JP2014035400A - ズームレンズ、光学装置、ズームレンズの製造方法 - Google Patents

ズームレンズ、光学装置、ズームレンズの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】小型でありながら諸収差を良好に補正した高い結像性能を有するズームレンズと、これを有する光学装置、およびズームレンズの製造方法を提供すること。
【解決手段】物体側より順に、負屈折力の第1レンズ群(G1)と、正屈折力の第2レンズ群(G2)を有し、広角端状態(a)から望遠端状態(c)への変倍時、前記第1レンズ群(G1)と前記第2レンズ群(G2)の間隔が変化し、前記第1レンズ群(G1)は、物体側より順に、像面側に凹面を向けた負メニスカスレンズ(L1)と、負レンズ(L2)と正レンズ(L3)との正接合レンズを有し、前記正接合レンズの接合面は像面側に凹形状からなり、所定の条件を満足することを特徴とするズームレンズ。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体撮像素子を有する小型カメラ等に好適なズームレンズと、これを有する光学装置、およびズームレンズの製造方法に関する。
従来、固体撮像素子を有する小型カメラ等に好適な負レンズ先行のズームレンズが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2010−250233号公報
従来の負正構成の2群ズームレンズでは、諸収差を良好に補正し高い結像性能と小型化を達成することが困難であった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、小型でありながら諸収差を良好に補正した高い結像性能を有するズームレンズと、これを有する光学装置、およびズームレンズの製造方法を提供する。
上記課題を解決するため、本発明は、
物体側より順に、負屈折力の第1レンズ群と、正屈折力の第2レンズ群を有し、
広角端状態から望遠端状態への変倍時、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間隔が変化し、
前記第1レンズ群は、物体側より順に、像面側に凹面を向けた負メニスカスレンズと、負レンズと正レンズとの正接合レンズを有し、
前記正接合レンズの接合面は、像面側に凹形状であり、
以下の条件を満足することを特徴とするズームレンズを提供する。
0.70 < ft×Z / TLmax < 1.90
但し、ftは望遠端状態における前記ズームレンズの焦点距離、Zは変倍比、TLmaxは無限遠合焦時の、広角端状態の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離と望遠端状態の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離のうち長い方の距離である。
また、本発明は、前記ズームレンズを具備することを特徴とする光学装置を提供する。
また、本発明は、
物体側より順に、負屈折力の第1レンズ群と、正屈折力の第2レンズ群を有するズームレンズの製造方法であって、
前記第1レンズ群は、物体側より順に、像面側に凹面を向けた負メニスカスレンズと、負レンズと正レンズとの正接合レンズを有するようにし、
前記正接合レンズの接合面は、像面側に凸形状になるようにし、
以下の条件を満足するようにし、
広角端状態から望遠端状態への変倍時、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間隔が変化するようにすることを特徴とするズームレンズの製造方法を提供する。
0.70 < ft×Z / TLmax < 1.90
但し、ftは望遠端状態における前記ズームレンズの焦点距離、Zは変倍比、TLmaxは無限遠合焦時の、広角端状態の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離と望遠端状態の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離のうち長い方の距離である。
本発明によれば、小型でありながら諸収差を良好に補正した高い結像性能を有するズームレンズと、これを有する光学装置、およびズームレンズの製造方法を提供することができる。
本願の第1実施例に係るズームレンズのレンズ構成を示す断面図であり、(a)は広角端状態を、(b)は中間焦点距離状態を、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。 本願の第1実施例に係るズームレンズの無限遠合焦時の諸収差図を示し、(a)は広角端状態を、(b)は中間焦点距離状態を、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。 本願の第2実施例に係るズームレンズのレンズ構成を示す断面図であり、(a)は広角端状態を、(b)は中間焦点距離状態を、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。 本願の第2実施例に係るズームレンズの無限遠合焦時の諸収差図を示し、(a)は広角端状態を、(b)は中間焦点距離状態を、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。 本願の第3実施例に係るズームレンズのレンズ構成を示す断面図であり、(a)は広角端状態を、(b)は中間焦点距離状態を、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。 本願の第3実施例に係るズームレンズの無限遠合焦時の諸収差図を示し、(a)は広角端状態を、(b)は中間焦点距離状態を、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。 本願のズームレンズを搭載したカメラの一例を示す。 本願のズームレンズの製造方法を示すフローチャートである。
