以下、本発明の実施の形態について説明する。
また、以下の説明では、用紙としてどのサイズの用紙であっても適用可能である。また以下の実施の形態では、例えばインクジェットで印刷するが、他の手法で印刷してもよく、本発明では印刷形式は特に限定されない。
<封入封緘システムの構成>
本発明の一実施形態である封入封緘システムの構成について説明する。なお、説明中において、「上流」とは、内容物用紙等の搬送方向から見て上流のことをいい、「下流」とは、内容部用紙等の搬送方向から見て下流のことをいう。また、図2で、「L」は正面から見た左方向、「R」は正面から見た右方向を示す。
図1は、本発明の一実施形態である封入封緘システムにおける封筒の形成を説明する説明図であり、図2は、本発明の一実施形態である封入封緘システムの模式的な正面図である。
図1、図2に示すように、封入封緘システム1は、画像形成装置3と封入封緘装置5とを有する。図2に示すように、画像形成装置3は、複数枚の内容物用紙P1及び封筒用紙P2に印刷を行い、印刷済みの複数枚の内容物用紙P1及び封筒用紙P2から内容物B及び封筒Eをそれぞれ形成して、内容物Bを封入した状態で封筒Eを封緘することにより、封書Mを作製するシステムである。換言すれば、封入封緘システム1は、複数枚の内容物用紙P1及び封筒用紙P2に印刷を行う画像形成装置3と、この画像形成装置3に隣接した位置に設けられた封入封緘装置(封書作製装置)5との組み合わせからなっている。ここで、封入封緘装置5は、印刷済みの複数枚の内容物用紙P1及び封筒用紙P2から内容物B及び封筒Eをそれぞれ形成して、内容物Bを封入した状態で封筒Eを封緘することにより、封書Mを作製するものである。
画像形成装置3は、画像形成装置筐体7(以下、適宜に装置筐体7という)を具備しており、この装置筐体7内には、ジョブに含まれる画像データ(内容物画像データ及び封筒画像データ)に基づいて内容物用紙P1及び封筒用紙P2に印刷を行うインクジェット方式の印刷部9が設けられている。この印刷部9は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色のインクを吐出する複数のライン型のインクヘッド11A,11B,11C,11Dを備えている。
インクヘッド11A,11B,11C,11Dの直下には、環状のプラテンベルト14が設けられており、内容物用紙P1及び封筒用紙P2がプラテンベルト14内に設置されたサクションファン(図示しない)によってプラテンベルト14上に吸引され、搬送路上を所定の搬送速度で搬送されながら、インクヘッド11A,11B,11C,11Dから吐出されたインクにより内容物用紙P1及び封筒用紙P2に印刷される。
インクヘッド11A,11B,11C,11Dと、プラテンベルト14との間隔は、適切な位置にインクを着弾させるため狭く設定されている。そのため、プラテンベルト14にて搬送される封筒用紙P2がインクヘッド11A,11B,11C,11Dに接触しないように、封筒用紙P2の変形を極力抑制する必要がある。
また、装置筐体7内には、内容物用紙P1及び封筒用紙P2を搬送するためのループ状の印刷搬送路13が印刷部9を囲むように設けられている。装置筐体7内における印刷搬送路13に沿った位置には、内容物用紙P1及び封筒用紙P2を挟持して搬送する複数の第1搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられている。複数の第1搬送ローラ対は、適宜の第1搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
装置筐体7内における印刷部9の下側には、複数枚の内容物用紙P1を印刷部9側(印刷搬送路13側)へ順次給紙する複数の内容物用紙給紙部15が上下方向に段状に設けられている。各内容物用紙給紙部15は、複数枚の内容物用紙P1を積載する給紙トレイ17と、この給紙トレイ17に積載された複数枚の内容物用紙P1を印刷部9側へ順次送り出す複数の給紙ローラ19とを備えている。複数の給紙ローラ19は、適宜の内容物用紙給紙モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
