JP2014037127A - 積層防湿フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】組立加工時や経時に伴うオレフィン系樹脂層の寸法変化・内部応力の発生等の変化を抑制し、優れた防湿性を維持でき、かつシワや剥離等が発生せず外観に優れた積層防湿フィルムを提供する。
【解決手段】下記オレフィン系樹脂層(a)及び防湿層(b)を有する積層防湿フィルム。
(a)ポリエチレン系樹脂に架橋剤を配合した樹脂組成物を成膜してなるオレフィン系樹脂層。
(b)基材層の少なくとも片面に無機層を有し、温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率の値が1.0[g/(m2・日)]以下である防湿層。
【選択図】なし

Description

本発明は、積層防湿フィルムに関し、詳しくは、太陽電池モジュールの表面保護材に好適に使用することができ、防湿性が極めて高く、かつ外観に優れた積層防湿フィルムに関する。
太陽電池は、通常、前面保護シート、封止材、発電素子、封止材及び裏面保護シートをこの順で積層し、加熱溶融させることにより接着一体化することで製造される。また、結晶シリコン系の太陽電池モジュールでは、発電素子を保護するための封止材として、EVA(エチレンビニルアセテート−エチレン酢酸ビニルコポリマー)が一般的に用いられており、これは加熱加圧工程で架橋硬化することで、発電素子を封止する特徴を有する。例えば、耐候層と防湿層をEVA系接着剤で貼り合わせてなる保護部材とEVAからなる封止材を積層一体化してなる太陽電池用カバー材兼用封止膜が提案されている(特許文献1)。
一方EVAは、長期間、特に屋外にて曝露して使用される場合、酸が発生することが知られている。結晶シリコン系の発電素子ではあまり大きな問題とならないが、化合物系の発電素子、例えばCIGS系やCIS系等のカルコパイラト系発電素子は、EVAから発生した酸によって腐食され発電効率の低下もしくは発電性能の滅失等が報告されており、実際に市販されている太陽電池モジュールにおいて、EVA系封止材以外にPO(ポリオレフィン)系封止材が採用されている。こうした市場を狙って、フロントシートやバックシートとPO系封止材との組み合わせが提案されており、例えば酢酸の発生がないα−オレフィン重合体からなる太陽電池封止材(特許文献2)や、少なくとも一種のポリオレフィン系共重合体と、少なくとも一種の結晶性ポリオレフィンからなるポリマーブレンド又はポリマーアロイからなる太陽電池封止材(特許文献3)が提案されている。
特許第3978912号公報 特開2006−210905号公報 特開2001−332750号公報
PO系封止材は、通常、PO系材料の融点が低いため、太陽電池モジュールの組立加工(真空ラミネート)時の収縮や、その後の経時に伴う結晶化等による寸法変化・内部応力の発生等、他の材料に比べて変化が大きい。そのため、フロントシートやバックシートで用いられている防湿フィルムの無機層に損傷を与え防湿性が低下したり、またシートのシワや剥離等の外観不良の原因となる問題がある。
そこで本発明は、組立加工時や経時に伴うオレフィン系樹脂層の寸法変化・内部応力の発生等の変化が抑制され、優れた防湿性を維持でき、かつシワや剥離等が発生せず外観に優れた積層防湿フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を進めた結果、特定のオレフィン系樹脂層、及び特定の水蒸気透過率を示す防湿層を有する積層防湿フィルムを用いることにより、組立加工(真空ラミネート)後等の上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、下記の積層防湿フィルムに関する。
1. 下記オレフィン系樹脂層(a)及び防湿層(b)を有する積層防湿フィルム。
(a)ポリエチレン系樹脂に架橋剤を配合した樹脂組成物を成膜してなるオレフィン系樹脂層。
(b)基材層の少なくとも片面に無機層を有し、温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率の値が1.0[g/(m2・日)]以下である防湿層。
2. 前記樹脂組成物が、紫外線、電離放射線、又は熱により架橋反応する樹脂を含む、前記1に記載の積層防湿フィルム。
3. 前記樹脂組成物が、架橋助剤を含む、前記1又は2に記載の積層防湿フィルム。
4. 前記防湿層(b)側に、耐候層を有する、前記1〜3のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
5. 前記耐候層と前記防湿層(b)との間に、中間層1を有する、前記4に記載の積層防湿フィルム。
6. 前記防湿層(b)と前記オレフィン系樹脂層(a)との間に、中間層2を有する、前記1〜5のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
7. 前記中間層1及び/又は中間層2が、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂及びオレフィン系樹脂から選ばれる少なくとも1種を含む、前記5又は6に記載の積層防湿フィルム。
8. 前記中間層1及び/又は中間層2が、剥離強度が1N/15mm幅以上の層である、前記5〜7のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
9. 前記耐候層が、フッ素系樹脂を含む、前記4〜8のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
10. 前記防湿層(b)の厚さが150μm以下であり、かつ前記オレフィン系樹脂層(a)の厚さが前記防湿層(b)の厚さの2倍以上である、前記1〜9のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
11. 前記オレフィン系樹脂層(a)以外の層の熱収縮率が、150℃、15分間加熱後において5%以下である、前記1〜10のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
12. 前記1〜11のいずれかに記載の積層防湿フィルムを有する太陽電池用表面保護材。
13. 太陽電池が化合物系発電素子太陽電池又はフレキシブル太陽電池である前記12に記載の太陽電池用表面保護部材。
14. 前記12又は13に記載の太陽電池用表面保護材有する太陽電池。
本発明の積層防湿フィルムは、太陽電池の組立加工時や、その後の経時に伴うオレフィン樹脂層の寸法変化・内部応力の発生等の変化が抑制され、優れた防湿性を維持でき、特に湿気や水分の浸入に対する防湿性に優れ、かつシワや剥離等が発生せず外観に優れる。
更に、本発明の積層防湿フィルムを用いることで、防湿性及び外観に優れた太陽電池とすることができる。
<積層防湿フィルム>
本発明の積層防湿フィルムは、下記オレフィン系樹脂層(a)及び防湿層(b)を有するものである。
(a)ポリエチレン系樹脂に架橋剤を配合した樹脂組成物を成膜してなるオレフィン系樹脂層。
(b)基材層の少なくとも片面に無機層を有し、温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率の値が1.0[g/(m2・日)]以下である防湿層。
(オレフィン系樹脂層(a))
本発明においてオレフィン系樹脂層(a)は、ポリエチレン系樹脂に架橋剤を配合した樹脂組成物を成膜してなる層である。より詳しくは、本発明の積層防湿フィルムを太陽電池に用いる場合、真空ラミネート等の組立加工時に架橋反応して封止材層を構成するものである。
