JP2014025901A - 時計用文字板、及び太陽電池付電子時計 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の時計用文字板1は、光透過性を有する文字板本体11と、前記文字板本体11の表裏面のいずれかの面側に設けられ、光輝性粉末121が光透過性樹脂122中に分散して構成された光輝性層12と、を備え、前記光輝性粉末121は、光透過性を有する板状の基材121aの片面側のみに金属酸化物膜121bが積層して構成された平均粒径が10μm以上90μm以下の積層粉末であることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
なお、光輝性粉末の平均粒径を90μm以下とすることで、従来の平均粒径の大きな粉末に比べて光輝性は若干減少する。
この点に対しては、板状の基材の片面側のみに膜を積層させた構成としているので、光輝性粉末の表面屈折率が高まり、反射率が向上するため、従来の平均粒径の大きな粉末と遜色ない光輝性が得られる。
また、光輝性粉末の平均粒径を10μm以上としたのは、10μm未満の粉末では、凝集し易くなり、光透過性樹脂中に光輝性粉末が不均一に分散してしまい、得られる時計用文字板の美的外観が劣るおそれがあるためである。
そして、この光透過性を有する金属酸化物膜が光透過性を有する板状の基材の片面側のみに積層されることで、光輝性粉末は、光を反射させるとともに、光の一部を透過させるハーフミラー機能を備えるため、光輝性層の光透過性が高まり、結果として、時計用文字板の光輝性を向上させることができる。
したがって、光輝性を有する優れた美的外観を呈するとともに、適度な光透過性を有する時計用文字板を提供することができる。
また、時計用文字板全体の光透過率が40%以下であれば、時計用文字板を視認面側(時計表面側)から視認したときに、時計用文字板の視認面(時計表面)とは反対の面側(時計裏面側)に位置する、例えば、太陽電池の回路構成などが透けて見えるのを防止できるため、時計の文字板を見た際の外観を向上できる。
なお、上記時計用文字板全体の光透過率は、光輝性層に含まれる光輝性粉末の混合割合などによって、調整することが可能である。
〔第1実施形態〕
〔時計用文字板の構成〕
図1は、第1実施形態に係る時計用文字板1の断面を示す模式図である。時計用文字板1は、光透過性を有する文字板本体11と、この文字板本体11の視認面(時計表面)とは反対の面側(時計裏面側)に設けられ、光輝性粉末121が光透過性樹脂122中に分散して構成された光輝性層12と、を備えている。
文字板本体11は、いかなる材料で構成されたものであってもよいが、光透過性を有する材料で構成されている。これにより、時計用文字板1の優れた美的外観とともに、優れた光透過性を有効に利用するソーラー時計用文字板(太陽電池を備えた時計が備える文字板)に好適に適用することができる。本発明において、「光透過性を有する」とは、可視光領域(380〜780nmの波長領域)の光の少なくとも一部を透過する性質を有することを指し、好ましくは可視光領域の光の透過率が50%以上であり、より好ましくは可視光領域の光の透過率が60%以上である。上記のような光の透過率は、例えば、光源として、白色蛍光灯(東芝社製、検査用蛍光灯FL20S−D65)を用い、1000ルクス下で、測定対象の基板と同一形状のソーラーセル(太陽電池)で発電した際の電流値(A)に対する、当該ソーラーセルの光源側の面に測定対象である基板を載せた以外は、前記と同一の状態で発電した際の電流値(B)の比率((B/A)×100[%])を、採用することができる。また、後述する時計用文字板についての光の透過率についても、上記と同様にして求めることができる。以下、本明細書中において、特に断りのない限り、「光の透過率」とは、このような条件で求められる値のことを指す。
また、文字板本体11の形状、大きさは、特に限定されず、通常、時計用文字板1の形状、大きさに基づいて決定される。なお、図示の構成では、文字板本体11は、平板状をなすものであるが、例えば、湾曲板状等をなすものであってもよい。
