JP6828328B2 - 免震構造 - Google Patents

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Description

本発明は、免震構造に関する。
建物などにおける上部構造と下部構造との隙間に免震装置(例えば、積層ゴム)や減衰装置(例えば、ダンパー)を設けた免震構造が知られている。
また、特許文献1には、上部構造に下方に突出した基礎(凹状部材)を設け、下部構造に上方に突出した基礎(凸状部材)を設け、大地震時にこの基礎同士を衝突させて上部構造と下部構造との過大変位を抑止するようにした構造が記載されている。
特開2014−35019号公報
上述した構造では、上部構造と下部構造に、過大変位抑止用の基礎を一対設ける必要があり、このため、コストが増大するおそれがあった。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、コストの低減を図りつつ効率的に過大変位を抑止することにある。
かかる目的を達成するため、本発明の免震装置は、
上部構造と下部構造との隙間に設けられ、前記上部構造を免震支承する免震装置と、
前記隙間に、前記免震装置と並列に設けられ、前記上部構造と前記下部構造との間の水平振動を減衰する複数の減衰機構と、
を備えた免震構造であって、
複数の前記減衰機構には、
第1水平方向の振動を減衰する第1減衰機構と、
前記第1水平方向と直交する第2水平方向の振動を減衰する第2減衰機構と、
が含まれており、
前記第1減衰機構は、
前記第1水平方向に離間した、前記上部構造に一体に設けられた第1上側基部及び前記下部構造に一体に設けられた第1下側基部と、
前記第1上側基部に一端が支持され、前記第1下側基部に他端が支持された第1減衰装置と、
を有し、
前記第2減衰機構は、
前記第2水平方向に離間した、前記上部構造に一体に設けられた第2上側基部及び前記下部構造に一体に設けられた第2下側基部と、
前記第2上側基部に一端が支持され、前記第2下側基部に他端が支持された第2減衰装置と、
を有し、
前記第1上側基部及び前記第1下側基部の少なくとも一方は、前記第2水平方向への過大変位を抑止する第2過大変位抑止部を有し、
前記第2上側基部及び前記第2下側基部の少なくとも一方は、前記第1水平方向への過大変位を抑止する第1過大変位抑止部を有し、
前記第1過大変位抑止部と離間し、前記第1水平方向の相対変位によって前記第1過大変位抑止部と当接する第1当接部と、
前記第2過大変位抑止部と離間し、前記第2水平方向の相対変位によって前記第2過大変位抑止部と当接する第2当接部と、
を有する、
ことを特徴とする。
このような免震構造によれば、コストの低減を図りつつ効率的に過大変位を抑止することができる。
また、上部構造と下部構造との隙間に設けられ、前記上部構造を免震支承する免震装置と、
前記隙間に、前記免震装置と並列に設けられ、前記上部構造と前記下部構造との間の水平振動を減衰する減衰機構と、
を備えた免震構造であって、
前記減衰機構は、
前記上部構造と前記下部構造との水平方向への相対変位に応じて減衰力を発生する減衰装置と、
前記上部構造に一体に設けられ、前記減衰装置の一端を支持する上側基部と、
前記下部構造に一体に設けられ、前記減衰装置の他端を支持する下側基部と、
を有し、
前記上側基部及び前記下側基部の少なくとも一方は、前記相対変位が所定距離より大きくなることを抑止する過大変位抑止部を備え、
前記隙間には前記減衰機構が複数設けられており、
複数の前記減衰機構には、
第1水平方向の振動を減衰する第1減衰機構と、
前記第1水平方向と直交する第2水平方向の振動を減衰する第2減衰機構と、
が含まれ、
前記第1減衰機構は、
前記第1水平方向に離間した第1上側基部及び第1下側基部と、
前記第1上側基部に一端が支持され、前記第1下側基部に他端が支持された第1減衰装置と、
を有し、
前記第2減衰機構は、
前記第2水平方向に離間した第2上側基部及び第2下側基部と、
前記第2上側基部に一端が支持され、前記第1下側基部に他端が支持された第2減衰装置と、
を有し、
前記第1上側基部及び前記第1下側基部の少なくとも一方は、前記第2水平方向への過大変位を抑止する第2過大変位抑止部を有し、
前記第2上側基部及び前記第2下側基部の少なくとも一方は、前記第1水平方向への過大変位を抑止する第1過大変位抑止部を有し、
前記第2過大変位抑止部は、前記第1水平方向の長さが第1長さの第2過大変位抑止面を備え、
前記第1過大変位抑止部は、前記第2水平方向の長さが前記第1長さの第1過大変位抑止面を備え、
前記第2過大変位抑止面と前記第2水平方向に前記所定距離離間した第2当接部であって、前記第1長さをa、前記所定距離をcとしたとき、前記第1水平方向の長さが、前記第2過大変位抑止部の前記第1水平方向の中心に対応する位置から、前記第1水平方向の一方側と他方側にそれぞれ(a/2+c)以上の第2当接部と、
前記第1過大変位抑止面と前記第1水平方向に前記所定距離離間した第1当接部であって、前記第2水平方向の長さが、前記第1過大変位抑止部の前記第2水平方向の中心に対応する位置から、前記第2水平方向の一方側と他方側にそれぞれ(a/2+c)以上の第1当接部と、
を有することを特徴とする。
また、上部構造と下部構造との隙間に設けられ、前記上部構造を免震支承する免震装置と、
前記隙間に、前記免震装置と並列に設けられ、前記上部構造と前記下部構造との間の水平振動を減衰する減衰機構と、
を備えた免震構造であって、
前記減衰機構は、