また、装置筐体7内の左部には、内容物用紙P1を印刷部9側へ搬送するための給紙搬送路21が設けられており、この給紙搬送路21は、上流端側(基端側)に2つの分岐部分21aを有している。更に、給紙搬送路21の各分岐部分21aの端部は、対応する内容物用紙給紙部15に接続してあり、給紙搬送路21の下流端部(先端部)は、印刷搬送路13に接続してある。そして、装置筐体7内における給紙搬送路21に沿った位置には、内容物用紙P1を挟持して搬送する複数の第2搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第2搬送ローラ対は、適宜の第2搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
装置筐体7の左側部には、封筒用紙P2を印刷部9側(印刷搬送路13側)へ給紙する封筒用紙給紙部23が設けられており、この封筒用紙給紙部23は、複数枚の封筒用紙P2を積載する給紙トレイ25と、この給紙トレイ25に積載された封筒用紙P2を印刷部9側へ送り出す複数の給紙ローラ27とを備えており、複数の給紙ローラ27は、適宜の封筒用紙給紙モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。また、装置筐体7内の左部には、封筒用紙P2を印刷部9側へ搬送するための給紙搬送路29が設けられており、この給紙搬送路29の上流端部(基端部)は、封筒用紙給紙部23に接続してあって、給紙搬送路29の下流端部(先端部)は、印刷搬送路13に接続してある。そして、装置筐体7内における給紙搬送路29に沿った位置には、封筒用紙P2を挟持して搬送する複数の第3搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第3搬送ローラ対は、適宜の第3搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
なお、内容物用紙P1は、給紙トレイ25に載置されてもよいし、封筒用紙P2は、給紙トレイ17に載置されてもよい。
給紙搬送路29を搬送された封筒用紙P2、及び給紙搬送路21を搬送された内容物用紙P1は、レジストローラ30に突き当てられる。これにより、封筒用紙P2及び内容物用紙P1に弛みが生じ、この弛みにより封筒用紙P2及び内容物用紙P1の先端の位置あわせと斜行修正がなされ、その後、所定のタイミングで印刷部9へ向かって搬送される。
印刷搬送路13の左側上部には、内容物用紙P1及び封筒用紙P2を一時的に収容するカセット31が設けられている。また、装置筐体7内の左部からカセット31内にかけて、内容物用紙P1及び封筒用紙P2を表裏反転させて印刷部9側へ搬送するためのスイッチバック搬送路33が設けられており、このスイッチバック搬送路33の基端部は、公知のスイッチバック用フラッパ(図示省略)の作動によって印刷搬送路13に接続、遮断可能になっている。更に、装置筐体7内の左部には、内容物用紙P1及び封筒用紙P2をスイッチバック搬送路33側に挟持しつつ引き入れたり又はスイッチバック搬送路33側から挟持しつつ送り出したりする出入ローラ対(図示省略)が設けられており、出入ローラ対は、適宜の出入搬送モータ(図示省略)の駆動により正逆方向へ回転可能である。
装置筐体7内の左部には、印刷搬送路13から送り出された内容物用紙P1及び封筒用紙P2を封入封緘装置5側(右方向)へ搬送するための連絡搬送路35が設けられており、この連絡搬送路35の上流端部(基端部)は、公知の連絡用フラッパ(図示省略)の作動によって印刷搬送路13に接続、遮断可能になっている。また、装置筐体7内における連絡搬送路35に沿った位置には、内容物用紙P1及び封筒用紙P2を挟持して搬送する複数の第4搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第4搬送ローラ対は、適宜の第4搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
