JP2013229410A - 太陽電池封止材および太陽電池モジュール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エチレン・α−オレフィン共重合体と、有機過酸化物と、ビニル基、メタクリル基、アクリル基、の群から選ばれる少なくとも一種の基を有するシランカップリング剤と、さらにエポキシ基含有シランカップリング剤とを含む太陽電池封止材。シランカップリング剤の含有量は、前記エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して0.05〜2.0重量部であることが好ましい。
【選択図】なし
Description
次に、結晶型太陽電池モジュールを得るには、太陽電池モジュール用保護シート(表面側透明保護部材)/太陽電池封止材/結晶型太陽電池素子/太陽電池封止材/太陽電池モジュール用保護シート(裏面側保護部材)の順に積層する。
また、α−オレフィン共重合体とエチレン変性不飽和シラン化合物とをコモノマーとして共重合してなる共重合体と、アルコキシ基含有シランカップリング剤及び/又はアルコキシ基含有シリコーンオリゴマーとを含有する太陽電池封止材用樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献2)。この太陽電池封止材用樹脂組成物は、透明前面基板、裏面保護シート、金属膜との接着性に優れるとされている。
[1] エチレン・α−オレフィン共重合体と、有機過酸化物と、ビニル基、メタクリル基、アクリル基、の群から選ばれる少なくとも一種を有するシランカップリング剤(A)と、さらにエポキシ基含有シランカップリング剤(B)を含む太陽電池封止材。
[3] 前記ビニル基、メタクリル基、アクリル基の群から選ばれる少なくとも一種を有するシランカップリング剤(A)の含有量が、前記エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して0.1〜5重量部である、[1]〜[2]に記載の太陽電池封止材。
a1)エチレンに由来する構成単位の含有割合が80〜90mol%であり、炭素数3〜20のα−オレフィンに由来する構成単位の含有割合が10〜20mol%である。
a2)ASTM D1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件で測定されるMFRが10〜50g/10分である。
a3)ASTM D1505に準拠して測定される密度が0.865〜0.884g/cm3である。
a4)ASTM D2240に準拠して測定されるショアA硬度が60〜85である。
[6] 前記有機過酸化物の1分間半減期温度が100〜170℃であり、
前記有機過酸化物の含有量が、前記エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して0.1〜3重量部である、[1]〜[5]に記載の太陽電池封止材。
[7] ヒンダードフェノール系安定剤をさらに含み、
前記ヒンダードフェノール系安定剤の含有量が、前記エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して0.005〜0.1重量部である、[1]〜[6]に記載の太陽電池封止材。
[8] ヒンダードアミン系光安定剤をさらに含み、
前記ヒンダードアミン系光安定剤の含有量が、前記エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して0.01〜2.0重量部である、[1]〜[7]に記載の太陽電池封止材。
[9] リン系安定剤をさらに含み、
前記リン系安定剤の含有量が、前記エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して0.005〜0.5重量部である、[1]〜[8]に記載の太陽電池封止材。
[10] 紫外線吸収剤をさらに含み、
前記紫外線吸収剤の含有量が、前記エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して0.005〜5重量部である、[1]〜[9]に記載の太陽電池封止材。
[11] 架橋助剤をさらに含み、
前記架橋助剤の含有量が、前記エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して0.05〜5重量部である、[1]〜[10]に記載の太陽電池封止材。
[13] シート状である、[1]〜[12]に記載の太陽電池封止材。
裏面側保護部材と、
太陽電池素子と、
[1]〜[13]に記載の太陽電池封止材を架橋させて形成された、前記太陽電池素子を前記表面側透明保護部材と前記裏面側保護部材との間に封止する封止層と、
を備えた太陽電池モジュール。
本発明によれば、この様な太陽電池封止材を用いることで、上記の諸特性のバランスが優れることに加え、太陽電池モジュールの使用時に温度上昇しても、封止材が変形したりするようなトラブルを回避することが可能である。そして、太陽電池の外観を損なうこともなく、コストなどの経済性に優れた太陽電池モジュールを提供することができる。
(エチレン・α−オレフィン共重合体)
