JP2008275471A - 時計用文字板の製造方法、時計用文字板および時計 - Google Patents

時計用文字板の製造方法、時計用文字板および時計 Download PDF

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Abstract

【課題】光の透過率に優れるとともに、マット調の落ち着いた、高級感のある外観を呈する時計用文字板を提供すること、前記時計用文字板を製造することができる製造方法を提供すること、また、当該時計用文字板を備えた時計を提供すること。
【解決手段】本発明の時計用文字板1の製造方法は、基板2を準備する基板準備工程(1a)と、基板2の表面に、所定のパターンで、流動性を有する硬化性樹脂31を付与する硬化性樹脂工程(1b)と、硬化性樹脂31の表面付近に、着色剤粉末4を付与する着色剤粉末付与工程(1c)と、着色剤粉末4が付与された硬化性樹脂31を硬化させ硬化部3とする樹脂硬化工程(1d)とを有している。
【選択図】図5

Description

本発明は、時計用文字板の製造方法、時計用文字板および時計に関する。
時計は、実用品としての機能が求められるとともに、装飾品としての装飾性(美的外観)が求められる。特に、太陽電池を備えたソーラー時計では、文字板(ソーラー時計用文字板)の下に太陽電池(ソーラーセル)が配置される場合に、文字板について、優れた光透過性等とともに、装飾品としての装飾性(美的外観)が求められる。
具体的には、ソーラー時計用文字板は、光透過性に関して、時計を駆動するのに十分な量の光を、その下部に配置された太陽電池に透過して供するものである一方、装飾品としての装飾性も求められる。
従来、ソーラー時計では、太陽電池に十分な光量の光を入射させるために、太陽電池そのものを文字板として利用したり、太陽電池上に有色の部材(特に濃色の部材)が配されないように文字板の形状を設計してきた。しかしながら、このような時計では、装飾品としての美的外観に劣っており、特に、高級感を持たせることが困難であった。
そこで、プラスチック性の基板上に、接着剤を介して、金属材料で構成され開口部が設けられた金属膜を貼着して得られる文字板が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記のような方法では、金属膜を基材上に貼着する際に、金属膜にしわが生じ易く、このようなしわの発生を防止するために、慎重に貼着作業を行う必要があり、文字板の生産性は極端に低いものとなる。また、十分慎重に貼着作業を行った場合でも、比較的小さなしわ等は、その発生を十分に防止するのが困難であり、得られる文字板の美的外観を十分に優れたものとするのが困難であった。また、上記のような方法では、比較的高い割合で不良品が発生してしまうため、生産の歩留り、省資源の観点からも好ましくない。上記のような問題は、金属膜が比較的薄いもの(例えば、10μm以下)である場合に、特に顕著になる。また、金属膜が比較的薄いもの(例えば、10μm以下)である場合、貼着作業を行う際に、金属膜が破れ易く、文字板の生産性、生産コスト、省資源の観点から不利であるとともに、破れた金属膜の一部が微粒子として雰囲気中に飛散することがあり、人体の健康に対する懸念もある。
また、その一方で、てかりの抑えられた、落ち着いたマット調の外観(例えば、黒色のマット調の外観)を呈する文字板をソーラー時計に適用することについての要望があるが、上記のような方法では、金属膜を用いるため、光沢感のある外観を呈する文字板しか得られず、マット調の落ち着いた、高級感のある外観を呈する文字板を得ることができなかった。
特開平11−326549号公報(第3頁右欄第35行目〜第4頁左欄第11行目参照)
本発明の目的は、光の透過率に優れるとともに、マット調の落ち着いた、高級感のある外観を呈する時計用文字板を提供すること、前記時計用文字板を製造することができる製造方法を提供すること、また、当該時計用文字板を備えた時計を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の時計用文字板の製造方法は、光透過性を有する材料で構成された基板上に、所定のパターンで、硬化性樹脂を付与する硬化性樹脂付与工程と、
前記硬化性樹脂の表面付近に、着色剤粉末を付与する着色剤粉末付与工程と、
前記着色剤粉末が付与された前記硬化性樹脂を硬化させる樹脂硬化工程とを有することを特徴とする。
これにより、光の透過率に優れるとともに、マット調の落ち着いた、高級感のある外観を呈する時計用文字板の製造方法を提供することができる。
本発明の時計用文字板の製造方法では、前記硬化性樹脂は、光硬化性樹脂であることが好ましい。
これにより、時計用文字板の生産性を特に優れたものとすることができる。また、製造時における、時計用文字板の構成材料の劣化等をより確実に防止することができ、製造される時計用文字板の信頼性を特に優れたものとすることができる。
本発明の時計用文字板の製造方法では、前記樹脂硬化工程において、前記基板の前記着色剤粉末が付与された側の面とは反対の面側から、前記硬化性樹脂を硬化させるためのエネルギー線を照射することが好ましい。
これにより、時計用文字板の生産性を特に優れたものとすることができる。特に、着色剤粉末が、硬化性樹脂の硬化に用いるエネルギー線の吸収率が高いものであっても、照射するエネルギー線を効率よく硬化性樹脂の硬化に利用することができ、エネルギー効率の観点からも有利である。
本発明の時計用文字板の製造方法では、前記着色剤粉末は、JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図において、Lの値が15.0〜35.0であることが好ましい。
これにより、時計用文字板の高級感(美的外観)を特に優れたものとすることができる。
本発明の時計用文字板の製造方法では、前記硬化性樹脂付与工程は、前記硬化性樹脂を、インクジェット法により、前記基板上に、所定のパターンで付与することにより行うものであることが好ましい。
これにより、硬化性樹脂を効率よく、かつ、より確実に所望のパターンで、基板上に付与することができる。また、微細なパターンで、硬化性樹脂を付与することができる。このようなことから、得られる時計用文字板において、より高いレベルで、光透過性と高級感(美的外観)との両立を図ることができる。
本発明の時計用文字板は、本発明の方法を用いて製造されたことを特徴とする。
これにより、光の透過率に優れるとともに、マット調の落ち着いた、高級感のある外観を呈する時計用文字板を提供することができる。
本発明の時計用文字板は、光透過性を有する材料で構成された基板と、
前記基板上に、所定のパターンで配置された硬化性樹脂の硬化物で構成された硬化部と、
前記硬化部の表面付近に設けられた着色剤粉末とを有し、
前記着色剤粉末は、その表面の少なくとも一部が、前記硬化部により被覆されておらず、露出した状態であることを特徴とする。
これにより、光の透過率に優れるとともに、マット調の落ち着いた、高級感のある外観を呈する時計用文字板を提供することができる。
本発明の時計用文字板では、時計用文字板を平面視した際に、前記硬化性樹脂の硬化物、前記着色剤粉末が付与されていない領域の占める面積率が、15〜35%であることが好ましい。
これにより、時計用文字板の光の透過率を十分に優れたものとしつつ、より高級感のある外観を得ることができる。
本発明の時計用文字板では、前記着色剤粉末は、カーボンブラックの粉末であることが好ましい。
これにより、カーボンブラックに特有の深い黒色の、高級感に優れた外観を得ることができる。また、着色剤粉末としてカーボンブラックの粉末を用いることにより、硬化性樹脂の硬化物で構成された硬化部と着色剤粉末との密着性を特に優れたものとすることができ、時計用文字板の耐久性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
