JP5643794B2 - シングルエンド−差動変換器および半導体装置 - Google Patents

シングルエンド−差動変換器および半導体装置 Download PDF

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本発明は、シングルエンド−差動変換器および半導体装置に関する。
シングルエンド−差動変換器は、一つのシングルエンド信号を、2つの平衡出力信号からなる差動信号に変換する回路である。このようなシングルエンド−差動変換器として、例えば、図8に示す回路構成を有するシングルエンド−差動変換器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このようなシングルエンド−差動変換器11は、例えば、シングルエンド−差動変換器11本体が、半導体チップ(以下、単にチップともいう)12上に作り込まれ、さらにチップ12がパッケージ13で保護されて半導体装置100として作製される。
そして、シングルエンド−差動変換器11の入力端子Tin1が、Nチャネル型MOSトランジスタからなるゲート接地のMOSトランジスタM1のソース端子に接続されるとともに、直流カット用のDCカット容量Cinを介して、Nチャネル型MOSトランジスタからなるソース接地のMOSトランジスタM2のゲート端子に接続される。ソース接地のMOSトランジスタM2のソース端子は電源端子Tgndに接続される。
ゲート接地のMOSトランジスタM1のゲート端子はバイアス端子Tb1に接続され、ソース接地のMOSトランジスタM2のゲート端子は抵抗Rinを介してバイアス端子Tb2に接続され、それぞれMOSトランジスタM1、M2が電圧−電流変換素子として動作するために必要な電圧にバイアスされる。
ゲート接地のMOSトランジスタM1のドレイン端子は、Nチャネル型のMOSトランジスタM3のソース端子に接続される。MOSトランジスタM3のドレイン端子およびゲート端子は電源Vddに接続される。
ソース接地のMOSトランジスタM2のドレイン端子は、Nチャネル型のMOSトランジスタM4のソース端子に接続される。MOSトランジスタM4のドレイン端子およびゲート端子は電源Vddに接続される。
そして、MOSトランジスタM1およびM3の接続点がコンデンサCout1を介して接地され、MOSトランジスタM2およびM4の接続点がコンデンサCout2を介して接地され、これらMOSトランジスタM1およびM3の接続点とMOSトランジスタM2およびM4の接続点とが差動電流出力端Tout1、Tout2となる。
シングルエンド−差動変換器11の入力端子Tin1は、チップ12の入力端子PAD1とボンディングワイヤWire1とを介してパッケージ13の外部電極端子PIN1に接続される。シングルエンド−差動変換器11の電源端子Tgndは、チップ12の電源端子PAD2とボンディングワイヤWire2とを介して外部電極端子PIN2に接続される。外部電極端子PIN2は、通常グランドに接続される。
以上の構成を有するシングルエンド−差動変換器11は、以下のように動作する。
シングルエンド−差動変換器11への入力信号Vinは、外部電極端子PIN1から、ボンディングワイヤWire1、入力端子PAD1を介してシングルエンド−差動変換器11の入力端子Tin1に入力される。
シングルエンド−差動変換器11に入力された電圧は、ゲート接地のMOSトランジスタM1とソース接地のMOSトランジスタM2とで、それぞれ同一振幅でありかつ位相差が180度の出力電流に変換される。
以上の動作を行うことにより、シングルエンド−差動変換器11に入力されたシングルエンド電圧信号が、差動電流信号に変換される。
特開平6−232655号公報
図8のシングルエンド−差動変換器11において、各MOSトランジスタを小信号解析用にモデル化すると、ゲート接地のMOSトランジスタM1とソース接地のMOSトランジスタM2の小信号出力電流は、それぞれ次式(1)および(2)で表される。
Id_M1=−gm×Vin ……(1)
Id_M2=+gm×Vin ……(2)
Id_M1:ゲート接地のMOSトランジスタM1のドレイン電流
Id_M2:ソース接地のMOSトランジスタM2のドレイン電流