本実施形態の太陽電池封止材に用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体は、エチレンと、炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合することによって得られる。α−オレフィンとしては、通常、炭素数3〜20のα−オレフィンを1種類単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、直鎖状または分岐状のα−オレフィン、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどを挙げることができる。中でも好ましいのは、炭素数が10以下であるα−オレフィンであり、とくに好ましいのは炭素数が3〜8のα−オレフィンである。入手の容易さからプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンおよび1−オクテンが好ましい。なお、エチレン・α−オレフィン共重合体はランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよいが、柔軟性の観点からランダム共重合体が好ましい。
(要件a1)
エチレン・α−オレフィン共重合体に含まれる、エチレンに由来する構成単位の含有割合は、好ましくは80〜90mol%であり、より好ましくは80〜88mol%、さらに好ましくは82〜88mol%、とくに好ましくは82〜87mol%である。エチレン・α−オレフィン共重合体に含まれる、炭素数3〜20のα−オレフィンに由来する構成単位(以下、「α−オレフィン単位」とも記す)の含有割合は、好ましくは10〜20mol%であり、より好ましくは12〜20mol%、さらに好ましくは12〜18mol%、とくに好ましくは13〜18mol%である。
エチレン・α−オレフィン共重合体に含まれるα−オレフィン単位の含有割合が20mol%以下であると、エチレン・α−オレフィン共重合体の結晶化速度が適度になるため、押出機より押し出されたシートがベタつかず、冷却ロールでの剥離が容易であり、シート状の太陽電池封止材のシートを効率的に得ることができる。また、シートにベタツキが発生しないのでブロッキングを防止でき、シートの繰り出し性が良好にある。また、耐熱性の低下を防ぐこともできる。
ASTM D1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件で測定されるエチレン・α−オレフィン共重合体のメルトフローレ−ト(MFR)は、好ましくは10〜50g/10分であり、より好ましくは10〜40g/10分、さらに好ましくは10〜35g/10分、とくに好ましくは12〜27g/10分、最も好ましくは15〜25g/10分である。エチレン・α−オレフィン共重合体のMFRは、後述する重合反応の際の重合温度、重合圧力、並びに重合系内のエチレンおよびα−オレフィンのモノマー濃度と水素濃度のモル比率などを調整することにより、調整することができる。
なお、シート内部にゲル物があると、電圧をかけたときゲル物周辺にクラックが生じ、絶縁破壊電圧が低下するが、MFRを10g/10分以上にすることで、絶縁破壊電圧の低下を抑制することができる。また、シート内部にゲル物があるとゲル物界面において透湿し易くなるが、MFRを10g/10分以上にすることで、透湿性の低下を抑制することもできる。
ASTM D1505に準拠して測定されるエチレン・α−オレフィン共重合体の密度は好ましくは0.865〜0.884g/cm3であり、より好ましくは0.866〜0.883g/cm3、さらに好ましくは0.866〜0.880g/cm3、とくに好ましくは0.867〜0.880g/cm3である。エチレン・α−オレフィン共重合体の密度は、エチレン単位の含有割合とα−オレフィン単位の含有割合とのバランスにより調整することができる。すなわち、エチレン単位の含有割合を高くすると結晶性が高くなり、密度の高いエチレン・α−オレフィン共重合体を得ることができる。一方、エチレン単位の含有割合を低くすると結晶性が低くなり、密度の低いエチレン・α−オレフィン共重合体を得ることができる。
ASTM D2240に準拠して測定される、エチレン・α−オレフィン共重合体のショアA硬度は好ましくは60〜85であり、より好ましくは62〜83、さらに好ましくは62〜80、とくに好ましくは65〜80である。エチレン・α−オレフィン共重合体のショアA硬度は、エチレン・α−オレフィン共重合体のエチレン単位の含有割合や密度を上述の数値範囲に制御することにより、調整することができる。すなわち、エチレン単位の含有割合が高く、密度が高いエチレン・α−オレフィン共重合体は、ショアA硬度が高くなる。一方、エチレン単位の含有割合が低く、密度が低いエチレン・α−オレフィン共重合体は、ショアA硬度が低くなる。
一方、ショアA硬度が85以下であると、結晶性が低くなり、透明性を高くすることができる。さらに、柔軟性が高いため、太陽電池モジュールのラミネート成形時に太陽電池素子であるセルの割れや、薄膜電極のカケなどを防ぐことができる。
(融解ピーク)
エチレン・α−オレフィン共重合体の、示差走査熱量測定(DSC)に基づく融解ピークは30〜90℃の範囲に存在することが好ましく、33〜90℃の範囲に存在することがさらに好ましく、33〜88℃の範囲に存在することがとくに好ましい。融解ピークが90℃以下であると、結晶化度が低くなり、得られる太陽電池封止材の柔軟性が高まるため、太陽電池モジュールをラミネート成形する際に、セルの割れや薄膜電極のカケの発生を防止することができる。一方、融解ピークが30℃以上であると、樹脂組成物の柔軟性を適度に高くできるため、押出成形にて太陽電池封止材シートを容易に得ることができる。また、シートのベタつきによるブロッキングを防止して、シートの繰り出し性の悪化を抑制することができる。
本実施形態の太陽電池封止材は、JIS K6911に準拠し、温度100℃、印加電圧500Vで測定される体積固有抵抗が1.0×1013〜1.0×1018Ω・cmであることが好ましい。体積固有抵抗が大きい太陽電池封止材は、PID現象の発生を抑制するという特性を有する傾向にある。さらに、太陽光が照射される時間帯には、従来の太陽電池モジュールではモジュール温度が例えば70℃以上になることがあるので、長期信頼性の観点から、従来報告されている常温(23℃)での体積固有抵抗より高温条件下での体積固有抵抗が求められており、温度100℃での体積固有抵抗が重要となる。
