JP5830367B2 - 太陽電池保護用積層体及びそれを用いて作製された太陽電池モジュール - Google Patents
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Description
太陽電池の裏面保護材としては、紫外線に対する耐久性に優れることが要求されるが、加えて、湿気ないし水の透過による内部の導線や電極の発錆を防止するために、防湿性に優れることが極めて重要な要件となる。また、裏面保護材として、発電素子側最表面に白色のポリプロピレン樹脂や、ポリエステル樹脂のフィルムなど反射率の高いフィルムを用いることで、入射光の反射率を高め発電効率を高めている。
封止材としては、太陽電池素子を保護する為の柔軟性や耐衝撃性、太陽電池モジュールが発熱した際の耐熱性、太陽電池素子へ太陽光が効率的に届く為の透明性(全光線透過率など)、耐久性、寸法安定性、難燃性、水蒸気バリア性等が主に要求される。
また、EVAシートを用いる太陽電池素子の封止材は、長期間における使用に際して、
EVAの加水分解等により発生する酢酸による太陽電池の回路腐食やその懸念があり、さらには、架橋剤や架橋助剤、あるいは発生した酢酸などが原因となり、太陽電池素子との
界面や前面保護材との界面、または、裏面保護材との界面で剥離が発生することがある等の問題があった。
また、特許文献4には、少なくとも一種のポリオレフィン系共重合体と、少なくとも一
種の結晶性ポリオレフィンからなるポリマーブレンドまたはポリマーアロイであることを
特徴とする太陽電池封止材が開示されており、具体的には、低融点のEVAと高融点のE
VAとのポリマーブレンド(実施例1参照)、エチレン−メタクリル酸共重合体と汎用の
結晶性ポリエチレンとのポリマーブレンド(実施例2参照)、エチレン−アクリル酸メチ
ル共重合体と汎用の結晶性ポリプロピレンとのポリマーブレンド(実施例3参照)が用いられている。
このように、従来の太陽電池用裏面保護材と封止材の組み合わせに関する技術において、裏面保護材表層からの光反射率が低下することによる太陽電池性能低下を防止する有用な解決手段は提案されてなかった。
また、本発明の課題は、この太陽電池用封止材と裏面保護材との組み合わせにより、高効率の太陽電池モジュール及び太陽電池を提供することにある。
下記(1)の条件を満足するエチレン−α−オレフィンランダム共重合体(Aー1)及び下記(2)の条件を満足するエチレン−α−オレフィンブロック共重合体(Aー2)を含有する封止層(A)、並びに、裏面保護層(B)を有する太陽電池保護用積層体に関する。
(1)示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される結晶融解熱量が0〜70J/g
(2)示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される結晶融解ピーク温度が100℃以上であり、かつ、結晶融解熱量が5〜70J/g
また、本発明は、前記本発明の太陽電池用封止層と裏面保護層を有する積層体を用いて作製された太陽電池モジュール及び太陽電池に関する。
<封止層(A)>
本発明における封止層(A)とは、太陽電池において、裏面保護層(B)と積層して太陽電池用セルの封止に使用されるものである。封止層(A)としては、具体的には、高透明で可撓性に富み、耐熱性、加水分解性に優れることから、エチレン−α−オレフィン共重合体からなる樹脂層が用いられ、さらに、特定の熱特性を有するエチレン−α−オレフィンランダム共重合体と特定の熱特性を有するエチレン−α−オレフィンブロック共重合体を含有する樹脂組成物を使用することが高光線透過率、耐熱性、柔軟性の発現の観点から必要となる。
(1)示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される結晶融解熱量が0〜70J/g
(2)示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される結晶融解ピーク温度が100℃以上であり、かつ、結晶融解熱量が5〜70J/g
前述の通り、封止層(A)におけるエチレン−α−オレフィンブロック共重合体(A−2)の結晶融解ピーク温度が100℃以上であれば、本発明における封止層(A)の耐熱性を確保することが出来る。そして、本発明の太陽電池保護用積層体は封止層(A)の耐熱性と弾性率が部材を構成する層において最も低いことから、本発明の積層体の耐熱性については封止層(A)がその性能を決定する。
