本発明の実施形態について図1から図6を参照して説明する。なお、説明中において、「上流」とは、内容物用紙P1等の搬送方向から見て上流のことをいい、「下流」とは、内容物用紙等の搬送方向から見て下流ことをいい、図中において、「L」は、左方向、「R」は、右方向、「FF」は、前方向、「FR」は、後方向をそれぞれ指している。
図1及び図2に示すように、本発明の実施形態に係る画像形成システム1は、複数枚の内容物用紙P1及び封筒用紙P2に印刷を行い、印刷済みの複数枚の内容物用紙P1及び封筒用紙P2から内容物B及び封筒Eをそれぞれ形成して、内容物Bを封入した状態で封筒Eを封緘することにより、封書Mを作製するシステムである。換言すれば、画像形成システム1は、複数枚の内容物用紙P1及び封筒用紙P2に印刷を行う画像形成装置3と、この画像形成装置3に隣接した位置に設けられた封入封緘装置(封書作製装置)5との組み合わせからなっている。ここで、封入封緘装置5は、印刷済みの複数枚の内容物用紙P1及び封筒用紙P2から内容物B及び封筒Eをそれぞれ形成して、内容物Bを封入した状態で封筒Eを封緘することにより、封書Mを作製するものである。
図2に示すように、画像形成システム1における画像形成装置3は、画像形成装置筐体7(以下、適宜に装置筐体7という)を具備しており、この装置筐体7内には、ジョブの内容物画像データ(印刷データの一部)及び封筒画像データ(印刷データの一部)に基づいて内容物用紙P1及び封筒用紙P2に印刷を行うインクジェット方式の印刷部9が設けられており、この印刷部9は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色のインクを吐出する複数のライン型のインクヘッド11A,11B,11C,11Dを備えている。また、装置筐体7内には、内容物用紙P1及び封筒用紙P2を搬送するためのループ状の印刷搬送路13が印刷部9を囲むように設けられており、装置筐体7内における印刷搬送路13に沿った位置には、内容物用紙P1及び封筒用紙P2を挟持して搬送する複数の第1搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第1搬送ローラ対は、適宜の第1搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
装置筐体7内における印刷部9の下側には、複数枚の内容物用紙P1を印刷部9側(印刷搬送路13側)へ順次給紙する複数の内容物用紙給紙部15が上下方向に段状に設けられており、各内容物用紙給紙部15は、複数枚の内容物用紙P1を積載する給紙トレイ17と、この給紙トレイ17に積載された複数枚の内容物用紙P1を印刷部9側へ順次送り出す複数の給紙ローラ19とを備えており、複数の給紙ローラ19は、適宜の内容物用紙給紙モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。また、装置筐体7内の左部には、内容物用紙P1を印刷部9側へ搬送するための給紙搬送路21が設けられており、この給紙搬送路21は、下流端側(基端側)に3つの分岐部分21aを有している。更に、給紙搬送路21の各分岐部分21aの端部は、対応する内容物用紙給紙部15に接続してあり、給紙搬送路21の上流端部(先端部)は、印刷搬送路13に接続されている。そして、装置筐体7内における給紙搬送路21に沿った位置には、内容物用紙P1を挟持して搬送する複数の第2搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第2搬送ローラ対は、適宜の第2搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