なお、体積固有抵抗が、5.0×1014Ω・cm以上であると、85℃,85%rhでの恒温恒湿試験においてPID現象の発生がさらに長期化できる傾向にあり、望ましい。
体積固有抵抗は、封止材シートに成形した後、真空ラミネーター、熱プレス、架橋炉などで架橋および平坦なシートに加工された後に測定される。また、モジュール積層体中のシートは、他の層を除去して測定する。
エチレン・α−オレフィン共重合体に含まれる、アルミニウム元素(以下、「Al」とも記す)の含有量(残渣量)が好ましくは10〜500ppmであり、より好ましくは20〜400ppm、さらに好ましくは20〜300ppmである。Al含有量は、エチレン・α−オレフィン共重合体の重合過程において添加する有機アルミニウムオキシ化合物や有機アルミニウム化合物の濃度に依存する。
また、Al含有量が500ppm以下であると、押出機内での架橋反応の進行を防止できるため、太陽電池封止材のシートにゲル状の異物が発生し、シートの外観が悪化するのを防ぐことができる。
エチレン・α−オレフィン共重合体は、チーグラー化合物、バナジウム化合物、メタロセン化合物などを触媒として用いて製造することができる。中でも以下に示す種々のメタロセン化合物を触媒として用いて製造することが好ましい。メタロセン化合物としては、例えば、特開2006−077261号公報、特開2008−231265号公報、特開2005−314680号公報などに記載のメタロセン化合物を用いることができる。ただし、これらの特許文献に記載のメタロセン化合物とは異なる構造のメタロセン化合物を使用してもよいし、二種以上のメタロセン化合物を組み合わせて使用してもよい。
従来公知のメタロセン化合物と、(II)(II−1)有機アルミニウムオキシ化合物、(II−2)上記メタロセン化合物(I)と反応してイオン対を形成する化合物、および(II−3)有機アルミニウム化合物からなる群より選択される少なくとも一種の化合物(助触媒ともいう)と、からなるオレフィン重合用触媒の存在下に、エチレンとα−オレフィンなどから選ばれる一種以上のモノマーを供給する。
なお、好ましくは、前述の(II−2)上記メタロセン化合物(I)と反応してイオン対を形成する化合物を実質的に使用せずに製造することで、電気特性の優れるエチレン・α−オレフィン共重合体を得ることができる。
本実施形態の太陽電池封止材は、有機過酸化物を含んでいる。有機過酸化物は、シランカップリング剤と、エチレン・α−オレフィン共重合体とのグラフト変性の際のラジカル開始剤として、さらに、エチレン・α−オレフィン共重合体の太陽電池モジュールのラミネート成形時の架橋反応の際のラジカル開始剤として用いられる。エチレン・α−オレフィン共重合体に、シランカップリング剤をグラフト変性することにより、表面側透明保護部材、裏面側保護部材、セル、電極との接着性が良好な太陽電池モジュールが得られる。さらに、エチレン・α−オレフィン共重合体を架橋することにより、耐熱性、接着性に優れた太陽電池モジュールを得ることができる。
有機過酸化物の含有量が0.1重量部以上であると、太陽電池封止材の架橋度合いや架橋速度などの架橋特性の低下を抑制し、シランカップリング剤のエチレン系共重合体の主鎖へのグラフト反応を良好にして、耐熱性、接着性の低下を抑制することができる。
本実施形態の太陽電池封止材は、ビニル基、メタクリル基、アクリル基の群から選ばれる少なくとも一種を有するシランカップリング剤(A)、 およびエポキシ基含有シランカップリング剤(B)を含んでいる。
ビニル基、メタクリル基、アクリル基の群から選ばれる少なくとも一種を有するシランカップリング剤(A)は、有機過酸化物より発生するラジカルによりエチレン・α−オレフィン共重合体に前記シランカップリング剤(A)がグラフト変性され、表面保護部材(ガラスなど)、太陽電池素子、金属膜、金属電極、ハンダ、裏面保護部材への接着性を発現する。本実施形態の太陽電池封止材中のビニル基、メタクリル基、アクリル基の群から選ばれる少なくとも一種を有するシランカップリング剤(A)の含有量は、エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して、好ましくは0.1〜5重量部であり、より好ましくは0.1〜4重量部であり、とくに好ましくは0.1〜3重量部である。
シランカップリング剤(A)が5重量部以下であると、シランカップリング剤(A)自体の縮合反応による筋状の外観悪化を抑制できる点で好ましい 。
本実施形態の太陽電池封止材は、1 分子内にアルコキシシランとグリシジル(エポキシ)基を有するエポキシ基含有シランカップリング剤(B)をさらに含んでいる。エポキシ基含有シランカップリング剤(B)を含むことにより、金属配線およびハンダへの接着性に優れ、前記接着性の恒温恒湿下での長期信頼性にも優れる。従来、金属電極と太陽電池素子の接合部および金属電極同士の接合部のハンダの濡れ性を向上するため表面にロジン系フラックスあるいは水溶性フラックスが塗布されるが、地球環境保護の観点から水溶性フラックスが通常用いられている。この水溶性フラックス成分に含まれる脂肪酸が、高温高湿下で太陽電池封止材中 に浸透した水分により酸が発生し、太陽電池封止材中のシランカップリング剤(A)と金属電極との結合を切断し接着性が低下する。エポキシ 基含有シランカップリング剤(B)が発生した酸を中和し、酸によるシランカップリング剤(A)と金属の結合の切断を抑制するためと推定される。
エポキシ基含有シランカップリング剤(B)の含有量が0.05重量部以上であると、恒温恒湿試験中での脂肪酸からの酸の発生を抑制でき、金属電極への接着性および長期信頼性が向上する。エポキシ基含有シランカップリング剤(B)の含有量が1.0重量部以下であると、金属電極への接着性が保たれ好ましい。
