JP2014035415A - 光学素子及びそれを有する光学装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低屈折率層として十分な膜厚と低屈折率を確保しつつ、膜厚による特性ばらつきの少ない、耐擦傷性の高い、高性能な反射防止性能を有する光学素子を提供する。
【解決手段】透明基板(透明基材10)上に設けられる第1層(第二無機化合物層22)と、透明基板と第1層との間に設けられる第2層(第一無機化合物層21)と、から構成され、第1層の屈折率が均一であり、第1層の物理膜厚が、使用される光の中心波長の4倍以上であり、第1層の屈折率が、第2層の屈折率よりも低いことを特徴とする、光学素子1である。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学素子、特に、基板上に低屈折率材を設けた光学素子、及びこの光学素子を備えた光学装置に関する。
従来、ビデオカメラ、写真カメラ、テレビカメラ等の撮影レンズに代表される結像光学系に用いられる光学部材には、両面あるいは片面に透過光量を上げると共に、不要光によるゴースト、フレアを回避するための反射防止膜が施されている。ここで反射防止膜は、蒸着法やスパッタ法の真空成膜法やディップコート、スピンコート等の湿式成膜法を用いて基板等の部材上に設けられる光学部材である。近年ビデオカメラやテレビカメラはHD等の高精細化が要求され、また写真カメラは高画質化が要求されている。このため、これら光学系に用いられる高性能な反射防止膜が必要となってきている。
反射防止膜において、高性能の反射防止機能を得るためには、反射防止膜の最表層の構成材料を屈折率が低い材料とする必要がある。反射防止膜の最表層となる層(低屈折率層)の構成材料としては、シリカやフッ化マグネシウム等の無機系材料、シリコーン樹脂や非晶質のフッ素樹脂等の有機材料が知られている。
さらに層内の反射率をより低くする方法として、シリカやフッ化マグネシウムからなる層内に空隙を適宜形成して層自体を多孔質化する方法が知られている。例えば、屈折率1.38のフッ化マグネシウムからなる薄膜層内に、層内体積比率で30%の割合で空隙を設けることによって層自体の屈折率を1.27まで下げることができる。ここで層内に空隙を形成する方法として、微粒子状の材料(シリカ、フッ化マグネシウム等)をバインダーと共に成膜する方法がある。これにより、微粒子間に空隙を有する反射防止膜を形成することが知られている。また層内に空隙を形成する別の方法としては、石英基材の表面にシリカを主成分とする原料ガラス層を塗布し、形成処理時にシリカ層に拡散する他のガラス形成成分を除いて実質的に単一のシリカ層を形成する方法がある(特許文献1)。この方法で形成されるシリカ層は、層全体に対してある程度の割合で気孔を有する層であり、特に、露出面近くにおいて気孔の割合が最も高く、露出面からの距離が増すにつれて気孔の割合が一定の割合で減少している。そして特許文献1には、使用される光のうち最も長波長の4分の1の深さに至る範囲において、気孔を、層全体に対する割合を変化させながら設けることにより、シリカ層の中に低屈折率層を設けることが開示されている。
特開昭60−71545号公報
ところで特許文献1によれば、低屈折率層である単一シリカ層の厚さは150nm乃至600nmである。ここで低屈折率層である単一シリカ層を干渉層として利用すると、設計上反射防止膜として高い性能が見込まれる。しかし、反射防止機能は、光の反射の防止に関与する層の膜厚に敏感であり、また反射防止機能を担う層の屈折率変化にも敏感である。そのため製造される反射防止膜の膜厚のばらつきによっては、反射防止膜の特性(反射防止特性)が大きく変わることがあって一定の反射防止特性を有する反射防止膜を安定して供給できないという課題があった。
本発明は上述した課題を解決するためになされるものであり、その目的は、低屈折率層として十分な膜厚と低屈折率を確保しつつ、膜厚による特性ばらつきの少ない、耐殺傷性の高い、高性能な反射防止性能を有する光学素子を提供することにある。
本発明の光学素子は、透明基板上に設けられる第1層と、前記透明基板と前記第1層との間に設けられる第2層と、から構成され、
前記第1層の屈折率が均一であり、
前記第1層の物理膜厚が、使用される光の中心波長の4倍以上であり、
前記第1層の屈折率が、前記第2層の屈折率よりも低いことを特徴とする。
本発明に係る光学素子は、特に、低屈折率層が簡易な方法で、かつ膜厚敏感度の低い層として形成することができる。従って、本発明によれば、耐殺傷性及び高性能な反射防止機能を有する光学素子を提供することができる。