装置筐体7の左側部には、封筒用紙P2を印刷部9側(印刷搬送路13側)へ給紙する封筒用紙給紙部(封筒用紙給紙部)23が設けられており、この封筒用紙給紙部23は、複数枚の封筒用紙P2を積載する給紙トレイ25と、この給紙トレイ25に積載された封筒用紙P2を印刷部9側へ送り出す複数の給紙ローラ27とを備えており、複数の給紙ローラ27は、適宜の封筒用紙給紙モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。また、装置筐体7内の左部には、封筒用紙P2を印刷部9側へ搬送するための給紙搬送路29が設けられており、この給紙搬送路29の上流端部(基端部)は、封筒用紙給紙部23に接続してあって、給紙搬送路29の下流端部(先端部)は、印刷搬送路13に接続されている。そして、装置筐体7内における給紙搬送路29に沿った位置には、封筒用紙P2を挟持して搬送する複数の第3搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第3搬送ローラ対は、適宜の第3搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
印刷搬送路13の左側上部には、内容物用紙P1及び封筒用紙P2を一時的に収容するカセット31が設けられている。また、装置筐体7内の左部からカセット31内にかけて、内容物用紙P1及び封筒用紙P2を表裏反転させて印刷部9側へ搬送するためのスイッチバック搬送路33が設けられており、このスイッチバック搬送路33の基端部は、公知のスイッチバック用フラッパ(図示省略)の作動により印刷搬送路13に接続、遮断可能になっている。
装置筐体7内の左部には、印刷搬送路13から送り出された内容物用紙P1及び封筒用紙P2を封入封緘装置5側(右方向)へ搬送するための連絡搬送路35が設けられており、この連絡搬送路35の上流端部(基端部)は、公知の連絡用フラッパ(図示省略)の作動により印刷搬送路13に接続、遮断可能になっている。また、装置筐体7内における連絡搬送路35に沿った位置には、内容物用紙P1及び封筒用紙P2を挟持して搬送する複数の第4搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第4搬送ローラ対は、適宜の第4搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
装置筐体7内の適宜位置には、画像形成コントローラ37が設けられており、この画像形成コントローラ37は、各ジョブの印刷データに基づいて印刷部9、内容物用紙給紙部15、封筒用紙給紙部23等の動作を制御するものである。また、画像形成コントローラ37は、画像形成に関する制御プログラム等を記憶するメモリと、画像形成に関する制御プログラムを実行するCPUとを備えている。
図1に示すように、画像形成システム1における封入封緘装置5は、封入封緘装置筐体39(以下、適宜に装置筐体39という)を具備しており、この装置筐体39内には、連絡搬送路35(画像形成装置3)から送り出された印刷済みの内容物用紙P1及び封筒用紙P2を右方向へ搬送するための導入搬送路41が設けられており、この導入搬送路41の上流端部(基端部)は、連絡搬送路35の下流端部(先端部)に接続されている。また、装置筐体39内における導入搬送路41に沿った位置には、印刷済みの内容物用紙P1及び封筒用紙P2を挟持して搬送する複数の第5搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第5搬送ローラ対は、適宜の第5搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
装置筐体39内には、印刷済みの内容物用紙P1等(内容物Bを含む)を搬送するための内容物用紙搬送路43が設けられており、この内容物用紙搬送路43の上流端部(基端部)は、公知の封入封緘用フラッパの作動により導入搬送路41の下流端部(先端部)に接続、遮断可能である。また、装置筐体39内における内容物用紙搬送路43に沿った位置には、印刷済みの内容物用紙P1等を挟持して搬送する複数の第6搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第6搬送ローラ対は、適宜の第6搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
装置筐体39内における内容物用紙搬送路43の上側には、印刷済みの封筒用紙P2を搬送するための封筒用紙搬送路45が設けられており、この封筒用紙搬送路45の上流端部(基端部)は、前述の封入封緘用フラッパの作動により導入搬送路41の下流端部に接続、遮断可能である。更に、装置筐体39内における封筒用紙搬送路45に沿った位置には、印刷済みの封筒用紙P2を挟持して搬送する複数の第7搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第7搬送ローラ対は、適宜の第7搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