本実施形態の太陽電池封止材は、ヒンダードアミン系光安定剤をさらに含むのが好ましい。ヒンダードアミン系光安定剤を含むことで、エチレン・α−オレフィン共重合体に有害なラジカル種を補足し、新たなラジカルの発生を抑制できる。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]などのヒンダードアミン系、ヒンダードピペリジン系化合物などを用いることができる。
本実施形態の太陽電池封止材は、ヒンダードフェノール系安定剤をさらに含むのが好ましい。ヒンダードフェノール系安定剤を含むことにより、酸素存在下でエチレン・α−オレフィン共重合体に有害なラジカル種を補足し、新たなラジカルの発生を抑制でき、酸化劣化を防止できる。
ヒンダードフェノール系安定剤としては、従来公知の化合物を用いることができ、例えば、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニルブタン、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、7−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネートメタン、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ)−ヒドロシンナアミド、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−ホスホネート−ジエチルエステル、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメイト)]メタン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロオン酸エステル、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4−8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどを挙げることができる。中でも、特にペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロオン酸エステルが好ましい。
また、恒温恒湿下では、塩基性を有するヒンダードアミン系光安定剤と併用するとヒンダードフェノール安定剤の水酸基が塩を形成し、キノン化および二量化した共役ビスキノンメチド化合物を形成し、太陽電池封止材の黄変を起こしやい傾向にあるが、ヒンダードフェノール系安定剤が0.1重量部以下であると、太陽電池封止材の黄変を抑制することができる。
本実施形態の太陽電池封止材は、リン系安定剤をさらに含むのが好ましい。リン系安定剤を含んでいると、押出成形時の有機過酸化物の分解を抑制でき、外観が良好なシートを得ることができる。ヒンダードアミン系光安定剤、ヒンダードフェノール系安定剤を含んでいると発生したラジカルを消滅し、外観が良好なシートを生産することもできるが、シート押出工程で安定剤を消費してしまい、耐熱性、耐候性などの長期信頼性が低下する傾向にある。
本実施形態の太陽電池封止材は、紫外線吸収剤をさらに含むのが好ましい。
本実施形態の太陽電池封止材中の紫外線吸収剤の含有量は、エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して、0.005〜5重量部であることが好ましい。紫外線吸収剤の含有量が上記範囲内にあると、耐候安定性、架橋特性のバランスが優れるので好ましい。
紫外線吸収剤としては、具体的には、2−ヒドロキシ−4−ノルマル−オクチルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4メトキシベンゾフェノン、2,2−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−N−オクトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系;2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアリゾール系;フェニルサルチレート、p−オクチルフェニルサルチレートなどのサリチル酸エステル系のものが用いられる。
本実施形態の太陽電池封止材を構成する樹脂組成物には、以上詳述した諸成分以外の各種成分を、本発明の目的を損なわない範囲において、適宜含有させることができる。例えば、エチレン・α−オレフィン共重合体以外の各種ポリオレフィン、スチレン系やエチレン系ブロック共重合体、プロピレン系重合体などが挙げられる。太陽電池封止材中の各種成分の含有量は、上記エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して、好ましくは0.0001〜50重量部であり、より好ましくは0.001〜40重量部である。また、ポリオレフィン以外の各種樹脂、および/または各種ゴム、可塑剤、充填剤、顔料、染料、帯電防止剤、抗菌剤、防黴剤、難燃剤、架橋助剤、ヒンダードフェノール系安定剤およびリン系安定剤以外のその他の耐熱安定剤、および分散剤などから選ばれる一種以上の添加剤を適宜含有することができる。
一方、この単位面積の太陽電池封止材の実際の体積V0(mm3)は、太陽電池封止材を構成する樹脂の比重ρ(g/mm3)と単位面積(1m2)当りの太陽電池封止材の実際の重さW(g)と、を下記式(13)に当てはめることにより算出される。
太陽電池封止材の単位面積当りの凹部の合計体積VH(mm3)は、下記式(14)に示されるように、「太陽電池封止材の見掛けの体積VA」から「実際の体積V0」を差し引くことによって算出される。
