JP2014035019A - 免震装置の変位抑制構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上部構造と下部構造との間に設けられる免震装置の変位抑制構造であって、上部構造又は下部構造の何れか一方に設けられ、鉛直方向及び水平方向に対して傾いた傾斜面を有する凸状部材と、上部構造又は下部構造の何れか他方に設けられ、凸状部材の傾斜面と対向する対向傾斜面を有する凹状部材と、を備え、上部構造と下部構造とが水平方向に相対変位した際に、傾斜面と対向傾斜面が当接することによって、傾斜面及び対向傾斜面の法線方向の反力が発生し、反力の水平成分が相対変位を減少させる方向に働き、反力の上向きの鉛直成分が免震装置に作用する圧縮力を抑制することにより上部構造を支持するようにした。
【選択図】図1
Description
このような免震装置の変位抑制構造によれば、傾斜面と対向傾斜面が当接することで法線方向の反力(支圧応力)が発生する。この支圧応力の水平成分によって上部構造(及び免震装置)の過大な変位を抑制し、さらに、鉛直成分によって免震装置に作用する圧縮力を抑制することで上部構造を安定して支持できる。
このような免震装置の変位抑制構造によれば、水平方向の変位をより抑制することが可能である。
このような免震装置の変位抑制構造によれば、水平力と鉛直力を正確に制御することが可能になり、免震構造の設計を容易にすることが可能である。
このような免震装置の変位抑制構造によれば、上部構造と下部構造が水平方向にある程度相対変位した後に、傾斜面と対向傾斜面を確実に当接させることが可能である。
図1は、第1実施形態にかかる免震構造を説明するための概略図である。また、図2は、図1における凹状部材22と凸状部材24の斜視図である。なお、図2では便宜上、凹状部材22と凸状部材24以外の図示を省略している。以下の説明において「上下方向(鉛直方向)」「左右方向(水平方向)」「前後方向(水平方向)」を言う場合は、図に矢印で示した方向を基準とする。本実施形態の免震構造は、図1に示すように、上部構造2と、下部構造4と、積層ゴム10と、凹状部材22と、凸状部材24を備えている。
下部構造4は、上部構造2を支えて荷重を地盤に伝達させる構造物であり、上部構造2の下方に形成されている。下部構造4の外周部(図1では右側端)には擁壁4aが形成されている。擁壁4aは、上部構造2と下部構造4との水平方向の相対的な変位が大きいときに、それ以上の変位(過大変位)を防止するためのもの(ストッパー)であり、上部構造2とは一定の距離を隔てて、鉛直方向に平行に形成されている。
図5に示すように凹状部材22の傾斜面22aと、凸状部材24の傾斜面24aが当接することによって、傾斜面22aにおける法線方向の反力が発生する。この法線方向の反力により、変位と逆方向の水平成分の力と上向きの鉛直成分の力が傾斜面22aに発生することになる。つまり、傾斜面22a(凹状部材22及び上部構造2)に、相対変位方向に対して逆向きの方向(相対変位を減らす方向)の水平力と、鉛直方向上向きの力が発生する。
図6は、第2実施形態にかかる免震構造を説明するための概略図である。なお、図6において図1と同一構成の部分には同一符号を付し、説明を省略する。
第2実施形態では、凸状部材24の傾斜面24a上の一部又は全面に降伏部材30が設けられている。降伏部材30は、傾斜面24aの法線方向の荷重に対抗し、当該荷重が所定値に達すると降伏する部材である。
降伏部材30は、板状部材32と板状部材34とハニカム構造部材36とを有して構成されている。
板状部材32は、降伏部材30の上縁に形成された板状の部材であり、その上面は低摩擦面となっている。
板状部材34は、降伏部材30の下縁に形成された板状の部材であり、凸状部材24の傾斜面24aに固設される。
第3実施形態では、凹状部材22と凸状部材24の配置が第1実施形態と異なっている。
図9は、第3実施形態にかかる免震構造を説明するための概略図である。なお、図9において図1と同一構成の部分には同一符号を付し、説明を省略する。
図9に示すように第3実施形態では、凹状部材22は下部構造4の上面に固設されており、凸状部材24は上部構造2の下面に固設されている。つまり、凹状部材22と凸状部材24の配置が第1実施形態と上下逆になっている。
上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
前述の実施形態では、免震装置は積層ゴム10を用いた積層ゴムタイプのものであったがこれには限られない。例えば、転がり支承タイプのものであってもよい。
