JP2014026832A - リチウム二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】正極活物質の溶出を抑制することが可能であり、かつ電池特性が高いレベルに維持されているリチウム二次電池を提供すること。
【解決手段】本発明により提供されるリチウム二次電池は、正極シートおよび負極シートを捲回してなる捲回電極体を備える。前記捲回電極体は、前記正極シートの最外周より外側に前記負極シートの最外周が位置している。前記正極シートは、その最外周部分の外側面に正極合材層を有している。該正極合材層は、正極活物質としてリチウム遷移金属複合酸化物を含む。前記負極シートは、その最外周部分の両面に負極合材層を有している。また、前記リチウム二次電池は、前記正極活物質に供給され得る位置に非重合性添加剤を含む。そして、該非重合性添加剤の60℃における酸化電位は4.1V以上4.6V以下である。
【選択図】図3

Description

本発明はリチウム二次電池に関する。詳しくは、車両搭載用電源に適用可能なリチウム二次電池に関する。
リチウム二次電池は、軽量で高エネルギー密度が得られることから、パソコンや携帯端末等のいわゆるポータブル電源や車両駆動用電源として用いられている。特に、電気自動車、ハイブリッド自動車等の車両の駆動用高出力電源としての重要性は高い。そのようなリチウム二次電池の一構成例として、正負の電極を捲回してなる捲回電極体を用いるリチウム二次電池が挙げられる。例えば特許文献1には、リチウム二次電池において、電池特性を向上することを目的として、非水電解液中にビニレンカーボネートを添加して電極表面にビニレンカーボネートに由来する被膜を形成することが開示されている。
特開2011−090876号公報
上述の捲回電極体のなかで、負極の最外周が正極の最外周より外側に配置されており、かつ負極の両面に合材層が形成されているものは、上記負極の最外周の一方の表面(外側面)に、正極に対向しない負極合材層が存在する。この正極非対向の負極合材層に起因して、正極の最外周部分は他の部分より電位が高くなりやすい。そのため、正極活物質(典型的には正極活物質を構成する遷移金属)が溶出しやすい傾向がある。この溶出を抑制することができれば、経時的な電池特性の劣化を防ぐことができ、有益である。そこで、本発明者は鋭意検討した結果、非重合性であり、かつ所定の酸化電位を有する添加剤を選択して用いることによって、電池特性を高いレベルに維持しながら正極活物質の溶出を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、捲回電極体を備えるリチウム二次電池の改良に関するものであり、その目的は、正極活物質の溶出を抑制することが可能であり、かつ電池特性が高いレベルに維持されているリチウム二次電池を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明により、正極シートおよび負極シートを捲回してなる捲回電極体を備えるリチウム二次電池が提供される。前記捲回電極体は、前記正極シートの最外周より外側に前記負極シートの最外周が位置している。前記正極シートは、その最外周部分の外側面に正極合材層を有している。該正極合材層は、正極活物質としてリチウム遷移金属複合酸化物を含む。前記負極シートは、その最外周部分の両面に負極合材層を有している。また、前記リチウム二次電池は、前記正極活物質に供給され得る位置に非重合性添加剤を含む。そして、該非重合性添加剤の60℃における酸化電位は4.1V以上4.6V以下である。
非重合性添加剤は、正極活物質の溶出が起こり得る作動電位において正極活物質の溶出よりも優先して酸化分解する。この添加剤は非重合性であるため、酸化分解しても電極表面に反応生成物(典型的には重合物)が析出しにくい。このような非重合性添加剤を選択して用いることによって、正極活物質の溶出が抑制され、また、上記反応生成物による電池特性の低下(典型的には抵抗上昇)が抑制される。したがって、本発明によると、正極活物質の溶出を抑制することが可能であり、かつ電池特性が高いレベルに維持されているリチウム二次電池が提供される。上記のように正極活物質の溶出が抑制されているリチウム二次電池は、電池特性の低下が抑制される。例えば、正極活物質の溶出物によって起こり得る微短絡を防ぐことができる。なお、本明細書において「非重合性添加剤」とは、実質的に重合することなく正極活物質の溶出を抑制することが可能な添加剤として定義され得るものであり、後述する重合確認試験において非重合性添加剤と評価され得るものである。
ここで開示されるリチウム二次電池の好適な一態様では、前記非重合性添加剤は、置換基が導入されている有機化合物であり、該置換基は、フッ素基または炭素原子数が2以上のアルキル基である。上記置換基を有する有機化合物は、酸化分解の際に実質的に重合しない。そのような非重合性添加剤を選択して用いることによって、電池特性を高いレベルに維持しながら正極活物質の溶出を抑制することができる。また、前記有機化合物は芳香環構造を含むことが好ましい。
ここで開示されるリチウム二次電池の好適な一態様では、前記非重合性添加剤は、前記リチウム二次電池を構成する非水電解質に含まれている。このように構成することで、長期に亘って非重合性添加剤を正極活物質に供給することが可能となり、正極活物質の溶出が長期間抑制される。
ここで開示されるリチウム二次電池の好適な一態様では、電池ケースの内圧が上昇することによって作動する電流遮断機構を備えており、前記リチウム二次電池を構成する非水電解質はガス発生剤を含み、該ガス発生剤は、前記非重合性添加剤よりも60℃における酸化電位が高い。これによって、二次電池が過充電状態となりケース内圧が所定以上となったときに電流遮断機構(CID:Current Interrupt Device)が精度よく作動し、過充電の進行を阻止する。
ここで開示されるリチウム二次電池は、正極活物質の溶出を抑制することが可能であり、かつ電池特性が高いレベルに維持されている。この効果は、大型の電池において好適に発揮され得る。したがって、この特徴を活かして、ハイブリッド自動車(HV)やプラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)等のような車両の駆動電源等の大型の二次電池として好適に利用され得る。本発明によると、ここで開示されるいずれかのリチウム二次電池(複数の電池が接続された組電池の形態であり得る。)を搭載した車両が提供される。
一実施形態に係るリチウム二次電池の構成を模式的に示す図である。 図1の捲回電極体の構成を模式的に示す図である。 図1の捲回電極体の正負の電極シートの最外周部分を拡大して示す模式断面図である。 正極合材層の断面の一部のSEM画像を模式的に示す図である。 正極合材層の断面の一部のSEM画像を模式的に示す図である。 一実施形態に係るリチウム二次電池を備えた車両(自動車)を模式的に示す側面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明による一実施形態を説明する。なお、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。また、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、正極および負極を備えた電極体の構成および製法、電池(ケース)の形状等、電池の構築に係る一般的技術等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明し、重複する説明は省略または簡略化することがある。
以下、リチウム二次電池に係る好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な電池一般をいい、リチウム二次電池等の蓄電池(すなわち化学電池)のほか、電気二重層キャパシタ等のキャパシタ(すなわち物理電池)を包含する。また、本明細書において「リチウム二次電池」とは、電解質イオンとしてリチウムイオン(Liイオン)を利用し、正負極間におけるLiイオンに伴う電荷の移動により充放電が実現される二次電池をいう。その限りにおいて、例えば、Liイオン以外の金属イオン(例えばナトリウムイオン)を電荷担体として併用する二次電池も本明細書における「リチウム二次電池」に包含され得る。一般にリチウムイオン二次電池と称される電池は、本明細書におけるリチウム二次電池に包含される典型例である。
≪リチウム二次電池≫