したがって、空隙率(%)は次のようにして求めることができる。
=(VA−(W/ρ))/VA×100
=1−W/(ρ・VA)×100
=1−W/(ρ・tmax・106)×100
空隙率P(%)は、上記の計算式によって求めることができるが、実際の太陽電池封止材の断面やエンボス加工が施された面を顕微鏡撮影し、画像処理などすることによって求めることもできる。
太陽電池モジュールは、例えば、通常、多結晶シリコンなどにより形成された太陽電池素子を太陽電池封止材シートで挟み積層し、さらに、表裏両面を保護シートでカバーした結晶型太陽電池モジュールが挙げられる。すなわち、典型的な太陽電池モジュールは、太陽電池モジュール用保護シート(表面側透明保護部材)/太陽電池封止材/太陽電池素子/太陽電池封止材/太陽電池モジュール用保護シート(裏面側保護部材)という構成になっている。ただし、本実施形態の好ましい実施形態の1つである太陽電池モジュールは、上記の構成には限定されず、本発明の目的を損なわない範囲で、上記の各層の一部を適宜省略し、または上記以外の層を適宜設けることができる。上記以外の層としては、例えば接着層、衝撃吸収層、コーティング層、反射防止層、裏面再反射層、および光拡散層などを挙げることができる。これらの層は、とくに限定はないが、各層を設ける目的や特性を考慮して、適切な位置に設けることができる。
図1は、本発明の太陽電池モジュールの一実施形態を模式的に示す断面図である。なお、図1においては、結晶シリコン系の太陽電池モジュール20の構成の一例が示されている。図1に示されるように、太陽電池モジュール20は、インターコネクタ29により電気的に接続された複数の結晶シリコン系の太陽電池素子22と、それを挟持する一対の表面側透明保護部材24と裏面側保護部材26とを有し、これらの保護部材と複数の太陽電池素子22との間に、封止層28が充填されている。封止層28は、本実施形態の太陽電池用封止材を貼り合わせた後、加熱圧着されて得られ、太陽電池素子22の受光面および裏面に形成された電極と接している。電極とは、太陽電池素子22の受光面および裏面にそれぞれ形成された集電部材であり、後述する集電線、タブ付用母線、および裏面電極層などを含む。
(薄膜シリコン系(アモルファスシリコン系)の太陽電池モジュール)
薄膜シリコン系の太陽電池モジュールは、(1)表面側透明保護部材(ガラス基板)/薄膜太陽電池素子/封止層/裏面側保護部材をこの順に積層したもの;(2)表面側透明保護部材/封止層/薄膜太陽電池素子/封止層/裏面側保護部材をこの順に積層したものなどでありうる。表面側透明保護部材、裏面側保護部材、および封止層は、前述の「結晶シリコン系の太陽電池モジュール」の場合と同様である。
上記封止材層は、光起電力素子の上に積層する充填剤層と異なり、必ずしも透明性を有することを必要としない。本実施形態の太陽電池封止材は、上記の特性を有しており、結晶型太陽電池モジュールの裏面側の太陽電池封止材、水分浸透に弱い薄膜型太陽電池モジュールの太陽電池封止材として好適に用いることができる。
太陽電池モジュールに用いられる太陽電池モジュール用表面側透明保護部材は、とくに制限はないが、太陽電池モジュールの最表層に位置するため、耐候性、撥水性、耐汚染性、機械強度をはじめとして、太陽電池モジュールの屋外暴露における長期信頼性を確保するための性能を有することが好ましい。また、太陽光を有効に活用するために、光学ロスの小さい、透明性の高いシートであることが好ましい。
太陽電池モジュールに用いられる太陽電池モジュール用裏面側保護部材は、とくに制限はないが、太陽電池モジュールの最表層に位置するため、上述の表面側透明保護部材と同様に、耐候性、機械強度などの諸特性を求められる。したがって、表面側透明保護部材と同様の材質で太陽電池モジュール用裏面側保護部材を構成してもよい。すなわち、表面側透明保護部材として用いられる上述の各種材料を、裏面側保護部材としても用いることができる。とくに、ポリエステル樹脂、およびガラスを好ましく用いることができる。また、裏面側保護部材は、太陽光の通過を前提としないため、表面側透明保護部材で求められる透明性は必ずしも要求されない。そこで、太陽電池モジュールの機械的強度を増すために、あるいは温度変化による歪み、反りを防止するために、補強板を張り付けてもよい。補強板は、例えば、鋼板、プラスチック板、FRP(ガラス繊維強化プラスチック)板などを好ましく使用することができる。
(太陽電池素子)
太陽電池モジュールに用いられる太陽電池素子は、半導体の光起電力効果を利用して発電できるものであれば、とくに制限はない。太陽電池素子は、例えば、シリコン(単結晶系、多結晶系、非結晶(アモルファス)系)太陽電池、化合物半導体(III−III族、II−VI族、その他)太陽電池、湿式太陽電池、有機半導体太陽電池などを用いることができる。これらの中では、発電性能とコストとのバランスなどの観点から、多結晶シリコン太陽電池が好ましい。
シリコン太陽電池素子、化合物半導体太陽電池素子とも、太陽電池素子として優れた特性を有しているが、外部からの応力、衝撃などにより破損し易いことで知られている。本実施形態の太陽電池封止材は、柔軟性に優れているので、太陽電池素子への応力、衝撃などを吸収して、太陽電池素子の破損を防ぐ効果が大きい。したがって、本実施形態の太陽電池モジュールにおいては、本実施形態の太陽電池封止材からなる層が、太陽電池素子と直接的に接合されていることが望ましい。また、太陽電池封止材が熱可塑性を有していると、一旦、太陽電池モジュールを作製した後であっても、比較的容易に太陽電池素子を取り出すことができるため、リサイクル性に優れている。本実施形態の太陽電池封止材を構成するエチレン系樹脂組成物は、熱可塑性を有するため、太陽電池封止材全体としても熱可塑性を有しており、リサイクル性の観点からも好ましい。
