JP3185244B2 - アルカリ電池用亜鉛負極板 - Google Patents

アルカリ電池用亜鉛負極板

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JP3185244B2
JP3185244B2 JP14101991A JP14101991A JP3185244B2 JP 3185244 B2 JP3185244 B2 JP 3185244B2 JP 14101991 A JP14101991 A JP 14101991A JP 14101991 A JP14101991 A JP 14101991A JP 3185244 B2 JP3185244 B2 JP 3185244B2
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battery
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安田  秀雄
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    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルカリ電池用亜鉛負極
板に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】近年、電子機器の発展によっ
て新しい高性能の電池の出現が期待されている。そのう
ち、亜鉛を負極とする電池、例えばアルカリマンガン電
池やニッケル・亜鉛電池の高性能化への要求が強まって
いる。特に、これらの電池は二次電池としての可能性が
あるが、サイクル寿命が短いために、実用化が困難であ
った。
【0003】その大きな技術的な課題としては、亜鉛の
デンドライト現象やシェイプチェンジ現象がある。これ
らの課題を克服するための一つの手段として、導電材と
して銅粉末やカドミウム粉末を添加して電流分布を均一
にして、これらの課題を軽減する試みが提案されている
が(例えばGS NEWS VOL.49,26(1990),特開平1-315949)
充分なものではなかった。
【0004】現在、二酸化マンガン・亜鉛電池は一次電
池として実用化されているが、充放電が可能な二次電池
としては実用化されていない。また、ニッケル・亜鉛電
池も、高エネルギー密度の電池として期待されている
が、現在のところ寿命性能が充分でないために実用化レ
ベルには、到達しておらず、その原因の大部分は亜鉛負
極のデンドライト現象やシェイプチェンジ現象にある。
これらの現象はいずれもサイクルにともなう容量低下や
電池の短絡に結びつくためにその効果的な対策が望まれ
ている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来の集電機
能と比較して極めて効果的な新しい集電構造の亜鉛負極
板に関するものであり、この負極板を二酸化マンガン・
亜鉛電池やニッケル・亜鉛電池に適用することによって
サイクル寿命性能を著しく改良したものである。
【0006】その特徴は、銅の基本集電体、例えば、活
物質支持体のパンチングメタルあるいはその活物質に混
合した銅粉末の周辺に銅の微粉末が均質に分布する構造
の亜鉛負極板に関するものである。
【0007】その具体的な製造方法の一つは,銅を集電
体とする亜鉛負極板を過放電したのち、充電することで
ある。その場合、通電電流の大きさとその時間によっ
て、集電体として機能する銅の微粉末の量が制御でき
る。
【0008】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を用いて説明す
る。 [実施例1]酸化亜鉛粉末100部および長さ1mmの
ナイロンの短繊維0.2部をプロピレングリコ−ル30
部で混合して、ペースト状にする。次にポリテトラフル
オロエチレン粉末の60%水性デイスパージョン溶液3
mlを加えて混練する。その後、厚さ0.1mmの銅の
パンチングメタルに加圧ローラーで圧着してから150
℃で乾燥し、再度プレスして酸化亜鉛の理論容量が70