図1は、一実施形態に係るリチウム二次電池の構成を模式的に示す図である。図1に示すように、リチウム二次電池100は、角型の電池ケース50と、電池ケース50内に収容される捲回電極体80とを備える。電池ケース50内にはまた、非水電解質(非水電解液)90が収容されている。非水電解液90は捲回電極体80に含浸されている。電池ケース50は、上面に開口部を有する扁平箱形状のケース本体52と、その開口部を塞ぐ蓋体54とを備える。ケース本体52の開口部は、捲回電極体80を上記開口部からケース本体52内に収容した後、蓋体54によって封止される。このように電池ケース50の内部が密閉されることにより、リチウム二次電池100は密閉型電池となる。
電池ケース50の上面(蓋体54)には、正極端子70および負極端子72が設けられている。正極端子70は正極(正極シート)10の幅方向の一端に付設された正極集電板74と電気的に接続されている。負極端子72は負極(負極シート)20の幅方向の一端に付設された負極集電板76と電気的に接続されている。
電池ケース50内には、電池ケース50の内圧上昇により作動するCID30が設けられている。CID30は、蓋体54に固定した正極端子70と捲回電極体80との間に設けられ、電池ケース50の内圧が上昇し、所定の圧力に達したときに正極端子70から正極10に至る導電経路を電気的に分断するように構成されている。
CID30は、変形金属板32と、変形金属板32に接合された接続金属板34とを備える。変形金属板32は、中央部分が下方へ湾曲したアーチ形状の湾曲部分33を有する。湾曲部分33の周縁部分は、集電リード端子35を介して正極端子70の下面に接続されている。また、変形金属板32の湾曲部分33の一部(先端)は、接続金属板34の上面と接合点36にて接合されている。接続金属板34の下面(裏面)には正極集電板74が接合されており、正極集電板74は捲回電極体80の正極10に接続されている。このようにして、正極端子70から正極10に至る導電経路が形成されている。
CID30はまた、プラスチックにより形成された絶縁ケース38を備えている。なお、絶縁ケースの材質はプラスチックに限定されるものではなく、絶縁性を有し、気密性を有するものであればよい。絶縁ケース38は、変形金属板32を囲むように設けられている。絶縁ケース38には、変形金属板32の湾曲部分33を嵌入する開口部が形成されており、変形金属板32の湾曲部分33は、該開口部に嵌入されることで該開口部を封止している。これによって、絶縁ケース38内は密閉状態に保持されるため、密閉された湾曲部分33の上方には、電池ケース50の内圧は作用しない。これに対して、絶縁ケース38外の湾曲部分33の下面には、電池ケース50の内圧が作用する。このような構成を有するCID30において、過充電電流に起因して電池ケース50の内圧が高まると、該内圧は、変形金属板32の下方へ湾曲した湾曲部分33を上方へ押し上げるように作用する。この作用(力)は、電池ケース50の内圧が上昇するにつれて増大する。そして、電池ケース50の内圧が設定圧力を超えると、湾曲部分33が上下反転する。すなわち、湾曲部分33は上方に湾曲するように変形する。この湾曲部分33の変形によって、変形金属板32と接続金属板34との接合点36における接続は断たれる。これによって導電経路は電気的に分断され、電流は遮断される。
この実施形態では、CID30は変形金属板32が変形するものであったが、これに限定されない。電池ケースの内圧が上昇したときに、上方に配置された第一部材(本実施形態の変形金属板32の位置に配置された部材)ではなく下方に配置された第二部材(本実施形態の接続金属板34の位置に配置された部材)が変形して他方から離隔することにより上記導電経路を電気的に分断するように構成されていてもよく、第一部材および第二部材の両方が変形するものであってもよい。また、上記のようなCIDは、正極端子側に限らず、負極端子側に設けてもよい。またCIDは、電池ケースの内圧が上昇したときに、正負の電極の少なくとも一方と電池ケース外部に露出する外部端子(正極端子または負極端子)とを導通する導電経路を電気的に分断するように構成されていればよく、特定の形状、構造に限定されない。さらにCIDは、上述した第一部材および/または第二部材の変形を伴う機械的な切断を行うものに限定されない。例えば、電池ケースの内圧をセンサで検知し、該センサで検知した内圧が設定圧力を超えると充電電流を遮断するような外部回路を設けたCIDであってもよい。なお、CIDは、本明細書において開示されるリチウム二次電池の必須の構成要素ではなく、過充電時に電流を遮断することが可能な機能を有する好適例の一つとして把握される。
図2は、図1の捲回電極体の構成を模式的に示す図であり、捲回電極体80を構築する前段階における長尺状のシート構造(電極シート)を示している。図2に示すように、捲回電極体80は、長尺シート状の正極(正極シート)10と、長尺シート状の負極(負極シート)20とを備える。正極シート10は、長尺状の正極集電体12と、正極集電体12の少なくとも一方の表面(典型的には両面)に形成された正極合材層14とを備える。また、負極シート20は、負極集電体22と、負極集電体22の少なくとも一方の表面(典型的には両面)に形成された負極合材層24とを備える。
捲回電極体80はまた、長尺シート状の2枚のセパレータ(セパレータシート)40A,40Bを備える。正極シート10および負極シート20は、2枚のセパレータシート40A,40Bを介して積層されており、図2では、正極シート10、セパレータシート40B、負極シート20、セパレータシート40Aの順に積層されている。この積層体は、長尺方向に捲回されることによって捲回体とされ、さらにこの捲回体を側面方向から押しつぶして拉げさせることによって扁平形状に成形されている。なお、セパレータシート40A,40Bは、正極合材層14および負極合材層24の積層部分の幅より大きく、捲回電極体80の幅より小さい幅を有する。これを正極合材層14および負極合材層24の積層部分に挟むように配することで、正極合材層14および負極合材層24が互いに接触して内部短絡が生じることを防いでいる。なお、電極体は捲回電極体に限定されず、例えばラミネート型(積層型)の電極体であってもよい。また、捲回電極体は、上記実施形態のような扁平形状のものに限定されない。例えば、円柱状の捲回電極体等であってもよい。
捲回電極体80の幅方向(捲回方向に直交する方向)の中心部には、正極集電体12の表面に形成された正極合材層14と、負極集電体22の表面に形成された負極合材層24とが重なり合って密に積層された部分が形成されている。また、正極シート10の幅方向の一方の端部には、正極合材層14が形成されずに正極集電体12が露出した部分(正極合材層非形成部16)が設けられている。この正極合材層非形成部16は、セパレータシート40A,40Bおよび負極シート20からはみ出た状態となっている。すなわち、捲回電極体80の幅方向の一端には、正極集電体12の正極合材層非形成部16が重なり合った正極集電体積層部15が形成されている。また、捲回電極体80の幅方向の他端にも、上記一端の正極シート10の場合と同様に、負極集電体12の負極合材層非形成部26が重なり合った負極集電体積層部25が形成されている。
≪正極≫
次に、上述のリチウム二次電池を構成する各構成要素について説明する。リチウム二次電池の正極を構成する正極集電体としては、導電性の良好な金属からなる導電性部材が好ましく用いられる。そのような導電性部材としては、例えば、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金を用いることができる。正極集電体の形状は特に限定されず、シート状、箔状、メッシュ状等の種々の形態であり得る。正極集電体の厚さも特に限定されず、例えば5μm〜30μmとすることができる。正極合材層は、正極活物質の他、必要に応じて導電材、結着材(バインダ)等の添加材を含有し得る。
正極活物質としては、リチウム(Li)および少なくとも1種の遷移金属元素(好ましくはニッケル(Ni)、コバルト(Co)およびマンガン(Mn)のうちの少なくとも1種)を含むリチウム遷移金属複合酸化物が挙げられる。上記複合酸化物としては、例えば、上記遷移金属元素を1種含むいわゆる一元系リチウム遷移金属複合酸化物、上記遷移金属元素を2種含むいわゆる二元系リチウム遷移金属複合酸化物、遷移金属元素としてNi、CoおよびMnを構成元素として含む三元系リチウム遷移金属複合酸化物、固溶型のリチウム過剰遷移金属複合酸化物が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、正極活物質として、一般式がLiMAO(ここでMは、Fe,Co,NiおよびMnからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素であり、Aは、P,Si,SおよびVからなる群から選択される元素である。)で表されるポリアニオン型化合物も好ましく用いられる。
