JP2008020314A - 装飾品および時計 - Google Patents

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慶幸 小尾
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Abstract

【課題】光の透過性に優れるとともに、美的外観に優れた装飾品を提供すること、また、前記装飾品を備えた時計を提供すること。
【解決手段】本発明の装飾品1は、光透過性を有する材料で構成された基材12と、基材12を構成する材料よりも高い屈折率を有し、かつ光透過性を有する材料で構成された高屈折率材料膜13と、高屈折率材料膜13の基材12に対向する面とは反対の面側に設けられ、外光を反射する機能を有する反射膜14とを有し、反射膜14には、開口部15が設けられており、高屈折率材料膜13を構成する材料の絶対屈折率をn、基材12を構成する材料の絶対屈折率をnとしたとき、0.1≦n−n≦1.34の関係を満足することを特徴とする。反射膜14に設けられた開口部15の幅は、40〜150μmであり、反射膜14を平面視したときに開口部15が閉める面積率は、15〜45%である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、装飾品および時計に関する。
ソーラー時計(太陽電池を備えた時計)用の文字板には、太陽電池が十分な起電力を発生するのに十分な光量の光を透過させる機能(光透過性)が求められる。このため、従来から、ソーラー時計用文字板としては、透明性の高いプラスチック性の部材が用いられてきた。ところが、プラスチックは、一般に、Au、Ag等の金属材料等に比べて、高級感に欠け、美的外観に劣っている。このため、プラスチック性の基板上に金属材料で構成された金属層を被覆し、当該金属層に、光を透過させるための小孔を設ける試みがある(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この方法を用いて、十分な光量の外光を取り入れるためには、小孔の1個当たりの大きさを大きくしたり、小孔の数を十分に多くしたりすること等により、光が透過し得る部分の総面積(小孔面積の和)を大きくする必要がある。このような場合、時計用文字板の外観上、小孔が目立ってしまい、時計用文字板は、審美性(美的外観)に劣ったものとなってしまう。その一方で、小孔が目立たない程度まで、小孔の大きさを小さくすると、十分な光量の外光を取り入れることができなくなってしまう。すなわち、従来においては、優れた装飾性(美的外観)と、優れた光透過性とを十分に両立する時計用文字板を得るのは困難であった。
特開平11−326549号公報(図2及び、第3頁左欄1〜9行目)
本発明の目的は、光の透過性に優れるとともに、美的外観に優れた装飾品を提供すること、また、前記装飾品を備えた時計を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の装飾品は、光透過性を有する材料で構成された基材と、
基材を構成する材料よりも高い屈折率を有し、かつ光透過性を有する材料で構成された高屈折率材料膜と、
前記高屈折率材料膜の前記基材に対向する面とは反対の面側に設けられ、外光を反射する機能を有する反射膜とを有し、
前記反射膜には、開口部が設けられており、
前記高屈折率材料膜を構成する材料の絶対屈折率をn、前記基材を構成する材料の絶対屈折率をnとしたとき、0.1≦n−n≦1.34の関係を満足することを特徴とする。
これにより、光の透過性に優れるとともに、美的外観に優れた装飾品を提供することができる。
本発明の装飾品では、前記反射膜に設けられた前記開口部の幅は、40〜150μmであることが好ましい。
これにより、装飾品の光の透過性を特に優れたものとすることができるとともに、外観を優れたものとしつつ、さらに、装飾品の生産性(歩留まり)を十分に高いものとすることができる。
本発明の装飾品では、前記反射膜を平面視したときに前記開口部が占める面積率が、15〜45%であることが好ましい。
これにより、光の透過性を十分に高いものとしつつ、装飾品としての美的外観を特に優れたものとすることができる。
本発明の装飾品では、前記反射膜は、Ag、Cr、Au、Al、Ti、Sn、Inから選択される材料で構成されたものであり、前記高屈折率材料膜は、TiO、ZnS、Nb、Ti、ZrO、WOから選択される材料であることが好ましい。
これにより、装飾品としての美的外観を特に優れたものとすることができるとともに、反射膜と高屈折率材料膜との密着性を特に優れたものとすることができ、装飾品としての耐久性を特に優れたものとすることができる。
本発明の装飾品では、前記反射膜の平均厚さは、0.005〜2.5μmであることが好ましい。
これにより、装飾品としての美的外観を特に優れたものとすることができる。
本発明の装飾品では、前記nは、1.7〜2.9であることが好ましい。
これにより、装飾品としての美的外観を特に優れたものとすることができる。
本発明の装飾品では、前記高屈折率材料膜の平均厚さは、0.005〜0.3μmであることが好ましい。
これにより、光の透過性を十分に高いものとしつつ、装飾品としての美的外観を特に優れたものとすることができる。
本発明の装飾品では、前記nは、1.2〜1.6であることが好ましい。
これにより、装飾品としての美的外観を特に優れたものとすることができる。
本発明の装飾品では、前記基材は、ポリカーボネート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、もしくはソーダガラス、石英ガラスから選択される少なくとも1種を含む材料で構成されたものであることが好ましい。
これにより、光の透過性を十分に高いものとしつつ、装飾品としての美的外観を特に優れたものとすることができる。
本発明の装飾品は、ソーラー時計用部品であることが好ましい。
本発明の装飾品は、美的外観に優れるとともに、光の透過性に優れている。したがって、本発明の装飾品は、電波時計用部品に好適に適用することができる。
本発明の装飾品は、時計用文字板ことが好ましい。
時計用文字板は、ソーラー時計において、光の優れた透過性が求められるとともに、優れた美的外観等も求められるが、本発明によればこれらの要件を同時に満足することができる。
本発明の時計は、本発明の装飾品を備えたことを特徴とする。
これにより、美的外観に優れた時計を提供することができる。また、外部からの光を有効に利用することが可能な時計(例えば、ソーラー時計、ソーラー電波時計等)を提供することができる。
本発明によれば、光の透過性に優れるとともに、美的外観に優れた装飾品を提供すること、また、前記装飾品を備えた時計を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
<装飾品>
まず、本発明の装飾品の好適な実施形態について説明する。
図1は、本発明の装飾品の好適な実施形態を示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態の装飾品1は、光透過性を有する材料で構成された基材12と、基材12を構成する材料よりも高い屈折率を有し、かつ光透過性を有する材料で構成された高屈折率材料膜13と、高屈折率材料膜13の基材12に対向する面とは反対の面側に設けられ、外光を反射する機能を有する反射膜14とを有している。そして、反射膜14には、後に詳述するように開口部15が設けられている。このような装飾品1は、特に限定されないが、通常、基材12の高屈折率材料膜13、および反射膜14で被覆された面側が外表面側、すなわち、観察者側となるようにして用いられるものである。以下の説明では、装飾品1全体として見たときに、光が入射する側を第1の面、第1の面とは反対側を第2の面として説明する。また、特に断りのない限り、本発明における屈折率とは、Na−Dランプ(光源波長:589.3nm)を用い、測定温度:20℃で測定される絶対屈折率を示す。
[基材]
基材12は光透過性を有する材料で構成されている。本発明では、光透過性を有する基材12を用いることにより、外表面側から入射した光を好適に透過させることができる時計用文字板を提供することができる。
基材12を構成する材料の屈折率nは、1.2〜1.6であることが好ましく、1.25〜1.59であるのがより好ましく、1.3〜1.58であるのがさらに好ましい。これにより、基材12と後に詳述する高屈折率材料膜13との界面において、入射光を好適に反射、透過させることができる。これにより、光透過性を十分に高いものとしつつ、装飾品1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
光透過性を有する材料としては、例えば、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル−ブタジエンースチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等の各種プラスチック材料や、ソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス等の各種ガラス材料等が挙げられる。この中でも、基材12として、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル−ブタジエンースチレン共重合体(ABS樹脂)、ソーダガラス、石英ガラスが好ましい。これにより、装飾品1の美的外観を十分に優れたものとしつつ、光の透過性を特に優れたものとすることができる。