本発明に用いられるエチレン−α−オレフィンランダム共重合体(A−1)のメルトフローレート(MFR)は、特に制限されるものではないが、通常、MFR(JIS K7210、温度:190℃、荷重:21.18N)が、0.5〜100g/10min程度、好ましくは2〜50g/10min、さらに好ましくは3〜30g/10minであるものが用いられる。ここで、MFRは、シートを成形する際の成形加工性などを考慮して選択すればよい。例えば、シートをカレンダー成形する場合には、シートを成形ロールから引き剥がす際のハンドリング性からMFRは、比較的低い値、具体的には0.5〜5g/10min程度が好ましく、また、Tダイを用いて押出成形する場合には、押出負荷を低減させ押出量を増大させる観点からMFRは、2〜50g/10minが好ましく、さらに好ましくは3〜30g/10minであるものを用いればよい。
該マルチブロック構造を有するエチレン−α−オレフィンブロック共重合体は、本発明において好適に使用でき、α−オレフィンとして1−オクテンを共重合成分とするエチレン−オクテンマルチブロック共重合体が好ましい。該ブロック共重合体としては、エチレンに対してオクテン成分が多く(約15〜20モル%)共重合されたほぼ非晶性のソフトセグメントと、エチレンに対してオクテン成分が少なく(約2モル%未満)共重合された結晶融解ピーク温度が110〜145℃である高結晶性のハードセグメントが、各々2つ以上存在するマルチブロック共重合体が好ましい。これらのソフトセグメントとハードセグメントの連鎖長や比率を制御することにより、柔軟性と耐熱性の両立を達成することができる。
該マルチブロック構造を有する共重合体の具体例としては、ダウ・ケミカル(株)製の商品名「インフューズ(Infuse)」が挙げられる。
本発明における太陽電池裏面保護層は、太陽電池用熱可塑性樹脂シートまたは太陽電池用熱可塑性樹脂シート積層品であって、汚れや水蒸気などから太陽電池モジュールを保護するため使用される。
太陽電池裏面保護層(B)は、ポリオレフィン系樹脂層(B-1)を有することが好ましく、また、水蒸気の進入を防ぐこと、紫外線劣化を防止することから、それぞれの要求に応えるべく、ポリオレフィン系樹脂層(B-1)、防湿層(B-2)、耐候層(B-3)などの各層を接着剤を介して積層することがより好ましい。特に、裏面保護層まで到達した光を素子に戻し発電効率を向上させるため、ポリオレフィン系樹脂層として、光線反射率が80%以上の白色樹脂層を用いることが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂層としては、特に制限はないが、その主成分として、例えば、安価である点からポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリエチレンナフタレート、アクリル、ポリプロピレン、ポリエチレン等ポリオレフィンなどの樹脂からなる樹脂層が利用できるが、可撓性に富み、加湿耐久性の点から、アイソタクチックポリプロピレン樹脂を主成分とする無延伸ポリプロピレン層が好ましい。裏面保護層(B)は、裏面保護層まで入射してきた光を反射させて太陽電池素子に戻し、電力変換効率を向上させることができるものであり、裏面保護層の最表面に積層されることが好ましい。ポリオレフィン系樹脂層(B-1)は樹脂に白色顔料を練り混んだ白色樹脂層を使用することが好ましい。
白色顔料としては、酸化チタンや酸化亜鉛が利用できる。上記樹脂に白色顔料を添加して好ましくは光線反射率が80%以上の白色樹脂フィルムとすることが好ましい。ポリオレフィン系樹脂層(B-1)の厚さは、40〜200μm程度とするのが好ましく、耐部分放電圧特性を確保する観点から80〜180μmがより好ましい。
前記ポリオレフィン系樹脂層(B一1) の光線反射率は、後述する光線反射率測定方法で80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。
本発明における防湿層(B一2)は、湿気、水の透過による内部の導線、電極の発錆等を防止するために用いられ、防湿性に優れ、好ましくは高透明であれば特に制限はないが、基材フィルムの少なくとも一方の面に無機酸化物のコーティング膜を少なくとも1層有する透明防湿層が好ましく用いられる。
本発明における耐候層(B一3)は可撓性に富み、透明性、耐熱性、防湿性、紫外線耐久性に優れる性能を有するフィルムをいい、太陽電池裏面保護層の表面(暴露側)に用いられる。
