JP2008020264A - 装飾品の製造方法、装飾品および時計 - Google Patents

装飾品の製造方法、装飾品および時計 Download PDF

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淳 川上
Yoshiyuki Koo
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Abstract

【課題】主としてプラスチック材料で構成された基材を備え、電磁波(電波、光)の透過性に優れるとともに、美的外観に優れた装飾品を提供すること、また、前記装飾品を備えた時計を提供すること。
【解決手段】本発明の装飾品1の製造方法は、主としてプラスチック材料で構成された基材12を準備する工程と、基材12上に酸化物被膜13を形成する酸化物被膜形成工程と、酸化物被膜13上に所定のパターンで開口部21が設けられたマスク2を配した状態で、気相成膜を行うことにより、所定のパターンで開口部16が設けられた金属被膜14を形成する工程と、マスク2を除去する工程と、コート層15を形成する工程とを有している。金属被膜14の形成は、マスク2として磁性材料で構成されたものを用い、基材12のマスク2に対向する面とは反対の面側に配された磁石により、マスク2と、酸化物被膜13が設けられた基材12とを密着させた状態で行う。
【選択図】 図4

Description

本発明は、装飾品の製造方法、装飾品および時計に関する。
ソーラー時計(太陽電池を備えた時計)用の文字板には、太陽電池が十分な起電力を発生するのに十分な光量の光(電磁波)を透過させる機能(光透過性)が求められる。このため、従来から、ソーラー時計用文字板としては、透明性の高いプラスチック性の部材が用いられてきた。ところが、プラスチックは、一般に、Au、Ag等の金属材料等に比べて、高級感に欠け、美的外観に劣っている。このため、プラスチック性の基板上に、接着剤を介して、金属材料で構成され開口部が設けられた金属膜を貼着して得られる文字板が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記のような方法では、金属膜を基材上に貼着する際に、金属膜にしわが生じ易く、このようなしわの発生を防止するために、慎重に貼着作業を行う必要があり、文字板の生産性は極端に低いものとなる。また、十分慎重に貼着作業を行った場合でも、比較的小さなしわ等は、その発生を十分に防止するのが困難であり、得られる文字板の美的外観を十分に優れたものとするのが困難であった。また、上記のような方法では、比較的高い割合で不良品が発生してしまうため、生産の歩留り、省資源の観点からも好ましくない。上記のような問題は、金属膜が比較的薄いもの(例えば、10μm以下)である場合に、特に顕著になる。また、金属膜が比較的薄いもの(例えば、10μm以下)である場合、貼着作業を行う際に、金属膜が破れ易く、文字板の生産性、生産コスト、省資源の観点から不利であるとともに、破れた金属膜の一部が微粒子として雰囲気中に飛散することがあり、人体の健康に対する懸念もある。
また、近年、電波を受信し、時刻調整を行う電波時計が急速に普及してきている。このような電波時計等においても、文字板等に、電磁波(電波)の優れた透過性が求められている。そして、ソーラー電池を内蔵し、さらに、電波受信用アンテナを内蔵するソーラー電波時計も普及しつつある。上記のような時計に適用される文字板においても、上記と同様に、優れた装飾性(美的外観)と、電磁波の優れた透過性との両立が求められるが、これらを両立するのは極めて困難であった。
特開平11−326549号公報(第3頁右欄第35行目〜第4頁左欄第11行目参照)
本発明の目的は、主としてプラスチック材料で構成された基材を備え、電磁波(電波、光)の透過性に優れるとともに、美的外観に優れた装飾品を提供すること、前記装飾品を製造することができる装飾品の製造方法を提供すること、また、前記装飾品を備えた時計を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の装飾品の製造方法は、主としてプラスチック材料で構成された基材を準備する基材準備工程と、
前記基材上に所定のパターンで開口部が設けられたマスクを配した状態で、気相成膜を行うことにより、所定のパターンで開口部が設けられた反射膜を形成する反射膜形成工程と、
前記マスクを除去するマスク除去工程とを有することを特徴とする。
これにより、主としてプラスチック材料で構成された基材を備え、電磁波(電波、光)の透過性に優れるとともに、美的外観に優れた装飾品を製造することができる製造方法を提供することができる。
本発明の装飾品の製造方法では、前記反射膜は、少なくともその外表面付近が、主として金属材料で構成されたものであることが好ましい。
これにより、装飾品としての美的外観を特に優れたものとすることができる。
本発明の装飾品の製造方法では、前記基材上に、主として金属酸化物で構成された酸化物被膜を形成する酸化物被膜形成工程と、
前記酸化物被膜上に、主として金属材料で構成された金属被膜を形成する金属被膜形成工程とを有することが好ましい。
これにより、基材と被膜(反射膜)との密着性をより優れたものとすることができ、結果として、装飾品の耐久性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
本発明の装飾品の製造方法では、前記酸化物被膜形成工程は、前記基材上に前記マスクを配さない状態で行うものであり、
前記金属被膜形成工程は、前記基材上に前記マスクを配した状態で行うものであることが好ましい。
これにより、金属被膜の開口部において、外部から入射した光は、酸化物被膜および基材を透過するとともに、適度な反射率で反射され、開口部の存在がより目立ち難くなる。その結果、電磁波の透過性を十分に優れたものとしつつ、装飾品の美的外観を特に優れたものとすることができる。
本発明の装飾品の製造方法では、前記酸化物被膜形成工程および前記金属被膜形成工程は、前記基材上に前記マスクを配した状態で行うものであることが好ましい。
これにより、装飾品としての電磁波の透過率を特に優れたものとすることができる。
本発明の装飾品の製造方法では、前記金属被膜は、Ag、Cr、Au、Al、Ti、Sn、Inから選択される材料で構成されたものであることが好ましい。
これにより、装飾品としての美的外観を特に優れたものとすることができるとともに、金属被膜と酸化物被膜との密着性を特に優れたものとすることができ、装飾品としての耐久性を特に優れたものとすることができる。
本発明の装飾品の製造方法では、前記酸化物被膜は、酸化チタン、酸化クロムから選択される少なくとも1種を含む材料で構成されたものであることが好ましい。
これにより、基材と金属被膜との密着性をより優れたものとすることができ、結果として、装飾品の耐久性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
本発明の装飾品の製造方法では、前記基材は、ポリカーボネート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)から選択される少なくとも1種を含む材料で構成されたものであることが好ましい。
これにより、装飾品全体としての強度を特に優れたものとすることができるとともに、装飾品の製造時における成形の自由度が増す(成形のし易さが向上する)。また、基材と反射膜との密着性を特に優れたものとすることができる。
本発明の装飾品の製造方法では、前記反射膜形成工程は、前記マスクとして磁性材料を含む材料で構成されたものを用い、前記基材の前記マスクに対向する面とは反対の面側に配された磁石により、前記マスクと、前記反射膜が形成されるべきワークとを密着させた状態で行うものであることが好ましい。
これにより、基材上において、目的以外の部位に成膜されるのをより確実に防止することができ、最終的に得られる装飾品の美的外観および電磁波の透過性を確実に優れたものとすることができる。すなわち、装飾品の信頼性を特に優れたものとすることができる。
本発明の装飾品の製造方法では、前記気相成膜の後に、前記反射膜に対し、化学的方法、物理的方法により開口部を形成する工程を有していないことが好ましい。
これにより、反射膜に不本意な凹凸が生じたり、反射膜の不本意な剥離等を防止することができ、装飾品の美的外観を、より確実に優れたものとすることができる。
本発明の装飾品は、本発明の方法を用いて製造したことを特徴とする。
これにより、主としてプラスチック材料で構成された基材を備え、電磁波(電波、光)の透過性に優れるとともに、美的外観に優れた装飾品を提供することができる。
本発明の装飾品は、電波時計用部品であることを特徴とする。
本発明の装飾品は、美的外観に優れるとともに、基材がプラスチック材料で構成されているため、電波の透過性に優れている。したがって、本発明の装飾品は、電波時計用部品に好適に適用することができる。
本発明の装飾品は、時計用文字板であることを特徴とする。
時計用文字板は、電波時計やソーラー時計等において、電磁波の優れた透過性が求められるとともに、優れた美的外観等も求められるが、本発明によればこれらの要件を同時に満足することができる。
本発明の時計は、本発明の装飾品を備えたことを特徴とする。
これにより、美的外観に優れた時計を提供することができる。また、外部からの電磁波(電波、光)を有効に利用することが可能な時計(例えば、電波時計、ソーラー時計、ソーラー電波時計等)を提供することができる。
本発明によれば、主としてプラスチック材料で構成された基材を備え、電磁波(電波、光)の透過性に優れるとともに、美的外観に優れた装飾品を提供すること、当該装飾品を製造することができる装飾品の製造方法を提供すること、また、前記装飾品を備えた時計を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の装飾品、装飾品の製造方法の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態の装飾品を示す模式的な断面図、図2は、装飾品が有する開口部の形状(パターン)の一例を説明するための模式的な平面図、図3は、装飾品が有する開口部の形状(パターン)の他の一例を説明するための模式的な平面図、図4は、本発明の第1実施形態の装飾品の製造方法を示す模式的な断面図である。
図1に示すように、本実施形態の装飾品1は、基材12と、酸化物被膜13と、光を反射する機能を有する金属被膜(反射膜)14と、コート層15とを有している。そして、反射膜として機能する金属被膜14には、後に詳述するように、開口部16が設けられている。
[基材]
基材12は、主としてプラスチック材料で構成されたものである。プラスチック材料は、一般に、電磁波(光、電波)の透過性に優れている。
基材12を構成するプラスチック材料としては、各種熱可塑性樹脂、各種熱硬化性樹脂が挙げられ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリパラキシリレン(poly-para-xylylene)、ポリモノクロロパラキシリレン(poly-monochloro-para-xylylene)、ポリジクロロパラキシリレン(poly-dichloro-para-xylylene)、ポリモノフルオロパラキシリレン(poly-monofluoro-para-xylylene)、ポリモノエチルパラキシリレン(poly-monoethyl-para-xylylene)等のポリパラキシリレン樹脂等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等として)用いることができる。