太陽電池モジュールに用いられる金属電極の構成および材料は、とくに限定されないが、具体的な例では、透明導電膜と金属膜の積層構造を有する。透明導電膜は、SnO2、ITO、ZnOなどからなる。金属膜は、銀、金、銅、錫、アルミニウム、カドミウム、亜鉛、水銀、クロム、モリブデン、タングステン、ニッケル、バナジウムなどの金属からなる。これらの金属膜は、単独で用いられてもよいし、複合化された合金として用いられてもよい。透明導電膜と金属膜とは、CVD、スパッタ、蒸着などの方法により形成される。
金属電極は、例えば、通常よく知られたロジン系フラックスや水溶性フラックスのIPA(イソプロピルアルコール)や水の水溶液を用いて、電極表面にフラックスを塗布した後に、ヒーターや温風で乾燥し、その後ハンダ融解槽で融解されたハンダ融液を通して、金属電極の表面にハンダをコートし、再加熱し太陽電池素子と金属電極または金属電極同士を接合する方法が挙げられる。近年は、接合箇所に直接フラックスおよびハンダまたはハンダのみを塗布し、太陽電池素子と金属電極または金属電極同士を接合する方法も取られている。
本実施形態の太陽電池モジュールの製造方法は、(i)表面側透明保護部材と、本実施形態の太陽電池封止材と、太陽電池素子(セル)と、太陽電池封止材と、裏面側保護部材とをこの順に積層して積層体を形成する工程と、(ii)得られた積層体を加圧および加熱して一体化する工程と、を含むことを特徴とする。
工程(ii)において、工程(i)で得られた積層体を、常法に従って真空ラミネーター、または熱プレスを用いて、加熱および加圧して一体化(封止)する。封止において、本実施形態の太陽電池封止材は、クッション性が高いため、太陽電池素子の損傷を防止することができる。また、脱気性が良好であるため空気の巻き込みもなく、高品質の製品を歩留り良く製造することができる。
架橋工程を工程(ii)の後に行う場合、工程(ii)において温度125〜160℃、真空圧10Torr以下の条件で3〜6分間真空・加熱し;次いで、大気圧による加圧を1〜15分間程度行い、上記積層体を一体化する。工程(ii)の後に行う架橋工程は、一般的な方法により行うことができ、例えば、トンネル式の連続式架橋炉を用いてもよいし、棚段式のバッチ式架橋炉を用いてもよい。また、架橋条件は、通常、130〜155℃で20〜60分程度である。
本実施形態の太陽電池モジュールは、生産性、発電効率、寿命などに優れている。このため、この様な太陽電池モジュールを用いた発電設備は、コスト、発電効率、寿命などに優れ、実用上高い価値を有する。上記の発電設備は、家屋の屋根に設置する、キャンプなどのアウトドア向けの移動電源として利用する、自動車バッテリーの補助電源として利用するなどの、屋外、屋内を問わず長期間の使用に好適である。
(1)測定方法
[エチレン単位およびα−オレフィン単位の含有割合]
試料0.35gをヘキサクロロブタジエン2.0mlに加熱溶解させて得られた溶液をグラスフィルター(G2)で濾過した後、重水素化ベンゼン0.5mlを加え、内径10mmのNMRチューブに装入した。日本電子社製のJNM GX−400型NMR測定装置を使用し、120℃で13C−NMR測定を行った。積算回数は8000回以上とした。得られた13C−NMRスペクトルより、共重合体中のエチレン単位の含有割合、およびα−オレフィン単位の含有割合を定量した。
[MFR]
ASTM D1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件にてエチレン・α−オレフィン共重合体のMFRを測定した。
[密度]
ASTM D1505に準拠して、エチレン・α−オレフィン共重合体の密度を測定した。
[ショアA硬度]
エチレン・α−オレフィン共重合体を190℃、加熱4分、10MPaで加圧した後、10MPaで常温まで5分間加圧冷却して3mm厚のシートを得た。得られたシートを用いて、ASTM D2240に準拠してエチレン・α−オレフィン共重合体のショアA硬度を測定した。
太陽電池用の表面側透明保護部材である透明ガラス板と、厚さ500μmのシートサンプルと、0.5cm幅の銅版に水溶性フレックス(タムラ製作所社製、WPF−8)を塗布し、120℃のオーブンで30分間乾燥し、ハンダを塗布した擬似金属電極と、シリカ蒸着PETを含むPET系バックシートを、透明ガラス板/シートサンプル/擬似金属電極/シートサンプル/PET系裏面保護部材のように積層して真空ラミネーター(NPC社製、LM−110X160S)内に仕込み、150℃に温調したホットプレート上に載せて3分間減圧、15分間加熱後、150℃のオーブンにて30分架橋し、透明ガラス板/シートサンプル/擬似金属電極/シートサンプル/PET系裏面保護部材の積層体である接着強度用サンプルを作製した。この接着強度用サンプルより擬似金属電極に沿ってシートサンプル層を0.5cm幅に切り、シートサンプル/PET系裏面保護部材を引張、シートサンプルと擬似金属電極との接着強度を180度ピールにて測定した。測定には、インストロン社製の引張試験機(商品名「Instron1123」)を使用した。180度ピールにて、スパン間30mm、引張速度30mm/分で23℃にて測定を行い、3回の測定の平均値を採用した。
上記の得られた積層体を、JIS C8917に準拠し、ヤマト科学(株)社製の恒温恒湿槽「IW241」にて、試験槽内温度95℃、湿度95%の条件下で積層体の促進試験を100時間行った。得られた促進試験サンプルを、上記と同様にして接着強度を測定した。
(合成例1)
