏光板50は、本発明の偏光板であり、液晶セル30の視認側の面に配置されている。第一の偏光板50は、第一の偏光子51と、その視認側の面に、活性エネルギー線硬化型接着剤の硬化物層52を介して配置される透明フィルム53(F1)と、第一の偏光子51の液晶セル30側の面に、活性エネルギー線硬化型接着剤の硬化物層52を介して配置された透明フィルム55(F2)とを有する。活性エネルギー線硬化型接着剤の硬化物層52は、透明フィルム53の表層53A上または透明フィルム55の表層55A上に配置されている。
同様に、第二の偏光板70は、本発明の偏光板であり、液晶セル30のバックライト90側の面に配置されている。第二の偏光板70は、第二の偏光子71と、その液晶セル30側の面に活性硬化性組成物の硬化物層72を介して配置された透明フィルム73(F3)と、第二の偏光子71のバックライト90側の面に、活性硬化性組成物の硬化物層72を介して配置される透明フィルム75(F4)とを有する。活性エネルギー線硬化型接着剤の硬化物層72は、透明フィルムの表層73A上または透明フィルム75の表層75A上に配置されている。
透明フィルム55(F2)と73(F3)の少なくとも一方は、必要に応じて省略されてもよい。
図2に示されるように、透明フィルムF1/第一の偏光子51の接着、第一の偏光子51/透明フィルムF2の接着、透明フィルムF3/第二の偏光子71の接着、および第二の偏光子71/透明フィルムF4の接着のうちいずれか一以上に、本発明を適用することができる。なかでも、第一の偏光子51/透明フィルムF2の接着、または透明フィルムF3/第二の偏光子71との接着に、本発明を好ましく適用することができる。
本発明の偏光板は、特定の表層を有する透明フィルムと偏光子とが、活性エネルギー線硬化型接着剤の硬化物層を介して良好に接着されうる。活性エネルギー線硬化型接着剤の硬化物層は、含水量が少なく、弾性率も比較的高いことから、それを含む偏光板の高温高湿下での寸法変化を生じにくくしうる。そのため、本発明の液晶表示装置は、高温高湿下で保存されても、偏光板の寸法変化による表示ムラが抑制されうる。
以下において、実施例を参照して本発明をより詳細に説明する。これらの実施例によって、本発明の範囲は限定して解釈されない。
1.透明フィルムの作製
1)添加剤
a:ポリエステル化合物2−15
Figure 2014041263
b:平均置換度5.5のベンジルサッカロース(糖エステル化合物)
c:トリメチロールプロパントリベンゾエート
d:ポリエステル化合物2−14
Figure 2014041263
e:平均置換度7.2のベンジルサッカロース(糖エステル化合物)
f:トリフェニルホスフィン(関東化学 社製)
g:エチルフタリルエチルグリコレート(東京化成 社製)
h:アクリル樹脂 VB7102(三菱レイヨン社製)
i:アクトフローUMM1001(綜研化学製、重量平均分子量Mw:約1000)
j:ペンタエリスルトール テトラベンゾエート(株式会社ADEKA製)
k:ダイカラック8080 (大同化成工業(株))
l:ポリエステル化合物
Figure 2014041263
2)透明フィルム((A1)単層のセルロースエステルフィルム)の作製
(製造例1)
微粒子添加液1の調製
下記成分を、ディゾルバーで50分間攪拌混合した後、マントンゴーリンで分散させて、微粒子分散液1を得た。
(微粒子分散液1の組成)
微粒子(アエロジル R812 日本アエロジル(株)製):11質量部
エタノール:89質量部
得られた微粒子分散液1を、メチレンクロライドを投入した溶解タンクに十分攪拌しながらゆっくりと添加した。得られた溶液を、微粒子の二次粒子の粒径が所定の大きさとなるようにアトライターにて分散させた後、日本精線(株)製のファインメットNFで濾過して、微粒子添加液1を得た。
(微粒子添加液1の組成)
メチレンクロライド:99質量部
微粒子分散液1:5質量部
次いで、加圧溶解タンクに、メチレンクロライドおよびエタノールを投入した。これに、セルロースエステル(アセチル基置換度0.9、プロピオニル基置換度1.6、総アシル基置換度2.5、数平均分子量7万)、添加剤a、添加剤b、および微粒子添加液1を攪拌しながらさらに投入し、加熱下で攪拌しながら完全に溶解させた。得られた溶液を、安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し、ドープ液1を得た。
(ドープ液1の組成)
メチレンクロライド:340質量部
エタノール:64質量部
セルロースエステル(アセチル基置換度0.9、プロピオニル基置換度1.6、総アシル基置換度2.5、数平均分子量7万):100質量部
添加剤a:3質量部
添加剤b:10質量部
微粒子添加液1:1質量部