基材12は、上記のような材料の中でも特に、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)から選択される少なくとも1種を含む材料で構成されたものであるのが好ましい。これにより、装飾品1全体としての強度を特に優れたものとすることができる。また、装飾品1の製造時にいては、基材12の成形の自由度が増す(成形のし易さが向上する)ため、より複雑な形状の装飾品1であっても、容易かつ確実に製造することができる。また、基材12がポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)から選択される少なくとも1種を含む材料で構成されたものであると、基材12と反射膜との密着性(特に、酸化物被膜13を介しての金属被膜14との密着性)を特に優れたものとすることができる。また、ポリカーボネートは、各種プラスチック材料の中でも比較的安価で、装飾品1の生産コストのさらなる低減に寄与することができる。また、ABS樹脂は、特に優れた耐薬品性も有しており、装飾品1全体としての耐久性をさらに向上されることができる。
なお、基材12は、プラスチック材料以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、可塑剤、酸化防止剤、着色剤(各種発色剤、蛍光物質、りん光物質等を含む)、光沢剤、フィラー等が挙げられる。
また、基材12は、少なくとも表面付近の一部(後述する酸化物被膜13が形成される部位)が主としてプラスチック材料で構成されたものであればよく、例えば、プラスチック材料を含まない材料で構成された部位を有するものであってもよい。
また、基材12は、各部位でその組成が実質的に均一な組成を有するものであってもよいし、部位によって組成の異なるものであってもよい。例えば、基材12は、基部と、該基部上に設けられた表面層を有するものであってもよい。基材12がこのような構成のものである場合、少なくともその表面付近の一部(後述する酸化物被膜13が形成される部位)が上述したような、主としてプラスチック材料で構成されたものであればよい。
また、基材12の形状、大きさは、特に限定されず、通常、装飾品1の形状、大きさに基づいて決定される。
また、基材12は、いかなる方法で成形されたものであってもよいが、基材12の成形方法としては、例えば、圧縮成形、押出成形、射出成形、光造形等が挙げられる。
[酸化物被膜]
基材12の表面には、酸化物被膜13が設けられている。このように、本実施形態では、主としてプラスチック材料で構成された基材12の表面に、金属被膜14が直接設けられずに、基材12と金属被膜14との間に酸化物被膜13が介在している。これにより、基材12と金属被膜14との密着性(酸化物被膜13を介しての密着性)、特に、後述するような気相成膜により形成される金属被膜14の密着性を向上させることができ、金属被膜(反射膜)14の浮きや剥がれ(剥離)等を効果的に防止することができる。その結果、装飾品1は耐久性に優れたものとなる。また、装飾品1は、金属被膜14を有しているため、美的外観にも優れている。
酸化物被膜13は、主として金属酸化物で構成されたものである。
酸化物被膜13を構成する金属酸化物としては、各種金属の酸化物を用いることができ、好ましくは、Fe、Cu、Zn、Ni、Mg、Cr、Mn、Mo、Nb、Al、V、Zr、Sn、Au、Pd、Pt、Ag、Co、In、W、Ti、Rhの酸化物(複合酸化物を含む)が挙げられる。酸化物被膜13が、酸化チタン(複合酸化物を含む)、酸化クロム(複合酸化物を含む)から選択される少なくとも1種を含む材料で構成されたものであると、基材12と金属被膜14との密着性をより優れたものとすることができる。また、酸化物被膜13は、透明性を有する材料(無色の金属酸化物)で構成されたものであり、開口部16からの光を透過しソーラーセル(発電部)へ照射させる。このような材料としては、例えば、Ti、Zn、Mg、Mo、Nb、Zr、Sn、Inの酸化物等が挙げられる。なお、酸化物被膜13は、金属酸化物以外の成分(例えば、SiO)を含むものであってもよい。
また、酸化物被膜13の平均厚さは、特に限定されないが、0.005〜1.0μmであるのが好ましく、0.007〜0.5μmであるのがより好ましく、0.01〜0.3μmであるのがさらに好ましい。酸化物被膜13の平均厚さが前記範囲内の値であると、装飾品1全体としての美的外観を特に優れたものとすることができるとともに、酸化物被膜13の内部応力が高くなるのを十分に防止しつつ、基材12と金属被膜14との密着性を特に優れたものとすることができる。これに対し、酸化物被膜13の平均厚さが前記下限値未満であると、酸化物被膜13、基材12、金属被膜14の構成材料等によっては、基材12と金属被膜14との密着性を向上させる機能が十分に発揮されない可能性がある。また、酸化物被膜13の平均厚さが前記下限値未満であると、酸化物被膜13の形成方法等によっては、酸化物被膜13にピンホールが生じ易くなり、酸化物被膜13を備えることによる効果が十分に発揮されない可能性がある。また、酸化物被膜13の平均厚さが前記上限値を超えると、酸化物被膜13の各部位における膜厚のばらつきが大きくなる傾向を示す。また、酸化物被膜13の平均厚さが特に大きい場合は、酸化物被膜13の内部応力が高くなり、クラック等が発生し易くなる。
また、酸化物被膜13の平均厚さは、後述する金属被膜14の平均厚さよりも小さいものであるの好ましい。これにより、基材12と反射膜(金属被膜14)との密着性を十分に優れたものとしつつ、装飾品1の美的外観を特に優れたものとすることができる。酸化物被膜13の平均厚さをT[μm]金属被膜14の平均厚さをT[μm]としたとき、0.005≦T−T≦1.5の関係を満足するのが好ましく、0.007≦T−T≦1.0の関係を満足するのがより好ましく、0.01≦T−T≦0.5の関係を満足するのがさらに好ましい。このような関係を満足することにより、上記のような効果はさらに顕著なものとして発揮される。
また、酸化物被膜13は、各部位で均一な組成を有するものであってもよいし、そうでなくてもよい。例えば、酸化物被膜13は、含有成分(組成)が厚さ方向に順次変化するもの(傾斜材料)であってもよい。また、酸化物被膜13は、複数の層を有する積層体であってもよい。これにより、例えば、基材12および金属被膜14との密着性をさらに向上させることができる。より具体的には、前記積層体の基材12と接触する側の層を基材12との密着性に優れる材料で構成し、前記積層体の金属被膜14と接触する側の層を金属被膜14との密着性に優れる材料で構成することにより、基材12および金属被膜14との密着性をさらに向上させることができる。また、酸化物被膜13が積層体である場合、例えば、実質的に金属酸化物を含まない材料で構成された層を有していてもよい。より具体的には、酸化物被膜13は、金属酸化物で構成された2つの層の間に、プラスチック材料等で構成された層が介挿された構成を有するものであってもよい。
[金属被膜]
酸化物被膜13の表面(基材12と接触する面とは反対側の面)には、金属被膜14が設けられている。
金属被膜14は、主として金属材料で構成されたものである。金属被膜14を構成する金属材料は、一般に、金属光沢を有しており、光(可視光)を反射する機能を有している。したがって、金属被膜14は、光(可視光)を反射する反射膜として機能する。
金属被膜14を構成する金属材料としては、各種金属(合金を含む)を用いることができ、好ましくは、Fe、Cu、Zn、Ni、Mg、Cr、Mn、Mo、Nb、Al、V、Zr、Sn、Au、Pd、Pt、Ag、Co、In、W、Ti、Rhや、これらのうち少なくとも1種を含む合金が挙げられる。金属被膜14は、上記のような材料の中でも特に、Ag、Cr、Au、Al、Ti、Sn、Inから選択される少なくとも1種を含む材料(合金を含む)で構成されたものであるのが好ましい。これにより、金属被膜14と酸化物被膜13との密着性を特に優れたものとするとともに、装飾品1の美的外観を特に優れたものとすることができる。また、金属被膜14が上記のような材料で構成されたものであると、後述する開口部16の大きさが比較的大きい場合や、金属被膜14全面に占める開口部16の面積率が比較的大きい場合であっても、外観上、開口部16の存在をより目立たないものとすることができる。なお、金属被膜14は、金属材料以外の成分を含むものであってもよい。
また、金属被膜14の構成材料は、酸化物被膜13を構成する元素のうち少なくとも1種を含むものであってもよい。言い換えると、酸化物被膜13と金属被膜14とは、少なくともこれらが接触する部位において、互いに共通の元素を含む材料で構成されたものであってもよい。例えば、酸化物被膜13がMOn/2の組成式(ただし、Mは金属元素を表し、nはMの価数を示す)で表される金属酸化物を含む場合、金属被膜14は、Mを含むものであってもよい。これにより、酸化物被膜13と金属被膜14との密着性がさらに向上する。
金属被膜14の表面(基材12と対向する面とは反対側の面の表面)は、後述する開口部16が設けられた部位以外において、実質的に平坦(平滑)なもの、すなわち、鏡面であるのが好ましい。これにより、装飾品1の美的外観は特に優れたものとなる。より具体的には、金属被膜14の表面粗さRa(基材12と対向する面とは反対側の面の表面粗さRa)は、特に限定されないが、0.001〜0.5μmであるのが好ましく、0.001〜0.1μmであるのがより好ましい。これにより、上記のような効果はさらに顕著なものとして発揮される。
金属被膜14の平均厚さは、特に限定されないが、0.005〜2.5μmであるのが好ましく、0.007〜0.9μmであるのがより好ましく、0.01〜0.5μmであるのがさらに好ましい。金属被膜14の平均厚さが前記範囲内の値であると、金属被膜14の内部応力が高くなるのを十分に防止しつつ、装飾品1の審美性を特に優れたものとすることができる。また、酸化物被膜13と金属被膜14との密着性を特に優れたものとすることができる。また、装飾品1全体としての電磁波(電波、光)の透過率を十分に大きいものとすることができる。これに対し、金属被膜14の平均厚さが前記下限値未満であると、金属被膜14の構成材料等によっては、金属被膜14の光沢、色調等の特長を十分に発揮するのが困難となり、装飾品1全体としての審美性を十分に高めるのが困難になる可能性がある。また、金属被膜14の平均厚さが前記下限値未満であると、金属被膜14の形成方法等によっては、金属被膜14にピンホールが生じ易くなる。また、金属被膜14の平均厚さが前記下限値未満であると、好適な形状の開口部16を形成するのが困難になる可能性がある。また、金属被膜14、酸化物被膜13の構成材料等によっては、酸化物被膜13と金属被膜14との密着性を十分に向上させるのが困難になる可能性がある。一方、金属被膜14の平均厚さが前記上限値を超えると、金属被膜14の各部位における膜厚のばらつきが大きくなる傾向を示す。また、金属被膜14の平均厚さが特に大きい場合は、金属被膜14の内部応力が高くなり、クラック等が発生し易くなる。また、金属被膜14の平均厚さが前記上限値を超えると、装飾品1全体としての電磁波(電波、光)の透過率が減少する傾向を示す。