内容物用紙搬送路43の下流端側と封筒用紙搬送路45の下流端側は合流してあり、装置筐体39内における内容物用紙搬送路43と封筒用紙搬送路45の合流部の下流側(出口側)には、内容物Bを封入した状態で封筒E等(封書Mを含む)を搬送するための封筒搬送路47が設けられている。また、装置筐体39内における封筒搬送路47に沿った位置には、封筒E等を挟持して搬送する複数の第8搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられている。
内容物用紙搬送路43の途中には、整合部(整合部)49が設けられており、この整合部49は、導入搬送路41から送り出された印刷済みの複数枚の内容物用紙P1を集積して整合するものである。また、整合部49は、印刷済みの複数枚の内容物用紙P1を待機させる整合ゲート(待機ゲート)51を備えており、この整合ゲート51は、内容物用紙搬送路43を開状態と閉状態に切り替え可能になっている。
内容物用紙搬送路43における整合部49の出口側(下流側)には、内容物形成部(内容物形成部)53が設けられており、この内容物形成部53は、整合部49から送り出された整合済みの複数枚の内容物用紙P1(以下、適宜に内容物用紙P1という)を折り曲げて内容物Bを形成するものである。そして、内容物形成部53の具体的な構成は、次のようになる。
装置筐体39内における整合部49の出口側(下流側)には、主折りローラ55が回転可能に設けられており、装置筐体39内における主折りローラ55に隣接した位置には、主折りローラ55と協働して内容物用紙P1を内容物用紙搬送路43から導入する導入ローラ57が回転可能に設けられている。また、装置筐体39内における主折りローラ55の下側には、主折りローラ55と導入ローラ57によって導入された内容物用紙P1を案内するガイド板59が設けられている。更に、ガイド板59には、内容物用紙P1(の先端)に突き当たって内容物用紙P1の折り曲げ線P1a付近にたるみを与える突当て部材61が設けられており、この突当て部材61は、適宜の第1位置調節モータ(図示省略)の駆動によりガイド板59に沿って位置調節可能である。そして、装置筐体39内における主折りローラ55に隣接しかつ導入ローラ57に対向した位置には、中間ローラ63が回転可能に設けられており、この中間ローラ63は、内容物用紙P1の折り曲げ線P1a付近をたるませた状態で主折りローラ55と協働して内容物用紙P1を折り曲げ線P1aから折り曲げるものである。
装置筐体39内における主折りローラ55の左側には、主折りローラ55と中間ローラ63によって折り曲げられた内容物用紙P1を案内するガイド板65が設けられている。また、ガイド板65には、内容物用紙P1(の先端)に突き当たって内容物用紙P1の折り曲げ線P1b付近にたるみを与える突当て部材67が設けられており、この突当て部材67は、適宜の第2位置調節モータ(図示省略)の駆動によりガイド板65に沿って位置調節可能である。更に、装置筐体39内における主折りローラ55に隣接しかつ中間ローラ63に対向した位置には、導出ローラ69が回転可能に設けられており、この導出ローラ69は、内容物用紙P1の折り曲げ線P1b付近をたるませた状態で主折りローラ55と協働して内容物用紙P1を折り曲げ線P1bから折り曲げつつ、内容物用紙搬送路43側へ導出するものである。
ここで、主折りローラ55、導入ローラ57、中間ローラ63、及び導出ローラ69は、それぞれ適宜の第1折りモータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
封筒用紙搬送路45の途中には、前折り部71が設けられており、この前折り部71は、導入搬送路41から送り出された印刷済みの封筒用紙P2(以下、適宜に封筒用紙P2という)の前折りを行うものである。そして、前折り部71の具体的な構成は、次のようになる。
