以下、本発明の実施の形態について説明する。
また、以下の説明では、用紙としてどのサイズの用紙であっても適用可能である。また以下の実施の形態では、例えばインクジェットで印刷するが、他の手法で印刷してもよく、本発明では印刷形式は特に限定されない。
<封入封緘システムの構成>
本発明の一実施形態である封入封緘システムの構成について説明する。なお、説明中において、「上流」とは、内容物用紙等の搬送方向から見て上流のことをいい、「下流」とは、内容部用紙等の搬送方向から見て下流のことをいう。また、図2で、「L」は正面から見た左方向、「R」は正面から見た右方向を示す。
図1は、本発明の一実施形態である封入封緘システムにおける封筒の形成を説明する説明図であり、図2は、本発明の一実施形態である封入封緘システムの模式的な正面図である。
図1、図2に示すように、封入封緘システム1は、画像形成装置3と封入封緘装置5とを有する。図2に示すように、画像形成装置3は、複数枚の内容物用紙P1及び封筒用紙P2に印刷を行い、印刷済みの複数枚の内容物用紙P1及び封筒用紙P2から内容物B及び封筒Eをそれぞれ形成して、内容物Bを封入した状態で封筒Eを封緘することにより、封書Mを作製するシステムである。換言すれば、封入封緘システム1は、複数枚の内容物用紙P1及び封筒用紙P2に印刷を行う画像形成装置3と、この画像形成装置3に隣接した位置に設けられた封入封緘装置(封書作製装置)5との組み合わせからなっている。ここで、封入封緘装置5は、印刷済みの複数枚の内容物用紙P1及び封筒用紙P2から内容物B及び封筒Eをそれぞれ形成して、内容物Bを封入した状態で封筒Eを封緘することにより、封書Mを作製するものである。
画像形成装置3は、画像形成装置筐体7(以下、適宜に装置筐体7という)を具備しており、この装置筐体7内には、ジョブに含まれる画像データ(内容物画像データ及び封筒画像データ)に基づいて内容物用紙P1及び封筒用紙P2に印刷を行うインクジェット方式の印刷部9が設けられている。この印刷部9は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色のインクを吐出する複数のライン型のインクヘッド11A,11B,11C,11Dを備えている。
インクヘッド11A,11B,11C,11Dの直下には、環状のプラテンベルト14が設けられており、内容物用紙P1及び封筒用紙P2がプラテンベルト14内に設置されたサクションファン(図示しない)によってプラテンベルト14上に吸引され、搬送路上を所定の搬送速度で搬送されながら、インクヘッド11A,11B,11C,11Dから吐出されたインクにより内容物用紙P1及び封筒用紙P2に印刷される。
また、装置筐体7内には、内容物用紙P1及び封筒用紙P2を搬送するためのループ状の印刷搬送路13が印刷部9を囲むように設けられている。装置筐体7内における印刷搬送路13に沿った位置には、内容物用紙P1及び封筒用紙P2を挟持して搬送する複数の第1搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられている。複数の第1搬送ローラ対は、適宜の第1搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
装置筐体7内における印刷部9の下側には、複数枚の内容物用紙P1を印刷部9側(印刷搬送路13側)へ順次給紙する複数の内容物用紙給紙部15が上下方向に段状に設けられている。各内容物用紙給紙部15は、複数枚の内容物用紙P1を積載する給紙トレイ17と、この給紙トレイ17に積載された複数枚の内容物用紙P1を印刷部9側へ順次送り出す複数の給紙ローラ19とを備えている。複数の給紙ローラ19は、適宜の内容物用紙給紙モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
