JP2012146698A - 多層保護シート及びそれを用いた太陽電池モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】封止材との密着性に優れ、かつ、耐紫外線性にも優れる太陽電池モジュール用の多層保護シートを提供する。
【解決手段】多層保護シート6は、露出面側に配置される耐候性の第一樹脂シート61と、この第一樹脂シートの非露出面側に直接又は他の層を介して積層される変性ポリフェニレンエーテルを含む第二樹脂シート62とを備え、第一樹脂シート中及び/又は他の層中に紫外線遮蔽材66を含有する。太陽電池モジュールにおいては、第二樹脂シートと、架橋剤を含有する封止材シートとが直接積層される。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池モジュール用の保護シートに関し、更に詳しくは、封止材シート上に直接積層可能な多層保護シートに関する。
近年、環境問題に対する意識の高まりから、クリーンなエネルギー源としての太陽電池が注目されている。一般に、太陽電池を構成する太陽電池モジュールは、受光面側から、ガラス等の透明前面基板、表面側封止材シート、太陽電池素子、裏面側封止材シート、及び裏面保護シートの各部材が順に積層された構造であり、太陽光が上記太陽電池素子に入射することにより発電する機能を有している。
太陽電池モジュールは、長期間にわたって屋外で使用される。そのため、太陽電池モジュールを構成する上記の各部材には長期間にわたって屋外における過酷な環境に耐え得る耐久性が求められ、なかでも裏面保護シートには、裏面側封止材シートとの間の高い接着性が要求されている。
このような裏面保護シートとして、下記の特許文献1には、ポリフェニレンエーテルを主成分とする樹脂組成物からなるポリフェニレンエーテル系樹脂層を有する単層又は多層の太陽電池用シートが開示されている。
特開2010−278428号公報
特許文献1によれば、裏面保護シートとなるポリフェニレンエーテル系樹脂層と封止材シートとの間の接着性の向上することができ、なかでも、架橋剤を含有する封止材シートとの高い接着性を達成することができる。
しかしながら、ポリフェニレンエーテルは芳香族ポリエーテルであるため、芳香族骨格の部分で紫外線を吸収し易い構造であり、これによって樹脂の劣化が著しく耐候性に劣る。このため、ポリフェニレンエーテル系樹脂層を単層で用いて最外層に露出させて使用することは実際にはできない。
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであり、封止材シートとの間で極めて高い接着性を有するとともに、特に紫外線劣化防止等の耐候性にも優れる多層保護シート及びそれを用いた太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、保護シートを多層構成として、変性ポリフェニレンエーテル樹脂を含む第二樹脂シートを封止材シートとの積層面となる側に配置するとともに、積層面の反対側に紫外線遮蔽材を含有する層を設けることで、紫外線劣化防止を付与して耐候性に優れる保護シートが得られることを見出し本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) 太陽電池モジュールの表裏いずれかの一方の面に露出されるように配置される多層の保護シートであって、
露出面側に配置される耐候性の第一樹脂シートと、
前記第一樹脂シートの非露出面側に、直接又は他の層を介して積層される、変性ポリフェニレンエーテルを含む第二樹脂シートと、を備え、
前記第一樹脂シート中、及び/又は、前記他の層中に、紫外線遮蔽材を含有する多層保護シート。
(2) 前記変性ポリフェニレンエーテルが5〜20質量%のスチレン系樹脂を含有する(1)記載の多層保護シート。
(3) (1)又は(2)いずれか記載の多層保護シートと、架橋剤を含有する封止材シートと、太陽電池素子とが積層されており、
前記多層保護シートの前記第二樹脂シートと、前記架橋剤を含有する封止材シートとが直接積層されている太陽電池モジュール。
(4) 前記封止材シートが、架橋剤を含有するエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂又は架橋剤を含有するポリエチレン系樹脂である(3)記載の太陽電池モジュール。
本発明によれば、架橋剤を含有する封止材シートとの間で極めて高い接着性を発揮するとともに、耐候性、特に耐紫外線性に優れる多層保護シート及びそれを用いた太陽電池モジュールが提供される。
本発明の多層保護シートの積層構造の一例を示す模式図である。 本発明の太陽電池モジュールの積層構造の一例を示す模式図である。
<裏面保護シート>