前述の実施形態では、凸状部材24は底面が円の円錐台形状であったがこれには限られず、傾斜面があれば他の形状であってもよい。例えば、底面が多角形の錐体でもよい。また、底面が完全な円形ではなく例えば半円形であってもよい。また、これらの場合、凹状部材22はその傾斜面と対向する傾斜面(対向傾斜面)を有する形状の部材であればよい。
また、前述の実施形態では上部構造2と下部構造4との間に形成された凸状部材24と凹状部材22はそれぞれ1つであったが、これには限られず、上部構造2と下部構造4との間に凸状部材24と凹状部材22の組み合わせを複数形成していてもよい。この場合、凸状部材24と凹状部材22の組み合わせを、なるべく分散させて配置することが望ましい。
降伏部材30は、図7の構成には限られない。図11は、降伏部材30の別の構成例を示す図である。図11に示すように、板状部材32、34に対して、ハニカム構造部材36を横向きに(すなわち、ハニカム構造部材36の各筒状部材の軸方向が板状部材32、34の法線方向と直交するように)配置してもよい。
また、降伏部材30の代わりに、例えばゴムなどの所定の弾性係数を有する弾性部材を配置するようにしてもよい。
4 下部構造
4a 擁壁
10 積層ゴム
22 凹状部材
22a 傾斜面
22b 水平面
24a 傾斜面
24b 水平面
30 降伏部材
32 板状部材
34 板状部材
36 ハニカム構造部材
Claims (5)
- 上部構造と下部構造との間に設けられる免震装置の変位抑制構造であって、
前記上部構造又は前記下部構造の何れか一方に設けられ、鉛直方向及び水平方向に対して傾いた傾斜面を有する凸状部材と、
前記上部構造又は前記下部構造の何れか他方に設けられ、前記凸状部材の前記傾斜面と対向する対向傾斜面を有する凹状部材と、
を備え、
前記上部構造と前記下部構造とが前記水平方向に相対変位した際に、前記傾斜面と前記対向傾斜面が当接することによって、前記傾斜面及び前記対向傾斜面の法線方向の反力が発生し、前記反力の水平成分が前記相対変位を減少させる方向に働き、前記反力の上向きの鉛直成分が前記免震装置に作用する圧縮力を抑制することにより前記上部構造を支持するようにした、ことを特徴とする免震装置の変位抑制構造。 - 請求項1に記載の免震装置の変位抑制構造であって、
前記上部構造と前記下部構造とが前記水平方向に相対変位した際に、前記傾斜面と前記対向傾斜面が当接したときの摩擦力を用いて前記水平方向への変位を抑制する
ことを特徴とする免震装置の変位抑制構造。 - 請求項1に記載の免震装置の変位抑制構造であって、
前記傾斜面又は前記対向傾斜面に、各面における法線方向の荷重に対抗し、前記荷重が所定値に達すると降伏する降伏部材、又は、所定の弾性係数を有する弾性部材を配置した
ことを特徴とする免震装置の変位抑制構造。 - 請求項1乃至請求項3の何れかに記載の免震装置の変位抑制構造であって、
前記免震装置は積層ゴムであり、
前記凸状部材は、前記傾斜面と接続するように頂部に形成された水平面を有し、
前記凹状部材は、前記対向傾斜面と接続し前記水平面と対向する対向水平面を有し、
前記上部構造と前記下部構造とが前記水平方向に相対変位して、前記傾斜面と前記対向傾斜面が当接するときに、前記水平面と前記対向水平面は離間している
ことを特徴とする免震装置の変位抑制構造。 - 請求項1乃至請求項4の何れかに記載の免震装置の変位抑制構造であって、
前記凸状部材は、円錐台形状である
ことを特徴とする免震装置の変位抑制構造。
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---|---|---|---|
JP2012176296A JP2014035019A (ja) | 2012-08-08 | 2012-08-08 | 免震装置の変位抑制構造 |
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JP2012176296A Pending JP2014035019A (ja) | 2012-08-08 | 2012-08-08 | 免震装置の変位抑制構造 |
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-
2012
- 2012-08-08 JP JP2012176296A patent/JP2014035019A/ja active Pending
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