得られたドープ液1を33℃に調整し、ベルト流延装置を用いて、1500mm幅でステンレスベルト支持体に均一に流延した。ステンレスベルト支持体上で、ドープ膜を、残留溶媒量が75質量%になるまで乾燥させた。得られたドープ膜を、ステンレスベルト支持体から剥離張力130N/mで剥離してウェブを得た。
得られたウェブを、テンター延伸機にて170℃でウェブの幅方向(TD方向)に20%延伸した。延伸を開始したときのウェブの残留溶媒量は15質量%であった。得られたフィルムを、搬送張力100N/mで、多数のロールで搬送させながら、130℃で乾燥させて、膜厚40μmのフィルムA−1を得た。
(製造例2〜15)
ドープの組成を、表1に示されるように変更した以外は製造例1と同様にしてフィルムA−2〜A−8およびフィルムB−1〜B−6を得た。
得られたフィルムA−1〜A−8およびB−1〜B−6の組成を、表1に示す。
Figure 2014041263
3)透明フィルム((A2)表面処理フィルム、(B)積層フィルム)の作製
(製造例16)
製造例9で作製したフィルムB−1を、50℃の2モル/Lの水酸化カリウム溶液に15秒間浸漬させた後、水洗および乾燥して、表面を鹸化処理した。それにより、フィルムA−9を得た。
(製造例17)
製造例9で調製したドープを基材層用ドープとし;製造例2で調製したドープを表層用ドープとして準備した。そして、基材層用ドープと表層用ドープとを、バンド流延機にて共流延させた。具体的には、走行するバンド上に、流延ダイから基材層用ドープと表層用ドープとを同時多層流延させた。
バンド上で流延したドープ膜を、残留溶剤量が約30質量%となるまで乾燥させた後、バンドから剥ぎ取ってウェブを得た。得られたウェブを、テンターにて140℃の熱風で乾燥させた後、ロールで搬送させながら120〜150℃でさらに乾燥させた。
得られたウェブを、テンターにて140℃、延伸倍率30%でウェブの幅方向(TD方向)に延伸した。延伸開始時のウェブの残留溶剤量は、25質量%とした。得られたフィルムを、120〜150℃で乾燥させた。それにより、基材層(B−1)と表層(A−2)とを有するフィルムA−10を得た。得られたフィルムA−1の総厚みは40μmであり、各層の厚みは基材層/表層=40μm/5μmであった。
(製造例18)
製造例9で作製したフィルムB−1を、以下の条件でプラズマ処理して、フィルムA−11を得た。
(プラズマ処理条件)
圧力:大気圧
プラズマ励起性気体:ヘリウム
印加電圧:14kV
処理時間:10秒
(製造例19〜23)
フィルムの鹸化処理条件(特に、鹸化液濃度、鹸化液温度、および処理時間のいずれか一以上)を調整して、表層のセルロースエステルの置換度を表2に示されるように変更した以外は製造例16と同様にして、フィルムA−12〜16を得た。
得られたフィルムA−9〜A−16の表層に含まれるセルロースエステルの置換度を、以下のようにして測定した。この結果を表2に示す。
HNMR測定)
フィルムA−9〜A−16の表面処理された面から0.2μmの深さまでの部分を、ダイプラ・ウィンテス株式会社製 SAICAS DN(表面・界面物性解析装置)を用いて削り取り、必要量の粉状のサンプルを得た。得られた粉状のサンプルに含まれるセルロースエステルの置換度を、HNMR法、具体的には特表2010−529216号公報の段落0226〜0234に記載の方法に準じて測定した。それにより、サンプルに含まれるセルロースエステルのアセチル基置換度A、炭素数3以上のアシル基の置換度B、およびアシル基の総置換度(A+B)を測定した。その結果を表2に示す。
さらに、試料に含まれるセルロースエステルのアシル基の総置換度(A+B)を、以下の方法によっても測定した。
(FT−IR測定)
1)検量線の作成
下記セルロースエステルa〜dの、アセチル基置換度およびプロピオニル基置換度を、ASTM D−817−91、ASTM D−817−96または特表2010−529216号公報の段落0226〜0234に記載の方法に準じて測定した。
(セルロースエステル)
C−a:モノアセチルセルロース、アセチル基置換度1.0(アシル基総置換度1.0)アルドリッチ社製(FLUKA)
C−b:トリアセチルセルロース(イーストマン社製 VM149)、アセチル基置換度(アシル基総置換度)2.9、数平均分子量139000
C−c:ジアセチルセルロース(ダイセル社製 L−70)、アセチル置換度(アシル基総置換度)2.4、数平均分子量60000
C−d:セルロースアセテートプロピオネート(イーストマン社製 CAP482−20)、アセチル基置換度0.2、プロピオニル基置換度2.6、アシル基総置換度:2.8、数平均分子量75000
次いで、上記セルロースエステルa〜dを、100℃で3時間乾燥させた後、予めセルロースエステルに含まれる水分を除去した。得られたセルロースエステルの粉状体を薄片状に加工し、その吸収スペクトルをFT−IRにより測定した。
