JP2014027968A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】不正行為を抑制できる遊技機を提供すること。
【解決手段】各制御装置間で送受信されるコマンド等を、2本の信号線を使用してそれぞれに逆位相の信号を伝送する差動伝送方式によって送信する。2本の信号線を用いてデータを伝送するので、データ伝送方式が差動伝送方式であることを知らずに、不正なコマンドを1本の信号線に対してのみ送信しようとした場合、2本の信号線は逆位相の信号とならずに、伝送されたデータは異常なデータとなる。よって、この場合、不正なコマンドが受け付けられないので、不正行為が行われないようにすることができる。
【選択図】図66

Description

本発明は、パチンコ機などの遊技機に関するものである。
従来より、遊技者に有利な特別遊技状態である当たりを付与するか否かの抽選を行うなど、遊技の主な制御を主制御装置にて行い、賞球の払出を制御する払出制御装置や、各種演出の実行を制御する表示制御装置等の演出制御装置などは、当たりを付与するか否かの抽選結果を示す制御信号を含めて、主制御装置からの制御信号に基づいて、制御が行われる。
特開2005−103044号公報
このような従来の遊技機に対し、主制御装置と払出制御装置との間や、主制御装置と演出制御装置との間などに、不正な基板を接続し、払出制御装置または演出制御装置に対して不正な信号を送信することで、不当に遊技者に有利な状態を作り出す者がいる。
本発明は、上記例示した事情等を鑑みてなされたものであり、不正行為を抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、遊技者に有利な特別遊技状態とするか否かを抽選し、遊技の主な制御を行う主制御手段と、その抽選結果に関する情報を示す信号を含めて、その主制御手段からの信号に基づいて制御を行う従制御手段とを備えるものであって、前記主制御手段は、前記従制御手段へ送信する信号を、2本の信号線を使用してそれぞれに逆位相の信号を伝送する差動伝送方式によって送信する送信手段を備える。
請求項1記載の遊技機によれば、主制御手段によって、遊技者に有利な特別遊技状態とするか否かの抽選が行われ、遊技の主な制御が行われる。また、特別遊技状態とするか否かの抽選結果に関する情報を示す信号を含めて、主制御手段からの信号に基づいて、従制御手段により制御が行われる。ここで、主制御手段から従制御手段へ送信される信号は、送信手段によって、2本の信号線を使用してそれぞれに逆位相の信号を伝送する差動伝送方式によって送信される。これにより、主制御手段と従制御手段との間に不正な基板を接続し、従制御手段に対して不正な信号を送信することで、不当に遊技者に有利な状態を作り出そうとしても、主制御手段から従制御手段へ送信される信号は、2本の信号線を使用して送信されるので、不正な信号を従制御手段に送信し難くすることができる。よって、このような不正行為を抑制できるという効果がある。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、通常の遊技が行われる間は、停留手段によって、遊技領域を流下した前記遊技媒体は停留させず、回収手段へ排出される。よって、通常の遊技が行われる間は、停留手段を遊技媒体が通過しないように流路を設ける必要がないので、構成を簡略化できるという効果がある。
(a)は、第1実施形態におけるパチンコ機およびカードサンド装置の正面図であり、(b)は、パチンコ機を正面右側(矢印Ib方向)から見た場合の右側面図である。 パチンコ機から扉枠を取り外した状態を示した正面図である。 (a)は、図2の状態から張出部を覆う樹脂製のカバーを取り外した状態を示した正面図であり、(b)は、(a)に示すIIIb方向からパチンコ機を見た場合の拡大図である。 遊技盤の構成を示す正面図である。 第3図柄表示装置の表示画面を説明するための図である。 パチンコ機10の背面図である。 内枠12及び遊技盤30の構成を示す背面図である。 (a)は、シリンダ錠が回転操作されていない状態におけるシリンダ錠と摺動杆およびフォトセンサとの位置関係を示した図であり、(b)は、シリンダ錠が正面視左回りに回転操作された状態におけるシリンダ錠と摺動杆およびフォトセンサとの位置関係を示した図であり、(c)は、シリンダ錠が正面視右回りに回転操作された状態におけるシリンダ錠と摺動杆およびフォトセンサとの位置関係を示した図であり、(d)は、フォトセンサの概略構成を示した図であり、(e)は、図1のVIIIe−VIIIe線部分断面図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 各種カウンタの概要を示す図である。 (a)は、大当たり乱数テーブルを模式的に示した模式図であり、(b)は、大当たり種別テーブルを模式的に示した模式図であり、(c)は、大当たり用変動パターンテーブルを模式的に示した模式図であり、(d)は、外れ用(通常)変動パターンテーブルを模式的に示した模式図であり、(e)は、外れ用(確変)変動パターンテーブルを模式的に示した模式図である。 計数装置、発射制御装置およびカードサンド装置の電気的構成を示すブロック図である。 主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される変動開始処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される賞球処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理を示すフローチャートである。 計数装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 計数装置内のMPUにより実行される第1球数判定処理を示すフローチャートである。 計数装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 計数装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 計数装置内のMPUにより実行される循環球数計数処理を示したフローチャートである。 計数装置内のMPUにより実行される第2球数判定処理を示すフローチャートである。 計数装置内のMPUにより実行される所持球数計数処理を示したフローチャートである。 計数装置内のMPUにより実行される扉枠開放処理を示したフローチャートである。 計数装置内のMPUにより実行される第3球数判定処理を示すフローチャートである。 計数装置内のMPUにより実行される第4球数判定処理を示すフローチャートである。 計数装置内のMPUにより実行される精算処理を示すフローチャートである。 計数装置内のMPUにより実行される大当たり終了球判定処理を示すフローチャートである。 計数装置内のMPUにより実行される通常時球判定処理を示すフローチャートである。 第2実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 内枠12及び遊技盤30の構成を示す背面図である。 アウト球側停留装置の内部構成を模式的に示した模式図であり、(a)は、遊技が行われている通常時のアウト球側停留装置の状態を示し、(b)は、電源が断された場合のアウト球側停留装置の状態を示し、(c)は、電源が再投入され、アウト球側停留装置に停留された球を流下させるときのアウト球側停留装置の状態を示した図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 計数装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 計数装置内のMPUにより実行される球回収処理を示すフローチャートである。 計数装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 計数装置内のMPUにより実行される第1球数判定処理を示すフローチャートである。 計数装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 計数装置内のMPUにより実行される第2球数判定処理を示すフローチャートである。 計数装置内のMPUにより実行される所持球数計数処理を示したフローチャートである。 計数装置内のMPUにより実行される扉枠開放処理を示したフローチャートである。 計数装置内のMPUにより実行される第3球数判定処理を示すフローチャートである。 計数装置内のMPUにより実行される第4球数判定処理を示すフローチャートである。 計数装置内のMPUにより実行される精算処理を示すフローチャートである。 計数装置内のMPUにより実行される大当たり終了球判定処理を示すフローチャートである。 計数装置内のMPUにより実行される通常時球判定処理を示すフローチャートである。 発射制御装置により実行される発射制御処理を示すフローチャートである。 第3実施形態におけるパチンコ機の計数装置、発射制御装置およびカードサンド装置の電気的構成を示すブロック図である。 発射制御装置により実行される発射制御処理を示すフローチャートである。 計数装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 計数装置内のMPUにより実行される球回収処理を示すフローチャートである。 第4実施形態におけるパチンコ機の発射制御装置により実行される発射制御処理を示すフローチャートである。 計数装置内のMPUにより実行される球回収処理を示すフローチャートである。 計数装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 第5実施形態におけるパチンコ機の発射制御装置により実行される発射制御処理を示すフローチャートである。 計数装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 第6実施形態におけるパチンコ機の計数装置、発射制御装置およびカードサンド装置の電気的構成を示すブロック図である。 発射制御装置により実行される発射制御処理を示すフローチャートである。 計数装置内のMPUにより実行される球回収処理を示すフローチャートである。 第7実施形態におけるパチンコ機の、各制御装置間で送受信されるコマンドや信号の伝送方式を示した図である。
以下、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」と称す)10に適用した場合の一実施形態である第1実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、第1実施形態のパチンコ機10の外観構成およびカードサンド装置70について説明する。図1(a)は、パチンコ機10及びカードサンド装置70の正面図であり、図1(b)はパチンコ機10を正面右側(矢印Ib方向)から見た場合の右側面図である。
カードサンド装置70は、各パチンコ機10と1対1に対応させて設けられ、対応するパチンコ機10の左側側部(又は右側側部)に設置されて、該パチンコ機10と接続される。パチンコ機10は、対応するカードサンド装置70に投入された紙幣の金額、又は、該カードサンド装置70に挿入された後述の会員カードに記録されている貯蓄データ(残額)の範囲内で、遊技者に球を貸し出す。遊技者は、この貸し出された球(貸出球)と、遊技によって払い出された球(賞球)とを所持球として、パチンコ機10において遊技を行うことができる。
ここで、本実施形態のパチンコ機10は、遊技で使用する球を島設備から供給を受けたり、遊技に使用した球を島設備に排出したりするのではなく、所定個数(本実施形態では50個)の球をパチンコ機10の中に予め用意し、該パチンコ機10内でその球を循環させて遊技に使用する、いわゆる機内循環式のパチンコ遊技機として構成されている。この機内循環式のパチンコ機10は、従来の払出装置を有しておらず、遊技者へ直接的に球の貸し出しや払い出しを行わずに、貸出球や賞球を数値化して(得点として)遊技者に付与する。
この機内循環式のパチンコ機10は、従来の島設備、即ち、該島設備に設置された各パチンコ機10から球を回収し、回収した球を洗浄して、再び各パチンコ機10へ振り分けるといった大がかりな機構を備えた島設備を不要とすることができる。よって、パチンコ機10を導入するホールにおいて、島設備にかかるコストを低減することができる。また、島設備を点検・保守するために該島設備に設置されたパチンコ機10を全て止める必要がなく、パチンコ機10毎に点検・保守を行うことができるので、パチンコ機10の稼働率を上げることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、磁石によって引き寄せられない非磁性の球、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼球を遊技球(以下、単に「球」と称す)として使用する。これにより、遊技者が磁石を用いて球の流下方向を変更するような不正行為や、後述する遊技領域に球を流下させずに保持させて、遊技領域が開放された場合に球に対して何らかの細工を施すような不正行為が行われないようにしている。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ17が取り付けられ、そのヒンジ17が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側(前方側)へ開閉可能に支持されている。内枠12を閉じた場合、その内枠12は外枠11に対して施錠される。
内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂により構成されている。ABS樹脂は、材料コストが安価で、メッキ等ののりが良く装飾性に優れ、耐衝撃性が大きいので、内枠12の構成材料として好適である。
内枠12は、正面視上側2/3〜3/4の領域に、多数の釘や入賞口3,4,5a等を有する後述の遊技盤13(図4参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより、弾球遊技が行われる。
また、内枠12は、正面視下部、即ち、遊技盤13が装着される領域の下側において、正面手前側(前方側)に張り出した張出部16を有している。詳細については後述するが、この張出部16の内部に、球を遊技盤13の前面領域(遊技領域)に発射する球発射ユニット66と、その球発射ユニット66から発射された直後の球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール63と、遊技盤13の前面領域から回収された遊技に使用された球を貯留して球発射ユニット66に次に発射する球を供給する供給通路65とが、主に配設されている(図3参照)。尚、本実施形態において、パチンコ機10は機内循環式のパチンコ機であるため、一般的なパチンコ遊技機とは異なり、内枠12には、球を貯留するための上皿および下皿が省略されている。
張出部16は樹脂製(例えば、ABS樹脂)のカバーによって覆われており、そのカバーはパチンコ機10の正面側から開閉不能および取外不能に構成されている。これにより、少なくとも供給通路65に貯留されている球に遊技者が触れられないように構成されており、供給通路65に貯留されたパチンコ機10で使用する球に対して、遊技者が何らかの不正行為(例えば、球を交換したり、球に油を塗って遊技領域における球の動きを変化させたりする等の不正行為)を行えないようにすることができる。
張出部16の正面視上部には、遊技者の所持球を得点として表示するためのデータ表示器24が配設されている。このデータ表示器24は、貸出球および賞球の総数から、遊技盤13の前面に発射した球の総数を減じた値を、遊技者の所持球の数(所持球数)として、得点表示するものであり、例えば、複数の7セグメントLED(Light Emitting Diode)によって複数桁の数字を表示可能に構成される。パチンコ機10の正面手前側、即ち、遊技者側に張り出した張出部16の上部手前側にデータ表示器24を配設することで、遊技者は、遊技盤13から目線を少し下にずらすだけで、現在の所持球数を確認することができる。よって、遊技盤13から目をそらす時間を減らせるので、遊技に支障なく、所持球数の確認を行うことができる。
張出部16の正面視右下側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル39が配設され、かかる操作ハンドル39の内部には球発射ユニット66の駆動を許可するためのタッチセンサ39aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ39bと、操作ハンドル39の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。
操作ハンドル39が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ39aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル39の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル39が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ39aおよび打ち止めスイッチ39bがオフとなっている。
内枠12において遊技盤13が装着される領域の前面側には、その前面を覆う扉枠(「ガラス枠」ともいう)14が設けられている。扉枠14を支持するために、内枠12において遊技盤13が装着される領域の正面視左側の上下2カ所に、金属製のヒンジ18が取り付けられている。そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として扉枠14が正面手前側(前方側)へ開閉可能に支持されている。扉枠14を閉じた場合、その扉枠14は内枠12に対して施錠される。
内枠12には、その内枠12の開閉軸および扉枠14の開閉軸から離間した側の端部(正面視右端部)の正面視中央下部において、後述する施錠装置20(図7参照)を構成するシリンダ錠21aが配設されている。外枠11に対する内枠12の施錠と、内枠12に対する扉枠14の施錠とは、このシリンダ錠21aの鍵穴21bに専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。具体的には、鍵穴21bに差し込んだ鍵を左方向に回した場合は、内枠12の施錠が解錠される。一方、鍵穴21bに差し込んだ鍵を右方向に回した場合は、扉枠14の施錠が解錠される。
詳細については図8(e)を参照して後述するが、本実施形態における扉枠14の施錠は、扉枠14に設けられた突出部96aに対し、内枠12に設けられた電子錠99の係合棒99aを係合させることによって行われている。遊技中において鍵穴21bに差し込まれた鍵が右方向に回された場合、パチンコ機10は、球発射ユニット66における球の発射を停止し、停止前に発射された球が遊技盤13の前面領域を流下して再び供給通路65に回収されるのに十分な時間(本実施形態では、球の発射停止後30秒)を経過した後に、電子錠99の係合棒99aと扉枠14の突出部96aとの係合状態を電気的に解除することで、扉枠14の施錠を解錠する。これにより、たとえ遊技中に鍵穴21bに鍵が差し込まれて右方向に回されることで、扉枠14の解錠が指示されたとしても、遊技中に発射された球が遊技盤13の前面を流下している間は少なくとも扉枠14が閉鎖したままの状態を維持することができる。よって、扉枠14が開放されたときには球がカバーで覆われた供給通路65に格納させることができるので、パチンコ機14に内蔵された球を遊技者が触れられないようにし、球に対して不正行為が行われないようにすることができる。
扉枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14aが設けられている。扉枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット(図示せず)が配設され、そのガラスユニットを介して内枠12に装着された遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
扉枠14には、その周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。例えば、窓部14aの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部32〜36が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部32〜36が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部32〜36が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、扉枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ31が設けられている。
扉枠14の下部は、正面手前側(前方側)に張り出しており、その張り出し部の略中央の位置に操作部23が設けられている。操作部23は、遊技者による操作指示を受け付ける入力装置であり、ジョイスティック23aと、ジョイスティック23aの正面視左側に配設された操作ボタン23bと、ジョイスティック23aの正面視右側に配設された操作ボタン23cとによって構成されている。遊技者からジョイスティック23a、操作ボタン23b,23cが操作されると、パチンコ機10は、後述する第3図柄表示装置81にて実行される各種演出において表示される画像を変更することで、遊技者に対して大当たりとなる期待感を高めている。これにより、遊技者が遊技に積極的に参加できるようになっている。
ここで、扉枠14に操作部23を設けることによって、以下の効果を得ることができる。即ち、本実施形態におけるパチンコ機10は、機内循環式のパチンコ機であるので、通常のパチンコ機では設けられていない、供給通路65といった球を機内で循環させるための機構を有している。従来、パチンコ機を入れ替える場合、パチンコ機全体を島設備から取り外して入れ替えていたが、機内循環式パチンコ機では、球を機内で循環させる機構を有しているので、パチンコ機1台の単価が通常のパチンコ機よりも高く、結果としてパチンコ機の入れ替えに要するコストが高くなる。
パチンコ機の各機種・型式において大きく異なるのは、遊技盤13および扉枠14の形状である。そこで、外枠11や、球を機内で循環させるための機構を含む内枠12を、各機種や型式で共通化し、パチンコ機を入れ替える場合は、扉枠14と遊技盤13とを交換するようにすれば、外枠11および内枠12を各機種・型式で使い回すことができるので、パチンコ機の入れ替えに係るコストを低く抑えることができる。
そして、このようにパチンコ機を入れ替える場合、本実施形態のように操作部23を扉枠14に設けていれば、パチンコ機を入れ替えるときに操作部23を扉枠14と併せて交換することができる。よって、機種・型式毎に、操作部23の構成やデザインを容易に変更することができる。
操作部23が設けられた扉枠14の張り出し部は、内枠14の張出部16の上側に乗った形で配設される。これにより、操作部23が扉枠14だけでなく、内枠14によっても支えられるので、操作部23を強く押下するなど、遊技者により操作部23に強い力が特に正面視下方向に働いたとしても、操作部23やそれを支える扉枠14が破壊されることを抑制することができる。
扉枠14には、シリンダ錠21aの上側に、レベルメータ22が配設されている。レベルメータ22は、遊技中に鍵穴21bに差し込まれた鍵が右方向に回された場合に、扉枠14が解錠されるまでの時間経過を示すものである。上述した通り、パチンコ機10は、遊技中において鍵穴21bに差し込まれた鍵が右方向に回された場合、球の発射を停止してから30秒を経過した後に、扉枠14の施錠を解錠する。レベルメータ22は、この30秒の時間経過を遊技者に示す。
レベルメータ22は、縦一列に矩形状の領域が5個連設され、また、その矩形状の領域の一番上側の領域の更に上側に連設されるように、円形状の領域が1個配設されている。そして、5個の矩形状の領域と1個の円形状の領域とには、それぞれLEDが設けられている。レベルメータ22の各領域に設けられたLEDは、通常時において消灯されている。パチンコ機10は、遊技中において鍵穴21bに差し込まれた鍵が右方向に回された場合、球の発射を停止してから5秒経過すると、一番下の矩形状の領域に設けられたLEDを点灯し、更に5秒経過すると(球の発射を停止してから10秒経過すると)、下から2番目の矩形状の領域に設けられたLEDを点灯する。そして、5秒経過する毎に、下から順番に矩形状の領域に設けられたLEDを点灯していき、球の発射を停止してから30秒経過した時に、矩形状の領域の上側に設けられた円形状領域のLEDを点灯する。そして、扉枠14の施錠を解錠する。
これにより、鍵穴21bに差し込んだ鍵を右に回してから扉枠30が解錠されるまでの間、レベルメータ22によって解錠されるまでの時間経過を視認できるので、解錠されるまでの待ち時間の経過を遊技者に伝えることができると共に、その待ちの間に感じる心理的負担を、軽減することができる。
窓部14aの右下側には、扉枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓37が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図4参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部31〜36の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材が取り付けられている。
パチンコ機10の正面視左側には、カードサンド装置70が配置されている。このカードサンド装置70には、紙幣を投入するための紙幣投入口71及び会員カードを挿入するためのカード挿入口72が配設されている。遊技者によりカード挿入口72に会員カードが挿入され、その挿入された会員カードの正当性(不正なものでないこと)が確認された場合に、その会員カードに記憶された貯蓄データ(残額)、又は、紙幣投入口71に投入された紙幣の金額の範囲内で、遊技者への貸出球の貸出が可能な状態となる。
紙幣投入口71の下方には、紙幣投入口71に投入された紙幣やカード挿入口72に挿入された会員カードの残額を表示するための残額表示部73が配設されると共に、その残額表示部73の下方(図1下側)には、貸出球を得るための貸出ボタン74が配設されている。遊技者により貸出ボタン74が操作されると、紙幣または会員カードに残額が存在する限りにおいて、データ表示器37に表示された所持球の数が、貸し出した貸出球の数分だけ加算される。
貸出ボタン74の下方(図1下側)には、カード挿入口72に挿入された会員カードの返却を求めるための返却ボタン75が配設されている。カードサンド装置70は、返却ボタン75が押下されると、その時点においてデータ表示器24に表示された所持球数をパチンコ機10から受け取って所定の交換レートでポイント換算し、この換算されたポイントを会員カードの貯蓄データに累積加算する。そして、累積加算された貯蓄データを記憶した会員カードをカード挿入口72から排出する。
カードサンド装置70には、また、各種ランプとして、球単価表示ランプ76と、カード利用可能ランプ78と、貸出可能ランプ79aと、エラー表示ランプ79bとが設けられている。
球単価表示ランプ76は、貸出球の球単価(貸出レート)を表示するランプで、球単価が1円の場合に点灯されるランプと、球単価が2円の場合に点灯されるランプと、球単価が4円の場合に点灯されるランプとが設けられている。なお、貸出レートは、事前にホールコンピュータ263(図12参照)からカードサンド装置70に対して送信され、設定される。例えば、カードサンド装置70に電源が入れられると、ホールコンピュータ263は、当該カードサンド装置70に対し、当該カードサンド装置70に対応する貸出レートに係るレート信号を送信する。そして、当該レート信号を受信したカードサンド装置70は、当該レート信号により特定される貸出レートを、カードサンド装置70内のRAM273(図12参照)の所定エリアに記憶することで、貸出レートを設定する。球単価表示ランプ76は、この設定された貸出レート(球単価)に応じたランプが点灯される。遊技者は、球単価表示ランプ76にて点灯されたランプによって、その球単価表示ランプ76が設けられたカードサンド装置70に対応するパチンコ機10における貸出球の球単価(交換レート)を知ることができる。
カード利用可能ランプ78は、カード挿入口72へ会員カードが挿入可能か否かを報知するためのランプである。カードサンド装置70は、カード挿入口72へ会員カードが挿入可能である状態にある場合に、カード利用可能ランプ78を点灯する。遊技者は、カード利用可能ランプ78の点灯状態により、カードサンド装置70に会員カードが挿入可能か否かを判断できる。
なお、カードサンド装置70は、電源投入後、貸出レートが設定され、且つ、後述する計数装置111において所持球数の計数が可能な状態となったことを示す計数許可信号を受信するまでの間、カード利用可能ランプ78を点灯させず、会員カードの受付を許可しない待機状態となっている。つまり、レート信号がホールコンピュータ263からカードサンド装置70に対する貸出許可信号の役割を果たしている。そして、カードサンド装置30は、貸出レートの設定が完了すると、カード利用可能ランプ78を点灯して、会員カードが受付可能となった旨を遊技者に報知する。
貸出可能ランプ79aは、球の貸し出しが可能であるか否かを遊技者に報知するためのランプである。貸出可能ランプ79aは、球の貸し出しが可能な場合に点灯される。通常時、カードサンド装置70は貸出可能ランプ79aを非点灯とする。そして、カード挿入口72へ会員カードが挿入され、その会員カードが不正なものではなく、正当なものであると確認された場合に限り、カードサンド装置70は貸出可能ランプ79aを点灯し、遊技者に球の貸し出しが可能であることを報知する。一方、カード挿入口72に会員カードを挿入しても、その会員カードの正当性が確認できない場合は、カードサンド装置70は貸出可能ランプ79aを非点灯のままとし、また、遊技者からの球の貸出要求を拒否する。また、紙幣投入口71への紙幣の受付も不許可とする。これにより、カード挿入口72に挿入した会員カードでは球の貸し出しが行なえず、更に、現金を基に球の貸し出しを受けることができないことを、遊技者に通知することができる。この場合、遊技者は、ホールの店員を呼び、会員カードに記憶されたデータが破壊されていないか確認を行ってもらう等の対応を行うことができる。
このように、本パチンコ機10では、球を使用して遊技を行うためには、カード挿入口72に正当な会員カードを挿入することが必須となる。
エラー表示ランプ79bは、所定のエラー時に点灯するランプである。カードサンド装置70は、内部で所定のエラーを検出した場合にエラー表示ランプ79bを点灯する。例えば、カード挿入口72に挿入された会員カードが正当なものではなく、不正なものであると確認された場合は、エラー表示ランプ79bを点灯する。ホールの店員は、エラー表示ランプ79bの点灯を確認することによって、カードサンド装置70において所定のエラーが発生したことを認識することができる。これにより、ホールの店員は、カードサンド装置70に生じたエラーに対して、対処することができる。
次いで、図2,図3を参照して内枠12の詳細について説明する。図2は、パチンコ機10から扉枠14を取り外した状態を示した正面図である。図3(a)は、図2の状態から更に張出部16を覆う樹脂製のカバーを取り外した状態を示した正面図であり、図3(b)は、パチンコ機10から張出部16を覆う樹脂製のカバーを取り外した状態で、図3(a)に示すIIIb方向からパチンコ機10を見た場合の拡大図である。図2,図3(a)は、便宜上、遊技盤13面上の遊技領域内の構成を空白で示している。
図2,図3(a)に示す通り、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース40を主体に構成されており、樹脂ベース40の中央部には略円形状の窓孔41が形成されている。この樹脂ベース40の後側には、遊技盤13が内枠12に対して着脱可能に装着されている。遊技盤13は四角形状の合板より構成され、その周縁部が樹脂ベース40(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤13の前面部の略中央部分が樹脂ベース40の窓孔41を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
樹脂ベース40には、窓孔41の右下部に略四角形状の小窓47が設けられている。遊技盤13の右下隅部には後述する通り貼着スペースK1が設けられ、その貼着スペースK1に張られたシール等は、遊技盤13が樹脂ベース40の後側に装着された場合に小窓47を通じて視認できるようになっている。また、この小窓47からシール等を貼り付けることも可能となっている。
内枠12において、遊技盤13が装着される領域の下側にて正面手前側(前方側)に張り出した張出部16の内部には、図3(a)に示す通り、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット66と、その球発射ユニット66から発射された直後の球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール63と、遊技盤13の前面領域から回収された遊技に使用された球を貯留して球発射ユニット66に次に発射する球を供給する供給通路65とが、主に配設されている。
球発射ユニット66は、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、後述する発射制御装置112(図12参照)によって駆動される。発射制御装置112は、後述の計数装置111から発射許可の指示を受けた上で、遊技者が操作ハンドル39に触れていることをタッチセンサ39aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ39bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル39の回動量に対応して発射ソレノイドを励磁し、操作ハンドル39の回転量に応じた強さで球を発射する。
発射レール63は、その後方の金属板62を介して樹脂ベース40に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、操作ハンドル39の回動操作に伴い球発射ユニット66にて発射された球は、まず発射レール63に沿って斜め上方に打ち出され、その後、遊技盤13に設けられた後述の2本のレール61,62で形成される球案内通路60を通じて、遊技領域に案内される。
発射レール63と遊技盤13に設けられた外レール62との間には、所定間隔の隙間が形成され、この隙間より下方にファール球通路64が形成されている。このファール球通路64は、供給通路65へ接続されており、球発射ユニット66から発射された球が戻り球防止部材68まで至らずファール球として球案内通路を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路64を介して供給通路65に排出され貯留される。これにより、ファール球は供給通路65を介して再び球発射ユニット65に供給され、遊技盤13の前面領域に向けて発射される。
ファール球通路64には、ファール球検出スイッチ93が設けられている。ファール球検出スイッチ93は、ファール球通路64を通過した球を検出するものであり、その検出結果は、後述する計数装置111(図12参照)へ出力される。計数装置111は、供給通路65に貯留されている球を計数しており、ファール球通路64を通過した球がファール球検出スイッチ93によって検出された場合に、供給通路65に貯留されている球の数(図12に示した循環球数メモリ213cの値)を1加算する。
供給通路65は、上述した通り、遊技盤13の前面領域に向けて発射する球を貯留し、球発射ユニット66に対して球を1球ずつ供給するものである。本実施形態において、パチンコ機10の機内に50球の球が貯留され、この50球の球を循環させながら遊技者に遊技を行わせている。遊技が行われていないときには、50球の球が供給通路65に貯留される。
供給通路65において、正面視上左側の端部65aは、遊技盤13の裏面側に設けられた排出通路42(図7参照)と接続されている。遊技盤13の前面領域を流下した球は、遊技盤13に設けられた後述する各種入賞口3,4,5a(図4参照)や、アウト口6から一旦遊技盤13の裏面に排出され、遊技盤13の裏面に設けられた排出通路42(図7参照)を通って端部65aから供給通路66に供給される。また、供給通路65は、端部65aの右側において、ファール球通路64と接続されており、ファール球として球案内通路を逆戻りしてきた球が、ファール球通路64から供給通路65へ供給される。
供給通路65は、正面視上左側の端部65aから正面視下右側の端部65bに向けて傾斜を伴いながらZ状に通路が形成されており、その通路の幅(正面視前後方向における幅)は、球が1球ずつ通過可能な範囲(例えば、球の直径の1.3倍以上1.8倍以下の範囲)に設定されている。これにより、端部65a及びファール球通路64から供給された球は、1球ずつ端部65bに向けて流下する。端部65bには、図示しないソレノイドによって開閉可能なゲート(図示せず)が設けられており、通常時はそのゲートが閉鎖されている。よって、端部65a及びファール球通路65から供給された球は、端部65bのゲートによって端部65bから1球ずつ順次留められ、供給通路65内に貯留される。
端部65bのゲートを開閉するソレノイドは、球発射ユニット66が発射制御装置112の駆動によって球を発射される直前に、その発射制御装置112によって駆動され、端部65bのゲートが開放される。端部65bのゲート付近において、供給通路65の下面は、発射ユニット166側が低くなるように勾配が設けられている。これにより、端部65bのゲートが開放された場合に、供給通路65に貯留されている球が球発射ユニット66へ向けて転がり、球発射ユニット66に該球が供給される。
供給通路65の端部65bのゲートと球発射ユニット66との間には、球送り検出スイッチ94が設けられている。球送り検出スイッチ94は、供給通路65の端部65bから球発射ユニット66への球の供給を検出するスイッチである。球送り検出スイッチ94によって、供給通路65から球発射ユニット66に球が1球供給されたことが検出されると、端部65bのゲートを開閉するソレノイドが発射制御装置112によって駆動され、端部65bのゲートが再び閉鎖される。これにより、球発射ユニット66によって球が発射される直前に、球が1球だけ球発射ユニット66に供給される。そして、ここで供給された球が球発射ユニット66により、遊技版13の全面領域に向けて球が発射される。
球送り検出スイッチ94の検出結果は、後述する計数装置111(図12参照)へも出力される。計数装置111は、供給通路65に貯留されている球を計数しており、供給通路65から球発射ユニット66に供給された球が送り球送り検出スイッチ94によって検出された場合に、供給通路65に貯留されている球の数(図12に示した循環球数メモリ213cの値)を1減算する。
また、詳細については後述するが、計数装置111では、球送り検出スイッチ94において、供給通路65から球発射ユニット66に供給された球が未検出である時間を計測しており、その時間が例えば30秒(つまり、球が供給通路65から球発射ユニット66へ供給されてから、球発射ユニット66により発射され、遊技盤13の前面領域を流下し、再び供給通路65に戻ってくるまでに十分な時間)を経過した場合に、球発射が停止されて(または、遊技者により遊技が停止されて)、パチンコ機10の機内を循環するすべての球が供給通路65に貯留されていると判断する。
このとき、計数装置111では、供給通路65に貯留されている球の数を確認し、パチンコ機10内を循環する球の数に異変がないか否かを確認する。そして、パチンコ機10内を循環する球の数に異変がある場合は、パチンコ機10内で何らかのトラブルが発生しているか、パチンコ機10に対して何らかの不正行為が行われた可能性があると判断して、そのことを音声や表示ランプ31の点灯などによって報知する。
従来の機内循環式パチンコ機では、機内に貯留されている球の数を、その球が供給通路65に確実に貯留された状態にある電源投入時のみ確認していた。電源投入時のみに、機内に貯留されている球の数を確認するのは、遊技中は基本的に球が様々な場所(発射レール、球案内通路、遊技盤の前面領域など)に分散して存在するため、機内に貯留されている球の数を正確に判断することが難しいためである。しかしながら、それでは、遊技中にトラブルが発生したり不正行為が行われたりした場合に、それを早い段階で認識することはできなかった。
本実施形態では、球が供給通路65から球発射ユニット66へ供給されてから30秒後、即ち、球発射ユニット66により発射され、遊技盤13の前面領域を流下し、再び供給通路65に戻ってくるまでに十分な時間を経過したと判断されるときにも、供給通路65に貯留されている球の数を確認し、パチンコ機10内を循環する球の数に異変がないか否かを確認する。また、カードサンド装置77の返却ボタン75が操作され、遊技者が遊技を終えるための所持球の精算処理が実行される場合に、球の発射を停止してから30秒経過後にも、供給通路65に貯留されている球の数を確認し、パチンコ機10内を循環する球の数に異変がないか否かを確認する。更に、パチンコ機10において1回の大当たりにおける全てのラウンド演出(特定入賞口5aを開放する演出)が終了し、エンディング演出を開始する場合に、その開始にあわせて球の発射を停止し、その球の発射を停止してから30秒経過後にも、供給通路65に貯留されている球の数を確認し、パチンコ機10内を循環する球の数に異変がないか否かを確認する。
これにより、パチンコ機10の電源投入直後だけでなく、遊技者が休憩等により遊技を一旦停止した場合や、遊技終了後、及び、1回の大当たりにおける全ラウンド演出が終了して遊技者が一息つく場合等に、機内に貯留されている球の数を確認できるので、遊技中に発生したトラブルや不正行為を早めに確認することができる。また、球発射ユニット66により発射され、遊技盤13の前面領域を流下し、再び供給通路65に戻ってくるまでに十分な時間経過したと判断されるときに、供給通路65に貯留されている球の数を確認するので、トラブルや不正行為が発生していなければ、そのときには機内を循環するすべての球が供給通路65に貯留されているはずである。よって、その時点で供給通路65に貯留されている球の数を確認することで、遊技中に発生したトラブルや不正行為を正確に判断することができる。
なお、1回の大当たりにおける全ラウンド演出が終了した後に行われるエンディング演出は、少なくとも31秒以上行うのが望ましい。供給通路65に貯留されている球の数を確認するためには、発射を停止してから少なくとも30秒は球の発射を停止させつける必要があるため、その間、エンディング演出を遊技者に対して付与することにより、球が発射できない不満感から遊技者を解放することができる。また、そのエンディング演出において、何らかのゲーム演出を表示して、以降の遊技状態を遊技者に示したり、その時点で保留されている球に対して行われた大当たり抽選の結果を示唆する予告演出を行うようにしてもよい。これにより、エンディング演出が長くなることによる退屈感から遊技者を解放させることができる。
供給通路65に貯留されている球の数は、上述した通り、各種スイッチによって検出された供給通路65へ供給される球の通貨および供給通路65から排出される球の通貨に基づいて、計数装置111により計数されるほか、供給通路65に設けられた50球検出スイッチ92及び51球検出スイッチ91によっても判断可能となっている。
50球検出スイッチ92は、供給通路65において端部65bから順に1球ずつ並んで球が貯留されていった場合に、端部65b側から50球目の球が留められる位置に設けられたスイッチである。この位置に球が存在する場合に、50球検出スイッチ92がオンされ、この位置に球が存在しない場合に、50球検出スイッチ92はオフされる。
51球検出スイッチ91は、供給通路65において端部65bから順に1球ずつ並んで球が貯留されていった場合に、端部65b側から51球目の球が留められる位置に設けられたスイッチである。この位置に球が存在する場合に、51球検出スイッチ91がオンされ、この位置に球が存在しない場合に、51球検出スイッチ91はオフされる。
これら50球検出スイッチ92の検出結果と51球検出スイッチ91の検出結果とは、後述する計数装置111に出力され、これらの検出結果から、計数装置111にて供給通路65に貯留されている球の数が判断される。即ち、計数装置111において50球検出スイッチ92が所定時間オンされ続けていることを確認した場合に、供給通路65において少なくとも50球の球が貯留されていることを判断する。また、計数装置111において51球検出スイッチ91が所定時間オンされ続けていることを確認した場合に、供給通路65において少なくとも51球の球が貯留されていることを判断する。
50球検出スイッチ92の検出結果から供給通路65に少なくとも50球の球が貯留され、51球検出スイッチ91の検出結果から供給通路65に51球の球は貯留されていないと判断された場合は、供給通路65に50球の球が貯留されていると判断できる。よって、パチンコ機10の機内に貯留されているはずの50球の球が供給通路65に全て貯留されているべき場合に、供給通路65に50球の球が貯留されていると判断できたときには、計数装置111は、パチンコ機10においてトラブルや不正行為が発生しておらず、パチンコ機10が正常な状態にあると判断する。
50球検出スイッチ92の検出結果から供給通路65に少なくとも50球の球が貯留され、51球検出スイッチ91の検出結果から供給通路65に少なくとも51球の球が貯留されていると判断された場合は、供給通路65に51球以上の球が貯留されていると判断できる。よって、パチンコ機10の機内に貯留されているはずの50球の球が供給通路65に全て貯留されているべき場合に、供給通路65に51球以上の球が貯留されていると判断できたときには、計数装置111は、パチンコ機10に不正に球が混入される等の不正行為が行われたか、供給通路65内部において球詰まりが発生している可能性が高いと判断し、その旨をオーバーエラーとして報知する。
50球検出スイッチ92の検出結果から供給通路65に50球の球は貯留されておらず、51球検出スイッチ91の検出結果から供給通路65に51球の球は貯留されていないと判断された場合は、供給通路65に貯留されている球は50球未満であると判断できる。よって、パチンコ機10の機内に貯留されているはずの50球の球が供給通路65に全て貯留されているべき場合に、供給通路65に50球の球が貯留されていると判断できたときには、計数装置111は、パチンコ機10において遊技盤13の前面領域に球詰まりが発生しているなどのトラブルが発生している可能性が高いと判断し、その旨をアンダーエラーとして報知する。
一方、パチンコ機10の機内に貯留されているはずの50球の球が供給通路65に全て貯留されているべき場合に、50球検出スイッチ92の検出結果から供給通路65に50球の球は貯留されておらず、51球検出スイッチ91の検出結果から供給通路65に少なくとも51球の球が貯留されていると判断された場合は、50球検出スイッチ92及び51球検出スイッチ91の少なくとも一方が故障している可能性が高い。よって、この場合、計数装置111は、50球検出スイッチ92及び51球検出スイッチ91の少なくとも一方が故障している可能性が高い旨をスイッチエラーとして報知する。
51球検出スイッチ91の検出結果は、また、遊技中においても計数装置111によって監視される。上述した通り、供給通路65に貯留される球の数は50球であり、51球検出スイッチ91が設けられている位置、即ち、供給通路65において端部65bから順に1球ずつ並んで球が貯留されていった場合に端部65b側から51球目の球が留められる位置には、球が停留することはない。つまり、51球検出スイッチ91では、遊技中において球の通過が検出されるだけである。それにも関わらず、遊技中において、少なくとも球の通過に要する時間よりも長い時間、51球検出スイッチ91において球の存在が検出された場合は、供給通路65の51球検出スイッチ91が設けられた位置において球が停留しており、パチンコ機10に不正に球が混入される等の不正行為が行われたか、供給通路65内部において球詰まりが発生している可能性が高いと判断できる。
そこで、計数装置111では、遊技中に51球検出スイッチ91が所定時間継続してオンされ続けていた場合に、パチンコ機10に不正に球が混入される等の不正行為が行われたか、供給通路65内部において球詰まりが発生している可能性が高いと判断し、それをオーバーエラーとして報知する。これにより、遊技中においてもパチンコ機10に不正に球が混入される等の不正行為が行われたか、供給通路65内部において球詰まりが発生している可能性を、早い段階で遊技者やホール関係者に認識させることができる。
なお、遊技中において、供給通路65において端部65bから順に1球ずつ並んで球が貯留されていった場合に端部65b側から50球目の球が留められる位置に、球が停留することもない。よって、遊技中に50球検出スイッチ91が所定時間継続してオンされ続けていた場合に、パチンコ機10に不正に球が混入される等の不正行為が行われたか、供給通路65内部において球詰まりが発生している可能性が高いと判断し、それをオーバーエラーとして報知するようにしてもよい。
供給通路65には、球を検出するスイッチとして、更に、最少数球検出スイッチ90が設けられている。遊技中、即ち、球が遊技領域に向けて発射されている間においても、供給通路65には、少なくとも所定の数Aの球(本実施形態では、10個の球)が貯留される。最少数球検出スイッチ90は、供給通路65において端部65bから順に1球ずつ並んで球が貯留されていった場合に、端部65b側からその所定の数A(即ち、10)個目の球が留められる位置に設けられたスイッチである。この位置に球が存在する場合に、最少数球検出スイッチ90がオンされ、この位置に球が存在しない場合に、最少数球検出スイッチ90はオフされる。
最少数球検出スイッチ90の検出結果は、計数装置111に出力されている。ここで、通常であれば、遊技中においても、この最少数球検出スイッチ90が設けられた供給通路の位置において球が貯留されているので、発射ユニット66へ球が供給されることにより、貯留されている球が端部65bに向けて移動する間を除き、最少数球検出スイッチ90はオンされ続けることになる。よって、発射ユニット66へ球が供給されることにより、貯留されている球が端部65bに向けて移動する期間よりも長い時間、最少数球検出スイッチ90がオフされ続けている場合は、供給通路65の最少数球検出スイッチ90が設けられている位置において球が貯留されていない、と判断できる。この場合、遊技盤13の前面領域に球詰まりが発生しているなどして、遊技盤13の前面領域に発射された球が供給通路65に回収できていないトラブルが発生している可能性がある。
そこで、計数装置111では、遊技中に最少数球検出スイッチ90が所定時間継続してオフされ続けた場合に、遊技盤13の前面領域に球詰まりが発生しているなどして、遊技盤13の前面領域に発射された球が供給通路65に回収できていないトラブルが発生している可能性が高いと判断し、それをアンダーエラーとして報知する。これにより、遊技中にトラブル等が発生した場合に、それを早い段階で遊技者やホール関係者に認識させることができる。
なお、最少数球検出スイッチ90は、供給通路65において端部65bから順に1球ずつ並んで球が貯留されていった場合に、端部65b側からB個目(ただし、0<B<A。Aは、球が遊技領域に向けて発射されている間において、供給通路65に少なくとも貯留されている球の数。)の位置に設けられてもよい。ただし、最少数球検出スイッチ90の取り付け位置が、端部65b側からA個目の位置に近いほど、よりアンダーエラーを多く検出することができる。
供給通路65の端部65bの正面視下側には、供給通路65から貯留されている球を抜き取る球抜き通路67が接続されている。この球抜き通路67は、内枠21の背面側に通じており、内枠21の背面側に出口67bが設けられている。供給通路65から抜き取られた球は、内枠21の背面側の出口67bから排出される。
供給通路65と球抜き通路67との接続部67aにはゲート(図示せず)が設けられており、通常時はそのゲートが閉鎖されている。よって、通常時、供給通路65に貯留された球は球抜き通路67から排出されることはない。
供給通路65と球抜き通路67との接続部67aに設けられたゲートには、ゲートの開閉を行うレバー67cが取り付けられている。このレバー67cは、球抜き通路67の正面視右側に配設されており、そのレバー67cと球発射ユニット66との間に設けられたバネによって、レバー67cに対して正面視左側の向きに力を付勢している。このバネによる付勢によって、レバー67cはゲートの閉鎖状態を維持している。
レバー67cは、正面視右側方向に向けて引っ張り可能に構成されている。レバー67cが正面視右側方向に引っ張られた場合、その引っ張りにあわせて、接続部67cに設けられたゲートが開放され、供給通路65と球抜き通路67とが連通する。これにより、供給通路65に貯留された球が球抜き通路67を介してパチンコ機10の外部に排出される。レバー67cに対して正面視右側方向に加えられた引っ張り力が解除されると、レバー67cは、球発射ユニット66との間に設けられたバネの付勢力によって引っ張られる前の位置に戻り、再び接続部67cに設けられたゲートが閉鎖され、供給通路65と球抜き通路67との連通が解除される。これにより、供給通路65に貯留された球が抜き取られない状態とすることができる。
尚、レバー67cは、張出部16に設けられた樹脂製のカバーによって覆われており、パチンコ機10の正面側から操作することができない。レバー67cの操作は、内枠21の背面側からのみ行える。よって、供給通路65に貯留された球の抜き取りは、内枠21の施錠を解錠し、内枠21の背面側を開いたもの(ホール関係者)のみが行えることができる。ホール関係者は、計数装置111からパチンコ機10においてトラブルや不正行為が発生したことが報知された場合に、内枠21の背面側を開くことで、レバー67cを操作し、供給通路65に貯留された球を抜き取って、球に問題がないか否かを手にとって調べることができる。
また、図2に示される通り、張出部16の内部に設けられた球発射ユニット66、発射レール63、供給通路65、球抜き通路67も、張出部16に設けられた樹脂製のカバーによって覆われている。そのカバーは、パチンコ機10の正面側から開閉不能および取外不能に構成されている。これにより、少なくとも供給通路65に貯留されている球に遊技者が触れられないように構成されており、パチンコ機10で使用する球に対して、遊技者が何らかの不正行為(例えば、球を交換したり、球に油を塗って遊技領域における球の動きを変化させたりする等の不正行為)を行えないようにすることができる。
樹脂ベース40の正面視右側には、扉枠14に設けられた後述の突出部96a(図6(e)参照)を挿入するための挿入孔48が設けられている。通常時、挿入孔48に挿入された突出部96aは、樹脂ベース40の背面側に設けられた後述の電子錠99(図6(e)参照)によって係合され、扉枠14を施錠する。そして、電子錠99による突出部96aの係合が解除された場合に、突出部96aは挿入孔48から抜き出すことが可能となり、内枠12に係合されていた扉枠14を内枠12から開放させることができる。
次に、図4,図5を参照して、遊技盤13の詳細について説明する。図4は、内枠12に装着される遊技盤14の構成を示す正面図である。図5は、遊技盤13の可変表示装置ユニット80に設けられた第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図である。
遊技盤13は、図4に示す通り、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板50に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口3、始動入賞口4、可変入賞装置5、スルーゲート7、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口3、始動入賞口4、可変入賞装置5、スルーゲート7、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板50に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、扉枠14の窓部14a(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13と扉枠14の裏面側に配設されたガラスユニット(図示せず)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット66(図3参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられる。この戻り球防止部材68は、通常時において2本のレール61,62に挟まれた球案内通路60の出口を縮小(閉鎖)し、球案内通路60から遊技盤13の上部へ球が案内される場合に、球の運動量によって球案内通路60の出口を拡大(開放)するものである。球案内通路60によって案内された球は、球自身の運動量によって戻り球防止部材68を拡大し、遊技盤13の上部へと移動する。
一方、戻り球防止部材68は、遊技盤13の上部から球案通路60へ球が移動しようとした場合に、球案内通路60の出口を縮小(閉鎖)した状態を維持するように構成されている。これにより、一旦遊技盤13の上部へ案内された球が、再度球案内通路60へ戻ってしまうといった事態を防止できる。
戻り球防止部材68には、遊技球検出スイッチ68aが設けられている。遊技球検出スイッチ68aは、球案内通路60から遊技盤13の上部へ球が案内されたことを検出するスイッチである。この遊技球検出スイッチ68aは、球案内通路60から遊技盤13の上部へ球が案内される場合に、球の運動量によって球案内通路60の出口が拡大(開放)されたことを検出することで、球案内通路60から遊技盤13の上部へ球が案内されたことを検出する。この遊技球検出スイッチ68aによる球の検出回数をカウントすることで、遊技に使用される球の数(遊技球数)をカウントすることができる。なお、遊技球検出スイッチ68aは、球案内通路60から遊技盤13の上部へ案内された球の通過を検出するものであれば、任意の構成であってよい。
外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板50に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図4の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(LED)87aと7セグメント表示器87bとが設けられた第1図柄表示装置87が配設されている。第1図柄表示装置87は、LED87aと7セグメント表示器87bとを用いて、後述する主制御装置110(図9参照)で行われる各制御に応じて第1図柄の表示を行うものであり、その第1図柄の表示態様によって、主にパチンコ機10の遊技状態を表示する。複数のLED87aは、始動入賞口4への入球(始動入賞)に伴って行われる変動中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その始動入賞に対して行われる抽選の結果に応じた図柄を点灯状態により示したり、始動入賞口4に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示器87bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED87aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより少ない数のLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
本パチンコ機10では、始動入賞口4への入球に対して行われる抽選において、大当たりか否かの当否判定を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、2R確変大当たり、時短大当たりが用意されている。LED87aには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「2R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「時短大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄(普通図柄)の当たり確率がアップして、始動入賞口4に付随する電動役物が開放されやすくなることで、始動入賞口4へ球が入球し易い遊技の状態を含む。
一方で、「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄(普通図柄)の当たり確率のみがアップして、始動入賞口4に付随する電動役物が開放されやすくなることで、始動入賞口4へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。
なお、第2図柄の当たり確率を変更する代わりに、パチンコ機10の遊技状態に応じて、始動入賞口4に付随する電動役物が開放する時間や、第2図柄における1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしても良い。例えば、低確率状態の時短状態や高確率状態は、始動入賞口4に付随する電動役物の開放時間が、その他の遊技状態と比して長くなる状態であってもよい。また、低確率状態の時短状態や高確率状態は、第2図柄における1回の当たりで電動役物の開放する回数が、その他の遊技状態と比して多くなる状態であってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個の球が賞球として払い出される複数(図4では4個)の一般入賞口3が配設されている。この一般入賞口3へ球が入賞すると、遊技盤13の裏面側に設けられる一般入賞スイッチ44(図7参照)がオンとなり、その一般入賞スイッチ44のオンに起因して、5個の球が賞球として払い出される。なお、本パチンコ機10は機内循環式のパチンコ機であるので、遊技者に対して5球の球が実際に払い出されるのではなく、パチンコ機10内部で計数される遊技者の所持球数に5球分の値が加算される。
遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、後述する始動入賞口4への入球(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置87における変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート7の球の通過をトリガとして第2図柄(普通図柄)を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置83とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114(図9参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示される変動表示(変動演出)が行われるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置87で行われるのに対して、その第1図柄表示装置87の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしてもよい。
ここで、図5を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図5は、上述した通り、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図であり、実際の表示画面を例示した図である。また、図5には、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とが、あわせて模式的に示してある。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図9参照)による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動演出が第3図柄表示装置81にて行われ、その変動演出が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に高確率状態(確変状態)に移行する場合は、奇数番号が付加された主図柄(「高確率図柄」に相当)が揃う変動演出が行われる。一方、大当たり終了後に低確率状態に移行する場合は、偶数番号が付加された主図柄(「低確率図柄」に相当)が揃う変動演出が行われる。
第3図柄表示装置81の表示画面は、大きく3つの領域に分割されている。1つは、変動表示領域Dmであり、1つは、演出表示領域Dbであり、もう1つは、保留表示領域Dsである。
変動表示領域Dmは、第3図柄が可変表示される変動演出が表示される領域である。変動表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、変動表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。従って、変動表示領域Dmには、3列×3段の計9個の第3図柄が表示される。
ここで、各図柄列Z1〜Z3の中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技(変動演出)に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば、大当たりとなって、大当たり演出が行われる。
演出表示領域Dbは、第3図柄の背面側にキャラクタや文字情報等を表示して、変動表示領域Dmにて変動演出が行われている途中に予告演出を表示したり、大当たり時に大当たり演出を表示したりして、各種の演出画像を表示する領域である。
ここで、予告演出は、現在行われている変動演出において大当たりとなる期待度を示唆する演出であり、予告演出で表示される画像の内容によって、その大当たりとなる期待度が遊技者に分かるようになっている。遊技者は、変動演出中に表示される予告演出を見ることによって、大当たりとなる期待感を高めることができる。
パチンコ機10では、変動時間の短い変動演出から変動時間の長い変動演出まで用意されており、予告演出は、変動演出の変動時間が長いものほど多く実行されるように構成されている。それは、変動演出の変動時間が長いと、停止表示されるまで遊技者が退屈してしまうおそれがあるからであり、予告演出を数多く実行することで、予告演出が表示される度に、遊技者に大当たりへの期待感を持たせることができる。よって、遊技者に対して、遊技への興趣を高めることができ、遊技を継続して行わせることができる。
保留表示領域Dsは、始動入賞口4に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域である。第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置87)にて変動表示が行われている間に球が始動入賞口4へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置87により示されると共に、保留表示領域Dsにおいても示される。