また、金属被膜14は、各部位で均一な組成を有するものであってもよいし、そうでなくてもよい。例えば、金属被膜14は、含有成分(組成)が厚さ方向に順次変化するもの(傾斜材料)であってもよい。また、金属被膜14は、複数の層を有する積層体であってもよい。これにより、例えば、酸化物被膜13との密着性を特に優れたものとしつつ、装飾品1としての審美性をさらに高めることができる。すなわち、前記積層体の酸化物被膜13と接触する側の層を酸化物被膜13との密着性に優れる材料で構成し、前記積層体の最外層(酸化物被膜13から最も離れた側の層)を審美性に優れる材料で構成することにより、酸化物被膜13との密着性を特に優れたものとしつつ、装飾品1としての審美性をさらに高めることができる。また、金属被膜14が積層体である場合、例えば、実質的に金属材料を含まない材料で構成された層を有していてもよい。より具体的には、金属被膜14は、金属材料で構成された2つの層の間に、金属酸化物等で構成された層が介挿された構成を有するものであってもよい。
また、前述した酸化物被膜13の平均厚さと金属被膜14の平均厚さとの和は、0.01〜2.5μmであるのが好ましく、0.014〜1.5μmであるのがより好ましく、0.02〜0.8μmであるのがさらに好ましい。酸化物被膜13の平均厚さと金属被膜14の平均厚さとの和が前記範囲内の値であると、酸化物被膜13や金属被膜14の内部応力が高くなるのを十分に防止しつつ、基材12、酸化物被膜13、金属被膜14の密着性を特に優れたものとすることができる。また、酸化物被膜13の平均厚さと金属被膜14の平均厚さとの和が前記範囲内の値であると、装飾品1全体としての電波の透過性が向上する。その結果、装飾品1を電波時計用部品により好適に適用することができる。
[開口部]
金属被膜14には、その厚さ方向に貫通する開口部16が所定の面積率で設けられている。このような開口部16を有することにより、基材12の金属被膜14で被覆されていない部位が外部からの電磁波を透過させる透過部121となっており、装飾品1は、外部からの電磁波を十分に透過させることができるものとなっている。これにより、装飾品1を、例えば、電波時計やソーラー時計(太陽電池を内蔵する時計)、ソーラー電波時計等に好適に適用することができる。
このような開口部16は、後に詳述するように、気相成膜により金属被膜14を形成する際に設けられたもの(成膜と同時に形成されたもの)であり、開口部を有さない膜に対して、化学的方法(例えば、エッチング処理等)、物理的方法(例えば、ブラスト処理、エネルギー線の照射等)により、形成されたものではない。これにより、開口部16は、金属被膜14の外表面を荒らすことなく設けられている。言い換えると、金属被膜14の外表面は、表面粗さが非常に小さく(ほぼ平坦に)なっており、開口部16付近における不本意な隆起等はない。開口部16がこのように設けられたものであると、装飾品1の美的外観は特に優れたものとなる。
開口部16の形状は、特に限定されず、例えば、平面視した際の形状が略円形状、略楕円形状、略多角形状、スリット状、格子状等、いかなる形状であってもよいが、開口部16の形状としては、例えば、図2、図3に示すように、平面視した際に、金属被膜13で構成された多数個の島状の領域を取り囲むように設けられたものであるのが好ましい。これにより、装飾品1の外観において、開口部16の存在をより目立ち難いものとすることができるとともに、後に詳述するような製造方法において用いるマスク2を、容易かつ確実に作製することができ、製造される装飾品1の信頼性を特に優れたものとすることができる。また、開口部16の形状が上記のようなものであると、製造すべき装飾品1の仕様等に応じて、開口部16の幅等を容易かつ確実に制御することができる。
また、図中Wで表される開口部16の幅は、10〜150μmであるのが好ましく、15〜140μmであるのがより好ましく、20〜130μmであるのがさらに好ましい。開口部16の幅Wが前記範囲内の値であると、装飾品1としての電磁波の透過性を十分に高いものとしつつ、装飾品1の美的外観(審美性)を特に優れたものとすることができる。これに対し、開口部16の幅Wが前記下限値未満であると、開口部16の占有面積の割合によっては、装飾品1全体としての電磁波の透過率を十分に高めるのが困難になる可能性がある。一方、開口部16の幅Wが前記上限値を超えると、金属被膜14の構成材料や厚さ等によっては、装飾品1の外観を十分に優れたものとするのが困難になる可能性がある。
また、図中Pで表される開口部16のピッチは、70〜400μmであるのが好ましく、80〜350μmであるのがより好ましく、90〜300μmであるのがさらに好ましい。開口部16のピッチPが前記範囲内の値であると、装飾品1としての電磁波の透過性を十分に高いものとしつつ、装飾品1の美的外観(審美性)を特に優れたものとすることができる。これに対し、開口部16のピッチPが前記下限値未満であると、金属被膜14の構成材料や厚さ等によっては、装飾品1の外観を十分に優れたものとするのが困難になる可能性がある。一方、開口部16のピッチPが前記上限値を超えると、開口部16の占有面積の割合によっては、装飾品1全体としての電磁波の透過率を十分に高めるのが困難になる可能性がある。なお、開口部16のピッチとは、隣接する開口部16−開口部16間の中心間距離のことを指し、隣接する開口部16が複数個ある場合には、最も近接した開口部16との中心間距離のことを指す。
金属被膜14を平面視した際の開口部16が設けられている領域における開口部16の占有率は、15〜45%であるのが好ましく、20〜42%であるのがより好ましく、25〜38%であるのがさらに好ましい。開口部16の占有率が前記範囲内の値であると、装飾品1の外観を十分に優れたものとしつつ、装飾品1の電磁波の透過率を特に優れたものとすることができる。これに対し、開口部16の占有率が前記下限値未満であると、金属被膜(反射膜)14の構成材料や厚さ等によっては、装飾品1全体としての電磁波の透過率を十分に高めることができない。一方、開口部16の占有率が前記上限値を超えると、金属被膜(反射膜)14の構成材料等によっては、装飾品1の外観を十分に優れたものとするのが困難になる可能性がある。
本実施形態の装飾品1では、開口部16は、金属被膜14に選択的に設けられ、酸化物被膜13には設けられていない。これにより、開口部16において、外部から入射した光は、酸化物被膜13および基材12を透過するとともに、適度な反射率で反射され、開口部16の存在がより目立ち難くなり、装飾品1の美的外観は特に優れたものとなる。すなわち、開口部16において酸化物被膜13が残存していると、外部から入射した光の一部が、酸化物被膜13の表面付近で反射するとともに、酸化物被膜13と基材12との間でも、光の入射側への光の反射がおこり、開口部16の存在がより目立ち難くなる。このような効果は、酸化物被膜13の構成材料の屈折率(絶対屈折率)が、基材12の構成材料の屈折率(絶対屈折率)よりも大きい場合に発揮される。
また、酸化物被膜13の構成材料の屈折率(絶対屈折率)をI、基材12の構成材料の屈折率(絶対屈折率)をIとしたとき、0.5≦I−I≦1.5の関係を満足するのが好ましく、0.7≦I−I≦1.2の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、上記のような効果は特に顕著なものとして発揮される。
[コート層]
金属被膜14の表面には、コート層15が設けられている。このようなコート層15を有することにより、例えば、電磁波の透過率を十分に高いものとしつつ、光沢性、色調等を調整することができ、装飾品1の美的外観をさらに優れたものにすることができる。また、このようなコート層15を有することにより、例えば、装飾品1全体としての、耐食性、耐候性、耐水性、耐油性、耐擦傷性、耐摩耗性、耐変色性等の各種特性を向上させることができ、外部環境の影響による金属被膜14等の劣化、変性等をより確実に防止することができる。その結果、装飾品1としての耐久性を特に優れたものとすることができる。
コート層15は、いかなる材料で構成されたものであってもよいが、適度な透明性を有する材料で構成されたものであるのが好ましい。このような材料としては、各種プラスチック材料(樹脂材料)、各種ガラス、ダイヤモンド様炭素(DLC)等が挙げられるが、この中でも、プラスチックは、優れた透明性と、優れた成形性(成形の容易さ)とを併有しているため、特に好ましい。
コート層15を構成するプラスチック材料(樹脂材料)としては、各種熱可塑性樹脂、各種熱硬化性樹脂が挙げられ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリパラキシリレン(poly-para-xylylene)、ポリモノクロロパラキシリレン(poly-monochloro-para-xylylene)、ポリジクロロパラキシリレン(poly-dichloro-para-xylylene)、ポリモノフルオロパラキシリレン(poly-monofluoro-para-xylylene)、ポリモノエチルパラキシリレン(poly-monoethyl-para-xylylene)等のポリパラキシリレン樹脂等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等として)用いることができる。
コート層15は、上記のような材料の中でも特に、ウレタン系樹脂および/またはアクリル系樹脂を含む材料で構成されたものであるのが好ましく、主としてウレタン系樹脂および/またはアクリル系樹脂で構成されたものであるのがより好ましい。これにより、上記のようなコート層15を有することによる効果をより顕著なものとして発揮させつつ、コート層15と金属被膜14との密着性を特に優れたものとすることができる。
また、コート層15中には、上記のような材料以外の成分が含まれていてもよい。このような成分としては、例えば、着色剤(各種発色剤、蛍光物質、りん光物質等を含む)、光沢剤、可塑剤、酸化防止剤、フィラー等が挙げられる。
コート層15の平均厚さは、特に限定されないが、0.01〜50μmであるのが好ましく、0.1〜20μmであるのがより好ましく、2〜15μmであるのがさらに好ましい。コート層15の平均厚さが前記範囲内の値であると、コート層15の内部応力が高くなるのを十分に防止しつつ、コート層15と金属被膜14との密着性を特に優れたものとすることができる。また、装飾品1の審美性を特に優れたものとすることができる。これに対し、コート層15の平均厚さが前記下限値未満であると、金属被膜14、コート層15の構成材料等によっては、コート層15と金属被膜14との密着性を十分に向上させるのが困難になる可能性がある。また、コート層15の機能が十分に発揮されない可能性がある。また、コート層15の平均厚さが前記上限値を超えると、コート層15の各部位における膜厚のばらつきが大きくなる傾向を示す。また、コート層15の平均厚さが特に大きい場合は、コート層15の内部応力が高くなり、クラック等が発生し易くなる。また、コート層15の平均厚さが特に大きい場合は、コート層15の構成材料(透明性)、金属被膜14の構成材料等によっては、金属被膜14の光沢、色調等の特長を十分に発揮するのが困難となり、装飾品1全体としての審美性を十分に高めるのが困難になる可能性がある。なお、図示のように、コート層15の一部が開口部16内に侵入している場合、コート層15の平均厚さとしては、金属被膜14上に設けられた部位(開口部16に対応する部位を除いた部位)についての平均厚さの値を採用するものとする。