前記上部構造と前記下部構造との水平方向への相対変位に応じて減衰力を発生する減衰装置と、
前記上部構造に一体に設けられ、前記減衰装置の一端を支持する上側基部と、
前記下部構造に一体に設けられ、前記減衰装置の他端を支持する下側基部と、
を有し、
前記上側基部及び前記下側基部の少なくとも一方は、前記相対変位が所定距離より大きくなることを抑止する過大変位抑止部を備え、
前記隙間には前記減衰機構が複数設けられており、
複数の前記減衰機構には、
第1水平方向の振動を減衰する第1減衰機構と、
前記第1水平方向と直交する第2水平方向の振動を減衰する第2減衰機構と、
が含まれ、
前記第1減衰機構は、
前記第1水平方向に離間した第1上側基部及び第1下側基部と、
前記第1上側基部に一端が支持され、前記第1下側基部に他端が支持された第1減衰装置と、
を有し、
前記第2減衰機構は、
前記第2水平方向に離間した第2上側基部及び第2下側基部と、
前記第2上側基部に一端が支持され、前記第1下側基部に他端が支持された第2減衰装置と、
を有し、
前記第1上側基部及び前記第1下側基部の少なくとも一方は、前記第1水平方向への過大変位を抑止する第1過大変位抑止部を有し、
前記第2上側基部及び前記第2下側基部の少なくとも一方は、前記第2水平方向への過大変位を抑止する第2過大変位抑止部を有し、
前記第1過大変位抑止部は、前記第2水平方向の長さが第2長さの第1過大変位抑止面を備え、
前記第2過大変位抑止部は、前記第1水平方向の長さが前記第2長さの第2過大変位抑止面を備え、
前記第1過大変位抑止面と前記第1水平方向に前記所定距離離間した第1当接部であって、前記第2長さをb、前記所定距離をcとしたとき、前記第2水平方向の長さが、前記第1過大変位抑止部の前記第2水平方向の中心に対応する位置から、前記第2水平方向の一方側と他方側にそれぞれ(b/2+c)以上の第1当接部と、
前記第2過大変位抑止面と前記第2水平方向に前記所定距離離間した第2当接部であって、前記第1水平方向の長さが、前記第2過大変位抑止部の前記第1水平方向の中心に対応する位置から、前記第1水平方向の一方側と他方側にそれぞれ(b/2+c)以上の第2当接部と、
を有することを特徴とする。
かかる免震構造であって、前記過大変位抑止部と前記所定距離離間し、前記相対変位によって前記過大変位抑止部と当接する当接部を有することが望ましい。
このような免震構造によれば、過大変位抑止部と当接部とが当接することで、過大変位を抑止できる。
かかる免震構造であって、前記過大変位抑止部又は前記当接部は、緩衝材を備える、ことが望ましい。
このような免震構造によれば、過大変位抑止部と当接部が当接する際の衝撃を緩和することができる。
本発明によれば、コストの低減を図りつつ効率的に過大変位を抑止することができる。
第1実施形態の免振構造の構成を示す平面配置図である。 免震装置の構成を示す立面図である。 図3は、第1実施形態の減衰機構の構成を示す立面図であり、図3Bは、図3AのA−A´平面図である。 図4Aは、第1実施形態の変形例の減衰機構の構成を示す立面図であり、図4Bは、図4AのA−A´平面図である。 図5Aは、第2実施形態の減衰機構の構成を示す立面図であり、図5Bは、図5AのA−A´平面図である。 図6Aは、第2実施形態の変形例の減衰機構の構成を示す立面図であり、図6Bは、図6AのA−A´平面図である。 図7Aは、第3実施形態の減衰機構の構成を示す立面図であり、図7Bは、図7AのA−A´平面図である。 第4実施形態の免振構造の構成を示す平面配置図である。 図9Aは、第4実施形態の減衰機構の構成を示す立面図であり、図9Bは、図9AのA−A´平面図である。 図10Aは、過大変位抑止基礎及び減衰機構の変形例を示す平面図であり、図10Bは、別の変形例を示す平面図である。 図11A及び図11Bは、過大変位抑止基礎をロの字型に構成する場合の一例を示す図である。 図12A及び図12Bは、過大変位抑止基礎をロの字型に構成する場合の別の例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
===第1実施形態===
<免震構造の構成について>
図1は、第1実施形態の免振構造の構成を示す平面配置図であり、図2は、免震装置の構成を示す立面図である。また、図3Aは、第1実施形態の減衰機構の構成を示す立面図であり、図3Bは、図3AのA−A´平面図である。以下の説明では、図に示すように方向を定めている。すなわち、水平面において直交する2方向のうちの一方をX軸方向(第1水平方向に相当)とし、他方をY軸方向(第2水平方向に相当)とする。また、上記水平面に垂直な方向(X軸方向及びY軸方向に直交する方向)をZ軸方向(鉛直方向)とする。なお、図1では、Z軸方向(鉛直方向)の上方から上部構造2や免震用上側基礎2Aを透過して各部材の配置を示している。
本実施形態の免震構造は、上部構造2、下部構造4、免震装置10、及び、減衰機構20を備えている。
上部構造2は、例えば、建物、床、大型装置等の構造物である。
下部構造4は、上部構造2を支えて荷重を地盤に伝達させる構造物であり、上部構造2の下方に形成されている。また、図2及び図3Aに示すように、上部構造2と下部構造4との間には、Z軸方向の隙間Sが設けられている。