また、正極活物質は、Al,Cr,V,Mg,Ca,Ti,Zr,Nb,Mo,Cu,Zn,Ga,In,Sn,La,WおよびCeからなる群から選択される1種または2種以上の金属元素がさらに添加されたものであってもよい。これらの金属元素の添加量(配合量)は特に限定されないが、0.01質量%〜5質量%(例えば0.05質量%〜2質量%、典型的には0.1質量%〜0.8質量%)とするのが適当である。
好ましい一態様では、上記正極活物質として、SOC(State of Charge)0%〜100%のうち少なくとも一部範囲における作動電位(対Li/Li)が、一般的なリチウム二次電池(作動電位の上限が4.1V程度)と同程度のものを用いることができる。したがって、作動電位が4.1V(対Li/Li)以下の正極活物質を好ましく使用することができる。この正極活物質は、SOC0%〜100%における作動電位の最高値が4.1V(対Li/Li)以下の正極活物質であり得る。あるいは、正極活物質の作動電位は4.1V(対Li/Li)より高くてもよい。この正極活物質は、正極活物質の溶出が起こりやすい高電位での充放電が可能であるため、上記正極活物質を用いた電池では、後述する非重合性添加剤による正極活物質の溶出抑制効果が好適に発揮され得る。正極活物質の作動電位は4.2V以上(例えば4.3V以上、典型的には4.4V以上)であってもよい。上記作動電位(対Li/Li)の上限は特に限定されないが、5V以下であり得る。
ここで、正極活物質の作動電位としては、以下のようにして測定される値を採用することができる。すなわち、測定対象となる正極活物質を含む正極を作用極(WE)として用い、対極(CE)としての金属リチウムと、参照極(RE)としての金属リチウムと、エチレンカーボネート(EC):ジメチルカーボネート(DMC)=30:70(体積基準)の混合溶媒中に約1mol/LのLiPFを含む電解液と、を用いて三極セルを構築する。このセルのSOC値を、当該セルの理論容量に基づき、SOC0%からSOC100%まで5%刻みで調整する。SOCの調整は、例えば一般的な充放電装置やポテンショスタットを用いて、WEとCEの間で定電流充電することによって行うことができる。そして、各SOC値に調整したセルを1時間放置した後のWEとREとの間の電位を測定し、その電位を当該SOC値における上記正極活物質の作動電位(vs.Li/Li)とすればよい。なお、一般にSOC0%〜100%の間で正極活物質の作動電位が最も高くなるのはSOC100%を含む範囲であるため、通常は、SOC100%(すなわち満充電状態)における正極活物質の作動電位を通じて、当該正極活物質の作動電位の上限(例えば、4.2V以上か否か)を把握することができる。
導電材としては、カーボン粉末やカーボンファイバー等の導電性粉末材料が好ましく用いられる。カーボン粉末としては、種々のカーボンブラック、例えばアセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、グラファイト粉末が好ましい。また、炭素繊維、金属繊維等の導電性繊維類、銅、ニッケル等の金属粉末類およびポリフェニレン誘導体等の有機導電性材料等を、1種を単独でまたは2種以上の混合物として用いることができる。
結着材としては各種のポリマー材料が挙げられる。例えば、水系の組成物(活物質粒子の分散媒として水または水を主成分とする混合溶媒を用いた組成物)を用いて正極合材層を形成する場合には、水溶性または水分散性のポリマー材料を結着材として好ましく採用し得る。水溶性または水分散性のポリマー材料としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)等のセルロース系ポリマー;ポリビニルアルコール(PVA);ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂;酢酸ビニル重合体;スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリル酸変性SBR樹脂(SBR系ラテックス)等のゴム類;が例示される。
あるいは、溶剤系の組成物(活物質粒子の分散媒が主として有機溶媒である組成物)を用いて正極合材層を形成する場合には、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)等のハロゲン化ビニル樹脂;ポリエチレンオキサイド(PEO)等のポリアルキレンオキサイド;等のポリマー材料を用いることができる。このような結着材は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、上記で例示したポリマー材料は、結着材として用いられる他に、正極合材層形成用組成物の増粘材その他の添加材として使用されることもあり得る。
正極合材層に占める正極活物質の割合は凡そ50質量%を超え、凡そ70質量%〜97質量%(例えば75質量%〜95質量%)であることが好ましい。また、正極合材層に占める添加材の割合は特に限定されないが、導電材の割合は、正極活物質100質量部に対して凡そ1質量部〜20質量部(例えば2質量部〜10質量部、典型的には3質量部〜7質量部)とすることが好ましい。結着材の割合は、正極活物質100質量部に対して凡そ0.8質量部〜10質量部(例えば1質量部〜7質量部、典型的には2質量部〜5質量部)とすることが好ましい。
正極集電体上への正極合材層の単位面積当たりの目付量(正極合材層形成用組成物の固形分換算の塗付量)は特に限定されるものではないが、充分な導電経路(導電パス)を確保する観点から、正極集電体の片面当たり3mg/cm以上(例えば6mg/cm以上、典型的には12mg/cm以上)であり、45mg/cm以下(例えば28mg/cm以下、典型的には18mg/cm以下)とすることが好ましい。正極合材層の密度も特に限定されないが、1.0g/cm〜3.8g/cm(例えば1.5g/cm〜3.5g/cm、典型的には2.0g/cm〜3.0g/cm)とすることが好ましい。
≪負極≫
負極を構成する負極集電体としては、従来のリチウム二次電池と同様に、導電性の良好な金属からなる導電性部材が好ましく用いられる。そのような導電性部材としては、例えば、銅または銅を主成分とする合金を用いることができる。負極集電体の形状は特に限定されず、シート状、箔状、メッシュ状等の種々の形態であり得る。負極集電体の厚さは特に限定されず、例えば5μm〜30μmとすることができる。
負極合材層には、電荷担体となるLiイオンを吸蔵および放出可能な負極活物質が含まれる。負極活物質の組成や形状に特に制限はなく、従来からリチウム二次電池に用いられる物質の1種または2種以上を使用することができる。そのような負極活物質としては、リチウム二次電池で一般的に用いられる炭素材料が挙げられる。上記炭素材料の代表例としては、グラファイトカーボン(黒鉛)、アモルファスカーボン等が挙げられる。少なくとも一部にグラファイト構造(層状構造)を含む粒子状の炭素材料(カーボン粒子)が好ましく用いられる。なかでも天然黒鉛を主成分とする炭素材料の使用が好ましい。天然黒鉛は鱗片状の黒鉛を球形化したものであり得る。また、黒鉛の表面にアモルファスカーボンがコートされた炭素質粉末を用いてもよい。その他、負極活物質として、チタン酸リチウム等の酸化物、ケイ素材料、スズ材料等の単体、合金、化合物、上記材料を併用した複合材料を用いることも可能である。
負極合材層は、負極活物質の他に、一般的なリチウム二次電池の負極合材層に配合され得る1種または2種以上の結着材や増粘材その他の添加材を必要に応じて含有することができる。結着材としては各種のポリマー材料が挙げられる。例えば、水系の組成物または溶剤系の組成物に対して、正極合材層に含有され得るものを好ましく用いることができる。上記結着材は、結着材として用いられる他に、負極合材層形成用組成物の増粘材その他の添加材として使用されることもあり得る。
負極合材層に占める負極活物質の割合は、凡そ90質量%〜99質量%(例えば95質量%〜99質量%、典型的には97質量%〜99質量%)とするのが適当である。また、負極合材層に占める添加材の割合は特に限定されないが、凡そ0.8質量%〜10質量%(例えば凡そ1質量%〜5質量%、典型的には1質量%〜3質量%)であり得る。
負極集電体上への負極合材層の単位面積当たりの目付量(負極合材層形成用組成物の固形分換算の塗付量)は特に限定されるものではないが、充分な導電経路(導電パス)を確保する観点から、負極集電体の片面当たり2mg/cm以上(例えば5mg/cm以上、典型的には8mg/cm以上)であり、40mg/cm以下(例えば22mg/cm以下、典型的には14mg/cm以下)とすることが好ましい。負極合材層の密度も特に限定されないが、1.0g/cm〜3.0g/cm(例えば1.2g/cm〜2.0g/cm、典型的には1.3g/cm〜1.5g/cm)とすることが好ましい。