また、装置筐体7内の左部には、内容物用紙P1を印刷部9側へ搬送するための給紙搬送路21が設けられており、この給紙搬送路21は、上流端側(基端側)に2つの分岐部分21aを有している。更に、給紙搬送路21の各分岐部分21aの端部は、対応する内容物用紙給紙部15に接続してあり、給紙搬送路21の下流端部(先端部)は、印刷搬送路13に接続してある。そして、装置筐体7内における給紙搬送路21に沿った位置には、内容物用紙P1を挟持して搬送する複数の第2搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第2搬送ローラ対は、適宜の第2搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
装置筐体7の左側部には、封筒用紙P2を印刷部9側(印刷搬送路13側)へ給紙する封筒用紙給紙部23が設けられており、この封筒用紙給紙部23は、複数枚の封筒用紙P2を積載する給紙トレイ25と、この給紙トレイ25に積載された封筒用紙P2を印刷部9側へ送り出す複数の給紙ローラ27とを備えており、複数の給紙ローラ27は、適宜の封筒用紙給紙モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。また、装置筐体7内の左部には、封筒用紙P2を印刷部9側へ搬送するための給紙搬送路29が設けられており、この給紙搬送路29の上流端部(基端部)は、封筒用紙給紙部23に接続してあって、給紙搬送路29の下流端部(先端部)は、印刷搬送路13に接続してある。そして、装置筐体7内における給紙搬送路29に沿った位置には、封筒用紙P2を挟持して搬送する複数の第3搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第3搬送ローラ対は、適宜の第3搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
なお、内容物用紙P1は、給紙トレイ25に載置されてもよいし、封筒用紙P2は、給紙トレイ17に載置されてもよい。
給紙搬送路29を搬送された封筒用紙P2、及び給紙搬送路21を搬送された内容物用紙P1は、レジストローラ30に突き当てられる。これにより、封筒用紙P2及び内容物用紙P1に弛みが生じ、この弛みにより封筒用紙P2及び内容物用紙P1の先端の位置あわせと斜行修正がなされ、その後、所定のタイミングで印刷部9へ向かって搬送される。
印刷搬送路13の左側上部には、内容物用紙P1及び封筒用紙P2を一時的に収容するカセット31が設けられている。また、装置筐体7内の左部からカセット31内にかけて、内容物用紙P1及び封筒用紙P2を表裏反転させて印刷部9側へ搬送するためのスイッチバック搬送路33が設けられており、このスイッチバック搬送路33の基端部は、公知のスイッチバック用フラッパ(図示省略)の作動によって印刷搬送路13に接続、遮断可能になっている。更に、装置筐体7内の左部には、内容物用紙P1及び封筒用紙P2をスイッチバック搬送路33側に挟持しつつ引き入れたり又はスイッチバック搬送路33側から挟持しつつ送り出したりする出入ローラ対(図示省略)が設けられており、出入ローラ対は、適宜の出入搬送モータ(図示省略)の駆動により正逆方向へ回転可能である。
装置筐体7内の左部には、印刷搬送路13から送り出された内容物用紙P1及び封筒用紙P2を封入封緘装置5側(右方向)へ搬送するための連絡搬送路35が設けられており、この連絡搬送路35の上流端部(基端部)は、公知の連絡用フラッパ(図示省略)の作動によって印刷搬送路13に接続、遮断可能になっている。また、装置筐体7内における連絡搬送路35に沿った位置には、内容物用紙P1及び封筒用紙P2を挟持して搬送する複数の第4搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第4搬送ローラ対は、適宜の第4搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