また、本実施形態のように、開口部16が、金属被膜14に選択的に設けられ、酸化物被膜13には設けられないものである場合、酸化物被膜13の構成材料の屈折率(絶対屈折率)をI、コート層15の構成材料の屈折率(絶対屈折率)をIとしたとき、0.5≦I−I≦1.5の関係を満足するのが好ましく、0.7≦I−I≦1.2の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、外部から入射した光の一部が、酸化物被膜13の表面付近や、酸化物被膜13と基材12との界面で、光の入射側へ反射するとともに、酸化物被膜13とコート層15との界面でも光の入射側への光の反射がおこり、開口部16の存在がより目立ち難くなる。
また、コート層15は、各部位で均一な組成を有するものであってもよいし、そうでなくてもよい。例えば、コート層15は、含有成分(組成)が厚さ方向に順次変化するもの(傾斜材料)であってもよい。また、コート層15は、複数の層を有する積層体であってもよい。これにより、例えば、金属被膜14との密着性を特に優れたものとしつつ、装飾品1としての審美性をさらに高めることができる。
また、コート層15は、例えば、装飾品1の使用時等において除去されるものであってもよい。
[装飾品]
以上説明したような装飾品1は、装飾性を備えた物品であればいかなるものでもよいが、例えば、置物等のインテリア、エクステリア用品、宝飾品、時計ケース(胴、裏蓋、胴と裏蓋とが一体化されたワンピースケース等)、時計バンド(バンド中留、バンド・バングル着脱機構等を含む)、文字板、時計用針、ベゼル(例えば、回転ベゼル等)、りゅうず(例えば、ネジロック式りゅうず等)、ボタン、カバーガラス、ガラス縁、ダイヤルリング、見切板、パッキン等の時計用外装部品、ムーブメントの地板、歯車、輪列受け、回転錘等の時計用内装部品、メガネ(例えば、メガネフレーム)、ネクタイピン、カフスボタン、指輪、ネックレス、ブレスレット、アンクレット、ブローチ、ペンダント、イヤリング、ピアス等の装身具、ライターまたはそのケース、自動車のホイール、ゴルフクラブ等のスポーツ用品、銘板、パネル、賞杯、その他ハウジング等を含む各種機器部品、各種容器等に適用することができる。この中でも特に、時計用外装部品がより好ましい。時計用外装部品は、一般に、外部からの衝撃を受け易い装飾品であり、装飾品としての外観の美しさが要求されるとともに、実用品としての耐久性も求められるが、本発明によればこれらの要件を同時に満足することができる。なお、本明細書中での「時計用外装部品」とは、外部から視認可能なものであればいかなるものであってもよく、時計の外部に露出しているものに限らず、時計の内部に内蔵されたものも含む。
また、装飾品1は、時計用外装部品の中でも特に、文字板に適用されるものであるのが好ましい。文字板は、時計を構成する各種部品の中でも、特に優れた美的外観が要求される部品である。また、後述するような電波時計、ソーラー時計(これらには、ソーラー電波時計を含む)では、通常、文字板は、電波受信用のアンテナ、太陽電池を覆うように、電波受信用のアンテナ上、太陽電池上(太陽電池の受光面上)に配置されている。したがって、電波時計、ソーラー時計においては、文字板に、電波の優れた透過性が求められるが、本発明の装飾品1によれば、このような要求を十分に満足することができる。
また、装飾品1は、時計用外装部品の中でも特に、腕時計に適用されるものであるのが好ましい。腕時計は、一般に、使用される環境の条件が一定ではなく、様々な環境下において優れた装飾性、実用性が求められるものであるが、本発明の装飾品1によれば、このような要求を十分に満足することができる。
また、装飾品1は、以下に述べるような理由から、時計用部品(時計用外装部品)の中でも特に、電波時計用部品(ソーラー電波時計用部品を含む)であるのが好ましい。
すなわち、装飾品1は、上述したような開口部16を有しているため、電磁波(光および電波)の透過性に優れるとともに、美的外観にも優れている。特に、装飾品1は、基材12と金属被膜14との間に酸化物被膜13を有しているため、酸化物被膜13の色調等により、金属被膜14の厚さが比較的薄い場合であっても、装飾品1全体としての美的外観を優れたものとすることができる。また、装飾品1は、基材12がプラスチック材料で構成されている。これらのことから、装飾品1においては、優れた美的外観および耐久性を発揮させるとともに、電波の透過性を特に優れたものとすることができる。したがって、装飾品1は、電波時計用部品に好適に適用することができる。
次に、上述した装飾品1の製造方法について説明する。
図4は、本発明の第1実施形態の装飾品の製造方法を示す模式的な断面図である。
図4に示すように、本実施形態の装飾品の製造方法は、基材12を準備する基材準備工程(1a)と、基材12の表面に酸化物被膜13を形成する酸化物被膜形成工程(1b)と、酸化物被膜13の表面(基材12上)に所定のパターンで開口部21が設けられたマスク(気相成膜用マスク)2を配した状態で、気相成膜を行うことにより、所定のパターンで開口部16が設けられた金属被膜(反射膜)14を形成する金属被膜形成工程(反射膜形成工程)(1c、1d)と、マスク2を除去するマスク除去工程(1e)と、金属被膜14上にコート層15を形成するコート層形成工程(1f)とを有する。
[基材準備工程]
基材12としては、前述したようなものを用いることができる。
また、基材12の表面に対しては、例えば、鏡面加工、スジ目加工、梨地加工等の表面加工が施されてもよい。これにより、得られる装飾品1の表面の光沢具合にバリエーションを持たせることが可能となり、得られる装飾品1の装飾性をさらに向上させることができる。
また、このような表面加工を施した基材12を用いて製造される装飾品1は、酸化物被膜13、金属被膜14に対して、前記表面加工を施すことにより得られるものに比べて、金属被膜14のギラツキ等が抑制されたものとなり、特に美的外観に優れたものとなる。また、基材12は、主としてプラスチック材料で構成されたものであるため、上記のような表面加工も比較的容易に行うことができる。また、酸化物被膜13、金属被膜14は、通常、比較的薄いものであるため、酸化物被膜13、金属被膜14に対して表面加工を施すと、当該表面処理を施した部位の酸化物被膜13、金属被膜14が完全に除去されてしまったり、その周囲の酸化物被膜13、金属被膜14も剥離してしまう等の問題が発生する可能性があるが、基材12に対して表面処理を行うことにより、このような問題の発生も効果的に防止することができる。
[酸化物被膜形成工程]
基材12の表面に、主として金属酸化物で構成された酸化物被膜13を形成する(1b)。
上述したように、酸化物被膜13は、基材12および金属被膜14との密着性に優れるものである。このような酸化物被膜13を形成することにより、装飾品1全体としての耐久性を特に優れたものとすることができる。
酸化物被膜13の形成方法は、特に限定されず、例えば、スピンコート、ディッピング、刷毛塗り、噴霧塗装、静電塗装、電着塗装等の塗装、電解めっき、浸漬めっき、無電解めっき等の湿式めっき法や、熱CVD、プラズマCVD、レーザーCVD等の化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の気相成膜法、溶射等が挙げられるが、気相成膜法が好ましい。酸化物被膜13の形成方法として気相成膜法を適用することにより、均一な膜厚を有し、均質で、かつ、基材12との密着性が特に優れた酸化物被膜13を確実に形成することができる。その結果、最終的に得られる装飾品1の審美的外観、耐久性を特に優れたものとすることができる。また、酸化物被膜13の形成方法として気相成膜法を適用することにより、形成すべき酸化物被膜13が比較的薄いものであっても、膜厚のばらつきを十分に小さいものとすることができる。このため、例えば、得られる装飾品1の耐久性を十分に高いものとしつつ、装飾品1の電磁波の透過性を向上させることができる。したがって、得られる装飾品1を電波時計、ソーラー時計等の時計用部品に、より好適に適用することができる。また、後に詳述するように、反射膜としての金属被膜14が気相成膜により形成されるものであるため、酸化物被膜13の形成方法として気相成膜法を適用することにより、装飾品1の製造において、製造過程における基材12を気相成膜装置から一旦取り出すことなく、本工程と金属被膜形成工程とを、引き続いて行うことができる。このため、装飾品1の生産性を特に優れたものとすることができる。
また、上記のような気相成膜法の中でも、スパッタリングが特に好ましい。酸化物被膜13の形成方法としてスパッタリングを適用することにより、上記のような効果はより顕著なものとなる。すなわち、酸化物被膜13の形成方法としてスパッタリングを適用することにより、均一な膜厚を有し、均質で、かつ、基材12との密着性が特に優れた酸化物被膜13をより確実に形成することができる。その結果、最終的に得られる装飾品1の審美的外観、耐久性をさらに優れたものとすることができる。また、酸化物被膜13の形成方法としてスパッタリングを適用することにより、形成すべき酸化物被膜13が比較的薄いものであっても、膜厚のばらつきを特に小さいものとすることができる。このため、例えば、得られる装飾品1の耐久性を高いものとしつつ、装飾品1の電磁波の透過性をさらに向上させることができる。したがって、得られる装飾品1を電波時計、ソーラー時計等の時計用部品に、さらに好適に適用することができる。
なお、上記のような気相成膜法を適用する場合、例えば、酸化物被膜13を構成する金属酸化物に対応する金属をターゲットとして用い、酸素ガスを含む雰囲気中で処理を行うことにより、酸化物被膜13を容易かつ確実に形成することができる。
また、酸化物被膜13の形成は、異なる複数の方法、条件を組み合わせて行ってもよい。これにより、前述したような積層体で構成された酸化物被膜13を好適に形成することができる。
[金属被膜形成工程(反射膜形成工程)]
次に、上記のようにして形成された酸化物被膜13上に、所定のパターンで開口部21が設けられたマスク(気相成膜用マスク)2を配した状態で、気相成膜を行うことにより、金属被膜14を形成する(1c、1d)。
このように、マスク2を配した状態で気相成膜を行うことにより、開口部16を有する金属被膜14が形成される。すなわち、金属被膜14の成膜と同時に開口部16が形成される。このようにして反射膜としての金属被膜14(開口部16)を形成することにより、マスク2の開口部21のパターンに対応する(反転したパターンの)開口部16を容易かつ確実に形成することができる。また、多数個の装飾品1の製造に、マスク2を繰り返し用いることができるため、装飾品1の生産性が向上するとともに、各装飾品1間での品質のばらつきを抑制することができる。すなわち、装飾品1の品質の信頼性が向上する。また、化学的方法(化学的処理)、物理的方法(物理的処理)により開口部を形成する必要がないため、不本意な凹凸のない金属被膜14を好適に形成することができる。また、形成すべき開口部16に対応するパターン(反転したパターン)の開口部21を有するマスク2を用意することにより、金属被膜14の形成条件を大きく変更することなく、多様なパターンの開口部16を有する装飾品1の生産にも好適に対応することができる。すなわち、多品種生産にも効率良く対応することができる。