本発明の光学素子における第一の実施形態を示す断面模式図である。 本発明の光学素子における第二の実施形態を示す断面模式図である。 本発明の光学素子における第三の実施形態を示す断面模式図である。 本発明の光学素子における第四の実施形態を示す断面模式図である。 本発明の光学素子における第五の実施形態を示す断面模式図である。 本発明の光学素子における第六の実施形態を示す断面模式図である。 本発明の光学素子を搭載した光学装置の例を示す断面模式図である。 図1の光学素子の反射率特性を示すグラフである。 比較例1にて作製された光学素子を示す断面模式図である。 図9の光学素子の反射率特性を示すグラフである。 図2の光学素子の反射率特性を示すグラフである。 図3の光学素子の反射率特性を示すグラフである。 図4の光学素子の反射率特性を示すグラフである。 図5の光学素子の反射率特性を示すグラフである。 図6の光学素子の反射率特性を示すグラフである。
本発明の光学素子は、透明基板上に設けられる第1層と、前記透明基板と前記第1層との間に設けられる第2層と、から構成される。つまり、本発明の光学素子は、透明基板上に、第2層と第1層とがこの順に積層されている。ただし、本発明において、透明基板上に設けられる部材は、第1層、第2層に限定されるものではない。
本発明において、第1層の屈折率は均一である。また本発明において、第1層の物理膜厚は、使用される光の中心波長の4倍以上である。ここで物理膜厚とは、対象となる層そのものの膜厚をいう。さらに本発明において、第1層の屈折率は、第2層の屈折率よりも低い。尚、第2層は、屈折率が均一な層であってもよいし、一定の法則に基づいて屈折率が変化する層であってもよい。ここで、第2層が一定の法則に基づいて屈折率が変化する層である場合、第1層の屈折率は、第2層の屈折率の最小値以下である。
(第一の実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。ただし本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形及び変更が可能である。
図1は、本発明の光学素子における第一の実施形態を示す断面模式図である。
図1の光学素子1は、透明基材10上に反射防止層20が形成されている。図1の光学素子1において、反射防止層20は、基本的には、それぞれ無機材料からなり、かつ材料の種類が異なる二つの層、即ち、第一無機化合物層21と、第二無機化合物層22と、からなる積層体である。図1の光学素子1において、反射防止層20を構成する二つの層(第一無機化合物層21、第二無機化合物層22)のうち、屈折率の高い層は第一無機化合物層21であり、第二無機化合物層22は第一無機化合物層21よりも屈折率が低い層である。つまり、第二無機化合物層22は、本発明でいう第1層に相当し、第一無機化合物層21は、本発明でいう第2層に相当する。
第1層に相当する第二無機化合物層22は、好ましくは、熱処理の際、溶解度が異なる少なくとも2つの相に分離可能な相分離ガラスの一種である硼珪酸塩ガラスからなる層である。この硼珪酸塩ガラスは、SiO2、B23、Mg2O、アルカリ金属酸化物からなる、およそ90重量%以上が酸化物組成を有する構成からなるガラスである。
第1層(第二無機化合物層22)の形成方法としては、スクリーン印刷法が挙げられる。具体的には、原料ガラスを200乃至300メッシュアンダー程度のガラス粉に粉砕したのち市販のスクリーンオイル等と混合してペースト化したものを、スクリーン版を介して透明基材10上に塗布する方法があり、透明基材10上に簡単に塗布できる。ここで透明基材10上に塗布された塗膜は、熱処理により少なくとも二つの相に分離される。その後酸処理を行うことにより、層全体を多孔質化させることができる。
尚、本発明において、第1層(第二無機化合物層22)の形成方法は上述したスクリーン印刷に限るものではなく、ディップコート法、スピンコート法、スプレーコート法、ロールコート法等の液状塗工液を用いた薄膜形成方法を用いることができる。
ところで第1層(第二無機化合物層22)自体の屈折率をより低くするには、層全体に対する多孔質の割合を増やす必要がある。ただし、第1層(第二無機化合物層22)の膜厚が2000nm未満であると、層全体に対する多孔質の割合を多くすると、相分離等の操作によって残ったガラス部分の強度が弱くなってしまう。また第1層(第二無機化合物層22)の膜厚が2000nm未満になると、第1層自体が干渉膜と同様に振る舞うことになる。これにより、膜厚に対する反射防止機能の敏感度が高くなるため、膜厚変化による反射特性のバラツキが大きなってしまう。従って、本発明においては、第1層(第二無機化合物層22)の膜厚を2000nm以上にする。これにより、第1層(第二無機化合物層22)をより低屈折率化させることが可能となる。本発明において、第1層(第二無機化合物層22)の膜厚は、2000nm乃至20000nmが望ましい。
ところで、仮に、透明基材10と第1層(第二無機化合物層22)とが直接接していると、透明基材10と第1層(第二無機化合物層22)との界面において光の反射が生じる。第2層に相当する第一無機化合物層21は、この光の反射を抑制するために設けられる層である。第2層(第一無機化合物層21)は、一層で構成されていてもよいし複数の層で構成されていてもよい。