gm:MOSトランジスタのトランスコンダクタンス
Vin:入力電圧
(以下、入力信号Vinの電圧を入力電圧Vinともいう。)
ところで、図8のシングルエンド−差動変換器11の回路中に示されるボンディングワイヤWire1、Wire2は、通常、インダクタンスを有している。そのため、シングルエンド−差動変換器11が高周波動作を行った際には、寄生インダクタンスとして回路特性に影響を与える。
ボンディングワイヤWire1およびWire2のインダクタンスをそれぞれL1、L2とすると、シングルエンド−差動変換器11の入力端子電圧Vin1は次式(3)で表される。
Vin1={1/(1+j×ω×gm×L1)}×Vin ……(3)
また、ソース接地のMOSトランジスタM2のソース電圧V2は、次式(4)で表される。
V2=〔(j×ω×gm×L2)
/{(1+j×ω×gm×L1)(1+j×ω×gm×L2)}〕×Vin ……(4)
入力電圧Vinに対するゲート接地のMOSトランジスタM1のトランスコンダクタンス特性を(1)式および(3)式から演算すると、次式(5)で表される。
同様に、入力電圧Vinに対するソース接地のMOSトランジスタM2のトランスコンダクタンス特性を(2)式および(3)式から演算すると、次式(6)で表される。
Id_M1/Vin=−gm/(1+j×ω×gm×L1) ……(5)
Id_M2/Vin=
+gm/〔(1+j×ω×gm×L1)(1+j×ω×gm×L2)〕 ……(6)
ここで、L1=L2=Lとすると、(5)式および(6)式は、それぞれ次式(7)および(8)で表すことができる。
Id_M1/Vin=−gm/(1+j×ω×gm×L) ……(7)
Id_M2/Vin=+gm/(1+j×ω×gm×L) ……(8)
この(7)式および(8)で表されるMOSトランジスタM1およびM2のトランスコンダクタンス特性を、図9および図10に示す。
図9は、MOSトランジスタM1およびM2のトランスコンダクタンス振幅特性を示し、図10はトランスコンダクタンス位相特性を示し、図9および図10において、実線(Id_M1/Vin)は、MOSトランジスタM1のトランスコンダクタンス特性を表し、破線(Id_M2/Vin)は、MOSトランジスタM2のトランスコンダクタンス特性を表す。図9および図10において、横軸は周波数〔Hz〕でありpoleの周波数fpで規格化したものである。また、図9において縦軸は振幅〔dB〕を表し、図10において縦軸は位相〔deg〕を表す。
(7)式および(8)式から、ボンディングワイヤWire1、Wire2のインダクタンスLの影響で、次式(9)で表される周波数fp(fp:pole周波数)にpoleを有していることがわかる。poleの個数は、(7)式では1個、(8)式では2個である。
fp=1/(2×π×gm×L) ……(9)
このpoleの影響で、(7)式および(8)式で表されるトランスコンダクタンス特性において、MOSトランジスタM1およびM2の振幅特性差および位相誤差は、周波数が高くなると大きくなる。なお位相差は180度を理想としている。
図11および図12は、(7)式および(8)式で表されるMOSトランジスタM1およびM2のトランスコンダクタンス特性における振幅特性差および位相誤差を示したものである。
図11は、MOSトランジスタM1およびM2間の、トランスコンダクタンス差動間振幅差特性を示し、図12はトランスコンダクタンス差動間位相差特性を示す。図11および図12において、横軸は周波数〔Hz〕でありpoleの周波数fpで規格化したものである。また、図11において縦軸は振幅差〔dB〕を表し、図12において縦軸は位相誤差〔deg〕を表す。
図11、図12に示すように、周波数が、fp/10よりも高くなると、振幅差(図11)および位相誤差(図12)は大きくなる。その結果、シングルエンド−差動変換器11の差動出力電流特性は、高周波数において理想から剥離する。
つまり、ボンディングワイヤWire1、Wire2によるインダクタンスの影響で、理想的な出力差動電流特性を得ることのできる周波数の上限が制限されることになる。