上記のように、金属被膜14は、気相成膜により形成されるものである。金属被膜14の形成に適用することができる気相成膜法としては、例えば、熱CVD、プラズマCVD、レーザーCVD等の化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等が挙げられる。金属被膜14の形成方法として気相成膜法を適用することにより、均一な膜厚を有し(不本意な厚さのばらつきが抑制され)、均質で、かつ、酸化物被膜13との密着性が特に優れた金属被膜14を確実に形成することができる。その結果、最終的に得られる装飾品1の審美的外観、耐久性を特に優れたものとすることができる。また、電波時計、ソーラー時計等の時計用部品として用いる場合、特に優れた電磁波の透過性が求められるため、一般に、金属被膜14を前記のように比較的薄いものとするのが好ましいが、金属被膜14の形成方法として気相成膜法を適用することにより、形成すべき金属被膜14がこのように比較的薄いものであっても、膜厚のばらつきを十分に小さいものとすることができる。このため、例えば、得られる装飾品1の耐久性を十分に高いものとしつつ、装飾品1の電磁波の透過性、美的外観を特に優れたものとすることができる。したがって、得られる装飾品1を電波時計、ソーラー時計等の時計用部品に、好適に適用することができる。
また、上記のような気相成膜法の中でも、スパッタリングが特に好ましい。金属被膜14の形成方法としてスパッタリングを適用することにより、上記のような効果はより顕著なものとなる。すなわち、金属被膜14の形成方法としてスパッタリングを適用することにより、均一な膜厚を有し、均質で、かつ、酸化物被膜13との密着性が特に優れた金属被膜14をより確実に形成することができる。その結果、最終的に得られる装飾品1の審美的外観、耐久性をさらに優れたものとすることができる。また、金属被膜14の形成方法としてスパッタリングを適用することにより、形成すべき金属被膜14が比較的薄いものであっても、膜厚のばらつきを特に小さいものとすることができる。このため、例えば、得られる装飾品1の耐久性を高いものとしつつ、装飾品1の電磁波の透過性をさらに向上させることができる。したがって、得られる装飾品1を電波時計、ソーラー時計等の時計用部品に、さらに好適に適用することができる。
なお、上記のような気相成膜では、例えば、金属被膜14を構成する金属をターゲットとして用い、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気中で処理を行うことにより、金属被膜14を容易かつ確実に形成することができる。また、上述した酸化物被膜形成工程を気相成膜法により行う場合、例えば、気相成膜装置内(チャンバー内)の雰囲気ガスの組成を、酸素ガスを含むものから、不活性ガスに置換し、必要に応じて、ターゲットを変更することにより、同一装置内で、酸化物被膜形成工程と金属被膜形成工程とを、(基材12を装置内から取り出すことなく)引き続いて行うことができる。これにより、基材12、酸化物被膜13、金属被膜14の密着性が特に優れたものとなるとともに、装飾品1の生産性、信頼性も向上する。
また、金属被膜14の形成は、異なる複数の方法、条件を組み合わせて行ってもよい。これにより、前述したような積層体で構成された金属被膜14を好適に形成することができる。
上述したように、金属被膜形成工程(反射膜形成工程)は、気相成膜により行うものであり、これにより、上記のような優れた効果が得られる。これに対し、気相成膜以外の方法で金属被膜(反射膜)14を形成した場合には、上記のような効果は得られない。例えば、開口部を備えたマスクを配した状態で、湿式めっきを行った場合、形成される反射膜の厚さのばらつきを十分に小さくすることは困難である。特に、装飾品を電波時計、ソーラー時計等の時計用部品(特に、ソーラー電波時計用の時計用部品)として用いる場合、特に優れた電磁波の透過性が求められるため、一般に、反射膜は比較的薄いものであるが、形成すべき反射膜の厚さが比較的薄いものであると、各部位での厚さのばらつきや反射膜表面の凹凸は特に顕著なものとなり、装飾品の美的外観を十分に優れたものとすることができない。また、湿式めっきを行った場合、形成される反射膜の内部や反射膜が被覆される部材との界面付近にめっき液が残存する可能性がある。このように、めっき液が残存すると、装飾品の耐久性を著しく低下させる。また、湿式めっき後に洗浄を行った場合でも、完全にめっき液を除去するのは困難であり、特に、反射膜が上記のように比較的薄いものであると、形成された反射膜にダメージを与えることなく、めっき液を確実に除去するのは困難である。また、湿式めっきを行った場合、膜厚制御が困難で比較的被膜が厚くなる為、マスクの繰り返し使用が難しくなる(開口部寸法が小さくなる)という問題が生じる。
本工程で用いるマスク2は、形成すべき金属被膜14の開口部16に対応するパターンで配された開口部21を有している。すなわち、マスク2は、形成すべき開口部16に対応する部位以外に開口部21を有するものであり、開口部16の反転したパターンの開口部21を有するものであるということができる。
このようなマスク2は、例えば、板上の部材を用意し、これに、エッチング等の化学的処理を施したり、レーザー光等のエネルギー線の照射、旋盤処理等の機械的処理(物理的処理)を施したりする等して、開口部21を形成することにより得ることができる。
マスク2の厚さは、特に限定されないが、通常、形成すべき金属被膜14(反射膜)の厚さと同等またはそれ以上の厚さであるのが好ましい。これにより、目的とする形状の開口部16を有する金属被膜14を、より確実に形成することができる。
形成すべき金属被膜14の厚さをT[μm]、マスク2の厚さをT[μm]としたとき、29≦T−T≦199の関係を満足するのが好ましく、49≦T−T≦149の関係を満足するのがより好ましい。これにより、上述した効果はより顕著なものとなる。
マスク2の具体的な厚さは、形成すべき金属被膜14の厚さ等にもよるが、30〜200μmであるのが好ましく、50〜150μmであるのがより好ましい。
マスク2はいかなる材料で構成されたものであってもよく、マスク2の構成材料としては、各種金属材料、各種セラミックス材料、各種プラスチック材料等が挙げられる。中でも、マスク2の構成材料としては、金属材料が好ましい。マスク2が金属材料で構成されたものであると、マスク2の耐久性を特に優れたものとすることができる。その結果、装飾品1の生産性を特に優れたものとすることができるとともに、多数個の装飾品1において品質のばらつきを抑制することができ、装飾品1の信頼性が向上する。また、金属材料は、一般に、適度な弾性を有しており、形状の追従性が高いものが多く、基材12(製造すべき装飾品1)が平板状のものに限らず、湾曲板状等のものであっても、好適に適用することができる。また、1種類のマスク2を異なる形状の基材12(例えば、平板状の基材12、湾曲板状の基材12)に対しても、共通して利用することができる。
特に、本実施形態では、マスク2として、磁性材料(常磁性、強磁性を有する材料)を含む材料で構成されたものを用いている。そして、基材12のマスク2に対向する面とは反対の面側には図示しない磁石が配されており、これにより、マスク2と、反射膜としての金属被膜14が形成されるべきワークとしての基材12(酸化物被膜13で被覆された基材12)とを、確実に密着させることができる。その結果、基材12上において、目的以外の部位に金属被膜14が形成されるのをより確実に防止することができ、最終的に得られる装飾品1の美的外観および電磁波の透過性を確実に優れたものとすることができる。すなわち、製造される装飾品1の信頼性を特に優れたものとすることができる。
磁石は、例えば、永久磁石であってもよいし、電磁石であってもよい。
上記のように、本実施形態において、マスク2は、磁性材料を含む材料で構成されたものであるが、マスク2は、例えば、実質的に磁性材料のみで構成されるものであってもよいし、他の成分を含むものであってもよい。
また、マスク2は、図示しない表面層を有するものであってもよい。これにより、例えば、マスク2の耐久性を特に優れたものとすることができたり、気相成膜時に、マスク2上に金属被膜14の構成材料が強固に付着するのを効果的に防止することができる。このような表面層を構成する材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ダイヤモンド様炭素(DLC)等が挙げられる。
[マスク除去工程]
次に、マスク2を除去する(1e)。これにより、基材12の酸化物被膜13、金属被膜13が被覆された側の面において、マスク2の開口部21に対応する部位は酸化物被膜13が露出した状態となり、それ以外の部位は金属被膜14で被覆された状態となる。
マスク2の除去は、酸化物被膜13、金属被膜14が設けられた基材12上から、マスク2を剥離することにより行うことができる。
[コート層形成工程]
次に、金属被膜14上に、コート層15を形成する(1f)。これにより、装飾品1が得られる。
コート層15の形成方法は、特に限定されず、例えば、スピンコート、ディッピング、刷毛塗り、噴霧塗装、静電塗装、電着塗装等の塗装、電解めっき、浸漬めっき、無電解めっき等の湿式めっき法や、熱CVD、プラズマCVD、レーザーCVD等の化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の気相成膜法、溶射等が挙げられるが、コート層15が主として前述したような樹脂材料で構成されたものである場合、塗装により形成するのが好ましい。これにより、比較的容易にコート層15を形成することができる。また、塗装によりコート層15を形成する場合、コート層形成用の材料中に着色剤等の成分を添加したり、その添加量の調節したりするのが容易である。
<第2実施形態>
次に、本発明の装飾品、装飾品の製造方法の第2実施形態について説明する。
図5は、本発明の第2実施形態の装飾品を示す模式的な断面図、図6は、本発明の第2実施形態の装飾品の製造方法を示す模式的な断面図である。
以下、第2実施形態の装飾品および製造方法について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項の説明については、その説明を省略する。
図5に示すように、本実施形態の装飾品1は、開口部16が、金属被膜14に対してのみでなく、酸化物被膜13にも設けられている。すなわち、開口部16の構成が異なる以外は、前述した第1実施形態と同様である。
本実施形態のように、開口部16が酸化物被膜13を貫通するように設けられたものであると、装飾品1全体としての電磁波の透過性をさらに優れたものとすることができる。また、開口部16が酸化物被膜13を貫通するように設けられたものであると、基材12の厚さが比較的厚い場合や、基材12が電磁波の透過性の比較的低い材料で構成されたものである場合でも、装飾品1全体としての電磁波の透過率を十分に高いものとすることができる。また、本実施形態のような構成の場合、酸化物被膜13が、電磁波の透過性が比較的低い材料で構成されたものであっても好適に適用することができる。また、本実施形態のような場合、酸化物被膜13が電磁波の反射性の高い材料で構成されたものであっても、すなわち、酸化物被膜13が反射膜の一部として機能するもの(例えば、反射膜が酸化物被膜13と金属被膜14とを有するもの)である場合であっても、好適に適用することができる。