第2層(第一無機化合物層21)の構成材料としては、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ハフニウム、アルミナ、シリカ、フッ化マグネシウム等を挙げることができる。また第2層(第一無機化合物層21)は、蒸着法、スパッタリング等によって成膜することが可能である。
また透明基材10と第1層(第二無機化合物層22)との間に設けられる第2層(第一無機化合物層21)は、第1層(第二無機化合物層22)と同様に相分離ガラスからなる層としてもよい。
本実施形態において、第2層(第一無機化合物層21)は、後述するように層全体の屈折率が均一な層であるが、本発明においてはこれに限定されるものではない。即ち、本発明において、第2層(第一無機化合物層21)は、層全体の屈折率が均一な層であってもよいし、層内に屈折率勾配を有する層であってもよい。
尚、本発明において、第2層(第一無機化合物層21)の形成方法は、スクリーン印刷法、ディップコート法、スピンコート法、スプレーコート法、ロールコート法等の液状塗工液を用いた薄膜形成方法を用いることができる。また蒸着法を用いてもよい。
本発明において、第2層(第一無機化合物層21)の屈折率の範囲は、好ましくは、1.15乃至1.46である。また本発明において、第2層の物理膜厚(第一無機化合物層21の物理膜厚)は、好ましくは、使用される光の中心波長の3倍以上である。
また第1層(第二無機化合物層22)及び第2層(第一無機化合物層21)の膜厚や屈折率は、エリプソメトリーや分光反射率の測定により、測定・評価することができる。
ところで第1層(第二無機化合物層22)は、層内、特に表面に近い領域には空隙が存在するので、層自体、特に層の表面が多孔質である。このため、本発明の光学素子の最上層(本実施形態でいう第1層)の表面には微細な凹凸が設けられている。このように最上層(第1層)の表面に凹凸が設けられていると、ゴミ等が最上層(第1層)の表面に付着したとしても表面におけるゴミ等の接触面積が小さいので、最上層(第1層)の表面へのゴミ等の接触強度が弱まる。このため、本発明に含まれる図1の光学素子1を構成する反射防止層20は、防塵効果が期待できる。また最上層(第1層)の表面に微細な凹凸を設けられていることにより、最上層(第1層)の表面に付着した水滴の見かけの接触角が小さくなる。このため最上層(第1層、第二無機化合物層22)の表面の親水性が向上されるため、本発明に含まれる図1の光学素子1を構成する反射防止層20は、防曇効果をもたせることができる。
(第二の実施形態)
図2は、本発明の光学素子における第二の実施形態を示す断面模式図である。図2の光学素子2は、図1の光学素子1と比較して、第2層(第一無機化合物層21)が、層内に屈折率勾配を有する層である点を除いては図1の光学素子1と共通している。第2層層内に屈折率勾配を設けるには、原料ガラスの種類、量、塗布液の濃度、熱処理温度、酸処理の方法等を適宜調整すればよい。
本実施形態のように、第2層(第一無機化合物層21)を、層内に屈折率勾配を有する層とする場合、第1層の屈折率は、第2層の最表層の屈折率以下とする。また第2層(第一無機化合物層21)の膜厚は、好ましくは、2000nm乃至20000nmである。第2層(第一無機化合物層21)の膜厚の範囲を2000nm乃至20000nmとすることにより、第2層内における屈折率の勾配(屈折率の変化量)を大きくすることができるとともに、膜厚変化による反射防止特性のバラツキを小さく抑えることができる。よって、製造プロセスを簡易化することができる。
(第三の実施形態)
図3は、本発明の光学素子における第三の実施形態を示す断面模式図である。図3の光学素子3は、図1の光学素子1と比較して、第1層の上、即ち、第二無機化合物層22の上に、第1層よりも屈折率が低い第3層となる第三無機化合物層23が設けられている点を除いては図1の光学素子1と共通している。
第3層(第三無機化合物層23)は、例えば、第1層(第二無機化合物層22)の表面を酸処理することにより形成することができる。ここで第1層(第二無機化合物層22)の表面を酸処理すると、第1層(第二無機化合物層22)の表面にさらに空隙が生じて部分的に多孔質化が進行する。このため第1層表面の酸処理によって形成された第3層の屈折率、即ち、第三無機化合物層23の屈折率は、第1層(第二無機化合物層22)よりも低くなる。また本実施形態の光学素子は、最上層である第3層が多孔質の層であるから、第一の実施形態と同様に、防塵効果及び防曇効果を奏する。
(第四の実施形態)
図4は、本発明の光学素子における第四の実施形態を示す断面模式図である。図4の光学素子4は、図3の光学素子3と比較して、第2層(第一無機化合物層21)が、層内に屈折率勾配を有する層である点を除いては図3の光学素子3と共通している。第2層層内に屈折率勾配を設ける方法としては、後述する実施例2にて説明する方法を採用することができる。