本発明の時計用文字板では、前記着色剤粉末の平均粒径が10〜500nmであることが好ましい。
これにより、時計用文字板の高級感(美的外観)を特に優れたものとすることができる。また、硬化性樹脂の硬化物で構成された硬化部と着色剤粉末との密着性を特に優れたものとすることができ、時計用文字板の耐久性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
本発明の時計用文字板では、時計用文字板の前記着色剤粉末が付与された側の面について求められる、JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図におけるLの値が20.0〜33.0であることが好ましい。
このように、Lの値が十分に小さいと、時計用文字板の高級感(美的外観)を特に優れたものとすることができる。また、このように、Lの値が十分に小さい時計用文字板においては、従来、光の透過率を十分に高いものとすることができなかった。すなわち、このように、時計用文字板のLの値が十分に小さいものであると、本発明の効果が特に顕著に発揮される。
本発明の時計では、本発明の時計用文字板を備えたことを特徴とする。
これにより、光の透過率に優れるとともに、マット調の落ち着いた、高級感のある外観を呈する時計用文字板を備えた時計を提供することができる。また、外部からの光を有効に利用することが可能な時計(例えば、ソーラー時計等)を提供することができる。
本発明によれば、光の透過率に優れるとともに、マット調の落ち着いた、高級感のある外観を呈する時計用文字板を提供すること、前記時計用文字板を製造することができる製造方法を提供すること、また、当該時計用文字板を備えた時計を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。なお、本明細書で参照する図面は、構成の一部を強調して示したものであり、実際の寸法等を正確に反映したものではない。
<時計用文字板>
まず、本発明の時計用文字板の構成について説明する。
図1は、本発明の時計用文字板の好適な実施形態を示す断面図、図2は、基板上に設けられた硬化部のパターン(形状)の一例を説明するための模式的な平面図、図3は、基板上に設けられた硬化部のパターン(形状)の他の一例を説明するための模式的な平面図、図4は、基板上に設けられた硬化部のパターン(形状)の他の一例を説明するための模式的な平面図である。以下の説明では、図1中、上側を「(外光の)入射側」、図1中の下側を「(外光の)出射側」として説明する(後述する図5、図6についても同様)。
図1に示すように、時計用文字板1は、基板2と、基板2上に所定のパターンで配置された硬化性樹脂の硬化物で構成された硬化部3と、硬化部3の表面付近に設けられた着色剤粉末4とを有している。そして、時計用文字板1(基板2)を平面視した際に、硬化部3、着色剤粉末4が付与されていない部位が、光を透過する開口部(窓部)5となっている。
[基板]
基板2は、光透過性を有する材料で構成されたものである。
基板2についての光の透過率は、80%以上であるのが好ましく、90%以上であるのがより好ましい。このように、基板2についての光の透過率が十分に高いものであることにより、時計用文字板1全体としての光の透過率を十分に高いものとすることができる。なお、本明細書においては、特に断りのない限り、光の透過率とは、JIS Z 8902で規定されるキセノン白色光を光源として用いた場合についての、光の透過率のことを指す。
基板2を構成する材料としては、例えば、各種プラスチック材料、各種ガラス材料等が挙げられるが、プラスチック材料で構成されたものであるのが好ましい。プラスチック材料は、一般に、成形性(成形の自由度)に優れており、種々の形状の時計用文字板1の製造に好適に適用することができる。また、基板2がプラスチック材料で構成されたものであると、時計用文字板1の製造コスト低減に有利である。また、プラスチック材料は、一般に、光(可視光)の透過性に優れるとともに、電波の透過性にも優れているため、基板2がプラスチック材料で構成されたものであると、時計用文字板1を、後述するような電波時計に好適に適用することができる。以下の説明では、基板2がプラスチック材料で構成された例を、中心に説明する。
基板2を構成するプラスチック材料としては、各種熱可塑性樹脂、各種熱硬化性樹脂等が挙げられ、例えば、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル−ブタジエンースチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等として)用いることができる。特に、基板2は、主として、ポリカーボネートおよび/またはアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体で構成されたものであるのが好ましい。これにより、時計用文字板1全体としての強度を特に優れたものとすることができる。また、基板2の成形の自由度が増す(成形のし易さが向上する)ため、より複雑な形状の時計用文字板1であっても、容易かつ確実に製造することができる。また、基板2がポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)から選択される少なくとも1種を含む材料で構成されたものであると、基板2と被膜との密着性を特に優れたものとすることができる。また、ポリカーボネートは、各種プラスチック材料の中でも比較的安価で、時計用文字板1の生産コストのさらなる低減に寄与することができる。また、ABS樹脂は、特に優れた耐薬品性も有しており、時計用文字板1全体としての耐久性をさらに向上されることができる。
なお、基板2は、プラスチック材料以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、可塑剤、酸化防止剤、着色剤(各種発色剤、蛍光物質、りん光物質等を含む)、光沢剤、フィラー等が挙げられる。
基板2は、各部位でその組成が実質的に均一な組成を有するものであってもよいし、部位によって組成の異なるものであってもよい。例えば、基板2は、プラスチック材料等の光透過性の材料で構成された基部と、当該基部上であって、後述する製造方法において硬化性樹脂31が付与されるべき部位(硬化部3が形成されるべき部位)に選択的に設けられた金属材料等の光反射性の材料で構成された反射膜とを有するものであってもよい。基板2がこのような構成を有することにより、例えば、時計用文字板1において、反射膜が外観上直接視認されてしまうのを防止しつつ、開口部5を通過して基板2の内部に進入した光の一部が、基板2の出射側の面付近で光の入射側に反射した場合であっても、当該光を、前記反射膜により、再び基板2の出射側に反射させることができる。その結果、時計用文字板1の美的外観(高級感)を優れたものとしつつ、時計用文字板1全体としての光の透過率を特に高いものとすることができる。
また、基板2の形状、大きさは、特に限定されず、通常、製造すべき時計用文字板1の形状、大きさに基づいて決定される。なお、図示の構成では、基板(基材)2は、平板状をなすものであるが、例えば、湾曲板状等をなすものであってもよい。
基板2の平均厚さは、特に限定されないが、200〜700μmであるのが好ましく、300〜600μmであるのがより好ましい。基板2の平均厚さが前記範囲内の値であると、時計用文字板1をソーラー時計に適用する場合に、時計用文字板1の光透過性を十分に高いものとしつつ、太陽電池の自色が透けて見えるのをより効果的に防止することができ、美的外観(高級感)を特に優れたものとすることができる。