FT−IRで得られた各セルロースエステルの吸収スペクトルにおいて、カルボニル由来の吸収ピーク強度(1750cm−1付近の吸収ピーク強度)Xと、セルロースのピラノース環由来の吸収ピーク強度(1000〜1100cm−1付近の吸収ピーク強度)Yを測定した。そして、得られたX/Yの値(下記参照)を、アシル基総置換度(A+B)に対してプロットして検量線を得た。
(セルロースエステル)
C−a:X/Y=1.0
C−b:X/Y=1.5
C−c:X/Y=1.3
C−d:X/Y=1.4
そして、前述で得られた粉状のサンプルを、100℃で3時間乾燥させて水分を除去した。この粉状のサンプルを薄片状に加工し、その吸収スペクトルをFT−IRの反射ATR法により測定し、X/Yの値を得た。そして、前述で得た検量線と照合して、サンプルに含まれるセルロースエステルのアシル基総置換度(A+B)を算出した。FT−IR法で得られたセルロースエステルのアシル基総置換度(A+B)と、HNMR法で得られたセルロースエステルのアシル基総置換度(A+B)とはほぼ同じであった。
Figure 2014041263
3)その他の透明フィルム(環状オレフィン樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム)の作製
(製造例24)
環状オレフィン樹脂のペレット(ノルボルネン系重合体、日本ゼオン社製ZEONOR1420、Tg:136℃)を、減圧下、90℃、6時間乾燥させた後、単軸押し出し機に投入した。窒素雰囲気下、240℃で溶融混練した。その後、ダイから、表面温度が90℃である冷却ロール上に押し出した。そして、冷却ロール上に押し出された樹脂を、弾性タッチロールで押圧して成形した。
ダイのスリットのギャップが、フィルム幅方向の端部から30mm以内では0.7mm、それ以外の箇所では1mmとした。弾性タッチロールの表面温度は80℃とした。
ダイから押し出された樹脂が冷却ロールに接触する位置P1から、冷却ロールと弾性タッチロールとのニップ部分の、冷却ロールの回転方向上流端の位置P2までの、冷却ローラの周面に沿った長さLを20mmとした。弾性タッチロールの冷却ロールに対する線圧は14.7N/cmとした。
その後、弾性タッチロールを冷却ロールから離間させ、冷却ロールと弾性タッチロールとでニップされる直前の溶融樹脂の温度Tを測定した。当該溶融樹脂の温度Tは、ニップ上流端P2よりも更に1mm上流側の位置で、温度計(安立計器株式会社製HA−200E)により測定した結果、141℃であった。
ダイから押し出された樹脂を、複数の冷却ロールで冷却固化した後、剥離ロールで剥離して、厚さ80μm、幅1000mm、長さ1500mの原反フィルムを得た。得られた原反フィルムの両端部10cmをスリットし、ロール延伸装置にて原反フィルムの搬送方向(MD方向)に、150℃で延伸倍率2.0倍に延伸した。搬送方向(MD方向)の延伸倍率は、ロール延伸装置の加熱ヒータを両面から当て、搬送方向下流側のロールの周速を、原反フィルムの搬送速度の2倍に設定して行った。
搬送方向(MD方向)に延伸後のフィルムは、両端部が収縮しているため、さらにフィルムの両端部を20cmスリットした。得られたフィルムの両端部を、テンター延伸機のクリップで把持して、予熱ゾーンで120℃に予熱した後、延伸ゾーンでフィルムの幅方向(TD方向)に150℃で延伸倍率2.0倍に延伸した。その後、得られたフィルムを、幅方向に3%緩和させながら30℃まで冷却させた。次いで、クリップを外して、フィルム両端部のクリップで把持されていた部分20cmを裁ち落とした後、フィルム両端部に幅20mm、高さ25μmのナーリング加工を施して、熱可塑性樹脂フィルムを得た。得られた熱可塑性樹脂フィルムを、巻き取り張力220N/mにて巻き取った。熱可塑性樹脂フィルムは、膜厚20μm、幅1800mm、長さ5000mの環状オレフィン樹脂フィルムD−1を得た
(製造例25)
環状オレフィン樹脂のペレットを、(メタ)アクリル樹脂のペレット(アクリル旭化成ケミカルズ(株)製80NH(PMMA))に変更した以外は製造例24と同様にして、(メタ)アクリル樹脂フィルムD−2を得た。
(製造例26)
ラクトン環含有(メタ)アクリル樹脂のペレットの作製
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管を付した1mの反応釜に、204kgのメタクリル酸メチル(MMA)、51kgの2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(MHMA)、249kgのトルエンを仕込み、窒素ガスを通じつつ、105℃まで昇温して還流させた。そして、得られた溶液に、重合開始剤として281gのターシャリーアミルパーオキシイソノナノエート(アトフィナ吉富製、商品名:ルペロックス570)を添加し、さらに561gの重合開始剤と5.4kgのトルエンからなる溶液を2時間かけて滴下しながら、還流下(約105〜110℃)で溶液重合を行い、さらに4時間かけて熟成を行った。