図1及び図2に示すように、封入封緘システム1における封入封緘装置5は、封入封緘装置筐体41(以下、適宜に装置筐体41という)を具備している。この装置筐体41内には、連絡搬送路35(画像形成装置3)から送り出された印刷済みの内容物用紙P1及び封筒用紙P2を右方向へ搬送するための導入搬送路43が設けられており、この導入搬送路43の上流端部(基端部)は、連絡搬送路35の下流端部(先端部)に接続してある。また、装置筐体41内における導入搬送路43に沿った位置には、印刷済みの内容物用紙P1及び封筒用紙P2を挟持して搬送する複数の第5搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第5搬送ローラ対は、適宜の第5搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
装置筐体41内には、印刷済みの内容物用紙P1等(内容物Bを含む)を搬送するための内容物用紙搬送路45が設けられており、この内容物用紙搬送路45の上流端部(基端部)は、公知の封入封緘用フラッパの作動によって導入搬送路43の下流端部(先端部)に接続、遮断可能である。また、装置筐体41内における内容物用紙搬送路45に沿った位置には、印刷済みの内容物用紙P1等を挟持して搬送する複数の第6搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第6搬送ローラ対は、適宜の第6搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
装置筐体41内における内容物用紙搬送路45の上側には、印刷済みの封筒用紙P2を搬送するための封筒用紙搬送路47が設けられており、この封筒用紙搬送路47の上流端部(基端部)は、前述の封入封緘用フラッパの作動によって導入搬送路43の下流端部に接続、遮断可能である。更に、装置筐体41内における封筒用紙搬送路47に沿った位置には、印刷済みの封筒用紙P2を挟持して搬送する複数の第7搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第7搬送ローラ対は、適宜の第7搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
内容物用紙搬送路45の下流端側と封筒用紙搬送路47の下流端側は合流している。装置筐体41内における内容物用紙搬送路45と封筒用紙搬送路47の合流部の下流側(出口側)には、内容物Bを封入した状態で封筒E等(封書Mを含む)を搬送するための封筒搬送路49が設けられている。そして、この封筒搬送路49は、装置筐体41の上部まで延びている。また、装置筐体41内における封筒搬送路49に沿った位置には、封筒E等を挟持して搬送する複数の第8搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられている。
内容物用紙搬送路45の途中には、整合部51が設けられている。この整合部51は、導入搬送路43から送り出された印刷済みの複数枚の内容物用紙P1を集積して整合するものである。また、整合部51は、印刷済みの複数枚の内容物用紙P1を待機させる整合ゲート(待機ゲート)53を備えており、この整合ゲート53は、内容物用紙搬送路45を開状態と閉状態に切り替え可能になっている。
内容物用紙搬送路45における整合部51の出口側(下流側)には、内容物形成部55が設けられており、この内容物形成部55は、整合部51から送り出された整合済みの複数枚の内容物用紙P1(以下、適宜に内容物用紙P1という)を折り曲げて内容物Bを形成するものである。そして、内容物形成部55の具体的な構成は、次のようになる。
装置筐体41内における整合部51の出口側(下流側)には、主折りローラ57が回転可能に設けられており、装置筐体41内における主折りローラ57に隣接した位置には、主折りローラ57と協働して内容物用紙P1を内容物用紙搬送路45から導入する導入ローラ59が回転可能に設けられている。また、装置筐体41内における主折りローラ57の下側には、主折りローラ57と導入ローラ59によって導入された内容物用紙P1を案内するガイド板61が設けられている。更に、ガイド板61には、内容物用紙P1(の先端)に突き当たって内容物用紙P1の折り曲げ線P1a付近にたるみを与える突当て部材63が設けられており、この突当て部材63は、適宜の第1位置調節モータ(図示省略)の駆動によりガイド板61に沿って位置調節可能である。そして、装置筐体41内における主折りローラ57に隣接しかつ導入ローラ59に対向した位置には、中間ローラ65が回転可能に設けられており、この中間ローラ65は、内容物用紙P1の折り曲げ線P1a付近をたるませた状態で主折りローラ57と協働して内容物用紙P1を折り曲げ線P1aから折り曲げるものである。
