JP2006276008A - 装飾品および時計 - Google Patents
装飾品および時計 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006276008A JP2006276008A JP2006053617A JP2006053617A JP2006276008A JP 2006276008 A JP2006276008 A JP 2006276008A JP 2006053617 A JP2006053617 A JP 2006053617A JP 2006053617 A JP2006053617 A JP 2006053617A JP 2006276008 A JP2006276008 A JP 2006276008A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cross
- decorative article
- sectional area
- film
- metal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
Abstract
【課題】主としてプラスチック材料で構成された基材を備え、電磁波の透過性に優れるとともに、美的外観に優れた装飾品を提供すること、前記装飾品を備えた時計を提供すること。
【解決手段】装飾品1は、プラスチック材料で構成された基材2と、金属酸化物で構成された酸化物被膜3と、酸化物被膜3の基材2と対向する面とは反対の面側に設けられた、光を反射する反射膜としての金属被膜4とを有している。金属被膜4および酸化物被膜3には、開口部6が設けられている。開口部6は、金属被膜4の基材2に対向する第1面41からその反対側の第2面42に向かう厚さ方向に沿って、断面積が増大する断面積増大部62を有している。断面積増大部62において断面積が最小となる断面積最小部63での断面積をS0[μm2]、断面積が最大になる断面積最大部64での断面積をS1[μm2]としたとき、0.02≦S0/S1≦0.98の関係を満足する。
【選択図】 図1
【解決手段】装飾品1は、プラスチック材料で構成された基材2と、金属酸化物で構成された酸化物被膜3と、酸化物被膜3の基材2と対向する面とは反対の面側に設けられた、光を反射する反射膜としての金属被膜4とを有している。金属被膜4および酸化物被膜3には、開口部6が設けられている。開口部6は、金属被膜4の基材2に対向する第1面41からその反対側の第2面42に向かう厚さ方向に沿って、断面積が増大する断面積増大部62を有している。断面積増大部62において断面積が最小となる断面積最小部63での断面積をS0[μm2]、断面積が最大になる断面積最大部64での断面積をS1[μm2]としたとき、0.02≦S0/S1≦0.98の関係を満足する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、装飾品および時計に関する。
ソーラー時計(太陽電池を備えた時計)用の文字板には、太陽電池が十分な起電力を発生するのに十分な光量の光(電磁波)を透過させる機能(光透過性)が求められる。このため、従来から、ソーラー時計用文字板としては、透明性の高いプラスチック性の部材が用いられてきた。ところが、プラスチックは、一般に、Au、Ag等の金属材料等に比べて、高級感に欠け、美的外観に劣っている。このため、プラスチック性の基板上に金属材料で構成された金属層を被覆し、当該金属層に、光を透過させるための小孔を設ける試みがある(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、十分な光量の外光を取り入れるためには、小孔の1個当たりの大きさを大きくしたり、小孔の数を十分に多くしたりすること等により、光が透過し得る部分の総面積(複数個の小孔面積の和)を大きくする必要がある。このような場合、時計用文字板の外観上小孔が目立ってしまい、時計用文字板は、審美性(美的外観)に劣ったものとなってしまう。また、時計用文字板の美的外観を向上させる目的で、小孔の1個当たりの大きさを小さくしたり、小孔の数を少なくしたりすると、十分な光量の外光を透過させることができなくなる可能性がある。このように、従来においては、優れた装飾性(美的外観)と、光(電磁波)の優れた透過性とを、十分に両立する時計用文字板を得るのは困難であった。
また、近年、電波を受信し、時刻調整を行う電波時計が急速に普及してきている。このような電波時計等においても、文字板等に、電磁波(電波)の優れた透過性が求められている。そして、ソーラー電池を内蔵し、さらに、電波受信用アンテナを内蔵するソーラー電波時計も普及しつつある。上記のような時計に適用される文字板においても、上記と同様に、優れた装飾性(美的外観)と、電磁波の優れた透過性との両立が求められるが、これらを両立するのは極めて困難であった。
本発明の目的は、主としてプラスチック材料で構成された基材を備え、電磁波(電波、光)の透過性に優れるとともに、美的外観に優れた装飾品を提供すること、また、前記装飾品を備えた時計を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の装飾品は、主としてプラスチック材料で構成された基材と、
光を反射する機能を有する反射膜とを備えた装飾品であって、
前記反射膜には、開口部が設けられており、
前記開口部は、前記反射膜の前記基材に対向する第1面からその反対側の第2面に向かう前記反射膜の厚さ方向に沿って、断面積が増大する断面積増大部を有するものであることを特徴とする。
これにより、主としてプラスチック材料で構成された基材を備え、電磁波(電波、光)の透過性に優れるとともに、美的外観に優れた装飾品を提供することができる。
本発明の装飾品は、主としてプラスチック材料で構成された基材と、
光を反射する機能を有する反射膜とを備えた装飾品であって、
前記反射膜には、開口部が設けられており、
前記開口部は、前記反射膜の前記基材に対向する第1面からその反対側の第2面に向かう前記反射膜の厚さ方向に沿って、断面積が増大する断面積増大部を有するものであることを特徴とする。
これにより、主としてプラスチック材料で構成された基材を備え、電磁波(電波、光)の透過性に優れるとともに、美的外観に優れた装飾品を提供することができる。
本発明の装飾品では、前記断面積増大部において前記断面積が最小となる断面積最小部での断面積は、100〜22500μm2であることが好ましい。
これにより、電磁波(電波、光)の透過性を特に優れたものとするとともに、装飾品としての美的外観を特に優れたものとすることができる。
本発明の装飾品では、前記反射膜を平面視したときの前記反射膜の多数個の前記開口部が設けられている領域の面積をS[μm2]、前記各開口部についての前記断面積最小部の面積の総和をΣ(S0)[μm2]としたとき、0.15≦Σ(S0)/S≦0.45の関係を満足することが好ましい。
これにより、電磁波(電波、光)の透過性を特に優れたものとするとともに、装飾品としての美的外観を特に優れたものとすることができる。
これにより、電磁波(電波、光)の透過性を特に優れたものとするとともに、装飾品としての美的外観を特に優れたものとすることができる。
本発明の装飾品では、前記反射膜を平面視したときの前記反射膜の多数個の前記開口部が設けられている領域の面積をS[μm2]、前記各開口部についての前記断面積最小部の面積の総和をΣ(S0)[μm2]としたとき、0.15≦Σ(S0)/S≦0.45の関係を満足することが好ましい。
これにより、電磁波(電波、光)の透過性を特に優れたものとするとともに、装飾品としての美的外観を特に優れたものとすることができる。
本発明の装飾品では、前記断面積増大部において前記断面積が最小となる断面積最小部での断面積をS0[μm2]、前記断面積増大部において前記断面積が最大になる断面積最大部での前記断面積をS1[μm2]としたとき、0.02≦S0/S1≦0.98の関係を満足することが好ましい。
これにより、電磁波(電波、光)の透過性を特に優れたものとするとともに、装飾品としての美的外観を特に優れたものとすることができる。
これにより、電磁波(電波、光)の透過性を特に優れたものとするとともに、装飾品としての美的外観を特に優れたものとすることができる。
本発明の装飾品では、前記断面積増大部の厚さは、0.005〜2.5μmであることが好ましい。
これにより、電磁波(電波、光)の透過性を特に優れたものとするとともに、装飾品としての美的外観を特に優れたものとすることができる。
本発明の装飾品では、前記反射膜は、少なくともその外表面付近が、主として金属材料で構成されたものであることが好ましい。
これにより、装飾品としての美的外観を特に優れたものとすることができる。
これにより、電磁波(電波、光)の透過性を特に優れたものとするとともに、装飾品としての美的外観を特に優れたものとすることができる。
本発明の装飾品では、前記反射膜は、少なくともその外表面付近が、主として金属材料で構成されたものであることが好ましい。
これにより、装飾品としての美的外観を特に優れたものとすることができる。
本発明の装飾品では、前記金属材料は、Ag、Cr、Au、Al、Ti、Sn、Inから選択される少なくとも1種を含むものであることが好ましい。
これにより、装飾品としての美的外観を特に優れたものとすることができる。また、装飾品としての耐久性を特に優れたものとすることができる。
本発明の装飾品は、前記基材と、
前記基材上に設けられた、主として金属酸化物で構成された酸化物被膜と、
前記酸化物被膜の、前記基材と対向する面とは反対の面側に設けられた、主として金属材料で構成された金属被膜とを有するものであることが好ましい。
これにより、基材と被膜(反射膜)との密着性をより優れたものとすることができ、結果として、装飾品の耐久性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
これにより、装飾品としての美的外観を特に優れたものとすることができる。また、装飾品としての耐久性を特に優れたものとすることができる。
本発明の装飾品は、前記基材と、
前記基材上に設けられた、主として金属酸化物で構成された酸化物被膜と、
前記酸化物被膜の、前記基材と対向する面とは反対の面側に設けられた、主として金属材料で構成された金属被膜とを有するものであることが好ましい。
これにより、基材と被膜(反射膜)との密着性をより優れたものとすることができ、結果として、装飾品の耐久性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
本発明の装飾品では、前記酸化物被膜は、前記反射膜を構成するものであることが好ましい。
これにより、装飾品としての美的外観をさらに優れたものとすることができる。
本発明の装飾品では、前記酸化物被膜は、酸化チタン、酸化クロムから選択される少なくとも1種を含む材料で構成されたものであることが好ましい。
これにより、基材と金属被膜との密着性をより優れたものとすることができ、結果として、装飾品の耐久性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
これにより、装飾品としての美的外観をさらに優れたものとすることができる。
本発明の装飾品では、前記酸化物被膜は、酸化チタン、酸化クロムから選択される少なくとも1種を含む材料で構成されたものであることが好ましい。
これにより、基材と金属被膜との密着性をより優れたものとすることができ、結果として、装飾品の耐久性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
本発明の装飾品では、前記金属被膜は、Ag、Cr、Au、Al、Ti、Sn、Inから選択される少なくとも1種を含む材料で構成されたものであることが好ましい。
これにより、金属被膜と酸化物被膜との密着性を特に優れたものとするとともに、装飾品の美的外観を特に優れたものとすることができる。
本発明の装飾品は、時計用外装部品であることが好ましい。
時計用外装部品は、一般に、外部からの衝撃を受け易い装飾品であり、装飾品としての外観の美しさが要求されるとともに、実用品としての耐久性も求められるが、本発明によればこれらの要件を同時に満足することができる。
これにより、金属被膜と酸化物被膜との密着性を特に優れたものとするとともに、装飾品の美的外観を特に優れたものとすることができる。
本発明の装飾品は、時計用外装部品であることが好ましい。
時計用外装部品は、一般に、外部からの衝撃を受け易い装飾品であり、装飾品としての外観の美しさが要求されるとともに、実用品としての耐久性も求められるが、本発明によればこれらの要件を同時に満足することができる。
本発明の装飾品は、電波時計用部品であることが好ましい。
本発明の装飾品は、美的外観に優れるとともに、基材がプラスチック材料で構成されているため、電波の透過性に優れている。したがって、本発明の装飾品は、電波時計用部品に好適に適用することができる。
本発明の装飾品は、時計用文字板であることが好ましい。
時計用文字板は、例えば、電波時計やソーラー時計等において、電磁波の優れた透過性が求められるとともに、優れた美的外観等も求められるが、本発明によればこれらの要件を同時に満足することができる。
本発明の時計は、本発明の装飾品を備えたことを特徴とする。
これにより、内部への電磁波の透過性に優れ、かつ美的外観に優れた時計を提供することができる。また、外部からの電磁波(電波、光)を有効に利用することが可能な時計(例えば、電波時計、ソーラー時計、ソーラー電波時計等)を提供することができる。
本発明の装飾品は、美的外観に優れるとともに、基材がプラスチック材料で構成されているため、電波の透過性に優れている。したがって、本発明の装飾品は、電波時計用部品に好適に適用することができる。
本発明の装飾品は、時計用文字板であることが好ましい。
時計用文字板は、例えば、電波時計やソーラー時計等において、電磁波の優れた透過性が求められるとともに、優れた美的外観等も求められるが、本発明によればこれらの要件を同時に満足することができる。
本発明の時計は、本発明の装飾品を備えたことを特徴とする。
これにより、内部への電磁波の透過性に優れ、かつ美的外観に優れた時計を提供することができる。また、外部からの電磁波(電波、光)を有効に利用することが可能な時計(例えば、電波時計、ソーラー時計、ソーラー電波時計等)を提供することができる。
本発明によれば、主としてプラスチック材料で構成された基材を備え、電磁波(電波、光)の透過性に優れるとともに、美的外観に優れた装飾品を提供すること、また、前記装飾品を備えた時計を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の装飾品および装飾品の製造方法の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の装飾品の第1実施形態を示す断面図、図2は、本発明の装飾品の好適な実施形態を示す平面図である。
図1に示すように、本実施形態の装飾品1は、基材2と、酸化物被膜3と、光を反射する機能を有する金属被膜(反射膜)4と、コート層5とを有している。
<第1実施形態>
まず、本発明の装飾品および装飾品の製造方法の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の装飾品の第1実施形態を示す断面図、図2は、本発明の装飾品の好適な実施形態を示す平面図である。
図1に示すように、本実施形態の装飾品1は、基材2と、酸化物被膜3と、光を反射する機能を有する金属被膜(反射膜)4と、コート層5とを有している。
[基材]
基材2は、主としてプラスチック材料で構成されたものである。プラスチック材料は、一般に、電磁波(光、電波)の透過性に優れている。
基材2を構成するプラスチック材料としては、各種熱可塑性樹脂、各種熱硬化性樹脂が挙げられ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリパラキシリレン(poly-para-xylylene)、ポリモノクロロパラキシリレン(poly-monochloro-para-xylylene)、ポリジクロロパラキシリレン(poly-dichloro-para-xylylene)、ポリモノフルオロパラキシリレン(poly-monofluoro-para-xylylene)、ポリモノエチルパラキシリレン(poly-monoethyl-para-xylylene)等のポリパラキシリレン樹脂等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等として)用いることができる。
基材2は、主としてプラスチック材料で構成されたものである。プラスチック材料は、一般に、電磁波(光、電波)の透過性に優れている。
基材2を構成するプラスチック材料としては、各種熱可塑性樹脂、各種熱硬化性樹脂が挙げられ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリパラキシリレン(poly-para-xylylene)、ポリモノクロロパラキシリレン(poly-monochloro-para-xylylene)、ポリジクロロパラキシリレン(poly-dichloro-para-xylylene)、ポリモノフルオロパラキシリレン(poly-monofluoro-para-xylylene)、ポリモノエチルパラキシリレン(poly-monoethyl-para-xylylene)等のポリパラキシリレン樹脂等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等として)用いることができる。
基材2は、上記のような材料の中でも特に、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)から選択される少なくとも1種を含む材料で構成されたものであるのが好ましい。
これにより、装飾品1全体としての強度を特に優れたものとすることができる。また、装飾品1の製造時にいては、基材2の成形の自由度が増す(成形のし易さが向上する)ため、より複雑な形状の装飾品1であっても、容易かつ確実に製造することができる。また、ポリカーボネートは、各種プラスチック材料の中でも比較的安価で、装飾品1の生産コストのさらなる低減に寄与することができる。また、ABS樹脂は、特に優れた耐薬品性も有しており、装飾品1全体としての耐久性をさらに向上されることができる。
これにより、装飾品1全体としての強度を特に優れたものとすることができる。また、装飾品1の製造時にいては、基材2の成形の自由度が増す(成形のし易さが向上する)ため、より複雑な形状の装飾品1であっても、容易かつ確実に製造することができる。また、ポリカーボネートは、各種プラスチック材料の中でも比較的安価で、装飾品1の生産コストのさらなる低減に寄与することができる。また、ABS樹脂は、特に優れた耐薬品性も有しており、装飾品1全体としての耐久性をさらに向上されることができる。
なお、基材2は、プラスチック材料以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、可塑剤、酸化防止剤、着色剤(各種発色剤、蛍光物質、りん光物質等を含む)、光沢剤、フィラー等が挙げられる。
また、基材2は、少なくとも表面付近の一部(後述する酸化物被膜3が形成される部位)が主としてプラスチック材料で構成されたものであればよく、例えば、プラスチック材料を含まない材料で構成された部位を有するものであってもよい。
また、基材2は、少なくとも表面付近の一部(後述する酸化物被膜3が形成される部位)が主としてプラスチック材料で構成されたものであればよく、例えば、プラスチック材料を含まない材料で構成された部位を有するものであってもよい。
また、基材2は、各部位でその組成が実質的に均一な組成を有するものであってもよいし、部位によって組成の異なるものであってもよい。例えば、基材2は、基部と、該基部上に設けられた表面層を有するものであってもよい。基材2がこのような構成のものである場合、少なくともその表面付近の一部(後述する酸化物被膜3が形成される部位)が上述したような、主としてプラスチック材料で構成されたものであればよい。
また、基材2の形状、大きさは、特に限定されず、通常、装飾品1の形状、大きさに基づいて決定される。