≪セパレータ≫
正極と負極とを隔てるように配置されるセパレータ(セパレータシート)は、正極合材層と負極合材層とを絶縁するとともに、電解質の移動を許容する部材であればよい。セパレータの好適例としては、多孔質ポリオレフィン系樹脂で構成されたものが挙げられる。例えば、厚さ5μm〜30μm程度の合成樹脂製(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、またはこれらを組み合わせた二層以上の構造を有するポリオレフィン製)多孔質セパレータシートを好適に使用し得る。このセパレータシートには耐熱層が設けられていてもよい。なお、液状の電解質に代えて、例えば上記電解質にポリマーが添加されたような固体状(ゲル状)電解質を使用する場合には、電解質自体がセパレータとして機能し得るため、セパレータが不要になることがあり得る。
≪非重合性添加剤≫
リチウム二次電池は非重合性添加剤を含み得る。この添加剤は、電池の通常の使用条件下では重合し難いものであるため、電池内で酸化分解しても電極(例えば正極)に反応生成物(典型的には重合物)が析出しない傾向が強い。したがって、エージング等において重合して正極表面に被膜を形成し得る添加剤(例えばビニレンカーボネート(VC))は含まない。また、酸化時に重合するシクロヘキシルベンゼン(CHB)やビフェニル(BP)、メチルフェニルカーボネート(MPhC)、プロパンスルトンも含まない。非重合性添加剤は、以下の重合確認試験において、重合膜を形成しない添加剤であり得る。
[重合確認試験]
(試験用電池の作製)
まず、重合確認試験に供する試験用電池を作製する。正極活物質としてLiCoOと、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、結着材としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを、これらの材料の質量比が90:6:4となるようにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)で混合して、ペースト状の正極合材層形成用組成物を調製する。この組成物を長尺状のアルミニウム箔(正極集電体:厚さ15μm)の両面に均一に塗付し、乾燥後、圧縮することによって、シート状の正極(正極シート)を作製する。正極合材層の両面の合計目付量は凡そ30mg/cm(固形分基準)とし、正極合材層の密度は凡そ3.0g/cmとする。
負極活物質として球形化黒鉛と、結着材としてスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)と、増粘材としてカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、これらの材料の質量比が98:1:1となるようにイオン交換水で混合して、ペースト状の負極合材層形成用組成物を調製する。この組成物を長尺状の銅箔(厚さ10μm)の両面に均一に塗付し、乾燥後、圧縮することによって、シート状の負極(負極シート)を作製する。負極合材層の両面の合計目付量は凡そ15mg/cm(固形分基準)とし、負極合材層の密度は凡そ1.4g/cmとする。
作製した正極シートと負極シートとを、セパレータシートを介して積層して捲回し、その捲回体を側面方向から押圧して拉げさせることにより扁平形状の捲回電極体を作製する。セパレータシートとしては、ポリエチレン(PE)からなる単層シートを用いる。この捲回電極体を角型のアルミケースに収容し、捲回電極体への含浸体積が60%となるように非水電解液を注入し、電池内を密封することによりエネルギー密度が285kWh/mの試験用電池を作製する。非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)との3:4:3(体積比)混合溶媒に、支持塩として約1.1mol/LのLiPFを溶解し、さらに非重合性添加剤であるか否かの判定対象となる添加剤を2質量%非水電解液に含ませる。なお、本明細書において非水電解液の含浸体積は、電池ケース内の総高さに対する非水電解液(余剰液)の液面の高さの比率から算出するものとする。
(非重合性の評価)
試験用電池について、25℃の環境下にて1Cレートで4.1Vまで充電し、4.1Vになった時点でCV充電を電流が0.1Cになるまで行い、SOCを90%に調整する。そして、60℃にて100日間保存する。その後、試験用電池を分解し、電極(典型的には正極合材層の負極合材層の少なくとも一方)を切り出し、その断面をSEM(Scanning Electron Microscope)観察することにより析出物(重合膜)の有無を確認する。具体的には、正極シート最外周の外側面に形成された正極合材層の端部(例えば、後述する図3中、符号Yで示す領域)の断面SEM画像と、負極シート最外周の内側面に形成された負極合材層の端部(例えば、後述する図3中、符号Xで示す領域)の断面SEM画像とを観察すればよい。上記SEM画像に析出物(重合膜)が認められない場合、上記添加剤は非重合性添加剤と評価される。後述する図3において、正極合材層14aの領域Yに析出物(重合膜)が形成されていない状態は、典型的には図4に示すような状態であり得る。図4では、正極活物質17だけが映し出されており、析出物(重合膜)は認められない。また、正極合材層14aの領域Yに析出物(重合膜)が形成されている状態は、典型的には図5に示すような状態であり得る。図5では、正極活物質17を覆うように析出物(重合膜)18が存在している。なお、SEM画像観察だけでは上記添加剤由来の析出物であるか否かの判定が困難な場合には、ICP(高周波誘導結合プラズマ)発光分析等の公知の分析手段を採用することにより、判定(確認)することが可能である。
また、非重合性添加剤は、酸化分解時にガス発生量が少ないことが好ましい。ガス発生量が多い場合、非重合性添加剤の酸化分解によりガスが発生し、例えばCIDを備える二次電池の場合、CIDの作動に影響を与える虞がある。そのような観点から、非重合性添加剤1mol当たりのガス分子(典型的にはH)の発生量は、1.5mol以下であることが好ましく、1.0mol以下(例えば0.5mol以下)であることがさらに好ましい。非重合性添加剤は、酸化分解時に実質的にガスを発生しないものであってもよい。後述する4−フルオロフェニルアセテート(FPhAc)、トリス(4−ターシャリーブチルフェニル)ホスフェート(3tBPhP)、トランス−4−ブチルシクロヘキシルベンゼン(BCHB)、ビス(ターシャリーブチルフェニル)カーボネート(2tBPhC)はいずれも1mol当たりのガス分子(典型的にはH)の発生量が1mol以下である。なお、非重合性添加剤1mol当たりのガス分子(典型的にはH)の発生量とは、非重合性添加剤が酸化したときに非重合性添加剤から脱離してガスとなり得る分子(典型的にはH)の量を非重合性添加剤の分子構造に基づき算出したものであり、実測値ではないが、実際のガス発生量と一定の相関を示すことが確認されている。
上記ガス発生量に関して、例えばシクロヘキシルベンゼン(CHB)は、1mol当たりのHの発生量が3〜5molと多いため、後述するガス発生剤として好適に用いられ得る。このCHBは重合性を有する化合物であり、重合して六員環ネットワークを形成するときにCHBから脱離するHの量が多いため、多量の水素ガスを発生する。このことから、重合性を有する化合物(典型的にはCHB)は、非重合性のものよりも、後述するガス発生剤として好適に機能し得ることが推察される。これに対し、ここで開示される非重合性添加剤は、非重合性であるためガス発生量は少ない。このような特性を有することから理解されるように、非重合性添加剤は、過充電時等においてガスを発生させるために用いられる添加剤ではない。上述のように、実質的に重合することなく正極活物質の溶出を抑制するために機能する添加剤である。この点で、非重合性添加剤は、ガス発生剤に求められる特性とは異なる特性、むしろ逆とさえいえる特性(非重合性)を有することを必要としており、この特性の違いによってガス発生剤とは明確に区別され得る。
ここで開示される非重合性添加剤として、重合阻害性を有する置換基が導入されている有機化合物を選択して用いることが好ましい。ここで「重合阻害性を有する置換基」とは、該有機化合物の重合を阻害するように作用する置換基のことをいう。そのような置換基としては、例えば、該有機化合物の分子間において立体障害となり得る置換基(立体障害性置換基)が挙げられる。あるいは、重合に際して有機化合物の他の部位と反応しないような反応性の低い置換基(低反応性置換基)であってもよい。いずれの場合においても、電池の通常の使用条件下では、上記置換基は有機化合物(母体化合物)から脱離しないものであり得る(非脱離性)。非重合性添加剤1分子当たりの上記置換基の数は特に限定されないが、正極活物質の溶出を抑制する観点から、1〜4(例えば1〜3、典型的には1または2)とすることが好ましい。