オレフィン系樹脂層(a)におけるポリエチレン系樹脂の含有量は50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは75質量%以上であり、更に好ましくは80質量%以上かつ99質量%以下である。含有量が50質量%以上であれば、柔軟性が付与され、外部からの衝撃から発電素子を防護する性能が良好となり、内部を破損する等の問題が生じる恐れがない。
また、オレフィン系樹脂層(a)には、オレフィン系樹脂として上記ポリエチレン系樹脂以外に、ポリプロピレン系樹脂やエチレン−プロピレン共重合体等の他のオレフィン系樹脂を含んでいてもよい。
また、上記ポリエチレン系樹脂に架橋剤を配合した樹脂組成物は、紫外線、電離放射線、又は熱により架橋反応する樹脂を含むことが好ましい。上記ポリオレフィン系樹脂としてその一部又は全てが、組立加工(真空ラミネート)時に架橋反応する樹脂を用いることにより、オレフィン系樹脂の分子鎖の運動が拘束され寸法変化や内部応力の発生等を抑制することができる。
したがって、上記のようなオレフィン系樹脂層(a)を用いて封止材層とし、後述の防湿層(b)と組み合わせた積層防湿フィルムを太陽電池に用いることにより、防湿層(b)の変形を抑制してバリア性(防湿性)を維持でき、上記保護部材の変形やシワ及び剥離等の外観不良を低減することができる。
本発明においてポリエチレン系樹脂としては、モノマーが全てエチレンからなる重合体、及びエチレンとエチレン以外の不飽和結合を含むモノマーとの共重合体が挙げられる。不飽和結合を含むモノマーとしては、例えばα−オレフィンのようなエチレン性不飽和結合を含む化合物を挙げられる。
ポリエチレン系樹脂は、特に限定されるものではないが、具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、又は直鎖状低密度ポリエチレンが挙げられ、透明性や柔軟性が良好となることから、密度が低いポリエチレンが好適に用いられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリエチレン系樹脂の密度としては、0.900〜0.940g/cm3であることが好ましく、特には密度が0.900〜0.920g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。密度が上記範囲である直鎖状低密度ポリエチレンであると加工性が良好であり、透明性及び耐熱性に優れるものとなる。
また、密度が低いエチレン系樹脂と密度が高いエチレン系樹脂を組み合わせて用いてもかまわない。組み合わせて用いることで、透明性や柔軟性と耐熱性のバランスが比較的容易に調整できるため好ましい。
上記直鎖状低密度ポリエチレンとしては、エチレンとα−オレフィンとのランダム共重合体が挙げられる。該α−オレフィンとしては、炭素数3〜20程度のものが好適であり、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、3−メチル−ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1等が挙げられる。本発明においては、工業的な入手し易さや諸特性、経済性等の観点からエチレンと共重合するα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−へキセン、1−オクテンが好適に用いられる。エチレンと共重合するα−オレフィンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、エチレンと共重合するα−オレフィンの含有量としては、エチレン−α−オレフィンランダム共重合体中の全単量体単位に対して、通常、2モル%以上、好ましくは40モル%以下、より好ましくは3〜30モル%、更に好ましくは5〜25モル%である。該範囲内であれば、共重合成分により結晶性が低減されるため透明性が向上し、また原料ペレットのブロッキング等の不具合も起こり難いため好ましい。なお、エチレンと共重合するα−オレフィンの種類と含有量は、周知の方法、例えば、核磁気共鳴(NMR)測定装置、その他の機器分析装置で定性定量分析することができる。
上記エチレン−α−オレフィンランダム共重合体の立体構造、分岐、分岐度分布や分子量分布は、特に限定されるものではないが、例えば、長鎖分岐を有する共重合体は、一般に機械特性が良好であり、またシートを成形する際の溶融張力(メルトテンション)が高くなりカレンダー成形性が向上する等の利点がある。シングルサイト触媒を用いて重合された分子量分布の狭い共重合体は、低分子量成分が少なく原料ペレットのブロッキングが比較的起こり難い等の利点がある。
上記エチレン−α−オレフィンランダム共重合体のメルトフローレート(MFR)は、特に制限されるものではないが、JIS K7210、温度:190℃、荷重:21.18Nで、通常、0.1〜300g/10min程度であるものが好ましく、成形性や諸特性から0.3〜100g/10minであるものがより好ましく、1〜30g/10minであるものが特に好適に用いられる。
上記エチレン−α−オレフィンランダム共重合体の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法が採用できる。例えば、チーグラー・ナッタ型触媒に代表されるマルチサイト触媒やメタロセン系触媒やポストメタロセン系触媒に代表されるシングルサイト触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等、またラジカル開始剤を用いた塊状重合法等が挙げられる。
本発明においては、好適に用いられる密度の低いエチレン−α−オレフィンランダム共重合体が比較的軟質の樹脂であるため、重合後の造粒(ペレタイズ)のし易さや原料ペレット同士のブロッキング防止等の観点から低分子量成分が少なく分子量分布の狭い原料が重合できるシングルサイト触媒を用いた重合方法が好適に用いられる。
また本発明におけるオレフィン系樹脂層(a)は、上述したように組立加工(真空ラミネート)時に架橋反応するものであり、また上記ポリエチレン系樹脂と架橋剤とを含有する樹脂組成物、好ましくは上記ポリエチレン系樹脂と架橋剤及び架橋助剤を含有する樹脂組成物を成膜して得ることができる。
架橋反応としては特に制限はなく、例えば紫外線、電離放射線、及び熱等により進行するものが挙げられるが、太陽電池の組み立てにおいては熱による架橋反応が一般的である。
上記架橋剤としては、例えば、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ヒドロパーオキシ)ヘキサン等のヒドロパーオキサイド類;ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−パーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド類;ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン−3等のパーオキシエステル類;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類等の有機過酸化物、又はアゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記架橋剤の添加量は、架橋させる樹脂100質量部に対し、通常、0.01〜5.0質量部程度であり、0.02〜2.0質量部添加することが好ましく、0.03〜1.5質量部添加することがより好ましい。0.02〜2.0質量部の範囲内であると、オレフィン系樹脂層(a)が架橋し過ぎることなく、適度な流れ値を示して組立て時の成形加工性や発電素子(発電セル)との密着性、回り込み具合等が良好となる。