また、基材2は、いかなる方法で成形されたものであってもよいが、基材2の成形方法としては、例えば、圧縮成形、押出成形、射出成形、光造形等が挙げられる。
また、基材2の形状、大きさは、特に限定されず、通常、装飾品1の形状、大きさに基づいて決定される。
また、基材2は、いかなる方法で成形されたものであってもよいが、基材2の成形方法としては、例えば、圧縮成形、押出成形、射出成形、光造形等が挙げられる。
[酸化物被膜]
基材2の表面には、酸化物被膜3が設けられている。このように、本実施形態では、主としてプラスチック材料で構成された基材2の表面に、金属被膜4が直接設けられずに、基材2と金属被膜4との間に酸化物被膜3が介在している。これにより、金属被膜4と基材2との密着性(酸化物被膜3を介しての密着性)を向上させることができ、金属被膜(反射膜)4の浮きや剥がれ(剥離)等を効果的に防止することができる。その結果、装飾品1は耐久性に優れたものとなる。また、装飾品1は、金属被膜4を有しているため、美的外観にも優れている。
基材2の表面には、酸化物被膜3が設けられている。このように、本実施形態では、主としてプラスチック材料で構成された基材2の表面に、金属被膜4が直接設けられずに、基材2と金属被膜4との間に酸化物被膜3が介在している。これにより、金属被膜4と基材2との密着性(酸化物被膜3を介しての密着性)を向上させることができ、金属被膜(反射膜)4の浮きや剥がれ(剥離)等を効果的に防止することができる。その結果、装飾品1は耐久性に優れたものとなる。また、装飾品1は、金属被膜4を有しているため、美的外観にも優れている。
酸化物被膜3は、主として金属酸化物で構成されたものである。
酸化物被膜3を構成する金属酸化物としては、各種金属の酸化物を用いることができ、好ましくは、Fe、Cu、Zn、Ni、Mg、Cr、Mn、Mo、Nb、Al、V、Zr、Sn、Au、Pd、Pt、Ag、Co、In、W、Ti、Rhの酸化物(複合酸化物を含む)が挙げられる。酸化物被膜3が、酸化チタン(複合酸化物を含む)、酸化クロム(複合酸化物を含む)から選択される少なくとも1種を含む材料で構成されたものであると、基材2と金属被膜4との密着性をより優れたものとすることができる。また、酸化物被膜3が無色の金属酸化物(例えば、Zn、Mg、Mo、Nb、Zr、Sn、Inの酸化物等)で構成されたものであると、酸化物被膜3に後述するような開口部6が形成されていない場合(金属被膜4のみに開口部6が形成されている場合)であっても、装飾品1全体としての電磁波(特に光)の透過率を、特に優れたものとすることができる。また、酸化物被膜3が光を反射する機能を有する材料で構成されたものである場合、酸化物被膜3は反射膜の一部を構成するものとなり、装飾品1の美的外観は特に優れたものとなる。このような材料(金属酸化物)としては、例えば、ZnO、Al2O3、ITO(Indium Tin Oxide)等が挙げられる。なお、酸化物被膜3は、金属酸化物以外の成分(例えば、SiO2)を含むものであってもよい。
酸化物被膜3を構成する金属酸化物としては、各種金属の酸化物を用いることができ、好ましくは、Fe、Cu、Zn、Ni、Mg、Cr、Mn、Mo、Nb、Al、V、Zr、Sn、Au、Pd、Pt、Ag、Co、In、W、Ti、Rhの酸化物(複合酸化物を含む)が挙げられる。酸化物被膜3が、酸化チタン(複合酸化物を含む)、酸化クロム(複合酸化物を含む)から選択される少なくとも1種を含む材料で構成されたものであると、基材2と金属被膜4との密着性をより優れたものとすることができる。また、酸化物被膜3が無色の金属酸化物(例えば、Zn、Mg、Mo、Nb、Zr、Sn、Inの酸化物等)で構成されたものであると、酸化物被膜3に後述するような開口部6が形成されていない場合(金属被膜4のみに開口部6が形成されている場合)であっても、装飾品1全体としての電磁波(特に光)の透過率を、特に優れたものとすることができる。また、酸化物被膜3が光を反射する機能を有する材料で構成されたものである場合、酸化物被膜3は反射膜の一部を構成するものとなり、装飾品1の美的外観は特に優れたものとなる。このような材料(金属酸化物)としては、例えば、ZnO、Al2O3、ITO(Indium Tin Oxide)等が挙げられる。なお、酸化物被膜3は、金属酸化物以外の成分(例えば、SiO2)を含むものであってもよい。
また、酸化物被膜3の平均厚さは、特に限定されないが、0.005〜1.0μmであるのが好ましく、0.007〜0.5μmであるのがより好ましく、0.01〜0.3μmであるのがさらに好ましい。酸化物被膜3の平均厚さが前記範囲内の値であると、装飾品1全体としての美的外観を特に優れたものとすることができるとともに、酸化物被膜3の内部応力が高くなるのを十分に防止しつつ、基材2と金属被膜4との密着性を特に優れたものとすることができる。これに対し、酸化物被膜3の平均厚さが前記下限値未満であると、酸化物被膜3、基材2、金属被膜4の構成材料等によっては、基材2と金属被膜4との密着性を向上させる機能が十分に発揮されない可能性がある。また、酸化物被膜3の平均厚さが前記下限値未満であると、酸化物被膜3の形成方法等によっては、酸化物被膜3にピンホールが生じ易くなり、酸化物被膜3を備えることによる効果が十分に発揮されない可能性がある。また、酸化物被膜3の平均厚さが前記上限値を超えると、酸化物被膜3の各部位における膜厚のばらつきが大きくなる傾向を示す。また、酸化物被膜3の平均厚さが特に大きい場合は、酸化物被膜3の内部応力が高くなり、クラック等が発生し易くなる。
また、酸化物被膜3は、各部位で均一な組成を有するものであってもよいし、そうでなくてもよい。例えば、酸化物被膜3は、含有成分(組成)が厚さ方向に順次変化するもの(傾斜材料)であってもよい。また、酸化物被膜3は、複数の層を有する積層体であってもよい。これにより、例えば、基材2および金属被膜4との密着性をさらに向上させることができる。より具体的には、前記積層体の基材2と接触する側の層を基材2との密着性に優れる材料で構成し、前記積層体の金属被膜4と接触する側の層を金属被膜4との密着性に優れる材料で構成することにより、基材2および金属被膜4との密着性をさらに向上させることができる。また、酸化物被膜3が積層体である場合、例えば、実質的に金属酸化物を含まない材料で構成された層を有していてもよい。より具体的には、酸化物被膜3は、金属酸化物で構成された2つの層の間に、プラスチック材料等で構成された層が介挿された構成を有するものであってもよい。
[金属被膜]
酸化物被膜3の表面(基材2と接触する面とは反対側の面)には、金属被膜4が設けられている。
金属被膜4は、主として金属材料で構成されたものである。金属被膜4を構成する金属材料は、一般に、金属光沢を有しており、光(可視光)を反射する機能を有している。したがって、金属被膜4は、光(可視光)を反射する反射膜として機能する。
酸化物被膜3の表面(基材2と接触する面とは反対側の面)には、金属被膜4が設けられている。
金属被膜4は、主として金属材料で構成されたものである。金属被膜4を構成する金属材料は、一般に、金属光沢を有しており、光(可視光)を反射する機能を有している。したがって、金属被膜4は、光(可視光)を反射する反射膜として機能する。
金属被膜4を構成する金属材料としては、各種金属(合金を含む)を用いることができ、好ましくは、Fe、Cu、Zn、Ni、Mg、Cr、Mn、Mo、Nb、Al、V、Zr、Sn、Au、Pd、Pt、Ag、Co、In、W、Ti、Rhや、これらのうち少なくとも1種を含む合金が挙げられる。金属被膜4は、上記のような材料の中でも特に、Ag、Cr、Au、Al、Ti、Sn、Inから選択される少なくとも1種を含む材料(合金を含む)で構成されたものであるのが好ましい。これにより、金属被膜4と酸化物被膜3との密着性を特に優れたものとするとともに、装飾品1の美的外観を特に優れたものとすることができる。また、金属被膜4が上記のような材料で構成されたものであると、後述する開口部6の大きさが比較的大きい場合や、金属被膜4全面に占める開口部6の面積率が比較的大きい場合であっても、外観上、開口部6の存在をより目立たないものとすることができる。なお、金属被膜4は、金属材料以外の成分を含むものであってもよい。
また、金属被膜4の構成材料は、酸化物被膜3を構成する元素のうち少なくとも1種を含むものであってもよい。言い換えると、酸化物被膜3と金属被膜4とは、少なくともこれらが接触する部位において、互いに共通の元素を含む材料で構成されたものであってもよい。例えば、酸化物被膜3がMOn/2の組成式(ただし、Mは金属元素を表し、nはMの価数を示す)で表される金属酸化物を含む場合、金属被膜4は、Mを含むものであってもよい。これにより、酸化物被膜3と金属被膜4との密着性がさらに向上する。
金属被膜4の平均厚さは、特に限定されないが、0.005〜1.5μmであるのが好ましく、0.007〜0.9μmであるのがより好ましく、0.01〜0.5μmであるのがさらに好ましい。金属被膜4の平均厚さが前記範囲内の値であると、金属被膜4の内部応力が高くなるのを十分に防止しつつ、装飾品1の審美性を特に優れたものとすることができる。また、酸化物被膜3と金属被膜4との密着性を特に優れたものとすることができる。また、装飾品1全体としての電磁波(電波、光)の透過率を十分に大きいものとすることができる。これに対し、金属被膜4の平均厚さが前記下限値未満であると、金属被膜4の構成材料等によっては、金属被膜4の光沢、色調等の特長を十分に発揮するのが困難となり、装飾品1全体としての審美性を十分に高めるのが困難になる可能性がある。また、金属被膜4の平均厚さが前記下限値未満であると、金属被膜4の形成方法等によっては、金属被膜4にピンホールが生じ易くなる。また、金属被膜4、酸化物被膜3の構成材料等によっては、酸化物被膜3と金属被膜4との密着性を十分に向上させるのが困難になる可能性がある。また、金属被膜4の平均厚さが前記上限値を超えると、金属被膜4の各部位における膜厚のばらつきが大きくなる傾向を示す。また、金属被膜4の平均厚さが特に大きい場合は、金属被膜4の内部応力が高くなり、クラック等が発生し易くなる。また、金属被膜4の平均厚さが前記上限値を超えると、装飾品1全体としての電磁波(電波、光)の透過率が減少する傾向を示す。
また、金属被膜4は、各部位で均一な組成を有するものであってもよいし、そうでなくてもよい。例えば、金属被膜4は、含有成分(組成)が厚さ方向に順次変化するもの(傾斜材料)であってもよい。また、金属被膜4は、複数の層を有する積層体であってもよい。これにより、例えば、酸化物被膜3との密着性を特に優れたものとしつつ、装飾品1としての審美性をさらに高めることができる。すなわち、前記積層体の酸化物被膜3と接触する側の層を酸化物被膜3との密着性に優れる材料で構成し、前記積層体の最外層(酸化物被膜3から最も離れた側の層)を審美性に優れる材料で構成することにより、酸化物被膜3との密着性を特に優れたものとしつつ、装飾品1としての審美性をさらに高めることができる。また、金属被膜4が積層体である場合、例えば、実質的に金属材料を含まない材料で構成された層を有していてもよい。より具体的には、金属被膜4は、金属材料で構成された2つの層の間に、金属酸化物等で構成された層が介挿された構成を有するものであってもよい。
また、前述した酸化物被膜3の平均厚さと金属被膜4の平均厚さとの和は、0.01〜2.5μmであるのが好ましく、0.014〜1.5μmであるのがより好ましく、0.02〜0.8μmであるのがさらに好ましい。酸化物被膜3の平均厚さと金属被膜4の平均厚さとの和が前記範囲内の値であると、酸化物被膜3や金属被膜4の内部応力が高くなるのを十分に防止しつつ、基材2、酸化物被膜3、金属被膜4の密着性を特に優れたものとすることができる。また、酸化物被膜3の平均厚さと金属被膜4の平均厚さとの和が前記範囲内の値であると、装飾品1全体としての電波の透過性が向上する。その結果、装飾品1を電波時計用部品により好適に適用することができる。
[開口部]
金属被膜4には、その厚さ方向に貫通する多数個の開口部6が所定の割合で設けられている。このような開口部6を有することにより、基材2の金属被膜4で被覆されていない部位が外部からの電磁波を透過させる透過部21となっており、装飾品1は、外部からの電磁波を十分に透過させることができるものとなっている。これにより、装飾品1を、例えば、電波時計やソーラー時計(太陽電池を内蔵する時計)、ソーラー電波時計等に好適に適用することができる。
金属被膜4には、その厚さ方向に貫通する多数個の開口部6が所定の割合で設けられている。このような開口部6を有することにより、基材2の金属被膜4で被覆されていない部位が外部からの電磁波を透過させる透過部21となっており、装飾品1は、外部からの電磁波を十分に透過させることができるものとなっている。これにより、装飾品1を、例えば、電波時計やソーラー時計(太陽電池を内蔵する時計)、ソーラー電波時計等に好適に適用することができる。
そして、このような開口部6は、金属被膜(反射膜)4の主面に垂直な方向に対して所定角度だけ傾斜した傾斜面61によって、金属被膜4の外表面方向に向かって、断面積が増大する断面積増大部62を有するものとして形成されている。言い換えると、開口部6は、金属被膜4の基材2に対向する第1面41からその反対側の第2面42に向かう金属被膜4の厚さ方向に沿って、断面積が増大する断面積増大部62を有している。このような断面積増大部62(傾斜面61)を有することにより、透過部21においては、電磁波(光、電波)を十分に透過させつつ、透過部21の周囲(金属被膜(反射膜)4の主面に垂直な方向に対して所定角度だけ傾斜した傾斜面61)に入射した光を、光の入射側に反射(乱反射)させることができる。これにより、外部から入射した電磁波(図1中上側からの電磁波)の透過率を十分に高いものとしつつ、開口部6(透過部21)の存在を目立ち難いものとすることができ、結果として、装飾品1全体としての美的外観を優れたものとすることができる。すなわち、上記のような構成により、優れた美的外観と、電磁波の優れた透過性とを両立することができる。
また、開口部6が断面積増大部62(傾斜面61)を有するものであることにより、開口部6(透過部21)の存在を目立ち難いものとすることができるため、透過部21の面積(開口部6の開口面積)を比較的大きいものとした場合であっても、装飾品1の外観を十分に優れたものとすることができる。したがって、装飾品1の外観を十分に優れたものとしつつ、装飾品1の電磁波の透過率を特に優れたものとすることができる。
また、開口部6が断面積増大部62を有するものであると、後述するようなコート層5を、その一部が開口部6内に入り込んだものとして、容易かつ確実に形成することができる。これにより、コート層5と金属被膜4、酸化物被膜3との接触面積を大きくし、これらの密着性を特に優れたものとすることができる。
また、本実施形態では、開口部6において、金属被膜4(反射膜)の表面と金属被膜4の垂線(法線)方向とのなす角が、金属被膜4(反射膜)の基材2に対向する第1面41からその反対側の第2面42に向かう金属被膜4の厚さ方向に沿って大きくなるように、断面積増大部62が設けられている。
なお、本発明において、断面積とは、反射膜(金属被膜)の主面方向についての断面積(反射膜を平面視したときの断面積)のことを指す。
また、開口部6が断面積増大部62を有するものであると、後述するようなコート層5を、その一部が開口部6内に入り込んだものとして、容易かつ確実に形成することができる。これにより、コート層5と金属被膜4、酸化物被膜3との接触面積を大きくし、これらの密着性を特に優れたものとすることができる。
また、本実施形態では、開口部6において、金属被膜4(反射膜)の表面と金属被膜4の垂線(法線)方向とのなす角が、金属被膜4(反射膜)の基材2に対向する第1面41からその反対側の第2面42に向かう金属被膜4の厚さ方向に沿って大きくなるように、断面積増大部62が設けられている。
なお、本発明において、断面積とは、反射膜(金属被膜)の主面方向についての断面積(反射膜を平面視したときの断面積)のことを指す。
開口部6(断面積増大部62)において、断面積が最小となる断面積最小部63での断面積(図示の構成では、透過部21の面積)は、75〜18000μm2であるのが好ましく、1200〜5500μm2であるのがより好ましく、1500〜3400μm2であるのがさらに好ましい。これにより、装飾品1の外観を十分に優れたものとしつつ、装飾品1の電磁波の透過率を特に優れたものとすることができる。これに対し、断面積最小部63での断面積が前記下限値未満であると、電磁波の透過性が低下する傾向を示す。一方、断面積最小部63での断面積が前記上限値を超えると、断面積増大部62の形状や金属被膜(反射膜)4の構成材料等によっては、装飾品1の外観を十分に優れたものとするのが困難になる可能性がある。
金属被膜4を平面視したときの金属被膜4の多数個の開口部6が設けられている領域の面積をS[μm2]、各開口部6についての断面積最小部63の面積の総和をΣ(S0)[μm2]としたとき、0.15≦Σ(S0)/S≦0.45の関係を満足するのが好ましく、0.20≦Σ(S0)/S≦0.42の関係を満足するのがより好ましく、0.25≦Σ(S0)/S≦0.40の関係を満足するのがさらに好ましい。このような関係を満足することにより、装飾品1の外観を十分に優れたものとしつつ、装飾品1の電磁波の透過率を特に優れたものとすることができる。これに対し、Σ(S0)/Sの値が前記下限値未満であると、金属被膜(反射膜)4の構成材料や厚さ等によっては、装飾品1全体としての電磁波の透過率を十分に高めることができない。一方、Σ(S0)/Sの値が前記上限値を超えると、断面積増大部62の形状や金属被膜(反射膜)4の構成材料等によっては、装飾品1の外観を十分に優れたものとするのが困難になる可能性がある。
また、開口部6(断面積増大部62)において、断面積が最小となる断面積最小部63での断面積(図示の構成では、透過部21の面積)をS0[μm2]、断面積が最大となる断面積最大部64での断面積(図示の構成では、第2面42における開口部6の断面積)をS1[μm2]としたとき、0.02≦S0/S1≦0.98の関係を満足するのが好ましく、0.02≦S0/S1≦0.90の関係を満足するのがより好ましく、0.05≦S0/S1≦0.80の関係を満足するのがさらに好ましく、0.10≦S0/S1≦0.70の関係を満足するのがもっとも好ましい。このような関係を満足することにより、装飾品1の外観を十分に優れたものとしつつ、装飾品1の電磁波の透過率を特に優れたものとすることができる。これに対し、S0/S1の値が前記下限値未満であると、金属被膜(反射膜)4の構成材料や厚さ等によっては、装飾品1全体としての電磁波の透過率を十分に高めることができない。一方、S0/S1の値が前記上限値を超えると、断面積増大部62の形状や金属被膜(反射膜)4の構成材料等によっては、装飾品1の外観を十分に優れたものとするのが困難になる可能性がある。
また、断面積増大部62の厚さは、特に限定されないが、0.005〜2.5μmであるのが好ましく、0.005〜1.5μmであるのがより好ましく、0.007〜0.9μmであるのがさらに好ましく、0.01〜0.5μmであるのがもっとも好ましい。断面積増大部62の厚さが前記下限値未満であると、金属被膜(反射膜)4の構成材料等によっては、装飾品1の外観を十分に優れたものとするのが困難になる可能性がある。一方、断面積増大部62の厚さが前記上限値を超えると、金属被膜(反射膜)4の構成材料や透過部21の面積等によっては、装飾品1全体としての電磁波の透過率を十分に高めるのが困難となる。
また、図示の構成では、断面積増大部62は、開口部6の厚さ方向のほぼ全体にわたって形成されている。すなわち、反射膜としての金属被膜4の厚さと、断面積増大部62の厚さとが同一である。このような構成により、装飾品1の美的外観は、特に優れたものとなる。
また、図示の構成では、断面積増大部62は、開口部6の厚さ方向のほぼ全体にわたって形成されている。すなわち、反射膜としての金属被膜4の厚さと、断面積増大部62の厚さとが同一である。このような構成により、装飾品1の美的外観は、特に優れたものとなる。