装置筐体39内における封筒用紙搬送路45の途中には、主折りローラ73が回転可能に設けられており、装置筐体39内における主折りローラ73に隣接した位置には、主折りローラ73と協働して封筒用紙P2を封筒用紙搬送路45から導入する導入ローラ75が回転可能に設けられている。また、装置筐体39内における主折りローラ73の下側には、主折りローラ73と導入ローラ75によって導入された封筒用紙P2を案内するガイド板77が設けられている。更に、ガイド板77には、封筒用紙P2(の先端)に突き当たって封筒用紙P2の折り曲げ線P2a付近にたるみを与える突当て部材79が設けられており、この突当て部材79は、適宜の第3位置調節モータ(図示省略)の駆動によりガイド板77に沿って位置調節可能である。そして、装置筐体39内における主折りローラ73に隣接しかつ導入ローラ75に対向した位置には、導出ローラ81が回転可能に設けられており、この導出ローラ81は、封筒用紙P2の折り曲げ線P2a付近をたるませた状態で主折りローラ73と協働して封筒用紙P2を折り曲げ線P2aから折り曲げつつ、封筒用紙搬送路45側へ導出するものである。
ここで、主折りローラ73、導入ローラ75、及び導出ローラ81は、それぞれ適宜の第2折りモータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
内容物用紙搬送路43と封筒用紙搬送路45の合流部には、封筒形成部(封筒形成部)83が設けられており、この封筒形成部83は、前折り部71から送り出された封筒用紙P2を折り曲げて封筒Eを形成するものである。そして、封筒形成部83の具体的な構成は、次のようになる。
装置筐体39内における前折り部71の出口側(下流側)には、主折りローラ85が回転可能に設けられており、装置筐体39内における主折りローラ85に隣接した位置には、主折りローラ85と協働して封筒用紙P2を封筒用紙搬送路45から導入する導入ローラ87が回転可能に設けられている。また、装置筐体39内における主折りローラ85の下側には、主折りローラ85と導入ローラ87によって導入された封筒用紙P2を案内するガイド板89が設けられている。更に、ガイド板89には、封筒用紙P2(の先端)に突き当たって封筒用紙P2の折り曲げ線P2b付近にたるみを与える突当て部材91が設けられており、この突当て部材91は、適宜の第4位置調節モータ(図示省略)の駆動によりガイド板89に沿って位置調節可能である。そして、装置筐体39内における主折りローラ85に隣接しかつ導入ローラ87に対向した位置には、中間ローラ93が回転可能に設けられており、この中間ローラ93は、封筒用紙P2の折り曲げ線P2b付近をたるませた状態で主折りローラ85と協働して封筒用紙P2を折り曲げ線P2bから折り曲げるものである。
装置筐体39内における主折りローラ85の右側には、主折りローラ85と中間ローラ93によって折り曲げられた封筒用紙P2を案内するガイド板95が設けられている。また、ガイド板95には、封筒用紙P2(の先端)に突き当たって封筒用紙P2の折り曲げ線P2c付近にたるみを与える突当て部材97が設けられており、この突当て部材97は、適宜の第5位置調節モータ(図示省略)の駆動によりガイド板95に沿って位置調節可能である。更に、装置筐体39内における主折りローラ85に隣接しかつ中間ローラ93に対向した位置には、導出ローラ99が回転可能に設けられており、この導出ローラ99は、封筒用紙P2の折り曲げ線P2c付近をたるませた状態で主折りローラ85と協働して封筒用紙P2を折り曲げ線P2cから折り曲げつつ、封筒搬送路47側へ導出するものである。
ここで、主折りローラ85、導入ローラ87、中間ローラ93、及び導出ローラ99は、それぞれ適宜の第3折りモータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
図1及び図3(a)に示すように、封筒搬送路47の途中には、封緘部101が設けられており、この封緘部101は、封筒形成部83から送り出された封筒Eにおける予め感圧接着剤(圧着接着剤)を塗布した部位Eaを圧着(押圧)して、封筒Eを封緘するものである。また、封緘部101は、前後に離隔しかつ封筒Eの両端部を支持する一対(1つのみ図示)の圧着下ローラ103と、前後に離隔しかつ一対の圧着下ローラ103と協働して封筒Eの両端部を圧着する一対の圧着上ローラ105とを備えている。そして、一対の圧着下ローラ103及び一対の圧着上ローラ105は、適宜の封緘モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