免震装置10は、図2に示すように、上部構造2と下部構造4との隙間Sに介在されている。より具体的には、免震装置10は、上部構造2から下方に突出するように設けられた免震用上側基礎2Aと、下部構造4から上方に突出するように設けられた免震用下側基礎4Aとの間に設けられている。以下の説明において、免震装置10が設けられた部位(隙間S)のことを免震層ともいう。図1に示すように、免震層には、免震装置10がX軸方向、Y軸方向にそれぞれ複数配置されている。そして、各免震装置10は、それぞれの位置において上部構造2の重量を分担支持している。
本実施形態の免震装置10は、図2に示すように、積層ゴム12(例えば、円形の薄い鋼板12aとゴム層12bとを上下に交互に積層してなる円柱状の弾性体)を、上下一対のフランジ板(上フランジ板11、下フランジ板13)で挟んで構成されている。また、下フランジ板13は、不図示のボルトなどにより免震用下側基礎4Aに固定され、上フランジ板11は、不図示のボルトなどにより免震用上側基礎2Aに固定されている。そして、免震装置10は、上部構造2を支承するとともに、上部構造2と下部構造4との相対変位による水平力に応じて積層ゴム12が水平方向に剪断変形して、上部構造2の水平振動を長周期化する(免震支承として機能する)。
減衰機構20は、上部構造2と下部構造4との間の振動(水平振動)を減衰するものであり、免震層(隙間S)において、免震装置10と並列に複数設けられている。また、複数の減衰機構20には、X軸方向の振動を減衰する減衰機構20X(第1減衰機構に相当)とY軸方向の振動を減衰する減衰機構20Y(第2減衰機構に相当)が含まれている。なお、減衰機構20Xと減衰機構20Yとは、配置方向が異なっているだけであり、同様の構成である。減衰機構20の構成については後述する。
以上の構成により、水平方向の振動が発生した場合に、上部構造2の振動を長周期化できるとともに、上部構造2と下部構造4との間の水平振動を減衰させることができる。しかし、上部構造2と下部構造4との水平方向の変位(相対変位)が過大になると、積層ゴム12の変形量が大きくなり、積層ゴム12が破断してしまうおそれや、上部構造2を免震支持できなくなるおそれがある。そこで、過大変位を抑止することが必要になる。例えば、上部構造2と下部構造4に過大変位を抑止するための部材(基礎)を新たに設けてもよいが、この場合、コストが増大するおそれがある。本実施形態では、減衰機構20の基礎(後述)を有効的に活用し、過大変位を低コストで効率的に抑止するようにしている。
<減衰機構について>
以下、図3A及び図3Bを参照しつつ、第1実施形態の減衰機構20について説明する。図3A、図3Bには、X軸方向の振動を減衰する減衰機構20Xが記載されている。
減衰機構20Xは、減衰装置22Xと、減衰用上側基礎2BX(第1上側基部に相当)と、減衰用下側基礎4BX(第1下側基部に相当)とを有している。
減衰装置22Xは、上部構造2と下部構造4との水平方向(ここではX軸方向)への相対変位に応じて減衰力を発生する装置である。本実施形態の減衰装置22Xは、オイルを用いたオイルダンパーである。図3Aに示すように、減衰機構20Xの減衰装置22はX軸方向に沿って配置されている。
減衰用上側基礎2BXは、上部構造2から下方に突出するように、上部構造2に一体に設けられている。また、減衰用上側基礎2BXには、減衰装置22XのX軸方向の一端が水平方向に回動可能に接続されており、減衰用上側基礎2BXは、減衰装置22XのX軸方向の一端を支持している。
減衰用下側基礎4BXは、下部構造4から上方に突出するように、下部構造4に一体に設けられている。また、減衰用下側基礎4BXには、減衰装置22のX軸方向の他端が水平方向に回動可能に接続されており、減衰用下側基礎4BXは、減衰装置22XのX軸方向の他端を支持している。つまり、減衰機構20Xの減衰用上側基礎2BXと減衰用下側基礎4BXは、X軸方向の位置が異なっている(換言するとX軸方向に離間している)。
そして、減衰機構20Xは、上部構造2(減衰用上側基礎2BX)と下部構造4(減衰用下側基礎4BX)とのX軸方向の相対変位に応じて、減衰装置22Xが減衰力を発生しX軸方向の振動を減衰する。
減衰機構20Yは、減衰機構20Xを水平面内で90度回転させた構成であり、減衰装置22Yと、減衰用上側基礎2BY(第2上側基部に相当)と、減衰用下側基礎4BY(第2下側基部に相当)とを有している。
減衰機構20Yの減衰装置22YはY軸方向に沿って配置されている(図1参照)。また、減衰用上側基礎2BYと減衰用下側基礎4BYは、Y軸方向の位置が異なっており(Y軸方向に離間しており)、それぞれ減衰装置22YのY軸方向の一端と他端を支持している。そして、減衰機構20Yは、上部構造2(減衰用上側基礎2BY)と下部構造4(減衰用下側基礎4BY)とのY軸方向の相対変位に応じて、減衰装置22Yが減衰力を発生しY軸方向の振動を減衰する。
また、本実施形態では、図3A、図3Bに示すように、減衰用上側基礎2BXに対して、過大変位抑止基礎30X(第2当接部に相当)を設けている。
過大変位抑止基礎30Xは、下部構造4から上方に突出するように設けられており、過大変位抑止基礎30Xの上端は、減衰用上側基礎2BXの下端よりも上に位置している。また、過大変位抑止基礎30Xは、減衰用上側基礎2BXのY軸方向の両側に一対設けられている。
過大変位抑止基礎30Xは、図3Bに示すように、減衰用上側基礎2BXのY軸方向の端面とY軸方向に所定距離(ここでは長さc)離間している。よって、減衰用上側基礎2BXが、過大変位抑止基礎30Xに対してY軸方向へ長さc変位すると(すなわち、上部構造2と下部構造4とがY軸方向へ長さc相対変位すると)、減衰用上側基礎2BXは過大変位抑止基礎30Xと当接する。この当接により、Y軸方向への長さcよりも大きい相対変位(過大変位)を抑止することができる。このように、減衰用上側基礎2BXは、Y軸方向への過大変位を抑制する機能を備えている(第2過大変位抑止部に相当する)。
