JP2014029908A - 半導体装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】半導体装置1は、第1半導体層11を備える。第1半導体層11とヘテロ接合している第2半導体層12を備える。第2半導体層12の表面の一部に接するソース電極21を備える。第2半導体層12の表面の一部に接しており、ソース電極21から離れているドレイン電極22を備える。第2半導体層12の表面の一部に接しており、ソース電極21とドレイン電極22の間に位置しており、ソース電極21とドレイン電極22の双方から離れているp型の第3半導体層13を備える。ドレイン電極22と第3半導体層13との間に位置する第2半導体層12の表面に接するシリコン酸化膜層14を備える。第2半導体層12の表面とシリコン酸化膜層14との間には、第2半導体層12の自然酸化膜が存在していない。
【選択図】図1
Description
(特徴1) 本明細書に開示されている半導体装置は、第1半導体層、第2半導体層、ソース電極、ドレイン電極、第3半導体層、及びシリコン酸化膜層を備える。第1半導体層は、窒化物半導体である。第2半導体層は、窒化物半導体であり、第1半導体層の表面とヘテロ接合している。ソース電極は、第2半導体層の表面の一部に接する。ドレイン電極は、第2半導体層の表面の一部に接しており、ソース電極から離れている。第3半導体層は、第2半導体層の表面の一部に接しており、ソース電極とドレイン電極の間に位置しており、ソース電極とドレイン電極の双方から離れており、p型の窒化物半導体である。シリコン酸化膜層は、ドレイン電極と第3半導体層との間に位置する第2半導体層の表面に接する。シリコン酸化膜層は、第2半導体層の表面を脱酸素雰囲気中において窒素を含むガスで処理した後に、その脱酸素雰囲気を維持しながら形成された層である。第2半導体層の表面において、エッチング等によるダメージによって、窒化物半導体を構成する窒素原子が抜けて未結合手が形成される場合がある。この場合、第2半導体層の表面の界面準位密度が高くなる。本明細書に開示されている半導体装置では、窒素を含むガスで処理することによって、未結合手に窒素原子を再結合させることができる。これにより、第2半導体層の表面の界面準位密度を低くすることが可能となる。また、窒素を含むガスによる処理後の第2半導体層の表面を酸素に曝さないようにして、第2半導体層の表面にシリコン酸化膜を形成することができる。これにより、第2半導体層の自然酸化膜が形成されてしまうことを防止することが可能となる。
(特徴2)窒素を含むガスは、アンモニアであることが好ましい。アンモニアガスは、窒素ガスなどに比して活性が高いため、第2半導体層の表面への各種の処理を効率よく行うことができる。
(特徴3)本明細書に開示されている半導体装置の製造方法は、第1半導体層の表面に第1半導体層とヘテロ接合する第2半導体層を形成する工程を備える。第2半導体層の表面にp型の第3半導体層を形成する工程を備える。第3半導体層の一部を除去し、第2半導体層を露出させる工程を備える。露出した第2半導体層の表面に形成されている第2半導体層の自然酸化膜を、脱酸素雰囲気中で除去する自然酸化膜除去工程を備える。自然酸化膜除去工程における脱酸素雰囲気を維持したまま、露出している第2半導体層の表面にシリコン酸化膜層を形成する工程を備える。第3半導体層を挟んで対向する位置に存在するシリコン酸化膜層の一部を除去して第2半導体層を露出させる工程を備える。露出している第2半導体層の一方の表面にソース電極を形成し、他方の表面にドレイン電極を形成する工程を備える。本明細書に開示されている半導体装置の製造方法では、第2半導体層の表面のうち、第3半導体層が形成されていない領域に、第2半導体層の自然酸化膜が存在していない半導体装置を形成することができる。これにより、これらの領域の第2半導体層の表面における界面準位密度を低くすることができるため、電流コラプスを低減させることができる。また、自然酸化膜除去工程によって自然酸化膜を除去した第2半導体層の表面を酸素に曝さないようにして、シリコン酸化膜層を形成することができる。これにより、第2半導体層の自然酸化膜が再度形成されてしまうことを防止できるため、電流コラプスを低減させることが可能となる。