保留表示領域Dsには、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、保留表示領域Dsに1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、保留表示領域Dsに保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。遊技者は、保留表示領域Dsに表示された保留球数から、その時点で保留されている保留球の数を把握することができる。
尚、保留表示領域Dsにおける保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置87により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80、遊技盤13、又は扉枠12等に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
図4に戻って、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球がスルーゲート7を通過する毎に表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示を行うものである。第2図柄表示装置83は、スルーゲート7の通過に伴って行った抽選の結果が当たりの場合に、変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、その抽選の結果が外れの場合は、変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が「○」の図柄で停止した場合に始動入賞口4に付随する電動役物が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。球のスルーゲート7の通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置87により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置87又は第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート7の通過は、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置87により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る始動入賞口4が配設されている。この始動入賞口4へ球が入球(始動入賞)すると、遊技盤13の裏面側に設けられる始動入賞スイッチ45(図7参照)がオンとなり、その始動入賞スイッチ45のオンに起因して、主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、また、第1図柄表示装置87や第3図柄表示装置81における変動演出が開始(始動)される。そして、所定の変動時間経過後に、変動演出が停止され、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置87のLED87aで示されると共に、その抽選結果に応じた第3図柄が第3図柄表示装置81(変動表示領域Dm)の有効ラインL1上に停止表示される。また、始動入賞口4は、入賞口の1つであり、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される。なお、本パチンコ機10は機内循環式のパチンコ機であるので、遊技者に対して5球の球が実際に払い出されるのではなく、パチンコ機10内部で計数される遊技者の所持球数に5球分の値が加算される。
第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置87)にて変動表示が行われている間に球が始動入賞口4へ入球した場合、その入球は最大4回まで保留される。そして、保留された球(保留球)に対応する変動演出は、その前に保留されていた保留球に対応する変動演出の終了後に行われるようになっている。上述した通り、保留された保留球の数(保留球数)は第1図柄表示装置87により示されると共に保留表示領域Dsにおいても示される。
尚、本パチンコ機10では、始動入賞口4への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
始動入賞口4の下方には可変入賞装置5が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)5aが設けられている。この特定入賞口5aへ球が入賞すると、遊技盤13の裏面側に設けられる特定入賞スイッチ46(図7参照)がオンとなり、その特定入賞スイッチ46のオンに起因して、15個の球が賞球として払い出される。なお、本パチンコ機10は機内循環式のパチンコ機であるので、遊技者に対して15球の球が実際に払い出されるのではなく、パチンコ機10内部で計数される遊技者の所持球数に15球分の値が加算される。
パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置87のLED87aを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口5aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口5aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口5aが所定時間開放される。この特定入賞口5aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置5は、具体的には、特定入賞口5aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口5aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口5aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口5aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置87において大当たりに対応したLED87aが点灯した場合に、特定入賞口5aが所定時間開放され、その特定入賞口5aの開放中に、球が特定入賞口5a内へ入賞することを契機として特定入賞口5aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、内枠12の小窓47(図2参照)及び扉枠14の小窓37(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13の下方には、アウト口6が設けられている。いずれの入賞口3,4,5aにも入球しなかった球はアウト口6を通って遊技盤13の裏面へ排出される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
次いで、図6,図7を参照して、パチンコ機10の背面の構成を詳しく説明する。図6は、パチンコ機10の背面図であり、図7は、内枠12及び遊技盤30の構成を示す背面図である。
先ず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10の背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、更に、樹脂製の保護カバーによって構成される裏パック302等が取り付けられている。本実施形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニット300,301を構成し、それら制御基板ユニット300,301を個別に内枠12又は遊技盤13の裏面に装着するようにしている。
制御基板ユニット300は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット301は、計数基板(計数装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードサンド装置接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、計数装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードサンド装置接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(計数装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
また、計数装置111にはエラー解除ボタン120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。エラー解除ボタン120は、例えば、計数装置111において、トラブルや不正行為が発生した可能性があるとの判断を行った場合に、そのトラブルや不正行為が解消されたことを計数装置111に対して通知するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次いで、図7を参照して、内枠12及び遊技盤13の裏面構成を説明する。遊技盤13は、樹脂ベース40に囲まれた四角枠状の設置領域に設置され、内枠12に設けられた複数の係止固定具によって脱落しないように固定されている。
遊技盤13の中央には、可変表示装置ユニット80が配置されている。可変表示装置ユニット80においては、センターフレーム86(図4参照)を背後から覆う樹脂製(例えばABS製)のフレームカバー88が後方に突出して設けられており、そのフレームカバー88の後端に、液晶表示装置たるLCD81と表示制御装置114とが前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。フレームカバー88内には、センターフレーム86に内蔵されたLED等を駆動するためのLED制御基板などが配設されている。
また、遊技盤13の裏面には、可変表示装置ユニット80を取り囲むようにして裏枠セット41が取り付けられている。この裏枠セット41は、遊技盤13の裏面に張り付くようにして設けられる薄型の樹脂成型品(例えばABS製)であって、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構が形成されている。詳しくは、裏枠セット41の下方には、前述した一般入賞口3、始動入賞口4、特定入賞口5a(それぞれ図4参照)の遊技盤13の開口部に対応し、且つ下流側で1カ所に集合する回収通路41aが形成されている。
回収通路41aには、下流側で1カ所に集合する位置に、球を排出通路盤42に設けられた排出通路42aへ排出するための排出口41bが設けられている。一般入賞口3、始動入賞口4、特定入賞口5aから回収通路41aによって回収され、下流側で1カ所に集合された球は、その球が集合する箇所に回収通路41aに設けられた排出口41bによって、球排出通路盤42の排出通路42aへ排出される。
球排出通路盤42は、遊技盤13の下方に取り付けられた樹脂成型品(例えばポリカーボネート樹脂製)である。また、排出通路42aは、排出球を内枠12の前面側に設けられた供給通路65の端部65a(図3(a)参照)へ案内するための通路であり、球排出通路盤42に形成されている。
従って、図7に仮想線で例示するように、一般入賞口3等に入賞した遊技球は、何れも裏枠セット41の回収通路41aを介して集合し、排出口41bを通って排出通路盤42の排出通路42aへ排出された後、その排出通路42aを介して供給通路65へ排出される。また、アウト口6に入った球は、直接排出通路42aへ排出され、何れの入賞口にも入賞しなかった球も、排出通路42aを介して供給通路65へ排出される。
上記構成では、遊技盤13の下端面を境界にして、上方に裏枠セット41(回収通路41a)が、下方に排出通路盤42(排出通路42a)が設けられており、排出通路盤42が遊技盤13に対して前後方向に重複(オーバーラップ)せずに設けられている。従って、遊技盤13を内枠12から取り外す際において、排出通路盤42が遊技盤13の取り外しの妨げになるといった不都合が生じることもない。
遊技盤30の裏面には、各種入賞口などへの遊技球の通過を検出するための入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤13表側の一般入賞口3に対応する位置には一般入賞スイッチ44が設けられ、始動入賞口4に対応する位置には始動入賞スイッチ45が設けられ、特定入賞口5aには、特定入賞スイッチ46が設けられている。
一般入賞スイッチ44は、電気配線を通じて盤面中継基板(図示せず)に接続され、更にこの盤面中継基板(図示せず)が後述する主制御装置110に接続されている。また、特定入賞スイッチ46は特定入賞口中継基板(図示せず)に接続され、更にこの特定入賞口中継基板(図示せず)がやはり主制御装置110に接続されている。これに対し、始動入賞スイッチ45は中継基板を介さずに直接主制御装置110に接続されている。
一般入賞スイッチ44により一般入賞口3における球の入賞が感知されると、通常時はオフされている一般入賞スイッチ44がオンされる。これにより、主制御装置110によって5球の賞球が決定されて、所持球が5球増加することを通知する所持球加算コマンドが計数装置111に対して送信される。
始動入賞スイッチ45により始動入賞口4における球の入賞が感知されると、通常時はオフされている始動入賞スイッチ45がオンされる。これにより主制御装置110によって大当たりの抽選がなされ、第1図柄表示装置87や第3図柄表示装置81における変動演出が開始(始動)される。また、主制御装置110により5球の賞球が決定され、所持球が5球増加することを通知する所持球加算コマンドが計数装置111に対して送信される。
特定入賞スイッチ46により特定入賞口5aにおける球の入賞が感知されると、通常時はオフされている特定入賞スイッチ46がオンされる。これにより、主制御装置110によって15球の賞球が決定され、所持球が15球増加することを通知する所持球加算コマンドが計数装置111に対して送信される。
詳細については後述するが、遊技者の所持球数が計数装置111によって計数されており、計数装置111において主制御装置110より所持球加算コマンドを受信すると、その受信した所持球加算コマンドで示される球の数分の値が、所持球数に加算される。これにより、機内循環式パチンコ機10において、賞球が遊技者の所持球として付与される。
遊技盤30の裏面には、また、回収通路41aに設けられた排出口41bの位置に、その排出口41bを通過して排出通路42aへ排出される入賞球を検出する入賞球検出スイッチ47が設けられ、アウト口6の位置に、そのアウト口6から排出通路42aへ排出される球を検出するアウト球検出スイッチ48が設けられている。入賞球検出スイッチ47及びアウト球検出スイッチ48は、いずれも通常時はオフ信号を出力しており、各検出スイッチが設けられている位置を球が通過した場合にオン信号を出力する。この入賞球検出スイッチ47及びアウト球検出スイッチ48は、いずれも計数中継基板(図示せず)に接続され、この計数中継基板(図示せず)が計数装置111に接続されている。
上述した通り、排出口41bを通過して排出通路42aへ排出される球は、各種入賞口(一般入賞口3、始動入賞口4、特定入賞口5aのいずれか)に入賞した入賞球である。よって、排出口41bの位置に設けられた入賞球検出スイッチ47によって検出されるのは、すべて各種入賞口(一般入賞口3、始動入賞口4、特定入賞口5aのいずれか)に入賞した入賞球となる。従って、入賞球検出スイッチ47が計数中継基板を介して計数装置111に接続されることによって、計数装置111において、各種入賞口に入賞した入賞球の数を計数できるようになっている。
また、アウト口6を通過して排出通路42aへ排出される球は、いずれの入賞口3,4,5aにも入賞しなかった球である。よって、アウト口6の位置に設けられたアウト球検出スイッチ48によって検出されるのは、遊技盤13の前面領域(遊技領域)に案内された球のうち、すべて各種入賞口に入賞しなかった球となる。従って、アウト口6が計数中継基板を介して計数装置111に接続されることによって、計数装置111において、遊技盤13の前面領域(遊技領域)に案内された球のうち各種入賞口に入賞しなかった球の数を計数できるようになっている。
内枠12の裏面には、背面視左端部(パチンコ機10の正面視右端部)において、縦長に施錠装置20が配設されている。施錠装置20は、外枠11に対する内枠12の施錠と、内枠12に対する扉枠14の施錠とを行うための装置である。
施錠装置20の正面視中央下部には、シリンダ錠21aが設けられている。シリンダ錠21aは、パチンコ機10の正面側に突出して設けられており、そのパチンコ機10の正面側において鍵穴21b(図1参照)を有している。この鍵穴21bに専用の鍵を差し込み、その差し込んだ鍵を正面視左方向(背面視右方向)に回した場合は、外枠11に対する内枠12の施錠が解錠される。また、鍵穴21bに差し込んだ鍵を正面視右方向(背面視左方向)に回した場合は、内枠12に対する扉枠14の施錠が解錠される。
また、施錠装置20は、外枠11に対する内枠12の施錠を行う内枠施錠ユニットと、内枠12に対する扉枠14の施錠を行う電子錠99とを有している。内枠施錠ユニットは、縦長に形成された鉤基体21eと、鉤基体21eに摺動可能に設けられ外枠11に係合する鉤部材21fとを備えている。鉤基体21eは、複数の取付孔が穿設された取付板21e1と、取付板21e1に直交して鉤部材21fを支持する支持板21e2とにより、断面略L字状に形成される。施錠装置20は、内枠12の裏面側であって開閉軸から離間した側の端部(背面視左端部)に鉤基体21eの取付板21e1をネジで締め付けて内枠12に固定される。
鉤基体21eの支持板21e2の内側には、支持板21e2に沿って縦長に形成された板状の摺動杆21dが上下方向に摺動可能に配設されている。また、鉤基体21eの上下2カ所には、図示しないコイルバネにより上方に常に引っ張られた状態で支持板21e2に摺動可能に支持される鉤部材(内枠用鉤部材)21fが配設されている。内枠用鉤部材21fは、その先端部分が上方に突出した鉤形に形成され、外枠11に設けた受け金具(図示せず)に引っ掛かって内枠12を施錠する。この内枠用鉤部材21fは、摺動杆21dが中立位置より下方へ移動したときにのみ、摺動杆21dに係合して下方に摺動する。摺動杆21dは、内枠用鉤部材21fを付勢するコイルバネの引っ張り力とほぼ同一の大きさの反力で上方へ付勢される。
この上下2つの内枠用鉤部材21fは、独立して下方へ移動可能となっており、針金などで内枠用鉤部材21fを移動して解錠させようとする場合には両方の内枠用鉤部材21fを下方に移動させなければならない。一方のみを下方へ移動させても他方の内枠用鉤部材21fが外枠11の受け金具(図示せず)に引っ掛かったままとなる。このため、不正な解錠操作が困難となって防犯性が高められる。また、内枠用鉤部材21fは、摺動杆21dの下方への摺動に伴って下方へ移動する。摺動杆21dは、シリンダ錠21aに対しての専用鍵による正面視左回り(背面視右回り)の操作に連動して、下方へ摺動するものであり、専用鍵の操作によって内枠12の施錠状態を解除することができる。
ここで、図8(a)〜(c)を参照して、シリンダ錠21aと摺動杆21dとの連動機構について説明する。図8(a)は、シリンダ錠21aが専用鍵によって回転操作されていない状態におけるシリンダ錠21aと摺動杆21dおよび後述するフォトセンサ95との位置関係を示した図であり、図8(b)は、シリンダ錠21aが専用鍵によって正面視左回り(背面視右回り)に回転操作された状態におけるシリンダ錠21aと摺動杆21dおよびフォトセンサ95との位置関係を示した図であり、図8(c)は、シリンダ錠21aが専用鍵によって正面視右回り(背面視左回り)に回転操作された状態におけるシリンダ錠21aと摺動杆21dおよびフォトセンサ95との位置関係を示した図である。
図8(a)に示す通り、シリンダ錠21aの錠軸には、その回動動作によって摺動杆21dの図示しない切欠内に進入する突起を有するカム板21cが取り付けられている。シリンダ錠21aが回転操作されていない場合(図8(a))や正面視右回り(背面視左回り)に回転操作された場合(図8(c))は、カム板21cの突起は摺動杆21dの切欠から外れており、摺動杆21dはコイルバネによって上方へ付勢されている。これにより、内枠用鉤部材21fもコイルバネにより上方に引っ張られた状態を維持するので、内枠用鉤部材21fは、その先端部分が外枠11に設けた受け金具(図示せず)に引っ掛かって、内枠12を外枠11に対して施錠する。
一方、専用鍵がシリンダ錠21aの鍵穴21b(図1参照)に差し込まれた状態で正面視左回り(背面視右回り。図8(b)の時計回り方向。)に回動すると、図8(b)に示す通り、カム板21cの突起が摺動杆21dの切欠内に進入して下方に摺動杆21dを押し下げる。このように、専用鍵の回動操作によって摺動杆21dを下方に摺動させることにより、摺動杆21dに連動する内枠用鉤部材21fを作動させて、外枠11に対する内枠12の施錠状態を解除することができる。
鉤基体21eの取付板21e1には、シリンダ錠21aの上側において、図7及び図8(a)に示す通り、フォトセンサ95が取り付けられている。ここで、図8(d)を参照して、フォトセンサ95の概略構成について説明する。図8(d)は、フォトセンサ95の概略構成を示した図である。
フォトセンサ95は、発光素子(図示せず)が取り付けられた発光素子取付部95aと、受光素子(図示せず)が取り付けられた受光素子取付部95bと、発光素子取付部95aの一端と受光素子取付部95bの一端とを、発光素子と受光素子とが所定距離だけ離れて対向配置されるように連結する連結部95cとによって構成されたコの字形状のセンサであり、発光素子取付部95aと受光素子取付部95bと連結部95cとによって検出溝95dを形成している。
検出溝95dに何ら挿入物がない場合、発光素子取付部95aに取り付けられた発光素子から照射された光は、そのまま受光素子取付部95bに取り付けられた受光素子によって受光される。一方、検出溝95dに挿入物が挿入された場合、発光素子取付部95aに取り付けられた発光素子から照射された光が遮断され、該光を受光素子取付部95bに取り付けられた受光素子が受光できない。フォトセンサ95は、該受光素子において光を受光したか否かを信号として出力することにより、その信号を受信した制御装置において、検出溝95dに何らかの挿入物が挿入されたか否かを判断できる。
このフォトセンサ95は、発光素子取付部95aが背面視前面側(正面視後面側)、受光素子取付部95bが背面視後面側(正面視前面側)、連結部95cが背面視上側に配置され、シリンダ錠21aが正面視右回り(背面視左回り)に回転操作された場合にシリンダ錠21aのカム板21cが検出溝95d内部に挿入されることにより発光素子から受光素子へ照射される光が遮断されるように、鉤基体21eの取付板21e1に取り付けられている。
ここで、再び図8(a)〜(c)を参照して、シリンダ錠21aの回転操作とフォトセンサ95の検出状態との関係について説明する。シリンダ錠21aが回転操作されていない場合(図8(a))や正面視左回り(背面視右回り)に回転操作された場合(図8(b))は、シリンダ錠21aに取り付けられたカム板21cがフォトセンサ95の検出溝95d内から外れており、フォトセンサ95の発光素子から照射された光は、受光素子にて受光される。
一方、専用鍵がシリンダ錠21aの鍵穴21b(図1参照)に差し込まれた状態で正面視右回り(背面視左回り。図8(c)の反時計回り方向。)に回動すると、図8(c)に示す通り、シリンダ錠21aに取り付けられたカム板21cがフォトセンサ95の受光溝95dに挿入される。これにより、フォトセンサ95において、発光素子から受光素子に向けて照射された光がカム板21cによって遮断されるので、発光素子から照射される光を受光素子において受光できなくなる。
パチンコ機10では、フォトセンサ95の検出結果(受光素子において光を受光したか否か)を計数装置111へ出力する。計数装置111は、フォトセンサ95の検出結果に基づいて、シリンダ錠21aが正面視右回り(背面視左回り)に回動されたか否かを判断する。そして、シリンダ錠21aが正面視右回り(背面視左周り)に回動されたと判断された場合、計数装置111が内枠12に取り付けられた電子錠99を動作させて内枠12に対する扉枠14の施錠を解錠するように構成されている。
ここで、図8(e)を参照して、電子錠99の構成と、電子錠99による扉枠14の施錠機構について説明する。図8(e)は、図1のVIIIe−VIIIe線部分断面図である。
電子錠99は、図7にも示した通り、背面視右端上部において鉤基体21eの取付板21e1に取着されることで、内枠12に固定されている。電子錠99は、係合棒99aと、その係合棒99aをパチンコ機10の上下方向に伸縮させるソレノイド99bとによって構成される。ソレノイド99bは、計数装置111によって駆動され、計数装置111の駆動によりソレノイド99bに電圧が印加されると、ソレノイド99bは係合棒99aを引き上げて縮小する。また、ソレノイド99bに電圧が印加されていない状態では、ソレノイド99bは、係合棒99aを引き出して伸張したまま維持する。なお、図8(e)に示した状態が、係合棒99aを伸張した状態である。
扉枠14には、その正面視右端(図1のVIIIe−VIIIe線部分)において、扉枠14の強度を強めるための補強用鉄板96が複数のリブ97を介して扉枠14と接続されており、その補強用鉄板96には、突出部96aが設けられている。内枠12に対して扉枠14が閉じられた状態にある場合、突出部96aは、内枠12に設けられた挿入孔48(図2参照)に挿入されて、内枠12の背面側に突出する。突出部96aにおけるこの内枠12の背面側に突出した部分には、係合孔96bが設けられており、通常時、この係合孔96bに、電子錠99の伸張された係合棒99aが挿入される。これにより、通常時において、扉枠14の突出部96aに、内枠12に設けられた電子錠99の係合棒99aが係合されるので、内枠12に対して扉枠14が施錠される。
一方、シリンダ錠21aが正面視右回り(背面視左周り)に回動された場合、計数装置111が電子錠99のソレノイド99bに電圧を印加することのより、ソレノイド99bによって係合棒99aが縮小され、その係合棒99aが係合孔96bから外される。これにより、扉枠14の突出部96aと、内枠12に設けられた電子錠99の係合棒99aとの係合状態が解除されるので、突出部96aは挿入孔48から抜き出すことが可能となり、扉枠14を内枠12から開放させることができる。つまり、内枠12に対する扉枠14の施錠を解錠することができる。
扉枠14の施錠を電子錠99によって行うのは、以下の理由による。機内循環式のパチンコ機10では、上述した通り、球をパチンコ機10内部で循環させることにより、遊技者に球が触れられない構造となっており、遊技者がパチンコ機10で使用する球に対して何らかの不成行為、たとえば、球を交換したり、球に油を塗って遊技領域における球の動きを変化させたりする等の不正行為を行えないようになっている。
ここで、従来のように、遊技中において鍵穴21bに差し込まれた鍵が右方向に回されると扉枠14を即座に解錠するように構成すると、扉枠14を開放した時点で遊技盤13の前面領域を球が流下している可能性が高く、不正行為を行うために扉枠14を解錠した不正行為者が、容易に球に触れられることができる。よって、不正行為者は、遊技盤13の前面領域を流下している球を抜き出して、不正な球と交換したり、球に油を塗ったりするなどの不正行為を簡単に行うことができるおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、扉枠14の施錠を電子錠99によって施錠しているので、その解錠を電子的に制御することが可能となる。具体的には、遊技中において鍵穴21bに差し込まれた鍵が右方向に回された場合、計数装置111によって、球発射ユニット66における球の発射を停止し、停止前に発射された球が遊技盤13の前面領域を流下して再び供給通路65に回収されるのに十分な時間(本実施形態では、球の発射停止後30秒)を経過した後に、電子錠99のソレノイド99bを駆動することにより、電子錠99の係合棒99と扉枠14の突出部96aとの係合状態を解除して、扉枠14を解錠することができる。これにより、たとえ遊技中に鍵穴21bに鍵が差し込まれて右方向に回されることで、扉枠14の解錠が指示されたとしても、遊技中に発射された球が遊技盤13の前面を流下している間は少なくとも扉枠14が閉鎖したままの状態を維持することができる。よって、扉枠14が開放されたときには球がカバーで覆われた供給通路65に格納させることができるので、パチンコ機14に内蔵された球を遊技者が触れられないようにし、球に対して不正行為が行われないようにすることができる。
また、電子錠99のソレノイド99bは、電圧を印加しない限り係合棒99aを引き出して伸張したまま維持するので、電源がオフされている間は扉枠14を解錠することができない。よって、営業時間外といった電源がオフされている状態で扉枠14が開放され、不正な球が混入されたり、遊技盤13に何らかの細工が施されることを抑制することができる。
内枠12の背面側には、図8(e)に示す通り、扉枠14の突出部96aの突出方向の延長線上に、その突出部96aの先端部を取り囲むようにして、フォトセンサ98が取り付けられている。フォトセンサ98は、図8(d)に示すフォトセンサ95と同一の構成をしたものであり、図8(e)に示すように、発光素子(図示せず)が取り付けられた発光素子取付部98aと、受光素子(図示せず)が取り付けられた受光素子取付部98bと、発光素子取付部98aの一端と受光素子取付部98bの一端とを、発光素子と受光素子とが所定距離だけ離れて対向配置されるように連結する連結部98cとによって構成されたコの字形状のセンサである。また、フォトセンサ98は、発光素子取付部98aと受光素子取付部98bと連結部98cとによって検出溝98dを形成している。
このフォトセンサ98は、発光素子取付部98aが正面視上側、受光素子取付部98bが正面視下側、連結部98cが正面視後側に配置され、扉枠14が閉鎖された場合に扉枠14の突出部96aの先端部が検出溝98d内部に挿入されることにより発光素子から受光素子に向けて照射される光が遮断されるように、内枠12に取り付けられている。
これにより、扉枠14が閉鎖された状態にある場合は、フォトセンサ98において、発光素子から受光素子に向けて照射された光が扉枠14の突出部96aによって遮断されるので、発光素子から照射される光を受光素子において受光できなくなる。一方、扉枠14が開放された状態にある場合は、突出部96aは内枠12から抜き出されるので、フォトセンサ98の検出溝98dから突出部96aが外れた状態となる。よって、この場合、フォトセンサ95の発光素子から照射された光は、受光素子にて受光される。
電子錠99は、フォトセンサ98の検出結果が扉枠14の開放状態を示す信号から閉鎖状態を示す信号へと変化した場合に、ソレノイド99bに印加されている電圧の印加をやめ、係合棒99aを伸張させる。これにより、係合棒99aを扉枠14の突出部96aに係合させることができ、扉枠14の施錠を行うことができる。なお、本実施形態では、扉枠14が閉じられた場合に電子錠99が自動でソレノイド99bに印加されている電圧の印加をやめて、扉枠14の施錠を行うように構成したが、扉枠14が閉じられた場合に、計数手段111によって、ソレノイド99bに印加されている電圧の印加をやめるように制御してもよい。
パチンコ機10では、フォトセンサ98の検出結果(受光素子において光を受光したか否か)を計数装置111へ出力する。これにより、計数装置111は、フォトセンサ98の検出結果に基づいて、扉枠14の開閉状態を把握することができる。
次に、図9を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図9は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201は、8ビットマイコンで構成され、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、計数装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、大当たり抽選や第1図柄表示装置87および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選、入賞に伴う賞球の決定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。ROM202は、これらの処理を制御するために用いられる固定値データが格納されている。例えば、大当たり乱数テーブル202a、大当たり種別テーブル202b、大当たり用変動パターンテーブル202c及び外れ用変動パターンテーブル202dがROM222に格納される。また、RAM203には、パチンコ機10の主要な処理(大当たり抽選や第1図柄表示装置87および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選等)を制御するための各種カウンタが設けられている。
ここで、図10及び図11を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられる各種カウンタと、ROM202内に格納された各種テーブル202a〜202dについて説明する。まず、図10は、各種カウンタの概要を示す図である。
大当たり抽選や第1図柄表示装置87および第3図柄表示装置81の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、第2図柄表示装置83の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図13参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔、又は、メイン処理(図20参照)において4ミリ秒間隔で更新される。更に、一部のカウンタは、メイン処理(図20参照)の中でも不定期に更新される。各カウンタの更新値は、RAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファ203aに適宜格納される。カウンタ用バッファ203aは、更新された各カウンタの値を格納するための領域であり、MPU201は、カウンタ毎に、そのカウンタの更新タイミングで、カウンタ用バッファ203aに格納された値を用いて、そのカウンタの更新を行う。
RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリア203bが設けられている。保留エリアは、始動入賞口4への入球タイミングに合わせて、カウンタ用バッファ203aから読み出された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を一時的に格納(保留)するためのエリアである。また、実行エリアは、変動の開始タイミングで大当たり抽選や変動演出の変動パターン及び停止種別の決定を行うために用いる第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3を格納するためのエリアである。
MPU201は、始動入賞口4への入球(始動入賞)を検出すると、そのときのカウンタ用バッファ203aの第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、保留第1〜第4エリアの1つのエリアに格納する。このとき、保留エリアに保留が全くなく、保留第1〜第4エリアの全てが空きエリアとなっている場合は、保留第1エリアに各カウンタの値を格納する。保留エリアでの保留が1つのみで、保留第1エリアだけに各カウンタの値が格納されている場合は、保留第2エリアに各カウンタの値を格納する。保留エリアでの保留が2つで、保留第1〜第2エリアのみに各カウンタの値が格納されている場合は、保留第3エリアに各カウンタの値を格納する。保留エリアでの保留が3つで、保留第1〜第3エリアのみに各カウンタの値が格納されている場合は、保留第4エリアに各カウンタの値を格納する。これにより、始動入賞の順に、その始動入賞のタイミングでカウンタ用バッファ203aから取得した各カウンタの値を、保留第1エリア、保留第2エリア、保留第3エリア、保留第4エリアに格納することができる。尚、保留第1〜第4エリアの全てに各カウンタの値が格納されているときに始動入賞が検出された場合は、そのときの各カウンタの値は保留されずに破棄される。即ち、本実施形態では、最大で4つの始動入賞まで、各カウンタの値が保留可能に構成されている。
また、MPU201は、変動演出の開始タイミングになると、保留第1エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を実行エリアに移し、その実行エリアに格納された各カウンタの値に基づいて、大当たり抽選や、変動演出の変動パターンおよび停止図柄の種別の決定が行われる。
また、保留第1エリアの各カウンタの値が実行エリアに移された後、保留第2エリアに格納された各カウンタの値が空いた保留第1エリアにシフトされ、保留第3エリアに格納された各カウンタの値が空いた保留第2エリアにシフトされ、保留第4エリアに格納された各カウンタの値が空いた保留第3エリアにシフトされる。これにより、保留球格納エリア203bに保留された各カウンタの値に基づいて変動演出が開始されると、1つ分だけ保留が減り、保留エリアの1エリアが開放される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、上述した通り、大当たりの抽選に使用するためのカウンタであり、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新される。第1当たり乱数カウンタC1の更新は、所定の範囲(例えば、0〜899)内で順に1ずつ加算し、最大値(例えば、0〜899の値を取り得るカウンタの場合は899)に達した後0に戻すことによって行われる。また、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合(ある初期値から定期的に更新が行われた結果、次の更新でその初期値に戻る場合)、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値を新たな初期値として、当該第1当たり乱数カウンタC1に設定し、その初期値から更新を行う。
第1初期値乱数カウンタCINI1は、上述した通り、第1当たり乱数カウンタC1の初期値に使用されるもので、その第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜899の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜899の範囲のループカウンタで構成される。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図13参照)の実行毎に1回更新されるだけでなく、メイン処理(図20参照)の残余時間内でも繰り返し更新される。
カウンタ用バッファ203aに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値は、球が始動入賞口4に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリア203bに格納される。そして、変動開始時に、その保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値。当たり値ともいう)か否かを判定して、大当たり抽選を行う。大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)は、主制御装置のROM202に格納される大当たり乱数テーブル202a(図示せず)によって設定されており、保留球格納エリア203b(保留球格納エリア203bの実行エリア)に格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たり乱数値と一致する場合に大当たりと判定する。
ここで、図11(a)を参照して大当たり乱数テーブル202aの詳細について説明する。図11(a)は、大当たり乱数テーブル202aを模式的に示した模式図である。大当たり乱数テーブル202aは、大当たりと判定される第1当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)を示したものである。この大当たり乱数テーブル202aは、遊技状態が低確率状態(即ち、確変中ではない期間)に参照される大当たり乱数値と、遊技状態が高確率状態(即ち、確変中)に参照される大当たり乱数値とに分かれて構成されており、それぞれに含まれる大当たり乱数値の数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の数を異ならせることにより、低確率状態と高確率状態とで、大当たりとなる確率が変更される。
本実施形態において、第1当たり乱数カウンタC1は、0〜899の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。また、低確率状態で大当たりとなる大当たり乱数値の数は3個で、その値「7,307,582」が、「低確率状態」に対応づけられて、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。一方、高確率状態で大当たりとなる大当たり乱数値の数は30個で、その値「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」が、「高確率状態」に対応づけられて、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。
MPU201は、大当たりの判定を行う場合に、その時の遊技状態に合った大当たり乱数値を大当たり乱数テーブル203aから読み出す。そして、MPU201は、大当たりの判定に用いる第1当たり乱数カウンタC1(保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1)の値が、大当たり乱数テーブル203aから読み出した大当たり乱数値の一つと一致するか否かを判定し、一致する場合に大当たりと判定する。
つまり、遊技状態が低確率状態の場合は、第1当たり乱数カウンタC1の値が「7,307,582」のいずれか一つと一致する場合に大当たりとなる。第1当たり乱数カウンタC1は0〜899の範囲で更新されるので、低確率状態の場合の大当たり確率は、1/300となる。また、遊技状態が高確率状態の場合は、第1当たり乱数カウンタC1の値が「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」のいずれか一つと一致する場合に大当たりとなる。従って、高確率状態の場合の大当たり確率は、1/30となる。
尚、本実施形態では、低確率状態で大当たり乱数テーブル202aから読み出される大当たり乱数値と、高確率状態で大当たり乱数テーブル202aから読み出される大当たり乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれの大当たり乱数値を設定している。ここで、大当たり乱数値としてパチンコ機10の状況にかかわらず常に用いられる値が存在すれば、その値が外部より入力されて、不正に大当たりを引き当てられやすくなる恐れがある。これに対して、本実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が高確率状態か低確率状態か、に応じて)、大当たりとなる乱数の値を変えることで、大当たりとなる乱数の値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
図10に戻り、RAM203に設けられた各種カウンタの説明を続ける。第1当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合の大当たり種別を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後に0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が始動入賞口4に入賞(始動入賞)したタイミングで、第1当たり乱数カウンタC1と共に、RAM203の保留球格納エリア203bに設けられた保留第1〜第4エリアのいずれかの保留エリアに格納される。
ここで、保留球格納エリア203b内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや、停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)は、外れ時のものとなる。一方で、保留球格納エリア203b内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや停止種別は大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の変動パターンおよび停止種別は、同じ保留エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別に対応して決定される。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。この第1当たり種別カウンタC2とROM202に格納された大当たり種別テーブル202bとに基づいて、大当たり種別が決定される。
ここで、図11(b)を参照して、大当たり種別テーブル202bについて説明する。図11(b)は、大当たり種別テーブル202bの一例を模式的に示した図である。図11(b)に示すように、大当たり種別テーブル202bは、大当たり種別と第1当たり種別カウンタC2の値とを対応付けたテーブルである。
大当たり種別としては、上述したように、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する「15R確変大当たり」、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に低確率状態へ移行すると共に、100変動回数の間は時短状態となる「15R通常大当たり」、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する「2R確変大当たり」がある。
大当たり種別テーブル202bでは、各大当たり種別に対して、その大当たり種別を決定する第1当たり種別カウンタC2の値が対応付けられている。図11(a)の例では、15R確変大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「0〜39」が対応付けられ、15R通常大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「40〜79」が対応付けられ、2R確変大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「80〜99」が対応付けられている。
第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ保留エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が大当たり種別テーブル202bから決定される。例えば、第1当たり種別カウンタC2の値が「20」であれば、大当たり種別として「15R確変大当たり」が決定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「60」であれば、大当たり種別として「15R通常大当たり」が決定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「90」であれば、大当たり種別として「2R確変大当たり」が決定される。
このように、本実施形態では、大当たりとなる場合に40%の確率で15R確変大当たりが選択され、40%の確率で15R通常大当たりが選択され、20%の確率で2R確変大当たりが選択される。なお、大当たりとなった場合にそれぞれの大当たり種別が選択される確率は、機種によって適宜設定される。そして、その設定された確率に応じて、大当たり種別テーブル202bにて、各大当たり種別に対して対応付けられる第1当たり種別カウンタC2の値が規定される。
図10に戻って、各種カウンタの説明を続ける。停止パターン選択カウンタC3は、外れとなった場合の停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)を決定するものであり、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択される。本実施形態において選択される停止種別としては、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチが発生しない「完全外れ」との3つの停止(演出)パターンがある。
停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が始動入賞口4に入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア203bに設けられた保留第1〜第4エリアのうちいずれかの保留エリアに格納される。ここで、保留球格納エリア203b内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、変動演出における停止種別は、外れ時のものとなる。この場合、その外れ時の停止種別は、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて決定される。
本実施形態では、停止パターン選択カウンタC3に対応して、停止種別の選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブル(図示せず)がROM202に設けられている。これは、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99、「前後外れ以外リーチ」が90〜97と、「前後外れリーチ」及び「前後外れ以外リーチ」に対応した乱数値の範囲が狭く、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。
また、低確率状態であれば、始動入賞口4への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。このテーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、始動入賞口4への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。尚、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、変動パターンの決定に用いるためのループカウンタであり、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1の値は、後述するタイマ割込処理(図13参照)が1回実行される毎に1回更新され、メイン処理(図20参照)内の残余時間内でも繰り返し更新される。
MPU201は、変動開始時に、保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1と、ROM202に格納された変動パターンテーブルとを参照し、変動種別カウンタCS1変動演出で実行すべき変動パターンを決定する。ここで決定される変動パターンは、図柄変動の変動時間である。
即ち、主制御装置110では、変動パターンとして図柄変動の変動時間のみを決定する。一方、具体的な変動態様は、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114によって設定される。つまり、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114が、変動種別カウンタCS1により決定された変動パターン(変動時間)に基づいて、その変動時間で変動表示が可能な変動態様の中から、第3図柄表示装置81で表示させる第3図柄の変動態様の詳細を決定する。そして、決定した変動態様に従って、表示制御装置114は第3図柄表示装置81に第3図柄を変動表示させ、また、音声ランプ制御装置113は、その変動表示に合わせて音声出力装置226から音声を出力させると共に、ランプ表示装置227(電飾部32〜36)のランプを点灯・点滅表示させる。
このように、主制御装置110では、変動パターンを決定する処理として、変動時間のみを決定し、その変動時間に応じた変動態様の詳細については、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114にて決定する。主制御装置110のMPU201は8ビットマイコンで構成されており、複雑な処理を行うことはできないが、変動パターンを決定する場合に主制御装置110では変動時間のみを決定するように構成することで、主制御装置110にて変動態様の詳細まで決定する場合と比して、主制御装置110の変動パターンの決定処理を簡単に行うことができる。また、主制御装置110にて変動態様の詳細を決定した場合、その決定した変動態様の詳細情報を音声ランプ制御装置113等に通知しなければならず、その通知に必要となるコマンドを例えば3バイト以上で構成しなければならなくなる恐れが生じ、コマンドの送信や受信が複雑となるおそれがある。これに対し、本実施形態では、主制御装置110で変動時間のみを決定するように構成されているので、音声ランプ制御装置113等に対して、その決定した変動時間に関する情報のみを通知すればよく、その通知に係るコマンドの構成を簡易にすることができる。よって、コマンドの送受信が複雑になることを抑制できる。また、主制御装置110において図柄変動の変動時間のみを決定しても、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114によって、多くの変動態様の中から指定された変動時間に応じた変動態様を決定し、その決定された変動態様で第3図柄表示装置81にて変動表示を行うように構成されているので、多彩な変動演出を遊技者に付与することができ、遊技者の興趣向上を図ることができる。
さて、本実施形態では、変動種別カウンタCS1の値に応じて変動パターン(変動時間)を決定するために用いられる変動パターンテーブルとして、大当たり時に用いられる大当たり用変動パターンテーブル202cと、外れ時に用いられる外れ用変動パターンテーブル202dとが用意されている。また、外れ用変動パターンテーブル202dとして、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態であるか、もしくは、時短状態を除く通常時の低確率状態かに応じて、外れ(確変)用変動パターンテーブル202d2および外れ(通常)用変動パターンテーブル202d1が用意されている。
ここで、図11(c)〜(e)を参照して、各種変動パターンの詳細について説明する。まず、図11(c)は、ROM202に記憶される大当たり用変動パターンテーブル202cの一例を模式的に示した図である。図11(c)に示すように、大当たり用変動パターンテーブル202cは、大当たり種別に基づいてグループ(群)に区分けされている。具体的には、大当たり種別が15R確変大当たり又は15R通常大当たりである場合に参照される15R大当たり共通と、2R確変大当たりである場合に参照される2R確変大当たり専用とに区分けされている。そして、区分けされた各グループに対して、それぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。
変動開始時において、実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数値であった場合に、その実行エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別に応じて、実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、大当たり用変動テーブル202cから決定される。
15R大当たり共通には、変動パターンとして、変動時間が30秒の変動Aと、変動時間が60秒の変動Bとがある。これら変動A,Bと変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動Aが0〜39、変動Bが40〜198となっている。
変動パターンとして変動A(30秒)が選択されると、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の制御により、ノーマルリーチの態様で変動演出が行われる。変動パターンとして変動B(60秒)が選択されると、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の制御により、スーパーリーチの態様で変動演出が行われる。
ノールリーチは、変動時間が短いリーチであり、その短いリーチの後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う変動パターンである。また、スーパーリーチは、ノーマルリーチより長い変動時間のリーチ後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う(例えば、ロングリーチやノーマルリーチから発展するリーチなど)変動パターンである。15R大当たり共通のテーブルは、それが選択されるのが15R確変大当たり又は15R通常大当たりの場合であるので、遊技者に期待感を持たせるために、スーパーリーチが選択され易くなっている。ただし、ノーマルリーチも選択されるように構成することで、どのリーチからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できるようになっている。
なお、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により実行されるノーマルリーチやスーパーリーチは、同じ変動時間であっても演出内容が異なるものが多数用意されている。例えば、何らキャラクタが表示されない通常のリーチに加え、有効ラインL1上の2つの図柄が同一図柄となってリーチ状態となったときやその他のタイミングで、所定のキャラクタや文字情報を1回又は複数回表示して、予告演出を行うリーチが用意されている。また、この場合に表示されるキャラクタも様々なものが用意されている。更に、背面画像を速く変化させて表示するリーチや、変動開始前の予告演出が付加されるリーチ、再変動で大当たりとなる演出が付加されるリーチなど、演出内容が異なる複数のリーチが用意されている。これにより、多彩な変動演出を実行でき、遊技者の興趣を高めることができる。
次いで、2R確変大当たり専用で選択される変動パターンは、変動時間が31秒の2R変動のみで、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは0〜198となっている。即ち、大当たり種別が2R確変大当たりである場合は、変動種別カウンタCS1の値に関係なく、2R変動(31秒)が変動パターンとして決定される。
変動パターンとして、2R変動(31秒)が選択されると、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の制御により、複数用意された2R確変大当たり専用の変動態様の中から1の態様が選択され、その選択された態様で変動演出が行われる。2R確変大当たり専用の変動態様としては、例えば、「ニワトリ」のキャラクタと共に、最終的な第1図柄(又は第3図柄)が特定の図柄で停止する変動態様や、通常では出現しない「女の子」のキャラクタと共に、最終的な第1図柄(又は第3図柄)が特定の図柄で停止する変動態様などが含まれる。
なお、大当たり時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して決定するものとしたが、他の複数の変動種別カウンタを使用して決定するように構成しても良い。例えば、変動時間を±数秒程度で微調整するための他の変動種別カウンタを設けてもよいし、大当たりやリーチ演出の開始を予告する予告演出を変動開始前や変動演出中に付加するか否かを、他の変動種別カウンタにより決定するようにしてもよい。
図11(d)は、ROM202に記憶される外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1の一例を模式的に示した図である。図11(d)に示すように、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1は、外れ時の停止種別として完全外れが決定された場合に参照される完全外れ専用、及び、前後外れリーチ及び前後外れ以外リーチが決定された場合に参照されるリーチ共通と、外れ時の停止種別に基づいてグループ(群)に区分けされており、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。変動開始時に、実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値(大当たり乱数値)ではない、即ち、外れとなる値であった場合に、遊技状態が時短状態を除く通常時の低確率状態にあるときは、実行エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に対応する停止種別に応じて、その実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、外れ用(通常)変動パターンから決定される。
完全外れ専用には、変動パターンとして、7秒と短時間で変動が終了してリーチも成立しない変動Dと、10秒と変動Dより長い変動時間となるがリーチが成立しない変動Eとがあり、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動D(7秒)が0〜149、変動E(10秒)が150〜198となっている。また、リーチ共通には、変動パターンとして、上述した変動A(30秒)および変動B(60秒)があり、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動A(30秒)が0〜197、変動B(60秒)が198となっている。
図11(e)は、ROM202に記憶される外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2の一例を模式的に示した図である。図11(e)に示すように、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2は、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1と同様に、外れ時の停止種別として完全外れが決定された場合に参照される完全外れ専用と、外れ時の停止種別として前後外れリーチ及び前後外れ以外リーチが決定された場合に参照されるリーチ共通とに区分けされている。そして、区分けされた各グループ毎に、それぞれのグループで選択される変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応づけられている。なお、完全外れ専用が参照される場合に選択される変動パターンは、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1と同様に、変動D(7秒)および変動E(10秒)である。また、リーチ共通が参照される場合に選択される変動パターンも、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1と同様に、変動A(30秒)及び変動B(60秒)である。
実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとならない値、即ち、外れとなる値であった場合に、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態にあるときは、実行エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に対応する停止種別に応じて、その実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2から決定される。
この外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2において、完全外れ専用における変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動D(7秒)が0〜190、変動E(10秒)が191〜198となっている。また、リーチ共通における変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動A(30秒)が0〜197、変動Bが198となっている。
外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2は、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態にあるときに参照されるテーブルであるので、始動入賞口4に球が入球し易い状態となる。よって、時短状態または高確率状態にあるときに、変動時間の比較的長い変動Eが多く行われると、次の変動表示の開始まで時間がかかり、遊技者に待ちの状態を与えてしまって、遊技者に不快感を与える可能性がある。また、ホールとしても稼働率が低下して好ましくない。そこで、完全外れの場合において、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態にあるときは、遊技状態が時短状態を除く通常状態にあるときよりも、変動Eより変動時間の短い変動Dが選択され易いように構成し、次の変動表示の開始を早期に行うことで、遊技者に不快感を与える可能性を低下できる。また、稼働率が極端に低下することも抑制できる。
なお、外れ時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して選択するものとしたが、複数の変動種別カウンタを併用して選択(予告表示の有無等を選択)しても良い。また、外れ時においてリーチが成立した場合に、最後に停止する第1図柄(又は第3図柄)を何図柄ずらして停止させる(例えば、1図柄ずれた前後外れ等)かを他の変動種別カウンタにより決定されても良い。
また、外れ種別の選択を、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1と外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2とに分けるように構成したが、遊技状態が通常中であっても、保留球が複数(例えば、最大4個であれば3個以上)の場合は、早期に変動表示を終了しても良いので、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2を参照して選択するものとしても良いし、保留球数に対応した通常用または確変用の変動パターンテーブルを用意するように構成しても良い。
さらに、図11(d)及び図11(e)に示す各外れ用の変動パターンテーブルで、変動D及び変動Eを単に外れとし、その外れが選択された場合に、他のテーブルを参照して、変動Dと変動Eとを所定の確率で選択するように構成しても良い。勿論、この場合も、保留球数に対応したテーブルをそれぞれ用意しても良い。