まず、本発明の多層保護シートの一例である裏面保護シート6について、図1を用いて説明する。この裏面保護シート6は、露出面側から、第一樹脂シート61と第三樹脂シート63とが接着剤層64を介して積層されており、更に、第三樹脂シート63と第二樹脂シート62とが、接着剤層65を介して積層されており、3層の樹脂シートの積層体となっている。中間の第三樹脂シート63は、太陽電池モジュールに使用される保護シートとして必要な機能を付与する役割を有しているが、本発明では必須ではない。
<第一樹脂シート>
第一樹脂シート61は、裏面保護シート6が太陽電池モジュールに使用された際に、太陽電池モジュールの裏面側の表面に位置する。そのため、第一樹脂シート61は、耐候性、耐熱性、耐光性等に優れたものを使用する。なお、本明細書では、樹脂をシート状に加工したものの名称として樹脂シートという用語を使用するが、この用語は、樹脂フィルムも含む概念として使用される。
このような樹脂シートとしては、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニル・エステル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE(四フッ化エチレン・エチレン共重合体)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)等のフッ素系樹脂、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、1,3−シクロヘキサジエン、1,4−シクロヘキサジエン、1,5−シクロオクタジエン等をモノマーとする環状ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・スチレン共重合体、プロピレン・スチレン共重合体、ポリ1,4−シクロペンタジエン、ポリ1,5−ヘキサジエン等のポリオレフィン系樹脂、アルキレンカーボネートとジオールを原料とするポリカーボネート系樹脂、ポリメチルメタアクリレート、ポリアクリレート等のポリ(メタ)アクリル系樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PTT(ポリトリメチレンテレフタレート)等のポリエステル系樹脂等の樹脂シートが好ましく例示される。なかでもETFEに代表されるフッ素系樹脂を用いることが耐候性の点から好ましい。
本実施形態において、上記の各種の樹脂シートとしては、例えば、上記の各種の樹脂の1種又はそれ以上を使用し、押し出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法、その他の成膜化法を用いて成膜したものが挙げられる。本実施形態において、第一樹脂シート61として使用される樹脂シートの厚さは、特に限定されないが、5〜250μmが好ましく、10〜150μmがより好ましく、20〜80μmが最も好ましい。第一樹脂シート61の厚さが5μm以上であることにより、裏面保護シート6に十分な耐候性や耐光性を付与することができ、第一樹脂シート61の厚さが250μm以下であることにより、ラミネート加工時のフィルム搬送適性を付与することができる。
次に、この実施形態においては、第一樹脂シート61中に紫外線遮蔽材66を含有する。紫外線遮蔽材66は、太陽電池モジュールの裏面側より入射した紫外線から、特に紫外線に弱い第二樹脂シート62を保護するために設けられる。つまり、紫外線遮蔽材66は、裏面保護シート6において、紫外線遮蔽材66よりも太陽電池モジュールの内部側に存在する各層を紫外線から保護するために設けられる。
紫外線遮蔽材66は、紫外線を反射又は吸収するための材であり、具体的には、有機系の紫外線吸収材は反射材や無機系の紫外線吸収材又は反射材が例示され、これらを特に限定されずに使用することができる。しかし、裏面保護シート6が高湿度及び高温に曝される可能性があるという観点からは、高湿度及び高温条件に対して安定な無機系の紫外線遮蔽材66が好ましく使用される。このような紫外線遮蔽材66としては、酸化チタンや酸化亜鉛の微粒子が例示される。結果として、この場合に第一樹脂シート61は白色に着色される。
酸化チタンの微粒子を紫外線遮蔽材として使用する場合、その粒子径は、20〜1200nmであることが好ましく、80〜600nmであることがより好ましい。紫外線遮蔽材の含有量は、3〜80質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましい。紫外線遮蔽材66が3質量%以上であることにより、紫外線遮蔽材66に十分な紫外線遮蔽効果を付与することができる。また、80質量%以下であることにより、第一樹脂シート61の強度等の物理特性を維持できる。
第一樹脂シート61中には、その他、例えば、シートの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離型性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を必要に応じて添加することができる。
<第二樹脂シート>