以下、本願の実施形態にかかるズームレンズ、光学装置、およびズームレンズの製造方法について説明する。なお、以下の実施の形態は、発明の理解を容易にするためのものに過ぎず、本願発明の技術的思想を逸脱しない範囲において当業者により実施可能な付加・置換等を施すことを排除することは意図していない。
本願のズームレンズは、物体側より順に、負屈折力の第1レンズ群と、正屈折力の第2レンズ群を有し、広角端状態から望遠端状態への変倍時、第1レンズ群と第2レンズ群の間隔が変化する構成である。この構成により、本願のズームレンズは射出瞳位置を像面から十分に遠くに離すことができる。
また、本願のズームレンズでは、第1レンズ群は、物体側より順に、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズと、負レンズと正レンズとの正接合レンズを有し、この正接合レンズの接合面は像面側に凹形状である。この構成により、本願のズームレンズは、射出瞳を物体側へ変位させるために第1レンズ群内の負の屈折力を十分に保ちながら、かつ最も物体側に配置された負メニスカスレンズで変倍により発生する倍率色収差を抑えるために、負メニスカスレンズの像面側に負レンズを配置することが好ましい。特に第1レンズ群の簡素化と小型化を達成するためには、上記のように第1レンズ群を、物体側から順に、像面側に凹面を向けた負メニスカスレンズと、負レンズと正レンズとの貼り合わせからなる正接合レンズとから構成するのが望ましい。
本願のズームレンズでは、第1レンズ群内を上記構成にすることで、諸収差を良好に補正しながら小型化を達成できる。また、第1レンズ群を負メニスカスレンズと正接合レンズの二つのレンズで構成でき、製造時のレンズ位置誤差に基づく光学性能の劣化を抑えることができる。
また、本願のズームレンズは、以下の条件式(1)を満足する。
(1) 0.70 < ft×Z / TLmax < 1.90
但し、ftは望遠端状態におけるズームレンズの焦点距離、Zは変倍比、TLmaxは無限遠合焦時の、広角端状態の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離と望遠端状態の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離のうち長い方の距離である。
条件式(1)は、望遠端状態での焦点距離と無限遠合焦時の、広角端状態の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離とズーム比の積と、望遠端状態の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離のうち長い方の距離(最大全長)の比により、光学系全体の大きさを規定するものである。条件式(1)を満足することで、小型でありながらコマ収差、歪曲収差等の諸収差を良好に補正した小型で高い結像性能を有するズームレンズを達成することができる。
条件式(1)の上限値を超えると、ズーム比を得るために第2レンズ群の移動量が増大し、望遠端状態で第1レンズ群と第2レンズ群間の距離が保てなくなる。両群間の距離を確保しようとすると第1レンズ群と第2レンズ群との距離を大きくする必要があり、結果として小型化が困難になる。また必要以上に第2レンズ群の焦点距離が大きくなり、ズームレンズの小型化が困難になる。小型化しようとすると第1レンズ群の屈折力が大きくなり、軸外のコマ収差や歪曲収差を良好に補正することが困難になり好ましくない。
条件式(1)の下限値を超えると、第2レンズ群の焦点距離が小さくなるため、球面収差やコマ収差の良好な補正が難しくなり好ましくない。また、第2レンズ群内の各レンズの曲率半径が小さくなり変倍によるコマ収差の変動が増え、軸外収差の良好な補正が困難となるので好ましくない。
なお、本願の効果を確実にするために、条件式(1)の上限値を1.60にすることが好ましい。また、さらに効果を確実にするために、上限値を1.45とすることが好ましい。また、本願の効果を確実にするために、条件式(1)の下限値を0.75にすることが好ましい。また、さらに効果を確実にするために、下限値を0.80とすることが好ましい。
また、本願のズームレンズは、以下の条件式(2)を満足することが望ましい。
(2) 1.00 < (−f1) / S1 < 3.00
但し、f1は第1レンズ群の焦点距離、S1は第1レンズ群の、最も物体側のレンズ面から最も像面側のレンズ面までの光軸上の距離である。
条件式(2)は、第1レンズ群の総厚(第1レンズ群の、最も物体側のレンズ面から最も像面側のレンズ面までの光軸上の距離)の適切な範囲を規定したものである。条件式(2)を満足することで、球面収差等の諸収差を良好に補正した小型で高い結像性能を有するズームレンズを達成できる。
条件式(2)の上限値を超えると、変倍の時の第1レンズ群の移動量が大きくなり小型化が達成できないので好ましくない。小型化しようとすると球面収差等の諸収差を良好に補正することが困難となるので好ましくない。
条件式(2)の下限値を超えると、第1レンズ群の総厚が大きすぎ、レンズ収納時に小型化ができないため好ましくない。また、小型化しようとすると球面収差等の諸収差を良好に補正することが困難となるので好ましくない。