[硬化部]
硬化部3は、基板2上に、所定のパターンで配置されている。すなわち、基板2の表面(入射側の表面)においては、硬化部3が設けられた領域と、硬化部3が設けられていない領域とが混在している。
硬化部3の平均厚さは、特に限定されないが、1.0〜40μmであるのが好ましく、2.0〜20μmであるのがより好ましい。硬化部3の平均厚さが前記範囲内の値であると、着色剤粉末4との密着性を十分に優れたものとしつつ、開口部5の存在をより目立ちにくいものとすることができ、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
硬化部3は、基板2上に、いかなる形状、いかなるパターンで配置されていてもよい。図2に示す構成では、基板2を平面視した際の硬化部3の形状は、正六角形状であり、これらがハニカム状に配列している。また、硬化部3は、図3に示すように設けられるものであってもよい。すなわち、図3に示す構成では、硬化部3は、基板2を平面視した際に、正方形状をなすものであり、これらが規則的に配列することにより、硬化部3が付与されていない領域(開口部5)が、正方格子状になっている。また、硬化部3は、図4に示すように付与されるものであってもよい。すなわち、図4に示す構成では、基板2を平面視した際に、基板2上の硬化部3が付与されていない領域(開口部5)が、略円形となっており、それ以外の部位に、硬化部3が配されている。また、硬化部3のその他の配置パターンとしては、例えば、略多角形状、スリット状等が挙げられる。
[着色剤粉末]
着色剤粉末4は、基板2の入射側の面側において、硬化部3の表面付近に選択的に設けられており、硬化部3により、強固に固定されている。また、着色剤粉末4は、その表面の少なくとも一部が、硬化部3により被覆されておらず、露出した状態になっている。
このように、時計用文字板1においては、着色剤粉末の表面の少なくとも一部が露出しいるため、時計用文字板1は、着色剤粉末4が本来有している質感等が十分に発揮された優れた美的外観、特に、時計用文字板1は、てかりの抑えられた、マット調の落ち着いた、高級感のある外観を呈するものとなる。また、着色剤粉末4は、硬化部3により、確実に固定されているため、時計用文字板1から着色剤粉末4が脱落してしまうこと等が効果的に防止されている。このため、時計用文字板1は、耐久性、信頼性に優れている。
これに対し、基板の全面が着色剤粉末により被覆されている場合には、時計用文字板全体としての、光の透過率を確保することができない。また、着色剤粉末が樹脂材料(プラスチック材料)により被覆されてしまい、露出していない場合には、着色剤粉末が本来有している質感等が十分に発揮されない。すなわち、着色剤粉末自体は、優れた質感を有していても、樹脂材料(プラスチック材料)で被覆されることにより、樹脂材料(プラスチック材料)が有する光沢により、高級感が損なわれ、安っぽい印象を与えてしまう。
着色剤粉末4は、硬化部3の全面を被覆するように配置されているのが好ましい。
また、着色剤粉末4は、JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図において、Lの値が15.0〜35.0であるものであるのが好ましく、18.0〜30.0であるものであるのがより好ましい。このように、着色剤粉末4の明度が比較的低いものであると、時計用文字板1の高級感(美的外観)を特に優れたものとすることができる。
着色剤粉末4は、いかなる色調のものであってもよいが、黒色を呈するものであるのが好ましい。これにより、時計用文字板1の高級感(美的外観)を特に優れたものとすることができる。
着色剤粉末4としては、例えば、各種顔料の粉末、各種染料の粉末等を用いることができるが、顔料の粉末であるのが好ましい。これにより、着色剤粉末4が硬化性樹脂31に溶解してしまうことを確実に防止することができ、時計用文字板1の美的外観を確実に優れたものとすることができる。また、時計用文字板1の耐久性を特に優れたものとすることができる。また、着色剤粉末4としては、例えば、金属粉末を用いてもよい。これにより、金属材料が有する光沢感を生かしつつも、湿式めっき法、乾式めっき法等により形成した場合には、表現することが困難であった質感の時計用文字板1を得ることができる。すなわち、従来では表現することが困難であった外観の時計用文字板1を提供することができる。
また、顔料の好適な例としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、アイボリーブラック、ボーンブラック、ピーチブラック、ヴァインブラック、ランプブラック、ファーネスブラック、チャコールブラック、鉄黒、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅クロムブラック、銅クロムマンガンブラック等が挙げられる。これらの顔料は、それ自体が、特に優れたマット調の外観を呈するものであり、時計用文字板1に適用された場合において、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
上記のような顔料の中でも、着色剤粉末4は、カーボンブラックの粒子の粒子であるのが好ましい。これにより、カーボンブラックに特有の深い黒色(漆黒)の、高級感に優れた外観を得ることができる。また、着色剤粉末4としてカーボンブラックの粉末を用いることにより、硬化部3(後述する硬化性樹脂31)と着色剤粉末4との密着性を特に優れたものとすることができ、得られる時計用文字板1の耐久性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
本工程で基板2上に付与される着色剤粉末4の平均粒径は、10〜500nmであるのが好ましく、20〜200nmであるのがより好ましい。着色剤粉末4の平均粒径が前記範囲内の値であると、時計用文字板1の高級感(美的外観)を特に優れたものとすることができる。また、硬化部3(後述する硬化性樹脂31)と着色剤粉末4との密着性を特に優れたものとすることができ、得られる時計用文字板1の耐久性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
[開口部]
上述したように、そして、時計用文字板1(基板2)を平面視した際に、硬化部3、着色剤粉末4が付与されていない部位が、光を透過する開口部(窓部)5となっている。
このような開口部5を有することにより、時計用文字板1は、所定の透過率で光を透過することができる。その結果、例えば、時計用文字板1を後述するようなソーラー時計(太陽電池を備えた時計)に好適に適用することができる。
また、時計用文字板1(基板2)を平面視した際に、開口部5が設けられている領域の占める面積率(開口率)、すなわち、時計用文字板1(基板2)を平面視した際に、硬化性樹脂の硬化物(硬化部3)、着色剤粉末4が付与されていない領域の占める面積率は、15〜35%であるのが好ましく、25〜35%であるのが好ましい。全開口率が前記範囲内の値であると、光の透過率を十分優れたものとしつつ、時計用文字板1の美的外観(高級感)を特に優れたものとすることができる。これに対し、開口率が前記下限値未満であると、時計用文字板1全体としての光の透過率を十分に優れたものとすることが困難になる。一方、開口率が前記上限値を超えると、硬化部3の厚さ、着色剤粉末4の平均粒径等によっては、時計用文字板1の美的外観を十分に優れたものとすることが困難になる。