架橋助剤としては、特に限定されるものではないが、光、熱等のエネルギー照射により、ラジカル活性種を発生することができるものが好ましく、例えばアクリレート基、メタクリレート基、アリール基等の官能基を有するものが挙げられる。
架橋助剤として具体的に例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、2−ヒドロキシ−3―アクリオイロキシプロピルメタクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、ジアリルフタレート、ジアリルフマレート、ジアリルマレエート等の2官能基を有するもの、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリアリルシアヌレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPT)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、ポリエーテルトリアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート等の2官能基を有するもの等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記架橋助剤の添加量は、架橋させる樹脂100質量部に対し、通常、0.01〜2.0質量部程度であり、0.05〜1.0質量部添加することが好ましく、0.3〜0.8質量部添加することがより好ましい。0.05〜1.0質量部の範囲内であると、架橋反応を好適に促すことができ、オレフィン系樹脂層(a)が架橋し過ぎることなく、適度な流れ値を示して組立て時のラミネートの際に各層と一体化させることができる。
またオレフィン系樹脂層(a)を構成する樹脂組成物には、必要に応じて、種々の添加剤を添加することができる。該添加剤としては、例えば、シランカップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐候安定剤、光拡散剤、放熱剤、造核剤、顔料(例えば、酸化チタン、カーボンブラック等)、難燃剤、変色防止剤等が挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明におけるオレフィン系樹脂層(a)は、シート状に成膜されるものであるが、組立加工(真空ラミネート)時に架橋反応させるため、上記シート状にする際には架橋反応をあまり進行させずに成膜する。具体的に例えば、上記ポリエチレン系樹脂、架橋剤及び必要に応じ架橋助剤を加え80〜160℃程度で加熱して混合し、100〜130℃程度でシート状に成膜する。
オレフィン系樹脂層(a)の架橋の程度を制御することで、樹脂が架橋し過ぎず、太陽電池等を製造する際の成形加工性や、発電素子(発電セル)との密着性が良好となり、回り込み易い適度な架橋密度となる。
オレフィン系樹脂層(a)のメルトフローレート(MFR)は、JIS K7210、温度:190℃で、0.05〜300g/10min程度であるものが好ましく、0.3〜100g/10minであるものがより好ましく、1〜30g/10minであるものが特に好適に用いられる。また、ハンドリング性及び耐熱性の観点から、このMFRの値は、溶融成形前のオレフィン系樹脂層(a)を構成する樹脂組成物のMFRと比較して、その差が1.0〜10.0g/10minであることが好ましい。
オレフィン系樹脂層(a)の柔軟性は、特に制限されるものではなく、適用される太陽電池の形状や厚み、設置場所等を考慮して適宜調整することができる。
例えば、オレフィン系樹脂層(a)の動的粘弾性測定における振動周波数10Hz、温度20℃の貯蔵弾性率(E’)が通常1〜2000MPa程度であり、発電素子の保護や柔軟性を考慮すると、1〜100MPaであることが好ましく、5〜50MPaであることがより好ましい。また、シート形状等で採取した場合のハンドリング性やシート表面同士のブロッキング防止、あるいは太陽電池における軽量化(通常3mm程度に対して、薄膜ガラス(1.1mm程度)が適用可能、あるいはガラスレスの構成が適用可能)等を考慮すると、100〜800MPaであることが好ましく、200〜600MPaであることがより好ましい。上記貯蔵弾性率(E’)は、粘弾性測定装置を用いて、振動周波数10Hzで所定温度範囲を測定し、温度20℃における値を求めることで得られる。
オレフィン系樹脂層(a)の全光線透過率(JIS K7105)は、適用する太陽電池の種類、例えばアモルファスの薄膜系シリコン型等や太陽電子素子に届く太陽光を遮らない部位に適用する場合には、あまり重視されないこともあるが、太陽電池の光電変換効率や各種部材を重ね合わせる時のハンドリング性等を考慮し、85%以上であることが好ましく、88%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更に好ましい。
また、オレフィン樹脂層(a)と接する層の該オレフィン樹脂層(a)側には、易接着コート層を形成してもよい。
(防湿層(b))
本発明において防湿層(b)は、基材層の少なくとも片面に無機層を有し、温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率の値が1.0[g/(m2・日)]以下である。上記無機層により、湿気、水の透過による太陽電池の内面側を保護することができ、また高い透明性を確保することにより太陽電池用表面保護材においては発電効率の向上が達成できる。
上記基材層を構成する基材としては、熱可塑性樹脂フィルムが好ましく、その材料としては、通常太陽電池部材の材料に使用し得る樹脂であれば特に制限なく用いることができる。具体的には、エチレン、プロピレン、ブテン等の単独重合体又は共重合体等のポリオレフィン;環状ポリオレフィン等の非晶質ポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ナイロン等のポリアミド;エチレン−酢酸ビニル共重合体部分加水分解物(EVOH)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、フッ素樹脂、アクリル樹脂、生分解性樹脂等が挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、フィルム物性、コスト等の点から、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンが好ましく、フィルム物性の点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステルが特に好ましい。
また、上記基材は、公知の添加剤、例えば、帯電防止剤、光線遮断剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、フィラー、着色剤、安定剤、潤滑剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤等を含有することができる。
上記基材としての熱可塑性樹脂フィルムは、上記の原料を用いて成形してなるものであるが、未延伸であってもよいし延伸したものであってもよい。