なお、本願の効果を確実にするために、条件式(2)の上限値を2.70にすることが好ましい。また、さらに効果を確実にするために、上限値を2.45とすることが好ましい。また、本願の効果を確実にするために、条件式(2)の下限値を1.30にすることが好ましい。また、さらに効果を確実にするために、上限値を1.45とすることが好ましい。
また、本願のズームレンズは、以下の条件式(3)を満足することが望ましい。
(3) 0.50 < f2 / ft < 0.85
但し、f2は前記第2レンズ群の焦点距離、ftは望遠端状態における前記ズームレンズの焦点距離である。
条件式(3)は、第2レンズ群の焦点距離を望遠端状態の焦点距離で規定したのもである。条件式(3)を満足することで、球面収差、コマ収差等の諸収差を良好に補正した小型で高い結像性能を有するズームレンズを達成できる。
条件式(3)の上限値を超えると、第2レンズ群の焦点距離が長くなって屈折力が小さくなるため、ズーム比を得るために第2レンズ群の移動量が大きくなり、バックフォーカスも長くなるため、結果として全系が大型化してしまうので好ましくない。小型化しようとすると、球面収差等の諸収差を良好に補正することが困難になるので好ましくない。
条件式(3)の下限値を超えると、第2レンズ群の焦点距離が短くなって屈折力が大きくなるため、球面収差、コマ収差、非点収差を良好に補正することが困難になるので好ましくない。
なお、本願の効果を確実にするために、条件式(3)の上限値を0.80にすることが好ましい。また、さらに効果を確実にするために、上限値を0.75とすることが好ましい。また、本願の効果を確実にするために、条件式(3)の下限値を0.53にすることが好ましい。また、さらに効果を確実にするために、下限値を0.56とすることが好ましい。
また、本願のズームレンズは、以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
(4) 1.00 < (−f1) / fw < 2.00
但し、f1は前記第1レンズ群の焦点距離、fwは広角端状態における前記ズームレンズの焦点距離である。
条件式(4)は、第1レンズ群の焦点距離を広角端状態の焦点距離で規定したのもである。条件式(4)を満足することで、像面湾曲、球面収差等の諸収差を良好に補正した小型で高い結像性能を有するズームレンズを達成できる。
条件式(4)の上限値を超えると、ズームレンズの全長及び直径が大型化して好ましくない。小型化しようとすると、像面湾曲の変動が増すため好ましくない。
条件式(4)の下限値を超えると、バックフォーカスが短くなり、望遠端状態において結像性能が劣化し、特に球面収差を良好に補正することが困難となるので好ましくない。
なお、本願の効果を確実にするために、条件式(4)の上限値を1.95にすることが好ましい。さらに効果を確実にするために、上限値を1.90とすることが好ましい。また、本願の効果を確実にするために、条件式(4)の下限値を1.20にすることが好ましい。さらに効果を確実にするために、下限値を1.40とすることが好ましい。
また、本願のズームレンズは、以下の条件式(5)を満足することが望ましい。
(5) −0.50 < (TLw−TLt)/(fw×ft)1/2 < 0.50
但し、TLwは広角端状態における無限遠合焦時の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離、TLtは望遠端状態における無限遠合焦時の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離、fwは広角端状態における前記ズームレンズの焦点距離、ftは望遠端状態における前記ズームレンズの焦点距離である。
条件式(5)は、ズームレンズの小型化に関する条件であり、広角端状態から望遠端状態に至る第1レンズ群の軌道の状態を、中間焦点距離で規定したものである。条件式(5)を満足することで、像面湾曲、歪曲収差、球面収差等の諸収差を良好に補正した小型で高い結像性能を有するズームレンズを達成できる。
条件式(5)の上限値を超えると、焦点距離の変化に対して第1レンズ群の移動量が大きくなり、全系が大型化してしまうので好ましくない。また、変倍による収差の変動が大きくなるため、像面湾曲や歪曲収差を良好に補正することが困難になるので好ましくない。
条件式(5)の下限値を超えると、各レンズ群の屈折力が大きくなり、球面収差をはじめとする諸収差の補正が困難となるので好ましくない。または、十分な画角をとることができずズーム比が確保できなくなるので好ましくない。また全長が短かすぎて射出瞳が像面側に変位し、像面における光のケラレ、いわゆるシェーディングをひきおこしてしまうので好ましくない。
なお、本願の効果を確実にするために、条件式(5)の上限値を0.46にすることが好ましい。また、さらに効果を確実にするために、上限値を0.42とすることが好ましい。また、本願の効果を確実にするために、条件式(5)の下限値を−0.25にすることが好ましい。また、さらに効果を確実にするために、下限値を−0.10とすることが好ましい。
また、本願のズームレンズでは、第2レンズ群は以下の条件式(6)を満足する負レンズを少なくとも一つ有することが望ましい。
(6) 1.810 < ndLi
但し、ndLiは前記負レンズのd線(波長λ=587.6nm)に対する屈折率である。
条件式(6)は、第2レンズ群に含まれる少なくとも一つの負レンズのd線(λ=587.6nm)に対する屈折率を規定するものである。条件式(6)を満足することで、第2レンズ群の曲率半径を大きくすることができるので高次の収差を押さえることができ、小型で像面湾曲等の諸収差を良好に補正した高い結像性能を有するズームレンズを達成することができる。