装置筐体41内における主折りローラ57の左側には、主折りローラ57と中間ローラ65によって折り曲げられた内容物用紙P1を案内するガイド板67が設けられている。また、ガイド板67には、内容物用紙P1(の先端)に突き当たって内容物用紙P1の折り曲げ線P1b付近にたるみを与える突当て部材69が設けられており、この突当て部材69は、適宜の第2位置調節モータ(図示省略)の駆動によりガイド板67に沿って位置調節可能である。更に、装置筐体41内における主折りローラ57に隣接しかつ中間ローラ65に対向した位置には、導出ローラ71が回転可能に設けられており、この導出ローラ71は、内容物用紙P1の折り曲げ線P1b付近をたるませた状態で主折りローラ57と協働して内容物用紙P1を折り曲げ線P1bから折り曲げつつ、内容物用紙搬送路45側へ導出するものである。
ここで、主折りローラ57、導入ローラ59、中間ローラ65、及び導出ローラ71は、それぞれ適宜の第1折りモータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
内容物用紙搬送路45と封筒用紙搬送路47の合流部には、前折り部73が設けられており、この前折り部73は、連絡搬送路35から送り出された印刷済みの封筒用紙P2(以下、適宜に封筒用紙P2という)の前折りを行うものである。そして、前折り部73の具体的な構成は、次のようになる。
内容物用紙搬送路45と封筒用紙搬送路47の合流部には、主折りローラ75が回転可能に設けられており、装置筐体41内における主折りローラ75に隣接した位置には、主折りローラ75と協働して封筒用紙P2を封筒用紙搬送路47から導入する導入ローラ77が回転可能に設けられている。また、装置筐体41内における主折りローラ75の下側には、主折りローラ75と導入ローラ77によって導入された封筒用紙P2を案内するガイド板79が設けられている。更に、ガイド板79には、封筒用紙P2(の先端)に突き当たって封筒用紙P2の折り曲げ線P2a付近にたるみを与える突当て部材81が設けられており、この突当て部材81は、適宜の第3位置調節モータ(図示省略)の駆動によりガイド板79に沿って位置調節可能である。そして、装置筐体41内における主折りローラ75に隣接しかつ導入ローラ77に対向した位置には、導出ローラ83が回転可能に設けられており、この導出ローラ83は、封筒用紙P2の折り曲げ線P2a付近をたるませた状態で主折りローラ75と協働して封筒用紙P2を折り曲げ線P2aから折り曲げつつ、搬送ローラ72により搬送された内容物Bを内包しながら、封筒形成部85側へ送り出す。
ここで、主折りローラ75、導入ローラ77、及び導出ローラ83は、それぞれ適宜の第2折りモータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
前折り部73の下流側には、内容物Bが封入された封筒用紙P2を封筒形成部85側へ送り出す搬送ローラ74,76を備えており、この搬送ローラ74,76は、駆動モータ(図示しない)の駆動により回転駆動する駆動ローラと、駆動ローラの回転駆動により回転する従動ローラとの一対のローラとして構成されている。
さらに、前折り部73の下流側には、封筒形成部85が設けられており、この封筒形成部85は、前折り部73から送り出された封筒用紙P2を折り曲げて封筒Eを形成するものである。そして、封筒形成部85の具体的な構成は、次のようになる。
装置筐体41内における前折り部73の出口側(下流側)には、主折りローラ87が回転可能に設けられており、装置筐体41内における主折りローラ87に隣接した位置には、主折りローラ87と協働して封筒用紙P2を封筒用紙搬送路47から導入する導入ローラ89が回転可能に設けられている。また、装置筐体41内における主折りローラ87の下側には、主折りローラ87と導入ローラ89によって導入された封筒用紙P2を案内するガイド板91が設けられている。更に、ガイド板91には、封筒用紙P2(の先端)に突き当たって封筒用紙P2の折り曲げ線P2b付近にたるみを与える突当て部材93が設けられており、この突当て部材93は、適宜の第4位置調節モータ(図示省略)の駆動によりガイド板91に沿って位置調節可能である。また、ガイド板91に沿って、突当て部材93の近傍には、封筒用紙P2の水糊が塗工されている接着剤塗工部に水を塗布する加水機構99が設けられている。