再び、図10に戻って各種カウンタの説明を行う。第2当たり乱数カウンタC4は、上述した通り、第2図柄表示装置83の抽選に用いられるもので、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合(ある初期値から定期的に更新が行われた結果、次の更新でその初期値に戻る場合)、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図13参照)毎に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」となっている。即ち、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜153」の範囲にある場合に当選と判定され、第2図柄表示装置83に停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、始動入賞口4が所定時間だけ開放される。なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(図13参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図20参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
以上の通り、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置87および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図9に戻り、説明を続ける。RAM203は、図10に図示した各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ203a及び保留球格納エリア203bのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図28参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図19参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図18参照)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、計数装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置87、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口5aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、一般入賞スイッチ44、始動入賞スイッチ45、特定入賞スイッチ46といった各種入賞スイッチ207や、図示しないスイッチ群およびセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
例えば、主制御装置110は、一般入賞スイッチ44の検出結果に基づいて、一般入賞口3における球の入賞の有無を検出し、一般入賞口3における球の入賞を検出すると、主制御装置110は5球の賞球を決定し、所持球が5球増加することを通知する所持球加算コマンドを計数装置111に対して送信する。また、主制御装置110は、始動入賞スイッチ45に基づいて、始動入賞口4における球の入賞の有無を検出し、始動入賞口4における球の入賞を検出すると、大当たりの抽選を行い、その抽選結果に基づいて第1図柄表示装置87や第3図柄表示装置81における変動演出が開始(始動)される。また、5球の賞球を決定し、所持球が5球増加することを通知する所持球加算コマンドを計数装置111に対して送信する。また、主制御装置110は、特定入賞スイッチ46の検出結果に基づいて、特定入賞口5aにおける球の入賞の有無を検出し、特定入賞口5aにおける球の入賞を検出すると、主制御装置110は15球の賞球を決定し、所持球が15球増加することを通知する所持球加算コマンドを計数装置111に対して送信する。
計数装置111及び発射制御装置112の詳細については図12を参照して後述する。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部32〜36、表示ランプ31など)227における点灯および消灯の出力、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドにより示される変動時間に基づいて、その変動時間で実行すべき変動演出の変動態様の設定、等といった制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
ROM222には、主制御装置110からの変動パターンコマンドにより示される各種変動パターン(変動時間)に対して、それぞれ1以上の詳細な変動パターンが対応付けられて記憶されている。例えば、変動時間が30秒の変動Aに対して、30秒の変動時間の間に何らキャラクタが表示されない通常のノーマルリーチと、所定のキャラクタが変動中に表示されるノーマルリーチとが、対応付けられている。また、変動時間が60秒の変動Bに対して、60秒の変動時間の間に所定のキャラクタが表示されたり、背面画像が速く変化して表示されたり等する複数のスーパーリーチが対応付けられている。このスーパーリーチの中には、1の変動演出中に予告演出をノーマルリーチの場合よりも多く行う変動パターンが含まれる。
MPU221では、主制御装置110から変動パターンコマンドを受信すると、その変動パターンコマンドで示される変動パターン(変動時間)に対して対応付けられた1以上の詳細な変動パターンの中から、1つの詳細な変動パターンを決定する。例えば、変動パターンコマンドによって示される変動パターンが変動A(変動時間30秒)の場合、30秒の変動時間の間に何らキャラクタが表示されない通常のノーマルリーチと、所定のキャラクタが変動中に表示されるノーマルリーチとの中から1つ詳細な変動パターンを決定する。そして、決定した詳細な変動パターンに対して予め定められたパターンに従って、ランプ表示装置227の点灯および消灯を制御し、また、音声出力装置226からの音声出力を制御する。
また、MPU221は、詳細な変動パターンを決定すると、その決定した総裁な変動パターンの種別を表示制御装置114に対して通知する表示用変動パターンコマンドを生成して、その生成した表示用変動パターンコマンドを表示制御装置114に対して送信する。表示制御装置114は、この表示用変動パターンコマンドによって示される詳細な変動パターンに対し予め定められたパターンに従って、第3図柄表示装置81に対し変動演出を表示する制御を実行する。例えば、MPU221が、詳細な変動パターンの種別として、30秒の変動時間の間に何らキャラクタが表示されない通常のノーマルリーチを示す表示用変動パターンコマンドを表示制御装置114に対して送信した場合、表示制御装置114は、30秒の間キャラクタを表示させない通常のノーマルリーチの態様で、変動演出を第3図柄表示装置81に表示させる。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227などがそれぞれ接続されている。
表示制御装置114は、第3図柄表示装置(LCD)81の画面表示を制御する装置であり、第3図柄の変動表示(変動演出)や大当たり演出といった種々の画面表示を、音声ランプ制御装置113(主制御装置111)から送信されるコマンドに従って制御するものである。
表示制御装置114は、MPU231と、ROM(プログラムROM)232と、ワークRAM233と、ビデオRAM234と、キャラクタROM235と、画像コントローラ236と、入力ポート237と、出力ポート238と、バスライン239,240とを有している。入力ポート237の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート237の出力側には、MPU231、ROM232、ワークRAM233、画像コントローラ236が接続されている。画像コントローラ236には、ビデオRAM234、キャラクタROM235が接続されると共に、バスライン240を介して出力ポート238が接続されている。出力ポート238の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
表示制御装置114のMPU231は、音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドやその他の各種コマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御する。ROM232は、MPU231により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。
ワークRAM233は、MPU231による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。キャラクタROM235は、第3図柄表示装置81に表示される図柄(背景図柄や第3図柄)などの演出用のデータ(キャラクタ情報)を圧縮された型式で記憶したメモリである。ビデオRAM234は、第3図柄表示装置81に表示させる画像を生成するためにキャラクタROM235から読み出された複数のキャラクタ情報を解凍した型式で記憶する領域(図示せず)と、その解凍した複数のキャラクタ情報の少なくとも一部を用いて生成した1フレーム分の表示データを、その表示がなされるまで一時的に記憶するフレームバッファ領域(図示せず)とを有するメモリである。
画像コントローラ236は、MPU231、ビデオRAM234、出力ポート238のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きを介在すると共に、ビデオRAM234のフレームバッファ領域に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図6参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び計数装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図18参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図6参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、計数装置111においてバックアップデータをクリアさせるための初期化コマンドを計数装置111に対して送信する。
次いで、図12を参照して、パチンコ機10を構成する計数装置111および発射制御装置112の詳細について説明し、更に、パチンコ機10に対して1対1に設けられるカードサンド装置70の電気的構成について説明する。図12は、主に計数装置111、発射制御装置112およびカードサンド装置70の電気的構成を示すブロック図である。
計数装置111は、従来のパチンコ機10の払出制御装置に代えて設けられたものである。この計数装置111は、主に次の3つの機能を果たす。第1に、計数装置111は、遊技者が遊技に使用できる球の数である所持球の数を計数し、データ表示器24に所持球数を表示する。第2に、計数装置111は、球をパチンコ機10内で循環して遊技に使用するために供給通路65に貯留された球の数を、循環球数として計数する。詳細については図12を参照して後述するが、計数装置111は、この循環球数を基に、パチンコ機10内を循環する球の数に異変がないか否かを確認する。第3に、計数装置111は、発射制御装置112に対して、球の発射を許可し又は停止させる。以下、計数装置111の詳細構成を説明しながら、上記各機能について具体的に説明する。
計数装置111は、主として演算装置であるMPU211により構成され、MPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
また、計数装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110、発射制御装置112が接続されるほか、上述した51球検出スイッチ91、50球検出スイッチ92、球送り検出スイッチ94、遊技球検出スイッチ68a、ファール球検出スイッチ93、アウト球検出スイッチ48、入賞球検出スイッチ47、最少数球検出スイッチ90といった各種の球検出スイッチや、レベルメータ22、データ表示器24、および、電子乗99のソレノイド99bなどが、主としてそれぞれ接続されている。
MPU211のRAM213には、所持球カウンタ213a、所持球加算フラグ213b、循環球数メモリ213c、初期球数メモリ213d、球回収時間計数カウンタ213e、所持球加算コマンドカウンタ213f、入賞球カウンタ213g、球判定フラグ213h、アンダー状態カウンタ213i、オーバー状態カウンタ213jなどが、主として設けられている。
所持球カウンタ213aは、遊技者が遊技に使用できる所持球の数を計数するカウンタである。所持球カウンタ213aは、電源が投入されたときにRAM213の記憶内容が破壊されていると判断される場合(図22のS1756:Noの場合)や、RAM消去スイッチ回路253が押下されたときに主制御装置110より送信される初期化コマンドを受信した場合(図25のS2001:Yesの場合)に実行される、RAM213の初期設定(図22のS1765や図25のS2003)において、初期値として「0」が設定される。即ち、この場合、所持球数として0が設定される。
そして、所持球カウンタ213aは、1ミリ秒毎にMPU211によって実行される所持球数計数処理(図28参照)によって更新処理が行われ、遊技中、遊技者に球が貸し出されたり、遊技者に対して賞球が行われたと判断された場合に、その貸出球数または賞球数を所持球カウンタ213aに加算する。MPU211は、カードサンド装置70からの貸出球信号(貸出ボタン74が操作されたことによりカードサンド装置70において決定した貸出球数を計数装置111に対して通知する信号)を受信した場合に球の貸し出しを行うと判断し、その貸出球信号に含まれている貸出球数を所持球数カウンタ213aに加算する。また、MPU211は、主制御装置110より所持球加算コマンドを受信した場合に賞球を行うと破断し、その所持球加算コマンドに含まれている賞球数を所持球カウンタ213aに加算する。
また、所持球カウンタ213aは、遊技盤13の前面領域(遊技領域)に球が案内されたと判断された場合に1減算される。MPU211は、球案内通路60の出口に設けられた遊技球検出スイッチ68aがオンされたことを検出すると、遊技盤13の前面領域(遊技領域)に球が案内されたと判断し、所持球カウンタ213aを1減算する。このように所持球カウンタ213aを更新することで、遊技者が遊技に使用できる所持球の数を計数できる。
なお、カードサンド装置70に設けられた返却ボタン75が押下された場合にカードサンド装置70より計数装置111に対して送信される精算信号を計数装置111が受信した場合、MPU211は、その時点での所持球数をカードサンド装置70へ通知するために、所持球カウンタ213aの値をカードサンド装置70に対して通知する。そして、所持球カウンタ213aの値を「0」に初期化する。カードサンド装置70では、計数装置111から受け取った所持球数を所定の交換レートでポイント換算し、この換算されたポイントを会員カードの貯蓄データに累積加算する。
所持球加算フラグ213bは、オンの場合に、主制御装置110より所持球加算コマンドを受信したことを示すフラグである。MPU211は、所持球加算フラグ213bがオンか否かによって、主制御装置110より所持球加算コマンドを受信したか否かを判断し、所持球加算フラグ213bがオンの場合に、所持球加算コマンドで示される賞球数を所持球カウンタに加算する。
所持球加算フラグ213bは、電源が投入されたときにRAM213の記憶内容が破壊されていると判断される場合(図22のS1756:Noの場合)や、RAM消去スイッチ回路253が押下されたときに主制御装置110より送信される初期化コマンドを受信した場合(図25のS2001:Yesの場合)に実行される、RAM213の初期設定(図22のS1765や図25のS2003)において、初期値としてオフが設定される。そして、1ミリ秒毎に実行されるコマンド判定処理(図25)において、主制御装置110より所持球加算コマンドの受信を検出した場合(図25のS2006:Yesの場合)に、所持球加算フラグ213bをオンに設定し、あわせて、所持球加算コマンドにより示される賞球数情報を抽出してRAM213に格納する。
そして、所持球数計数処理(図28)において、所持球数加算フラグ213bがオンとなっていた場合に、MPU211では主制御装置110より所持球加算コマンドを受信したと判断し、所持球数加算フラグ213bをオフに設定し、コマンド判定処理においてRAMに格納した賞球数を所持球カウンタ213aに加算する。これにより、主制御装置110により受信した所持球加算コマンドによって示される賞球数数を、遊技者が遊技に使用できる所持球数に加えることができ、賞球を所持球として使用可能な状態となる。
循環球数メモリ213cは、球をパチンコ機10内で循環して遊技に使用するために、供給通路65に貯留された球の数を循環球数として記憶するためのものであり、MPU211は、この循環球数メモリ213cを用いて循環球数を計数する。また、初期球数メモリ213dは、遊技が行われる前に供給通路65に貯留された球の数を初期球数として記憶するためのものである。
初期球数メモリ213dは、電源投入後、遊技が開始される前に、51球検出スイッチ91及び50球検出スイッチ92の検出結果から供給通路65に貯留された球が、所定の球数(本実施形態では50球)であることを確認できたことを条件に、初期球数として「50」球が設定される。初期球数メモリ213dの値(50球)は、その後変更されることなく維持される。
また、循環球数メモリ213cは、電源投入後や、扉枠14が開放状態から閉鎖状態になったことを検出した場合に、51球検出スイッチ91及び50球検出スイッチ92の検出結果から供給通路65に貯留された球が、所定の球数(本実施形態では50球)であることを確認できたことを条件に、初期球数メモリ213dに設定された値と同じ値、即ち「50」球が設定される。
その後、循環球数メモリ213cは、1ミリ秒毎にMPU211によって実行される循環球数計数処理において更新処理が行われる。具体的には、メモリ球を発射するために供給通路65から球発射ユニット66に対して送られた球を検出する球送り検出スイッチ94がオンされたことを検出した場合、供給通路65に貯留された球が1減ったことを意味するので、循環球数メモリ213cに記憶された循環球数を1減ずる。
また、ファール球検出スイッチ93がオンされた場合、球発射ユニット66から発射された球が戻り球防止部材68まで至らずファール球として回収されて供給通路65に戻されたことを意味するので、循環球数メモリ213cに記憶された循環球数を1加算する。
また、入賞球検出スイッチ47がオンされた場合、遊技盤13の前面領域(遊技領域)に案内された球が、各種入賞口(一般入賞口3、始動入賞口4、特定入賞口5aのいずれか)に入賞し、排出口41bを通って排出通路42aへ排出され、再び供給通路65に貯留されることを意味するので、この場合も循環球数メモリ213cに記憶された循環球数を1加算する。
また、アウト球検出スイッチ48がオンされた場合、遊技盤13の前面領域(遊技領域)に案内された球が、どの入賞口3,4,5aにも入賞せずにアウト口6を通過して排出通路42aへ排出され、再び供給通路65に貯留されることを意味するので、この場合も循環球数メモリ213cに記憶された循環球数を1加算する。
ここで、球送り検出スイッチ94により検出された球、即ち、供給通路65から球発射ユニット66へ送られた球は、発射ユニット66によって発射された後、必ず、ファール球検出スイッチ93、入賞球検出スイッチ47、アウト球検出スイッチ48のいずれかの検出スイッチによって検出されるはずである。よって、球発射ユニット66において最後に球が発射されてから、その最後に発射された球が遊技盤13の前面領域を流下して再び供給通路65に回収されるのに十分な時間(本実施形態では、球の発射停止後30秒)を経過した後においては、必ず、循環球数メモリ213cに記憶された循環球数が、初期球数メモリ213dに記憶された初期球数と同じ値となるはずである。
本実施形態では、そのことを利用して、球発射ユニット66において最後に球が発射されてから、その最後に発射された球が遊技盤13の前面領域を流下して再び供給通路65に回収されるのに十分な時間(本実施形態では、球の発射停止後30秒)を経過した後など、パチンコ機10内を循環する球が全て供給通路65に貯留された状態にある場合に、循環球数メモリ213cに記憶された循環球数と、初期球数メモリ213dに記憶された初期球数とを比較する。そして、循環球数メモリ213cに記憶された循環球数と、初期球数メモリ213dに記憶された初期球数とが一致する場合、パチンコ機10においてトラブルや不正行為が発生しておらず、パチンコ機10が正常な状態にあると判断する。
また、循環球数メモリ213cに記憶された循環球数が、初期球数メモリ213dに記憶された初期球数よりも多い場合、パチンコ機10に不正に球が混入される等の不正行為が行われた等の不正行為が行われた可能性が高いと判断し、その旨をオーバーエラーとして報知する。
また、循環球数メモリ213cに記憶された循環球数が、初期球数メモリ213dに記憶された初期球数よりも少ない場合、パチンコ機10において遊技盤13の前面領域に球詰まりが発生しているなどのトラブルが発生している可能性が高いと判断し、その旨をアンダーエラーとして報知する。
従来の機内循環式パチンコ機では、機内に貯留されている球の数を、その球が供給通路65に確実に貯留された状態にある電源投入時のみ確認していた。電源投入時のみに、機内に貯留されている球の数を確認するのは、遊技中は基本的に球が様々な場所(発射レール、球案内通路、遊技盤の前面領域など)に分散して存在するため、機内に貯留されている球の数を正確に判断することが難しいためである。しかしながら、それでは、遊技中にトラブルが発生したり不正行為が行われたりした場合に、それを早い段階で認識することはできなかった。
これに対し、本パチンコ機10では、供給通路65から球発射ユニット66に対して最後に球を送ってから、その最後に送った球が球発射ユニット66に発射され、遊技盤13の前面領域を流下し、再び供給通路65に回収されるのに十分な時間(本実施形態では、球の発射停止後30秒)を経過した後など、パチンコ機10内を循環する球が全て供給通路65に貯留された状態にある場合に、循環球数メモリ213cに記憶された循環球数と、初期球数メモリ213dに記憶された初期球数とを比較し、パチンコ機10内を循環する球の数に異変がないか否かを確認する。これにより、パチンコ機10の電源投入直後だけでなく、遊技者が休憩等により遊技を一旦停止した場合や、遊技終了後などに、機内に貯留されている球の数を確認できるので、遊技中に発生したトラブルや不正行為を早めに確認することができる。
また、球発射ユニット66により発射され、遊技盤13の前面領域を流下し、再び供給通路65に戻ってくるまでに十分な時間経過したと判断されるときに、供給通路65に貯留されている球の数を確認するので、トラブルや不正行為が発生していなければ、そのときには機内を循環するすべての球が供給通路65に貯留されているはずである。よって、その時点で供給通路65に貯留されている球の数を確認することで、遊技中に発生したトラブルや不正行為を正確に判断することができる。
また、本パチンコ機10では、パチンコ機10内を循環する球の数に異変がないか否かの確認を、循環球数メモリ213cに記憶された循環球数と、初期球数メモリ213dに記憶された初期球数との比較だけでなく、供給通路65に設けられた51球検出スイッチ91および50球検出スイッチ90による球の検出結果に基づいて、供給通路65に貯留された球の数を判断することにより行っている。これにより、パチンコ機10内を循環する球の数に異変がないか否かの確認を、供給通路65から排出された球と供給通路65に再び回収された球とに基づいて計数される循環球数を用いて行う方法と、51球検出スイッチ91及び50球検出スイッチ92における球の検出結果から実際の供給通路65における球の貯留状態を判断して行う方法との複数の方法から行っているので、一方の方法では検出できなかったトラブルや不正行為を、別の方法によって検出できる可能性を高めることができる。よって、トラブルや不成功を、より正確により早く認識できるという効果がある。
球回収時間計数カウンタ213eは、供給通路65より球発射ユニット66に対して球が送られてからの時間を計数するカウンタであり、1ミリ秒毎にMPU211により実行される循環球数計数処理(図26参照)によって、更新処理が行われる。この循環球数計数処理において、球送り検出スイッチ94がオンであると判断された場合、即ち、供給通路65より球発射ユニット66に対して球が供給されたと判断された場合に、MPU211は、球回収時間計数カウンタ213eに30000を設定する。そして、球送り検出スイッチ94がオフである間、循環球数計数処理が実行される毎に、球回収時間計数カウンタ213eが0より大きい値である限りにおいて、MPU211は球回収時間計数カウンタ213eを1減ずる。その結果、球回収時間カウンタ213eが0となった場合、MPU211は、供給通路65から球発射ユニット66に対して最後に球を送ってから30秒経過したと判断し、供給通路65に貯留されている球の数を確認する第2球数判定処理(図27参照)を実行する。
これにより、遊技者が遊技を行っていた場合であっても、供給通路65から球発射ユニット66に対して最後に球を送ってから、その最後に送った球が球発射ユニット66に発射され、遊技盤13の前面領域を流下し、再び供給通路65に回収されるのに十分な30秒を経過し、パチンコ機10内を循環する球が全て供給通路65に貯留された状態にある場合に、供給通路65に貯留されている球の数を確認するので、遊技中に発生したトラブルや不正行為を正確且つ早期に発見できる。
所持球加算コマンドカウンタ213fは、主制御装置110より受信した所持球加算コマンドの数を計数するカウンタである。また、入賞球カウンタ213gは、入賞球検出スイッチ47により検出された入賞球の数、即ち、各種入賞口(一般入賞口3、始動入賞口4、特定入賞口5aのいずれか)に入賞された球の数を計数するカウンタである。
所持球加算コマンドカウンタ213fおよび入賞球カウンタ213gは、いずれも、電源投入後や、扉枠14が開放状態から閉鎖状態になったことを検出した場合に、51球検出スイッチ91及び50球検出スイッチ92の検出結果から供給通路65に貯留された球が、所定の球数(本実施形態では50球)であることを確認できたことを条件に、循環球数カウンタ213gに初期球数メモリ213dに設定された値と同じ値である「50」球が設定される段階と同じ段階で、初期値として「0」が設定される。
そして、所持球加算コマンドカウンタ213fは、1ミリ秒毎にMPU211によって実行されるコマンド判定処理(図25参照)において、所持球加算コマンドを主制御装置110より受信したと判断した場合に、1が加算される。また、入賞球カウンタ213fは、1ミリ秒毎に実行される循環球数計数処理(図26参照)において、入賞球検出スイッチ47がオンされ、各種入賞口(一般入賞口3、始動入賞口4、特定入賞口5aのいずれか)に入賞された球が検出された場合に、1が加算される。
ここで、所持球加算コマンドは、各種入賞口(一般入賞口3、始動入賞口4、特定入賞口5aのいずれか)に入賞があった場合に主制御装置110により生成され、計数装置111に対して送信される。よって、少なくとも、球発射ユニット66において最後に球が発射されてから、その最後に発射された球が遊技盤13の前面領域を流下して再び供給通路65に回収されるのに十分な時間(本実施形態では、球の発射停止後30秒)を経過した後など、パチンコ機10内を循環する球が全て供給通路65に貯留された状態にある場合において、主制御装置110より受信した所持球加算コマンドの数である所持球加算コマンドカウンタ213fの値と、各種入賞口(一般入賞口3、始動入賞口4、特定入賞口5aのいずれか)に入賞された球の数を示す入賞球カウンタ213gの値とは、同じ値となるはずである。
本実施形態では、そのことを利用して、パチンコ機10内を循環する球が全て供給通路65に貯留された状態にある場合に、パチンコ機10内を循環する球の数に異変がないか否かを確認するのにあわせて、更に、所持球加算コマンドカウンタ213fの値と、入賞球カウンタ213gの値とを比較する処理を実行する。そして、所持球加算コマンドカウンタ213fの値と、入賞球カウンタ213gの値とが一致しない場合、何らかの入賞に関する不正行為やトラブルがあったと判断できる。
例えば、所持球加算コマンドカウンタ213fの値が、入賞球カウンタ213gの値よりも大きい場合、入賞口3,4,5aへの入賞が実際にはないにも関わらず、主制御装置110により所持球加算コマンドが生成され、計数装置111に対して送信されたと考えられ、この場合、主制御装置110に接続された各種入賞スイッチ(一般入賞スイッチ44、始動入賞スイッチ45、特定入賞スイッチ46)に対し、電波によって不正な信号が加えられた可能性が考えられる。また、所持球加算コマンドカウンタ213fの値が、入賞球カウンタ213gの値よりも小さい場合、入賞口3,4,5aへ入賞しているにもかかわらず、主制御装置110により所持球加算コマンドが生成されていないと考えられ、この場合、主制御装置110に接続された各種入賞スイッチ(一般入賞スイッチ44、始動入賞スイッチ45、特定入賞スイッチ46)が故障している可能性が考えられる。
よって、パチンコ機10内を循環する球が全て供給通路65に貯留された状態にある場合に、所持球加算コマンドカウンタ213fの値と、入賞球カウンタ213gの値とが一致しない場合は、何らかの入賞に関する不正行為やトラブルがあった旨の入賞エラーを報知する。従って、遊技者が休憩等により遊技を一旦停止した場合や、遊技終了後などに、入賞に関するトラブルや不正行為を早めに確認することができる。
球判定フラグ213hは、オンの場合に、パチンコ機10において1回の大当たりにおける全てのラウンド演出(特定入賞口5aを開放する演出)が終了し、エンディング演出が開始されるタイミングであり、パチンコ機10内を循環する球の数に異変がないか否かの確認と、入賞に関する不正行為やトラブルがないか否かの確認を行うタイミングであることを示すフラグである。MPU211は、1ミリ秒毎に実行される大当たり終了球判定処理(図33参照)の中で、球判定フラグ213hがオンの場合に、球発射ユニット66による球の発射を停止し、その球の発射停止から30秒経過、即ち、最後に発射された球が遊技盤13の前面領域を流下して再び供給通路65に回収されるのに十分な時間経過後に、パチンコ機10内を循環する球の数に異変がないか否かの確認と、入賞に関する不正行為やトラブルがないか否かの確認を行う。
球判定フラグ213hは、電源が投入されたときにRAM213の記憶内容が破壊されていると判断される場合(図22のS1756:Noの場合)や、RAM消去スイッチ回路253が押下されたときに主制御装置110より送信される初期化コマンドを受信した場合(図25のS2001:Yesの場合)に実行される、RAM213の初期設定(図22のS1765や図25のS2003)において、初期値としてオフが設定される。そして、1ミリ秒毎に実行されるコマンド判定処理(図25)において、主制御装置110より球判定コマンドの受信を検出した場合(図25のS2010:Yesの場合)に、球判定フラグ213hをオンに設定する。
球判定コマンドは、パチンコ機10において1回の大当たりにおける全てのラウンド演出(特定入賞口5aを開放する演出)が終了し、エンディング演出が開始されるタイミングで、主制御装置110から計数装置111に対して送信される。よって、球判定フラグ213hがオンの場合に、パチンコ機10内を循環する球の数に異変がないか否かの確認と、入賞に関する不正行為やトラブルがないか否かの確認を行うことは、大当たりが行われる毎にそのエンディング演出の中でパチンコ機10内を循環する球の数に異変がないか否かの確認と、入賞に関する不正行為やトラブルがないか否かの確認を行うことを意味する。このように、大当たり演出が行われる毎に、パチンコ機10内を循環する球の数に異変がないか否かの確認と、入賞に関する不正行為やトラブルがないか否かの確認とを行うので、遊技中に発生したトラブルや不正行為を確認する機会を多く発生させることができ、遊技中に発生したトラブルや不正行為早めに確認することができる。また、球の発射を停止して、パチンコ機10内を循環する球の数に異変がないか否かの確認と、入賞に関する不正行為やトラブルがないか否かの確認との確認は、球の発射停止を伴うが、このような確認を遊技者が遊技に一息つけるエンディング演出が行われるタイミングで実行するので、発射停止に伴う遊技者の不満感を抑制できる。
なお、上述した通り、大当たりにおけるエンディング演出は、少なくとも31秒以上行うのが望ましい。供給通路65に貯留されている球の数を確認するためには、発射を停止してから少なくとも30秒は球の発射を停止させつける必要があるため、その間、エンディング演出を遊技者に対して付与することにより、球が発射できない不満感から遊技者を解放することができる。また、そのエンディング演出において、何らかのゲーム演出を表示して、以降の遊技状態を遊技者に示したり、その時点で保留されている球に対して行われた大当たり抽選の結果を示唆する予告演出を行うようにしてもよい。これにより、エンディング演出が長くなることによる退屈感から遊技者を解放させることができる。
アンダー状態カウンタ213iは、供給通路65の球が球発射ユニット66へ送られてから特定時間の間に、最少数球検出スイッチ90においてオフ信号が出力され続ける時間、即ち、供給通路65の最少球検出スイッチ90が設けられた位置に球が継続して存在しない時間を計数するカウンタである。最少数球検出スイッチ90においてオフ信号の出力され続ける時間が計測される特定時間は、球が連続して発射される場合の球発射周期(本実施形態では610ミリ秒)である。つまり、アンダー状態カウンタ213iは、供給通路65の球が球発射ユニット66へ送られてから610ミリ秒の間において、最少数球検出スイッチ90においてオフ信号が出力され続ける時間を計数することになる。
遊技中、即ち、球が遊技領域に向けて発射されている間においても、上述した通り、供給通路65には、少なくとも所定の数Aの球(本実施形態では、10個の球)が貯留される。最少数球検出スイッチ90は、供給通路65において端部65bから順に1球ずつ並んで球が貯留されていった場合に、端部65b側からその所定の数A(即ち、10)個目の球が留められる位置に設けられている。
供給通路65の球が球発射ユニット66へ送られると、貯留されている球が端部65bに向けて移動するが、その移動期間を除き、供給通路65では、最少数球検出スイッチ90が設けられた位置において球が常に貯留された状態となり、最少数球検出スイッチ90の出力はオン状態となる。従って、供給通路65の球が球発射ユニット66へ送られてから610ミリ秒の間、最少数球検出スイッチ90が継続して長時間オフとなっていた場合、最少数球検出スイッチ90が設けられた位置において少なくとも球が貯留されておらず、遊技盤13の前面領域に球詰まりが発生しているなどして、遊技盤13の前面領域に発射された球が供給通路65に回収できていないトラブルが発生している可能性が高いと判断できる。よって、本実施形態では、そのような場合においても、これをアンダーエラーとして報知する。
アンダー状態カウンタ213iは、電源が投入されたときにRAM213の記憶内容が破壊されていると判断される場合(図22のS1756:Noの場合)や、RAM消去スイッチ回路253が押下されたときに主制御装置110より送信される初期化コマンドを受信した場合(図25のS2001:Yesの場合)に実行される、RAM213の初期設定(図22のS1765や図25のS2003)において、初期値として0が設定される。アンダー状態カウンタ213iの更新は、1ミリ秒毎にMPU211によって実行される通常時球判定処理において行われる。
具体的には、球回収時間計数カウンタ213eの値が29390以上であれば、供給通路65の球が球発射ユニット66へ送られてからの時間が610ミリ秒以下であることを意味するので、その場合に、最少数球検出スイッチ90がオンであれば、アンダー状態カウンタ213iを0に初期化する。一方、球回収時間計数カウンタ213eの値が29390以上の場合に、最少数球検出スイッチ90がオフであれば、アンダー状態カウンタ213iの値に1を加算する。そして、アンダー状態カウンタ213iが305以上となった場合、供給通路65の球が球発射ユニット66へ送られてからの時間が610ミリ秒の間に、最少数球検出スイッチ90が設けられた位置に少なくとも球が305ミリ秒間、継続して存在しなかったことを意味するので、その場合は、最少数球検出スイッチ90が設けられた位置に球が貯留されておらず、遊技盤13の前面領域に球詰まりが発生しているなどして、遊技盤13の前面領域に発射された球が供給通路65に回収できていないトラブルが発生している可能性が高いと判断し、アンダーエラーを報知する。
これにより、パチンコ機10内を循環させる球が全て供給通路65に貯留された状態になく、遊技者によって遊技が行われている最中であっても、ある程度、アンダーエラーに関する不正行為やトラブルを報知できる。よって、遊技中にトラブル等が発生した場合に、それを早い段階で遊技者やホール関係者に認識させることができる。
なお、アンダー状態カウンタ213iは、球回収時間計数カウンタ213eの値が29390未満の場合、即ち、供給通路65の球が球発射ユニット66へ送られてからの時間が610ミリ秒を超えた場合に0に初期化される。
オーバー状態カウンタ213jは、供給通路65の球が球発射ユニット66へ送られてから特定時間の間に、51球検出スイッチ91においてオン信号が出力され続ける時間、即ち、供給通路65の51球検出スイッチ91が設けられた位置において球が継続して存在する時間を計数するカウンタである。51球検出スイッチ91においてオン信号の出力され続ける時間が計測される特定時間は、球が連続して発射される場合の球発射周期(本実施形態では610ミリ秒)である。つまり、オーバー状態カウンタ213jは、供給通路65の球が球発射ユニット66へ送られてから610ミリ秒の間において、51球検出スイッチ91においてオン信号が出力され続ける時間を計数することになる。
遊技中、即ち、球が遊技領域に向けて発射されている間において、供給通路65の51球検出スイッチ91が存在する位置に球が停留することはなく、その位置では、ファール球、入賞球またはアウト球として回収された球が供給通路65の端部65bに向けて通過していくだけである。よって、遊技中、51球検出スイッチ91の出力は、球が通過していく場合を除いてオフ状態となる。従って、供給通路65の球が球発射ユニット66へ送られてから610ミリ秒の間、51球検出スイッチ91が継続して長時間オンとなっていた場合、51球検出スイッチ91が設けられた位置にも球が貯留されており、パチンコ機10に不正に球が混入される等の不正行為が行われたか、供給通路65内部において球詰まりが発生している可能性が高いと判断できる。よって、本実施形態では、そのような場合においても、これをオーバーエラーとして報知する。
オーバー状態カウンタ213jは、電源が投入されたときにRAM213の記憶内容が破壊されていると判断される場合(図22のS1756:Noの場合)や、RAM消去スイッチ回路253が押下されたときに主制御装置110より送信される初期化コマンドを受信した場合(図25のS2001:Yesの場合)に実行される、RAM213の初期設定(図22のS1765や図25のS2003)において、初期値として0が設定される。オーバー状態カウンタ213jの更新は、1ミリ秒毎にMPU211によって実行される通常時球判定処理において行われる。
具体的には、球回収時間計数カウンタ213eの値が29390以上であれば、供給通路65の球が球発射ユニット66へ送られてからの時間が610ミリ秒以下であることを意味するので、その場合に、51球検出スイッチ91がオンであれば、オーバー状態カウンタ213jを0に初期化する。一方、球回収時間計数カウンタ213eの値が29390以上の場合に、51球検出スイッチ91がオフであれば、オーバー状態カウンタ213jの値に1を加算する。そして、オーバー状態カウンタ213jが305以上となった場合、供給通路65の球が球発射ユニット66へ送られてからの時間が610ミリ秒の間に、51球検出スイッチ91が設けられた位置に少なくとも球が305ミリ秒間、継続して存在したことを意味するので、その場合は、51球検出スイッチ91が設けられた位置にも球が貯留されており、パチンコ機10に不正に球が混入される等の不正行為が行われたか、供給通路65内部において球詰まりが発生している可能性が高いと判断し、オーバーエラーを報知する。
これにより、パチンコ機10内を循環させる球が全て供給通路65に貯留された状態になく、遊技者によって遊技が行われている最中であっても、ある程度、オーバーエラーに関する不正行為やトラブルを報知できる。よって、遊技中にトラブル等が発生した場合に、それを早い段階で遊技者やホール関係者に認識させることができる。
なお、オーバー状態カウンタ213jは、球回収時間計数カウンタ213eの値が29390未満の場合、即ち、供給通路65の球が球発射ユニット66へ送られてからの時間が610ミリ秒を超えた場合に0に初期化される。
計数装置111のRAM213は、その他、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図18参照)が即座に実行される。
発射制御装置112は、計数装置110より球の発射許可がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット66を制御するものである。また、発射制御装置112は、計数装置110より球の発射停止が指示された場合に、操作ハンドル51の操作に関わらず球の発射を停止する。なお、上述した通り、球発射ユニット66は、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル39に触れていることをタッチセンサ39aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ39bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル39の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル39の操作量に応じた強さで球が発射される。
次いで、パチンコ機10に対して1対1に設けられるカードサンド装置70の電気的構成について説明する。カードサンド装置70は、演算装置であるMPU271によって構成され、MPU271は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM272と、ワークメモリ等として使用されるRAM273とを有している。また、MPU271には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン278を介して入出力ポート279が接続されている。
その入出力ポート279には、カード挿入口72に挿入された会員カードに対してデータの読み出しおよび書き込みを行うカードリーダライタ74と、紙幣投入口71に投入された紙幣の金種の検出および真贋判定を行う紙幣検出装置275と、貸出ボタン74や返却ボタン75といった各種ボタン276と、球単価表示ランプ76、カード利用可能ランプ78、貸出可能ランプ79a、エラー表示ランプ79bといった各種ランプ277とが接続されている。更に、入出力ポート279には、パチンコ機10が設置されたホール全体を統括的に管理するコンピュータであって、カードサンド装置71の外部に設けられたコンピュータであるホールコンピュータ263が接続されている。
このホールコンピュータ263には、遊技者の遊技履歴を記憶する履歴記録部(図示せず)が設けられている。履歴記録部は、後述するように、カードサンド装置70に挿入される会員カードごとに、過去数回分の遊技に係る履歴情報が記憶されている。より詳しくは、履歴情報として、カードサンド装置70へ会員カードを挿入した日時、カードサンド装置70から会員カードを取り出した日時、球の貸し出しを受けたカードサンド装置70の識別番号、球の貸出数、遊技を行った結果としての所持球の計数結果、当該計数結果をポイント換算した利益方法、累積記憶された利益情報(貯蓄された貯蓄データ)、球の貸し出しを受けたときの貸出レート、所持球の計数結果をポイント換算したときの交換レート、パチンコ機10からの賞球数等が記憶されている。
上述した通り、遊技者がいずれかのパチンコ機10にて遊技を行うにあたり、球の貸し出しを受ける際には必ずパチンコ機10に対応するカードサンド装置70へ会員カードを挿入する必要があるため、当該会員カードの挿入時や返却時など、所定のタイミングで何らかの履歴情報がホールコンピュータ263へ送信されることとなる。つまり、遊技者がいずれかのパチンコ機10にて遊技を行った際には、必ず何らかの履歴情報がホールコンピュータの履歴記録部に記録されることとなる。
また、ホールコンピュータ263は、会員登録した遊技者の個人情報等を、会員カードの識別情報と関連づけた状態で記憶する会員データベース(図示せず)を備えている。
ここで、カードサンド装置70の動作について、簡単に説明する。まず、遊技者は所望のパチンコ機10に対応付けられて設置されたカードサンド装置70のカード挿入口72に対し、自分が所持する会員カードを挿入する。本実施形態における会員カードは、各種情報を記憶可能な磁器カードにより構成されている。会員カードには、当該カードを識別可能なカード識別番号をはじめ、各種情報が記憶されている。
例えば、会員カードには、過去数回分の遊技に係る履歴情報が記憶されている。会員カードに記憶される履歴情報としては、例えばカードサンド装置70へ会員カードを挿入した日時、カードサンド装置70から会員カードを取り出した日時、球の貸し出しを受けたカードサンド装置70の識別番号、球の貸出数、遊技を行った結果としての所持球の計数結果、当該計数結果をポイント換算した利益方法、累積記憶された利益情報(貯蓄された貯蓄データ)、球の貸し出しを受けたときの貸出レート、所持球の計数結果をポイント換算したときの交換レート等がある。
但し、会員カードが未使用(初期化された状態を含む)の場合には、当初、履歴情報は何ら記憶されておらず、使用される度に履歴情報が記憶されていくことになる。
なお、会員カードのうち、特定会員カードは、事前に会員登録を受けることで遊技者に対し発行されるものであり、遊技者個人が所有するものである。特定会員カードを所有する遊技者(特定会員)は、例えば、当該特定会員カードを所定のデータ管理装置に挿入することにより、各パチンコ機10の出球状況等を知ることができるなど、各種得点が得られる。
一方、遊技者が特定会員でない場合には、会員カードとして、上記特定会員カードに代えて、遊技ホールから事前に借り受けたゲスト会員カードを用いて遊技を行うこととなる。当該ゲスト会員カードは、原則として一日限りの使用を目的とするものであり、当該カードに関連づけて遊技者の個人情報は管理されない。また、ホールの営業終了後には、ゲスト会員カードを回収して、該カードに記載に記憶された履歴情報を消去する初期化作業が行われると共に、当該カードに関連づけてホールコンピュータ263の履歴記録部に記憶されていた履歴情報を消去する作業が行われる。
さて、会員カードがカードサンド装置70のカード挿入口72に挿入されると、MPU271は、カードリーダライタ274によって読み出した上記各種情報を、RAM273に一時記憶する。あわせて、MPU271は、カード識別情報や履歴情報など、会員カードから読み出した情報をすべてホールコンピュータ263へ送信する。ここで、各種情報は、不正行為防止のため、暗号化された状態で送信される。
そして、ホールコンピュータ263では、これら受信した各種情報と、ホールコンピュータ263の上述した履歴記録部(図示せず)や会員データベース(図示せず)に記憶された情報を照合し、カード認証を行う。ホールコンピュータ263は、照合の結果、各種情報が一致し、カードの正当性が確認された場合に遊技許可信号をカードサンド装置70へ送信する。
かかる遊技許可信号を受信したカードサンド30は、紙幣投入口71における紙幣の受付けを許可すると共に、貸出ボタン74における操作を許可する。加えて、貸出可能ランプ79aを点灯させ、球の貸し出しが可能である旨を遊技者に通知する。
一方、ホールコンピュータ263は、上記照合の結果、各種情報が一致しなかった場合、エラー信号をカードサンド装置70へ送信する。エラー信号を受信したカードサンド装置70は、会員カードをカード挿入口72から排出し、球の貸出要求を拒否する。また、エラー表示ランプ79bを点灯され、遊技者およびホール関係者等にその旨を報知する。このとき、会員カードに記憶された履歴情報を基に、ホールの監視カメラの記録等を確認して、遊技者が消失した利益を補填するようにしてもよい。これにより、偽造等された不正な会員カードではないにもかかわらず、例えばデータ送信時のノイズ等の影響により、正当性が確認されなかった会員カードを所有する遊技者の救済を図ることができる。
つまり、本パチンコ機10では、(1)カードサンド装置70へ会員カードを挿入すること、(2)その会員カードに履歴情報が全く記憶されていないこと、又は、その会員カードに記憶された履歴情報が正当なものであること、を許可条件として、遊技者は球の貸し出しを受け、パチンコ機10にて遊技を行うことができる。
かかる機能により、データの改ざんや偽造されたカード等を使用した不正行為の抑制を図ることができる。例えば、貯蓄データを改ざんした会員カードがカードサンド装置70に挿入された場合には、当該会員カードに記憶された履歴情報(貯蓄データ等)と、ホールコンピュータ263の履歴記録部(図示せず)に記憶された会員カードに係る履歴情報(貯蓄データ等)とが一致せず、ホールコンピュータ263からカードサンド装置70に対してエラー信号が送信される。
遊技球の貸出しが許可され、遊技者が紙幣を紙幣投入部32へ投入した場合、又は、会員カードに貯蓄データが記憶されている場合には、これに相当する数値(投入金額または貯蓄データのポイント値)が一時的にRAM273に記憶され、また、残額表示部73に表示される。なお、本実施形態における貯蓄データは、1ポイントが1円に相当する。
この状態で、貸出ボタン74が1回操作されると、残額表示部74に表示された値の限度内で、所定金額に相当する分(例えば500円分)の球の貸出が行われ、その貸出球数を含む貸出球信号を計数装置111に対して送信する。ここで貸し出される球数は、RAM273に記憶された貸出レートを基に算出される。例えば、貸出レートが1球4円の場合には、100円につき25球の貸出球が貸し出されることになる。球の貸し出しにあわせて、カードサンド装置70は、RAM273に一時記憶した投入金額や貯蓄データから上記貸し出しに使用された分の値を減算すると共に、減算後の数値を残額表示部73に表示する。
続けて、カードサンド装置70は、自分の識別番号と共に、新たな履歴情報を会員カードに書き込む。具体的には、カードサンド装置30へ会員カードを挿入した日時、カードサンド装置70の識別番号、球の貸出数、更新後の貯蓄データ、貸出レート等が書き込まれる。あわせて、カードサンド装置70は、これらの履歴情報を、ホールコンピュータ263に対して送信する。これを受信したホールコンピュータ263は、これらの履歴情報を新たに履歴記録部(図示せず)に記憶する。これにより、この新たに履歴記憶部に記憶された履歴情報を用いて、カードサンド装置70に挿入された会員カードの正当性を、ホールコンピュータ263は判断することができる。
次に、図13から図21のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがある。説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図13は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチ44〜46の読み込み処理を実行する(S1101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種入賞スイッチ44〜46の状態を読み込むと共に、当該スイッチ44〜46の状態を判定して検出情報(入賞検知情報)をRAM203に保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S1102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では899)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ203aに格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203のカウンタ用バッファ203aに格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S1103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、899,99,99,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ203aに格納する。
次に、第1図柄表示装置87による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行し(S1104)、次いで、一般入賞口3及び特定入賞口5aへの入賞に伴う賞球を決定する賞球処理を実行して(S1105)、更に、始動入賞口4への入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S1106)。なお、変動処理、賞球処理、及び、始動入賞処理の詳細は、それぞれ図14、図16および図17を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S1107)、タイマ割込処理を終了する。
次に、図14を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動処理(S1104)について説明する。図14は、この変動処理(S1104)を示すフローチャートである。変動処理(S1104)は、タイマ割込処理(図13参照)の中で実行され、第1図柄表示装置87や第3図柄表示装置81にて行う変動表示を制御する。
この変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S1201)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置87で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S1201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S1201:No)、第1図柄表示装置87の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S1202)、第1図柄表示装置87の表示態様が変動中でなければ(S1202:No)、次いで、第1図柄表示装置87における変動表示が停止後、所定時間経過したか否かを判別する(S1203)。その結果、変動停止後、所定時間経過していなければ(S1203:No)、そのまま本処理を終了する。これにより、変動演出における停止図柄が所定時間だけ第1図柄表示装置87および第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者に対して、その停止図柄を視認させることができる。
一方、S1204の処理の結果、変動停止後、所定時間経過していれば(S1203:Yes)、主制御装置110において保留されている変動表示の保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する(S1204)。その結果、保留球数Nが0でなければ(S1204:Yes)、保留球数Nを1減算し(S1205)、保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフト処理する(S1206)。このデータシフト処理は、保留球格納エリア203bの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。データシフト処理の後は、第1図柄表示装置87の変動開始処理を実行する(S1207)。なお、変動開始処理については、図15を参照して後述する。
S1204の処理において、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)が0であると判別されると(S1204:No)、第3図柄表示装置81においてデモ演出が行われている状態、即ち、デモ中であるか否かを判別する(S1208)。この判別処理では、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114にデモコマンドを送信した後、保留球数Nの値が0より大きいと判断されるまでの間をデモ中として判別する。
そして、デモ中ではないと判別された場合は(S1208:No)、デモコマンドを設定して(S1209)、本処理を終了し、デモ中であると判別された場合は(S1208:Yes)、そのまま本処理を終了する。S1209の処理で設定されたデモコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図20参照)の外部出力処理(S1701)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、このデモコマンドをそのまま表示制御装置114へ送信し、表示制御装置114は、このデモコマンドに従って、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示するように制御を行う。
ここで、デモコマンドが設定されるのは、上述したように、変動停止後所定時間が経過したときに保留球が1つも存在しない場合である。よって、変動停止後所定時間経過したときに変動表示が開始されない場合に、デモコマンドを設定し、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示させることができる。
S1202の処理において、第1図柄表示装置87の表示態様が変動中であると判別されると(S1202:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S1210)。第1図柄表示装置87の変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S1210:No)、第1図柄表示装置87の表示を更新して(S1211)、本処理を終了する。
本実施形態では、第1図柄表示装置87のLED87aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
なお、変動処理は2ミリ秒毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが200に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
一方、第1図柄表示装置87の変動時間が経過していれば(S1210:Yes)、第1図柄表示装置87の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S1212)。停止図柄の設定は、図24を参照して後述する変動開始処理(S1207)によって予め行われる。即ち、S1206の処理により、保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定されると共に、大当たりである場合には第1当たり種別カウンタC2の値により大当たり後に15R確変大当たり(最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する確変大当たり)となる図柄か、2R確変大当たり(最大ラウンド数が2ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する確変大当たり)となる図柄か、15R通常大当たり(最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に低確率状態へ移行する大当たり)となる図柄かが決定される。
本実施形態では、大当たり後に15R確変大当たりになる場合には青色のLEDを点灯させ、2R確変大当たりになる場合には赤色のLEDを点灯させ、15R通常大当たりになる場合には赤色のLEDと青色のLEDとを点灯さる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S1212の処理で停止図柄に対応した第1図柄表示装置87の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81の変動演出の停止図柄を第1図柄表示装置87におけるLEDの点灯と同調して確定させるために確定コマンドを設定して(S1213)、本処理を終了する。音声ランプ制御装置113は、この確定コマンドを受信すると、表示制御装置114に対してそのまま確定コマンドを送信する。第3図柄表示装置81は、変動時間が経過すると変動が停止し、確定コマンドを受信することで、第3図柄表示装置81における停止図柄が確定される。
次に、図15を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動開始処理(S1207)について説明する。図15は、変動開始処理(S1207)を示したフローチャートである。この変動開始処理(S1207)は、タイマ割込処理(図13参照)の変動処理(図14参照)の中で実行され、保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づき、「大当たり」又は「外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置87および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定する。
変動開始処理では、まず、保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する抽選(当否判定)処理を行う(S1301)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値とその時々の遊技状態との関係に基づいて判別される。上述した通り、パチンコ機10の遊技状態が低確率状態の場合は、大当たり乱数テーブル202aの中で「低確率状態」に対応づけられた「7,307,582」が大当たり乱数値となり、パチンコ機10の遊技状態が高確率状態の場合は、大当たり乱数テーブル202aの中で「高確率状態」に対応づけられた「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」が大当たり乱数値となる。S1301の処理では、保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの大当たり乱数値とを比較して、それらが一致する場合に、大当たりであると判別する。
そして、S1301の処理の結果、大当たりであると判別された場合(S1301:Yes)、保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S1302)。この処理では、第1当たり種別カウンタC2と大当たり種別テーブル202cとによって設定される大当たり種別、即ち、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する15R確変大当たりか、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する2R確変大当たりか、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に低確率状態へ移行する15R通常大当たりか、に基づいて、第1図柄表示装置87の表示態様(LED87aの点灯状態)が設定される。また、その大当たり後の移行状態に基づいて、第3図柄表示装置81で各種大当たりに対応した大当たり図柄を停止表示させるべく、大当たり種別(15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たり)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターン(変動時間)を決定する(S1303)。この変動パターンの決定は、S1302の処理で設定された大当たり種別と、変動種別カウンタCS1の値と、大当たり用変動パターンテーブル202cとに基づいて行われる。S1303の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置87の表示時間が設定される。
S1301の処理で大当たりではないと判別された場合には(S1301:No)、外れ時の表示態様が設定される(S1304)。S1304の処理では、第1図柄表示装置87の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。本実施形態では、上述したように、高確率状態であるか、低確率状態であるかに応じて、停止パターン選択カウンタC3の各停止パターンに対応する値の範囲が異なるようテーブルが設定されている。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S1305)。この変動パターンの決定は、パチンコ機10の遊技状態(高確率状態か、時短中か、もしくは時短中を除く低確率状態か)と、S1302の処理で設定された停止種別と、変動種別カウンタCS1の値と、外れ用変動パターンテーブル202dとに基づいて行われる。S1305の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置87の表示時間が設定される。
S1303の処理またはS1305の処理が終わると、そのS1303又はS1305の処理で決定された変動パターン種別を表示制御装置114へ通知する変動パターンコマンドを設定する(S1306)。次いで、S1302又はS1304の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S1307)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図20)のS1701の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。
次に、図16のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される賞球処理(S1105)の処理を説明する。図16は、この賞球処理(S1105)を示すフローチャートである。この賞球処理(S1105)は、タイマ割込処理(図13参照)の中で実行され、一般入賞口3及び特定入賞口5aへの入賞の有無を判断し、入賞があった場合に賞球を決定して、計数装置111において計数されている所持球数に対して賞球分の数を加算するために、所持球加算コマンドを設定する。
賞球処理が実行されると、まず、一般入賞口3への入賞があったか否かを判断する(S1351)。この処理では、タイマ割込処理(図13)のS1101のスイッチ読み込み処理によってRAM203に保存された一般入賞口3における入賞検知情報に基づいて、一般入賞口3への入賞があったか否かを判断する。
そして、一般入賞口3への入賞があると判断された場合(S1351:Yes)、5球の賞球を決定し、計数装置111において計数されている所持球数に対して5球の賞球を加算するために、5球の所持球加算コマンドを計数装置111へ送信するために設定する(S1352)。ここで設定された所持球加算コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図20)のS1701の処理で音声ランプ制御装置113に送信される。