条件式(6)の下限値を超えると、この負レンズのレンズ面の曲率半径が小さくなりすぎ高次の収差が増大してしまうので好ましくない。またペッツバール和の補正が難しくなり、広角端状態での像面湾曲が悪化するので好ましくない。
なお、条件式(6)の下限値を1.820に設定するとペッツバール和が上がり、本願の効果を発揮することができる。また、さらに条件式(6)の下限値を1.900に設定するとペッツバール和が上がり、本発明の効果を最大限に発揮することができる。
また、本願のズームレンズは、以下の条件式(7)を満足することが望ましい。
(7) 53.00 < νdn
但し、νdnは前記正接合レンズ中の前記負レンズのd線(λ=587.6nm)に対するアッベ数である。
条件式(7)は、前記第1レンズ群内の正接合レンズに含まれる、負レンズのd線(λ=587.6nm)に対するアッベ数に関して適切な範囲を規定したものである。条件式(7)の範囲を満たすことで、軸上色収差等の補正を良好に行なうことができ、小型で諸収差を良好に補正した高い結像性能を有するズームレンズを達成することができる。
なお、条件式(7)の下限値を60.00に設定するとペッツバール和が上がり、本願の効果を発揮することができる。また、さらに条件式(7)の下限値を72.00に設定するとペッツバール和が上がり、本発明の効果を最大限に発揮することができる。
また、本願のズームレンズでは、第2レンズ群は、三つのレンズ成分からなることが望ましい。第2レンズ群を3つのレンズ成分から構成することで、少ない構成枚数でありながら球面収差やコマ収差を良好の補正ができ、小型化を達成できる。なお、レンズ成分とは、単レンズまたは接合レンズのことを言う。
また、本願のズームレンズでは、上記三つのレンズ成分のうち二つは、接合レンズであることが望ましい、これにより、少ない構成枚数でありながら、軸上色収差や倍率色収差を良好に補正することができる。
次に、後述する本願の第1実施例に係るズームレンズを備えたカメラを図7に基づいて説明する。
カメラ1は、図7に示すように撮影レンズ2として後述する本願の第1実施例に係るズームレンズを備えたレンズ交換式の所謂ミラーレスカメラである。
本カメラ1において、不図示の物体(被写体)からの光は、撮影レンズ2で集光されて、撮影レンズ2内のLPF(Optical low pass filter:光学ローパスフィルタ)を介して撮像部3の撮像面上に被写体像を形成する。そして、撮像部3に設けられた光電変換素子により被写体像が光電変換されて被写体の画像が生成される。この画像は、カメラ1に設けられたEVF(Electronic view finder:電子ビューファインダ)4に表示される。これにより撮影者は、EVF4を介して被写体を観察することができる。
また、撮影者によって不図示のレリーズボタンが押されると、撮像部3により光電変換された画像が不図示のメモリに記憶される。このようにして、撮影者は本カメラ1による被写体の撮影を行うことができる。
ここで、本カメラ1に撮影レンズ2として搭載した後述する第1実施例に係るズームレンズは、小型でありながら諸収差を良好に補正した高い結像性能を有するズームレンズである。従って、本カメラ1は小型化と高い結像性能を実現することができる。なお、後述する第2、第3実施例に係るズームレンズを撮影レンズ2として搭載したカメラを構成しても上記カメラ1と同様の効果を奏することができる。また、本実施形態では、ミラーレスカメラの例を説明したが、カメラ本体にクイックリターンミラーを有しファインダー光学系により被写体を観察する一眼レフタイプのカメラに後述する各実施例に係るズームレンズを搭載した場合でも、上記カメラ1と同様の効果を奏することができる。
次に、本願のズームレンズの製造方法について図8に基づいて説明する。
図8に示すズームレンズの製造方法は、物体側から順に、正屈折力の第2レンズ群を有するズームレンズの製造方法であって、以下のステップS1〜S4を含むものである。
(ステップS1)
第1レンズ群は、物体側より順に、像面側に凹面を向けた負メニスカスレンズと、負レンズと正レンズとの正接合レンズを有するようにする。
(ステップS2)
正接合レンズの接合面は像面側に凸形状になるようにする。
(ステップS3)
第1レンズ群と第2レンズ群は、以下の条件式(1)を満足するようにする。
0.70 < ft×Z / TLmax < 1.90
但し、
ft :望遠端状態における前記ズームレンズの焦点距離
Z :変倍比
TLmax :無限遠合焦時の、広角端状態の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離と望遠端状態の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離のうち長い方の距離
(ステップS4)
第1レンズ群と第2レンズ群を鏡筒内に物体側から順に配置し、公知の移動機構を設けることにより、広角端状態から望遠端状態への変倍の際、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が変化するようにする。
斯かる本願のズームレンズの製造方法によれば、変倍時の収差変動を抑え、広角端状態から望遠端状態にわたって高い結像性能を有する小型のズームレンズを製造することができる。
(実施例)
以下、本願の数値実施例に係るズームレンズを添付図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