そして、装置筐体41内における主折りローラ87に隣接しかつ導入ローラ89に対向した位置には、最終折りローラ95が回転可能に設けられており、この最終折りローラ95は、封筒用紙P2の折り曲げ線P2b付近をたるませた状態で主折りローラ87と協働して封筒用紙P2を折り曲げ線P2bから折り曲げるものである。
封筒搬送路49の途中には、封緘部86が設けられており、この封緘部86は、封筒形成部85から送り出された封筒Eを封緘するものである。また、封緘部86は、封筒Eを挟持して押圧する封緘ローラ対88を備えており、この封緘ローラ対88は、適宜の封緘モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。ここで、封筒Eは、封緘ローラ対88によって挟持して押圧されることにより、封筒用紙P2に予め塗布した感圧接着剤の接着作用によって封緘されるようになっている。
さらに、封筒搬送路49の途中における封緘ローラ対88の下流側には、封筒搬出部78が設けられている。この封筒搬出部78は、封緘ローラ対88により封緘された封筒Eを、後述する封書排出部(排紙トレイ)92へ排出するものである。封筒搬出部78は、封筒Eを封書排出部92側へ送り出す環状の搬送ベルトを備えており、この環状の搬送ベルトは、設定された回転速度で、適宜の送モータ(図示しない)の駆動により回転することが可能である。
さらに、封筒搬送路49の下流側には、正常に封緘され、封筒搬送路49から送り出された封書Mを排出する封書排出部92が設けられている。封書排出部92には、排出されて載置された封書Mが設定した厚みに達したか否かを検出する載置センサ94が設けられている。
<封入封緘システムの機能構成>
図3は、本発明の一実施形態である封入封緘システム1の封入封緘装置5の機能構成を示す機能構成図である。
図3に示すように、封入封緘装置5の装置筐体41内の適宜位置には、封入封緘コントローラ401が設けられており、この封入封緘コントローラ401は、上述した整合部51、内容物形成部55、前折り部73、加水機構99を含む封筒形成部85、封緘部86等の動作を制御するものである。
また、封入封緘コントローラ401は、封入封緘に関する制御プログラム等を記憶するメモリと、封入封緘に関する制御プログラムを実行するCPUとを備えてあって、封入封緘コントローラ401には、印刷処理を実行する画像形成コントローラ37、載置センサ94、及び装置筐体41内の気温を測定する温度計320が電気的に接続してある。
封入封緘コントローラ401は、画像形成コントローラ37から、内容物用紙P1のサイズや枚数、封筒用紙P2のサイズ等の封入封緘処理を実行する上で必要な情報を含むジョブが供給される。封入封緘コントローラ401は、この供給されたジョブに基づいて、封入封緘処理を実行する。
また、封入封緘コントローラ401は、封書排出部92へ最後に排出される封筒用紙P2に対して、通常の搬送速度より遅く搬送されるように封筒搬出部78を制御する。具体的には、封入封緘コントローラ401は、ジョブの終了又は封筒用紙P2の搬送停止された際に、最後の封筒用紙P2に対して加水機構99により水が塗布されてから封書排出部92に排出されるまでの排出時間が、再湿性の接着剤が塗工された接着剤塗工部(図示しない)に塗工された接着剤が水塗布により活性化される活性化時間より長くなるように、封筒搬出部78を制御する。ここで、通常の搬送速度とは、封入封緘処理を実行する際、通常、封筒用紙P2が搬送される搬送速度であり、例えば、最初に排出する封筒用紙P2の搬送速度となる。