図1及び図2に示すように、封入封緘システム1における封入封緘装置5は、封入封緘装置筐体41(以下、適宜に装置筐体41という)を具備している。この装置筐体41内には、連絡搬送路35(画像形成装置3)から送り出された印刷済みの内容物用紙P1及び封筒用紙P2を右方向へ搬送するための導入搬送路43が設けられており、この導入搬送路43の上流端部(基端部)は、連絡搬送路35の下流端部(先端部)に接続してある。また、装置筐体41内における導入搬送路43に沿った位置には、印刷済みの内容物用紙P1及び封筒用紙P2を挟持して搬送する複数の第5搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第5搬送ローラ対は、適宜の第5搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
装置筐体41内には、印刷済みの内容物用紙P1等(内容物Bを含む)を搬送するための内容物用紙搬送路45が設けられており、この内容物用紙搬送路45の上流端部(基端部)は、公知の封入封緘用フラッパの作動によって導入搬送路43の下流端部(先端部)に接続、遮断可能である。また、装置筐体41内における内容物用紙搬送路45に沿った位置には、印刷済みの内容物用紙P1等を挟持して搬送する複数の第6搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第6搬送ローラ対は、適宜の第6搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
装置筐体41内における内容物用紙搬送路45の上側には、印刷済みの封筒用紙P2を搬送するための封筒用紙搬送路47が設けられており、この封筒用紙搬送路47の上流端部(基端部)は、前述の封入封緘用フラッパの作動によって導入搬送路43の下流端部に接続、遮断可能である。更に、装置筐体41内における封筒用紙搬送路47に沿った位置には、印刷済みの封筒用紙P2を挟持して搬送する複数の第7搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第7搬送ローラ対は、適宜の第7搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
内容物用紙搬送路45の下流端側と封筒用紙搬送路47の下流端側は合流している。装置筐体41内における内容物用紙搬送路45と封筒用紙搬送路47の合流部の下流側(出口側)には、内容物Bを封入した状態で封筒E等(封書Mを含む)を搬送するための封筒搬送路49が設けられている。そして、この封筒搬送路49は、装置筐体41の上部まで延びている。また、装置筐体41内における封筒搬送路49に沿った位置には、封筒E等を挟持して搬送する複数の第8搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられている。
内容物用紙搬送路45の途中には、整合部51が設けられている。この整合部51は、導入搬送路43から送り出された印刷済みの複数枚の内容物用紙P1を集積して整合するものである。また、整合部51は、印刷済みの複数枚の内容物用紙P1を待機させる整合ゲート(待機ゲート)53を備えており、この整合ゲート53は、内容物用紙搬送路45を開状態と閉状態に切り替え可能になっている。
内容物用紙搬送路45における整合部51の出口側(下流側)には、内容物形成部55が設けられており、この内容物形成部55は、整合部51から送り出された整合済みの複数枚の内容物用紙P1(以下、適宜に内容物用紙P1という)を折り曲げて内容物Bを形成するものである。そして、内容物形成部55の具体的な構成は、次のようになる。
装置筐体41内における整合部51の出口側(下流側)には、主折りローラ57が回転可能に設けられており、装置筐体41内における主折りローラ57に隣接した位置には、主折りローラ57と協働して内容物用紙P1を内容物用紙搬送路45から導入する導入ローラ59が回転可能に設けられている。また、装置筐体41内における主折りローラ57の下側には、主折りローラ57と導入ローラ59によって導入された内容物用紙P1を案内するガイド板61が設けられている。更に、ガイド板61には、内容物用紙P1(の先端)に突き当たって内容物用紙P1の折り曲げ線P1a付近にたるみを与える突当て部材63が設けられており、この突当て部材63は、適宜の第1位置調節モータ(図示省略)の駆動によりガイド板61に沿って位置調節可能である。そして、装置筐体41内における主折りローラ57に隣接しかつ導入ローラ59に対向した位置には、中間ローラ65が回転可能に設けられており、この中間ローラ65は、内容物用紙P1の折り曲げ線P1a付近をたるませた状態で主折りローラ57と協働して内容物用紙P1を折り曲げ線P1aから折り曲げるものである。