また、図中Wで表される開口部5の幅(開口部5が略円形である場合には、その直径)は、特に限定されないが、10〜150μmであるのが好ましく、15〜140μmであるのがより好ましく、20〜130μmであるのがさらに好ましい。開口部5の幅Wが前記範囲内の値であると、時計用文字板1としての光の透過性を十分に高いものとしつつ、時計用文字板1の美的外観(審美性)を特に優れたものとすることができる。これに対し、開口部5の幅Wが前記下限値未満であると、硬化部3の厚さ(高さ)や開口部5の占める面積率(開口率)等によっては、時計用文字板1全体としての光の透過率を十分に高めるのが困難になる可能性がある。一方、開口部5の幅Wが前記上限値を超えると、硬化部3の厚さ(高さ)や開口部5の占める面積率(開口率)等によっては、時計用文字板1の外観を十分に優れたものとするのが困難になる可能性がある。
また、図中Pで表される開口部5のピッチは、70〜400μmであるのが好ましく、80〜350μmであるのがより好ましく、90〜300μmであるのがさらに好ましい。開口部5のピッチPが前記範囲内の値であると、時計用文字板1としての光の透過性を十分に高いものとしつつ、時計用文字板の美的外観(審美性)を特に優れたものとすることができる。これに対し、開口部5のピッチPが前記下限値未満であると、硬化部3の厚さ(高さ)や開口部5の占める面積率(開口率)等によっては、時計用文字板1の外観を十分に優れたものとするのが困難になる可能性がある。一方、開口部5のピッチPが前記上限値を超えると、硬化部3の厚さ(高さ)や開口部5の占める面積率(開口率)等によっては、時計用文字板1全体としての光の透過率を十分に高めるのが困難になる可能性がある。なお、開口部5のピッチとは、隣接する開口部5−開口部5間の中心間距離のことを指し、隣接する開口部5が複数個ある場合には、最も近接した開口部5との中心間距離のことを指す。
時計用文字板1の硬化部3、着色剤粉末4が付与された面側についての、JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図における、Lの値は、20.0〜33.0であるものであるのが好ましく、22.0〜28.0であるものであるのがより好ましい。これにより、時計用文字板1の高級感は特に優れたものとなる。
上述したような時計用文字板1は、いかなる時計に適用されるものであってもよいが、太陽電池を備えたソーラー時計に適用されるものであるのが好ましい。ソーラー時計においては、一般に、文字板(時計用文字板)に優れた光の透過性が求められるとともに、背面側に配された太陽電池による時計全体としての美的外観の低下を防止する機能が求められるが、本発明によれば、これらの要求を同時に満足することができる。すなわち、本発明の時計用文字板は、ソーラー時計に適用した場合に、その効果が顕著に発揮される。
<時計用文字板の製造方法>
次に、本発明の時計用文字板の製造方法について説明する。
図5は、本発明の時計用文字板の製造方法の好適な実施形態を示す断面図である。
図5に示すように、本実施形態の時計用文字板の製造方法は、基板2を準備する基板準備工程(1a)と、基板2の表面に、所定のパターンで、流動性を有する硬化性樹脂31を付与する硬化性樹脂付与工程(1b)と、硬化性樹脂31の表面付近に、着色剤粉末4を付与する着色剤粉末付与工程(1c)と、着色剤粉末4が付与された硬化性樹脂31を硬化させ硬化部3とする樹脂硬化工程(1d)とを有している。
[基板準備工程]
基板2としては、前述したようなものを用いることができる。
基板2は、圧縮成形、射出成形等、いかなる方法で成形されたものであってもよい。また、基板2の表面に対しては、例えば、鏡面加工、スジ目加工、梨地加工等の表面加工が施されてもよい。これにより、得られる時計用文字板1の質感にバリエーションを持たせることが可能となり、時計用文字板1の美的外観の更なる向上を図ることができる。
また、基板2は、その表面の一部に、親液処理、撥液処理が施されたものであっていてもよい。より具体的には、基板2上の硬化性樹脂31を付与すべき部位(硬化部3を形成すべき部位)に親液処理を施したり、基板2上の硬化性樹脂31を付与すべき部位(硬化部3を形成すべき部位)以外の部位に撥液処理を施したりしてもよい。これにより、後に詳述する硬化性樹脂付与工程において、容易かつ確実に、基板2上の所望の部位に、選択的に硬化性樹脂31を付与することができる。その結果、時計用文字板1において、所望の形状、パターンの硬化部3を、より確実に形成することができる。また、基板2上の硬化性樹脂31が付与されない部位に撥液処理が施されることにより、得られる時計用文字板1において、汚れ等の付着を防止することができるため、時計用文字板1の信頼性を特に優れたものとすることができる。
また、基板2の表面に対しては、後述する工程に先立ち、各種洗浄処理を施してもよい。これにより、例えば、基板2と硬化性樹脂31(硬化部3)との密着性を特に優れたものとすることができる。
[硬化性樹脂付与工程]
次に、基板2の表面に、所定のパターンで、流動性を有する硬化性樹脂31を付与する(1b)。すなわち、基板2の表面において、硬化性樹脂31が付与された領域と、硬化性樹脂31が付与されていない領域とが混在するようにする。硬化性樹脂31を付与するパターンは、形成すべき硬化部3のパターンに応じて決定される。
基板2上に付与される硬化性樹脂31は、未硬化または半硬化の状態のものである。
硬化性樹脂31としては、エネルギー線(例えば、熱(熱線)、光(紫外線等の可視光以外の光を含む)、電子線)により硬化する樹脂材料を用いることができ、例えば、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等を用いることができる。硬化性樹脂31として光硬化性樹脂を用いた場合、時計用文字板1の生産性を特に優れたものとすることができる。また、製造時における、時計用文字板1の構成材料の劣化等をより確実に防止することができ、製造される時計用文字板1の信頼性を特に優れたものとすることができる。
また、本工程において、基板2上に付与される硬化性樹脂31は、それ単独で用いられるものであってもよいし、例えば、溶媒に溶解した状態の溶液であってもよい。
基板2に硬化性樹脂31を付与する方法は、特に限定されないが、例えば、スピンコート、ディッピング、刷毛塗り、噴霧塗装、静電塗装、電着塗装等の塗装や、インクジェット方式による方法(インクジェット法)等が挙げられる。中でも、インクジェット法を用いた場合、硬化性樹脂31を効率よく、かつ、より確実に所望のパターンで、基板2上に付与することができる。また、微細なパターンで、硬化性樹脂31を付与することができる。このようなことから、得られる時計用文字板1において、より高いレベルで、光透過性と高級感(美的外観)との両立を図ることができる。インクジェット法としては、例えば、圧電パルスにより圧電素子を振動させ、液滴吐出装置のヘッド部から硬化性樹脂31を間欠的に吐出する方法や、硬化性樹脂31中に含まれる気泡の体積変化により液滴吐出装置のヘッド部から硬化性樹脂31を間欠的に吐出する方法等を用いることができるが、圧電パルスにより圧電素子を振動させ、液滴吐出装置のヘッド部から硬化性樹脂31を間欠的に吐出する方法が好ましい。これにより、ヘッド部内等において、吐出される硬化性樹脂31が不本意な変性(硬化)をしてしまうのをより確実に防止することができる。
また、硬化性樹脂31を、溶媒に溶解した状態の溶液として付与する場合、溶液中に含まれる溶媒は、例えば、以下に述べる着色剤粉末付与工程に先立って除去してもよいし、着色剤粉末付与工程の後に除去してもよい。
[着色剤粉末付与工程]