開口部6(断面積最小部63)の形状は、特に限定されず、例えば、平面視した際の形状が略円形状、略楕円形状、略多角形状、スリット状、格子状等、いかなる形状であってもよいが、図2に示すように、平面視した際に略円形状を示すものであると、装飾品1の外観において、開口部6の存在をより目立ち難いものとすることができる。また、このような形状の開口部6は、その形成を容易に行うことができ、また、その大きさをより確実に制御することができる。
また、図中Wで表される断面積最小部63の幅は、10〜150μmであるのが好ましく、40〜80μmであるのがより好ましく、45〜65μmであるのがさらに好ましい。断面積最小部63の幅Wが前記範囲内の値であると、装飾品1としての電磁波の透過性を十分に高いものとしつつ、装飾品1の美的外観(審美性)を特に優れたものとすることができる。これに対し、断面積最小部63の幅Wが前記下限値未満であると、断面積最小部63の占有面積の割合(Σ(S0)/S)によっては、装飾品1全体としての電磁波の透過率を十分に高めるのが困難になる可能性がある。一方、断面積最小部63の幅Wが前記上限値を超えると、金属被膜4の構成材料や厚さ等によっては、装飾品1の外観を十分に優れたものとするのが困難になる可能性がある。なお、断面積最小部63が平面視した際に略円形状を示すものである場合には、その直径を断面積最小部63の幅Wとし、断面積最小部63が平面視した際に略楕円形状を示すものである場合には、その短軸方向の長さを断面積最小部63の幅Wとすることができる。
また、図中Pで表される開口部6のピッチは、60〜300μmであるのが好ましく、120〜200μmであるのがより好ましく、130〜180μmであるのがさらに好ましい。開口部6のピッチPが前記範囲内の値であると、装飾品1としての電磁波の透過性を十分に高いものとしつつ、装飾品1の美的外観(審美性)を特に優れたものとすることができる。これに対し、開口部6のピッチPが前記下限値未満であると、金属被膜4の構成材料や厚さ等によっては、装飾品1の外観を十分に優れたものとするのが困難になる可能性がある。一方、開口部6のピッチPが前記上限値を超えると、開口部6の占有面積の割合によっては、装飾品1全体としての電磁波の透過率を十分に高めるのが困難になる可能性がある。なお、開口部6のピッチとは、隣接する開口部6−開口部6間の中心間距離のことを指し、隣接する開口部が複数個ある場合には、最も近接した開口部6との中心間距離のことを指す。
上記のような開口部6は、少なくとも、金属被膜4に設けられていればよいが(特に、酸化物被膜3が透明性を有する材料で構成されたものである場合等においては)、図1に示す構成では、酸化物被膜3にも貫通している。これにより、装飾品1の美的外観を優れたものとしつつ、装飾品1全体としての電磁波の透過率をさらに向上させることができる。
上記のような開口部6は、少なくとも、金属被膜4に設けられていればよいが(特に、酸化物被膜3が透明性を有する材料で構成されたものである場合等においては)、図1に示す構成では、酸化物被膜3にも貫通している。これにより、装飾品1の美的外観を優れたものとしつつ、装飾品1全体としての電磁波の透過率をさらに向上させることができる。
また、開口部6は、図3に示すように、金属被膜4に選択的に設けられ、酸化物被膜3には設けられないものであってもよい。これにより、電磁波の透過率を十分に優れたものとしつつ、開口部6において、外部から入射した光は、酸化物被膜3および基材2を透過するとともに、適度な反射率で反射され、開口部6の存在がより目立ち難くなり、装飾品1の美的外観は特に優れたものとなる。すなわち、開口部6において酸化物被膜3が残存していると、外部から入射した光の一部が、酸化物被膜3の表面付近で反射するとともに、酸化物被膜3と基材2との間でも、光の入射側への光の反射がおこり、開口部6の存在がより目立ち難くなる。このような効果は、酸化物被膜3の構成材料の屈折率(絶対屈折率)が、基材2の構成材料の屈折率(絶対屈折率)よりも大きい場合に顕著なものとして発揮される。
また、酸化物被膜3の構成材料の屈折率(絶対屈折率)をIO、基材2の構成材料の屈折率(絶対屈折率)をIBとしたとき、0.4≦IO−IB≦1.5の関係を満足するのが好ましく、0.6≦IO−IB≦1.1の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、上記のような効果は特に顕著なものとして発揮される。
また、酸化物被膜3の構成材料の屈折率(絶対屈折率)をIO、基材2の構成材料の屈折率(絶対屈折率)をIBとしたとき、0.4≦IO−IB≦1.5の関係を満足するのが好ましく、0.6≦IO−IB≦1.1の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、上記のような効果は特に顕著なものとして発揮される。
[コート層]
金属被膜4の表面には、コート層5が設けられている。このようなコート層5を有することにより、例えば、電磁波の透過率を十分に高いものとしつつ、光沢性、色調等を調製することができ、装飾品1の美的外観をさらに優れたものにすることができる。また、このようなコート層5を有することにより、例えば、装飾品1全体としての、耐食性、耐候性、耐水性、耐油性、耐擦傷性、耐摩耗性、耐変色性等の各種特性を向上させることができ、外部環境の影響による金属被膜4等の劣化、変性等をより確実に防止することができる。その結果、装飾品1としての耐久性を特に優れたものとすることができる。
金属被膜4の表面には、コート層5が設けられている。このようなコート層5を有することにより、例えば、電磁波の透過率を十分に高いものとしつつ、光沢性、色調等を調製することができ、装飾品1の美的外観をさらに優れたものにすることができる。また、このようなコート層5を有することにより、例えば、装飾品1全体としての、耐食性、耐候性、耐水性、耐油性、耐擦傷性、耐摩耗性、耐変色性等の各種特性を向上させることができ、外部環境の影響による金属被膜4等の劣化、変性等をより確実に防止することができる。その結果、装飾品1としての耐久性を特に優れたものとすることができる。
コート層5は、いかなる材料で構成されたものであってもよいが、適度な透明性を有する材料で構成されたものであるのが好ましい。このような材料としては、各種プラスチック材料(樹脂材料)、各種ガラス、ダイヤモンド様炭素(DLC)等が挙げられるが、この中でも、プラスチックは、優れた透明性と、優れた成形性(成形の容易さ)とを併有しているため、特に好ましい。
コート層5を構成するプラスチック材料(樹脂材料)としては、各種熱可塑性樹脂、各種熱硬化性樹脂が挙げられ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリパラキシリレン(poly-para-xylylene)、ポリモノクロロパラキシリレン(poly-monochloro-para-xylylene)、ポリジクロロパラキシリレン(poly-dichloro-para-xylylene)、ポリモノフルオロパラキシリレン(poly-monofluoro-para-xylylene)、ポリモノエチルパラキシリレン(poly-monoethyl-para-xylylene)等のポリパラキシリレン樹脂等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等として)用いることができる。
コート層5は、上記のような材料の中でも特に、ウレタン系樹脂および/またはアクリル系樹脂を含む材料で構成されたものであるのが好ましく、主としてウレタン系樹脂および/またはアクリル系樹脂で構成されたものであるのがより好ましい。これにより、上記のようなコート層5を有することによる効果をより顕著なものとして発揮させつつ、コート層5と金属被膜4との密着性を特に優れたものとすることができる。
また、コート層5中には、上記のような材料以外の成分が含まれていてもよい。このような成分としては、例えば、着色剤(各種発色剤、蛍光物質、りん光物質等を含む)、光沢剤、可塑剤、酸化防止剤、フィラー等が挙げられる。
また、コート層5中には、上記のような材料以外の成分が含まれていてもよい。このような成分としては、例えば、着色剤(各種発色剤、蛍光物質、りん光物質等を含む)、光沢剤、可塑剤、酸化防止剤、フィラー等が挙げられる。
コート層5の平均厚さは、特に限定されないが、0.01〜50μmであるのが好ましく、0.1〜20μmであるのがより好ましく、2〜15μmであるのがさらに好ましい。コート層5の平均厚さが前記範囲内の値であると、コート層5の内部応力が高くなるのを十分に防止しつつ、コート層5と金属被膜4との密着性を特に優れたものとすることができる。また、装飾品1の審美性を特に優れたものとすることができる。これに対し、コート層5の平均厚さが前記下限値未満であると、金属被膜4、コート層5の構成材料等によっては、コート層5と金属被膜4との密着性を十分に向上させるのが困難になる可能性がある。また、コート層5の機能が十分に発揮されない可能性がある。また、コート層5の平均厚さが前記上限値を超えると、コート層5の各部位における膜厚のばらつきが大きくなる傾向を示す。また、コート層5の平均厚さが特に大きい場合は、コート層5の内部応力が高くなり、クラック等が発生し易くなる。また、コート層5の平均厚さが特に大きい場合は、コート層5の構成材料(透明性)、金属被膜4の構成材料等によっては、金属被膜4の光沢、色調等の特長を十分に発揮するのが困難となり、装飾品1全体としての審美性を十分に高めるのが困難になる可能性がある。なお、図示のように、コート層5の一部が開口部6内に侵入している場合、コート層5の平均厚さとしては、金属被膜4上に設けられた部位(開口部6に対応する部位を除いた部位)についての平均厚さの値を採用するものとする。
また、開口部6が、図3(後述する図5についても同様)に示すように、金属被膜4に選択的に設けられ、酸化物被膜3には設けられないものである場合、酸化物被膜3の構成材料の屈折率(絶対屈折率)をIO、コート層5の構成材料の屈折率(絶対屈折率)をICとしたとき、0.4≦IO−IC≦1.5の関係を満足するのが好ましく、0.6≦IO−IC≦1.1の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、外部から入射した光の一部が、酸化物被膜3の表面付近や、酸化物被膜3と基材2との界面で、光の入射側へ反射するとともに、酸化物被膜3とコート層5との界面でも光の入射側への光の反射がおこり、開口部6の存在がより目立ち難くなる。
また、コート層5は、各部位で均一な組成を有するものであってもよいし、そうでなくてもよい。例えば、コート層5は、含有成分(組成)が厚さ方向に順次変化するもの(傾斜材料)であってもよい。また、コート層5は、複数の層を有する積層体であってもよい。これにより、例えば、金属被膜4との密着性を特に優れたものとしつつ、装飾品1としての審美性をさらに高めることができる。
また、コート層5は、例えば、装飾品1の使用時等において除去されるものであってもよい。
また、コート層5は、例えば、装飾品1の使用時等において除去されるものであってもよい。
[装飾品]
以上説明したような装飾品1は、装飾性を備えた物品であればいかなるものでもよいが、例えば、置物等のインテリア、エクステリア用品、宝飾品、時計ケース(胴、裏蓋、胴と裏蓋とが一体化されたワンピースケース等)、時計バンド(バンド中留、バンド・バングル着脱機構等を含む)、文字板、時計用針、ベゼル(例えば、回転ベゼル等)、りゅうず(例えば、ネジロック式りゅうず等)、ボタン、カバーガラス、ガラス縁、ダイヤルリング、見切板、パッキン等の時計用外装部品、ムーブメントの地板、歯車、輪列受け、回転錘等の時計用内装部品、メガネ(例えば、メガネフレーム)、ネクタイピン、カフスボタン、指輪、ネックレス、ブレスレット、アンクレット、ブローチ、ペンダント、イヤリング、ピアス等の装身具、ライターまたはそのケース、自動車のホイール、ゴルフクラブ等のスポーツ用品、銘板、パネル、賞杯、その他ハウジング等を含む各種機器部品、各種容器等に適用することができる。この中でも特に、時計用外装部品がより好ましい。時計用外装部品は、一般に、外部からの衝撃を受け易い装飾品であり、装飾品としての外観の美しさが要求されるとともに、実用品としての耐久性も求められるが、本発明によればこれらの要件を同時に満足することができる。なお、本明細書中での「時計用外装部品」とは、外部から視認可能なものであればいかなるものであってもよく、時計の外部に露出しているものに限らず、時計の内部に内蔵されたものも含む。
以上説明したような装飾品1は、装飾性を備えた物品であればいかなるものでもよいが、例えば、置物等のインテリア、エクステリア用品、宝飾品、時計ケース(胴、裏蓋、胴と裏蓋とが一体化されたワンピースケース等)、時計バンド(バンド中留、バンド・バングル着脱機構等を含む)、文字板、時計用針、ベゼル(例えば、回転ベゼル等)、りゅうず(例えば、ネジロック式りゅうず等)、ボタン、カバーガラス、ガラス縁、ダイヤルリング、見切板、パッキン等の時計用外装部品、ムーブメントの地板、歯車、輪列受け、回転錘等の時計用内装部品、メガネ(例えば、メガネフレーム)、ネクタイピン、カフスボタン、指輪、ネックレス、ブレスレット、アンクレット、ブローチ、ペンダント、イヤリング、ピアス等の装身具、ライターまたはそのケース、自動車のホイール、ゴルフクラブ等のスポーツ用品、銘板、パネル、賞杯、その他ハウジング等を含む各種機器部品、各種容器等に適用することができる。この中でも特に、時計用外装部品がより好ましい。時計用外装部品は、一般に、外部からの衝撃を受け易い装飾品であり、装飾品としての外観の美しさが要求されるとともに、実用品としての耐久性も求められるが、本発明によればこれらの要件を同時に満足することができる。なお、本明細書中での「時計用外装部品」とは、外部から視認可能なものであればいかなるものであってもよく、時計の外部に露出しているものに限らず、時計の内部に内蔵されたものも含む。
また、装飾品1は、時計用外装部品の中でも特に、文字板に適用されるものであるのが好ましい。文字板は、時計を構成する各種部品の中でも、特に優れた美的外観が要求される部品である。また、後述するような電波時計、ソーラー時計(これらには、ソーラー電波時計を含む)では、通常、文字板は、電波受信用のアンテナ、太陽電池を覆うように、電波受信用のアンテナ上、太陽電池上(太陽電池の受光面上)に配置されている。したがって、電波時計、ソーラー時計においては、文字板に、電波の優れた透過性が求められるが、本発明の装飾品1によれば、このような要求を十分に満足することができる。
また、装飾品1は、時計用外装部品の中でも特に、腕時計に適用されるものであるのが好ましい。腕時計は、一般に、使用される環境の条件が一定ではなく、様々な環境下において優れた装飾性、実用性が求められるものであるが、本発明の装飾品1によれば、このような要求を十分に満足することができる。
また、装飾品1は、時計用外装部品の中でも特に、腕時計に適用されるものであるのが好ましい。腕時計は、一般に、使用される環境の条件が一定ではなく、様々な環境下において優れた装飾性、実用性が求められるものであるが、本発明の装飾品1によれば、このような要求を十分に満足することができる。
また、装飾品1は、以下に述べるような理由から、時計用部品(時計用外装部品)の中でも特に、電波時計用部品(ソーラー電波時計用部品を含む)であるのが好ましい。
すなわち、装飾品1は、上述したような開口部6(断面積増大部62を有する開口部6)を有しているため、電磁波(光および電波)の透過性に優れている。また、装飾品1は、基材2と金属被膜4との間に酸化物被膜3を有しているため、酸化物被膜3の色調等により、金属被膜4の厚さが比較的薄い場合であっても、装飾品1全体としての美的外観を優れたものとすることができる。また、装飾品1は、基材2がプラスチック材料で構成されている。これらのことから、装飾品1においては、優れた美的外観および耐久性を発揮させるとともに、電波の透過性を特に優れたものとすることができる。したがって、装飾品1は、電波時計用部品に好適に適用することができる。
すなわち、装飾品1は、上述したような開口部6(断面積増大部62を有する開口部6)を有しているため、電磁波(光および電波)の透過性に優れている。また、装飾品1は、基材2と金属被膜4との間に酸化物被膜3を有しているため、酸化物被膜3の色調等により、金属被膜4の厚さが比較的薄い場合であっても、装飾品1全体としての美的外観を優れたものとすることができる。また、装飾品1は、基材2がプラスチック材料で構成されている。これらのことから、装飾品1においては、優れた美的外観および耐久性を発揮させるとともに、電波の透過性を特に優れたものとすることができる。したがって、装飾品1は、電波時計用部品に好適に適用することができる。
次に、上述した装飾品1の製造方法について説明する。
図4は、本発明の装飾品の製造方法の第1実施形態を示す断面図である。
図4に示すように、本実施形態の装飾品の製造方法は、基材2の表面の少なくとも一部(1a)に、酸化物被膜3を形成する酸化物被膜形成工程(1b)と、酸化物被膜3の表面の少なくとも一部に、金属被膜4を形成する金属被膜形成工程(1c)と、金属被膜4および酸化物被膜3に開口部6を形成する開口部形成工程(1d)と、金属被膜4上にコート層5を形成するコート層形成工程(1e)とを有する。
図4は、本発明の装飾品の製造方法の第1実施形態を示す断面図である。
図4に示すように、本実施形態の装飾品の製造方法は、基材2の表面の少なくとも一部(1a)に、酸化物被膜3を形成する酸化物被膜形成工程(1b)と、酸化物被膜3の表面の少なくとも一部に、金属被膜4を形成する金属被膜形成工程(1c)と、金属被膜4および酸化物被膜3に開口部6を形成する開口部形成工程(1d)と、金属被膜4上にコート層5を形成するコート層形成工程(1e)とを有する。
[基材]
基材2としては、前述したようなものを用いることができる。
また、基材2の表面に対しては、例えば、鏡面加工、スジ目加工、梨地加工等の表面加工が施されてもよい。これにより、得られる装飾品1の表面の光沢具合にバリエーションを持たせることが可能となり、得られる装飾品1の装飾性をさらに向上させることができる。
基材2としては、前述したようなものを用いることができる。
また、基材2の表面に対しては、例えば、鏡面加工、スジ目加工、梨地加工等の表面加工が施されてもよい。これにより、得られる装飾品1の表面の光沢具合にバリエーションを持たせることが可能となり、得られる装飾品1の装飾性をさらに向上させることができる。
また、このような表面加工を施した基材2を用いて製造される装飾品1は、酸化物被膜3、金属被膜4に対して、前記表面加工を施すことにより得られるものに比べて、金属被膜4のギラツキ等が抑制されたものとなり、特に美的外観に優れたものとなる。また、基材2は、主としてプラスチック材料で構成されたものであるため、上記のような表面加工も比較的容易に行うことができる。また、酸化物被膜3、金属被膜4は、通常、比較的薄いものであるため、酸化物被膜3、金属被膜4に対して表面加工を施すと、当該表面処理を施した部位の酸化物被膜3、金属被膜4が完全に除去されてしまう可能性があるが、基材2に対して表面処理を行うことにより、このような問題の発生も効果的に防止することができる。
[酸化物被膜形成工程]
基材2に、主として金属酸化物で構成された酸化物被膜3を形成する(1b)。
上述したように、酸化物被膜3は、基材2および金属被膜4との密着性に優れるものである。このような酸化物被膜3を形成することにより、装飾品1全体としての耐久性を特に優れたものとすることができる。
基材2に、主として金属酸化物で構成された酸化物被膜3を形成する(1b)。
上述したように、酸化物被膜3は、基材2および金属被膜4との密着性に優れるものである。このような酸化物被膜3を形成することにより、装飾品1全体としての耐久性を特に優れたものとすることができる。