(第五の実施形態)
図5は、本発明の光学素子における第五の実施形態を示す断面模式図である。図5の光学素子5は、図3の光学素子3と比較して、第2層(第一無機化合物層21)が、基板に接するB1層21aとB2層21bとからなる積層体である点を除いては図3の光学素子3と共通している。
(第六の実施形態)
図6は、本発明の光学素子における第六の実施形態を示す断面模式図である。図6の光学素子6は、基本的構成が図2の光学素子2と同様である。尚、図6の光学素子6の詳細については、実施例にて説明する。
(第七の実施形態)
図7は、本発明の光学素子を搭載した光学装置の例を示す断面模式図である。図7の光学装置30は、具体的には、カメラ等の撮影装置である。図7の光学装置30は、複数のレンズからなるレンズ群31と、ローパスフィルタ32と、撮像素子33と、を有している。本発明の光学素子は、ローパスフィルタ32の表面に設けられている。図7の光学装置30において、本発明の光学素子は、ゴースト、フレアの原因になる反射光の発生を防止する役割を果たす。また本発明の光学素子は、ゴミ付着の少なく、膜強度が強いため良好な撮影が可能になる。
[実施例1]
以下、図1の光学素子1の作製例について説明する。尚、各層、各部材の屈折率は、d線の波長である587.6nmにおける屈折率である。また反射防止層20を構成する各層の物理膜厚は、特に説明がない限り、d線を利用して測定した膜厚測定によって得られた物理膜厚である。これは、実施例1以外の実施例及び比較例においても同様である。
(1)透明基材
本実施例では、透明基材10として、屈折率が1.70の透明ガラス基板を用いた。
(2)第2層(第一無機化合物層21)の形成工程
真空蒸着法により、透明基材10上に、屈折率が1.38であるフッ化マグネシウム(MgF2)を成膜して第2層(第一無機化合物層21)を形成した。このとき第2層(第一無機化合物層21)の物理膜厚は95nmであった。
(3)第1層(第二無機化合物層22)の形成工程
次に、原料ガラスを200乃至300メッシュアンダー程度のガラス粉に粉砕したのち市販のスクリーンオイル等と混合することでペースト状の塗工液を調製した。次に、スクリーン印刷法により、第2層(第一無機化合物層21)上に、先程調製した塗工液を塗布して塗膜を形成した。このとき塗膜の厚さは、4000nmであった。次に、熱処理を行い塗膜を相分離させた後、酸処理で層の多孔質化を行うことにより第1層(第二無機化合物層22)を形成した。以上により、第2層(第一無機化合物層21)と第1層(第二無機化合物層22)とからなる反射防止層20を有する光学素子1を得た。
(4)光学素子の評価
得られた光学素子について、以下に説明する方法により評価を行った。
(4−1)走査型透過電子顕微鏡観察による第1層の物理膜厚の評価
走査型透過電子顕微鏡により光学素子1を構成する反射防止層20の断面状態を観察した。その結果、第1層(第二無機化合物層22)の物理膜厚は4000nmであることが確認できた。
(4−2)第1層(第二無機化合物層22)の物理膜厚と反射防止性能との関係について
第1層(第二無機化合物層22)の膜厚バラツキと光学素子の特性との関係、即ち、第1層(第二無機化合物層22)の物理膜厚と反射防止性能との関係を考察するために、第1層の物理膜厚を±50nm変えた光学素子も同様に作製した。即ち、第1層の物理膜厚が3950nm、4050nmの光学素子も作製した。次に、反射率測定器を用いて、第1層の物理膜厚がそれぞれ異なる三種類の光学素子について、波長400nm乃至700nmにおける反射率を測定した。図8は、図1の光学素子の反射率特性を示すグラフであり、(a)は、入射角0度の光に対する反射特性を示すグラフであり、(b)は、入射角45度の光に対する反射特性を示すグラフである。図8(a)及び(b)に示されるように、第1層の物理膜厚がそれぞれ異なる三種類の光学素子において、波長400nm乃至700nmにおける反射率は、いずれも2%以下であった。また図8(a)及び(b)に示されるように、波長ごとの反射防止特性は、第1層(第二無機化合物層22)の物理膜厚が±50nmの範囲で変化したとしても際立った相違は見られなかった。従って、本実施例の良好な反射防止性能が確認できた。
(4−3)光学の各構成部材の屈折率
第1層(第二無機化合物層22)の断面観察及び反射率測定結果より、第1層(第二無機化合物層22)の屈折率を求めた。その結果、第1層(第二無機化合物層22)の屈折率は1.10であった。ここで本実施例の光学素子1の各構成部材の物理膜厚及び屈折率を下記表1に示す。
Figure 2014035415
(4−4)第1層(第二無機化合物層22)の膜強度の評価
綿不織布(ユニチカ(株)社製、商品名:クリント)を用いて、このコットン布を、荷重(300g/cm2)をかけながら20回往復させた。この後、第1層(第二無機化合物層22)の表面を観察した。その結果、第1層の表面に傷は確認されなかった。