0mAhで、寸法が2.3×15×52(mm)の負極
板を製作した。
【0009】この負極板を3Mの水酸化カリウム水溶液
を使用し、2枚のニッケル板を対極として、5mAの電
流で22分間アノード通電したのち、今度は逆に同じ電
流でカソード通電をおこなった。その後さらに湯洗・乾
燥して本発明による負極板(A)を得た。 [実施例2]酸化亜鉛粉末100部および長さ1mmの
ナイロンの短繊維0.2部をプロピレングリコール30
部で混合して、ペースト状にする。次にポリテトラフル
オロエチレン粉末の60%水性デイスパージョン溶液3
mlを加えて混練する。その後、厚さ0.1mmの銅の
パンチングメタルに加圧ローラーで圧着してから150
℃で乾燥し、再度プレスして酸化亜鉛の理論容量が70
0mAhで、寸法が2.3×15×52(mm)の負極
板を製作した。
【0010】この負極板を3Mの水酸化カリウム水溶液
を使用し、2枚のニッケル板を対極として、5mAの電
流で63分間アノード通電したのち、今度は逆に同じ電
流でカソード通電をおこなった。その後さらに湯洗・乾
燥して本発明による負極板(B)を得た。 [実施例3]酸化亜鉛粉末100部,金属カドミウム1
0部および長さ1mmのナイロンの短繊維0.2部をプ
ロピレングリコール35部で混合して、ペースト状にす
る。つぎにポリテトラフルオロエチレン粉末の60%水
性デイスパージョン溶液3mlを加えて混練する。その
後、厚さ0.1mmの銅のパンチングメタルに加圧ロー
ラーで圧着してから150℃で乾燥し、再度プレスして
酸化亜鉛の理論容量が700mAhで、寸法が2.3×
15×52(mm)の負極板を製作した。
【0011】この負極板を3Mの水酸化カリウム水溶液
を使用し、2枚のニッケル板を対極として、5mAの電
流で22分間アノード通電したのち、今度は逆に同じ電
流でカソード通電をおこなった。その後さらに湯洗・乾
燥して本発明による負極板(C)を得た。 [実施例4]酸化亜鉛粉末100部,金属銅粉末10部
および長さ1mmのナイロンの短繊維0.2部をプロピ
レングリコ−ル35部で混合して、ペースト状にする。
つぎにポリテトラフルオロエチレン粉末の60%水性デ
イスパージョン溶液3mlを加えて混練する。その後、
厚さ0.1mmの銅のパンチングメタルに加圧ローラー
で圧着してから150℃で乾燥し、再度プレスして酸化
亜鉛の理論容量が700mAhで、寸法が2.3×15
×52(mm)の負極板を製作した。
【0012】この負極板を3Mの水酸化カリウム水溶液
を使用し、2枚のニッケル板を対極として、5mAの電
流で22分間アノード通電したのち、今度は逆に同じ電
流でカソード通電をおこなった。その後さらに湯洗・乾
燥して本発明による負極板(D)を得た。
【0013】これらの負極板を0.12mmのポリアミ
ド不織布1枚、厚さ25μmのポリエチレン製の微孔性
膜1枚からなるセパレータで包んだのち、0.12mm
のポリアミド不織布1枚で包まれた正極板2枚の間には
さみ、電解液として酸化亜鉛を飽和した8.5Mの水酸
化カリウム水溶液2.5mlを用いて公称容量が500
mAhの合成樹脂電槽を使用した角形ニッケル・亜鉛電
池(A),(B),(C)および(D)を製作した。電
池の符号は負極板のものに対応させている。外形寸法は
7×16.5×8mmであり、電池には0.5kg/c
2 で作動する安全弁を付けている。
【0014】こうして製作した電池を20℃、0.5C
の電流で2時間充電したのち0.2Cの電流で1.4V
まで放電するというサイクル試験をおこなった。初期容
量を100とする放電容量の推移を図1に示す。
【0015】なお、比較のためにアノード通電・カソー
ド通電処理をおこなわなかった亜鉛負極板を使用した以
外は実施例1と同様にしてニッケル・亜鉛電池(E)を
製作した。さらに、アノード通電・カソード通電処理を
おこなわなかった亜鉛負極板を使用した以外は実施例4
と同様にしてニッケル・亜鉛電池(F)も製作して評価
をおこなった。
【0016】図1より、本発明の負極板を使用した電池
(A),(B),(C)および(D)は、従来の負極板
を使用した電池(E),(F)よりも、サイクルに伴う