文字板本体11の平均厚さは、特に限定されないが、150μm以上700μm以下であるのが好ましく、200μm以上600μm以下であるのがより好ましく、250μm以上500μm以下であるのが更に好ましい。文字板本体11の平均厚さが前記範囲内の値であると、時計用文字板1をソーラー時計に適用する場合に、時計用文字板1の光透過性を十分に高いものとしつつ、太陽電池の自色が透けて見えるのをより効果的に防止することができ、美的外観(高級感)を特に優れたものとすることができる。また、文字板本体11の厚さが前記範囲内の値であると、時計用文字板1が適用される時計が、厚型化するのを効果的に防止しつつ、時計用文字板1の機械的強度、形状の安定性等を十分に優れたものとすることができる。
また、文字板本体11は、いかなる方法で成形されたものであってもよいが、文字板本体11の成形方法としては、例えば、圧縮成形、押出成形、射出成形、光造形等が挙げられる。
また、文字板本体11は、その表裏面の一部に、親液処理、撥液処理が施されたものであってもよい。これにより、容易かつ確実に、文字板本体11上の所望の部位に、光輝性層12を形成することができる。
また、文字板本体11の表裏面に対しては、光輝性層12の形成に先立ち、各種洗浄処理を施してもよい。これにより、例えば、文字板本体11と光輝性層12との密着性を特に優れたものとすることができる。
光輝性層12は、光輝性粉末121が光透過性樹脂122中に分散して構成されている。光輝性粉末121は、光透過性を有する板状の基材121aの片面側のみに金属酸化物膜121bが積層して構成された平均粒径が10μm以上90μm以下の積層粉末である。
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリパラキシリレン(poly-para-xylylene)、ポリモノクロロパラキシリレン(poly-monochloro-para-xylylene)、ポリジクロロパラキシリレン(poly-dichloro-para-xylylene)、ポリモノフルオロパラキシリレン(poly-monofluoro-para-xylylene)、ポリモノエチルパラキシリレン(poly-monoethyl-para-xylylene)等のポリパラキシリレン樹脂等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等として)用いることができる。
板状の基材121aの平均厚さは、0.1μm以上5.0μm以下であるのが好ましく、0.5μm以上5.0μm以下であるのがより好ましい。
なお、金属酸化物膜121bを板状の基材121aの両面側に積層すると、光輝性粉末121は光の一部を透過させる機能が得られ難くなり、光輝性層12の光透過性を高めることが難しくなるおそれがある。
金属酸化物膜121bを構成する金属酸化物材料としては、TiO2、Al2O3、MgO、CrO2などが挙げられる。
金属酸化物膜121bの平均厚さが上記範囲内であれば、板状の基材121aの厚さが相対的に薄くなってしまうのを効果的に防止しつつ、光輝性粉末121において、金属酸化物膜121bを構成する金属酸化物材料の質感を十分に発揮させることができる。これにより、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
また、金属酸化物膜121bの厚みをナノメートルオーダーで制御することにより、光の干渉効果による干渉色の発色を実現できる。
なお、金属酸化物膜121bの平均厚さが下限値未満であると、光輝性粉末121の光輝性が減少するおそれがある。他方、金属酸化物膜121bの平均厚さが上限値を超えると、光輝性粉末121は光の一部を透過させる機能が得られ難くなり、光輝性層12の光透過性を高めることが難しくなるおそれがある。
平均粒径を上記範囲内とすることで、光輝性層12中で光輝性粉末121が、ダイヤモンドやカットガラスのように光を効果的に反射することができ、時計用文字板1の美的外観を優れたものとすることができる。
また、従来の100μm以上の平均粒径の大きな粒子に比べて、光輝性層12に優れた光透過性を付与することができるため、時計用文字板1全体を適度な光透過率に調整することが可能となる。