また、本実施形態では、過大変位抑止基礎30XのX軸方向の長さを、減衰用上側基礎2BXのX軸方向の長さよりも長くしている。具体的には、図3Bに示すように、減衰用上側基礎2BXのY軸方向の端面(第2過大変位抑止面に相当)のX軸方向の長さがa(第1長さに相当)であるのに対し、過大変位抑止基礎30XのX軸方向の長さを、(a+2c)としている。より具体的には、過大変位抑止基礎30Xを、減衰用上側基礎2BXのX軸方向の中点に対応する位置から、X軸方向の一方側と他方側にそれぞれ(a/2+c)の長さにしている。この場合、減衰用上側基礎2BXと過大変位抑止基礎30Xの角部を結ぶ線(図の破線)とX軸(及びY軸)との間の角度が45°となる。なお、これには限らず、過大変位抑止基礎30Xが、減衰用上側基礎2BXのX軸方向の中点に対応する位置から、X軸方向の一方側と他方側にそれぞれ(a/2+c)より長くしてもよい。
また、減衰機構20Yについても同様に、減衰用上側基礎2BYに対して、過大変位抑止基礎30Y(第1当接部に相当)を設けている。過大変位抑止基礎30Yは、減衰用上側基礎2BYのX軸方向の端面とX軸方向に所定距離(ここでは長さc)離間している。よって、減衰用上側基礎2BYが、過大変位抑止基礎30Yに対してX軸方向へ長さc変位すると(すなわち、上部構造2と下部構造4とがX軸方向へ長さc相対変位すると)、減衰用上側基礎2BYは過大変位抑止基礎30Yと当接する。この当接により、X軸方向への長さcよりも大きい相対変位(過大変位)を抑止することができる。このように、減衰用上側基礎2BYは、X軸方向への過大変位を抑制する機能を備えている(第1過大変位抑止部に相当する)。
また、減衰機構20Yの場合、減衰用上側基礎2BYのX軸方向の端面(第1過大変位抑止面に相当)のY軸方向の長さがaであり、過大変位抑止基礎30YのY軸方向の長さを、(a+2c)としている。より具体的には、過大変位抑止基礎30Yを、減衰用上側基礎2BYのY軸方向の中点に対応する位置から、Y軸方向の一方側と他方側にそれぞれ(a/2+c)の長さにしている。なお、過大変位抑止基礎30Yを、減衰用上側基礎2BYのY軸方向の中点に対応する位置から、Y軸方向の一方側と他方側にそれぞれ(a/2+c)より長くしてもよい。
このような構成とすることで、X軸方向及びY軸方向に対して斜めの方向に振動する場合においても、減衰用上側基礎2BXと過大変位抑止基礎30X、あるいは、減衰用上側基礎2BYと過大変位抑止基礎30Yの何れかを当接させることができる。よって、振動の方向に関わらず、過大変位を抑止することができる。
なお、本実施形態では、図3A、図3Bに示すように、減衰用上側基礎2BXを挟むように、減衰用上側基礎2BXの両側に一対の過大変位抑止基礎30Xを設けているが、片側のみに設けてもよい。減衰機構20Yの場合も同様である。例えば、図1に示すように下部構造4の各辺に減衰機構20(減衰機構20X及び減衰機構20Y)を設ける場合、過大変位抑止基礎30X(過大変位抑止基礎30Y)を、減衰用上側基礎2BX(減衰用上側基礎2BY)に対して外側のみ、又は、内側のみに設けるようにしてもよい。これにより、より効率的に、過大変位を抑止することができる。
<第1実施形態の変形例>
図4Aは、第1実施形態の変形例の減衰機構の構成を示す立面図であり、図4Bは、図4AのA−A´平面図である。図3A、図3Bと同一構成の部分には同一符号を付し説明を省略する。
この変形例では、減衰用下側基礎4BXに対して、過大変位抑止基礎30X´(第2当接部に相当)を設けている。過大変位抑止基礎30X´は、上部構造2から下方に突出するように設けられており、過大変位抑止基礎30X´の下端は、減衰用下側基礎4BXの上端よりも下に位置している。また、過大変位抑止基礎30X´は、減衰用下側基礎4BXのY軸方向の両側に一対設けられている。長さ等の条件については第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
この変形例の場合、減衰用下側基礎4BXが、過大変位抑止基礎30X´に対してY軸方向へ長さc変位すると(すなわち、上部構造2と下部構造4とがY軸方向へ長さc相対変位すると)、減衰用下側基礎4BXは過大変位抑止基礎30X´と当接する。この当接によりY軸方向の過大変位を抑止することができる。つまり、この変形例において、減衰用下側基礎4BXは、Y軸方向への過大変位を抑制する機能を備えている(第2過大変位抑止部に相当する)。
減衰機構20Yについても、同様の構成とすることができる。すなわち、上部構造2から下方に突出する過大変位抑止基礎(第1当接部に相当)を設け、X軸方向への過大変位が発生した場合に、減衰用下側基礎4BY(第1過大変位抑止部に相当)と当接するようにすればよい。
===第2実施形態===
図5Aは、第2実施形態の減衰機構の構成を示す立面図であり、図5Bは、図5AのA−A´平面図である。第1実施形態と同一構成の部分には同一符号を付し説明を省略する。第1実施形態と比べると、過大変位抑止基礎の形状が異なっている。
第2実施形態では、下部構造4に過大変位抑止基礎32Xが設けられている。過大変位抑止基礎32Xは、図5Bに示すように、平面形状がコの字状であり、減衰用上側基礎2BXのY軸方向の両側端面、及び、X軸方向の一方の端面を囲んでいる。第2実施形態では、減衰用上側基礎2BXの上記各端面が、それぞれ、第1過大変位抑止面に相当する。減衰用上側基礎2BXのY軸方向の端面とそれに対向する過大変位抑止基礎32Xの部位(X軸方向に沿った部位)との関係(長さ等)は第1実施形態と同じである。
