JPH09153353A - アルカリ亜鉛蓄電池 - Google Patents

アルカリ亜鉛蓄電池

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JPH09153353A
JPH09153353A JP7305663A JP30566395A JPH09153353A JP H09153353 A JPH09153353 A JP H09153353A JP 7305663 A JP7305663 A JP 7305663A JP 30566395 A JP30566395 A JP 30566395A JP H09153353 A JPH09153353 A JP H09153353A
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幸雄 藤田
Toshiyuki Onda
敏之 温田
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正治 綿田
Mitsuo Yamane
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 主として、デンドライトによるショートの発
生を十分に防止でき、長寿命化を図ることができる、ア
ルカリ亜鉛蓄電池を提供すること。 【解決手段】 正極2に対向する第1膜31と負極1に
対向する第2膜32とを少なくとも有するセパレータ3
を備えており、第1膜31は耐アルカリ性微孔膜又はポ
リビニルアルコール膜であり、第2膜32はポリビニル
アルコール膜であり、第1膜31は第2膜32側の面に
ニッケル被覆層31aを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、負極に亜鉛を使用
し電解液にアルカリ水溶液を使用したアルカリ亜鉛蓄電
池、例えばニッケル−亜鉛蓄電池、酸化銀−亜鉛蓄電
池、マンガン−亜鉛蓄電池、空気−亜鉛電池等に関し、
特にそのセパレータの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルカリ亜鉛蓄電池は、負極に亜鉛を用
いているために、高エネルギー密度を有し、カドミウム
や水銀等の有害物質を含まず、安価である等の良好な特
性を有し、それ故、実用化が強く期待されている。しか
し、電解液であるアルカリ水溶液に対して亜鉛が高い溶
解度を示すことに起因して、負極のシェイプチェンジや
負極におけるデンドライトの発生、ひいては寿命が短い
という問題があり、そのため、広く実用化されるには至
っていないのが現状である。
【0003】ところで、従来のアルカリ亜鉛蓄電池で
は、セロハンやポリビニルアルコールからなるセパレー
タが使用されていた。そして、セパレータがアルカリ水
溶液によって劣化するまでの期間は、亜鉛のデンドライ
トによる短絡を防止することが可能であった。また、近
年では、ポリエチレン、ポリプロピレン等の微孔膜に界
面活性剤処理を施したセパレータを用いることが提案さ
れ、アルカリ水溶液によって劣化しにくいセパレータと
して使用されている。
【0004】一方、セパレータのデンドライト生成を抑
制する効果を高める技術として、次のものが知られてい
る。 特開昭56−138864では、微孔膜セパレータに
水素過電圧の低い金属を塗布又は蒸着している。 特開昭58−165243、特開昭58−16524
4では、ニッケルメッキを施した又はニッケルを付着さ
せたイオン交換樹脂等の選択透過膜を、微孔膜セパレー
タ間に配している。 特開昭57−197758では、微孔膜セパレータ中
に特定の金属を均一に分散させている。 特開平5−343096では、微孔膜セパレータの負
極側に、水素過電圧の低い金属からなる層とセロハン層
とを設けている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
〜のセパレータは、水素過電圧の低い金属上にてデン
ドライトを酸化溶解させようとするものであるが、該セ
パレータでは、デンドライトが該金属と接触すると水素
が発生し、自己放電が加速されてしまうという問題があ
った。
【0006】また、上記のセパレータでは、セロハン
層によってデンドライトと水素過電圧の低い金属との接
触を抑制できるが、セロハンはアルカリ水溶液中で容易
に分解されてしまうので、上記抑制効果の持続性に欠け