上記立体障害性置換基としては、炭素原子数が1以上のアルキル基が挙げられる。上記アルキル基は直鎖状または分岐状であり得る。上記アルキル基の炭素原子数は、立体障害性の観点から2以上(例えば3以上、典型的には4以上)であることが好ましい。また、アルキル基の炭素原子数の上限は12以下(例えば8以下、典型的には6以下)とするのが適当である。そのようなアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−メチル−2−メチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。なかでも、非重合性添加剤の作用を好適に発現させる観点から、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基が好ましく、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基が特に好ましい。また、上記有機化合物中に導入される立体障害性置換基の数が2以上の場合、それらは同じであってもよく異なっていてもよい。
上記低反応性置換基としては、例えば塩素基やフッ素等のハロゲン基が挙げられる。なかでも、フッ素基が好ましい。また、上記有機化合物中に導入される低反応性置換基の数が2以上の場合、それらは同じであってもよく異なっていてもよい。
また、上記有機化合物の母体化合物(すなわち、重合阻害性を有する置換基が導入されていない化合物)としては、特に限定されないが、芳香環構造を有することが好ましい。そのような母体化合物としては、例えば、シクロヘキシルベンゼン(CHB)、ビフェニル(BP)、ターフェニル、フェニルアセテート、ジベンゾフラン等が挙げられる。また、ジフェニルカーボネート等の芳香環含有カーボネート類、ジフェニルエーテル等の芳香環含有エーテル類、トリフェニルホスフェート等の芳香環含有リン酸エステル類であってもよい。
上記有機化合物が、重合阻害性を有する置換基を有するか否かは、典型的には、重合阻害性を有するか否かの判定対象となる置換基が導入された有機化合物(置換基含有化合物)と、該置換基が導入されていない他は上記置換基含有化合物と同じ化学構造を有する有機化合物(置換基非含有化合物)とを用意し、それぞれについて上述の重合確認試験に供することにより確認することができる。具体的には、上述の重合確認試験の結果、置換基含有化合物を用いた電池の電極断面には重合物が形成されていないが、置換基非含有化合物を用いた電池の電極断面に重合物が形成されている場合、上記の置換基を重合阻害性を有する置換基と評価することができる。
非重合性添加剤の60℃における酸化電位(対Li/Li)は、正極活物質の作動電位と同じかそれ以上であることが好ましい。これによって、電池の通常の使用条件においては、非重合性添加剤は酸化分解されず、無駄に消費されない。このような観点から、非重合性添加剤として、電池の稼働電圧に対応した酸化電位を有する非重合性添加剤を選択して用いることが好ましい。例えば、非重合性添加剤の60℃における酸化電位は4.1V以上(典型的には4.2V以上)であり得る。あるいは、4.3V以上であってもよい。また、非重合性添加剤の上記酸化電位は、非水電解質の非水溶媒の酸化電位(対Li/Li)より低いことが好ましい。これによって、非水溶媒の酸化分解が始まる電位より低い電位で非重合性添加剤は酸化分解して正極活物質の溶出を防ぐことができる。非重合性添加剤の酸化電位は、非水溶媒の酸化電位(対Li/Li)より0.1V以上(例えば0.2V以上、典型的には0.3V以上)低いことが好ましい。また、正極活物質の溶出よりも優先して酸化されるため、非重合性添加剤の酸化電位は、4.6V以下(例えば4.5V以下、典型的には4.4V以下)であることがさらに好ましい。
非重合性添加剤の酸化電位(対Li/Li)は、以下の方法にしたがって測定された値を採用するものとする。作用極に市販のLiCoO、対極および参照極に金属リチウム、セパレータとして多孔質ポリプロピレンシートを用いた密閉三極式セルを使用して、リニアスイープボルタンメトリー(LSV)法により酸化電位を測定する。測定の際には、作用極の電位を浸漬電位から高電位側に掃引する。測定温度は60℃、掃引速度は0.1mV/秒とし、5μAの電流が流れた電圧を酸化電位(V)とする。なお、後述する非水電解質の非水溶媒、ガス発生剤の酸化電位も上記と同様の方法により測定することができる。
ここで開示される非重合性添加剤の具体例としては、4−フルオロフェニルアセテート(FPhAc:60℃酸化電位:4.3V)、トリス(4−ターシャリーブチルフェニル)ホスフェート(3tBPhP:60℃酸化電位:4.4V)、トランス−4−ブチルシクロヘキシルベンゼン(BCHB:60℃酸化電位:4.3V)、ビス(ターシャリーブチルフェニル)カーボネート(2tBPhC:60℃酸化電位:4.3V)が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、非重合性の化合物のなかには、ジフェニルカーボネートやフェニルフルオライド等のように、60℃における酸化電位が4.8Vと高いものがあるが、これらは、高電位で充放電を行う電池(例えば、作動電位の高い正極活物質を用いる電池や、酸化電位の高い非水電解質を用いる電池)において、非重合性添加剤としての機能を発揮する場合があり得る。
上記非重合性添加剤は、少なくとも、最も溶出が起こりやすい領域に存在する正極活物質に供給され得る位置に存在していることが望ましい。この点について、図3を用いて説明する。図3は、図1の捲回電極体の正負の電極シートの最外周部分を拡大して示す模式断面図である。この断面図は、電極シートの長手方向(捲回方向)に直交する断面図である。図3において、上方が捲回電極体80の外側であり、下方が捲回電極体の内側(捲回中心側)である。図3に示すように、捲回電極体80において、正極シート10の最外周より外側に負極シート20の最外周が位置している。負極シート20の最外周部分の両面(すなわち外側(そとがわ)面および内側(うちがわ)面)には負極合材層24a,24bが設けられている。また、正極シート10の最外周部分の両面(すなわち外側(そとがわ)面および内側(うちがわ)面)には正極合材層14a,14bが設けられている。
図3に示す構成では、負極シート20の最外周の外側面に位置する負極合材層24aは正極シート10と対向していない。そのため、この負極合材層24aには基本的に正極シート10から電荷担体(Liイオン)は供給されない。一方、負極の最外周の内側(うちがわ)面に位置する負極合材層24bは、正極シート10の最外周(典型的には該最外周の外側(そとがわ)面に位置する正極合材層14a)と対向しているため、正極合材層14aから電荷担体(Liイオン)が供給される。このように、負極合材層24aと負極合材層24bとの間には、供給される電荷担体(Liイオン)量に大きな差が生じ得る。そのため、充電時には、負極合材層24bから負極合材層24aへの電荷担体(Liイオン)拡散が発生する。
また、図3に示す構成では、負極シート20の最外周の内側面に位置する負極合材層24bの一領域であって、負極シート20の幅方向において、負極合材層24bの両端部をそれぞれ端部E1(図3中、左側の端部)と端部E2(図3中、右側の端部)としたとき、端部E1を含む領域として、領域X(図3中、符号Xで示す領域)が存在する。ここで、端部E1は、負極合材層24bが負極集電体22の幅方向端部まで形成されている方の端部であり、端部E2は、負極集電体22上に負極合材層非形成部26が設けられている方の端部である。
上記領域Xは、負極合材層24aへの電荷担体の移動距離が最短となる領域であるため、電荷担体の拡散量が最も大きい領域となり得る。そのため、上記領域Xに対向する正極合材層14aの領域Y(図3中、符号Yで示す領域)は、他の部分と比べて多量の電荷担体を放出することとなり、その分電位が高くなる。その結果、正極合材層14aの領域Yでは正極活物質(典型的には正極活物質を構成する遷移金属)が特に溶出しやすくなると考えられる。また、上記のような捲回電極体80では、正極合材層に対向しない負極合材層24aの面積は、負極シート20の最外周の外側面に位置する関係上、相対的に大きい。それゆえ、負極合材層24bの領域Xから負極合材層24aへの電荷担体の拡散量も大きくなる傾向がある。