次に、基板2の硬化性樹脂31が付与された面側に着色剤粉末4を付与する(1c)。基板2上の硬化性樹脂31は、未硬化または半硬化の状態のものであり、また、硬化性樹脂31は、基板2上に所定のパターンで付与されているため、着色剤粉末4は、硬化性樹脂31に選択的に付着し、それ以外の部位には付着しない。言い換えると、着色剤粉末4は、基板2上に付与された硬化性樹脂31に対応するパターンで、基板2(硬化性樹脂31)上に付着する。このとき、着色剤粉末4は、基板2上の少なくとも硬化性樹脂31が付与された領域の全面を覆うように付与されるものであるのが好ましい。
硬化性樹脂31が付与された基板2に対する、着色剤粉末4の付与方法としては、例えば、(1)基板2の硬化性樹脂31が付与された面側に、着色剤粉末4をふりかける方法、(2)基板2の硬化性樹脂31が付与された面を下面側とし、トレイ等の容器に収納した着色剤粉末4と、硬化性樹脂31が付与された基板2とを接触させる方法、(3)気流等により吹き上げられた着色剤粉末4を、基板2の硬化性樹脂31が付与された面に付着させる方法、(4)着色剤粉末4を含む対流中に、硬化性樹脂31が付与された基板2を置く方法等が挙げられる。
上記(1)の方法では、複雑な装置を必要とせず、簡易に、着色剤粉末4を硬化性樹脂31に付着させることができる。また、基板2上に付与された硬化性樹脂31に不本意な変形が生じてしまうのを、より確実に防止することができる。
また、上記(2)の方法では、複雑な装置を必要とせず、簡易に、着色剤粉末4を硬化性樹脂31に付着させることができる。また、硬化性樹脂31に付着しなかった着色剤粉末4の回収の処理を省略または簡略化することができ、時計用文字板1の生産性を特に優れたものとすることができる。
また、上記(3)の方法では、均一な大きさの着色剤粉末4を硬化性樹脂に付着させることができ、着色剤粉末4の凝集体が硬化性樹脂31に付着するのを効果的に防止することができるため、得られる時計用文字板1の美的外観(高級感)を特に優れたものとすることができる。また、このような方法を採用することにより、気流により基板2上の目的の部位以外に着色剤粉末4が付着するのを防止することができる(一旦付着したとしても、気流により容易に除去される)ため、付着した着色剤粉末4を除去する工程を省略または簡略化することができる。
また、上記(4)の方法では、均一な大きさの着色剤粉末4を硬化性樹脂に付着させることができ、着色剤粉末4の凝集体が硬化性樹脂31に付着するのを効果的に防止することができるため、得られる時計用文字板1の美的外観(高級感)を特に優れたものとすることができる。また、このような方法を採用することにより、対流により基板2上の目的の部位以外に着色剤粉末4が付着するのを防止することができる(一旦付着したとしても、対流により容易に除去される)ため、付着した着色剤粉末4を除去する工程を省略または簡略化することができる。
また、静電的な力等により、基板2上の硬化性樹脂31以外の部位に着色剤粉末4が付着した場合であっても、完全な固化状態(固形状態)にある基板2そのものに対する着色剤粉末4の密着性は、未硬化または半硬化の状態の硬化性樹脂31に対する密着性に比べて、非常に低いものである。したがって、所望の部位以外に付着した着色剤粉末4は、容易に除去することができる。このように不本意な部位に付着した着色剤粉末は、例えば、本工程において除去してもよいし、後述する樹脂硬化工程の後に除去してもよい。
[樹脂硬化工程]
次に、硬化性樹脂31を硬化させ、硬化部3とするとともに、付着している着色剤粉末4を固定する(1d)。これにより、時計用文字板1が得られる。このようにして得られる時計用文字板1においては、着色剤粉末4が樹脂材料により被覆されておらず、露出している。このため、着色剤粉末そのものが本来有しているマット調の落ち着いた、高級感のある外観を発揮させることができる。その結果、時計用文字板1全体としての高級感(美的外観)も優れたものとなる。また、着色剤粉末4は、硬化処理を施す前の硬化性樹脂31に付与されたものであるため、単に、樹脂材料の表面に接触しているだけでなく、硬化部3に確実に固定させている。このため、時計用文字板1は、耐久性、信頼性にも優れたものとなる。
ところで、マット調の外観を呈する着色剤粉末が、樹脂材料中に分散してなる膜を、基材の表面に被覆することも考えられるが、このような場合、着色剤粉末自体がマット調の外観を呈するものであっても、樹脂材料が有する光沢により、着色剤粉末が本来有しているマット調の外観が損なわれ、全体としての外観は、高級感に劣ったものとなる。また、金属材料等に比べて反射率の低い(明度の低い)着色剤粉末を用いた場合、表面の微小な凹凸が金属材料を用いた場合に比べて目立ってしまう。すなわち、このような構成では、本発明で得られるような高級感にあふれる優れた外観の時計用文字板を得ることはできない。
硬化性樹脂31の硬化は、硬化性樹脂の種類に応じた方法により行う。例えば、硬化性樹脂31が熱硬化性樹脂である場合には加熱により行い、硬化性樹脂31が光硬化性樹脂である場合には、光の照射により行う。
エネルギー線の照射は、いかなる方向から行うものであってもよいが、基板2の硬化性樹脂31および着色剤粉末4が付与されている面とは反対の面側から行うのが好ましい。これにより、例えば、時計用文字板1の生産性を特に優れたものとすることができる。特に、着色剤粉末4が、硬化性樹脂31の硬化に用いるエネルギー線の吸収率が高いものであっても、照射するエネルギー線を効率よく硬化性樹脂31の硬化に利用することができ、エネルギー効率の観点からも有利である。また、全体としての、エネルギー線の照射量を抑制することができるため、エネルギー線の照射による時計用文字板1の構成材料の劣化等を効果的に防止することができ、得られる時計用文字板1の信頼性を特に高いものとすることができる。このような効果は、硬化性樹脂31の硬化を光の照射(特に、紫外線の照射)により行う場合、すなわち、硬化性樹脂31が光硬化性樹脂である場合に、(さらには、着色剤粉末4がカーボンブラックの粉末である場合に、)特に顕著なものとなる。
<時計>
次に、上述したような本発明の時計用文字板1を備えた本発明の時計について説明する。
本発明の時計は、上述したような本発明の時計用文字板を有するものである。なお、本発明の時計を構成する前記時計用文字板(本発明の時計用文字板)以外の部品としては、公知のものを用いることができるが、以下に、本発明の時計の構成の一例について説明する。
図6は、本発明の時計(腕時計)の好適な実施形態を示す断面図である。
図6に示すように、本実施形態の腕時計(携帯時計)100は、胴(ケース)102と、裏蓋103と、ベゼル(縁)104と、ガラス板(カバーガラス)105とを備えている。また、ケース102内には、前述したような時計用文字板1と、太陽電池11と、ムーブメント101とが収納されており、さらに、図示しない針(指針)等が収納されている。
ガラス板105は、通常、透明性の高い透明ガラスやサファイア等で構成されている。これにより、時計用文字板1の美的外観を十分に発揮させることができるとともに、太陽電池11に十分な光量の光を入射させることができる。
ムーブメント101は、太陽電池11の起電力を利用して、指針を駆動する。
図6中では省略しているが、ムーブメント101内には、例えば、太陽電池11の起電力を貯蔵する電気二重層コンデンサー、リチウムイオン二次電池や、時間基準源として水晶振動子や、水晶振動子の発振周波数をもとに時計を駆動する駆動パルスを発生する半導体集積回路や、この駆動パルスを受けて輪列機構を1秒毎に指針を駆動するステップモーターや、ステップモーターの動きを指針に伝達する輪列機構等を備えている。
また、ムーブメント101は、図示しない電波受信用のアンテナを備えている。そして、受信した電波を用いて時刻調整等を行う機能を有している。
