JP2014039187A - シングルエンド−差動変換器および半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】入力信号Vinを、パッケージ13の外部電極端子PIN1、ボンディングワイヤWire1、チップ12の入力端子PAD1、シングルエンド−差動変換器11の入力端子Tin1を介してゲート接地のMOSトランジスタM1のソース端子に入力するとともに、DCカット容量Cinを介してソース接地のMOSトランジスタM2のゲート端子に入力し、MOSトランジスタM1、M2のドレイン端子が差動電流出力端子となるシングルエンド−差動変換器11において、MOSトランジスタM1のゲート端子をDCカット容量C1を介してMOSトランジスタM2のソース端子に接続し、小信号解析によるMOSトランジスタM1のゲート電圧とMOSトランジスタM2のソース電圧とを等しくする。
【選択図】 図1
Description
このようなシングルエンド−差動変換器11は、例えば、シングルエンド−差動変換器11本体が、半導体チップ(以下、単にチップともいう)12上に作り込まれ、さらにチップ12がパッケージ13で保護されて半導体装置100として作製される。
ゲート接地のMOSトランジスタM1のドレイン端子は、Nチャネル型のMOSトランジスタM3のソース端子に接続される。MOSトランジスタM3のドレイン端子およびゲート端子は電源Vddに接続される。
そして、MOSトランジスタM1およびM3の接続点がコンデンサCout1を介して接地され、MOSトランジスタM2およびM4の接続点がコンデンサCout2を介して接地され、これらMOSトランジスタM1およびM3の接続点とMOSトランジスタM2およびM4の接続点とが差動電流出力端Tout1、Tout2となる。
シングルエンド−差動変換器11への入力信号Vinは、外部電極端子PIN1から、ボンディングワイヤWire1、入力端子PAD1を介してシングルエンド−差動変換器11の入力端子Tin1に入力される。
シングルエンド−差動変換器11に入力された電圧は、ゲート接地のMOSトランジスタM1とソース接地のMOSトランジスタM2とで、それぞれ同一振幅でありかつ位相差が180度の出力電流に変換される。
Id_M1=−gm×Vin ……(1)
Id_M2=+gm×Vin ……(2)
Id_M1:ゲート接地のMOSトランジスタM1のドレイン電流
Id_M2:ソース接地のMOSトランジスタM2のドレイン電流
gm:MOSトランジスタのトランスコンダクタンス
Vin:入力電圧
(以下、入力信号Vinの電圧を入力電圧Vinともいう。)
Vin1={1/(1+j×ω×gm×L1)}×Vin ……(3)
また、ソース接地のMOSトランジスタM2のソース電圧V2は、次式(4)で表される。
V2=〔(j×ω×gm×L2)
/{(1+j×ω×gm×L1)(1+j×ω×gm×L2)}〕×Vin ……(4)
入力電圧Vinに対するゲート接地のMOSトランジスタM1のトランスコンダクタンス特性を(1)式および(3)式から演算すると、次式(5)で表される。
Id_M1/Vin=−gm/(1+j×ω×gm×L1) ……(5)
Id_M2/Vin=
+gm/〔(1+j×ω×gm×L1)(1+j×ω×gm×L2)〕 ……(6)
ここで、L1=L2=Lとすると、(5)式および(6)式は、それぞれ次式(7)および(8)で表すことができる。
Id_M1/Vin=−gm/(1+j×ω×gm×L) ……(7)
Id_M2/Vin=+gm/(1+j×ω×gm×L)2 ……(8)
この(7)式および(8)で表されるMOSトランジスタM1およびM2のトランスコンダクタンス特性を、図9および図10に示す。
fp=1/(2×π×gm×L) ……(9)
このpoleの影響で、(7)式および(8)式で表されるトランスコンダクタンス特性において、MOSトランジスタM1およびM2の振幅特性差および位相誤差は、周波数が高くなると大きくなる。なお位相差は180度を理想としている。
図11は、MOSトランジスタM1およびM2間の、トランスコンダクタンス差動間振幅差特性を示し、図12はトランスコンダクタンス差動間位相差特性を示す。図11および図12において、横軸は周波数〔Hz〕でありpoleの周波数fpで規格化したものである。また、図11において縦軸は振幅差〔dB〕を表し、図12において縦軸は位相誤差〔deg〕を表す。
つまり、ボンディングワイヤWire1、Wire2によるインダクタンスの影響で、理想的な出力差動電流特性を得ることのできる周波数の上限が制限されることになる。