装置筐体41内における主折りローラ57の左側には、主折りローラ57と中間ローラ65によって折り曲げられた内容物用紙P1を案内するガイド板67が設けられている。また、ガイド板67には、内容物用紙P1(の先端)に突き当たって内容物用紙P1の折り曲げ線P1b付近にたるみを与える突当て部材69が設けられており、この突当て部材69は、適宜の第2位置調節モータ(図示省略)の駆動によりガイド板67に沿って位置調節可能である。更に、装置筐体41内における主折りローラ57に隣接しかつ中間ローラ65に対向した位置には、導出ローラ71が回転可能に設けられており、この導出ローラ71は、内容物用紙P1の折り曲げ線P1b付近をたるませた状態で主折りローラ57と協働して内容物用紙P1を折り曲げ線P1bから折り曲げつつ、内容物用紙搬送路45側へ導出するものである。
ここで、主折りローラ57、導入ローラ59、中間ローラ65、及び導出ローラ71は、それぞれ適宜の第1折りモータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
内容物用紙搬送路45と封筒用紙搬送路47の合流部には、前折り部73が設けられており、この前折り部73は、連絡搬送路35から送り出された印刷済みの封筒用紙P2(以下、適宜に封筒用紙P2という)の前折りを行うものである。そして、前折り部73の具体的な構成は、次のようになる。
内容物用紙搬送路45と封筒用紙搬送路47の合流部には、主折りローラ75が回転可能に設けられており、装置筐体41内における主折りローラ75に隣接した位置には、主折りローラ75と協働して封筒用紙P2を封筒用紙搬送路47から導入する導入ローラ77が回転可能に設けられている。また、装置筐体41内における主折りローラ75の下側には、主折りローラ75と導入ローラ77によって導入された封筒用紙P2を案内するガイド板79が設けられている。更に、ガイド板79には、封筒用紙P2(の先端)に突き当たって封筒用紙P2の折り曲げ線P2a(後述する第2折り部115)付近にたるみを与える突当て部材81が設けられており、この突当て部材81は、適宜の第3位置調節モータ(図示省略)の駆動によりガイド板79に沿って位置調節可能である。そして、装置筐体41内における主折りローラ75に隣接しかつ導入ローラ77に対向した位置には、導出ローラ83が回転可能に設けられており、この導出ローラ83は、封筒用紙P2の折り曲げ線P2a付近をたるませた状態で主折りローラ75と協働して封筒用紙P2を折り曲げ線P2aから折り曲げつつ、搬送ローラ72により搬送された内容物Bを内包しながら、封筒形成部85側へ送り出す。
ここで、主折りローラ75、導入ローラ77、及び導出ローラ83は、それぞれ適宜の第2折りモータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
前折り部73の下流側には、内容物Bが封入された封筒用紙P2を封筒形成部85側へ送り出す搬送ローラ74,76を備えており、この搬送ローラ74,76は、駆動モータ(図示しない)の駆動により回転駆動する駆動ローラと、駆動ローラの回転駆動により回転する従動ローラとの一対のローラとして構成されている。そして、搬送ローラ74,76の間には、封筒用紙P2を加温する加温部78が設けられている。
さらに、前折り部73の下流側には、封筒形成部85が設けられており、この封筒形成部85は、前折り部73から送り出された封筒用紙P2を折り曲げて封筒Eを形成するものである。そして、封筒形成部85の具体的な構成は、次のようになる。
装置筐体41内における前折り部73の出口側(下流側)には、主折りローラ87が回転可能に設けられており、装置筐体41内における主折りローラ87に隣接した位置には、主折りローラ87と協働して封筒用紙P2を封筒用紙搬送路47から導入する導入ローラ89が回転可能に設けられている。また、装置筐体41内における主折りローラ87の下側には、主折りローラ87と導入ローラ89によって導入された封筒用紙P2を案内するガイド板91が設けられている。更に、ガイド板91には、封筒用紙P2(の先端)に突き当たって封筒用紙P2の折り曲げ線P2b(後述する第1折り部111)付近にたるみを与える突当て部材93が設けられており、この突当て部材93は、適宜の第4位置調節モータ(図示省略)の駆動によりガイド板91に沿って位置調節可能である。また、ガイド板91に沿って、突当て部材93の近傍には、後述する封筒用紙P2の水糊が塗工されている接着剤塗工部に水を塗布する加水機構99が設けられている。