太陽電池11は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する機能を有する。そして、太陽電池11で変換された電気エネルギーは、ムーブメントの駆動等に利用される。
太陽電池11は、例えば、非単結晶シリコン薄膜にp型の不純物とn型の不純物とが選択的に導入され、さらにp型の非単結晶シリコン薄膜とn型の非単結晶シリコン薄膜との間に不純物濃度の低いi型の非単結晶シリコン薄膜を備えたpin構造を有している。
胴102には巻真パイプ106が嵌入・固定され、この巻真パイプ106内にはりゅうず107の軸部1071が回転可能に挿入されている。
胴102とベゼル104とは、プラスチックパッキン108により固定され、ベゼル104とガラス板105とはプラスチックパッキン109により固定されている。
また、胴102に対し裏蓋103が嵌合(または螺合)されており、これらの接合部(シール部)115には、リング状のゴムパッキン(裏蓋パッキン)114が圧縮状態で介挿されている。この構成によりシール部115が液密に封止され、防水機能が得られる。
りゅうず107の軸部1071の途中の外周には溝1072が形成され、この溝1072内にはリング状のゴムパッキン(りゅうずパッキン)113が嵌合されている。ゴムパッキン113は巻真パイプ106の内周面に密着し、該内周面と溝1072の内面との間で圧縮される。この構成により、りゅうず107と巻真パイプ106との間が液密に封止され防水機能が得られる。なお、りゅうず107を回転操作したとき、ゴムパッキン113は軸部1071と共に回転し、巻真パイプ106の内周面に密着しながら周方向に摺動する。
なお、上記の説明では、時計の一例として、腕時計(携帯時計)を挙げて説明したが、本発明は、腕時計以外の携帯時計、置時計、掛け時計等の他の種類の時計にも同様に適用することができる。
また、上記の説明では、時計の一例として、ソーラー時計(特に、ソーラー電波時計)を挙げて説明したが、本発明は、ソーラー時計以外の時計にも同様に適用することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、本発明の製造方法は、上述した以外の工程を有するものであってもよい。例えば、基板の着色剤粉末が付与された面側や、その反対の面側に、コート層を形成する工程を有していてもよい。これにより、例えば、色調等を調整し、時計用文字板の美的外観をさらに優れたものにしたり、時計用文字板全体としての、耐食性、耐候性、耐水性、耐油性、耐擦傷性、耐摩耗性、耐変色性等の各種特性を向上させたりすることができる。なお、このようなコート層は、例えば、時計用文字板の使用時等において除去されるものであってもよい。
また、本発明の時計用文字板は、上述したような構成を有するものであればよく、上述したような方法により製造されたものに限定されない。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.時計用文字板の製造
(実施例1)
以下に示すような方法により、時計用文字板を製造した。
まず、ポリカーボネートを用いて、圧縮成形により、時計用文字板の形状を有する基板を作製し、その後、必要箇所を切削、研磨した。得られた基板は、略円盤状をなし、直径:27mm×厚さ:0.5mmであった。基板についての光の透過率は、99%以上であった。
次に、この基板を洗浄した。基板の洗浄としては、まず、アルカリ浸漬脱脂を30秒間行い、その後、中和を10秒間、水洗を10秒間、純水洗浄を10秒間行った。
このようにして洗浄を行った基板の表面に、インクジェット法により、未硬化の光硬化性樹脂(紫外線硬化性樹脂)である東洋インク製造(株)製:ED−O−KR2を、所定のパターンで付与した(硬化性樹脂付与工程)。インクジェット法による光硬化性樹脂の付与は、圧電パルスにより圧電素子を振動させ、液滴吐出装置のヘッド部から溶媒に溶解した光硬化性樹脂を間欠的に吐出する方法を用いて行った。また、光硬化性樹脂は、基板を平面視した際に、光硬化性樹脂の形状が、正六角形状であり、これらがハニカム状に配列するように、基板上に付与した(図2参照)。付与された光硬化性樹脂の平均厚さは、8μmであった。
次に、基板の光硬化性樹脂(未硬化)が付与された面側に、着色剤粉末としてのカーボンブラック粉末を付与した(着色剤粉末付与工程)。光硬化性樹脂が付与された基板に対するカーボンブラック粉末の付与方法としては、基板の光硬化性樹脂が付与された面側に、カーボンブラック粉末をふりかける方法を用いた。このとき、カーボンブラック粉末は、少なくとも光硬化性樹脂の全面が覆われるように付与した。カーボンブラック粉末についての、JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図におけるLの値は、19.0であった。また、カーボンブラック粉末の平均粒径は、80nmであった。
次に、基板の光硬化性樹脂、カーボンブラック粉末が付与された面とは反対の面側から、紫外線を照射することにより、光硬化性樹脂を硬化させ、硬化部を形成した(樹脂硬化工程)。光硬化性樹脂の硬化により光硬化性樹脂に付着していたカーボンブラック粉末は、硬化部に強固に固定された。その後、圧縮空気を吹き付けることにより、不要なカーボンブラック粉末を除去し、図1、図2に示すような時計用文字板が得られた。
得られた時計用文字板において、硬化部の平均厚さは、7.0μmであった。また、図中Wで表される開口部の幅は、50μmであり、図中Pで表される開口部のピッチは、260μmであった。また、時計用文字板(基板)を平面視した際に、開口部が設けられている領域の占める面積率(開口率)は、35%であった。また、時計用文字板の硬化部、着色剤粉末が付与された面側についての、JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図における、Lの値は、26.0であった。
なお、基板、硬化部等の厚さは、JIS H 5821で規定される顕微鏡断面試験方法に従い測定した。
(実施例2)
着色剤付与工程における、光硬化性樹脂が付与された基板に対するカーボンブラック粉末の付与方法として、基板の光硬化性樹脂が付与された面を下面側とし、トレイに収納したカーボンブラック粉末と、光硬化性樹脂が付与された基板を接触させる方法を用いた以外は、前記実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。
(実施例3)
着色剤付与工程における、光硬化性樹脂が付与された基板に対するカーボンブラック粉末の付与方法として、気流により吹き上げられたカーボンブラック粉末を、基板の光硬化性樹脂が付与された面に付着させる方法を用いた以外は、前記実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。
(実施例4)
着色剤付与工程における、光硬化性樹脂が付与された基板に対するカーボンブラック粉末の付与方法として、カーボンブラック粉末を含む対流中に、光硬化性樹脂が付与された基板を置く方法を用いた以外は、前記実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。
(実施例5〜7)
時計用文字板の製造に用いる基板の構成材料、厚さ、着色剤粉末の平均粒径を表1に示すようにするとともに、硬化部の厚さ、開口部の幅W、ピッチPが表1に示したような構成となるように各工程の処理条件を調整した以外は、前記実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。
(実施例8〜10)