前記第2の能動素子の低電位側電極端は、利得が0dBのアンプまたはバッファを介して前記第1の能動素子の制御端に電気的に接続されていてよい。
前記第1および第2の能動素子は、MOSトランジスタ、バイポーラトランジスタまたは真空管であってよい。
前記第1および第2の能動素子は、MOSトランジスタまたはバイポーラトランジスタであってよい。
(第1の実施の形態)
まず、第1の実施の形態を説明する。
(回路構成)
この第1の実施形態におけるシングルエンド−差動変換器11は、図8に示す従来のシングルエンド−差動変換器11と基本的な構成は同様であるので同一部には同一符号を付与し、その詳細な説明は省略する。
従来のシングルエンド−差動変換器11と同様に、第1実施形態におけるシングルエンド−差動変換器11は、シングルエンド−差動変換器11本体が、チップ12上に作り込まれており、さらにチップ12は、パッケージ13で保護されている。
ゲート接地のMOSトランジスタM1のゲート端子は抵抗R1を介してバイアス端子Tb1に接続され、ソース接地のMOSトランジスタM2のゲート端子は抵抗Rinを介してバイアス端子Tb2に接続される。ここで、抵抗R1及びDCカット容量C1は、ノードn1の小信号的な電圧変動V2をゲート接地のMOSトランジスタM1のゲート端子に伝達するハイパスフィルタを構成する目的で設けられている。
そして、ゲート接地のMOSトランジスタM1のドレイン端子ならびに、ソース接地のMOSトランジスタM2のドレイン端子が差動電流出力端Tout1、Tout2、となる。
次に、図1に示したシングルエンド−差動変換器11の動作を説明する。
入力信号Vinは、パッケージ13の外部電極端子PIN1からWire1、チップ12の入力端子PAD1を介してシングルエンド−差動変換器11の入力端子Tin1に入力される。
ここで、ボンディングワイヤWire1、Wire2のインダクタンスをそれぞれL1、L2とする。
Id_M1
=gm(V2−Vin1)=(Vin1−Vin)/(j×ω×L1)……(10)
Id_M2=gm(Vin1−V2)=V2/(j×ω×L2) ……(11)
入力電圧Vinに対するゲート接地のMOSトランジスタM1のトランスコンダクタンス特性を(10)式および(11)式から計算すると、次式(12)で表される。同様に、入力電圧Vinに対するソース接地のMOSトランジスタM2のトランスコンダクタンス特性を(10)式および(11)式から計算すると、次式(13)で表される。
Id_M1/Vin=−gm/{1+j×ω×gm×(L1+L2)}
……(12)
Id_M2/Vin=+gm/{1+j×ω×gm×(L1+L2)}
……(13)
(12)式および(13)式で表されるMOSトランジスタM1およびM2のトランスコンダクタンス特性を、図2および図3に示す。
fp=1/{2×π×gm×(L1+L2)} ……(14)
fp:pole周波数
なお、図4および図5は、(12)式および(13)式で表されるMOSトランジスタM1およびM2のトランスコンダクタンス特性における振幅特性差および位相誤差を示したものである。
また、(12)式および(13)式から、ボンディングワイヤWire1およびWire2のインダクタンスL1、L2が等しくない場合でも、理想的な差動出力電流を得られることがわかる。
その結果、全周波数帯において、理想的な差動出力電流を得ることのできる、シングルエンド−差動変換器を実現することができた。
次に、第2の実施形態を説明する。
(回路構成)
この第2実施形態におけるシングルエンド−差動変換器11は、図6に示すように、第1実施形態におけるDCカット容量C1に変えて、アンプAMPを設けたものである。
すなわち、アンプAMPの入力端にノードn1が接続され、アンプAMPの出力端とゲート接地のMOSトランジスタM1のゲート端子とが接続される。
このアンプAMPの利得は、0〔dB〕である。
なお、アンプAMPを設けているが、アンプに限らず、バッファを設けてもよい。
次に、第3の実施形態を説明する。
(回路構成)
この第3実施形態におけるシングルエンド−差動変換器11は、図7に示すように、第1実施形態におけるMOSトランジスタM1、M2に変えて、バイポーラトランジスタB1、B2を設けたものである。
なお、上記第2実施形態において、電圧−電流変換用の能動素子として、バイポーラトランジスタを用いることも可能であり、この場合も、上記第2実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