基材12がポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)から選択される少なくとも1種を含む材料で構成されたものであると、装飾品1全体としての強度を特に優れたものとすることができる。また、装飾品1の製造時においては、基材12の成形の自由度が増す(成形のし易さが向上する)ため、より複雑な形状の装飾品1であっても、容易かつ確実に製造することができる。また、基材12がポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)から選択される少なくとも1種を含む材料で構成されたものであると、基材12と反射膜14との密着性(特に、高屈折率材料膜13を介しての反射膜14との密着性)を特に優れたものとすることができる。また、ポリカーボネートは、各種プラスチック材料の中でも比較的安価で、装飾品1の生産コストのさらなる低減に寄与することができる。また、ABS樹脂は、特に優れた耐薬品性も有しており、装飾品1全体としての耐久性をさらに向上させることができる。
ガラス材料であるソーダガラス、石英ガラスは、プラスチック材料に比べ、化学的安定性に優れている。そのため、基材12が上記のようなガラス材料で構成されたものであると、特に、装飾品1が長期間に渡って光にさらされても、基材12の変形、変質等の品質劣化を抑制することができる。また、プラスチック材料に比べ、上記のガラス材料の熱膨張率は小さい。そのため、外気温の変動などにより、基材12と、基材12の表面に備えられた高屈折率材料膜13とが剥がれてしまうといった剥離不良を防止することができる。したがって、基材12が上記のガラス材料で構成されたものであると、長期間にわたって、装飾品1の高い美的外観を維持することができる。
なお、基材12は上記に挙げた材料以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、可塑剤、酸化防止剤、着色剤(各種発色剤、蛍光物質、りん光物質等を含む)、光沢剤、フィラー等が挙げられる。
また、基材12は上記のプラスチック材料とガラス材料とを含むものであってもよい。例えば、基材12はガラス材料で構成されたシートと、プラスチック材料で構成されたシートとが積層された構成を有していてもよいし、また、基材12を構成する材料は、ガラス材料で構成されたフィラーがプラスチック材料と混ざり合った複合材料であってもよい。
また、基材12は、基部と、該基部上に設けられた表面層を有するものであってもよい。基材12がこのような構成のものである場合、少なくともその表面付近(後述する高屈折率材料膜13と隣接する部位)が上述したような材料で構成されたものであればよい。
また、基材12の形状、大きさは、特に限定されず、通常、装飾品1の形状、大きさに基づいて決定される。
また、基材12はいかなる方法で成形されたものであってもよいが、基材12の成形方法としては、例えば、圧縮成形、押出成形、射出成形、押型成形(プレス成形)等が挙げられる。
[高屈折率材料膜]
基材12の表面には、基材12を構成する材料よりも高い屈折率を有し、かつ光透過性を有する材料で構成された高屈折率材料膜13が設けられている。このように、基材12の表面に、開口部15を有する反射膜14が直接設けられずに、基材12と反射膜14との間に高屈折率材料膜13が介在している。上記の構成を備えた装飾品1では、装飾品1に第1の面側から入射した光は、外表面側に備えられた反射膜14により、反射されるが、その一方で、一部の入射光は開口部15を通して高屈折率材料膜13に進入する。その際、高屈折率材料膜13に入射した光のうち、高屈折率材料膜13と基材12との界面の垂線方向から、所定の角度θ(臨界角)以上の角度で入射した光は第1の面側へ全反射し、また、θ(臨界角)未満の角度で入射した光は第2の面側へ透過する。したがって、装飾品1に入射した光は、反射膜14上で反射されるとともに、高屈折率材料膜13と基材12との界面における全反射によっても第1の面側へ反射される。これにより開口部15の存在を目立たなくさせることができる。特に、開口部15の幅が比較的大きくても、開口部15の存在を目立たなくさせることができる。また、上記のように開口部15の存在を目立たなくさせることができるとともに、十分な透過率で入射光を第2の面側に出射することができる。その結果、光透過率を十分に確保しつつ、装飾品のもつ高級感を特に高いものとすることができる。このように、装飾品1は、高屈折率材料膜13を上記のような構成で備えることにより、優れた美的外観と、優れた光透過性とを十分に両立することができるものとなる。これに対して、基材の表面に、高屈折率材料膜を介さず、開口部を有する反射膜が直接設けられている場合には、上記した効果を得ることができないため、優れた美的外観と、優れた光透過性とを両立することができない。
より詳しく説明すると以下のとおりである。
図2中における(2a)は、基材22の表面に開口部25を有する反射膜24を備えた装飾品2が示されており、一方、(2b)には基材12と、高屈折率材料膜13と、高屈折率材料膜13の基材12に対向する面とは反対側の面に反射膜14が設けられたもの、すなわち、本実施形態と同様の構成を備えた装飾品1が示されている。(2a)、(2b)ともに、開口部へ外表面側から光が入射したようすを断面方向からみた模式図である。また、図中央には、(2a)では基材22と反射膜24との界面の垂線、および(2b)では基材12と高屈折率材料膜13との界面の垂線が記載されており、ここでは入射光は図中左上側から入射するものとして説明する。なお、各構成部の材料は図1に示した装飾品1の各構成部の材料と同様のものである。
高屈折率材料膜を有さない装飾品2では、基材22と反射膜24との界面において、第1の面側から入射した光の大部分が屈折され、第2の面側へ出射するため、外表面側へはほとんど反射されない。したがって、開口部25が目立ってしまい、装飾品2の美的外観を優れたものとすることができない。また、装飾品2において、開口部25を目立たなくさせるためには、開口部25の幅を小さくしなければならない。この場合、均一に開口部を形成することが困難となり、品質の高い(審美性に優れた)装飾品2の生産性(歩留まり)が低下してしまう。すなわち、このような構成を有する装飾品2では、光透過性と、美的外観とを同時に優れたものとすることができない。これに対して、高屈折率材料膜13を備えた装飾品1では、図示された垂線から所定の角度θ(臨界角)を境界として、θ以上の角度θ(θ≦θ<90°)で入射する第1の面側からの光は、基材12と高屈折率材料膜13との界面において、外表面側(第1の面側)へと全反射する。この現象は、隣接する屈折率の異なる材料であり、かつ、屈折率の高い材料を透過する光が、屈折率の低い材料へと進入しようとする際に見られる。また、θ未満の角度θ(0°≦θ<θ)で入射する第1の面側からの光は、第2の面側へ出射する。これにより、優れた光透過性と、優れた装飾性(美的外観)とを十分に両立する装飾品1を提供することができる。
また一般に、太陽電池は、太陽電池の主面の法線と入射角とのなす角度が大きくなるに従い、急激に発電効率が低下するという性質を有している。すなわち、太陽電池に対して斜め方向から入射する光を、発電のために有効に利用することは困難である。そこで、本発明においては、発電のために有効に利用することが困難な斜め方向からの光(臨界角以上の角度で入射する光)を全反射させることにより、美的外観の向上を図ることができる。したがって、本発明の装飾品をソーラー時計用文字板として用いることにより、発電効率をほとんど落とすことなく、美的外観を飛躍的に向上させることができる。
高屈折率材料膜13を構成する材料の屈折率nは、1.7〜2.9であることが好ましく、1.8〜2.85であるのがより好ましく、1.9〜2.8であるのがさらに好ましい。これにより、高屈折率材料膜13と前述した基材12との界面において、入射光を好適に反射、透過させることができる。これにより、光透過性を十分に高いものとしつつ、装飾品1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
また、高屈折率材料膜13を構成する材料と基材12を構成する材料との屈折率の差であるn−nの値は、0.1≦n−n≦1.34の関係を満足している。なお、上記臨界角(θ)は、n、およびnの値から求められ、一般的に、高屈折率材料膜13と基材12との屈折率の差(n−n)が大きくなると、臨界角(θ)は小さくなり(入射光が全反射する入射角度の範囲が拡がる)、反対に、高屈折率材料膜13と基材12との屈折率の差が小さくなると、臨界角(θ)は大きくなる(入射光が界面を透過する入射角度の範囲が拡がる)。n−nの値が上記の関係を満足するような高屈折率材料膜13、および基材12を備えた装飾品1は、高屈折率材料膜13と基材12との界面での反射、透過が好適におきるため、優れた装飾性(美的外観)と、優れた光透過性とを両立することができる。しかし、n−nの値が上記範囲の下限値未満である場合、臨界角(θ)が大きくなりすぎてしまい、装飾品に入射する光の大部分が第2の面側へ出射され、高屈折率材料膜と基材との界面における反射は起こりづらくなる。したがって、装飾品の光透過性は優れたものとすることができるが、開口部が目立つものとなってしまい、装飾品の美的外観を優れたものとすることができない。一方、n−nの値が上記範囲の上限値より大きい場合、臨界角(θ)が小さくなりすぎてしまい、装飾品に入射する光のうち、高屈折率材料膜と基材との界面において、第1の面側へと反射する光の成分が増え、反射膜に設けられた開口部を目立たなくさせることはできるが、光の透過性を十分高いものとすることができなくなる。すなわち、n−nの値が上記範囲から外れると、優れた美的外観と優れた光透過性とを両立することができない。
このような装飾品1において、上述したように、0.1≦n−n≦1.34の関係を満足するが、0.2≦n−n≦1.30の関係を満足するのがより好ましく、0.3≦n−n≦1.25の関係を満足するのがさらに好ましい。これにより、高屈折率材料膜13と基材12との界面での反射、透過は特に好適におきるため、光透過性を十分に高いものとしつつ、特に優れた美的外観を有する装飾品を提供することができる。
