JP2014222570A - 二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の二次電池100は、正極12と負極13の両電極面に挟まれる領域にセパレータ15と水系電解質19とが配置され、前記セパレータ15は前記負極12の電位よりも貴な電位となる粒子状活物質(貴電位活物質粒子Am)をこのセパレータ15の面に沿って存在するように有していることを特徴とする。この二次電池100では、セパレータ15の貴電位活物質粒子Amがデンドライトを分解する。
【選択図】図2
Description
また、充放電が繰り返されて亜鉛形状が変形すると、亜鉛負極の電極面内の電流密度が不均一になる。これにより負極側から樹脂状亜鉛結晶(デンドライト)が成長して正極との内部短絡を招くこともある。
本発明の二次電池は、セパレータが負極の電位よりも貴な電位となる粒子状活物質をセパレータの面に沿って分散するように有していることを主な特徴とする。
本実施形態では、水系電解質を使用する双極型電池を例にとって本発明の二次電池について詳細に説明する。次に参照する図1は、本発明の実施形態の二次電池(双極型電池)を模式的に示す構成説明図である。なお、図1における各構成要素の大きさは作図の便宜上誇張して描いており、現実の大きさと一致せず、各構成要素同士の大きさの比も現実のものと異なっている。図2は、本発明の実施形態の二次電池(双極型電池)における単電池層を模式的に示す部分拡大図である。
図1に示すように、双極型電池である二次電池100は、電池要素10及び外装ケース50を有する。
電池要素10は、物質の化学反応等を利用して電気を発生させるものである。
電池要素10は、正極末端極16と負極末端極17との間で、複数の双極電極14(本実施形態では2つ)がセパレータ15及び電解質19(水系電解質)を介して直列に接続されて構成されている。ちなみに、セパレータ15及び電解質19は、双極電極14の正極12及び負極13との間でイオン伝導層として機能する。
ちなみに、符号53は正極末端極16の外部端子(電極ノブ)であり、符号54は負極末端極17の外部端子(電極ノブ)である。
図2に示すように、双極電極14は、前記したように、集電極11と、正極12と、負極13とを備えている。
これらの正極側下地層12a、粒子状正極活物質12b、負極側下地層13a及び粒子状負極活物質13bについては後に詳しく説明する。
つまり、セパレータ15は、互いに向かい合う正極12と負極13との両電極面に挟まれる領域に電解質19と共に配置されて、正極12と負極13とを隔てるように配置されている。そして、前記したように、セパレータ15及び電解質19は、正極12と負極13との間でイオン伝導層として機能している。
なお、本実施形態での活物質含有層15cにおける貴電位活物質粒子Amは、セパレータ形成層15a,15bの面に沿って存在していればよく、例えば、後記するように、セパレータ形成層15a,15b間に挟持されるゲル状電解質に分散する形態で、或いは貴電位活物質粒子Amが集合して多孔質を形成する形態で存在するものであってもよい。ちなみに、活物質含有層15cが貴電位活物質粒子Amからなる多孔質で形成されている場合の当該孔内は、電解質19で満たされることとなる。
また、第1セパレータ形成層15a及び第2セパレータ形成層15bのそれぞれは、複数の樹脂シートを重ねて構成することもできる。
第2セパレータ形成層15bとしては、例えば、ナイロンシート等が挙げられる。
本実施形態での貴電位活物質粒子Amの材料としては、例えば、金(Au)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)等の金属;酸化インジウムスズ(ITO:Indium Tin Oxide);酸化インジウム、酸化亜鉛(IZO:Indium Zinc Oxide)等の金属酸化物が挙げられる。また、貴電位活物質粒子Amの材料としては、導電性有機物を使用することができ、その具体例としては、例えば、ポリフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリフルオレン、ポリフェニレン、ポリピロール、ポリアセチレン、これらの誘導体等の高分子系の導電性有機物;ナフタレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、これらの誘導体等のアセン類;フタロシアニン系化合物、アゾ系化合物、ペリレン系化合物、これらの誘導体等の顔料;ヒドラゾン化合物、トリフェニルメタン化合物、ジフェニルメタン化合物、スチルベン化合物、アリールビニル化合物、ピラゾリン化合物、トリフェニルアミン化合物、トリアリールアミン化合物、これらの誘導体等の低分子系の有機物等が挙げられる。
以上のような活物質含有層15cは、後記するように、樹脂状亜鉛結晶(デンドライト)の分解層として機能する。
次に、本発明の二次電池の製造方法について双極型電池を例にとって説明する。
本実施形態の二次電池100の製造方法は、貴電位活物質粒子Amを含むセパレータ15を作製するセパレータ作製工程と、集電極11の両側面にそれぞれ正極12と負極13とを配置して双極電極14を作製する双極型電極作製工程と、複数の双極電極14及びセパレータ15を外装ケース50内に組み込む組込工程と、を有して構成することができる。