S1352の処理の後、S1353の処理へ移行する。また、S1351の処理の結果、一般入賞口3への入賞はないと判断された場合は(S1351:No)、S1352の処理をスキップしてS1353の処理へ移行する。
S1353の処理では、特定入賞口5aへの入賞があったか否かを判断する(S1353)。この処理では、タイマ割込処理(図13)のS1101のスイッチ読み込み処理によってRAM203に保存された特定入賞口5aにおける入賞検知情報に基づいて、特定入賞口5aへの入賞があったか否かを判断する。
そして、特定入賞口5aへの入賞があると判断された場合(S1353:Yes)、15球の賞球を決定し、計数装置111において計数されている所持球数に対して15球の賞球を加算するために、15球の所持球加算コマンドを計数装置111へ送信するために設定する(S1354)。ここで設定された所持球加算コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図20)のS1701の処理で音声ランプ制御装置113に送信される。
S1354の処理の後、賞球処理を終了してタイマ割込処理に戻る。また、S1353の処理の結果、特定入賞口5aへの入賞はないと判断された場合は(S1353:No)、S1354の処理をスキップして賞球処理を終了し、タイマ割込処理に戻る。
次に、図17のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S1106)を説明する。図17は、この始動入賞処理(S1106)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S1106)は、タイマ割込処理(図13参照)の中で実行され、始動入賞口4への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合は、各種乱数カウンタが示す値の保留処理を実行する。また、始動入賞があった場合に賞球を決定して、計数装置111において計数されている所持球数に対して賞球分の数を加算するために、所持球加算コマンドを設定する。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が始動入賞口4に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S1400)。この処理では、タイマ割込処理(図13)のS1101のスイッチ読み込み処理によってRAM203に保存された始動入賞口4における入賞検知情報に基づいて、始動入賞口4への入賞(始動入賞)があったか否かを判断する。
そして、球が始動入賞口4に入賞(始動入賞)したと判別されると(S1400:Yes)、5球の賞球を決定し、計数装置111において計数されている所持球数に対して5球の賞球を加算するために、5球の所持球加算コマンドを計数装置111へ送信するために設定する(S1401)。ここで設定された所持球加算コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図20)のS1701の処理で音声ランプ制御装置113に送信される。
S1401の処理に次いで、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数Nが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S1402)。そして、始動入賞口4への入賞がないか(S1400:No)、或いは、始動入賞口4への入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S1402:No)、タイマ割込処理へ戻る。一方、始動入賞口4への入賞があり(S1400:Yes)、且つ、保留球数N<4であれば(S1402:Yes)、保留球数Nを1加算し(S1403)、更に、タイマ割込処理(図13)のS1103の処理で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、RAM203の保留球格納エリア203bの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S1404)。
次いで、S1403の処理によって更新された保留球数Nの値を含めた保留球数コマンドを作成し(S1405)、作成した保留球数コマンドを設定して(S1406)、始動入賞処理を終了し、タイマ割込処理へ戻る。
この保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図20)のS1701の処理で音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113では、保留球数コマンドに含められた保留球数Nに基づいて音声ランプ制御装置113の中で保留球数を管理する。そして、音声ランプ制御装置113にて管理された保留球数が第3図柄表示装置81の保留表示領域Dsに表示されるよう、音声ランプ制御装置113は表示制御装置114に対して保留表示コマンドを送信する。この保留表示コマンドには、表示すべき保留球数を示す情報が含まれている。表示制御装置114は、保留表示コマンドによって示される保留球数を保留表示領域Dsに表示するよう、第3図柄表示装置81の表示を制御する。
図18は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S1501)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、計数装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から計数装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図19を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図19は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。
立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1601)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、計数装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S1602)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1603)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図6参照)がオンされているか否かを判別し(S1604)、オンされていれば(S1604:Yes)、処理をS1611へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S1604:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1605)、記憶されていなければ(S1605:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1611へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1605:Yes)、RAM判定値を算出し(S1606)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1607:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1611へ移行する。なお、図28のS1712の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1611の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる計数装置111を初期化するために初期化コマンドを送信する(S1611)。計数装置111は、この初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1612,S1613)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S1612,S1613)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1612,S1613)を実行する。RAMの初期化処理(S1612,S1613)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1612)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1613)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1610の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S1604:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1605:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1607:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1608)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の復帰コマンドを送信し(S1609)、S1610の処理へ移行する。計数装置111は、この復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S1610の処理では、割込みを許可する(S1610)。そして、後述するメイン処理に移行する。
次に、図20を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図20は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1701〜S1705の各処理が実行され、その残余時間でS1708,S1709のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図13参照)の中でRAM234に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1701)。具体的には、賞球処理(S1105)で設定された所持球加算コマンドを計数装置111に対して送信する。また、始動入賞処理(S1106)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド、確定コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1702)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ202bに格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、次いで、パチンコ機10の遊技状態が大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S803)。大当たり制御処理の詳細については図21を参照して後述するが、大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本実施形態では、この大当たり制御処理をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行してもよい。
次に、第2図柄表示装置83による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S1705)。簡単に説明すると、球が第2入球口(スルーゲート)267を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、始動入賞口4に付随する電動役物が所定時間開放される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1706)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1706:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1707)、既に所定時間が経過していれば(S1707:Yes)、処理をS1701へ移行し、上述したS1701以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1707:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2、及び、変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1708,S1709)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1708)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では899、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ203aにそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1702の処理と同一の方法によって実行する(S1709)。
ここで、S1701〜S1705の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1706の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1706:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図18のNMI割込処理が実行されたということなので、S1710以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1710)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1711)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1712)、RAM203のアクセスを禁止して(S1713)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1706の処理は、S1701〜S1705で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1708とS1709の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1701の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1701の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S1601)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1701の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図21のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1704)を説明する。図21は、この大当たり制御処理(S1704)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1704)は、メイン割込処理(図20参照)の中で実行され、パチンコ機10が大当たり中である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、大当たりを開始するかを判定する(S1731)。具体的には、S1731の処理の実行直前に行われたタイマ割込処理において、変動処理(図14参照)のS1212の処理が実行され、第1図柄表示装置の停止表示として大当たりの表示を設定した場合に、大当たりを開始すると判定する。
S1731の処理において、大当たりを開始すると判定された場合は(S1731:Yes)、RAM203に設けられた図示しない大当たり中フラグをオンに設定し(S1732)、次いで、ファンファーレコマンドを設定して(S1733)、大当たり制御処理を終了し、メイン処理へ戻る。なお、大当たり中フラグは、RAM203の所定領域に設けられ、パチンコ機10が大当たり中であるか否かを示すフラグであり、大当たり中フラグがオンの場合にパチンコ機10が大当たりであることを示す。
S1733の処理で設定されたファンファーレコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により次に実行される外部出力処理(S1701)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ファンファーレコマンドを受信すると、表示用ファンファーレコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ファンファーレコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてファンファーレ演出が開始される。
一方、S1731の処理において、大当たりが開始されない場合には(S1731:No)、大当たり中フラグがオンであって、今現在、大当たり中であるか否かを判定する(S1734)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置37で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。
S1734の処理において、大当たり中フラグがオフであり、大当たり中でなければ(S1734:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1734の処理において、大当たり中フラグ203eがオンであり、大当たり中であれば(S1734:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判定する(S1735)。新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1735:Yes)、特定入賞口5aを開放し(S1736)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S1737)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。
ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により次に実行される外部出力処理(S1701)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
一方、S1735の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでなければ(S1735:No)、特定入賞口5aの閉鎖条件が成立したかを判定する(S1738)。具体的には、特定入賞口5aを開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、特定入賞口5aを開放した後に球が所定数(例えば、10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。
S1738の処理において、特定入賞口5aの閉鎖条件が成立した場合には(S1738:Yes)、特定入賞口5aを閉鎖して(S1739)、本処理を終了する。一方、特定入賞口5aの閉鎖条件が成立していない場合には(S1738:No)、エンディング演出の開始タイミングであるかを判定する(S1740)。
S1740の処理において、エンディング演出の開始タイミングである場合には(S1740:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S1741)、更に、球判定コマンドを設定して(S1742)、本処理を終了する。S1741の処理にて設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により次に実行される外部出力処理(S1701)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
また、S1742の処理にて設定された球判定コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により次に実行される外部出力処理(S1701)の中で、計数装置111に向けて送信される。計数装置111は、球判定コマンドを受信すると、球発射ユニット66による球の発射を停止し、その球の発射停止から30秒経過、即ち、最後に発射された球が遊技盤13の前面領域を流下して再び供給通路65に回収されるのに十分な時間経過後に、パチンコ機10内を循環する球の数に異変がないか否かの確認と、入賞に関する不正行為やトラブルがないか否かの確認を行う。
ここで、球判定コマンドが送信されるのは、エンディング演出の開始タイミングである。よって、球判定コマンドが送信されることによって計数装置111にて行われる、パチンコ機10内を循環する球の数に異変がないか否かの確認と、入賞に関する不正行為やトラブルがないか否かの確認とは、大当たり演出の終了時に行われるエンディング演出が行われるときに実行される。このように、大当たり演出が終了する毎に、パチンコ機10内を循環する球の数に異変がないか否かの確認と、入賞に関する不正行為やトラブルがないか否かの確認とを行うので、遊技中に発生したトラブルや不正行為を確認する機会を多く発生させることができ、遊技中に発生したトラブルや不正行為早めに確認することができる。また、球の発射を停止して、パチンコ機10内を循環する球の数に異変がないか否かの確認と、入賞に関する不正行為やトラブルがないか否かの確認との確認は、球の発射停止を伴うが、このような確認を遊技者が遊技に一息つけるエンディング演出が行われるタイミングで実行するので、発射停止に伴う遊技者の不満感を抑制できる。
なお、大当たりにおけるエンディング演出は、少なくとも31秒以上行うのが望ましい。供給通路65に貯留されている球の数を確認するためには、発射を停止してから少なくとも30秒は球の発射を停止させつける必要があるため、その間、エンディング演出を遊技者に対して付与することにより、球が発射できない不満感から遊技者を解放することができる。また、そのエンディング演出において、何らかのゲーム演出を表示して、以降の遊技状態を遊技者に示したり、その時点で保留されている球に対して行われた大当たり抽選の結果を示唆する予告演出を行うようにしてもよい。これにより、エンディング演出が長くなることによる退屈感から遊技者を解放させることができる。
S1740の処理において、エンディングの開始タイミングでない場合には(S1740:No)、今回の大当たりを終了させるかを判定する(S1743)。S1743の処理において、今回の大当たりを終了させる場合には(S1743:Yes)、大当たりの終了を設定し(S1744)、大当たり中フラグをオフに設定して(S1745)、本処理を終了する。一方、S1744の処理の結果、今回の大当たりを終了させるタイミングではないと判定される場合は(S1743:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図22から図34を参照して、計数装置111内のMPU211により実行される角制御処理を説明する。かかるMPU212の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図22を参照して、計数装置111内のMPU211により実行される立ち上げ処理を説明する。図22は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
この立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1751)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、RAMアクセスを許可する(S1752)。
その後は、MPU211内のRAM213に関してデータバックアップの処理を実行する。具体的には、RAM213に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1754)、記憶されていなければ(S1754:No)、バックアップデータは記憶されていないので、処理をS1764へ移行し、RAM213の初期化処理を実行する(S1764,1765)。
RAM213に電源断の発生情報が記憶されていれば(S8754:Yes)、RAM判定値を算出し(S1755)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1755:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1764へ移行し、RAM213の初期化処理を実行する(S1764,1765)。図24のS1913の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM213の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM213の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1764,S1765のRAM213の初期化処理では、RAM213の全ての領域を0クリアした後(S1764)、RAM213の初期値を設定する(S1765)。その後、S1759の処理へ移行する。
一方、電源断の発生情報が設定されており(S1754:Yes)、且つRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1756:Yes)、RAM213にバックアップされたデータを保持したまま、電源遮断の発生情報をクリアし(S1757)、その後、S1759の処理へ移行する。
S1759の処理では、MPU211の周辺デバイスの初期設定を行う(S1759)。その後、扉枠14が開放状態にあるか否かを判断し(S1760)、扉枠14が開放状態にあると判断される間は(S1760:Yes)、S1760の判断を繰り返し実行すし、扉枠14が閉鎖状態にあると判断されると(S1760:No)、MPU211の周辺デバイスの初期設定を行って、その周辺デバイスを動作可能な状態にした後(S1761)、第1球数判定処理を実行する(S1762)。つまり、扉枠14が閉じられた状態で、第1球数判定処理が実行される。なお、扉枠14の開閉状態は、フォトセンサ98の検出結果に基づいて判断される。
ここで、図23を参照して、第1球数判定処理(S1762)について説明する。図23は、この第1球数判定処理(S1762)を示すフローチャートである。第1球数判定処理は、上述した通り、計数装置111内のMPU211によって実行される立ち上げ処理において実行される処理であり、電源投入後、扉枠14が閉じられた状態にあって遊技を開始可能な状態(球を発射可能な状態)となったときに、供給通路65に貯留されている球の数が、所定の数(本実施形態では50球)となっているか否かを確認するための処理である。
この第1球数判断処理では、まず、51球検出スイッチ91がオンか否かを判断し(S1801)、51球検出スイッチ91がオフであれば(S1801:No)、次いで、50球検出スイッチ92がオンか否かを判断する(S1802)。そして、51球検出スイッチ91がオフであり(S1801:No)、50球検出スイッチ92がオンである(S1802:Yes)場合は、供給通路65に貯留されている球の数が50球であり、所定の数の球が供給通路65に貯留されている。
よって、この場合、循環球数メモリ213cに対して、供給通路65に貯留されている球の数が50球であることを示す「50」を設定し(S1803)、更に、初期球数メモリ213dに対して、供給通路65に貯留された初期の球の数が50球であることを示す「50」を設定する(S1804)。そして、主制御装置110より受信する所持球加算コマンドの数を計数するための所持球加算コマンドカウンタ213fと、各種入賞口3,4,5aに入賞された入賞球の数を計数するための入賞球カウンタ213gとを「0」に設定して(S1805)、第1球数判断処理(S1762)を終了する。
第1球数判断処理(S1762)を終了した後は、図22に示す通り、割込みを許可して(S1763)、メイン処理(図24参照)へ移行する。
図23に戻り、第1球数判断処理の説明を続ける。S1801の処理により51球検出スイッチ91がオフであると判断され(S1801:No)、S1802の処理により50球検出スイッチ92がオフであると判断された場合(S1802:No)、供給通路65に貯留されている球は50球未満であると判断できる。よって、パチンコ機10の機内に貯留されているはずの50球の球が供給通路65に全て貯留されているべき場合に、供給通路65に50球の球が貯留されていると判断できたときには、パチンコ機10において遊技盤13の前面領域に球詰まりが発生しているなどのトラブルが発生している可能性が高いと判断し、その旨をアンダーエラーとして報知する(S1806)。
また、S1801の処理により51球検出スイッチ91がオンであると判断された場合(S1801:Yes)も、次いで、50球検出スイッチ92がオンである否かを判断する(S1807)。そして、S1801の処理により51球検出スイッチ91がオンであると判断され(S1801:Yes)、S1807の処理により50球検出スイッチ92がオンであると判断された場合(S1807:Yes)、供給通路65に51球以上の球が貯留されていると判断できる。よって、パチンコ機10の機内に貯留されているはずの50球の球が供給通路65に全て貯留されているべき場合に、供給通路65に51球以上の球が貯留されていると判断できたときには、パチンコ機10に不正に球が混入される等の不正行為が行われたか、供給通路65内部において球詰まりが発生している可能性が高いと判断し、その旨をオーバーエラーとして報知する(S1808)。
一方、S1801の処理により51球検出スイッチ91がオンであると判断され(S1801:Yes)、S1807の処理により50球検出スイッチ92がオフであると判断された場合(S1807:No)、50球検出スイッチ92及び51球検出スイッチ91の少なくとも一方が故障している可能性が高い。よって、この場合、50球検出スイッチ92及び51球検出スイッチ91の少なくとも一方が故障している可能性が高い旨をスイッチエラーとして報知する(S1809)。
このように、電源投入後、扉枠14が閉じられた状態にあって遊技を開始可能な状態(球を発射可能な状態)となったときに、供給通路65に貯留されている球の数が、所定の数である50球となっていない場合は、エラーを報知することで、不正行為やトラブルが発生したまま遊技が開始されることを防止できる。
S1806,S1808,S1809の各処理によるエラー報知の後、第1球数判定処理では、ループ状態となる。ただし、このループ状態において、エラー状態を解消することを目的としてシリンダ錠21aが正面視右回りに回転操作された場合に、電子錠99のソレノイド99bに電圧を印加して係合棒99aを縮小させることで、扉枠14を開放するための処理が行われる。
即ち、まず、シリンダ錠21aが正面視右回りに回転操作されたか否かをフォトセンサ95の検出結果から判断し(S1810)、シリンダ錠21aが正面視右回りに回転操作されていないと判断される間は(S1810:No)、S1810の処理が繰り返し実行される。一方、シリンダ錠21aが正面視右回りに回転操作されたと判断された場合(S1810:Yes)、電子錠99のソレノイド99bに電圧を印加し、係合棒99aを縮小させて、扉枠14を解錠する(S1811)。
その後、フォトセンサ98の検出結果に基づいて、扉枠14は閉じられたか否かを判断し(S1812)、扉枠14が閉じられていないと判断される場合は(S1812:No)、S1812の処理を繰り返し実行する。一方、扉枠14が閉じられたと判断された場合は(S1812:Yes)、S1810の処理に戻り、その後は、S1810〜S1812の処理が繰り返し実行される。
これにより、エラーが報知された後、MPU211における処理がループ状態となっても、電子錠99のソレノイド99bを駆動する制御を実行することで、扉枠14を開放させることができる。
このように、電源投入後、扉枠14が閉じられた状態にあって遊技を開始可能な状態(球を発射可能な状態)となったときに、供給通路65に貯留されている球の数が確認され、所定の数である50球となっていない場合はエラーが報知されて、MPU211の処理がループ状態となる。よって、供給通路65に50球の球が貯留されていない限り、そのパチンコ機10において球の貸し出しが行われず、遊技を行うことができない。よって、供給通路65に貯留されている球の数が50球ではなく、不正行為やトラブルが発生している状態で、遊技が行われることを抑制できる。
ホール関係者は、このようなループ状態となった場合に、扉枠14を開放して遊技領域等に球が詰まって残っていないか確認することができる。また、内枠12を開放した状態で、レバー67cを引っ張って供給通路65に貯留されている球を球抜き通路67から抜き取り、球に問題がないか否かを手にとって調べたり、別の球を新たに供給通路65に入れ替えることができる。このようにして、エラー状態を解消するための対応をホール関係者が行った後は、電源を再投入させる。そして、エラー状態が解消されていれば、電源再投入時に実行された立ち上げ処理の第1球数判定処理において、供給通路65に貯留されている球の数が50球であり、所定の数の球が供給通路65に貯留されている、と判定されるので、以後、計数装置111は球の貸し出しが可能な状態となり、遊技を行うことが可能となる。
次に、図24を参照して、上記した立ち上げ処理後に計数装置111内のMPU211により実行されるメイン処理について説明する。図24は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では、パチンコ機10内で循環して遊技に使用するために供給通路65に貯留された球の数を、循環球数として計数する処理と、パチンコ機10内を循環する循環球数に異変がないか否かを確認する処理と、遊技者が遊技に使用できる球の数である所持球の数を計数し、データ表示器24に所持球数を表示する処理と、発射制御装置112に対して、球の発射を許可し又は停止させる処理とを実行する。その概要として、1m秒周期の定期処理としてS1901〜S1906の各処理が実行され、その残余時間で電源断の発生の監視処理(S1907)と、シリンダ錠21aに対する正面視右回りの回転操作の監視処理(S1908)とが実行される構成となっている。
メイン処理では、まず、定期処理として、主制御装置110より受信したコマンドを判定してそのコマンドに対応した処理を行うコマンド判定処理を実行し(S1901)、次いで、循環球数を計数し、また、最後の球の発射が行われてから30秒以上を経過した場合に供給通路65に貯留されている球の数を判定して、循環球数に異変がないか否かを確認する循環球数計数処理を実行する(S1902)。次に、所持球数を計数する所持球数計数処理を実行し(S1903)、次いで、カードサンド装置70の返却ボタン75が操作された場合にその時点の所持球数をカードサンド装置70へ送信することで、精算を行う精算処理を実行する(S1904)。そして、大当たり演出におけるエンディング演出が行われることを契機として供給通路65に貯留されている球の数を判定して、循環球数に異変がないかを確認する大当たり終了球判定処理を実行し(S1905)、更に、球の発射が連続して行われている場合に供給通路65の球の数を判定して循環球数に異変がないかを確認する通常時球判定処理を実行して(S1906)、定期処理を終了する。
なお、コマンド判定処理(S1901)の詳細については図25を参照して、循環球数計数処理(S1902)の詳細については図26を参照して、所持球数計数処理(S1903)の詳細については図28を参照して、精算処理(S1904)の詳細については図32を参照して、大当たり終了球判定処理(S1905)の詳細については図33を参照して、通常時球判定処理(S1906)の詳細については図34を参照して、それぞれ後述する。
S1906の処理の後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1907)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1907:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図18のNMI割込処理が実行されたということなので、S1911以降の電源遮断時の処理が実行される。
まず、各割込処理の発生を禁止し(S1911)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(発射制御装置112等の周辺制御装置)に対して送信する(S1912)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1913)、RAM213のアクセスを禁止して(S1914)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM213のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1907の処理は、S1901〜S1906で行われる一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1907〜1910の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、計数装置111のメイン処理において、各処理が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1901の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1901の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU211が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S1751)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1901の処理から開始することができる。従って、計数装置111の制御負担を軽減することができると共に、計数装置111が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
また、S1907の処理の結果、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1907:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、フォトセンサ95の検出結果に基づいて、シリンダ錠21aが正面視右回りに回転操作されたか否かを判断し(S1908)、シリンダ錠21aが正面視右回りに回転操作されたと判断された場合(S1908:Yes)、扉枠14を開放するための制御を行う扉枠開放処理を実行して(1909)、S1910の処理へ移行する。また、シリンダ錠21aが正面視右回りに回転操作されていないと判断された場合は(S1908:No)、扉枠開放処理をスキップしてS1910の処理へ移行する。
S1910の処理では、次の定期処理(S1901〜S1906の処理)の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回の定期処理の開始から所定時間(本実施形態では1m秒)が経過したか否かを判別し(S1910)、既に所定時間が経過していれば(S1910:Yes)、処理をS1901へ移行し、上述したS1901以降の各処理を繰り返し実行する。一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1910:No)、所定時間に至るまで間、S1907の処理へ回帰し、S1907〜S1910の処理を繰り返し実行する。
次いで、図25を参照して、計数装置111内のMPU211によりメイン処理(図24参照)の中で実行されるコマンド判定処理(S1901)を説明する。図25は、このコマンド判定処理を示したフローチャートである。コマンド判定処理(S1901)は、主制御装置110より受信したコマンドを判定してそのコマンドに対応した処理を行うものである。
なお、主制御装置110より受信したコマンドは、RAM213に設けられたコマンド記憶領域に一旦格納される。コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。コマンド判定処理では、このコマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドを読み出し、そのコマンドを解析して、そのコマンドに応じた処理を実行する。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より初期化コマンドを受信したか否かを判別する(S2001)。そして、初期化コマンドを受信したと判別した場合(S2001:Yes)、RAM213の作業領域を0クリアし(S2002)、その作業領域に初期化時の初期値を設定することでRAM213の初期設定を行って(S2003)、RAM213の作業領域の初期化を実行する。そして、計数許可信号を本パチンコ機10に対応して設けられたカードサンド装置70へ送信して(S2005)、コマンド判定処理を終了する。カードサンド装置70は、計数装置111より計数許可信号を受信すると、ホールコンピュータ263からの信号に基づいて貸出レートの設定が完了していることを条件として、会員カードの受付が可能な状態となる。これにより、RAM213の作業領域が初期化された状態で、カードサンド装置70から貸出球信号が送信されることになり、所持球数の計数は、その初期化された状態から開始することができる。
S2001の処理の結果、初期化コマンドを受信していないと判別された場合(S2001:No)、次いで、主制御装置110より復帰コマンドを受信したか否かを判別する(S2004)。そして、復帰コマンドを受信したと判別された場合(S2004:Yes)、上述したS2005の処理へ移行し、計数許可信号を本パチンコ機10に対応して設けられたカードサンド装置70へ送信して(S2005)、コマンド判定処理を終了する。これにより、RAM213の作業領域の値が保持されたまま、カードサンド装置70は、ホールコンピュータ263からの信号に基づいて貸出レートの設定が完了していることを条件として、会員カードの受付が可能な状態となるので、RAM213の作業領域の値が維持された状態で、カードサンド装置70から貸出球信号が送信されることになり、所持球数の計数をその状態から開始することができる。
S2004の処理の結果、復帰コマンドを受信していないと判別された場合(S2004:No)、次いで、主制御装置110より所持球加算コマンドを受信したか否かを判別する(S2006)。そして、所持球加算コマンドを受信したと判別された場合(S2006:Yes)、所持球加算フラグ213bをオンし(S2007)、受信した所持球数加算コマンドで示された賞球数情報をRAM213に一時格納する(S2008)。S2008の処理で格納された賞球数情報で示される賞球数が、所持球数計数処理(図28参照)において、所持球カウンタ213aに加算される。その後、所持球加算コマンドを受信した数を計数する所持球加算コマンドカウンタ213fに1を加算し(S2009)、コマンド判定処理を終了する。
S2006の処理の結果、所持球加算コマンドを受信していないと判別された場合(S2006:No)、次いで、主制御装置110より球判定コマンドを受信したか否かを判別する(S2010)。そして、球判定コマンドを受信したと判別された場合(S2010:Yes)、球判定フラグ213hをオンし(S2011)、コマンド判定処理を終了する。球判定フラグ213hをオンにすることにより、大当たり終了球判定処理(図33参照)において、パチンコ機10内を循環する球の数に異変がないか否かの確認と、入賞に関する不正行為やトラブルがないか否かの確認とを行う。なお、球判定コマンドは、パチンコ機10において1回の大当たりにおける全てのラウンド演出(特定入賞口5aを開放する演出)が終了し、エンディング演出が開始されるタイミングで、主制御装置110から計数装置111に対して送信されるものである。よって、大当たりが行われる毎にそのエンディング演出の中で、パチンコ機10内を循環する球の数に異変がないか否かの確認と、入賞に関する不正行為やトラブルがないか否かの確認とが行われることになる。
S2010の処理の結果、球判定コマンドを受信していないと判別された場合(S2010:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判別し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S2010)、コマンド判定処理を終了する。
次いで、図26を参照して、計数装置111内のMPU211によりメイン処理(図24参照)の中で実行される循環球数計数処理(S1902)を説明する。図26は、この循環球数計数処理を示したフローチャートである。循環球数計数処理(S1902)は、パチンコ機10内で循環して遊技に使用するために供給通路65に貯留された球の数を、循環球数として計数する処理である。また、循環球数計数処理は、最後の球の発射が行われてから30秒以上を経過した場合に供給通路65に貯留されている球の数を判定して、循環球数に異変がないか否かを確認する処理も行う。
循環球数計数処理では、まず、球の発射直前に供給通路65から球発射ユニット66に対して送られる球を検出する球送り検出スイッチ94がオンであるか否かを判別する(S2101)。そして、球送り検出スイッチ94がオンであると判別された場合(S2101:Yes)、供給通路65から球発射ユニット66に対して球が送られ、供給通路65に貯留されている球が1球減ったことを意味するので、循環球数メモリ213bの値を1減ずる(S2102)。そして、球回収時間計数カウンタ213eに30000を設定した後(S2103)、S2108の処理へ移行する。
S2108の処理では、ファール球検出スイッチ93がオンか否かを判別する(S2108)。そして、ファール球検出スイッチ93がオンであると判別された場合(S2108:Yes)、球発射ユニット66から発射された球が戻り球防止部材68まで至らずファール球として回収されて供給通路65に戻されたことを意味するので、循環球数メモリ213cに記憶された循環球数を1加算し(S2109)、S2110の処理へ移行する。また、S2108の処理の結果、ファール球検出スイッチ93がオンではなく、オフであると判別された場合は(S2108:No)、S2109の処理をスキップして、S2110の処理へ移行する。
S2110の処理では、アウト球検出スイッチ48がオンか否かを判別する(S2110)。そして、アウト球検出スイッチ48がオンであると判別された場合(S2110:Yes)、遊技盤13の前面領域(遊技領域)に案内された球が、どの入賞口3,4,5aにも入賞せずにアウト口6を通過して排出通路42aへ排出され、再び供給通路65に貯留されることを意味するので、循環球数メモリ213cに記憶された循環球数を1加算して(S2111)、S2112の処理へ移行する。また、S2110の処理の結果、アウト球検出スイッチ48がオンではなく、オフであると判別された場合は(S2110:No)、S2111の処理をスキップして、S2112の処理へ移行する。
S2112の処理では、入賞球検出スイッチ47がオンか否かを判別する(S2112)。そして、入賞球検出スイッチ47がオンであると判別された場合(S2112:Yes)、遊技盤13の前面領域(遊技領域)に案内された球が、各種入賞口(一般入賞口3、始動入賞口4、特定入賞口5aのいずれか)に入賞し、排出口41bを通って排出通路42aへ排出され、再び供給通路65に貯留されることを意味するので、循環球数メモリ213cに記憶された循環球数を1加算する(S2113)。また、入賞球の数をカウンタする入賞球カウンタ213gに1を加算して(S2114)、循環球数計数処理を終了する。一方、S2112の処理の結果、入賞球検出スイッチ47がオンではなく、オフであると判別された場合は(S2112:No)、S2113及びS2114の処理をスキップして、循環球数計数処理を終了する。
これに対し、S2101の処理において、球送り検出スイッチ94がオンではなく、オフであると判別された場合(S2101:No)、供給通路65から球発射ユニット66に対して球が送られていない状況を意味する。そこで、この場合、球回収時間計数カウンタ213fの値を1減じ(S2104)、その1減じた後の球回収時間計数カウンタ213fの値が0となったか否かを判別する(S2105)。
ここで、循環球数計数処理(S1902)は、図24に示すメイン処理の中で1ミリ秒毎に実行されるものである。よって、球回収時間計数カウンタ213fが0となるのは、最後に供給通路65から球発射ユニット66に対して球が送られて当該球が発射されてから、30秒経過したことを意味する。そして、その30秒の経過は、供給通路65から球発射ユニット66に対して最後に球を送ってから、その最後に送った球が球発射ユニット66に発射され、遊技盤13の前面領域を流下し、再び供給通路65に回収されるのに十分な時間が経過していることを意味する。よって、球回収時間計数カウンタ213fが0の場合は、パチンコ機10内を循環する球が全て供給通路65に貯留された状態にある。
そこで、S2105の処理において、球回収時間計数カウンタ213fの値が0であると判別された場合(S2105:Yes)、供給通路65に貯留されている球の数を判定して循環球数に異変がないか否かを確認する第2球数判定処理を実行する(S2106)。そして、第2球数判定処理(S2106)を終了した後に、上述したS2108〜S2114の処理を実行して、循環球数計数処理を終了する。また、S2105の処理において、球回収時間計数カウンタ213fの値が0ではない場合、即ち、0よりも大きい場合は(S2105:No)、第2球数判定処理(S2106)をスキップして、上述したS2108〜S2114の処理を実行し、その後、循環球数計数処理を終了する。
ここで、図27を参照して、第2球数判定処理(S2106)の詳細を説明する。図27は、この第2球数判定処理(S2106)を示したフローチャートである。
この第2球数判定処理では、まず、RAM213の所定領域に設けられたエラー判定後フラグ(図示せず)を一旦オフに設定する(S2211)。このエラー判定後フラグは、オンの場合に、今回実行されている第2球数判定処理の中で、エラーであるとの判定(エラー報知)が少なくとも1回行われていることを示すフラグである。
次いで、51球検出スイッチ91がオンか否かを判断し(S2212)、51球検出スイッチ91がオンであれば(S2212:Yes)、S2213の処理へ移行して、50球検出スイッチ92がオンか否かを判断する(S2213)。また、S2212の処理の結果、51球検出スイッチ91がオンではなく、オフである場合には(S2212:No)、S2216の処理へ移行し、S2216の処理においてもS2213の処理と同様に、50球検出スイッチ92がオンか否かを判断する(S2216)。
そして、S2212の処理により51球検出スイッチ91がオンであると判断され(S2212:Yes)、S2213の処理により50球検出スイッチ92がオンであると判断された場合(S2213:Yes)、循環球数が50球よりも多い、即ち、供給通路65に51球以上の球が貯留されていると判断できる。よって、パチンコ機10の機内に貯留されているはずの50球の球が供給通路65に全て貯留されているべき場合に、供給通路65に51球以上の球が貯留されていると判断できたときには、パチンコ機10に不正に球が混入される等の不正行為が行われたか、供給通路65内部において球詰まりが発生している可能性が高いと判断し、その旨をオーバーエラーとして報知する(S2214)。その後、S2225の処理へ移行する。
また、S2212の処理により51球検出スイッチ91がオンであると判断され(S2212:Yes)、S2213の処理により50球検出スイッチ92がオフであると判断された場合(S2213:No)、50球検出スイッチ92及び51球検出スイッチ91の少なくとも一方が故障している可能性が高い。よって、この場合、50球検出スイッチ92及び51球検出スイッチ91の少なくとも一方が故障している可能性が高い旨をスイッチエラーとして報知する(S2215)。その後、S2225の処理へ移行する。
更に、S2212の処理により51球検出スイッチ91がオフであると判断され(S2212:No)、S2216の処理により50球検出スイッチ92がオフであると判断された場合(S2216:No)、循環球数が50球よりも少ない、即ち、供給通路65に貯留されている球は50球未満であると判断できる。よって、パチンコ機10の機内に貯留されているはずの50球の球が供給通路65に全て貯留されているべき場合に、供給通路65に50球の球が貯留されていると判断できたときには、パチンコ機10において遊技盤13の前面領域に球詰まりが発生しているなどのトラブルが発生している可能性が高いと判断し、その旨をアンダーエラーとして報知する(S2217)。その後、S2225の処理へ移行する。
一方、51球検出スイッチ91がオフであり(S2212:No)、50球検出スイッチ92がオンである(S2216:Yes)場合は、供給通路65の51球検出スイッチ91の位置には球が貯留されておらず、供給通路65の50球検出スイッチ92の位置には球が貯留されていることを意味する。そこで、この場合、RAM2213の所定領域に設けられたエラー判定後フラグがオンか否かを判定し(S2218)、エラー判定後フラグがオンではなく、オフである(S2218:No)、即ち、今回実行されている第2球数判定処理の中で、エラーであるとの判定(エラー報知)が1回も行われていなければ、今度は、循環球数計数処理(図27参照)によって計数された供給通路65に貯留されている循環球数を表す循環球数メモリ213bの値と、遊技が行われる前に供給通路65に貯留された初期球数を表す初期球数メモリ213cの値とを比較することで、循環球数に異変がないか否かを確認する。
具体的には、まず、循環球数メモリ213aの値が初期球数メモリ213bの値「50」よりも大きいか否かを判断し(S2219)、循環球数メモリ213aの値が初期球数メモリ213bの値「50」よりも大きい場合(S2219:Yes)、パチンコ機10に不正に球が混入される等の不正行為が行われた等の不正行為が行われた可能性が高いと判断し、その旨をオーバーエラーとして報知する(S2220)。その後、S2225の処理へ移行する。
また、循環球数メモリ213aの値が初期球数メモリ213bの値「50」以下の場合(S2219:No)、続いて、循環球数メモリ213aの値が初期球数メモリ213bの値「50」よりも小さいか否かを判断し(S2221)、循環球数メモリ213aの値が初期球数メモリ213bの値「50」よりも小さい場合(S2221:Yes)、パチンコ機10において遊技盤13の前面領域に球詰まりが発生しているなどのトラブルが発生している可能性が高いと判断し、その旨をアンダーエラーとして報知する(S2222)。その後、S2225の処理へ移行する。
一方、循環球数メモリ213aの値が初期球数メモリ213bの値「50」以下であり(S2219:No)、循環球数メモリ213aの値が初期球数メモリ213bの値「50」以上である(S2221:No)と判断される場合、循環球数メモリ213aの値が初期球数メモリ213bの値「50」に一致する場合であるので、これらの値の比較においては、遊技が行われる前に供給通路65に貯留された初期球数である50球の球が、供給通路65に貯留されていると判断できる。
そこで、今度は、主制御装置110より受信した所持球加算コマンドの数を示す所持球加算コマンドカウンタ213fの値が、各種入賞口3,4,5aに入賞した球の数を示す入賞球カウンタ213gの値と異なるか否かを判断する(S2223)。
ここで、所持球加算コマンドは、各種入賞口(一般入賞口3、始動入賞口4、特定入賞口5aのいずれか)に入賞があった場合に主制御装置110により生成され、計数装置111に対して送信される。よって、少なくとも、球発射ユニット66において最後に球が発射されてから、その最後に発射された球が遊技盤13の前面領域を流下して再び供給通路65に回収されるのに十分な時間(本実施形態では、球の発射停止後30秒)を経過した後など、パチンコ機10内を循環する球が全て供給通路65に貯留された状態にある場合において、主制御装置110より受信した所持球加算コマンドの数である所持球加算コマンドカウンタ213fの値と、各種入賞口(一般入賞口3、始動入賞口4、特定入賞口5aのいずれか)に入賞された球の数を示す入賞球カウンタ213gの値とは、同じ値となるはずである。
S2223の処理の結果、所持球加算コマンドカウンタ213fの値と、入賞球カウンタ213gの値とが異なる場合(S2223:Yes)、何らかの入賞に関する不正行為やトラブルがあったと判断できる。
例えば、所持球加算コマンドカウンタ213fの値が、入賞球カウンタ213gの値よりも大きい場合、入賞口3,4,5aへの入賞が実際にはないにも関わらず、主制御装置110により所持球加算コマンドが生成され、計数装置111に対して送信されたと考えられ、この場合、主制御装置110に接続された各種入賞スイッチ(一般入賞スイッチ44、始動入賞スイッチ45、特定入賞スイッチ46)に対し、電波によって不正な信号が加えられた可能性が考えられる。また、所持球加算コマンドカウンタ213fの値が、入賞球カウンタ213gの値よりも小さい場合、入賞口3,4,5aへ入賞しているにもかかわらず、主制御装置110により所持球加算コマンドが生成されていないと考えられ、この場合、主制御装置110に接続された各種入賞スイッチ(一般入賞スイッチ44、始動入賞スイッチ45、特定入賞スイッチ46)が故障している可能性が考えられる。
よって、この場合、何らかの入賞に関する不正行為やトラブルがあった旨の入賞エラーを報知する(S2224)。その後、S2225の処理へ移行する。
一方、S2223の処理の結果、所持球加算コマンドカウンタ213fの値と、入賞球カウンタ213gの値とが一致する場合(S2223:No)、入賞に関する不正行為やトラブルはないと判断し、第2球数判定処理を終了して、循環球数計数処理へ戻る。
S2225の処理では、割り込み禁止を設定する(S2225)。次いで、フォトセンサ95の検出結果から、シリンダ錠21aが正面視右回りに回転操作されたか否かを判定し(S2226)、シリンダ錠21aが正面視右回りに回転操作された場合は(S2226:Yes)、電子錠99のソレノイド99bに電圧を印加し、係合棒99aを縮小させて、扉枠14を解錠する(S2229)。
その後、フォトセンサ98の検出結果に基づいて、扉枠14は閉じられたか否かを判断し(S2230)、扉枠14が閉じられていないと判断される場合は(S2230:No)、S2230の処理を繰り返し実行する。
S2226の処理の結果、シリンダ錠21aが正面視右回りに回転操作されていないと判定された場合(S2226:No)、又は、S2230の処理の結果、扉枠14が閉じられたと判断された場合(S2230:Yes)は、エラー解除ボタン120が操作されたか否かを判断し(S2231)、エラー解除ボタン120が操作されていないと判断される間は(S2231:No)、S2226〜S2231の処理を繰り返し実行する。そして、エラー解除ボタン120が操作されたと判断された場合(S2231:Yes)、S2226〜S2231のループ処理を抜けて、S2232の処理へ移行する。
このS2226〜S2231におけるループ処理により、各種エラーが報知された後、電子錠99のソレノイド99bを駆動する制御を実行することで、扉枠14を開放させることができる。これにより、ホール関係者は、各種エラーが報知された後、扉枠14を開放して遊技領域等に球が詰まって残っていないか確認することができる。また、S2226〜S2231におけるループ処理が行われている間に、内枠12を開放した状態で、レバー67cを引っ張って供給通路65に貯留されている球を球抜き通路67から抜き取り、球に問題がないか否かを手にとって調べたり、別の球を新たに供給通路65に入れ替えることができる。このようにして、エラー状態を解消するための対応をホール関係者が行った後、ホール関係者がエラー解除ボタン120を操作することにより、S2232の処理へ移行する。
S2232の処理では、エラー報知を解除し(S2232)、次いで、RAM213に設けられたエラー判定後フラグをオンに設定する(S2233)。そして、S2212の処理へ戻り、再び、51球検出スイッチ91および50球検出スイッチ92の検出結果から、供給通路65に全て貯留されている球の数が50球であるか否かを判断する。そして、供給通路65に全て貯留されている球の数が50球であると判断されない限りにおいて、再びアンダーエラー報知、オーバーエラー報知、スイッチエラー報知のいずれかを報知し、再びS2225の処理へ移行する。
一方、S2233の処理によってエラー判定後フラグがオンされてから、S2212の処理へ回帰して、51球検出スイッチ91および50球検出スイッチ92の検出結果から、供給通路65に全て貯留されている球の数が50球であると判断された場合は、S2218の処理によって、エラー判定後フラグがオンであると判定され(S2218:Yes)、S2234の処理へ移行する。
S2234の処理では、循環球数メモリ213bに初期球数である「50」を設定し(S2234)、次いで所持球加算コマンドカウンタ213fと入賞球カウンタ213gとを0に設定して(S2235)、第2球数判定処理を終了し、循環球数計数処理へ戻る。
以上の通り、供給通路65から球発射ユニット66に対して最後に球を送ってから30秒経過したと判断される場合に、第2球数判定処理が実行され、供給通路65に貯留されている球の数が確認される。
従来の機内循環式パチンコ機では、機内に貯留されている球の数を、その球が供給通路65に確実に貯留された状態にある電源投入時のみ確認していた。電源投入時のみに、機内に貯留されている球の数を確認するのは、遊技中は基本的に球が様々な場所(発射レール、球案内通路、遊技盤の前面領域など)に分散して存在するため、機内に貯留されている球の数を正確に判断することが難しいためである。しかしながら、それでは、遊技中にトラブルが発生したり不正行為が行われたりした場合に、それを早い段階で認識することはできなかった。
これに対し、本実施形態では、供給通路65から球発射ユニット66に対して最後に球を送ってから30秒経過したと判断される場合に、第2球数判定処理が実行され、供給通路65に貯留されている球の数が確認されるので、遊技者が遊技を行っていた場合であっても、供給通路65から球発射ユニット66に対して最後に球を送ってから、その最後に送った球が球発射ユニット66に発射され、遊技盤13の前面領域を流下し、再び供給通路65に回収されるのに十分な30秒を経過し、パチンコ機10内を循環する球が全て供給通路65に貯留された状態にある場合に、供給通路65に貯留されている球の数が所定の数そろっているか否かを確認することができる。そして、供給通路65に貯留されている球の数が所定の数(本実施形態では50球)とは異なっていることが確認された場合、それは遊技中に球詰まり等のトラブルや、不正に球が混入される等の不正行為が発生したと認識することができる。よって、遊技中に発生したトラブルや不正行為を正確且つ早期に発見できる。
また、第2球数判定処理では、パチンコ機10内を循環する球の数に異変がないか否かの確認を、供給通路65に設けられた51球検出スイッチ91および50球検出スイッチ90による球の検出結果に基づいて行うだけでなく、循環球数メモリ213cに記憶された循環球数と、初期球数メモリ213dに記憶された初期球数との比較することにより行っている。これにより、パチンコ機10内を循環する球の数に異変がないか否かの確認を、51球検出スイッチ91及び50球検出スイッチ92における球の検出結果から実際の供給通路65における球の貯留状態を判断して行う方法と、供給通路65から排出された球と供給通路65に再び回収された球とに基づいて計数される循環球数を用いて行う方法との複数の方法から行っているので、一方の方法では検出できなかったトラブルや不正行為を、別の方法によって検出できる可能性を高めることができる。よって、トラブルや不成功を、より正確により早く認識できるという効果がある。
また、第2球数判定処理では、パチンコ機10内を循環する球が全て供給通路65に貯留された状態にある場合に、パチンコ機10内を循環する球の数に異変がないか否かを確認するのにあわせて、更に、所持球加算コマンドカウンタ213fの値と、入賞球カウンタ213gの値とを比較する処理を実行している。これにより、パチンコ機10内を循環する球が全て供給通路65に貯留された状態にある場合に、所持球加算コマンドカウンタ213fの値と、入賞球カウンタ213gの値とが一致しない場合は、何らかの入賞に関する不正行為やトラブルがあった旨の入賞エラーを報知することができる。従って、遊技者が休憩等により遊技を一旦停止した場合や、遊技終了後などに、入賞に関するトラブルや不正行為を早めに確認することができる。
次いで、図28を参照して、計数装置111内のMPU211によりメイン処理(図24参照)の中で実行される所持球数計数処理(S1903)を説明する。図28は、この所持球数計数処理を示したフローチャートである。所持球数計数処理は、所持球数を計数する処理である。
この所持球数計数処理では、まず、RAM213の所定領域に設けられた所持球変更フラグを一旦オフに設定する(S2301)。この所持球変更フラグは、オンの場合に、今回の所持球計数処理において、所持球数を計数する所持球カウンタ213aが更新されたことを示すフラグである。
次いで、カードサンド装置70から貸出球信号を受信したかを判定する(S2302)。その結果、貸出球信号を受信した場合は(S2302:Yes)、カードサンド装置70より球の貸し出しが指示されたことを意味するので、貸出球信号に含まれる貸出球数を抽出して、その抽出した貸出球数を所持球カウンタ213aに加算する(S2303)。これにより、貸出球を所持球として遊技に使用することが可能となる。
そして、所持球変更フラグをオンに設定し(S2304)、また、貸出球信号を受信したことを通知する受信完了信号をカードサンド装置70へ送信して(S2305)、S2306の処理へ移行する。
また、S2302の処理の結果、カードサンド装置70から貸出球信号を受信していない場合は(S2302:No)、そのままS2306の処理へ移行する。
S2306の処理では、所持球加算フラグ213bがオンか否かを判断し(S2306)、所持球加算フラグ213bがオンである場合(S2306:Yes)、主制御装置110より所持球加算コマンドを受信したこと、すなわち、賞球があったことを意味するので、所持球加算フラグ213bをオフに設定(S2307)した後、RAM213に一時的に格納されている所持球加算コマンドによって示された賞球数を、所持球カウンタ213aに加算する(S2308)。これにより、賞球を所持球として遊技に使用することが可能となる。