得られた重合体溶液に、255gのリン酸ステアリル/リン酸ジステアリル混合物(堺化学製、商品名:Phoslex A−18)を添加し、還流下(約90〜110℃)で5時間、環化縮合反応を行った。
次いで、上記環化縮合反応で得られた重合体溶液を、バレル温度250℃、回転数150rpm、減圧度13.3〜400hPa(10〜300mmHg)、リアベント数1個、フォアベント数4個のベントタイプスクリュー二軸押出し機(Φ=42mm、L/D=42)に、樹脂量換算で15kg/時間の処理速度で導入し、押し出し機内で環化縮合反応と脱揮を行った。脱揮後、得られた溶融樹脂をストランド状に押し出した後、水冷してカッティングし、透明なペレットを得た。透明なペレットの、ラクトン環構造の含有割合は20質量%であった。
環状オレフィン樹脂のペレットを、得られたラクトン環含有(メタ)アクリル樹脂のペレットに変更した以外は製造例24と同様にして、ラクトン環含有(メタ)アクリル樹脂フィルムD−3を得た。
2.偏光板の作製
(実施例1)
1)偏光子の作製
平均重合度2400、ケン化度99.9モル%の厚み75μmのポリビニルアルコールフィルムを、30℃の温水中に60秒間浸漬し膨潤させた。次いで、得られたフィルムを、ヨウ素/ヨウ化カリウム(重量比=0.5/8)の濃度0.3%の水溶液に浸漬し、3.5倍まで延伸させながら染色した。その後、得られたフィルムを、65℃のホウ酸エステル水溶液中で、トータルの延伸倍率が6倍となるように延伸した。その後、得られたフィルムを、40℃のオーブンにて3分間乾燥して、厚み30μmの偏光子を得た。
2)活性エネルギー線硬化型接着剤の調製
HEAAを50質量部、HEAを50質量部、およびチバ・ジャパン(株)製Irugacure819を3質量部混合して、50℃で1時間撹拌し、活性エネルギー線硬化型接着剤を得た。表3で用いた各成分は、以下のとおりである。
HEAA:興人製 ヒドロキシエチルアクリルアミド
HEA :興人製 2−ヒドロキシエチルアクリレート
ACMO :興人製 アクリロイルモルホリン
HBA :日本化成製 4−ヒドロキシブチルアクリレート
セロキサイド2021P:ダイセル化学工業社製の下記式で表される脂環式エポキシ化合物(エポキシ当量128−140g/eq)
Figure 2014041263
Irugacure819:チバ・ジャパン(株)製 光ラジカル重合開始剤
CPI−101A:サンアプロ社製 光カチオン重合開始剤
UVS−1221:サンアプロ社製 光増感剤
3)評価用の偏光板の作製
以下のようにして、評価用の偏光板を作製し、接着性および歩留まりを、以下の方法で評価した。
3−1)片TAC偏光板の作製
前述で作製した偏光子の一方の面に、TACフィルム(コニカミノルタ社製 KC4UY)を、水糊を介して貼り合わせ;偏光子の他方の面に、プロテクトフィルムを、水糊を介して貼り合わせた。プロテクトフィルムは、ポリエステル系の離型フィルムとし、既知の方法で貼りつけた。それにより、片TAC偏光板を得た。
3−2)評価用の偏光板の作製
図3Aおよび図3Bは、評価用の偏光板の構成を示す模式図である。図3Aおよび図3Bに示されるような評価用の偏光板を、以下の手順で作製した。
i)50mm×200mmのガラス板上に、前記1)で作製した片TAC偏光板を、TACフィルムがガラス板側となるように、基材レス接着テープ(DIC社製、Z87011W 50mm×100mm)を介して貼り付けた。
ii)片TAC偏光板のプロテクトフィルムを剥がして、露出した偏光子面に、活性エネルギー線硬化型接着剤を、塗布厚みで0.5μmとなるように塗布した。次いで、図3Aに示されるように、製造例1で得たフィルムA−1を、偏光子上の接着剤層上に積層した。透明フィルムの積層は、図3Aに示されるように、透明フィルムと接着剤層との間の一部に、PETフィルム(テイジンテトロンフィルム(帝人社製) G2 膜厚100μm 50mm×5mm)を挟ませながら行った。
iii)得られた積層物に、照射装置としてFusion UV Systems,Inc社製Light HAMMER10(ガリウム封入メタルハライドランプ)を用いて、以下の条件で紫外線を照射し、接着剤層を硬化させた。照射条件は、バルブ:Vバルブ、ピーク照度:1600mW/cm、積算照射量:1000/mJ/cm(波長380〜440nm)とした。
iv)透明フィルム上に、図3Aに示されるように、基材レス接着テープ(DIC社製)を介してPETフィルム(テイジンテトロンフィルム(帝人社製) G2 膜厚100μm 50mm×100mm)をさらに貼り付けた。それにより、PETフィルムの剥がししろを有する評価用の偏光板(50mm×100mm)を得た。
[接着性1]
得られた評価用の偏光板のPETフィルムの剥がししろをクリップで挟んで固定した。そして、図3Bに示されるように、剥がししろを、ガラス板の表面の法線方向に一定の荷重30(N/50mm)で引っ張った。透明フィルムの剥離状態を目視観察して、以下の基準で評価した。