さらに、封入封緘コントローラ401は、内部に装置筐体41内の気温と、活性化温度とを関連づけて、活性化テーブルとして記憶している。そして、封入封緘コントローラ401は、この活性化テーブルに基づいて、温度計320により検出された装置内温度に対する活性化温度を決定する。
なお、封入封緘コントローラ401は、操作パネル39からユーザ操作により入力された活性化温度を設定するようにしてもよい。
<封入封緘装置5の動作>
次に、本発明の一実施形態である封入封緘システム1の動作を説明する。
図4,5は、本発明の一実施形態である封入封緘システム1の処理手順を示したフローチャートである。
図4に示すように、封入封緘コントローラ401は、ユーザ操作に基づいて、低温時の活性化時間を設定する(ステップS101)。具体的には、ユーザが、操作パネル39から活性化時間を入力又は選択する操作を行うと、画像形成コントローラ37を介して操作信号が封入封緘コントローラ401へ供給され、封入封緘コントローラ401は、操作信号に基づいて、入力又は選択された活性化時間を設定する。
次に、画像形成コントローラ37は、ジョブを受信したか否かを判定する(ステップS103)。具体的には、画像形成コントローラ37は、画像データ、封筒用紙・内容物用紙の用紙種類、枚数などの情報を含むジョブを受信したか否かを判定する。
ステップS103において、ジョブを受信したと判定された場合(YESの場合)、画像形成コントローラ37は、印刷処理を開始する(ステップS105)。具体的には、画像形成装置3が、ジョブに含まれる画像データ(内容物画像データ及び封筒画像データ)に基づいて内容物用紙P1及び封筒用紙P2に印刷を行う。
次に、封入封緘コントローラ401は、低温か否かを判定する(ステップS107)。例えば、封入封緘コントローラ401は、温度計320により測定された装置筐体41内の気温が10(℃)以下であれば低温であると判定する。
ステップS107において、低温でないと判定された場合(NOの場合)、封入封緘コントローラ401は、封入封緘処理を開始する(ステップS109)。具体的には、封入封緘コントローラ401の指示により、封入封緘装置5が、印刷済みの複数枚の内容物用紙P1及び封筒用紙P2から内容物B及び封筒Eをそれぞれ形成して、内容物Bを封入した状態で封筒Eを封緘することにより、封書Mを作製する。
そして、封入封緘コントローラ401は、ジョブの最後の封筒用紙か否かを判定する(ステップS111)。例えば、供給されたジョブが、10通の封書Mを作製するジョブであったとすると、10通目の封書Mを作製するための封筒用紙P2が最後の封筒用紙となる。
ステップS111において、ジョブの最後の封筒用紙であると判定された場合(YESの場合)、封入封緘処理を終了する。
一方、ステップS111において、ジョブの最後の封筒用紙でないと判定された場合(NOの場合)、封入封緘コントローラ401は、封書排出部92が満タンか否かを判定する(ステップS113)。具体的には、封入封緘コントローラ401は、載置センサ94により、封書排出部92に載置された封書Mが設定した厚みに達したことを検出したときに、封書排出部92が満タンであると判定する。ここで、予め設定される厚みは、封書排出部92に載置が許容される最大枚数から2〜3枚少ない枚数を設定するとよい。即ち、載置センサ94により、設定した厚みに達したことを検出されてから、装置内を搬送されている封書Mが封書排出部92に排出されると、丁度、載置が許容される最大枚数となるように設定される。
ステップS113において、封書排出部92が満タンであると判定された場合(YESの場合)、画像形成コントローラ37が印刷処理を停止すると共に、封入封緘コントローラ401が封入封緘処理を停止し、ユーザへ封書排出部92の満タンを報知する(ステップS115)。例えば、封入封緘コントローラ401は、封入封緘システム1とネットワークを介して接続され、ジョブを封入封緘システム1へ送信したコンピュータに対して、満タンであるメッセージを送信する。
一方、ステップS107において、低温であると判定された場合(YESの場合)、図5に示すように、封入封緘コントローラ401は、封入封緘処理を開始する(ステップS211)。具体的には、封入封緘コントローラ401の指示により、封入封緘装置5が、印刷済みの複数枚の内容物用紙P1及び封筒用紙P2から内容物B及び封筒Eをそれぞれ形成して、内容物Bを封入した状態で封筒Eを封緘することにより、封書Mを作製する。