酸化物被膜3の形成方法は、特に限定されず、例えば、スピンコート、ディッピング、刷毛塗り、噴霧塗装、静電塗装、電着塗装等の塗装、電解めっき、浸漬めっき、無電解めっき等の湿式めっき法や、熱CVD、プラズマCVD、レーザーCVD等の化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の乾式めっき法(気相成膜法)、溶射等が挙げられるが、乾式めっき法(気相成膜法)が好ましい。酸化物被膜3の形成方法として乾式めっき法(気相成膜法)を適用することにより、均一な膜厚を有し、均質で、かつ、基材2との密着性が特に優れた酸化物被膜3を確実に形成することができる。その結果、最終的に得られる装飾品1の審美的外観、耐久性を特に優れたものとすることができる。また、酸化物被膜3の形成方法として乾式めっき法(気相成膜法)を適用することにより、形成すべき酸化物被膜3が比較的薄いものであっても、膜厚のばらつきを十分に小さいものとすることができる。このため、例えば、得られる装飾品1の耐久性を十分に高いものとしつつ、装飾品1の電磁波の透過性を向上させることができる。したがって、得られる装飾品1を電波時計、ソーラー時計等の時計用部品に、より好適に適用することができる。
また、上記のような乾式めっき法(気相成膜法)の中でも、スパッタリングが特に好ましい。酸化物被膜3の形成方法としてスパッタリングを適用することにより、上記のような効果はより顕著なものとなる。すなわち、酸化物被膜3の形成方法としてスパッタリングを適用することにより、均一な膜厚を有し、均質で、かつ、基材2との密着性が特に優れた酸化物被膜3をより確実に形成することができる。その結果、最終的に得られる装飾品1の審美的外観、耐久性をさらに優れたものとすることができる。また、酸化物被膜3の形成方法としてスパッタリングを適用することにより、形成すべき酸化物被膜3が比較的薄いものであっても、膜厚のばらつきを特に小さいものとすることができる。このため、例えば、得られる装飾品1の耐久性を高いものとしつつ、装飾品1の電磁波の透過性をさらに向上させることができる。したがって、得られる装飾品1を電波時計、ソーラー時計等の時計用部品に、さらに好適に適用することができる。
なお、上記のような乾式めっき法を適用する場合、例えば、酸化物被膜3を構成する金属酸化物に対応する金属をターゲットとして用い、酸素ガスを含む雰囲気中で処理を行うことにより、酸化物被膜3を容易かつ確実に形成することができる。
また、酸化物被膜3の形成は、異なる複数の方法、条件を組み合わせて行ってもよい。これにより、前述したような積層体で構成された酸化物被膜3を好適に形成することができる。
また、酸化物被膜3の形成は、異なる複数の方法、条件を組み合わせて行ってもよい。これにより、前述したような積層体で構成された酸化物被膜3を好適に形成することができる。
[金属被膜形成工程]
次に、上記のようにして形成された酸化物被膜3上に、主として金属材料で構成された金属被膜4を形成する(1c)。
金属被膜4の形成方法は、特に限定されず、例えば、スピンコート、ディッピング、刷毛塗り、噴霧塗装、静電塗装、電着塗装等の塗装、電解めっき、浸漬めっき、無電解めっき等の湿式めっき法や、熱CVD、プラズマCVD、レーザーCVD等の化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の乾式めっき法(気相成膜法)、溶射等が挙げられるが、乾式めっき法(気相成膜法)が好ましい。金属被膜4の形成方法として乾式めっき法(気相成膜法)を適用することにより、均一な膜厚を有し、均質で、かつ、酸化物被膜3との密着性が特に優れた金属被膜4を確実に形成することができる。その結果、最終的に得られる装飾品1の審美的外観、耐久性を特に優れたものとすることができる。また、金属被膜4の形成方法として乾式めっき法(気相成膜法)を適用することにより、形成すべき金属被膜4が比較的薄いものであっても、膜厚のばらつきを十分に小さいものとすることができる。このため、例えば、得られる装飾品1の耐久性を十分に高いものとしつつ、装飾品1の電磁波の透過性を向上させることができる。したがって、得られる装飾品1を電波時計、ソーラー時計等の時計用部品に、より好適に適用することができる。
次に、上記のようにして形成された酸化物被膜3上に、主として金属材料で構成された金属被膜4を形成する(1c)。
金属被膜4の形成方法は、特に限定されず、例えば、スピンコート、ディッピング、刷毛塗り、噴霧塗装、静電塗装、電着塗装等の塗装、電解めっき、浸漬めっき、無電解めっき等の湿式めっき法や、熱CVD、プラズマCVD、レーザーCVD等の化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の乾式めっき法(気相成膜法)、溶射等が挙げられるが、乾式めっき法(気相成膜法)が好ましい。金属被膜4の形成方法として乾式めっき法(気相成膜法)を適用することにより、均一な膜厚を有し、均質で、かつ、酸化物被膜3との密着性が特に優れた金属被膜4を確実に形成することができる。その結果、最終的に得られる装飾品1の審美的外観、耐久性を特に優れたものとすることができる。また、金属被膜4の形成方法として乾式めっき法(気相成膜法)を適用することにより、形成すべき金属被膜4が比較的薄いものであっても、膜厚のばらつきを十分に小さいものとすることができる。このため、例えば、得られる装飾品1の耐久性を十分に高いものとしつつ、装飾品1の電磁波の透過性を向上させることができる。したがって、得られる装飾品1を電波時計、ソーラー時計等の時計用部品に、より好適に適用することができる。
また、上記のような乾式めっき法(気相成膜法)の中でも、スパッタリングが特に好ましい。金属被膜4の形成方法としてスパッタリングを適用することにより、上記のような効果はより顕著なものとなる。すなわち、金属被膜4の形成方法としてスパッタリングを適用することにより、均一な膜厚を有し、均質で、かつ、酸化物被膜3との密着性が特に優れた金属被膜4をより確実に形成することができる。その結果、最終的に得られる装飾品1の審美的外観、耐久性をさらに優れたものとすることができる。また、金属被膜4の形成方法としてスパッタリングを適用することにより、形成すべき金属被膜4が比較的薄いものであっても、膜厚のばらつきを特に小さいものとすることができる。このため、例えば、得られる装飾品1の耐久性を高いものとしつつ、装飾品1の電磁波の透過性をさらに向上させることができる。したがって、得られる装飾品1を電波時計、ソーラー時計等の時計用部品に、さらに好適に適用することができる。
なお、上記のような乾式めっき法を適用する場合、例えば、金属被膜4を構成する金属をターゲットとして用い、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気中で処理を行うことにより、金属被膜4を容易かつ確実に形成することができる。また、上述した酸化物被膜形成工程を乾式めっき法により行う場合、例えば、気相成膜装置内(チャンバー内)の雰囲気ガスの組成を、酸素ガスを含むものから、不活性ガスに置換し、必要に応じて、ターゲットを変更することにより、同一装置内で、酸化物被膜形成工程と金属被膜形成工程とを、(基材2を装置内から取り出すことなく)引き続いて行うことができる。これにより、基材2、酸化物被膜3、金属被膜4の密着性が特に優れたものとなるとともに、装飾品1の生産性も向上する。
また、金属被膜4の形成は、異なる複数の方法、条件を組み合わせて行ってもよい。これにより、前述したような積層体で構成された金属被膜4を好適に形成することができる。
また、金属被膜4の形成は、異なる複数の方法、条件を組み合わせて行ってもよい。これにより、前述したような積層体で構成された金属被膜4を好適に形成することができる。
[開口部形成工程]
次に、開口部6を形成する(1d)。開口部6は、少なくとも金属被膜4に形成すればよいが、本実施形態では、酸化物被膜3にも貫通するものとして形成している。
開口部6の形成方法は、特に限定されず、例えば、金属被膜4(および酸化物被膜3)の一部(開口部6に対応する部位)をエッチングにより除去する方法、金属被膜4(および酸化物被膜3)の一部(開口部6に対応する部位)をブラスト処理等により機械的に除去する方法等が挙げられるが、本実施形態では、金属被膜4(および酸化物被膜3)の一部(開口部6に対応する部位)をレーザー光の照射により除去する方法を用いる。このような方法を用いることにより、上述したような開口部6(断面積増大部62を有する開口部6)を、所望の形状を有し、かつ、所望のパターンで配置されたものとして、容易かつ確実に形成することができる。また、レーザー光を用いることにより、金属被膜4とともに酸化物被膜3を除去することができ、開口部6を効率良く形成することができる。
次に、開口部6を形成する(1d)。開口部6は、少なくとも金属被膜4に形成すればよいが、本実施形態では、酸化物被膜3にも貫通するものとして形成している。
開口部6の形成方法は、特に限定されず、例えば、金属被膜4(および酸化物被膜3)の一部(開口部6に対応する部位)をエッチングにより除去する方法、金属被膜4(および酸化物被膜3)の一部(開口部6に対応する部位)をブラスト処理等により機械的に除去する方法等が挙げられるが、本実施形態では、金属被膜4(および酸化物被膜3)の一部(開口部6に対応する部位)をレーザー光の照射により除去する方法を用いる。このような方法を用いることにより、上述したような開口部6(断面積増大部62を有する開口部6)を、所望の形状を有し、かつ、所望のパターンで配置されたものとして、容易かつ確実に形成することができる。また、レーザー光を用いることにより、金属被膜4とともに酸化物被膜3を除去することができ、開口部6を効率良く形成することができる。
レーザー光は、基材2側、金属被膜4側のいずれの方向から照射してもよいが、図4に示すように、基材2側(図中下側)から照射するのが好ましい。これにより、金属被膜4の表面に不本意な凹凸が発生するのを防止しつつ、所望の形状を有し、かつ、所望のパターンで配置された開口部6を、容易かつ確実に形成することができる。特に、図示の構成のように、酸化物被膜3を有することにより、照射するレーザー光のエネルギーを酸化物被膜3に吸収させ、このエネルギーを金属被膜4の除去に効率良く利用することができるため、上記のような形状の開口部6をより確実に形成することができる。また、レーザー光を基材2側から照射することにより、酸化物被膜3の除去も、金属被膜4の除去とともに効率良く行うことができる。また、レーザー光を基材2側から照射する場合、レーザーの照射条件等の調整、金属被膜4、酸化物被膜3の材料等の選択等により、図3に示すように、金属被膜4にのみ選択的に設けられた開口部6を有する装飾品1を、容易かつ確実に得ることができる。
本工程で照射するレーザー光の種類は、特に限定されないが、例えば、ルビーレーザー、半導体レーザー、YAGレーザー、フェムト秒レーザー、ガラスレーザー、YVO4レーザー、Ne−Heレーザー、Arレーザー、CO2レーザー、エキシマレーザー等が挙げられる。また、各レーザーのSHG、THG、FHG等の波長を使ってもよい。
また、レーザー光の照射は、所定のパターンで光透過部(開口部)が形成されたマスクを介した状態で、行うものであってもよい。また、例えば、レーザー光源と基材2とを相対的に移動させつつ、レーザー光を間欠的に照射することにより行ってもよい。
また、レーザー光の照射は、所定のパターンで光透過部(開口部)が形成されたマスクを介した状態で、行うものであってもよい。また、例えば、レーザー光源と基材2とを相対的に移動させつつ、レーザー光を間欠的に照射することにより行ってもよい。
[コート層形成工程]
次に、金属被膜4上に、コート層5を形成する(1e)。これにより、装飾品1が得られる。
コート層5の形成方法は、特に限定されず、例えば、スピンコート、ディッピング、刷毛塗り、噴霧塗装、静電塗装、電着塗装等の塗装、電解めっき、浸漬めっき、無電解めっき等の湿式めっき法や、熱CVD、プラズマCVD、レーザーCVD等の化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の乾式めっき法(気相成膜法)、溶射等が挙げられるが、コート層5が主として前述したような樹脂材料で構成されたものである場合、塗装により形成するのが好ましい。これにより、比較的容易にコート層5を形成することができる。また、塗装によりコート層5を形成する場合、コート層形成用の材料中に着色剤等の成分を添加したり、その添加量の調節したりするのが容易である。
次に、金属被膜4上に、コート層5を形成する(1e)。これにより、装飾品1が得られる。
コート層5の形成方法は、特に限定されず、例えば、スピンコート、ディッピング、刷毛塗り、噴霧塗装、静電塗装、電着塗装等の塗装、電解めっき、浸漬めっき、無電解めっき等の湿式めっき法や、熱CVD、プラズマCVD、レーザーCVD等の化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の乾式めっき法(気相成膜法)、溶射等が挙げられるが、コート層5が主として前述したような樹脂材料で構成されたものである場合、塗装により形成するのが好ましい。これにより、比較的容易にコート層5を形成することができる。また、塗装によりコート層5を形成する場合、コート層形成用の材料中に着色剤等の成分を添加したり、その添加量の調節したりするのが容易である。
また、金属被膜(反射膜)4には、上述したような開口部6(断面積増大部62を有する開口部6)が設けられているため、本工程において、コート層5を、その一部が開口部6内に入り込んだ形状のものとして容易かつ確実に形成することができる。これにより、コート層5と金属被膜4との接触面積が増大し、装飾品1におけるコート層5の密着性を特に優れたものとすることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の装飾品および装飾品の製造方法の第2実施形態について説明する。以下の説明では、前述した実施形態(第1の実施形態)との違いを中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
図5は、本発明の装飾品の第2実施形態を示す断面図である。
次に、本発明の装飾品および装飾品の製造方法の第2実施形態について説明する。以下の説明では、前述した実施形態(第1の実施形態)との違いを中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
図5は、本発明の装飾品の第2実施形態を示す断面図である。
図5に示すように、本実施形態(第2実施形態)の装飾品1は、前述した第1実施形態の装飾品1とは、開口部6の形状が異なる。すなわち、第1実施形態の装飾品1では、開口部6において、金属被膜4(反射膜)の表面と金属被膜4の垂線(法線)方向とのなす角が、金属被膜4(反射膜)の基材2に対向する第1面41からその反対側の第2面42に向かう金属被膜4の厚さ方向に沿って大きくなるように、断面積増大部62が設けられていたのに対し、本実施形態では、開口部6において、金属被膜4(反射膜)の表面と金属被膜4の垂線(法線)方向とのなす角が、金属被膜4(反射膜)の基材2に対向する第1面41からその反対側の第2面42に向かう金属被膜4の厚さ方向に沿って小さくなるように、断面積増大部62が設けられている。このように、断面積増大部62の形状は、特に限定されるものではない。
また、図5に示す構成では、開口部6は、金属被膜4に選択的に設けられ、酸化物被膜3には設けられていない。これにより、電磁波の透過率を十分に優れたものとしつつ、開口部6において、外部から入射した光は、酸化物被膜3および基材2を透過するとともに、適度な反射率で反射され、開口部6の存在がより目立ち難くなり、装飾品1の美的外観は特に優れたものとなる。すなわち、開口部6において酸化物被膜3が残存していると、外部から入射した光の一部が、酸化物被膜3の表面付近で反射するとともに、酸化物被膜3と基材2との間でも、光の入射側への光の反射がおこり、開口部6の存在がより目立ち難くなる。このような効果は、酸化物被膜3の構成材料の屈折率(絶対屈折率)が、基材2の構成材料の屈折率(絶対屈折率)よりも大きい場合に顕著なものとして発揮される。
次に、本実施形態の装飾品1の製造方法について説明する。
図6は、本発明の装飾品の製造方法の第2実施形態を示す断面図である。
図6に示すように、本実施形態の装飾品の製造方法は、基材2の表面の少なくとも一部(2a)に、酸化物被膜3を形成する酸化物被膜形成工程(2b)と、酸化物被膜3の表面の少なくとも一部に、金属被膜4を形成する金属被膜形成工程(2c)と、金属被膜4の表面に、所定のパターンで設けられた開口部91を有するマスク9を形成するマスク形成工程(2d)と、エッチングにより、金属被膜4に開口部6を形成する開口部形成工程(2e)と、マスク9を除去するマスク除去工程(2f)と、金属被膜4上にコート層5を形成するコート層形成工程(2g)とを有する。すなわち、本実施形態では、金属被膜4の表面にマスク9を設けた状態で、エッチングにより開口部6を形成し、開口部6の形成後にマスクを除去する工程を有する以外は、前述した第1実施形態の製造方法と同様である。したがって、以下、マスク形成工程(2d)、開口部形成工程(2e)、およびマスク除去工程(2f)について説明する。
図6は、本発明の装飾品の製造方法の第2実施形態を示す断面図である。
図6に示すように、本実施形態の装飾品の製造方法は、基材2の表面の少なくとも一部(2a)に、酸化物被膜3を形成する酸化物被膜形成工程(2b)と、酸化物被膜3の表面の少なくとも一部に、金属被膜4を形成する金属被膜形成工程(2c)と、金属被膜4の表面に、所定のパターンで設けられた開口部91を有するマスク9を形成するマスク形成工程(2d)と、エッチングにより、金属被膜4に開口部6を形成する開口部形成工程(2e)と、マスク9を除去するマスク除去工程(2f)と、金属被膜4上にコート層5を形成するコート層形成工程(2g)とを有する。すなわち、本実施形態では、金属被膜4の表面にマスク9を設けた状態で、エッチングにより開口部6を形成し、開口部6の形成後にマスクを除去する工程を有する以外は、前述した第1実施形態の製造方法と同様である。したがって、以下、マスク形成工程(2d)、開口部形成工程(2e)、およびマスク除去工程(2f)について説明する。
[マスク形成工程]
本工程においては、金属被膜4上に、マスク9を形成する(2d)。本工程で形成するマスク9は、所定のパターンで設けられた開口部91(開口部6に対応するパターンで設けられた開口部91)を有するものである。
マスク9は、後の開口部形成工程(エッチング工程)において、被覆した部位の金属被膜4を保護する機能(被覆した部位の金属被膜4がエッチングされるのを防止する機能)を有する。
本工程においては、金属被膜4上に、マスク9を形成する(2d)。本工程で形成するマスク9は、所定のパターンで設けられた開口部91(開口部6に対応するパターンで設けられた開口部91)を有するものである。
マスク9は、後の開口部形成工程(エッチング工程)において、被覆した部位の金属被膜4を保護する機能(被覆した部位の金属被膜4がエッチングされるのを防止する機能)を有する。
マスク9としては、エッチング工程において、被覆した部位の金属被膜4を保護する機能を有するものであればいかなるものでもよいが、後述するマスク除去工程(2f)において、容易かつ確実に除去することができるものであるのが好ましい。
このようなマスク9を構成する材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリスルホン系樹脂、エポキシ系、フッ素系等の樹脂材料や、Au、Ni、Pd、Cu、Ag、Ti、Cr等の金属材料を用いることができる。
このようなマスク9を構成する材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリスルホン系樹脂、エポキシ系、フッ素系等の樹脂材料や、Au、Ni、Pd、Cu、Ag、Ti、Cr等の金属材料を用いることができる。
マスク9の形成方法は、特に限定されず、例えば、ディッピング、刷毛塗り、噴霧塗装、静電塗装、電着塗装等の塗装、電解メッキ、浸漬メッキ、無電解メッキ等の湿式メッキ法、熱CVD、プラズマCVD、レーザーCVD等の化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の乾式メッキ法、溶射、シート材の貼着、融着等が挙げられる。
マスク9の平均厚さは、特に限定されないが、例えば、0.1〜2000μmであるのが好ましく、0.1〜1000μmであるのがより好ましい。