○:透明フィルムの70%以上が破断して偏光子側に残る、または偏光子が破壊される
○△:透明フィルムの50%以上70%未満が破断して偏光子に残る、または接着剤が偏光子と透明フィルムの両方に残る
△:透明フィルムの20%以上50%未満が破断して偏光子に残る
△×:透明フィルムの10%以上20%未満が破断して偏光子に残り、かつ接着剤が偏光子と透明フィルムの両方に残る
×:透明フィルムの10%未満が破断して偏光子に残る(接着剤がほぼ偏光子側に残る)
[歩留まり]
前述のようにして作製した評価用の偏光板を7個準備した。このとき、接着剤塗布後から30秒経過後に一定の接着性が得られる偏光板の数をカウントし、歩留まりを以下の基準に基づいて行った。
○:全ての偏光板で一定の接着性が得られた
○△:1つの偏光板で一定の接着性が得られなかった
△:2つの偏光板で一定の接着性が得られなかった
△×:3〜6つの偏光板で一定の接着性が得られなかった
×:全ての偏光板で一定の接着性が得られなかった
(実施例2〜28、比較例1〜9)
製造例1で得たフィルムA−1を表3または4に示されるように変更した以外は実施例1と同様にして評価用の偏光板を作製し、偏光板の接着性と歩留まりを評価した。
実施例1〜20の評価結果を表3に示し;実施例21〜28および比較例1〜9の評価結果を表4に示す。
Figure 2014041263
Figure 2014041263
(実施例29)
以下のようにして、評価用の偏光板を作製し、接着性2および歩留まりを評価した。
評価用の偏光板の作製
製造例1で作製したフィルムA−1を2枚準備し、それぞれの片面に、実施例1で作製した活性エネルギー線硬化型接着剤を、MCDコーター(富士機械社製)を用いて、塗布厚みが0.5μmになるように塗布した。MCDコーターのセル形状:ハニカム、グラビアロール線数:1000本/inch、回転速度140%/対ライン速とした。次いで、ロール機を用いて、前述で作製した偏光子の一方の面にフィルムA−1(透明フィルムF1またはF4)を貼り合わせ、かつ他方の面にもう一方のフィルムA−1(透明フィルムF2またはF3)を貼り合わせた。得られた積層物のうち、透明フィルムF2(またはF3)の側を、IRヒータを用いて50℃に加温し、さらに透明フィルムF2(またはF3)側のみから紫外線を照射し、接着剤を硬化させた。その後、得られた積層物を70℃で3分間熱風乾燥して、後述する図4の第一の偏光板に示されるような透明フィルムF1/偏光子/透明フィルムF2(または第二の偏光板に示されるような透明フィルムF3/偏光子/透明フィルムF4)の評価用の偏光板を得た。
[接着性2]
1)透明フィルムF1(またはF4)の接着性
得られた評価用の偏光板の透明フィルムF1(またはF4)を、その表面の法線方向に一定の荷重30(N/50mm)で引っ張った。透明フィルムF1(またはF4)の剥離状態を目視観察して、以下の基準で評価した。評価基準は、接着性1の評価基準と同様とした。
2)透明フィルムF2(またはF3)の接着性
得られた評価用の偏光板の透明フィルムF2(またはF3)を、その表面の法線方向に一定の荷重30(N/50mm)で引っ張った。透明フィルムF2(またはF3)の剥離状態を目視観察して、前述と同様にして評価した。
[歩留まり]
前述のようにして作製した評価用の偏光板を7個準備した。このとき、透明フィルムF2(またはF3)上に接着剤を塗布した後から30秒経過後に、透明フィルムF2(またはF3)/偏光子との間で一定の接着性が得られる偏光板の数をカウントし、歩留まりを以下の基準に基づいて行った。評価基準は、前述の歩留まりの評価基準と同様とした。
(実施例30〜35)
透明フィルムF1(またはF4)とF2(またはF3)の種類を表5に示されるように変更した以外は実施例29と同様にして偏光板を作製し、接着性2と歩留まりを評価した。
実施例29〜35の評価結果を表5に示す。
Figure 2014041263
表3および4に示されるように、実施例1〜28の偏光板は、偏光子と透明フィルムとの間の接着性が良好であり、かつ歩留まりも良好であることがわかる。これに対して比較例1〜9の偏光板は、接着性と歩留まりとを両立できないことがわかる。
実施例21〜28の偏光板は、透明フィルムとして「鹸化処理またはプラズマ処理された単層のセルロースエステルフィルム」や「表層に所定のセルロースエステルを含む積層フィルム」を含んでいる。そのため、透明フィルム上に塗布された活性エネルギー線硬化型接着剤が、透明フィルムに過剰に染みこむことなく、偏光子と透明フィルムとの界面に良好に保持されたと考えられる。それにより、透明フィルムと偏光子とを、活性エネルギー線硬化型接着剤を介して良好に接着できたことがわかる。
