JP2011012246A - 樹脂組成物、太陽電池封止材及びそれを用いた太陽電池モジュール - Google Patents

樹脂組成物、太陽電池封止材及びそれを用いた太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】特定の要件を満たしたエチレン・α−オレフィン共重合体(A)からなる樹脂組成物を用いた太陽電池封止材において、ガラス、バックシート、薄膜電極、アルミニウムとの接着性、耐熱性、成形性および架橋特性のバランス、高温高湿への耐性、耐候性、ヒートサイクルの耐性等の諸特性に優れる太陽電池封止材を提供する。
【解決手段】エチレン・α−オレフィン共重合体(A)100重量部とエチレン性不飽和シラン化合物(B)0.1〜5重量部、有機過酸化物(C)0.1〜3重量部とからなり、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)が以下の要件a)〜d)を満たす樹脂組成物。a)α−オレフィンから導かれる構成単位が8〜20mol%、b)DSC(視差走査熱量計)に基づく融解ピークが30〜90℃、c)GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)に基づく分子量分布Mw/Mnが1.2〜3.5、d)JIS K−6721に準拠して230℃、2.16Kg荷重にて測定したメルトフローレ−ト(MFR)が51〜400g/10分
【選択図】なし

Description

本発明は、ガラス、バックシート、薄膜電極、アルミニウムとの接着性、耐熱性、成形性および架橋特性のバランス、高温高湿への耐性、耐候性、ヒートサイクルの耐性に優れる樹脂組成物に関し、更にこれを用いた太陽電池封止材に関する。
本発明は、さらに、この様な太陽電池封止材を用いた太陽電池封止用シート、および、それら封止材、封止用シートを用いた太陽電池モジュールに関する。
地球環境問題、エネルギー問題等が深刻さを増す中、クリーンでかつ枯渇のおそれが無いエネルギー源として、太陽電池が注目されている。太陽電池を建物の屋根部分等の屋外で使用する場合、太陽電池モジュールの形で使用することが一般的である。
一般に、上記の太陽電池モジュールは、多結晶シリコン、単結晶形シリコン等により形成された結晶型太陽電池セル、あるいはアモルファスシリコンや結晶シリコン等をガラス等の基板の上に数μmの非常に薄い膜を形成して作った薄膜型太陽電池セル等を製造し、例えば、結晶系太陽電池モジュールは、太陽電池モジュール用保護シート(表面保護シート)/太陽電池封止用シート/結晶型太陽電池セル/太陽電池封止用シート/太陽電池モジュール用保護シート(裏面保護シート)の順に積層し、薄膜系太陽電池モジュールは、薄膜系太陽電池セル/太陽電池封止用シート/太陽電池モジュール用保護シート(裏面保護シート)の順に積層し、次いで、これらを真空吸引して加熱圧着するラミネーション法等を利用して製造されている。この結果、太陽電池モジュールは、耐候性を有し、建物の屋根部分等の屋外での使用にも適したものとなっている。
従来、太陽電池封止用シートを構成する材料(太陽電池封止材)としては、その透明性、柔軟性等から、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が広く用いられていた(例えば、特許文献1参照。)。エチレン−酢酸ビニル共重合体を太陽電池封止材に使用する場合、十分な耐熱性を付与するために架橋処理を行うのが一般的であるが、架橋処理には0.2〜2時間程度の比較的長時間を要するため、太陽電池モジュールの生産速度、生産効率を低下させる原因となっていた。また、EVAが分解して発生する酢酸ガス等の成分が、太陽電池素子に影響を与える可能性が懸念されていた。
上述の技術的課題を解決するための方策の1つとして、太陽電池封止材の少なくとも一部にエチレン・α−オレフィン共重合体を使用することを挙げることができ、また、エチレン・α−オレフィン共重合体を使用した太陽電池封止材についての提案も存在する(特許文献2参照)。しかし、特許文献2は、封止材としての好ましい特性(耐熱性、透明性、柔軟性、耐プロセス安定性等)を得るための、エチレン・αオレフィン共重合体の使用形態につき、何らの具体的な指針も開示していない。
さらに、特有の炭素数3〜20のα−オレフィンに基づく重合単位を有する非晶性α−オレフィン重合体についての提案も存在する(特許文献3参照)。しかし、特許文献3の開示された技術においても、太陽電池封止材の生産性とそれを用いてモジュールを作成する際のラミネート時のゲル化特性のバランスに優れたものが得られていない。
特開平8−283696号公報 特開2000−091611号公報 WO2006/070793号公報
本発明の目的は、上述の背景に鑑み、特定の要件を満たしたエチレン・α−オレフィン共重合体(A)からなる樹脂組成物を用いた太陽電池封止材において、所望の物性を得るための指針を明確にし、ガラス、バックシート、薄膜電極、アルミニウムとの接着性、耐熱性、成形性および架橋特性のバランス、高温高湿への耐性、耐候性、ヒートサイクルの耐性等の諸特性に優れる太陽電池封止材を提供することにある。
本発明は、さらに、この様な太陽電池封止材を用いた太陽電池封止用シート、および、それら封止材、封止用シートを用いた太陽電池モジュールを提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定のα−オレフィンから導かれる構成単位範囲、DSC(示差走査熱量分析)に基づく融解ピーク範囲、特定の分子量分布範囲にあるエチレン・α−オレフィン共重合体(A)とエチレン性不飽和シラン化合物(B)からなる樹脂組成物を用いることにより、接着性、耐熱性、成形性および架橋特性のバランス、高温高湿への耐性、耐候性、ヒートサイクルの耐性に優れる太陽電池封止材が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、以下に関するものである。
(1)エチレン・α−オレフィン共重合体(A)100重量部とエチレン性不飽和シラン化合物(B)0.1〜5重量部、有機過酸化物(C)0.1〜3重量部とからなり、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)が以下の要件a)〜d)を満たすことを特徴とする樹脂組成物。
a)α−オレフィンから導かれる構成単位が8〜20mol%
b)DSC(視差走査熱量計)に基づく融解ピークが30〜90℃
c)GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)に基づく分子量分布Mw/Mnが1.2〜3.5
d)JIS K−6721に準拠して230℃、2.16kg荷重にて測定したメルトフローレ−ト(MFR)が51〜400g/10分
(2)さらに、前記エチレン・α−オレフィン共重合体(A)100重量部に対し、紫外線吸収剤(D)、ラジカル捕捉剤(E)及び耐熱安定剤(F)の(D)〜(F)からなる群から選ばれた少なくとも1種を0.005〜5重量部含むことを特徴とする(1)記載の樹脂組成物。
(3)さらに、前記エチレン・α−オレフィン共重合体(A)100重量部に対し、架橋助剤(G)0.01〜5重量部を含むことを特徴とする(1)又は(2)記載の樹脂組成物。
(4)前記有機過酸化物(C)の1分間半減期温度が100〜180℃の範囲にあることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(5)キュラストメーターにて150℃、反転速度100cpmの条件で測定した15分時の最大トルク値が2.5〜15.0dNmであることを特徴とする(2)〜(4)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(6)マイクロレオロジーコンパウンダーにて120℃、30rpmの条件で混練を行い最低トルク値から0.1Nm上がった時間が10〜100分であることを特徴とする(2)〜(5)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(7)太陽電池封止材用であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(8)(1)〜(7)のいずれかに記載の樹脂組成物からなるシート。
(9)(8)に記載のシートからなる太陽電池封止材。
(10)(7)又は(9)記載の太陽電池封止材を用いて得られる太陽電池モジュール。
(11)太陽電池封止材からなる層を有し、当該層を架橋させてなることを特徴とする(10)記載の太陽電池モジュール。
(12)(10)又は(11)記載の太陽電池モジュールが薄膜系であることを特徴とする薄膜系太陽電池モジュール。
本発明によれば、ガラス、バックシート、薄膜電極、アルミニウムとの接着性、耐熱性、成形性および架橋特性のバランス等に優れるエチレン系樹脂組成物を得ることができる。更にこれを用いることにより、ガラス、バックシート、薄膜電極、アルミニウムとの接着性、耐熱性、成形性および架橋特性のバランス等に優れる太陽電池封止材を得ることができる。
本発明は、さらに、この様な太陽電池封止材を用いた太陽電池封止用シート、および、それら封止材、封止用シートを用いることで、上記の優れた諸特性に加えて、コスト等経済性に優れた太陽電池モジュールを得ることもできる。
また、本発明の太陽電池封止材は、耐透湿性が高く、変換効率の低下が小さい薄膜太陽電池を得ることもできる。
以下、本発明を詳細に説明する。
エチレン・α−オレフィン共重合体(A)
本発明の樹脂組成物に用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体(A)のα−オレフィンは、通常は、炭素数が3〜20のαオレフィンを、1種類単独で、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。中でも好ましいのは、炭素数が4以上であるαオレフィンであり、特に好ましいのは、炭素数4〜8のものである。この様なα−オレフィンとして、例えば1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が用いられる。なかでも、入手の容易さから1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンが好ましい。さらに、エチレンとランダム共重合体を形成してもよく、ブロック共重合体を形成してもよい。
次に要件a)〜d)について順次説明する。
要件a)
本発明の樹脂組成物のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)のα−オレフィンから導かれる構成単位は、8〜20mol%である。好ましくは、8〜17mol%、さらに好ましくは、9〜17mol%である。α−オレフィンから導かれる構成単位が8mol%未満であると、低温での押出成形が困難となり、樹脂組成物に有機過酸化物を練り込むことが困難となる傾向がある。また、柔軟性が低く、太陽電池モジュールのラミネート成形時に太陽電池素子であるセルの割れや、薄膜電極のカケが発生する場合がある。α−オレフィンから導かれる構成単位が20mol%超過であると、樹脂組成物の柔軟性が高すぎて、押出成形にて太陽電池封止材シートを得ることが困難になり易い。また、シートにベタツキが発生し、シートがブロッキングしてしまいシートの繰り出し性が悪化する傾向がある。
要件b)
本発明の樹脂組成物のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)のDSCに基づく融解ピークが、30〜90℃の範囲に存在する。好ましくは、33〜90℃、さらに好ましくは、30〜88℃の範囲である。融解ピーク90℃超過であると、結晶化度が高く、得られる太陽電池封止材の柔軟性が低く、太陽電池モジュールをラミネート成形する際にセルの割れや、薄膜電極のカケが発生する可能性がある。融解ピーク30℃未満であると、樹脂組成物の柔軟性が高すぎて、押出成形にて太陽電池封止材シートを得ることが困難である。また、シートにベタツキが発生し、シートがブロッキングしてしまいシートの繰り出し性が悪化する傾向がある。