図3(a)に示すように、装置筐体39内における圧着下ローラ103の前後両側には、封筒Eの封緘位置が基準の封緘位置から前後方向にずれたこと、換言すれば、封緘位置のずれによる封緘不良を検出する例えば反射型光電センサ等の封緘不良検出センサ107,109が設けられている。また、装置筐体39内における圧着下ローラ103の直上流側には、封筒Eが圧着下ローラ103に近接したことを検出する例えば反射型光電センサ等の近接センサ111が設けられている。
図1及び図3(b)に示すように、装置筐体39内における封筒搬送路47の下流端側には、封緘部101から送り出された封書Mを搬送方向(左方向)へ搬送する搬送コンベア113が設けられている。また、搬送コンベア113は、左右に離隔しかつ回転可能な一対のプーリ115と、一対のプーリに掛け回すように設けられかつ封書Mを支持する循環走行可能なベルト117と、このベルト117を循環走行させる搬送モータ119とを備えている。なお、装置筐体39内における搬送コンベア113の入口側(上流端側)には、封書Mを搬送コンベア113へ案内するガイド板121が設けられている。
装置筐体39内における搬送コンベア113の搬出側(下流側)には、封緘正常な封書Mを収容する第1トレイ123が着脱可能に配設されており、装置筐体39内における搬送コンベア113と第1トレイ123の間には、封緘不良の封書Mを収容する第2トレイ125が着脱可能に配設されている。換言すれば、装置筐体39内における搬送コンベア113の搬出側には、第1トレイ123及び第2トレイ125が搬送方向に隣接して着脱可能に配設されている。そして、装置筐体39内における第1トレイ123の入口側近傍には、封緘正常な封書Mが第1トレイ123に送り出されたことを検出する例えば反射型光電センサ等の第1送出センサ127が設けられている。また、装置筐体39内における第2トレイ125の入口側近傍には、封緘不良の封書Mが第2トレイ125に送出されたことを検出する例えば反射型光電センサ等の第2送出センサ129が設けられている。
図5に示すように、装置筐体39内の適宜位置には、封入封緘コントローラ131が設けられており、この封入封緘コントローラ131は、ジョブ(印刷ジョブ)の後処理データ(印刷データの一部)に基づいて整合部49、内容物形成部53、前折り部71、封筒形成部83、封緘部101、搬送コンベア113等の動作を制御するものである。また、封入封緘コントローラ131は、封入封緘に関する制御プログラム等を記憶するメモリと、封入封緘に関する制御プログラムを実行するCPUとを備えてあって、封入封緘コントローラ131には、画像形成コントローラ37、一対の封緘不良検出センサ107,109、近接センサ111、第1送出センサ127、及び第2送出センサ129が電気的に接続されている。更に、封入封緘コントローラ131のCPUは、判定部133としての機能、コンベア制御部135としての機能、及び再印刷ジョブ送信部137としての機能を有している。そして、判定部133、コンベア制御部135、及び再印刷ジョブ送信部137の具体的な内容は、次のようになる。
判定部133は、封緘不良検出センサ107又は109からの検出信号の入力の有無に基づいて封緘部101から送り出される封書Mの封緘の良否を判定するものである。具体的には、判定部133は、近接センサ111の検出信号の入力とトリガーとして所定時間内に、いずれかの封緘不良検出センサ107又は109からの検出信号の入力が有る場合(例えば図4(a)に示す場合)には、封緘部101から送り出される封書Mの封緘を封緘不良と判定すると共に、いずれの封緘不良検出センサ107又は109からの検出信号の入力が無い場合(図4(b)に示す場合)には、封緘部101から送り出される封書Mの封緘を封緘正常(封緘良好)と判定するものである。