一方、比較例1〜6の偏光板は、接着性が低いことがわかる。これは、透明フィルムの表層に含まれるセルロースエステルの置換度が高く、活性エネルギー線硬化型接着剤が透明フィルムに過剰に染みこみ、偏光子と透明フィルムとの界面に保持されなかったためと考えられる。一方、比較例7〜9の偏光板に含まれる透明フィルムは、そもそもセルロースエステルを含む透明フィルムではないことから、活性エネルギー線硬化型接着剤の染みこみが生じなかったと考えられる。
また、表5に示されるように、実施例29〜35の偏光板では、紫外線を、透明フィルムF2(またはF3)側のみから照射しているにも係わらず、透明フィルムF1(またはF4)/偏光子間および偏光子/透明フィルムF2(またはF3)間の接着性がいずれも良好であることがわかる。
2.液晶表示装置の作製
(実施例36)
環境変動試験用の偏光板の作製
製造例1で作製したフィルムA−1上に、作製した活性エネルギー線硬化型の接着剤組成物を、MCDコーター(富士機械社製)を用いて、塗布厚みが0.5μmになるように塗布した。MCDコーターのセル形状:ハニカム、グラビアロール線数:1000本/inch、回転速度140%/対ライン速とした。次いで、得られたフィルムA−1を、ロール機を用いて、前述で作製した偏光子の両面に貼り合わせた。貼り合わせたフィルムA−1の両側から、IRヒータを用いて50℃に加温し、さらに一方のフィルムA−1と他方のフィルムA−1の両方から紫外線を照射して接着剤組成物を硬化させた。その後、得られた積層物を70℃で3分間熱風乾燥して、偏光子と、その両面に貼り合わされた一対のフィルムA−1とを有する偏光板を得た。偏光子と、フィルムA−1との貼り合わせは、ライン速度25m/minにて行った。
環境変動試験
サイクルサーモ EC−25EXHH(日立アプライアンス)を用いて、上記偏光板の温度を、湿度20%下で−50℃から90℃までの範囲で、20℃おきに上昇させ、かつ各温度で1時間ずつ保持させた(1サイクル目)。次に、湿度50%下で、偏光板の温度を、前述と同様に−50℃から90℃までの範囲で20℃おきに上昇させ、かつ各温度で1時間ずつ保持させた(2サイクル目)。さらに、湿度90%下で、偏光板の温度を、前述と同様に−50℃から90℃までの範囲で20℃おきに上昇させ、かつ各温度で1時間ずつ保持させた(3サイクル目)。これらの3サイクルを1セットとして、当該1セットを500時間繰り返した。
[偏光板の耐久性の評価]
環境変動試験前の偏光板を、23℃55%RHの雰囲気下で24時間以上調湿した後、同雰囲気下において、NDH 5000、日本電色(株)製を使用して偏光板の全光線透過率を測定した。次いで、環境変動試験を経た偏光板を、同条件で調湿し、得られた偏光板の全光線透過率を測定した。得られた測定値を、それぞれ下記式に当てはめて、耐久試験前後の偏光板の全光線透過率の上昇率を算出し、偏光板の耐久性を評価した。
全光線透過率の上昇率(%)={(環境変動試験後の全光線透過率−環境変動試験前の全光線透過率)/環境変動試験前の全光線透過率}×100
○:偏光板の全光線透過率の上昇率が10%未満
○△:偏光板の全光線透過率の上昇率が10%以上20%未満
△:偏光板の全光線透過率の上昇率が20%以上
×:透明フィルムが剥がれて、偏光板を作製できなかった
液晶表示装置の作製
前述の環境変動試験後に得られた偏光板を、VA型の液晶セルの両面に貼り合わせて液晶表示装置を得た。具体的には、図4に示されるような液晶表示装置の構成において、透明フィルムF1〜F4の種類、および透明フィルムF1/偏光子1間の接着剤1、透明フィルムF2/偏光子1間の接着剤2、透明フィルムF3/偏光子2間の接着剤3および透明フィルムF4/偏光子2間の接着剤4を、それぞれ表6に示されるようにした。貼り合わせは、透明フィルムF2とF3が液晶セルと接するように行った。
[液晶表示装置のコントラストの測定]
得られた液晶表示装置のコントラストを、ELDIM社製EZ−contrastを用いて、方位角を変えながら測定した。コントラストの測定は、パネル面の法線方向からの傾き角80°において、方位角を変えながら全方位について行った。また、コントラスト=液晶表示装置の白表示時の輝度/黒表示時の輝度とした。そして、コントラストを、以下の基準に基づいて評価した。
○:コントラストが全方位で30以上
○△:コントラストが全方位で25以上30未満
△:コントラストが全方位で15以上25未満
×:コントラストが15未満の領域が存在した
−:液晶パネル(第一の偏光板/液晶セル/第二の偏光板)を作製できなかった
(実施例37〜55)
透明フィルムF1〜F4の種類または活性エネルギー線硬化型接着剤の組成を、表6に示されるように変更した以外は実施例36と同様にして偏光板を得た。そして、得られた偏光板の環境変動試験を行った後、実施例36と同様にして当該偏光板の耐久性の評価およびそれを用いた液晶表示装置のコントラストの測定を行った。
(実施例56〜63)