次に、本実施形態の装飾品1の製造方法について説明する。
図6は、本発明の第2実施形態の装飾品の製造方法を示す模式的な断面図である。
図6に示すように、本実施形態の装飾品の製造方法は、基材12を準備する基材準備工程(2a)と、基材12の表面に所定のパターンで開口部21が設けられたマスク(気相成膜用マスク)2を配した状態で、気相成膜を行うことにより、酸化物被膜13を形成する酸化物被膜形成工程(2b、2c)と、基材12の表面に所定のパターンで開口部21が設けられたマスク(気相成膜用マスク)2を配した状態で、気相成膜を行うことにより、金属被膜(反射膜)14を形成する金属被膜形成工程(反射膜形成工程)(2d)と、マスク2を除去するマスク除去工程(2e)と、金属被膜14上にコート層15を形成するコート層形成工程(2f)とを有する。すなわち、酸化物被膜形成工程を、基材12の表面にマスク2を配した状態で行い、その後、引き続いて、金属被膜形成工程を行う以外は、前述した第1実施形態と同様である。
このように、基材12の表面に配したマスク2を状態で、酸化物被膜13および金属被膜14を引き続いて形成することにより、酸化物被膜13における開口部16と、金属被膜14における開口部16との位置ずれの発生を効果的に防止することができ、得られる装飾品1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
<時計>
次に、上述したような本発明の装飾品を備えた本発明の時計について説明する。
本発明の時計は、上述したような本発明の装飾品を有するものである。上述したように、本発明の装飾品は、光透過性(電磁波透過性)および装飾性(美的外観)に優れたものである。このため、このような装飾品を備えた本発明の時計は、ソーラー時計や電波時計としての求められる要件を十分に満足することができる。なお、本発明の時計を構成する前記装飾品(本発明の装飾品)以外の部品としては、公知のものを用いることができるが、以下に、本発明の時計の構成の一例について説明する。
図7は、本発明の時計(携帯時計)の好適な実施形態を示す模式的な部分断面図である。
図7に示すように、本実施形態の腕時計(携帯時計)100は、胴(ケース)72と、裏蓋73と、ベゼル(縁)74と、ガラス板(カバーガラス)75とを備えている。また、ケース72内には、前述したような本発明の装飾品としての文字板(時計用文字板)10と、太陽電池88と、ムーブメント71とが収納されており、さらに、図示しない針(指針)等が収納されている。
ガラス板75は、通常、透明性の高い透明ガラスやサファイア等で構成されている。これにより、本発明の装飾品としての文字板10の審美性を十分に発揮させることができるとともに、太陽電池88に十分な光量の光を入射させることができる。
ムーブメント71は、太陽電池88の起電力を利用して、指針を駆動する。
図7中では省略しているが、ムーブメント71内には、例えば、太陽電池88の起電力を貯蔵する電気二重層コンデンサー、リチウムイオン二次電池や、時間基準源として水晶振動子や、水晶振動子の発振周波数をもとに時計を駆動する駆動パルスを発生する半導体集積回路や、この駆動パルスを受けて輪列機構を1秒毎に指針を駆動するステップモーターや、ステップモーターの動きを指針に伝達する輪列機構等を備えている。
また、ムーブメント71は、図示しない電波受信用のアンテナを備えている。そして、受信した電波を用いて時刻調整等を行う機能を有している。
太陽電池88は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する機能を有する。そして、太陽電池88で変換された電気エネルギーは、ムーブメントの駆動等に利用される。
太陽電池88は、例えば、非単結晶シリコン薄膜にp型の不純物とn型の不純物とが選択的に導入され、さらにp型の非単結晶シリコン薄膜とn型の非単結晶シリコン薄膜との間に不純物濃度の低いi型の非単結晶シリコン薄膜を備えたpin構造を有している。
胴72には巻真パイプ76が嵌入・固定され、この巻真パイプ76内にはりゅうず77の軸部771が回転可能に挿入されている。
胴72とベゼル74とは、プラスチックパッキン78により固定され、ベゼル74とガラス板75とはプラスチックパッキン79により固定されている。
また、胴72に対し裏蓋73が嵌合(または螺合)されており、これらの接合部(シール部)85には、リング状のゴムパッキン(裏蓋パッキン)84が圧縮状態で介挿されている。この構成によりシール部85が液密に封止され、防水機能が得られる。
りゅうず77の軸部771の途中の外周には溝772が形成され、この溝772内にはリング状のゴムパッキン(りゅうずパッキン)83が嵌合されている。ゴムパッキン83は巻真パイプ76の内周面に密着し、該内周面と溝772の内面との間で圧縮される。この構成により、りゅうず77と巻真パイプ76との間が液密に封止され防水機能が得られる。なお、りゅうず77を回転操作したとき、ゴムパッキン83は軸部771と共に回転し、巻真パイプ76の内周面に密着しながら周方向に摺動する。
なお、上記の説明では、時計の一例として、腕時計(携帯時計)を挙げて説明したが、本発明は、腕時計以外の携帯時計、置時計、掛け時計等の他の種類の時計にも同様に適用することができる。
なお、上記の説明では、文字板として本発明の装飾品が適用されたものを用いるものとして説明したが、文字板以外の部品(装飾品)に本発明の装飾品が適用されてもよい。例えば、時計を構成する胴(ケース)、針等が本発明の装飾品で構成されたものであってもよい。また、時計を構成する複数の部品(装飾品)が本発明の装飾品で構成されたものであってもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、本発明の装飾品の製造方法では、必要に応じて、任意の目的の工程を追加することもできる。
また、前述した実施形態では、反射膜形成工程は、マスクとして磁性材料を含む材料で構成されたものを用い、基材のマスクに対向する面とは反対の面側に配された磁石により、マスクと、反射膜が形成されるべきワークとを密着させた状態で行うものとして説明したが、反射膜形成工程においては、磁石を用いなくてもよい。
また、前述した実施形態では、基材と酸化物被膜とが隣接し、酸化物被膜と金属被膜とが隣接するものとして説明したが、これらの間には、例えば、少なくとも1層の中間層があってもよい。
また、前述した実施形態では、装飾品が、基材と、酸化物被膜と、金属被膜とを有するものとして説明したが、本発明の装飾品は、このような構成のものに限定されず、例えば、酸化物被膜を有していないものであってもよい。
また、前述した実施形態では、反射膜が主として金属材料で構成されるものとして説明したが、反射膜は、光を反射する機能を有するものであればいかなる材料で構成されたものであってもよい。
また、前述した実施形態では、反射膜(金属被膜)が均一な厚さを有するものとして説明したが、反射膜は各部位で厚さの異なるものであってもよい。
また、前述した実施形態では、装飾品がコート層を備えるものとして説明したが、装飾品はコート層を備えていなくてもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.装飾品の製造
以下に示すような方法で、各実施例および各比較例について、100個ずつの装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
(実施例1)
まず、ポリカーボネートを用いて、圧縮成形により、腕時計用外装部品(文字板)の形状を有する基材を作製し、その後、必要箇所を切削、研磨した。得られた基材は、略円盤状をなし、直径:約27mm×厚さ:約0.5mmであった。基材を構成するポリカーボネートの絶対屈折率Iは1.58であった。
次に、この基材を洗浄した。基材の洗浄としては、まず、アルカリ浸漬脱脂を30秒間行い、その後、中和を10秒間、水洗を10秒間、純水洗浄を10秒間行った。
このようにして洗浄を行った基材の表面に、TiO(絶対屈折率I:2.51)で構成される酸化物被膜を、以下に説明するようなスパッタリングにより形成した(酸化物被膜形成工程)。
まず、洗浄済みの基材をスパッタリング装置内に取付け、その後、装置内を予熱しながら、スパッタリング装置内を3×10−3Paまで排気(減圧)した。
次に、アルゴン流量:40ml/分でアルゴンガスを導入するとともに、酸素流量:10ml/分で酸素を導入した。このような状態で、ターゲットとしてTiを用い、投入電力:1400W、処理時間:3.0分間という条件で放電を行うことにより、TiOで構成される酸化物被膜を形成した。このようにして形成された酸化物被膜の平均厚さは、0.01μmであった。
引き続き、上記のようにして形成された酸化物被膜の表面に、Agで構成される金属被膜をスパッタリングにより形成した(金属被膜形成工程(反射膜形成工程))。
金属被膜は、酸化物被膜の表面に、正方形の開口部が規則正しく配列した網目状の(正方格子状の)マスク(図2参照)を配した状態で、スパッタリングを行うことにより形成した。
マスクとしては、ステンレス鋼(SUS444)で構成されたものであり、その厚さは150μmであった。また、このマスクは、図4に示すように、その厚さ方向において断面積が一定のものであった。
また、本工程は、基材のマスクに対向する面とは反対の面側に磁石を配し、この磁石により、酸化物被膜が設けられた基材と、マスクとを密着させた状態で行った。
本工程でのスパッタリングは、以下のような条件で行った。
まず、装置内を3×10−3Paまで排気(減圧)し、その後、アルゴンガス流量:35ml/分でアルゴンガスを導入した。このような状態で、ターゲットとしてAgを用い、投入電力:1400W、処理時間:2.0分間という条件で放電を行うことにより、Agで構成される金属被膜を形成した。このとき、基材の主面の垂線方向と、スパッタ粒子の進行方向がほぼ平行となるようにした。このようにして形成された金属被膜の平均厚さは、0.20μmであった。
次に、酸化物被膜と、開口部を有する金属被膜とが設けられた基材をスパッタリング装置内から取り出し、マスクを除去した。
その後、金属被膜上に、ポリウレタンで構成されるコート層を形成した。これにより、図1、図2に示すような装飾品を得た(コート層形成工程)。コート層の形成は、スピンコート法により行った。形成されたコート層の平均厚さは、10μmであった。また、得られた装飾品において、コート層はその一部が開口部内に侵入していた。コート層を構成する材料の絶対屈折率Iは1.54であった。
なお、酸化物被膜、金属被膜、コート層およびマスクの厚さは、JIS H 5821で規定される顕微鏡断面試験方法に従い測定した。
(実施例2)
まず、ポリカーボネートを用いて、圧縮成形により、腕時計用外装部品(文字板)の形状を有する基材を作製し、その後、必要箇所を切削、研磨した。得られた基材は、略円盤状をなし、直径:約27mm×厚さ:約0.5mmであった。基材を構成するポリカーボネートの絶対屈折率Iは1.58であった。
次に、この基材を洗浄した。基材の洗浄としては、まず、アルカリ浸漬脱脂を30秒間行い、その後、中和を10秒間、水洗を10秒間、純水洗浄を10秒間行った。