耐候層の耐候性は、JIS K7350に準じてなされるサンシャインウェザーメーターによる耐候性試験において、力学物性や全光線透過率の低下が少ないものが好ましく、5000時間経過後の力学物性や全光線透過率の低下がないものがより好ましく、10000時間経過後の力学物性や全光線透過率の低下がないものが特に好ましい。
耐候層(B一3)の材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、4−フッ化エチレン−パークロロアルコキシ共重合体(PFA)、4−フッ化エチレン−6−フッ化プロピレン共重合体(FEP)、2−エチレン−4−フッ化エチレン共重合体(ETFE)、ポリ3−フッ化塩化エチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)及びポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂層、或いは、アクリル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の樹脂に紫外線吸収剤を練り込んだ樹脂組成物を成膜したものが好ましく用いられ、長期耐久性と高光線透過率の観点から、2−エチレン−4−フッ化エチレン共重合体(ETFE)、4−フッ化エチレン−6−フッ化プロピレン共重合体(FEP)がより好ましく用いられる。なお、上記紫外線吸収剤としては、後述の紫外線吸収剤と同様のものが使用できる。上記樹脂は1種で用いることもできるが2種以上組合せて使用することもできる。
耐候層(B一3)の厚さは、一般に20〜200μm程度であり、フィルムの取り扱いやすさとコストの点から30〜120μmが好ましく、30〜80μmがより好ましい。
本発明の太陽電池保護用積層体には、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、諸物性(柔軟性、耐熱性、透明性、接着性など)や成形加工性あるいは経済性などをさらに向上させる目的で上述したエチレン−α−オレフィンランダム共重合体(Aー1)やエチレン−α−オレフィンブロック共重合体(Aー2)以外の樹脂を使用することができる。該樹脂としては、例えば、他のポリオレフィン系樹脂や各種エラストマー(オレフィン系、スチレン系など)、カルボキシル基、アミノ基、イミド基、水酸基、エポキシ基、オキサゾリン基、チオール基、シラノール基などの極性基で変性された樹脂および粘着付与樹脂などが挙げられる。
硫黄系としては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオプロピオネートなどを挙げることができる。
該紫外線吸収剤の添加量は、太陽電池保護用積層体を構成する各樹脂層中、通常、0.01〜2.0質量%程度であり、0.05〜0.5質量%添加することが好ましい。
上記積層体は、上述の製膜された封止層(A)、裏面保護層(B)を、ポリオレフィン系樹脂層(B-1)面を封止層(A)面と積層し、常法に従って、真空ラミネーターで温度120〜150℃、脱気時間2〜15分、プレス圧力0.5〜1atm、プレス時間8〜45分で加熱加圧圧着することにより製造することができる。
このような太陽電池保護用積層体を用いて本発明の太陽電池モジュール及び/又は太陽電池を製造するには、従来の封止材、裏面保護材の代りに本発明の太陽電池保護用積層体を用いて公知の方法により、作成すれば良い。
以下、(1)〜(4),(6)は、各封止層の物性を測定したものであり、(5)は当該封止層と裏面保護材との積層体について測定したものである。
(1)結晶融解ピーク温度(Tm)
(株)パーキンエルマー製の示差走査熱量計、商品名「Pyris1 DSC」を用いて、JIS K7121に準じて、試料約10mgを加熱速度10℃/分で−40℃から200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、冷却速度10℃/分で−40℃まで降温し、再度、加熱速度10℃/分で200℃まで昇温した時に測定されたサーモグラムから結晶融解ピーク温度(Tm)(℃)を求めた。
(株)パーキンエルマー製の示差走査熱量計、商品名「Pyris1 DSC」を用いて、JIS K7122に準じて、試料約10mgを加熱速度10℃/分で−40℃から200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、冷却速度10℃/分で−40℃まで降温し、再度、加熱速度10℃/分で200℃まで昇温した時に測定されたサーモグラムから結晶融解熱量(ΔHm)(J/g)を求めた。