また、シングルエンド−差動変換器11を、半導体チップ12上に形成した場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、電圧−電流変換用の能動素子として真空管を用い、基体上にシングルエンド−差動変換器11を形成し、この基体上に形成されたシングルエンド−差動変換器11をパッケージなどに収納し、シングルエンド−差動変換器11の外部接続用の端子と、パッケージに形成した接続部とを、これら間を電気的に接続するためのワイヤなどを用いて電気的に接続する場合であっても適用することができる。
また、上記実施形態においては、図1に示すMOSトランジスタM1およびM2のドレイン側は、図8に示すようにMOSトランジスタM3、M4を介して電源Vddに接続する構成とした場合について説明したが、これに限るものではなく、MOSトランジスタM1およびM2のドレイン側の構成は、MOSトランジスタM1およびM2のドレイン端子から差動出力電流を得ることができれば、どのような構成であってもよい。
また、DCカット容量Cinが第1の容量素子に対応し、DCカット容量C1が第2の容量素子に対応している。
12 半導体チップ
13 パッケージ
100 半導体装置
M1 ゲート接地MOSトランジスタ
M2 ソース接地MOSトランジスタ
PAD1 入力端子
PAD2 電源端子
PIN1、PIN2 外部電極端子
Tgnd 電源端子
Tin1 入力端子
Wire1、Wire2 ボンディングワイヤ
Claims (7)
- 電圧−電流変換素子としての第1の能動素子および第2の能動素子を有し、
前記第1の能動素子を流れる第1の電流と、前記第2の能動素子を流れる電流であり且つ前記第1の電流とは逆位相となる第2の電流とが、一の入力信号の差動信号として出力されるシングルエンド−差動変換器であって、
前記第1の能動素子および前記第2の能動素子はそれぞれ制御端と高電位側電極端および低電位側電極端とを備え、前記第1の能動素子の制御端には一定電圧が入力され且つ前記第2の能動素子の低電位側電極端には一定電圧が入力され、
前記一の入力信号が、前記第1の能動素子の低電位側電極端に入力されるとともに第1の容量素子を介して前記第2の能動素子の制御端に入力され、
小信号解析による前記第1の能動素子の制御端電圧と前記第2の能動素子の低電位側電極端電圧とが等しいことを特徴とするシングルエンド−差動変換器。 - 前記第2の能動素子の低電位側電極端は、第2の容量素子を介して前記第1の能動素子の制御端に電気的に接続されることを特徴とする請求項1記載のシングルエンド−差動変換器。
- 前記第2の能動素子の低電位側電極端は、利得が0dBのアンプまたはバッファを介して前記第1の能動素子の制御端に電気的に接続されることを特徴とする請求項1記載のシングルエンド−差動変換器。
- 前記第1および第2の能動素子は、MOSトランジスタ、バイポーラトランジスタまたは真空管であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のシングルエンド−差動変換器。
- 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のシングルエンド−差動変換器と、
前記第1の能動素子の低電位側電極端および前記第2の能動素子の制御端に電気的に接続される第1の接続部と、
前記第2の能動素子の低電位側電極端に電気的に接続される第2の接続部と、が形成された半導体チップと、
当該半導体チップを内包し、一の入力信号が入力される第1の入力部と、基準信号が入力される第2の入力部と、を備える半導体パッケージと、
前記第1の接続部および前記第1の入力部間に接続される第1のボンディング部材と、
前記第2の接続部および前記第2の入力部間に接続される第2のボンディング部材と、
を備えることを特徴とする半導体装置。 - 前記第1のボンディング部材および前記第2のボンディング部材はボンディングワイヤであることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
- 前記第1および第2の能動素子は、MOSトランジスタまたはバイポーラトランジスタであることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の半導体装置。
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