高屈折率材料膜13を構成する材料としては、n−nの値が、前記の関係を満たすものであればよく、例えば、各種金属の酸化物や硫化物、または、プラスチック材料等を用いることができ、好ましくは、Fe、Cu、Zn、Ni、Mg、Cr、Mn、Mo、Nb、Al、V、Zr、Sn、Au、Pd、Pt、Ag、Co、In、W、Ti、Rhの酸化物(複合酸化物を含む)、もしくはZnSのような亜鉛硫化物等が挙げられる。このような材料の中でも、高屈折率材料膜13が、TiO、ZnS、Nb、Ti、ZrO、WOから選択される少なくとも1種を含む材料で構成されたものであることが好ましい。これらの材料は、特に優れた光透過性を有しており、反射膜14が有している開口部15を通過した入射光は、基材12と高屈折率材料膜13との界面において好適に反射、透過する。したがって、これらの材料で構成された高屈折率材料膜13を備えた装飾品1は光透過性を十分に高いものとしつつ、美的外観に優れたものとなる。また、後述するような反射膜14を用いると、高屈折率材料膜13と反射膜14との密着性は特に優れたものとなる。
また、高屈折率材料膜13の平均厚さは、特に限定されないが、0.005〜0.3μmであるのが好ましく、0.007〜0.1μmであるのがより好ましく、0.01〜0.05μmであるのがさらに好ましい。高屈折率材料膜13の平均厚さが前記範囲内の値であると、装飾品1全体としての光透過性を十分に高いものとしつつ、美的外観を特に優れたものとすることができるとともに、高屈折率材料膜13の内部応力が高くなるのを十分に防止しつつ、基材12と反射膜14との密着性を特に優れたものとすることができる。これに対し、高屈折率材料膜13の平均厚さが前記下限値未満であると、高屈折率材料膜13、基材12、反射膜14の構成材料等によっては、基材12と反射膜14との密着性を向上させる機能が十分に発揮されない可能性がある。また、高屈折率材料膜13の形成方法等によっては、高屈折率材料膜13にピンホールが生じ易くなり、高屈折率材料膜13を備えることによる効果が十分に発揮されない可能性がある。一方で、高屈折率材料膜13の平均厚さが前記上限値を超えると、高屈折率材料膜13の各部位における膜厚のばらつきが大きくなる傾向を示す。また、高屈折率材料膜13の平均厚さが特に大きい場合は、高屈折率材料膜13の内部応力が高くなり、クラック等が発生し易くなる。
また、高屈折率材料膜13は複数の層を有する積層体であってもよい。これにより、例えば、基材12および反射膜14との密着性をさらに向上させることができる。より具体的には、前記積層体の基材12と接触する側の層を基材12との密着性に優れる材料で構成し、前記積層体の反射膜14と接触する側の層を反射膜14との密着性に優れる材料で構成することにより、基材12および反射膜14との密着性をさらに向上させることができる。
[反射膜]
高屈折率材料膜13の表面(基材12と接触する面とは反対側の面)には、外光を反射する機能を有する反射膜14が設けられている。
反射膜14を構成する材料としては、各種金属材料、各種金属の酸化物、硫化物等の金属化合物材料、プラスチック材料、もしくは、これらの材料の複合物等が挙げられるが、これらの材料の中でも、反射膜14を構成する材料としては、金属材料が好ましい。金属材料は、一般に、金属光沢を有しており、光(可視光)を反射する機能を有している。したがって、反射膜14が金属材料で構成されたものであると、光(可視光)を反射する反射膜として機能する。
反射膜14を構成する金属材料としては、例えば、各種金属(合金を含む)を用いることができ、好ましくは、Fe、Cu、Zn、Ni、Mg、Cr、Mn、Mo、Nb、Al、V、Zr、Sn、Au、Pd、Pt、Ag、Co、In、W、Ti、Rhや、これらのうち少なくとも1種を含む合金が挙げられる。反射膜14は、上記のような材料の中でも特に、Ag、Cr、Au、Al、Ti、Sn、Inから選択される少なくとも1種を含む材料(合金を含む)で構成されたものであるのが好ましい。これにより、装飾品1の美的外観を特に優れたものとすることができる。なお、反射膜14が上記金属材料で構成されたものである場合、反射膜14は、金属材料以外の成分を含むものであってもよい。
また、反射膜14の構成材料は、高屈折率材料膜13を構成する元素のうち少なくとも1種を含むものであってもよい。言い換えると、高屈折率材料膜13と反射膜14とは、少なくともこれらが接触する部位において、互いに共通の元素を含む材料で構成されたものであってもよい。例えば、高屈折率材料膜13がMOn/2の組成式(ただし、Mは金属元素を表し、nはMの価数を示す)で表される金属酸化物を含む場合、反射膜14は、Mを含むものであってもよい。これにより、高屈折率材料膜13と反射膜14との密着性がさらに向上する。
さらに、装飾品1が、上記の材料で構成された反射膜14、および、前述したTiO、ZnS、Nb、Ti、ZrO、WOから選択される少なくとも1種を含む材料で構成された高屈折率材料膜13を備えたものであると、反射膜14と高屈折率材料膜13との密着性を特に優れたものとすることができ、装飾品1の耐久性を特に優れたものとすることができるとともに、装飾品1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
反射膜14の表面(基材12と対向する面とは反対側の面の表面)は、後述する開口部15が設けられた部位以外において、実質的に平坦(平滑)なもの、すなわち、鏡面であるのが好ましい。これにより、外表面側から反射膜14に入射する光は、より好適に反射されるため、反射膜14の有する高級感が特に強調されるとともに、開口部15をより目立たなくさせることができる。装飾品1の美的外観は特に優れたものとなる。より具体的には、反射膜14の表面粗さRa(基材12と対向する面とは反対側の面の表面粗さRa)は、特に限定されないが、0.001〜0.5μmであるのが好ましく、0.001〜0.1μmであるのがより好ましい。これにより、上記のような効果はさらに顕著なものとして発揮される。
反射膜14の平均厚さは、特に限定されないが、0.005〜2.5μmであるのが好ましく、0.01〜2.0μmであるのがより好ましく、0.05〜1.0μmであるのがさらに好ましい。反射膜14の平均厚さが前記範囲内の値であると、反射膜14の内部応力が高くなるのを十分に防止しつつ、装飾品1の審美性を特に優れたものとすることができる。また、高屈折率材料膜13と反射膜14との密着性を特に優れたものとすることができる。また、装飾品1全体としての光の透過率を十分に大きいものとすることができる。これに対し、反射膜14の平均厚さが前記下限値未満であると、反射膜14の構成材料等によっては、反射膜14の光沢、色調等の特長を十分に発揮するのが困難となり、装飾品1全体としての審美性を十分に高めるのが困難になる可能性がある。また、反射膜14の平均厚さが前記下限値未満であると、反射膜14の形成方法等によっては、反射膜14にピンホールが生じ易くなる。また、反射膜14の平均厚さが前記下限値未満であると、好適な形状の開口部15を形成するのが困難になる可能性がある。また、反射膜14、高屈折率材料膜13の構成材料等によっては、高屈折率材料膜13と反射膜14との密着性を十分に向上させるのが困難になる可能性がある。また、反射膜14の平均厚さが前記上限値を超えると、反射膜14の各部位における膜厚のばらつきが大きくなる傾向を示す。また、反射膜14の平均厚さが特に大きい場合は、反射膜14の内部応力が高くなり、クラック等が発生し易くなる。また、反射膜14の平均厚さが前記上限値を超えると、装飾品1全体としての光の透過率が減少する傾向を示す。
また、反射膜14は、各部位で均一な組成を有するものであってもよいし、そうでなくてもよい。例えば、反射膜14は、含有成分(組成)が厚さ方向に順次変化するもの(傾斜材料)であってもよい。また、反射膜14は、複数の層を有する積層体であってもよい。これにより、例えば、高屈折率材料膜13との密着性を特に優れたものとしつつ、装飾品1としての審美性をさらに高めることができる。すなわち、前記積層体の高屈折率材料膜13と接触する側の層を高屈折率材料膜13との密着性に優れる材料で構成し、前記積層体の最外層(高屈折率材料膜13から最も離れた側の層)を審美性に優れる材料で構成することにより、高屈折率材料膜13との密着性を特に優れたものとしつつ、装飾品1としての審美性をさらに高めることができる。また、反射膜14が積層体である場合、例えば、実質的に金属材料を含まない材料で構成された層を有していてもよい。より具体的には、反射膜14は、金属材料で構成された2つの層の間に、金属酸化物等で構成された層が介挿された構成を有するものであってもよい。
また、前述した高屈折率材料膜13の平均厚さと反射膜14の平均厚さとの和は、0.01〜2.8μmであるのが好ましく、0.05〜1.5μmであるのがより好ましく、0.1〜0.8μmであるのがさらに好ましい。高屈折率材料膜13の平均厚さと反射膜14の平均厚さとの和が前記範囲内の値であると、高屈折率材料膜13や反射膜14の内部応力が高くなるのを十分に防止しつつ、基材12、高屈折率材料膜13、反射膜14の密着性を特に優れたものとすることができる。また、高屈折率材料膜13の平均厚さと反射膜14の平均厚さとの和が前記範囲内の値であると、装飾品1全体としての光の透過性が向上する。その結果、装飾品1をソーラー時計用部品により好適に適用することができる。
[開口部]