要件c)
本発明の樹脂組成物のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)の、GPCで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布Mw/Mnが1.2〜3.5の範囲である。好ましくは、1.5〜3.5、さらに好ましくは1.7〜3.2である。Mw/Mnが1.2未満にするためには、リビング重合的にエチレン・α−オレフィン共重合体(A)を重合するため触媒活性が得られず、あるいは従来公知の重合方法で得られたエチレン・α−オレフィン共重合体(A)の低分子量成分、高分子量成分の分離が必要となるため、製造コストが高価となる。また、成形できる温度幅も狭く、さらに押出機での吐出量も均一に出しにくくなるため、均一な厚みのシートを得るシート成形が困難になる傾向にある。Mw/Mnが3.5超過であると、低分子量成分を有してしまうためシートにベタツキが発生し、シートがブロッキングしてしまいシートの繰り出し性が悪化する傾向にある。また、一般に、分子量分布Mw/Mnが広くなると組成分布も広くなることが知られており、シートにベタツキが発生し、シートがブロッキングしてしまいシートの繰り出し性が悪化する傾向にある。さらに、低分子量がシート表面にブリードしてくるため接着の阻害となり、接着性が低下する。
本発明において、重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)はウォーターズ社製GPC−150Cを用い、以下のようにして測定した。分離カラムは、TSKgel
GMH6−HT及びTSKgel GMH6−HTLであり、カラムサイズはそれぞれ内径7.5mm、長さ600 mmであり、カラム温度は140℃とし、移動相にはo−ジ
クロロベンゼン(和光純薬工業)および酸化防止剤としてBHT(武田薬品)0.025重量%を用い、1.0 ml /分で移動させ、試料濃度は0.1重量%とし、試料注入量は500μリットルとし、検出器として示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンは、分子量がMw≦1000およびMw≧4×106については東ソー社製を用い、1000≦M
w≦4×106についてはプレッシャーケミカル社製を用いた。分子量計算は、ユニバー
サル校正して、用いた各α−オレフィンに合わせエチレン・α−オレフィン共重合体に換算した値である。
要件d)
本発明の樹脂組成物のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)の、JIS K−6721に準拠して230℃、2.16kg荷重にて測定したメルトフローレ−ト(MFR)は、通常51〜400g/10分の範囲である。好ましくは、51〜200g/10分、さらに好ましくは、51〜170g/10分である。MFRが51g/10分未満であると、樹脂組成物の流動性が低下し、シート押出成形時の生産性が低下する。また、樹脂組成物のスコーチ性が高くなり、ゲル化を起こしやすくなり、押出機のトルクが上昇しシート成形が困難となる場合がある。シートが得られたとしても、押出機内で発生したゲル物によりシートの表面に凹凸が発生し、外観が悪くなる場合がある。また、電圧をかけるとシート内部のゲル物周辺にクラックが生じ、絶縁破壊抵抗が低下する。 さらに、ゲル物界面での透湿が起こりやすくなり、透湿性が低下する。また、シート表面に凹凸が発生するため、太陽電池モジュールのラミネート加工時にガラス、薄膜電極、バックシートとの密着性が悪化し、接着が不十分となるため接着性も低下する。MFRが400g/10分超過であると、分子量が低いためチルロール等のロール面への付着が起こり、剥離を要するため均一な厚みのシート成形が困難となり、さらに、樹脂組成物にコシがないため、0.3mm以上の厚いシートを成形するのが困難となる傾向にある。また、太陽電池モジュールのラミネート成形時の架橋特性、特に架橋速度が低下し、十分な架橋体が得られず、耐熱性が低下する傾向にある。
また、上記要件d)は、JIS K−6721に準拠して190℃、2.16kg荷重にて測定した場合のメルトフローレ−ト(MFR2)では、15〜100g/10分の範囲である。好ましくは、15〜70g/10分、さらに好ましくは、15〜50g/10分である。
さらに、本発明の樹脂組成物のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)の、JIS K−6721に準拠して190℃、10kg荷重にて測定したメルトフローレ−ト(MFR10)とMFR2の比であるMFR10/MFR2が、5.0〜8.0の範囲にある。好ましくは、MFR10/MFR2が5.5〜8.0、さらに好ましくは、MFR10/MFR2が5.5〜7.5である。MFR10/MFR2が5未満であると、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)の製造が困難である。MFR10/MFR2が8超過であると、樹脂組成物の流動性が低下し、シート押出成形時の生産性が低下する。また、低温特性も低下する傾向にある。
以上述べたエチレン・α−オレフィン共重合体(A)の製造方法は特に限定されず、チタン化合物、バナジウム化合物またはメタロセン化合物など種々の触媒を用いて製造することができる。中でも、上述の分子量分布Mw/Mnおよび組成分布を満たしたエチレン・α−オレフィン共重合体(A)を得ることが容易なメタロセン化合物を用いることが好ましい。メタロセン化合物は、例えば、特開2006−077261号広報、特開2008−231265号公報、特開2005−314680号公報等に記載のメタロセン化合物を用いることができ、本願請求項で定義したエチレン・α−オレフィン共重合体(A)の各特性を満たす限り、前記特許文献に記載のメタロセン化合物とは異なる構造のメタロセン化合物を使用しても良いし、それらから選別したメタロセン化合物を二種以上ブレンドし使用しても良い。さらに、メタロセン化合物を用いた際の好ましい態様は、例えば、
(I)従来公知のメタロセン化合物、並びに
(II)(II―1)有機アルミニウムオキシ化合物、
(II―2)前記メタロセン化合物(I)と反応してイオン対を形成する化合物、および
(II―3)有機アルミニウム化合物
とから選ばれる少なくとも1種以上の化合物(助触媒と呼ぶ場合がある)とからなるオレフィン重合用触媒の存在下に、エチレンおよびα―オレフィン等から選ばれる1種以上のモノマーを供給し得ることができる。
(II―1)有機アルミニウムオキシ化合物、(II―2)前記メタロセン化合物(I)と反応してイオン対を形成する化合物および(II―3)有機アルミニウム化合物においても、例えば、特開2006−077261号広報、特開2008−231265号公報、特開2005−314680号公報等に記載のメタロセン化合物を用いることができ、本願請求項で定義したエチレン系重合体を満たす限り、前記特許文献に記載のメタロセン化合物とは異なる構造のメタロセン化合物を使用しても良い。これら化合物は、個別に、あるいは予め接触させて重合雰囲気に投入しても良い。さらに、例えば特開2005−314680号公報等に記載の微粒子状無機酸化物担体に担持し用いても良い。
重合
本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)の重合は、従来公知の気相重合法あるいは、スラリー重合法、溶液重合法などの液相重合法のいずれでも行うことができる。好ましくは溶液重合法などの液相重合法により行われる。
上記のようなメタロセン化合物を用いて、エチレンと炭素数3〜20のα-オレフィンとの共重合を行い、本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)を製造する場合、(I)のメタロセン化合物は、反応容積1リットル当り、通常10−9〜10−1モル、好ましくは10−8〜10−2モルになるような量で用いられる。
化合物(II−1)は、化合物(II−1)と、化合物(I)中の全遷移金属原子(M)とのモル比[(II−1)/M]が通常1〜10000、好ましくは10〜5000となるような量で用いられる。化合物(II−2)は、化合物(I)中の全遷移金属(M)とのモル比[(II−2)/M]が、通常0.5〜50、好ましくは1〜20となるような量で用いられる。化合物(II−3)は、重合容積1リットル当り、通常0〜5ミリモル、好ましくは約0〜2ミリモルとなるような量で用いられる。
本発明に係る溶液重合では、上述のようなメタロセン化合物の存在下に、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合を行うことによって、コモノマー含量が高く、組成分布が狭く、分子量分布が狭いエチレン・α−オレフィン共重合体(A)を効率よく製造できる。ここで、エチレンと、炭素数3〜20のα−オレフィンとの仕込みモル比は通常、エチレン:α−オレフィン=10:90〜99.9:0.1、好ましくはエチレン:α−オレフィン=30:70〜99.9:0.1、さらに好ましくはエチレン:α−オレフィン=50:50〜99.9:0.1である。
炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、直鎖状または分岐状のα−オレフィン、例えばプロピレン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどを挙げることができる。本発明の溶液重合において使用できるα−オレフィンは極性基含有オレフィンも包含する。極性基含有オレフィンとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸などのα,β−不飽和カルボン酸類、およびこれらのナトリウム塩等の金属塩類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどのα,β-不飽和カルボン酸エステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルなどの不飽和グリシジル類などを挙げることができる。また、ビニルシクロヘキサン、ジエンまたはポリエン;芳香族ビニル化合物、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン、メトキシスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、ビニルベンジルアセテート、ヒドロキシスチレン、p−クロロスチレン、ジビニルベンゼンなどのスチレン類;および3- フェニルプロピレン、4-フェニルプロピレン、α-メチルスチレンなどを反応系に共存させて高温溶液重合を進めることも可能である。以上述べたα−オレフィンの中では、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンおよび1−オクテンが好ましく用いられる。また本発明に関わる溶液重合方法においては、炭素原子数が3〜20の環状オレフィン類、たとえばシクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネンなどを併用してもよい。
本発明に関わる「溶液重合」とは、後述の不活性炭化水素溶媒中にポリマーが溶解した状態で重合を行う方法の総称である。本発明に関わる溶液重合における、重合温度は通常0〜200℃、好ましくは20〜190℃、更に好ましくは40〜180℃である。