透明フィルムF1〜F4の種類を表7に示されるように変更し、かつ透明フィルムの表面処理面(鹸化処理面またはプラズマ処理面)または低置換度のセルロースエステルを主成分として含む層上に、作製した活性エネルギー線硬化型接着剤を塗布した以外は実施例36と同様にして偏光板を得た。そして、得られた偏光板の環境変動試験を行った後、実施例36と同様にして当該偏光板の耐久性の評価およびそれを用いた液晶表示装置のコントラストの測定を行った。
(実施例64〜70)
透明フィルムF1〜F4の種類を表7に示されるように変更し、かつ第一の偏光板の作製時には透明フィルムF2側のみから活性エネルギー線を照射し、第二の偏光板の作製時には透明フィルムF3側のみから活性エネルギー線を照射し、接着剤を硬化させた以外は実施例36と同様にして偏光板を得た。そして、得られた偏光板の環境変動試験を行った後、実施例36と同様にして当該偏光板の耐久性の評価およびそれを用いた液晶表示装置のコントラストの測定を行った。
(比較例12〜17)
透明フィルムF1〜F4の種類または活性エネルギー線硬化型接着剤の組成を、表7に示されるように変更した以外は実施例36と同様にして偏光板を得た。そして、得られた偏光板の環境変動試験を行った後、実施例36と同様にして当該偏光板の耐久性の評価およびそれを用いた液晶表示装置のコントラストの測定を行った。
実施例36〜55の評価結果を表6に示し;実施例56〜70および比較例12〜17の評価結果を表7に示す。
Figure 2014041263
Figure 2014041263
実施例36〜70および比較例12〜17の液晶表示装置を構成する第一および第二の偏光板は、表3〜5の実施例1〜35の接着性の評価結果からも示されるように、偏光子1と透明フィルムF1またはF2との接着性、および偏光子2と透明フィルムF3またはF4との接着性がいずれも良好であった。一方、比較例12〜17の液晶表示装置を構成する第一および第二の偏光板の偏光板は、表4の比較例1〜6からも示されるように、偏光子1と透明フィルムF1またはF2との接着性、および偏光子2と透明フィルムF3またはF4との接着性が、いずれも十分ではなかった。
また、実施例36〜70で作製した偏光板は、比較例12〜17で作製した偏光板よりも、環境変動に対する耐性が良好であることがわかる。それと対応して、実施例36〜70の液晶表示装置は、比較例12〜17の液晶表示装置よりも環境変動に対する耐性が良好であることがわかる。
本発明によれば、高温高湿下における寸法変化が少なく、かつセルロースエステルフィルムなどの透明フィルムと偏光子との接着性が高い偏光板とその製造方法を提供することができる。さらに、偏光板の寸法変化に起因する表示ムラが抑制された液晶表示装置を提供することができる。
10 偏光板
11 偏光子
13、15、53、55、73、75 透明フィルム
13A、15A、53A、55A、73A、75A 表層
17、52、72 活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物層
20 液晶表示装置
30 液晶セル
50 第一の偏光板
51 第一の偏光子
70 第二の偏光板
71 第二の偏光子
90 バックライト

Claims (20)

  1. 偏光子と、
    前記偏光子の少なくとも一方の面に配置された透明フィルムと、
    前記偏光子と前記透明フィルムとの間に配置された活性エネルギー線硬化型接着剤の硬化物層と、
    を含み、
    前記透明フィルムの前記硬化物層が配置される表層は、アセチル基の置換度をAとし、炭素数3以上のアシル基の置換度をBとしたとき、下記式(a−1)および下記式(b−1)を満たすセルロースエステルを主成分として含む、偏光板。
    0≦A<2.6 …(a−1)
    0≦A+B<2.6 …(b−1)
  2. 前記透明フィルムは、単層のセルロースエステルフィルムである、請求項1に記載の偏光板。
  3. 前記透明フィルムは、前記式(a−1)および前記式(b−1)を満たすセルロースエステルを主成分として含む単層のセルロースエステルフィルムである、請求項2に記載の偏光板。
  4. 前記透明フィルムは、下記式(a−2)および下記式(b−2)を満たすセルロースエステルを主成分として含むセルロースエステルフィルムの表層を構成するセルロースエステルのアセチル基の置換度Aまたは炭素数3以上のアシル基の置換度Bを低下させて、前記表層を構成するセルロースエステルのアセチル基の置換度Aおよび炭素数3以上のアシル基の置換度Bが前記式(a−1)および式(b−1)を満たすように前記セルロースエステルフィルムを表面処理したものである、請求項2に記載の偏光板。
    0≦A<3.0 …(a−2)
    0≦A+B<3.0 …(b−2)
  5. 前記表面処理は、鹸化処理またはプラズマ処理である、請求項4に記載の偏光板。
  6. 前記透明フィルムは、積層フィルムであって、