図5Bに示すように、減衰用上側基礎2BXのY軸方向の長さをbとすると、過大変位抑止基礎32Xの内側のY軸方向に沿った部位の長さ(減衰用上側基礎2BXのX軸方向の端面と対向する面のY軸方向の長さ)は、(b+2c)となる。より具体的には、過大変位抑止基礎32Xの内側のY軸方向に沿った部位の長さは、減衰用上側基礎2BXのY軸方向の中点に対応する位置から、Y軸方向の一方側と他方側にそれぞれ(b/2+c)である。また、過大変位抑止基礎32Xは、減衰用上側基礎2BXのX軸方向の端面とも所定距離(長さc)離間している。
この第2実施形態では、過大変位抑止基礎32Xをコの字状に設けている。この場合、過大変位抑止基礎32XのX軸方向に沿った部位(第2当接部に相当)と対向する減衰用上側基礎2BXのY軸方向の端部(端面)は、Y軸方向への過大変位を抑止する機能を有する(第2過大変位抑止部に相当)。また、過大変位抑止基礎32XのY軸方向に沿った部位(第1当接部に相当)と対向する減衰用上側基礎2BXのX軸方向の端部(端面)はX軸方向への過大変位を抑止する機能を有する(第1過大変位抑止部に相当)
このような構成とすることによりY軸方向の過大変位のみならず、X軸方向の過大変位も抑止することができる。減衰機構20Yの側についても同様であるので説明を省略する。
なお、本実施形態の過大変位抑止基礎32Xはコの字型であったが、これには限られず、例えばL字型(コの字の平行な部位のうちの一方がない形状)であってもよい。
<第2実施形態の変形例>
図6Aは、第2実施形態の変形例の減衰機構の構成を示す立面図であり、図6Bは、図6AのA−A´平面図である。図5A、図5Bと同一構成の部分には同一符号を付し説明を省略する。
この変形例では、減衰用下側基礎4Bに対して、過大変位抑止基礎32X´を設けている。過大変位抑止基礎32X´は、上部構造2から下方に突出するように設けられている。形状や長さ等の条件については第2実施形態と同様であるので説明を省略する。
===第3実施形態===
図7Aは、第3実施形態の減衰機構の構成を示す立面図であり、図7Bは、図7AのA−A´平面図である。第1実施形態と同一構成の部分には同一符号を付し説明を省略する。また、以下では、減衰機構20Xについて説明し、減衰機構20Yについての説明を省略する。
第3実施形態では、減衰用上側基礎2BXのY軸方向の端面(過大変位抑止基礎30Xと対向する面)に緩衝材40が設けられている。そして、この第3実施形態の場合、緩衝材40と過大変位抑止基礎30Xとの間が所定距離(ここでは長さc)となっている。この第3実施形態では、減衰用上側基礎2BX及び緩衝材40が過大変位抑止部(ここでは第2過大変位抑止部)に相当する。
緩衝材40は、所定の弾性係数を有する弾性部材(例えばゴムなど)である。この緩衝材40を設けていることにより、減衰用上側基礎2BXと過大変位抑止基礎30Xとが衝突する際の衝撃を緩和することができる。
なお、第1実施形態の変形例(図4A、図4B)のように、減衰用下側基礎4BXの側に過大変位抑止基礎30X´を設けてもよい。その場合、緩衝材40は、減衰用下側基礎4BXに設ければよい。
===第4実施形態===
図8は、第4実施形態の免振構造の構成を示す平面配置図であり、図9Aは、第4実施形態の減衰機構の構成を示す立面図であり、図9Bは、図9AのA−A´平面図である。なお、前述の実施形態と同一構成の部分には同一符号を付し、説明を省略する。
図9A、図9Bに示すように、第4実施形態の減衰機構20Xには、減衰用上側基礎2BXをコの字状に囲む過大変位抑止基礎32Xが設けられており、過大変位抑止基礎32Xの内面と対向する減衰用上側基礎2BXの端面には緩衝材40が設けられている。
また、第4実施形態の減衰機構20Xには、減衰用下側基礎4BXをコの字状に囲む過大変位抑止基礎32X´が設けられており、また、過大変位抑止基礎32X´の内面と対向する減衰用下側基礎4BXの端面にも緩衝材40が設けられている
これにより、X軸方向、Y軸方向の振動に対して過大変位を抑止することができる。
減衰機構20Yについても同様に、過大変位抑止基礎32Y及び過大変位抑止基礎32Y´を設けている(図8参照)。
なお、図8に示すように、本実施形態では、下部構造4のX軸方向の各辺に並ぶ2つの減衰機構20Xのうちの一方のみに、過大変位抑止基礎32X及び過大変位抑止基礎32X´を設けている。また、Y軸方向の各辺に並ぶ2つの減衰機構20Yのうちの一方のみに、過大変位抑止基礎32Y及び過大変位抑止基礎32Y´を設けている。こうすることにより、免震層の空間に粗密を作ることができ、配管等の設計の自由度を高めることができる。
また、本実施形態では、各過大変位抑止基礎(過大変位抑止基礎32X、32X´32Y、32Y´)はそれぞれコの字型であったがこれには限られない。例えばL字型であってもよいし、直線型であってもよい。
例えば、直線型の場合、図9A、図9Bに示す減衰機構20Xの過大変位抑止基礎32Xを、減衰用上側基礎2BXのX軸方向の端面と対向する直線状(Y軸方向に沿った形状)に構成してもよい。また、過大変位抑止基礎32X´を、減衰用下側基礎4BXのX軸方向の端面と対向する直線状(Y軸方向に沿った形状)に構成してもよい。この場合、減衰用上側基礎2BX、及び、減衰用下側基礎4BXは、X軸方向への過大変位を抑制する機能を有する(第1過大変位抑止部に相当する)。なお、緩衝材40は、減衰用上側基礎2BXのX軸方向の端面及び減衰用下側基礎4BXのX軸方向の端面に設ければよい。