マスク9の平均厚さが前記下限値未満であると、マスク9の構成材料等によっては、マスク9にピンホールが発生し易くなる傾向がある。このため、後述する開口部形成工程(エッチング工程)において、マスク9が被覆された部位の金属被膜4の一部が溶解、剥離する等して、得られる装飾品1の美的外観が低下する可能性がある。一方、マスク9の平均厚さが前記上限値を超えると、マスク9の各部位における膜厚のばらつきが大きくなる傾向を示す。また、マスク9の内部応力が高くなり、結果として、マスク9と金属被膜4との密着性が低下したり、クラックが発生し易くなる。
また、マスク9は透明であることが好ましい。これにより金属被膜4との密着状態を外部から視認することが可能となる。
マスク9の平均厚さは、特に限定されないが、例えば、0.1〜2000μmであるのが好ましく、0.1〜1000μmであるのがより好ましい。
マスク9の平均厚さが前記下限値未満であると、マスク9の構成材料等によっては、マスク9にピンホールが発生し易くなる傾向がある。このため、後述する開口部形成工程(エッチング工程)において、マスク9が被覆された部位の金属被膜4の一部が溶解、剥離する等して、得られる装飾品1の美的外観が低下する可能性がある。一方、マスク9の平均厚さが前記上限値を超えると、マスク9の各部位における膜厚のばらつきが大きくなる傾向を示す。また、マスク9の内部応力が高くなり、結果として、マスク9と金属被膜4との密着性が低下したり、クラックが発生し易くなる。
また、マスク9は透明であることが好ましい。これにより金属被膜4との密着状態を外部から視認することが可能となる。
マスク9は、金属被膜4の表面に、直接、所望の形状となるように形成されるものに限定されない。例えば、金属被膜4の表面のほぼ全面に、マスク9の構成材料で構成された膜(マスク形成用膜)を被覆した後、その一部を除去することにより、所望のパターンを有するマスク9としてもよい。特に、マスク9の構成材料として、上記のようなものを用いると、金属被膜4等に悪影響を及ぼすことなく、容易かつ確実に、マスク形成用膜の一部を除去することができる。
金属被膜4の表面のほぼ全面に被覆されたマスク形成用膜の一部を除去する方法としては、例えば、フォトリソグラフィー法や、マスク形成用膜の除去したい部位に、レーザー光を照射する方法等が挙げられる。このとき用いられるレーザーとしては、例えば、Ne−Heレーザー、Arレーザー、CO2レーザー等の気体レーザーや、ルビーレーザー、半導体レーザー、YAGレーザー、ガラスレーザー、YVO4レーザー、エキシマレーザー等が挙げられる。なお、マスク形成用膜が上記のような材料で構成されたものであると、レーザー光の照射によりマスク形成用膜の除去する場合において、低出力の(エネルギー強度の比較的小さい)レーザー光により、容易かつ確実に開口部91を形成することができ、金属被膜4等に対する悪影響の発生をより確実に防止することができる。
金属被膜4の表面のほぼ全面に被覆されたマスク形成用膜の一部を除去する方法としては、例えば、フォトリソグラフィー法や、マスク形成用膜の除去したい部位に、レーザー光を照射する方法等が挙げられる。このとき用いられるレーザーとしては、例えば、Ne−Heレーザー、Arレーザー、CO2レーザー等の気体レーザーや、ルビーレーザー、半導体レーザー、YAGレーザー、ガラスレーザー、YVO4レーザー、エキシマレーザー等が挙げられる。なお、マスク形成用膜が上記のような材料で構成されたものであると、レーザー光の照射によりマスク形成用膜の除去する場合において、低出力の(エネルギー強度の比較的小さい)レーザー光により、容易かつ確実に開口部91を形成することができ、金属被膜4等に対する悪影響の発生をより確実に防止することができる。
[開口部形成工程(エッチング工程)]
次に、開口部6をエッチングにより形成する(2e)。エッチングを用いることにより、上述したような開口部6を容易かつ確実に形成することができる。また、エッチングを用いることにより、開口部6を金属被膜4に選択的に形成することができる。
エッチング方法としては、例えば、ウェットエッチング、ドライエッチング等が挙げられるが、簡単な装置で、所望の形状の開口部6を容易かつ確実に形成することができるため、ウェットエッチングが好ましい。
次に、開口部6をエッチングにより形成する(2e)。エッチングを用いることにより、上述したような開口部6を容易かつ確実に形成することができる。また、エッチングを用いることにより、開口部6を金属被膜4に選択的に形成することができる。
エッチング方法としては、例えば、ウェットエッチング、ドライエッチング等が挙げられるが、簡単な装置で、所望の形状の開口部6を容易かつ確実に形成することができるため、ウェットエッチングが好ましい。
ウェットエッチングは、金属被膜4を除去することが可能で、かつマスク9を実質的に溶解、剥離しないエッチング液を用いて行う。
エッチング液としては、例えば、硝酸、硫酸、アンモニア、過酸化水素、水、二硫化炭素、四塩化炭素等の無機溶媒や、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルテトン(MIBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、グリセリン等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)等のエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化合物系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸エチル等のエステル系溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等の硫黄化合物系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸系溶媒等の有機溶媒等から選択される1種または2種以上を混合したものや、これらに、硝酸、硫酸、塩化水素、フッ化水素、リン酸等の酸性物質、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、アンモニア等のアルカリ性物質、過マンガン酸カリウム(KMnO4)、二酸化マンガン(MnO2)、二クロム酸カリウム(K2Cr2O7)、オゾン、濃硫酸、硝酸、サラシ粉、過酸化水素、キノン類等の酸化剤、チオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)、硫化水素、過酸化水素、ヒドロキノン類等の還元剤を混合したもの等が挙げられるが、金属被膜4が、主として金(Au)で構成されたものである場合には、75vol%程度の塩酸と25vol%程度の硝酸とを含む溶液等を好適に用いることができ、主として銀(Ag)で構成されたものである場合には、20〜90%volの硝酸を含む溶液等を好適に用いることができ、主としてチタンで構成されたものである場合には、10〜50vol%のフッ化水素を含む液体等を好適に用いることができる。エッチング液として、このような液体を用いることにより、基材2、マスク9等に実質的なダメージを与えることなく、マスク9が被覆されていない部位の金属被膜4を容易かつ確実に除去することができ、前述したような好適な開口部6を形成することができる。
エッチング液としては、例えば、硝酸、硫酸、アンモニア、過酸化水素、水、二硫化炭素、四塩化炭素等の無機溶媒や、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルテトン(MIBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、グリセリン等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)等のエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化合物系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸エチル等のエステル系溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等の硫黄化合物系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸系溶媒等の有機溶媒等から選択される1種または2種以上を混合したものや、これらに、硝酸、硫酸、塩化水素、フッ化水素、リン酸等の酸性物質、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、アンモニア等のアルカリ性物質、過マンガン酸カリウム(KMnO4)、二酸化マンガン(MnO2)、二クロム酸カリウム(K2Cr2O7)、オゾン、濃硫酸、硝酸、サラシ粉、過酸化水素、キノン類等の酸化剤、チオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)、硫化水素、過酸化水素、ヒドロキノン類等の還元剤を混合したもの等が挙げられるが、金属被膜4が、主として金(Au)で構成されたものである場合には、75vol%程度の塩酸と25vol%程度の硝酸とを含む溶液等を好適に用いることができ、主として銀(Ag)で構成されたものである場合には、20〜90%volの硝酸を含む溶液等を好適に用いることができ、主としてチタンで構成されたものである場合には、10〜50vol%のフッ化水素を含む液体等を好適に用いることができる。エッチング液として、このような液体を用いることにより、基材2、マスク9等に実質的なダメージを与えることなく、マスク9が被覆されていない部位の金属被膜4を容易かつ確実に除去することができ、前述したような好適な開口部6を形成することができる。
ウェットエッチングの方法としては、例えば、エッチング液を噴霧する方法、液体状態のエッチング液に浸漬する方法(ディッピング)、液体状態のエッチング液に浸漬した状態で電解する方法等が挙げられるが、この中でも特に、液体状態のエッチング液に浸漬する方法が好ましい。これにより、金属被膜4の除去をさらに好適に行うことができる。また、金属被膜4の除去(エッチング)は、例えば、超音波振動を与えながら行ってもよい。
本工程におけるエッチング液の温度は、特に限定されないが、例えば、15〜100℃であるのが好ましく、20〜80℃であるのがより好ましく、30〜70℃であるのがさらに好ましい。エッチング液の温度が前記下限値未満であると、金属被膜4の厚さ等によっては、マスク9が被覆されていない部位の金属被膜4を十分に除去するのに要する時間が長くなり、装飾品1の生産性が低下する場合がある。一方、エッチング液の温度が前記上限値を超えると、エッチング液の組成等によっては、エッチングの進行が早くなりすぎ、上記のような好適な形状の開口部6を形成するのが困難になる可能性がある。また、エッチング液の蒸気圧、沸点等によっては、エッチング液の揮発量が多くなり、金属被膜4の除去に必要なエッチング液の量が多くなる傾向を示す。
また、エッチング液への浸漬時間は、特に限定されないが、例えば、0.5〜30分間であるのが好ましく、1〜20分間であるのがより好ましい。エッチング液への浸漬時間が前記下限値未満であると、金属被膜4の厚さ、エッチング液の温度等によっては、マスク9が被覆されていない部位の金属被膜4を十分に除去するのが困難となる場合がある。一方、エッチング液への浸漬時間が前記上限値を超えると、エッチング液の組成等によっては、エッチングが進行しすぎてしまい、上記のような好適な形状の開口部6を形成するのが困難になる可能性がある。また、装飾品1の生産性が低下する。
また、本工程においては、2種以上のエッチング液を組み合わせて用いてもよい。例えば、第1のエッチング液を用いた第1のエッチング処理を施した後、第2のエッチング液を用いた第2のエッチング処理を施してもよい。これにより、例えば、を酸化物被膜3にも貫通する開口部6を容易かつ確実に形成することができる。
また、図6に示す構成では、開口部6を、金属被膜4に選択的に形成しているが、例えば、酸化物被膜4が光の反射率の高い材料(電磁波の透過率の比較的低い材料)で構成された場合等には、開口部6を、金属被膜3、酸化物被膜3に貫通するものとして形成してもよい。
また、図6に示す構成では、開口部6を、金属被膜4に選択的に形成しているが、例えば、酸化物被膜4が光の反射率の高い材料(電磁波の透過率の比較的低い材料)で構成された場合等には、開口部6を、金属被膜3、酸化物被膜3に貫通するものとして形成してもよい。
[マスク除去工程]
次に、マスクを除去する(2f)。マスク9の除去は、いかなる方法で行ってもよいが、マスク9を除去することが可能であり、かつ基材2、金属被膜4等に対して、実質的にダメージを与えないマスク除去剤を用いて行うのが好ましい。
このようなマスク除去剤を用いることにより、マスク9の除去を容易かつ確実に行うことができる。
次に、マスクを除去する(2f)。マスク9の除去は、いかなる方法で行ってもよいが、マスク9を除去することが可能であり、かつ基材2、金属被膜4等に対して、実質的にダメージを与えないマスク除去剤を用いて行うのが好ましい。
このようなマスク除去剤を用いることにより、マスク9の除去を容易かつ確実に行うことができる。
マスク9の除去に用いられるマスク除去剤は、特に限定されないが、液体、気体等の流体であるのが好ましく、その中でも特に、液体であるのが好ましい。これにより、マスク9の除去をさらに容易かつ確実に行うことが可能となる。
マスク除去剤としては、例えば、硝酸、硫酸、アンモニア、過酸化水素、水、二硫化炭素、四塩化炭素等の無機溶媒や、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルテトン(MIBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、グリセリン等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)等のエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化合物系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸エチル等のエステル系溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等の硫黄化合物系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、フッ酸等の有機酸系溶媒等の有機溶媒等から選択される1種または2種以上を混合したものや、これらに、硝酸、硫酸、塩化水素、フッ化水素、リン酸等の酸性物質、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、アンモニア等のアルカリ性物質、過マンガン酸カリウム(KMnO4)、二酸化マンガン(MnO2)、二クロム酸カリウム(K2Cr2O7)、オゾン、濃硫酸、硝酸、サラシ粉、過酸化水素、キノン類等の酸化剤、チオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)、硫化水素、過酸化水素、ヒドロキノン類等の還元剤を混合したもの等が挙げられるが、その中でも特に1〜10%wt%の水酸化ナトリウムを含む溶液であるのが好ましい。マスク除去剤として、このような液体を用いることにより、基材2、金属被膜4等に実質的なダメージを与えることなく、マスク9を容易かつ確実に除去することができる。
マスク除去剤としては、例えば、硝酸、硫酸、アンモニア、過酸化水素、水、二硫化炭素、四塩化炭素等の無機溶媒や、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルテトン(MIBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、グリセリン等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)等のエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化合物系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸エチル等のエステル系溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等の硫黄化合物系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、フッ酸等の有機酸系溶媒等の有機溶媒等から選択される1種または2種以上を混合したものや、これらに、硝酸、硫酸、塩化水素、フッ化水素、リン酸等の酸性物質、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、アンモニア等のアルカリ性物質、過マンガン酸カリウム(KMnO4)、二酸化マンガン(MnO2)、二クロム酸カリウム(K2Cr2O7)、オゾン、濃硫酸、硝酸、サラシ粉、過酸化水素、キノン類等の酸化剤、チオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)、硫化水素、過酸化水素、ヒドロキノン類等の還元剤を混合したもの等が挙げられるが、その中でも特に1〜10%wt%の水酸化ナトリウムを含む溶液であるのが好ましい。マスク除去剤として、このような液体を用いることにより、基材2、金属被膜4等に実質的なダメージを与えることなく、マスク9を容易かつ確実に除去することができる。
マスク9を除去する方法としては、例えば、マスク除去剤を噴霧する方法、液体状態のマスク除去剤に浸漬する方法、液体状態のマスク除去剤に浸漬した状態で電解する方法等が挙げられるが、この中でも特に、液体状態のマスク除去剤に浸漬する方法が好ましい。これにより、マスク9の除去をさらに容易かつ確実に行うことが可能となる。また、マスク9の除去は、例えば、超音波振動を与えながら行ってもよい。これにより、さらに効率良くマスク9を除去することができる。
マスク9の除去を、液体状態のマスク除去剤に浸漬することにより行う場合、マスク除去剤の温度は、特に限定されないが、例えば、15〜80℃であるのが好ましく、30〜50℃であるのがより好ましい。マスク除去剤の温度が前記下限値未満であると、マスク9の厚さ等によっては、マスク9を十分に除去するのに要する時間が長くなり、装飾品1の生産性が低下する場合がある。一方、マスク除去剤の温度が前記上限値を超えると、マスク除去剤の蒸気圧、沸点等によっては、マスク除去剤の揮発量が多くなり、マスク9の除去に必要なマスク除去剤の量が多くなる傾向を示す。
また、マスク除去剤への浸漬時間は、特に限定されないが、例えば、1〜20分間であるのが好ましく、1〜10分間であるのがより好ましい。マスク除去剤への浸漬時間が前記下限値未満であると、マスク9の厚さ、マスク除去剤の温度等によっては、マスク9を十分に除去するのが困難となる場合がある。一方、マスク除去剤への浸漬時間が前記上限値を超えると、装飾品1の生産性が低下する。
次に、上述したような本発明の装飾品を備えた本発明の時計について説明する。
本発明の時計は、上述したような本発明の装飾品を有するものである。上述したように、本発明の装飾品は、光透過性(電磁波透過性)および装飾性(美的外観)に優れたものである。このため、このような装飾品を備えた本発明の時計は、ソーラー時計や電波時計としての求められる要件を十分に満足することができる。なお、本発明の時計を構成する前記装飾品(本発明の装飾品)以外の部品としては、公知のものを用いることができるが、以下に、本発明の時計の構成の一例について説明する。
本発明の時計は、上述したような本発明の装飾品を有するものである。上述したように、本発明の装飾品は、光透過性(電磁波透過性)および装飾性(美的外観)に優れたものである。このため、このような装飾品を備えた本発明の時計は、ソーラー時計や電波時計としての求められる要件を十分に満足することができる。なお、本発明の時計を構成する前記装飾品(本発明の装飾品)以外の部品としては、公知のものを用いることができるが、以下に、本発明の時計の構成の一例について説明する。
図7は、本発明の時計(腕時計)の好適な実施形態を示す断面図である。
図7に示すように、本実施形態の腕時計(携帯時計)100は、胴(ケース)72と、裏蓋73と、ベゼル(縁)74と、ガラス板(カバーガラス)75とを備えている。また、ケース72内には、前述したような本発明の装飾品としての文字板(時計用文字板)10と、太陽電池88と、ムーブメント71とが収納されており、さらに、図示しない針(指針)等が収納されている。