アイティ計測(株)製の粘弾性測定装置、商品名「粘弾性スペクトロメーターDVA−200」を用いて、試料(縦4mm、横60mm)を振動周波数10Hz、ひずみ0.1%、昇温速度3℃/分、チャック間25mmで横方向について、−150℃から150℃まで測定し、得られたデータから20℃における貯蔵弾性率(E´)(MPa)を測定し、柔軟性を確認した。
厚み3mmの白板ガラス(サイズ;縦75mm、横25mm)2枚の間に厚み0.5mmの各封止層を重ね、真空プレス機を用いて、150℃、15分の条件で積層プレスした試料を作製し、JIS K7105に準じて全光線透過率を測定した。
下記に記載の裏面保護層単体の光線反射率および実施例、比較例記載の封止層裏面保護層積層品1〜9の光線反射率を測定した(JIS Z 8722準拠の日本電色工業(株)製 Spectro Color Meter SQ2000を用い、C光源にて550nmにて)。また、裏面保護層単体の光線反射率と封止層裏面保護層積層品の光線反射率とを比較し、反射率低下度[裏面保護層単体光線反射率―封止層裏面保護層積層品の光線反射率)/裏面保護層単体光線反射率]を下記の基準で評価した結果も併記した。
(◎)反射率低下度が5.0%未満
(○)反射率低下度が5.0%以上、6.0%未満
(×)反射率低下度が6.0%以上、あるいは、明らかに白濁している場合(未測定)
厚み3mmの白板ガラス(サイズ;縦75mm、横25mm)2枚の間に以下に記載する各封止層を重ね、真空プレス機を用いて、150℃、15分の条件で積層プレスした試料を作製し、該試料を100℃の恒温槽内で60度に傾斜して設置し500時間経過後の状態を観察し、下記の基準で評価した。
(○)ガラスが初期の基準位置からずれなかったもの
(×)ガラスが初期の基準位置からずれたり、シートが溶融したもの
ポリオレフィン系樹脂層(B―1)
アイソタクチックポリプロピレン樹脂に、白色化剤としての酸化チタン(8質量%)と紫外線吸収剤としての超微粒子酸化チタン(粒子径、0.01〜0.06μm、3質量%)とを添加し、その他、所要の添加剤を添加し、十分に混練してポリプロピレン樹脂組成物を調製し、次いで、該ポリプロピレン樹脂組成物を押出機で押し出して、厚さ90μmの無延伸ポリプロピレン樹脂フィルムを製造し、更に、該無延伸ポリプロピレン樹脂フィルムの片面に、常法に従って、コロナ放電処理を施してコロナ処理面を形成した。得られた樹脂フィルムの光線反射率は86.8%であった。
12μmポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムに、厚み50nmのシリカを蒸着した三菱樹脂製テックバリアLXを使用した。上述の方法で測定した防湿性は0.2[g/(m2・day)]であった。
アルケマ社製ポリフッ化ビニリデン(PVDF)系フィルムKynar 302-PGM-TR(厚み:30μm)を使用した。
三井化学ポリウレタン株式会社製A1102、脂肪族系のヘキサメチレンジイソシアナート成分を含む硬化剤として三井化学ポリウレタン株式会社製A3070を使用し、重量比で16:1となるように混合し、固形分濃度が30%となるように酢酸エチルで希釈して接着剤塗液を調製した。
続いて、防湿層(B−2)のシリカ面に本接着剤塗液を固形分6g/m2となるよう塗布乾燥し、ドライラミネートによって耐候層(B−3)と貼合した。
更にポリオレフィン系樹脂層(B−1)のコロナ処理面に本接着剤塗液を固形分6g/m2となるよう塗布乾燥し、先の貼合フィルムの防湿層とドライラミネートによって貼合した。その後40℃x5日間養生し、厚み144μmの裏面保護層を作製した。
ポリオレフィン系樹脂層面の反射率を上述の方法を測定したところ550nmにて86.8%であった。
エチレン−α−オレフィンランダム共重合体(Bー1)として、エチレン−オクテンランダム共重合体(ダウ・ケミカル(株)製、商品名:エンゲージ(Engage)8200、オクテン含有量:10.1モル%(31質量%)、MFR:5、Tm:65℃、ΔHm:53J/g)(以下、α−1と略する)を95質量部とエチレン−α−オレフィンブロック共重合体(Bー2)として、エチレン−オクテンブロック共重合体(ダウ・ケミカル(株)製、商品名:インフューズ(INFUSE)D9100.05、オクテン含有量:12.8モル%(37質量%)、MFR:1、Tm:119℃、ΔHm:38J/g)(以下、β−1と略する)とを5質量部の割合で混合した樹脂組成物をTダイを備えた40mmφ 単軸押出機を用いて設定温度200℃で溶融混練し、20℃のキャストロールで急冷製膜することにより厚みが0.5mm(500μm)の封止層1を得た。