[比較例1]
図9は、比較例1にて作製された光学素子を示す断面模式図である。以下、比較例1の光学素子100の作製方法について説明する。
比較例1の光学素子100は、実施例1の光学素子において、第1層(第二無機化合物層22)の物理膜厚を600nmに設定した。これを除いては、実施例1と同様の方法により、光学素子を作製した。
(第1層(第二無機化合物層22)の物理膜厚と反射防止性能との関係について)
実施例1と同様に、第1層の物理膜厚を±50nm変えた光学素子(550nm、650nm)も同様に作製した。その上で、実施例1と同様の方法により、第1層の物理膜厚がそれぞれ異なる三種類の光学素子について、波長400nm乃至700nmにおける反射率を測定した。
図10は、図9の光学素子の反射率特性を示すグラフであり、(a)は、入射角0度の光に対する反射特性を示すグラフであり、(b)は、入射角45度の光に対する反射特性を示すグラフである。
図10(a)及び(b)に示されるように、入射角0度及び入射角45度における反射防止層の波長ごとの反射特性は、第1層(第二無機化合物層22)の物理膜厚が±50nm変化しただけで大きく異なっていることが示された。
また本比較例(比較例1)における光学素子1の各構成部材の物理膜厚及び屈折率を下記表2に示す。
Figure 2014035415
[実施例2]
以下、図2の光学素子2の製造方法について説明する。
(1)透明基材
本実施例では、透明基材10として、屈折率が1.46の透明ガラス基板を用いた。
(2)第2層(第一無機化合物層21)の形成工程
スクリーン印刷法により、透明基材10上に、実施例1(3)で使用した塗工液を塗布した。尚、塗工液を塗布する際に、塗工液中に含まれるガラスペーストの濃度を適宜調整した。これにより、塗膜の厚み高さ方向で相分離の態様が変わり、熱処理後酸処理を行ったときに厚み高さ方向で層内の空隙の割合が変化していた。ここで第2層(第一無機化合物層21)の物理膜厚は、2000nmであった。
(3)第1層(第二無機化合物層22)の形成工程
スクリーン印刷法により、第2層(第一無機化合物層21)上に、実施例1(3)で使用した塗工液を塗布して塗膜を形成した。このとき塗膜の厚さは、4000nmであった。次に、熱処理を行って塗膜を相分離させた後、酸処理で層の多孔質化を行うことにより第1層(第二無機化合物層22)を形成した。以上により、第2層(第一無機化合物層21)と第1層(第二無機化合物層22)とからなる反射防止層20を有する光学素子2を得た。
(4)光学素子の評価
得られた光学素子について、以下に説明する方法により評価を行った。
(4−1)走査型透過電子顕微鏡観察による第1層の物理膜厚の評価
走査型透過電子顕微鏡により光学素子1を構成する反射防止層20の断面状態を観察した。その結果、第1層(第二無機化合物層22)の物理膜厚は4000nmであり、第2層(第一無機化合物層21)の物理膜厚は2000nmであることが確認できた。
(4−2)第1層(第二無機化合物層22)の物理膜厚と反射防止性能との関係について
反射率測定器を用いて、本実施例にて作製した光学素子について、波長400nm乃至700nmにおける反射率を測定した。図11は、図2の光学素子の反射率特性を示すグラフである。図11に示されるように、波長400nm乃至700nmにおける反射率は、いずれも1%未満(0度反射:ほぼ0.5%、45度反射:ほぼ0.8%)であった。従って、本実施例の良好な反射防止性能、即ち、波長依存性のない、均一で良好な反射防止性能が確認できた。
(4−3)光学の各構成部材の屈折率
第1層(第二無機化合物層22)及び第2層(第一無機化合物層21)の断面観察及び反射率測定結果より、各層(第一無機化合物層21、第二無機化合物層22)の屈折率を求めた。本実施例の光学素子2の各構成部材の物理膜厚及び屈折率を下記表3に示す。
Figure 2014035415
表3より、第1層(第二無機化合物層22)の屈折率は1.15であり、第2層(第一無機化合物層21)の屈折率は最大で1.46であり最小で1.15であり、基板から離れるに従って屈折率が減少する屈折率勾配を有していた。
[実施例3]
以下、図3の光学素子3の製造方法について説明する。
(1)透明基材
本実施例では、透明基材10として、屈折率が1.545の透明ガラス基板を用いた。
(2)第2層(第一無機化合物層21)の形成工程
真空蒸着法により、透明基材10上に、屈折率が1.38であるフッ化マグネシウム(MgF2)を成膜して第2層(第一無機化合物層21)を形成した。このとき第2層(第一無機化合物層21)の物理膜厚は90nmであった。
(3)第1層(第二無機化合物層22)の形成工程