その後、所持球変更フラグをオンに設定し(S2309)、S2310の処理へ移行する。また、S2306の処理の結果、所持球加算フラグ213bがオンではなくオフの場合(S2306:No)、そのままS2310の処理へ移行する。
S2310の処理では、遊技球検出スイッチ68aがオンか否かを判定する(S2310)。そして、遊技球検出スイッチ68aがオンの場合(S2310:Yes)、遊技盤13の前面領域(遊技領域)に、球が案内されたことを意味する、即ち、所持球のうち1球を遊技に使用したことを意味するので、所持球カウンタ213aの値を1減ずる(S2311)。そして、所持球変更フラグをオンに設定して(S2312)、S2313の処理へ移行する。また、S2310の処理の結果、遊技球検出スイッチ68aがオンではなくオフの場合(S2310:No)、そのままS2313の処理へ移行する。
S2313では、所持球変更フラグがオンか否かを判定し(S2313)、所持球変更フラグがオンではなくオフである場合は(S2313:No)、今回の所持球計数処理において、所持球数を計数する所持球カウンタ213aが更新されていないので、そのまま所持球数計数処理を終了する。
一方、S2313の処理の結果、所持球変更フラグがオンの場合(S2313:Yes)、今回の所持球計数処理において、所持球数を計数する所持球カウンタ213aが更新されたことを意味するので、まず、更新後の所持球カウンタ213aの値が0か否かを判断する(S2314)。その結果、更新後の所持球カウンタ213aの値が0である場合は(S2314:Yes)、所持球がなくなったことを意味するので、球の発射停止を発射制御装置112に対して指示し(S2315)、S2317の処理へ移行する。一方、更新後の所持球カウンタ213aの値が0ではない場合(S2314:No)、所持球が存在するので、球の発射許可を発射制御装置112に対して指示し(S2316)、S2317の処理へ移行する。
S2317の処理では、所持球カウンタ213aで示される所持球数を表示するようデータ表示器24へ指示し(S2317)、所持球数計数処理を終了する。S2317の処理により、更新後の所持球カウンタ213aで示される所持球数がデータ表示器24に表示される。
次いで、図29を参照して、計数装置111内のMPU211によりメイン処理(図24参照)の中で、シリンダ錠21aが正面視右回りに回転操作された場合に実行される扉枠開放処理(S1909)を説明する。図29は、この扉枠開放処理を示したフローチャートである。扉枠開放処理は、扉枠14を開放するための制御を行う処理を行う。
扉枠開放処理では、まず、球の発射停止を発射制御装置112に対して指示する(S2401)。発射制御装置112は、球の発射停止を受けて、供給通路65の端部65bに設けられたゲートの開放動作と、そのゲートを開放することで供給通路65より球発射ユニット66へ送られた球の球発射ユニット66による球の発射動作とを停止する。これにより、球の発射が停止される。
次いで、S2401の処理によって球の発射を停止してから30秒が経過したか否かを判定する(S2402)。その結果、球の発射を停止してから30秒が経過していないと判定される場合は(S2402:No)、レベルメータ22の表示制御を行って(S2403)、再びS2402の処理が実行される。そして、S2402の処理において、球の発射を停止してから30秒が経過したと判定(S2402:Yes)、レベルメータ22の表示制御処理(S2403)が繰り返し実行される。
レベルメータ22の表示制御処理としては、球の発射を停止してから5秒経過した場合に、レベルメータ22において一番下の矩形状の領域に設けられたLEDを点灯し、更に5秒経過した場合(球の発射を停止してから10秒経過した場合)に、レベルメータ22において下から2番目の矩形状の領域に設けられたLEDを点灯する。そして、5秒経過する毎に、レベルメータ22において下から順番に矩形状の領域に設けられたLEDを点灯していき、球の発射を停止してから30秒経過した時に、レベルメータ22において矩形状の領域の上側に設けられた円形状領域のLEDを点灯する。
詳細は次に説明するが、扉枠14は、球の発射を停止してから30秒が経過し、更に、供給通路65に貯留されている球の数を判定して循環球数に異変がないか否かを確認する処理が行われた後に解錠される。つまり、シリンダ錠21aが正面視右回りに回転操作されてから少なくとも30秒を経過するまでは、扉枠14が施錠されたままとなる。本実施形態では、その間、レベルメータ22によって扉枠14が解錠されるまでの経過時間を視認できるので、解錠されるまでの待ち時間の経過を遊技者に伝えることができると共に、その待ちの間に感じる心理的負担を、軽減することができる。
S2402の処理により、球の発射を停止してから30秒が経過したと判定されると(S2402:Yes)、次いで、供給通路65に貯留されている球の数を判定して循環球数に異変がないか否かを確認する第3球数判定処理を実行する(S2404)。
ここで、図30を参照して、第3球数判定処理(S2404)の詳細について説明する。図30は、この第3球数判定処理を示したフローチャートである。
この第3球数判定処理では、まず、51球検出スイッチ91がオンか否かを判断し(S2501)、51球検出スイッチ91がオンであれば(S2501:Yes)、S2502の処理へ移行して、50球検出スイッチ92がオンか否かを判断する(S2502)。また、S2501の処理の結果、51球検出スイッチ91がオンではなく、オフである場合には(S2501:No)、S2505の処理へ移行し、S2505の処理においてもS2502の処理と同様に、50球検出スイッチ92がオンか否かを判断する(S2505)。
そして、S2501の処理により51球検出スイッチ91がオンであると判断され(S2501:Yes)、S2502の処理により50球検出スイッチ92がオンであると判断された場合(S2502:Yes)、循環球数が50球よりも多い、即ち、供給通路65に51球以上の球が貯留されていると判断できる。よって、パチンコ機10の機内に貯留されているはずの50球の球が供給通路65に全て貯留されているべき場合に、供給通路65に51球以上の球が貯留されていると判断できたときには、パチンコ機10に不正に球が混入される等の不正行為が行われたか、供給通路65内部において球詰まりが発生している可能性が高いと判断し、その旨をオーバーエラーとして報知する(S2503)。その後、第3球数判定処理を終了して扉枠開放処理に戻る。
また、S2501の処理により51球検出スイッチ91がオンであると判断され(S2501:Yes)、S2502の処理により50球検出スイッチ92がオフであると判断された場合(S2502:No)、50球検出スイッチ92及び51球検出スイッチ91の少なくとも一方が故障している可能性が高い。よって、この場合、50球検出スイッチ92及び51球検出スイッチ91の少なくとも一方が故障している可能性が高い旨をスイッチエラーとして報知する(S2504)。その後、第3球数判定処理を終了して扉枠開放処理に戻る。
更に、S2501の処理により51球検出スイッチ91がオフであると判断され(S2501:No)、S2505の処理により50球検出スイッチ92がオフであると判断された場合(S2505:No)、循環球数が50球よりも少ない、即ち、供給通路65に貯留されている球は50球未満であると判断できる。よって、パチンコ機10の機内に貯留されているはずの50球の球が供給通路65に全て貯留されているべき場合に、供給通路65に50球の球が貯留されていると判断できたときには、パチンコ機10において遊技盤13の前面領域に球詰まりが発生しているなどのトラブルが発生している可能性が高いと判断し、その旨をアンダーエラーとして報知する(S2506)。その後、第3球数判定処理を終了して扉枠開放処理に戻る。
一方、51球検出スイッチ91がオフであり(S2501:No)、50球検出スイッチ92がオンである(S2505:Yes)場合は、供給通路65の51球検出スイッチ91の位置には球が貯留されておらず、供給通路65の50球検出スイッチ92の位置には球が貯留されていることを意味する。そこで、今度は、循環球数計数処理(図27参照)によって計数された供給通路65に貯留されている循環球数を表す循環球数メモリ213bの値と、遊技が行われる前に供給通路65に貯留された初期球数を表す初期球数メモリ213cの値とを比較することで、循環球数に異変がないか否かを確認する。
具体的には、まず、循環球数メモリ213aの値が初期球数メモリ213bの値「50」よりも大きいか否かを判断し(S2507)、循環球数メモリ213aの値が初期球数メモリ213bの値「50」よりも大きい場合(S2507:Yes)、パチンコ機10に不正に球が混入される等の不正行為が行われた等の不正行為が行われた可能性が高いと判断し、その旨をオーバーエラーとして報知する(S2508)。その後、第3球数判定処理を終了して扉枠開放処理に戻る。
また、循環球数メモリ213aの値が初期球数メモリ213bの値「50」以下の場合(S2507:No)、続いて、循環球数メモリ213aの値が初期球数メモリ213bの値「50」よりも小さいか否かを判断し(S2509)、循環球数メモリ213aの値が初期球数メモリ213bの値「50」よりも小さい場合(S2509:Yes)、パチンコ機10において遊技盤13の前面領域に球詰まりが発生しているなどのトラブルが発生している可能性が高いと判断し、その旨をアンダーエラーとして報知する(S2510)。その後、第3球数判定処理を終了して扉枠開放処理に戻る。
一方、循環球数メモリ213aの値が初期球数メモリ213bの値「50」以下であり(S2507:No)、循環球数メモリ213aの値が初期球数メモリ213bの値「50」以上である(S2509:No)と判断される場合、循環球数メモリ213aの値が初期球数メモリ213bの値「50」に一致する場合であるので、これらの値の比較においては、遊技が行われる前に供給通路65に貯留された初期球数である50球の球が、供給通路65に貯留されていると判断できる。
そこで、今度は、主制御装置110より受信した所持球加算コマンドの数を示す所持球加算コマンドカウンタ213fの値が、各種入賞口3,4,5aに入賞した球の数を示す入賞球カウンタ213gの値と異なるか否かを判断する(S2511)。
ここで、所持球加算コマンドは、各種入賞口(一般入賞口3、始動入賞口4、特定入賞口5aのいずれか)に入賞があった場合に主制御装置110により生成され、計数装置111に対して送信される。よって、少なくとも、球発射ユニット66において最後に球が発射されてから、その最後に発射された球が遊技盤13の前面領域を流下して再び供給通路65に回収されるのに十分な時間(本実施形態では、球の発射停止後30秒)を経過した後など、パチンコ機10内を循環する球が全て供給通路65に貯留された状態にある場合において、主制御装置110より受信した所持球加算コマンドの数である所持球加算コマンドカウンタ213fの値と、各種入賞口(一般入賞口3、始動入賞口4、特定入賞口5aのいずれか)に入賞された球の数を示す入賞球カウンタ213gの値とは、同じ値となるはずである。
S2511の処理の結果、所持球加算コマンドカウンタ213fの値と、入賞球カウンタ213gの値とが異なる場合(S2511:Yes)、何らかの入賞に関する不正行為やトラブルがあったと判断できる。
例えば、所持球加算コマンドカウンタ213fの値が、入賞球カウンタ213gの値よりも大きい場合、入賞口3,4,5aへの入賞が実際にはないにも関わらず、主制御装置110により所持球加算コマンドが生成され、計数装置111に対して送信されたと考えられ、この場合、主制御装置110に接続された各種入賞スイッチ(一般入賞スイッチ44、始動入賞スイッチ45、特定入賞スイッチ46)に対し、電波によって不正な信号が加えられた可能性が考えられる。また、所持球加算コマンドカウンタ213fの値が、入賞球カウンタ213gの値よりも小さい場合、入賞口3,4,5aへ入賞しているにもかかわらず、主制御装置110により所持球加算コマンドが生成されていないと考えられ、この場合、主制御装置110に接続された各種入賞スイッチ(一般入賞スイッチ44、始動入賞スイッチ45、特定入賞スイッチ46)が故障している可能性が考えられる。
よって、この場合、何らかの入賞に関する不正行為やトラブルがあった旨の入賞エラーを報知する(S2512)。その後、第3球数判定処理を終了して扉枠開放処理に戻る。
一方、S2511の処理の結果、所持球加算コマンドカウンタ213fの値と、入賞球カウンタ213gの値とが一致する場合(S2511:No)、入賞に関する不正行為やトラブルはないと判断し、エラー報知することなく、第3球数判定処理を終了して扉枠開放処理に戻る。
図29に戻り、扉枠開放処理の説明を続ける。第3球数判定処理(S2404)を終了すると、次いで、電子錠99のソレノイド99bに電圧を印加し、係合棒99aを縮小させて、扉枠14を解錠する(S2405)。
このように、本実施形態では、遊技中にシリンダ錠21aが正面視右回りに回転操作され、扉枠21の解錠が指示された場合、まず、球の発射を停止し、その球の発射を停止してから少なくとも30秒を経過した後に扉枠14を解錠する。
ここで、機内循環式のパチンコ機10では、上述した通り、球をパチンコ機10内部で循環させることにより、遊技者に球が触れられない構造となっており、遊技者がパチンコ機10で使用する球に対して何らかの不成行為、たとえば、球を交換したり、球に油を塗って遊技領域における球の動きを変化させたりする等の不正行為を行えないようになっている。
このような機内循環式のパチンコ機10において、従来のように、遊技中において鍵穴21bに差し込まれた鍵が右方向に回されると扉枠14を即座に解錠するように構成すると、扉枠14を開放した時点で遊技盤13の前面領域を球が流下している可能性が高く、不正行為を行うために扉枠14を解錠した不正行為者が、容易に球に触れられることができる。よって、不正行為者は、遊技盤13の前面領域を流下している球を抜き出して、不正な球と交換したり、球に油を塗ったりするなどの不正行為を簡単に行うことができるおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、扉枠14の施錠を電子錠99によって施錠し、遊技中において鍵穴21bに差し込まれた鍵が右方向に回された場合、まず球の発射を停止し、停止前に発射された球が遊技盤13の前面領域を流下して再び供給通路65に回収されるのに十分な時間(本実施形態では、球の発射停止後30秒)を経過した後に、電子錠99のソレノイド99bを駆動することにより、電子錠99の係合棒99と扉枠14の突出部96aとの係合状態を解除して、扉枠14を解錠することができる。これにより、たとえ遊技中に鍵穴21bに鍵が差し込まれて右方向に回されることで、扉枠14の解錠が指示されたとしても、遊技中に発射された球が遊技盤13の前面を流下している間は少なくとも扉枠14が閉鎖したままの状態を維持することができる。よって、扉枠14が開放されたときには球がカバーで覆われた供給通路65に格納させることができるので、パチンコ機14に内蔵された球を遊技者が触れられないようにし、球に対して不正行為が行われないようにすることができる。
また、本実施形態では、遊技中にシリンダ錠21aが正面視右回りに回転操作され、扉枠21の解錠が指示された場合、球の発射を停止してから30秒を経過後、扉枠14を解錠する前に、第3球数判定処理を実行して、供給通路65に貯留されている球の数を判定して循環球数に異変がないか否かを確認する。
従来の機内循環式パチンコ機では、機内に貯留されている球の数を、その球が供給通路65に確実に貯留された状態にある電源投入時のみ確認していた。電源投入時のみに、機内に貯留されている球の数を確認するのは、遊技中は基本的に球が様々な場所(発射レール、球案内通路、遊技盤の前面領域など)に分散して存在するため、機内に貯留されている球の数を正確に判断することが難しいためである。しかしながら、それでは、遊技中にトラブルが発生したり不正行為が行われたりした場合に、それを早い段階で認識することはできなかった。
これに対し、本実施形態では、遊技中にシリンダ錠21aが正面視右回りに回転操作され、扉枠21の解錠が指示された場合、球の発射を停止してから30秒を経過後、扉枠14を解錠する前に、第3球数判定処理を実行して、供給通路65に貯留されている球の数を判定して循環球数に異変がないか否かを確認するので、パチンコ機10内を循環する球が全て供給通路65に貯留された状態にある場合に、供給通路65に貯留されている球の数が所定の数そろっているか否かを確認することができる。そして、供給通路65に貯留されている球の数が所定の数(本実施形態では50球)とは異なっていることが確認された場合、それは遊技中に球詰まり等のトラブルや、不正に球が混入される等の不正行為が発生したと認識することができる。よって、遊技中に発生したトラブルや不正行為を、扉枠14の開放指示を契機として、正確に且つ早期に発見できる。
また、第3球数判定処理では、パチンコ機10内を循環する球の数に異変がないか否かの確認を、供給通路65に設けられた51球検出スイッチ91および50球検出スイッチ90による球の検出結果に基づいて行うだけでなく、循環球数メモリ213cに記憶された循環球数と、初期球数メモリ213dに記憶された初期球数との比較することにより行っている。これにより、パチンコ機10内を循環する球の数に異変がないか否かの確認を、51球検出スイッチ91及び50球検出スイッチ92における球の検出結果から実際の供給通路65における球の貯留状態を判断して行う方法と、供給通路65から排出された球と供給通路65に再び回収された球とに基づいて計数される循環球数を用いて行う方法との複数の方法から行っているので、一方の方法では検出できなかったトラブルや不正行為を、別の方法によって検出できる可能性を高めることができる。よって、トラブルや不成功を、より正確により早く認識できるという効果がある。
また、第3球数判定処理では、パチンコ機10内を循環する球が全て供給通路65に貯留された状態にある場合に、パチンコ機10内を循環する球の数に異変がないか否かを確認するのにあわせて、更に、所持球加算コマンドカウンタ213fの値と、入賞球カウンタ213gの値とを比較する処理を実行している。これにより、パチンコ機10内を循環する球が全て供給通路65に貯留された状態にある場合に、所持球加算コマンドカウンタ213fの値と、入賞球カウンタ213gの値とが一致しない場合は、何らかの入賞に関する不正行為やトラブルがあった旨の入賞エラーを報知することができる。従って、入賞に関するトラブルや不正行為を、扉枠14の開放指示を契機として早めに確認することができる。
S2405の処理の後、フォトセンサ98の検出結果に基づいて、扉枠14が閉じられたか否かを判断する(S2406)。そして、扉枠14が閉じられたことが判断されない間は(S2406:No)、S2406の処理が繰り返し行われる。
S2406の処理により、扉枠14が閉じられたと判断されると(S2406:Yes)、エラー報知を解除して(S2407)、パチンコ機10内を循環する球の数に異変がないか否かの確認を、供給通路65に設けられた51球検出スイッチ91および50球検出スイッチ90による球の検出結果に基づいて行う第4球数判定処理を実行する(S2408)。なお、この段階で、パチンコ機10内を循環する球の数に異変がないか否かの確認を、供給通路65に設けられた51球検出スイッチ91および50球検出スイッチ90による球の検出結果に基づいてのみ行うのは、第3球数判定処理が行われた後、実際に遊技が行われないので、供給通路65から排出された球と供給通路65に再び回収された球とに基づいて計数される循環球数に変化がないからである。
ここで、図31を参照して、第4球数判定処理(S2408)の詳細について説明する。図31は、この第4球数判定処理を示したフローチャートである。
この第4球数判定処理では、まず、51球検出スイッチ91がオンか否かを判断し(S2601)、51球検出スイッチ91がオンであれば(S2601:Yes)、S2602の処理へ移行して、50球検出スイッチ92がオンか否かを判断する(S2602)。また、S2601の処理の結果、51球検出スイッチ91がオンではなく、オフである場合には(S2601:No)、S2605の処理へ移行し、S2605の処理においてもS2602の処理と同様に、50球検出スイッチ92がオンか否かを判断する(S2605)。
そして、S2601の処理により51球検出スイッチ91がオンであると判断され(S2601:Yes)、S2602の処理により50球検出スイッチ92がオンであると判断された場合(S2602:Yes)、循環球数が50球よりも多い、即ち、供給通路65に51球以上の球が貯留されていると判断できる。よって、パチンコ機10の機内に貯留されているはずの50球の球が供給通路65に全て貯留されているべき場合に、供給通路65に51球以上の球が貯留されていると判断できたときには、パチンコ機10に不正に球が混入される等の不正行為が行われたか、供給通路65内部において球詰まりが発生している可能性が高いと判断し、その旨をオーバーエラーとして報知する(S2603)。その後、第4球数判定処理を終了して扉枠開放処理に戻る。
また、S2601の処理により51球検出スイッチ91がオンであると判断され(S2601:Yes)、S2602の処理により50球検出スイッチ92がオフであると判断された場合(S2602:No)、50球検出スイッチ92及び51球検出スイッチ91の少なくとも一方が故障している可能性が高い。よって、この場合、50球検出スイッチ92及び51球検出スイッチ91の少なくとも一方が故障している可能性が高い旨をスイッチエラーとして報知する(S2604)。その後、第4球数判定処理を終了して扉枠開放処理に戻る。
更に、S2601の処理により51球検出スイッチ91がオフであると判断され(S2601:No)、S2605の処理により50球検出スイッチ92がオフであると判断された場合(S2605:No)、循環球数が50球よりも少ない、即ち、供給通路65に貯留されている球は50球未満であると判断できる。よって、パチンコ機10の機内に貯留されているはずの50球の球が供給通路65に全て貯留されているべき場合に、供給通路65に50球の球が貯留されていると判断できたときには、所定数の球が供給通路65に供給されていないなどのトラブルが発生している可能性が高いと判断し、その旨をアンダーエラーとして報知する(S2606)。その後、第4球数判定処理を終了して扉枠開放処理に戻る。
一方、51球検出スイッチ91がオフであり(S2601:No)、50球検出スイッチ92がオンである(S2605:Yes)場合は、供給通路65の51球検出スイッチ91の位置には球が貯留されておらず、供給通路65の50球検出スイッチ92の位置には球が貯留されていることを意味する。そこで、供給通路65に所定数の球(50球)が貯留されていると判断し、エラーを報知せずに第4球数判定処理を終了して、扉枠開放処理に戻る。
このように、扉枠14が閉じられた後に、第4球数判定処理を実行することで、扉枠14が開放されている間に不正行為やトラブルが解消しなかったり、新たに不正行為やトラブルが発生したことを、素早く報知することができる。よって、ホール関係者は、引き続き、不正行為やトラブルに対する対応を図ることができる。
図29に戻り、扉枠開放処理の説明を続ける。第4球数判定処理(S2408)の後、その第4球数判定処理(S2408)において各種エラー報知(オーバーエラー報知、アンダーエラー報知、スイッチエラー報知)があったかを判断する(S2409)。そして、エラー報知がなければ(S2409:No)、供給通路65に所定数(50球)の球が正しく貯留されていると判断し、循環球数メモリ213bに初期球数である「50」を設定し(S2414)、次いで、所持球加算コマンドカウンタ213fと入賞球カウンタ213gとを0に設定して(S2415)、扉枠開放処理を終了し、メイン処理へ戻る。
一方、S2409の処理により、第4球数判定処理(S2408)において各種エラー報知(オーバーエラー報知、アンダーエラー報知、スイッチエラー報知)があったと判断された場合は(S2409:Yes)、ホール関係者が再び扉枠14を開放するなどして、不正行為やトラブルに対する対応が行われるように、S2410の処理へ移行し、フォトセンサ95の検出結果から、シリンダ錠21aが正面視右回りに回転操作されたか否かを判定する(S2410)。シリンダ錠21aが正面視右回りに回転操作された場合は(S2410:Yes)、電子錠99のソレノイド99bに電圧を印加し、係合棒99aを縮小させて、扉枠14を解錠する(S2411)。
その後、フォトセンサ98の検出結果に基づいて、扉枠14は閉じられたか否かを判断し(S2412)、扉枠14が閉じられていないと判断される場合は(S2412:No)、S2412の処理を繰り返し実行する。
S2410の処理の結果、シリンダ錠21aが正面視右回りに回転操作されていないと判定された場合(S2410:No)、又は、S2412の処理の結果、扉枠14が閉じられたと判断された場合(S2412:Yes)は、エラー解除ボタン120が操作されたか否かを判断し(S2413)、エラー解除ボタン120が操作されていないと判断される間は(S2413:No)、S2410〜S2413の処理を繰り返し実行する。そして、エラー解除ボタン120が操作されたと判断された場合(S2413:Yes)、S2410〜S2413のループ処理を抜けて、S2407の処理へ戻る。
このS2410〜S2413におけるループ処理により、各種エラーが報知された後、電子錠99のソレノイド99bを駆動する制御を実行することで、扉枠14を開放させることができる。これにより、ホール関係者は、各種エラーが報知された後、扉枠14を開放して遊技領域等に球が詰まって残っていないか確認することができる。また、S2410〜S2413におけるループ処理が行われている間に、内枠12を開放した状態で、レバー67cを引っ張って供給通路65に貯留されている球を球抜き通路67から抜き取り、球に問題がないか否かを手にとって調べたり、別の球を新たに供給通路65に入れ替えることができる。このようにして、エラー状態を解消するための対応をホール関係者が行った後、ホール関係者がエラー解除ボタン120を操作することにより、S2407の処理へ回帰する。
S2407の処理へ回帰されると、エラー報知が解除され(S2407)、第4球数判定処理(S2408)が再び実行される。そして、第4球数判定処理(S2408)において、エラー報知がなかった場合(S2409:No)、供給通路65に所定数(50球)の球が正しく貯留されていると判断し、循環球数メモリ213bに初期球数である「50」を設定し(S2414)、次いで、所持球加算コマンドカウンタ213fと入賞球カウンタ213gとを0に設定して(S2415)、扉枠開放処理を終了し、メイン処理へ戻る。一方、エラー報知があった場合は(S2409:Yes)、再びS2410〜S2413のループ処理に入る。
次いで、図32を参照して、計数装置111内のMPU211によりメイン処理(図24参照)の中で実行される精算処理(S1904)を説明する。図32は、この精算処理を示したフローチャートである。精算処理は、カードサンド装置70の返却ボタン75が操作された場合にその時点の所持球数をカードサンド装置70へ送信することで、精算を行う処理である。
この精算処理では、まず、カードサンド装置70の返却ボタン75が操作された場合にカードサンド装置70から送信される精算信号を受信したかを判断する(S2701)。そして、精算信号を受信していない場合は(S2701:No)、そのまま精算処理を終了してメイン処理へ戻る。
一方、S2701の処理の結果、カードサンド装置70から精算信号を受信したと判断された場合は(S2701:Yes)、球の発射停止を発射制御装置112に対して指示する(S2702)。発射制御装置112は、球の発射停止を受けて、供給通路65の端部65bに設けられたゲートの開放動作と、そのゲートを開放することで供給通路65より球発射ユニット66へ送られた球の球発射ユニット66による球の発射動作とを停止する。これにより、球の発射が停止される。
次いで、S2702の処理によって球の発射を停止してから30秒が経過したか否かを判定する(S2703)。その結果、球の発射を停止してから30秒が経過していないと判定される場合は(S2703:No)、繰り返しS2703の処理を実行し、球の発射を停止してから30秒が経過したと判定された場合に(S2703:Yes)、S2703の繰り替え処理から抜けて、図30を参照して上述した第3球数判定処理を実行し(S2704)、S2705の処理へ移行する。
S2705の処理では、第3球数判定処理(S2704)または後述の第4球数判定処理(S2714)において各種エラー報知(オーバーエラー報知、アンダーエラー報知、スイッチエラー報知)があったかを判断する(S2705)。そして、エラー報知がなければ(S2705:No)、供給通路65に所定数(50球)の球が正しく貯留されていると判断し、カードサンド装置70へ所持球カウンタ213aの値(所持球数)を通知する(S2706)。カードサンド装置70では、この所持球数を所定の交換レートでポイント換算し、この換算されたポイントを会員カードの貯蓄データに累積加算する。そして、累積加算された貯蓄データを記憶した会員カードをカード挿入口72から排出する。
その後、循環球数メモリ213bに初期球数である「50」を設定し(S2707)、次いで、所持球加算コマンドカウンタ213fと入賞球カウンタ213gと所持球カウンタ213aとを0に設定して(S2708)、精算処理を終了し、メイン処理へ戻る。
一方、S2705の処理により、各種エラー報知(オーバーエラー報知、アンダーエラー報知、スイッチエラー報知)があったと判断された場合は(S2705:Yes)、ホール関係者が再び扉枠14を開放するなどして、不正行為やトラブルに対する対応が行われるように、S2709の処理へ移行し、フォトセンサ95の検出結果から、シリンダ錠21aが正面視右回りに回転操作されたか否かを判定する(S2709)。シリンダ錠21aが正面視右回りに回転操作された場合は(S2709:Yes)、電子錠99のソレノイド99bに電圧を印加し、係合棒99aを縮小させて、扉枠14を解錠する(S2711)。
その後、フォトセンサ98の検出結果に基づいて、扉枠14は閉じられたか否かを判断し(S2711)、扉枠14が閉じられていないと判断される場合は(S2711:No)、S2711の処理を繰り返し実行する。
S2709の処理の結果、シリンダ錠21aが正面視右回りに回転操作されていないと判定された場合(S2709:No)、又は、S2711の処理の結果、扉枠14が閉じられたと判断された場合(S2711:Yes)は、エラー解除ボタン120が操作されたか否かを判断し(S2712)、エラー解除ボタン120が操作されていないと判断される間は(S2712:No)、S2709〜S2712の処理を繰り返し実行する。そして、エラー解除ボタン120が操作されたと判断された場合(S2712:Yes)、S2709〜S2712のループ処理を抜けて、S2713の処理へ移行する。
このS2709〜S2712におけるループ処理により、各種エラーが報知された後、電子錠99のソレノイド99bを駆動する制御を実行することで、扉枠14を開放させることができる。これにより、ホール関係者は、各種エラーが報知された後、扉枠14を開放して遊技領域等に球が詰まって残っていないか確認することができる。また、S2709〜S2712におけるループ処理が行われている間に、内枠12を開放した状態で、レバー67cを引っ張って供給通路65に貯留されている球を球抜き通路67から抜き取り、球に問題がないか否かを手にとって調べたり、別の球を新たに供給通路65に入れ替えることができる。このようにして、エラー状態を解消するための対応をホール関係者が行った後、ホール関係者がエラー解除ボタン120を操作することにより、S2713の処理へ移行する。
S2713の処理では、第3球数判定処理(S2704)で行われたエラー報知を解除し(S2713)、続いて、図31を参照して上述した第4球数判定処理を実行する(S2714)。そして、S2705の処理へ回帰する。
これにより、第4球数判定処理(S2714)において、エラー報知がなかった場合(S2705:No)、供給通路65に所定数(50球)の球が正しく貯留されていると判断し、S2706〜S2708の処理を実行して、精算処理を終了し、メイン処理へ戻る。一方、エラー報知があった場合は(S2714:Yes)、再びS2709〜S2712のループ処理に入る。
このように、所持球の精算を行う場合、球の発射を停止し、その球の発射を停止してから30秒を経過後、第3球数判定処理を実行して、供給通路65に貯留されている球の数を判定して循環球数に異変がないか否かを確認する。
従来の機内循環式パチンコ機では、機内に貯留されている球の数を、その球が供給通路65に確実に貯留された状態にある電源投入時のみ確認していた。電源投入時のみに、機内に貯留されている球の数を確認するのは、遊技中は基本的に球が様々な場所(発射レール、球案内通路、遊技盤の前面領域など)に分散して存在するため、機内に貯留されている球の数を正確に判断することが難しいためである。しかしながら、それでは、遊技中にトラブルが発生したり不正行為が行われたりした場合に、それを早い段階で認識することはできなかった。
これに対し、本実施形態では、所持球の精算を行う場合に、球の発射を停止し、その球の発射を停止してから30秒を経過後に、供給通路65に貯留されている球の数を判定して循環球数に異変がないか否かを確認するので、パチンコ機10内を循環する球が全て供給通路65に貯留された状態にある場合に、供給通路65に貯留されている球の数が所定の数そろっているか否かを確認することができる。そして、供給通路65に貯留されている球の数が所定の数(本実施形態では50球)とは異なっていることが確認された場合、それは遊技中に球詰まり等のトラブルや、不正に球が混入される等の不正行為が発生したと認識することができる。よって、遊技中に発生したトラブルや不正行為を、所持球の精算を契機として、正確に且つ早期に発見できる。また、遊技中に発生したトラブルや不正行為が発見された場合、そのトラブルや不正行為が解消されるまでは、所持球数をカードサンド装置70へ通知しないので、カードサンド装置70に挿入された会員カードの貯蓄データに、不正行為によって得た所持球数に対応するポイントが累積加算されたり、トラブルによって正しい所持球数に対応するポイントが累積加算されなかったりすることを抑制できる。
次いで、図33を参照して、計数装置111内のMPU211によりメイン処理(図24参照)の中で実行される大当たり終了球判定処理(S1905)を説明する。図33は、この大当たり終了球判定処理を示したフローチャートである。大当たり終了球判定処理は、大当たり演出におけるエンディング演出が行われることを契機として供給通路65に貯留されている球の数を判定して、循環球数に異変がないかを確認する処理である。
この大当たり終了球判定処理では、まず、球判定フラグ213hがオンかを判断する(S2801)。そして、球判定フラグ213hがオンではなくオフである場合は(S2801:No)、大当たり演出におけるエンディング演出の開始タイミングではないので、そのまま大当たり終了球判定処理を終了してメイン処理へ戻る。
一方、S2801の処理の結果、球判定フラグ213hがオンであると判断された場合は(S2801:Yes)、大当たり演出におけるエンディング演出の開始タイミングであると判断し、球の発射停止を発射制御装置112に対して指示する(S2802)。発射制御装置112は、球の発射停止を受けて、供給通路65の端部65bに設けられたゲートの開放動作と、そのゲートを開放することで供給通路65より球発射ユニット66へ送られた球の球発射ユニット66による球の発射動作とを停止する。これにより、球の発射が停止される。
次いで、S2802の処理によって球の発射を停止してから30秒が経過したか否かを判定する(S2803)。その結果、球の発射を停止してから30秒が経過していないと判定される場合は(S2803:No)、繰り返しS2803の処理を実行し、球の発射を停止してから30秒が経過したと判定された場合に(S2803:Yes)、S2803の繰り替え処理から抜けて、図30を参照して上述した第3球数判定処理を実行し(S2804)、S2805の処理へ移行する。
S2805の処理では、第3球数判定処理(S2804)または後述の第4球数判定処理(S2814)において各種エラー報知(オーバーエラー報知、アンダーエラー報知、スイッチエラー報知)があったかを判断する(S2805)。そして、エラー報知がなければ(S2805:No)、供給通路65に所定数(50球)の球が正しく貯留されていると判断し、引き続き遊技を継続させるために、球判定フラグをオフに設定し(S2806)、次いで、循環球数メモリ213bに初期球数である「50」を設定し(S2807)、更に、所持球加算コマンドカウンタ213fと入賞球カウンタ213gとを0に設定して(S2808)、大当たり終了球判定処理を終了し、メイン処理へ戻る。
一方、S2805の処理により、各種エラー報知(オーバーエラー報知、アンダーエラー報知、スイッチエラー報知)があったと判断された場合は(S2805:Yes)、ホール関係者が再び扉枠14を開放するなどして、不正行為やトラブルに対する対応が行われるように、S2809の処理へ移行し、フォトセンサ95の検出結果から、シリンダ錠21aが正面視右回りに回転操作されたか否かを判定する(S2809)。シリンダ錠21aが正面視右回りに回転操作された場合は(S2809:Yes)、電子錠99のソレノイド99bに電圧を印加し、係合棒99aを縮小させて、扉枠14を解錠する(S2811)。
その後、フォトセンサ98の検出結果に基づいて、扉枠14は閉じられたか否かを判断し(S2811)、扉枠14が閉じられていないと判断される場合は(S2811:No)、S2811の処理を繰り返し実行する。
S2809の処理の結果、シリンダ錠21aが正面視右回りに回転操作されていないと判定された場合(S2809:No)、又は、S2811の処理の結果、扉枠14が閉じられたと判断された場合(S2811:Yes)は、エラー解除ボタン120が操作されたか否かを判断し(S2812)、エラー解除ボタン120が操作されていないと判断される間は(S2812:No)、S2809〜S2812の処理を繰り返し実行する。そして、エラー解除ボタン120が操作されたと判断された場合(S2812:Yes)、S2809〜S2812のループ処理を抜けて、S2813の処理へ移行する。
このS2809〜S2812におけるループ処理により、各種エラーが報知された後、電子錠99のソレノイド99bを駆動する制御を実行することで、扉枠14を開放させることができる。これにより、ホール関係者は、各種エラーが報知された後、扉枠14を開放して遊技領域等に球が詰まって残っていないか確認することができる。また、S2809〜S2812におけるループ処理が行われている間に、内枠12を開放した状態で、レバー67cを引っ張って供給通路65に貯留されている球を球抜き通路67から抜き取り、球に問題がないか否かを手にとって調べたり、別の球を新たに供給通路65に入れ替えることができる。このようにして、エラー状態を解消するための対応をホール関係者が行った後、ホール関係者がエラー解除ボタン120を操作することにより、S2813の処理へ移行する。
S2813の処理では、第3球数判定処理(S2804)で行われたエラー報知を解除し(S2813)、続いて、図31を参照して上述した第4球数判定処理を実行する(S2814)。そして、S2805の処理へ回帰する。
これにより、第4球数判定処理(S2814)において、エラー報知がなかった場合(S2805:No)、供給通路65に所定数(50球)の球が正しく貯留されていると判断し、S2806〜S2808の処理を実行して、大当たり終了球判定処理を終了し、メイン処理へ戻る。一方、エラー報知があった場合は(S2814:Yes)、再びS2809〜S2812のループ処理に入る。
このように、大当たり演出におけるエンディング演出が行われる場合、球の発射を停止し、その球の発射を停止してから30秒を経過後、第3球数判定処理を実行して、供給通路65に貯留されている球の数を判定して循環球数に異変がないか否かを確認する。
従来の機内循環式パチンコ機では、機内に貯留されている球の数を、その球が供給通路65に確実に貯留された状態にある電源投入時のみ確認していた。電源投入時のみに、機内に貯留されている球の数を確認するのは、遊技中は基本的に球が様々な場所(発射レール、球案内通路、遊技盤の前面領域など)に分散して存在するため、機内に貯留されている球の数を正確に判断することが難しいためである。しかしながら、それでは、遊技中にトラブルが発生したり不正行為が行われたりした場合に、それを早い段階で認識することはできなかった。
これに対し、本実施形態では、大当たり演出におけるエンディング演出が行われる場合に、球の発射を停止し、その球の発射を停止してから30秒を経過後に、供給通路65に貯留されている球の数を判定して循環球数に異変がないか否かを確認するので、パチンコ機10内を循環する球が全て供給通路65に貯留された状態にある場合に、供給通路65に貯留されている球の数が所定の数そろっているか否かを確認することができる。そして、供給通路65に貯留されている球の数が所定の数(本実施形態では50球)とは異なっていることが確認された場合、それは遊技中に球詰まり等のトラブルや、不正に球が混入される等の不正行為が発生したと認識することができる。よって、遊技中に発生したトラブルや不正行為を、所持球の精算を契機として、正確に且つ早期に発見できる。また、遊技中に発生したトラブルや不正行為が発見された場合、そのトラブルや不正行為が解消されるまでは、球の発射が停止されたままとなるので、トラブルや不正行為が生じたまま遊技が行われることを抑制できる。
また、球の発射を停止して、パチンコ機10内を循環する球の数に異変がないか否かの確認の確認は、球の発射停止を伴うが、このような確認を遊技者が遊技に一息つけるエンディング演出が行われるタイミングで実行するので、発射停止に伴う遊技者の不満感を抑制できる。
なお、上述した通り、大当たりにおけるエンディング演出は、少なくとも31秒以上行うのが望ましい。供給通路65に貯留されている球の数を確認するためには、発射を停止してから少なくとも30秒は球の発射を停止させつける必要があるため、その間、エンディング演出を遊技者に対して付与することにより、球が発射できない不満感から遊技者を解放することができる。また、そのエンディング演出において、何らかのゲーム演出を表示して、以降の遊技状態を遊技者に示したり、その時点で保留されている球に対して行われた大当たり抽選の結果を示唆する予告演出を行うようにしてもよい。これにより、エンディング演出が長くなることによる退屈感から遊技者を解放させることができる。
次いで、図34を参照して、計数装置111内のMPU211によりメイン処理(図24参照)の中で実行される通常時球判定処理(S1906)を説明する。図34は、この通常時球判定処理を示したフローチャートである。通常時球判定処理は、球の発射が連続して行われている場合に供給通路65の球の数を判定して循環球数に異変がないかを確認する処理である。
通常時球判定処理では、まず、球回収時間計数カウンタ213eが29390未満であるか否かを判断する(S2901)。その結果、球回収時間計数カウンタ213eが29390未満である場合(S2901:Yes)、供給通路65の球が球発射ユニット66へ送られてからの時間が、連続して球が発射される場合の球発射周期である610ミリ秒を超えているので、アンダー状態カウンタ213i及びオーバー状態カウンタ213jを0の初期化して、通常時球判定処理を終了し、メイン処理へ戻る。
一方、S2901の処理の結果、球回収時間計数カウンタ213eが29390以上であると判断される場合は(S2901:No)、供給通路65の球が球発射ユニット66へ送られてからの時間が、連続して球が発射される場合の球発射周期である610ミリ秒以下であることを意味する。
そこで、この場合は、球が発射されてから610ミリ秒の間に、供給通路65の最少数球検出スイッチ90が設けられていた位置において球が連続して検出されない時間を計測するために、まず、最少数球検出スイッチ90がオフであるか否かを判断する(S2902)。そして、最少数球検出スイッチ90がオンであれば(S2902:No)、供給通路65の最少数球検出スイッチ90が設けられていた位置で球が検出されているので、アンダー状態カウンタ213iを0に初期化し(S2903)、S2907の処理へ移行する。
一方、S2902の処理において、最少数球検出スイッチ90がオフであると判断された場合(S2902:Yes)、供給通路65の最少数球検出スイッチ90が設けられていた位置で球が検出されていないので、アンダー状態カウンタ213iに1を加算する(S2904)。そして、1を加算後のアンダー状態カウンタ213iの値が、連続して球が発射される場合の周期の半分である305以上であるか否かを判断し(S2905)、アンダー状態カウンタ213iの値が305以上であれば(S2905:Yes)、S2906の処理へ移行する。
ここで、遊技中、即ち、球が遊技領域に向けて発射されている間においても、上述した通り、供給通路65には、少なくとも所定の数Aの球(本実施形態では、10個の球)が貯留される。最少数球検出スイッチ90は、供給通路65において端部65bから順に1球ずつ並んで球が貯留されていった場合に、端部65b側からその所定の数A(即ち、10)個目の球が留められる位置に設けられている。
供給通路65の球が球発射ユニット66へ送られると、貯留されている球が端部65bに向けて移動するが、その移動期間を除き、供給通路65では、最少数球検出スイッチ90が設けられた位置において球が常に貯留された状態となり、最少数球検出スイッチ90の出力はオン状態となる。従って、供給通路65の球が球発射ユニット66へ送られてから610ミリ秒の間、最少数球検出スイッチ90が継続して長時間オフとなっていた場合、最少数球検出スイッチ90が設けられた位置において少なくとも球が貯留されておらず、遊技盤13の前面領域に球詰まりが発生しているなどして、遊技盤13の前面領域に発射された球が供給通路65に回収できていないトラブルが発生している可能性が高いと判断できる。
そこで、アンダー状態カウンタ213iが305以上となった場合、供給通路65の球が球発射ユニット66へ送られてからの時間が610ミリ秒の間に、最少数球検出スイッチ90が設けられた位置に少なくとも球が305ミリ秒間、継続して存在しなかったことを意味するので、その場合は、最少数球検出スイッチ90が設けられた位置に球が貯留されておらず、遊技盤13の前面領域に球詰まりが発生しているなどして、遊技盤13の前面領域に発射された球が供給通路65に回収できていないトラブルが発生している可能性が高いと判断できる。そこで、S2906の処理では、アンダーエラーを報知する(S2906)。これにより、パチンコ機10内を循環させる球が全て供給通路65に貯留された状態になく、遊技者によって遊技が行われている最中であっても、ある程度、アンダーエラーに関する不正行為やトラブルを報知できる。よって、遊技中にトラブル等が発生した場合に、それを早い段階で遊技者やホール関係者に認識させることができる。S2906の処理の後、通常時球判定処理を終了して、メイン処理へ戻る。
一方、S2904の処理において、アンダー状態カウンタ213iの値が305未満であると判断される場合は(S2904:No)、S2907の処理へ移行する。
S2907では、球が発射されてから610ミリ秒の間に、供給通路65の51球検出スイッチ91が設けられていた位置において球が連続して検出される時間を計測するために、まず、51球検出スイッチ91がオンであるか否かを判断する(S2907)。そして、51球検出スイッチ91がオフであれば(S2907:No)、供給通路65の51球検出スイッチ91が設けられていた位置で球が検出されていないので、オーバー状態カウンタ213iを0に初期化し(S2908)、通常時球判定処理を終了してメイン処理へ戻る。
一方、S2907の処理において、51球検出スイッチ91がオンであると判断された場合(S2907:Yes)、供給通路65の51球検出スイッチ91が設けられていた位置で球が検出されていないので、オーバー状態カウンタ213jに1を加算する(S2909)。そして、1を加算後のオーバー状態カウンタ213jの値が、連続して球が発射される場合の周期の半分である305以上であるか否かを判断し(S2910)、オーバー状態カウンタ213jの値が305以上であれば(S2910:Yes)、S2911の処理へ移行する。
ここで、遊技中、即ち、球が遊技領域に向けて発射されている間において、供給通路65の51球検出スイッチ91が存在する位置に球が停留することはなく、その位置では、ファール球、入賞球またはアウト球として回収された球が供給通路65の端部65bに向けて通過していくだけである。よって、遊技中、51球検出スイッチ91の出力は、球が通過していく場合を除いてオフ状態となる。従って、供給通路65の球が球発射ユニット66へ送られてから610ミリ秒の間、51球検出スイッチ91が継続して長時間オンとなっていた場合、51球検出スイッチ91が設けられた位置にも球が貯留されており、パチンコ機10に不正に球が混入される等の不正行為が行われたか、供給通路65内部において球詰まりが発生している可能性が高いと判断できる。
そこで、オーバー状態カウンタ213jが305以上となった場合、供給通路65の球が球発射ユニット66へ送られてからの時間が610ミリ秒の間に、51球検出スイッチ91が設けられた位置に少なくとも球が305ミリ秒間、継続して存在したことを意味するので、その場合は、51球検出スイッチ91が設けられた位置に球が貯留されており、51球検出スイッチ91が設けられた位置にも球が貯留されており、パチンコ機10に不正に球が混入される等の不正行為が行われたか、供給通路65内部において球詰まりが発生している可能性が高いと判断できる。そこkで、S2911の処理では、オーバーエラーを報知する(S2911)。これにより、パチンコ機10内を循環させる球が全て供給通路65に貯留された状態になく、遊技者によって遊技が行われている最中であっても、ある程度、オーバーエラーに関する不正行為やトラブルを報知できる。よって、遊技中にトラブル等が発生した場合に、それを早い段階で遊技者やホール関係者に認識させることができる。S2911の処理の後、通常時球判定処理を終了して、メイン処理へ戻る。
また、S2910の処理において、オーバー状態カウンタ213jの値が305未満であると判断される場合は(S2910:No)、通常時球判定処理を終了して、メイン処理へ戻る。
以上説明した通り、第1実施形態のパチンコ機10によれば、最後に球が発射されてからの経過時間を計数しており、その時間が例えば30秒(つまり、球が供給通路65から球発射ユニット66へ供給されてから、球発射ユニット66により発射され、遊技盤13の前面領域を流下し、再び供給通路65に戻ってくるまでに十分な時間)を経過した場合に、供給通路65に貯留されている球の数を確認する。また、カードサンド装置77の返却ボタン75が操作され、遊技者が遊技を終えるための所持球の精算処理が実行される場合に、球の発射を停止してから30秒経過後にも、供給通路65に貯留されている球の数を確認し、パチンコ機10内を循環する球の数に異変がないか否かを確認する。更に、パチンコ機10において1回の大当たりにおける全てのラウンド演出(特定入賞口5aを開放する演出)が終了し、エンディング演出を開始する場合に、その開始にあわせて球の発射を停止し、その球の発射を停止してから30秒経過後にも、供給通路65に貯留されている球の数を確認し、パチンコ機10内を循環する球の数に異変がないか否かを確認する。そして、これらの確認の結果、パチンコ機10内を循環する球の数に異変がある場合は、パチンコ機10内で何らかのトラブルが発生しているか、パチンコ機10に対して何らかの不正行為が行われた可能性があると判断して、そのことをエラーとして報知する。
従来の機内循環式パチンコ機では、機内に貯留されている球の数を、その球が供給通路65に確実に貯留された状態にある電源投入時のみ確認していた。電源投入時のみに、機内に貯留されている球の数を確認するのは、遊技中は基本的に球が様々な場所(発射レール、球案内通路、遊技盤の前面領域など)に分散して存在するため、機内に貯留されている球の数を正確に判断することが難しいためである。しかしながら、それでは、遊技中にトラブルが発生したり不正行為が行われたりした場合に、それを早い段階で認識することはできなかった。
本実施形態のパチンコ機10では、パチンコ機10の電源投入直後だけでなく、遊技者が休憩等により遊技を一旦停止した場合や、遊技終了後、及び、1回の大当たりにおける全ラウンド演出が終了して遊技者が一息つく場合等に、機内に貯留されている球の数を確認できるので、遊技中に発生したトラブルや不正行為を早めに確認することができる。また、球発射ユニット66により球が発射され、遊技盤13の前面領域を流下し、再び供給通路65に戻ってくるまでに十分な時間経過したと判断されるときに、供給通路65に貯留されている球の数を確認するので、トラブルや不正行為が発生していなければ、そのときには機内を循環するすべての球が供給通路65に貯留されているはずである。よって、その時点で供給通路65に貯留されている球の数を確認することで、遊技中に発生したトラブルや不正行為を正確に判断することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10によれば、扉枠14の施錠を電子錠99によって施錠しているので、その解錠を電子的に制御することが可能となる。具体的には、遊技中において鍵穴21bに差し込まれた鍵が右方向に回された場合、計数装置111によって、球発射ユニット66における球の発射を停止し、停止前に発射された球が遊技盤13の前面領域を流下して再び供給通路65に回収されるのに十分な時間(本実施形態では、球の発射停止後30秒)を経過した後に、電子錠99のソレノイド99bを駆動することにより、電子錠99の係合棒99と扉枠14の突出部96aとの係合状態を解除して、扉枠14を解錠することができる。
ここで、従来のように、遊技中において鍵穴21bに差し込まれた鍵が右方向に回されると扉枠14を即座に解錠するように構成すると、扉枠14を開放した時点で遊技盤13の前面領域を球が流下している可能性が高く、不正行為を行うために扉枠14を解錠した不正行為者が、容易に球に触れられることができる。よって、不正行為者は、遊技盤13の前面領域を流下している球を抜き出して、不正な球と交換したり、球に油を塗ったりするなどの不正行為を簡単に行うことができるおそれがある。
これに対し、本実施形態のパチンコ機10では、遊技中に鍵穴21bに鍵が差し込まれて右方向に回されることで、扉枠14の解錠が指示されたとしても、遊技中に発射された球が遊技盤13の前面を流下している間は少なくとも扉枠14が閉鎖したままの状態を維持することができる。よって、扉枠14が開放されたときには球がカバーで覆われた供給通路65に格納させることができるので、パチンコ機14に内蔵された球を遊技者が触れられないようにし、球に対して不正行為が行われないようにすることができる。
次いで、図35〜図53を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第1実施形態におけるパチンコ機10では、遊技者が遊技に使用できる所持球の数を計数する所持球カウンタ213aの更新を次のように行った。即ち、球が遊技盤13に向けて発射され、所持球が1球消費された場合の所持球カウンタ213aの更新において、第1実施形態では、発射された球が球案内通路60を通って遊技盤13の上部へ球が案内されたことを遊技球検出スイッチ68aにより検出された場合に、所持球カウンタ213aを1減算した(図28のS2310)。つまり、第1実施形態では、球が遊技盤13の上部に案内された時点で、球が消費されたとして、所持球カウンタ213aを1減算した。
これに対し、第2実施形態では、供給通路65から球発射ユニット66へ球が供給されたこと(球送りされたこと)を球送り検出スイッチ94により検出された場合に、球が消費されたとして、所持球カウンタ213aを1減算する。
また、第1実施形態では、停電やノイズ等によって電源断が発生したときに発射されていた球、若しくは、電源断時に発射しようとしていた球が、電源断により入賞等の処理がなされず、結果として遊技に使用されなかった場合に、所持球カウンタ213aの更新について何ら考慮がなされておらず、遊技に使用されなかったにもかかわらず所持球が1球消費されたものとして、所持球カウンタ213aが1減算される場合があった。
これに対し、第2実施形態では、球発射ユニット66へ球を供給した後であってその球を発射する前に電源断が検出された場合、球の発射を行わず、供給された球を球発射ユニット66に留め置く。そして、電源が再投入された場合に計数装置111にて実行される立ち上げ処理において、無条件に(球発射ユニット66に球が留め置かれているか否かにかかわらず)球発射ユニット66を駆動する。その後、入賞球検出スイッチ47又はアウト球検出スイッチ48において球が検出された場合、電源断直前に球発射ユニット66へ球が供給されたにもかかわらず、電源断によってその供給された球が球発射ユニット66に留め置かれて遊技に使用されなかった(球が消費されなかった)ことを意味するので、その球の供給によって減ぜられていた所持球カウンタ213aの値を1加算する。
また、第2実施形態では、電源断が検出されると、それ以後に一般入賞口3、始動入賞口4、特定入賞口5aへ入賞した球を入賞球検出スイッチ47よりも上流側で一時的に停留し、また、電源断が検出されて以後にアウト口6に入った球をアウト球検出スイッチ48よりも上流側で一時的に停留する。そして、電源が再投入された場合に計数装置111にて実行される立ち上げ処理において、入賞球検出スイッチ47よりも上流側で停留されていた球を流下させ、入賞球検出スイッチ47でその球が検出される毎に、その球が遊技に使用されなかったものとして、所持球カウンタ213aの値を1加算する。また、その立ち上げ処理において、アウト球検出スイッチ48よりも上流側で停留されていた球を流下させ、アウト球検出スイッチ48でその球が検出される毎に、その球が遊技に使用されなかったものとして、所持球カウンタ213aの値を1加算する。
また、第1実施形態では、循環している球の発射が球詰まり等の異常によって不可能となった場合、遊技者側で遊技の進行(例えば、大当たりの進行)を一時的に停めることができなかった。これに対し、第2実施形態では、遊技者が遊技中に操作可能なオールスリープボタン301をパチンコ機10に設置し、球詰まり等の重篤なエラーが発生している状況でオールスリープボタン301が操作された場合に、遊技の進行を一時的に停止させる。
以下、第2実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
図35は、第2実施形態におけるパチンコ機10の正面図である。第2実施形態におけるパチンコ機10は、扉枠14の下部に設けられた張り出し部の正面視左部(操作部23の左側)に、オールスリープボタン301が設けられている。即ち、オールスリープボタン301は、遊技者が操作可能な位置に設けられている。
このオールスリープボタン301は、遊技の進行を一時的に停止させるためのボタンであり、球詰まり等の異常によって循環している球の発射が不可能になり得る状況にある場合に、オールスリープボタン301が操作されると、主制御装置110によって、一時的に遊技の進行が停止させられる。
球詰まり等の異常の有無は、計数装置111から主制御装置110に対して送信されるエラー信号によって判断する。即ち、第2実施形態におけるパチンコ機10では、第1実施形態と同様に、遊技者が遊技を行っている間にも計数装置111が循環している球の数を確認し、遊技中に発生したトラブルや不正行為を早めに確認している。第2実施形態では、計数装置111によって循環している球の数に異常が見受けられ、トラブルや不正行為があると判断される場合に、計数装置111は主制御装置110に対してエラー信号を送信する。また、計数装置111によってトラブルや不正行為が解消されたと判断された場合は、計数装置111は主制御装置110に対してエラー解除信号を送信する。
主制御装置110では、計数装置111よりエラー信号を受信してから、計数装置111よりエラー解除信号を受信するまでの間に、オールスリープボタン301が操作されたことを検出すると、計数装置111に対して、オールスリープコマンドを送信した上で、遊技の制御にかかわる処理を行わずに、ループ処理を実行する。このループ処理により、主制御装置110は、遊技の制御を一時的に停止する。
また、計数装置111は、オールスリープコマンドを受信すると、球の発射を停止して、ループ処理を実行する。よって、計数装置111からの信号に基づいて異常が認められる場合に、オールスリープボタン301が操作されると、主制御装置110では遊技の制御が一時的に停止され、計数装置111では球の発射が停止されるので、遊技の進行そのものが一時的に停止されることになる。
このように、パチンコ機10において、球詰まり等の異常によって循環している球の発射が不可能になり得る状況にある場合に、オールスリープボタン301を遊技者に操作可能とすることで、遊技者がオールスリープボタン301を操作することにより、遊技の進行を一時的に停止させることができる。
遊技者が球を装填しながら遊技盤へ球を発射する一般的なパチンコ機では、球詰まりが発生しても、その球詰まりが球の発射にかかわる箇所でない限り、球を装填する限りにおいて、球を遊技盤へ発射し続け、遊技を継続することができる。しかしながら、本実施形態のような機内循環式遊技機では、遊技者が球の装填を自由に行う事ができないため、球詰まりが発生すると、正規の数の球が循環しなくなり、球の発射そのものが遊技者の意図通りに行えないおそれがある。このようなことが、例えば大当たりのような遊技者にとって有利な状態にある場合に生じると、遊技の進行が停止しない限り、その有利な状態(大当たり)が時間の経過とともに終了してしまうので、遊技者に不利益を被らせることになる。また、このような不利益が生じることを不安に思い、遊技者が安心して機内循環式遊技機で遊技を行わなくなるおそれがある。
これに対し、本実施形態におけるパチンコ機10では、球詰まり等の異常によって循環している球の発射が不可能になり得る状況にある場合に、遊技者がオールスリープボタン301を操作することで、遊技者の意思に沿って、遊技の進行を一時的に停止させることができる。よって、遊技者が不利益を被ることを抑制できる。また、遊技者が安心して遊技を行うことができる。
また、本パチンコ機10では、球詰まり等の異常によって循環している球の発射が不可能になり得る状況にある場合に限り、オールスリープボタン301の操作を有効にする。即ち、遊技者がオールスリープボタン301を操作して遊技の進行を一時的に停止させることができるのは、球詰まり等の異常によって循環している球の発射が不可能になり得る状況にある場合に限られる。これにより、遊技を一時的に停止させる必要がない場合にまで、遊技者により遊技の進行が一時的に停止させられることを抑制できる。よって、遊技が問題なく行われている場合に、遊技者が誤ってオールスリープボタン301を操作して、遊技の進行が一時的に停止するといった事態が生じることを抑制できる。また、不正行為者によって、遊技が行える間に遊技の進行が一時的に停止させられ、その停止中に何らかの不正行為が行われることを抑制できる。
主制御装置110は、オールスリープボタン301が操作され、遊技の制御を一時的に停止する場合に、ループ処理を実行する前に、計数装置111に対してだけでなく、音声ランプ制御装置113に対しても、オールスリープコマンドを送信する。
音声ランプ装置113は、オールスリープコマンドを受信すると、遊技者によって遊技が一時的に停止されたことを、音声出力装置226から音声出力させたり、ランプ表示装置227(電飾部32〜36)を点灯・点滅させたり、表示制御装置114を制御して第3図柄表示装置81で表示を行ったりすることで、報知する。
これにより、遊技者がオールスリープコマンドを操作して、パチンコ機10における遊技を一時的に停止させたことを、ホールの店員に知らせることができる。よって、店員は、遊技を一時的に停止させた遊技者に何故遊技を停止させたかを確認し、場合によって、パチンコ機10で生じた不具合(異常)を解消することができる。また、遊技が一時的に停止されたことを報知することによって、遊技者が悪戯や何らかの不正行為を行おうとして、オールスリープボタン301を操作しようとする感情を抑制できる。
ここで、主制御装置110が一時的に遊技の制御を停止している間、主制御装置110から、遊技の進行にかかわるコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド、ファンファーレコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンド等)を、音声ランプ制御装置113に対して送信することはない。よって、主制御装置110が一時的に遊技の制御を停止している間、変動演出や大当たり演出を含む遊技にかかわる演出が、声出力装置226、ランプ表示装置227(電飾部32〜36)、第3図柄表示装置81において行われない。これにより、パチンコ機10で行われる各種演出が停止することになるので、上記の報知だけでなく、演出の実行の停止によっても、遊技が一時的に停止されたことを、遊技者やホールの店員などに容易に認識させることができる。
なお、主制御装置110は、オールスリープボタン301が操作されたことにより、遊技の進行が停止された場合に、そのことをホールに設置されたホールコンピュータに通知してもよい。そして、ホールコンピュータにおいて、遊技の進行が停止されたことを報知するようにしてもよい。これによっても、遊技の進行が停止されたことを、ホールの店員に容易に知らせることができる。
また、遊技の進行の停止にかかわらず、オールスリープボタン301が操作されたことをホールコンピュータに通知し、オールスリープボタン301の操作状況をホールコンピュータで報知するようにしてもよい。例えば、オールスリープボタン301が所定回数以上操作された場合に、その旨をホールコンピュータで報知してもよい。これにより、オールスリープボタン301の操作状況をホールの店員が把握できるので、オールスリープボタン301を利用して不正行為を行おうとする者がいるように場合に、その者を発見し易くできる。
また、オールスリープボタン301は、所定時間(例えば、3秒)押下し続けられた場合に限り、オールスリープボタン301が押下されたと認識されるように構成してもよい。これにより、誤ってオールスリープボタン301に遊技者が触れたとしても、遊技の進行が一時的に停止されることを抑制できる。
また、オールスリープボタン301は、LEDを内蔵し、そのLEDから発せられた光を透過する材料で形成されたものであってもよい。または、パチンコ機10において、オールスリープボタン301の外周、若しくは、オールスリープボタン301に隣接する位置に、LEDを配設してもよい。そして、主制御装置110は、オールスリープボタン301の操作が有効となる期間、即ち、計数装置111よりエラー信号を受信してから、計数装置111よりエラー解除信号を受信するまでの間であって、球詰まり等の異常によって循環している球の発射が不可能になり得る状況にある期間に、LEDを点灯させるものであってもよい。これにより、遊技者は、LEDの点灯状態を見て、オールスリープボタン301の操作が有効な期間であるか否かを容易に把握できる。
次に、図36を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10に設けられた、入賞球側停留装置310と、アウト球側停留装置320とについて説明する。図36は、そのパチンコ機10の内枠12及び遊技盤30の構成を示す背面図である。
第2実施形態におけるパチンコ機10には、排出口41bの途中であって、入賞球検出スイッチ47の上流側(パチンコ機10の背面視上側)に、入賞球側停留装置310が配設されている。また、アウト口6には、アウト球側停留装置320が接続され、アウト球側停留装置320の下流側(パチンコ機10の背面視下側)に、アウト球検出スイッチ48が配設される。