そして、装置筐体41内における主折りローラ87に隣接しかつ導入ローラ89に対向した位置には、最終折りローラ95が回転可能に設けられており、この最終折りローラ95は、封筒用紙P2の折り曲げ線P2b付近をたるませた状態で主折りローラ87と協働して封筒用紙P2を折り曲げ線P2bから折り曲げるものである。
封筒搬送路49の途中には、封緘部86が設けられており、この封緘部86は、封筒形成部85から送り出された封筒Eを封緘するものである。また、封緘部86は、封筒Eを挟持して押圧する封緘ローラ対88を備えており、この封緘ローラ対88は、適宜の封緘モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。ここで、封筒Eは、封緘ローラ対88によって挟持して押圧されることにより、封筒用紙P2に予め塗布した感圧接着剤の接着作用によって封緘されるようになっている。
さらに、封筒搬送路49の下流側には、正常に封緘され、封筒搬送路49から送り出された封書Mを排出する封書排出部92が設けられている。
図3は、本発明の一実施形態である封入封緘システムの封入封緘装置が備える前折り部73及び封筒形成部85周辺の拡大図である。
図3に示すように、内容物用紙搬送路45と封筒用紙搬送路47の合流部には、前折り部73が設けられており、この前折り部73は、連絡搬送路35から送り出された印刷済みの封筒用紙P2(以下、適宜に封筒用紙P2という)の前折りを行う。
主折りローラ75、導入ローラ77、及び導出ローラ83は、それぞれ適宜の第2折りモータ(図示省略)の駆動により前折り部73から搬送された封筒用紙P2は、搬送ローラ74,76により搬送されると共に、加温部78により加温される。
加温部78の具体的な構成は、次のようになる。
封筒用紙P2の用紙搬送方向に沿って、リードスクリユー302が回転自在に軸支されている。
また、モータ315が設けられており、このモータ315の先端軸にギア313が固着されている。モータ315の軸に固着されたギア313は、減速用ギア列311を介して、リードスクリユー302に固着させたギア309に噛合している。
また、1本のリードスクリユー302にナット301が螺合し、且つ、このナット301にブラケット303が一体的に固着されており、リードスクリユー302の回転によりリードスクリユー302に沿って矢印方向に移動可能になっている。
更に、ブラケット303上には、ヒータ306を支持する支持板305が固着されており、この支持板305もまたブラケット303と一体にリードスクリユー302に沿って矢印方向に移動可能になっている。これにより、ヒータ306は、リードスクリユー302に沿って矢印方向に移動することができる。
また、リードスクリユー302の後方側(上流側)の近傍に支持板305の移動状況を検出するためのヒータ位置センサ307が設置されており、支持板305がホームポジションに至っていることをヒータ位置センサ307で検出し、このホームポジションを基準にしてモータ315のパルス数を計数することで、支持板305の移動位置を制御できるようになっている。
さらに、前折り部73の下流側には、封筒形成部85が設けられており、この封筒形成部85は、加水機構99により、前折り部73から送り出された封筒用紙P2の水糊が塗工されている接着剤塗工部に水を塗布されながら、主折りローラ87と導入ローラ89と最終折りローラ95とにより、封筒用紙P2を折り曲げて封筒Eを形成する。
この加水機構99の具体的な構成は、次のようになる。
加水機構99は、水222が貯留された水貯留容器221を備えている。
水貯留容器221に貯留した水222内には、水塗布部材の一例として水塗布パッド223が浸漬されており、この水塗布パッド223は「く字状」に屈曲した上方の一端部(以下、上端部と記す)側が接着剤塗工部への水塗布部位となっており、且つ、上端部とは反対側の下方の他端部(以下、下端部と記す)が水222内に浸漬されている。