第二樹脂シート62は、第一樹脂シート61の非露出面側に、この実施形態では、他の層の一例である第三樹脂シート63を介して積層される、変性ポリフェニレンエーテルを含む樹脂シートである。なお、本発明においては、必ずしも他の層は必要でなく、第一樹脂シート61上に直接第二樹脂シート62が積層されていてもよい。
第二樹脂シート62は変性ポリフェニレンエーテルを主成分とする樹脂シートであり、その厚さは特に限定されないが15μm以上であれば必要な機械強度が得られるので好ましく、250μm以下であれば必要な加工適性あ得られるので好ましい。
変性ポリフェニレンエーテルは、芳香族ポリエーテル構造を持つポリフェニレンエーテル(PPE)を主成分とし、これに成形性の向上等を目的としてスチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂をブレンドした、ポリマーアロイであることが好ましいが、共重合による変性であってもよい。ポリフェニレンエーテルと混合する熱可塑性樹脂は特に限定されないが、スチレン系樹脂の使用が好ましい。
変性ポリフェニレンエーテルは、その化学構造から、耐熱性や耐加水分解性に優れる。また、ガラス移転点(Tg)が150から190℃と高く、加熱時の熱変形が少ない。更に、特に後述するように、架橋剤を含有する封止材シートとの接着性に優れるため、太陽電池のモジュール化においては、接着性のプライマを介することなく、直接封止材シートと接合でき、高い接着強度を得ることができる。そして、本発明においては、露出面側に設けられる紫外線遮蔽剤と組み合わせた積層体とすることで、変性ポリフェニレンエーテルの欠点である耐紫外線性を付与することができる。
ポリフェニレンエーテルとしては、例えば、ポリ(2,6−ジメチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジエチルフェニレンー1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−n−プロピルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−n−ブチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−クロルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−ブロムフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−エチル−6−クロルフェニレン−1,4−エーテル)等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
スチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン、スチレン−α−メチルスチレン共重合体、ハイインパクトポリスチレンで代表されるスチレン−ブタジエン共重合体等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
変性ポリフェニレンエーテルにおける変性量、すなわちスチレン系樹脂含量は重要であり、5〜20質量%が好ましく、より好ましくは5〜10質量%である。5質量%未満ではシートが脆く成形性にも劣るので好ましくなく、20質量%を超えると封止材シートとの接着性が低下するので好ましくない。変性ポリフェニレンエーテルは、通常、変性率を上げることでシートとしての成形性を付与することができるが、一方、これと反比例して封止材シートとの接着性が低下する。すなわち成形性と接着性とはトレードオフの関係にある。ここで、本発明においては、上記のように通常より低い変性率とすることで、長期の接着性を更に向上することができる。このような低い変性率は通常行われないことであり、太陽電池モジュールのように非常に長期間の高耐久性が求められる分野において、封止材シートとの接着性を特異的に高く維持する必要性からの要請であり、当該分野に特有の点である。
第二樹脂シート62は、本発明の効果を害さない範囲内で、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂以外の他の樹脂を含有してもよい。また、例えば、加工性、耐熱性、耐光性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤、その他の樹脂等を添加することができる。これら添加剤等の添加量としては、特に限定されず、その目的に応じて、任意に添加することができる。一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、充填剤、滑剤、強化繊維、補強剤、帯電防止剤、難燃剤、耐炎剤、発泡剤、防カビ剤、着色用添加剤、顔料、改質用樹脂等を挙げることができる。
<第三樹脂シート>