図1は本願の第1実施例に係るズームレンズのレンズ構成を示す断面図であり、(a)は広角端状態を、(b)は中間焦点距離状態を、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
本実施例に係るズームレンズは、物体側より順に、負屈折力の第1レンズ群G1と、正屈折力の第2レンズ群G2とで構成されている。
第1レンズ群G1は、物体側より順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1と、両凹形状の負レンズL2と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL3との正接合レンズL23とからなる。即ち、第1レンズ群G1は二つのレンズ成分からなる。
第2レンズ群G2は、物体側より順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL4と、両凸形状の正レンズL5と両凹形状の負レンズL6との接合レンズL56と、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL7と両凸形状の正レンズL8との接合レンズL78とからなる。即ち、第2レンズ群G2は三つのレンズ成分からなる。
本実施例に係るズームレンズにおいて、第2レンズ群G2中の正メニスカスレンズL4と正レンズL5との間には、開口絞りSが配置されている。第2レンズ群G2と像面Iとの間には、ローパスフィルタLPFが配置されている。ローパスフィルタLPFは、像面Iに配設されるCCD等の固体撮像素子の限界解像以上の空間周波数をカットするためのものである。
本実施例に係るズームレンズは、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が変化するように、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2とを光軸方向へ移動させることにより、広角端状態から望遠端状態への変倍を行う。このとき、ローパスフィルタLPFは光軸方向の位置が固定である。
本実施例に係るズームレンズは、第1レンズ群G1全体を合焦レンズ群として光軸方向へ移動させることにより、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う。
以下の表1に、本実施例に係るズームレンズの諸元の値を掲げる。表1において、fは焦点距離、BFはバックフォーカス(最も像面側のレンズ面から像面Iまでの光軸上の距離)を示す。[面データ]において、面番号は物体側から数えた光学面の順番、rは曲率半径、dは面間隔(第n面(nは整数)と第n+1面との間隔)、ndはd線(λ=587.6nm)に対する屈折率、νdはd線(λ=587.6nm)に対するアッベ数をそれぞれ示している。また、物面は物体面、可変は可変の面間隔、絞りSは開口絞りS、像面は像面Iをそれぞれ示している。なお、曲率半径r=∞は平面を示している。また、非球面には面番号に*を付して曲率半径rの欄には近軸曲率半径を示している。
[非球面データ]には、[面データ]に示した非球面について、その形状を次式で表した場合の非球面係数及び円錐定数を示す。
X(y)=y/[r・{1+(1−κ・y/r1/2}]
+A4・y+A6・y+A8・y+A10・y10
ここで、yを光軸に垂直な方向の高さ、X(y)を高さyにおける非球面の頂点の接平面から当該非球面までの光軸方向に沿った距離(サグ量)、κを円錐定数、A4,A6,A8,A10を非球面係数、rを基準球面の曲率半径(近軸曲率半径)とする。なお、「E−n」(nは整数)は「×10−n」を示し、例えば「1.234E-05」は「1.234×10−5」を示す。2次の非球面係数A2は0であり、記載を省略している。
[各種データ]において、FNOはFナンバー、2ωは画角(単位は「°」)、Yは像高、TLはズームレンズの全長(第1面から像面Iまでの光軸上の距離)、空気換算TLはズームレンズの全長の空気換算値、空気換算BFはバックフォーカスの空気換算値、dnは第n面と第n+1面との可変の間隔をそれぞれ示す。なお、Wは広角端状態、Mは中間焦点距離状態、Tは望遠端状態をそれぞれ示す。
ここで、表1に掲載されている焦点距離f、曲率半径r及びその他の長さの単位は一般に「mm」が使われる。しかしながら光学系は、比例拡大又は比例縮小しても同等の光学性能が得られるため、これに限られるものではない。なお、以上に述べた表1の符号は、後述する各実施例の表においても同様に用いるものとする。
(表1)第1実施例
[面データ]
面番号 r d nd νd
物面 ∞
1 30.0962 1.248 1.75520 27.51
*2 9.1545 5.000 1.00000
3 -36.7473 1.000 1.45600 91.21
4 12.2261 3.000 1.80610 33.27
5 161.9256 可変 1.00000
*6 15.4078 2.922 1.61272 58.75
7 181.7372 1.000 1.00000
8(絞りS) ∞ 1.000 1.00000
9 16.8222 2.500 1.83400 37.16
10 -17.6687 1.000 1.68893 31.07
11 12.3216 0.578 1.00000
12 42.2653 1.500 1.74950 35.28
13 8.1000 3.000 1.48749 70.40
14 -17.3520 可変 1.00000
15 ∞ 2.790 1.51680 64.20
16 ∞ 2.110 1.00000
像面 ∞