図3(a)に示すように、セパレータ作製工程では、まず第1セパレータ形成層15a及び第2セパレータ形成層15bの材料のうちのいずれかを用意する。この図3(a)に示す例では、正極12(図1参照)と対向するように配置される第1セパレータ形成層15aを用意したが、図示しないが第2セパレータ形成層15bの材料を用意してもよい。
活物質含有層15cは、例えば、第1セパレータ形成層15aの片面全体に塗布された貴電位活物質粒子Amを含むペーストが乾燥されて形成される。
前記ペーストは、貴電位活物質粒子Amに加えて、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール等の分散剤、必要に応じて水や適当な有機性分散媒を含むことができる。
また、活物質含有層15cは、前記のペーストを使用する湿式法に代えて乾式法を採用して形成することもできる。
また、活物質含有層15cは、多孔性のものに限定されるものではなく、貴電位活物質粒子Amを公知のゲル状電解質に分散させて形成することもできる。
本発明の二次電池について双極型のニッケル亜鉛二次電池を例にとって更に具体的に説明する。
ニッケル亜鉛二次電池は、図1に示す正極12にニッケル水酸化物、負極13に亜鉛金属を用いている。ニッケル亜鉛二次電池の性能に悪影響を及ぼす酸化亜鉛粒子の凝集を最小限に抑えるように、分散剤を負極13の材料に含む構成が望ましい。
負極13と正極12とを分離し、亜鉛デンドライトの生成を最小限に抑えるように、複数層のシート材をセパレータ15(図1参照)に用いる構成も望ましい。ニッケル亜鉛二次電池での第2セパレータ形成層15b(図2参照)としてはナイロンシートからなるものが望ましく、第1セパレータ形成層15a(図2参照)としては細孔性ポリオレフィンシートからなるものが望ましい。
また、活物質含有層15cは、前記したように、貴電位活物質粒子Amとしての水酸化ニッケル粉末と結合剤微粉末とを使用した乾式法にて形成することもできるし、水酸化ニッケル粉末をゲル状電解質に分散させて形成することもできる。
ニッケル亜鉛二次電池においては、図1に示す双極電極14を複数積層した構成とすることで、積層された電池内の電流分布の均一化を図ることが可能となる。双極型電池は、前記したように、2組の双極電極14(図2参照)がセパレータ15(図2参照)を介して積層された単電池層を電気的に直列接続した構造である。これにより、双極型電池は、電気的接続部が電極面となるために、例えば一つの単電池層において電流密度が不均一になった場合にも、図2に示す集電極11で電流が再分配され、他の単電池層においては均一な電流分布を維持することができる。更には、一つの単電池層に欠陥が生じて当該単電池層が短絡した場合においても、当該単電池層分の電圧低下が生じるものの、双極型電池全体としての入出力は可能であり、結果として電池寿命の向上を図ることができる。
この集電極11の片面に形成される正極12の正極側下地層12a(図2参照)は、例えば、ニッケルめっきで構成することができる。また、負極13の負極側下地層13aは、例えば、亜鉛めっきで構成することができる。なお、このニッケルめっきは特許請求の範囲にいう「ニッケル膜」に相当し、亜鉛めっきは特許請求の範囲にいう「亜鉛膜」に相当する。
これらのめっき厚は、前記したとおり、0.5μm以上、10μm以下が好適である。また、めっき表面の粗さは、算術平均粗さRaで0.1μm以上の粗面状とすることが望ましい。
ちなみに、このようなスラリ中の炭酸塩の濃度は低いことが望ましく、多くともスラリ中の炭酸塩の濃度は1重量%程度とすることが望ましい。
このような乾式法の利点としては、負極13の材料が実質的に分散剤や有機助剤を含まないので、このような液体成分が周囲に飛散しないこと等が挙げられる。
また、図2に示す正極側下地層12aの表面には、粒子状正極活物質12bと共に、必要に応じて、金属コバルトCo、カルボキシメチルセルロースCMC等の分散剤を含めて配置することもできる。例えば、少なくとも酸化亜鉛及び酸化コバルトの一部は水酸化ニッケルとの化学的混合物とし、個々の粒子が水酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化コバルトを含むように形成することが望ましい。ちなみに、粒子状正極活物質12bの材料は、市販品(例えば、インコ社製、株式会社田中製等)を使用することもできる。
ちなみに、酸化コバルトや酸化亜鉛の添加は、正極12内に導電経路の形成を促がし、電荷移動効率が増大すると考えられる。例えば、正極12内での酸化亜鉛濃度は2〜3質量%程度とすることが望ましく、酸化コバルト濃度は2〜6質量%とすることが望ましい。
正極12を乾式法で製造する場合には、正極側下地層12aの表面に付与する粉末組成物は、水酸化ニッケル及びオキシ水酸化ニッケルの少なくともいずれかと、酸化亜鉛、酸化コバルト、結合剤等とを含むように構成することができる。ちなみに、結合剤としては、例えばフッ素化ポリオレフィン等が挙げられる。正極12中の結合剤の含有量は、0.1〜5質量%が望ましい。
ちなみに、本実施形態での特に望ましい電解質19としては、(1)1L当たり2.5〜11.0モルのアルカリ又はアルカリ土類の水酸化物と、(2)1L当たり0.01〜1.0モルのアルカリ又はアルカリ土類フッ化物と、(3)1L当たり2.0〜6.0モルのホウ酸塩、ヒ酸塩、及びリン酸塩の少なくともいずれかと、を含むものが挙げられる。なお、前記のホウ酸塩としては、ホウ酸カリウム、メタホウ酸カリウム、ホウ酸ナトリウム、及びメタホウ酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種が望ましい。