本発明に関わる溶液重合においては、重合温度が0℃に満たない場合、その重合活性は極端に低下するので生産性の点で実用的でなく、さらにエチレン・α−オレフィン共重合体(A)の分子末端の二重結合量が低下する。また、0℃以上の重合温度領域では温度が高くなるに従い、重合時の溶液粘度が低下し、重合熱の除熱も容易となり、さらに、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)の分子末端の二重結合量が増加する。しかし、重合温度が200℃を超えると、重合活性が極端に低下するので生産性の点で実用的でない。重合圧力は通常、常圧〜10MPaゲージ圧、好ましくは常圧〜8MPaゲージ圧の条件下であり、共重合は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。反応時間(共重合反応が連続法で実施される場合には平均滞留時間)は、触媒濃度、重合温度などの条件によっても異なり適宜選択することができるが、通常1分間〜3時間、好ましくは10分間〜2.5時間である。さらに重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可能である。得られるエチレン・α−オレフィン共重合体(A)の分子量は、本発明の範囲内において、重合系中の水素濃度や重合温度を変化させることによっても調節することができる。さらに、使用する化合物(II)の量により調節することもできる。
水素を添加する場合、その量は生成するエチレン・α−オレフィン共重合体(A)1kgあたり0.001〜5,000NL程度が適当である。また、得られるエチレン・α−オレフィン共重合体(A)の分子末端に存在するビニル基およびビニリデン基は、重合温度を高くすること、水素添加量を極力少なくすることで調整できる。また、得られるエチレン・α−オレフィン共重合体(A)のMFR10/MFR2は、後述の実施例のような配位重合の場合、エチレン系重合体中の長鎖分岐構造は、β−水素脱離反応により生成した末端ビニル基を有する分子鎖(マクロモノマー)が、再挿入することにより生成すると考えられている。このため、溶液中のマクロモノマー濃度とエチレン濃度との比([マクロモノマー]/[エチレン])を増減させることで、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)中のMFR10/MFR2は制御することができる。一般的に[マクロモノマー]/[エチレン]が高いとエチレン・α−オレフィン共重合体(A)中の長鎖分岐量は増加し、[マクロモノマー]/[エチレン]が低いとエチレン・α−オレフィン共重合体(A)中の長鎖分岐量は低下する。溶液中の[マクロモノマー]/[エチレン]を増減させる手法には具体的には以下のような方法が挙げられる。具体的には、
[1] 重合温度
重合温度が低いほどβ−水素脱離反応は起こりにくくなる。そのため、重合温度を低くすれば、[マクロモノマー]/[エチレン]が小さくなり、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)中のMFR10/MFR2は低下する。
[2]ポリマー濃度
溶液中のポリマー濃度を低くすれば、相対的にマクロモノマー濃度も低くなるため、[マクロモノマー]/[エチレン]が小さくなり、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)中のMFR10/MFR2は低下する。
[3]エチレン転化率
エチレン転化率を低くすれば、溶液中のエチレン濃度が高くなるため、[マクロモノマー]/[エチレン]が小さくなり、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)中のMFR10/MFR2は低下する。
[4]溶媒種
重合溶媒を高沸点の溶媒にすると、溶液中のエチレン濃度が高くなるため、[マクロモノマー]/[エチレン]が小さくなり、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)中のMFR10/MFR2は低下する。
他にも、β−水素脱離反応を制御する以外にAlへの連鎖移動反応等を制御することによって[マクロモノマー]/[エチレン])を増減させ、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)中のMFR10/MFR2を変化させることもできる。
本発明に関わる溶液重合において用いられる溶媒は通常、不活性炭化水素溶媒であり、好ましくは常圧下における沸点が50℃〜200℃の飽和炭化水素である。具体的には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素が挙げられる。なおベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類やエチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素も、本発明の高温溶液重合に関わる「不活性炭化水素溶媒」の範疇に入り、その使用を制限するものではない。前記したように、本発明に係る溶液重合においては、従来繁用されてきた芳香族炭化水素溶解タイプの有機アルミニウムオキシ化合物のみならず、脂肪族炭化水素や脂環族炭化水素に溶解するMMAOのような修飾メチルアルミノキサンを使用できる。この結果、溶液重合用の溶媒として脂肪族炭化水素や脂環族炭化水素を採用すれば、重合系内や生成するエチレン・α−オレフィン共重合体(A)中に芳香族炭化水素が混入する可能性をほぼ完全に排除することが可能となった。すなわち、本発明に関わる溶液重合方法は、環境負荷を軽減化でき人体健康への影響を最小化できるという特徴も有するのである。
物性値のばらつきを抑制するため、重合反応により得られたエチレン・α−オレフィン共重合体(A)および所望により添加される他の成分は、任意の方法で溶融され、混練、造粒などを施されるのが好ましい。
樹脂組成物
本発明の樹脂組成物は、前述の要件a)〜d)を同時に満たすエチレン・α−オレフィン共重合体(A)100重量部とエチレン性不飽和シラン化合物(B)0.1〜5重量部、有機過酸化物(C)0.1〜3重量部とからなることが、好ましい態様である。さたに好ましくは、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)100重量部に対し、エチレン性不飽和シラン化合物(B)が0.1〜4重量部、有機過酸化物(C)が0.2〜3重量部、最も好ましくはエチレン・α−オレフィン共重合体(A)100重量部に対し、エチレン性不飽和シラン化合物(B)が0.1〜3重量部、有機過酸化物(C)が0.2〜2.5重量部である。エチレン性不飽和シラン化合物(B)が0.1重量部未満であると、ガラスに対する接着性が低下する。エチレン性不飽和シラン化合物(B)が5重量部超過であると、樹脂組成物のコストと性能のバランスが悪く、また、エチレン性不飽和シラン化合物(B)を太陽電池モジュールのラミネート時にエチレン・α−オレフィン共重合体(A)にグラフト反応させるための有機過酸化物(C)の添加量が多くなるため、樹脂組成物から太陽電池封止材シートを押出機等で得る際にゲル化を起こし、押出機のトルクが上昇しシート成形が困難となる場合がある。シートが得られたとしても、押出機内で発生したゲル物によりシートの表面に凹凸が発生し、外観が悪くなる場合がある。また、電圧をかけるとシート内部のゲル物周辺にクラックが生じ、絶縁破壊抵抗が低下する。 さらに、ゲル物界面での透湿が起こりやすくなり、透湿性が低下する。また、シート表面に凹凸が発生するため、太陽電池モジュールのラミネート加工時にガラス、薄膜電極、バックシートとの密着性が悪化し、接着が不十分となるため接着性も低下する。さらに、エチレン性不飽和シラン化合物(B)自体が縮合反応を起こし、太陽電池封止シートに白い筋として存在し、製品外観が悪化する。有機過酸化物(C)が0.1重量部未満であると、太陽電池モジュールのラミネート成形時の架橋特性が不十分となり、耐熱性、ガラス接着性が低下する。有機過酸化物(C)が3重量部超過であると、樹脂組成物から太陽電池封止材シートを押出機等で得る際にゲル化を起こし、押出機のトルクが上昇しシート成形が困難となる場合がある。シートが得られたとしても、押出機内で発生したゲル物によりシートの表面に凹凸が発生し、外観が悪くなる場合がある。また、電圧をかけるとシート内部のゲル物周辺にクラックが生じ、絶縁破壊抵抗が低下する。 さらに、ゲル物界面での透湿が起こりやすくなり、透湿性が低下する。また、シート表面に凹凸が発生するため、太陽電池モジュールのラミネート加工時にガラス、薄膜電極、バックシートとの密着性が悪化し、接着が不十分となるため接着性も低下する。。
本発明で用いられるエチレン性不飽和シラン化合物(B)は、従来公知のものが使用でき、特に制限はないが具体的には、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(β-メトキシーエトキシシラン)、γ-グリシドキシプロピルートリピルトリーメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γーメタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが使用できる。好ましくは、接着性が良好なγ-グリシドキシプロピルートリピルトリーメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γーメタクリロキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
有機過酸化物(C)
本発明に用いられる有機過酸化物(C)は、エチレン性不飽和シラン化合物(B)とエチレン・α−オレフィン共重合体(A)とのグラフト変性の際のラジカル開始剤として、さらに、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)の太陽電池モジュールのラミネート成形時の架橋反応の際のラジカル開始剤として用いられる。エチレン・α−オレフィン共重合体(A)に、エチレン性不飽和シラン化合物(B)をグラフト変性することにより、ガラス、バックシート、電極との接着性が良好な樹脂組成物および太陽電池封止材が得られる。さらに、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)を架橋することにより、耐熱性、接着性に優れた樹脂組成物および太陽電池封止材を得ることができる。本発明で好ましく用いられる有機過酸化物(C)は、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)にエチレン性不飽和シラン化合物(B)をグラフト変性、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)を架橋することが可能なものであれば良いが、例えば押出シート成形での生産性と太陽電池モジュールのラミネート成形時の架橋速度のバランスから、有機過酸化物(C)の1分間半減期温度が100〜180℃の範囲にある有機過酸化物(C)が好ましい。さらに好ましくは、1分間半減期温度が100〜170℃である。有機過酸化物(C)の1分間半減期温度が100℃未満であると、押出シート成形時に樹脂組成物から得られる太陽電池封止シートにゲルが発生し、押出機のトルクが上昇しシート成形が困難となる場合がある。シートが得られたとしても、押出機内で発生したゲル物によりシートの表面に凹凸が発生し、外観が悪くなる場合がある。また、電圧をかけるとシート内部のゲル物周辺にクラックが生じ、絶縁破壊抵抗が低下する。 さらに、ゲル物界面での透湿が起こりやすくなり、透湿性が低下する。また、シート表面に凹凸が発生するため、太陽電池モジュールのラミネート加工時にガラス、薄膜電極、バックシートとの密着性が悪化し、接着が不十分となるため接着性も低下する。押出シート成形の押出温度を90℃以下に下げると成形は可能であるが、生産性が大幅に低下する。有機過酸化物(C)の1分間半減期温度が180℃超過であると、太陽電池モジュールのラミネート成形時の架橋速度が遅く、太陽電池モジュールの生産性が大幅に低下する。また、太陽電池封止材の耐熱性、接着性が低下する。有機過酸化物(C)の量はエチレン・α−オレフィン共重合体(A)100重量部に対して0.1〜3重量部、好ましくは0.2〜3重量部、さらに好ましくは0.2〜2.5重量部である。有機過酸化物(C)が0.1重量部未満であると、太陽電池モジュールのラミネート成形時の架橋特性が不十分となり、耐熱性、ガラス接着性が低下する。有機過酸化物(C)が3重量部超過であると、樹脂組成物から太陽電池封止材シートを押出機等で得る際にゲル化を起こし、押出機のトルクが上昇しシート成形が困難となる場合がある。シートが得られたとしても、押出機内で発生したゲル物によりシートの表面に凹凸が発生し、外観が悪くなる場合がある。また、電圧をかけるとシート内部のゲル物周辺にクラックが生じ、絶縁破壊抵抗が低下する。 さらに、ゲル物界面での透湿が起こりやすくなり、透湿性が低下する。また、シート表面に凹凸が発生するため、太陽電池モジュールのラミネート加工時にガラス、薄膜電極、バックシートとの密着性が悪化し、接着が不十分となるため接着性も低下する。