次に、封入封緘コントローラ401は、ジョブの最後の封筒用紙か否かを判定する(ステップS213)。例えば、供給されたジョブが、10通の封書Mを作製するジョブであったとすると、10通目の封書Mを作製するための封筒用紙P2が最後の封筒用紙となる。
ステップS213において、ジョブの最後の封筒用紙であると判定された場合(YESの場合)、封入封緘コントローラ401は、ジョブの最後の封筒用紙P2に対して加水機構99により水が塗布されてから封書排出部92に排出されるまでの排出時間が、接着剤塗工部に塗工された接着剤が水塗布により活性化される活性化時間より長くなるように、封筒搬出部78を制御して、封緘ローラ対88により封緘された封筒Eを、封書排出部92へ排出する。具体的には、封入封緘コントローラ401は、封筒Eを封書排出部92側へ送り出す環状の搬送ベルトの回転速度を低下させるようにモータを制御する。
これにより、最後の封筒Eが封書排出部92へ排出されたときには、最後の封筒Eの接着剤は活性化されているので、確実に封緘されて封書Mが作製されることになる。
次に、封入封緘コントローラ401は、ジョブの終了を通知する(ステップS217)。具体的には、封入封緘コントローラ401は、封入封緘システム1とネットワークを介して接続され、ジョブを封入封緘システム1へ送信したコンピュータに対して、ジョブが終了したことを示すメッセージを送信する。
このように、確実に封緘された最後の封書Mが封書排出部92へ排出された後に、ユーザにジョブの終了が通知されるので、ユーザが封書排出部92に載置された封書Mを取り出したときには、封書Mは、確実に封緘されている。
そして、封入封緘コントローラ401は、次のジョブがあるか否かを判定し(ステップS219)、次のジョブがある場合(YESの場合)には、処理をステップS105に移行し、次のジョブがない場合(NOの場合)には、処理を終了する。
一方、ステップS213において、ジョブの最後の封筒用紙でないと判定された場合(NOの場合)、封入封緘コントローラ401は、封書排出部92が満タンか否かを判定する(ステップS221)。具体的には、封入封緘コントローラ401は、載置センサ94により、封書排出部92に載置された封書Mが設定した厚みに達したことを検出したときに、封書排出部92が満タンであると判定する。
ステップS221において、封書排出部92が満タンではないと判定された場合(NOの場合)、封入封緘コントローラ401は、通常速度で排出する(ステップS223)。具体的には、封入封緘コントローラ401は、封筒Eを封書排出部92側へ送り出す環状の搬送ベルトの回転速度が通常の回転速度となるようにモータを制御する。
一方、ステップにおいて、封書排出部92が満タンであると判定された場合(YESの場合)、封入封緘コントローラ401は、装置内で搬送されている封筒用紙P2のうち、最後の封筒用紙P2に対して加水機構99により水が塗布されてから封書排出部92に排出されるまでの排出時間が、接着剤塗工部に塗工された接着剤が水塗布により活性化される活性化時間より長くなるように、封筒搬出部78を制御して、封緘ローラ対88により封緘された封筒Eを、封書排出部92へ排出する(ステップS225)。
そして、最後の封筒用紙P2により作製された封書Mが封書排出部92へ排出されると、画像形成コントローラ37が印刷処理を停止すると共に、封入封緘コントローラ401が封入封緘処理を停止し、ユーザへ封書排出部92の満タンを報知する(ステップS227)。例えば、封入封緘コントローラ401は、封入封緘システム1とネットワークを介して接続され、ジョブを封入封緘システム1へ送信したコンピュータに対して、満タンであるメッセージを送信する。
次に、封入封緘コントローラ401は、満タン報知が解除されたか否かを判定する(ステップS229)。具体的には、ユーザが封書排出部92に載置された封書Mを取り除いた場合、満タン報知は解除される。
ステップS229において、満タン報知が解除されたか否かを判定されると、画像形成コントローラ37は、印刷処理を開始する(ステップS231)。