るという問題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、本発明のアルカリ亜鉛蓄電池の内、請求項1記載の
発明は、正極に対向する第1膜と負極に対向する第2膜
とを少なくとも有するセパレータを備えており、第1膜
が耐アルカリ性微孔膜又はポリビニルアルコール膜であ
り、第2膜がポリビニルアルコール膜であり、第1膜
は、ニッケル、鉄、コバルト、白金、パラジウム、イン
ジウム、クロム、マンガン、チタン、及びこれらを主成
分とする合金、の内から任意に選択された金属を有して
いることを特徴としている。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1の構成に
加え、第1膜のポリビニルアルコール膜又は第2膜の、
少なくとも一方が架橋構造を有している。
【0009】請求項3記載の発明は、請求項1の構成に
加え、耐アルカリ性微孔膜が、ポリエチレン微孔膜又は
ポリプロピレン微孔膜である。
【0010】請求項4記載の発明は、請求項1の構成に
加え、第1膜が上記金属の粒子を分散状態で内部に有し
ている。
【0011】請求項5記載の発明は、請求項1の構成に
加え、第1膜が上記金属を層状態で負極に対向する面に
有している。
【0012】請求項6記載の発明は、請求項1の構成に
加え、第1膜と正極との間又は第2膜と負極との間、の
少なくとも一方に不織布を介在させている。
【0013】請求項7記載の発明は、請求項1の構成に
加え、第1膜と第2膜とが一体である。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態に属す
る試作のアルカリ亜鉛蓄電池の発電要素を示す断面部分
図である。この発電要素は、正極2/不織布4/セパレ
ータ3/不織布4/負極1という配置で構成されてい
る。なお、この発電要素は、実際的には図2に示すよう
に配設されて電池を構成する。なお、図2は以下に示す
実施例6のセパレータ3を用いたものである。
【0015】試作電池は次の構成を有している。負極1
は、厚さ0.1mmの銅パンチングメタルからなる集電
体の両面に、酸化亜鉛粉末80重量部と亜鉛粉末20重
量部とポリテトラフルオロエチレン粒子3重量部とから
なる混合物を塗布して構成されている。多孔度は約50
%、極板寸法は3cm×3cmである。
【0016】正極2は、水酸化ニッケルを主体とする焼
結式ニッケル極であり、極板寸法は3cm×3cmであ
る。
【0017】電解液は、8mol/lの水酸化カリウム
水溶液を用い、全空隙の80〜90%まで注液した。ま
た、正極2の容量密度を30mAh/cm2 とし、負極
1の容量密度を120mAh/cm2 とした。
【0018】そして、セパレータ3として、以下に示す
実施例1〜6のものを用いた。なお、比較するために、
以下に示す比較例1〜10のセパレータ3を用い、その
他は実施例のセパレータ3を用いた場合と同じ構成のア
ルカリ亜鉛蓄電池を試作した。実施例1〜6及び比較例
6〜10のセパレータ3は、図3に示すように、第1膜
31及び第2膜32からなる2膜構造を有しており、特
に実施例6、比較例6,7は、図4に示すように、第1
膜31自体が2層構造を有している。
【0019】(実施例1)第1膜31は、ニッケル粉末
を分散状態で含有し且つ架橋構造を有するポリビニルア
ルコール膜(PVA膜)である。但し、架橋は電子線照
射により行なわれた。第2膜32は単なるポリビニルア
ルコール膜である。
【0020】第1膜31は次のようにして形成した。即
ち、重合度が1500〜1800のポリビニルアルコー
ル粉末試薬(株式会社和光純薬製)10重量部を精製水
50重量部に溶解させ、その中に、平均粒子径15μ
m、平均厚さ1μmの、鱗片状ニッケル粉末10重量部
を均一に分散し、これに電子線を照射して架橋させ、膜
抵抗を230mΩ・cm2 とした。
【0021】第2膜32は次のようにして形成した。即
ち、重合度が1500〜1800のポリビニルアルコー
ル粉末試薬(株式会社和光純薬製)を均一に分散させて
厚み15μmの膜とし、180℃の温度下で10分間加
熱処理してアルカリに対して溶解しにくくした。
【0022】(実施例2)第1膜31は、ニッケル粉末
を分散状態で含有し且つ架橋構造を有するポリビニルア
ルコール膜である。但し、架橋はホウ酸処理により行な