第三樹脂シート63は、第一樹脂シート61と第二樹脂シート62との間に配置され、裏面保護シート6に絶縁性を付与するための中間シートとして使用される。このため、第三樹脂シート63としては、電気絶縁性を有する樹脂シートであれば特に限定されないことになる。しかし、本実施形態の裏面保護シート6では、第一樹脂シート61中に上記の紫外線遮蔽材66が存在することによって、第三樹脂シート63として、耐光性がやや小さく、それゆえコストの小さな素材を使用することができる。つまり、第三樹脂シート63としては、露出面側に位置する第一樹脂シート61よりも耐光性、すなわち耐紫外線性の劣る樹脂シートを使用することもできる。
このような第三樹脂シート63としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等、各種の樹脂シートが挙げられる。これらの樹脂シートの中でも、第三樹脂シート63としては、絶縁性能、機械強度、コスト、透明性等の観点からポリエチレンテレフタレート(PET)、シリカ蒸着ポリエチレンテレフタレート(シリカ蒸着PET)ポリオレフィン等の樹脂シートが好ましく使用される。裏面保護シート6に水蒸気バリア性等のガスバリア性を付与する必要がある場合、第三樹脂シート63の表面に金属酸化物からなる透明な蒸着層を形成してもよい。この場合、蒸着させる金属酸化物の種類や蒸着層の厚さ等は、裏面保護シート6に要求される性能等を考慮して適宜設定すればよい。
上記樹脂は、既に説明した第一樹脂シート61の作製方法と同様の方法により、薄膜化され、シート状の第三樹脂シート63に加工される。また、第三樹脂シート63の厚さも、上記第一樹脂シート61におけるものと同様の範囲が好ましく例示されるが、特に限定されない。
<接着剤層>
この実施形態においては、第一樹脂シート61と第三樹脂シート63とが接着剤層64を介して積層されており、更に、第三樹脂シート63と第二樹脂シート62とが、接着剤層65を介して積層されている。接着剤層64や接着剤層65を形成するためのラミネート接着剤は従来公知のものが利用でき特に限定されず、ウレタン系、エポキシ系等の主剤と硬化剤とからなる2液硬化型のドライラミネート接着剤等が適宜使用可能である。
<紫外線遮蔽材の変形例>
紫外線遮蔽材は、第一樹脂シート61中のみならず、本発明における「他の層」に含有されていてもよい。ここでいう他の層とは、第二樹脂シート62より露出面側に配置される層であり、上記実施形態で言えば、第三樹脂シート63中でもよく、接着剤層64や接着剤層65中であってもよい。このように、本発明における他の層とは樹脂シートのみならず、接着剤層や他のコーティング層も含む意味である。
<太陽電池モジュール>
次に、上記の裏面保護シート6を用いた太陽電池モジュールの一例について、図2を用いて説明する。この太陽電池モジュール1は、図2に示すように、入射光の受光面側から、透明前面基板2、前面封止材シート3、太陽電池素子4、背面封止材シート5、及び裏面保護シート6が順に積層されている。ここで裏面保護シート6は、上記の第二樹脂シート62が非露出面側、すなわち背面封止材シート5側となるように積層される。透明前面基板2や太陽電池素子4等の構成部材は従来公知のものが使用可能であり特に限定されない。モジュール化は、太陽電池素子4を前面封止材シート3及び背面封止材シート5でサンドし、次いで、透明前面基板2及び裏面保護シート6を順次積層して、例えば真空熱ラミネート加工により一体化する。この際のラミネート温度は、130℃〜190℃の範囲内とすることが好ましい。また、ラミネート時間は、5〜60分の範囲内が好ましく、特に8〜40分の範囲内が好ましい。
そして、図1に示すように、この実施形態においては第一樹脂シート61中に紫外線遮蔽材66を含有するので、特に紫外線に弱い第二樹脂シート62を紫外線から保護でき、第二樹脂シート62の紫外線劣化を防止できる。
なお、紫外線遮蔽材66のみでは、太陽電池モジュールの受光面側から入射する紫外線が第二樹脂シート62に到達することは抑制することができない。ただ、この場合であっても、通常、太陽電池モジュールにおいて封止材シートには紫外線吸収剤が併用されるので、太陽電池モジュールの受光面側から入射する紫外線が第二樹脂シート62に到達することはほとんどなく、この点からも変性ポリフェニレンエーテルを含む第二樹脂シート62を紫外線から保護できる。
<背面封止材シート>
この一体化の過程において、裏面保護シート6における非露出面側の最外層に配置された第二樹脂シート62と背面封止材シート5とが加熱状態で積層されると、背面封止材シート5に含有される架橋剤によって背面封止材シート5自体の架橋が進む。本発明においては、これと並行して背面封止材シート5を構成する樹脂と変性ポリフェニレンエーテルとの間での架橋反応も進行して、結果、背面封止材シート5と第二樹脂シート62とが強固に接着される。このように、本発明における封止材シート、なかでも背面封止材シート5は、架橋剤を含有することを特徴としており、これによって従来必要であった接着層無しのプライマレス構成でも、裏面保護シート6と背面封止材シート5との接着を可能とする。