これに対し、光輝性粉末121の平均粒径が下限値未満では、光輝性が減少してしまうおそれがある。また、時計用文字板1の下層に位置する太陽電池の構造が透けて見えてしまい、高級感がなくなるおそれがある。
一方、光輝性粉末121の平均粒径が上限値を超えると、光透過性が低下し、また、時計用文字板1自体の光透過率の調整が困難になり、高級感が低下する。
光透過性樹脂122としては、エネルギー線(例えば、熱(熱線)、光(紫外線等の可視光以外の光を含む)、電子線)により硬化する樹脂材料を用いることができ、例えば、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等を用いることができ、より具体的には、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂(ポリウレタン)、アクリル樹脂等の各種硬化性樹脂を用いることができる。
光輝性粉末の光透過性樹脂との混合比は、15質量%以上70質量%以下の範囲内が好ましい。
溶剤としては、特に限定されないが、例えば、シクロヘキサン、n−ヘキサン、n−ペンタン、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソホロン、エチレングリコールモノブチルエーテル等の各種溶剤を1種または2種以上組み合わせて用いることができる。この中でも、溶剤として、シクロヘキサン、イソホロンおよびエチレングリコールモノブチルエーテルよりなる群から選択される1種または2種以上を用いた場合、組成物中において光輝性粉末がより安定して分散することができるとともに、光輝性粉末の組成物中における流動性が特に優れたものとなる。
なお、光輝性粉末121の占有率が100%であっても、本発明の光輝性粉末121は光の一部を透過させる機能を備えるため、本発明の時計用文字板1は、時計用文字板1の下面側に配設される太陽電池103が十分な起電力を発生するのに十分な光量の光を透過させることができる。一方、占有率が30%未満であると、光輝性が減少して、時計用文字板の外観が劣るおそれがある。
光輝性層の一定面積当たりの光輝性粉末121の占有率は、以下のようにして求めることができる。
先ず、形成した光輝性層12について撮像する。ここでは、光輝性層12の表層を撮像してもよいし、光輝性層12を任意の位置に切断した切断面を撮像してもよい。撮像手法は、光学顕微鏡による撮像が好ましい。
次いで、図2(A)に示すように、撮像面について、ある一定領域を設定し、設定した領域を全体面積とする。
次に、光輝性粉末121が存在している領域と、光透過性樹脂122が存在している領域とを区分けする。区分けは異なる材質を色分けする手法が確認し易いため好ましい。図2(B)では、光透過性樹脂122が存在する領域を画像処理により色分けすることにより、各領域を区分けしている。
そして、図2(C)に示すように、区分けしたそれぞれの領域をカウントする。そして、カウントした面積をそれぞれ算出し、それぞれを合算する。更に、全体面積と区分け合算面積との差を計算することにより、ある一定領域当たりの光輝性粉末の含有率を求めることができる。図2(C)では、光輝性粉末の総面積率は49.65%と求められ、約50%の占有率であることが確認できる。
光輝性層12は、文字板本体11の上に、光輝性粉末121と光透過性樹脂122とを含む組成物を塗布し、光透過性樹脂122を硬化させることにより形成することができる。組成物の塗布は、文字板本体11の全面に塗布できる方法であれば、特に限定されない。
図3に、時計用文字板を備えた太陽電池付電子時計100の断面図を示す。
太陽電池付電子時計100は、指針100aを駆動させることで時刻を表示する指針式腕時計(アナログ時計)である。この太陽電池付電子時計100は、外装ケース101と、外装ケース101に収納されて、指針100aを駆動する各種構成が組み込まれたムーブメント102と、太陽電池103と、時計用文字板1とを備えている。
ケーシング101a、ベゼル101b、及び裏蓋101dは、例えばステンレス鋼、真鍮、チタン等の金属材で構成されている。カバーガラス101cは、例えば、サファイア製の基材で構成されている。
ムーブメント102は、ステッピングモーター等を備えて、指針100a等を駆動する一般的なムーブメントである。