有機過酸化物としては公知のものが使用できるが、前述の有機過酸化物(C)の1分間半減期温度が100〜180℃の範囲にある好ましい具体例としては、ジラウロイルパーオキサイド、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジベンゾイルパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーフタレート、t−ブチルヒドロパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t-アミルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオキシマレイン酸、1,1-ジ(t-アミルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ジ(t-アミルパーオキシ)シクロヘキサン、t-アミルパーオキシイソノナノエート、t-アミルパーオキシノルマルオクトエート、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルカーボネート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t-アミル-パーオキシベンゾエート、t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシイソノナノエート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、2,2-ジ(ブチルパ-オキシ)ブタン、n-ブチル-4,4-ジ(t-ブチルパ-オキシ)プチレート、メチルエチルケトンパ-オキサイド、エチル3,3-ジ(t-ブチルパ-オキシ)ブチレート、ジクミルパ-オキサイド、t-ブチルクミルパ-オキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、アセチルアセトンパ-オキサイド等が挙げられる。好ましくは、ジラウロイルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシイソノナノエート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルカーボネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等が挙げられる。
紫外線吸収剤(D)、光安定化剤(E)、耐熱安定剤(F)
本発明の樹脂組成物には、紫外線吸収剤(D)、光安定化剤(E)、耐熱安定剤(F)から選ばれる少なくとも1種の添加剤を含有することが好ましい。上記添加剤の配合量は、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)100重量部に対して、0.005〜5重量部であることが好ましい。更に、上記3種から選ばれる少なくとも2種の添加剤を含有することが好ましく、特には上記3種全てが含有されていることが好ましい。上記添加剤の配合量が上記範囲にあると、高温高湿への耐性、ヒートサイクルの耐性、耐候安定性および耐熱安定性を向上する効果を十分に確保し、かつ、樹脂組成物の透明性やガラス、バックシート、薄膜電極、アルミニウムとの接着性の低下を防ぐことができるので好ましい。
紫外線吸収剤(D)としては、具体的には、2−ヒドロキシ−4−ノルマル-オクチルオキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4メトキシベンゾフェノン、2-2-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4-カルボキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-N-オクトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアリゾール系、フェニルサルチレート、p-オクチルフェニルサルチレート等のサリチル酸エステル系のものが用いられる。
光安定剤(E)としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]等のヒンダードアミン系、ヒンダードピペリジン系化合物などのものが好ましく使用される。
耐熱安定剤(F)としては、具体的には、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4´−ジイルビスホスフォナイト、および、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等のホスファイト系耐熱安定剤、3−ヒドロキシ−5,7−ジ−tert−ブチル−フラン−2−オンとo−キシレンとの反応生成物等のラクトン系耐熱安定剤、3,3‘,3“,5,5‘,5”−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a“−(メチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ベンジルベンゼン、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等のヒンダードフェノール系耐熱安定剤、硫黄系耐熱安定剤、アミン系耐熱安定剤などを挙げることができる。また、これらを1種または2種以上を用いることもできる。中でも、ホスファイト系耐熱安定剤およびヒンダードフェノール系耐熱安定剤が好ましい。
その他添加剤
本発明の樹脂組成物は、以上詳述した諸成分以外の各種成分を、本発明の目的を損なわない範囲において、適宜含有することができる。例えば、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)以外の各種ポリオレフィン、例えば密度が900kg/mより小であるエチレン・αオレフィン共重合体やスチレン系やエチレン系ブロック共重合体、プロピレン系重合体などが挙げられる。これらは、上記エチレン・α−オレフィン共重合体(A)100重量部に対して0.0001重量部〜50重量部、好ましくは0.001重量部〜40重量部含有されていても良い。またポリオレフィン以外の各種樹脂、および/または各種ゴム、可塑剤、充填剤、顔料、染料、帯電防止剤、抗菌剤、防黴剤、難燃剤、架橋助剤、及び分散剤等から選ばれる1種類または2種類以上の添加剤を適宜含有することができるが、これらに限定されるものではない。
特に、架橋助剤(G)においては、その配合量は、エチレン・α―オレフィン共重合体(A)100重量部に対して、0.01〜5重量部であると、適度な架橋構造を有することができ耐熱性、機械物性、接着性を向上できるため好ましい。
架橋助剤(G)としては、オレフィン系樹脂で一般に使用される従来公知のものが使用できる。このような架橋助剤(G)は、分子内に二重結合を2個以上有する化合物であり、具体的には、t−ブチルアクリレート、ラウリルアクリレート、セチルアクリレート、ステアリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、メトキシトリプロピレングリコールアクリレート等のモノアクリレート、t−ブチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、セチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、メトキシエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート等のモノメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート等のジアクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレートネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート等のジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等のトリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート等のトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート等のテトラアクリレート、ジビニルベンゼン、ジ−i−プロペニルベンゼン等のジビル芳香族化合物、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等のシアヌレート、ジアリルフタレート等のトリアリル化合物やジアリル化合物、p−キノンジオキシム、p−p’−ジベンゾイルキノンジオキシム等のオキシム、フェニルマレイミド等のマレイミドが挙げられる。これらの架橋助剤(G)の中でより好ましいのはジアクリレート、ジメタクリレート、ジビニル芳香族化合物である。
本発明の樹脂組成物は、キュラストメーターにて150℃、反転速度100cpmの条件で測定した15分時の最大トルク値が2.5〜15.0dNmであり、好ましくは、15分時の最大トルク値が3.5〜12.0dNm、15分時の最大トルク値が4.0〜12.0dNmである。15分時の最大トルク値が2.5dNm未満であると、太陽電池モジュールのラミネート成形時の架橋特性が不十分となり、耐熱性、ガラス接着性が低下する。15分時の最大トルク値が15.0dNm超過であると、樹脂組成物から太陽電池封止材シートを押出機等で得る際にゲル化を起こし、押出機のトルクが上昇しシート成形が困難となる場合がある。シートが得られたとしても、押出機内で発生したゲル物によりシートの表面に凹凸が発生し、外観が悪くなる場合がある。また、電圧をかけるとシート内部のゲル物周辺にクラックが生じ、絶縁破壊抵抗が低下する。 さらに、ゲル物界面での透湿が起こりやすくなり、透湿性が低下する。また、シート表面に凹凸が発生するため、太陽電池モジュールのラミネート加工時にガラス、薄膜電極、バックシートとの密着性が悪化し、接着が不十分となるため接着性も低下する。
さらに、本発明の樹脂組成物は、キュラストメーターにて150℃、反転速度100cpmで測定した最大トルク値の90%に到達する時間(Tc90)が8〜14分であり、好ましくは8〜13分、さらに好ましくは9〜12分である。Tc90が8分未満の場合、樹脂組成物から太陽電池封止材シートを押出機等で得る際にゲル化を起こし、得られるシート等の表面に凹凸が発生し、押出機のトルクが上昇しシート成形が困難となる場合がある。シートが得られたとしても、押出機内で発生したゲル物によりシートの表面に凹凸が発生し、外観が悪くなる場合がある。また、電圧をかけるとシート内部のゲル物周辺にクラックが生じ、絶縁破壊抵抗が低下する。 さらに、ゲル物界面での透湿が起こりやすくなり、透湿性が低下する。また、シート表面に凹凸が発生するため、太陽電池モジュールのラミネート加工時にガラス、薄膜電極、バックシートとの密着性が悪化し、接着が不十分となるため接着性も低下する。Tc90が14分超過の場合、太陽電池モジュールのラミネート加工時の架橋に要する時間が長くなり、太陽電池モジュールの製造時間が長くなる傾向にある。