反射膜14には、その厚さ方向に貫通する開口部15が所定の割合で設けられている。このような開口部15を有することにより、高屈折率材料膜13の反射膜14で被覆されていない部位が外部からの光を透過させる透過部16となっており、装飾品1は、外部からの光を十分に透過させることができるものとなっている。また、開口部15に入射した外光のうち、ソーラー発電に有効に利用することができないような入射角度の光は、基材12と高屈折率材料膜13との界面で反射することにより、開口部15の存在を目立たなくさせることができる。したがって、優れた装飾性(美的外観)と、優れた光透過性とを両立する装飾品1を提供することができる。さらに、開口部15の幅を比較的大きいものとした場合でも、上記の効果により、十分に開口部15を目立たなくさせることができる。このような装飾品1は、例えば、ソーラー時計(太陽電池を内蔵する時計)や、ソーラー電波時計等に好適に適用することができる。
このような開口部15の形成方法は特に限定されないが、後に詳述するようにエッチングにより形成されたものであるのが好ましい。開口部15がエッチングにより形成されたものであることにより、開口部15は、以下に詳述するような好適なものとなる。
開口部15は、反射膜14の外表面を荒らすことなく設けられている。言い換えると、反射膜14の外表面は、開口部15が設けられた部位を除き、表面粗さが非常に小さく(ほぼ平坦に)なっており、開口部15付近における隆起等はない。開口部15がこのように設けられたものであると、装飾品1の美的外観は特に優れたものとなる。
開口部15の形状は、特に限定されず、例えば、平面視した際の形状が略円形状、略楕円形状、略多角形状、スリット状、格子状等、いかなる形状であってもよい。中でも、開口部15の形状としては、平面視した際に略円形状を示すものであるのが好ましい。これにより、装飾品1の外観において、開口部15の存在をより目立ち難いものとすることができる。また、このような形状の開口部15は、その形成を容易に行うことができ、また、その大きさをより確実に制御することができる。
また、図中Wで表される開口部15の幅は、40〜150μmであるのが好ましく、50〜130μmであるのがより好ましく、60〜120μmであるのがさらに好ましい。開口部15の幅Wが上記範囲内の値であると、十分に優れた美的外観を有しつつ、装飾品1の光透過性を特に優れたものとなる。既存の開口部を有するソーラー時計用文字板では、開口部の幅が上記したような範囲である場合、開口部が目立ってしまい、装飾性の審美性が著しく低下するものであった。しかし、本発明では、前述したように、装飾品1に入射した光は、反射膜14で反射されるとともに、基材12と高屈折率材料膜13との界面における全反射によっても第1の面側へと反射されるため、開口部15を目立たなくさせることができる。そのため、装飾品1の美的外観(審美性)も、光透過性と併せて、特に優れたものとすることができる。さらに、開口部15の幅が上記範囲内であれば、開口部15の形成をさらに容易に、かつ、精度よく加工することができるため、装飾品1の生産性(歩留まり)を十分に高いものとすることができる。これに対し、開口部15の幅Wが前記下限値未満であると、開口部15の占有面積の割合によっては、装飾品1全体としての光の透過率を十分に高めるのが困難になる可能性がある。また、開口部を形成する際、同一の大きさ、および形状で成形するのが困難となる可能性がある。一方、開口部15の幅Wが前記上限値を超えると、反射膜14の構成材料や厚さ等によっては、装飾品1の外観上、開口部15の存在が目立ち、装飾品1の審美性が低下する傾向があらわれる。なお、開口部15が平面視した際に略円形状を示すものである場合には、その直径を開口部15の幅Wとし、開口部15が平面視した際に略楕円形状を示すものである場合には、その短軸方向の長さを開口部15の幅Wとすることができる。
反射膜14を平面視したときにおける、開口部15の占める面積の割合は、15〜45%である。開口部の占める面積率が前記下限値未満であると、装飾品全体としての光の透過率を十分に高めることができない。また、光の透過率を向上させる目的で、反射膜の厚さを薄くすることも考えられるが、このような場合、装飾品全体としての審美性が低下する。一方、開口部の占める面積率が前記上限値を超えると、開口部の存在が目立つようになり、装飾品の審美性が著しく低下する。
上述したように、反射膜14を平面視したときにおける開口部15の占める面積の割合(開口部15の占有面積の割合)は、15〜45%であるが、20〜42%であるのが好ましく、25〜38%であるのがより好ましい。これにより、上述したような効果はさらに顕著なものとして発揮される。
また、図中Pで表される開口部15のピッチは、60〜300μmであるのが好ましく、80〜200μmであるのがより好ましく、130〜180μmであるのがさらに好ましい。開口部15のピッチPが前記範囲内の値であると、装飾品1としての光の透過性を十分に高いものとしつつ、装飾品1の美的外観(審美性)を特に優れたものとすることができる。これに対し、開口部15のピッチPが前記下限値未満であると、反射膜14の構成材料や厚さ等によっては、装飾品1の外観上、開口部15の存在が目立ち、装飾品1の審美性が低下する傾向があらわれる。一方、開口部15のピッチPが前記上限値を超えると、開口部15の占有面積の割合によっては、装飾品1全体としての光の透過率を十分に高めるのが困難になる可能性がある。なお、開口部15のピッチとは、隣接する開口部15−開口部15間の中心間距離のことを指し、隣接する開口部が複数個ある場合には、最も近接した開口部15との中心間距離のことを指す。
[装飾品]
以上説明したような装飾品1は、装飾性を備えた物品であればいかなるものでもよいが、例えば、置物等のインテリア、エクステリア用品、宝飾品、時計ケース(胴、裏蓋、胴と裏蓋とが一体化されたワンピースケース等)、時計バンド(バンド中留、バンド・バングル着脱機構等を含む)、文字板、時計用針、ベゼル(例えば、回転ベゼル等)、りゅうず(例えば、ネジロック式りゅうず等)、ボタン、カバーガラス、ガラス縁、ダイヤルリング、見切板、パッキン等の時計用外装部品、ムーブメントの地板、歯車、輪列受け、回転錘等の時計用内装部品、メガネ(例えば、メガネフレーム)、ネクタイピン、カフスボタン、指輪、ネックレス、ブレスレット、アンクレット、ブローチ、ペンダント、イヤリング、ピアス等の装身具、ライターまたはそのケース、自動車のホイール、ゴルフクラブ等のスポーツ用品、銘板、パネル、賞杯、その他ハウジング等を含む各種機器部品、各種容器等に適用することができる。この中でも特に、時計用外装部品がより好ましい。時計用外装部品は、一般に、外部からの衝撃を受け易い装飾品であり、装飾品としての外観の美しさが要求されるとともに、実用品としての耐久性も求められるが、本発明によればこれらの要件を同時に満足することができる。なお、本明細書中での「時計用外装部品」とは、外部から視認可能なものであればいかなるものであってもよく、時計の外部に露出しているものに限らず、時計の内部に内蔵されたものも含む。
また、装飾品1は、時計用外装部品の中でも特に、文字板に適用されるものであるのが好ましい。文字板は、時計を構成する各種部品の中でも、特に優れた美的外観が要求される部品である。また、後述するようなソーラー時計(ソーラー電波時計を含む)では、通常、文字板は、太陽電池を覆うように、太陽電池上(太陽電池の受光面上)に配置されている。したがって、ソーラー時計においては、文字板に、光の優れた透過性が求められるが、本発明の装飾品1によれば、このような要求を十分に満足することができる。
また、装飾品1は、時計用外装部品の中でも特に、腕時計に適用されるものであるのが好ましい。腕時計は、一般に、使用される環境の条件が一定ではなく、様々な環境下において優れた装飾性、実用性が求められるものであるが、本発明の装飾品1によれば、このような要求を十分に満足することができる。
また、装飾品1は、以下に述べるような理由から、時計用部品(時計用外装部品)の中でも特に、ソーラー時計用部品(ソーラー電波時計用部品を含む)であるのが好ましい。
すなわち、装飾品1は、上述したような開口部15を有しているため、光の透過性に優れるとともに、開口部15を目立たなくさせる構成を備えており、美的外観にも優れている。特に、装飾品1は、基材12と反射膜14との間に高屈折率材料膜13を有しているため、高屈折率材料膜13の色調等により、反射膜14の厚さが比較的薄い場合であっても、装飾品1全体としての美的外観を優れたものとすることができる。また、装飾品1は、基材12が光透過性を有する材料で構成されている。これらのことから、装飾品1においては、優れた美的外観を発揮させるとともに、光の透過性を特に優れたものとすることができる。したがって、装飾品1は、ソーラー時計用部品に好適に適用することができる。
<装飾品の製造方法>
次に、上述した装飾品1の製造方法について説明する。
図3は、本発明の装飾品の製造方法の好適な実施形態を示す断面図である。
図3に示すように、本実施形態の装飾品の製造方法は、基材12の表面(3a)に、高屈折率材料膜13を形成する高屈折率材料膜形成工程(3b)と、高屈折率材料膜13、反射膜114を形成する反射膜形成工程(3c)と、エッチングやエネルギー線照射等により、反射膜14に開口部15を形成する開口部形成工程(3d)とを有する。
[基材]
基材12としては、前述したようなものを用いることができる。
また、基材12の表面に対しては、例えば、鏡面加工、スジ目加工、梨地加工等の表面加工が施されてもよい。これにより、得られる装飾品1の表面の光沢具合にバリエーションを持たせることが可能となり、得られる装飾品1の装飾性をさらに向上させることができる。
また、このような表面加工を施した基材12を用いて製造される装飾品1は、高屈折率材料膜13、反射膜14に対して、前記表面加工を施すことにより得られるものに比べて、反射膜14のギラツキ等が抑制されたものとなり、特に美的外観に優れたものとなる。また、高屈折率材料膜13、反射膜14は、通常、比較的薄いものであるため、高屈折率材料膜13、反射膜14に対して表面加工を施すと、当該表面処理を施した部位の高屈折率材料膜13、反射膜14が完全に除去されてしまう可能性があるが、基材12に対して表面処理を行うことにより、このような問題の発生も効果的に防止することができる。