かかる基材は、従来公知の方法により製造することができ、例えば、原料を押出機により溶融し、環状ダイやTダイにより押出して、急冷することにより実質的に無定型で配向していない未延伸フィルムを製造することができる。また、多層ダイを用いることにより、1種の樹脂からなる単層フィルム、1種の樹脂からなる多層フィルム、多種の樹脂からなる多層フィルム等を製造することができる。
この未延伸フィルムを一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸等の公知の方法により、フィルムの流れ(縦軸)方向又はフィルムの流れ方向とそれに直角な(横軸)方向に延伸することにより、一軸方向又は二軸方向に延伸したフィルムを製造することができる。延伸倍率は任意に設定できるが、150℃熱収縮率が、0.01〜5%であることが好ましく、0.01〜2%であることがより好ましい。なかでもフィルム物性の点から、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムや、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートとポリエチレンテレフタレートの共押出二軸延伸フィルム、又はこれらの樹脂と他の樹脂の共押出二軸延伸フィルムが好ましい。
基材の厚さは、一般に5〜250μm程度であり、生産性や取り扱いやすさの点から8〜200μmが好ましく、12〜150μmがより好ましい。
なお、上記基材層には、無機層との密着性向上のため、アンカーコート剤を塗布することによりアンカーコート層を設けることが好ましい。アンカーコート剤としては、溶剤性又は水性のポリエステル樹脂、イソシアネート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、変性ビニル樹脂、ビニルアルコール樹脂等のアルコール性水酸基含有樹脂、ビニルブチラール樹脂、ニトロセルロース樹脂、オキサゾリン基含有樹脂、カルボジイミド基含有樹脂、メチレン基含有樹脂、エポキシ基含有樹脂、スチレン樹脂及びシリコーン樹脂等が挙げられる。これらは単独、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。また、アンカーコート層は必要に応じ、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、アルキルチタネート、紫外線吸収剤、耐候安定剤等の安定剤、潤滑剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤等を含有することができる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、サリチル酸エステル系等各種タイプのものを挙げることができ、種々の市販品が適用できる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクタデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−クロロベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、ヒドロキシフェニル置換ベンゾトリアゾール化合物であって、例えば、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−メチル−5−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
またトリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシルオキシ)フェノール等が挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
サリチル酸エステル系としては、フェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレート等が挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記紫外線吸収剤の添加量は、用いる樹脂組成物100質量部に対し、通常、0.01〜2.0質量部程度であり、0.05〜0.5質量部添加することが好ましい。
上記の紫外線吸収剤以外に耐候性を付与する耐候安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定化剤が好適に用いられる。ヒンダードアミン系光安定化剤は、紫外線吸収剤のようには紫外線を吸収しないが、紫外線吸収剤と併用することによって著しい相乗効果を示す。ヒンダードアミン系以外にも光安定化剤として機能するものはあるが、着色している場合が多く好ましくない。
ヒンダードアミン系光安定化剤としては、例えば、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル}イミノ}]、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ−tert−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)等が挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ヒンダードアミン系光安定化剤の添加量は、用いる樹脂組成物100質量部に対し、通常、0.01〜0.5質量部程度であり、0.05〜0.3質量部添加することが好ましい。
また、紫外線吸収剤及び耐候安定剤としては、上記したものの他、アンカーコート層に用いられる樹脂として挙げた樹脂と上記した紫外線吸収剤及び/又は耐候安定剤が共重合したポリマータイプのものも使用することができる。
アンカーコート層の形成方法としては、公知のコーティング方法が適宜採択される。例えば、リバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクタコーター、スプレイを用いたコーティング方法等の方法がいずれも使用できる。また、基材を樹脂液に浸漬して行ってもよい。塗布後は、80〜200℃程度の温度での熱風乾燥、熱ロール乾燥等の加熱乾燥や、赤外線乾燥等の公知の乾燥方法を用いて溶媒を蒸発させることができる。また、耐水性、耐久性を高めるために、電子線照射による架橋処理を行うこともできる。また、アンカーコート層の形成は、基材の製造ラインの途中で行う方法(インライン)でも、基材製造後に行う方法(オフライン)でも良い。
アンカーコート層の厚みは無機層との密着性の観点から、10〜200nmであることが好ましく、10〜100nmであることがより好ましい。
無機層を構成する無機物質としては、珪素、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、錫、ニッケル、チタン、あるいはこれらの酸化物、炭化物、窒化物、酸化炭化物、酸化窒化物、酸化炭化窒化物、ダイヤモンドライクカーボン又はこれらの混合物等が挙げられるが、太陽電池に適用した場合に電流がリークする等の恐れがない点から、酸化珪素、酸化炭化珪素、酸化窒化珪素、酸化炭化窒化珪素、酸化アルミニウム、酸化炭化アルミニウム及び酸化窒化アルミニウム等の無機酸化物、窒化珪素及び窒化アルミニウム等の窒化物、ダイヤモンドライクカーボン並びにこれらの混合物が好ましい。特に、酸化珪素、酸化炭化珪素、酸化窒化珪素、酸化炭化窒化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム、酸化炭化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化アルミニウム及びこれらの混合物は、高い防湿性が安定に維持できる点で好ましい。