本発明の樹脂組成物は、マイクロレオロジーコンパウンダーにて120℃、30rpmの条件で混練を行い最低トルク値から0.1Nm上がった時間が10〜100分であり、好ましくは最低トルク値から0.1Nm上がった時間が10〜90分、さらに好ましくは最低トルク値から0.1Nm上がった時間が10〜80分である。最低トルク値から0.1Nm上がった時間が10分未満であると、樹脂組成物から太陽電池封止材シートを押出機等で得る際にゲル化を起こし、押出機のトルクが上昇しシート成形が困難となる場合がある。シートが得られたとしても、押出機内で発生したゲル物によりシートの表面に凹凸が発生し、外観が悪くなる場合がある。また、電圧をかけるとシート内部のゲル物周辺にクラックが生じ、絶縁破壊抵抗が低下する。 さらに、ゲル物界面での透湿が起こりやすくなり、透湿性が低下する。また、シート表面に凹凸が発生するため、太陽電池モジュールのラミネート加工時にガラス、薄膜電極、バックシートとの密着性が悪化し、接着が不十分となるため接着性も低下する。最低トルク値から0.1Nm上がった時間が100分超過であると、太陽電池モジュールのラミネート成形時の架橋特性が不十分となり、耐熱性、ガラス接着性が低下する。
太陽電池封止材
本発明の樹脂組成物は、ガラス、バックシート、薄膜電極、アルミニウムとの接着性、耐熱性、成形性および架橋特性のバランスに優れ、さらに、耐候性、体積固有抵抗、電気絶縁性、透湿性、電極腐食性、プロセス安定性に優れており、従来公知の太陽電池モジュールの太陽電池封止材として好適に用いられる。
本発明の太陽電池封止材の製造方法としては通常用いられている方法が利用できるが、ニーダー、ロール、バンバリミキサー、押出機等により溶融ブレンドすることにより製造することが好ましい。
太陽電池用封止シート
本発明の樹脂組成物がシート状である太陽電池封止材も、本発明の好ましい実施形態の1つである。また、本発明の樹脂組成物からなるシートを、少なくとも1層有する複合化された太陽電池封止材も好適に用いることができる。
上記の本発明の太陽電池封止材の層の厚みは、通常0.01mm〜2mm、好ましくは、0.05〜1.5mm、さらに好ましくは0.1〜1.2mm、さらに好ましくは0.2〜1mm、さらに好ましくは、0.3〜0.9mm、最も好ましくは0.3〜0.8mmである。厚みがこの範囲内であると、ラミネート工程における、ガラス、太陽電池セル、薄膜電極等の破損が抑制でき、かつ、十分な光線透過率を確保することにより高い光発電量を得ることができ、かつ、低温での太陽電池モジュールのラミネート成形ができるので好ましい。
本発明の太陽電池封止材のシートの成形方法には特に制限は無いが、公知の各種の成形方法(キャスト成形、押出シート成形、インフレーション成形、射出成形、圧縮成形、カレンダー成形等)を採用することが可能である。例えば、押出機中でエチレン・α−オレフィン共重合体(A)とエチレン性不飽和シラン化合物(B)と有機過酸化物(C)、紫外線吸収剤(D)、光安定剤(E)、耐熱安定剤(F)、必要に応じてその他添加剤との溶融混練を行いつつ押出シート成形を行い、シート状で太陽電池封止材を得ることができる。押出温度範囲としては、押出温度が100〜150℃である。押出温度を100℃未満にすると、太陽電池封止シートの生産性が低下する。押出温度を150℃超過にすると、樹脂組成物から太陽電池封止材シートを押出機等で得る際にゲル化を起こし、押出機のトルクが上昇しシート成形が困難となる場合がある。シートが得られたとしても、押出機内で発生したゲル物によりシートの表面に凹凸が発生し、外観が悪くなる場合がある。また、電圧をかけるとシート内部のゲル物周辺にクラックが生じ、絶縁破壊抵抗が低下する。 さらに、ゲル物界面での透湿が起こりやすくなり、透湿性が低下する。また、シート表面に凹凸が発生するため、太陽電池モジュールのラミネート加工時にガラス、薄膜電極、バックシートとの密着性が悪化し、接着が不十分となるため接着性も低下する。
また、そのシート表面にはエンボス加工を施すことが可能であり、エンボス加工によりこの層の表面を装飾することで封止シート同士、または、封止シートと他のシート等とのブロッキングを防止し、さらに、エンボスが、ラミネート時の太陽電池素子等に対するクッションとなって、これらの破損を防止するので好ましい。
さらに、そのシートは、太陽電池モジュールサイズに合わせて裁断された枚葉形式、または太陽電池モジュールを作成する直前にサイズに合わせて裁断可能なロール形式にて太陽電池封止材として用いることができる。
本発明の太陽電池封止材からなるシートは、厚み0.5mm以下の試料で測定したときの内部ヘイズが1%〜60%、好ましくは1%〜40%の範囲にあることが望ましい。
本発明の好ましい実施形態である太陽電池用封止シートは、本発明の太陽電池封止材からなる層を少なくとも1層有していれば良い。従って、本発明の太陽電池封止材からなる層の層数は、1層であっても良いし、2層以上であっても良い。構造を単純にしてコストを下げる観点、および、層間での界面反射を極力小さくし光を有効に活用する観点等からは、1層であることが好ましい。
本発明の好ましい実施形態である太陽電池用封止シートは、本発明の太陽電池封止材からなる層のみで構成されていても良いし、本発明の太陽電池封止材を含有する層以外の層(以下、「その他の層」とも言う)を有していても良い。
その他の層の例としては、目的で分類するならば、表面または裏面保護のためのハードコート層、接着層、反射防止層、ガスバリア層、防汚層等を設けることができる。材質で分類するならば、紫外線硬化性樹脂からなる層、熱硬化性樹脂からなる層、ポリオレフィン樹脂からなる層、カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂からなる層、フッ素含有樹脂からなる層、環状オレフィン(共)重合体からなる層、無機化合物からなる層等を設けることができる。
本発明の太陽電池封止材からなる層と、その他の層との位置関係には特に制限はなく、発明の目的との関係で好ましい層構成が適宜選択される。すなわち、その他の層は、2以上の本発明の太陽電池封止材からなる層の間に設けられても良いし、太陽電池用封止シートの最外層に設けられても良いし、それ以外の箇所に設けられても良い。本発明の太陽電池封止材からなる層の片面にのみその他の層が設けられても良いし、両面にその他の層が設けられても良い。その他の層の層数に特に制限はなく、任意の数のその他の層を設けることができるし、その他の層を設けなくともよい。
構造を単純にしてコストを下げる観点、および、界面反射を極力小さくし光を有効に活用する観点等からは、その他の層を設けず、本発明の太陽電池封止材からなる層のみで、太陽電池用封止シートを作製すればよいし、目的との関係で必要又は有用なその他の層があれば、適宜そのようなその他の層を設ければよい。
他の層を設ける場合の本発明の太陽電池封止材からなる層と他の層との積層方法については特に制限はないが、キャスト成形機、押出シート成形機、インフレーション成形機、射出成形機等の公知の溶融押出機を用いて共押出して積層体を得る方法、あるいはあらかじめ成形された一方の層上に他方の層を溶融あるいは加熱ラミネートして積層体を得る方法が好ましい。また、適当な接着剤(たとえば、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂(たとえば、三井化学社製のアドマー、三菱化学社製のモディックなど)、不飽和ポリオレフィンなどの低(非)結晶性軟質重合体、エチレン/アクリル酸エステル/無水マレイン酸3元共重合体(たとえば、住化シーディエフ化学製のボンダインなど)をはじめとするアクリル系接着剤、エチレン/酢酸ビニル系共重合体またはこれらを含む接着性樹脂組成物など)を用いたドライラミネート法あるいはヒートラミネート法などにより積層してもよい。接着剤としては、120°C〜150°C程度の耐熱性があるものが好ましく使用され、ポリエステル系あるいはポリウレタン系接着剤などが好適なものとして例示される。また、両層の接着性を改良するために、たとえば、シラン系カップリング処理、チタン系カップリング処理、コロナ処理、プラズマ処理等を用いても良い。
本発明の太陽電池用封止シートは、厚み0.5mm以下の試料で測定したときの内部ヘイズが1%〜60%、好ましくは5%〜50%の範囲にあることが望ましい。
太陽電池モジュール
本発明の太陽電池封止材および、本発明の好ましい実施形態である太陽電池封止用シートは、上述のような優れた特性を有する。従って、かかる太陽電池封止材や太陽電池封止用シートを用いて得られた太陽電池モジュールは、本発明の効果を活用することが可能であり、本発明の好ましい実施形態の1つである。
太陽電池モジュールは、例えば、通常、多結晶シリコン等により形成された太陽電池素子を太陽電池用封止シートで挟み積層し、さらに表裏両面を保護シートでカバーした結晶系太陽電池モジュールが挙げられる。すなわち典型的な太陽電池モジュールは、太陽電池モジュール用保護シート(表面保護シート)/太陽電池用封止シート/太陽電池素子/太陽電池用封止シート/太陽電池モジュール用保護シート(裏面保護シート)という構成になっている。もっとも、本発明の好ましい実施形態の1つである太陽電池モジュールは、上記の構成には限定されず、本発明の目的を損なわない範囲で、上記の各層の一部を適宜省略し、又は、上記以外の層を適宜設けることができる。典型的には、接着層、衝撃吸収層、コーティング層、反射防止層、裏面再反射層、光拡散層等を設けることができるがこれらに限定されない。これらの層を設ける位置には特に限定はなく、そのような層を設ける目的、および、そのような層の特性を考慮のうえ、適切な位置に設けることができる。
さらに、例えば、シランガスから化学気相成長(CVD)させてできるアモルファスシリコンをガラスやフィルムの基板上に数μmの薄いシリコン膜を形成し、必要に応じてさらに銀等の電極をスパッタした太陽電池素子を太陽電池用封止シート、太陽電池モジュール用保護シート(裏面保護シート)の順でカバーした薄膜系(アモルファス系)太陽電池モジュールも本発明の好ましい実施形態の1つである。
また、その他太陽電池モジュールとして、太陽電池セルにシリコンを用いた太陽電池モジュールとして、結晶シリコンとアモルファスシリコンを積層したハイブリッド型(HIT型)太陽電池モジュール、吸収波長域の異なるシリコン層を積層した多接合型(タンデム型)太陽電池モジュール、無数の球状シリコン粒子(直径1mm程度)と集光能力を上げる直径2〜3mmの凹面鏡(電極を兼ねる)を組み合わせた球状シリコン型太陽電池モジュール、従来のpin接合構造を持つアモルファスシリコン型のp型窓層の役割を絶縁された透明電極から電界効果によって誘起される反転層に置き換えた構造を持つ電界効果型太陽電池モジュール等が挙げられる。また、単結晶のGaAsを太陽電池セルに用いたGaAs系太陽電池モジュール、光吸収層の材料として、シリコンの代わりに、Cu、In、Ga、Al、Se、Sなどから成るカルコパイライト系と呼ばれるI−III−VI族化合物を太陽電池セルとして用いたCISまたはCIGS系(カルコパイライト系)太陽電池モジュール、Cd化合物薄膜を太陽電池セルとして用いたCdTe−CdS系太陽電池、Cu2ZnSnS4(CZTS)太陽電池モジュール等が挙げられる。本発明の太陽電池封止材は、これら全ての太陽電池モジュールの太陽電池封止材として用いることができる。特に、本発明の太陽電池は、吸湿性に優れるため、水分浸透に弱い薄膜系太陽電池モジュールの太陽電池封止材として好適に用いることができる。
太陽電池モジュール用表面保護シート
本発明の好ましい実施形態である太陽電池モジュールにおいて好ましく用いられる太陽電池モジュール用表面保護シートには特に制限はないが、太陽電池モジュールの最表層に位置するため、耐候性、撥水性、耐汚染性、機械強度をはじめとして、太陽電池モジュールの屋外暴露における長期信頼性を確保するための性能を具備することが好ましい。また、太陽光を有効に活用するために、光学ロスの小さい、透明性の高いシートであることが好ましい。
上記太陽電池モジュールに好適に用いられる太陽電池モジュール用表面保護シートの材料としては、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、環状オレフィン(共)重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等からなる樹脂フイルムの他、ガラス基板などが挙げられる。