[非球面データ]
面番号 κ A4 A6 A8 A10
2 0.9321 -9.72069E-06 -6.44591E-07 1.34440E-08 -2.12354E-10
6 -0.6215 -1.66386E-05 -2.04213E-07 9.88711E-09 -3.31447E-10

[各種データ]
変倍比 2.04

W M T
f 13.20 18.00 27.00
FNO 3.62 4.42 5.42
2ω 65.4° 48.9° 33.2°
Y 8.0 8.0 8.0
TL 63.8451 58.2455 56.6395
空気換算TL 62.8945 57.2949 55.6889
BF 21.2691 24.9494 31.8499
空気換算BF 20.3185 23.9988 30.8993

W M T
d5 18.8280 9.5481 1.0416
d14 16.3691 20.0494 26.9499

[レンズ群データ]
群 始面 f
1 1 -24.48
2 6 18.77

[条件式対応値]
(1) ft×Z/TLmax = 0.87
(2) (−f1)/S1 = 2.39
(3) f2/ft = 0.70
(4) (−f1)/fw = 1.85
(5) (TLw−TLt)/(fw×ft)1/2 = 0.38
(7) νdn = 91.21
図2は本願の第1実施例に係るズームレンズの無限遠合焦時の諸収差図を示し、(a)は広角端状態を、(b)は中間焦点距離状態を、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
各収差図において、FNOはFナンバー、Yは像高をそれぞれ示す。球面収差図では最大口径に対応するFナンバーを示し、非点収差図及び歪曲収差図では像高の最大値を示し、コマ収差図では各像高の値を示す。dはd線(λ=587.6nm)、gはg線(λ=435.8nm)における収差をそれぞれ示す。非点収差図において、実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面をそれぞれ示す。なお、後述する各実施例の収差図においても、本実施例と同様の符号を用いる。
各収差図より、本実施例に係るズームレンズは、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
(第2実施例)
図3は本願の第2実施例に係るズームレンズのレンズ構成を示す断面図であり、(a)は広角端状態を、(b)は中間焦点距離状態を、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
本実施例に係るズームレンズは、物体側より順に、負屈折力の第1レンズ群G1と、正屈折力の第2レンズ群G2とで構成されている。
第1レンズ群G1は、物体側より順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL2と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL3との正接合レンズL23とからなる。即ち、第1レンズ群G1は二つのレンズ成分からなる。
第2レンズ群G2は、物体側より順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL4と、両凸形状の正レンズL5と両凹形状の負レンズL6と両凸形状の正レンズL7との接合レンズL567と、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL8と両凸形状の正レンズL9との接合レンズL89とからなる。即ち、第2レンズ群G2は三つのレンズ成分からなる。
本実施例に係るズームレンズにおいて、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間には、開口絞りSが配置されている。第2レンズ群G2と像面Iとの間には、ローパスフィルタLPFが配置されている。
本実施例に係るズームレンズは、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が変化するように、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2とを光軸方向へ移動させることにより、広角端状態から望遠端状態への変倍を行う。このとき、開口絞りSは第2レンズ群G2とともに光軸方向へ移動し、ローパスフィルタLPFは光軸方向の位置が固定である。
本実施例に係るズームレンズは、第1レンズ群G1全体を合焦レンズ群として光軸方向へ移動させることにより、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う。
以下の表2に、本実施例に係るズームレンズの諸元の値を掲げる。
(表2)第2実施例
[面データ]
面番号 r d nd νd
物面 ∞
1 49.6532 1.100 1.85135 40.10
*2 7.5514 4.350 1.00000
3 99.1117 0.800 1.49782 82.57
4 10.9350 3.000 1.90265 35.73
5 58.1511 可変 1.00000
6(絞りS) ∞ 1.000 1.00000
7 15.0000 1.314 1.90366 31.27
8 37.2654 0.375 1.00000
9 13.3283 1.753 1.64000 60.20
10 -27.9642 1.000 1.95000 29.37
11 18.6774 1.466 1.49782 82.57
12 -52.0470 3.177 1.00000
13 46.2917 1.000 1.81600 46.59
14 7.6982 1.960 1.58313 59.53
*15 -69.3368 可変 1.00000
16 ∞ 2.790 1.51680 64.12
17 ∞ 2.110 1.00000
像面 ∞

[非球面データ]
面番号 κ A4 A6 A8 A10
2 0.5051 1.19515E-05 -1.56149E-07 7.53879E-09 -1.30476E-10
15 -5.3508 2.18774E-04 -2.69124E-06 5.48276E-07 -1.60877E-08

[各種データ]
変倍比 2.48

W M T
f 11.30 18.00 28.00
FNO 3.63 4.60 5.93
2ω 74.1° 48.5° 31.9°
Y 8.0 8.0 8.0
TL 59.6748 56.3445 60.1895
空気換算TL 58.7242 55.3939 59.2389
BF 20.0976 26.6704 36.4806
空気換算BF 19.1470 25.7198 35.5300