また、減衰機構20Yについては、過大変位抑止基礎32Yを減衰用上側基礎2BYのY軸方向の端面と対向する直線状(X軸方向に沿った形状)に構成し、過大変位抑止基礎32Y´を減衰用下側基礎4BYのY軸方向の端面と対向する直線状(X軸方向に沿った形状)に構成してもよい。この場合、減衰用上側基礎2BY、及び、減衰用下側基礎4BYは、Y軸方向への過大変位を抑制する機能を有する(第2過大変位抑止部に相当する)。
===その他の実施形態について===
上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<構造物について>
上部構造2と下部構造4は、前述の実施形態には限られない。例えば、上部構造2が建物の上層部であって、下部構造4が建物の下層部であってもよい。
また、前述の実施形態では下部構造4(及び上部構造2)は、平面形状が正方形であった(図1参照)が、他の形状(例えば、長方形、円形、多角形など)であってもよい。
<免震装置について>
前述の実施形態では、免震装置10は積層ゴム12を用いた積層ゴムタイプのものであったがこれには限られない。例えば、転がり支承と復元機構(バネ等)との組み合わせであってもよい。
<減衰機構について>
前述の実施形態では、減衰機構20の減衰装置(減衰装置22X及び減衰装置22Y)はオイルダンパーであったが、これには限られない。例えば、摩擦ダンパーであってもよい。
また、前述の実施形態では、減衰装置22XはX軸方向に沿って配置され、減衰装置22YはY軸方向に沿って配置されていたがこれには限られない。例えば、鉛直方向(Z軸方向)に沿って配置してもよい。この場合、減衰用上側基礎と減衰装置の上端(一端)、及び、減衰用下側基礎と減衰装置の下端(他端)をそれぞれ回動可能に接続する。これにより、上部構造2と下部構造4との間に水平方向の相対変位が生じると、減衰装置が傾斜して伸長し、水平方向の減衰成分が発生することになる。
ただし、このように減衰装置を鉛直方向に配置する場合、減衰装置を支持する減衰用上側基礎と減衰用下側基礎の水平方向(X軸方向及びY軸方向)の位置が同じになる(水平方向に離間しない)。このため、過大変位抑止基礎は、減衰用上側基礎と減衰用下側基礎のうちの一方のみに対してしか設けられない。なお、免震装置10の基礎(免震用上側基礎2A、免震用下側基礎4A)に対して過大変位抑止基礎を設ける場合についても同様のことがいえる。
これに対し、前述の実施形態のように減衰装置を水平方向に沿って設ける場合、減衰用上側基礎と減衰用下側基礎は水平方向の位置が異なる(水平方向に離間する)ことになる。例えば、減衰装置22Xの場合、減衰用上側基礎2BXと減衰用下側基礎4BXのX軸方向の位置が異なるので、減衰用上側基礎2BXと減衰用下側基礎4BXの両方に対してそれぞれ過大変位抑止基礎を設けることができる(図9A、図9B参照)。同様に、減衰装置22Yの場合、減衰用上側基礎2BYと減衰用下側基礎4BYのY軸方向の位置が異なるので、減衰用上側基礎2BYと減衰用下側基礎4BYの両方に対して過大変位抑止基礎を設けることができる。よって、より確実に過大変位を抑止することが可能である。
<過大変位抑止基礎について>
前述の実施形態では、過大変位抑止基礎32X、32X´、32Y、32Y´は、コの字型であり、角部(外周及び内周)が直角であったがこれには限らない。
図10Aは、過大変位抑止基礎及び減衰機構の変形例を示す平面図であり、図10Bは、別の変形例を示す平面図である。なお、ここでは、減衰機構20Xを用いて説明するが、減衰機構20Yについても同様の構成とすることができる。
図10Aでは、減衰用上側基礎2BX´と減衰用下側基礎4BX´が設けられている。減衰用上側基礎2BX´と減衰用下側基礎4BX´は、図に示すように、それぞれ、前述の減衰用上側基礎2BXと減衰用下側基礎4BXの角部が斜めに切欠きされている(切欠き部)。また、この変形例の過大変位抑止基礎321Xと過大変位抑止基礎321X´は、角部の内周部分が、それぞれ、減衰用上側基礎2BX´と減衰用下側基礎4BX´の切欠き部に対応したテーパー形状(テーパー部)に形成されている。そして、減衰用上側基礎2BX´の切欠き部と過大変位抑止基礎321Xのテーパー部との間の距離、及び、減衰用下側基礎4BX´の切欠き部と過大変位抑止基礎321X´のテーパー部との間の距離が所定距離(長さc)となっている。
図10Bでは、減衰用上側基礎2BX″と減衰用下側基礎4BX″が設けられている。この減衰用上側基礎2BX″と減衰用下側基礎4BX″は、それぞれ、X軸方向の端部(減衰装置22Xとの接続部とは反対側の端部)が曲線(半円)形状に形成されている。また、この変形例の過大変位抑止基礎322Xと過大変位抑止基礎322X´は、角部の内周部分が、それぞれ、減衰用上側基礎2BX″と減衰用下側基礎4BX″の外周形状に対応した曲線形状に設けられている。これにより、減衰用上側基礎2BX″と過大変位抑止基礎322Xとの距離、及び、減衰用下側基礎4BX″と過大変位抑止基礎322X´との間の距離は、場所によらず一定(長さc)となっている。
前述の実施形態では、X軸方向及びY軸方向に傾斜した方向(例えば45度の方向)へ振動する場合、当接するまでの移動距離(相対変位の距離)が長さcよりも長くなるのに対し、図10A及び図10Bの変形例の場合、長さcとなったときに衝突(当接)させることができる。なお、図10A及び図10Bの場合においても、図9A及び図9Bのような緩衝材40を設けてもよい。