樹脂フィルムとして特に好適なのは、透明性、強度、コスト等の点で優れたポリエステル樹脂、とりわけポリエチレンテレフタレート樹脂である。
また、特に耐侯性の良いフッ素樹脂も好適に用いられる。具体的には、四フッ化エチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニル樹脂(PVF)、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、ポリ四フッ化エチレン樹脂(TFE)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、ポリ三フッ化塩化エチレン樹脂(CTFE)がある。耐候性の観点ではポリフッ化ビニリデン樹脂が優れているが、耐候性および機械的強度の両立では四フッ化エチレン−エチレン共重合体が優れている。また、封止材層等の他の層を構成する材料との接着性の改良のために、コロナ処理、プラズマ処理を表面保護シートに行うことが望ましい。また、機械的強度向上のために延伸処理が施してあるシート、例えば2軸延伸のポリプロピレンシートを用いることも可能である。
太陽電池モジュール用表面保護シートとしてガラスを用いる場合には、波長350乃至1400nmの光の全光線透過率が80%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上である。かかるガラス基板としては赤外部の吸収の少ない白板ガラスを使用するのが一般的であるが、青板ガラスであっても厚さが3mm以下であれば太陽電池モジュールの出力特性への影響は少ない。また、ガラス基板の機械的強度を高めるために熱処理により強化ガラスを得ることができるが、熱処理無しのフロート板ガラスを用いてもよい。また、ガラス基板の受光面側に反射を抑えるために反射防止のコーティングをしても良い。
太陽電池モジュール用裏面保護シート
本発明の好ましい実施形態である太陽電池モジュールにおいて用いられる太陽電池モジュール用裏面保護シートには特に制限はないが、太陽電池モジュールの最表層に位置するため、上述の表面保護シートと同様に、耐候性、機械強度等の諸特性を求められる。従って、表面保護シートと同様の材質で太陽電池モジュール用裏面保護シートを構成しても良い。すなわち、表面保護シートにおいて用いることができる上述の各種材料を、裏面保護シートにおいても、用いることができる。特に、ポリエステル樹脂、およびガラスを好ましく用いることができる。
また、裏面保護シートは、太陽光の通過を前提としないため、表面保護シートで求められていた透明性は必ずしも要求されない。そこで、太陽電池モジュールの機械的強度を増すために、あるいは、温度変化による歪、反りを防止するために、補強板を張り付けても良い。例えば、鋼板、プラスチック板、FRP(ガラス繊維強化プラスチック)板等を好ましく使用することができる。
太陽電池素子
本発明の好ましい実施形態である太陽電池モジュールにおける太陽電池素子は、半導体の光起電力効果を利用して発電できるものであれば特に制限はなく、たとえば、シリコン(単結晶系、多結晶系、非結晶(アモルファス)系)太陽電池、化合物半導体(3−5族、2−6族、その他)太陽電池、湿式太陽電池、有機半導体太陽電池などを用いることができる。この中では発電性能とコストとのバランスなどの観点から、多結晶シリコン太陽電池が好ましい。
シリコン、化合物半導体とも、太陽電池素子として優れた特性を有しているが、外部からの応力、衝撃等により破損しやすいことで知られている。本発明の太陽電池封止材は、柔軟性に優れているので、太陽電池素子への応力、衝撃等を吸収して、太陽電池素子の破損を防ぐ効果が大きい。従って、本発明の好ましい実施形態である太陽電池モジュールにおいては、本発明の太陽電池封止材からなる層が、直接太陽電池素子と接合されていることが望ましい。
また、太陽電池封止材が熱可塑性を有していると、一旦太陽電池モジュールを作製した後であっても、比較的容易に太陽電池素子を取り出すことが可能であり、リサイクル性に優れている。本発明の太陽電池封止材の必須成分は熱可塑性を有しているので、太陽電池封止材全体としても熱可塑性を付与することが容易であり、リサイクル性の観点からも好ましい。
太陽電池モジュールの製造
太陽電池モジュールの製造に当たっては、本発明の太陽電池封止材シートを予め作っておき、封止材料が溶融する温度で圧着するという従来同様のラミネート方法によって、ラミネート温度が120〜170℃の範囲で、すでに述べたような構成のモジュールを形成することができる。この場合、太陽電池封止材シートは特定の有機過酸化物(C)を含有することで優れた架橋特性を有しており、モジュールの形成において2段階の接着工程を経る必要はなく、高温度で短時間に完結することができ、モジュールの生産性を格段に改良することができる。
本発明の樹脂組成物からなる太陽電池封止材は、上記ラミネート条件でラミネート加工されることで、ゲル分率の算出として、例えば、太陽電池モジュールより封止材シートサンプル1gを採取し、沸騰キシレンでのソックスレー抽出を10時間行い、30メッシュでのステンレスメッシュでろ過後、メッシュを110℃にて8時間減圧乾燥を行い、メッシュ上の残存量より算出した場合、ゲル分率が70〜95%、好ましくは、70〜90%の範囲にある。ゲル分率が70%未満であると、太陽電池封止材の耐熱性が不十分であり、85℃×85%Rhでの恒温恒湿試験、ブラックパネル温度83℃での高強度キセノン照射試験、−40℃〜90℃でのヒートサイクル試験、耐熱試験での接着性が低下する傾向にある。ゲル分率が95%超過であると、太陽電池封止材の柔軟性が低下し、−40℃〜90℃でのヒートサイクル試験での温度追従性が低下するため、剥離等が発生する場合がある。
発電設備
本発明の好ましい実施形態である太陽電池モジュールは、生産性、発電効率、寿命等に優れている。このため、この様な太陽電池モジュールを用いた発電設備は、コスト、発電効率、寿命等に優れ、実用上高い価値を有する。
上記の発電設備は、家屋の屋根に設置する、キャンプなどアウトドア向けの移動電源として利用する、自動車バッテリーの補助電源として利用する等の、屋外、屋内を問わず長期間の使用に好適である。
以下、本発明を、実施例を用いて、より具体的に説明する。但し、本発明の範囲は、いかなる意味においても実施例により制限されない。
(測定方法)
以下の実施例、比較例中においては、以下の方法で、諸特性の測定を行った。
・ α―オレフィンから導かれる構成単位
日本電子製JNM GX-400型NMR測定装置を用いた。試料0.35gをヘキサクロロブタジエン 2.0mlに加熱溶解させる。この溶液をグラスフィルター(G2)濾過した後、重水素化ベンゼン 0.5mlを加え内径10mmのNMRチューブに装入して、120℃で13C−NMR測定を行う。積算回数は8000回以上とする。得られた13C−NMRスペクトルにより、共重合体中のエチレン含量、α−オレフィン含量を定量した。
・融解ピーク温度
パーキンエルマー社製DSC7を用い、試料5mg程度を専用アルミパンに詰め、0℃から200℃までを320℃/minで昇温し、200℃で5分間保持したのち、200℃から0℃までを10℃/minで降温し、0℃でさらに5分間保持したのち、次いで10℃/minで昇温する際の吸熱曲線より溶融ピークのピーク頂点を融解ピーク温度として求めた。なお、DSC測定時に、複数のピークが検出される場合は、最も高温側で検出されるピークを、融解ピーク温度(Tm)とした。
・分子量分布(Mw/Mn)
分子量分布(Mw/Mn)は、Waters社製ゲル浸透クロマトグラフAlliance GPC−2000型を用い、以下のようにして測定した。分離カラムは、TSKgel GNH6− HTを2本およびTSKgel GNH6− HTLを2本であり、カラムサイズはいずれも直径7.5mm、長さ300mmであり、カラム温度は140℃とし、移動相にはo−ジクロロベンゼン(和光純薬工業)および酸化防止剤としてBHT(武田薬品)0.025重量%を用い、1.0ml/分で移動させ、試料濃度は15mg/10mLとし、試料注入量は500μLとし、検出器として示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンは、分子量がMw<1000およびMw>4×106については東ソー社製を用い、1000≦Mw≦4×106についてはプレッシャーケミカル社製を用いた。
・MFR
JIS K−6721に準拠して230℃、2.16kg荷重にて測定した。
・最大トルク値、90%トルク時間(Tc90)
実施例、比較例の樹脂組成物の配合を行い、キュラストメーター((株)オリエンテック社製、CURELASTOMETER−V型)にて、150℃、反転速度100cpmで30分間測定した時の最大トルク値と最大トルク値の90%になる時間(Tc90)を測定した。
・最低トルク値から0.1Nm上がった時間(スコーチタイム)
実施例、比較例の樹脂組成物の配合を行い、マイクロレオロジーコンパウンダー(Thermo Haake社製、MiniLabo II HAAKE Rhenomex CTW5)にて120℃、30rpmの条件で混練を行い、最低トルク値から0.1Nm上がる時間を測定した。
・太陽電池封止シートの作成
実施例、比較例の樹脂組成物の配合を行い、サーモ・プラスチック(株)社製単軸押出機(スクリュー径20mmφ・L/D=28)にコートハンガー式T型ダイス(リップ形状;270×0.8mm)を装着して ダイス温度=100℃条件下、ロール温度30℃、巻き取り速度1.0m/minで成形を行い厚み=500μmのシートを得た。
・接着強度用サンプル作成
太陽電池用の上部透明保護材である透明ガラス板と500μm厚みの上記シートサンプルを挟んで真空ラミネーター内に仕込み、150℃に温調したホットプレート上に載せて2分間減圧、8分間加熱し、ガラス板/シートサンプルの積層体を作成し、接着強度用サンプルとした。
また、ポリエチレンテレフタレート樹脂製のバックシート、銀をスパッタリングしたガラス板(以下、模擬薄膜電極と略す。)、アルミニウムの各々と500μm厚みのシートサンプルを挟み、真空ラミネーター内に仕込み、150℃に温調したホットプレート上に載せて真空減圧2分、8分間加熱し、バックシート/シートサンプル、模擬薄膜電極スパッタガラス/シートサンプル、アルミニウム/シートサンプルの積層体を作成した。
・接着強度
前述の接着強度用サンプルのシートサンプル層を15mm幅に切り、ガラス、バックシート、模擬薄膜電極、アルミニウムとの剥離強度を180度ピールにて測定した。測定には例えば、インストロン社製引張試験機Instron1123を用いて、180度ピールにてスパン間30mm、引張速度30mm/分で23℃にて測定を行い、3回の測定の平均値を採用した。
・恒温恒湿試験
JIS C8917に準拠し、スガ試験機(株)社製XL75特殊仕様にて、試験槽内温度85℃、湿度85%の条件下で上記接着強度用サンプルのガラス板/シートサンプルの積層体の促進試験を2000時間行った。得られた促進試験サンプルの接着強度試験を実施した。接着強度維持率は、初期の接着強度に対する維持率を示す。
・高強度キセノン照射試験
JIS C8917に準拠し、スガ試験機(株)社製XL75特殊仕様にて、ブラックパネル温度(BPT)83℃、湿度50%の条件で上記接着強度用サンプルのガラス板/シートサンプルの積層体の促進試験を2000時間行った。得られた促進試験サンプルの接着強度試験を実施した。接着強度維持率は、初期の接着強度に対する維持率を示す。
・ヒートサイクル試験
JIS C8917に準拠し、スガ試験機(株)社製XL75特殊仕様にて、試験槽内温度を−40から90℃まで2時間以内で昇温、降温を繰り返し、−40℃および90℃到達後1時間保持し、昇温降温と温度保持の6時間のサイクルの条件下で、上記接着強度用サンプルのガラス板/シートサンプルの積層体の促進試験を200回(1200時間)行った。得られた促進試験サンプルの接着強度試験を実施した。接着強度維持率は、初期の接着強度に対する維持率を示す。
・ゲル分率