このように、正極合材層(典型的には領域Y)から正極活物質は溶出し得る。この溶出した正極活物質は、負極合材層24bに析出し得る。この析出物は、正極合材層14aと負極合材層24bとの間に位置するセパレータシート40B内に侵入して、微短絡を引き起こす原因となり得る。ここで、本明細書において「微短絡」とは、正極活物質(典型的には正極活物質を構成する遷移金属)が溶出して負極上で析出し、対向して配置される正極合材層と負極合材層とが電気的に短絡した状態であると定義され得る。なお、上記微短絡は、後述する実施例におけるSEM観察や、ICP発光分析によって確認することができる。あるいは、電池を25℃で10日間放置し、放置前後の電池電圧降下(自己放電による電圧降下)が0.4mV以上である場合、微短絡とみなしてもよい。
上記の現象から、ここで開示される非重合性添加剤は、少なくとも上記領域Yに供給することが可能な位置に存在させることが好ましい。これによって、非重合性添加剤が正極活物質の溶出よりも優先して酸化分解して正極活物質の溶出を抑制し、ひいては微短絡を防止することができる。なお、非重合性添加剤の供給箇所は、上記実施形態のような捲回電極体の最外周の特定領域(典型的には図3中の領域Y)のみに限定されない。例えば、正極合材層が、負極合材層に対向する対向領域AP1を有しており、負極合材層が、正極合材層(典型的には対向領域AP1)に対向する対向領域AN1と、正極合材層(典型的には対向領域AP1)に対向しない非対向領域AN2とを有しており、負極合材層の対向領域AN1と非対向領域AN2との間で電荷担体(Liイオン)が移動可能であり、対向領域AN1から非対向領域AN2への電荷担体の移動距離が最短となる領域X’が対向領域AN1に存在しているような構成において、上記領域X’に対向する正極合材層の領域Y’に供給し得る位置に非重合性添加剤を存在させてもよい。この領域Y’は、上記領域Yと同様の理由で充電時には高電位となり、正極活物質が溶出しやすい。そのため、この領域Y’に非重合性添加剤を供給することにより、上記非重合性添加剤が正極活物質の溶出よりも優先して酸化分解し、正極活物質の溶出を抑制する。なお、図3に示す構成における領域Yは、上記領域Y’の典型例である。
したがって、本明細書によると、以下のリチウム二次電池が提供され得る。すなわち、正極と負極とを備えるリチウム二次電池であって、前記正極は正極合材層を備え、前記負極は負極合材層を備えており、前記正極合材層は、前記負極合材層に対向する対向領域AP1を有しており、前記負極合材層は、前記正極合材層に対向する対向領域AN1と、該正極合材層に対向しない非対向領域AN2とを有しており、前記負極合材層の対向領域AN1と非対向領域AN2との間で電荷担体が移動可能であるリチウム二次電池が提供される。上記の構成において、前記正極合材層の対向領域AP1中の正極活物質(溶出が起こり得る正極活物質)に供給し得る位置に非重合性添加剤を存在させればよい。上記のような構成を有し得る電池としては、上述の捲回電極体を備える電池のほかに、例えばラミネート型電池が挙げられ得る。
このように、非重合性添加剤の存在位置は、正極活物質の溶出が起こり得る領域(例えば上記領域Y’や領域Y)に存在する正極活物質に供給可能な位置であれば特に限定されない。好適な一態様では、非重合性添加剤を非水電解質中に含ませることが好ましい。これによって、少なくとも上記の領域(例えば上記領域Y’や領域Y)に存在する正極活物質に非重合性添加剤を長期に亘って供給することが可能となり、長期に亘って正極活物質の溶出を抑制することができる。この場合、非重合性添加剤は、非水電解質(典型的には非水電解液)中での分散性の観点から、常温(25℃)で液体であることが好ましい。あるいは、非水電解液に溶解する固形物(典型的には粉末状)であってもよい。
非水電解質中に非重合性添加剤を含ませる場合、非水電解質中への非重合性添加剤の添加量(使用量)は、正極活物質の溶出を充分に抑制する観点から、0.5質量%以上(例えば1質量%以上、典型的には2質量%以上)とすることが好ましい。また、過剰添加による電池特性低下(典型的には抵抗上昇)を抑制する観点から、10質量%以下(例えば8質量%以下、典型的には6質量%以下)とすることが好ましい。
また、非水電解質中に非重合性添加剤を含ませる場合において、非水電解質中における非重合性添加剤の総量を、(非水電解質中への非重合性添加剤の添加量(%))×(捲回電極体への非水電解質の含浸体積(%))×10−2で決定してもよい。その場合の非水電解質中における非重合性添加剤の総量の好適範囲は、1.2以上(例えば1.5以上、典型的には1.8以上)であり、凡そ10以下であり得る。
あるいは、非重合性添加剤は正極合材層の上記領域Y’の表面に付与(典型的には塗付)してもよく、上記領域Y’中に含有させてもよい。捲回電極体を用いる電池においては、図3に示す正極シートの最外周の領域Yの表面に付与(典型的には塗付)するか、または該領域Y中に含有させればよい。その場合の非重合性添加剤の使用量(添加量)は、少なくとも正極合材層100質量部当たり0.5質量部以上(例えば1質量部以上、典型的には2質量部以上)とすることが好ましい。また、過剰添加による電池特性低下を抑制する観点から、10質量部以下(例えば8質量部以下、典型的には6質量部以下)とすることが好ましい。
≪非水電解質≫
リチウム二次電池に注入される非水電解質を構成する非水溶媒と支持塩は、従来からリチウム二次電池に用いられるものを特に限定なく使用することができる。上記非水電解質は、典型的には適当な非水溶媒に支持塩を含有させた組成を有する電解液である。上記非水溶媒としては、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトンが挙げられる。また、モノフルオロエチレンカーボネート(MFEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)のようなフッ素化カーボネートも好ましく用いることができる。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。なかでも、EC、DMCおよびEMCの混合溶媒が好ましい。
また、上記支持塩としては、例えばLiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO、LiCSO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiI等のリチウム化合物(リチウム塩)の1種または2種以上を用いることができる。なお、支持塩の濃度は特に限定されないが、凡そ0.1mol/L〜5mol/L(例えば0.5mol/L〜3mol/L、典型的には0.8mol/L〜1.5mol/L)の濃度とすることができる。
非水電解質はまた、ガス発生剤を含み得る。ここでガス発生剤とは、非水電解質中に溶解または分散し得る化合物であり、電池が過充電状態になったときに反応し、非水電解質に含まれる非水溶媒の分解より先にガスを発生する化合物をいう。なかでも、水素ガスを発生するガス発生剤が好ましい。ガス発生剤を含ませることにより、過充電状態におけるガス発生量が増大し、CIDの作動精度が向上する。
ガス発生剤は、電池の稼働電圧では酸化されないが、過充電状態になったときに非水電解質の非水溶媒の酸化分解よりも先に反応(酸化)する。したがって、ガス発生剤の酸化電位は、稼働電圧の最大値に対応した正極の上限電位より高い。また、非水電解質の非水溶媒の酸化電位より低い。上記の観点から、ガス発生剤の60℃における酸化電位(対Li/Li)は、正極の上限電位(対Li/Li)より0.1V以上(例えば0.2V以上、典型的には0.3V以上)高いことが好ましい。また、非水溶媒の60℃における酸化電位(対Li/Li)より0.1V以上(例えば0.2V以上、典型的には0.3V以上)低いことが好ましい。例えば、正極の上限電位が4.1V以下の二次電池の場合、ガス発生剤の60℃における酸化電位の好適な範囲は、4.3V以上(例えば4.4V以上、典型的には4.5V以上)であり、また5.0V以下(例えば4.9V以下、典型的には4.8V以下)である。
また、ガス発生剤の酸化電位(対Li/Li)は、非重合性添加剤の酸化電位(対Li/Li)より高いことが好ましい。これによって、ガス発生剤は、非重合性添加剤の酸化電位付近では酸化されずに非水電解質中に安定して存在し、ガス発生剤の酸化電位に達すると非重合性添加剤より優先して酸化される。また、非重合性添加剤は、酸化分解によってガスが発生したとしてもその発生量は少ない。このように、非重合性添加剤とガス発生剤とは、共存による反応阻害等の影響を考慮する必要はない。
ガス発生剤の好適例としては、例えばアルキルベンゼン類、シクロアルキルベンゼン類、ビフェニル類、ターフェニル類、ジフェニルエーテル類、ジベンゾフラン類が挙げられる。