また、前述の実施形態では、過大変位抑止基礎は直線型やコの字型(あるいはL字型)であったが、これら以外の形状であってもよい。例えばロの字型であってもよい。
図11A及び図11Bは、過大変位抑止基礎をロの字型に構成する場合の一例を示す図である。図11Aは立面図、図11Bは平面図である。この例では、過大変位抑止基礎34Xが設けられている。また、この例では、前述の実施形態よりも減衰装置22Xが上部構造2に近い位置(上側)に配置されている。すなわち、減衰用下側基礎4BX(及び減衰用上側基礎2BX)のZ軸方向の長さが前述の実施形態よりも長く形成されており、減衰装置22Xが上部構造2の近くに設けられている。
そして、過大変位抑止基礎34Xは、下部構造4から上方に突出し(図11A参照)、減衰装置22Xの下方で、減衰用上側基礎2BXの周囲(外周)を囲むようにロの字状に設けられている(図11B参照)。
また、図12A及び図12Bは、過大変位抑止基礎をロの字型に構成する場合の別の例を示す図である。図12Aは立面図、図12Bは平面図である。この例の場合、減衰装置22Xが下部構造4に近い位置(下側)に配置されているとともに、過大変位抑止基礎36Xが設けられている。過大変位抑止基礎36Xは、過大変位抑止基礎34Xと同様の形状の突出部36aと、減衰装置22Xの上方を通って突出部36aのX軸方向端部を連結する連結部36bを備えている。これにより、図12Bに示すように、過大変位抑止基礎36Xは、ロの字状に設けられている。
これらの変形例においても、前述の実施形態と同様に過大変位を抑止することができる。
また、前述の実施形態では、減衰用上側基礎と減衰用下側基礎の少なくとも一方を過大変位抑止基礎に当接させて過大変位を抑止していたが、これには限られない。例えば、減衰用上側基礎2BXの側面(端面)と免震用下側基礎4Aの側面(端面)との間にバネなどを取り付けて過大変位を抑止するようにしてもよい。この場合、過大変位抑止基礎は設けなくてもよい。
<緩衝材について>
前述の実施形態では、緩衝材40は弾性部材(ゴムなど)であったが、衝突の衝撃を緩和するものであればよく、弾性部材には限られない。例えば、荷重が所定値に達すると降伏(塑性変形)する部材でもよい。
また、前述の実施形態では緩衝材40を減衰用上側基礎や減衰用下側基礎に設けていたが、過大変位抑止基礎の側に設けてもよい。
2 上部構造
2A 免震用上側基礎
2BX 減衰用上側基礎(第1上側基部)
2BY 減衰用上側基礎(第2上側基部)
4 下部構造
4A 免震用下側基礎
4BX 減衰用下側基礎(第1下側基部)
4BY 減衰用下側基礎(第2下側基部)
10 免震装置
11 上フランジ板
12 積層ゴム
12a 鋼板
12b ゴム層
13 下フランジ板
20 減衰機構
20X 減衰機構(第1減衰機構)
20Y 減衰機構(第2減衰機構)
22X 減衰装置(第1減衰装置)
22Y 減衰装置(第2減衰装置)
30X、30X´、32X、32X´、34X、36X 過大変位抑止基礎
30Y、32Y、32Y´ 過大変位抑止基礎
36a 突出部
36b 連結部
40 緩衝材
321X、321X´、322X、322X´ 過大変位抑止基礎

Claims (5)

  1. 上部構造と下部構造との隙間に設けられ、前記上部構造を免震支承する免震装置と、
    前記隙間に、前記免震装置と並列に設けられ、前記上部構造と前記下部構造との間の水平振動を減衰する複数の減衰機構と、
    を備えた免震構造であって、
    複数の前記減衰機構には、
    第1水平方向の振動を減衰する第1減衰機構と、
    前記第1水平方向と直交する第2水平方向の振動を減衰する第2減衰機構と、
    が含まれており、
    前記第1減衰機構は、
    前記第1水平方向に離間した、前記上部構造に一体に設けられた第1上側基部及び前記下部構造に一体に設けられた第1下側基部と、
    前記第1上側基部に一端が支持され、前記第1下側基部に他端が支持された第1減衰装置と、
    を有し、
    前記第2減衰機構は、
    前記第2水平方向に離間した、前記上部構造に一体に設けられた第2上側基部及び前記下部構造に一体に設けられた第2下側基部と、
    前記第2上側基部に一端が支持され、前記第2下側基部に他端が支持された第2減衰装置と、
    を有し、
    前記第1上側基部及び前記第1下側基部の少なくとも一方は、前記第2水平方向への過大変位を抑止する第2過大変位抑止部を有し、
    前記第2上側基部及び前記第2下側基部の少なくとも一方は、前記第1水平方向への過大変位を抑止する第1過大変位抑止部を有し、
    前記第1過大変位抑止部と離間し、前記第1水平方向の相対変位によって前記第1過大変位抑止部と当接する第1当接部と、
    前記第2過大変位抑止部と離間し、前記第2水平方向の相対変位によって前記第2過大変位抑止部と当接する第2当接部と、
    を有する、
    ことを特徴とする免震構造。
  2. 上部構造と下部構造との隙間に設けられ、前記上部構造を免震支承する免震装置と、
    前記隙間に、前記免震装置と並列に設けられ、前記上部構造と前記下部構造との間の水平振動を減衰する減衰機構と、
    を備えた免震構造であって、
    前記減衰機構は、
    前記上部構造と前記下部構造との水平方向への相対変位に応じて減衰力を発生する減衰装置と、
    前記上部構造に一体に設けられ、前記減衰装置の一端を支持する上側基部と、