上記ガラス板/シートサンプルの積層体より封止材シートサンプル1gを採取し、沸騰キシレンでのソックスレー抽出を10時間行い、30メッシュでのステンレスメッシュでろ過後、メッシュを110℃にて8時間減圧乾燥を行い、メッシュ上の残存量より算出した。
・押出シートサンプルのゲル分率
上記押出条件にてシート押出成形した押出シートサンプル1gを採取し、沸騰キシレンでのソックスレー抽出を10時間行い、30メッシュでのステンレスメッシュでろ過後、メッシュを110℃にて8時間減圧乾燥を行い、メッシュ上の残存量より算出した。
[合成例1]
攪拌羽根を備えた実質内容積1Lの満液のステンレス製重合器(攪拌回転数=500rpm)を用いて、重合温度105℃で、連続的にエチレンと1−ブテンとの共重合を行った。重合器側部より液相へ毎時、ヘキサンを1.72L、エチレンを56g、1-ブテンを100gの速度で、また水素を1.2NL、[ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン]チタンジクロライドを0.0004mmol、トリフェニルカルベニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ボレートを0.004mmol、トリイソブチルアルミニウムを0.2mmolの速度で連続的に供給し、重合圧力3.8MPaGになるように保持し共重合反応を行った。なお、連続的に得られたエチレン/1−ブテン共重合体のヘキサン溶液をホールドドラムに貯め、そこに触媒失活剤として、毎時、メタノールを0.2mlで添加し重合を停止した。
得られたエチレン/1−ブテン共重合体のヘキサン溶液を、1時間毎に抜き出し2Lのメタノール中で重合溶液からポリマーを析出し、真空下130℃、10時間乾燥しエチレン/1−ブテン共重合体を得た。収量が毎時48.5gであった。
物性を表1に示す。
[合成例2]
合成例1のヘキサンを毎時1.77L、1−ブテンを毎時72g、水素を毎時1.3NL、[ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン]チタンジクロライドを毎時0.00035mmol、トリフェニルカルベニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ボレートを毎時0.0035mmolとした以外は、合成例1と同様にしてエチレン・1-ブテン共重合体を得た。収量が毎時48.8gであった。
物性を表1に示す。
[合成例3]
合成例1のヘキサンを毎時1.60L、1−ブテンを毎時170g、水素を毎時1.0NL、[ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン]チタンジクロライドを毎時0.0005mmol、トリフェニルカルベニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ボレートを毎時0.005mmolとした以外は、合成例1と同様にしてエチレン・1-ブテン共重合体を得た。収量が毎時48.2gであった。
物性を表1に示す。
[合成例4]
合成例1のヘキサンを毎時1.77L、1−ブテンを毎時69g、水素を毎時1.3NL、[ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン]チタンジクロライドを毎時0.00035mmol、トリフェニルカルベニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ボレートを毎時0.0035mmolとした以外は、合成例1と同様にしてエチレン・1-ブテン共重合体を得た。収量が毎時49.3gであった。
物性を表1に示す。
[合成例5]
合成例1のヘキサンを毎時1.55L、1−ブテンを毎時200g、水素を毎時1.0NL、[ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン]チタンジクロライドを毎時0.00055mmol、トリフェニルカルベニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ボレートを毎時0.0055mmolとした以外は、合成例1と同様にしてエチレン・1-ブテン共重合体を得た。収量が毎時49.1gであった。
物性を表1に示す。
[合成例6]
合成例1の水素を毎時1.4NLとした以外は、合成例1と同様にしてエチレン・1-ブテン共重合体を得た。収量が毎時57.8gであった。
物性を表2に示す。
[合成例7]
合成例1の水素を毎時1.7NLとした以外は、合成例1と同様にしてエチレン・1-ブテン共重合体を得た。収量が毎時49.1gであった。
物性を表2に示す。
[合成例8]
合成例1の水素を毎時1.0NLとした以外は、合成例1と同様にしてエチレン・1-ブテン共重合体を得た。収量が毎時47.6gであった。
物性を表2に示す。
[合成例9]
合成例1の水素を毎時1.8NLとした以外は、合成例1と同様にしてエチレン・1-ブテン共重合体を得た。収量が毎時49.3gであった。
物性を表2に示す。
[合成例10]
合成例1の重合温度を100℃、ヘキサンを毎時1.72L、1−ブテンを毎時100g、水素を毎時1.0NL、[ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン]チタンジクロライドを毎時0.0003mmol、トリフェニルカルベニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ボレートを毎時0.003mmolとした以外は、合成例1と同様にしてエチレン・1-ブテン共重合体を得た。収量が毎時40.2gであった。
物性を表3に示す。
[合成例11]
合成例1の重合温度を115℃、ヘキサンを毎時1.72L、1−ブテンを毎時120g、水素を毎時0.6NL、[ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン]チタンジクロライドを毎時0.001mmol、トリフェニルカルベニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ボレートを毎時0.01mmolとした以外は、合成例1と同様にしてエチレン・1-ブテン共重合体を得た。収量が毎時65.3gであった。
物性を表3に示す。
[合成例12]
合成例11の[ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン]チタンジクロライドを毎時0.0013mmol、トリフェニルカルベニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ボレートを毎時0.013mmolとし、メタノールへの析出を行わず、真空下130℃、10時間乾燥した以外は、合成例11と同様にしてエチレン・1-ブテン共重合体を得た。収量が毎時75.3gであった。
物性を表3に示す。
[実施例1]
合成例1のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)を粉砕し、合成例1のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)100重量部に対し、エチレン性不飽和シラン化合物(B)としてγーメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)社製、KBM503)を0.5重量部、有機過酸化物(C)として1分間半減期温度が166℃のt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルカーボネート(アルケマ吉富(株)社製、ルペロックTBEC)を1.0重量部、架橋助剤(G)としてトリアリルイソシアヌレート(日本化成(株)社製、TAIC)を1.2重量部、紫外線吸収剤(D)として2−ヒドロキシ−4−ノルマル-オクチルオキシベンゾフェノン(チバジャパン(株)社製、CHIMASSORB81)を0.4重量部、ラジカル捕捉剤(E)としてビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(チバジャパン(株)社製、THINUVIN770)を0.1重量部、耐熱安定剤(F)としてトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(チバジャパン(株)社製、IRGAFOS168)0.05重量部をブレンドし、前述の太陽電池封止材シート条件の通り押出シート成形を行い、シートを得た。得られた押出シートサンプルについて、押出シートのゲル分率を測定したところ、5%であった。次いで、得られたシートについて、各種積層体を調製し評価を行った。結果を表4に示す。なお、表4に記載のゲル分率は、ガラス板/シートサンプルの積層体より採取した封止材シートサンプルのゲル分率を示す。
[実施例2]
合成例1のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)を合成例2のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)に代えた以外は実施例1と同様の操作を行い、表面凹凸は見られないシートを得た。得られたシートについて、各種積層体を調製し評価を行った。結果を表4に示す。
[実施例3]
合成例1のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)を合成例3のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)に代えた以外は実施例1と同様の操作を行い、シートを得た。得られたシートについて、各種積層体を調製し評価を行った。結果を表4に示す。
[比較例1]
合成例1のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)を合成例4のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)に代えた以外は実施例1と同様の操作を行ったが、樹脂の溶融ムラや、所々にゲルが見られ、厚みは500μmの均一で且つ表面凹凸のないシートを得ることができず、接着性の評価には至らなかった。樹脂組成物の最大トルク値、Tc90、スコーチタイムの結果を表4に示す。
[比較例2]
合成例1のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)を合成例5のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)に代えた以外は実施例1と同様の操作を行ったが、第1冷却ロールへのベタツキがひどく、厚みが500μmの均一なシートを得ることができず、接着性の評価には至らなかった。樹脂組成物の最大トルク値、Tc90、スコーチタイムの結果を表4に示す。
[実施例4]
合成例1のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)を合成例6のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)に代えた以外は実施例1と同様の操作を行い、シートを得た。得られたシートについて、各種積層体を調製し評価を行った。結果を表5に示す。
[実施例5]
合成例1のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)を合成例7のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)に代えた以外は実施例1と同様の操作を行い、シートを得た。得られたシートについて、各種積層体を調製し評価を行った。結果を表5に示す。
[比較例3]
合成例1のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)を合成例8のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)に代えた以外は実施例1と同様の操作を行ったが、押出機のトルクが最大許容量をオーバーし、押出成形ができず、シートを得ることができず、接着性の評価には至らなかった。樹脂組成物の最大トルク値、Tc90、スコーチタイムの結果を表5に示す。