コンベア制御部135は、判定部133によって封緘不良と判定された場合に、図4(b)に示すように、第1トレイ123に封書Mを送り出すための基準の搬送速度から第2トレイ125に封書Mを送り出すための別の搬送速度に切り替えるように搬送コンベア113(搬送モータ119)を制御するものである。ここで、別の搬送速度とは、基準の搬送速度よりも遅い搬送速度のことをいう。なお、判定部133によって封緘正常と判定された場合には、図3(b)に示すように、コンベア制御部135は、基準の搬送速度による搬送を継続するように搬送コンベア113(搬送モータ119)を制御するものである。
図5に示すように、再印刷ジョブ送信部137は、判定部133によって封緘不良と判定された場合に、封緘不良の対象となった内容物用紙P1及び封筒用紙P2に再印刷を行うための再印刷ジョブを画像形成コントローラ37に送信するものである。
画像形成システム1の動作について、本発明の実施形態の作用を含めて説明する。
図5及び図6に示すように、外部パソコン(図示省略)から多数のジョブの印刷データを画像形成コントローラ37に転送すると、多数のジョブの後処理データ(封入封緘データ)が画像形成コントローラ37から封入封緘コントローラ131に送信される。そして、次のように、封書作製処理を実行する(図6におけるステップ101)。
まず、内容物用紙給紙部15によって複数枚の内容物用紙P1を給紙搬送路21を介して印刷部9側(印刷搬送路13側)へ順次給紙する。そして、順次給紙された内容物用紙P1を印刷搬送路13に沿って搬送しつつ、印刷部9によってジョブの内容物画像データに基づいて複数枚の内容物用紙P1に順次印刷を行う。ここで、内容物用紙P1をスイッチバック搬送路33を経由して循環搬送することにより、印刷部9によって複数枚の内容物用紙P1に両面印刷を行うことができる。
複数枚の内容物用紙P1の印刷を行った後に、印刷済みの複数枚の内容物用紙P1を連絡搬送路35を介して導入搬送路41側(封入封緘装置5側)へ順次送り出す。そして、複数枚の内容物用紙P1を導入搬送路41及び内容物用紙搬送路43に沿って搬送して、閉状態の整合ゲート51側へ順次送り出す。そして、整合部49によって複数枚の内容物用紙P1を整合する。
複数枚の内容物用紙P1を整合した後に、整合ゲート51を閉状態から開状態に切り替えて、整合済みの内容物用紙P1を内容物用紙搬送路43側へ送り出す。次に、内容物用紙P1を内容物用紙搬送路43に沿って内容物形成部53側へ搬送する。そして、内容物形成部53における主折りローラ55と導入ローラ57の協働により内容物用紙P1を内容物用紙搬送路43から導入し、内容物形成部53によって内容物用紙P1に折り曲げを行う。
具体的には、内容物用紙P1の折り曲げ線P1a付近をたるませた状態で主折りローラ55と中間ローラ63の協働により内容物用紙P1を折り曲げ線P1aから折り曲げる。続いて、内容物用紙P1の折り曲げ線P1b付近をたるませた状態で主折りローラ55と導出ローラ69の協働により内容物用紙P1を折り曲げ線P1bから折り曲げつつ、内容物用紙搬送路43側へ導出する。これにより、整合済みの内容物用紙(印刷済みの複数枚の内容物用紙)P1から内容物Bを形成する(図6におけるステップ107)。
内容物用紙P1に折り曲げを行った後に、封筒用紙給紙部23によって封筒用紙P2を給紙搬送路29を介して印刷部9側(印刷搬送路13側)へ順次給紙する。そして、封筒用紙P2を印刷搬送路13に沿って搬送しつつ、印刷部9によってジョブの封筒画像データに基づいて封筒用紙P2に印刷を行う。ここで、封筒用紙P2をスイッチバック搬送路33を経由して循環搬送することにより、印刷部9によって封筒用紙P2に両面印刷を行うことができる。
封筒用紙P2に印刷を行った後に、印刷済みの封筒用紙P2を連絡搬送路35を介して導入搬送路41側(封入封緘装置5側)へ送り出す。次に、封筒用紙P2を導入搬送路41及び封筒用紙搬送路45に沿って前折り部71側へ搬送する。そして、前折り部71における主折りローラ73と導入ローラ75の協働により封筒用紙P2を封筒用紙搬送路45から導入し、前折り部71によって封筒用紙P2に前折りを行う。具体的には、封筒用紙P2の折り曲げ線P2a付近をたるませた状態で主折りローラ73と導出ローラ81の協働により封筒用紙P2を折り曲げ線P2aから折り曲げつつ、封筒用紙搬送路45側へ導出する。