[高屈折率材料膜形成工程]
基材12に、基材12を構成する材料よりも高い屈折率を有し、かつ光透過性を有する材料で構成された高屈折率材料膜13を形成する(3b)。
上述したように、高屈折率材料膜13は、基材12および反射膜14との密着性に優れるものである。このような高屈折率材料膜13を形成することにより、装飾品1全体としての耐久性を特に優れたものとすることができる。
高屈折率材料膜13の形成方法は、特に限定されず、例えば、スピンコート、ディッピング、刷毛塗り、噴霧塗装、静電塗装、電着塗装等の塗装、電解めっき、浸漬めっき、無電解めっき等の湿式めっき法や、熱CVD、プラズマCVD、レーザーCVD等の化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の乾式めっき法(気相成膜法)、溶射等が挙げられるが、乾式めっき法(気相成膜法)が好ましい。高屈折率材料膜13の形成方法として乾式めっき法(気相成膜法)を適用することにより、均一な膜厚を有し、均質で、かつ、基材12との密着性が特に優れた高屈折率材料膜13を確実に形成することができる。その結果、最終的に得られる装飾品1の審美的外観、耐久性を特に優れたものとすることができる。また、高屈折率材料膜13の形成方法として乾式めっき法(気相成膜法)を適用することにより、形成すべき高屈折率材料膜13が比較的薄いものであっても、膜厚のばらつきを十分に小さいものとすることができる。このため、例えば、得られる装飾品1の耐久性を十分に高いものとしつつ、装飾品1の光の透過性を向上させることができる。したがって、得られる装飾品1をソーラー時計、ソーラー電波時計等の時計用部品に、より好適に適用することができる。
また、上記のような乾式めっき法(気相成膜法)の中でも、スパッタリングが特に好ましい。高屈折率材料膜13の形成方法としてスパッタリングを適用することにより、上記のような効果はより顕著なものとなる。すなわち、高屈折率材料膜13の形成方法としてスパッタリングを適用することにより、均一な膜厚を有し、均質で、かつ、基材12との密着性が特に優れた高屈折率材料膜13をより確実に形成することができる。その結果、最終的に得られる装飾品1の審美的外観、耐久性をさらに優れたものとすることができる。また、高屈折率材料膜13の形成方法としてスパッタリングを適用することにより、形成すべき高屈折率材料膜13が比較的薄いものであっても、膜厚のばらつきを特に小さいものとすることができる。このため、例えば、得られる装飾品1の耐久性を高いものとしつつ、装飾品1の光の透過性をさらに向上させることができる。したがって、得られる装飾品1をソーラー時計、ソーラー電波時計等の時計用部品に、さらに好適に適用することができる。
なお、上記のような乾式めっき法を適用する場合、例えば、高屈折率材料膜13を構成する材料が、前述したような各種金属材料の酸化物であれば、これらの金属酸化物に対応する金属をターゲットとして用い、酸素ガスを含む雰囲気中で処理を行うことにより、高屈折率材料膜13を容易かつ確実に形成することができる。
また、高屈折率材料膜13の形成は、異なる複数の方法、条件を組み合わせて行ってもよい。これにより、前述したような積層体で構成された高屈折率材料膜13を好適に形成することができる。
[反射膜形成工程]
次に、上記のようにして形成された高屈折率材料膜13上に、主として金属材料で構成された反射膜14を形成する(3c)。
反射膜14の形成方法は、特に限定されず、例えば、スピンコート、ディッピング、刷毛塗り、噴霧塗装、静電塗装、電着塗装等の塗装、電解めっき、浸漬めっき、無電解めっき等の湿式めっき法や、熱CVD、プラズマCVD、レーザーCVD等の化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の乾式めっき法(気相成膜法)、溶射等が挙げられるが、乾式めっき法(気相成膜法)が好ましい。反射膜14の形成方法として乾式めっき法(気相成膜法)を適用することにより、均一な膜厚を有し、均質で、かつ、高屈折率材料膜13との密着性が特に優れた反射膜14を確実に形成することができる。その結果、最終的に得られる装飾品1の審美的外観、耐久性を特に優れたものとすることができる。また、反射膜14の形成方法として乾式めっき法(気相成膜法)を適用することにより、形成すべき反射膜14が比較的薄いものであっても、膜厚のばらつきを十分に小さいものとすることができる。このため、例えば、得られる装飾品1の耐久性を十分に高いものとしつつ、装飾品1の光の透過性を向上させることができる。したがって、得られる装飾品1を電波時計、ソーラー時計等の時計用部品に、より好適に適用することができる。
また、上記のような乾式めっき法(気相成膜法)の中でも、スパッタリングが特に好ましい。反射膜14の形成方法としてスパッタリングを適用することにより、上記のような効果はより顕著なものとなる。すなわち、反射膜14の形成方法としてスパッタリングを適用することにより、均一な膜厚を有し、均質で、かつ、高屈折率材料膜13との密着性が特に優れた反射膜14をより確実に形成することができる。その結果、最終的に得られる装飾品1の審美的外観、耐久性をさらに優れたものとすることができる。また、反射膜14の形成方法としてスパッタリングを適用することにより、形成すべき反射膜14が比較的薄いものであっても、膜厚のばらつきを特に小さいものとすることができる。このため、例えば、得られる装飾品1の耐久性を高いものとしつつ、装飾品1の光の透過性をさらに向上させることができる。したがって、得られる装飾品1を電波時計、ソーラー時計等の時計用部品に、さらに好適に適用することができる。
なお、上記のような乾式めっき法を適用する場合、例えば、反射膜14を構成する金属をターゲットとして用い、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気中で処理を行うことにより、反射膜14を容易かつ確実に形成することができる。また、上述した高屈折率材料膜形成工程を乾式めっき法により行う場合、例えば、気相成膜装置内(チャンバー内)の雰囲気ガスの組成を、酸素ガスを含むものから、不活性ガスに置換し、必要に応じて、ターゲットを変更することにより、同一装置内で、高屈折率材料膜形成工程と反射膜形成工程とを、(基材12を装置内から取り出すことなく)引き続いて行うことができる。これにより、基材12、高屈折率材料膜13、反射膜14の密着性が特に優れたものとなるとともに、装飾品1の生産性も向上する。
また、反射膜14の形成は、異なる複数の方法、条件を組み合わせて行ってもよい。これにより、前述したような積層体で構成された反射膜14を好適に形成することができる。
[開口部形成工程]
次に、開口部15を形成する(3d)。
開口部15の形成方法は、特に限定されず、例えば、反射膜14の一部(開口部15に対応する部位)をエッチングにより除去する方法、反射膜14の一部(開口部15に対応する部位)をブラスト処理等により機械的に除去する方法、エネルギー線の照射により除去する方法等が挙げられるが、本実施形態では、反射膜14の一部(開口部15に対応する部位)をエッチングにより除去する方法を用いる。このような方法を用いることにより、所望の形状を有し、かつ、所望のパターンで配置された開口部15を、容易かつ確実に形成することができる。特に、開口部15の幅が、前述したように比較的大きい場合には、精度よく開口部15を形成することができる。その結果、精度の高い開口パターンを有する高品質の装飾品1を安定して提供することができるとともに、開口部形成工程での生産性(歩留まり)を十分に高いものとすることができる。
エッチングにより開口部15を形成する方法としては、例えば、以下のような形成方法で開口部15を、容易かつ確実に形成することができる。
上記のように形成された反射膜14上に、マスクを形成する。このようなマスクは、所定のパターンで設けられた開口部(開口部15に対応するパターンで設けられた開口部)を有するものである。また、前記マスクは、エッチング液に対して高い耐性を有しており、被覆した部位の反射膜14を保護する機能(被覆した部位の反射膜14がエッチングされるのを防止する機能)を有する。上記の条件を満たすマスクを反射膜14上に形成した状態で、エッチング液に所定時間浸すことにより、高屈折率材料膜13を侵すことなく、所望の形状、および、所望のパターンを有するの開口部15を形成することができる。また、開口部15を形成した後に、マスクが形成された部位をマスク除去剤に浸漬することにより、容易かつ確実にマスクを除去することができる。
次に、上述したような本発明の装飾品を備えた本発明の時計について説明する。
本発明の時計は、上述したような本発明の装飾品を有するものである。上述したように、本発明の装飾品は、光透過性および装飾性(美的外観)に優れたものである。このため、このような装飾品を備えた本発明の時計は、ソーラー時計や電波時計としての求められる要件を十分に満足することができる。なお、本発明の時計を構成する前記装飾品(本発明の装飾品)以外の部品としては、公知のものを用いることができるが、以下に、本発明の時計の構成の一例について説明する。
図4は、本発明の時計(腕時計)の好適な実施形態を示す断面図である。
図4に示すように、本実施形態の腕時計(携帯時計)100は、胴(ケース)72と、裏蓋73と、ベゼル(縁)74と、ガラス板(カバーガラス)75とを備えている。また、ケース72内には、前述したような本発明の装飾品としての文字板(時計用文字板)10と、太陽電池88と、ムーブメント71とが収納されており、さらに、図示しない針(指針)等が収納されている。
ガラス板75は、通常、透明性の高い透明ガラスやサファイア等で構成されている。これにより、本発明の装飾品としての文字板10の審美性を十分に発揮させることができるとともに、太陽電池88に十分な光量の光を入射させることができる。