時計用文字板の製造に用いる基板の構成材料、厚さ、着色剤粉末の平均粒径を表1に示すようにするとともに、硬化部の厚さ、開口部の幅W、ピッチPが表1に示したような構成となるように各工程の処理条件を調整した以外は、前記実施例2と同様にして時計用文字板を製造した。
(実施例11、12)
時計用文字板の製造に用いる基板の構成材料、厚さ、着色剤粉末の平均粒径を表1に示すようにするとともに、硬化部の厚さ、開口部の幅W、ピッチPが表1に示したような構成となるように各工程の処理条件を調整した以外は、前記実施例3と同様にして時計用文字板を製造した。
(実施例13、14)
時計用文字板の製造に用いる基板の構成材料、厚さ、着色剤粉末の平均粒径を表1に示すようにするとともに、硬化部の厚さ、開口部の幅W、ピッチPが表1に示したような構成となるように各工程の処理条件を調整した以外は、前記実施例4と同様にして時計用文字板を製造した。
(比較例1)
まず、実施例1と同様にして、洗浄を行った基板を用意した。
次に、この洗浄を行った基板の表面に、インクジェット法により、未硬化の光硬化性樹脂(紫外線硬化性樹脂)である東洋インク製造(株)製:ED−O−KR2と、着色剤粉末としてのカーボンブラック粉末とを含む組成物を、所定のパターンで付与した。インクジェット法による組成物の付与は、圧電パルスにより圧電素子を振動させ、液滴吐出装置のヘッド部から前記組成物を間欠的に吐出する方法を用いて行った。また、組成物の付与パターンは、前記実施例1での光硬化性樹脂の付与パターンと同一となるようにした(図2参照)。
その後、基板の前記組成物が付与された面側から、紫外線を照射することにより、光硬化性樹脂を硬化させて硬化部とし、時計用文字板を得た。
(比較例2)
まず、実施例1と同様にして、洗浄を行った基板を用意した。
次に、この洗浄を行った基板の一方の表面(主面)の全体に、スピンコーターを用いて、未硬化の光硬化性樹脂(紫外線硬化性樹脂)である東洋インク製造(株)製:ED−O−KR2と、着色剤粉末としてのカーボンブラック粉末とを含む組成物を付与した。
その後、基板の前記組成物が付与された面側から、紫外線を照射することにより、光硬化性樹脂を硬化させ、時計用文字板を得た。
(比較例3)
基板の表面に付与する組成物として、前記比較例2で用いた組成物よりも、カーボンブラック粉末の含有率を低くしたものを用いた以外は、前記比較例2と同様にして、時計用文字板を製造した。
(比較例4)
まず、表面が平滑なステンレス鋼製の平板を用意した。
この平板上に、印刷装置を用いてレジスト膜を印刷形成した。
次に、写真露光装置を用いて、平板上のレジスト膜を、所定のパターンで露光し、その後、非硬化部を除去した。
次に、平板上のレジスト膜を除去した部位に、離型剤を塗布し、無電解めっきによりNiで構成された第1の金属層を形成した。形成された第1の金属層の厚さは、0.2μmであった。
次に、電解めっきにより、第1の金属層上に、Agで構成された第2の金属層を形成した。これにより、第1の金属層と第2の金属層とからなる被膜(金属被膜)が得られた。得られた被膜は、前記実施例1の時計用文字板の硬化部が有する開口部と同様のパターンの開口部を有するものであった。また、第1の層の厚さは0.5μm、第2の層の厚さは1.5μmであった。
次に、被膜の開口部に残存するレジスト膜を除去した。
次に、被膜をステンレス鋼製の平板から慎重に剥離し、基板の表面に接着剤を用いて接着することにより、時計用文字板を得た。このとき、被膜の第1の層が基板に対向するようにし、第2の層が外表面側となるようにした。
各実施例および各比較例の時計用文字板の構成を表1にまとめて示す。なお、表1中、ポリカーボネートをPCで示し、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)をABS、ポリエチレンテレフタレートをPET、アクリル系樹脂をPMMA、カーボンブラックをCBで示した。また、表中、比較例1〜3については、硬化部の平均厚さを示す欄に被膜の平均厚さを示し、着色剤粉末に関する欄に被膜を構成する着色剤粉末の条件を示した。また、比較例4については、硬化部の平均厚さを示す欄に被膜の平均厚さを示し、着色剤粉末に関する欄に被膜を構成する金属材料の条件を示した。また、比較例1〜4については、「時計用文字板の硬化部、着色剤粉末が付与された面側についてのL」を示す欄に「時計用文字板の被膜が設けられた面側についてのL」の値を示した。
Figure 2008275471
2.時計用文字板の外観評価
前記各実施例および各比較例で製造した各時計用文字板について、目視による観察を行い、これらの外観を以下の6段階の基準に従い、評価した。
A:マット調で高級感があり、きわめて優良な外観を呈している。
B:マット調で高級感があり、優良な外観を呈している。
C:マット調で高級感があり、良好な外観を呈している。
D:高級感に劣る。または、美的外観がやや不良である。
E:美的外観が不良である。
F:美的外観がきわめて不良である。
3.時計用文字板の光透過率評価
前記各実施例および各比較例で製造した各時計用文字板について、以下のような方法により、光透過率を評価した。
まず、太陽電池と各時計用文字板とを暗室にいれた。その後、太陽電池単体でその受光面に対し、所定距離離間した蛍光灯(光源)からの光を入射させた。この際、太陽電池の発電電流をA[mA]とした。次に、前記太陽電池の受光面の上面に時計用文字板を重ね合わせた状態で、前記と同様に所定距離離間した蛍光灯(光源)からの光を入射させた。この状態での、太陽電池の発電電流をB[mA]とした。そして、(B/A)×100で表される時計用文字板の光透過率を算出し、以下の7段階の基準に従い、評価した。時計用文字板の光透過率が大きいほど、時計用文字板の光透過性は優れたものであるといえる。
A:29%以上。
B:23%以上29%未満。
C:14%以上23%未満。
D:10%以上14%未満。
E:7%以上10%未満。
F:3%以上7%未満。
G:3%未満。
その後、前記各実施例および各比較例で製造した時計用文字板を用いて、図6に示すような腕時計を製造した。そして、製造された各腕時計を暗室にいれた。その後、時計の文字板側の面(ガラス板側の面)から、所定距離離間した蛍光灯(光源)からの光を入射させた。この際、光の照射強度が次第に大きくなるように照射強度を一定の速度で変化させた。その結果、本発明の時計では、比較的照射強度が小さい場合でもムーブメントが駆動した。これに対し、比較例2の時計では、比較的照射強度が大きい場合でもムーブメントの駆動が確認されなかった。
4.電波透過性評価
前記各実施例および各比較例で製造した各時計用文字板について、以下に示すような方法で電波透過性を評価した。
まず、時計ケースと、電波受信用のアンテナを備えた腕時計用内部モジュール(ムーブメント)とを用意した。
次に、時計ケース内に、腕時計用内部モジュール(ムーブメント)および、時計用文字板を組み込み、この状態での電波の受信感度を測定した。
時計用文字板を組み込まない状態での受信感度を基準とし、時計用文字板を組み込んだ場合における受信感度の低下量(dB)を以下の4段階の基準に従い、評価した。電波の受信感度の低下が低いものほど、文字板の電波透過性は優れたものであるといえる。
A:感度の低下が認められない(検出限界以下)。
B:感度の低下が0.7dB未満で認められる。
C:感度の低下が0.7dB以上1.0dB未満。
D:感度の低下が1.0dB以上。
5.耐久性評価
各時計用文字板について、直径4mmの鉄製の棒材を支点とし、時計用文字板の中心を基準に35°の折り曲げを行った後、時計用文字板の外観を目視により観察し、これらの外観を以下の4段階の基準に従い、評価した。折り曲げは、圧縮/引っ張りの両方向について行った。
A:硬化部、被膜の浮き、剥がれ、着色剤粉末の脱落が全く認められない。