上述の実施形態によれば以下の効果を奏する。
(1)光輝性層12を構成する光輝性粉末121は、光透過性を有する板状の基材121aの片面側のみに金属酸化物膜121bが積層して構成された平均粒径が10μm以上90μm以下の積層粉末であるので、光輝性を有する優れた美的外観を呈するとともに、適度な光透過性を有する時計用文字板1を提供することができる。
次に、本発明の第2実施形態について図4を参照して説明する。図4は、第2実施形態の時計用文字板の断面を示す模式図である。本実施形態では、文字板本体11と光輝性層12の間に、光透過性を有する着色層13を備える。この点を除いて、本実施形態の時計用文字板は、第1実施形態の時計用文字板と同様に形成される。
光透過性を有する着色層13は、染料を含む樹脂を塗装することにより形成することが好ましい。着色層の色調は、任意に選択できる。着色層13の厚さは、1μm以上20μm以下の範囲内が好ましい。
例えば、着色層13を白色とし、光輝性層12を白黄色の組み合わせとすることで、外観がパール色を呈する時計用文字板1とすることができる。
また、着色層13を黒色とし、光輝性層12を白色の組み合わせとすることで、外観が金属調の光沢を呈する時計用文字板1とすることができる。
更に、着色層13を赤色とし、光輝性層12を白色の組み合わせとすることで、外観が濃いピンク色を呈する時計用文字板1とすることができる。
このように、光輝性層12と着色層13とによる色の組み合わせや、着色層13の配置位置によって高級感のある様々な時計用文字板1を提供することができる。
本実施形態によれば、第1実施形態で述べた(1)〜(3)と同様の効果に加え、次のような効果が得られる。
(4)光透過性を有する着色層13を備えるので、視認したときの光輝性層の質感を変化させることが可能となるため、高級感のある様々な種類の時計用文字板1を提供することができる。
本発明は、以上述べた実施形態には限定されず、本発明の目的を達成できる範囲で種々の改良および変形を行うことが可能である。
例えば、図1では、文字板本体11の視認面(時計表面)とは反対の面側(時計裏面側)に光輝性層12を設ける構成としたが、文字板本体11の視認面側(時計表面側)に光輝性層12を設ける構成としてもよい。
また、図4では、文字板本体11と光輝性層12の間に着色層13を設ける構成としたが、文字板本体11の視認面側(時計表面側)に着色層13を設ける構成としてもよいし、光輝性層12の視認面(時計表面)とは反対の面側(時計裏面側)に着色層13を設ける構成としてもよい。
また、本実施形態では、1層からなる光輝性層12を設ける構成としているが、2層以上の光輝性層を設ける構成としてもよい。この場合、光輝性層は同一構成としてもよいし、異なる構成としてもよい。
まず、ポリカーボネートをベースとする板材をプレス成形することにより、時計用文字板の形状を有する基板を作製し、その後、必要箇所を切削、研磨した。得られた基板は、略円盤状をなし、直径:27mm×厚さ:500μmであった。これを文字板本体とした。なお、文字板本体の光透過率は、光源として白色蛍光灯(東芝社製、検査用蛍光灯 FL20S−D65)を用いた際の、可視光の透過率が80%以上であった。
次に、この文字板本体を洗浄した。文字板本体の洗浄としては、まず、アルカリ浸漬脱脂を30秒間行い、その後、中和を10秒間、水洗を10秒間、純水洗浄を10秒間行った。
組成物を構成する光輝性粉末としては、板状の基材の片面側のみにTiO2膜が積層して構成された平均粒径が30μmのものを用いた。
このような光輝性粉末は、以下のようにして得た。先ず、ガラスで構成されたシート材(平均厚さ:2μm)の片面側に、真空蒸着により、TiO2で構成された金属酸化物層を形成した。次いで、このシート材をミルのような粉砕機により粉砕した。次に、目開きの異なる複数の篩を用意し、平均粒径が30μmとなるように、粉砕物を複数の篩に通過させて篩分けすることにより、所望の平均粒径の光輝性粉末を得た。
なお、ガラスで構成されたシート材の片面側のみに設けられた金属酸化物層(金属酸化物膜)の平均厚さは、0.5μmであった。また、使用した溶剤については、シクロヘキサン、イソホロンおよびエチレングリコールモノブチルエーテルを全て等量(同重量)ずつ混合したものを用いた。また、組成物の25℃における粘度は、17000cpsであった。