無機層の形成方法としては、蒸着法、コーティング法等の方法がいずれも使用できるが、ガスバリア性の高い均一な薄膜が得られるという点で蒸着法が好ましい。この蒸着法には、物理気相蒸着(PVD)、あるいは化学気相蒸着(CVD)等の方法が含まれる。物理気相蒸着法としては、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等が挙げられ、化学気相蒸着法としては、プラズマを利用したプラズマCVD、加熱触媒体を用いて材料ガスを接触熱分解する触媒化学気相成長法(Cat−CVD)等が挙げられる。
また、上記無機層は、単層の他、多層であってもよく、上記に挙げられる種々の成膜法を用い多層成膜し、防湿性を高めることが可能である。その場合、同一の成膜法を用いても良いし、各層ごとに異なる成膜法を用いても良いが、何れも減圧下で連続して行うことが、効率的な防湿性向上、生産性の点で好ましい。
また、特に、真空蒸着法により形成した無機層、化学蒸着法により形成した無機層及び真空蒸着法により形成した無機層をこの順で形成した層構成が、多層構成の中に含まれていることが好ましい。
更には、化学蒸着法により形成した無機層は、真空蒸着法により形成した無機層の中間層として、層間の応力緩和、下層の空隙封止、上層の下地性能の働きをためす点で、該層に含まれる炭化水素官能基量が少ないほど良く、ESCA(XPS)分析値として炭素原子組成比が20原子%未満、より好ましくは10原子%未満であることが好ましい。また、該層の厚みは20nm未満が適し、好ましくは10nm未満、より好ましくは5nm未満が好ましい。
また、無機層が多層の場合、各層は同じ無機物質からなっていても、異なる無機物質からなっていてもよい。
無機層の厚さは、高い防湿性能の発現と透明性の点から、10〜1000nmであることが好ましく、20〜800nmがより好ましく、30〜600nmが更に好ましい。
上記基材の片面に無機層を有する防湿層(b)の厚さは、一般に5〜250μm程度であり、生産性や取り扱いやすさの点から8〜200μmが好ましく、12〜150μmが更に好ましい。
防湿層(b)の水蒸気透過率の調整は、前記のとおり、前記無機層を構成する無機物質の選択、無機層の厚さ、防湿層(b)の厚さ及び無機層の酸化数等を適宜調整することにより行うことができる。
また、積層防湿フィルムの外部からの耐衝撃性の観点からは、防湿層(b)の厚さが150μm以下であり、かつ上述のオレフィン系樹脂層(a)の厚さが防湿層(b)の厚さの2倍以上であることが好ましい。上記範囲内であれば積層防湿フィルムが厚くなりすぎず、またオレフィン系樹脂層(a)が衝撃を吸収し耐衝撃性が良好となる。
以上より、防湿層(b)の温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率は1.0[g/(m2・日)]以下であり、好ましくは1.0[g/(m2・日)]未満、より好ましくは0.5[g/(m2・日)]以下、更に好ましくは0.2[g/(m2・日)]以下、特に好ましくは0.1[g/(m2・日)]以下である。
<太陽電池用表面保護材>
本発明の積層防湿フィルムは、その高防湿性、耐久性等の点から、太陽電池用表面保護材として用いることができる。
太陽電池用表面保護材として用いる場合、その用途に応じ、上記積層防湿フィルムに耐加水分解性や耐候性に優れた耐候層を備えることが好ましい。更に太陽電池用表面保護材に耐候性や柔軟性等を付与するためや、あるいはオレフィン系樹脂層(a)と防湿層(b)との密着性や耐電圧を確保するための背面フィルム等の中間層を適宜備えることができる。
また、積層防湿フィルムの用途にもよるが、太陽電池等に使用する場合は透明であることが好ましく、一方で所望する性能を損なわない範囲で他の非透明部材との併用も任意である。
本発明の積層防湿フィルムの具体的な態様としては、積層体としてより高い防湿性を得る観点から、防湿層(b)側に耐候層を有すること、すなわち、曝露側から、耐候層、防湿層(b)、及びオレフィン系樹脂層(a)をこの順に積層することが好ましく、必要に応じ中間層を備えることもできる。中間層を備える場合、耐候層と防湿層(b)との間に中間層1を有すること、すなわち、曝露側から、耐候層、中間層1、防湿層(b)、及びオレフィン系樹脂層(a)をこの順に積層した態様が挙げられる。
また、防湿層(b)とオレフィン系樹脂層(a)との間に中間層2を有すること、すなわち、曝露側から、耐候層、防湿層(b)、中間層2、及びオレフィン系樹脂層(a)をこの順に積層する態様が挙げられる。
その他、曝露側から、耐候層、中間層1、防湿層(b)、中間層2、及びオレフィン系樹脂層(a)をこの順に積層する態様も挙げられる。
また防湿性の観点から、防湿層(b)の無機層が暴露側となり、防湿層(b)の基材側にオレフィン系樹脂層(a)を積層することが好ましい。
上記中間層1及び中間層2は、積層防湿フィルムの厚さを増すためや所望の性能を向上させる等の観点から、例えばオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂組成物から形成される層とすることができる。
特に、耐候性等の観点から、中間層1及び中間層2としては、フッ素樹脂、アクリル系樹脂及びオレフィン系樹脂から選ばれる少なくとも1種を含む層であることが好ましい。また、層間強度を向上させる観点からは、中間層1及び/又は中間層2は、剥離強度が1N/15mm幅以上を有する層であることが好ましい。中間層2はオレフィン系樹脂層(a)と防湿層(b)との密着性や耐電圧を確保する背面フィルムとすることも好ましい態様である。
中間層2として必要に応じ用いられる上記背面フィルムは、好ましくは前記防湿層(b)に、また好ましくは接着剤層等を介して貼合されるフィルムである。
太陽電池は発電時の発熱や太陽光の輻射熱等で、その使用温度が85〜90℃程度まで昇温するため、該背面フィルムの融点が使用温度以下であると背面フィルムは軟化し動作中に本来の発電素子を保護する機能が失われる。従って背面フィルムとしては、ポリプロピレン(PP)、ポリ乳酸(PLA)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、酪酢酸セルロース(CAB)、低密度ポリエチレン(LDPE)等のポリエチレン等の少なくとも1種からなる樹脂に必要に応じ紫外線吸収剤や着色剤等を配合した樹脂組成物を成膜したものが好ましく用いられるが、これらに限定されるものではない。
前記背面フィルムは、太陽電池用表面保護材への使用を考えると、可撓性に富み、紫外線耐久性、加湿耐久性に優れることが望ましく、主にポリプロピレン(PP)、ポリ乳酸(PLA)及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)の少なくとも1種からなるものが好ましく、これらの樹脂を単独で又は合計で50質量%以上含有するものがより好ましい。
なお、上記紫外線吸収剤としては、前述の防湿層(b)における基材の説明において挙げたものが使用できる。また、着色剤としては、酸化チタン、炭酸カルシウム等が使用できる。
背面フィルムの厚さは、通常25〜300μm程度であり、フィルムの取り扱いやすさとコストの点から好ましくは50〜300μm、より好ましくは50〜250μmである。
また、上記耐候層は、防湿層(b)の保護のために耐加水分解性や耐候性を備え、積層防湿フィルムに長期の耐久性を付与するものが好ましい。