排出口41bは、第1実施形態で説明した通り、一般入賞口3、始動入賞口4、特定入賞口5aへ入賞した球であって、その後、回収通路41aによって回収され、下流側で1カ所に集合された球を、排出通路42aへ排出するための口である。第2実施形態では、一般入賞口3、始動入賞口4、特定入賞口5aへ入賞した球は、排出口41bに入ると、入球側停留装置310を通過する。そして、入球側停留装置310を通過した球が、入賞球検出スイッチ47によって検出され、その後、排出通路42aへ排出される。
また、アウト口6に入った球は、アウト側停留装置320を通過する。そして、アウト側停留装置320を通過した球が、アウト球検出スイッチ48によって検出され、その後、排出通路42aへ排出される。
入賞球側停留装置310は、停電等による電源断が発生したことを検出された場合に、それ以後に一般入賞口3、始動入賞口4、特定入賞口5aへ入賞した球を入賞球検出スイッチ47よりも上流側で一時的に停留するための装置である。また、アウト口側停留装置310は、停電等による電源断が発生したことを検出された場合に、それ以後にアウト口6に入った球をアウト球検出スイッチ48よりも上流側で一時的に停留するための装置である。
電源断が発生したときに、遊技盤30を流下している球や遊技盤30に発射された球が存在していると、その球が各種入賞口3,4,5aに入球した段階で、一般入賞口3に入賞した球を検出する一般入賞スイッチ44、始動入賞口4に入賞した球を検出する始動入賞スイッチ45、特定入賞口5aに入賞した球を検出する特定入賞スイッチ46が、正常に動作できない状態となっているおそれがある。そのため、本パチンコ機10では、電源断の発生を検出した場合、一般入賞スイッチ44、始動入賞スイッチ45、特定入賞スイッチ46における球の検出を確認せず、入賞に伴う賞球も行わないようにしている。つまり、電源断が発生したときに存在している、遊技盤30を流下している球や遊技盤30に発射された球は、遊技に使用されなかった球と見なすことができる。
一方で、電源断が発生すると、各種入賞口3,4,5aへ入賞した球を検出する入賞球検出スイッチ47や、アウト口6に入球した球を検出するアウト球検出スイッチ48も、正常に動作できない状態となっているおそれがある。よって、第1実施形態におけるパチンコ機10では、電源断発生後に、各種入賞口3,4,5aやアウト口6に球が入球しても、その入球した球を検出できないおそれがあった。従って、電源断があった後は、遊技に使用されなかった球の数を正しく認識することができないおそれがあった。
また、遊技者が遊技に使用できる所持球の数は、計数装置111において、所持球カウンタ213aを使用して、球が遊技領域へ発射される段階(本実施形態においては、発射ユニット66へ球を供給した段階)で1減算される。上述した通り、電源断が発生したときに遊技盤30を流下している球や遊技盤30に発射された球、即ち、遊技に使用されなかった球の数は、電源断された後に正しく認識できない。よって、第1実施形態のようなパチンコ機10では、球が遊技領域へ発射されてしまうと、電源断によってその球が遊技に使用されなかったとしても、その遊技に使用されなかった球の数を所持球カウンタ213aに加算できず、遊技に使用されなかった球も所持球カウンタ213aから減ぜられるおそれがあり、遊技者に不利益を被らせるおそれがあった。
また、本パチンコ機10は、球をパチンコ機10内で循環して遊技に使用するものであるので、パチンコ機10で循環している球の数を監視するために、供給通路65に貯留された球の数を循環球数として、循環球数メモリ213cを用いて計数している。この循環球数メモリ213cは、入賞球検出スイッチ47やアウト球検出スイッチ48で球が検出された場合に、供給通路65へ球が戻ってきたものとして1加算される。しかしながら、上述した通り、電源断が発生すると、各種入賞口3,4,5aへ入賞した球を検出する入賞球検出スイッチ47や、アウト口6に入球した球を検出するアウト球検出スイッチ48が、正常に動作できない状態となるおそれがある。これにより、第1実施形態のようなパチンコ機10では、電源断が発生したときに遊技盤30を流下している球や遊技盤30に発射された球が、入賞球検出スイッチ47やアウト球検出スイッチ48で検出されず、循環球数を正しく循環球数メモリ213cで計数できないおそれがあった。よって、供給通路65に所定数の球が貯留されているにもかかわらず、循環球数メモリ213cでは循環球数を正しく計数できていないがために、エラーを報知してしまうおそれがあった。
そこで、第2実施形態におけるパチンコ機10では、電源断の発生を検出すると、各種入賞口3,4,5aに入球した球を、入賞球検出スイッチ47の上流側に設けた入賞球側停留装置310に停留させ、アウト口6に入球した球を、アウト球検出スイッチ48の上流側に設けたアウト球側停留装置320に停留させる。これにより、電源断が発生したときに遊技盤30を流下している球や遊技盤30に発射された球、即ち、遊技に使用されなかった球が、入賞球側停留装置310またはアウト球側停留装置320のいずれか一方に停留されることになる。
そして、電源が再び投入された場合に、入賞球側停留装置310に停留された球を流下させて、その流下させた球を入賞球検出スイッチ47に検出させる。また、電源が再び投入された場合に、アウト球側停留装置320に停留された球を流下させて、その流下させた球をアウト球検出スイッチ48に検出させる。入賞球検出スイッチ47及びアウト球検出スイッチ48は、電源が再び投入された段階で正常に球を検出できる。これにより、電源断が発生したときに遊技盤30を流下している球や遊技盤30に発射された球、即ち、遊技に使用されなかった球の数を正しく認識できる。よって、この球の数を所持球カウンタ213aに加算することにより、遊技に使用されなかった球が所持球カウンタ213aから減ぜられることを防ぐことができる。従って、遊技者の利益を守ることができる。
また、この方法によって、入賞球検出スイッチ47及びアウト球検出スイッチ48で検出された球の数を、循環球数メモリ213cにも加算することによって、供給通路65に貯留されている球の数(循環球数)を正しく計数できる。よって、供給通路65に所定数の球が貯留されているにもかかわらず、エラーが報知されることを抑制できる。
次いで、図37を参照して、アウト球側停留装置320の内部構成について説明する。図37は、アウト球側停留装置320の内部構成を模式的に示した模式図であり、(a)は、遊技が行われている通常時のアウト球側停留装置320の状態を示し、(b)は、電源が断された場合のアウト球側停留装置320の状態を示し、(c)は、電源が再投入され、アウト球側停留装置320に停留された球を流下させるときのアウト球側停留装置320の状態を示している。なお、入賞球側停留装置310の詳細構成は、アウト球側停留装置320と同一であるので、その図示と説明を省略する。
アウト球側停留装置320は、2つの流路323,324を有しており、一方の流路323(図37の紙面視右側の流路)は、球を停留させることなく流下させてアウト球側停留装置320の外へ排出するための流路である。また、他方の流路324(図37の紙面視左側の流路)は、球を一時的に停留させ、その後、停留させた球を、アウト球側停留装置320から外へ排出するための流路である。
アウト球側停留装置320は、流路中の上流側に球振分板321と、球の流路中の下流側に球停留板322とを有している。なお、入賞球側停留装置310も、球振分板311と球停留板312とを有しており(図36参照)、それぞれ、アウト球側停留装置320の球振分板321及び球停留板322に相当するものである。
球振分板321は、上述した2つの流路323,324に対して、アウト球側停留装置320に流入した球を振り分ける板である。また、球停留板322は、流路324を流下してきた球を停留させるための板である。球振分板321及び球停留板322は、いずれも、モータによってその位置が変更されるように構成されている。
遊技が行われている通常時は、図37(a)に示す通り、流路323に対して球を振り分ける位置に、球振分板321が配置される。このとき、球停留板322は、流路323を流下する球の流路を塞がないような位置(ここでは、流路324を流下した球が停留させられる位置)に配置される。これにより、アウト球側停留装置320に流入した球は、流路323を通って、そのままアウト球側停留装置320の外へ排出される。そして、アウト球側停留装置320から排出された球は、アウト球側停留装置320の下流側に設けられたアウト球検出スイッチ48によって検出される。
一方、電源断の発生が検出された場合は、図37(b)に示す通り、流路324に対して球を振り分ける位置に球振分板321が配置され、更に、流路324を流下した球が停留させられる位置に球停留板322が配置される。これにより、電源断の発生が検出された後に、アウト口6を通ってアウト球側停留装置320へ流入した球は、球停留板322によって、アウト球側停留装置320内部に停留させられる。図37(b)の状態は、電源が完全に断された後も継続される。つまり、電源が断されたことによって、アウト球側停留装置320に停留した球は、電源が断され続ける間、停留され続ける。
そして、電源が再び投入されると、図37(c)に示す通り、球停留板322の位置を、停留させていた球が流下する位置に移動させる。これにより、電源断の発生に伴ってアウト球側停留装置320内部に停留していた球が、アウト球側停留装置320の外へ排出される。そして、アウト球側停留装置320から排出された球は、アウト球検出スイッチ48によって検出される。その後、停留させられていた全ての球が、アウト球側停留装置320の外へ排出されると、球振分板321と球停留板322とを、図37(a)に示す位置に移動させ、その後、通常の遊技を開始する。
これにより、電源断の発生が検出されると、その後にアウト口6に入球した球を、アウト球検出スイッチ48の上流側に設けたアウト球側停留装置320に停留させることができる。また、入賞球側停留装置310の球振分板311及び球停留板312も、アウト球側停留装置320の球振分板321及び球停留板322と同じように動作させる。よって、各種入賞口3,4,5aに入球した球を、入賞球検出スイッチ47の上流側に設けた入賞球側停留装置310に停留させることができる。
そして、電源が再び投入された場合に、アウト球側停留装置320に停留された球を流下させて、その流下させた球をアウト球検出スイッチ48に検出させることができる。また、入賞球側停留装置310に停留された球を流下させて、その流下させた球を入賞球検出スイッチ47に検出させることができる。よって、入賞球検出スイッチ47及びアウト球検出スイッチ48は、電源が再び投入された段階で正常に球を検出できる。
よって、電源断が発生したときに遊技盤30を流下している球や遊技盤30に発射された球、即ち、遊技に使用されなかった球の数を正しく認識できる。従って、この球の数を所持球カウンタ213aに加算することにより、遊技に使用されなかった球が所持球カウンタ213aから減ぜられることを防ぐことができる。その結果、遊技者の利益を守ることができる。
また、この方法によって、入賞球検出スイッチ47及びアウト球検出スイッチ48で検出された球の数を、循環球数メモリ213cにも加算することによって、供給通路65に貯留されている球の数(循環球数)を正しく計数できる。よって、供給通路65に所定数の球が貯留されているにもかかわらず、エラーが報知されることを抑制できる。
次に、図38を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。図38は、そのパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。第2実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成において、第1実施形態と相違する点は、主制御装置110のRAM203にエラーフラグ203cが設けられている点と、オールスリープボタン301が主制御装置110の入出力ポートへ接続されている点と、主制御装置110が、計数装置111からエラー信号およびエラー解除信号を受信する点とである。その他の構成については、第1実施形態と同一であるため、その説明を省略する。
エラーフラグ203cは、球詰まり等の異常によって循環している球の発射が不可能になり得る状況にあることを示すフラグであり、オンの場合に、球詰まり等の異常によって循環している球の発射が不可能になり得る状況にあることを示し、オフの場合に、それ以外の状況であることを示す。このエラーフラグ203cは、RAM203の初期設定(図19のS1613)において、初期値としてオフが設定される。
ここで、計数装置111は、第1実施形態と同様に、遊技者が遊技を行っている間にも循環している球の数を確認し、遊技中に発生したトラブルや不正行為を早めに確認している。計数装置111は、循環している球の数に異常が見受けられると判断される場合に、主制御装置110に対してエラー信号を送信する。また、計数装置111は、循環している球の数の以上が解消されたと判断された場合に、主制御装置110に対してエラー解除信号を送信する。
主制御装置110は、計数装置111よりエラー信号を受信すると、エラーフラグ203cをオンに設定し、計数装置111よりエラー解除信号を受信すると、エラーフラグ203cをオフに設定する。主制御装置110は、オールスリープボタン301が操作されたことを検出したときに、エラーフラグ203cがオンの場合に限り、オールスリープボタン301の操作を有効にし、遊技の進行を停止する。
これにより、球詰まり等の異常によって循環している球の発射が不可能になり得る状況にある場合に限って、遊技者がオールスリープボタン301を操作して遊技の進行を一時的に停止させることができる。よって、遊技を一時的に停止させる必要がない場合にまで、遊技者により遊技の進行が一時的に停止させられることを抑制できる。従って、遊技が問題なく行われている場合に、遊技者が誤ってオールスリープボタン301を操作して、遊技の進行が一時的に停止するといった事態が生じることを抑制できる。また、不正行為者によって、遊技が行える間に遊技の進行が一時的に停止させられ、その停止中に何らかの不正行為が行われることを抑制できる。
次いで、図39を参照して、第2実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図39は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理は、第1実施形態と同様に、遊技の主要な処理を実行するものであり、第1実施形態で上述した立ち上げ処理(図19)の後に実行される。
第2実施形態におけるメイン処理は、第1実施形態と同様に、4m秒周期の定期処理としてS1701〜S1705の各処理が実行され、その残余時間でS1708,S1709のカウンタ更新処理が実行される。また、S1706の処理で、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判断し、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1706:Yes)、電源遮断時の処理を実行し(S1710〜S1713)の処理を実行して、無限ループを継続する。これら、S1701〜S1713の処理は、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
第2実施形態におけるメイン処理では、4m秒周期の定期処理後の残余時間において、S1708及びS1709のカウンタ更新処理に続き、計数装置111からエラー信号またはエラー解除信号を受信した場合の処理と、オールスリープボタン301が操作された場合の処理とを実行する。
具体的には、S1709の処理の後、計数装置111からエラー信号を受信したか否かを判断し(S1721)、エラー信号を受信していれば(S1721:Yes)、エラーフラグ203cをオンに設定して(S1722)、S1723の処理へ移行する。また、エラー信号を受信していなければ(S1721:No)、S1722の処理をスキップして、S1723の処理へ移行する。
S1723の処理では、計数装置111からエラー解除信号を受信したか否かを判断し(S1723)、エラー解除信号を受信していれば(S1723:Yes)、エラーフラグ203cをオフに設定して(S1724)、S1725の処理へ移行する。また、エラー解除信号を受信していなければ(S1723:No)、S1724の処理をスキップして、S1725の処理へ移行する。
上述した通り、計数装置111は、循環している球の数に異常が見受けられると判断される場合に、主制御装置110に対してエラー信号を送信する。また、計数装置111は、循環している球の数の以上が解消されたと判断された場合に、主制御装置110に対してエラー解除信号を送信する。よって、S1721〜S1724の処理を実行することにより、球詰まり等の異常によって循環している球の発射が不可能になり得る状況にあることを、エラーフラグ203cによって示すことができる。
S1725の処理では、オールスリープボタン301が操作されたか否かを判断し(S1725)、オールスリープボタン301が操作されていなければ(S1725:No)、そのままS1706の処理へ回帰する。一方、オールスリープボタン301が操作されたと判断される場合は(S1725:No)、次いで、エラーフラグ203cがオンか否かを判断する(S1726)。
そして、エラーフラグ203cがオンであれば(S1826:Yes)、球詰まり等の異常によって循環している球の発射が不可能になり得る状況にある場合であるので、まず、オールスリープコマンドを設定する(S1727)。ここで設定されたオールスリープコマンドは、計数装置111と、音声ランプ制御装置113とへ送信される。計数装置111は、オールスリープコマンドを受信することにより、球の発射を停止して、ループ処理を実行する。
また、音声ランプ装置113は、オールスリープコマンドを受信すると、遊技者によって遊技が一時的に停止されたことを、音声出力装置226から音声出力させたり、ランプ表示装置227(電飾部32〜36)を点灯・点滅させたり、表示制御装置114を制御して第3図柄表示装置81で表示を行ったりすることで、報知する。
これにより、遊技者がオールスリープコマンドを操作して、パチンコ機10における遊技を一時的に停止させたことを、ホールの店員に知らせることができる。よって、店員は、遊技を一時的に停止させた遊技者に何故遊技を停止させたかを確認し、場合によって、パチンコ機10で生じた不具合(異常)を解消することができる。また、遊技が一時的に停止されたことを報知することによって、遊技者が悪戯や何らかの不正行為を行おうとして、オールスリープボタン301を操作しようとする感情を低減させることができる。
S1727の処理の後、再び、オールスリープボタン301が操作されたか否かを判断する(S1728)。そして、オールスリープボタン301が操作されない間(S1728;No)、S1728の処理をループし続ける。これにより、遊技の制御が停止する。よって、主制御装置110では遊技の制御が一時的に停止され、計数装置111では、S1727の処理により送信されたオールスリープコマンドにより球の発射が停止されるので、遊技の進行そのものが一時的に停止されることになる。
このように、S1725〜S1728の処理が実行されることにより、パチンコ機10において、球詰まり等の異常によって循環している球の発射が不可能になり得る状況にある場合に、遊技者にオールスリープボタン301が操作されると、遊技の進行を一時的に停止させることができる。
ここで、上述した通り、遊技者が球を装填しながら遊技盤へ球を発射する一般的なパチンコ機では、球詰まりが発生しても、その球詰まりが球の発射にかかわる箇所でない限り、球を装填する限りにおいて、球を遊技盤へ発射し続け、遊技を継続することができる。しかしながら、本実施形態のような機内循環式遊技機では、遊技者が球の装填を自由に行う事ができないため、球詰まりが発生すると、正規の数の球が循環しなくなり、球の発射そのものが遊技者の意図通りに行えないおそれがある。このようなことが、例えば大当たりのような遊技者にとって有利な状態にある場合に生じると、遊技の進行が停止しない限り、その有利な状態(大当たり)が時間の経過とともに終了してしまうので、遊技者に不利益を被させることになる。また、このような不利益が生じることを不安に思い、遊技者が安心して機内循環式遊技機で遊技を行わなくなるおそれがある。
これに対し、本実施形態におけるパチンコ機10では、球詰まり等の異常によって循環している球の発射が不可能になり得る状況にある場合に、遊技者がオールスリープボタン301を操作することで、遊技者の意思に沿って、遊技の進行を一時的に停止させることができるので、遊技者が不利益を被ることを抑制できる。また、遊技者が安心して遊技を行うことができる。
また、本パチンコ機10では、エラーフラグ203cがオン、即ち、球詰まり等の異常によって循環している球の発射が不可能になり得る状況にある場合に限り、オールスリープボタン301の操作を有効にするので、オーススリープボタン301が操作されたことにより、遊技を一時的に停止させる必要がない場合にまで遊技者により遊技の進行が一時的に停止させられることを抑制できる。よって、遊技が問題なく行われている場合に、遊技者が誤ってオールスリープボタン301を操作して、遊技の進行が一時的に停止するといった事態が生じることを抑制できる。また、不正行為者によって、遊技が行える間に遊技の進行が一時的に停止させられ、その停止中に何らかの不正行為が行われることを抑制できる。
また、主制御装置110が一時的に遊技の制御を停止している間、主制御装置110から、遊技の進行にかかわるコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド、ファンファーレコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンド等)を、音声ランプ制御装置113に対して送信することはない。よって、主制御装置110が一時的に遊技の制御を停止している間、変動演出や大当たり演出を含む遊技にかかわる演出が、声出力装置226、ランプ表示装置227(電飾部32〜36)、第3図柄表示装置81において行われない。これにより、パチンコ機10で行われる各種演出が停止することになるので、上記の報知だけでなく、演出の実行の停止によっても、遊技が一時的に停止されたことを、遊技者やホールの店員などに容易に認識させることができる。
S1728の処理の結果、オールスリープボタン301が操作されたことが検出された場合(S1728:Yes)、オールスリープ解除コマンドを設定し(S1729)、S1706の処理へ回帰して、遊技の制御を再開する。
S1729の処理で設定されたオールスリープ解除コマンドは、計数装置111と音声ランプ制御装置113とへ送信される。計数装置111は、オールスリープ解除コマンドを受信すると、球の発射を再開する。よって、主制御装置110の遊技の制御の再開とあわせて、遊技が再び進行する。また、音声ランプ制御装置113は、オールスリープ解除コマンドを受信すると、遊技者によって遊技が一時的に停止されたことの報知を、終了する。
このように、一時的に停止された遊技の進行を、遊技者が再度オールスリープボタン301を操作することによって、遊技者の意思により再開することができる。
S1725の処理により、オールスリープボタン301の操作があると判断されても(S1725:Yes)、エラーフラグ203cがオフであれば(S1726:No)、そのままS1706の処理へ回帰する。即ち、球詰まり等の異常によって循環している球の発射が不可能な状況にないと思われる場合に、遊技者がオールスリープボタン301を操作しても、遊技の進行が継続される。よって、遊技を一時的に停止させる必要がない場合にまで、遊技者により遊技の進行が一時的に停止させられることを抑制できる。従って、遊技が問題なく行われている場合に、遊技者が誤ってオールスリープボタン301を操作して、遊技の進行が一時的に停止するといった事態が生じることを抑制できる。また、不正行為者によって、何らかの不正行為が行わたり、不当に遊技者に有利な状態が遊技の進行の停止中に行われることを抑制できる。
次いで、図40を参照して、第2実施形態における計数装置111内のMPU211により実行される立ち上げ処理を説明する。図40は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は、第1実施形態と同様に電源投入時に起動される。
第1実施形態における立ち上げ処理(図22)と相違する点は、扉枠14が開放状態にないと判断された後(S1760:No)、第1球数判定処理(S1762。図23参照。)を実行する前に、球回収処理(S3000)を実行する点にある。この球回収処理(S3000)によって、入賞球側停留装置310及びアウト球側停留装置311に停留された球を各装置310,311から排出し、その排出された球を入賞球検出スイッチ47又はアウト球検出スイッチ48で検出して、その検出された球の数を、所持球カウンタ213a及び循環球数メモリ231cに加算する。
また、第1実施形態では、RAM判定値が正常であると判定された後(S1756:Yes)、MPU221の周辺デバイスの初期設定(S1759)が行われる前に、電源断の発生情報のクリアを行ったが、第2実施形態では、球回収処理(S3000)の後、第1球数判定処理(S1762)を行う前に、電源断の発生情報をクリアする(S3100)。これにより、球回収処理(S3000)において、電源断の発生情報を使用可能にしている。
ここで、図41を参照して、計数装置111内のMPU211により実行される球回収処理(S3000)について説明する。図41は、この球回収処理(S3000)を示すフローチャートである。この球回収処理(S3000)は、上述した通り、計数装置111内のMPU211により実行される立ち上げ処理の一処理である。
この球回収処理(S3000)では、まず、1球の球発射を発射制御装置112へ指示する(S3001)。発射制御装置112は、1球の球発射指示を受けると、供給通路65から球発射ユニット66への球の供給(球送り)を行わずに、球発射ユニット66を1回だけ駆動する。即ち、無条件に(球発射ユニット66に球が供給されているか否かにかかわらず)球発射ユニット66を駆動する。このとき、電断時に球発射ユニット66に供給された球が発射されずに残っていれば、実際に球が発射される。また、電断時に球発射ユニット66に球が残っていなければ、球の発射は空打ちとなる。
次いで、30秒間ウェイトする(S3002)。これにより、S3001の処理によって、球が発射されていた場合、その球は、遊技盤13を流下して、入賞口3,4,5a又はアウト口6へ入球する。ここで、入球した球は、入賞球側停留装置310またはアウト球側停留装置320のいずれかに停留される。
次いで、入賞球側停留装置310の球停留板312を球が流下する位置に移動(開放)させ(S3003)、入賞球側停留装置310に停留された球を入賞球側停留装置310から排出する。ここで排出される球は、電源が投入される前の電源断の発生が検出されたときに、遊技盤30を流下していた球や遊技盤30に向けて発射されていた球であって、その後、各種入賞口3,4,5aに入球した球と、S3001の処理によって発射された球(即ち、電断時に球発射ユニット66に供給された球が発射されずに残っていた球)であって、各種入賞口3,4,5aに入球した球とである。
次いで、電源断の発生情報がRAM213に記憶されているか否かを判断する(S3004)。そして、電源断の発生情報がRAM213に記憶されている場合は(S3004:Yes)、電断前の所持球カウンタ213aの値と循環球数メモリ213cの値とが保持されているので、入賞球側停留装置310に停留されていた球の数を、所持球カウンタ213a及び循環球数メモリ213cに反映させるため、入賞球検出スイッチ47がオンされたか否かを判断する(S3005)。
そして、入賞球検出スイッチ47がオンされていた場合は(S3005:Yes)、所持球カウンタ213aに1加え、且つ、循環球数メモリ213cに1加えて(S3006)、S3007の処理へ移行する。また、S3005の処理の結果、入賞球検出スイッチ47がオンされていない場合は(S3005:No)、S3006の処理をスキップして、S3007の処理へ移行する。
また、S3004の処理の結果、電源断の発生情報がRAM213に記憶されていない場合は(S3004:No)、所持球カウンタ213aの値と循環球数メモリ213cの値とがすでに初期化されていることを意味する。よって、この場合は、S3005及びS3006の処理をスキップし、S3007の処理へ移行する。つまり、この場合は、入賞球側停留装置310に停留された球を入賞球側停留装置310から排出する処理のみを実行する。
S3007の処理では、入賞球側停留装置310の球停留板312を開放してから5秒経過したかを判断する(S3007)。そして、入賞球側停留装置310の球停留板312を開放してから5秒経過していない場合は(S3007:No)、S3004の処理へ回帰する。一方、入賞球側停留装置310の球停留板312を開放してから5秒経過した場合は(S3007;Yes)、入賞球側停留装置310に停留されていた球が全て排出されたと判断し、S3008の処理へ移行する。
なお、S3007の判断で用いる時間(入賞球側停留装置310の球停留板312を開放してからの時間)は、入賞球側停留装置310に停留されていた球を全て排出可能な時間であれば、任意の時間を設定してもよい。
また、S3007の処理では、上記の処理に代えて、入賞球検出スイッチ47において、球が検出されない時間が所定時間継続されたか否かを判断し、入賞球検出スイッチ47において、球が検出されない時間が所定時間継続された場合に、入賞球側停留装置310に停留されていた球が全て排出されたと判断し、S3008の処理へ移行してもよい。また、入賞球側停留装置310内に球の存在を検出するセンサを設け、そのセンサにより入賞球側停留装置310内に球が存在しないと判断される場合に、入賞球側停留装置310に停留されていた球が全て排出されたと判断し、S3008の処理へ移行してもよい。
S3008の処理では、入賞球側停留装置310の球停留板312を球が停留する位置に移動(閉鎖)させると共に、入賞球側停留装置310の球振分板311を、球が停留せずに流下する流路に振り分けられる位置(非停留側)に移動させる(S3008)。これにより、入賞球側停留装置310は、図37(a)に示した状態となる。
次に、アウト球側停留装置320の球停留板322を球が流下する位置に移動(開放)させ(S3009)、アウト球側停留装置320に停留された球をアウト球側停留装置320から排出する。ここで排出される球は、電源が投入される前の電源断の発生が検出されたときに、遊技盤30を流下していた球や遊技盤30に向けて発射されていた球であって、その後、アウト口6に入球した球と、S3001の処理によって発射された球(即ち、電断時に球発射ユニット66に供給された球が発射されずに残っていた球)であって、アウト口6に入球した球とである。
次いで、電源断の発生情報がRAM213に記憶されているか否かを判断する(S3010)。そして、電源断の発生情報がRAM213に記憶されている場合は(S3010:Yes)、電断前の所持球カウンタ213aの値と循環球数メモリ213cの値とが保持されているので、アウト球側停留装置320に停留されていた球の数を、所持球カウンタ213a及び循環球数メモリ213cに反映させるため、アウト球検出スイッチ48がオンされたか否かを判断する(S3011)。
そして、アウト球検出スイッチ48がオンされていた場合は(S3011:Yes)、所持球カウンタ213aに1加え、且つ、循環球数メモリ213cに1加え(S3012)、S3013の処理へ移行する。また、S3011の処理の結果、アウト球検出スイッチ48がオンされていない場合は(S3011:No)、S3012の処理をスキップして、S3013の処理へ移行する。
また、S3010の処理の結果、電源断の発生情報がRAM213に記憶されていない場合は(S3010:No)、所持球カウンタ213aの値と循環球数メモリ213cの値とがすでに初期化されていることを意味する。よって、この場合は、S3011及びS3012の処理をスキップし、S3013の処理へ移行する。つまり、この場合は、アウト球側停留装置320に停留された球をアウト球側停留装置320から排出する処理のみを実行する。
S3013の処理では、アウト球側停留装置320の球停留板322を開放してから5秒経過したかを判断する(S3013)。そして、アウト球側停留装置320の球停留板322を開放してから5秒経過していない場合は(S3013:No)、S3010の処理へ回帰する。一方、アウト球側停留装置320の球停留板322を開放してから5秒経過した場合は(S3013;Yes)、アウト球側停留装置320に停留されていた球が全て排出されたと判断し、S3014の処理へ移行する。
なお、S3013の判断で用いる時間(アウト球側停留装置320の球停留板322を開放してからの時間)は、アウト球側停留装置320に停留されていた球を全て排出可能な時間であれば、任意の時間を設定してもよい。
また、S3013の処理では、上記の処理に代えて、アウト球検出スイッチ48において、球が検出されない時間が所定時間継続されたか否かを判断し、アウト球検出スイッチ48において、球が検出されない時間が所定時間継続された場合に、アウト球側停留装置320に停留されていた球が全て排出されたと判断し、S3014の処理へ移行してもよい。また、アウト球側停留装置320内に球の存在を検出するセンサを設け、そのセンサによりアウト球側停留装置320内に球が存在しないと判断される場合に、アウト球側停留装置320に停留されていた球が全て排出されたと判断し、S3014の処理へ移行してもよい。
S3014の処理では、アウト球側停留装置320の球停留板322を球が停留する位置に移動(閉鎖)させると共に、アウト球側停留装置320の球振分板321を、球が停留せずに流下する流路に振り分けられる位置(非停留側)に移動させる(S3014)。これにより、アウト球側停留装置320は、図37(a)に示した状態となる。
ここで、電源断が発生したときに、遊技盤30を流下している球や遊技盤30に発射された球が存在していると、その球が各種入賞口3,4,5aに入球した段階で、一般入賞口3に入賞した球を検出する一般入賞スイッチ44、始動入賞口4に入賞した球を検出する始動入賞スイッチ45、特定入賞口5aに入賞した球を検出する特定入賞スイッチ46が、正常に動作できない状態となっているおそれがある。そのため、本パチンコ機10では、電源断の発生を検出して以後は、一般入賞スイッチ44、始動入賞スイッチ45、特定入賞スイッチ46における球の検出を確認せず、入賞に伴う賞球も行わないようにしている。つまり、電源断が発生したときに存在している、遊技盤30を流下している球や遊技盤30に発射された球は、遊技に使用されなかった球と見なすことができる。
また、球を発射しようと供給通路65から球発射ユニット66へ球を供給した段階(球送りした段階)で、電源断の発生が検出される場合がある。このとき、そのまま球発射ユニット66を駆動して供給された球を発射しても、電源断の発生が検出されて以後は、一般入賞スイッチ44、始動入賞スイッチ45、特定入賞スイッチ46における球の検出を確認せず、入賞に伴う賞球も行わないようにしているので、その発射した球も遊技に使用されなかった球と見なすことができる。
一方で、電源断が発生すると、各種入賞口3,4,5aへ入賞した球を検出する入賞球検出スイッチ47や、アウト口6に入球した球を検出するアウト球検出スイッチ48も、正常に動作できない状態となっているおそれがある。よって、電源断発生後に、各種入賞口3,4,5aやアウト口6に球が入球しても、その入球した球をそのまま排出通路42へ排出すると、その球が検出できないおそれがあった。従って、電源断があった後は、遊技に使用されなかった球の数を正しく認識することができないおそれがあった。
また、遊技者が遊技に使用できる所持球の数は、計数装置111において、所持球カウンタ213aを使用して、球が遊技領域へ発射される段階(本実施形態においては、発射ユニット66へ球を供給した段階)で1減算される。上述した通り、電源断が発生したときに遊技盤30を流下している球や遊技盤30に発射された球、即ち、遊技に使用されなかった球の数は、電源断された後に正しく認識できない。よって、第1実施形態のようなパチンコ機10では、球が遊技領域へ発射されてしまうと、電源断によってその球が遊技に使用されなかったとしても、その遊技に使用されなかった球の数を所持球カウンタ213aに加算できず、遊技に使用されなかった球も所持球カウンタ213aから減ぜられるおそれがあり、遊技者に不利益を被らせるおそれがあった。
また、本パチンコ機10は、球をパチンコ機10内で循環して遊技に使用するものであるので、パチンコ機10で循環している球の数を監視するために、供給通路65に貯留された球の数を循環球数として、循環球数メモリ213cを用いて計数している。この循環球数メモリ213cは、入賞球検出スイッチ47やアウト球検出スイッチ48で球が検出された場合に、供給通路65へ球が戻ってきたものとして1加算される。しかしながら、上述した通り、電源断が発生すると、各種入賞口3,4,5aへ入賞した球を検出する入賞球検出スイッチ47や、アウト口6に入球した球を検出するアウト球検出スイッチ48が、正常に動作できない状態となるおそれがある。これにより、第1実施形態のようなパチンコ機10では、電源断が発生したときに遊技盤30を流下している球や遊技盤30に発射された球が、入賞球検出スイッチ47やアウト球検出スイッチ48で検出されず、循環球数を正しく循環球数メモリ213cで計数できないおそれがあった。よって、供給通路65に所定数の球が貯留されているにもかかわらず、循環球数メモリ213cでは循環球数を正しく計数できていないがために、エラーを報知してしまうおそれがあった。
これに対し、第2実施形態におけるパチンコ機10では、電源断の発生を検出すると、その後に各種入賞口3,4,5aに入球した球を、入賞球側停留装置310に停留させ、アウト口6に入球した球を、アウト球側停留装置320に停留させる。これにより、電源断が発生したときに遊技盤30を流下している球や遊技盤30に発射された球、即ち、遊技に使用されなかった球が、入賞球側停留装置310またはアウト球側停留装置320のいずれか一方に停留される。
そして、計数装置111は、電源が再投入された場合に実行される立ち上げ処理の中で、図43に示す球回収処理を実行することにより、S3003〜S3007の処理によって、入賞球側停留装置310に停留された球を流下させて、その流下させた球を入賞球検出スイッチ47に検出させる。また、S3009〜S3013の処理によって、アウト球側停留装置320に停留された球を流下させて、その流下させた球をアウト球検出スイッチ48に検出させる。
入賞球検出スイッチ47及びアウト球検出スイッチ48は、電源が再び投入された段階で正常に球を検出できる。これにより、電源断が発生したときに遊技盤30を流下している球や遊技盤30に発射された球、即ち、遊技に使用されなかった球の数を正しく認識できる。
また、第2実施形態におけるパチンコ機10では、球発射ユニット66へ球を供給した後であってその球を発射する前に電源断が検出された場合、球の発射を行わず、供給された球を球発射ユニット66に留め置く。これは、電源が断された状態であるので、球発射ユニット66に十分な駆動電圧が供給されず、球を発射したとしても、発射強度が弱く、遊技領域に球が案内されずにファール球となったり、球発射ユニット66に球が残ったままとなったりするおそれもあるからである。
そして、計数手段は、電源が再投入された場合に実行される立ち上げ処理の中で、図43に示す球回収処理を実行することにより、S3001の処理によって、無条件に(球発射ユニット66に球が留め置かれているか否かにかかわらず)球発射ユニット66が駆動される。これにより、電断時に球発射ユニット66に供給された球が発射されずに残っていれば(発射ユニット66に球が留め置かれていれば)、その球が発射され、遊技盤13を流下して、入賞口3,4,5a又はアウト口6へ入球する。
ここで、入球した球は、入賞球側停留装置310またはアウト球側停留装置320のいずれかに停留される。そして、ここで入賞球側停留装置310またはアウト球側停留装置320のいずれかに停留された球は、S3003〜S3007の処理およびS3009〜S3013の処理により、電源断が発生したときに遊技盤30を流下している球や遊技盤30に発射された球であって、既に入賞球側停留装置310またはアウト球側停留装置320のいずれかに停留されていた球と合わせて、入賞球検出スイッチ47またはアウト球検出スイッチ48に検出させる。
上述した通り、入賞球検出スイッチ47及びアウト球検出スイッチ48は、電源が再び投入された段階で正常に球を検出できる。よって、球発射ユニット66へ球を供給した後であってその球を発射する前に電源断が検出されたことにより、その球発射ユニット66へ供給されて、遊技に使用されなかった球を正しく認識することができる。
このように、本パチンコ機10では、電源断が発生したときに遊技盤30を流下していたり、遊技盤30に発射されていたり、及び、球発射ユニット66へ球を供給した後であってその球を発射する前に電源断が検出されたりすることによって、遊技に使用されなかった球の数を、正しく認識できる。よって、この球の数を、所持球カウンタ213aに加算することにより、遊技に使用されなかった球が所持球カウンタ213aから減ぜられることを防ぐことができる。従って、遊技者の利益を守ることができる。
また、この方法によって、入賞球検出スイッチ47及びアウト球検出スイッチ48で検出された球の数を、循環球数メモリ213cにも加算することによって、供給通路65に貯留されている球の数(循環球数)を正しく計数できる。よって、供給通路65に所定数の球が貯留されているにもかかわらず、エラーが報知されることを抑制できる。
次いで、図42を参照して、第2実施形態における計数装置111内のMPU211により実行されるメイン処理について説明する。図42は、このメイン処理を示すフローチャートである。
このメイン処理は、第1実施形態と同様に、パチンコ機10内で循環して遊技に使用するために供給通路65に貯留された球の数を、循環球数として計数する処理と、パチンコ機10内を循環する循環球数に異変がないか否かを確認する処理と、遊技者が遊技に使用できる球の数である所持球の数を計数し、データ表示器24に所持球数を表示する処理と、発射制御装置112に対して、球の発射を許可し又は停止させる処理とを実行する。また、電源断の発生が検出されると、電源遮断時の処理を実行する。
第2実施形態における計数装置111のメイン処理が、第1実施形態における計数装置111のメイン処理(図24参照)と異なる点は、S1907の処理により、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていると判別された場合、即ち、電源断の発生が検出された場合に(S1907:Yes)、各割込処理の発生を禁止した後(S1911)、入賞球側停留装置310の球振分板311と、アウト球側停留装置320の球振分板321とのそれぞれを、球が停留する流路に振り分けられる位置(停留側)に移動させ(S1920)、S1912の処理へ移行する。
入賞球側停留装置310の球停留板312と、アウト球側停留装置320の球停留板322とは、球回収処理(図41)のS3008及びS3014の処理によって、球が停留する位置に移動(閉鎖)されている。電源断の発生が検出されることにより、S1920の処理が実行されることで、入賞球側停留装置310とアウト球側停留装置320とは、図37(b)に示した状態となる。これにより、電源断の発生が検出された後に、各種入賞口3,4,5aに入球した球を、入賞球側停留装置310に停留させ、アウト口6に入球した球を、アウト球側停留装置320に停留させることができる。よって、電源断が発生したときに遊技盤30を流下している球や遊技盤30に発射された球、即ち、遊技に使用されなかった球を、入賞球側停留装置310またはアウト球側停留装置320のいずれか一方に停留させることができる。
入賞側停留装置310及びアウト側停留装置320に停留された球は、上述した通り、電源が再投入された場合に実行される立ち上げ処理の中で、図41に示す球回収処理が実行されることにより、入賞側停留装置310及びアウト側停留装置320から排出され、入賞球検出スイッチ47又はアウト球検出スイッチ48にて検出される。入賞球検出スイッチ47及びアウト球検出スイッチ48は、電源が再び投入された段階で正常に球を検出できるので、電源断が発生したときに遊技盤30を流下している球や遊技盤30に発射された球、即ち、遊技に使用されなかった球の数を正しく認識できるのである。
次いで、図43を参照して、第2実施形態における計数装置111内のMPU211により実行される第1球数判定処理(S1712)について説明する。図43は、この第1球数判定処理(S1712)を示すフローチャートである。
この第1球数判定処理は、第1実施形態と同様に、計数装置111内のMPU211によって実行される立ち上げ処理において実行される処理であり、電源投入後、扉枠14が閉じられた状態にあって遊技を開始可能な状態(球を発射可能な状態)となったときに、供給通路65に貯留されている球の数が、所定の数(本実施形態では50球)となっているか否かを確認するための処理である。
この第2実施形態における第1球数判定処理が、第1実施形態における第1球数判定処理と異なる点は、第1実施形態では、S1810の処理において、シリンダ錠21aが正面視右回りに回転操作されていないと判断されたり(S1810:No)、S1812の処理において扉枠14が閉じられたと判断されたりした場合に(S1812:Yes)、S1810の処理に戻るようにしたの対し、第2実施形態では、そのような場合に、S3051、S3052の処理を実行するようにした点である。
S3051の処理では、エラー解除ボタン120が操作されたか否かを判断し(S3051)、エラー解除ボタン120が操作されていないと判断される間は(S3051:No)、S1810の処理へ戻り、S1810〜S1812、S3051の処理を繰り返し実行する。そして、エラー解除ボタン120が操作されたと判断された場合(S3051:Yes)、S1810〜S1812、S3051のループ処理を抜けて、S3052の処理へ移行する。
このS1810〜S1812、S3051におけるループ処理により、各種エラーが報知された後、電子錠99のソレノイド99bを駆動する制御を実行することで、扉枠14を開放させることができる。これにより、ホール関係者は、各種エラーが報知された後、扉枠14を開放して遊技領域等に球が詰まって残っていないか確認することができる。また、S1810〜S1812、S3051におけるループ処理が行われている間に、内枠12を開放した状態で、レバー67cを引っ張って供給通路65に貯留されている球を球抜き通路67から抜き取り、球に問題がないか否かを手にとって調べたり、別の球を新たに供給通路65に入れ替えることができる。このようにして、エラー状態を解消するための対応をホール関係者が行った後、ホール関係者がエラー解除ボタン120を操作することにより、S3052の処理へ移行する。
S3052の処理では、エラー報知を解除し(S3052)、そして、S1801の処理へ戻り、再び、51球検出スイッチ91および50球検出スイッチ92の検出結果から、供給通路65に全て貯留されている球の数が50球であるか否かを判断する。そして、供給通路65に全て貯留されている球の数が50球であると判断されない限りにおいて、再びアンダーエラー報知、オーバーエラー報知、スイッチエラー報知のいずれかを報知し、再びS1810の処理へ移行する。
一方、S3052の処理から、S1801の処理へ回帰して、51球検出スイッチ91および50球検出スイッチ92の検出結果から、供給通路65に全て貯留されている球の数が50球であると判断された場合は、S1803の処理へ移行する。
このように、第2実施形態における第1球数判定処理では、各種エラーが報知されても、第1実施形態のようにループ状態(図23のS1810〜S1812の処理を参照)とならならず、エラー状態が解消されると、S1803の処理へ移行して、各種メモリ213c,213dや各種カウンタ213f,213gを初期化した上で、立ち上げ処理に戻る。これにより、第1実施形態のように、電源を再投入させなくても、計数装置111によってメイン処理が開始され、通常の処理が行われるので、手間無く計数装置111は球の貸し出しが可能な状態となり、遊技を行うことが可能となる。
次いで、図44を参照して、第2実施形態における計数装置111内のMPU211により実行されるコマンド判定処理(S1901)について説明する。図44は、このコマンド判定処理(S1901)を示すフローチャートである。コマンド判定処理は、第1実施形態と同様に、計数装置111内のMPU211によりメイン処理(図24参照)の中で実行される処理であり、主制御装置110より受信したコマンドを判定してそのコマンドに対応した処理を行うものである。
この第2実施形態におけるコマンド判定処理が、第1実施形態におけるコマンド判定処理と異なる点は、S2010の処理において、球判定コマンドを受信していないと判別された場合に(S2010:No)、次いで、オールスリープコマンドを受信したかを判別する処理(S3021)を実行する点である。
S3021の処理の結果、オールスリープコマンドを受信していないと判別される場合は(S3021:No)、S2012の処理へ移行する。一方、S3021の処理の結果、オールスリープコマンドを受信したと判別された場合は(S3021:Yes)、発射停止を発射制御装置112へ指示し(S3022)、次いで、オールスリープ解除コマンドを受信したかを判別する(S3023)。そして、オールスリープ解除コマンドが受信されない間は(S3023:No)、S3023の処理が繰り返し実行される。即ち、ループ処理に入る。これにより、球の発射が停止された状態が維持される。
オールスリープコマンドは、上述した通り、球詰まり等の異常によって循環している球の発射が不可能になり得る状況にある状況下において、オールスリープボタン301が操作されたことを主制御装置110が検出した場合に、主制御装置110によって送信されるコマンドである。主制御装置110では、このオールスリープコマンドを送信した後、ループ処理に入り、遊技の制御が停止される。
即ち、球詰まり等の異常によって循環している球の発射が不可能になり得る状況にある状況下において、オールスリープボタン301が操作されると、主制御装置110では遊技の制御が一時的に停止され、計数装置111では、球の発射が停止されるので、遊技の進行そのものを一時的に停止させることができる。
ここで、上述した通り、本実施形態のような機内循環式遊技機では、遊技者が球の装填を自由に行う事ができないため、球詰まりが発生すると、正規の数の球が循環しなくなり、球の発射そのものが遊技者の意図通りに行えないおそれがある。このようなことが、例えば大当たりのような遊技者にとって有利な状態にある場合に生じると、遊技の進行が停止しない限り、その有利な状態(大当たり)が時間の経過とともに終了してしまうので、遊技者に不利益を被させることになる。また、このような不利益が生じることを不安に思い、遊技者が安心して機内循環式遊技機で遊技を行わなくなるおそれがある。
これに対し、本実施形態におけるパチンコ機10では、球詰まり等の異常によって循環している球の発射が不可能になり得る状況にある場合に、遊技者がオールスリープボタン301を操作することで、遊技者の意思に沿って、遊技の進行を一時的に停止させることができるので、遊技者が不利益を被ることを抑制できる。また、遊技者が安心して遊技を行うことができる。
そして、S3023の処理の結果、オールスリープ解除コマンドを受信したと判別されると(S3023:Yes)、ループ処理を抜けて、発射許可を発射制御装置112へ指示し(S3024)、球の発射を再開して、コマンド判定処理を終了する。
オールスリープ解除コマンドは、上述した通り、主制御装置110にて遊技の制御が一時的に停止されている状況下において、オールスリープボタン301が操作されたことを主制御装置110が検出した場合に、主制御装置110によって送信されるコマンドである。主制御装置110では、このオールスリープ解除コマンドを送信した後、遊技の制御を再開する。
計数装置111は、オールスリープ解除コマンドを受信すると、上述した通り、球の発射を再開するので、主制御装置110の遊技の制御の再開とあわせて、遊技を再び進行させることができる。つまり、一時的に停止された遊技の進行を、遊技者が再度オールスリープボタン301を操作することによって、遊技者の意思により再開することができるのである。
次いで、図45の処理を参照して、第2実施形態における計数装置111内のMPU211により実行される第2球数判定処理(S2016)について説明する。図45は、この第2球数判定処理(S2016)を示すフローチャートである。この第2球数判定処理は、第1実施形態と同様に、メイン処理の一処理である循環球数計数処理の中で実行される処理である。
この第2実施形態における第2球数判定処理が、第1実施形態における第2球数判定処理と異なる点は、以下の通りである。即ち、S2215,S2217,S2220,S2222,S2224の処理によって各種エラーが報知された場合に、割込み禁止を設定した後(S2225)、エラー信号を主制御装置110へ送信する処理(S3201)を実行して、S2226の処理へ移行する。また、S2231の処理において、エラー解除ボタン120が操作されたと判断された場合に(S2231:Yes)、エラー報知を解除した後(S2232)、エラー解除信号を主制御装置110へ送信する処理(S3202)を実行して、S2233の処理へ移行する。
これらのエラー信号およびエラー解除信号を主制御装置110へ送信することにより、主制御装置110は、このエラー信号およびエラー解除信号の受信に基づき、エラーフラグ203cをオン・オフし、球詰まり等の異常によって循環している球の発射が不可能になり得る状況にあるかどうかを、主制御装置110で判断できるようにしている。そして、球詰まり等の異常によって循環している球の発射が不可能な状況にある場合に限り、オールスリープボタン301の操作を有効にしている。これにより、遊技を一時的に停止させる必要がない場合にまで、遊技者により遊技の進行が一時的に停止させられることを抑制できる。よって、遊技が問題なく行われている場合に、遊技者が誤ってオールスリープボタン301を操作して、遊技の進行が一時的に停止するといった事態が生じることを抑制できる。また、不正行為者によって、遊技が行える間に遊技の進行が一時的に停止させられ、その停止中に何らかの不正行為が行われることを抑制できる。
次いで、図46の処理を参照して、第2実施形態における計数装置111内のMPU211により実行される所持球計数処理(S1903)について説明する。図46は、この所持球計数処理(S1903)を示すフローチャートである。この所持球計数処理は、第1実施形態と同様に、メイン処理の中で実行される処理である。
この第2実施形態における所持球計数処理が、第1実施形態における所持球計数処理と異なる点は、次の通りである。即ち、第1実施形態における所持球計数処理(図28)では、遊技球検出スイッチ68aがオンされたか否かを判断し(S2310)、遊技球検出スイッチ68aがオンされていた場合に(S2310:Yes)、即ち、発射された球が球案内通路60を通って遊技盤13の上部へ球が案内されたことを遊技球検出スイッチ68aにより検出された場合に、所持球カウンタ203aを1減する処理(S2311)と、所持球変更フラグをオンする処理(S2312)とを実行した。
これに対し、第2実施形態では、このS2310の処理に代えて、S3211の処理を実行する。S3211の処理では、球送り検出スイッチ94がオンされたか否か、即ち、供給通路65から球発射ユニット66へ球が供給されたこと(球送りがされたこと)を球送り検出スイッチ94により検出されたか否かを判断する(S3211)。そして、球送り検出スイッチ94がオンされた場合(S3211:Yes)、即ち、供給通路65から球発射ユニット66へ球が供給されたこと(球送りがされたこと)を球送り検出スイッチ94により検出された場合に、所持球カウンタ203aを1減ずる処理(S2311)と、所持球変更フラグをオンする処理(S2312)とを実行する。一方、S3211の処理の結果、球送り検出スイッチ94がオンではなくオフである場合は(S3211:No)、S2311,S2312の処理をスキップしてS2313の処理へ移行する。
電源断という特別な事情がない限り、球送りがなされれば、必ずその送られた球は発射され、遊技に使用される。よって、球送りが検出された時点で所持球を更新することにより、遅滞なく、消費された球を所持球カウンタ203aに反映させることができる。ここで、第2実施形態におけるパチンコ機10では、球発射ユニット66が、必ず遊技領域まで案内される強度で球を発射する。即ち、通常の遊技において、球発射ユニット66により発射された球がファール球とならない強さで、球発射ユニット66を駆動する。
なお、本パチンコ機10では、球発射ユニット66を遊技盤13よりもパチンコ機10の下部に設け、発射した球をレール61,62で形成される球案内通路66を通じて、遊技領域に案内される場合について説明したが、球発射ユニット66を遊技盤13の上方左側に設け、その上方左側から直接遊盤13に向けて球を発射する構成としてもよい。これにより、発射された球はファール球とならず、必ず遊技領域に発射させることができる。
次いで、図47を参照して、第2実施形態における計数装置111内のMPU211により実行される扉枠開放処理(S1909)について説明する。図47は、この扉枠開放処理(S1909)を示すフローチャートである。この扉枠開放処理は、第1実施形態と同様に、メイン処理の中で実行される処理である。
この第2実施形態における扉枠開放処理が、第1実施形態における扉枠開放処理と異なる点は、S2406の処理において、扉枠14が閉じられたと判断されたか(S2406:Yes)、S2413の処理において、エラー解除ボタン120が操作されたと判断された場合に(S2413:Yes)、エラー報知を解除した後(S2407)、エラー解除信号を主制御装置110へ送信する処理(S3221)を実行して、S2408の処理へ移行する点である。
このエラー解除信号を主制御装置110へ送信することにより、主制御装置110は、このエラー解除信号および別の処理で送信されるエラー信号の受信に基づき、エラーフラグ203cをオン・オフし、球詰まり等の異常によって循環している球の発射が不可能になり得る状況にあるかどうかを、主制御装置110で判断できるようにしている。そして、球詰まり等の異常によって循環している球の発射が不可能な状況にある場合に限り、オールスリープボタン301の操作を有効にしている。これにより、遊技を一時的に停止させる必要がない場合にまで、遊技者により遊技の進行が一時的に停止させられることを抑制できるのである。
次いで、図48を参照して、第2実施形態における計数装置111内のMPU211により実行される第3球数判定処理(S2404,S2704,S2804)について説明する。図48は、この第3球数判定処理(S2404,S2704,S2804)を示すフローチャートである。この第3球数判定処理は、第1実施形態と同様に、扉枠開放処理、精算処理と、大当たり終了球判定処理との中で実行される処理である。
この第2実施形態における第3球数判定処理が、第1実施形態における第3球数判定処理と異なる点は、S2503,S2504,S2506,S2508,S2510,S2512の処理によって各種エラーが報知された場合に、エラー信号を主制御装置110へ送信する処理(S3231)を実行して、本処理を終了する点である。
このエラー信号を主制御装置110へ送信することにより、主制御装置110は、このエラー信号および別の処理で送信されるエラー解除信号の受信に基づき、エラーフラグ203cをオン・オフし、球詰まり等の異常によって循環している球の発射が不可能になり得る状況にあるかどうかを、主制御装置110で判断できるようにしている。そして、球詰まり等の異常によって循環している球の発射が不可能な状況にある場合に限り、オールスリープボタン301の操作を有効にしている。これにより、遊技を一時的に停止させる必要がない場合にまで、遊技者により遊技の進行が一時的に停止させられることを抑制できるのである。
次いで、図49を参照して、第2実施形態における計数装置111内のMPU211により実行される第4球数判定処理(S2408,S2714,S2814)について説明する。図49は、この第4球数判定処理(S2408,S2714,S2814)を示すフローチャートである。この第4球数判定処理は、第1実施形態と同様に、扉枠開放処理、精算処理と、大当たり終了球判定処理との中で実行される処理である。
この第2実施形態における第4球数判定処理が、第1実施形態における第4球数判定処理と異なる点は、S2603,S2604,S2606の処理によって各種エラーが報知された場合に、エラー信号を主制御装置110へ送信する処理(S3241)を実行して、本処理を終了する点である。
このエラー信号を主制御装置110へ送信することにより、主制御装置110は、このエラー信号および別の処理で送信されるエラー解除信号の受信に基づき、エラーフラグ203cをオン・オフし、球詰まり等の異常によって循環している球の発射が不可能になり得る状況にあるかどうかを、主制御装置110で判断できるようにしている。そして、球詰まり等の異常によって循環している球の発射が不可能な状況にある場合に限り、オールスリープボタン301の操作を有効にしている。これにより、遊技を一時的に停止させる必要がない場合にまで、遊技者により遊技の進行が一時的に停止させられることを抑制できるのである。
次いで、図50を参照して、第2実施形態における計数装置111内のMPU211により実行される精算処理(S1904)について説明する。図50は、この精算処理(S1904)を示すフローチャートである。この精算処理は、第1実施形態と同様に、メイン処理の中で実行される処理である。
この第2実施形態における精算処理が、第1実施形態における精算処理と異なる点は、S2713の処理によってエラー報知が解除された後に、エラー解除信号を主制御装置110へ送信し(S3251)、S2714の処理へ移行する点である。
このエラー解除信号を主制御装置110へ送信することにより、主制御装置110は、このエラー解除信号および別の処理で送信されるエラー信号の受信に基づき、エラーフラグ203cをオン・オフし、球詰まり等の異常によって循環している球の発射が不可能になり得る状況にあるかどうかを、主制御装置110で判断できるようにしている。そして、球詰まり等の異常によって循環している球の発射が不可能な状況にある場合に限り、オールスリープボタン301の操作を有効にしている。これにより、遊技を一時的に停止させる必要がない場合にまで、遊技者により遊技の進行が一時的に停止させられることを抑制できるのである。
次いで、図51を参照して、第2実施形態における計数装置111内のMPU211により実行される大当たり終了球判定処理(S1905)について説明する。図51は、この精算処理(S1905)を示すフローチャートである。この大当たり終了球判定処理は、第1実施形態と同様に、メイン処理の中で実行される処理である。
の第2実施形態における大当たり終了球判定処理が、第1実施形態における大当たり終了球判定処理と異なる点は、S2813の処理によってエラー報知が解除された後に、エラー解除信号を主制御装置110へ送信し(S3261)、S2814の処理へ移行する点である。
このエラー解除信号を主制御装置110へ送信することにより、主制御装置110は、このエラー解除信号および別の処理で送信されるエラー信号の受信に基づき、エラーフラグ203cをオン・オフし、球詰まり等の異常によって循環している球の発射が不可能になり得る状況にあるかどうかを、主制御装置110で判断できるようにしている。そして、球詰まり等の異常によって循環している球の発射が不可能な状況にある場合に限り、オールスリープボタン301の操作を有効にしている。これにより、遊技を一時的に停止させる必要がない場合にまで、遊技者により遊技の進行が一時的に停止させられることを抑制できるのである。
次いで、図52を参照して、第2実施形態における計数装置111内のMPU211により実行される通常時球判定処理(S1906)について説明する。図52は、この通常時球判定処理(S1906)を示すフローチャートである。この通常時球判定処理は、第1実施形態と同様に、メイン処理の中で実行される処理である。
この第2実施形態における通常時球判定処理が、第1実施形態における通常時球判定処理と異なる点は、S2906,S2911の処理によって各種エラーが報知された場合に、エラー信号を主制御装置110へ送信する処理(S3271)を実行して、通常時球判定処理を終了する点である。
このエラー信号を主制御装置110へ送信することにより、主制御装置110は、このエラー信号および別の処理で送信されるエラー解除信号の受信に基づき、エラーフラグ203cをオン・オフし、球詰まり等の異常によって循環している球の発射が不可能になり得る状況にあるかどうかを、主制御装置110で判断できるようにしている。そして、球詰まり等の異常によって循環している球の発射が不可能な状況にある場合に限り、オールスリープボタン301の操作を有効にしている。これにより、遊技を一時的に停止させる必要がない場合にまで、遊技者により遊技の進行が一時的に停止させられることを抑制できるのである。
次いで、図53を参照して、発射制御装置112により実行される発射制御処理について説明する。図53は、この発射制御処理を示すフローチャートである。この発射制御処理では、計数装置111から球の発射が許可されている場合に、遊技者が操作ハンドル39に触れていることをタッチセンサ39aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ39bがオフ(操作されていないこと)を条件に、供給通路65から球発射ユニット66に球を供給する(球送りする)制御と、球発射ユニット66を駆動して、操作ハンドルの回転操作量に応じた発射強度で球を発射する制御とを行う。また、計数装置111より1球の球発射指示があった場合は、供給通路65から球発射ユニット66に球を供給することなく(球送りすることなく)、球発射ユニット66を駆動する制御を行う。
この発射制御処理では、まず、計数装置111より1球の球発射指示があるか否かを判断する(S3501)。その結果、1球の球発射指示があれば(S3501:Yes)、球発射ユニット66を駆動し(S3502)、S3503の処理へ移行する。一方、1球の球発射指示がなければ(S3501:No)、S3502の処理をスキップして、S3503の処理へ移行する。
上述した通り、1球の球発射指示は、電源が再投入された場合に計数装置111が立ち上げ処理の一処理である球回収処理(図41)の中で発射制御装置112に対し送信するものである。発射制御装置112は、1球の球発射指示を受けると、供給通路65から球発射ユニット66への球の供給(球送り)を行わずに、球発射ユニット66を1回だけ駆動することになる。即ち、電源が再投入された場合に、無条件に(球発射ユニット66に球が供給されているか否かにかかわらず)球発射ユニット66が駆動される。このとき、球が発射ユニット66に留め置かれていれば、その留め置かれていた球が発射される。一方、球が発射ユニット66に留め置かれていなければ、空打ちとなる。
後述する通り、発射制御装置112は、供給通路65から球発射ユニット66に球を供給した後、球を発射する前に、計数装置111より電源断コマンドを受信すると、その供給した球を発射せずに球発射ユニット66に留め置く。
これは、球を発射しようと供給通路65から球発射ユニット66へ球を供給した段階で、電源断の発生が検出されたときに、そのまま球発射ユニット66を駆動して供給された球を発射しても、電源断の発生が検出されて以後は、一般入賞スイッチ44、始動入賞スイッチ45、特定入賞スイッチ46において球の検出が行われず、入賞に伴う賞球も行われないからである。
