JP2016149200A - 非水電解質二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明によって提供される非水電解質二次電池は、正極(30)と負極(40)と該正負極間に配置されたセパレータ(50A)とを有する電極体と、非水電解質とを含む。上記セパレータは、上記正極および上記負極のいずれとも接しない位置に、リン酸鉄を含む酸化剤含有層(51)を有することを特徴とする。
【選択図】図4
Description
なお、本明細書において「酸化剤含有層」とは、電極体を構成するセパレータ全体のうちの「酸化剤としてのリン酸鉄を含む部分」を、セパレータ全体のうちの「酸化剤としてのリン酸鉄を含まない部分」から区分するための用語であり、電極体の正負極間に介在する当該セパレータの厚み方向(正負極積層方向)の断面からみて当該酸化剤含有層とそれ以外の部分との境界が明確な直線状であることを要するものではない。
図1および図2に示すように、リチウムイオン二次電池100は、角型箱状の電池ケース10と、電池ケース10内に収容される捲回電極体20とを備える。電池ケース10は上面に開口部12を有している。この開口部12は、捲回電極体20を開口部12から電池ケース10内に収容した後、蓋体14によって封止される。電池ケース10内にはまた、図示しない非水電解質(典型的には非水電解液)が収容されている。蓋体14には、外部接続用の外部正極端子38と外部負極端子48とが設けられており、それら端子38,48の一部は蓋体14の表面側に突出している。また、外部正極端子38の一部は電池ケース10内部で内部正極端子37に接続されており、外部負極端子48の一部は電池ケース10内部で内部負極端子47に接続されている。
次に、上述のリチウムイオン二次電池を構成する各構成要素について説明する。リチウムイオン二次電池の正極を構成する正極集電体としては、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金のような導電性の良好な金属からなる導電性部材が好ましく用いられる。正極集電体の形状は箔状の形態であり得る。正極集電体の厚さは、例えば8μm〜30μmとすることができる。正極活物質層は、正極活物質の他、必要に応じて導電材、結着材(バインダ)等の添加材を含有してもよい。
負極を構成する負極集電体としては、従来のリチウムイオン二次電池と同様に、導電性の良好な金属からなる導電性部材が好ましく用いられる。そのような導電性部材としては、例えば銅または銅を主成分とする合金を用いることができる。負極集電体の形状は、箔状の形態であり得る。負極集電体の厚さは特に限定されず、例えば8μm〜30μm程度とすることができる。
正極と負極とを隔てるように配置されるセパレータは、正極と負極とを絶縁するとともに、電解質の通過を許容する部材である。上記セパレータとしては、例えば、多孔性樹脂シートを主体とするものを好ましく用いることができる。
ここに開示されるセパレータは、負極と接しない位置に酸化剤含有層を備える。かかる構成のセパレータによると、酸化剤が負極と接しないため、自己放電の発生が抑制される。また、酸化剤含有層はさらに正極とも接しない位置に配置される。酸化剤含有層が正極と接していると、正極に含まれる物質(典型的には正極活物質)により酸化剤が酸化されることにより、酸化剤としての機能を失い、さらに電池性能が低下する傾向がある。
あるいは、酸化剤含有層は、多層構造のセパレータのうちの一つの多孔性樹脂層に酸化剤を含有させた形態であってもよい。例えば3層構造セパレータ(例えばPP層/PE層/PP層)のうちの中間層の多孔中に酸化剤を含有させたものであってもよい。
二次電池に注入される非水電解質は、少なくとも非水溶媒と支持塩とを含み得る。典型例としては、適当な非水溶媒に支持塩を含有させた組成を有する電解液が挙げられる。上記非水溶媒としては、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトンが挙げられ、これらは1種を単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。なかでも、EC、DMCおよびEMCの混合溶媒が好ましい。
[正極シートの作製]
正極活物質としてリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO2)と、導電材としてアセチレンブラックと、結着材としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、これらの材料の重量比が85:10:5となるようにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)で混合して、ペースト状の正極活物質層形成用組成物を調製した。この組成物をアルミニウム箔(正極集電体:厚さ15μm)の両面に合計塗付量が30mg/cm2(固形分基準)となるように均一に塗付し、乾燥後、圧縮することによってシート状の正極(正極シート)を作製した。正極活物質層の密度は2.8g/cm3であった。
負極活物質として黒鉛粉末と、結着材としてのPVdFと、増粘材としてカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、これらの材料の重量比が98:1:1となるようにイオン交換水で混合して、ペースト状の負極活物質層形成用組成物を調製した。この組成物を、塗付量が17mg/cm2(固形分基準)となるように銅箔(厚さ14μm)に均一に塗付し、乾燥後、圧縮することによって、シート状の負極(負極シート)を作製した。負極活物質層の密度は1.4g/cm3であった。