アルキルベンゼン類としては、例えば、炭素数3〜5のアルキル基を有するアルキルベンゼンが挙げられる。上記アルキル基は、ガス発生剤(典型的にはアルキルベンゼン類を含むガス発生剤)の重合に際して、重合の障害とならない構造を有するものであり、重合する他方のアルキルベンゼンのベンゼン環と共役し得る構造を有することが好ましい。また、上記アルキル基は分岐状であることが好ましい。アルキルベンゼン類の具体例としては、例えばクメン、ジイソプロピルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、sec−ジブチルベンゼン、sec−アミルベンゼン等のアルキルベンゼンが挙げられる。
シクロアルキルベンゼン類としては、例えば、シクロヘキシルベンゼン(CHB)や、該シクロヘキシルベンゼンを構成する炭素原子に結合する水素原子の少なくとも1個がガス発生剤化合物の重合の障害とならない基(置換基)に置換されているシクロヘキシルベンゼン誘導体が挙げられる。シクロアルキルベンゼン類の具体例としては、CHBのほか、例えばイソプロピルシクロヘキシルベンゼン等のアルキル化シクロアルキルベンゼンが挙げられる。
ビフェニル類としては、ビフェニル(BP)や、BPを構成する炭素原子に結合する水素原子の少なくとも1個がガス発生剤化合物の重合の障害とならない基に置換されているビフェニル誘導体が挙げられる。ビフェニル類の具体例としては、BPの他、イソプロピルビフェニル、sec−ブチルビフェニル等のアルキルビフェニルが挙げられる。
ターフェニル類、ジフェニルエーテル類、ジベンゾフラン類としては、ターフェニル、ジフェニルエーテル、ジベンゾフランや、それらを構成する炭素原子に結合する水素原子の少なくとも1個がガス発生剤化合物の重合の障害とならない基に置換されている各誘導体(ターフェニル誘導体、ジフェニルエーテル誘導体、ジベンゾフラン誘導体)が挙げられる。ターフェニルは、その一部に水素原子が付加したターフェニルの部分水素化物であってもよい。
上述のガス発生剤は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、アルキルベンゼン類、シクロアルキルベンゼン類、ビフェニル類、ジフェニルエーテル類が好ましく、シクロアルキルベンゼン類(典型的にはCHB)、ビフェニル類(典型的にはBP)がさらに好ましい。ガス発生剤の使用量(添加量)は、非水電解質中に凡そ1質量%〜10質量%(例えば3質量%〜8質量%、典型的には4質量%〜6質量%)とすることが好ましい。
電極体として捲回電極体を用いる場合、捲回電極体への非水電解液の含浸体積は、50%以上とすることが好ましく、55%以上(例えば60%以上、典型的には80%以上)とすることがさらに好ましい。これによって、非水電解質に非重合性添加剤やガス発生剤を含ませる場合、それら添加剤の効果を充分に発揮させることができる。特に、非水電解質に非重合性添加剤を含ませる場合、非水電解液が電極体に充分に含浸していることによって、正極活物質の溶出が起こりやすい部分(典型的には図3中、符号Yで示す領域)に非重合性添加剤を供給することができる。上記含浸体積は100%であってもよい。ただし、上記含浸体積が大きすぎると非水電解液の濃度ムラが生じやすい傾向がある。それを防止する観点から非水電解液の含浸体積は、90%以下(例えば80%以下、典型的には70%以下)とすることが適当である。
≪リチウム二次電池の容量≫
ここで開示される技術の好ましい適用対象として、電池容量が20Ah以上という比較的高容量タイプのリチウム二次電池が挙げられる。例えば、電池容量が20Ah以上(典型的には25Ah以上、例えば30Ah以上)であって、100Ah以下のリチウム二次電池が例示される。あるいは、エネルギー密度が230kWh/m以上のリチウム二次電池が挙げられる。エネルギー密度が250kWh/m以上(典型的には270kWh/m以上、例えば285kWh/m以上)であって、500kWh/m以下のリチウム二次電池が好適例として例示される。このような高容量タイプのリチウム二次電池では、正極合材層に対向しない負極合材層の面積が大きいため、正極活物質の溶出が起こりやすいといえる。また、微短絡が生じた箇所に比較的大きな電流が流れ、それによる不具合が発生する虞がある。このような大型の電池に本発明の構成を適用することにより、正極活物質の溶出抑制効果が好適に発揮され得る。
≪車両≫
上記のような構成を有するリチウム二次電池は、正極活物質の溶出を抑制することが可能であり、かつ電池特性が高いレベルに維持されている。そのため、各種用途向けの二次電池として利用可能である。例えば図6に示すように、リチウム二次電池100は、自動車等の車両1に搭載され、車両1を駆動するモータ等の駆動源用の電源として好適に利用され得る。したがって、本発明は、上記リチウム二次電池(典型的には複数直列接続してなる組電池)100を電源として備える車両(典型的には自動車、特にハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)、燃料電池自動車のような電動機を備える自動車)1を提供することができる。
次に、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明を実施例に示すものに限定することを意図したものではない。なお、以下の説明において「部」および「%」は、特に断りがない限り質量基準である。
<例1>
[正極シートの作製]
正極活物質としてLiCoOと、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、結着材としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを、これらの材料の質量比が90:6:4となるようにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)で混合して、ペースト状の正極合材層形成用組成物を調製した。この組成物を長尺状のアルミニウム箔(正極集電体:厚さ15μm)の両面に均一に塗付し、乾燥後、圧縮することによって、シート状の正極(正極シート)を作製した。正極合材層の両面の合計目付量は30mg/cm(固形分基準)とし、正極合材層の密度は3.0g/cmとした。
[負極シートの作製]
負極活物質として球形化黒鉛と、結着材としてスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)と、増粘材としてカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、これらの材料の質量比が98:1:1となるようにイオン交換水で混合して、ペースト状の負極合材層形成用組成物を調製した。この組成物を長尺状の銅箔(厚さ10μm)の両面に均一に塗付し、乾燥後、圧縮することによって、シート状の負極(負極シート)を作製した。負極合材層の両面の合計目付量は15mg/cm(固形分基準)とし、負極合材層の密度は1.4g/cmとした。
[リチウム二次電池の作製]
作製した正極シートと負極シートとを、セパレータシートを介して積層して捲回し、その捲回体を側面方向から押圧して拉げさせることにより扁平形状の捲回電極体を作製した。セパレータシートとしては、ポリエチレン(PE)からなる単層シートを用いた。この捲回電極体の正負の電極集電体の端部にそれぞれ電極端子を溶接し、角型のアルミケースに収容し、レーザーで封缶した。その後、アルミケース内部を真空にひきながら非水電解液を注液口から注入した。注液口を封止することにより、エネルギー密度が285kWh/mの角型リチウム二次電池を作製した。この角型リチウム二次電池には、図1に示すようなCIDを正極集電体と正極端子との間に設けている。CIDの設計遮断圧は0.7MPaとした。非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)との3:4:3(体積比)混合溶媒に、支持塩として約1.1mol/LのLiPFを溶解し、さらに非重合性添加剤として、4−フルオロフェニルアセテート(FPhAc)2%と、ガス発生剤としてシクロヘキシルベンゼン(CHB)4%とを含有させた電解液を用いた。捲回電極体への非水電解液の含浸体積は60%とした。
<例2>
非重合性添加剤として、FPhAc2%に代えてトリス(4−ターシャリーブチルフェニル)ホスフェート(3tBPhP)4%を用いた他は例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
<例3>
非重合性添加剤として、FPhAc2%に代えてトランス−4−ブチルシクロヘキシルベンゼン(BCHB)1%を用い、非水電解液の含浸体積を100%とした他は例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
<例4>