撹拌羽根を備えた内容積50Lの連続重合器の一つの供給口に、共触媒としてメチルアルミノキサンのトルエン溶液を8.0mmol/hr、主触媒としてビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドのヘキサンスラリーを0.025mmol/hr、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液を0.5mmol/hrの割合で供給し、触媒溶液と重合溶媒として用いる脱水精製したノルマルヘキサンの合計が20L/hrとなるように脱水精製したノルマルヘキサンを連続的に供給した。同時に重合器の別の供給口に、エチレンを3kg/hr、1−ブテンを15kg/hr、水素を5NL/hrの割合で連続供給し、重合温度90℃、全圧3MPaG、滞留時間1.0時間の条件下で連続溶液重合を行った。重合器で生成したエチレン・α−オレフィン共重合体のノルマルヘキサン/トルエン混合溶液は、重合器の底部に設けられた排出口を介して連続的に排出させ、エチレン・α−オレフィン共重合体のノルマルヘキサン/トルエン混合溶液が150〜190℃となるように、ジャケット部が3〜25kg/cm2スチームで加熱された連結パイプに導いた。なお、連結パイプに至る直前には、触媒失活剤であるメタノールが注入される供給口が付設されており、約0.75L/hrの速度でメタノールを注入してエチレン・α−オレフィン共重合体のノルマルヘキサン/トルエン混合溶液に合流させた。スチームジャケット付き連結パイプ内で約190℃に保温されたエチレン・α−オレフィン共重合体のノルマルヘキサン/トルエン混合溶液は、約4.3MPaGを維持するように、連結パイプ終端部に設けられた圧力制御バルブの開度の調整によって連続的にフラッシュ槽に送液された。なお、フラッシュ槽内への移送においては、フラッシュ槽内の圧力が約0.1MPaG、フラッシュ槽内の蒸気部の温度が約180℃を維持するように溶液温度と圧力調整バルブ開度設定が行われた。その後、ダイス温度を180℃に設定した単軸押出機を通し、水槽にてストランドを冷却し、ペレットカッターにてストランドを切断し、ペレットとしてエチレン・α−オレフィン共重合体を得た。収量は2.2kg/hrであった。物性を表1に示す。
主触媒としての[ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン]チタンジクロライドのヘキサン溶液を0.012mmol/hr、共触媒としてのトリフェニルカルベニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を0.05mmol/hr、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液を0.4mmol/hrの割合でそれぞれ供給するとともに、1−ブテンを5kg/hr、水素を100NL/hrの割合で供給した以外は、前述の合成例1と同様にしてエチレン・α−オレフィン共重合体を得た。収量は1.3kg/hrであった。物性を表1に示す。
主触媒としてビス(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(1,1,4,4,7,7,10,10−オクタメチル−1,2,3,4,7,8,9,10−オクタヒドロジベンズ(b,h)−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドのヘキサン溶液を0.003mmol/hr、共触媒としてのメチルアルミノキサンのトルエン溶液を3.0mmol/hr、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液を0.6mmol/hrの割合でそれぞれ供給したこと;エチレンを4.3kg/hrの割合で供給したこと;1−ブテンの代わりに1−オクテンを6.4kg/hrの割合で供給したこと;1−オクテンと触媒溶液と重合溶媒として用いる脱水精製したノルマルヘキサンの合計が20L/hrとなるように脱水精製したノルマルヘキサンを連続的に供給したこと;水素を40NL/hrの割合で供給したこと;および重合温度を130℃にしたこと以外は、合成例1と同様にしてエチレン・α−オレフィン共重合体を得た。収量は4.3kg/hrであった。物性を表1に示す。
(実施例1)
合成例1のエチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対し、有機過酸化物として1分間半減期温度が166℃のt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネートを1.0重量部、シランカップリング剤(A)として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを0.5重量部、エポキシ基含有シランカップリング剤(B1)として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.25重量部、架橋助剤としてトリアリルイソシアヌレートを1.2重量部、紫外線吸収剤として2−ヒドロキシ−4−ノルマル−オクチルオキシベンゾフェノンを0.4重量部、ヒンダードアミン系光安定剤としてビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートを0.2重量部、ヒンダードフェノール系安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート0.05重量部、リン系安定剤としてトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト0.1重量部を配合した。
表2に示す配合としたこと以外は、前述の実施例1と同様にしてエンボスシート(太陽電池封止材シート)を得た。得られたシートの空隙率は全て28%であった。得られたシートの各種評価結果を表2に示す。