本発明は、上記した点を鑑みてなされたものであり、理想的な出力差動電流特性が得られる周波数の上限を向上させることの可能なシングルエンド−差動変換器および半導体装置を提供することを目的としている。
本発明の一態様は、電圧−電流変換素子としての第1の能動素子および第2の能動素子を有し、前記第1の能動素子を流れる第1の電流と、前記第2の能動素子を流れる電流であり且つ前記第1の電流とは逆位相となる第2の電流とが、一の入力信号の差動信号として出力されるシングルエンド−差動変換器であって、前記第1の能動素子および前記第2の能動素子はそれぞれ制御端と高電位側電極端および低電位側電極端とを備え、前記第1の能動素子の制御端には一定電圧が入力され且つ前記第2の能動素子の低電位側電極端には一定電圧が入力され、前記一の入力信号が、前記第1の能動素子の低電位側電極端に入力されるとともに第1の容量素子を介して前記第2の能動素子の制御端に入力され、前記第2の能動素子の低電位側電極端は、第2の容量素子を介して前記第1の能動素子の制御端に電気的に接続されることを特徴とするシングルエンド−差動変換器である。
本発明の他の態様は、電圧−電流変換素子としての第1の能動素子および第2の能動素子を有し、前記第1の能動素子を流れる第1の電流と、前記第2の能動素子を流れる電流であり且つ前記第1の電流とは逆位相となる第2の電流とが、一の入力信号の差動信号として出力されるシングルエンド−差動変換器であって、前記第1の能動素子および前記第2の能動素子はそれぞれ制御端と高電位側電極端および低電位側電極端とを備え、前記第1の能動素子の制御端には一定電圧が入力され且つ前記第2の能動素子の低電位側電極端には一定電圧が入力され、前記一の入力信号が、前記第1の能動素子の低電位側電極端に入力されるとともに第1の容量素子を介して前記第2の能動素子の制御端に入力され、前記第2の能動素子の低電位側電極端は、利得が0dBのアンプまたはバッファを介して前記第1の能動素子の制御端に電気的に接続されることを特徴とするシングルエンド−差動変換器である。
前記第1および第2の能動素子は、MOSトランジスタ、バイポーラトランジスタまたは真空管であってよい。
本発明の他の態様は、上記のいずれかに記載のシングルエンド−差動変換器と、前記第1の能動素子の低電位側電極端および前記第2の能動素子の制御端に電気的に接続される第1の接続部と、前記第2の能動素子の低電位側電極端に電気的に接続される第2の接続部と、が形成された半導体チップと、当該半導体チップを内包し、一の入力信号が入力される第1の入力部と、基準信号が入力される第2の入力部と、を備える半導体パッケージと、前記第1の接続部および前記第1の入力部間に接続される第1のボンディング部材と、前記第2の接続部および前記第2の入力部間に接続される第2のボンディング部材と、を備えることを特徴とする半導体装置である。
前記第1のボンディング部材および前記第2のボンディング部材はボンディングワイヤであってよい。
前記第1および第2の能動素子は、MOSトランジスタまたはバイポーラトランジスタであってよい。
本発明によれば、小信号解析による、制御端に一定電圧が入力される第1の能動素子の制御端電圧と、低電位側電極端に一定電圧が入力される第2の能動素子の低電位側電極端電圧とが等しくなるように構成したため、シングルエンド−差動変換器と外部の装置などとをボンディング部材で接続した場合でも、ボンディング部材のインダクタンスの影響を受けることを回避することができ、より高い周波数範囲まで良好に動作する周波数特性を有するシングルエンド−差動変換器を実現することができる。
本発明の第1の実施形態におけるシングルエンド−差動変換器を有する半導体装置の概略構成を示す回路図である。 図1のシングルエンド−差動変換器を有する半導体装置のトランスコンダクタンス振幅特性を示す特性図である。 図1のシングルエンド−差動変換器を有する半導体装置のトランスコンダクタンス位相特性を示す特性図である。 図1のシングルエンド−差動変換器を有する半導体装置の出力差動電流の差動間振幅差特性を示す特性図である。 図1のシングルエンド−差動変換器を有する半導体装置の出力差動電流の差動間位相誤差特性を示す特性図である。 本発明の第2の実施形態におけるシングルエンド−差動変換器を有する半導体装置の概略構成を示す回路図である。 