上記した水塗布パッド(水塗布部材)223は、封筒用紙P2の表面上の所定の接着位置に予め貼着された接着剤塗工部に水222を自動的に塗布するために、気孔径がφDで連続多孔質構造に形成されたスポンジを用いて水貯留容器221内の水222を毛細管現象により吸い上げることができるように形成されている。尚、水塗布パッド223は、スポンジ以外で不織布などを用いても良い。
また、封筒用紙P2の用紙搬送方向に沿って、リードスクリユー202が回転自在に軸支されている。
また、モータ215が設けられており、このモータ215の先端軸にギア213が固着されている。モータ215の軸に固着されたギア213は、減速用ギア列211を介して、リードスクリユー202に固着させたギア209に噛合している。
また、1本のリードスクリユー202にナット201が螺合し、且つ、このナット201にブラケット203が一体的に固着されており、リードスクリユー202の回転によりリードスクリユー202に沿って矢印方向に移動可能になっている。
更に、ブラケット203上には、封筒用紙P2の先頭部を突き当てるための突当て部材93が固着されており、この突当て部材93もまたブラケット203と一体にリードスクリユー202に沿って矢印方向に移動可能になっている。
また、リードスクリユー202の前方側(下流側)の近傍に突当て部材93の移動状況を検出するための突当て部材位置センサ207が設置されており、突当て部材93がホームポジションに至っていることを突当て部材位置センサ207で検出し、このホームポジションを基準にしてモータ215のパルス数を計数することで、突当て部材93の移動位置を制御できるようになっている。
また、突当て部材93には、搬送されてきた封筒用紙P2が突当て部材93に突き当たったことを検出する用紙センサ208が設けられている。
本発明の一実施形態である封入封緘システムで用いられる封筒用紙について図4を参照して説明する。
図4に示すように、封筒用紙P2は、封入封緘システム1によって内容物Bを封入した封筒Mを作製する際に用いられるものであって、矩形の第1構成紙107を備えている。また、第1構成紙107には、矩形の第2構成紙109が第1折り部111(上述した折り曲げ線P2b)を介して封筒展開方向(封筒搬送方向)EDに沿って連設されており、この第2構成紙109には、矩形の第3構成紙113が第2折り部115(上述した折り曲げ線P2a)を介して封筒展開方向EDに沿って連設されている。換言すれば、3個の構成紙107,109,113が2個の折り部111,115を介して封筒展開方向EDに沿って連設されている。
そして、第1構成紙107は、封筒展開方向EDの一端側に、開閉口としてのフラップ部117を有している。更に、各構成紙107,109,113の封筒内側面及び封筒外側面は、インクジェット方式の印刷部9によって文書、図形等が印刷されるようになっており、第2折り部115が前折り部73により折られ、第1折り部111が封筒形成部85により折られることによって、封筒用紙P2が折り畳まれるようになっている。
各構成紙107,109,113の封筒内側面における封筒展開方向に直交する方向(用紙短辺方向)SDの両側縁には、感圧接着剤(圧着糊)を塗工した塗工部119,121が封筒展開方向EDに沿って連続してそれぞれ形成されている。なお、各塗工部119,121が封筒展開方向EDに沿って形成されていれば、不連続であっても構わない。
第3構成紙113の封筒外側面の一部であって第2折り部115の折り曲げによってフラップ部117と接触する部位には、フラップ部117を閉じるための水糊(接着剤の一例)を塗工した接着剤塗工部123が直交する方向SDに沿って形成されており、接着剤塗工部123は、一対の塗工部119,121の先端に挟まれている。ここで、水糊は、上述したように、封筒形成部85による封筒用紙P2の折り畳み中に加水機構99によって給水されることにより、感圧接着剤よりも低い圧力で接着力を発揮するようになっている。
また、第2折り部115が前折り部73により折られ、第1折り部111が封筒形成部85により折られることによって、封筒用紙P2が折り畳まれたときに、接着剤塗工部123に対向する加温領域124が、上述した加温部78により加温される。