次に、実施例1(3)で使用した塗工液を用いて、スクリーン印刷法により、第2層(第一無機化合物層21)上に、上記塗工液を塗布して塗膜を形成した。このとき塗膜の厚さは、4200nmであった。次に、熱処理を行って塗膜を相分離させた後、酸処理で層の多孔質化を行うことにより第1層(第二無機化合物層22)を形成した。
(4)第3層(第三無機化合物層23)の形成工程
次に、第1層の表面について酸処理を行うことによって、第1層表面から約100nmまでの深さ範囲において第1層の多孔質化を部分的に進行させた。これにより、第1層上に第3層(第三無機化合物層23)を形成した。以上により、第2層(第一無機化合物層21)と第1層(第二無機化合物層22)と第3層(第三無機化合物層23)とからなる反射防止層20を有する光学素子3を得た。
(5)光学素子の評価
得られた光学素子について、以下に説明する方法により評価を行った。
(5−1)走査型透過電子顕微鏡観察による第1層の物理膜厚の評価
走査型透過電子顕微鏡により光学素子1を構成する反射防止層20の断面状態を観察した。その結果、第1層(第二無機化合物層22)の物理膜厚は4075nmであり、第3層(第三無機化合物層23)の物理膜厚は125nmであることが確認できた。
(5−2)第1層(第二無機化合物層22)の物理膜厚と反射防止性能との関係について
反射率測定器を用いて、本実施例にて作製した光学素子について、波長400nm乃至700nmにおける反射率を測定した。図12は、図3の光学素子の反射率特性を示すグラフである。図12に示されるように、波長400nm乃至700nmにおける反射率は、いずれも1.5%未満(0度反射:0.5%未満、45度反射:1.2%以下)であった。従って、本実施例の良好な反射防止性能が確認できた。
(5−3)光学の各構成部材の屈折率
第1層(第二無機化合物層22)及び第3層(第三無機化合物層23)の断面観察及び反射率測定結果より、各層(第二無機化合物層22、第三無機化合物層22)の屈折率を求めた。本実施例の光学素子3の各構成部材の物理膜厚及び屈折率を下記表4に示す。
Figure 2014035415
表4より、第1層(第二無機化合物層22)の屈折率は1.15であり、第3層(第三無機化合物層23)の屈折率は最大で1.07であった。
[実施例4]
以下、図4の光学素子4の製造方法について説明する。
(1)透明基材
本実施例では、透明基材10として、d線(587.6nm)での屈折率が1.46の透明ガラス基板を用いた。
(2)第2層(第一無機化合物層21)の形成工程
実施例2(2)と同様の方法により第2層(第一無機化合物層21)を形成した。ここでd線(587.6nm)における第2層(第一無機化合物層21)の物理膜厚は、2000nmであった。
(3)第1層(第二無機化合物層22)の形成工程
次に、実施例1(3)で使用した塗工液を用いて、スクリーン印刷法により、第2層(第一無機化合物層21)上に、上記塗工液を塗布して塗膜を形成した。このときd線(587.6nm)での塗膜の厚さは、4120nmであった。次に、熱処理を行い相分離を行なった後、酸処理で層の多孔質化を行うことにより第1層(第二無機化合物層22)を形成した。
(4)第3層(第三無機化合物層23)の形成工程
次に、第1層の表面について酸処理を行うことによって、第1層表面から約100nmまでの深さ範囲において第1層の多孔質化を部分的に進行させた。これにより、第1層上に第3層(第三無機化合物層23)を形成した。以上により、第2層(第一無機化合物層21)と第1層(第二無機化合物層22)と第3層(第三無機化合物層23)とからなる反射防止層20を有する光学素子4を得た。
(5)光学素子の評価
得られた光学素子について、以下に説明する方法により評価を行った。
(5−1)走査型透過電子顕微鏡観察による第1層の物理膜厚の評価
走査型透過電子顕微鏡により光学素子1を構成する反射防止層20の断面状態を観察した。その結果、第1層(第二無機化合物層22)の物理膜厚は4000nmであり、第3層(第三無機化合物層23)の物理膜厚は120nmであることが確認できた。
(5−2)第1層(第二無機化合物層22)の物理膜厚と反射防止性能との関係について
反射率測定器を用いて、本実施例にて作製した光学素子について、波長400nm乃至700nmにおける反射率を測定した。図13は、図4の光学素子の反射率特性を示すグラフである。図13に示されるように、波長400nm乃至700nmにおける反射率は、いずれも0.5%未満であった。従って、本実施例の良好な反射防止性能が確認できた。
(5−3)光学の各構成部材の屈折率
第1層(第二無機化合物層22)、第2層(第一無機化合物層21)及び第3層(第三無機化合物層23)の断面観察及び反射率測定結果より、各層(第二無機化合物層22、第三無機化合物層22)の屈折率を求めた。本実施例の光学素子4の各構成部材の物理膜厚及び屈折率を下記表5に示す。
Figure 2014035415