背面封止材シート5を構成する樹脂組成物には、裏面保護シート6との高い接着強度という効果を奏するために、裏面保護シート6との一体化の工程の前の段階で架橋剤が含有されていることが必要である。封止材シートを構成する樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を主として含有するエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂や、低密度ポリエチレンを主として含有するポリエチレン系樹脂が好ましく挙げられる。
[ポリエチレン系樹脂]
好ましいポリエチレン系樹脂としては、密度が0.900g/cm以下の低密度ポリエチレン(LDPE)、好ましくは直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)が挙げられる。直鎖低密度ポリエチレンはエチレンとα−オレフィンとの共重合体であり、その密度が0.900g/cm以下、好ましくは0.870〜0.890g/cmの範囲である。この範囲であれば、シート加工性を維持しつつ良好な透明性と耐熱性を付与することができる。
本発明においてはメタロセン系直鎖低密度ポリエチレンを用いることが好ましい。メタロセン系直鎖低密度ポリエチレンは、シングルサイト触媒であるメタロセン触媒を用いて合成されるものである。このようなポリエチレンは側鎖の分岐が少なく、コモノマーの分布が均一である。このため、分子量分布が狭く、上記のような超低密度にすることが可能である。また、結晶性分布が狭く、結晶サイズが揃っているので、結晶サイズの大きいものが存在しないばかりでなく、低密度であるために結晶性自体が低い。このため、シート状に加工した際の透明性に優れる。
直鎖低密度ポリエチレンのα−オレフィンとしては、好ましくは分枝を有しないα−オレフィンが好ましく使用され、これらの中でも、炭素数が6〜8のα−オレフィンである1−ヘキセン、1−ヘプテン又は1−オクテンが特に好ましく使用される。α−オレフィンの炭素数が6以上8以下であることにより、太陽電池モジュール用封止材に良好な柔軟性を付与することができるとともに良好な強度を付与することができる。その結果、封止材と基材との密着性が高まり、封止材と基材との間への水分の浸入を抑えることができる。
ポリエチレン系樹脂のメルトマスフローレート(MFR)は、190℃において1.0g/10分以上40g/10分以下である必要があり、2g/10分以上40g/10分以下であることが好ましい。MFRが上記の範囲であることにより、製膜時の加工適性に優れる。
ポリエチレン系樹脂には、エチレンを重合して得られる通常のポリエチレンのみならず、α−オレフィン等のようなエチレン性の不飽和結合を有する化合物を重合して得られた樹脂、エチレン性不飽和結合を有する複数の異なる化合物を共重合させた樹脂、及びこれらの樹脂に別の化学種をグラフトして得られる変性樹脂等が含まれる。なかでも、少なくともα−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物とをコモノマーとして共重合してなるシラン共重合体を好ましく使用することができる。このような樹脂を使用することにより、透明前面基板や太陽電池素子等といった部材と封止材との接着性が得られる。
シラン共重合体は、例えば、特開2003−46105号公報に記載されているものであり、少なくともα−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物をコモノマーとし、必要に応じて更にその他の不飽和モノマーをコモノマーとして共重合して得られる共重合体であり、該共重合体の変性体ないし縮合体も含むものである。当該共重合体を太陽電池モジュールの封止材組成物の成分として使用することにより、強度、耐久性等に優れ、かつ、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性、耐風圧性、耐降雹性、その他の諸特性に優れ、更に、太陽電池モジュールを製造する加熱圧着等の製造条件に影響を受けることなく極めて優れた熱融着性を有し、安定的に、低コストで、種々の用途に適する太陽電池モジュールを製造し得る。
α−オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンより選択される1種以上を使用することができる。
エチレン性不飽和シラン化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリペンチロキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリベンジルオキシシラン、ビニルトリメチレンジオキシシラン、ビニルトリエチレンジオキシシラン、ビニルプロピオニルオキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリカルボキシシランより選択される1種以上を使用することができる。