<封入封緘システムの機能構成>
図5は、本発明の一実施形態である封入封緘システム1の封入封緘装置5の機能構成を示す機能構成図である。
図5に示すように、封入封緘装置5の装置筐体41内の適宜位置には、封入封緘コントローラ401が設けられており、この封入封緘コントローラ401は、上述した整合部51、内容物形成部55、前折り部73、加水機構99を含む封筒形成部85、加温部78等の動作を制御するものである。
また、封入封緘コントローラ401は、封入封緘に関する制御プログラム等を記憶するメモリと、封入封緘に関する制御プログラムを実行するCPUとを備えてあって、封入封緘コントローラ401には、画像形成コントローラ37、ヒータ位置センサ307、突当て部材位置センサ207、用紙センサ208、及び装置筐体41内の気温を測定する温度計320が電気的に接続してある。
封入封緘コントローラ401は、画像形成コントローラ37から、内容物用紙P1のサイズや枚数、封筒用紙P2のサイズ等の封入封緘処理を実行する上で必要な情報を含むジョブが供給される。封入封緘コントローラ401は、この供給されたジョブに基づいて、封入封緘処理を実行する。
また、封入封緘コントローラ401は、その機能上、機器制御部411と、位置制御部412とを備える。
機器制御部411は、各構成機器の制御を行う。例えば、機器制御部411は、用紙センサ208により検出された封筒用紙P2の位置に基づいて、加温部78のオンオフを制御する。
位置制御部412は、封筒用紙P2のサイズに基づいて、封筒用紙P2が加水機構99により接着剤塗工部123に水を塗布する位置に到達したときにヒータ306が接着剤塗工部123に対向する部分を加温する位置に配置されるように、ヒータ306を移動させる。具体的には、位置制御部412は、モータ315を駆動することにより、リードスクリユー302を回転させ、この回転により支持板305に固着されたヒータ306を、接着剤塗工部123に対向する部分を加温する位置に配置されるように移動させる。
また、位置制御部412は、封筒用紙P2のサイズに基づいて、加水機構99が接着剤塗工部123に水を塗布する位置で、封筒用紙P2が突当て部材93に突き当てられて停止するように加水機構99を制御する。
<封入封緘装置5の動作>
次に、本発明の一実施形態である封入封緘システム1の封入封緘装置5の動作を説明する。
図6は、本発明の一実施形態である封入封緘システム1の封入封緘装置5の処理手順を示したフローチャートである。
図6に示すように、封入封緘コントローラ401の機器制御部411は、温度計320により測定された装置筐体41内の気温Tを取得する(ステップS101)。
次に、機器制御部411は、ステップS101において取得された気温Tが設定温度TTH以下か否かを判定する(ステップS103)。ここで、設定温度TTHは、例えば、15(℃)など、接着剤塗工部123に塗工された水糊が活性化し難く、封筒用紙P2の接着不良が発生し易くなる温度として予め設定されている。
ステップS103において、気温Tが設定温度TTH以下であると判定された場合(YESの場合)、機器制御部411は、水塗布位置に到達したか否かを判定する(ステップS105)。具体的には、機器制御部411は、用紙センサ208により、搬送されてきた封筒用紙P2が突当て部材93に突き当たったことが検出されたとき、水塗布位置に到達したと判定する。このとき、封筒形成部85により封筒用紙P2が二つ折りされた場合に接着剤塗工部123に対向する位置となる加温領域124がヒータ306近傍に到達する。
ステップS105において、水塗布位置に到達したと判定された場合(YESの場合)、機器制御部411は、ヒータ306をオンする(ステップS107)。これにより、二つ折りされた場合に接着剤塗工部123に対向する位置となる加温領域124がヒータ306により加温される。
そして、機器制御部411は、加水機構99による封筒用紙P2の接着剤塗工部123への水の塗布が終了すると(ステップS109:YES)、機器制御部411は、ヒータ306をオフする(ステップS111)。
図7は、本発明の一実施形態である封入封緘システム1の封入封緘装置5の動作を説明した説明図である。(a)は、搬送されてきた封筒用紙P2が突当て部材93に突き当たったことが検出された状態を示した図であり、(b)は、加水機構99による水の塗布が終了した後、封筒用紙P2が搬送された状態を示しており、(c)は、封筒用紙P2が二つ折りされて搬送されている状態を示している。