本発明の第3の実施形態におけるシングルエンド−差動変換器を有する半導体装置の概略構成を示す回路図である。 従来のシングルエンド−差動変換器を有する半導体装置の概略構成を示す回路図の一例である。 従来のシングルエンド−差動変換器を有する半導体装置のトランスコンダクタンス振幅特性を示す特性図である。 従来のシングルエンド−差動変換器を有する半導体装置のトランスコンダクタンス位相特性を示す特性図である。 従来のシングルエンド−差動変換器を有する半導体装置の出力差動電流の差動間振幅差特性を示す特性図である。 従来のシングルエンド−差動変換器を有する半導体装置の出力差動電流の差動間位相誤差特性を示す特性図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
まず、第1の実施の形態を説明する。
(回路構成)
この第1の実施形態におけるシングルエンド−差動変換器11は、図8に示す従来のシングルエンド−差動変換器11と基本的な構成は同様であるので同一部には同一符号を付与し、その詳細な説明は省略する。
図1は、第1の実施形態におけるシングルエンド−差動変換器11の構成の一部を示す回路図である。なお、図1において、MOSトランジスタM1およびM2のドレイン側の構成を記載していないが、MOSトランジスタM1およびM2のドレイン側の構成は、前記図8に示す従来のシングルエンド−差動増幅器11の、MOSトランジスタM1およびM2のドレイン側の構成と同様である。
図1に示すように、第1の実施形態におけるシングルエンド差動変換器11は、シングルエンド−差動変換器11がパッケージ化されてなる半導体装置100として実現されている。
従来のシングルエンド−差動変換器11と同様に、第1実施形態におけるシングルエンド−差動変換器11は、シングルエンド−差動変換器11本体が、チップ12上に作り込まれており、さらにチップ12は、パッケージ13で保護されている。
そして、図1に示すシングルエンド−差動変換器11は、従来のシングルエンド−差動変換器11と同一構成を有するが、この第1実施形態におけるシングルエンド−差動変換器11は、ゲート接地のMOSトランジスタM1のゲート端子とバイアス端子Tb1との間に抵抗R1を備えるとともに、抵抗R1およびMOSトランジスタM1のゲート端子間と、ソース接地のMOSトランジスタM2のソース端子との間に直流成分除去用のDCカット容量C1をさらに備えている。このDCカット容量C1の一端とソース接地のMOSトランジスタM2のソース端子との接続点をノードn1とする。
そして、シングルエンド−差動変換器11の入力端子Tin1は、ゲート接地のMOSトランジスタM1のソース端子、DCカット容量C1を介してソース接地のMOSトランジスタM2のゲート端子に接続される。
ゲート接地のMOSトランジスタM1のゲート端子は抵抗R1を介してバイアス端子Tb1に接続され、ソース接地のMOSトランジスタM2のゲート端子は抵抗Rinを介してバイアス端子Tb2に接続される。ここで、抵抗R1及びDCカット容量C1は、ノードn1の小信号的な電圧変動V2をゲート接地のMOSトランジスタM1のゲート端子に伝達するハイパスフィルタを構成する目的で設けられている。
これによって、MOSトランジスタM1、M2のゲート端子は、MOSトランジスタM1、M2が電圧−電流変換素子として動作するために必要なバイアス電圧にバイアスされる。
そして、ゲート接地のMOSトランジスタM1のドレイン端子ならびに、ソース接地のMOSトランジスタM2のドレイン端子が差動電流出力端Tout1、Tout2、となる。
シングルエンド−差動変換器11の入力端子Tin1は、チップ12の入力端子PAD1とボンディングワイヤWire1とを介してパッケージ13の外部電極端子PIN1に接続される。シングルエンド−差動変換器11の電源端子Tgndは、チップ12の電源端子PAD2とボンディングワイヤWire2とを介して外部電極端子PIN2に接続される。外部電極端子PIN2は、通常グランドに接続される。
(動作)
次に、図1に示したシングルエンド−差動変換器11の動作を説明する。
入力信号Vinは、パッケージ13の外部電極端子PIN1からWire1、チップ12の入力端子PAD1を介してシングルエンド−差動変換器11の入力端子Tin1に入力される。