[比較例4]
合成例1のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)を合成例9のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)に代えた以外は実施例1と同様の操作を行ったが、第1冷却ロールへのベタツキがひどく、厚みが500μmの均一なシートを得ることができず、接着性の評価には至らなかった。樹脂組成物の最大トルク値、Tc90、スコーチタイムの結果を表5に示す。
[実施例6]
合成例1のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)を合成例10のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)に代えた以外は実施例1と同様の操作を行い、シートを得た。得られたシートについて、各種積層体を調製し評価を行った。結果を表6に示す。
[実施例7]
合成例1のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)を合成例11のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)に代えた以外は実施例1と同様の操作を行い、シートを得た。得られたシートについて、各種積層体を調製し評価を行った。結果を表6に示す。
[比較例5]
合成例1のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)を合成例12のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)に代えた以外は実施例1と同様の操作を行い、シートを得た。得られたシートについて、各種積層体を調製し評価を行った。結果を表6に示す。結果、接着強度や恒温恒湿試験、高強度キセノン試験、ヒートサイクル試験後の接着強度保持率も低かった。
[実施例8]
有機過酸化物(C)を1分間半減期温度が101℃のt−ヘキシルパーオキシネオデカノエート(日油(株)社製、パーヘキシルND)を用いた以外は実施例1同様の操作を行い、シートを得た。得られた押出シートサンプルについて、押出シートのゲル分率を測定したところ、29%であった。次いで、得られたシートについて、各種積層体を調製し評価を行った。結果を表7に示す。なお、表7に記載のゲル分率は、ガラス板/シートサンプルの積層体より採取した封止材シートサンプルのゲル分率を示す。
[実施例9]
有機過酸化物(C)を1分間半減期温度が178℃のジクミルパーオキサイド(アルケマ吉富(株)社製、ルペロックスDC)を用いた以外は実施例3同様の操作を行い、シートを得た。得られたシートについて、各種積層体を調製し評価を行った。結果を表7に示す。
[実施例10]
エチレン性不飽和シラン化合物(B)のγーメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、有機過酸化物(C)1のt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルカーボネートの配合量を、表8の通り変えた以外は実施例1同様の操作を行い、シートを得た。得られたシートについて、各種積層体を調製し評価を行った。結果を表8に示す。
[実施例11]
エチレン性不飽和シラン化合物(B)のγーメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、有機過酸化物(C)1のt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルカーボネートの配合量を、表8の通り変えた以外は実施例3同様の操作を行い、シートを得た。得られた押出シートサンプルについて、押出シートのゲル分率を測定したところ、27%であった。次いで、得られたシートについて、各種積層体を調製し評価を行った。結果を表8に示す。なお、表8に記載のゲル分率は、ガラス板/シートサンプルの積層体より採取した封止材シートサンプルのゲル分率を示す。
[実施例12]
エチレン性不飽和シラン化合物(B)のγーメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、有機過酸化物(C)1のt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルカーボネートの配合量を、表8の通り変えた以外は実施例1同様の操作を行い、シートを得た。得られたシートについて、各種積層体を調製し評価を行った。
[実施例13]
エチレン性不飽和シラン化合物(B)のγーメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、有機過酸化物(C)1のt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルカーボネートの配合量を、表8の通り変えた以外は実施例1同様の操作を行い、シートを得た。得られた押出シートサンプルについて、押出シートのゲル分率を測定したところ、29%であった。次いで、得られたシートについて、各種積層体を調製し評価を行った。結果を表8に示す。なお、表8に記載のゲル分率は、ガラス板/シートサンプルの積層体より採取した封止材シートサンプルのゲル分率を示す。
[比較例6]
エチレン性不飽和シラン化合物(B)のγーメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、有機過酸化物(C)1のt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルカーボネートの配合量を、表8の通り変えた以外は実施例1同様の操作を行い、シートを得た。得られたシートについて、各種積層体を調製し評価を行った。結果を表8に示す。結果、各被着体への接着強度が低く、促進試験は行わなかった。
[比較例7]
エチレン性不飽和シラン化合物(B)のγーメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、有機過酸化物(C)1のt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルカーボネートの配合量を、表8の通り変えた以外は実施例1同様の操作を行い、シートを得た。得られた押出シートサンプルについて、押出シートのゲル分率を測定したところ、33%であった。次いで、得られたシートについて、各種積層体を調製し評価を行った。結果を表8に示す。なお、表8に記載のゲル分率は、ガラス板/シートサンプルの積層体より採取した封止材シートサンプルのゲル分率を示す。結果、初期の各被着体への接着強度が低かった。
[比較例8]
エチレン性不飽和シラン化合物(B)のγーメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、有機過酸化物(C)1のt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルカーボネートの配合量を、表8の通り変えた以外は実施例1同様の操作を行い、シートを得た。得られたシートについて、各種積層体を調製し評価を行った。結果を表8に示す。結果、各被着体への接着強度が低く、促進試験は行わなかった。
[比較例9]
エチレン性不飽和シラン化合物(B)のγーメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、有機過酸化物(C)1のt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルカーボネートの配合量を、表8の通り変えた以外は実施例1同様の操作を行い、シートを得ようとしたが、押出機内でゲル化を発生し、厚みはほぼ500μmであるが表面凹凸があり厚みが均一なシートを得ることができなかった。得られたシートについて、各種積層体を調製し評価を行った。結果を表8に示す。結果、接着強度や恒温恒湿試験、高強度キセノン試験、ヒートサイクル試験後の接着強度保持率も低かった。
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本発明によれば、ガラス、バックシート、薄膜電極、アルミニウムとの接着性、耐熱性、成形性および架橋特性のバランス、高温高湿への耐性、耐候性、ヒートサイクルの耐性等に優れるエチレン系樹脂組成物を得ることができる。更にこれを用いることにより、ガラス、バックシート、薄膜電極、アルミニウムとの接着性、耐熱性、成形性および架橋特性のバランス等に優れる太陽電池封止材を得ることができる。
本発明は、さらに、この様な太陽電池封止材を用いた太陽電池封止用シート、および、それら封止材および/または封止用シートを用いることで、上記の優れた諸特性に加えて、コスト等経済性に優れた太陽電池モジュールを得ることもできる。
また、本発明の太陽電池封止材は、耐透湿性が高く、変換効率の低下が小さい薄膜太陽電池を得ることもできる。

Claims (12)

  1. エチレン・α−オレフィン共重合体(A)100重量部とエチレン性不飽和シラン化合物(B)0.1〜5重量部、有機過酸化物(C)0.1〜3重量部とからなり、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)が以下の要件a)〜d)を満たすことを特徴とする樹脂組成物。
    a)α−オレフィンから導かれる構成単位が8〜20mol%
    b)DSC(示差走査熱量分析)に基づく融解ピークが30〜90℃
    c)GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)に基づく分子量分布Mw/Mnが1.2〜3.5
    d)JIS K−6721に準拠して230℃、2.16kg荷重にて測定したメルトフローレ−ト(MFR)が51〜400g/10分
  2. さらに、前記エチレン・α−オレフィン共重合体(A)100重量部に対し、紫外線吸収剤(D)、ラジカル捕捉剤(E)及び耐熱安定剤(F)の(D)〜(F)からなる群から選ばれた少なくとも1種を0.005〜5重量部含むことを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  3. さらに、前記エチレン・α−オレフィン共重合体(A)100重量部に対し、架橋助剤(G)0.01〜5重量部を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記有機過酸化物(C)の1分間半減期温度が100〜180℃の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. キュラストメーターにて150℃、反転速度100cpmの条件で測定した15分時の最大トルク値が2.5〜15.0dNmであることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
  6. マイクロレオロジーコンパウンダーにて120℃、30rpmの条件で混練を行い最低トルク値から0.1Nm上がった時間が10〜100分であることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物からなる太陽電池封止材。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物からなるシート。
  9. 請求項8に記載のシートからなる太陽電池封止材。
  10. 請求項7又は9記載の太陽電池封止材を用いて得られる太陽電池モジュール。
  11. 太陽電池封止材からなる層を有し、当該層を架橋させてなることを特徴とする請求項10記載の太陽電池モジュール。
  12. 請求項10又は11記載の太陽電池モジュールが薄膜系であることを特徴とする薄膜系太陽電池モジュール。
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