上記組成物に含まれる密度が0.900g/cm以下のポリエチレン系樹脂の含有量は、組成物中で好ましくは10質量%以上99質量%以下、より好ましくは50質量%以上99%質量以下であり、更に好ましくは90質量%以上99%質量以下である。逆に言えばこの範囲内であればその他の樹脂を含んでいてもよい。例えば0.900g/cmを超える他のポリエチレン系樹脂等が例示できる。これらは、例えば添加用樹脂として用いてもよく、後述のその他の成分をマスターバッチ化するために使用できる。
[架橋剤]
架橋剤は公知のものが使用でき特に限定されず、例えば公知のラジカル架橋剤を用いることができる。ラジカル架橋剤としては、例えば、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ヒドロパーオキシ)ヘキサン等のヒドロパーオキサイド類;ジ‐t‐ブチルパーオキサイド、t‐ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐パーオキシ)ヘキシン‐3等のジアルキルパーオキサイド類;ビス‐3,5,5‐トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、o‐メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4‐ジクロロベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;t‐ブチルパーオキシアセテート、t‐ブチルパーオキシ‐2‐エチルヘキサノエート、t‐ブチルパーオキシピバレート、t‐ブチルパーオキシオクトエート、t‐ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t‐ブチルパーオキシベンゾエート、ジ‐t‐ブチルパーオキシフタレート、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン‐3、t‐ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート等のパーオキシエステル類;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類等の有機過酸化物、又は、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4‐ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジクミルパーオキサイド、といったシラノール縮合触媒等を挙げることができる。
例えば封止材シートを構成する樹脂がEVAの場合のように、シート成形時には封止材シートが未架橋であり、モジュール化の際の加熱によって封止材シートの架橋が行われる場合には、1時間半減期温度が100℃〜150℃の有機過酸化物が好ましい。
この場合の架橋剤の含有量としては、組成物中に0.5質量%〜2.0質量%含まれることが好ましく、より好ましくは0.5質量%〜1.5質量%含まれることが好ましく、更に好ましくは0.5質量部〜1.0質量部の範囲である。0.5質量部未満であると、架橋不足により高温での耐熱性が劣るので好ましくない。2.0質量部を超えると、ラジカルが発生しすぎて発泡してモジュール化で不具合が生じる恐れがあり、また、未反応残存架橋剤によって保存時に架橋が進み封止材としての保存安定性が低下する恐れがあるので好ましくない。
例えば封止材シートを構成する樹脂が例えば上記のポリエチレン系樹脂の場合には、シート成形時に後述する弱架橋を含む架橋を行うこともできる。この場合には、上記のなかでも、t−ブチルパーオキシ2―エチルヘキシルカーボネート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン等が好ましく使用できる。これらは、活性酸素量が5%以上と高く、また架橋剤の1分間半減期温度が160から190℃であり成形時点で消費されるため、封止材シート成形後の架橋剤の過剰の残留による余分な後架橋の進行を抑制できるので好ましい。1分間半減期温度が160℃未満であると成形中に架橋剤を十分に分散させてから架橋反応を進行させることが困難である点から好ましくない。
この場合の架橋剤の含有量は、組成物中に0.02質量%以上0.5質量%未満であり、上限は好ましくは0.2質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下である。この範囲未満であると上記ポリエチレン系樹脂の弱架橋が進まず耐熱性が不足する。また、この範囲を超えると、成形中にゲルが発生する等して製膜性が低下し、透明性も低下する。