ムーブメント71は、太陽電池88の起電力を利用して、指針を駆動する。
図4中では省略しているが、ムーブメント71内には、例えば、太陽電池88の起電力を貯蔵する電気二重層コンデンサー、リチウムイオン二次電池や、時間基準源として水晶振動子や、水晶振動子の発振周波数をもとに時計を駆動する駆動パルスを発生する半導体集積回路や、この駆動パルスを受けて輪列機構を1秒毎に指針を駆動するステップモーターや、ステップモーターの動きを指針に伝達する輪列機構等を備えている。
また、ムーブメント71は、図示しない電波受信用のアンテナを備えている。そして、受信した電波を用いて時刻調整等を行う機能を有している。
太陽電池88は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する機能を有する。そして、太陽電池88で変換された電気エネルギーは、ムーブメントの駆動等に利用される。
太陽電池88は、例えば、非単結晶シリコン薄膜にp型の不純物とn型の不純物とが選択的に導入され、さらにp型の非単結晶シリコン薄膜とn型の非単結晶シリコン薄膜との間に不純物濃度の低いi型の非単結晶シリコン薄膜を備えたpin構造を有している。
胴72には巻真パイプ76が嵌入・固定され、この巻真パイプ76内にはりゅうず77の軸部771が回転可能に挿入されている。
胴72とベゼル74とは、プラスチックパッキン78により固定され、ベゼル74とガラス板75とはプラスチックパッキン79により固定されている。
また、胴72に対し裏蓋73が嵌合(または螺合)されており、これらの接合部(シール部)85には、リング状のゴムパッキン(裏蓋パッキン)84が圧縮状態で介挿されている。この構成によりシール部85が液密に封止され、防水機能が得られる。
りゅうず77の軸部771の途中の外周には溝772が形成され、この溝772内にはリング状のゴムパッキン(りゅうずパッキン)83が嵌合されている。ゴムパッキン83は巻真パイプ76の内周面に密着し、該内周面と溝772の内面との間で圧縮される。この構成により、りゅうず77と巻真パイプ76との間が液密に封止され防水機能が得られる。なお、りゅうず77を回転操作したとき、ゴムパッキン83は軸部771と共に回転し、巻真パイプ76の内周面に密着しながら周方向に摺動する。
なお、上記の説明では、時計の一例として、腕時計(携帯時計)を挙げて説明したが、本発明は、腕時計以外の携帯時計、置時計、掛け時計等の他の種類の時計にも同様に適用することができる。
なお、上記の説明では、文字板として本発明の装飾品が適用されたものを用いるものとして説明したが、文字板以外の部品(装飾品)に本発明の装飾品が適用されてもよい。例えば、時計を構成する胴(ケース)、針等が本発明の装飾品で構成されたものであってもよい。また、時計を構成する複数の部品(装飾品)が本発明の装飾品で構成されたものであってもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、本発明の装飾品は、反射膜の高屈折率材料膜に対向する面とは反対の面側に設けられ、光透過性を有する材料で構成されたコート層(保護膜)を有していてもよい。このようなコート層(保護膜)を有することにより、例えば、光の透過性を十分に高いものとしつつ、光沢性、色調等を調整することができ、装飾品の美的外観をさらに優れたものとすることができる。また、このようなコート層(保護膜)を有することにより、例えば、装飾品全体としての、耐食性、耐候性、耐水性、耐油性、耐擦傷性、耐摩耗性、耐変色性等の各種特性を向上させることができ、外部環境の影響による反射膜等の劣化、変性等をより確実に防止することができる。その結果、装飾品としての耐久性を特に優れたものとすることができる。
また、前述した実施形態では、基材と高屈折率材料膜とが隣接し、高屈折率材料膜と反射膜とが隣接するものとして説明したが、これらの間には、例えば、少なくとも1層の中間層があってもよい。
また、本発明の装飾品の製造方法は、前述した方法に限定されるものではない。
前述した実施形態では、高屈折率材料膜上に反射膜を形成した後に、反射膜に開口部を形成する方法を用いて装飾品を製造したが、後工程として開口部を形成する工程を要していなくてもよく、例えば、反射膜の形成と同時に開口部が形成されるものであってもよい。このような製造方法としては、例えば、高屈折率材料膜形成工程までは装飾品1と同様に形成した後、高屈折率材料膜上に、所定のパターンで開口部が設けられたマスクを配した状態で、成膜を行うことにより、反射膜を形成する方法を用いてもよい。ここで用いるマスクは、マスクに設けられた開口部に対応する個所に、反射膜が形成され、逆に、マスク(開口部を除く)で被覆された個所が、装飾品に形成すべき開口部(装飾品1での開口部15に相当)になるように設計されたものである。この方法を用いることにより、直接、開口部を有する反射膜を形成することができる。このため、装飾品の製造時間の短縮を図ることができる。また、多数個の装飾品の製造に、1つのマスクを繰り返し用いることができるため、装飾品の生産性が向上するとともに、各装飾品間での品質のばらつきを抑制することができる。すなわち、装飾品の品質の信頼性が向上する。また、化学的方法(化学的処理)、物理的方法(物理的処理)により開口部を形成する必要がないため、不本意な凹凸のない反射膜を好適に形成することができる。また、マスクに設けられた開口部のパターンを変更するだけで、反射膜の形成条件を大きく変更することなく、多様なパターンの開口部を有する装飾品の生産にも好適に対応することができる。すなわち、多品種生産にも効率良く対応することができる。
また、前述した実施形態では、図5に示すように、反射膜14に複数個(多数個)の開口部15を形成するものとして説明したが、本発明において、反射膜が有する開口部は、少なくとも一つあればよい。例えば、図6、図7に示すように、開口部15は、光を反射することができる領域(光反射領域)が、島状に多数個形成されるように設けられるものであってもよい。このような場合、光反射領域の形状(反射膜を平面視したときの形状)は、略三角形、略四角形、略五角形、略六角形等の略多角形、略円形、略楕円形等いかなる形状であってもよいが、略多角形状であるのが好ましい。このような実施形態においても、装飾品の美的外観を十分に優れたものとしつつ、光の透過率をさらに高いものとすることができる。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.装飾品の製造
(実施例1)
以下に示すような方法により、装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
まず、ポリカーボネートを用いて、圧縮成形により、腕時計用外装部品(文字板)の形状を有する基材を作製し、その後、必要箇所を切削、研磨した。得られた基材は、略円盤状をなし、直径:約27mm×厚さ:約0.5mmであった。
次に、この基材を洗浄した。基材の洗浄としては、まず、アルカリ浸漬脱脂を30秒間行い、その後、中和を10秒間、水洗を10秒間、純水洗浄を10秒間行った。
このようにして洗浄を行った基材の表面に、TiOで構成される高屈折率材料膜を、以下に説明するようなスパッタリングにより形成した(高屈折率材料膜形成工程)。
まず、洗浄済みの基材をスパッタリング装置内に取付け、その後、装置内を予熱しながら、スパッタリング装置内を3×10−3Paまで排気(減圧)した。
次に、アルゴンガス流量:40ml/分でアルゴンガスを導入するとともに、酸素流量:10ml/分で酸素を導入した。このような状態で、ターゲットとしてチタンTiを用い、投入電力:1400W、処理時間:3.0分間という条件で放電を行うことにより、TiO(屈折率2.51)で構成される高屈折率材料膜を形成した。
このようにして形成された高屈折率材料膜の平均厚さは、0.01μmであった。
引き続き、上記のようにして形成された高屈折率材料膜の表面に、Agで構成される反射膜を、以下に説明するようなスパッタリングにより形成した(反射膜形成工程)。
まず、装置内を3×10−3Paまで排気(減圧)し、その後、アルゴンガス流量:35ml/分でアルゴンガスを導入した。このような状態で、ターゲットとしてAgを用い、投入電力:1400W、処理時間:2.0分間という条件で放電を行うことにより、Agで構成される反射膜を形成した。
このようにして形成された反射膜の平均厚さは、0.2μmであった。
次に、反射膜の表面に、マスク形成用膜を被覆した。
マスク形成用膜の形成は、スピンコーターを用い、回転数3000rpmという条件により、反射膜の表面に東京応化工業(株)製フォトレジスト(製品名:PMER)を使用してマスク形成用膜を被覆し、その後、70〜100℃で、20分間乾燥することにより行った。形成されたマスク形成用膜の平均厚さは、約10μmであった。
次に、マスク形成用膜に、所定のパターンで開口部を形成することにより、開口部を有するマスクとした。マスク形成用膜への開口部の形成を露光により行った。光源としては、超高圧水銀灯を用いた。また、この際、光源と基材とを相対的に移動させつつ、レーザー光を間欠的に照射した。また、光源からの照射は、光量100mJ/cmという条件で行った。
次に、エッチング液を用いたエッチングを行うことにより、反射膜のうち、マスクで被覆されていない部位に開口部を形成した。
エッチングは、マスクで被覆された基材(基材、高屈折率材料膜、反射膜の積層体)をエッチング液でのシャワー方式により行った。このとき、エッチング液として、40〜50wt%の硝酸の水溶液を用いた。また、本工程におけるエッチング液の温度、エッチング時間は、それぞれ約20℃、約5分間であった。
これにより、反射膜を貫通する円形状の開口部が多数個形成された。形成された開口部の幅(直径)Wは90μm、開口部のピッチPは140μmであった。また、反射膜を平面視したときにおける開口部の占める面積の割合(開口部の占有面積の割合)は29%であった。