図7(a)に示すように、搬送された封筒用紙P2が水塗布位置に到達したと判定された場合、加温部78がオンされ、二つ折りされた場合に接着剤塗工部123に対向する位置となる加温領域124が加温部78により加温される。このように、加温部78により加温されることにより、加温領域124が蓄熱され、その後、加温領域124が接着剤塗工部123に接触することにより、加水機構99により接着剤塗工部123に塗布された水の温度が上昇する。これにより、水が接着剤塗工部123浸透し易くなり、接着剤塗工部123に塗工された水糊が活性化し易くなる。
次に、図7(b)に示すように、加水機構99による水の塗布が終了すると、加温部78による加温がオフされる。そして、最終折りローラ95が、封筒用紙P2の折り曲げ線P2b付近をたるませた状態で主折りローラ87と協働して封筒用紙P2を折り曲げ線P2bから折り曲げる。
そして、図7(c)に示すように、折り曲げられた封筒用紙P2は、接着剤塗工部123に対向する位置となる加温領域124と、接着剤塗工部123とが接触しながら、搬送される。
このように、本発明の一実施形態である封入封緘システム1の封入封緘装置5によれば、加温部78は、封筒形成部85により封筒用紙P2が二つ折りされた場合に接着剤塗工部123に対向する位置となる加温領域124を加温するように配置されているので、接着剤塗工部123に対向する位置となる加温領域124と、接着剤塗工部123とを接触させることにより、加水機構99により接着剤塗工部123に塗布された水の温度を上昇させる。これにより、水が接着剤塗工部123浸透し易くさせ、接着剤塗工部123に塗工された水糊が活性化し易くなり、確実に封筒用紙P2を封緘することができる。
ここで、例えば、接着剤塗工部123に塗工された水糊を活性化し易くするために、水貯留容器221に貯留された水222を予め加温することも考えられる。しかしながら、水222を予め加温した場合、蒸発した水蒸気による結露で、機内の駆動機器が劣化するなどの悪影響を及ぼす場合がある。
一方、本発明の一実施形態である封入封緘システム1の封入封緘装置5によれば、水貯留容器221に貯留された水222は常温で管理されるので、機内に結露は発生し難く、結露による機器の劣化の影響は小さい。
また、封筒形成部85により封筒用紙P2が二つ折りされた後に、加水機構99により水が塗布された接着剤塗工部123を加温することも考えられる。しかしながら、この場合、加水機構99により水が塗布されてから相当の時間を要するので、接着剤塗工部123に塗布された水は浸透せずに垂れ落ち、接着剤塗工部123に塗工された水糊を活性化させることが困難となる。
一方、本発明の一実施形態である封入封緘システム1の封入封緘装置5によれば、加温部78は、封筒形成部85により封筒用紙P2が二つ折りされた場合に接着剤塗工部123に対向する位置となる加温領域124を加温するように配置されているので、加水機構99により接着剤塗工部123に水が塗布され、塗布された水が垂れ落ちる前に、加温領域124と接着剤塗工部123とが接触するので、接着剤塗工部123に塗工された水糊が活性化する。
以上のように、本発明の一実施形態である封入封緘システム1の封入封緘装置5によれば、加温部78は、封筒形成部85により封筒用紙P2が二つ折りされた場合に接着剤塗工部123に対向する位置となる加温領域124を加温するように配置されているので、確実に封筒用紙P2を封緘することができる。
なお、本発明の一実施形態である封入封緘システム1では、用紙センサ208により、搬送されてきた封筒用紙P2が突当て部材93に突き当たったことが検出されたとき、水塗布位置に到達したと判定したが、これに限らない。
例えば、用紙センサ208は、突当て部材93に突き当たる前に搬送される封筒用紙P2を検出し、封筒用紙P2が突当て部材93に突き当たったと想定されるタイミングで、ヒータ306をオンするようにしてもよい。
即ち、封筒用紙P2の搬送を検出するセンサが設けられ、このセンサにより検出された封筒用紙P2の位置に基づいて、ヒータ306のオンオフを制御するようにすればよい。