    前記積層フィルムの、前記活性エネルギー線硬化型接着剤の硬化物層が配置される表層が、前記式(a−1)および前記式(b−1)を満たすセルロースエステルを主成分として含む、請求項1に記載の偏光板。
  7. 前記表層に含まれるセルロースエステルは、下記式(a−3)をさらに満たす、請求項1〜6のいずれか一項に記載の偏光板。
    1.5≦A<2.5 …(a−3)
  8. 前記活性エネルギー線硬化型接着剤は、(メタ)アクリロイル基を含む化合物を少なくとも一種類以上含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の偏光板。
  9. 前記活性エネルギー線硬化型接着剤は、N置換(メタ)アクリルアミド系化合物と、(メタ)アクリレート系化合物とを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の偏光板。
  10. 前記活性エネルギー線硬化型接着剤に含まれる硬化性化合物の合計に対して、前記N置換(メタ)アクリルアミド系化合物の含有量は25〜99質量%であり、かつ前記(メタ)アクリレート系化合物の含有量は1〜75質量%である、請求項9に記載の偏光板。
  11. 前記活性エネルギー線硬化型接着剤の硬化物層の厚みは、10μm以下である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の偏光板。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の偏光板を含む、液晶表示装置。
  13. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の偏光板の製造方法であって、
    アセチル基の置換度をAとし、炭素数3以上のアシル基の置換度をBとしたとき、下記式(a−1)および下記式(b−1)を満たすセルロースエステルを主成分として含む表層を有する透明フィルムを得る工程と、
    0≦A<2.6 …(a−1)
    0≦A+B<2.6 …(b−1)
    前記透明フィルムの前記表層上に、活性エネルギー線硬化型接着剤を塗布して、接着剤層を得る工程と、
    前記透明フィルムと前記偏光子とを前記接着剤層を介して積層して積層物を得る工程と、
    前記積層物に活性エネルギー線を照射して、前記接着剤層を硬化させて硬化物層を得る工程と、
    を含む、偏光板の製造方法。
  14. 前記透明フィルムは、単層のセルロースエステルフィルムであって、
    前記透明フィルムを得る工程は、下記式(a−2)および下記式(b−2)を満たすセルロースエステルを主成分として含むセルロースエステルフィルムの表層を構成するセルロースエステルのアセチル基の置換度Aまたは炭素数3以上のアシル基の置換度Bを低下させて、前記表層を構成するセルロースエステルのアセチル基の置換度Aおよび炭素数3以上のアシル基の置換度Bが前記式(a−1)および式(b−1)を満たすように前記セルロースエステルフィルムを表面処理して前記透明フィルムを得る工程を含み、
    前記透明フィルムの前記表層は、前記表面処理された面である、請求項13に記載の偏光板の製造方法。
    0≦A<3.0 …(a−2)
    0≦A+B<3.0 …(b−2)
  15. 前記表面処理は、鹸化処理またはプラズマ処理である、請求項14に記載の偏光板の製造方法。
  16. 前記透明フィルムは、積層フィルムであって、
    前記透明フィルムを得る工程は、透明樹脂ドープと、前記式(a−1)および式(b−1)を満たすセルロースエステルを含むドープとを共流延して前記透明フィルムを得る工程を含み、
    前記透明フィルムの前記表層は、前記セルロースエステルを含むドープから得られる層である、請求項13に記載の偏光板の製造方法。
  17. 前記透明フィルムは、積層フィルムであって、
    前記透明フィルムを得る工程は、透明樹脂層上に前記式(a−1)および式(b−1)を満たすセルロースエステルを含むドープを塗布して透明フィルムを得る工程を含み、
    前記透明フィルムの前記表層は、前記セルロースエステルを含むドープから得られる層である、請求項13に記載の偏光板の製造方法。
  18. 前記活性エネルギー線硬化型接着剤は、(メタ)アクリロイル基を含む化合物を少なくとも一種類以上含む、請求項13〜17のいずれか一項に記載の偏光板の製造方法。
  19. 前記活性エネルギー線硬化型接着剤は、N置換(メタ)アクリルアミド系化合物と、(メタ)アクリレート系化合物とを含む、請求項13〜18のいずれか一項に記載の偏光板の製造方法。
  20. 前記接着剤層の塗布厚みは、10μm以下である、請求項13〜19のいずれか一項に記載の偏光板の製造方法。

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