われた。第2膜32は実施例1の第2膜32と同じポリ
ビニルアルコール膜である。
【0023】第1膜31は次のようにして形成した。即
ち、ポリビニルアルコール粉末10重量部を精製水50
重量部に溶解させ、その中に、平均粒子径15μm、平
均厚さ1μmの、鱗片状ニッケル粉末10重量部を均一
に分散し、これに飽和ホウ酸水溶液1重量部を添加して
架橋させ、膜抵抗を230mΩ・cm2 とした。
【0024】(実施例3)第1膜31は、ニッケル粉末
を分散状態で含有したポリビニルアルコール膜である。
第2膜32は実施例1の第2膜32と同じポリビニルア
ルコール膜である。
【0025】第1膜31は次のようにして形成した。即
ち、ポリビニルアルコール粉末10重量部を精製水50
重量部に溶解させ、その中に、平均粒子径15μm、平
均厚さ1μmの、鱗片状ニッケル粉末10重量部を均一
に分散し、厚さ40μmの膜とし、180℃の温度下で
10分間加熱処理してアルカリに対して溶解しにくくす
るとともに、膜抵抗を165mΩ・cm2 とした。
【0026】(実施例4)実施例3の第1膜31と第2
膜32とが一体となっているものである。これは次のよ
うにして形成した。即ち、ポリビニルアルコール粉末1
0重量部を精製水50重量部に溶解させ、その中に、平
均粒子径15μm、平均厚さ1μmの、鱗片状ニッケル
粉末10重量部を均一に分散し、厚さ40μmの膜(第
1膜32)とし、この膜の一方の面にポリビニルアルコ
ール樹脂を塗布して15μmのポリビニルアルコール膜
(第2膜32)を形成し、180℃の温度下で10分間
加熱処理してアルカリに対して溶解しにくくするととも
に、膜抵抗を180mΩ・cm2 とした。
【0027】(実施例5)第1膜31は、ニッケル粉末
を分散状態で含有したポリエチレン微孔膜(PE微孔
膜)である。第2膜32は実施例1の第2膜32と同じ
ポリビニルアルコール膜である。
【0028】第1膜31は次のようにして形成した。即
ち、ポリエチレン粉末100重量部にカルボニルニッケ
ル粉末(INCO製#255)10重量部を混練してロ
ール成形し、厚さ50μm、多孔度42%、膜抵抗20
0mΩ・cm2 の膜とした。
【0029】(実施例6)第1膜31は、第2膜32側
にニッケル被覆層31a(図2,4)を有するポリプロ
ピレン微孔膜(PP微孔膜)である。第2膜32は実施
例1の第2膜32と同じポリビニルアルコール膜であ
る。
【0030】第1膜31は次のようにして形成した。即
ち、厚さ25μmのポリプロピレン微孔膜(ヘキストセ
ラニーズ製、セルガード#3401)の第2膜32側の
面に、ニッケル粒子を付着させてニッケル被覆層を形成
した。
【0031】(比較例1)厚さ25μmのポリプロピレ
ン微孔膜(ヘキストセラニーズ製、セルガード#340
1)1枚のみでできている。
【0032】(比較例2)厚さ25μmのセロハン膜1
枚のみでできている。
【0033】(比較例3)実施例1の第2膜32と同じ
ポリビニルアルコール膜1枚のみでできている。
【0034】(比較例4)実施例3の第1膜31と同じ
ポリビニルアルコール膜1枚のみでできている。
【0035】(比較例5)実施例6の第1膜31と同じ
ポリプロピレン微孔膜1枚のみでできている。
【0036】(比較例6)第1膜31は実施例6の第1
膜31と同じものである。第2膜32は比較例1と同じ
ポリプロピレン微孔膜である。
【0037】(比較例7)第1膜31は実施例6の第1
膜31と同じものである。第2膜32は比較例2と同じ
セロハン膜である。
【0038】(比較例8)第1膜31及び第2膜32
は、共に比較例1と同じポリプロピレン微孔膜である。
【0039】(比較例9)第1膜31は比較例1と同じ
ポリプロピレン微孔膜である。第2膜32は比較例2と
同じセロハン膜である。
【0040】(比較例10)第1膜31は比較例1と同
じポリプロピレン微孔膜である。第2膜32は比較例3
と同じポリビニルアルコール膜である。
【0041】以上の実施例1〜6及び比較例1〜10の
構成を簡単に示すと、表1のようになる。
【0042】
【表1】
【0043】上記実施例1〜6のセパレータ3を備えた
本発明のアルカリ亜鉛蓄電池では、次のような作用効果
を奏する。 (1)セパレータ3の第1膜31がニッケルを分散状態
で又は層状態で有しているので、ニッケル上で析出亜鉛
が酸化溶解され、デンドライト生成が抑制される。ま
た、セパレータ3がポリビニルアルコール膜からなる第