このようにして洗浄を行った基材の表面に、TiO(絶対屈折率I:2.51)で構成される酸化物被膜をスパッタリングにより形成した(酸化物被膜形成工程)。
酸化物被膜は、基材の表面に、正方形の開口部が規則正しく配列した網目状の(正方格子状の)マスク(図2参照)を配した状態で、スパッタリングを行うことにより形成した。
マスクとしては、ステンレス鋼(SUS444)で構成されたものであり、その厚さは100μmであった。また、このマスクは、図6に示すように、その厚さ方向において断面積が一定のものであった。
また、本工程は、基材のマスクに対向する面とは反対の面側に磁石を配し、この磁石により、基材と、マスクとを密着させた状態で行った。
本工程でのスパッタリングは、以下のような条件で行った。
まず、磁石により、洗浄済みの基材をマスクと密着させた状態でスパッタリング装置内に取付け、その後、装置内を予熱しながら、スパッタリング装置内を3×10−3Paまで排気(減圧)した。
次に、アルゴン流量:40ml/分でアルゴンガスを導入するとともに、酸素流量:10ml/分で酸素を導入した。このような状態で、ターゲットとしてTiを用い、投入電力:1400W、処理時間:3.0分間という条件で放電を行うことにより、TiOで構成される酸化物被膜を形成した。このようにして形成された酸化物被膜の平均厚さは、0.01μmであった。
引き続き、上記のようにして形成された酸化物被膜の表面に、Agで構成される金属被膜をスパッタリングにより形成した(金属被膜形成工程(反射膜形成工程))。
まず、装置内を3×10−3Paまで排気(減圧)し、その後、アルゴンガス流量:35ml/分でアルゴンガスを導入した。このような状態で、ターゲットとしてAgを用い、投入電力:1400W、処理時間:2.0分間という条件で放電を行うことにより、Agで構成される金属被膜を形成した。このとき、基材の主面の垂線方向と、スパッタ粒子の進行方向がほぼ平行となるようにした。このようにして形成された金属被膜の平均厚さは、0.20μmであった。
次に、開口部を有する酸化物被膜と、開口部を有する金属被膜とが設けられた基材をスパッタリング装置内から取り出し、マスクを除去した。
その後、金属被膜上に、ポリウレタンで構成されるコート層を形成した。これにより、図5、図2に示すような装飾品を得た(コート層形成工程)。コート層の形成は、スピンコート法により行った。形成されたコート層の平均厚さは、10μmであった。また、得られた装飾品において、コート層はその一部が開口部内に侵入していた。コート層を構成する材料の絶対屈折率Iは1.54であった。
なお、酸化物被膜、金属被膜、コート層およびマスクの厚さは、JIS H 5821で規定される顕微鏡断面試験方法に従い測定した。
(実施例3)
マスクとして厚さが50μmのものを用いた以外は、前記実施例1と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
(実施例4〜6)
マスクとして開口部の大きさを変更したものを用いるとともに、酸化物被膜形成工程および金属被膜形成工程の処理時間を変更して、開口部の幅W、ピッチP、酸化物被膜、金属被膜の平均厚さを表1に示すようにした以外は、前記実施例3と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
(実施例7)
基材の構成材料としてアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)を用いた以外は、前記実施例3と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。なお、基材を構成するアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)の絶対屈折率Iは1.52であった。
(実施例8)
酸化物被膜を構成する際(酸化物被膜形成工程)において、ターゲットとしてCrを用い、アルゴン流量:40ml/分、酸素流量:10ml/分、投入電力:900W、処理時間:3.0分間という条件で放電を行った以外は、前記実施例3と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。形成された酸化物被膜は、Crで構成されるものであり、その平均厚さは、0.06μmであった。また、酸化物被膜を構成するCrの絶対屈折率Iは2.40であった。
(実施例9)
金属被膜を構成する際(金属被膜形成工程)において、ターゲットとしてCrを用い、アルゴンガス流量:20ml/分、投入電力:500W、処理時間:6分間という条件で放電を行った以外は、前記実施例8と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。形成された金属被膜は、Crで構成されるものであり、その平均厚さは、0.24μmであった。
(実施例10)
マスクとして、正六角形の開口部が規則正しく配列したハニカム状のマスク(図3参照)を用いた以外は、前記実施例3と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
(実施例11〜13)
マスクとして開口部の大きさを変更したものを用いるとともに、酸化物被膜形成工程および金属被膜形成工程の処理時間を変更して、開口部の幅W、ピッチP、酸化物被膜、金属被膜の平均厚さを表1に示すようにした以外は、前記実施例10と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
(実施例14)
金属被膜を構成する際(金属被膜形成工程)において、ターゲットとしてSnを用い、アルゴンガス流量:20ml/分、投入電力:1000W、処理時間:2分間という条件で放電を行った以外は、前記実施例11と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。形成された金属被膜は、Snで構成されるものであり、その平均厚さは、0.15μmであった。
(実施例15)
金属被膜を、Alで構成されるAl層と、Inで構成されるIn層との積層体として形成した以外は、前記実施例11と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
Al層、In層の形成は、いずれも、スパッタリングにより行った。
Al層は、ターゲットとしてAlを用い、アルゴンガス流量:30ml/分、投入電力:1500W、処理時間:1分間という条件で放電を行うことより形成した。
また、In層は、ターゲットとしてInを用い、アルゴンガス流量:30ml/分、投入電力:1600W、処理時間:1分間という条件で放電を行うことより形成した。
形成されたAl層、In層は、の平均厚さは、それぞれ、0.05μm、0.05μmであった。なお、Al層が酸化物被膜と接触する側の層、In層がコート層と接触する側の層である。
(実施例16)
金属被膜を、Tiで構成されるTi層と、Crで構成されるCr層との積層体として形成した以外は、前記実施例11と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
Ti層、Cr層の形成は、いずれも、スパッタリングにより行った。
Ti層は、ターゲットとしてTiを用い、アルゴンガス流量:20ml/分、投入電力:600W、処理時間:3分間という条件で放電を行うことより形成した。
また、Cr層は、ターゲットとしてCrを用い、アルゴンガス流量:30ml/分、投入電力:500W、処理時間:1.5分間という条件で放電を行うことより形成した。
形成されたTi層、Cr層は、の平均厚さは、それぞれ、0.05μm、0.05μmであった。なお、Ti層が酸化物被膜と接触する側の層、Cr層がコート層と接触する側の層である。
(実施例17)
金属被膜を、Agで構成されるAg層と、Auで構成されるAu層との積層体として形成した以外は、前記実施例11と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
Ag層、Au層の形成は、いずれも、スパッタリングにより行った。
Ag層は、ターゲットとしてAgを用い、アルゴンガス流量:35ml/分、投入電力:1700W、処理時間:1分間という条件で放電を行うことより形成した。
また、Au層は、ターゲットとしてAuを用い、アルゴンガス流量:30ml/分、投入電力:1700W、処理時間:30秒間という条件で放電を行うことより形成した。
形成されたAg層、Au層は、の平均厚さは、それぞれ、0.10μm、0.03μmであった。なお、Ag層が酸化物被膜と接触する側の層、Au層がコート層と接触する側の層である。
(比較例1)
金属被膜形成工程においてマスクを用いなかった以外は、前記実施例1と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
(比較例2)
酸化物被膜、金属被膜で被覆した基材に対してレーザー光を照射することにより、金属被膜に開口部を形成した以外は、前記比較例1と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
レーザー光の照射は、以下のようにして行った。
まず、前記比較例1と同様にして、基材と酸化物被膜と金属被膜との積層体を得た。
次に、この積層体の基材側(基材の酸化物被膜、金属被膜が被覆されている面とは反対の面側)から、レーザー光を照射した。
レーザーとしては、YVOレーザーを用いた。また、この際、レーザー光源と基材とを相対的に移動させつつ、レーザー光を間欠的に照射した。また、レーザー光の照射は、電流値:40[A]、周波数:37[kHz]、加工速度:1300[mm/s]という条件で行った。
これにより、金属被膜を貫通する網目状の(正方格子状の)開口部(図2参照)が形成されたが、それに伴い、開口部周辺の金属被膜が顕著に隆起した。すなわち、開口部形成後の金属被膜は、表面が荒れ、鏡面状態は保持されていなかった。開口部形成後の金属被膜の表面粗さRa(開口部を除く部分の金属被膜の表面粗さRa)は、0.6[μm]であった。
その後、前記実施例1と同様にして、金属被膜上に、ポリウレタンで構成されるコート層を形成し、これにより装飾品を得た。
(比較例3)
レーザー光の照射条件を変更した以外は、前記比較例2と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
(比較例4、5)
洗浄を行った基材の表面に、酸化物被膜を形成することなく、直接、金属被膜を形成した以外は、前記比較例2、3と同様にして装飾品(腕時計用外装部品(文字板))を製造した。
(比較例6)
まず、表面が平滑なステンレス鋼製の平板を用意した。
次に、この平板の表面に、平均厚さ20μmのレジスト膜を印刷形成した。
次に、露光装置を用いて、このレジスト膜を露光し、さらに、現像処理を行うことにより、レジスト膜の一部が除去され、多数個の円形のレジスト膜(直径:300μm)が残存した。
その後、スパッタリングにより、平板上に金属被膜を形成した。金属被膜の形成は、以下のようにして行った。
まず、装置内を3×10−3Paまで排気(減圧)し、その後、アルゴンガス流量:35ml/分でアルゴンガスを導入した。このような状態で、ターゲットとしてAgを用い、投入電力:1400W、処理時間:2.0分間という条件で放電を行うことにより、Agで構成される金属被膜を形成した。このようにして形成された金属被膜の平均厚さは、0.20μmであった。
