JP2008185427A - 時計用文字板および時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】電磁波(電波、光)の透過性に優れるとともに、美的外観および耐久性に優れた時計用文字板を提供すること、また、前記時計用文字板を備えた時計を提供すること。
【解決手段】時計用文字板1’は、主としてポリカーボネートで構成され、かつ、金属粉末を含む材料で構成された基材2と、主としてケイ素酸化物で構成されたケイ素酸化物層3と、ケイ素酸化物層3の基材2に対向する面とは反対の面側に設けられ、主として亜鉛硫化物で構成された亜鉛硫化物層4と、入射した光を偏光させる機能を有する偏光体5と、着色剤を含む材料で構成された着色層6と、拡散剤を含む材料で構成された拡散層7とを有している。
【選択図】図2

Description

本発明は、時計用文字板および時計に関する。
時計用文字板には、実用品としての優れた視認性とともに、装飾品としての優れた美的外観が要求される。従来、このような目的を達成するために、一般に、時計用文字板の構成材料として、Au、Ag等の金属材料を用いてきた。
また、一方で、生産コストの低減や、時計用文字板の成形の自由度を向上させる等の目的で、基材としてプラスチックを用い、その表面に、金属材料で構成された被膜を形成する試みがある(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、プラスチックは、一般に、金属材料との密着性に劣っている。このため、基材と被膜との間での剥離が生じ易く、時計用文字板の耐久性に劣るという問題点があった。
また、例えば、電波時計やソーラー時計(太陽電池を備えた時計)では、時計用文字板に電磁波(電波、光)の透過性が求められる。このため、このような時計用文字板としては、プラスチック製のものが用いられてきたが、プラスチックは高級感に欠けるため、時計用文字板の美的外観を向上させる目的で、金属材料で構成された薄膜で被覆する試みがある。しかしながら、上記のように、プラスチックは金属材料との密着性に劣るという問題点があった。また、電磁波(電波、光)の透過性を高めるためには、薄膜の厚さを十分に薄くする必要があるが、このような場合、時計用文字板全体としての美的外観が低下するという問題点があった。
特開2003−239083号公報(第4頁左欄第37〜42行目)
本発明の目的は、電磁波(電波、光)の透過性に優れるとともに、美的外観および耐久性に優れた時計用文字板を提供すること、また、前記時計用文字板を備えた時計を提供することにある。
このような目的は下記の本発明により達成される。
本発明の時計用文字板は、主としてポリカーボネートで構成された基材と、
主としてケイ素酸化物で構成されたケイ素酸化物層と、
前記ケイ素酸化物層の前記基材に対向する面とは反対の面側に設けられ、主として亜鉛硫化物で構成された亜鉛硫化物層とを有し、
前記基材中に金属粉末を含むことを特徴とする。
これにより、電磁波(電波、光)の透過性に優れるとともに、美的外観および耐久性に優れた時計用文字板を提供することができる。
本発明の時計用文字板では、前記基材中における前記金属粉末の含有率が10〜40wt%であることが好ましい。
これにより、電磁波(電波、光)の透過率を十分に高いものとしつつ、時計用文字板の美的外観をさらに優れたものにすることができる。また、基材の強度を特に優れたものとすることができ、その結果、時計用文字板の耐久性を特に優れたものとすることができる
本発明の時計用文字板では、前記金属粉末の比表面積は、1.0×10−3〜8.0×10−1/gであることが好ましい。
これにより、時計用文字板の美的外観および耐久性を特に優れたものとすることができる。また、基材中における金属粉末の含有率が比較的低い場合であっても、美的外観および耐久性を十分に優れたものとすることができるため、時計用文字板の美的外観および耐久性を十分に保持しつつ、電磁波(電波、光)の透過率の更なる向上を図ることができる。
本発明の時計用文字板では、前記金属粉末の平均粒径は、0.1〜200μmであることが好ましい。
これにより、時計用文字板の美的外観および耐久性を特に優れたものとすることができる。また、基材中における金属粉末の含有率が比較的低い場合であっても、美的外観および耐久性を十分に優れたものとすることができるため、時計用文字板の美的外観および耐久性を十分に保持しつつ、電磁波(電波、光)の透過率の更なる向上を図ることができる。
本発明の時計用文字板では、前記ケイ素酸化物層は、主としてSiOで構成されたものであることが好ましい。
これにより、電磁波(電波、光)の透過性を十分に高いものとしつつ、時計用文字板の美的外観および耐久性をさらに優れたものにすることができる。また、金属粉末を含む基材と、ケイ素酸化物層との密着性を特に優れたものとすることができる。
本発明の時計用文字板では、前記ケイ素酸化物層の厚さが5〜200nmであることが好ましい。
これにより、電磁波(電波、光)の透過率を十分に高いものとしつつ、時計用文字板の美的外観をさらに優れたものにすることができる。また、金属粉末を含む基材と、ケイ素酸化物層との密着性を特に優れたものとすることができる。
本発明の時計用文字板では、前記亜鉛硫化物層の厚さが3〜100nmであることが好ましい。
これにより、電磁波(電波、光)の透過率を十分に高いものとしつつ、時計用文字板の美的外観をさらに優れたものにすることができる。
本発明の時計用文字板では、前記ケイ素酸化物層と前記亜鉛硫化物層との合計の厚さが10〜250nmであることが好ましい。