2膜32を有しているので、デンドライトが微細化され
て容易に溶解され、デンドライト成長が抑制され、更
に、第1膜31のニッケルにデンドライトが直接接触す
るのが防止され、従って、自己放電が防止される。従っ
て、第1膜31によるデンドライト生成抑制作用と、第
2膜32によるデンドライト成長抑制作用とが、相乗的
に作用し、デンドライトによるショートの発生が十分に
防止され、長寿命となる。
【0044】なお、ポリビニルアルコール膜による上記
作用は、ポリビニルアルコールが有する官能基であるア
ルコール基と、ポリビニルアルコール分子の集合構造と
によるものと考えられ、合成物であるポリビニルアルコ
ールは、分子量、けん化度、結晶化度等の制御が容易で
あるので、最適な条件を設定することにより、優れたデ
ンドライト成長抑制作用が得られる。なお、第1膜31
によるデンドライト生成抑制作用、第2膜32によるデ
ンドライト成長抑制作用、及びそれらの作用による相乗
的作用は、以下に示す[試験1]〜[試験3]により証
明される。
【0045】(2)特に実施例1,2,6のセパレータ
3を用いた電池では、セパレータ3の耐アルカリ性が向
上し、従って、セパレータ3の劣化によるショートの発
生が十分に防止される。
【0046】(3)特に実施例1〜5のセパレータ3を
用いた電池では、実施例6の場合に比して、セパレータ
3の第1膜31におけるニッケルの剥離や脱落が防止さ
れ、従って、デンドライト生成の抑制効果の持続性が向
上する。
【0047】(4)特に実施例6のセパレータ3を用い
た電池では、セパレータ3の第1膜31に形成したニッ
ケル層によって、確実に、析出亜鉛が酸化溶解され、デ
ンドライト生成が抑制される。
【0048】(5)不織布4を用いているので、電極
1,2表面が均一且つ十分に電解液で濡らされ、従っ
て、活物質利用率が向上し、充放電時の電流分布が均一
になり、そのため、亜鉛負極のシェイプチェンジが抑制
される。
【0049】(6)特に実施例4のセパレータ3を用い
た電池では、セパレータ3の製造工程が簡素化される。
【0050】なお、第1膜31で用いる金属は、ニッケ
ル、鉄、コバルト、白金、パラジウム、インジウム、ク
ロム、マンガン、チタン、及びこれらを主成分とする合
金、の内から任意に選択された金属であれば、ニッケル
に限るものではない。
【0051】また、実施例6のセパレータ3では、第1
膜31にニッケル被覆層31aを形成しているが、その
代わりに、第2膜32の第1膜31側の面にニッケル被
覆層を形成してもよい。
【0052】また、実施例1〜4の第1膜31として
は、ポリビニルアルコール膜の代わりに、ポリエチレン
微孔膜、ポリプロピレン微孔膜等の耐アルカリ性微孔膜
を用いてもよい。また、実施例5,6の第1膜31とし
ては、ポリエチレン微孔膜やポリプロピレン微孔膜の代
わりに、ポリビニルアルコール膜を用いてもよい。
【0053】また、上記電池では、正極活物質としてニ
ッケルを用いているが、酸化銀やマンガンを用いてもよ
い。また、正極として、空気極を用いてもよい。
【0054】更に、上記電池では、不織布4を配設して
いるが、負極1及び正極2が電解液に均一且つ十分に濡
れるようであれば、不織布4は特に必要としない。
【0055】[試験1]実施例1〜6及び比較例1〜1
0のセパレータ3を備えた、上記構成のアルカリ亜鉛蓄
電池を試作し、これに対して、次の試験を行なった。即
ち、各電池を、60℃の雰囲気下で、300mA/cm
2 の電流密度で充電し、充電中の電圧が低下し始める時
点の電気量をショート発生充電電気量として求めた。そ
の結果を表2に示す。ショート発生充電電気量が大きい
ことは、耐ショート性が高いことを示す。なお、試験
後、試作電池を解体したところ、いずれもショートして
いることが確認された。
【0056】
【表2】
【0057】表2から、次のことがわかる。まず、単膜
構造のセパレータである比較例1〜3を比較すると、ポ
リプロピレン微孔膜が最も耐ショート性が低く、セロハ
ン膜、ポリビニルアルコール膜の順に耐ショート性が向
上している。そして、比較例1〜3と比較例8〜10と
を比較すると、2膜構造のセパレータである比較例8〜
10の耐ショート性は単膜構造のセパレータのショート
発生充電電気量の和となっている。ところが、比較例1
と比較例5とを比較すると、同じ単膜構造のセパレータ