ポリプロピレン(PP)からなる単層のシート(厚さ:10μm)を2枚用意し、それぞれのPPシートの間に、酸化剤としてのリン酸鉄を含む酸化剤含有層を形成した。具体的には、リン酸鉄(FePO4)とPVdFとを、これらの重量比が95:5となるようにNMPで混合することによってスラリー上の酸化剤含有層形成用組成物を調整した。混合は、エム・テクニック(株)製の超音波分散機「クレアミックス(登録商標)」を用いて行った。得られた酸化剤含有層形成用組成物を、PPシートの片面全体を覆うようにグラビア塗工方法により塗付し、その塗工面に他のPPシートを重ね合わせた。その後、温度70℃で乾燥させて酸化剤含有層を形成した。酸化剤含有層の厚さは凡そ10μmであった。このようにして、PP層/酸化剤含有層/PP層からなる3層構造のセパレータシートを作製した。なお、リン酸鉄(FePO4)の酸化還元電位は、3.4V(vs.Li/Li+)であった。
上記のようにして作製した正極シートと負極シートとを、それぞれ4.4cm角となり、かつタブを有するように切断し、タブ部の活物質層を剥がしとって、シール付きリードを取り付けた。正極シートに上記酸化剤含有層を有するセパレータシートを介して負極シートを重ね合わせた。このようにして、正負極間の断面が図4に示すような構成の電極体を作製した。この電極体をアルミラミネートフィルム製の袋に収容し、非水電解液を袋内に注入した。非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とジメチルカーボネート(DMC)の1:1:1(体積比)混合溶媒に、支持塩として1.1mol/LのLiPF6を溶解した電解液を用いた。袋内を真空にひきながらアルミラミネートフィルムとリードに取り付けられたシール部とを熱溶着して内部を封止(密封)することにより、ラミネート型電池を作製した。
正極活物質としてリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物(LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2)を使用した。その他は実施例1と同様にして、実施例2に係るラミネート型電池を作製した。
酸化剤として硫化チタン(TiS2)を使用した。その他は実施例1と同様にして、参考例1に係るラミネート型電池を作製した。なお、硫化チタン(TiS2)の酸化還元電位は、2.2V(vs.Li/Li+)であった。
酸化剤として硫化チタン(TiS2)を使用した。その他は実施例2と同様にして、参考例2に係るラミネート型電池を作製した。
酸化剤としてチタン酸リチウム(Li4Ti5O12)を使用した。その他は実施例1と同様にして、比較例1に係るラミネート型電池を作製した。なお、チタン酸リチウム(Li4Ti5O12)の酸化還元電位は、1.5V(vs.Li/Li+)であった。
酸化剤としてチタン酸リチウム(Li4Ti5O12)を使用した。その他は実施例2と同様にして、比較例2に係るラミネート型電池を作製した。
セパレータシートとして、酸化剤を含まないものを使用した。具体的には、ポリプロピレン(PP)/ポリエチレン(PE)/ポリプロピレン(PP)からなる3層構造のセパレータシート(厚さ:20μm)を使用した。各層の厚さはPPの各層が7μm、PE層が6μmであった。その他は実施例1と同様にして、比較例3に係るラミネート型電池を作製した。
セパレータシートとして、比較例3と同様のものを使用した。また、非水電解液として実施例1で使用した非水電解液に、さらに過酸化水素(H2O2)を1.0×10−2 mol/Lの含有量となるように添加したものを使用した。その他は実施例1と同様にして、比較例4に係るラミネート型電池を作製した。なお、過酸化水素(H2O2)の酸化還元電位は、pH=1の環境下において4.7V(vs.Li/Li+)であった。
セパレータシートとして、比較例3と同様のものを使用した。また、非水電解液として実施例1で使用した非水電解液に、さらにヨウ化リチウムを100ppmの含有量となるように添加したものを使用した。その他は実施例1と同様にして、比較例5に係るラミネート型電池を作製した。なお、ヨウ化リチウム(LiI)の酸化還元電位は、3.5V(vs.Li/Li+)であった。
各例に係るラミネート型電池の構成の概要を表1に示す。
各電池に対し、充放電を1000サイクル繰り返した後の平均容量維持率を測定した。具体的には、まず、コンディショニング処理を施した後の電池の放電容量を測定し、これを初期容量とした。その後、温度を−20℃に保ちながら、1Cのレートで、電圧範囲3.0V〜4.5VでCC充放電を行った。かかる充放電を1000サイクル行った後の放電容量(1000サイクル後容量)を上記初期容量と同様の方法により測定した。平均容量維持率(%)は、初期容量に対する1000サイクル後容量の割合((1000サイクル後容量/初期容量)×100(%))として算出した。得られた平均容量維持率を、表2に示す。
12 開口部
14 蓋体
20 捲回電極体
30 正極(正極シート)
32 正極集電体
34 正極活物質層
35 正極集電体積層部
36 正極活物質層非形成部
37 内部正極端子
38 外部正極端子
40 負極(負極シート)
42 負極集電体
44 負極活物質層
45 負極集電体積層部
46 負極活物質層非形成部
47 内部負極端子
48 外部負極端子
50A,50B,50AA セパレータ(セパレータシート)
50a,50b セパレータ樹脂層
51 酸化剤含有層
54 耐熱層(HRL)
100 リチウムイオン二次電池
Claims (1)
- 正極と負極と該正負極間に配置されたセパレータとを有する電極体と、
非水電解質と、
を備える非水電解質二次電池であって、
前記セパレータは、前記正極および前記負極のいずれとも接しない位置に、リン酸鉄を含む酸化剤含有層を有することを特徴とする、非水電解質二次電池。
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JPS57197758A (en) * | 1981-05-30 | 1982-12-04 | Toshiba Corp | Zinc alkali secondary battery |
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JP2014222570A (ja) * | 2013-05-13 | 2014-11-27 | 新神戸電機株式会社 | 二次電池 |
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