また、電源断が発生すると、各種入賞口3,4,5aへ入賞した球を検出する入賞球検出スイッチ47や、アウト口6に入球した球を検出するアウト球検出スイッチ48も、正常に動作できない状態となって、電源断発生後に、各種入賞口3,4,5aやアウト口6に球が入球しても、その入球した球をそのまま排出通路42へ排出すると、その球が検出できず、電源断があった後は、遊技に使用されなかった球の数を正しく認識することができないおそれがあるからである。
一方で、供給通路65から球発射ユニット66へ球が供給されると、所持球カウンタ213aや循環球数メモリ213cは1減算される。よって、遊技に使用されずに供給通路65に戻ってきた球の数が正しく認識できないと、所持球カウンタ213aや循環球数メモリ213cの値が正しい値に更新できないので、遊技に使用しなかったにもかかわらず所持球カウンタ213aの値が減って遊技者の不利益を被らせたり、供給通路65に貯留されている球の数(循環球数)が正しく計数できないがためにエラーが報知されたりするおそれがあった。
本パチンコ機10では、供給通路65から球発射ユニット66に球を供給した後、球を発射する前に、計数装置111より電源断コマンドを受信すると、その供給した球を発射せずに球発射ユニット66に留め置く一方、電源が再投入されたときに、無条件に球発射ユニット66を駆動することで、球が発射ユニット66に留め置かれていれば、その留め置かれていた球を発射する。その後、その発射された球は、入賞球検出スイッチ47又はアウト球検出スイッチ48にて検出されるので、その検出に基づいて、所持球カウンタ213a及び循環球数メモリ213cを1加算することにより、遊技に使用されなかった球が所持球カウンタ213aから減ぜられることを防いで遊技者の利益を守ったり、循環球数を正しく計数してエラーが報知されることを抑制したりすることができる。
次いで、S3503では、計数装置111より発射許可の指示があったか否かを判断する(S3503)。その結果、発射許可の指示がない場合は(S3503:No)、S3501の処理へ回帰する。これにより、発射許可の指示がない場合は、球の発射が行われない。よって、この場合は、遊技者が操作ハンドル39を操作しても球が発射されることがない。
一方、発射許可があった場合は(S3503:Yes)、次いで、操作ハンドル39のタッチセンサ39aが触れられているかを判断する(S3504)。そして、タッチセンサ39aが触れられていれば(S3504:Yes)、更に、操作ハンドル39の打ち止めスイッチ39bはオフされているかを判断する(S3505)。
その結果、操作ハンドルのタッチセンサ39aが触れられており(S3504:Yes)、且つ、操作ハンドル39の打ち止めスイッチ39bがオフの場合は(S3505:Yes)、球を発射するために、球発射ユニット66へ球を送る(S3506)。
次いで、電源断コマンドを計数装置111より受信したか否かを判断し(S3507)、電源断コマンドを受信していなければ(S3507:No)、操作ハンドル39の回転操作量に応じた打ち出し強さで球発射ユニット66を駆動する(S3508)。これにより、球が遊技領域に向けて発射される。
そして、再び、電源断コマンドを計数装置111より受信したか否かを判断し(S3509)、電源断コマンドを受信していなければ(S3509:No)、計数装置111より発射停止の指示があるか否かを判断する(S3510)。その結果、発射停止の指示がなければ(S3510:No)、S3506の処理により球発射ユニット66へ球を送ってから610ミリ秒経過したか否かを判断し(S3511)、610ミリ秒経過していなければ(S3511:No)、S3509の処理へ回帰する。また、球発射ユニット66へ球を送ってから610ミリ秒経過していれば(S3511:Yes)、S3504の処理へ回帰する。S3511の処理により、少なくとも610ミリ秒の間をあけて、球が遊技領域に向けて発射される。
一方、3504の結果、操作ハンドル39のタッチセンサ39aが触れられていない場合(S3504:No)、または、S3505の処理の結果、操作ハンドル39の打ち止めスイッチ39bがオンされている場合は(S3505:No)、S3509の処理へ移行する。これにより、操作ハンドル39のタッチセンサ39aが触れられていない場合や、操作ハンドル39の打ち止めスイッチ39bがオンされている場合は、球が発射されない。
なお、S3504の処理により、操作ハンドル39のタッチセンサ39aが触れられていないと判断された場合(S3504:No)と、S3505の処理により、操作ハンドル39の打ち止めスイッチ39bがオンされていると判断された場合(S3505:No)とでは、S3506の処理がスキップされ、球発射ユニット66への球の供給が行われないが、この場合におけるS3511の判断では、常に「球発射ユニット66へ球を送ってから610ミリ秒経過した(S3511:Yes)」と判断して処理することで、S3509〜S3511の処理で無限ループに陥ることを抑制している。
また、S3507の処理、又は、S3509の処理において、電源断コマンドを受信していると判断された場合は(S3507:No,S3509:No)、S3501の処理へ回帰する。電源断コマンドは、計数装置111において電源断の発生が検出された場合に、発射制御装置112に対して送信されるコマンドである。S3507及びS3509の処理によって、電源断が発生した場合に、球の発射が停止され、S3501〜S3503のループ処理に入って、電源が完全に断されるまで待機する。
特に、S3507の処理では、S3506の処理により球発射ユニット66へ球が供給された後であって、球が球発射ユニット66により発射される前に、電源断コマンドが受信したか否かを判断している。そして、電源断コマンドを受信した場合、即ち、電源断の発生が検出された場合は(S3507:Yes)、球発射ユニット66へ供給した球を発射することなく、S3501の処理へ移行するので、球を球発射ユニット66に留め置いたまま、電源が完全に遮断されるまで待機する。
ここで留め置かれた球は、上述した通り、電源が再投入されたときに、無条件に球発射ユニット66を駆動することで、発射される。その後、その発射された球は、入賞球検出スイッチ47又はアウト球検出スイッチ48にて検出されるので、その検出に基づいて、所持球カウンタ213a及び循環球数メモリ213cを1加算することにより、遊技に使用されなかった球が所持球カウンタ213aから減ぜられることを防いで遊技者の利益を守ったり、循環球数を正しく計数してエラーが報知されることを抑制したりすることができる。
また、S3510の処理により、発射停止の指示があると判断された場合(S3510:Yes)、S3501の処理へ戻る。これにより、計数装置111より発射停止の指示があった場合は、S3501〜S3503のループ処理に入るので、計数装置111より発射許可の指示があるまで、遊技者が操作ハンドル39を操作しても、球が発射されない状態となる。
以上説明した通り、第2実施形態のパチンコ機10によれば、供給通路65から球発射ユニット66へ球が供給されたこと(球送りされたこと)を球送り検出スイッチ94により検出された場合に、球が消費されたとして、所持球カウンタ213aを1減算する。電源断という特別な事情がない限り、球送りがなされれば、必ずその送られた球は発射され、遊技に使用される。よって、球送りが検出された時点で所持球を更新することにより、遅滞なく、消費された球を所持球カウンタ203aに反映させることができる。
また、第2実施形態のパチンコ機10では、電源断が検出されると、それ以後に一般入賞口3、始動入賞口4、特定入賞口5aへ入賞した球を入賞球検出スイッチ47よりも上流側で一時的に停留し、また、電源断が検出されて以後にアウト口6に入った球をアウト球検出スイッチ48よりも上流側で一時的に停留する。そして、電源が再投入された場合に計数装置111にて実行される立ち上げ処理において、入賞球検出スイッチ47よりも上流側で停留されていた球を流下させ、入賞球検出スイッチ47でその球が検出される毎に、その球が遊技に使用されなかったものとして、所持球カウンタ213aの値を1加算する。また、その立ち上げ処理において、アウト球検出スイッチ48よりも上流側で停留されていた球を流下させ、アウト球検出スイッチ48でその球が検出される毎に、その球が遊技に使用されなかったものとして、所持球カウンタ213aの値を1加算する。
ここで、電源断が発生したときに、遊技盤30を流下している球や遊技盤30に発射された球が存在していると、その球が各種入賞口3,4,5aに入球した段階で、一般入賞口3に入賞した球を検出する一般入賞スイッチ44、始動入賞口4に入賞した球を検出する始動入賞スイッチ45、特定入賞口5aに入賞した球を検出する特定入賞スイッチ46が、正常に動作できない状態となっているおそれがある。そのため、本パチンコ機10では、電源断の発生を検出して以後は、一般入賞スイッチ44、始動入賞スイッチ45、特定入賞スイッチ46における球の検出を確認せず、入賞に伴う賞球も行わないようにしている。つまり、電源断が発生したときに存在している、遊技盤30を流下している球や遊技盤30に発射された球は、遊技に使用されなかった球と見なすことができる。
一方で、電源断が発生すると、各種入賞口3,4,5aへ入賞した球を検出する入賞球検出スイッチ47や、アウト口6に入球した球を検出するアウト球検出スイッチ48も、正常に動作できない状態となっているおそれがある。よって、電源断発生後に、各種入賞口3,4,5aやアウト口6に球が入球しても、その入球した球をそのまま排出通路42へ排出すると、その球が検出できないおそれがあった。従って、電源断があった後は、遊技に使用されなかった球の数を正しく認識することができないおそれがあった。
また、遊技者が遊技に使用できる所持球の数は、計数装置111において、所持球カウンタ213aを使用して、球が遊技領域へ発射される段階(本実施形態においては、発射ユニット66へ球を供給した段階)で1減算される。上述した通り、電源断が発生したときに遊技盤30を流下している球や遊技盤30に発射された球、即ち、遊技に使用されなかった球の数は、電源断された後に正しく認識できない。よって、第1実施形態のようなパチンコ機10では、球が遊技領域へ発射されてしまうと、電源断によってその球が遊技に使用されなかったとしても、その遊技に使用されなかった球の数を所持球カウンタ213aに加算できず、遊技に使用されなかった球も所持球カウンタ213aから減ぜられるおそれがあり、遊技者に不利益を被らせるおそれがあった。
また、本パチンコ機10は、球をパチンコ機10内で循環して遊技に使用するものであるので、パチンコ機10で循環している球の数を監視するために、供給通路65に貯留された球の数を循環球数として、循環球数メモリ213cを用いて計数している。この循環球数メモリ213cは、入賞球検出スイッチ47やアウト球検出スイッチ48で球が検出された場合に、供給通路65へ球が戻ってきたものとして1加算される。しかしながら、上述した通り、電源断が発生すると、各種入賞口3,4,5aへ入賞した球を検出する入賞球検出スイッチ47や、アウト口6に入球した球を検出するアウト球検出スイッチ48が、正常に動作できない状態となるおそれがある。これにより、第1実施形態のようなパチンコ機10では、電源断が発生したときに遊技盤30を流下している球や遊技盤30に発射された球が、入賞球検出スイッチ47やアウト球検出スイッチ48で検出されず、循環球数を正しく循環球数メモリ213cで計数できないおそれがあった。よって、供給通路65に所定数の球が貯留されているにもかかわらず、循環球数メモリ213cでは循環球数を正しく計数できていないがために、エラーを報知してしまうおそれがあった。
これに対し、第2実施形態におけるパチンコ機10では、電源断の発生を検出すると、その後に各種入賞口3,4,5aに入球した球を、入賞球側停留装置310に停留させ、アウト口6に入球した球を、アウト球側停留装置320に停留させる。そして、電源が再投入された場合に、入賞球側停留装置310に停留された球を流下させて、その流下させた球を入賞球検出スイッチ47に検出させる。また、アウト球側停留装置320に停留された球を流下させて、その流下させた球をアウト球検出スイッチ48に検出させる。
入賞球検出スイッチ47及びアウト球検出スイッチ48は、電源が再び投入された段階で正常に球を検出できる。これにより、電源断が発生したときに遊技盤30を流下している球や遊技盤30に発射された球、即ち、遊技に使用されなかった球の数を正しく認識できる。よって、この球の数を、所持球カウンタ213aに加算することにより、遊技に使用されなかった球が所持球カウンタ213aから減ぜられることを防ぐことができる。従って、遊技者の利益を守ることができる。また、この方法によって、入賞球検出スイッチ47及びアウト球検出スイッチ48で検出された球の数を、循環球数メモリ213cにも加算することによって、供給通路65に貯留されている球の数(循環球数)を正しく計数できる。よって、供給通路65に所定数の球が貯留されているにもかかわらず、エラーが報知されることを抑制できる。
また、第2実施形態のパチンコ機10によれば、球発射ユニット66へ球を供給した後であってその球を発射する前に電源断が検出された場合、球の発射を行わず、供給された球を球発射ユニット66に留め置く。そして、電源が再投入された場合に計数装置111にて実行される立ち上げ処理において、無条件に(球発射ユニット66に球が留め置かれているか否かにかかわらず)球発射ユニット66を駆動する。その後、入賞球検出スイッチ47又はアウト球検出スイッチ48において球が検出された場合、電源断直前に球発射ユニット66へ球が供給されたにもかかわらず、電源断によってその供給された球が球発射ユニット66に留め置かれて遊技に使用されなかった(球が消費されなかった)ことを意味するので、その球の供給によって減ぜられていた所持球カウンタ213aの値を1加算する。
球を発射しようと供給通路65から球発射ユニット66へ球を供給した段階(球送りした段階)で、電源断の発生が検出される場合、そのまま球発射ユニット66を駆動して供給された球を発射しても、電源断の発生が検出されて以後は、一般入賞スイッチ44、始動入賞スイッチ45、特定入賞スイッチ46における球の検出を確認せず、入賞に伴う賞球も行わないようにしているので、その発射した球も遊技に使用されなかった球と見なすことができる。
一方で、電源断が発生すると、各種入賞口3,4,5aへ入賞した球を検出する入賞球検出スイッチ47や、アウト口6に入球した球を検出するアウト球検出スイッチ48も、正常に動作できない状態となっているおそれがある。よって、電源断発生後に、各種入賞口3,4,5aやアウト口6に球が入球しても、その入球した球をそのまま排出通路42へ排出すると、その球が検出できないおそれがあった。従って、電源断があった後は、遊技に使用されなかった球の数を正しく認識することができないおそれがあった。
また、電源断が発生したさ状態で球発射ユニット66を駆動して球を発射しようとしても、球発射ユニット66に十分な駆動電圧が供給されず、発射強度が弱くて、遊技領域に球が案内されずにファール球となったり、球発射ユニット66に球が残ったままとなったりするおそれもあった。
これに対し、第2実施形態におけるパチンコ機10では、球発射ユニット66へ球を供給した後であってその球を発射する前に電源断が検出された場合、球の発射を行わず、供給された球を球発射ユニット66に留め置く。そして、電源が再投入された場合に実行される立ち上げ処理の中で、無条件に(球発射ユニット66に球が留め置かれているか否かにかかわらず)球発射ユニット66が駆動される。これにより、電断時に球発射ユニット66に供給された球が発射されずに残っていれば(発射ユニット66に球が留め置かれていれば)、その球が発射され、遊技盤13を流下して、入賞口3,4,5a又はアウト口6へ入球する。
ここで、入球した球は、入賞球側停留装置310またはアウト球側停留装置320のいずれかに停留される。そして、ここで入賞球側停留装置310またはアウト球側停留装置320のいずれかに停留された球は、入賞球検出スイッチ47またはアウト球検出スイッチ48に検出される。入賞球検出スイッチ47及びアウト球検出スイッチ48は、電源が再び投入された段階で正常に球を検出できる。よって、球発射ユニット66へ球を供給した後であってその球を発射する前に電源断が検出されたことにより、その球発射ユニット66へ供給されて、遊技に使用されなかった球を正しく認識することができる。また、電源が再投入された場合に実行される立ち上げ処理の中で、無条件に(球発射ユニット66に球が留め置かれているか否かにかかわらず)球発射ユニット66を駆動すればよいので、球発射ユニット66に球が留め置かれているか否かを判断する必要がなく、容易に球発射ユニット66へ球を供給した後であってその球を発射する前に電源断が検出されたことにより、その球発射ユニット66へ供給されて、遊技に使用されなかった球を正しく認識することができる。
よって、入賞球検出スイッチ47及びアウト球検出スイッチ48で検出された球の数(遊技に使用されなかった球の数)を、所持球カウンタ213aに加算することにより、遊技に使用されなかった球が所持球カウンタ213aから減ぜられることを防ぐことができる。従って、遊技者の利益を守ることができる。また、この方法によって、入賞球検出スイッチ47及びアウト球検出スイッチ48で検出された球の数(遊技に使用されなかった球の数)を、循環球数メモリ213cにも加算することによって、供給通路65に貯留されている球の数(循環球数)を正しく計数できる。よって、供給通路65に所定数の球が貯留されているにもかかわらず、エラーが報知されることを抑制できる。
また、第2実施形態のパチンコ機10では、遊技者が遊技中に操作可能なオールスリープボタン301をパチンコ機10に設置し、球詰まり等の重篤なエラーが発生している状況でオールスリープボタン301が操作された場合に遊技の進行を一時的に停止させる。
本実施形態のような機内循環式遊技機では、遊技者が球の装填を自由に行う事ができないため、球詰まりが発生すると、正規の数の球が循環しなくなり、球の発射そのものが遊技者の意図通りに行えないおそれがある。このようなことが、例えば大当たりのような遊技者にとって有利な状態にある場合に生じると、遊技の進行が停止しない限り、その有利な状態(大当たり)が時間の経過とともに終了してしまうので、遊技者に不利益を被させることになる。また、このような不利益が生じることを不安に思い、遊技者が安心して機内循環式遊技機で遊技を行わなくなるおそれがある。
これに対し、本実施形態におけるパチンコ機10では、球詰まり等の異常によって循環している球の発射が不可能になり得る状況にある場合に、遊技者がオールスリープボタン301を操作することで、遊技者の意思に沿って、遊技の進行を一時的に停止させることで、遊技者が不利益を被ることを抑制できる。また、遊技者が安心して遊技を行うことができる。
また、本パチンコ機10では、球詰まり等の異常によって循環している球の発射が不可能になり得る状況にある場合に限り、オールスリープボタン301の操作を有効にする。即ち、遊技者がオールスリープボタン301を操作して遊技の進行を一時的に停止させることができるのは、球詰まり等の異常によって循環している球の発射が不可能になり得る状況にある場合に限られる。これにより、遊技を一時的に停止させる必要がない場合にまで、遊技者により遊技の進行が一時的に停止させられることを抑制できる。よって、遊技が問題なく行われている場合に、遊技者が誤ってオールスリープボタン301を操作して、遊技の進行が一時的に停止するといった事態が生じることを抑制できる。また、不正行為者によって、遊技が行える間に遊技の進行が一時的に停止させられ、その停止中に何らかの不正行為が行われることを抑制できる。
その他、第2実施形態におけるパチンコ機10では、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一の構成によって、第1実施形態におけるパチンコ機10で奏する効果と同一の効果を奏する。
次いで、図54〜図57を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。なお、第3実施形態におけるパチンコ機10について、第2実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第2実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
第2実施形態におけるパチンコ機10では、電源が再び投入された場合に、無条件に(球発射ユニット66に球が供給されているか否かにかかわらず)球発射ユニット66を駆動して、1球のみの球の発射を実行した。これに対し、第3実施形態では、電源が再び投入された場合に、球発射ユニット66に供給された球が留め置かれている場合に限り、球発射ユニット66を駆動して、その残っている球を球発射ユニット66に発射させる。
図54は、第3実施形態における計数装置111、発射制御装置112およびカードサンド装置71の電気的構成を示すブロック図である。第3実施形態におけるパチンコ機10では、発射装置112から計数装置111に対して、球送り信号と、球発射信号が送信される。また、計数装置111は、第2実施形態における計数装置111と比して、RAM213に、球送りフラグ213kを設けている。
球送り信号は、発射制御装置112において、供給通路65から球発射ユニット66に対して球を供給した場合(球送りした場合)に、計数装置111に対して送信される信号である。また、球発射信号は、発射制御装置112において、球発射ユニット66を駆動して球を発射した場合に、計数装置111に対して送信される信号である。計数装置111では、この球送り信号と球発射信号とから、球発射ユニット66に球が送られた状態にあるか否かを判断する。
球送りフラグ213kは、球発射ユニット66に球が送られた状態にあるか否かを示すフラグであり、オンの場合に球発射ユニット66に球が送られた状態にあることを示し、オフの場合に球発射ユニット66に球が送られた状態にないことを示す。
球送りフラグ213kは、電源が投入されたときにRAM213の記憶内容が破壊されていると判断される場合(図40のS1756:Noの場合)や、RAM消去スイッチ回路253が押下されたときに主制御装置110より送信される初期化コマンドを受信した場合(図44のS2001:Yesの場合)に実行される、RAM213の初期設定(図40のS1765や図44のS2003)において、初期値としてオフが設定される。
そして、計数装置111は、球発射装置112から球送り信号を受信すると、球送りフラグ213kをオンに設定し、球発射ユニット66に球が送られた状態にあることを示す。また、計数装置111は、球発射装置112から球発射信号を受信すると、球送りフラグ213kをオフに設定し、球発射ユニット66に送られていた球が発射されたために、球発射ユニット66に球が送られた状態にないこと(即ち、球発射ユニット66に球がない状態にあること)を示す。
この球送りフラグ213kは、電源が投入された場合に実行される立ち上げ処理の球回収処理(図56参照)の中で参照される(S3701)。ここで、球送りフラグ213kが設けられたRAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。よって、球回収処理において、球送りフラグ213kがオンであるか否かを判断することにより、電源断前に、球が球発射ユニット66に送られたまま、発射されずに球発射ユニット66に留め置かれているか否かを判断することができる。
即ち、球発射ユニット66へ球を供給した後であってその球を発射する前に電源断が検出された場合、第3実施形態におけるパチンコ機10では、第2実施形態におけるパチンコ機10と同様に、球の発射を行わず、供給された球を球発射ユニット66に留め置く。
これは、第2実施形態でも説明した通り、球を発射しようと供給通路65から球発射ユニット66へ球を供給した段階で、電源断の発生が検出されたときに、そのまま球発射ユニット66を駆動して供給された球を発射しても、電源断の発生が検出されて以後は、一般入賞スイッチ44、始動入賞スイッチ45、特定入賞スイッチ46において球の検出が行われず、入賞に伴う賞球も行われない、即ち、この発射した球は、遊技に使用されないからである。
また、電源断が発生すると、各種入賞口3,4,5aへ入賞した球を検出する入賞球検出スイッチ47や、アウト口6に入球した球を検出するアウト球検出スイッチ48も、正常に動作できない状態となって、電源断発生後に、各種入賞口3,4,5aやアウト口6に球が入球しても、その入球した球をそのまま排出通路42へ排出すると、その球が検出できず、電源断があった後は、遊技に使用されなかった球の数を正しく認識することができないおそれがあるからである。
一方で、供給通路65から球発射ユニット66へ球が供給されると、所持球カウンタ213aや循環球数メモリ213cは1減算される。よって、遊技に使用されずに供給通路65に戻ってきた球の数が正しく認識できないと、所持球カウンタ213aや循環球数メモリ213cの値が正しい値に更新できないので、遊技に使用しなかったにもかかわらず所持球カウンタ213aの値が減って遊技者の不利益を被らせたり、供給通路65に貯留されている球の数(循環球数)が正しく計数できないがためにエラーが報知されたりするおそれがあった。
そこで、本パチンコ機10では、供給通路65から球発射ユニット66に球を供給した後、球を発射する前に、計数装置111より電源断コマンドを受信すると、その供給した球を発射せずに球発射ユニット66に留め置く一方、電源が再投入されたときに、球発射ユニット66に球が留め置かれていれば、球発射ユニット66を駆動することで、その留め置かれていた球を発射する。
ここで、球発射ユニット66へ球を供給した場合、本パチンコ機10では、発射制御装置112が計数装置111に対して球送り信号を送信するように構成しているので、球送りフラグ213kがオンに設定される。そして、電源断が検出され、球の発射が行われずに、供給された球が球発射ユニット66に留め置かれると、発射制御装置112から計数装置111に対して球発射信号が送信されないため、球送りフラグ213kがオンされたまま、電源が完全に断される。上述した通り、RAM213はバックアップされているので、電源が断されている間も、球送りフラグ213kはオンされたままとなる。よって、球回収処理において、球送りフラグ213kがオンであれば、電源断前に、球が球発射ユニット66に送られたまま、発射されずに球発射ユニット66に留め置かれていることを判断することができる。
そして、第3実施形態におけるパチンコ機10では、その球回収処理において、球送りフラグ213kがオンである場合に限り、即ち、電源断前に球発射ユニット66に対して送られた球が発射されずに球発射ユニット66に留め置かれている場合に限り、球発射ユニット66を駆動して、その残っている球を球発射ユニット66に発射させる。ここで発射された球は、入賞球検出スイッチ47又はアウト球検出スイッチ48にて検出されるので、その検出に基づいて、所持球カウンタ213a及び循環球数メモリ213cを1加算することにより、遊技に使用されなかった球が所持球カウンタ213aから減ぜられることを防いで遊技者の利益を守ったり、循環球数を正しく計数してエラーが報知されることを抑制したりすることができる。
また、第3実施形態におけるパチンコ機10では、電源断時に球発射ユニット66に送られた球が、発射されずに留め置かれている場合にのみ球の発射を行うので、球が残っていない場合に、無駄に球発射ユニット66が駆動されることを抑制できる。
ここで、図55を参照して、第3実施形態における発射制御装置112により実行される発射制御処理について説明する。図55は、この発射制御処理を示すフローチャートである。この発射制御処理は、第2実施形態における発射制御処理(図53)と同様に、計数装置111から球の発射が許可されている場合に、遊技者が操作ハンドル39に触れていることをタッチセンサ39aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ39bがオフ(操作されていないこと)を条件に、供給通路65から球発射ユニット66に球を供給する(球送りする)制御と、球発射ユニット66を駆動して、操作ハンドルの回転操作量に応じた発射強度で球を発射する制御とを行う。また、計数装置111より1球の球発射指示があった場合は、供給通路65から球発射ユニット66に球を供給することなく(球送りすることなく)、球発射ユニット66を駆動する制御を行う。
第3実施形態における発射制御処理が、第2実施形態における発射制御処理と異なる点は、S3506の処理により、供給通路65から球発射ユニット66に向けて球が供給される(球が送られる)と、球送り信号を計数装置112へ送信し(S3551)、S3507の処理へ移行する点と、S3508の処理により、球発射ユニット66が駆動されて球発射ユニット66に送られていた球が発射されると、球発射信号を計数装置112へ送信し(S3552)、S3509の処理へ移行する点である。
このように、発射制御装置112は、発射制御処理を実行することにより、供給通路65から球発射ユニット66に対して球が供給されると(球送りされると)、球送り信号が計数装置111に対して送信され、球発射ユニット66を駆動して球が発射されると、計数装置111に対して球発射信号が送信される。計数装置111では、この球送り信号と球発射信号とに基づいて、球送りフラグ213kを更新し、その球送りフラグ213kの値に基づいて、球発射ユニット66に球が送られた状態にあるか否かを判断する。
次いで、図56を参照して、第3実施形態における計数装置111により実行されるメイン処理について説明する。図56は、この計数装置111により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理が、第2実施形態(第1実施形態)における計数装置111により実行されるメイン処理と相違する点は、S3601〜S3604の処理が追加された点である。
第3実施形態におけるメイン処理では、S3601〜S3604の処理が、1m秒周期の定期処理の残余時間の中で実行される。そして、その残余時間において、S1908の判断によりシリンダ錠21aが正面視右回りに回転操作されていないと判断された場合(S1908:No)と、S1908の判断によりシリンダ錠21aが正面視右回りに回転操作されたと判断されて(S1908:Yes)、扉枠開放処理(S1909)が実行された後とに、S3601の処理が実行される。
このS3601の処理では、発射制御装置112より球送り信号を受信したか否かを判断する(S3601)。その結果、球送り信号が受信されていれば(S3601:Yes)、球送りフラグ213kをオンに設定して(S3602)、S3603の処理へ移行し、球送り信号が受信されていなければ(S3601:No)、そのままS3603の処理へ移行する。S3603の処理では、発射制御装置112より球発射信号を受信したか否かを判断する(S3603)。その結果、球発射信号が受信されていれば(S3603:Yes)、球送りフラグ213kをオフに設定して(S3604)、S1910の処理へ移行し、球送り信号が受信されていなければ(S3604:No)、そのままS1910の処理へ移行する。
このように、計数装置111では、S3601〜S3604の処理を、1m秒周期の定期処理の残余時間の中で繰り返し実行することにより、球発射装置112から送信される球送り信号と球発射信号に基づいて、球送りフラグ213kを更新することができる。よって、計数装置111は、球送りスイッチ213kにより、球発射ユニット66に球が送られた状態にあるか否かを判定できる。
次いで、図57を参照して、第3実施形態における計数装置111により、電源の投入時に実行される立ち上げ処理の一処理である球回収処理について説明する。図57は、この球回収処理を示すフローチャートである。この球回収処理が、第2実施形態(第1実施形態)における計数装置111により実行される球回収処理と相違する点は、球回収処理が実行されると、まず、球送りフラグ213kがオンか否かを判断する点である(S3701)。
そして、球送りフラグ213kがオンの場合は(S3701:Yes)、電源断前に、球が球発射ユニット66に送られたまま、発射されずに球発射ユニット66に留め置かれているので、球送りフラグ213kをオフに設定した後(S3702)、S3001の処理へ移行し、1球の球発射を発射制御装置112へ指示する(S3001)。発射制御装置112は、1球の球発射指示を受けると、供給通路65から球発射ユニット66への球の供給(球送り)を行わずに、球発射ユニット66を1回だけ駆動する。これにより、電源断前に発射されずに球発射ユニット66に留め置かれた球が、遊技領域に向けて発射される。
そして、30秒間ウェイトする(S3002)。これにより、S3001の処理によって発射された球が、遊技盤13を流下して、入賞口3,4,5a又はアウト口6へ入球する。ここで、入球した球は、入賞球側停留装置310またはアウト球側停留装置320のいずれかに停留される。S3002の処理の後、S3003の処理へ移行する。
一方、S3701の処理の結果、球送りフラグ213kがオフの場合は(S3701:No)、S3702,S3001,S3002の処理をスキップして、S3003の処理へ移行する。つまり、電源断前に、球が球発射ユニット66に留め置かれていない場合は、球発射ユニット66を駆動することなく、そのままS3003の処理へ移行する。
このように、計数装置111が図57に示す球回収処理を実行することにより、電源断時に球発射ユニット66に送られた球が、発射されずに留め置かれている場合にのみ、球発射ユニット66が駆動されて、球の発射が行われるので、球が残っていない場合に、無駄に球発射ユニット66が駆動されることを抑制できる。
その他、第3実施形態におけるパチンコ機10では、第1実施形態におけるパチンコ機10や第2実施形態におけるパチンコ機10と同一の構成によって、対応する実施形態におけるパチンコ機10で奏する効果と同一の効果を奏する。
次いで、図58〜図60を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10について説明する。なお、第4実施形態におけるパチンコ機10について、第2実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第2実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
第2実施形態におけるパチンコ機10では、球発射ユニット66へ球が送られた後、球が発射される前に電源が断されると、その送られた球の発射を行わず、電源断後に、その球を発射して、入賞球検出スイッチ47又はアウト球検出スイッチ48に検出させ、遊技に使用されなかった球として、所持球カウンタ213aと循環球数メモリ213cとにそれぞれ1加算する場合について説明した。
これに対し、第4実施形態におけるパチンコ機10では、球発射ユニット66へ球が送られた後、球が発射される前に電源が断されると(即ち、発射制御装置112が計数装置111より電源断コマンドを受信すると)、発射制御装置112は、その球をファール球となる程度の打ち出し強さで発射するよう球発射ユニット66を駆動し、ファール球通路64を介して、その球を供給通路65へ戻る。そして、所持球カウンタ213aに1加え、且つ、循環球数メモリ213cに1加える。
図58は、第4実施形態における発射制御装置112により実行される発射制御処理を示すフローチャートである。第4実施形態における発射制御処理が、第2実施形態における発射制御処理(図53参照)と異なる点は、まず、第2実施形態では、S3501,S3502の処理により、計数装置111から1球の球発射指示があった場合に、球発射ユニット66を駆動して、電断前に球発射ユニット66に留め置かれた球を発射したのに対し、第4実施形態では、このS3501,S3502の処理を省略した点である。
また、第4実施形態では、供給通路65から球発射ユニット66へ球を送る処理(S3506)の後に実行されるS3507の判断により、電源断コマンドを計数装置111より受信したと判断された場合に(S3507:No)、S3801,S3802の処理を実行した上で、S3503の処理へ回帰する点が、第2実施形態と相違する。
S3801の処理では、ファール球となる打ち出し強さで、球発射ユニット66を駆動する(S3801)。これにより、球発射ユニット66へ球が送られた後、球が発射される前に電源が断されると(即ち、発射制御装置112が計数装置111より電源断コマンドを受信すると)、球発射ユニット66へ送られた球は、ファール球となって、ファール球通路64を通って供給通路65へ戻される。
そして、球発射信号を計数装置111へ送信し(S3802)、S3503の処理へ戻る。計数装置111は、S3802の処理により送信された球発射信号に基づいて、球発射ユニット112へ送信された球がファール球として供給通路65に戻されたことを検出し、所持球カウンタ213aに1加え、且つ、循環球数メモリ213cに1加える処理を実行する。
次いで、図59を参照して、第4実施形態における計数装置111により実行される球回収処理について説明する。図59は、その球回収処理を示すフローチャートである。第4実施形態における球回収処理が、第2実施形態における球回収処理(図41参照)と異なる点は、第2実施形態では、球回収処理が実行されると、まず、1球の球発射を発射制御装置112へ指示し(S3001)、次いで、30秒間ウェイトする処理(S3002)を実行したが、第4実施形態では、これらS3001,S3002の処理を省略した点である。
第4実施形態では、球発射ユニット66へ球が送られた後、球が発射される前に電源が断されると(即ち、発射制御装置112が計数装置111より電源断コマンドを受信すると)、発射制御装置112は、その球をファール球となる程度の打ち出し強さで発射するよう球発射ユニット66を駆動し、ファール球通路64を介して、その球を供給通路65へ戻している。即ち、第4実施形態では、電源が断された場合に、球発射ユニット66に球が留め置かれることがない。よって、電源が投入された場合に計数装置111により実行される立ち上げ処理の一処理である球回収処理において、電源断発生時に球発射ユニット66に留め置かれた球を発射するためのS3001,S3002の処理を省略できる。従って、立ち上げ処理が早く終了できるので、計数処理111にて所持球のカウントや循環球数のカウントの開始を早めることができ、その結果、電源を投入後、遊技が開始できるタイミングを早めることができる。
次いで、図60を参照して、第4実施形態における計数装置111により実行されるメイン処理について説明する。図60は、そのメイン処理を示すフローチャートである。第4実施形態におけるメイン処理が、第2実施形態におけるメイン処理(図42参照)と相違する点は、S1907の処理により、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていると判別された場合、即ち、電源断の発生が検出された場合に(S1907:Yes)、電源断コマンドを発射制御装置112へ送信した後(S1912)、RAM判定値を算出し、その値を保存する処理(S1913)を行う前に、S3901,S3902の処理を実行する点である。
S3901の処理では、S1912の処理にて電源断コマンドを発射制御装置112へ送信した後、所定時間(本実施形態では、10ミリ秒)以内に発射制御装置112か球発射信号を受信したか否かを判断する(S3901)。その結果、10ミリ秒以内に球発射信号を受信しなければ(S3901:No)、そのままS1913の処理へ移行する。一方、10ミリ秒以内に球発射信号を受信すれば(S3901:Yes)、球発射ユニット66へ球が送られた後、球が発射される前に電源が断された(即ち、発射制御装置112が計数装置111より電源断コマンドを受信した)ことにより、発射制御装置112が、その球をファール球となる程度の打ち出し強さで発射するよう球発射ユニット66を駆動し、ファール球通路64を介して、その球を供給通路65へ戻したことを意味する。よって、この場合(S3901:Yes)、所持球カウンタ213aに1加え、且つ、循環球数メモリ213cに1加える処理を実行し(S3902)、S1913の処理へ移行する。
所持球カウンタ213a及び循環球数メモリ213cは、供給通路65から球発射ユニット66に向けて球が供給された(球が送られた)段階で1減算されるが、球発射ユニット66へ球が送られた後、球が発射される前に電源が断された(即ち、発射制御装置112が計数装置111より電源断コマンドを受信した)ことにより、その球がファール球として供給通路65へ戻されて遊技に使用されなかった場合は、S3901,S3902の処理により、所持球カウンタ213aおよび循環球数メモリ213cの値を正しい値に戻すことができる。よって、遊技に使用されなかった球が所持球カウンタ213aから減ぜられることを防ぐことができ、遊技者の利益を守ることができる。また、供給通路65に貯留されている球の数(循環球数)を正しく計数でき、供給通路65に所定数の球が貯留されているにもかかわらず、エラーが報知されることを抑制できる。
また、S3901の処理では、S1912の処理にて電源断コマンドを発射制御装置112へ送信した後、最大で10ミリ秒待って、発射制御装置112か球発射信号を受信したか否かを判断するので、電源断が発生したときに、計数装置111が正常に動作する程度の電圧が印加され続ける間に、確実に、球発射信号の受信の有無を行うことができる。
その他、第4実施形態におけるパチンコ機10では、第1〜3実施形態のいずれかにおけるパチンコ機10と同一の構成によって、対応する実施形態におけるパチンコ機10で奏する効果と同一の効果を奏する。
次いで、図61,図62を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10について説明する。なお、第5実施形態におけるパチンコ機10について、第4実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第4実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
第4実施形態におけるパチンコ機10では、球発射ユニット66へ球が送られた後、球が発射される前に電源が断されると(即ち、発射制御装置112が計数装置111より電源断コマンドを受信すると)、発射制御装置112は、その球をファール球となる程度の打ち出し強さで発射するよう球発射ユニット66を駆動し(図58のS3801)、その後に、球発射信号を計数装置111へ送信した(図58のS3802)。そして、計数装置111では、この球発射信号を受信することに基づいて、所持球カウンタ213aに1加え、且つ、循環球数メモリ213cに1加える処理を行った。
これに対し、第5実施形態では、球発射ユニット66へ球が送られた後、球が発射される前に電源が断されると(即ち、発射制御装置112が計数装置111より電源断コマンドを受信すると)、発射制御装置112は、その球をファール球となる程度の打ち出し強さで発射するよう球発射ユニット66を駆動するが、その後、第4実施形態のように、球発射信号を計数装置111へ送信しない。一方、第5実施形態の計数装置111では、電源断コマンドを発射制御装置112へ送信した後、所定時間(本実施形態では、5秒)以内にファール球検出スイッチ93がオンされたか否かを確認し、5秒以内にファール球検出スイッチ93がオンされた場合に、所持球カウンタ213aに1加え、且つ、循環球数メモリ213cに1加える。
図61は、第5実施形態における発射制御装置112により実行される発射制御処理を示すフローチャートである。第5実施形態における発射制御処理が、第4実施形態における発射制御処理(図58参照)と異なる点は、S3801の処理にて、ファール球となる打ち出し強さで、球発射ユニット66を駆動した後、図4実施形態で行われたS3802のs処理(球発射信号を計数装置111へ送信する処理)を省略して、S3503の処理へ回帰する点である。その他の点は、第4実施形態における発射制御処理と同じである。
次いで、図62は、第5実施形態における計数装置111により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。第5実施形態におけるメイン処理が、第4実施形態におけるメイン処理(図60参照)と相違する点は、S1907の処理により、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていると判別された場合、即ち、電源断の発生が検出された場合に(S1907:Yes)、電源断コマンドを発射制御装置112へ送信した後(S1912)、10ミリ秒以内に発射制御装置112か球発射信号を受信したか否かを判断するS3901の処理に代えて、S3911の処理を実行する点である。
S3911の処理では、S1912の処理にて電源断コマンドを発射制御装置112へ送信した後、5秒以内にファール球検出スイッチ93がオンされたか否かを判断する(S3911)。その結果、5秒以内にファール球検出スイッチ93がオンされなければ(S3911:No)、そのままS1913の処理へ移行する。一方、5秒以内にファール球検出スイッチ93がオンされれば(S3911:Yes)、球発射ユニット66へ球が送られた後、球が発射される前に電源が断された(即ち、発射制御装置112が計数装置111より電源断コマンドを受信した)ことにより、発射制御装置112が、その球をファール球となる程度の打ち出し強さで発射するよう球発射ユニット66を駆動し、ファール球通路64を介して、その球を供給通路65へ戻したことを意味する。よって、この場合(S3911:Yes)、所持球カウンタ213aに1加え、且つ、循環球数メモリ213cに1加える処理を実行し(S3902)、S1913の処理へ移行する。
所持球カウンタ213a及び循環球数メモリ213cは、供給通路65から球発射ユニット66に向けて球が供給された(球が送られた)段階で1減算されるが、球発射ユニット66へ球が送られた後、球が発射される前に電源が断された(即ち、発射制御装置112が計数装置111より電源断コマンドを受信した)ことにより、その球がファール球として供給通路65へ戻されて遊技に使用されなかった場合は、S3911,S3902の処理により、所持球カウンタ213aおよび循環球数メモリ213cの値を正しい値に戻すことができる。よって、遊技に使用されなかった球が所持球カウンタ213aから減ぜられることを防ぐことができ、遊技者の利益を守ることができる。また、供給通路65に貯留されている球の数(循環球数)を正しく計数でき、供給通路65に所定数の球が貯留されているにもかかわらず、エラーが報知されることを抑制できる。
また、S3911の処理では、ファール球検出スイッチ93の検出結果を用いているので、球発射ユニット66へ球が送られた後、球が発射される前に電源が断された(即ち、発射制御装置112が計数装置111より電源断コマンドを受信した)ことにより、ファール球として供給通路65へ戻されて遊技に使用されなかった球を確実に検出できる。
その他、第5実施形態におけるパチンコ機10では、第1〜4実施形態のいずれかにおけるパチンコ機10と同一の構成によって、対応する実施形態におけるパチンコ機10で奏する効果と同一の効果を奏する。
次いで、図63〜図65を参照して、第6実施形態におけるパチンコ機10について説明する。なお、第6実施形態におけるパチンコ機10について、第2実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第2実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
第2実施形態におけるパチンコ機10では、電源が再び投入された場合に、無条件に(球発射ユニット66に球が供給されているか否かにかかわらず)球発射ユニット66を駆動して、1球のみの球の発射を実行した。
これに対し、第6実施形態では、第3実施形態と同様に、電源が再び投入された場合に、球発射ユニット66に供給された球が留め置かれている場合に限り、球発射ユニット66を駆動して、その残っている球を球発射ユニット66に発射させる。ここで、第6実施形態では、球発射ユニット66に球が送られた状態にあるか否かを示す球送りフラグ112aを、発射制御装置112に設ける。そして、計数装置111は、電源が投入された場合に実行される立ち上げ処理の一処理である球回収処理の中で、発射制御装置112に設けられた球送りフラグ112aを読み出す。その後、その読み出した球送りフラグ112aの値から、球発射ユニット66に球が送られた状態にある、即ち、電源断の発生により球発射ユニット66に球が留め置かれた状態にあると判断されると、球発射ユニット66を駆動して、その残っている球を球発射ユニット66に発射させる。ここで発射された球は、入賞球検出スイッチ47又はアウト球検出スイッチ48にて検出されるので、その検出に基づいて、所持球カウンタ213a及び循環球数メモリ213cを1加算する。
図63は、第6実施形態における計数装置111、発射制御装置112およびカードサンド装置71の電気的構成を示すブロック図である。第6実施形態におけるパチンコ機10では、第2実施形態におけるパチンコ機10と比して、発射制御装置112に球送りフラグ112aが設けられている。
球送りフラグ112aは、球発射ユニット66に球が送られた状態にあるか否かを示すフラグであり、オンの場合に球発射ユニット66に球が送られた状態にあることを示し、オフの場合に球発射ユニット66に球が送られた状態にないことを示す。発射制御装置112は、供給通路65から球発射ユニット66に対して球を供給した場合(球送りした場合)に、球送りフラグ112aをオンに設定し、球発射ユニット66を駆動して球を発射した場合に、球送りフラグ112aをオフに設定する。
この球送りフラグ112aは、計数装置111にから直接その値を読み出し可能に構成されており、計数装置111は、電源が投入された場合に実行される立ち上げ処理の球回収処理(図56参照)の中で、この球送りフラグ112aを参照する。また、球送りフラグ112aは、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ハードディスクドライブなどの不揮発性のメモリに設けられており、電源が断されても、その値が保持可能に構成されている。
よって、計数装置111は、球回収処理において、発射制御装置112の球送りフラグ112aを読み出し、その値がオンであるか否かを判断することにより、電源断前に、球が球発射ユニット66に送られたまま、発射されずに球発射ユニット66に留め置かれているか否かを判断することができる。
即ち、球発射ユニット66へ球を供給した後であってその球を発射する前に電源断が検出された場合、第6実施形態におけるパチンコ機10では、第2実施形態におけるパチンコ機10と同様に、球の発射を行わず、供給された球を球発射ユニット66に留め置く。
これは、第2実施形態でも説明した通り、球を発射しようと供給通路65から球発射ユニット66へ球を供給した段階で、電源断の発生が検出されたときに、そのまま球発射ユニット66を駆動して供給された球を発射しても、電源断の発生が検出されて以後は、一般入賞スイッチ44、始動入賞スイッチ45、特定入賞スイッチ46において球の検出が行われず、入賞に伴う賞球も行われない、即ち、この発射した球は、遊技に使用されないからである。
また、電源断が発生すると、各種入賞口3,4,5aへ入賞した球を検出する入賞球検出スイッチ47や、アウト口6に入球した球を検出するアウト球検出スイッチ48も、正常に動作できない状態となって、電源断発生後に、各種入賞口3,4,5aやアウト口6に球が入球しても、その入球した球をそのまま排出通路42へ排出すると、その球が検出できず、電源断があった後は、遊技に使用されなかった球の数を正しく認識することができないおそれがあるからである。
一方で、供給通路65から球発射ユニット66へ球が供給されると、所持球カウンタ213aや循環球数メモリ213cは1減算される。よって、遊技に使用されずに供給通路65に戻ってきた球の数が正しく認識できないと、所持球カウンタ213aや循環球数メモリ213cの値が正しい値に更新できないので、遊技に使用しなかったにもかかわらず所持球カウンタ213aの値が減って遊技者の不利益を被らせたり、供給通路65に貯留されている球の数(循環球数)が正しく計数できないがためにエラーが報知されたりするおそれがあった。
そこで、本パチンコ機10では、供給通路65から球発射ユニット66に球を供給した後、球を発射する前に、計数装置111より電源断コマンドを受信すると、その供給した球を発射せずに球発射ユニット66に留め置く一方、電源が再投入されたときに、球発射ユニット66に球が留め置かれていれば、球発射ユニット66を駆動することで、その留め置かれていた球を発射する。
ここで、球発射ユニット66へ球を供給した場合、本パチンコ機10では、発射制御装置112が球送りフラグ112aをオンに設定する。そして、電源断が検出され、球の発射が行われずに、供給された球が球発射ユニット66に留め置かれると、球送りフラグ112aがオンされたまま、電源が完全に断される。上述した通り、電源が断されている間も、球送りフラグ112aはオンされたままとなる。よって、球回収処理において、球送りフラグ112aがオンであれば、電源断前に、球が球発射ユニット66に送られたまま、発射されずに球発射ユニット66に留め置かれていることを判断することができる。
そして、第6実施形態におけるパチンコ機10では、その球回収処理において、球送りフラグ112aがオンである場合に限り、即ち、電源断前に球発射ユニット66に対して送られた球が発射されずに球発射ユニット66に留め置かれている場合に限り、球発射ユニット66を駆動して、その残っている球を球発射ユニット66に発射させる。ここで発射された球は、入賞球検出スイッチ47又はアウト球検出スイッチ48にて検出されるので、その検出に基づいて、所持球カウンタ213a及び循環球数メモリ213cを1加算することにより、遊技に使用されなかった球が所持球カウンタ213aから減ぜられることを防いで遊技者の利益を守ったり、循環球数を正しく計数してエラーが報知されることを抑制したりすることができる。
また、第6実施形態におけるパチンコ機10では、電源断時に球発射ユニット66に送られた球が、発射されずに留め置かれている場合にのみ球の発射を行うので、球が残っていない場合に、無駄に球発射ユニット66が駆動されることを抑制できる。
なお、電源装置115からバックアップ電圧が供給されることにより電源が断されている間もデータを保持可能に構成されたRAMに、球送りフラグ112aを設けてもよい。
ここで、図64を参照して、第6実施形態における発射制御装置112により実行される発射制御処理について説明する。図64は、この発射制御処理を示すフローチャートである。この発射制御処理は、第2実施形態における発射制御処理(図53)と同様に、計数装置111から球の発射が許可されている場合に、遊技者が操作ハンドル39に触れていることをタッチセンサ39aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ39bがオフ(操作されていないこと)を条件に、供給通路65から球発射ユニット66に球を供給する(球送りする)制御と、球発射ユニット66を駆動して、操作ハンドルの回転操作量に応じた発射強度で球を発射する制御とを行う。また、計数装置111より1球の球発射指示があった場合は、供給通路65から球発射ユニット66に球を供給することなく(球送りすることなく)、球発射ユニット66を駆動する制御を行う。
第6実施形態における発射制御処理が、第2実施形態における発射制御処理と異なる点は、第1に、S3501の判断によって、1球の球発射指示が計数装置111よりあった場合に(S3501:Yes)、S3502の処理により、球発射ユニットが駆動された後(S3502)、球送りフラグ112aをオフに設定して(S4001)、S3503の処理へ移行する点である。これにより、球送りフラグ112aにて、発射ユニット66に球が送られた状態にないことが示される。なお、S3501の判断により、1球の球発射指示が計数装置111よりない場合は(S3501:No)、S3502及びS4001の処理をスキップして、S3503の処理へ移行する。
第6実施形態における発射制御処理が、第2実施形態における発射制御処理と異なる点は、第2に、S3506の処理により、供給通路65から球発射ユニット66に向けて球が供給される(球が送られる)と、球送りフラグ112aをオンに設定して(S4002)、S3507の処理へ移行する点である。また、第3に、S3508の処理により、球発射ユニット66が駆動されて球発射ユニット66に送られていた球が発射されると、球送りフラグ112aをオフに設定して(S4003)、S3509の処理へ移行する点である。
このように、発射制御装置112は、発射制御処理を実行することにより、球送りフラグ112aの値に基づいて、球発射ユニット66に球が送られた状態にあるか否かを示すことができる。
次いで、図65を参照して、第6実施形態における計数装置111により、電源の投入時に実行される立ち上げ処理の一処理である球回収処理について説明する。図65は、この球回収処理を示すフローチャートである。この球回収処理が、第2実施形態(第1実施形態)における計数装置111により実行される球回収処理と相違する点は、球回収処理が実行されると、まず、発射制御装置112の球送りフラグ112aを読み出し、その値がオンか否かを判断する点である(S4011)。
そして、球送りフラグ112aがオンの場合は(S4011:Yes)、電源断前に、球が球発射ユニット66に送られたまま、発射されずに球発射ユニット66に留め置かれているので、S3001の処理へ移行し、1球の球発射を発射制御装置112へ指示する(S3001)。発射制御装置112は、1球の球発射指示を受けると、供給通路65から球発射ユニット66への球の供給(球送り)を行わずに、球発射ユニット66を1回だけ駆動する。これにより、電源断前に発射されずに球発射ユニット66に留め置かれた球が、遊技領域に向けて発射される。
そして、30秒間ウェイトする(S3002)。これにより、S3001の処理によって発射された球が、遊技盤13を流下して、入賞口3,4,5a又はアウト口6へ入球する。ここで、入球した球は、入賞球側停留装置310またはアウト球側停留装置320のいずれかに停留される。S3002の処理の後、S3003の処理へ移行する。
一方、S4011の処理の結果、球送りフラグ112aがオフの場合は(S4011:No)、S3001,S3002の処理をスキップして、S3003の処理へ移行する。つまり、電源断前に、球が球発射ユニット66に留め置かれていない場合は、球発射ユニット66を駆動することなく、そのままS3003の処理へ移行する。
このように、計数装置111が図65に示す球回収処理を実行することにより、電源断時に球発射ユニット66に送られた球が、発射されずに留め置かれている場合にのみ、球発射ユニット66が駆動されて、球の発射が行われるので、球が残っていない場合に、無駄に球発射ユニット66が駆動されることを抑制できる。
また、第6実施形態では、計数装置111ではなく、球発射ユニット66への球送りと、球発射ユニット66による球の発射とを直接制御する発射制御装置112に球送りフラグ112aを設け、発射制御装置112が、球発射ユニット66に球が送られた状態にあるか否かを監視している。kれにより、正確に、球発射ユニット66に球が送られた状態にあるか否かの監視を行うことができる。
その他、第6実施形態におけるパチンコ機10では、第1〜5実施形態のいずれかにおけるパチンコ機10と同一の構成によって、対応する実施形態におけるパチンコ機10で奏する効果と同一の効果を奏する。
次いで、図66を参照して第7実施形態におけるパチンコ機10について、説明する。なお、第7実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
図66は、第7実施形態におけるパチンコ機10の、各制御装置間で送受信されるコマンドや信号(以下「コマンド等」と称す)の伝送方式を示した図である。第1実施形態では、各制御装置間で送受信されるコマンド等の伝送方式について言及していないが、この第7実施形態では、図66に示す通り、各制御装置間で送受信されるコマンド等の伝送方式として差動伝送方式を採用している。そして、各コマンド等を、この差動伝送方式で1ビットずつシリアルに伝送している。
差動伝送方式は、2本の信号線(第1信号線、第2信号線)を使用してデータを伝送する方式のことである。第1信号線および第2信号線には、それぞれ逆移送の信号を伝送する。具体的には、データが「0」の場合は、第1信号線および第2信号線をともに2.1Vとしてデータを送信し、データが「1」の場合は、第1信号線には2.5V、第2信号線には1.7Vとしてデータを送信する。
受信側では、第1信号線と第2信号線との電位差からデータが「0」か「1」かを判断する。即ち、理想的には、データが「0」の場合の第1信号線と第2信号線との電位差は0Vであり、データが「1」の場合の第1信号線と第2信号線との電位差は0.8Vである。よって、本実施形態では、第1信号線と第2信号線との電位差が0.6V以上であれば、送信されたデータが「1」と判断し、第1信号線と第2信号線との電位差が0.6V未満であれば、送信されたデータが「0」と判断する。
このように、各コマンド等の送受信を差動伝送方式とすることにより、各制御装置間を接続する配線に不正基板が接続された場合に、その不正基板による不正行為を抑制できる。具体的には、各制御装置間を接続する配線に、遊技者に有利となるコマンド等を不正基板から送信する不正行為を抑制できる。遊技者に有利となるコマンド等とは、たとえば、入賞に伴って遊技者の所持球を増やす所持球加算コマンドである。また、主制御装置110から所定のコマンドを受信したことを契機として、音声ランプ制御装置113または表示制御装置114において、大当たりとなるための操作タイミングを遊技者に報知する遊技機においては、その操作タイミングの表示の契機となる所定コマンドである。不正基板は、このような遊技者に有利となるコマンド等を、各制御装置が正規に送信していないにもかかわらず、各制御装置間を接続する配線に送信することで、遊技者に有利な状態を作り出す。
この各制御装置間を接続する配線において、1本の信号線だけを使用してデータを伝送する従来の遊技機の場合、その1本の信号線に対して不正なコマンド(不正行為のために不正基板から送信されるコマンド)を送信すればよく、不正なコマンドの送信を容易に行うことができた。
これに対し、第7実施形態におけるパチンコ機10では、2本の信号線を用いてデータを伝送するので、データ伝送方式が差動伝送方式であることを知らずに、不正なコマンドを1本の信号線に対してのみ送信しようとした場合、2本の信号線は逆位相の信号とならずに、伝送されたデータは異常なデータとなる。よって、この場合、不正なコマンドが受け付けられないので、不正行為が行われないようにすることができる。また、不成行為者は、不正基板を作成する場合に、2本の信号線に対して差動伝送方式でデータが伝送されるように、不正基板を作成しなければならず、不成行為者が不正基板を作成する難易度を高め、不正基板を作成する意欲を減退させることができる。これにより、不正行為そのものを抑制することができる。
また、差動伝送方式では、第1信号線と第2信号線との電位差から、伝送されたデータが「0」か「1」かを判断するため、コモン・モード雑音に強い。コモン・モード雑音とは、2つの信号線(第1信号線および第2信号線)に重畳する同位相の雑音であり、2つの信号線に重畳されたコモン・モード雑音は、第1信号線と第2信号線との電位差を見る時点で帳消しにされる。よって、パチンコ機10がコモン・モード雑音によって誤動作されることを抑制できる。
また、差動伝送方式では、第1信号線および第2信号線のそれぞれにおいてその振幅を小さくしても、各信号線の電位差で伝送されたデータが「0」か「1」かを判断するため、1本の信号線でデータを伝送するシングルエンド伝送方式よりも、信号の振幅を小さくできる。よって、差動伝送方式では、信号の周波数を高めることができる。よって、コマンド等のビット長を長く構成したとしても、パラレルに信号を送信する必要はなく、1ビットずつシリアルに送信できる。よって、差動伝送方式では2本の信号線を対として1つの信号を伝送する方式であっても、パラレルに多くの信号を伝送しなくてすむだけ、全体としては少ない信号線でデータを伝送できる。
その他、第7実施形態におけるパチンコ機10では、第1〜6実施形態のいずれかにおけるパチンコ機10と同一の構成によって、対応する実施形態におけるパチンコ機10で奏する効果と同一の効果を奏する。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、上記各実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
上記各実施形態において、最後に球が発射されてからの経過時間に基づいて、パチンコ機10内を循環する球が全て供給通路65に貯留されているべき状態を判断し、その状態において供給通路65に貯留されている球の数を確認することで、パチンコ機10内を循環する球の数に異変がないか否かを判断する場合について説明した。これに対し、パチンコ機10内を循環する球が全て供給通路65に貯留されているべき状態の判断を、最後に球が発射されてからの経過時間に基づいて行うことに代えて、例えば、操作ハンドル39の回転操作量もしくは操作ハンドル39に設けられたタッチセンサ39aの検出結果を計数装置111へ入力するように構成し、操作ハンドル39の回転操作量が0と判断されてからの経過時間、もしくは、タッチセンサ39aの検出結果から操作ハンドル39が遊技者に触れられていない状態となってからの経過時間に基づいて行ってもよい。また、発射制御装置112からの球発射ユニット66の駆動信号を計数装置111へ入力し、球発射ユニット66において球を発射させるための駆動信号が消滅してからの経過時間に基づいて、パチンコ機10内を循環する球が全て供給通路65に貯留されているべき状態を判断してもよい。
上記各実施形態において、最後に球が発射されてから30秒経過した場合に、供給通路65に貯留されている球の数を確認する場合について説明したが、必ずしも30秒である必要はなく、球が供給通路65から球発射ユニット66へ供給されてから、球発射ユニット66により発射され、遊技盤13の前面領域を流下し、再び供給通路65に戻ってくるまでに十分な時間経過後に、供給通路65に貯留されている球の数を確認すればよい。
上記各実施形態において、シリンダ錠21aが回転操作されて扉枠14の解錠が指示された場合に、球の発射を停止させて、その停止後30秒経過した後に、電子錠99のソレノイド99bに電圧を印加することにより、扉枠14を解錠する場合について説明したが、扉枠14の解錠を、必ずしも球の発射停止後30秒を経過した場合に行う必要はなく、球が供給通路65から球発射ユニット66へ供給されてから、球発射ユニット66により発射され、遊技盤13の前面領域を流下し、再び供給通路65に戻ってくるまでに十分な時間経過後に、電子錠99のソレノイド99bに電圧を印加することにより、扉枠14を解錠してもよい。
上記各実施形態において、扉枠14が開放された場合に、その扉枠14の開放前に第3球数判定処理(S2404)を実施してパチンコ機10内を循環する球の数に異変がないか否かを判断し、また、扉枠14を開放状態から閉じた場合にも、第4球数判定処理(S2408)を実施して、第3球数判定処理(S2404)の判定結果にかからず、パチンコ機10内を循環する球の数に異変がないか否かを判断する場合について説明したが、次のように構成してもよい。即ち、第3球数判定処理(S2404)において確認された供給通路65に貯留されている球の数を記憶しておき、扉枠14が閉じられた場合に実施される第4球数判定処理(S2408)において、その第4球数判定処理(S2408)にて確認された供給通路65に貯留されている球の数を、第3球数判定処理(S2404)にて確認された供給通路65に貯留されている球の数と比較し、それらの球の数が異なる場合に、扉枠14開放中に球が触れられたと判断して、報知するようにしてもよい。これにより、ホール関係者以外のものが扉枠14を解錠して、球を追加したり抜き出したりする不正行為を行ったとしても、その扉枠14の開放中に行われた球に関する不正行為を、ホール関係者が容易に発見することができる。