W M T
d5 17.2822 7.3791 1.4140
d15 15.1976 21.7704 31.5806

[レンズ群データ]
群 始面 f
1 1 -17.51
2 7 17.17

[条件式対応値]
(1) ft×Z/TLmax = 1.15
(2) (−f1)/S1 = 1.89
(3) f2/ft = 0.61
(4) (−f1)/fw = 1.55
(5) (TLw−TLt)/(fw×ft)1/2= -0.03
(6) ndLi = 1.950(L6)
ndLi = 1.816(L8)
(7) νdn = 82.57
図4は本願の第2実施例に係るズームレンズの無限遠合焦時の諸収差図を示し、(a)は広角端状態を、(b)は中間焦点距離状態を、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
各収差図より、本実施例に係るズームレンズは、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
(第3実施例)
図5は本願の第3実施例に係るズームレンズのレンズ構成を示す断面図であり、(a)は広角端状態を、(b)は中間焦点距離状態を、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
本実施例に係るズームレンズは、物体側より順に、負屈折力の第1レンズ群G1と、正屈折力の第2レンズ群G2とで構成されている。
第1レンズ群G1は、物体側より順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL2と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL3との正接合レンズL23とからなる。即ち、第1レンズ群G1は二つのレンズ成分からなる。
第2レンズ群G2は、物体側より順に、両凸形状の正レンズL4と、両凸形状の正レンズL5と両凹形状の負レンズL6との接合レンズL56と、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL7と両凸形状の正レンズL8との接合レンズL78とからなる。即ち、第2レンズ群G2は三つのレンズ成分からなる。
本実施例に係るズームレンズにおいて、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間には、開口絞りSが配置されている。第2レンズ群G2と像面Iとの間には、ローパスフィルタLPFが配置されている。
本実施例に係るズームレンズは、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が変化するように、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2とを光軸方向へ移動させることにより、広角端状態から望遠端状態への変倍を行う。このとき、開口絞りSは第2レンズ群G2とともに光軸方向へ移動し、ローパスフィルタLPFは光軸方向の位置が固定である。
本実施例に係るズームレンズは、第1レンズ群G1全体を合焦レンズ群として光軸方向へ移動させることにより、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う。
以下の表3に、本実施例に係るズームレンズの諸元の値を掲げる。
(表3)第3実施例
[面データ]
面番号 r d nd νd
物面 ∞
1 48.7180 1.1000 1.85135 40.10
*2 7.4194 5.3196 1.00000
3 66.7623 0.8000 1.57957 53.71
4 10.2257 3.2346 1.80610 33.27
5 119.5589 可変 1.00000
6(絞りS) ∞ 1.0000 1.00000
7 13.1802 2.2476 1.60300 65.46
8 -97.5145 0.1000 1.00000
9 14.2043 4.6303 1.61272 58.73
10 -12.1342 3.5026 1.88300 40.76
11 9.7129 0.6481 1.00000
12 13.8990 0.8000 2.00330 28.27
13 8.5356 2.6279 1.57957 53.71
14 -15.8589 可変 1.00000
15 ∞ 2.7900 1.51680 64.20
16 ∞ 2.1100 1.00000
像面 ∞

[非球面データ]
面番号 κ A4 A6 A8 A10
2 0.0486 1.31430E-04 1.48940E-08 1.41810E-08 -7.96720E-11

[各種データ]
変倍比 2.87

W M T
f 9.86 17.00 28.30
FNO 3.63 4.41 5.41
2ω 69.3° 49.7° 33.2°
Y 8.2 8.2 8.2
TL 65.0000 59.9981 65.0000
空気換算TL 64.0494 59.0475 64.0494
BF 18.5562 26.0811 37.9894
空気換算BF 17.6056 25.1305 37.0388

W M T
d5 20.4332 7.9064 1.0000
d14 13.6562 21.1811 33.0894

[レンズ群データ]
群 始面 f
1 1 -16.70
2 7 17.60

[条件式対応値]
(1) ft×Z/TLmax = 1.25
(2) (−f1)/S1 = 1.60
(3) f2/ft = 0.62
(4) (−f1)/fw = 1.69
(5) (TLw−TLt)/(fw×ft)1/2= 0.00
(6) ndLi = 1.883(L6)
ndLi = 2.003(L7)
(7) νdn = 53.71
図6は本願の第3実施例に係るズームレンズの無限遠合焦時の諸収差図を示し、(a)は広角端状態を、(b)は中間焦点距離状態を、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
各収差図より、本実施例に係るズームレンズは、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
なお、上記各実施例は本願発明の一具体例を示しているものであり、本願発明はこれらに限定されるものではない。以下の内容は、本願のズームレンズの光学性能を損なわない範囲で適宜採用することが可能である。
本願のズームレンズの数値実施例として2群構成のものを示したが、本願はこれに限られず、その他の群構成(例えば、3、4群等)のズームレンズを構成することもできる。具体的には、本願のズームレンズの最も物体側や最も像側にレンズ又はレンズ群を追加した構成でも構わない。また、本願のズームレンズの最も物体側や最も像側に実質的に屈折力を有しないレンズ又はレンズ群を追加した構成でも構わない。レンズ群とは、変倍時に変化する空気間隔で分離された、少なくとも1枚のレンズを有する部分を示す。
また、本願のズームレンズは、無限遠物体から近距離物体への合焦を行うために、レンズ群の一部、1つのレンズ群全体、或いは複数のレンズ群を合焦レンズ群として光軸方向へ移動させる構成としてもよい。特に、第1レンズ群の少なくとも一部を合焦レンズ群とすることが好ましい。また、斯かる合焦レンズ群は、オートフォーカスに適用することも可能であり、オートフォーカス用のモータ、例えば超音波モータ等による駆動にも適している。
また、本願のズームレンズにおいて、いずれかのレンズ群全体又はその一部を、防振レンズ群として光軸に対して垂直な方向の成分を含むように移動させ、又は光軸を含む面内方向へ回転移動(揺動)させることにより、手ぶれ等によって生じる像ぶれを補正する構成とすることもできる。特に、本願のズームレンズでは第2レンズ群の少なくとも一部を防振レンズ群とすることが好ましい。
また、本願のズームレンズを構成するレンズのレンズ面は、球面又は平面としてもよく、或いは非球面としてもよい。レンズ面が球面又は平面の場合、レンズ加工及び組立調整が容易になり、レンズ加工及び組立調整の誤差による光学性能の劣化を防ぐことができるため好ましい。また、像面がずれた場合でも描写性能の劣化が少ないため好ましい。レンズ面が非球面の場合、研削加工による非球面、ガラスを型で非球面形状に成型したガラスモールド非球面、又はガラス表面に設けた樹脂を非球面形状に形成した複合型非球面のいずれでもよい。また、レンズ面は回折面としてもよく、レンズを屈折率分布型レンズ(GRINレンズ)或いはプラスチックレンズとしてもよい。
また、本願のズームレンズにおいて開口絞りは第1レンズ群と第2レンズ群との間に配置されることが好ましく、開口絞りとして部材を設けずにレンズ枠でその役割を代用する構成としてもよい。
また、本願のズームレンズを構成するレンズのレンズ面に、広い波長域で高い透過率を有する反射防止膜を施してもよい。これにより、フレアやゴーストを軽減し、高コントラストの高い光学性能を達成することができる。
また、本願のズームレンズは、最も像面側に配置されるレンズ成分の像面側のレンズ面から像面までの光軸上の距離(バックフォーカス)が最も小さい状態で、10.0〜30.0mm程度とするのが好ましい。
また、本願のズームレンズは、像高を5.0〜12.5mmとするのが好ましく、5〜9.5mmとするのがより好ましい。
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
LPF フィルタ
S 開口絞り
I 像面
1 カメラ
2 撮影レンズ
3 撮像部
4 EVF