耐候層は、耐候性を有するものであれば限定されないが、フッ素樹脂を含むものが好ましく、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)及びポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂を成膜したフィルム(塗布層も含む、以下同様)、又はアクリル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の樹脂に紫外線吸収剤を配合した樹脂組成物を成膜したフィルムが好ましく用いられる。
耐候層としては、真空ラミネーション時や高温高湿時の温度・湿度変化においてもその特性変化が小さいことが好ましいことから、例えば、ポリエチレンナフタレートフィルム等の低収縮性耐候基材の使用や、収縮率が大きいポリエチレンテレフタレートフィルムやフッ素樹脂フィルムであっても、事前の熱処理による低収縮化等が行われたフィルムの使用が好ましい。
長期耐久性の観点から、耐候層はフッ素樹脂を成膜したフィルムであることが好ましく、なかでもエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)がより好ましく用いられる。
長期耐候性とフィルム収縮率のいずれも考慮すると、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の樹脂に紫外線吸収剤配合して成膜したフィルム又は該樹脂のフィルムに紫外線吸収剤を含有する塗布層を積層したフィルムが好ましく用いられる。
また、太陽電池用表面保護材への使用を考えると可撓性に富み、耐熱性、防湿性、紫外線耐久性に優れる性能を有する耐候層であることが望ましく、フッ素樹脂フィルムや紫外線吸収剤を配合した耐加水分解性ポリエステルフィルムや耐加水分解性ポリエステルフィルムに紫外線吸収剤を含有する塗布層を積層したフィルムが好ましく用いられる。
使用する紫外線吸収剤としては、前述の防湿層(b)における基材の説明において挙げたものが使用できる。
上記紫外線吸収剤の添加量は、耐候層中、通常、0.01〜2.0質量%程度であり、0.05〜0.5質量%添加することが好ましい。
上記の紫外線吸収剤以外に耐候性を付与する耐候安定剤としては、前述の基材の説明において挙げたものが使用できる。
上記耐候安定剤の添加量は、耐候層中、通常、0.01〜0.5質量%程度であり、0.05〜0.3質量%添加することが好ましい。
耐候層の厚さは、一般に20〜200μm程度であり、取り扱いやすさとコストの点から20〜100μmが好ましく、20〜50μmがより好ましい。
また、本発明の積層防湿フィルムは、上述したオレフィン系樹脂層(a)以外の層の収縮率が150℃、15分間加熱後において5%以下であることが好ましく、より好ましくは2%以下である。上記熱収縮率が5%以下であれば、積層防湿フィルムの組立て加工時の取扱いが良好となる。
<太陽電池>
本発明はまた、上述した本発明の積層防湿フィルムを用い、真空ラミネートして得られる太陽電池を提供する。
特に、本発明の積層防湿フィルムは、EVAを用いた積層防湿フィルムのように酸を発生する恐れがないことから、化合物系発電素子太陽電池又はフレキシブル太陽電池に好ましく用いられる。
具体的には太陽電池用表面保護材を太陽電池用フロントシート及びバックシート等の表面保護材の層構成に使用し、発電素子を上述のオレフィン系樹脂層(a)とともに固定することにより化合物系発電素子太陽電池又はフレキシブル太陽電池を製造することができる。
このような太陽電池としては、種々の構成のものを例示することができ、好ましくは太陽電池用表面保護材を前面保護材として使用した場合、具体的には、防湿層(b)(上部保護材)、オレフィン系樹脂層(a)(以下「封止材」と称すことがある)、発電素子、オレフィン系樹脂層(a)(以下「封止材」と称すことがある)、及び下部保護材を順次積層した構成のもの、下部保護材の内周面上に形成させた発電素子上に封止材と上部保護材を形成させるような構成のもの、上部保護材の内周面上に形成させた発電素子、例えばフッ素樹脂系透明保護材上にアモルファス発電素子をスパッタリング等で作製したものの上に封止材と下部保護材を形成させるような構成のもの等を挙げることができる。上記上部保護材として外側にガラス板を貼り合わせることは任意である。
発電素子としては、例えば、単結晶シリコン型、多結晶シリコン型、アモルファスシリコン型、ガリウム−砒素、銅−インジウム−セレン、カドミウム−テルル等のIII−V族やII−VI族化合物半導体型、色素増感型、有機薄膜型等が挙げられる。
上述の太陽電池用保護部材を用いて作製された太陽電池を構成する各部材については、特に限定されるものではないが、下部保護材としては、金属やガラス等の無機材料や各種熱可塑性樹脂フィルム等の単層もしくは多層のシートであり、例えば、錫、アルミ、ステンレス等の金属、ガラス等の無機材料、ポリエステル、無機物蒸着ポリエステル、フッ素含有樹脂、ポリオレフィン等の単層もしくは多層の保護材を挙げることができる。上部及び/又は下部の保護材の表面には、封止材や他の部材との接着性を向上させるためにプライマー処理やコロナ処理等公知の表面処理を施すことができる。
上述の太陽電池用表面保護材を用いて作製された太陽電池を、既述した上部保護材、封止材、発電素子、封止材、及び下部保護材を順次積層したような構成のものを例として説明する。すなわち太陽電池は、太陽光受光側(暴露側)から順に、上部保護材、封止材、発電素子、封止材、及びバックシートが順次積層されてなり、更に、バックシートの下面にジャンクションボックス(発電素子から発電した電気を外部へ取り出すための配線を接続する端子ボックス)が接着されてなる。発電素子は、発電電流を外部へ電導するために配線により連結されている。配線は、バックシートに設けられた貫通孔を通じて外部へ取り出され、ジャンクションボックスに接続されている。
太陽電池の製造方法としては、公知の製造方法が適用でき、特に限定されるものではないが、一般的には、上部保護材、封止材、発電素子、封止材、及び下部保護材の順に積層する工程と、それらを真空吸引し加熱圧着(真空ラミネート)する工程を有する。前記真空吸引し加熱圧着する工程は、例えば、真空ラミネーターで、温度が好ましくは130〜180℃、より好ましくは130〜150℃、脱気時間が2〜15分、プレス圧力が0.05〜0.1MPa、プレス時間が好ましくは8〜45分、より好ましくは10〜40分で加熱加圧圧着することよりなる。
また、バッチ式の製造設備やロール・ツー・ロール式の製造設備等も適用することができる。
本発明においては、上記真空ラミネート時に上述したオレフィン系樹脂層(a)の架橋反応が進行するため、発電素子に回り込んだオレフィン系樹脂の形状が強固になって安定化し、全体をより一体化させることができる。
上述の太陽電池用表面保護材を用いて作製された太陽電池は、適用される太陽電池のタイプとモジュール形状により、モバイル機器に代表される小型太陽電池、屋根や屋上に設置される大型太陽電池等、屋内、屋外に関わらず各種用途に適用することができる。特に、電子デバイスのなかでも、化合物系発電素子太陽電池やアモルファスシリコン系等のフレキシブル太陽電池への使用においては、高防湿性が要求されることから、本発明の積層防湿フィルムが有効に用いられる。そのため、上述の太陽電池用表面保護材を用いて作製された太陽電池は、特に前記電子デバイスの表面保護材として好ましく用いられる。