得られた時計用文字板において、光輝性層の平均厚さは、15μmであった。
なお、文字板本体、光輝性層の厚さは、JIS H 5821で規定される顕微鏡断面試験方法に従い測定した。
次の表1に示すように構成を変更した以外は、実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。
1.時計用文字板の外観評価
1−1.光輝性評価
前記各実施例および各比較例で製造した各時計用文字板について、黒色の太陽電池上に、時計用文字板の光輝性層が設けられた側の面が対向するように配置し、このような状態で、時計用文字板の文字板本体側から、目視による観察を行い、これらの外観を以下の7段階の基準に従い、評価した。
A:極めて優れた外観を有している。
B:非常に優れた外観を有している。
C:優れた外観を有している。
D:良好な外観を有している。
E:外観がやや不良。
F:外観が不良。
G:外観が極めて不良。
前記各実施例および各比較例で製造した各時計用文字板について、目視および顕微鏡による観察を行い、これらの外観を以下の5段階の基準に従い、評価した。
A:極めて優良。
B:優良。
C:良。
D:やや不良。
E:不良。
前記各実施例および比較例で製造した各時計用文字板について、以下のような方法により、光透過性を評価した。
まず、太陽電池と各腕時計用文字板とを暗室にいれた。その後、太陽電池単体でその受光面に対し、所定距離離間した白色蛍光灯(光源)からの光を入射させた。この際、太陽電池の発電電流をA[mA]とした。次に、前記太陽電池の受光面の上面に、腕時計用文字板を重ね合わせた状態で、前記と同様に所定距離離間した白色蛍光灯(光源)からの光を入射させた。この状態での、太陽電池の発電電流をB[mA]とした。そして、(B/A)×100で表される時計用文字板の光透過率を算出し、以下の5段階の基準に従い、評価した。光透過率が大きいほど、時計用文字板の光透過性は優れたものであるといえる。なお、時計用文字板は、文字板本体の分散層が設けられた面側が白色蛍光灯(光源)側を向くように、太陽電池に重ね合わせた。また、白色蛍光灯としては、白色蛍光灯(東芝社製、検査用蛍光灯FL20S−D65)を用いた。
B:26%以上32%未満。
C:20%以上26%未満。
D:15%以上20%未満。
E:15%未満。
一方、平均粒径が10μm未満の小さな光輝性粉末を用いた比較例1〜3では、光輝性が低く、美的外観に劣る結果となった。
また、平均粒径が90μmを超えるような大きな光輝性粉末を用いた比較例4〜6では、十分な光透過性が確保できておらず、太陽電池付電子時計には適していないことが判った。
同様に、板状の基材の両面に金属酸化物を積層させた光輝性粉末を用いた比較例7、金属膜を積層させた光輝性粉末を用いた比較例8についても、十分な光透過性が確保できておらず、太陽電池付電子時計には適していないことが判った。
Claims (4)
- 光透過性を有する文字板本体と、
前記文字板本体の表裏面のいずれかの面側に設けられ、光輝性粉末が光透過性樹脂中に分散して構成された光輝性層と、を備え、
前記光輝性粉末は、光透過性を有する板状の基材の片面側のみに金属酸化物膜が積層して構成された平均粒径が10μm以上90μm以下の積層粉末である
ことを特徴とする時計用文字板。 - 請求項1に記載の時計用文字板において、
前記文字板本体の表裏面のいずれかの面側或いは前記光輝性層の表裏面のいずれかの面側に設けられ、光透過性を有する着色層を備えた
ことを特徴とする時計用文字板。 - 請求項1又は請求項2に記載の時計用文字板において、
前記時計用文字板全体の光透過率は、15%以上40%以下である
ことを特徴とする時計用文字板。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の時計用文字板と、前記時計用文字板の裏面側に設置された太陽電池と、を備えたことを特徴とする太陽電池付電子時計。
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