ここで、ボンディングワイヤWire1、Wire2のインダクタンスをそれぞれL1、L2とする。
シングルエンド−差動変換器11の入力端子Tin1の入力端子電圧をVin1、ソース接地のMOSトランジスタM2のソース電圧(ノードn1の電圧)をV2とする。このとき、ゲート接地のMOSトランジスタM1のゲート端子は、DCカット容量C1を介してMOSトランジスタM2のソース端子(ノードn1)に接続されている。そのため、各MOSトランジスタを小信号解析用にモデル化すると、MOSトランジスタM1のドレイン電流Id_M1は、次式(10)で表される。
Id_M1
=gm(V2−Vin1)=(Vin1−Vin)/(j×ω×L1)……(10)
また、ソース接地のMOSトランジスタM2のドレイン電流Id_M2は、次式(11)で表される。
Id_M2=gm(Vin1−V2)=V2/(j×ω×L2) ……(11)
入力電圧Vinに対するゲート接地のMOSトランジスタM1のトランスコンダクタンス特性を(10)式および(11)式から計算すると、次式(12)で表される。同様に、入力電圧Vinに対するソース接地のMOSトランジスタM2のトランスコンダクタンス特性を(10)式および(11)式から計算すると、次式(13)で表される。
Id_M1/Vin=−gm/{1+j×ω×gm×(L1+L2)}
……(12)
Id_M2/Vin=+gm/{1+j×ω×gm×(L1+L2)}
……(13)
(12)式および(13)式で表されるMOSトランジスタM1およびM2のトランスコンダクタンス特性を、図2および図3に示す。
図2は、MOSトランジスタM1およびM2のトランスコンダクタンス振幅特性を示し、図3はトランスコンダクタンス位相特性を示す。図2において縦軸は振幅〔dB〕を表し、図3において縦軸は位相〔deg〕を示す。図2および図3において、横軸は、周波数〔Hz〕を示し、poleの周波数fpで規格化している。また、図2および図3において、実線(Id_M1/Vin)は、MOSトランジスタM1のトランスコンダクタンス特性を表し、破線(Id_M2/Vin)は、MOSトランジスタM2のトランスコンダクタンス特性を表す。
(12)式、(13)式は、ボンディングワイヤWire1、Wire2のインダクタンスL1、L2の影響で、共に、(14)式で表される周波数にpoleを1個有していることがわかる。
fp=1/{2×π×gm×(L1+L2)} ……(14)
fp:pole周波数
その結果、(12)式、(13)式はpole周波数およびpoleの個数が等しいことから、図4および図5に示すように、全周波数帯において振幅特性は等しく、また、位相差も理想的な位相差である180度に保たれていることがわかる。
なお、図4および図5は、(12)式および(13)式で表されるMOSトランジスタM1およびM2のトランスコンダクタンス特性における振幅特性差および位相誤差を示したものである。
図4は、MOSトランジスタM1およびM2間の、トランスコンダクタンス差動間振幅差特性を示し、図5はトランスコンダクタンス差動間位相差特性を示す。図4において縦軸は振幅差〔dB〕を表し、図5において縦軸は位相誤差〔deg〕を表す。図4および図5において、横軸は周波数〔Hz〕でありpoleの周波数fpで規格化したものである。
図4および図5に示すように、全周波数帯において理想的な差動出力電流を出力することの可能な、シングルエンド−差動変換器11を実現することができる。
また、(12)式および(13)式から、ボンディングワイヤWire1およびWire2のインダクタンスL1、L2が等しくない場合でも、理想的な差動出力電流を得られることがわかる。
このように、第1実施形態においては、シングルエンド−差動変換器11において、各MOSトランジスタを小信号解析用にモデル化し、ゲート接地のMOSトランジスタM1のゲート端子と、ソース接地のMOSトランジスタM2のソース端子とをDCカット容量C1を介して接続し、小信号解析によるMOSトランジスタM1のゲート電圧とMOSトランジスタM2のソース電圧とが等しくなるようにした。