封筒用紙P2の前折りを行った後に、封筒用紙P2を封筒用紙搬送路45に沿って封筒形成部83側へ搬送する。そして、封筒形成部83における主折りローラ85と導入ローラ87の協働により封筒用紙P2を封筒用紙搬送路45から導入し、封筒形成部83によって封筒用紙P2に折り曲げを行う。
具体的には、封筒用紙P2の折り曲げ線P2b付近をたるませた状態で主折りローラ85と中間ローラ93の協働により封筒用紙P2を折り曲げ線P2bから折り曲げる。続いて、封筒用紙P2の折り曲げ線P2c付近をたるませた状態で主折りローラ85と導出ローラ99の協働により封筒用紙P2を折り曲げ線P2cから折り曲げつつ、内容物用紙搬送路43側へ導出する。また、封筒用紙P2を折り曲げ線P2cから折り曲げる途中に、内容物Bを所定のタイミングで内容物形成部53へ送り出す。これにより、内容物Bを封筒用紙P2に封入しつつ、封筒用紙P2から封筒Eを形成して、封筒搬送路47側へ送り出すことができる。
封筒用紙P2の折り曲げを行った後に、封筒Eを封筒搬送路47に沿って封緘部101側へ搬送する。そして、封緘部101における圧着下ローラ103及び圧着上ローラ105によって封筒Eを挟持して押圧することにより、内容物Bを封入した状態で封筒Eを封緘する。これにより、封書作製処理が終了する。
ステップ101終了後に、近接センサ111の検出信号の入力とトリガーとして所定時間内にいずれかの封緘不良検出センサ107又は109からの検出信号の入力が無い場合には、判定部133によって封書Mの封緘を封緘正常(封緘良好)と判定する(図6におけるステップ102)。そして、コンベア制御部135によって搬送モータ119を制御して基準の搬送速度による搬送を継続して、封緘正常の封書Mを第1トレイ123に送り出す(図6におけるステップ103)。
ステップ103の処理の終了後に、次の作製対象の封書Mがある場合には(図6におけるステップ104)、ステップ101に戻って、ステップ101以下の処理を実行する。
一方、近接センサ111の検出信号の入力とトリガーとして所定時間内にいずれかの封緘不良検出センサ107又は109からの検出信号の入力が有る場合には、判定部133によって封書Mの封緘を封緘不良と判定する(図6におけるステップ102)。そして、コンベア制御部135によって搬送モータ119を制御して基準の搬送速度から基準の搬送速度よりも遅い別の搬送速度に切り替えて、封緘不良の封書Mを第2トレイ125に送り出す(図6におけるステップ105)。更に、再印刷ジョブ送信部137によって再印刷ジョブを画像形成コントローラ37に送信し(図6におけるステップ106)、ステップ101に戻って、ステップ101以下の処理を実行する。
従って、本発明の実施形態によれば、画像形成システム1(封入封緘装置5)の稼動を中断することなく、封緘正常な封書Mと封緘不良の封書Mを区別した状態で、封書Mを第1トレイ123又は第2トレイ125に送り出すことができる。よって、画像形成システム1の生産性を高めつつ、多数の封書Mを第1トレイ123又は第2トレイ125に送り出した後におけるユーザの作業を減らして、ユーザの作業効率を高めることができる。特に、判定部133によって封緘不良と判定された場合に、再印刷ジョブ送信部137によって画像形成コントローラ37に再印刷ジョブを送信しているため、ユーザが画像形成コントローラ37に再印刷ジョブを送信する必要がなくなり、ユーザの作業効率をより高めることができる。
また、封緘不良検出センサ107又は109によって封筒Eの封緘位置が基準の封緘位置から前後方向にずれたことを検出し、判定部133が封書Mの封緘の良否を封緘不良検出センサ107又は109からの検出信号の入力の有無に基づいて判定するようになっているため、封書Mの封緘の良否を簡便かつ高精度に判定することができる。
(別の実施形態)
本発明の別の実施形態について図7から図10を参照して説明する。
図7に示すように、本発明の別の実施形態においては、印刷部9、内容物用紙給紙部15、及び封筒用紙給紙部23は、封書Mに関連するグループ毎にジョブの印刷データに基づいて内容物用紙P1及び封筒用紙P2に印刷を順次行う画像形成部139に相当する。ここで、封書Mに関連するグループとは、例えば、郵便割引を適用するためのグループのことをいい、具体的には、同一配達エリアのグループ、又はカスタマバーコードの印字の有無に関するグループ(カスタマバーコードの印字のあるグループとカスタマバーコードの印字の無いグループ)のことをいう。