図7に示すように、本実施形態の腕時計(携帯時計)100は、胴(ケース)72と、裏蓋73と、ベゼル(縁)74と、ガラス板(カバーガラス)75とを備えている。また、ケース72内には、前述したような本発明の装飾品としての文字板(時計用文字板)10と、太陽電池88と、ムーブメント71とが収納されており、さらに、図示しない針(指針)等が収納されている。
ガラス板75は、通常、透明性の高い透明ガラスやサファイア等で構成されている。これにより、本発明の装飾品としての文字板10の審美性を十分に発揮させることができるとともに、太陽電池88に十分な光量の光を入射させることができる。
ムーブメント71は、太陽電池88の起電力を利用して、指針を駆動する。
図7中では省略しているが、ムーブメント71内には、例えば、太陽電池88の起電力を貯蔵する電気二重層コンデンサー、リチウムイオン二次電池や、時間基準源として水晶振動子や、水晶振動子の発振周波数をもとに時計を駆動する駆動パルスを発生する半導体集積回路や、この駆動パルスを受けて輪列機構を1秒毎に指針を駆動するステップモーターや、ステップモーターの動きを指針に伝達する輪列機構等を備えている。
また、ムーブメント71は、図示しない電波受信用のアンテナを備えている。そして、受信した電波を用いて時刻調整等を行う機能を有している。
ムーブメント71は、太陽電池88の起電力を利用して、指針を駆動する。
図7中では省略しているが、ムーブメント71内には、例えば、太陽電池88の起電力を貯蔵する電気二重層コンデンサー、リチウムイオン二次電池や、時間基準源として水晶振動子や、水晶振動子の発振周波数をもとに時計を駆動する駆動パルスを発生する半導体集積回路や、この駆動パルスを受けて輪列機構を1秒毎に指針を駆動するステップモーターや、ステップモーターの動きを指針に伝達する輪列機構等を備えている。
また、ムーブメント71は、図示しない電波受信用のアンテナを備えている。そして、受信した電波を用いて時刻調整等を行う機能を有している。
太陽電池88は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する機能を有する。そして、太陽電池88で変換された電気エネルギーは、ムーブメントの駆動等に利用される。
太陽電池88は、例えば、非単結晶シリコン薄膜にp型の不純物とn型の不純物とが選択的に導入され、さらにp型の非単結晶シリコン薄膜とn型の非単結晶シリコン薄膜との間に不純物濃度の低いi型の非単結晶シリコン薄膜を備えたpin構造を有している。
太陽電池88は、例えば、非単結晶シリコン薄膜にp型の不純物とn型の不純物とが選択的に導入され、さらにp型の非単結晶シリコン薄膜とn型の非単結晶シリコン薄膜との間に不純物濃度の低いi型の非単結晶シリコン薄膜を備えたpin構造を有している。
胴72には巻真パイプ76が嵌入・固定され、この巻真パイプ76内にはりゅうず77の軸部771が回転可能に挿入されている。
胴72とベゼル74とは、プラスチックパッキン78により固定され、ベゼル74とガラス板75とはプラスチックパッキン79により固定されている。
また、胴72に対し裏蓋73が嵌合(または螺合)されており、これらの接合部(シール部)85には、リング状のゴムパッキン(裏蓋パッキン)84が圧縮状態で介挿されている。この構成によりシール部85が液密に封止され、防水機能が得られる。
胴72とベゼル74とは、プラスチックパッキン78により固定され、ベゼル74とガラス板75とはプラスチックパッキン79により固定されている。
また、胴72に対し裏蓋73が嵌合(または螺合)されており、これらの接合部(シール部)85には、リング状のゴムパッキン(裏蓋パッキン)84が圧縮状態で介挿されている。この構成によりシール部85が液密に封止され、防水機能が得られる。
りゅうず77の軸部771の途中の外周には溝772が形成され、この溝772内にはリング状のゴムパッキン(りゅうずパッキン)83が嵌合されている。ゴムパッキン83は巻真パイプ76の内周面に密着し、該内周面と溝772の内面との間で圧縮される。この構成により、りゅうず77と巻真パイプ76との間が液密に封止され防水機能が得られる。なお、りゅうず77を回転操作したとき、ゴムパッキン83は軸部771と共に回転し、巻真パイプ76の内周面に密着しながら周方向に摺動する。
なお、上記の説明では、時計の一例として、腕時計(携帯時計)を挙げて説明したが、本発明は、腕時計以外の携帯時計、置時計、掛け時計等の他の種類の時計にも同様に適用することができる。
なお、上記の説明では、文字板として本発明の装飾品が適用されたものを用いるものとして説明したが、文字板以外の部品(装飾品)に本発明の装飾品が適用されてもよい。例えば、時計を構成する胴(ケース)、針等が本発明の装飾品で構成されたものであってもよい。また、時計を構成する複数の部品(装飾品)が本発明の装飾品で構成されたものであってもよい。
なお、上記の説明では、文字板として本発明の装飾品が適用されたものを用いるものとして説明したが、文字板以外の部品(装飾品)に本発明の装飾品が適用されてもよい。例えば、時計を構成する胴(ケース)、針等が本発明の装飾品で構成されたものであってもよい。また、時計を構成する複数の部品(装飾品)が本発明の装飾品で構成されたものであってもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、本発明の装飾品の製造方法では、必要に応じて、任意の目的の工程を追加することもできる。例えば、酸化物被膜形成工程と金属被膜形成工程との間や、開口部形成工程とコート層形成工程との間に、洗浄等の中間処理を施してもよい。また、コート層の形成後に、研磨(ラッピング)等の後処理を施してもよい。また、酸化物被膜形成工程前の基材に対して前処理を施してもよい。
例えば、本発明の装飾品の製造方法では、必要に応じて、任意の目的の工程を追加することもできる。例えば、酸化物被膜形成工程と金属被膜形成工程との間や、開口部形成工程とコート層形成工程との間に、洗浄等の中間処理を施してもよい。また、コート層の形成後に、研磨(ラッピング)等の後処理を施してもよい。また、酸化物被膜形成工程前の基材に対して前処理を施してもよい。
また、前述した実施形態では、基材と酸化物被膜とが隣接し、酸化物被膜と金属被膜とが隣接するものとして説明したが、これらの間には、例えば、少なくとも1層の中間層があってもよい。
また、前述した実施形態では、装飾品が、基材と、酸化物被膜と、金属被膜とを有するものとして説明したが、本発明の装飾品は、このような構成のものに限定されず、例えば、酸化物被膜を有していないものであってもよい。
また、前述した実施形態では、装飾品が、基材と、酸化物被膜と、金属被膜とを有するものとして説明したが、本発明の装飾品は、このような構成のものに限定されず、例えば、酸化物被膜を有していないものであってもよい。
また、前述した実施形態では、反射膜が主として金属材料で構成されるものとして説明したが、反射膜は、光を反射する機能を有するものであればいかなる材料で構成されたものであってもよい。
また、前述した実施形態では、装飾品が備える多数個の開口部が、全て断面積増大部を有するものとして説明したが、装飾品は、開口部として、上述したような断面積増大部を有していないものを一部備えたものであってもよい。
また、前述した実施形態では、装飾品が備える多数個の開口部が、全て断面積増大部を有するものとして説明したが、装飾品は、開口部として、上述したような断面積増大部を有していないものを一部備えたものであってもよい。
また、前述した実施形態では、図2に示すように、装飾品1が複数個(多数個)の開口部6を有するものとして説明したが、本発明において、装飾品が有する開口部は、少なくとも一つあればよい。例えば、図8、図9に示すように、開口部6は、金属被膜(反射膜)4で構成された光を反射することができる領域(光反射領域)が、島状に多数個設けられたものであってもよい。このような場合、光反射領域の形状(反射膜)を平面視したときの形状)は、略三角形、略四角形、略五角形、略六角形等の略多角形、略円形、略楕円形等いかなる形状であってもよいが、略多角形状であるのが好ましい。これにより、電磁波(電波、光)の透過率をさらに高いものとするとともに、装飾品の美的外観をさらに優れたものにすることができる。
また、前述した実施形態では、金属被膜(反射膜)の厚さと、断面積増大部の厚さとが同一、すなわち、開口部のほぼ全体が断面積増大部であるものとして説明したが、断面積増大部は、開口部の一部のみに設けられたものであってもよい。例えば、開口部は、基材側から外表面方向に向かって断面積が増大する断面積増大部のほかに、断面積が一定の部位(断面積一定部)や、断面積が減少する部位(断面積減少部)を有するものであってもよい。
また、前述した実施形態では、酸化物被膜に設けられた開口部は、酸化物被膜の厚さ方向に一定の断面積を有するものとして説明したが、酸化物被膜における開口部も、酸化物被膜の厚さ方向で断面積が変化するものであってもよい。
また、前述した実施形態では、装飾品がコート層を備えるものとして説明したが、装飾品はコート層を備えていなくてもよい。
また、前述した実施形態では、装飾品がコート層を備えるものとして説明したが、装飾品はコート層を備えていなくてもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.装飾品の製造
(実施例1)
以下に示すような方法により、装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
まず、ポリカーボネートを用いて、圧縮成形により、腕時計用外装部品(文字板)の形状を有する基材を作製し、その後、必要箇所を切削、研磨した。得られた基材は、略円盤状をなし、直径:約27mm×厚さ:約0.5μmであった。基材を構成するポリカーボネートの絶対屈折率IBは1.58であった。
1.装飾品の製造
(実施例1)
以下に示すような方法により、装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
まず、ポリカーボネートを用いて、圧縮成形により、腕時計用外装部品(文字板)の形状を有する基材を作製し、その後、必要箇所を切削、研磨した。得られた基材は、略円盤状をなし、直径:約27mm×厚さ:約0.5μmであった。基材を構成するポリカーボネートの絶対屈折率IBは1.58であった。
次に、この基材を洗浄した。基材の洗浄としては、まず、アルカリ浸漬脱脂を30秒間行い、その後、中和を10秒間、水洗を10秒間、純水洗浄を10秒間行った。
このようにして洗浄を行った基材の表面に、TiO2で構成される酸化物被膜を、以下に説明するようなスパッタリングにより形成した(酸化物被膜形成工程)。
まず、洗浄済みの基材をスパッタリング装置内に取付け、その後、装置内を予熱しながら、スパッタリング装置内を3×10−3Paまで排気(減圧)した。
このようにして洗浄を行った基材の表面に、TiO2で構成される酸化物被膜を、以下に説明するようなスパッタリングにより形成した(酸化物被膜形成工程)。
まず、洗浄済みの基材をスパッタリング装置内に取付け、その後、装置内を予熱しながら、スパッタリング装置内を3×10−3Paまで排気(減圧)した。
次に、アルゴン流量:40ml/分でアルゴンガスを導入するとともに、酸素流量:10ml/分で酸素を導入した。このような状態で、ターゲットとしてTiを用い、投入電力:1500W、処理時間:3.5分間という条件で放電を行うことにより、TiO2(絶対屈折率IO:2.51)で構成される酸化物被膜を形成した。
このようにして形成された酸化物被膜の平均厚さは、0.07μmであった。
このようにして形成された酸化物被膜の平均厚さは、0.07μmであった。
引き続き、上記のようにして形成された酸化物被膜の表面に、Agで構成される金属被膜を、以下に説明するようなスパッタリングにより形成した(金属被膜形成工程)。
まず、装置内を3×10−3Paまで排気(減圧)し、その後、アルゴンガス流量:35ml/分でアルゴンガスを導入した。このような状態で、ターゲットとしてAgを用い、投入電力:1700W、処理時間:2.0分間という条件で放電を行うことにより、Agで構成される金属被膜を形成した。
このようにして形成された金属被膜の平均厚さは、0.18μmであった。
まず、装置内を3×10−3Paまで排気(減圧)し、その後、アルゴンガス流量:35ml/分でアルゴンガスを導入した。このような状態で、ターゲットとしてAgを用い、投入電力:1700W、処理時間:2.0分間という条件で放電を行うことにより、Agで構成される金属被膜を形成した。
このようにして形成された金属被膜の平均厚さは、0.18μmであった。
次に、金属被膜および酸化物被膜を貫通する開口部を形成した。
開口部の形成は、基材側(基材の酸化物被膜、金属被膜が被覆されている面とは反対の面側)から、レーザー光を照射することにより行った。
レーザーとしては、YVO4レーザーを用いた。また、この際、レーザー光源と基材とを相対的に移動させつつ、レーザー光を間欠的に照射した。また、レーザー光の照射は、電流値:42[A]、周波数:37kHz、加工速度:1300[mm/s]という条件で行った。
開口部の形成は、基材側(基材の酸化物被膜、金属被膜が被覆されている面とは反対の面側)から、レーザー光を照射することにより行った。
レーザーとしては、YVO4レーザーを用いた。また、この際、レーザー光源と基材とを相対的に移動させつつ、レーザー光を間欠的に照射した。また、レーザー光の照射は、電流値:42[A]、周波数:37kHz、加工速度:1300[mm/s]という条件で行った。
これにより、酸化物被膜および金属被膜を貫通する円形状の開口部が多数個形成された。形成された開口部は、図4中の(1d)で示すように、金属被膜の基材に対向する第1面からその反対側の第2面に向かう金属被膜の厚さ方向に沿って、断面積が増大する断面積増大部を有するものであった。
形成された開口部(断面積増大部)において断面積が最小となる断面積最小部での断面積S0は、1963μm2であった。また、金属被膜を平面視したときの金属被膜の多数個の開口部が設けられている領域の面積S[μm2]に対する、各開口部についての断面積最小部の面積の総和Σ(S0)[μm2]の比率(Σ(S0)/S)の値は、0.30であった。また、開口部(断面積増大部)において、断面積が最大となる断面積最大部での断面積S1[μm2]に対する、断面積が最小となる断面積最小部での断面積S0[μm2]の比率(S0/S1)の値は、0.40であった。また、断面積最小部の幅(直径)Wは、50μmであった。また、開口部のピッチPは、160μmであった。
形成された開口部(断面積増大部)において断面積が最小となる断面積最小部での断面積S0は、1963μm2であった。また、金属被膜を平面視したときの金属被膜の多数個の開口部が設けられている領域の面積S[μm2]に対する、各開口部についての断面積最小部の面積の総和Σ(S0)[μm2]の比率(Σ(S0)/S)の値は、0.30であった。また、開口部(断面積増大部)において、断面積が最大となる断面積最大部での断面積S1[μm2]に対する、断面積が最小となる断面積最小部での断面積S0[μm2]の比率(S0/S1)の値は、0.40であった。また、断面積最小部の幅(直径)Wは、50μmであった。また、開口部のピッチPは、160μmであった。
その後、金属被膜上に、ポリウレタンで構成されるコート層を形成し、これにより、図1、図2に示すような装飾品を得た(コート層形成工程)。コート層の形成は、スピンコート法により行った。形成されたコート層の平均厚さは、10μmであった。また、得られた装飾品において、コート層はその一部が開口部内に侵入していた。コート層を構成する材料の絶対屈折率ICは1.54であった。
なお、酸化物被膜、金属被膜およびコート層の厚さは、JIS H 5821で規定される顕微鏡断面試験方法に従い測定した。
なお、酸化物被膜、金属被膜およびコート層の厚さは、JIS H 5821で規定される顕微鏡断面試験方法に従い測定した。
(実施例2〜4)
酸化物被膜形成工程および金属被膜形成工程の処理時間を変更することにより、酸化物被膜、金属被膜の平均厚さを表1に示すようにするとともに、レーザー光の照射条件を変更することにより、開口部の形状、大きさ(断面積最小部での断面積S0、断面積最大部での断面積S1、断面積最小部の幅W等)を表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
酸化物被膜形成工程および金属被膜形成工程の処理時間を変更することにより、酸化物被膜、金属被膜の平均厚さを表1に示すようにするとともに、レーザー光の照射条件を変更することにより、開口部の形状、大きさ(断面積最小部での断面積S0、断面積最大部での断面積S1、断面積最小部の幅W等)を表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
(実施例5)
基材の構成材料としてアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)を用いた以外は、前記実施例1と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
(実施例6)
酸化物被膜を構成する際(酸化物被膜形成工程)において、ターゲットとしてCrを用い、アルゴン流量:40ml/分、酸素流量:10ml/分、投入電力:1000W、処理時間:3.5分間という条件で放電を行った以外は、前記実施例1と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。形成された酸化物被膜は、CrOで構成されるものであり、その平均厚さは、0.07μmであった。
基材の構成材料としてアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)を用いた以外は、前記実施例1と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
(実施例6)
酸化物被膜を構成する際(酸化物被膜形成工程)において、ターゲットとしてCrを用い、アルゴン流量:40ml/分、酸素流量:10ml/分、投入電力:1000W、処理時間:3.5分間という条件で放電を行った以外は、前記実施例1と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。形成された酸化物被膜は、CrOで構成されるものであり、その平均厚さは、0.07μmであった。
(実施例7)
金属被膜を構成する際(金属被膜形成工程)において、ターゲットとしてCrを用い、アルゴンガス流量:20ml/分、投入電力:500W、処理時間:5分間という条件で放電を行った以外は、前記実施例6と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。形成された金属被膜は、Crで構成されるものであり、その平均厚さは、0.20μmであった。
金属被膜を構成する際(金属被膜形成工程)において、ターゲットとしてCrを用い、アルゴンガス流量:20ml/分、投入電力:500W、処理時間:5分間という条件で放電を行った以外は、前記実施例6と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。形成された金属被膜は、Crで構成されるものであり、その平均厚さは、0.20μmであった。
(実施例8〜10)
酸化物被膜形成工程および金属被膜形成工程の処理時間を変更することにより、酸化物被膜、金属被膜の平均厚さを表1に示すようにするとともに、レーザー光の照射条件を変更することにより、開口部の形状、大きさ(断面積最小部での断面積S0、断面積最大部での断面積S1、断面積最小部の幅W等)を表1に示すようにした以外は、前記実施例7と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
酸化物被膜形成工程および金属被膜形成工程の処理時間を変更することにより、酸化物被膜、金属被膜の平均厚さを表1に示すようにするとともに、レーザー光の照射条件を変更することにより、開口部の形状、大きさ(断面積最小部での断面積S0、断面積最大部での断面積S1、断面積最小部の幅W等)を表1に示すようにした以外は、前記実施例7と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