であってもニッケル被覆層を形成することにより、耐シ
ョート性が大きく向上している。このことは、比較例
6,7及び実施例6と、比較例8〜10とを、比較して
もわかる。即ち、第1膜31であるポリプロピレン微孔
膜にニッケル被覆層31aを形成してなる2膜構造のセ
パレータは、単なる2膜構造のセパレータより耐ショー
ト性が向上している。
【0058】一方、ニッケル被覆層を形成してなる同じ
2膜構造のセパレータであっても、実施例6は比較例
6,7に比して耐ショート性が著しく向上している。こ
れは、第2膜32がポリビニルアルコール膜であること
によるものと考えられる。即ち、第2膜32をポリビニ
ルアルコール膜としたセパレータの方が、第2膜32を
ポリプロピレン微孔膜、セロハン膜としたセパレータよ
りも、デンドライトが微細化されやすく、デンドライト
がニッケル被覆層に達しても容易に酸化溶解されるた
め、耐ショート性が向上したものと考えられる。
【0059】更に、実施例1〜5をみると、第1膜31
にニッケル被覆層31aを形成する代わりにニッケル粉
末を分散状態で含有させた場合でも、実施例6の場合と
同程度に、耐ショート性が向上している。
【0060】これらのことから、第1膜31にニッケル
被覆層31aを形成し又はニッケル粉末を分散状態で含
有させること、及び第2膜32としてポリビニルアルコ
ール膜を用いることが、耐ショート性の向上に寄与して
いることがわかる。
【0061】[試験2]実施例1〜6及び比較例1,
7,9のセパレータ3を備えた、上記構成のアルカリ亜
鉛蓄電池を試作し、これに対して、次の試験を行なっ
た。なお、電池容量は2Ahとした。即ち、初期放電容
量と、充電後60℃の恒温槽内で40日間放置した時の
開路電圧の変化と、放置後室温に戻してからの放電容量
とを求めた。表3は初期放電容量及び放置後放電容量を
示し、図5は開路電圧の変化を示す。なお、試験後、試
作電池を解体したところ、比較例1,9ではショートし
ており、比較例7ではニッケル被覆層31aと負極1の
亜鉛とが接触して自己放電が促進されていることが確認
された。
【0062】
【表3】
【0063】表3から、次のことがわかる。比較例1,
7,9では、初期放電容量に対して放置後放電容量が低
下しているが、実施例1〜6では低下していない。ま
た、図5からわかるように、比較例1,7,9では、放
置後30日経過後に急に開路電圧が低下している。特
に、実施例6と比較例7とを比較すると、第2膜32と
してポリビニルアルコール膜を用いることが有効である
ことがわかる。これは、第2膜32をポリビニルアルコ
ール膜としたセパレータの方が、第2膜32をセロハン
膜としたセパレータよりも、耐アルカリ性に優れている
ことに因るものである。
【0064】従って、第1膜31にニッケル被覆層31
aを形成し又はニッケル粉末を分散状態で含有させるこ
と、及び第2膜32としてポリビニルアルコール膜を用
いることは、放電特性の向上にも寄与すると考えられ
る。
【0065】[試験3]実施例1〜6及び比較例1,
7,9のセパレータ3を備えた、上記構成のアルカリ亜
鉛蓄電池を試作し、これに対して、次の試験を行なっ
た。なお、電池容量は2Ahとした。即ち、2Cの充放
電サイクル1回、0.2Cの充放電サイクル1回、及び
−10℃〜60℃のヒートサイクル50回からなるパタ
ーンを繰返し行ない、各パターン終了後の放電容量を求
めた。その結果を表4に示す。なお、表4において、初
期の放電容量は電池組立直後の放電容量を示す。
【0066】
【表4】
【0067】表4から、次のことがわかる。比較例1で
は1パターンのヒートサイクル前の2Cの充電でショー
トし、比較例7では2パターンのヒートサイクル前の2
Cの充電で自己放電し、比較例9では2パターンのヒー
トサイクル前の2Cの充電でショートした。これに対
し、実施例1〜6では、6パターン終了後でも放電容量
は殆んど低下せず、ショートも認められなかった。即
ち、実施例1〜6は高い耐ショート性を有している。
【0068】
【発明の効果】以上のように本発明のアルカリ亜鉛蓄電
池によれば、次のような効果を奏する。 (1)請求項1記載の発明によれば、セパレータ3の第
1膜31がニッケル等の所定の金属を有しているので、
該金属上で析出亜鉛を酸化溶解でき、デンドライト生成
を抑制できる。また、セパレータ3がポリビニルアルコ
ール膜からなる第2膜32を有しているので、デンドラ