封止層1の調製において、シートを構成する樹脂組成物を表1に示すように、(α−1)80質量部とエチレン−オクテンブロック共重合体(ダウ・ケミカル(株)製、商品名:インフューズD9507.15、オクテン含有量:16.4モル%(44質量%)、MFR:5、Tm:123℃、ΔHm:21J/g)(以下、β−2と略する)20質量部との樹脂組成物に変更した以外は、封止層1と同様にして、厚みが0.5mm(500μm)の封止層2を得た
封止層1の調製において、シートを構成する樹脂組成物を表1に示すように、(α−1)をエチレン−プロピレン−ヘキセン3元ランダム共重合体(日本ポリエチレン(株)製、商品名:カーネル(Kaernel)KJ640T、プロピレン含有量:7.4モル%(10質量%)、ヘキセン含有量:4.4モル%(10質量%)、MFR:30、Tm:53℃、ΔHm:58J/g)(以下、α−2と略する)に変更した以外は、封止層1と同様にして、厚みが0.5mm(500μm)の封止層3を得た。
封止層1の調製において、シートの厚みを0.3mm(300μm)に変更した以外は、封止層1と同様にして封止層4を得た。
封止層1の調製において、シートを構成する樹脂組成物を表1に示すように、(α−1)100質量部に変更した以外は、封止層1と同様にして、厚みが0.5mm(500μm)の封止層5を得た。
封止層1の調製において、シートを構成する樹脂組成物を表1に示すように、(β−1)を汎用の結晶性ポリエチレン樹脂であるエチレン−オクテンランダム共重合体((株)プライムポリマー製、商品名:モアテック0238CN、オクテン含有量:1モル%(4質量%)、MFR:2.1、Tm:121℃、ΔHm:127J/g)(以下、P−1と略する)に変更した以外は、封止層1と同様にして、厚みが0.5mmの(500μm)封止層6を得た。
封止層1の調製において、シートを構成する樹脂組成物を表1に示すように、(P−1)100質量部に変更した以外は、封止層1と同様にして、厚みが0.5mm(500μm)の封止層7を得た。
Etimex社製EVA封止材496を用いた。なお、本EVA封止材単体を下記実施例に示す方法で真空ラミネートし、その後、EVA封止材のみを取り出し、評価を行った。
東洋インク製ウレタン(PU)系接着剤IS801と硬化剤CR001を10:1の比で配合し固形分塗工量10g/m2となるようにシリコーン離型PETフィルムに塗布し、40℃、4日間養生した。その後、接着剤層のみを取り出し、評価を行った。
以上の封止層1〜9の各々について、その厚み、組成、全光線透過率、耐熱性及び柔軟性を前記の方法で測定し、以下の表1にまとめて示す。
前記調製した封止層1と裏面保護層を株式会社エヌ・ピー・シー社製真空ラミネート装置LM−30x30を用い150℃、15分の条件で定法によりこの順に積層し封止層裏面保護層積層品1を作製した。その後、作製した封止層裏面保護層積層品1を使用して、前述の方法で反射率を測定した。結果を表2に示す。
前記調製した封止層2と裏面保護層を株式会社エヌ・ピー・シー社製真空ラミネート装置LM−30x30を用い150℃、15分の条件で定法によりこの順に積層し封止層裏面保護層積層品2を作製した。その後、作製した封止層裏面保護層積層品2を使用して、前述の方法で反射率を測定した。結果を表2に示す。
前記調製した封止材3と裏面保護材を株式会社エヌ・ピー・シー社製真空ラミネート装置LM−30x30を用い150℃、15分の条件で定法によりこの順に積層し封止層裏面保護層積層品3を作製した。その後、作製した封止層裏面保護層積層品3を使用して、前述の方法で反射率を測定した。結果を表2に示す。
前記調製した封止層4と裏面保護層を株式会社エヌ・ピー・シー社製真空ラミネート装置LM−30x30を用い150℃、15分の条件で定法によりこの順に積層し封止層裏面保護層積層品4を作製した。その後、作製した封止層裏面保護層積層品4を使用して、前述の方法で反射率を測定した。結果を表2に示す。
前記調製した封止層5と裏面保護層を株式会社エヌ・ピー・シー社製真空ラミネート装置LM−30x30を用い150℃、15分の条件で定法によりこの順に積層し封止層裏面保護層積層品5を作製した。その後、作製した封止層裏面保護層積層品5を使用して、前述の方法で反射率を測定した。結果を表2に示す
前記調製した封止層6と裏面保護層を株式会社エヌ・ピー・シー社製真空ラミネート装置LM−30x30を用い150℃、15分の条件で定法によりこの順に積層し封止層裏面保護層積層品6を作製した。その後、作製した封止層裏面保護層積層品6を使用して、前述の方法で反射率を測定した。結果を表2に示す