(実施例11)
金属被膜を構成する際(金属被膜形成工程)において、ターゲットとしてSnを用い、アルゴンガス流量:20ml/分、投入電力:1000W、処理時間:2分間という条件で放電を行った以外は、前記実施例1と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。形成された金属被膜は、Snで構成されるものであり、その平均厚さは、0.15μmであった。
金属被膜を構成する際(金属被膜形成工程)において、ターゲットとしてSnを用い、アルゴンガス流量:20ml/分、投入電力:1000W、処理時間:2分間という条件で放電を行った以外は、前記実施例1と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。形成された金属被膜は、Snで構成されるものであり、その平均厚さは、0.15μmであった。
(実施例12)
金属被膜を、Alで構成されるAl層と、Inで構成されるIn層との積層体として形成した以外は、前記実施例5と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
Al層、In層の形成は、いずれも、スパッタリングにより行った。
Al層は、ターゲットとしてAlを用い、アルゴンガス流量:30ml/分、投入電力:1500W、処理時間:1分間という条件で放電を行うことより形成した。
金属被膜を、Alで構成されるAl層と、Inで構成されるIn層との積層体として形成した以外は、前記実施例5と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
Al層、In層の形成は、いずれも、スパッタリングにより行った。
Al層は、ターゲットとしてAlを用い、アルゴンガス流量:30ml/分、投入電力:1500W、処理時間:1分間という条件で放電を行うことより形成した。
また、In層は、ターゲットとしてInを用い、アルゴンガス流量:30ml/分、投入電力:1600W、処理時間:1分間という条件で放電を行うことより形成した。
形成されたAl層、In層は、の平均厚さは、それぞれ、0.05μm、0.05μmであった。なお、Al層が酸化物被膜と接触する側の層、In層がコート層と接触する側の層である。
形成されたAl層、In層は、の平均厚さは、それぞれ、0.05μm、0.05μmであった。なお、Al層が酸化物被膜と接触する側の層、In層がコート層と接触する側の層である。
(実施例13)
金属被膜を、Tiで構成されるTi層と、Crで構成されるCr層との積層体として形成した以外は、前記実施例1と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
Ti層、Cr層の形成は、いずれも、スパッタリングにより行った。
Ti層は、ターゲットとしてTiを用い、アルゴンガス流量:20ml/分、投入電力:600W、処理時間:3分間という条件で放電を行うことより形成した。
金属被膜を、Tiで構成されるTi層と、Crで構成されるCr層との積層体として形成した以外は、前記実施例1と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
Ti層、Cr層の形成は、いずれも、スパッタリングにより行った。
Ti層は、ターゲットとしてTiを用い、アルゴンガス流量:20ml/分、投入電力:600W、処理時間:3分間という条件で放電を行うことより形成した。
また、Cr層は、ターゲットとしてCrを用い、アルゴンガス流量:30ml/分、投入電力:500W、処理時間:1.5分間という条件で放電を行うことより形成した。
形成されたTi層、Cr層は、の平均厚さは、それぞれ、0.05μm、0.05μmであった。なお、Ti層が酸化物被膜と接触する側の層、Cr層がコート層と接触する側の層である。
形成されたTi層、Cr層は、の平均厚さは、それぞれ、0.05μm、0.05μmであった。なお、Ti層が酸化物被膜と接触する側の層、Cr層がコート層と接触する側の層である。
(実施例14)
金属被膜を、Agで構成されるAg層と、Auで構成されるAu層との積層体として形成した以外は、前記実施例6と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
Ag層、Au層の形成は、いずれも、スパッタリングにより行った。
金属被膜を、Agで構成されるAg層と、Auで構成されるAu層との積層体として形成した以外は、前記実施例6と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
Ag層、Au層の形成は、いずれも、スパッタリングにより行った。
Ag層は、ターゲットとしてAgを用い、アルゴンガス流量:35ml/分、投入電力:1700W、処理時間:1分間という条件で放電を行うことより形成した。
また、Au層は、ターゲットとしてAuを用い、アルゴンガス流量:30ml/分、投入電力:1700W、処理時間:30秒間という条件で放電を行うことより形成した。
形成されたAg層、Au層は、の平均厚さは、それぞれ、0.10μm、0.03μmであった。なお、Ag層が酸化物被膜と接触する側の層、Au層がコート層と接触する側の層である。
また、Au層は、ターゲットとしてAuを用い、アルゴンガス流量:30ml/分、投入電力:1700W、処理時間:30秒間という条件で放電を行うことより形成した。
形成されたAg層、Au層は、の平均厚さは、それぞれ、0.10μm、0.03μmであった。なお、Ag層が酸化物被膜と接触する側の層、Au層がコート層と接触する側の層である。
(実施例15)
まず、ポリカーボネートを用いて、圧縮成形により、腕時計用外装部品(文字板)の形状を有する基材を作製し、その後、必要箇所を切削、研磨した。得られた基材は、略円盤状をなし、直径:約27mm×厚さ:約0.5μmであった。基材を構成するポリカーボネートの絶対屈折率IBは1.58であった。
まず、ポリカーボネートを用いて、圧縮成形により、腕時計用外装部品(文字板)の形状を有する基材を作製し、その後、必要箇所を切削、研磨した。得られた基材は、略円盤状をなし、直径:約27mm×厚さ:約0.5μmであった。基材を構成するポリカーボネートの絶対屈折率IBは1.58であった。
次に、この基材を洗浄した。基材の洗浄としては、まず、アルカリ浸漬脱脂を30秒間行い、その後、中和を10秒間、水洗を10秒間、純水洗浄を10秒間行った。
このようにして洗浄を行った基材の表面に、TiO2で構成される酸化物被膜を、以下に説明するようなスパッタリングにより形成した(酸化物被膜形成工程)。
まず、洗浄済みの基材をスパッタリング装置内に取付け、その後、装置内を予熱しながら、スパッタリング装置内を3×10−3Paまで排気(減圧)した。
このようにして洗浄を行った基材の表面に、TiO2で構成される酸化物被膜を、以下に説明するようなスパッタリングにより形成した(酸化物被膜形成工程)。
まず、洗浄済みの基材をスパッタリング装置内に取付け、その後、装置内を予熱しながら、スパッタリング装置内を3×10−3Paまで排気(減圧)した。
次に、アルゴン流量:40ml/分でアルゴンガスを導入するとともに、酸素流量:10ml/分で酸素を導入した。このような状態で、ターゲットとしてTiを用い、投入電力:1500W、処理時間:3.5分間という条件で放電を行うことにより、TiO2(絶対屈折率IO:2.51)で構成される酸化物被膜を形成した。
このようにして形成された酸化物被膜の平均厚さは、0.07μmであった。
このようにして形成された酸化物被膜の平均厚さは、0.07μmであった。
引き続き、上記のようにして形成された酸化物被膜の表面に、Agで構成される金属被膜を、以下に説明するようなスパッタリングにより形成した(金属被膜形成工程)。
まず、装置内を3×10−3Paまで排気(減圧)し、その後、アルゴンガス流量:35ml/分でアルゴンガスを導入した。このような状態で、ターゲットとしてAgを用い、投入電力:1700W、処理時間:2.0分間という条件で放電を行うことにより、Agで構成される金属被膜を形成した。
このようにして形成された金属被膜の平均厚さは、0.18μmであった。
まず、装置内を3×10−3Paまで排気(減圧)し、その後、アルゴンガス流量:35ml/分でアルゴンガスを導入した。このような状態で、ターゲットとしてAgを用い、投入電力:1700W、処理時間:2.0分間という条件で放電を行うことにより、Agで構成される金属被膜を形成した。
このようにして形成された金属被膜の平均厚さは、0.18μmであった。
次に、金属被膜の表面に、マスク形成用膜を被覆した。
マスク形成用膜の形成は、スピンコーターを用い、回転数3000rpmという条件により、金属被膜の表面を被覆し、その後、70〜100℃で、20分間乾燥することにより行った。形成されたマスク形成用膜の平均厚さは、約10μmであった。
次に、マスク形成用膜に、所定のパターンで開口部を形成することにより、開口部を有するマスクとした。マスク形成用膜への開口部の形成を露光により行った。光源としては、超高圧水銀灯を用いた。また、この際、光源と基材とを相対的に移動させつつ、レーザー光を間欠的に照射した。また、光源からの照射は、光量100mJ/cm2という条件で行った。
マスク形成用膜の形成は、スピンコーターを用い、回転数3000rpmという条件により、金属被膜の表面を被覆し、その後、70〜100℃で、20分間乾燥することにより行った。形成されたマスク形成用膜の平均厚さは、約10μmであった。
次に、マスク形成用膜に、所定のパターンで開口部を形成することにより、開口部を有するマスクとした。マスク形成用膜への開口部の形成を露光により行った。光源としては、超高圧水銀灯を用いた。また、この際、光源と基材とを相対的に移動させつつ、レーザー光を間欠的に照射した。また、光源からの照射は、光量100mJ/cm2という条件で行った。
次に、エッチング液を用いたエッチングを行うことにより、金属被膜のうち、マスクで被覆されていない部位に開口部を形成した。
エッチングは、マスクで被覆された基材(基材、酸化物被膜、金属被膜の積層体)をエッチング液でのシャワー方式により行った。このとき、エッチング液として、40〜50wt%の硝酸の水溶液を用いた。また、本工程におけるエッチング液の温度、エッチング時間は、それぞれ約20℃、約5分間であった。
これにより、金属被膜を貫通する円形状の開口部が多数個形成された。形成された開口部は、図6の(2e)で示すように、金属被膜の基材に対向する第1面からその反対側の第2面に向かう金属被膜の厚さ方向に沿って、断面積が増大する断面積増大部を有するものであった。
エッチングは、マスクで被覆された基材(基材、酸化物被膜、金属被膜の積層体)をエッチング液でのシャワー方式により行った。このとき、エッチング液として、40〜50wt%の硝酸の水溶液を用いた。また、本工程におけるエッチング液の温度、エッチング時間は、それぞれ約20℃、約5分間であった。
これにより、金属被膜を貫通する円形状の開口部が多数個形成された。形成された開口部は、図6の(2e)で示すように、金属被膜の基材に対向する第1面からその反対側の第2面に向かう金属被膜の厚さ方向に沿って、断面積が増大する断面積増大部を有するものであった。
形成された開口部(断面積増大部)において断面積が最小となる断面積最小部での断面積S0は、6359μm2であった。また、金属被膜を平面視したときの金属被膜の多数個の開口部が設けられている領域の面積S[μm2]に対する、各開口部についての断面積最小部の面積の総和Σ(S0)[μm2]の比率(Σ(S0)/S)の値は、0.35であった。また、開口部(断面積増大部)において、断面積が最大となる断面積最大部での断面積S1[μm2]に対する、断面積が最小となる断面積最小部での断面積S0[μm2]の比率(S0/S1)の値は、0.95であった。また、断面積最小部の幅(直径)Wは、90μmであった。また、開口部のピッチPは、135μmであった。
次に、水酸化ナトリウム溶液で構成されたマスク除去剤に浸漬することにより、マスクを除去した。また、本工程におけるマスク除去剤の温度、マスク除去剤への浸漬時間は、それぞれ30〜40℃、5〜10分間であった。露出した金属被膜の表面粗さRa(開口部を除く部分の金属被膜の表面粗さRa)は、0.1[μm]であった。
その後、金属被膜上に、ポリウレタンで構成されるコート層を形成し、これにより、図5、図2に示すような装飾品を得た(コート層形成工程)。コート層の形成は、スピンコート法により行った。形成されたコート層の平均厚さは、10μmであった。また、得られた装飾品において、コート層はその一部が開口部内に侵入していた。コート層を構成する材料の絶対屈折率ICは1.54であった。
なお、酸化物被膜、金属被膜、コート層およびマスク(マスク形成用膜)の厚さは、JIS H 5821で規定される顕微鏡断面試験方法に従い測定した。
その後、金属被膜上に、ポリウレタンで構成されるコート層を形成し、これにより、図5、図2に示すような装飾品を得た(コート層形成工程)。コート層の形成は、スピンコート法により行った。形成されたコート層の平均厚さは、10μmであった。また、得られた装飾品において、コート層はその一部が開口部内に侵入していた。コート層を構成する材料の絶対屈折率ICは1.54であった。
なお、酸化物被膜、金属被膜、コート層およびマスク(マスク形成用膜)の厚さは、JIS H 5821で規定される顕微鏡断面試験方法に従い測定した。
(実施例16)
マスク形成用膜に対するレーザー光の照射パターンを変更することにより、マスクが有する開口部のパターンを変更し、開口部の形状を図8に示すようなものとした以外は、前記実施例15と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
(実施例17)
コート層をアクリル系樹脂(絶対屈折率IC:1.50)で構成されたものとした以外は、前記実施例16と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
マスク形成用膜に対するレーザー光の照射パターンを変更することにより、マスクが有する開口部のパターンを変更し、開口部の形状を図8に示すようなものとした以外は、前記実施例15と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
(実施例17)
コート層をアクリル系樹脂(絶対屈折率IC:1.50)で構成されたものとした以外は、前記実施例16と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
(比較例1)
開口部を形成する工程を省略した以外は、前記実施例1と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
(比較例2)
レーザー光の照射条件を変更することにより、開口部を、断面積増大部を有さないものとして形成した以外は、前記実施例1と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
開口部を形成する工程を省略した以外は、前記実施例1と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
(比較例2)
レーザー光の照射条件を変更することにより、開口部を、断面積増大部を有さないものとして形成した以外は、前記実施例1と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
(比較例3)
レーザー光の照射条件を変更することにより、開口部の幅(直径)等を変更した以外は、前記比較例2と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
(比較例4、5)
洗浄を行った基材の表面に、酸化物被膜を形成することなく、直接、金属被膜を形成した以外は、前記比較例2、3と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
各実施例および各比較例の装飾品の構成を表1にまとめて示す。なお、表1中、ポリカーボネートをPCで示し、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)をABSで示した。また、表1中、開口部の深さをTで示した。
レーザー光の照射条件を変更することにより、開口部の幅(直径)等を変更した以外は、前記比較例2と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
(比較例4、5)
洗浄を行った基材の表面に、酸化物被膜を形成することなく、直接、金属被膜を形成した以外は、前記比較例2、3と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
各実施例および各比較例の装飾品の構成を表1にまとめて示す。なお、表1中、ポリカーボネートをPCで示し、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)をABSで示した。また、表1中、開口部の深さをTで示した。
2.装飾品の外観評価
前記各実施例および各比較例で製造した各装飾品について、目視および顕微鏡による観察を行い、これらの外観を以下の4段階の基準に従い、評価した。
◎:外観優良。
○:外観良。
△:外観やや不良。
×:外観不良。
前記各実施例および各比較例で製造した各装飾品について、目視および顕微鏡による観察を行い、これらの外観を以下の4段階の基準に従い、評価した。
◎:外観優良。
○:外観良。
△:外観やや不良。
×:外観不良。
3.腕時計用文字板の光透過率評価
前記各実施例および各比較例で製造した各装飾品(文字板)について、以下のような方法により、光透過率を評価した。
まず、太陽電池と各文字板とを暗室にいれた。その後、太陽電池単体でその受光面に対し、所定距離離間した蛍光灯(光源)からの光を入射させた。この際、太陽電池の発電電流をA[mA]とした。次に、前記太陽電池の受光面の上面に文字板を重ね合わせた状態で、前記と同様に所定距離離間した蛍光灯(光源)からの光を入射させた。この状態での、太陽電池の発電電流をB[mA]とした。そして、(B/A)×100で表される文字板の光透過率を算出し、以下の4段階の基準に従い、評価した。文字板の光透過率が大きいほど、文字板の光透過性は優れたものであるといえる。
前記各実施例および各比較例で製造した各装飾品(文字板)について、以下のような方法により、光透過率を評価した。
まず、太陽電池と各文字板とを暗室にいれた。その後、太陽電池単体でその受光面に対し、所定距離離間した蛍光灯(光源)からの光を入射させた。この際、太陽電池の発電電流をA[mA]とした。次に、前記太陽電池の受光面の上面に文字板を重ね合わせた状態で、前記と同様に所定距離離間した蛍光灯(光源)からの光を入射させた。この状態での、太陽電池の発電電流をB[mA]とした。そして、(B/A)×100で表される文字板の光透過率を算出し、以下の4段階の基準に従い、評価した。文字板の光透過率が大きいほど、文字板の光透過性は優れたものであるといえる。
◎:32%以上。
○:25%以上32%未満。
△:17%以上25%未満。
×:17%未満。
その後、前記各実施例および各比較例で製造した文字板を用いて、図7に示すような腕時計を製造した。そして、製造された各腕時計を暗室にいれた。その後、時計の文字板側の面(ガラス板側の面)から、所定距離離間した蛍光灯(光源)からの光を入射させた。この際、光の照射強度が次第に大きくなるように照射強度を一定の速度で変化させた。その結果、本発明の時計では、比較的照射強度が小さい場合でもムーブメントが駆動した。これに対し、比較例1、3、5の時計では、比較的照射強度が大きい場合でもムーブメントの駆動が確認されなかった。
○:25%以上32%未満。
△:17%以上25%未満。
×:17%未満。
その後、前記各実施例および各比較例で製造した文字板を用いて、図7に示すような腕時計を製造した。そして、製造された各腕時計を暗室にいれた。その後、時計の文字板側の面(ガラス板側の面)から、所定距離離間した蛍光灯(光源)からの光を入射させた。この際、光の照射強度が次第に大きくなるように照射強度を一定の速度で変化させた。その結果、本発明の時計では、比較的照射強度が小さい場合でもムーブメントが駆動した。これに対し、比較例1、3、5の時計では、比較的照射強度が大きい場合でもムーブメントの駆動が確認されなかった。