イトを微細化して容易に溶解でき、デンドライト成長を
抑制でき、更に、第1膜31の金属にデンドライトが直
接接触するのを防止でき、従って、自己放電を防止でき
る。従って、第1膜31と第2膜32とが相乗的に作用
することによって、デンドライトによるショートの発生
を十分に防止でき、長寿命化を図ることができる。
【0069】(2)請求項2又は3記載の発明によれ
ば、セパレータ3の耐アルカリ性を向上でき、従って、
セパレータ3の劣化によるショートの発生を十分に防止
できる。
【0070】(3)請求項4記載の発明によれば、セパ
レータ3の第1膜31における金属の剥離や脱落を防止
でき、従って、デンドライト生成の抑制効果の持続性を
向上できる。
【0071】(4)請求項5記載の発明によれば、セパ
レータ3の第1膜31に形成した金属層によって、確実
に、析出亜鉛を酸化溶解でき、デンドライト生成を抑制
できる。
【0072】(5)請求項6記載の発明によれば、電極
表面を均一且つ十分に電解液で濡らすことができ、従っ
て、活物質利用率を向上でき、充放電時の電流分布を均
一にでき、そのため、亜鉛負極のシェイプチェンジを抑
制できる。
【0073】(6)請求項7記載の発明によれば、セパ
レータ3の製造工程を簡素化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に属する試作のアルカリ
亜鉛蓄電池の発電要素を示す断面部分図である。
【図2】 本発明の実際的なアルカリ亜鉛蓄電池の一例
を示す断面図である。
【図3】 実施例1〜6及び比較例6〜10のセパレー
タを示す拡大断面部分図である。
【図4】 図3のセパレータの内、特に実施例6、比較
例6,7のセパレータを示す拡大断面部分図である。
【図5】 試験2における開路電圧の変化を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 負極 2 正極 3 セパレータ 31 第1膜 31a ニッケル被覆層 32 第2膜 4 不織布
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山根 三男 大阪府高槻市城西町6番6号 株式会社ユ アサコーポレーション内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極に対向する第1膜と負極に対向する
    第2膜とを少なくとも有するセパレータを備えており、 第1膜が耐アルカリ性微孔膜又はポリビニルアルコール
    膜であり、第2膜がポリビニルアルコール膜であり、第
    1膜は、ニッケル、鉄、コバルト、白金、パラジウム、
    インジウム、クロム、マンガン、チタン、及びこれらを
    主成分とする合金、の内から任意に選択された金属を有
    していることを特徴とするアルカリ亜鉛蓄電池。
  2. 【請求項2】 第1膜のポリビニルアルコール膜又は第
    2膜の、少なくとも一方が架橋構造を有している請求項
    1記載のアルカリ亜鉛蓄電池。
  3. 【請求項3】 耐アルカリ性微孔膜が、ポリエチレン微
    孔膜又はポリプロピレン微孔膜である請求項1記載のア
    ルカリ亜鉛蓄電池。
  4. 【請求項4】 第1膜が上記金属の粒子を分散状態で内
    部に有している請求項1記載のアルカリ亜鉛蓄電池。
  5. 【請求項5】 第1膜が上記金属を層状態で負極に対向
    する面に有している請求項1記載のアルカリ亜鉛蓄電
    池。
  6. 【請求項6】 第1膜と正極との間又は第2膜と負極と
    の間、の少なくとも一方に不織布を介在させている請求
    項1記載のアルカリ亜鉛蓄電池。
  7. 【請求項7】 第1膜と第2膜とが一体である請求項1
    記載のアルカリ亜鉛蓄電池。
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JP2008218426A (ja) * 2008-04-25 2008-09-18 Gs Yuasa Corporation:Kk アルカリ亜鉛蓄電池用セパレータとこれを用いたアルカリ亜鉛蓄電池
JP2014222570A (ja) * 2013-05-13 2014-11-27 新神戸電機株式会社 二次電池

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