B:硬化部、被膜の浮き、着色剤粉末の脱落がほとんど認められない。
C:硬化部、被膜の浮きがはっきりと認められる。
D:硬化部、被膜のひび割れ、剥離、または、着色剤粉末の脱落がはっきりと認められる。
これらの結果を表2に示す。
Figure 2008275471
表2から明らかなように、本発明の時計用文字板は、いずれも、着色剤粉末の表面の少なくとも一部が、硬化部により被覆されておらず、露出した状態であり、マット調の落ち着いた、高級感のある優れた外観を有するとともに、光の透過性に優れていた。また、基材に対する硬化部の密着性、硬化部に対する着色剤粉末の密着性に優れ、耐久性に優れたものであった。
特に、着色剤粉末付与工程を、基板の光硬化性樹脂が付与された面側に、着色剤粉末をふりかける方法により行った実施例1、実施例5〜7では、複雑な装置を必要とせず、簡易に、着色剤粉末を光硬化性樹脂に付着させることができた。また、基板上に付与された光硬化性樹脂に不本意な変形が生じてしまうのを、より確実に防止することができた。
また、着色剤粉末付与工程を、基板の光硬化性樹脂が付与された面を下面側とし、トレイに収納した着色剤粉末と、光硬化性樹脂が付与された基板とを接触させる方法により行った実施例2、実施例8〜10では、複雑な装置を必要とせず、簡易に、着色剤粉末を光硬化性樹脂に付着させることができた。また、光硬化性樹脂に付着しなかった着色剤粉末の回収の処理を簡略化することができ、時計用文字板の生産性を特に優れたものとすることができた。
また、着色剤粉末付与工程を、気流等により吹き上げられた着色剤粉末を、基板の光硬化性樹脂が付与された面に付着させる方法により行った実施例3、実施例11、12では、均一な大きさの着色剤粒子を光硬化性樹脂に付着させることができ、着色剤粒子の凝集体が光硬化性樹脂に付着するのを効果的に防止することができ、時計用文字板の美的外観(高級感)を特に優れたものとすることができた。また、気流により基板上の目的の部位以外に着色剤粉末が付着することも効果的に防止することができ、基板上の不要な着色剤粉末を除去する工程を省略することができた。
また、着色剤粉末付与工程を、着色剤粉末を含む対流中に、光硬化性樹脂が付与された基板を置く方法により行った実施例4、実施例13、14では、均一な大きさの着色剤粒子を光硬化性樹脂に付着させることができ、着色剤粒子の凝集体が光硬化性樹脂に付着するのを効果的に防止することができ、時計用文字板の美的外観(高級感)を特に優れたものとすることができた。また、気流により基板上の目的の部位以外に着色剤粉末が付着することも効果的に防止することができ、基板上の不要な着色剤粉末を除去する工程を省略することができた。
これに対し、比較例では、満足な結果が得られなかった。すなわち、着色剤粉末を樹脂材料中に分散した組成物を用いて製造された比較例1〜3の時計用文字板では、着色剤粉末の外表面が硬化性樹脂の硬化物により被覆されており、てかりのある安っぽい外観を呈するものであった。また、外観の向上を目的として、基材を、開口部を有さない被膜で被覆した比較例2の時計用文字板では、光の透過率が著しく低いものであった。また、光の透過率を向上させる目的で、比較例2に比べて被膜中の着色剤含有率を低くした比較例3の時計用文字板では、その外観が非常に劣ったものであった。また、基板とは別途作製した被膜(金属被膜)を、基板の表面に接着剤を用いて接着した比較例4の時計用文字板では、被膜の貼着時にしわが発生してしまい、優れた外観が得られなかった。また、比較例4の時計用文字板は、金属光沢を有しており、マット調の落ち着いた、高級感のある外観を有するものではなかった。
また、各実施例および各比較例で得られた時計用文字板を用いて、図6に示すような時計を組み立てた。このようにして得られた各時計について、上記と同様の試験、評価を行ったところ、上記と同様の結果が得られた。
本発明の時計用文字板の好適な実施形態を示す平面図である。 基板上に設けられた硬化部のパターン(形状)の一例を説明するための模式的な平面図である。 基板上に設けられた硬化部のパターン(形状)の他の一例を説明するための模式的な平面図である。 基板上に設けられた硬化部のパターン(形状)の他の一例を説明するための模式的な平面図である。 本発明の時計用文字板の製造方法の好適な実施形態を示す断面図である。 本発明の時計(腕時計)の好適な実施形態を示す部分断面図である。
符号の説明
1…時計用文字板 2…基板(基材) 3…硬化部 31…硬化性樹脂 4…着色剤粉末 5…開口部(窓部) 11…太陽電池 101…ムーブメント 102…胴(ケース) 103…裏蓋 104…ベゼル(縁) 105…ガラス板(カバーガラス) 106…巻真パイプ 107…りゅうず 1071…軸部 1072…溝 108…プラスチックパッキン 109…プラスチックパッキン 113…ゴムパッキン(りゅうずパッキン) 114…ゴムパッキン(裏蓋パッキン) 115…接合部(シール部) 100…腕時計(携帯時計)

Claims (12)

  1. 光透過性を有する材料で構成された基板上に、所定のパターンで、硬化性樹脂を付与する硬化性樹脂付与工程と、
    前記硬化性樹脂の表面付近に、着色剤粉末を付与する着色剤粉末付与工程と、
    前記着色剤粉末が付与された前記硬化性樹脂を硬化させる樹脂硬化工程とを有することを特徴とする時計用文字板の製造方法。
  2. 前記硬化性樹脂は、光硬化性樹脂である請求項1に記載の時計用文字板の製造方法。
  3. 前記樹脂硬化工程において、前記基板の前記着色剤粉末が付与された側の面とは反対の面側から、前記硬化性樹脂を硬化させるためのエネルギー線を照射する請求項1または2に記載の時計用文字板の製造方法。
  4. 前記着色剤粉末は、JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図において、Lの値が15.0〜35.0である請求項1ないし3のいずれかに記載の時計用文字板の製造方法。
  5. 前記硬化性樹脂付与工程は、前記硬化性樹脂を、インクジェット法により、前記基板上に、所定のパターンで付与することにより行うものである請求項1ないし4のいずれかに記載の時計用文字板の製造方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の方法を用いて製造されたことを特徴とする時計用文字板。
  7. 光透過性を有する材料で構成された基板と、
    前記基板上に、所定のパターンで配置された硬化性樹脂の硬化物で構成された硬化部と、
    前記硬化部の表面付近に設けられた着色剤粉末とを有し、
    前記着色剤粉末は、その表面の少なくとも一部が、前記硬化部により被覆されておらず、露出した状態であることを特徴とする時計用文字板。
  8. 時計用文字板を平面視した際に、前記硬化性樹脂の硬化物、前記着色剤粉末が付与されていない領域の占める面積率が、15〜35%である請求項6または7に記載の時計用文字板。
  9. 前記着色剤粉末は、カーボンブラックの粉末である請求項6ないし8のいずれかに記載の時計用文字板。
  10. 前記着色剤粉末の平均粒径が10〜500nmである請求項6ないし9のいずれかに記載の時計用文字板。
  11. 時計用文字板の前記着色剤粉末が付与された側の面について求められる、JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図におけるLの値が20.0〜33.0である請求項6ないし10のいずれかに記載の時計用文字板。
  12. 請求項6ないし11のいずれかに記載の時計用文字板を備えたことを特徴とする時計。
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