放電容量の低下が少ないことがわかる。さらに、本発明
による電池を比較してみると、アノード通電処理時間の
長い、すなわち電池(A)よりも電池(B)の方がサイ
クル寿命性能がよく、また金属カドミウム粉末や銅粉末
を用いる本発明の負極板を使用した電池(C)および
(D)の性能が良いことがわかる。
【0017】次に、本発明による負極板の性能が優れて
いる理由を調べるために、それぞれの負極板の断面をX
線マイクロアナライザーで調査した。その結果、本発明
による負極板は、銅グリッドから表面に銅の微粒子が均
一に分布していた。また、アノード通電処理時間の長い
負極板の方が微粒子の銅の量が多かった。一方、従来の
負極板(E)または(F)の場合には、銅の微粒子がほ
とんど認められなかった。
【0018】これらのことから、本発明の負極板の性能
が優れているのは、活物質の酸化亜鉛粉末の近傍に均一
な銅の微粒子が存在することによって、負極板の電流分
布が均一になるために亜鉛負極板のシェイプチェンジ現
象やデンドライト現象が抑制されたためによるものと思
われる。特に、金属カドミウム粉末や金属銅粉末を含ん
だ場合に、その効果が著しくなるのは、金属カドミウム
粒子間や金属銅粒子間に微粒子の銅粉末が均一に介在し
て集電性がさらに向上したためであると推測される。
【0019】より実用的には、実施例のように負極板を
あらかじめアノード・カソード処理をするのではなく、
電池としたのち一定時間過放電したのち、充電すればよ
い。その場合、電流の大きさは小さいほど例えば0.1
C以下にすればより効果的であることがわかった。
【0020】まとめると、 (1)銅の基本集電体とその周辺に銅の微粉末が均質に
分布する構造を備えること特徴とするアルカリ電池用亜
鉛負極板。 (2)銅の基本粒子とその周辺に銅の基本粒子よりも小
さい銅の微粉末が均質に分布する構造を備えることを特
徴とするアルカリ電池用亜鉛負極板。 (3)金属カドミウムを含有することを特徴とする上記
(1)または(2)記載のアルカリ電池用亜鉛負極板。 (4)銅を集電体とする亜鉛負極板を備えたアルカリ電
池を過放電することを特徴とする化成方法。 により、亜鉛負極板を用いたアルカリ電池の寿命性能が
向上したことがわかる。
【0021】以上は、本発明を亜鉛極をニッケル・亜鉛
電池に適用してその効果を確認したが、正極に二酸化マ
ンガンを用いたアルカリマンガン電池や酸化銀を用いた
銀電池に適用しても同様な効果を確認することができ
た。
【0022】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の亜鉛負極板
は、銅の基本集電体とその周辺に銅の微粉末が均質に分
布する構造を特徴とする亜鉛負極板であり、活物質の酸
化亜鉛粉末の近傍に均一な銅の微粒子が存在することに
よって、負極板の電流分布が均一になるために亜鉛負極
板のシェイプチェンジ現象やデンドライト現象が抑制さ
れる。従って、この負極板を使用したニッケル・亜鉛電
池、二酸化マンガン・亜鉛電池および酸化銀・亜鉛電池
等のアルカリ電池の寿命性能は著しく向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の負極板を使用した電池と従来の負極板
を使用した電池の充放電サイクルに伴う容量保持率を比
較した図。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】銅の基本集電体を備えた亜鉛負極板におい
    て、アノード通電処理後にカソード通電処理を行うこと
    によって得られる前記基本集電体の周辺に銅の微粉末が
    均質に分布する構造を備えること特徴とするアルカリ
    電池用亜鉛負極板。
  2. 【請求項2】銅の基本集電体を備え、銅粉末が添加され
    た亜鉛負極板において、アノード通電処理後にカソード
    通電処理を行うことによって得られる前記銅粉末の周辺
    に銅の微粉末が均質に分布する構造を備えることを特徴
    とするアルカリ電池用亜鉛負極板。
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