その結果、全周波数帯において、理想的な差動出力電流を得ることのできる、シングルエンド−差動変換器を実現することができた。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態を説明する。
(回路構成)
この第2実施形態におけるシングルエンド−差動変換器11は、図6に示すように、第1実施形態におけるDCカット容量C1に変えて、アンプAMPを設けたものである。
すなわち、アンプAMPの入力端にノードn1が接続され、アンプAMPの出力端とゲート接地のMOSトランジスタM1のゲート端子とが接続される。
このアンプAMPの利得は、0〔dB〕である。
このように、MOSトランジスタM1のゲート端子と、MOSトランジスタM2のソース端子との間に利得が0〔dB〕のアンプAMPを設けることによっても、MOSトランジスタM1のゲート電圧とMOSトランジスタM2のソース電圧とが等しくなるようにすることができる。そのため、この第2実施形態におけるシングルエンド−差動変換器11においても、上記第1実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
なお、アンプAMPを設けているが、アンプに限らず、バッファを設けてもよい。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態を説明する。
(回路構成)
この第3実施形態におけるシングルエンド−差動変換器11は、図7に示すように、第1実施形態におけるMOSトランジスタM1、M2に変えて、バイポーラトランジスタB1、B2を設けたものである。
このように、電圧−電流変換用の能動素子として、バイポーラトランジスタを用いた場合であっても、上記第1実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
なお、上記第2実施形態において、電圧−電流変換用の能動素子として、バイポーラトランジスタを用いることも可能であり、この場合も、上記第2実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
また、電圧−電流変換用の能動素子は、第1および第2実施形態で説明したMOSトランジスタや、第3実施形態で説明したバイポーラトランジスタに限るものではなく、真空管や他の能動素子を用いることも可能であり、この場合も上記各実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
また、シングルエンド−差動変換器11を、半導体チップ12上に形成した場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、電圧−電流変換用の能動素子として真空管を用い、基体上にシングルエンド−差動変換器11を形成し、この基体上に形成されたシングルエンド−差動変換器11をパッケージなどに収納し、シングルエンド−差動変換器11の外部接続用の端子と、パッケージに形成した接続部とを、これら間を電気的に接続するためのワイヤなどを用いて電気的に接続する場合であっても適用することができる。
また、ボンディグワイヤを用いて配線した場合について説明したが、これに限るものではなく、電気的に接続する他の信号線を用いた場合であっても適用することができる。
また、上記実施形態においては、図1に示すMOSトランジスタM1およびM2のドレイン側は、図8に示すようにMOSトランジスタM3、M4を介して電源Vddに接続する構成とした場合について説明したが、これに限るものではなく、MOSトランジスタM1およびM2のドレイン側の構成は、MOSトランジスタM1およびM2のドレイン端子から差動出力電流を得ることができれば、どのような構成であってもよい。
なお、上記実施形態において、MOSトランジスタM1が第1の能動素子に対応し、MOSトランジスタM2が第2の能動素子に対応し、ゲート端子が制御端に対応し、ドレイン端子が高電位側電極端に対応し、ソース端子が低電位側電極端に対応している。
また、DCカット容量Cinが第1の容量素子に対応し、DCカット容量C1が第2の容量素子に対応している。