なお、上記のように少量の架橋剤で封止材シートの成形時に弱架橋を行う場合、通常の熱可塑性樹脂において通常用いられる成形法、すなわち、射出成形、押出成形、中空成形、圧縮成形、回転成形等の各種成形法により行われるが、成形中に弱架橋反応を促進させるために、成形温度は前記ポリエチレン系樹脂の融点+50℃以上が好ましい。具体的には150から250℃の高温とすることが好ましく、より好ましくは190から230℃の範囲である。架橋剤の添加が少量であるため、MFRが低下するものの、その低下の程度が小さい。このため溶融成形中に弱架橋を進行させることができる。なお、この成形温度は架橋剤の1分間半減期温度以上であるので、成形後には架橋剤はほとんど残留せず、弱架橋はこの成形段階で終了する。しかしながら、驚くべきことに、このように封止材シート成形後に架橋剤がほとんど存在しない場合であっても、裏面保護シートの第二樹脂シートとの接着強度は大幅に向上する。このように極少量の残留架橋剤であっても、接着強度が大幅に向上することは特許文献1に開示も示唆もされておらず、本発明の新規な点である。なお、以上のことから、本発明における「架橋剤を含有する」とは、このような微量の残留架橋剤も含む意味である。
[その他の成分]
樹脂組成物には、更にその他の成分を含有させることができる。耐候性を付与するための耐候性マスターバッチ、各種フィラー、光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤等の成分が例示される。これらの含有量は、その粒子形状、密度等により異なるものではあるが、それぞれ樹脂組成物中に0.001〜5質量%の範囲内であることが好ましい。これらの添加剤を含むことにより、長期に亘って安定した機械強度や、黄変やひび割れ等の防止効果等を付与することができる。
耐候性マスターバッチとは、光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤及び上記の酸化防止剤等をポリエチレン等の樹脂に分散させたものであり、これを樹脂組成物に添加することにより良好な耐候性を付与することができる。耐候性マスターバッチは、適宜作製して使用してもよいし、市販品を使用してもよい。なお、これらの光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤及び酸化防止剤は、それぞれ1種単独でも2種以上を組み合わせて用いることもできる。更に、樹脂組成物に用いられる他の成分としては上記以外に、シランカップリング剤等の接着性向上剤、核剤、分散剤、レベリング剤、可塑剤、消泡剤、難燃剤等を挙げることができる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
以下に示す方法で、図1の3層構成の裏面保護シート6を従来公知のドライラミネート法により接着剤4.0〜6.0g/m(乾燥状態)でコーティングして接着剤層を形成して積層し、5日間40℃でエージングすることにより、実施例及び比較例の裏面保護シートを作製した。
第一樹脂シート61:厚さ25μmの白色ETFEシート(旭硝子社製、商品名「アフレックス」、粒径300nmの酸化チタン20質量%含有)
第三樹脂シート63:厚さ125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シート(東レ社製、商品名「S10」)
第二樹脂シート62(実施例1):厚さ50μmの変性ポリフェニレンエーテルシート(ポリ(2,6−ジメチルフェニレン−1,4−エーテル)、スチレン含有量7質量%)
第二樹脂シート62(実施例2):厚さ50μmの変性ポリフェニレンエーテルシート(ポリ(2,6−ジメチルフェニレン−1,4−エーテル)、スチレン含有量40質量%)
第二樹脂シート(比較例1):厚さ50μmのシンジオタクチックポリスチレン(SPS)シート(出光興産社製、商品名「ザレック」)
第二樹脂シート(比較例2):厚さ50μmのポリフェニルサルフォン(PPS)シート(東レ社製、商品名「トレリナ」)
第二樹脂シート(比較例3):厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シート(東レ社製、商品名「S10」)
接着剤層64及び接着剤層65:主剤(三井化学社製A1143)17質量部/硬化剤(三井化学社製A50)1質量部のウレタン系接着剤
<評価例>
上記裏面保護シートの第二樹脂シート面側と、下記封止材1から3からなる背面封止材シートとを150℃×15分間真空プレスして積層した後の接着強度を、JIS K6854−3に準拠し、基材幅15mm、剥離速度50mm/minの条件でN/15mm幅として測定した。加熱収縮率はJIS K7133準拠の150℃×30分後の加熱収縮率を(%)MD(流れ方向)及びTD(幅方向)として測定した。その結果を表1に示す。
封止材1(架橋剤無のポリエチレン系樹脂)
シラン変性透明樹脂:密度0.898g/cm3であり、190℃でのメルトマスフローレートが2g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(以下、M−LLDPEと称する。)98質量部に対して、ビニルトリメトキシシラン2質量部と、ラジカル発生剤(反応触媒)としてのジクミルパーオキサイド0.1質量部とを混合し、200℃で溶融、混練し、シラン変性透明樹脂を得た。