非重合性添加剤として、BCHBに代えてビス(ターシャリーブチルフェニル)カーボネート(2tBPhC)を用い、ガス発生剤として、CHB4%に代えてビフェニル(BP)4%を用いた他は例3と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
<例5>
非重合性添加剤を添加しなかった他は例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
<例6>
FPhAcに代えてメチルフェニルカーボネート(MPhC)を用いた他は例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
<例7>
非重合性添加剤およびガス発生剤を添加しなかった他は例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
[高温保存試験]
(重合膜および微短絡の確認)
作製した各電池について、25℃の環境下にて1Cレートで4.1Vまで充電し、4.1Vになった時点でCV充電を電流が0.1Cになるまで行い、SOCを90%に調整した。そして、60℃にて100日間保存した(高温保存試験)。その後、各例に係る電池を分解し、正極シートを切り出し、正極合材層の断面をSEM観察することにより析出物(重合膜)の有無を確認した。具体的には、正極シート最外周の外側面に形成された正極合材層の端部(図3中、符号Yで示す領域)の断面SEM画像を観察した。SEM画像において重合膜が認められなかった場合、重合膜「なし」と評価し、重合膜が認められた場合、重合膜「あり」と評価した。
また、分解した各例に係る電池の負極シートとセパレータシートの断面をSEM画像で観察し、微短絡の有無を確認した。具体的には、負極シート最外周の内側面に形成された負極合材層の端部(図3中、符号Xで示す領域)と、該負極合材層の端部に対向する部分のセパレータシートとをSEM画像で観察することにより、析出物の有無を確認した。SEM画像において析出物が認められなかった場合、微短絡「なし」と評価し、析出物が認められた場合、微短絡「あり」と評価した。また、負極合材層の上記端部およびセパレータの上記部分をサンプリングし、ICP発光分析を行った。その結果、微短絡「あり」と評価したサンプルでは、正極活物質由来の元素(典型的にはCo)が検出され、微短絡「なし」と評価したサンプルでは、正極活物質由来の元素は検出されなかった。結果を表1に示す。なお、微短絡の有無については上記ICP発光分析のみでも評価可能である。
(容量維持率)
上記高温保存試験の前後において、以下の操作を行うことにより容量維持率を測定した。各電池に対し、25℃の環境下にて1Cレートで4.1Vまで充電し、5分休止した後、3.0Vまで1Cの放電を行って5分間休止した。その後、CC−CV充電(4.1V、1C、0.1Cカット)とCC−CV放電(3.0V、1C、0.1Cカット)を行い、このときの放電容量を測定した。上記高温保存試験前の放電容量を初期放電容量とし、上記高温保存試験後の放電容量を保存後放電容量とした。初期放電容量に対する高温保存試験後の放電容量の百分率を求め、これを容量維持率(%)とした。結果を表1に示す。
(IV抵抗増加比)
上記高温保存試験の前後において、放電容量を測定した後の各例の電池について、IV抵抗の測定を行った。温度25℃の環境下で充電を行い、SOC60%の充電状態に調整した。その後、25℃にて10Cの電流で10秒間のパルス放電を行い、放電開始から10秒後の電圧降下量からIV抵抗(Ω)を求めた。また、高温保存試験後の各電池について、上記と同様にしてIV抵抗(Ω)を算出した。初期IV抵抗に対する高温保存試験後のIV抵抗の比率を求め、これをIV抵抗増加比とした。結果を表1に示す。
[過充電試験]
上記試験後、各例の電池について、25℃の環境下にて1Cレートで充電上限電圧まで充電を行い、CIDの作動の有無を確認した。CIDが作動したものを○、CIDが作動しなかったものを×と評価した。結果を表1に示す。
表1には、非重合性添加剤の種類、含有量、60℃における酸化電位、ガス発生剤の種類と含有量、非水電解液の含浸体積も示す。

Figure 2014026832
表1に示されるように、60℃における酸化電位が4.1〜4.6Vで非重合性の添加剤を用いた例1〜4に係るリチウム二次電池は、正極シート最外周の正極合材層に重合膜が形成されず、微短絡も認められなかった。また、容量維持率が94%以上という高い値であり、かつIV抵抗の増加比は1.02以下に抑制されていた。さらに、ガス発生剤を非水電解液中に含ませることによりCIDが正常に作動した。これらの結果から、非重合性添加剤は、重合膜を形成することなく正極活物質の溶出より優先して酸化分解され、その結果、正極活物質の溶出に起因する微短絡の発生を抑制したものと考えられる。
一方、非重合性添加剤を用いなかった例5に係る電池では、正極に重合膜が形成され、微短絡も認められた。容量維持率、IV抵抗増加比ともに例1〜4よりも劣っていた。この例では、ガス発生剤として添加したCHBが重合膜を形成したものと考えられる。また、微短絡が発生していることから、CHBは正極活物質の溶出を抑制するものではないことがわかる。
MPhCを用いた例6では、重合膜が形成され、微短絡も認められた。また、容量維持率、IV抵抗増加比ともに例1〜4よりも劣っていた。この結果から、MPhCは重合膜を形成する化合物であることがわかる。また、MPhCは、正極活物質の溶出より先に酸化分解されず、微短絡を防止できなかったと考えられる。
非重合性添加剤およびガス発生剤を含まない例7に係る二次電池では、容量維持率、IV抵抗増加比ともに最も劣っていた。特に、微短絡の発生量(溶出した正極活物質の負極での析出)が多かった。また、この例ではCIDは作動しなかった。この結果から、非重合性添加剤を用いない場合、容量維持率の低下、IV抵抗の増加を招くことがわかる。また、ガス発生剤を添加しない場合には、CIDは正常に作動しないことがわかる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。ここで開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれ得る。
1 自動車(車両)
10 正極シート(正極)
12 正極集電体
14 正極合材層
14a 正極シートの最外周外側面の正極合材層
14b 正極シートの最外周内側面の正極合材層
15 正極集電体積層部
16 正極合材層非形成部
17 正極活物質
20 負極シート(負極)
22 負極集電体
24 負極合材層
24a 負極シートの最外周外側面の負極合材層
24b 負極シートの最外周内側面の負極合材層
25 負極集電体積層部
26 負極合材層非形成部
30 CID(電流遮断機構)
32 変形金属板
33 湾曲部分
34 接続金属板
35 集電リード端子
36 接合点
38 絶縁ケース
40A,40B セパレータ
50 電池ケース
52 ケース本体
54 蓋体
70 正極端子
72 負極端子
74 正極集電板
76 負極集電板
80 捲回電極体
90 非水電解液
100 リチウム二次電池

Claims (6)

  1. 正極シートおよび負極シートを捲回してなる捲回電極体を備えるリチウム二次電池であって、
    前記捲回電極体は、前記正極シートの最外周より外側に前記負極シートの最外周が位置しており、
    前記正極シートは、その最外周部分の外側面に正極合材層を有しており、該正極合材層は、正極活物質としてリチウム遷移金属複合酸化物を含み、
    前記負極シートは、その最外周部分の両面に負極合材層を有しており、
    前記リチウム二次電池は、前記正極活物質に供給され得る位置に非重合性添加剤を含み、該非重合性添加剤の60℃における酸化電位は4.1V以上4.6V以下である、リチウム二次電池。
  2. 前記非重合性添加剤は、置換基が導入されている有機化合物であり、該置換基は、フッ素基または炭素原子数が2以上のアルキル基である、請求項1に記載のリチウム二次電池。
  3. 前記有機化合物は芳香環構造を含む、請求項2に記載のリチウム二次電池。
  4. 前記非重合性添加剤は、前記リチウム二次電池を構成する非水電解質に含まれている、請求項1〜3のいずれかに記載のリチウム二次電池。
  5. 電池ケースの内圧が上昇することによって作動する電流遮断機構を備えており、
    前記リチウム二次電池を構成する非水電解質はガス発生剤を含み、該ガス発生剤は、前記非重合性添加剤よりも60℃における酸化電位が高い、請求項1〜4のいずれかに記載のリチウム二次電池。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のリチウム二次電池を備える車両。
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