前記調製した封止層7と裏面保護層を株式会社エヌ・ピー・シー社製真空ラミネート装置LM−30x30を用い150℃、15分の条件で定法によりこの順に積層し封止層裏面保護層積層品7を作製した。その後、作製した封止層裏面保護層積層品7を使用して、前述の方法で反射率を測定した。結果を表2に示す
前記調製した封止層8と裏面保護層を株式会社エヌ・ピー・シー社製真空ラミネート装置LM−30x30を用い150℃、15分の条件で定法によりこの順に積層し封止層裏面保護層積層品8を作製した。その後、作製した封止層裏面保護層積層品8を使用して、前述の方法で反射率を測定した。結果を表2に示す
前記調製した封止層9と裏面保護層を株式会社エヌ・ピー・シー社製真空ラミネート装置LM−30x30を用い150℃、15分の条件で定法によりこの順に積層し封止層裏面保護層積層品9を作製した。その後、作製した封止層裏面保護層積層品9を使用して、前述の方法で反射率を測定した。結果を表2に示す。
また、本発明の封止層裏面保護層積層品1〜4は、表2に示されるように、防湿層を保護するために必要な柔軟性と耐熱性および反射率との良好なバランスが図られた、十分な厚みを有したものであった。したがって、実施例1〜4の封止層裏面保護層積層体は、柔軟性と耐熱性を兼備し、反射性にも優れるのみならず、その高反射率を獲得することにより、長期における高温・傾斜条件下での使用に耐え、発電効率の高い太陽電池モジュールを実現できるものである。
Claims (9)
- 下記(1)の条件を満足するエチレン−α−オレフィンランダム共重合体(Aー1)を50〜99質量%及び下記(2)の条件を満足するエチレン−α−オレフィンブロック共重合体(Aー2)を1〜50質量%含有する封止層(A)、並びに、少なくともポリオレフィン系樹脂層(B一1)を有する積層体である裏面保護層(B)を有する太陽電池保護用積層体。
(1)示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される結晶融解熱量が0〜70J/g
(2)示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される結晶融解ピーク温度が100℃以上であり、かつ、結晶融解熱量が5〜70J/g - 前記エチレン−α−オレフィンランダム共重合体(Aー1)及びエチレン−α−オレフィンブロック共重合体(Aー2)の各々におけるα−オレフィンが、プロピレン、1−ブテン、1−へキセン及び1−オクテンからなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載の太陽電池保護用積層体。
- 前記エチレン−α−オレフィンランダム共重合体(Aー1)及び前記エチレン−α−オレフィンブロック共重合体(Aー2)を構成するα−オレフィンの種類が同一である、請求項1又は2に記載の太陽電池保護用積層体。
- 前記裏面保護層(B)が、少なくとも ポリオレフィン系樹脂層(B一1)、防湿層(B一2)、及び耐候層(B一3)の3層を有する積層体である請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽電池保護用積層体。
- 前記裏面保護層(B)に含まれる前記ポリオレフィン系樹脂層(B一1)が、光線反射率80%以上の白色樹脂層である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽電池保護用積層体。
- 前記防湿層(B-2)が、樹脂からなる基材フィルムの少なくとも一方の面に、無機酸化物コーティング膜を少なくとも1層有するものである請求項4又は5に記載の太陽電池保護用積層体。
- 前記基材フィルムがポリエステル、ポリアミド、及びポリオレフィンより選ばれる少なくとも1つの樹脂を有するものである請求項6に記載の太陽電池保護用積層体。
- 前記耐候層(B-3)が、アクリル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、及びポリエチレンナフタレート(PEN)より選ばれる少なくとも1つの樹脂に紫外線吸収剤を含有する樹脂組成物を成膜したもの、又はフッ素系樹脂層である請求項4〜7のいずれか1項に記載の太陽電池保護用積層体。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の太陽電池保護用積層体を用いて作製された太陽電池モジュール。
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