(特徴4)本明細書に開示されている半導体装置の製造方法は、窒化物半導体の第1半導体層の表面に第1半導体層とヘテロ接合する窒化物半導体の第2半導体層を形成する工程を備える。第2半導体層の表面にp型の窒化物半導体の第3半導体層を形成する工程を備える。第3半導体層の一部を除去し、第2半導体層を露出させる工程を備える。露出した第2半導体層の表面を脱酸素雰囲気中において窒素を含むガスで処理する工程を備える。窒素を含むガスで処理する工程における脱酸素雰囲気を維持したまま、露出している第2半導体層の表面にシリコン酸化膜層を形成する工程を備える。第3半導体層を挟んで対向する位置に存在するシリコン酸化膜層の一部を除去して第2半導体層を露出させる工程を備える。露出している第2半導体層の一方の表面にソース電極を形成し、他方の表面にドレイン電極を形成する工程を備える。第2半導体層の表面において、第3半導体層の一部を除去する工程によるダメージによって、窒化物半導体を構成する窒素原子が抜けて未結合手が形成される場合がある。本明細書に開示されている半導体装置の製造方法では、窒素を含むガスで処理することによって、未結合手に窒素原子を再結合させることができる。これにより、第2半導体層の表面の界面準位密度を低くすることが可能となる。また、窒素を含むガスによる処理後の第2半導体層の表面を酸素に曝さないようにして、第2半導体層の表面にシリコン酸化膜を形成することができる。
(特徴5)窒素を含むガスで処理する工程は、アンモニアを含む雰囲気中でのアニール処理を備えていることが好ましい。アンモニアガスは、窒素ガスなどに比して活性が高い。また、雰囲気温度が高いほど、アンモニアガスの反応性を高めることができる。よって、第2半導体層の表面への各種の処理を効率よく行うことができる。
(特徴6)アニール工程で使用される温度は、第2半導体層の表面が荒れる臨界温度以下であることが好ましい。これにより、第2半導体層の表面へのダメージを抑えることができる。
まず、図1の断面図を参照して半導体装置1の概略構成を説明する。半導体装置1は、pGaNゲート型のHFETである。基板10は、サファイア(Al2O3)によって形成されている。なお、基板10は、SiやSiC基板であってもよい。基板10の表面には、真性の化合物半導体であるi型の窒化ガリウムからなる、第1半導体層11が形成されている。第1半導体層11の表面には、化合物半導体であるAlGaNで形成されている、第2半導体層12が積層されている。第1半導体層11と第2半導体層12とは、ヘテロ接合を形成している。第2半導体層12はアルミニウム(Al)を含有しており、第2半導体層12のバンドギャップは第1半導体層11のバンドギャップより大きい。
半導体装置1の製造方法を、図2〜図6を用いて説明する。図2は、製造方法を説明するフローチャートである。図3〜図6は、図1と同一断面における断面図である。
本実施例に係る半導体装置1の動作を説明する。半導体装置1は、ノーマリオフ型の半導体装置として構成されている。例えば、ドレイン電極22に5Vが印加され、ソース電極21が接地された状態で、ゲート電極20に0Vのゲート電圧Vgを印加した状態では、第1半導体層11と第2半導体層12との接合界面のうちの第3半導体層13の下方に位置する接合界面が空乏化され、2次元電子ガス層が発生しない。よって、半導体装置1がオフとされる。一方、半導体装置1がオフの状態から、ゲート電極20に例えば5Vのゲート電圧Vgを印加すると、第3半導体層13の下方に位置する接合界面に2次元電子ガス層が形成され、第1半導体層11と第2半導体層12との接合界面の全領域に亘って2次元電子ガス層が発生する。これにより、半導体装置1は、ターンオンすることができる。
半導体装置1では、電流コラプスが発生する場合がある。電流コラプスは、低電圧動作での半導体装置1のオン抵抗値と比べて、高電圧動作でのオン抵抗値が高くなってしまう現象である。図7を用いて具体的に説明する。半導体装置1では、第1半導体層11(GaN)と第2半導体層12(AlGaN)との接合部近傍に、2次元電子ガス層30が生成される。また半導体装置1では、第3半導体層13のドレイン電極22側の端部に、一番強い電界がかかる。この電界により、2次元電子ガス層30の一部の電子31は、第2半導体層12のバリアをトンネルして、第2半導体層12の表面に存在するトラップに捕獲される。すると、第2半導体層12のトラップに捕獲された電子31が2次元電子ガス層30の電子を反発させるため、2次元電子ガス層30の濃度が低下する。その結果、捕獲された電子31の近傍に存在する2次元電子ガス層30のオン抵抗が、上昇してしまう。
半導体装置1における、電流コラプスの低減効果の確認実験を行った。測定対象として、本明細書に開示されている半導体装置1、および、比較用の半導体装置を用意した。比較用の半導体装置は、シリコン酸化膜層14が形成されていない点以外は、半導体装置1と同様の構造を備えている。そして、通常時のオン抵抗と、ストレス電圧を印加した直後のオン抵抗とを、半導体装置1および比較用の半導体装置の各々について測定した。測定回路は、ソース電極をDC電源の−端子に接続し、ドレイン電極を負荷抵抗(10kΩ)を介してDC電源の+端子に接続した構成を有している。オン抵抗は、ドレイン−ソース間電圧Vdsを、ドレイン電流Idで除して求めた。
本明細書に開示されている半導体装置1では、ソース電極21と第3半導体層13との間の領域R1(図1)や、ドレイン電極22と第3半導体層13との間の領域R2(図1)において、第2半導体層12の表面にAlGaNの自然酸化膜が存在していない構成を備えている。これにより、領域R1およびR2において、第2半導体層12の表面における界面準位密度を低くすることができるため、電流コラプスを低減させることができる。