本実施形態に係る二次電池100は、前記したように、集電極11の両面のそれぞれに正極12及び負極13が設けられているので、電極面内における電流密度の均一化を達成することができる。
そして、本実施形態に係る二次電池100は、このような電極面内における電流密度の均一化により、充放電の繰り返しによるデンドライトの発生を抑制することができる。しかしながら、この二次電池100は、万一、負極13でデンドライトが成長したとしても、セパレータ15がデンドライトの分解機能を発揮する。
これに対し、セパレータ15においては、貴電位活物質粒子Amがセパレータ15の面に沿って存在している。よって、貴電位活物質粒子Amは、電子e−を放出すると共に、デンドライトDを溶解する。これによりデンドライトDがセパレータ15を貫通して正極12と短絡するのを防止する。
以上のことから、本実施形態の二次電池100は、従来の二次電池と比較してより確実に長寿命化を達成することができる。
図5に示すように、正極12及び負極13からなる一対の電極を有する二次電池110である。
正極12は、第1の集電極11aの表面に形成された正極側下地層12aと、この正極側下地層12aの表面に配置された粒子状正極活物質12bとで形成されている。
負極13は、第2の集電極11bの表面に形成された負極側下地層13aと、この負極側下地層13aの表面に配置された粒子状負極活物質13bとで形成されている。
そして、セパレータ15は、正極12と対向する第1セパレータ形成層15aと、負極13と対向する第2セパレータ形成層15bと、セパレータ形成層15a,15b間に配置される活物質含有層15cとで構成されている。図5中、符号15cは活物質含有層であり、符号Amは貴電位活物質粒子である。
このような二次電池110は、円筒形電池や角型電池等、様々な形状を含む何れの形状因子を備えるものでもよい。
このようなセパレータ15は、セパレータ形成層15a,15b間に貴電位活物質粒子Amを配置し、セパレータ形成層15a,15b同士を熱圧着することにより得られたものである。
このようなセパレータ15は、前記実施形態におけるセパレータ15の製造方法よりも少ない工程で得ることができる。
11a 第1の集電極
11b 第2の集電極
12 正極
12a 正極側下地層
12b 粒子状正極活物質
13 負極
13a 負極側下地層
13b 粒子状負極活物質
14 双極電極
15 セパレータ
15a 第1セパレータ形成層
15b 第2セパレータ形成層
15a セパレータ形成層
15c 活物質含有層
16 正極末端極
17 負極末端極
19 電解質
100 二次電池
110 二次電池
Am 貴電位活物質粒子(負極の電位よりも貴な電位となる粒子状活物質)
D デンドライト
Claims (11)
- 正極と負極の両電極面に挟まれる領域にセパレータと水系電解質とが配置され、
前記セパレータは前記負極の電位よりも貴な電位となる粒子状活物質をこのセパレータの面に沿って存在するように有していることを特徴とする二次電池。 - 請求項1に記載の二次電池において、
集電極を挟んで前記正極と前記負極とを有する複数の双極電極を有し、
相隣る前記双極電極同士の前記正極と前記負極との間に前記セパレータ及び前記水系電解質が配置されていることを特徴とする二次電池。 - 請求項1又は請求項2に記載の二次電池において、
前記粒子状活物質は、セパレータの面に沿うように集合して多孔質層を形成していることを特徴とする二次電池。 - 請求項1又は請求項2に記載の二次電池において、
前記セパレータは複数のセパレータ形成層を有し、
前記粒子状活物質は前記セパレータ形成層の層間に存在していることを特徴とする二次電池。 - 請求項4に記載の二次電池において、
前記セパレータ形成層は微細孔を有しており、前記負極に隣接する側の前記セパレータ形成層の微細孔の内径は、前記正極に隣接する側の前記セパレータ形成層の微細孔の内径よりも小さいことを特徴とする二次電池。 - 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の二次電池において、
前記負極は、酸化亜鉛と、亜鉛又は亜鉛合金とを含むことを特徴とする二次電池。 - 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の二次電池において、
前記粒子状活物質は、導電性有機物を含んでいることを特徴とする二次電池。 - 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の二次電池において、
前記粒子状物質は正極活物質粒子であることを特徴とする二次電池。 - 請求項8に記載の二次電池において、
前記粒子状物質としての正極活物質粒子の粒子径は1μm以上であることを特徴とする二次電池。 - 請求項2に記載の二次電池において、
前記負極は、前記集電極の表面に形成された亜鉛膜と、この亜鉛膜の表面に配置された複数の酸化亜鉛粒子と、で構成されていることを特徴とする二次電池。 - 請求項2に記載の二次電池において、
前記正極は、前記集電極の表面に形成されたニッケル膜と、このニッケル膜の表面に配置された複数の粒子状正極活物質と、で構成されていることを特徴とする二次電池。
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