次に、水酸化ナトリウム溶液で構成されたマスク除去剤に浸漬することにより、マスクを除去した。また、本工程におけるマスク除去剤の温度、マスク除去剤への浸漬時間は、それぞれ30〜40℃、5〜10分間であった。露出した反射膜の表面粗さRa(開口部を除く部分の反射膜の表面粗さRa)は、0.1μmであった。
なお、高屈折率材料膜、反射膜、マスク(マスク形成用膜)の厚さは、JIS H 5821で規定される顕微鏡断面試験方法に従い測定した。
(実施例2)
高屈折率材料膜形成工程および反射膜形成工程の処理時間を変更することにより、高屈折率材料膜、反射膜の平均厚さを表1に示すようにするとともに、開口部形成工程において、マスク形成用膜に形成する開口部パターンを変更することにより、反射膜に表1に示すような幅W、およびピッチPとなる開口部を形成した以外は、前記実施例1と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
(実施例3〜7)
開口部形成工程において、マスク形成用膜に形成する開口部パターンを変更することにより、反射膜に表1に示すような幅W、およびピッチPとなる開口部を形成した以外は、前記実施例1と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
(実施例8)
高屈折率材料膜の成膜条件を変更することにより、前記実施例1で形成したTiO膜(屈折率2.51)とは異なる屈折率を有するTiO膜(屈折率2.80)を、平均厚さが0.005[μm]となるように形成し、開口部形成工程後の反射膜上に、ポリウレタンで構成されるコート層を設けた以外は、前記実施例1と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。ここで、コート層の形成は、スピンコート法により行った。形成されたコート層の平均厚さは、10μmであった。また、得られた装飾品において、コート層はその一部が開口部内に侵入していた。
なお、上記TiO膜(屈折率2.80)は、高屈折率材料膜形成工程において、ターゲットとしてTiを用い、アルゴン流量:35ml/分、酸素流量:15ml/分、投入電力:1700W、処理時間:2.0分間という条件で放電を行うことにより形成した。
(実施例9)
高屈折率材料膜形成工程においてターゲット、および処理条件を変更するとともに、反射膜形成工程の処理時間を変更することにより、反射膜の平均厚さを表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
高屈折率材料膜形成工程は、ターゲットとしてZnSを用い、アルゴンガス流量:35ml/分、投入電力:1400W、処理時間:1.0分間という条件で放電を行い、ZnSで構成される高屈折率材料膜を形成した。また、形成された高屈折率材料膜の平均厚さは、0.02μmであった。
(実施例10)
高屈折率材料膜形成工程においてターゲット、および処理条件を変更するとともに、開口部形成工程において、マスク形成用膜に形成する開口部パターンを変更することにより、反射膜に表1に示すような幅W、およびピッチPとなる開口部を形成した以外は、前記実施例1と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
高屈折率材料膜形成工程は、ターゲットとしてニオブNbを用い、アルゴン流量:40ml/分、酸素流量:10ml/分、投入電力:900W、処理時間:2.0分間という条件で放電を行い、Nbで構成される高屈折率材料膜を形成した。また、形成された高屈折率材料膜の平均厚さは、0.04μmであった。
(実施例11)
高屈折率材料膜形成工程においてターゲット、および処理条件を変更するとともに、反射膜形成工程の処理時間を変更することにより、反射膜の平均厚さを表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
高屈折率材料膜形成工程は、ターゲットとしてTiを用い、アルゴン流量:40ml/分、酸素流量:20ml/分、投入電力:900W、処理時間:3.0分間という条件で放電を行いTiで構成される高屈折率材料膜を形成した。また、形成された高屈折率材料膜の平均厚さは、0.04μmであった。
(実施例12)
高屈折率材料膜を構成する際(高屈折率材料膜形成工程)において、ターゲットとしてジルコニウムZrを用い、アルゴン流量:40ml/分、酸素流量:10ml/分、投入電力:900W、処理時間:2.0分間という条件で放電を行った以外は、前記実施例1と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。形成された高屈折率材料膜は、ZrOで構成されるものであり、その平均厚さは、0.3μmであった。
(実施例13)
高屈折率材料膜を構成する際(高屈折率材料膜形成工程)において、ターゲットとしてタングステンWを用い、アルゴン流量:40ml/分、酸素流量:10ml/分、投入電力:900W、処理時間:5.0分間という条件で放電を行った以外は、前記実施例1と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。形成された高屈折率材料膜は、WOで構成されるものであり、その平均厚さは、0.05μmであった。
(実施例14)
高屈折率材料膜を構成する際(高屈折率材料膜形成工程)において、ターゲットとしてアルミニウムAlを用い、アルゴン流量:40ml/分、酸素流量:10ml/分、投入電力:900W、処理時間:2.0分間という条件で放電を行った以外は、前記実施例1と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。形成された高屈折率材料膜は、Al(屈折率1.70)で構成されるものであり、その平均厚さは、0.01μmであった。
(実施例15)
まず、高屈折率材料膜形成工程において、スパッタリングの処理時間を変更し、高屈折率材料膜の平均厚さを表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして、基材上にTiOで構成された高屈折率材料膜を形成した。
その後、ターゲットとしてシリコンSiを用い、アルゴン流量:40ml/分、酸素流量:10ml/分、投入電力:900W、処理時間:6.0分間という条件で放電を行い、TiOで構成された高屈折率材料膜上に、中間層として、SiOで構成された膜を形成した。さらに、ターゲットとしてTiを用い、アルゴン流量:40ml/分、酸素流量:10ml/分、投入電力:900W、処理時間:4.0分間という条件で放電を行い、SiOで構成された膜上に、中間層として、TiOで構成された膜を形成した。その後、前記実施例1と同様に反射膜形成を行った。さらに、開口部形成工程において、マスク形成用膜に形成する開口部パターンを調製し、反射膜に表1に示すような幅W、およびピッチPとなる開口部を有する装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。すなわち、本実施例の装飾品は、高屈折率材料膜と反射膜との間に、SiO、およびTiOで構成された中間層を備えた構成を有する。このように形成された中間層であるSiOで構成された膜、およびTiOで構成された膜の平均厚さはそれぞれ、0.04μm、および0.02μmであった。
(実施例16)
高屈折率材料膜形成工程において、スパッタリングの処理時間を変更し、高屈折率材料膜の平均厚さを表1に示すようにするとともに、開口部形成工程において、マスク形成用膜に形成する開口部パターンを変更することにより、反射膜に表1に示すような幅W、およびピッチPとなる開口部を形成した以外は、前記実施例15と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
(実施例17)
基材の構成材料としてアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)を用いて、反射膜に開口部を形成する工程までは、前記実施例1と同様にして形成した。その後、反射膜上に、ポリウレタンで構成されるコート層を形成し、これにより装飾品を得た(コート層形成工程)。コート層の形成は、スピンコート法により行った。形成されたコート層の平均厚さは、10μmであった。また、得られた装飾品において、コート層はその一部が開口部内に侵入していた。
(実施例18)
基材の構成材料として石英ガラスSiOを用いるとともに、高屈折率材料膜として、TiO膜(屈折率2.80)を形成した以外は、前記実施例1と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
(比較例1)
洗浄を行った基材の表面に、高屈折率材料膜を形成することなく、直接、反射膜を形成した以外は、前記実施例1と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
(比較例2)
洗浄を行った基材の表面に、高屈折率材料膜を形成することなく、直接、反射膜を形成した。その際、反射膜形成工程の処理時間を変更することにより、反射膜の平均厚さを表1に示すようにした以外は、前記実施例7と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
(比較例3)
高屈折率材料膜形成工程において、前記実施例14で形成したAl(屈折率1.70)とは異なる屈折率を有するAl(屈折率1.60)を形成するとともに、処理時間を変更することにより、高屈折率材料膜の平均厚さを表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
(比較例4、5)