半導体装置1で用いられる化合物半導体の組合せは、本実施例の組合せに限られない。第1半導体層11/第2半導体層12/第3半導体層13の組合せとして、例えば、GaN/InXGaYAlZN/pGaN(X+Y+Z=1.0)の組合せや、GaAs/AlGaAs/pAlGaAsの組合せを用いることも可能である。
11:第1半導体層
12:第2半導体層
13:第3半導体層
14:シリコン酸化膜層
21:ソース電極
22:ドレイン電極
Claims (9)
- 第1半導体層と、
前記第1半導体層の表面とヘテロ接合している第2半導体層と、
前記第2半導体層の表面の一部に接するソース電極と、
前記第2半導体層の表面の一部に接しており、前記ソース電極から離れているドレイン電極と、
前記第2半導体層の表面の一部に接しており、前記ソース電極と前記ドレイン電極の間に位置しており、前記ソース電極と前記ドレイン電極の双方から離れているp型の第3半導体層と、
前記ドレイン電極と前記第3半導体層との間に位置する前記第2半導体層の表面に接するシリコン酸化膜層と、
を備え、
前記第2半導体層の表面と前記シリコン酸化膜層との間には、前記第2半導体層の自然酸化膜が存在していないことを特徴とする半導体装置。 - 前記第1半導体層、前記第2半導体層、及び前記第3半導体層は、窒化物半導体である請求項1に記載の半導体装置。
- 前記第1半導体層はGaNであり、
前記第2半導体層はAlGaNであり、
前記第3半導体層はp型のGaNである請求項1または2に記載の半導体装置。 - 窒化物半導体の第1半導体層と、
前記第1半導体層の表面とヘテロ接合している窒化物半導体の第2半導体層と、
前記第2半導体層の表面の一部に接するソース電極と、
前記第2半導体層の表面の一部に接しており、前記ソース電極から離れているドレイン電極と、
前記第2半導体層の表面の一部に接しており、前記ソース電極と前記ドレイン電極の間に位置しており、前記ソース電極と前記ドレイン電極の双方から離れているp型の窒化物半導体の第3半導体層と、
前記ドレイン電極と前記第3半導体層との間に位置する前記第2半導体層の表面に接するシリコン酸化膜層と、
を備え、
前記シリコン酸化膜層は、前記第2半導体層の表面を脱酸素雰囲気中において窒素を含むガスで処理した後に、その脱酸素雰囲気を維持しながら形成された層である半導体装置。 - 前記窒素を含むガスは、アンモニアである請求項4に記載の半導体装置。
- 第1半導体層の表面に前記第1半導体層とヘテロ接合する第2半導体層を形成する工程と、
前記第2半導体層の表面にp型の第3半導体層を形成する工程と、
前記第3半導体層の一部を除去し、前記第2半導体層を露出させる工程と、
露出した前記第2半導体層の表面に形成されている前記第2半導体層の自然酸化膜を、脱酸素雰囲気中で除去する自然酸化膜除去工程と、
前記自然酸化膜除去工程における脱酸素雰囲気を維持したまま、露出している前記第2半導体層の表面にシリコン酸化膜層を形成する工程と、
前記第3半導体層を挟んで対向する位置に存在する前記シリコン酸化膜層の一部を除去して前記第2半導体層を露出させる工程と、
露出している前記第2半導体層の一方の表面にソース電極を形成し、他方の表面にドレイン電極を形成する工程と、
を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 窒化物半導体の第1半導体層の表面に前記第1半導体層とヘテロ接合する窒化物半導体の第2半導体層を形成する工程と、
前記第2半導体層の表面にp型の窒化物半導体の第3半導体層を形成する工程と、
前記第3半導体層の一部を除去し、前記第2半導体層を露出させる工程と、
露出した前記第2半導体層の表面を脱酸素雰囲気中において窒素を含むガスで処理する工程と、
前記窒素を含むガスで処理する工程における脱酸素雰囲気を維持したまま、露出している前記第2半導体層の表面にシリコン酸化膜層を形成する工程と、
前記第3半導体層を挟んで対向する位置に存在する前記シリコン酸化膜層の一部を除去して前記第2半導体層を露出させる工程と、
露出している前記第2半導体層の一方の表面にソース電極を形成し、他方の表面にドレイン電極を形成する工程と、
を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記窒素を含むガスで処理する工程は、アンモニアを含む雰囲気中でのアニール処理を備えている請求項7に記載の半導体装置。
- 前記アニール処理で使用される温度は、前記第2半導体層の表面が荒れる臨界温度以下である請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
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