また、半導体チップ12の入力端子PAD1が第1の接続部に対応し、PAD2が第2の接続部に対応し、パッケージ13の外部電極端子PIN1が第1の入力部に対応し、外部電極端子PIN2が第2の入力部に対応し、ボンディングワイヤWire1が第1のボンディング部材に対応し、ボンディングワイヤWire2が第2のボンディンブ部材に対応している。
本発明のシングルエンド−差動変換器は、比較的高い周波数範囲まで動作可能であるため、高周波で使用される無線機等に好適である。
11 シングルエンド−差動変換器
12 半導体チップ
13 パッケージ
100 半導体装置
M1 ゲート接地MOSトランジスタ
M2 ソース接地MOSトランジスタ
PAD1 入力端子
PAD2 電源端子
PIN1、PIN2 外部電極端子
Tgnd 電源端子
Tin1 入力端子
Wire1、Wire2 ボンディングワイヤ

Claims (6)

  1. 電圧−電流変換素子としての第1の能動素子および第2の能動素子を有し、
    前記第1の能動素子を流れる第1の電流と、前記第2の能動素子を流れる電流であり且つ前記第1の電流とは逆位相となる第2の電流とが、一の入力信号の差動信号として出力されるシングルエンド−差動変換器であって、
    前記第1の能動素子および前記第2の能動素子はそれぞれ制御端と高電位側電極端および低電位側電極端とを備え、前記第1の能動素子の制御端には一定電圧が入力され且つ前記第2の能動素子の低電位側電極端には一定電圧が入力され、
    前記一の入力信号が、前記第1の能動素子の低電位側電極端に入力されるとともに第1の容量素子を介して前記第2の能動素子の制御端に入力され、
    前記第2の能動素子の低電位側電極端は、第2の容量素子を介して前記第1の能動素子の制御端に電気的に接続されることを特徴とするシングルエンド−差動変換器。
  2. 電圧−電流変換素子としての第1の能動素子および第2の能動素子を有し、
    前記第1の能動素子を流れる第1の電流と、前記第2の能動素子を流れる電流であり且つ前記第1の電流とは逆位相となる第2の電流とが、一の入力信号の差動信号として出力されるシングルエンド−差動変換器であって、
    前記第1の能動素子および前記第2の能動素子はそれぞれ制御端と高電位側電極端および低電位側電極端とを備え、前記第1の能動素子の制御端には一定電圧が入力され且つ前記第2の能動素子の低電位側電極端には一定電圧が入力され、
    前記一の入力信号が、前記第1の能動素子の低電位側電極端に入力されるとともに第1の容量素子を介して前記第2の能動素子の制御端に入力され、
    前記第2の能動素子の低電位側電極端は、利得が0dBのアンプまたはバッファを介して前記第1の能動素子の制御端に電気的に接続されることを特徴とするシングルエンド−差動変換器。
  3. 前記第1および第2の能動素子は、MOSトランジスタ、バイポーラトランジスタまたは真空管であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシングルエンド−差動変換器。
  4. 請求項1または請求項2に記載のシングルエンド−差動変換器と、
    前記第1の能動素子の低電位側電極端および前記第2の能動素子の制御端に電気的に接続される第1の接続部と、
    前記第2の能動素子の低電位側電極端に電気的に接続される第2の接続部と、が形成された半導体チップと、
    当該半導体チップを内包し、一の入力信号が入力される第1の入力部と、基準信号が入力される第2の入力部と、を備える半導体パッケージと、
    前記第1の接続部および前記第1の入力部間に接続される第1のボンディング部材と、
    前記第2の接続部および前記第2の入力部間に接続される第2のボンディング部材と、
    を備えることを特徴とする半導体装置。
  5. 前記第1のボンディング部材および前記第2のボンディング部材はボンディングワイヤであることを特徴とする請求項に記載の半導体装置。
  6. 前記第1および第2の能動素子は、MOSトランジスタまたはバイポーラトランジスタであることを特徴とする請求項または請求項に記載の半導体装置。
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