次に、ステンレス鋼製の平板上から残存するレジスト膜を除去した。レジスト膜の除去は、レジスト膜、金属被膜で被覆された平板を、30〜40℃の水酸化ナトリウムの水溶液中に、5〜10分間浸漬することにより行った。これにより、円形の開口部を多数個有する金属被膜が得られた。金属被膜が有する開口部の直径は300μmであった。
一方、前記実施例1と同様にして、製造すべき腕時計用外装部品(文字板)の形状を有するポリカーボネート製の基材を用意し、この基材を、前記実施例1と同様にして洗浄した。
次に、洗浄したポリカーボネート製の基材上に、接着剤を付与するとともに、ステンレス鋼製の平板上から、開口部を有する金属被膜を剥離し、接着剤を介して基材に接合し、さらにその後、前記実施例1と同様にしてコート層を形成することにより、装飾品を得た。この際、金属被膜が破れないように、また、基材に接合する金属被膜にしわが生じないように十分に気をつけたが、平板から剥離する際に、金属被膜の一部に破れを生じたものが一部あった。また、製造した多数の装飾品に、接合時に発生した金属被膜にしわが認められた。
(比較例7)
レジスト膜に対する露光条件を変更することにより、金属被膜に形成する開口部の直径が5μmとなるようにした以外は、前記比較例6と同様にして装飾品を製造した。
各実施例および各比較例の装飾品の製造に用いたマスクおよび装飾品の構成を表1、表2にまとめて示す。なお、表中、ポリカーボネートをPCで示し、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)をABSで示した。また、表中、金属被膜の表面粗さRa(基材と対向する面とは反対側の面の表面粗さRa)等もあわせて示した。
Figure 2008020264
Figure 2008020264
2.装飾品の外観評価
前記各実施例および各比較例で製造した各装飾品について、目視および顕微鏡による観察を行い、これらの外観を以下の4段階の基準に従い、評価した。
◎:外観優良。
○:外観良。
△:外観やや不良。
×:外観不良。
3.腕時計用文字板の光透過率評価
前記各実施例および各比較例で製造した各装飾品(文字板)について、以下のような方法により、光透過率を評価した。
まず、太陽電池と各文字板とを暗室にいれた。その後、太陽電池単体でその受光面に対し、所定距離離間した蛍光灯(光源)からの光を入射させた。この際、太陽電池の発電電流をA[mA]とした。次に、前記太陽電池の受光面の上面に文字板を重ね合わせた状態で、前記と同様に所定距離離間した蛍光灯(光源)からの光を入射させた。この状態での、太陽電池の発電電流をB[mA]とした。そして、(B/A)×100で表される文字板の光透過率を算出し、以下の4段階の基準に従い、評価した。文字板の光透過率が大きいほど、文字板の光透過性は優れたものであるといえる。
◎:32%以上。
○:25%以上32%未満。
△:17%以上25%未満。
×:17%未満。
その後、前記各実施例および各比較例で製造した文字板を用いて、図7に示すような腕時計を製造した。そして、製造された各腕時計を暗室にいれた。その後、時計の文字板側の面(ガラス板側の面)から、所定距離離間した蛍光灯(光源)からの光を入射させた。この際、光の照射強度が次第に大きくなるように照射強度を一定の速度で変化させた。その結果、本発明の時計では、比較的照射強度が小さい場合でもムーブメントが駆動した。これに対し、比較例1、3、5、7の時計では、比較的照射強度が大きい場合でもムーブメントの駆動が確認されなかった。
4.電波透過性の評価
前記各実施例および各比較例で製造した各装飾品について、以下に示すような方法で電波透過性を評価した。
まず、時計ケースと、電波受信用のアンテナを備えた腕時計用内部モジュール(ムーブメント)とを用意した。
次に、時計ケース内に、腕時計用内部モジュール(ムーブメント)および、装飾品としての文字板を組み込み、この状態での電波の受信感度を測定した。
文字板を組み込まない状態での受信感度を基準とし、文字板を組み込んだ場合における受信感度の低下量(dB)を以下の4段階の基準に従い、評価した。電波の受信感度の低下が低いものほど、文字板の電波透過性は優れたものであるといえる。
◎:感度の低下が認められない(検出限界以下)。
○:感度の低下が0.7dB未満で認められる。
△:感度の低下が0.7dB以上1.0dB未満。
×:感度の低下が1.0dB以上。
5.被膜(酸化物被膜、金属被膜)の密着性評価
前記各実施例および各比較例で製造した各装飾品について、以下に示すような2種の試験を行い、被膜(酸化物被膜、金属被膜)の密着性を評価した。
5−1.折り曲げ試験
各装飾品について、直径4mmの鉄製の棒材を支点とし、装飾品の中心を基準に30°の折り曲げを行った後、装飾品の外観を目視により観察し、これらの外観を以下の4段階の基準に従い、評価した。折り曲げは、圧縮/引っ張りの両方向について行った。
◎:被膜の浮き、剥がれ等が全く認められない。
○:被膜の浮きがほとんど認められない。
△:被膜の浮きがはっきりと認められる。
×:被膜のひび割れ、剥離がはっきりと認められる。
5−2.熱サイクル試験
各装飾品を、以下のような熱サイクル試験に供した。
まず、装飾品を、20℃の環境下に1.5時間、次いで、60℃の環境下に2時間、次いで、20℃の環境下に1.5時間、次いで、−20℃の環境下に3時間静置した。その後、再び、環境温度を20℃に戻し、これを1サイクル(8時間)とし、このサイクルを合計3回繰り返した(合計24時間)。
その後、装飾品の外観を目視により観察し、これらの外観を以下の4段階の基準に従い、評価した。
◎:被膜の浮き、剥がれ等が全く認められない。
○:被膜の浮きがほとんど認められない。
△:被膜の浮きがはっきりと認められる。
×:被膜のひび割れ、剥離がはっきりと認められる。
これらの結果を表3に示す。
Figure 2008020264
表3から明らかなように、本発明の装飾品は、いずれも優れた美的外観を有するとともに、電磁波(光、電波)の透過性に優れていた。また、本発明の装飾品は、被膜(酸化物被膜、金属被膜)の密着性にも優れていた。
これに対し、比較例では、満足な結果が得られなかった。すなわち、開口部を形成しなかった比較例1の装飾品では、十分な電磁波(光)の透過性が得られなかった。また、金属被膜に開口部を形成するためのレーザー光の照射条件が比較的激しかった比較例2の装飾品では、金属被膜の表面の荒れが目立ち、美的外観に劣っていた。
また、金属被膜の表面の荒れを抑えるために、金属被膜に開口部を形成するためのレーザー光の照射条件を比較的穏やかにした比較例3の装飾品では、開口部の形成が不十分で、レーザー光の照射部位に十分な大きさの開口部が形成されず、十分な電磁波(光)の透過性が得られなかった。また、酸化物被膜を有していない比較例4、5の装飾品では、被膜(金属被膜)の密着性に劣っていた。また、開口部が設けられた金属膜を、接着剤を介して接合した比較例6、7の装飾品は、金属被膜の表面の荒れ等が顕著で、美的外観に劣っていた。
また、各実施例および各比較例で得られた文字板(装飾品)を用いて、図7に示すような時計を組み立てた。このようにして得られた各時計について、上記と同様の試験、評価を行ったところ、上記と同様の結果が得られた。
本発明の第1実施形態の装飾品を示す模式的な断面図である。 装飾品が有する開口部の形状(パターン)の一例を説明するための模式的な平面図である。 装飾品が有する開口部の形状(パターン)の他の一例を説明するための模式的な平面図である。 本発明の第1実施形態の装飾品の製造方法を示す模式的な断面図である。 本発明の第2実施形態の装飾品を示す模式的な断面図である。 本発明の第2実施形態の装飾品の製造方法を示す模式的な断面図である。 本発明の時計(携帯時計)の好適な実施形態を示す模式的な部分断面図である。
符号の説明
1…装飾品 12…基材 121…透過部 13…酸化物被膜 14…金属被膜(反射膜) 15…コート層 16…開口部 2…マスク(気相成膜用マスク) 21…開口部 10…文字板(時計用文字板) 71…ムーブメント 72…胴(ケース) 73…裏蓋 74…ベゼル(縁) 75…ガラス板(カバーガラス) 76…巻真パイプ 77…りゅうず 771…軸部 772…溝 78…プラスチックパッキン 79…プラスチックパッキン 83…ゴムパッキン(りゅうずパッキン) 84…ゴムパッキン(裏蓋パッキン) 85…接合部(シール部) 88…太陽電池 100…腕時計(携帯時計)

Claims (14)

  1. 主としてプラスチック材料で構成された基材を準備する基材準備工程と、
    前記基材上に所定のパターンで開口部が設けられたマスクを配した状態で、気相成膜を行うことにより、所定のパターンで開口部が設けられた反射膜を形成する反射膜形成工程と、
    前記マスクを除去するマスク除去工程とを有することを特徴とする装飾品の製造方法。
  2. 前記反射膜は、少なくともその外表面付近が、主として金属材料で構成されたものである請求項1に記載の装飾品の製造方法。
  3. 前記基材上に、主として金属酸化物で構成された酸化物被膜を形成する酸化物被膜形成工程と、
    前記酸化物被膜上に、主として金属材料で構成された金属被膜を形成する金属被膜形成工程とを有する請求項1または2に記載の装飾品の製造方法。
  4. 前記酸化物被膜形成工程は、前記基材上に前記マスクを配さない状態で行うものであり、
    前記金属被膜形成工程は、前記基材上に前記マスクを配した状態で行うものである請求項3に記載の装飾品の製造方法。
  5. 前記酸化物被膜形成工程および前記金属被膜形成工程は、前記基材上に前記マスクを配した状態で行うものである請求項3に記載の装飾品の製造方法。
  6. 前記金属被膜は、Ag、Cr、Au、Al、Ti、Sn、Inから選択される材料で構成されたものである請求項3ないし5のいずれかに記載の装飾品の製造方法。
  7. 前記酸化物被膜は、酸化チタン、酸化クロムから選択される少なくとも1種を含む材料で構成されたものである請求項3ないし6のいずれかに記載の装飾品の製造方法。
  8. 前記基材は、ポリカーボネート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)から選択される少なくとも1種を含む材料で構成されたものである請求項1ないし7のいずれかに記載の装飾品の製造方法。
  9. 前記反射膜形成工程は、前記マスクとして磁性材料を含む材料で構成されたものを用い、前記基材の前記マスクに対向する面とは反対の面側に配された磁石により、前記マスクと、前記反射膜が形成されるべきワークとを密着させた状態で行うものである請求項1ないし8のいずれかに記載の装飾品の製造方法。
  10. 前記気相成膜の後に、前記反射膜に対し、化学的方法、物理的方法により開口部を形成する工程を有していない請求項1ないし9のいずれかに記載の装飾品の製造方法。
  11. 請求項1ないし10のいずれかに記載の方法を用いて製造したことを特徴とする装飾品。
  12. 装飾品は、電波時計用部品である請求項11に記載の装飾品。
  13. 装飾品は、時計用文字板である請求項11または12に記載の装飾品。
  14. 請求項11ないし13のいずれかに記載の装飾品を備えたことを特徴とする時計。
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