4.電波透過性の評価
前記各実施例および各比較例で製造した各装飾品について、以下に示すような方法で電波透過性を評価した。
まず、時計ケースと、電波受信用のアンテナを備えた腕時計用内部モジュール(ムーブメント)とを用意した。
前記各実施例および各比較例で製造した各装飾品について、以下に示すような方法で電波透過性を評価した。
まず、時計ケースと、電波受信用のアンテナを備えた腕時計用内部モジュール(ムーブメント)とを用意した。
次に、時計ケース内に、腕時計用内部モジュール(ムーブメント)および、装飾品としての文字板を組み込み、この状態での電波の受信感度を測定した。
文字板を組み込まない状態での受信感度を基準とし、文字板を組み込んだ場合における受信感度の低下量(dB)を以下の4段階の基準に従い、評価した。電波の受信感度の低下が低いものほど、文字板の電波透過性は優れたものであるといえる。
◎:感度の低下が認められない(検出限界以下)。
○:感度の低下が0.7dB未満で認められる。
△:感度の低下が0.7dB以上1.0dB未満。
×:感度の低下が1.0dB以上。
文字板を組み込まない状態での受信感度を基準とし、文字板を組み込んだ場合における受信感度の低下量(dB)を以下の4段階の基準に従い、評価した。電波の受信感度の低下が低いものほど、文字板の電波透過性は優れたものであるといえる。
◎:感度の低下が認められない(検出限界以下)。
○:感度の低下が0.7dB未満で認められる。
△:感度の低下が0.7dB以上1.0dB未満。
×:感度の低下が1.0dB以上。
5.被膜(酸化物被膜、金属被膜)の密着性評価
前記各実施例および各比較例で製造した各装飾品について、以下に示すような2種の試験を行い、被膜(酸化物被膜、金属被膜)の密着性を評価した。
5−1.折り曲げ試験
各装飾品について、直径4mmの鉄製の棒材を支点とし、装飾品の中心を基準に30°の折り曲げを行った後、装飾品の外観を目視により観察し、これらの外観を以下の4段階の基準に従い、評価した。折り曲げは、圧縮/引っ張りの両方向について行った。
◎:被膜の浮き、剥がれ等が全く認められない。
○:被膜の浮きがほとんど認められない。
△:被膜の浮きがはっきりと認められる。
×:被膜のひび割れ、剥離がはっきりと認められる。
前記各実施例および各比較例で製造した各装飾品について、以下に示すような2種の試験を行い、被膜(酸化物被膜、金属被膜)の密着性を評価した。
5−1.折り曲げ試験
各装飾品について、直径4mmの鉄製の棒材を支点とし、装飾品の中心を基準に30°の折り曲げを行った後、装飾品の外観を目視により観察し、これらの外観を以下の4段階の基準に従い、評価した。折り曲げは、圧縮/引っ張りの両方向について行った。
◎:被膜の浮き、剥がれ等が全く認められない。
○:被膜の浮きがほとんど認められない。
△:被膜の浮きがはっきりと認められる。
×:被膜のひび割れ、剥離がはっきりと認められる。
5−2.熱サイクル試験
各装飾品を、以下のような熱サイクル試験に供した。
まず、装飾品を、20℃の環境下に1.5時間、次いで、60℃の環境下に2時間、次いで、20℃の環境下に1.5時間、次いで、−20℃の環境下に3時間静置した。その後、再び、環境温度を20℃に戻し、これを1サイクル(8時間)とし、このサイクルを合計3回繰り返した(合計24時間)。
各装飾品を、以下のような熱サイクル試験に供した。
まず、装飾品を、20℃の環境下に1.5時間、次いで、60℃の環境下に2時間、次いで、20℃の環境下に1.5時間、次いで、−20℃の環境下に3時間静置した。その後、再び、環境温度を20℃に戻し、これを1サイクル(8時間)とし、このサイクルを合計3回繰り返した(合計24時間)。
その後、装飾品の外観を目視により観察し、これらの外観を以下の4段階の基準に従い、評価した。
◎:被膜の浮き、剥がれ等が全く認められない。
○:被膜の浮きがほとんど認められない。
△:被膜の浮きがはっきりと認められる。
×:被膜のひび割れ、剥離がはっきりと認められる。
これらの結果を表2に示す。
◎:被膜の浮き、剥がれ等が全く認められない。
○:被膜の浮きがほとんど認められない。
△:被膜の浮きがはっきりと認められる。
×:被膜のひび割れ、剥離がはっきりと認められる。
これらの結果を表2に示す。
表2から明らかなように、本発明の装飾品は、いずれも優れた美的外観を有するとともに、電磁波(光、電波)の透過性に優れていた。また、本発明の装飾品は、被膜(酸化物被膜、金属被膜)の密着性にも優れていた。
これに対し、比較例では、満足な結果が得られなかった。すなわち、開口部を有していない比較例1の装飾品では、十分な電磁波(光、電波)の透過性が得られなかった。また、開口部が断面積増大部を有していない比較例2、4では、開口部の存在が目立ち、美的外観に劣っていた。また、開口部の存在を目立たなくする目的で、開口部の面積(開口面積)を小さくした比較例3、5では、十分な電磁波(光、電波)の透過性が得られなかった。また、酸化物被膜を有していない比較例4、5の装飾品では、被膜(金属被膜)の密着性に劣っていた。
また、各実施例および各比較例で得られた文字板(装飾品)を用いて、図7に示すような時計を組み立てた。このようにして得られた各時計について、上記と同様の試験、評価を行ったところ、上記と同様の結果が得られた。
これに対し、比較例では、満足な結果が得られなかった。すなわち、開口部を有していない比較例1の装飾品では、十分な電磁波(光、電波)の透過性が得られなかった。また、開口部が断面積増大部を有していない比較例2、4では、開口部の存在が目立ち、美的外観に劣っていた。また、開口部の存在を目立たなくする目的で、開口部の面積(開口面積)を小さくした比較例3、5では、十分な電磁波(光、電波)の透過性が得られなかった。また、酸化物被膜を有していない比較例4、5の装飾品では、被膜(金属被膜)の密着性に劣っていた。
また、各実施例および各比較例で得られた文字板(装飾品)を用いて、図7に示すような時計を組み立てた。このようにして得られた各時計について、上記と同様の試験、評価を行ったところ、上記と同様の結果が得られた。
1…装飾品 2…基材 21…透過部 3…酸化物被膜 4…金属被膜(反射膜) 41…第1面 42…第2面 5…コート層 6…開口部 61…傾斜面 62…断面積増大部 63…断面積最小部 64…断面積最大部 9…マスク 91…開口部 10…文字板(時計用文字板) 71…ムーブメント 72…胴(ケース) 73…裏蓋 74…ベゼル(縁) 75…ガラス板(カバーガラス) 76…巻真パイプ 77…りゅうず 771…軸部 772…溝 78…プラスチックパッキン 79…プラスチックパッキン 83…ゴムパッキン(りゅうずパッキン) 84…ゴムパッキン(裏蓋パッキン) 85…接合部(シール部) 88…太陽電池 100…腕時計(携帯時計)
Claims (15)
- 主としてプラスチック材料で構成された基材と、
光を反射する機能を有する反射膜とを備えた装飾品であって、
前記反射膜には、開口部が設けられており、
前記開口部は、前記反射膜の前記基材に対向する第1面からその反対側の第2面に向かう前記反射膜の厚さ方向に沿って、断面積が増大する断面積増大部を有するものであることを特徴とする装飾品。 - 前記断面積増大部において前記断面積が最小となる断面積最小部での断面積は、100〜22500μm2である請求項1に記載の装飾品。
- 前記反射膜を平面視したときの前記反射膜の多数個の前記開口部が設けられている領域の面積をS[μm2]、前記各開口部についての前記断面積最小部の面積の総和をΣ(S0)[μm2]としたとき、0.15≦Σ(S0)/S≦0.45の関係を満足する請求項1または2に記載の装飾品。
- 前記断面積増大部において前記断面積が最小となる断面積最小部での断面積をS0[μm2]、前記断面積増大部において前記断面積が最大になる断面積最大部での前記断面積をS1[μm2]としたとき、0.02≦S0/S1≦0.98の関係を満足する請求項1ないし3のいずれかに記載の装飾品。
- 前記断面積増大部の厚さは、0.005〜2.5μmである請求項1ないし4のいずれかに記載の装飾品。
- 前記反射膜は、少なくともその外表面付近が、主として金属材料で構成されたものである請求項1ないし5のいずれかに記載の装飾品。
- 前記金属材料は、Ag、Cr、Au、Al、Ti、Sn、Inから選択される少なくとも1種を含むものである請求項6に記載の装飾品。
- 装飾品は、前記基材と、
前記基材上に設けられた、主として金属酸化物で構成された酸化物被膜と、
前記酸化物被膜の、前記基材と対向する面とは反対の面側に設けられた、主として金属材料で構成された金属被膜とを有するものである請求項1ないし7のいずれかに記載の装飾品。 - 前記酸化物被膜は、前記反射膜を構成するものである請求項8に記載の装飾品。
- 前記酸化物被膜は、酸化チタン、酸化クロムから選択される少なくとも1種を含む材料で構成されたものである請求項8または9に記載の装飾品。
- 前記金属被膜は、Ag、Cr、Au、Al、Ti、Sn、Inから選択される少なくとも1種を含む材料で構成されたものである請求項8ないし10のいずれかに記載の装飾品。
- 装飾品は、時計用外装部品である請求項1ないし11のいずれかに記載の装飾品。
- 装飾品は、電波時計用部品である請求項1ないし12のいずれかに記載の装飾品。
- 装飾品は、時計用文字板である請求項1ないし13のいずれかに記載の装飾品。
- 請求項1ないし14のいずれかに記載の装飾品を備えたことを特徴とする時計。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006053617A JP2006276008A (ja) | 2005-03-01 | 2006-02-28 | 装飾品および時計 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005055487 | 2005-03-01 | ||
JP2006053617A JP2006276008A (ja) | 2005-03-01 | 2006-02-28 | 装飾品および時計 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006276008A true JP2006276008A (ja) | 2006-10-12 |
Family
ID=37210908
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006053617A Pending JP2006276008A (ja) | 2005-03-01 | 2006-02-28 | 装飾品および時計 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006276008A (ja) |
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009042180A (ja) * | 2007-08-10 | 2009-02-26 | Seiko Epson Corp | 時計用文字板および時計 |
JP2009047607A (ja) * | 2007-08-21 | 2009-03-05 | Seiko Epson Corp | 時計用文字板および時計 |
JP2009047606A (ja) * | 2007-08-21 | 2009-03-05 | Seiko Epson Corp | 時計用文字板および時計 |
WO2010084733A1 (ja) | 2009-01-20 | 2010-07-29 | 信越ポリマー株式会社 | 電波透過性装飾部材およびその製造方法 |
DE112008002496T5 (de) | 2007-09-18 | 2010-10-21 | Shin-Etsu Polymer Co., Ltd. | Funkwellen durchlassendes Zierelement |
US9493870B2 (en) | 2009-03-17 | 2016-11-15 | Shin-Etsu Polymer Co., Ltd. | Radio wave-transmitting decorative film and decorative member using same |
EP3647050A4 (en) * | 2017-06-27 | 2020-05-06 | LG Chem, Ltd. | DECORATIVE ELEMENT AND ITS PREPARATION METHOD |
EP3647051A4 (en) * | 2017-06-27 | 2020-06-17 | LG Chem, Ltd. | DECORATIVE ELEMENT AND METHOD FOR PRODUCING THE SAME |
JP2022008476A (ja) * | 2017-01-30 | 2022-01-13 | セイコーエプソン株式会社 | 時計用部品および時計 |
JP2022008477A (ja) * | 2017-01-30 | 2022-01-13 | セイコーエプソン株式会社 | 時計用部品および時計 |
JP2022032759A (ja) * | 2020-08-14 | 2022-02-25 | シチズン時計株式会社 | ソーラパネル付き時計 |
-
2006
- 2006-02-28 JP JP2006053617A patent/JP2006276008A/ja active Pending
Cited By (18)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009042180A (ja) * | 2007-08-10 | 2009-02-26 | Seiko Epson Corp | 時計用文字板および時計 |
JP2009047607A (ja) * | 2007-08-21 | 2009-03-05 | Seiko Epson Corp | 時計用文字板および時計 |
JP2009047606A (ja) * | 2007-08-21 | 2009-03-05 | Seiko Epson Corp | 時計用文字板および時計 |
DE112008002496T5 (de) | 2007-09-18 | 2010-10-21 | Shin-Etsu Polymer Co., Ltd. | Funkwellen durchlassendes Zierelement |
US9187820B2 (en) | 2007-09-18 | 2015-11-17 | Shin-Etsu Polymer Co., Ltd. | Radio wave transmitting decorative member |
WO2010084733A1 (ja) | 2009-01-20 | 2010-07-29 | 信越ポリマー株式会社 | 電波透過性装飾部材およびその製造方法 |
US8816932B2 (en) | 2009-01-20 | 2014-08-26 | Shin-Etsu Polymer Co., Ltd. | Radio wave transmitting decorative member and the production method thereof |
US9493870B2 (en) | 2009-03-17 | 2016-11-15 | Shin-Etsu Polymer Co., Ltd. | Radio wave-transmitting decorative film and decorative member using same |
JP2022008477A (ja) * | 2017-01-30 | 2022-01-13 | セイコーエプソン株式会社 | 時計用部品および時計 |
JP2022008476A (ja) * | 2017-01-30 | 2022-01-13 | セイコーエプソン株式会社 | 時計用部品および時計 |
JP7115614B2 (ja) | 2017-01-30 | 2022-08-09 | セイコーエプソン株式会社 | 時計用部品および時計 |
JP7218784B2 (ja) | 2017-01-30 | 2023-02-07 | セイコーエプソン株式会社 | 時計用部品および時計 |
EP3647051A4 (en) * | 2017-06-27 | 2020-06-17 | LG Chem, Ltd. | DECORATIVE ELEMENT AND METHOD FOR PRODUCING THE SAME |
JP2020524612A (ja) * | 2017-06-27 | 2020-08-20 | エルジー・ケム・リミテッド | 装飾部材およびその製造方法 |
EP3647050A4 (en) * | 2017-06-27 | 2020-05-06 | LG Chem, Ltd. | DECORATIVE ELEMENT AND ITS PREPARATION METHOD |
US11448800B2 (en) | 2017-06-27 | 2022-09-20 | Lg Chem, Ltd. | Decorative member and method for preparing same |
US11774647B2 (en) | 2017-06-27 | 2023-10-03 | Lg Chem, Ltd. | Decorative member and method for preparing same |
JP2022032759A (ja) * | 2020-08-14 | 2022-02-25 | シチズン時計株式会社 | ソーラパネル付き時計 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2006276008A (ja) | 装飾品および時計 | |
JP3659354B1 (ja) | 装飾品、装飾品の製造方法および時計 | |
JP3555660B1 (ja) | 装飾品、装飾品の製造方法および時計 | |
JP5703885B2 (ja) | 時計用文字板、時計用文字板の製造方法および時計 | |
JP2009079941A (ja) | 時計用文字板および時計 | |
JP2006274444A (ja) | 装飾品の製造方法、装飾品および時計 | |
JP2008020264A (ja) | 装飾品の製造方法、装飾品および時計 | |
JP2006264315A (ja) | 装飾品および時計 | |
JP2008020265A (ja) | 装飾品の製造方法、装飾品および時計 | |
JP2006267088A (ja) | 装飾品の製造方法、装飾品および時計 | |
JP2006322925A (ja) | 装飾品の製造方法、装飾品および時計 | |
JP2008020314A (ja) | 装飾品および時計 | |
JP2008139119A (ja) | 装飾品、装飾品の製造方法および時計 | |
JP4910685B2 (ja) | 時計用文字板および時計 | |
JP2008020313A (ja) | 装飾品の製造方法、装飾品および時計 | |
JP2008286650A (ja) | 時計用文字板および時計 | |
JP2008164525A (ja) | 時計用文字板の製造方法、時計用文字板および時計 | |
JP2009210358A (ja) | 時計用文字板、時計用文字板の製造方法、および、時計 | |
JP4992601B2 (ja) | 時計用文字板および時計 | |
JP2010101712A (ja) | 時計用文字板および時計 | |
JP2008185366A (ja) | 時計用文字板および時計 | |
JP2010216898A (ja) | 時計用文字板の製造方法、時計用文字板および時計 | |
JP2008164402A (ja) | 時計用文字板および時計 | |
JP2008164528A (ja) | 時計用文字板および時計 | |
JP5050866B2 (ja) | 時計用文字板、時計用文字板の製造方法、および、時計 |