表5より、第1層(第二無機化合物層22)の屈折率は1.15であり、第2層(第一無機化合物層21)の屈折率は最大で1.46であり最小で1.15であり、基板から離れるに従って屈折率が減少する屈折率勾配を有していた。また第3層(第三無機化合物層23)の屈折率は1.07であった。
[実施例5]
以下、図5の光学素子5の製造方法について説明する。
(1)透明基材
本実施例では、透明基材10として、屈折率が1.545の透明ガラス基板を用いた。
(2)第2層(第一無機化合物層21)の形成工程
真空蒸着法により、透明基材10上に、屈折率が1.63である酸化アルミニュウム(Al23)を成膜してB1層21aを形成した。このときB1層21aの物理膜厚は165nmであった。
次に、真空蒸着法により、B1層21a上に、屈折率が1.38であるフッ化マグネシウム(MgF2)を成膜してB2層21bを形成した。このときB2層21bの物理膜厚は90nmであった。尚、B1層21aとB2層21bとからなる積層体は、第2層(第一無機化合物層21)として機能する。
(3)第1層(第二無機化合物層22)の形成工程
次に、実施例1(3)で使用した塗工液を用いて、スクリーン印刷法により、第2層(第一無機化合物層21)上に、上記塗工液を塗布して塗膜を形成した。このとき塗膜の厚さは、4150nmであった。次に、熱処理を行って塗膜を相分離させた後、酸処理で層の多孔質化を行うことにより第1層(第二無機化合物層22)を形成した。
(4)第3層(第三無機化合物層23)の形成工程
次に、第1層の表面について酸処理を行うことによって、第1層表面から約100nmまでの深さ範囲において第1層の多孔質化を部分的に進行させた。これにより、第1層上に第3層(第三無機化合物層23)を形成した。以上により、第2層(第一無機化合物層21)と第1層(第二無機化合物層22)と第3層(第三無機化合物層23)とからなる反射防止層20を有する光学素子5を得た。
(5)光学素子の評価
得られた光学素子について、以下に説明する方法により評価を行った。
(5−1)走査型透過電子顕微鏡観察による第1層の物理膜厚の評価
走査型透過電子顕微鏡により光学素子1を構成する反射防止層20の断面状態を観察した。その結果、第1層(第二無機化合物層22)の物理膜厚は4025nmであり、第3層(第三無機化合物層23)の物理膜厚は125nmであることが確認できた。
(5−2)第1層(第二無機化合物層22)の物理膜厚と反射防止性能との関係について
反射率測定器を用いて、本実施例にて作製した光学素子について、波長400nm乃至700nmにおける反射率を測定した。図14は、図5の光学素子の反射率特性を示すグラフである。図14に示されるように、波長400nm乃至700nmにおける反射率は、いずれも1.5%未満(0度反射:0.5%未満、45度反射:1.3%以下)であった。従って、本実施例の良好な反射防止性能が確認できた。
(5−3)光学の各構成部材の屈折率
第1層(第二無機化合物層22)、第2層(第一無機化合物層21)及び第3層(第三無機化合物層23)の断面観察及び反射率測定結果より、各層(第二無機化合物層22、第三無機化合物層22)の屈折率を求めた。本実施例の光学素子5の各構成部材の物理膜厚及び屈折率を下記表6に示す。
Figure 2014035415
表6より、第1層(第二無機化合物層22)の屈折率は1.15であり、第3層(第三無機化合物層23)の屈折率は1.07であった。
[実施例6]
以下、図6の光学素子6の製造方法について説明する。
(1)透明基材
本実施例では、透明基材10として、屈折率が1.545の透明ガラス基板を用いた。
(2)第2層(第一無機化合物層21)の形成工程
スクリーン印刷法により、透明基材10上に、実施例1(3)で使用した塗工液を塗布した。尚、塗工液を塗布する際に、塗工液中に含まれるガラスペーストの濃度を適宜調整することにより、塗膜の厚み高さ方向で分相する状態が変わり、熱処理後酸処理を行ったときに厚み高さ方向で層内の多孔質の割合が変化するようにした。ここで第2層(第一無機化合物層21)の物理膜厚は、250nmであった。
(3)第1層(第二無機化合物層22)の形成工程
スクリーン印刷法により、第2層(第一無機化合物層21)上に、実施例1(3)で使用した塗工液を塗布して塗膜を形成した。このとき塗膜の厚さは、2000nmであった。次に、熱処理を行って塗膜を相分離させた後、酸処理で層の多孔質化を行うことにより第1層(第二無機化合物層22)を形成した。以上により、第2層(第一無機化合物層21)と第1層(第二無機化合物層22)とからなる反射防止層20を有する光学素子6を得た。
(4)光学素子の評価
得られた光学素子について、以下に説明する方法により評価を行った。
(4−1)走査型透過電子顕微鏡観察による第1層の物理膜厚の評価
走査型透過電子顕微鏡により光学素子6を構成する反射防止層20の断面状態を観察した。その結果、第1層(第二無機化合物層22)の物理膜厚は2000nmであり、第2層(第一無機化合物層21)の物理膜厚は250nmであることが確認できた。