Claims (11)

  1. 物体側より順に、負屈折力の第1レンズ群と、正屈折力の第2レンズ群を有し、
    広角端状態から望遠端状態への変倍時、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間隔が変化し、
    前記第1レンズ群は、物体側より順に、像面側に凹面を向けた負メニスカスレンズと、負レンズと正レンズとの正接合レンズを有し、
    前記正接合レンズの接合面は像面側に凹形状であり、
    以下の条件を満足することを特徴とするズームレンズ。
    0.70 < ft×Z / TLmax < 1.90
    但し、
    ft :望遠端状態における前記ズームレンズの焦点距離
    Z :変倍比
    TLmax :無限遠合焦時の、広角端状態の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離と望遠端状態の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離のうち長い方の距離
  2. 以下の条件を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
    1.00 < (−f1) / S1 < 3.00
    但し、
    f1 :前記第1レンズ群の焦点距離
    S1 :前記第1レンズ群の、最も物体側のレンズ面から最も像面側のレンズ面までの光軸上の距離
  3. 以下の条件を満足することを特徴とする請求項1または2に記載のズームレンズ。
    0.50 < f2 / ft < 0.85
    但し、
    f2 :前記第2レンズ群の焦点距離
    ft :望遠端状態における前記ズームレンズの焦点距離
  4. 以下の条件を満足することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のズームレンズ。
    1.00 < (−f1) / fw < 2.00
    但し、
    f1 :前記第1レンズ群の焦点距離
    fw :広角端状態における前記ズームレンズの焦点距離
  5. 以下の条件を満足することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のズームレンズ。
    −0.50 < (TLw−TLt)/(fw×ft)1/2 < 0.50
    但し、
    TLw :広角端状態における無限遠合焦時の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離
    TLt :望遠端状態における無限遠合焦時の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離
    fw :広角端状態における前記ズームレンズの焦点距離
    ft :望遠端状態における前記ズームレンズの焦点距離
  6. 前記第2レンズ群は、以下の条件を満足する負レンズを少なくとも一つ有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のズームレンズ。
    1.810 < ndLi
    但し、
    ndLi :前記負レンズのd線(λ=587.6nm)に対する屈折率
  7. 以下の条件を満足することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のズームレンズ。
    53.00 < νdn
    但し、
    νdn :前記正接合レンズ中の前記負レンズのd線(λ=587.6nm)に対するアッベ数
  8. 前記第2レンズ群は、三つのレンズ成分からなることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のズームレンズ系。
  9. 前記三つのレンズ成分のうち二つは、接合レンズであることを特徴とする請求項8に記載のズームレンズ。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載のズームレンズを具備することを特徴とする光学装置。
  11. 物体側より順に、負屈折力の第1レンズ群と、正屈折力の第2レンズ群を有するズームレンズの製造方法であって、
    前記第1レンズ群は、物体側より順に、像面側に凹面を向けた負メニスカスレンズと、負レンズと正レンズとの正接合レンズを有するようにし、
    前記正接合レンズの接合面は像面側に凹形状になるようにし、
    以下の条件を満足するようにし、
    広角端状態から望遠端状態への変倍時、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間隔が変化するようにすることを特徴とするズームレンズの製造方法。
    0.70 < ft×Z / TLmax < 1.90
    但し、
    ft :望遠端状態における前記ズームレンズの焦点距離
    Z :変倍比
    TLmax :無限遠合焦時の、広角端状態の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離と望遠端状態の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離のうち長い方の距離
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