表2に示す配合としたこと以外は、前述の実施例1と同様にしてエンボスシート(太陽電池封止材シート)を得た。得られたシートの空隙率は全て28%であった。得られたシートの各種評価結果を表2に示す。
(比較例5)
実施例1のヒンダードフェノール系安定剤およびリン系安定剤に代えて、同一分子内に亜リン酸エステル構造とヒンダードフェノール構造を有する安定剤として6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,t][1,3,2]−ジオキサホスフェピンを用い、表2に示す配合としたこと以外は、実施例1と同様にしてエンボスシート(太陽電池封止材シート)を得た。得られたシートの空隙率は全て28%であった。しかし、得られたシートにはゲルが1m2あたり3点程度見られ、シート外観がよろしいものではなかった。得られたシートの各種評価結果を表2に示す。
シランカップリング剤(B1):3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
シランカップリング剤(B2):2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン
22 太陽電池素子
22A 受光面
22B 裏面
24 表面側透明保護部材
26 裏面側保護部材
28 封止層
29 インターコネクタ
32 集電線
34A タブ付用母線
34B タブ付用母線
Claims (14)
- エチレン・α−オレフィン共重合体と、
有機過酸化物と、
ビニル基、メタクリル基、アクリル基、の群から選ばれる少なくとも一種の基を有するシランカップリング剤(A)と、
さらにエポキシ基含有シランカップリング剤(B)を含む太陽電池封止材。 - 前記エポキシ基含有シランカップリング剤(B)の含有量が、前記エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して0.05〜2.0重量部である、請求項1に記載の太陽電池封止材。
- 前記ビニル基、メタクリル基、アクリル基の群から選ばれる少なくとも一種を有するシランカップリング剤(A)の含有量が、前記エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して0.1〜5重量部である、請求項1に記載の太陽電池封止材。
- 前記エチレン・α−オレフィン共重合体が、以下の要件a1)〜a4)を満たす請求項1に記載の太陽電池封止材。
a1)エチレンに由来する構成単位の含有割合が80〜90mol%であり、炭素数3〜20のα−オレフィンに由来する構成単位の含有割合が10〜20mol%である。
a2)ASTM D1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件で測定されるMFRが10〜50g/10分である。
a3)ASTM D1505に準拠して測定される密度が0.865〜0.884g/cm3である。
a4)ASTM D2240に準拠して測定されるショアA硬度が60〜85である。 - ASTM D1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件で測定される前記エチレン・α−オレフィン共重合体のMFRが、10〜27g/10分である、請求項1に記載の太陽電池封止材。
- 前記有機過酸化物の1分間半減期温度が100〜170℃であり、
前記有機過酸化物の含有量が、前記エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して0.1〜3重量部である、請求項1に記載の太陽電池封止材。 - ヒンダードフェノール系安定剤をさらに含み、
前記ヒンダードフェノール系安定剤の含有量が、前記エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して0.005〜0.1重量部である、請求項1に記載の太陽電池封止材。 - ヒンダードアミン系光安定剤をさらに含み、
前記ヒンダードアミン系光安定剤の含有量が、前記エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して0.01〜2.0重量部である、請求項1に記載の太陽電池封止材。 - リン系安定剤をさらに含み、
前記リン系安定剤の含有量が、前記エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して0.005〜0.5重量部である、請求項1に記載の太陽電池封止材。 - 紫外線吸収剤をさらに含み、
前記紫外線吸収剤の含有量が、前記エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して0.005〜5重量部である、請求項1に記載の太陽電池封止材。 - 架橋助剤をさらに含み、
前記架橋助剤の含有量が、前記エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して0.05〜5重量部である、請求項1に記載の太陽電池封止材。 - 前記エチレン・α−オレフィン共重合体と、前記有機過酸化物と、前記シランカップリング剤(A)と、前記エポキシ基含有シランカップリング剤(B)とを溶融混錬後、シート状に押出成形して得られた、請求項1に記載の太陽電池封止材。
- シート状である、請求項1に記載の太陽電池封止材。
- 表面側透明保護部材と、
裏面側保護部材と、
太陽電池素子と、
請求項1に記載の太陽電池封止材を架橋させて形成された、前記太陽電池素子を前記表面側透明保護部材と前記裏面側保護部材との間に封止する封止層と、
を備えた太陽電池モジュール。
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