以下の実施例により、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、種々の物性の測定及び評価は次のようにして行った。
(物性測定等)
(1)水蒸気透過率
防湿層の水蒸気透過率は、JIS Z 0222「防湿包装容器の透湿度試験方法」、JIS Z 0208「防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)」の諸条件に順じ、次の手法で求めた。
厚さ60μmの延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡績(株)製 P1146)の表面に、ウレタン系接着剤(東洋モートン(株)製AD900とCAT−RT85を10:1.5の割合で配合したもの)を塗布、乾燥し、厚さ約3μmの接着剤層を形成し、この接着剤層上に各防湿層の無機層面側をラミネートし、積層フィルムを得た。
次に、該積層フィルムからなる透湿面積10.0cm×10.0cm角の積層フィルム各2枚用い、延伸ポリプロピレンフィルムが内側になるようにして、吸湿剤として無水塩化カルシウム約20gを入れ四辺を封じた袋を作製し、その袋を温度40℃相対湿度90%の恒温恒湿装置に入れ、72時間以上の間隔でおよそ200日目まで質量測定し、4日目以降の経過時間と袋質量との回帰直線の傾きから水蒸気透過率[g/(m2・日)]を算出した。
(2)外観(防湿性)
防湿層と耐候性フィルム又は中間層1との界面の中央及び四隅(防湿層の縁から20mm内側)に、小片にした塩化コバルト紙を合計5枚置き、更にオレフィン系樹脂層等を重ね、接着剤を用いてドライラミネートし、積層防湿フィルムを作成した。次に、ステンレスと積層防湿フィルムのオレフィン系樹脂層との界面の中央及び四隅(ステンレスの縁から20mm内側)に、小片にした塩化コバルト紙を合計5枚置き、更に、オレフィン系樹脂層及び白色ガラスを重ねて真空ラミネートして積層体を得た。得られた積層体について、(株)トミー精工製、プレッシャークッカー試験LSK-500を用い、105℃、湿度100%、120時間の試験条件で、プレッシャークッカー試験を行った後、目視にて塩化コバルト紙の色を確認し、以下の通りの基準で判定した。
塩化コバルト紙は青緑の色であるが、吸湿すると黄色又は褐色に変色する。これにより、フィルム又は積層体を水分が透過したことを判定することができる。
また、各実施例等においてそれぞれ3つのシート(シート1〜3)について試験を行った。
○:塩化コバルト紙の変色なし
△:塩化コバルト紙の変色(青緑から黄色・褐色)が小片の半数未満
×:塩化コバルト紙の変色(青緑から黄色・褐色)が小片の半数以上
(3)外観(剥離)
剥離の発生は発電性能を低下させるほか、発電素子の劣化・導電体(リード線等)の腐食の原因となる。
そこで、各実施例等で得られた積層体について、(株)トミー精工製、プレッシャークッカー試験LSK-500を用い、温度105℃、相対湿度100%、120時間の試験条件で、プレッシャークッカー試験を行った後、その外観を観察し、以下の評価基準に従って評価した。なお、剥離は気泡剥離と端部剥離とを判定した。
〈気泡剥離〉
○:気泡がないもの
△:数mmの気泡が生じ剥離した状態
×:数cmの気泡が生じ剥離した状態
〈端部剥離〉
○:剥離がないもの
×:端部や角から層間剥離しているもの
(4)外観(シワ)
シワの発生は発電性能を低下させるほか、発電素子の劣化・導電体(リード線等)の腐食の原因となる。
そこで、各実施例等で得られた積層体について、(株)トミー精工製、プレッシャークッカー試験LSK-500を用い、温度105℃、相対湿度100%、120時間の試験条件で、プレッシャークッカー試験を行った後、その外観を観察し、以下の評価基準に従って評価した。なお、シワは数ではなく大きさで判定した。
○:シワなし、又は大きさ数mmまでの小さなシワが部分的に発生した状態
△:大きさ数cmの大きなシワが発生した状態
×:サンプル全体を横断もしくは縦断する程度の大きさのシワが発生した状態
(構成フィルム)
<耐候層>
耐候性フィルム:旭硝子(株)製エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)系フィルム
商品名:アフレックス 50N 1250 NT
<接着剤塗液>
ポリカーボネートポリオール成分を含む主剤として三井化学ポリウレタン(株)製、商品名A1102を使用し、脂肪族系のヘキサメチレンジイソシアナート成分を含む硬化剤として三井化学ポリウレタン(株)製、商品名A3070を使用し、質量比で上記主剤:上記硬化剤=16:1となるように混合し、固形分濃度が30質量%となるように酢酸エチルで希釈して接着剤塗液を調製した。
<オレフィン系樹脂層(a)>
(a)−1:ポリエチレン+架橋剤+架橋助剤
直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン(株)製、商品名UF240)100質量部に対して、酸化防止剤(APIコーポレーション製、商品名ヨシノックスBHT)0.5質量部を添加し、バッチ式混練機(東洋精機製、機種名ラボプラストミル)にて150℃で加熱し、溶融させながら撹拌混合して溶融物を得た。撹拌最後に架橋剤(ジクミルパーオキサイド1.0質量部)及び架橋助剤(トリメチロールプロパントリアクリレート0.5質量部)を投入した。これを120℃に設定した加熱手動プレス機にて0.5mmのスペーサを用いてシート状に成形した。24時間後に測定した厚さは0.47mmであった。
(a)−2:ポリエチレン
直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン(株)製、商品名UF240)100質量部に対して、酸化防止剤(APIコーポレーション製、商品名ヨシノックスBHT)0.5質量部を添加し、バッチ式混練機(東洋精機製、機種名ラボプラストミル)にて150℃で加熱し、溶融させながら攪拌混合して溶融物を得た。これを120℃に設定した加熱手動プレス機にて0.5mmのスペーサを用いてシート状に成形した。24時間後に測定した厚さは0.48mmであった。
(a)−3:エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)
杭州福斯特光伏材料股分有限公司製、商品名:Firsteva F806、厚み:0.5mm
<防湿層(b)>
(b)−1:12μmポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムに酸化ケイ素を蒸着した三菱樹脂(株)製、商品名:テックバリアLXを使用した。また上述の方法で測定した水蒸気透過率は0.33[g/(m2・日)]であった。
(b)−2:基材フィルムとして、厚み12μmの二軸延伸ポリエチレンナフタレート樹脂フィルム(帝人デュポン(株)製、商品名:「Q51C12」)を用い、そのコロナ処理面に、真空蒸着装置を使用して1.33×10-3Pa(1×10-5Torr)の真空下でSiOを加熱蒸発させ、厚さ30nmのSiOx(x=1.5)無機層を形成させた防湿フィルムを得た。作製した防湿フィルム(b)−2の水蒸気透過率は0.04[g/(m2・日)]であった。
<中間層2>
PET:ポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂(株)製、T100、厚さ125μm)を180℃オーブンで30分間加熱処理を行い熱収縮させたもの。
<実施例1>