上記各実施形態では、扉枠14が開放されている間は、特に供給通路65に貯留されている球の数を確認していないが、これを、扉枠14が開放されている間であっても、51球検出スイッチ91、50球検出スイッチ92の検出結果などに基づいて、供給通路65に貯留されている球の数を確認し続けるようにし、供給通路65に貯留されている球の数が変化したり、供給通路65に貯留されるべき数とは異なる数の球が供給通路65に貯留されたと判断されたりした場合に、その旨を報知するようにしてもよい。これにより、不正行為を行おうとするものが、扉枠14を開放して供給通路65に球を追加したり、供給通路65から何らかの方法を用いて貯留されている球を抜き出したりしても、そのような不正行為が行われたことを即座にホール関係者へ知らしめることができる。
上記各実施形態では、シリンダ錠21aの回転操作によって扉枠14の開放が指示された場合に、その扉枠14の開放前に第3球数判定処理(S2404)を実施してパチンコ機10内を循環する球の数に異変がないか否かを判断した後、無条件に扉枠14を開放する場合について説明したが、これに代えて、第3球数判定処理においてパチンコ機10内を循環する球の数に異変があると判断された場合に、電子錠99のソレノイド99bに電圧を印加せず、扉枠14が開放されないように構成してもよい。これにより、扉枠14が開放される前にエラー報知が行われた場合、そのエラーがホール関係者以外のものによって勝手に解消されたり、不正行為の証拠が隠滅されたりすることを防止できる。なお、この場合、内枠14の裏面側に扉枠14の解錠ボタンを設け、扉枠14が開放されなかった場合にその解錠ボタンが押下されない限り、扉枠14が解錠されないようにしてもよい。もしくは、計数装置111がホールコンピュータから扉枠解錠信号を受信できるように構成し、扉枠14が開放されなかった場合にホールコンピュータから扉枠解錠信号が受信されない限り、扉枠14が解錠されないようにしてもよい。これにより、エラーが報知されて扉枠14が開放されなかった場合においても、ホール関係者が扉枠14を容易に開放することができる。
上記第1実施形態では、球が遊技盤13に向けて発射され、所持球が1球消費された場合の所持球カウンタ213aの更新において、発射された球が球案内通路60を通って遊技盤13の上部へ球が案内されたことを遊技球検出スイッチ68aにより検出された場合に、所持球カウンタ213aを1減算した(図28のS2310)。つまり、第1実施形態では、球が遊技盤13の上部に案内された時点で、球が消費されたとして、所持球カウンタ213aを1減算した。これに対し、第2実施形態のように、供給通路65から球発射ユニット66へ球が供給されたこと(球送りされたこと)を球送り検出スイッチ94により検出された場合に、球が消費されたとして、所持球カウンタ213aを1減算してもよい。電源断という特別な事情がない限り、球送りがなされれば、その送られた球は発射され、遊技に使用される。よって、球送りが検出された時点で所持球を更新することにより、遅滞なく消費された球を所持球カウンタ203aに反映させることができる。
上記第2〜第6実施形態では、球詰まり等の異常によって循環している球の発射が不可能になり得る状況にある場合に限り、オールスリープボタン301の操作を有効化して遊技の進行を一時的に停止させる場合について説明した。これに代えて、所定のエラーが発生した場合には、オールスリープボタン301の操作を有効化して遊技の進行を一時的に停止させ、常時オールスリープボタン301の操作を有効化して遊技の進行を一時的に停止させてもよい。
上記第2,3,6実施形態では、電源断が検出されると、それ以後に一般入賞口3、始動入賞口4、特定入賞口5aへ入賞した球を入賞球検出スイッチ47よりも上流側で入賞球側停留装置310により一時的に停留し、また、電源断が検出されて以後にアウト口6に入った球をアウト球検出スイッチ48よりも上流側でアウト球側停留装置320により一時的に停留した。また、球発射ユニット66へ球を供給した後であってその球を発射する前に電源断が検出された場合、球の発射を行わず、供給された球を球発射ユニット66に留め置いた。そして、電源が再び投入された場合に、まず、球発射ユニット66に留め置かれた球を発射して、入賞球側停留装置310又はアウト球側停留装置320のいずれかに停留させ、その後、入賞球側停留装置310及びアウト球側停留装置320に停留させた球を流下させて、入賞球検出スイッチ47又はアウト球検出スイッチ48で検出された球を遊技に使用されなかった球として、その球の数分だけ、所持球カウンタ213a及び循環球数メモリ213cに加算した。これに対し、電源が再び投入された場合に、まず、入賞球側停留装置310及びアウト球側停留装置320に停留させた球を流下させて、入賞球検出スイッチ47又はアウト球検出スイッチ48で検出された球を遊技に使用されなかった球として、その球の数分だけ、所持球カウンタ213a及び循環球数メモリ213cに加算し、その後、入賞球側停留装置310及びアウト球側停留装置320の球振分板311,321をそれぞれ非停留側に移動させた上で、球発射ユニット66に留め置かれた球を発射して、入賞球検出スイッチ47又はアウト球検出スイッチ48で検出された他愛に、その球を遊技に使用されなかった球として、所持球カウンタ213a及び循環球数メモリ213cに1加算してもよい。
上記第3実施形態または第6実施形態では、球発射ユニット66へ球を供給した後であってその球を発射する前に電源断が検出された場合、球の発射を行わず、供給された球を球発射ユニット66に留め置き、電源が再び投入された場合に、球送りフラグ213k,112aの値に基づいて、球発射ユニット66に供給された球が留め置かれている場合に限り、球発射ユニット66を駆動して、その残っている球を球発射ユニット66に発射させる場合について説明した。これに対し、球発射ユニット66に供給された球が留め置かれる位置に球を検出するセンサを配設し、電源が再び投入された場合に、そのセンサによって球発射ユニット66に球が留め置かれているか否かを判断し、球が留め置かれていれば、球発射ユニット66を駆動して、その残っている球を球発射ユニット66に発射させてもよい。センサによって、球発射ユニット66に供給された球が留め置かれているか否かを判断するので、その判断をより確実に行うことができる。なお、この場合において、発射された球が入賞球検出スイッチ47又はアウト球検出スイッチ48によって検出された段階で、所持球カウンタ213a及び循環球数メモリ213cに1加算してもよいし、球発射ユニット66を駆動して留め置かれていた球を発射させた段階で、所持球カウンタ213a及び循環球数メモリ213cに1加算してもよい。前者の場合、電源断時に留め置かれた球発射ユニット66が、確実に発射されたことを確認した上で、所持球カウンタ213a及び循環球数メモリ213cを更新できる。また、後者の場合は、入賞球検出スイッチ47又はアウト球検出スイッチ48の検出結果をみることなく、簡単な処理で、所持球カウンタ213a及び循環球数メモリ213cを更新できる。
上記第3実施形態または第6実施形態では、電源が再び投入された場合に、球送りフラグ213k,112aの値に基づいて、球発射ユニット66に供給された球が留め置かれている場合に限り、球発射ユニット66を駆動して、その残っている球を発射し、発射された球が入賞球検出スイッチ47又はアウト球検出スイッチ48によって検出された段階で、所持球カウンタ213a及び循環球数メモリ213cに1加算した。これに対し、球発射ユニット66を駆動して留め置かれていた球を発射させた段階で、所持球カウンタ213a及び循環球数メモリ213cに1加算してもよい。これにより、入賞球検出スイッチ47又はアウト球検出スイッチ48の検出結果をみることなく、簡単な処理で、所持球カウンタ213a及び循環球数メモリ213cを更新できる。
上記各実施形態では、主制御装置110のMPU201によって実行されるタイマ割込処理(図13)において、変動処理、賞球処理、始動入賞処理といった処理が実行されるが、これらの一部または全部の処理を主制御装置110のMPU201によって実行されるメイン処理(図20)の定期処理(4ミリ秒毎に実行される処理)の中で実行するようにしてもよい。また、上記実施形態では、主制御装置110のMPU201によって実行されるメイン処理(図20)の定期処理において、大当たり制御処理が実行されるが、これを主制御装置110のMPU201によって実行されるタイマ割込処理(図13)の中で実行するようにしてもよい。
上記各実施形態では、主制御装置110から各コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110から表示制御装置114に直接コマンドを送信するものとしてもよい。また、表示制御装置に音声ランプ制御装置を接続して、表示制御装置から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドを音声ランプ制御装置に送信するよう構成してもよい。
さらに、音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1の制御装置として構成するものとしてもよい。音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1つの制御装置として構成する場合、音声ランプ制御装置113で生成して表示制御装置114に通知したコマンドに代えて、各種フラグを生成し、そのフラグに基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる画像を制御してもよい。
上記各実施形態では、変動演出を実行する場合に、全図柄Z1〜Z3を遊技者が視認不可な程度に高速にスクロールする高速変動を表示させる場合について説明したが、この高速変動の表示に代えて、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ視認不可な程度に縮小して表示したり、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ多数の白い点がランダムに表示されるスノーノイズ状の画像として表示してもよい。
上記各実施形態において、球が入球した場合に大当たりの抽選が開始される始動入賞口4が遊技盤13に1つ配設されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、それぞれ独立して入球が検出されて大当たりの抽選が開始される複数(例えば、2つ)の始動入賞口が遊技盤13に配設されていてもよい。この場合、各始動入賞口において保留があった場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する保留球数コマンドには、いずれの始動入賞口による保留であるかを示す情報を含めてもよい。また、変動を開始する場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する変動パターンコマンドにも、いずれの始動入賞口により保留された変動演出であるかを示す情報を含めてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113において、始動入賞口毎にそれぞれ保留球数カウンタを用意しておき、保留球数コマンドを受信した場合、その保留球数コマンドに示された始動入賞口に対する保留球数カウンタに保留球数を設定し、変動パターンコマンドを受信した場合、その変動パターンコマンドに示された始動入賞口に対する保留球数カウンタを1減らせば、始動入賞口毎に保留球数をカウントすることができる。
上記各実施形態においては、始動入賞口4への入賞およびスルーゲート7の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、始動入賞口4への入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置87とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記各実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
また、本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップスイッチの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した実施形態に含まれる、各種発明の概念を示す。
遊技媒体を貯留する貯留手段と、その貯留手段から供給された遊技媒体を発射する発射手段と、その発射手段により発射された遊技媒体を回収する回収手段と、その回収手段により回収された遊技媒体を前記貯留手段へ排出する排出手段と、を備え、所定数の遊技媒体を機内で循環させながら遊技を行う遊技機であって、前記貯留手段に貯留されている遊技媒体の数を判断する第1判断手段と、前記遊技機の機内を循環する前記所定数の遊技媒体が全て前記貯留手段に貯留されるべき状態となった場合に、前記第1判断手段により判断された前記貯留手段に貯留されている遊技媒体の数が前記所定数であるかを判断する第2判断手段と、その第2判断手段により、前記貯留手段に貯留されている遊技媒体の数が前記所定数とは異なる数であると判断された場合に、所定の報知を行う報知手段と、を備えることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、貯留手段により遊技媒体が貯留され、その貯留手段から供給された遊技媒体が発射手段により発射され、その発射手段により発射された遊技媒体が回収手段により回収され、その回収手段により回収された遊技媒体が排出手段により排出されることで、所定数の遊技媒体を機内で循環させながら遊技が行われる。貯留手段により貯留されている遊技媒体の数は第1判断手段によって判断される。そして、遊技機の機内を循環する所定数の遊技媒体が全て貯留手段に貯留されるべき状態となった場合に、第1判断手段により判断された貯留手段に貯留されている遊技媒体の数が所定数であるかが、第2判断手段により判断される。その結果、第2判断手段により、貯留手段に貯留されている遊技媒体の数が所定数とは異なる数であると判断された場合には、報知手段によって所定の報知が行われる。これにより、遊技中に不正行為やトラブルが発生し、遊技機の機内を循環する遊技媒体の数に異変が起きた場合であっても、遊技機の機内を循環する所定数の遊技媒体が全て貯留手段に貯留されるべき状態となった場合に、貯留手段に貯留されている遊技媒体の数が所定数とは異なる数であることが判断されて、所定の報知が行われる。従って、遊技機の機内を循環する遊技媒体の数の異変を早い段階で認識できる、という効果がある。
遊技機A1において、一の遊技媒体が前記発射手段により発射されてから前記回収手段により回収され前記排出手段により前記貯留手段に排出されて貯留されるまでに要する時間を第1時間とした場合に、前記遊技機は、前記発射手段により遊技媒体が発射されてからの経過時間を計数する第1計数手段と、前記発射手段により直前に発射された遊技媒体に対して前記第1計数手段により計数されたその発射されてからの経過時間が、前記第1時間以上となったかを判断する第3判断手段と、を備え、前記第2判断手段は、前記発射手段により直前に発射された遊技媒体に対して前記第1計数手段により計数されたその発射されてからの経過時間が、前記第1時間以上となったと第3判断手段により判断された場合に、前記遊技機の機内を循環する前記所定数の遊技媒体が全て前記貯留手段に貯留されるべき状態となったとして、前記第1判断手段により判断された前記貯留手段に貯留されている遊技媒体の数が前記所定数であるかを判断することを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、一の遊技媒体が発射手段により発射されてから回収手段により回収され排出手段により貯留手段に排出されて貯留されるまでに要する時間を第1時間とした場合に、発射手段により直前に発射された遊技媒体に対して第1計数手段により計数されたその発射されてからの経過時間が、前記第1時間以上となったと第3判断手段により判断されると、遊技機の機内を循環する所定数の遊技媒体が全て前記貯留手段に貯留されるべき状態となったとして、第1判断手段により判断された貯留手段に貯留されている遊技媒体の数が所定数であるかを第2判断手段により判断される。これにより、遊技媒体の発射が第1時間以上停止された場合には、貯留手段に貯留されている遊技媒体の数が所定数であるかが判断され、貯留手段に貯留されている遊技媒体の数が所定数とは異なる数であると判断された場合には、報知手段によって所定の報知が行われる。よって、遊技中に不正行為やトラブルが発生し、遊技機の機内を循環する遊技媒体の数に異変が起きた場合であっても、遊技者が遊技を一時停止した場合や遊技を終了したタイミングで、貯留手段に貯留されている遊技媒体の数が所定数とは異なる数であることが判断されて、所定の報知が行われる。従って、遊技機の機内を循環する遊技媒体の数の異変を早い段階で認識できる、という効果がある。
遊技機A1又はA2において、一の遊技媒体が前記発射手段により発射されてから前記回収手段により回収され前記排出手段により前記貯留手段に排出されて貯留されるまでに要する時間を第1時間とした場合に、前記遊技機は、前記発射手段により発射された遊技媒体に基づいて抽選を行う抽選手段と、その抽選手段の抽選結果に基づいて遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技価値付与手段と、その遊技価値付与手段により遊技者に所定の遊技価値を付与した後に所定の演出を実行する演出実行手段と、その演出実行手段により前記所定の演出が実行されることを契機として、前記発射手段による遊技媒体の発射を停止する停止手段と、を備え、前記第2判断手段は、前記停止手段により前記遊技媒体の発射が停止されてから前記第1時間以上経過した場合に、前記遊技機の機内を循環する前記所定数の遊技媒体が全て前記貯留手段に貯留されるべき状態となったとして、前記第1判断手段により判断された前記貯留手段に貯留されている遊技媒体の数が前記所定数であるかを判断することを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、遊技機A1又はA2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、発射手段により発射された遊技媒体に基づいて抽選手段により抽選が行われ、その抽選結果に基づいて遊技者に所定の遊技価値が遊技価値付与手段によって付与される。また、その遊技価値付与手段により遊技者に所定の遊技価値を付与した後に所定の演出が演出実行手段により実行され、その演出実行手段により前記所定の演出が実行されることを契機として、発射手段による遊技媒体の発射が停止手段により停止される。そして、停止手段により遊技媒体の発射が停止されてから第1時間以上経過した場合に、遊技機の機内を循環する所定数の遊技媒体が全て前記貯留手段に貯留されるべき状態となったとして、第1判断手段により判断された貯留手段に貯留されている遊技媒体の数が前記所定数であるかが、第2判断手段により判断される。ここで、第1時間とは、一の遊技媒体が発射手段により発射されてから回収手段により回収され排出手段により貯留手段に排出されて貯留されるまでに要する時間である。これにより、所定の遊技価値が付与された後に行われる所定の演出と合わせて遊技媒体の発射が停止され、その発射の停止から第1時間以上経過した場合に貯留手段に貯留されている遊技媒体の数が所定数であるかが判断されて、貯留手段に貯留されている遊技媒体の数が所定数とは異なる数であると判断された場合には、報知手段によって所定の報知が行われる。よって、遊技中に不正行為やトラブルが発生し、遊技機の機内を循環する遊技媒体の数に異変が起きた場合であっても、遊技者が一息つける所定の遊技価値が付与された後のタイミングで、貯留手段に貯留されている遊技媒体の数が所定数とは異なる数であることが判断されて、所定の報知が行われる。従って、遊技機の機内を循環する遊技媒体の数の異変を早い段階で認識できる、という効果がある。
遊技機B1において、前記演出実行手段により実行される前記所定の演出にかかる時間の長さは、前記第1時間以上であることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者に所定の遊技価値が付与された後に実行される所定の演出が、第1時間以上にわたって演出実行手段により実行される。よって、第2判断手段による判断を行うために、停止手段により遊技媒体の発射を第1時間停止させたとしても、前記所定の演出によって、遊技媒体の発射が停止された不満感から解放させることができるという効果がある。
遊技機A1,A2,B1及びB2のいずれかにおいて、前記発射手段により連続して遊技媒体が発射されている場合に、少なくとも前記貯留手段に貯留されるべき遊技媒体の数よりも少ない数の遊技媒体が前記貯留手段に貯留されているか否かを判断する第4判断手段を備え、前記報知手段は、前記第4判断手段により、前記発射手段により連続して遊技媒体が発射されている場合に少なくとも前記貯留手段に貯留されるべき遊技媒体の数よりも少ない数の遊技媒体が前記貯留手段に貯留されていると判断された場合は、所定の報知を行うことを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、遊技機A1,A2,B1及びB2のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第4判断手段により、発射手段により連続して遊技媒体が発射されている場合に少なくとも貯留手段に貯留されるべき遊技媒体の数よりも少ない数の遊技媒体が貯留手段に貯留されていると判断された場合は、報知手段によって所定の報知が行われる。これにより、遊技中に不正行為やトラブルが発生し、遊技機の機内を循環する遊技媒体の数に異変が起きた場合に、遊技媒体が連続して発射される状況下において貯留手段に貯留されている遊技媒体の数が本来貯留されるべき遊技媒体の数よりも少ないと判断されれば、所定の報知が行われる。従って、遊技機の機内を循環する遊技媒体の数の異変を早い段階で認識できる、という効果がある。
遊技機C1において、前記貯留手段は、遊技媒体が1つずつ一列に並んで貯留されるように構成され、前記発射手段により連続して遊技媒体が発射されている場合に少なくとも前記貯留手段に貯留されるべき遊技媒体の数が並んで貯留された場合に、必ず遊技媒体が貯留される位置に該遊技媒体の存在を検出する検出手段を備えており、前記第4判断手段は、前記検出手段による検出結果に基づいて、前記発射手段により連続して遊技媒体が発射されている場合に、少なくとも前記貯留手段に貯留されるべき遊技媒体の数よりも少ない数の遊技媒体が前記貯留手段に貯留されているか否かを判断することを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、貯留手段は、遊技媒体が1つずつ一列に並んで貯留されるように構成され、発射手段により連続して遊技媒体が発射されている場合に少なくとも貯留手段に貯留されるべき遊技媒体の数が並んで貯留された場合に、必ず遊技媒体が貯留される位置に該遊技媒体の存在を検出する検出手段が設けられている。そして、第4判断手段は、検出手段による検出結果に基づいて、発射手段により連続して遊技媒体が発射されている場合に、少なくとも貯留手段に貯留されるべき遊技媒体の数よりも少ない数の遊技媒体が貯留手段に貯留されているか否かが判断されるように構成されている。これにより、発射手段により連続して遊技媒体が発射されている場合に少なくとも貯留手段に貯留されるべき遊技媒体の数よりも少ない数の遊技媒体が貯留手段に貯留されているか否かの判断を、検出手段を設けるだけで容易に判断できるという効果がある。
遊技機A1,A2,B1,B2,C1及びC2のいずれかにおいて、前記発射手段により連続して遊技媒体が発射されている場合に、前記貯留手段に貯留されるべき遊技媒体の数よりも多い数の遊技媒体が前記貯留手段に貯留されているか否かを判断する第5判断手段を備え、前記報知手段は、前記第5判断手段により、前記発射手段により連続して遊技媒体が発射されている場合に前記貯留手段に貯留されるべき遊技媒体の数よりも多い数の遊技媒体が前記貯留手段に貯留されていると判断された場合は、所定の報知を行うことを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、遊技機A1,A2,B1,B2,C1及びC2のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第5判断手段により、発射手段により連続して遊技媒体が発射されている場合に貯留手段に貯留されるべき遊技媒体の数よりも多い数の遊技媒体が貯留手段に貯留されていると判断された場合は、報知手段によって所定の報知が行われる。これにより、遊技中に不正行為やトラブルが発生し、遊技機の機内を循環する遊技媒体の数に異変が起きた場合に、遊技媒体が連続して発射される状況下において貯留手段に貯留されている遊技媒体の数が本来貯留されるべき遊技媒体の数よりも多いと判断されれば、所定の報知が行われる。従って、遊技機の機内を循環する遊技媒体の数の異変を早い段階で認識できる、という効果がある。
遊技機D1において、前記貯留手段は、遊技媒体が1つずつ一列に並んで貯留されるように構成され、前記発射手段により連続して遊技媒体が発射されている場合に前記貯留手段に貯留されるべき遊技媒体の数が並んで貯留された場合に、必ず遊技媒体が貯留されない位置に該遊技媒体の存在を検出する検出手段を備えており、前記第5判断手段は、前記検出手段による検出結果に基づいて、前記発射手段により連続して遊技媒体が発射されている場合に、前記貯留手段に貯留されるべき遊技媒体の数よりも多い数の遊技媒体が前記貯留手段に貯留されているか否かを判断することを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、貯留手段は、遊技媒体が1つずつ一列に並んで貯留されるように構成され、発射手段により連続して遊技媒体が発射されている場合に貯留手段に貯留されるべき遊技媒体の数が並んで貯留された場合に、必ず遊技媒体が貯留されない位置に該遊技媒体の存在を検出する検出手段が設けられている。そして、第5判断手段は、検出手段による検出結果に基づいて、発射手段により連続して遊技媒体が発射されている場合に、貯留手段に貯留されるべき遊技媒体の数よりも多い数の遊技媒体が貯留手段に貯留されているか否かが判断されるように構成されている。これにより、発射手段により連続して遊技媒体が発射されている場合に貯留手段に貯留されるべき遊技媒体の数よりも多い数の遊技媒体が貯留手段に貯留されているか否かの判断を、検出手段を設けるだけで容易に判断できるという効果がある。
遊技媒体を貯留する貯留手段と、その貯留手段から供給された遊技媒体を遊技領域へ向けて発射する発射手段と、その発射手段により発射された遊技媒体を回収する回収手段と、その回収手段により回収された遊技媒体を前記貯留手段へ排出する排出手段と、を備え、所定数の遊技媒体を機内で循環させながら遊技を行う遊技機であって、一の遊技媒体が前記発射手段により発射されてから前記回収手段により回収され前記排出手段により前記貯留手段に排出されて貯留されるまでに要する時間を第1時間とした場合に、前記遊技機は、前記遊技領域の前面側を覆う前面枠と、その前面枠を施錠する鍵部と、その鍵部による前面枠の施錠の解錠指示を受け付ける指示受付部と、その指示受付部により前記解錠指示が受け付けられた場合に、前記発射手段による遊技媒体の発射を停止する停止手段と、前記指示受付部により前記解錠指示が受け付けられ、前記停止手段により遊技媒体の発射が停止されてから前記第1時間以上経過した場合に、前記鍵部による前記前面枠の施錠を解錠する解錠手段と、を備えることを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、貯留手段により遊技媒体が貯留され、その貯留手段から供給された遊技媒体が遊技領域へ向けて発射手段により発射され、その発射手段により発射された遊技媒体が回収手段により回収され、その回収手段により回収された遊技媒体が排出手段により排出されることで、所定数の遊技媒体を機内で循環させながら遊技が行われる。また、遊技機には、遊技領域の前面側を覆う前面枠が設けられ、その前面枠は鍵部により施錠される。ここで、指示受付部によって、前面枠の施錠の解錠指示が受け付けられると、停止手段により遊技媒体の発射が停止される。そして、停止手段による遊技媒体の発射が停止されてから第1時間以上経過にした場合に、鍵部による前面枠の施錠が解錠手段によって解錠される。なお、第1時間とは、一の遊技媒体が発射手段により発射されてから回収手段により回収され排出手段により貯留手段に排出されて貯留されるまでに要する時間である。これにより、前面枠が解錠されたときには、遊技領域に発射された遊技媒体は全て貯留手段へ回収され貯留されているので、前面枠を解錠しても、遊技領域に発射された遊技媒体に触れる事はできない。よって、遊技中に前面枠が解錠された場合であっても、遊技媒体に何らかの不正行為が行われることを抑制することができるという効果がある。
遊技機E1において、前記指示受付部により前記解錠指示が受け付けられ、前記停止手段により遊技媒体の発射が停止されてから前記第1時間以上経過するまでの期間、その時間経過を所定の態様で表示する表示手段を備えていることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、指示受付部により前面枠の施錠の解錠指示が受け付けられ、停止手段により遊技媒体の発射が停止されてから前記第1時間以上経過するまでの期間、その時間経過を所定の態様で表示手段に表示される。これにより、前面枠の施錠の解錠指示を行ってから実際に解錠されるまでの間、その表示手段の表示によって、その待ちの間に感じる心理的負担を、軽減することができるという効果がある。
遊技機E1又はE2において、遊技媒体は非磁性部材によって構成されることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1又はE2の奏する効果に加え、遊技媒体は非磁性部材によって構成されるので、前面枠の施錠が解錠されるまでの間、遊技媒体を磁石によって遊技領域に保持させておき、前面枠が解錠されたときに、その磁石によって遊技領域に保持させておいた遊技媒体に対して、不成行為を働くようなことを抑制できるという効果がある。
遊技機E1からE3のいずれかにおいて、前記鍵部は電気的に施錠および解錠可能に構成されることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E1からE3のいずれかが奏する効果に加え、鍵部は電気的に施錠および解錠可能に構成されているので、指示受付部により解錠指示が受け付けられ、停止手段により遊技媒体の発射が停止されてから前記第1時間以上経過した後に、鍵部による前面枠の施錠を解錠する解錠手段を電気的な制御によって構成することができる。よって、その構成を容易に構築することができるという効果がある。
遊技機E1からE4のいずれかにおいて、前記前面枠が開放された状態において、前記貯留手段全体がカバーによって覆われていることを特徴とする遊技機F1。
遊技機F1によれば、遊技機E1からE4のいずれかが奏する効果に加え、前面枠が開放された状態において、貯留手段全体がカバーによって覆われているので、前面枠の施錠が解錠され、前面枠が開放されて遊技領域が露出された場合であっても、貯留手段に貯留された遊技媒体に触れられることを抑制できる。よって、前面枠が解錠された場合であっても、遊技媒体に不正行為が行われることを抑制することができるという効果がある。
遊技機F1において、前記貯留手段は、該貯留手段に貯留された遊技媒体を外部へ排出する排出手段を有していることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、貯留手段に貯留された遊技媒体を排出手段によって外部へ排出させることができる。よって、前面枠を開放してもカバーによって覆われた貯留手段から遊技媒体を取り出すことができるので、遊技媒体の様子を調べたり、遊技媒体を交換したりすることができるという効果がある。
遊技機F2において、前記排出手段は、遊技機の裏面側に設けられていることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F2の奏する効果に加え、排出手段は、遊技機の裏面側に設けられているので、遊技者が貯留手段に貯留された遊技媒体を排出手段から容易に取り出すことはできない。よって、遊技者により遊技媒体に対して不正行為が行われることを抑制できるという効果がある。
遊技機E1〜E4,F1〜F3のいずれかにおいて、前記貯留手段に貯留されている遊技媒体の数を判断する第1判断手段と、前記指示受付部により前記解錠指示が受け付けられ、前記停止手段により遊技媒体の発射が停止されてから前記第1時間以上経過した場合に、前記第1判断手段により判断された前記貯留手段に貯留されている遊技媒体の数が前記所定数であるかを判断する第2判断手段と、その第2判断手段により、前記貯留手段に貯留されている遊技媒体の数が前記所定数とは異なる数であると判断された場合に、所定の報知を行う報知手段と、を備えていることを特徴とする遊技機G1。
遊技機G1によれば、遊技機E1〜E4,F1〜F3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、指示受付部により解錠指示が受け付けられ、停止手段により遊技媒体の発射が停止されてから第1時間以上経過した場合に、第1判断手段により判断された貯留手段に貯留されている遊技媒体の数が所定数であるかが第2判断手段により判断される。ここで、停止手段により遊技媒体の発射が停止されてから第1時間以上経過したとき、遊技機の機内を循環する所定数の遊技媒体が全て貯留手段に貯留されるべき状態となっている。そこで、第2判断手段により、貯留手段に貯留されている遊技媒体の数が所定数とは異なる数であると判断された場合には、報知手段によって所定の報知が行われる。これにより、遊技中に不正行為やトラブルが発生し、遊技機の機内を循環する遊技媒体の数に異変が起きた場合であっても、前面枠の解錠を契機として、遊技機の機内を循環する所定数の遊技媒体が全て貯留手段に貯留されるべき状態となった場合に、貯留手段に貯留されている遊技媒体の数が所定数とは異なる数であることが判断されて、所定の報知が行われる。従って、遊技機の機内を循環する遊技媒体の数の異変を早い段階で認識できる、という効果がある。
遊技機G1において、前記第2判断手段は、前記指示受付部により前記解錠指示が受け付けられ、前記停止手段により遊技媒体の発射が停止されてから前記第1時間以上経過した場合であって、前記解錠手段による前記前面枠の施錠の解錠が行われる前に、前記第1判断手段により判断された前記貯留手段に貯留されている遊技媒体の数が前記所定数であるかを判断することを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、指示受付部により解錠指示が受け付けられ、停止手段により遊技媒体の発射が停止されてから第1時間以上経過した場合であって、解錠手段による前面枠の施錠の解錠が行われる前に、第1判断手段により判断された貯留手段に貯留されている遊技媒体の数が所定数であるかが第2判断手段によって判断される。これにより、貯留手段に貯留されている遊技媒体の数が所定数とは異なる数であることが判断されて、所定の報知が行われる前に、前面枠が解錠されることを抑制できる。よって、不正行為者が、遊技機の機内を循環する遊技媒体の数に生じた異変を、所定の報知が行われる前に解消させて、証拠隠滅を図ることを防止できるという効果がある。
遊技機G2において、前記解錠手段は、前記第1判断手段により判断された前記貯留手段に貯留されている遊技媒体の数が前記所定数とは異なる数であると前記第2判断手段により判断された場合に、前記前面枠の施錠を非解錠とすることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G2の奏する効果に加え、第1判断手段により判断された貯留手段に貯留されている遊技媒体の数が所定数とは異なる数であると第2判断手段により判断された場合は、解錠手段による前面枠の施錠が非解錠とされるので、不正行為者が、遊技機の機内を循環する遊技媒体の数に生じた異変を、解消することができず、また、所定の報知だけが行われる。よって、証拠隠滅を図ることをより確実に防止できるという効果がある。
遊技機E1〜E4,F1〜F3,G1〜G3のいずれかにおいて、前記貯留手段に貯留されている遊技媒体の数を判断する第1判断手段と、前記解錠手段による前記前面枠の施錠の解錠が行われた後、前記前面枠が閉鎖されたことを検出する閉鎖検出手段と、その閉鎖検出手段により、前記前面枠が閉鎖されたことが検出された場合に、前記第1判断手段により判断された前記貯留手段に貯留されている遊技媒体の数が前記所定数であるかを判断する第6判断手段と、その第6判断手段により、前記貯留手段に貯留されている遊技媒体の数が前記所定数とは異なる数であると判断された場合に、所定の報知を行う報知手段と、を備えていることを特徴とする遊技機H1。
遊技機H1によれば、遊技機E1〜E4,F1〜F3,G1〜G3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、解錠手段による前面枠の施錠の解錠が行われた後、前面枠が閉鎖されたことが閉鎖検出手段により検出されると、第1判断手段により判断された貯留手段に貯留されている遊技媒体の数が所定数であるかが、第6判断手段により判断される。そして、その結果、貯留手段に貯留されている遊技媒体の数が所定数とは異なる数であると判断された場合に、所定の報知が報知手段により行われる。これにより、前面枠が閉じられた後に、貯留手段に貯留されている遊技媒体の数が所定数とは異なる数となっていることを認識させることができ、貯留手段に貯留されている遊技媒体の数が異常な状態で遊技が開始されることを抑制できるという効果がある。
遊技機E4において、前記鍵部は、電源が非投入の間は、前記前面枠の解錠が不可能に構成されていることを特徴とする遊技機I1。
遊技機I1によれば、遊技機E4の奏する効果に加え、電源が投入されない限り、前面枠の解錠が不可能であるので、得ホールの営業時間外など、遊技機に電源が投入されていない状態において、前面枠を解錠し、遊技媒体に対して不正行為が行われることを抑制できるという効果がある。
遊技機E1〜E4,F1〜F3,G1〜G3,H1,I1のいずれかにおいて、前記前面枠が解錠されている間、前記貯留手段に貯留されている遊技媒体の数を判断する第7判断手段と、その第7判断手段により判断された前記貯留手段に貯留されている遊技媒体の数が、前記前面枠が解錠されている間に変化した場合に、所定の報知を行う報知手段と、を備えていることを特徴とする遊技機J1。
遊技機J1によれば、遊技機E1〜E4,F1〜F3,G1〜G3,H1,I1のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前面枠が解錠されている間、貯留手段に貯留されている遊技媒体の数が第7判断手段により判断される。そして、その第7判断手段により判断された貯留手段に貯留されている遊技媒体の数が、前面枠が解錠されている間に変化した場合に、所定の報知が報知手段により報知される。これにより、前面枠が解錠されている間、貯留手段に貯留されている遊技媒体に対して、その数が変化するような行為が行われた場合に、その行為が不正行為によるものであれば、その不正行為を即座に発見できるという効果がある。
遊技媒体を貯留する貯留手段と、その貯留手段から供給された遊技媒体を遊技領域へ向けて発射する発射手段と、その発射手段により発射された遊技媒体を回収する回収手段と、その回収手段により回収された遊技媒体を前記貯留手段へ排出する排出手段と、を備え、所定数の遊技媒体を機内で循環させながら遊技を行う遊技機であって、遊技に使用可能な遊技媒体の数を計数する計数手段と、前記貯留手段から前記発射手段に遊技媒体を供給する供給手段と、その供給手段により前記貯留手段から前記発射手段に遊技媒体が供給されたことを検出する検出手段とを備え、前記計数手段は、前記検出手段により前記貯留手段から前記発射手段に遊技媒体が供給されたことが検出されたことを契機として、遊技に使用可能な遊技媒体の数を更新することを特徴とする遊技機K1。
遊技機K1によれば、貯留手段により遊技媒体が貯留され、その貯留手段から供給された遊技媒体が発射手段により発射され、その発射手段により発射された遊技媒体が回収手段により回収され、その回収手段により回収された遊技媒体が排出手段により排出されることで、所定数の遊技媒体を機内で循環させながら遊技が行われる。このとき、遊技に使用可能な遊技媒体の数が、計数手段により計数あれる。また、供給手段によって、貯留手段から発射手段に遊技媒体が供給され、その供給は、検出手段によって検出される。そして、検出手段により、貯留手段から発射手段に遊技媒体が供給されたことが検出されたことを契機として、計数手段によって、遊技に使用可能な遊技媒体の数が更新される。電源断等の特別な事情がない限り、発射手段に遊技媒体が供給されれば、その遊技媒体は発射され、遊技に使用される。よって、遊技媒体が供給されたことが検出されたことを契機として、遊技に使用可能な遊技媒体の数を更新することにより、遅滞なく、遊技に使用された遊技媒体を計数することができるという効果がある。
遊技機K1において、前記発射手段は、少なくとも前記遊技領域に前記遊技媒体が案内される強度で前記遊技媒体を発射するものであることを特徴とする遊技機K2。
遊技機K2によれば、遊技機K1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、貯留手段から供給された遊技媒体は、少なくとも遊技領域に遊技媒体が案内される強度で発射手段により発射されるので、発射された遊技媒体は確実に遊技に使用される。よって、遊技媒体が実際に遊技に使用されたか否かを確認しなくても、遊技媒体が貯留手段から供給手段へ供給されたことが検出されたことを契機として、遊技に使用可能な遊技媒体の数を更新するすれば、遅滞なく、確実に遊技に使用された遊技媒体を計数することができるという効果がある。
遊技媒体を貯留する貯留手段と、その貯留手段から供給された遊技媒体を遊技領域へ向けて発射する発射手段と、その発射手段により発射された遊技媒体を回収する回収手段と、その回収手段により回収された遊技媒体を前記貯留手段へ排出する排出手段と、を備え、所定数の遊技媒体を機内で循環させながら遊技を行う遊技機であって、遊技者により操作可能な操作手段と、その操作手段に対して所定の操作がなされた場合に、遊技の進行を停止する停止手段とを備えることを特徴とする遊技機L1。
遊技機L1によれば、貯留手段により遊技媒体が貯留され、その貯留手段から供給された遊技媒体が発射手段により発射され、その発射手段により発射された遊技媒体が回収手段により回収され、その回収手段により回収された遊技媒体が排出手段により排出されることで、所定数の遊技媒体を機内で循環させながら遊技が行われる。また、遊技者により操作可能な操作手段が設けられ、その操作手段に対して所定の操作がなされた場合に、停止手段によって遊技の進行が停止される。これにより、循環している遊技媒体の発射が不可能な状況になった場合などに、遊技者が操作手段に対して所定の操作を行うことで、遊技者の意思に沿って、遊技の進行を停止させることができる。よって、遊技者が不利益を被ることを抑制することができるという効果がある。また、遊技者が安心して遊技を行うことができるという効果がある。
遊技機L1において、前記遊技機が遊技の進行に問題のある状態にあるか否かを判断する状態判断手段を備え、前記停止手段は、前記遊技機が遊技の進行に問題のある状態にあると前記状態判断手段により判断され、前記操作手段に対して所定の操作がなされた場合に、遊技の進行を停止するものであることを特徴とする遊技機L2。
遊技機L2によれば、遊技機L1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技機が遊技の進行に問題のある状態にあると状態判断手段により判断され、操作手段に対して所定の操作がなされた場合に、停止手段によって遊技の進行が停止される。これにより、遊技の進行に問題がある場合に、遊技者が操作手段に対して所定の操作を行うことで、遊技者の意思に沿って、遊技の進行を停止させることができる。よって、遊技者が不利益を被ることを抑制することができるという効果がある。また、遊技者が安心して遊技を行うことができるという効果がある。一方で、遊技の進行に問題のない場合は、遊技者が操作手段に対して所定の操作を行っても、遊技の進行は停止されない。これにより、遊技が行えるにもかかわらず、むやみに遊技の進行が停止されることを抑制できるという効果がある。
遊技機L2において、前記状態判断手段は、前記遊技媒体の発射に関する問題のある状態にあるか否かを判断し、前記停止手段は、前記遊技媒体の発射に関する問題のある状態にあると状態判断手段により判断され、前記操作手段に対して所定の操作がなされた場合に、遊技の進行を停止するものであることを特徴とする遊技機L3。
遊技機L3によれば、遊技機L2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技媒体の発射に関する問題のある状態にあると状態判断手段により判断され、操作手段に対して所定の操作がなされた場合に、停止手段によって遊技の進行が停止される。ここで、遊技媒体の発射に関する問題とは、発射手段そのものの問題のほか、遊技媒体が遊技領域で詰まったことにより、遊技媒体を発射しても遊技に使用できないおそれがある問題をも含む。これにより、遊技者の利益に最も深くかかわる遊技媒体の発射に関する問題がある場合に、遊技者が操作手段に対して所定の操作を行うことで、遊技者の意思に沿って、遊技の進行を停止させることができる。よって、遊技者が不利益を被ることを抑制することができるという効果がある。また、遊技者が安心して遊技を行うことができるという効果がある。一方で、遊技媒体の発射に関する問題のない場合は、遊技者が操作手段に対して所定の操作を行っても、遊技の進行は停止されない。これにより、遊技が行えるにもかかわらず、むやみに遊技の進行が停止されることを抑制できるという効果がある。
遊技機L2において、前記状態判断手段は、前記貯留手段に貯留されている遊技媒体の数に問題があるか否かを判断し、前記停止手段は、前記貯留手段に貯留されている遊技媒体の数に問題があると状態判断手段により判断され、前記操作手段に対して所定の操作がなされた場合に、遊技の進行を停止するものであることを特徴とする遊技機L4。
遊技機L4によれば、遊技機L3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、貯留手段に貯留されている遊技媒体の数に問題があると状態判断手段により判断され、操作手段に対して所定の操作がなされた場合に、停止手段によって遊技の進行が停止される。貯留手段に貯留されている遊技媒体の数が多ければ、不正な遊技媒体が遊技機に挿入されたおそれがあり、貯留手段に貯留されている遊技媒体の数が少なければ、遊技媒体が遊技領域などで詰まっているおそれがある。よって、貯留手段に貯留されている遊技媒体の数に問題があると状態判断手段により判断され、遊技者が操作手段に対して所定の操作を行うことで、不正な遊技媒体が挿入されていたり、遊技媒体が遊技領域などで詰まっていたりしているような場合に、遊技者の意思に沿って、遊技の進行を停止させることができる。よって、遊技者が不利益を被ることを抑制することができるという効果がある。また、遊技者が安心して遊技を行うことができるという効果がある。一方で、貯留手段に貯留されている遊技媒体の数に問題がない場合は、遊技者が操作手段に対して所定の操作を行っても、遊技の進行は停止されない。これにより、遊技が行えるにもかかわらず、むやみに遊技の進行が停止されることを抑制できるという効果がある。
遊技媒体を貯留する貯留手段と、その貯留手段から供給された遊技媒体を遊技領域へ向けて発射する発射手段と、その発射手段により発射された遊技媒体を回収する回収手段と、その回収手段により回収された遊技媒体を前記貯留手段へ排出する排出手段と、を備え、所定数の遊技媒体を機内で循環させながら遊技を行う遊技機であって、遊技に使用可能な遊技媒体の数を計数し、前記貯留手段から前記発射手段に遊技媒体を供給された段階で、遊技に使用可能な遊技媒体の数を1減らす計数手段と、電源が断されたことを検出する電源断検出手段と、その電源断検出手段により電源が断されたことが検出された場合に、前記発射手段に遊技媒体が供給されていても、遊技媒体の発射を非実行とする手段と、電源が投入された場合に、前記発射手段を駆動する駆動手段と、その駆動手段により前記発射手段を駆動してから前記遊技領域を流下した遊技媒体を検出する流下遊技媒体検出手段とを備え、前記計数手段は、前記流下遊技媒体検出手段により前記遊技領域を流下した遊技媒体が検出された場合に、遊技に使用可能な遊技媒体の数を1加えることを特徴とする遊技機M1。
遊技機M1によれば、貯留手段により遊技媒体が貯留され、その貯留手段から供給された遊技媒体が発射手段により発射され、その発射手段により発射された遊技媒体が回収手段により回収され、その回収手段により回収された遊技媒体が排出手段により排出されることで、所定数の遊技媒体を機内で循環させながら遊技が行われる。また、遊技に使用可能な遊技媒体の数は、計数手段によって計数され、貯留手段から発射手段に遊技媒体が供給されると、その段階で、遊技に使用可能な遊技媒体の数が1だけ減らされる。また、電源断検出手段により電源が断されたことが検出された場合に、発射手段に遊技媒体が供給されていても、その遊技媒体の発射は非実行とされる。そして、電源が投入された場合に、駆動手段により発射手段が駆動される。その後、遊技領域を流下した遊技媒体が流下遊技媒体検出手段により検出された場合、遊技に使用可能な遊技媒体の数が、計数手段により1だけ加えられる。これにより、電源断によって遊技に使用されなかった遊技媒体が、遊技に使用可能な遊技媒体として計数されるので、遊技者に不利益が生じることを抑制できる。
遊技機M1において、前記駆動手段は、電源が投入された場合に、前記発射手段に遊技媒体が供給されているか否かにかかわらず、前記発射手段を駆動するものであることを特徴とする遊技機M2。
遊技機M2によれば、遊技機M1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、電源が投入された場合に、発射手段に遊技媒体が供給されているか否かにかかわらず、駆動手段により発射手段が駆動される。これにより、電源が断されたことが検出された場合に、発射手段に遊技媒体が供給されていたか否かを記憶させなくても、電源が投入された場合に、発射手段を駆動した後、遊技領域を流下した遊技媒体が流下遊技媒体検出手段により検出されたことをもって、電源が断されたことが検出されたことにより、発射手段に供給された遊技媒体が発射されずに残されていたことを容易に判断することができるという効果がある。
遊技媒体を貯留する貯留手段と、その貯留手段から供給された遊技媒体を遊技領域へ向けて発射する発射手段と、その発射手段により発射された遊技媒体を回収する回収手段と、その回収手段により回収された遊技媒体を前記貯留手段へ排出する排出手段と、を備え、所定数の遊技媒体を機内で循環させながら遊技を行う遊技機であって、遊技に使用可能な遊技媒体の数を計数し、前記貯留手段から前記発射手段に遊技媒体を供給された段階で、遊技に使用可能な遊技媒体の数を1減らす計数手段と、電源が断されたことを検出する電源断検出手段と、その電源断検出手段により電源が断されたことが検出された場合に、前記発射手段に遊技媒体が供給されていても、遊技媒体の発射を非実行とする手段と、電源が投入された場合に、前記発射手段に供給された遊技媒体が発射されずに存在するか否かを判断する存在判断手段と、その存在判断手段により、前記発射手段に供給された遊技媒体が発射されずに存在すると判断されることを条件として、前記発射手段を駆動する駆動手段と、を備え、前記計数手段は、前記駆動手段により前記発射手段が駆動された場合に、遊技に使用可能な遊技媒体の数を1加えることを特徴とする遊技機N1。
遊技機N1によれば、貯留手段により遊技媒体が貯留され、その貯留手段から供給された遊技媒体が発射手段により発射され、その発射手段により発射された遊技媒体が回収手段により回収され、その回収手段により回収された遊技媒体が排出手段により排出されることで、所定数の遊技媒体を機内で循環させながら遊技が行われる。また、遊技に使用可能な遊技媒体の数は、計数手段によって計数され、貯留手段から発射手段に遊技媒体が供給されると、その段階で、遊技に使用可能な遊技媒体の数が1だけ減らされる。また、電源断検出手段により電源が断されたことが検出された場合に、発射手段に遊技媒体が供給されていても、その遊技媒体の発射は非実行とされる。そして、電源が投入された場合に、その存在判断手段により、発射手段に供給された遊技媒体が発射されずに存在するか否かが判断され、その結果、発射手段に供給された遊技媒体が発射されずに存在すると判断されることを条件として、駆動手段により発射手段が駆動される。そして、その駆動手段によって発射手段が駆動された場合に、遊技に使用可能な遊技媒体の数が、計数手段により1だけ加えられる。これにより、電源断によって遊技に使用されなかった遊技媒体が、遊技に使用可能な遊技媒体として計数されるので、遊技者に不利益が生じることを抑制できる。また、発射手段に供給された遊技媒体が発射されずに存在すると判断される場合にのみ、発射手段が駆動されるので、発射手段に遊技媒体が存在しない場合に、無駄に発射手段が駆動されることを抑制できるという効果がある。
遊技機N1において、前記発射手段に供給された遊技媒体が発射されずに存在する場合にその情報が記憶され、電源が断されている間もその情報が保持される記憶手段を備え、前記存在判断手段は、電源が投入された場合に、前記記憶手段に前記情報が記憶されていれば、前記発射手段に供給された遊技媒体が発射されずに存在すると判断するものであることを特徴とする遊技機N2。
遊技機N2によれば、遊技機N1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、発射手段に供給された遊技媒体が発射されずに存在する場合、その情報が記憶手段に記憶され、電源が断されている間もその情報が保持される。そして、電源が投入された場合に、記憶手段に前記情報が記憶されていれば、存在判断手段により、発射手段に供給された遊技媒体が発射されずに存在すると判断され、駆動手段により発射手段が駆動される。これにより、電源が断されるときの情報が、電源が断されている間も保持され、その情報に基づいて、発射手段に供給された遊技媒体が発射されずに存在するか否かが判断されるので、その判断を確実に行うことができるという効果がある。
遊技機N1において、前記発射手段に供給された遊技媒体が存在するか否かを検出する遊技媒体検出手段を備え、前記存在判断手段は、電源が投入された場合に、前記発射手段に供給された遊技媒体が存在すると前記遊技媒体検出手段により検出されれば、前記発射手段に供給された遊技媒体が発射されずに存在すると判断するものであることを特徴とする遊技機N3。
遊技機N3によれば、遊技機N1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技媒体検出手段によって、前記発射手段に供給された遊技媒体が存在するか否かが検出される。そして、電源が投入された場合に、発射手段に供給された遊技媒体が存在すると遊技媒体検出手段により検出されれば、存在判断手段により、発射手段に供給された遊技媒体が発射されずに存在すると判断され、駆動手段により発射手段が駆動される。これにより、遊技媒体検出手段による検出結果に基づいて、発射手段に供給された遊技媒体が発射されずに存在するか否かが判断されるので、その判断を確実に行うことができるという効果がある。
遊技媒体を貯留する貯留手段と、その貯留手段から供給された遊技媒体を遊技領域へ向けて発射する発射手段と、その発射手段により発射された遊技媒体を回収する回収手段と、その回収手段により回収された遊技媒体を前記貯留手段へ排出する排出手段と、を備え、所定数の遊技媒体を機内で循環させながら遊技を行う遊技機であって、遊技に使用可能な遊技媒体の数を計数し、前記貯留手段から前記発射手段に遊技媒体を供給された段階で、遊技に使用可能な遊技媒体の数を1減らす計数手段と、電源が断されたことを検出する電源断検出手段と、その電源断検出手段により電源が断されたことが検出されたときに、前記発射手段に遊技媒体が存在する場合は、その遊技媒体が前記遊技領域へ届かないように前記発射手段を駆動して、その遊技媒体を前記貯留手段へ戻す第2駆動手段と、を備え、前記計数手段は、前記第2駆動手段により前記発射手段が駆動された場合に、遊技に使用可能な遊技媒体の数を1加えることを特徴とする遊技機O1。
遊技機O1によれば、貯留手段により遊技媒体が貯留され、その貯留手段から供給された遊技媒体が発射手段により発射され、その発射手段により発射された遊技媒体が回収手段により回収され、その回収手段により回収された遊技媒体が排出手段により排出されることで、所定数の遊技媒体を機内で循環させながら遊技が行われる。また、遊技に使用可能な遊技媒体の数は、計数手段によって計数され、貯留手段から発射手段に遊技媒体が供給されると、その段階で、遊技に使用可能な遊技媒体の数が1だけ減らされる。また、電源断検出手段により電源が断されたことが検出されたときに、発射手段に遊技媒体が存在する場合は、第2駆動手段によって、その遊技媒体が前記遊技領域へ届かないように発射手段が駆動され、その遊技媒体が貯留手段に戻される。そして、第2駆動手段によって発射手段が駆動された場合に、遊技に使用可能な遊技媒体の数が、計数手段により1だけ加えられる。これにより、電源断によって遊技に使用されなかった遊技媒体が、遊技に使用可能な遊技媒体として計数されるので、遊技者に不利益が生じることを抑制できる。
遊技機O1において、前記第2駆動手段により前記発射手段が駆動されたことを示す信号を生成する信号生成手段を備え、前記計数手段は、前記信号生成手段により生成された前記信号に基づいて、遊技に使用可能な遊技媒体の数を1加えるものであることを特徴とする遊技機O2。
遊技機O2によれば、遊技機O1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、電源断検出手段により電源が断されたことが検出されたときに、発射手段に遊技媒体が存在する場合は、第2駆動手段によって、その遊技媒体が前記遊技領域へ届かないように発射手段が駆動されると、その駆動されたことを示す信号が、信号生成手段により生成される。そして、その信号生成手段により生成された信号に基づいて、遊技に使用可能な遊技媒体の数が、計数手段により1だけ加えられる。これにより、第2駆動手段により発射手段が駆動された後、前記信号によって、即座に遊技に使用可能な遊技媒体の数を1加えることができる。よって、電圧が印加され続ける間に、確実に、遊技に使用可能な遊技媒体の数を更新できるという効果がある。
遊技機O1において、前記発射手段により発射された遊技媒体であって、前記遊技領域へ届かずに前記貯留手段へ戻された遊技媒体を検出する戻り遊技媒体検出手段を備え、前記計数手段は、前記第2駆動手段により前記発射手段が駆動され、その後、前記戻り遊技媒体検出手段により前記遊技媒体が検出された場合に、遊技に使用可能な遊技媒体の数を1加えるものであることを特徴とする遊技機O3。
遊技機O3によれば、遊技機O1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2駆動手段により発射手段が駆動され、その後、戻り遊技媒体検出手段により遊技領域へ届かずに貯留手段へ戻された遊技媒体が検出された場合に、遊技に使用可能な遊技媒体の数が、計数手段により1だけ加えられる。これにより、第2駆動手段により発射手段が駆動されたことにより、遊技領域へ届かずに貯留手段へ戻された遊技媒体が、戻り遊技媒体検出手段により検出されることを待って、遊技に使用可能な遊技媒体の数を1加えることができる。よって、遊技に使用可能な遊技媒体の数を正しく更新できるという効果がある。
遊技媒体を貯留する貯留手段と、その貯留手段から供給された遊技媒体を遊技領域へ向けて発射する発射手段と、その発射手段により発射された遊技媒体を回収する回収手段と、その回収手段により回収された遊技媒体を前記貯留手段へ排出する排出手段と、を備え、所定数の遊技媒体を機内で循環させながら遊技を行う遊技機であって、遊技に使用可能な遊技媒体の数を計数し、前記貯留手段から前記発射手段に遊技媒体を供給された段階で、遊技に使用可能な遊技媒体の数を1減らす計数手段と、電源が断されたことを検出する電源断検出手段と、その電源断検出手段により電源が断されたことが検出されると、前記遊技領域を流下した前記遊技媒体を前記回収手段の上流側で停留させる停留手段と、電源が投入された場合に、前記停留手段により停留されていた遊技媒体を1つずつ検出しながら、前記回収手段へ排出する排出手段と、を備え、前記計数手段は、前記排出手段により前記遊技媒体が検出される毎に、遊技に使用可能な遊技媒体の数を1加えることを特徴とする遊技機P1。
遊技機P1によれば、貯留手段により遊技媒体が貯留され、その貯留手段から供給された遊技媒体が発射手段により発射され、その発射手段により発射された遊技媒体が回収手段により回収され、その回収手段により回収された遊技媒体が排出手段により排出されることで、所定数の遊技媒体を機内で循環させながら遊技が行われる。また、遊技に使用可能な遊技媒体の数は、計数手段によって計数され、貯留手段から発射手段に遊技媒体が供給されると、その段階で、遊技に使用可能な遊技媒体の数が1だけ減らされる。また、電源断検出手段により電源が断されたことが検出されたときに、遊技領域を流下した遊技媒体を回収手段の上流側で停留手段により停留される。その停留手段により停留されていた遊技媒体は、電源が投入された場合に、排出手段によって1つずつ検出されながら、回収手段へ排出される。そして、排出手段により遊技媒体が検出される毎に、遊技に使用可能な遊技媒体の数が、計数手段により1だけ加えられる。ここで、電源が断されたときに遊技領域を流下していた遊技媒体は、遊技に使用されない。よって、遊技に使用されなかった遊技媒体が、遊技に使用可能な遊技媒体として計数されるので、遊技者に不利益が生じることを抑制できる。
前記停留手段は、通常の遊技が行われる間は、前記遊技領域を流下した前記遊技媒体を停留させることなく、前記回収手段へ排出するものであることを特徴とする遊技機P2。
遊技機P2によれば、遊技機P1の奏する効果に加え、通常の遊技が行われる間は、停留手段によって、遊技領域を流下した前記遊技媒体は停留させず、回収手段へ排出される。よって、通常の遊技が行われる間は、停留手段を遊技媒体が通過しないように流路を設ける必要がないので、構成を簡略化できるという効果がある。
遊技者に有利な特別遊技状態とするか否かを抽選し、遊技の主な制御を行う主制御手段と、その抽選結果に関する情報を示す信号を含めて、その主制御手段からの信号に基づいて制御を行う従制御手段とを備えた遊技機であって、前記主制御手段は、前記従制御手段へ送信する信号を、2本の信号線を使用してそれぞれに逆位相の信号を伝送する差動伝送方式によって送信する送信手段を備えることを特徴とする遊技機Q1。
遊技機Q1によれば、主制御手段によって、遊技者に有利な特別遊技状態とするか否かの抽選が行われ、遊技の主な制御が行われる。また、特別遊技状態とするか否かの抽選結果に関する情報を示す信号を含めて、主制御手段からの信号に基づいて、従制御手段により制御が行われる。ここで、主制御手段から従制御手段へ送信される信号は、送信手段によって、2本の信号線を使用してそれぞれに逆位相の信号を伝送する差動伝送方式によって送信される。これにより、主制御手段と従制御手段との間に不正な基板を接続し、従制御手段に対して不正な信号を送信することで、不当に遊技者に有利な状態を作り出そうとしても、主制御手段から従制御手段へ送信される信号は、2本の信号線を使用して送信されるので、不正な信号を従制御手段に送信し難くすることができる。よって、このような不正行為を抑制できるという効果がある。
遊技機A1,A2,B1,B2,C1,C2,D1,D2,E1〜E4,F1〜F3,G1〜G3,H1,I1,J1,K1,K2,L1〜L4,M1,M2,N1〜N3,O1〜O3,P1,P2,Q1のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機R1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1,A2,B1,B2,C1,C2,D1,D2,E1〜E4,F1〜F3,G1〜G3,H1,I1,J1,K1,K2,L1〜L4,M1,M2,N1〜N3,O1〜O3,P1,P2,Q1のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機R2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1,A2,B1,B2,C1,C2,D1,D2,E1〜E4,F1〜F3,G1〜G3,H1,I1,J1,K1,K2,L1〜L4,M1,M2,N1〜N3,O1〜O3,P1,P2,Q1のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機R3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
6 アウト口(回収手段の一部)
10 パチンコ機(遊技機)
14 扉枠(前面枠)
21a シリンダ錠(指示受付部)
41a 回収通路(回収手段の一部)
42a 排出通路(排出手段)
64 ファール球通路(回収手段の一部)
65 供給通路(貯留手段)
66 球発射ユニット(発射手段)
91 51球検出スイッチ(第1判断手段の一部)
92 50球検出スイッチ(第1判断手段の一部)
93 ファール球検出スイッチ(遊技媒体検出手段)
94 球送り検出スイッチ(検出手段)
99 電子錠(鍵部)
110 主制御装置(主制御手段)
111 計数装置(従制御手段の一部)
113 音声ランプ制御装置(従制御手段の一部)
112a 球送りフラグ(記憶手段)
213e 球回収時間計数カウンタ(第1計数手段)
213a 所持球カウンタ(計数手段)
213k 球送りフラグ(記憶手段)
301 オールスリープボタン(操作手段)
310 入賞球側停留装置(停留手段の一部)
320 アウト球側停留装置(停留手段の一部)
S1207 変動開始処理(抽選手段)
S1726 (状態判断手段)
S1907 (電源断検出手段)
S2105 (第3判断手段)
S2106 第2球数判定処理(第2判断手段の一部)
S2404 第3球数判定手段(第2判断手段の一部)
S2405 (解錠手段)
S2704 第3球数判定手段(第2判断手段の一部)
S2804 第3球数判定手段(第2判断手段の一部)
S3005,S3011 (流下遊技媒体検出手段)
S3003〜S3005,S3009〜S3011 (排出手段)
S3502 (駆動手段)
S3506 (供給手段)
S3701,S4011 (存在判断手段)
S3801 (第2駆動手段)
S3802 (信号生成手段)

Claims (1)

  1. 遊技者に有利な特別遊技状態とするか否かを抽選し、遊技の主な制御を行う主制御手段と、その抽選結果に関する情報を示す信号を含めて、その主制御手段からの信号に基づいて制御を行う従制御手段とを備える遊技機であって、
    前記主制御手段は、前記従制御手段へ送信する信号を、2本の信号線を使用してそれぞれに逆位相の信号を伝送する差動伝送方式によって送信する送信手段を備えることを特徴とする遊技機。
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