    前記下部構造に一体に設けられ、前記減衰装置の他端を支持する下側基部と、
    を有し、
    前記上側基部及び前記下側基部の少なくとも一方は、前記相対変位が所定距離より大きくなることを抑止する過大変位抑止部を備え、
    前記隙間には前記減衰機構が複数設けられており、
    複数の前記減衰機構には、
    第1水平方向の振動を減衰する第1減衰機構と、
    前記第1水平方向と直交する第2水平方向の振動を減衰する第2減衰機構と、
    が含まれ、
    前記第1減衰機構は、
    前記第1水平方向に離間した第1上側基部及び第1下側基部と、
    前記第1上側基部に一端が支持され、前記第1下側基部に他端が支持された第1減衰装置と、
    を有し、
    前記第2減衰機構は、
    前記第2水平方向に離間した第2上側基部及び第2下側基部と、
    前記第2上側基部に一端が支持され、前記第1下側基部に他端が支持された第2減衰装置と、
    を有し、
    前記第1上側基部及び前記第1下側基部の少なくとも一方は、前記第2水平方向への過大変位を抑止する第2過大変位抑止部を有し、
    前記第2上側基部及び前記第2下側基部の少なくとも一方は、前記第1水平方向への過大変位を抑止する第1過大変位抑止部を有し、
    前記第2過大変位抑止部は、前記第1水平方向の長さが第1長さの第2過大変位抑止面を備え、
    前記第1過大変位抑止部は、前記第2水平方向の長さが前記第1長さの第1過大変位抑止面を備え、
    前記第2過大変位抑止面と前記第2水平方向に前記所定距離離間した第2当接部であって、前記第1長さをa、前記所定距離をcとしたとき、前記第1水平方向の長さが、前記第2過大変位抑止部の前記第1水平方向の中心に対応する位置から、前記第1水平方向の一方側と他方側にそれぞれ(a/2+c)以上の第2当接部と、
    前記第1過大変位抑止面と前記第1水平方向に前記所定距離離間した第1当接部であって、前記第2水平方向の長さが、前記第1過大変位抑止部の前記第2水平方向の中心に対応する位置から、前記第2水平方向の一方側と他方側にそれぞれ(a/2+c)以上の第1当接部と、
    を有することを特徴とする免震構造。
  3. 上部構造と下部構造との隙間に設けられ、前記上部構造を免震支承する免震装置と、
    前記隙間に、前記免震装置と並列に設けられ、前記上部構造と前記下部構造との間の水平振動を減衰する減衰機構と、
    を備えた免震構造であって、
    前記減衰機構は、
    前記上部構造と前記下部構造との水平方向への相対変位に応じて減衰力を発生する減衰装置と、
    前記上部構造に一体に設けられ、前記減衰装置の一端を支持する上側基部と、
    前記下部構造に一体に設けられ、前記減衰装置の他端を支持する下側基部と、
    を有し、
    前記上側基部及び前記下側基部の少なくとも一方は、前記相対変位が所定距離より大きくなることを抑止する過大変位抑止部を備え、
    前記隙間には前記減衰機構が複数設けられており、
    複数の前記減衰機構には、
    第1水平方向の振動を減衰する第1減衰機構と、
    前記第1水平方向と直交する第2水平方向の振動を減衰する第2減衰機構と、
    が含まれ、
    前記第1減衰機構は、
    前記第1水平方向に離間した第1上側基部及び第1下側基部と、
    前記第1上側基部に一端が支持され、前記第1下側基部に他端が支持された第1減衰装置と、
    を有し、
    前記第2減衰機構は、
    前記第2水平方向に離間した第2上側基部及び第2下側基部と、
    前記第2上側基部に一端が支持され、前記第1下側基部に他端が支持された第2減衰装置と、
    を有し、
    前記第1上側基部及び前記第1下側基部の少なくとも一方は、前記第1水平方向への過大変位を抑止する第1過大変位抑止部を有し、
    前記第2上側基部及び前記第2下側基部の少なくとも一方は、前記第2水平方向への過大変位を抑止する第2過大変位抑止部を有し、
    前記第1過大変位抑止部は、前記第2水平方向の長さが第2長さの第1過大変位抑止面を備え、
    前記第2過大変位抑止部は、前記第1水平方向の長さが前記第2長さの第2過大変位抑止面を備え、
    前記第1過大変位抑止面と前記第1水平方向に前記所定距離離間した第1当接部であって、前記第2長さをb、前記所定距離をcとしたとき、前記第2水平方向の長さが、前記第1過大変位抑止部の前記第2水平方向の中心に対応する位置から、前記第2水平方向の一方側と他方側にそれぞれ(b/2+c)以上の第1当接部と、
    前記第2過大変位抑止面と前記第2水平方向に前記所定距離離間した第2当接部であって、前記第1水平方向の長さが、前記第2過大変位抑止部の前記第1水平方向の中心に対応する位置から、前記第1水平方向の一方側と他方側にそれぞれ(b/2+c)以上の第2当接部と、
    を有することを特徴とする免震構造。
  4. 請求項2又は3に記載の免震構造であって、
    前記過大変位抑止部と前記所定距離離間し、前記相対変位によって前記過大変位抑止部と当接する当接部を有する、
    ことを特徴とする免震構造。
  5. 請求項4に記載の免震構造であって、
    前記過大変位抑止部又は前記当接部は、緩衝材を備える、
    ことを特徴とする免震構造。
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