オレフィン系樹脂層(a)−1、防湿層(b)−2、耐候性フィルムをこの順番で、ドライラミネートし積層防湿フィルムを得た。ドライラミネートは、上述の接着剤塗液を用い、溶媒乾燥後の塗布重量が1m2当たり8gになるようにした。ドライラミネートの後は、室温で2昼夜放置し、更に5昼夜に渡り5日間40℃環境にて保管した。
次に、厚み3mmの白板ガラス(サイズ:150mm×150mm)上に、オレフィン系樹脂層(a)−1、発電セルのダミーとして厚み0.3mmのステンレスシート(サイズ:100mm×100mm)、前記保管後の積層防湿フィルム(ガラス側から、オレフィン系樹脂層(a)−1、防湿層(b)−2、耐候性フィルム)をこの順番で載せ、これを真空ラミネーター((株)エヌ・ピー・シー社製、商品名:LM30×30)を用いて、150℃、30分、圧力0.1MPaの条件で積層プレスし、積層体を得た。
得られた積層体について、上述の物性測定等に供し評価した。結果を表1に示す。
<実施例2>
防湿層(b)−2を防湿層(b)−1とした以外は、実施例1と同様にして積層防湿フィルム及び積層体を得た。
得られた積層体について、上述の物性測定等に供し評価した。結果を表1に示す。
<実施例3>
オレフィン系樹脂層(a)−1、中間層2、防湿層(b)−2、耐候性フィルムをこの順番で、ドライラミネートし積層防湿フィルムを得た。ドライラミネートは、上述の接着剤塗液を用い、溶媒乾燥後の塗布重量が1m2当たり8gになるようにした。ドライラミネートの後は、室温で2昼夜放置し、更に5昼夜に渡り5日間40℃環境にて保管した。
次に、厚み3mmの白板ガラス(サイズ:150mm×150mm)上に、オレフィン系樹脂層(a)−1、発電セルのダミーとして厚み0.3mmのステンレスシート(サイズ:100mm×100mm)、前記保管後の積層防湿フィルム(ガラス側から、オレフィン系樹脂層(a)−1、中間層2、防湿層(b)−2、耐候性フィルム)をこの順番で載せ、これを真空ラミネーター((株)エヌ・ピー・シー社製、商品名:LM30×30)を用いて、150℃、30分、圧力0.1MPaの条件で積層プレスし、積層体を得た。
得られた積層体について、上述の物性測定等に供し評価した。結果を表1に示す。
<実施例4>
防湿層(b)−2を防湿層(b)−1とした以外は、実施例3と同様にして積層防湿フィルム及び積層体を得た。
得られた積層体について、上述の物性測定等に供し評価した。結果を表1に示す。
<実施例5>
オレフィン系樹脂層(a)−1、防湿層(b)−2、中間層1(オレフィン系樹脂層(a)−1)、耐候性フィルムをこの順番で、ドライラミネートし積層防湿フィルムを得た。ドライラミネートは、上述の接着剤塗液を用い、溶媒乾燥後の塗布重量が1m2当たり8gになるようにした。ドライラミネートの後は、室温で2昼夜放置し、更に5昼夜に渡り5日間40℃環境にて保管した。
次に、厚み3mmの白板ガラス(サイズ:150mm×150mm)上に、オレフィン系樹脂層(a)−1、発電セルのダミーとして厚み0.3mmのステンレスシート(サイズ:100mm×100mm)、前記保管後の積層防湿フィルム(ガラス側から、オレフィン系樹脂層(a)−1、防湿層(b)−2、中間層1、耐候フィルム)をこの順番で載せ、これを真空ラミネーター((株)エヌ・ピー・シー社製、商品名:LM30×30)を用いて、150℃、30分、圧力0.1MPaの条件で積層プレスし、積層体を得た。
得られた積層体について、上述の物性測定等に供し評価した。結果を表1に示す。
<比較例1>
オレフィン系樹脂層(a)−1をオレフィン系樹脂層(a)−3とした以外は、実施例1と同様にして積層防湿フィルム及び積層体を得た。
得られた積層体について、上述の物性測定等に供し評価した。結果を表1に示す。
<比較例2>
オレフィン系樹脂層(a)−1をオレフィン系樹脂層(a)−3とし、更に防湿層(b)−2を防湿層(b)−1とした以外は、実施例1と同様にして積層防湿フィルム及び積層体を得た。
得られた積層体について、上述の物性測定等に供し評価した。結果を表1に示す。
<比較例3>
オレフィン系樹脂層(a)−1をオレフィン系樹脂層(a)−2とした以外は、実施例1と同様にして積層防湿フィルム及び積層体を得た。
得られた積層体について、上述の物性測定等に供し評価した。結果を表1に示す。
Figure 2014037127
表1より明らかなように、本発明の構成を有する実施例の積層防湿フィルムはいずれも、水分の侵入を抑制でき防湿性に優れたものであり、プレッシャークッカー試験後であってもシワや剥離がほとんどなく外観に優れることが分かる。一方、本発明の構成を有しない比較例の積層防湿フィルムはいずれも防湿性及び外観に劣るものとなった。
本発明の積層防湿フィルムは防湿性及び外観に優れることから、太陽電池用表面保護材等に好適である。

Claims (14)

  1. 下記オレフィン系樹脂層(a)及び防湿層(b)を有する積層防湿フィルム。
    (a)ポリエチレン系樹脂に架橋剤を配合した樹脂組成物を成膜してなるオレフィン系樹脂層。
    (b)基材層の少なくとも片面に無機層を有し、温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率の値が1.0[g/(m2・日)]以下である防湿層。
  2. 前記樹脂組成物が、紫外線、電離放射線、又は熱により架橋反応する樹脂を含む、請求項1に記載の積層防湿フィルム。
  3. 前記樹脂組成物が、架橋助剤を含む、請求項1又は2に記載の積層防湿フィルム。
  4. 前記防湿層(b)側に、耐候層を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
  5. 前記耐候層と前記防湿層(b)との間に、中間層1を有する、請求項4に記載の積層防湿フィルム。
  6. 前記防湿層(b)と前記オレフィン系樹脂層(a)との間に、中間層2を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
  7. 前記中間層1及び/又は中間層2が、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂及びオレフィン系樹脂から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項5又は6に記載の積層防湿フィルム。
  8. 前記中間層1及び/又は中間層2が、剥離強度が1N/15mm幅以上の層である、請求項5〜7のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
  9. 前記耐候層が、フッ素系樹脂を含む、請求項4〜8のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
  10. 前記防湿層(b)の厚さが150μm以下であり、かつ前記オレフィン系樹脂層(a)の厚さが前記防湿層(b)の厚さの2倍以上である、請求項1〜9のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
  11. 前記オレフィン系樹脂層(a)以外の層の熱収縮率が、150℃、15分間加熱後において5%以下である、請求項1〜10のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の積層防湿フィルムを有する太陽電池用表面保護材。
  13. 太陽電池が化合物系発電素子太陽電池又はフレキシブル太陽電池である請求項12に記載の太陽電池用表面保護材。
  14. 請求項12又は13に記載の太陽電池用表面保護材有する太陽電池。
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