開口部形成工程において、マスク形成用膜に、所定のパターンで開口部を形成し、さらにエッチングを行うことによって、反射膜に表1に示すような幅W、およびピッチPとなる開口部を形成した以外は、前記比較例3と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
(比較例6)
高屈折率材料膜形成工程においてターゲット、および処理条件を変更するとともに、反射膜形成工程の処理時間を変更することにより、反射膜の平均厚さを表1に示すようにした以外は、前記実施例2と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
高屈折率材料膜形成工程は、ターゲットとしてMgFを用い、アルゴンガス流量:35ml/分、投入電力:1400W、処理時間:1.0分間という条件で放電を行い、MgFで構成される高屈折率材料膜を形成した。また、形成された高屈折率材料膜の平均厚さは、0.1μmであった。
(比較例7)
高屈折率材料膜形成工程において、上記スパッタリング装置を使用せず、スピンコート法を用いて、ポリカーボネートで構成された基材の表面にアクリル系接着剤(アクリル系樹脂)で構成された膜を形成した。形成された膜の平均厚さは5μmであった。このようにして形成されたアクリル系接着剤で構成された膜上に、Alで構成される反射膜を、上記スパッタリング装置を用いて形成した(ターゲットとしてAlを使用した。)。このようにして得られた反射膜の平均厚さは1.0μmであった。その後、開口部形成工程において、マスク形成用膜に形成する開口部パターンを調製し、反射膜に表1に示すような幅W、およびピッチPとなる開口部を有する装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
(比較例8)
基材として、テトラフロオロエチレン−ヘキサフロオロプロピレン共重合体(FEP)を用いた以外は、前記実施例18と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
各実施例および各比較例の装飾品の構成を表1にまとめて示す。なお、表1中、ポリカーボネートをPC、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)をABS、石英ガラスをSiO、ポリウレタンをPU、また、アクリル系接着剤(アクリル樹脂)をAcでそれぞれ示した。
Figure 2008020314
2.装飾品の外観評価
前記各実施例および各比較例で製造した各装飾品について、目視および顕微鏡による観察を行い、これらの外観を以下の4段階の基準に従い、評価した。
◎:外観優良。
○:外観良。
△:外観やや不良。
×:外観不良。
3.腕時計用文字板の光透過率評価
前記各実施例および各比較例で製造した各装飾品(文字板)について、以下のような方法により、光透過率を評価した。
まず、太陽電池と各文字板とを暗室にいれた。その後、太陽電池単体でその受光面に対し、所定距離離間した蛍光灯(光源)からの光を入射させた。この際、太陽電池の発電電流をA[mA]とした。次に、前記太陽電池の受光面の上面に文字板を重ね合わせた状態で、前記と同様に所定距離離間した蛍光灯(光源)からの光を入射させた。この状態での、太陽電池の発電電流をB[mA]とした。そして、(B/A)×100で表される文字板の光透過率を算出し、以下の4段階の基準に従い、評価した。文字板の光透過率が大きいほど、文字板の光透過性は優れたものであるといえる。
◎:27%以上。
○:23%以上27%未満。
△:17%以上23%未満。
×:17%未満。
その後、前記各実施例および各比較例で製造した文字板を用いて、図4に示すような腕時計を製造した。そして、製造された各腕時計を暗室にいれた。その後、時計の文字板側の面(ガラス板側の面)から、所定距離離間した蛍光灯(光源)からの光を入射させた。この際、光の照射強度が次第に大きくなるように照射強度を一定の速度で変化させた。その結果、本発明の時計では、比較的照射強度が小さい場合でもムーブメントが駆動した。これに対し、比較例6の時計では、比較的照射強度が大きい場合でもムーブメントの駆動が確認されなかった。
4.開口部見栄え評価
前記各実施例および各比較例で製造した各装飾品について、目視により開口部を観察し、開口部の見栄え(開口部の存在を視認できる程度)を以下の4段階の基準に従い、評価した。
◎:識別不可
○:困難だが識別可
△:やや識別容易
×:識別容易
5.開口部加工難易度
前記各実施例および各比較例で製造した各装飾品について、反射膜が有する開口部を所定のパターンに形成する難易度を、以下の4段階の基準に従い評価した。なお、ここでの開口部加工とは、マスク形成用膜に開口部を形成する工程と、エッチングにより、反射膜に開口部を形成する工程とを含んでおり、所定のパターンで精度よく開口部を形成できるかどうかを評価した。
◎:加工容易
○:やや加工容易
△:やや加工困難
×:加工困難
Figure 2008020314
表2から明らかなように、本発明の装飾品は、いずれも優れた美的外観を有するとともに、光の透過性に優れていた。また、本発明の装飾品は、開口部の形成が容易であり、かつ、精度よく形成することができた。
これに対し、比較例では、満足な結果が得られなかった。高屈折率材料膜を有さない比較例1、比較例2の装飾品では、優れた美的外観を得ることができなかった。また、高屈折率材料膜を有した比較例3、比較例4、比較例5、および比較例6でも、基材と高屈折率材料膜との屈折率差がほとんどないため、基材と高屈折率材料膜との界面での全反射が起きず、本発明の装飾品が有するような優れた美的外観を得ることができなかった。特に、比較例4では、開口部の幅が小さいため、開口部の加工も困難なものであった。また、比較例8では、上記の理由とは逆に、装飾品に入射した光の大部分が反射してしまい、十分な光透過性を得ることができなかった。すなわち、これらの比較例の装飾品では、優れた光透過性と、優れた美的外観とを同時に両立することができなかった。
また、各実施例および各比較例で得られた文字板(装飾品)を用いて、図3に示すような時計を組み立てた。このようにして得られた各時計について、上記と同様の試験、評価を行ったところ、上記と同様の結果が得られた。
さらに、電波受信用のアンテナを備えた腕時計用内部モジュール(ムーブメント)の外表面側(光が入射する側)に各実施例および各比較例で製造した装飾品を配置し、この状態における腕時計用内部モジュール(ムーブメント)の電波の受信感度を評価した。その結果、各実施例で得られた装飾品を用いたものは、電磁波の透過性にも優れているものであった。
本発明の装飾品の好適な実施形態を示す断面図である。 装飾品に備えられた開口部に外部から光が入射する様子を示した模式図である。 本発明の装飾品の製造方法の好適な実施形態を示す断面図である。 本発明の時計(携帯時計)の好適な実施形態を示す部分断面図である。 図1に示す装飾品の平面図である。 本発明の装飾品の好適な他の実施形態を示す平面図である。 本発明の装飾品の好適な他の実施形態を示す平面図である。
符号の説明
1…装飾品 12…基材 13…高屈折率材料膜 14…反射膜 15…開口部 16…透過部 2…装飾品 22…基材 24…反射膜 25…開口部 10…文字板(時計用文字板) 71…ムーブメント 72…胴(ケース) 73…裏蓋 74…ベゼル(縁) 75…ガラス板(カバーガラス) 76…巻真パイプ 77…りゅうず 771…軸部 772…溝 78…プラスチックパッキン 79…プラスチックパッキン 83…ゴムパッキン(りゅうずパッキン) 84…ゴムパッキン(裏蓋パッキン) 85…接合部(シール部) 88…太陽電池 100…腕時計(携帯時計)

Claims (12)

  1. 光透過性を有する材料で構成された基材と、
    基材を構成する材料よりも高い屈折率を有し、かつ光透過性を有する材料で構成された高屈折率材料膜と、
    前記高屈折率材料膜の前記基材に対向する面とは反対の面側に設けられ、外光を反射する機能を有する反射膜とを有し、
    前記反射膜には、開口部が設けられており、
    前記高屈折率材料膜を構成する材料の絶対屈折率をn、前記基材を構成する材料の絶対屈折率をnとしたとき、0.1≦n−n≦1.34の関係を満足することを特徴とする装飾品。
  2. 前記反射膜に設けられた前記開口部の幅は、40〜150μmである請求項1に記載の装飾品。
  3. 前記反射膜を平面視したときに前記開口部が占める面積率が、15〜45%である請求項1または2に記載の装飾品。
  4. 前記反射膜は、Ag、Cr、Au、Al、Ti、Sn、Inから選択される材料で構成されたものであり、前記高屈折率材料膜は、TiO、ZnS、Nb、Ti、ZrO、WOから選択される材料である請求項1ないし3のいずれかに記載の装飾品。
  5. 前記反射膜の平均厚さは、0.005〜2.5μmである請求項1ないし4のいずれかに記載の装飾品。
  6. 前記nは、1.7〜2.9である請求項1ないし5のいずれかに記載の装飾品。
  7. 前記高屈折率材料膜の平均厚さは、0.005〜0.3μmである請求項1ないし6のいずれかに記載の装飾品。
  8. 前記nは、1.2〜1.6である請求項1ないし7のいずれかに記載の装飾品。
  9. 前記基材は、ポリカーボネート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、もしくはソーダガラス、石英ガラスから選択される少なくとも1種を含む材料で構成されたものである請求項1ないし8のいずれかに記載の装飾品。
  10. 装飾品は、ソーラー時計用部品である請求項1ないし9のいずれかに記載の装飾品。
  11. 装飾品は、時計用文字板である請求項1ないし10のいずれかに記載の装飾品。
  12. 請求項1ないし11のいずれかに記載の装飾品を備えたことを特徴とする時計。
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