以上のように、本発明の一実施形態である封入封緘システム1によれば、ジョブの終了又は封筒用紙P2の搬送停止された際に、最後の封筒用紙P2に対して加水機構99により水が塗布されてから封書排出部92に排出されるまでの排出時間が、接着剤塗工部に塗工された接着剤が水塗布により活性化される活性化時間より長くなるように、封筒搬出部78を制御するので、最後の封筒Eが封書排出部92へ排出されたときには、最後の封筒Eの接着剤は活性化されている。そのため、確実に封緘されて作製された封書Mが封書排出部92へ排出されるので、ユーザが、まだ接着が完了していない封書Mを封書排出部92から取り出すことを防止することができる。
図6は、本発明の一実施形態である封入封緘システム1の封入封緘装置5における封入封緘処理のタイミングを説明した図である。(a)は、比較のため、従来技術における封入封緘処理のタイミングを示した図であり、(b)は、本発明の一実施形態である封入封緘システム1の封入封緘装置5における封入封緘処理のタイミングを示した図である。
図6(a)に示した例では、内容物用紙P1と封筒用紙P2とが1枚づつ2セットの封書を作製するジョブに基づいて、封入封緘処理を実行する例を挙げて説明する。
図6(a)に示すように、1つの封書として作製される内容物用紙P101及び封筒用紙P201は、順次、給紙され、封緘され、封書排出部に封書M01として排出される。そして、同一ジョブの2セット目である内容物用紙P102及び封筒用紙P202は、順次、給紙され、封緘され、封書排出部に封書M02として排出される。このように、1つのジョブの中で最後の封書は、封書M02であり、最後の封筒用紙は封筒用紙P202となる。
そして、従来技術では、単純に、封緘された封書M02を排出するので、封筒用紙P201に対して水が塗布されてから封書排出部に排出されるまでの排出時間T1と、最後の封筒用紙P202に対して水が塗布されてから封書排出部に排出されるまでの排出時間T1とは同じ時間となる。
これにより、t101時点において、封緘が完了され、t101時点からT1時間経過後のt103時点において、封書M02が排出される。このとき、封書M02を形成する封筒用紙P2の接着剤塗工部に塗工された接着剤が活性化されていない場合もあり、この状態で、ユーザが封書M02を取り出すと、接着剤塗工部が外れたり、ずれてしまったりする等の接着不良の原因となることがある。
一方、本発明の一実施形態である封入封緘システム1の封入封緘装置5によれば、図6(b)に示すように、最後の封書M02を形成する最後の封筒用紙P202に対して加水機構99により水が塗布されてから封書排出部92に排出されるまでの排出時間T2が、接着剤塗工部に塗工された接着剤が水塗布により活性化される活性化時間より長くなるように、封筒搬出部78を制御して、封緘ローラ対88により封緘された封筒Eを、封書排出部92へ排出するので、接着剤塗工部に塗工された接着剤が水塗布により活性化された後に、封書M02が排出される。これにより、ユーザが封書M02を取り出したときには、接着剤塗工部は接着されているので、接着剤塗工部が外れたり、ずれてしまったりする等の封緘不良の発生を防止することができる。
また、排出時間T2は、排出時間T1より長い、即ち、排出時間T2を、接着剤塗工部に塗工された接着剤が水塗布により活性化される活性化時間より長くなるようにしたので、全ての排出時間を長く設定する場合に比較して、短時間で封入封緘処理を完了することができる。
ここで、例えば、接着剤塗工部に塗工された水糊を活性化し易くするために、加水機構99の水を予め加温することも考えられる。しかしながら、水を予め加温した場合、蒸発した水蒸気による結露で、機内の駆動機器が劣化するなどの悪影響を及ぼす場合がある。
一方、本発明の一実施形態である封入封緘システム1の封入封緘装置5によれば、加水機構99の水は常温で管理されるので、機内に結露は発生し難く、結露による機器の劣化の影響は小さい。
以上のように、本発明の一実施形態である封入封緘システム1の封入封緘装置5によれば、短時間で確実に封緘することがきできる。