耐候性マスターバッチ:密度0.920g/cm3のチーグラー直鎖状低密度ポリエチレンを粉砕したパウダー100質量部に対して、ベンゾフェノール系紫外線吸収剤3.8質量部とヒンダードアミン系光安定化剤5質量部と、リン系熱安定化剤0.5質量部とを混合して溶融、加工し、ペレット化したマスターバッチを得た。
上記のシラン変性透明樹脂20質量部、耐候性マスターバッチ5質量部、添加用ポリエチレンとしての密度0.905g/cm3のメタロセン直鎖状低密度ポリエチレン80質量部とを混合し、φ150mm押出し機、1000mm幅のTダイスを有するフィルム成形機を用いて、押出し温度230℃、引き取り速度2.3m/minで厚さ400μmの封止材シートを作製した。
封止材2(架橋剤有のポリエチレン系樹脂)
シラン変性透明樹脂:密度0.881g/cmであり、190℃でのMFRが2g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(M−LLDPE)98質量部に対して、ビニルトリメトキシシラン2質量部と、ラジカル発生剤(反応触媒)としてのジクミルパーオキサイド0.1質量部とを混合し、200℃で溶融、混練し、密度0.884g/cm、190℃でのMFRが1.8g/10分であるシラン変性透明樹脂を得た。
耐候性マスターバッチ:密度0.880g/cmのチーグラー直鎖状低密度ポリエチレンを粉砕したパウダー100質量部に対して、ベンゾフェノール系紫外線吸収剤3.8質量部とヒンダードアミン系光安定化剤5質量部と、リン系熱安定化剤0.5質量部とを混合して溶融、加工し、ペレット化したマスターバッチを得た。
架橋剤コンパウンド樹脂1:密度0.880g/cm、190℃でのMFRが3.1g/10分のM−LLDPEペレット100質量部に対して、架橋剤として2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐ブチルパーオキシ)ヘキサン0.1質量部を含浸させコンパウンドペレットを得た。
上記のシラン変性透明樹脂20質量部、耐候性マスターバッチ5質量部、架橋剤コンパウンド樹脂1の80質量部を混合し、φ30mm押出し機、200mm幅のTダイスを有するフィルム成形機を用いて、押出し温度210℃、引き取り速度1.1m/minで厚さ400μmの封止材シートを作製した。
封止材3(架橋剤有のポリエチレン系樹脂)
EVA(酢酸ビニル含量28%、三井デュポンポリケミカル製、商品名EVAFLEX/EV250グレード)の100質量部に対して、架橋剤(Lupersol101)1.5質量部、酸化防止剤(NAUGARD−P)0.2質量部、UV吸収剤(Tinuvin7709の0.1質量部とCyasorb UV−531の0.3質量部)を配合したものを用いた。成膜温度は90℃〜100℃のTダイ法により厚さ400μmの封止材シートを作成した。
Figure 2012146698
上記の評価結果から明らかなように、第二樹脂シートとして変性ポリフェニレンエーテルを含む実施例1、2においては、架橋剤を含有する封止材2と3の場合に接着強度が高い。なお、実施例であっても架橋剤を含有しない封止材1においては接着強度の向上は認められない。
なお、スチレン樹脂含量の低い実施例1においては、実施例2に比べて格段に接着強度が高く、熱変形も小さい。このため、実施例1の裏面保護シートが特に好適であることが理解できる。
1 太陽電池モジュール
2 透明前面基板
3 前面封止材シート
4 太陽電池素子
5 背面封止材シート
6 裏面保護シート
61 第一樹脂シート
62 第二樹脂シート
63 第三樹脂シート
64 接着剤層
65 接着剤層
66 紫外線遮蔽材

Claims (4)

  1. 太陽電池モジュールの表裏いずれかの一方の面に露出されるように配置される多層の保護シートであって、
    露出面側に配置される耐候性の第一樹脂シートと、
    前記第一樹脂シートの非露出面側に、直接又は他の層を介して積層される、変性ポリフェニレンエーテルを含む第二樹脂シートと、を備え、
    前記第一樹脂シート中、及び/又は、前記他の層中に、紫外線遮蔽材を含有する多層保護シート。
  2. 前記変性ポリフェニレンエーテルが5〜20質量%のスチレン系樹脂を含有する請求項1記載の多層保護シート。
  3. 請求項1又は2記載の多層保護シートと、架橋剤を含有する封止材シートと、太陽電池素子とが積層されており、
    前記多層保護シートの前記第二樹脂シートと、前記架橋剤を含有する封止材シートとが直接積層されている太陽電池モジュール。
  4. 前記封止材シートが、架橋剤を含有するエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂又は架橋剤を含有するポリエチレン系樹脂である請求項3記載の太陽電池モジュール。
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