画像形成コントローラ37のCPUは、画像形成制御部141としての機能を有しており、この画像形成制御部141は、再印刷ジョブ送信部137からの再印刷ジョブを受信した場合に、グループ内の最終ジョブ(最終のジョブ)の封書作製処理実行後であって次のグループのジョブの封書作製処理実行前に、再印刷ジョブの印刷データに基づいて内容物用紙P1及び封筒用紙P2に再印刷を行うように画像形成部139を制御するものである。
続いて、本発明の別の実施形態に係る封入封緘装置の常駐サブルーチンについて説明する。
図7及び図8に示すように、封入封緘コントローラ131によってジョブの後処理データ(印刷データの一部)に基づいて整合部49、内容物形成部53、前折り部71、封筒形成部83、及び封緘部101等の動作を制御してジョブの封入封緘処理(内容物用紙P1の整合、内容物用紙P1の折り曲げ、封筒用紙P2の前折り、封筒用紙P2の折り曲げ等)を実行する(図8におけるステップ201)。そして、判定部133によって封書Mの封緘を封緘不良と判定した場合には(図8におけるステップ202)、コンベア制御部135によって搬送モータ119を制御して基準の搬送速度から基準の搬送速度よりも遅い別の搬送速度に切り替えて、封緘不良の封書Mを第2トレイ125に送り出すと共に(図8におけるステップ203)、再印刷フラグをONにする(図8におけるステップ204)。
続いて、本発明の別の実施形態に係る画像形成システムの動作について説明する。
図7及び図9に示すように、郵便割引モードがONになっている場合には(図9におけるステップ301)、グループ内のジョブの封書作製処理を実行する(図9におけるステップ302)。そして、封書作製処理実行中のグループ内の最終ジョブの封書作製処理を実行後に(図9におけるステップ303)、封入封緘コントローラ131に第1送出センサ127からの検出信号が入力されて、グループ内おける最終ジョブによる(正常な)封書Mが第1トレイ123に送り出されたことが検出される(図9におけるステップ304)。
ステップ304の終了後に、再印刷フラグがONである場合には(図9におけるステップ305)、画像形成制御部141によって画像形成部139を制御して再印刷ジョブの印刷データに基づいて内容物用紙P1及び封筒用紙P2に再印刷を行って、再印刷ジョブの封書作製処理を実行する(図9におけるステップ306)。そして、再印刷ジョブによる(正常な)封書Mが第1トレイ123に送り出されると(図9におけるステップ307)、再印刷フラグをクリアにする(図6におけるステップ308)。
ステップ308の終了後又はステップ304において再印刷フラグがOFFであると判断した後、次のグループのジョブの封書作製書を実行する場合には(図9におけるステップ309)、ステップ302に戻って、ステップ302以下の処理を実行する。
一方、ステップ301において郵便割引モードがOFFであると判断した場合には、図7及び図10に示すように、ジョブの封書作製処理を実行する(図10におけるステップ310)。続いて、全てのジョブの封書作製処理を実行後に(図10におけるステップ311)、再印刷フラグがONである場合には(図10におけるステップ312)、再印刷ジョブの封書作製処理を実行する(図10におけるステップ313)。そして、全ての再印刷ジョブによる(正常な)封書Mが第1トレイ123に送り出されると(図10におけるステップ314)、再印刷フラグをクリアにする(図10におけるステップ315)。
本発明の別の実施形態によれば、封書作製処理実行中のグループ内の最終ジョブの封書作製処理実行後であって次のグループのジョブの封書作製処理実行前に、再印刷ジョブの印刷データに基づいて内容物用紙P1及び封筒用紙P2に再印刷を行うように画像形成制御部141によって画像形成部139を制御しているため、再印刷ジョブに基づいて作製された封書Mが別のグループの複数の封書Mの中に混在することがなくなり、ユーザの作業効率をより高めることができる。
なお、本発明は、前述の実施形態の説明に限られるものではなく、適宜の変更を行うことにより、種々の態様で実施可能である。また、本発明に包含される権利範囲は、これらの実施形態に限定されないものである。