(4−2)第1層(第二無機化合物層22)の物理膜厚と反射防止性能との関係について
第1層(第二無機化合物層22)の膜厚バラツキによる特性、即ち、第1層(第二無機化合物層22)の物理膜厚と反射防止性能との関係を考察するために、第1層の物理膜厚を変えた光学素子(1000nm)も同様に作製した。次に、反射率測定器を用いて、第1層の物理膜厚がそれぞれ異なる三種類の光学素子について、波長400nm乃至700nmにおける反射率を測定した。
図15は、図6の光学素子の反射率特性を示すグラフであり、(a)は、第1層(第二無機化合物層22)の膜厚に対する反射特性を示すグラフであり、(b)は、光の入射角が0度及び45度の光に対する反射特性を示すグラフである。図15(a)に示されるように、第1層の物理膜厚がそれぞれ異なる二種類の光学素子において、波長400nm乃至700nmにおける反射率は、平均にして0.9%(1000nm:0.9%±0.4%、2000nm:0.9%±0.2%)であった。ここで図14(a)に示されるように、第1層(第二無機化合物層22)の膜厚を2000nmに設定する方が、第1層(第二無機化合物層22)が有する反射防止特性についてバラツキが小さく、膜厚の敏感度が低いことが示された。
また図15(b)に示されるように、波長400nm乃至700nmにおける反射率の平均は、0度反射及び45度反射においても1.5%未満(0度反射:0.9%、45度反射:1.3%)である。このため、第1層(第二無機化合物層22)が波長依存性の少ない、ほぼ均一で良好な反射防止性能を有する層であることが確認できた。
(4−3)光学の各構成部材の屈折率
第1層(第二無機化合物層22)及び第2層(第一無機化合物層21)の断面観察及び反射率測定結果より、第1層(第二無機化合物層22)及び第2層(第一無機化合物層21)の屈折率を求めた。ここで本実施例の光学素子6の各構成部材の物理膜厚及び屈折率を下記表7に示す。
Figure 2014035415
表7より、第1層(第二無機化合物層22)の屈折率は1.2であり、第2層(第一無機化合物層21)の屈折率は最大で1.54であり最小で1.2であり、基板から離れるに従って屈折率が減少する屈折率勾配を有していた。
1:(2、3、4、5、6):光学素子、10:透明基材、20:反射防止層、21:第一無機化合物層(第2層)、22:第二無機化合物層(第1層)、23:第三無機化合物層(第3層)

Claims (11)

  1. 透明基板上に設けられる第1層と、前記透明基板と前記第1層との間に設けられる第2層と、から構成され、
    前記第1層の屈折率が均一であり、
    前記第1層の物理膜厚が、使用される光の中心波長の4倍以上であり、
    前記第1層の屈折率が、前記第2層の屈折率よりも低いことを特徴とする、光学素子。
  2. 前記第1層の物理膜厚が、2000nm乃至20000nmの範囲にあることを特徴とする、請求項1記載の光学素子。
  3. 前記第2層の屈折率が均一であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の光学素子。
  4. 前記第2層が、層内に屈折率勾配を有する層であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の光学素子。
  5. 前記第2層の屈折率の範囲が1.15乃至1.46であり、
    前記第2層の物理膜厚が、使用される光の中心波長の3倍以上であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光学素子。
  6. 前記第1層の表面が、多孔質であることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光学素子。
  7. 前記第1層の上に第3層がさらに設けられており、
    前記第3層の屈折率が前記第1層よりも低いことを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光学素子。
  8. 前記第3層が、前記第1層の表面を多孔質化してなる層であることを特徴とする、請求項7に記載の光学素子。
  9. 前記第1層が、無機材料からなる層であることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の光学素子。
  10. 前記第1層が、相分離ガラスからなる層であることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の光学素子。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の光学素子と、撮像素子と、を有することを特徴とする、光学装置。
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