これにより、電磁波(電波、光)の透過率を十分に高いものとしつつ、時計用文字板の美的外観をさらに優れたものにすることができる。
本発明の時計用文字板では、入射した光を偏光させる機能を有する偏光体を、前記基材の前記亜鉛硫化物層が設けられている側の面とは反対の面側に備えていることが好ましい。
これにより、光の透過率を十分に優れたものとしつつ、時計用文字板の美的外観をさらに優れたものとすることができる。
本発明の時計用文字板では、着色剤を含む材料で構成された着色層を、前記基材と前記偏光体との間に有することが好ましい。
これにより、時計用文字板の美的外観をさらに優れたものとすることができる。
本発明の時計用文字板では、前記着色層は、粘着性、接着性を有する材料で構成されたものであることが好ましい。
これにより、偏光体の基材に対する密着性等を向上させることができ、その結果、時計用文字板の耐久性(特に、耐衝撃性)等を向上させることができ、実用品、装飾品としての時計用文字板の信頼性を特に優れたものとすることができる。
本発明の時計用文字板では、入射した光を拡散する機能を有する拡散剤を含む材料で構成された拡散層を、前記基材と前記偏光体との間に有することが好ましい。
これにより、時計用文字板を、高級感にあふれる光沢感があり、特に優れた美的外観を有するものとすることができる。
本発明の時計用文字板では、前記拡散層は、粘着性、接着性を有する材料で構成されたものであることが好ましい。
これにより、偏光体の基材に対する密着性等を向上させることができ、その結果、時計用文字板の耐久性(特に、耐衝撃性)等を向上させることができ、実用品、装飾品としての時計用文字板の信頼性を特に優れたものとすることができる。
本発明の時計用文字板では、前記亜鉛硫化物層が設けられている側の面の色調は、JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図において、aが−10〜10であり、かつ、bが−10〜10であることが好ましい。
これにより、時計用文字板の美的外観は、特に優れたものとなる。
本発明の時計は、本発明の時計用文字板を備えたことを特徴とする。
これにより、美的外観および耐久性に優れた時計を提供することができる。また、外部からの電磁波(電波、光)を有効に利用することが可能な時計(例えば、電波時計、ソーラー時計、ソーラー電波時計等)を提供することができる。
本発明によれば、電磁波(電波、光)の透過性に優れるとともに、美的外観および耐久性に優れた時計用文字板を提供すること、また、前記時計用文字板を備えた時計を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。なお、本明細書で参照する図面は、構成の一部を誇張して示したものであり、実際の寸法等を正確に反映したものではない。
まず、本発明の時計用文字板の好適な実施形態について説明する。
<時計用文字板(第1実施形態)>
図1は、本発明の時計用文字板の第1実施形態を示す断面図である。以下の説明では、図1中、上側を「(外光の)入射側」、図1中の下側を「(外光の)出射側」として説明する(後述する図2についても同様)。また、以下の説明では、図1中の上側が、観察者側であるものとして説明する(後述する、図2についても同様)。
図1に示すように、本実施形態の時計用文字板1は、主としてポリカーボネートで構成され、かつ、金属粉末を含む材料で構成された基材2と、主としてケイ素酸化物で構成されたケイ素酸化物層3と、ケイ素酸化物層3の基材2に対向する面とは反対の面側に設けられた亜鉛硫化物で構成された亜鉛硫化物層4とを有している。本発明では、「主として」とは、対象としている部位を構成する材料のうち最も含有量の多い成分を指し、その含有量は特に限定されないが、対象としている部位を構成する材料の50wt%以上であることが好ましく、55wt%以上であることがより好ましく、60wt%以上であることがさらに好ましい。
このような時計用文字板1は、特に限定されないが、通常、基材2のケイ素酸化物層3、および亜鉛硫化物層4で被覆された面側が外表面側、すなわち、観察者側となるようにして用いられるものである。以下の説明では、特に断りのない限り、時計用文字板1は、基材2のケイ素酸化物層3、および亜鉛硫化物層4で被覆された面側(図中上側)が外表面側を向くようにして用いられるものとして説明する。
[基材]
基材2は、主としてポリカーボネート(PC)で構成されたものである。本発明では、基材2に必要とされる要件の一つとして、電磁波(電波、光)の透過性が挙げられる。ポリカーボネートは、各種プラスチック材料の中でも、特に透明性が高く、かつ優れた電磁波の透過性を有しているため、基材2の電磁波の透過性を特に優れたものにすることができる。さらに、主としてポリカーボネートで構成された基材2と後述するケイ素酸化物層3との屈折率の違いにより、基材2とケイ素酸化物層3との界面、および基材2のケイ素酸化物層3で被覆された面側とは反対の表面(図中下側)において入射光を好適に反射、屈折させる。これにより、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。また、ポリカーボネートは光や熱等の外部ストレスによって、変形しにくい特性を持っている。このため、基材2と後述するケイ素酸化物層3との密着性を優れたものとすることができ、その結果、時計用文字板1の耐久性を優れたものとすることができる。また、基材2が主としてポリカーボネートで構成されたものであると、時計用文字板1全体としての強度を優れたものとすることができる。また、時計用文字板1の製造時においては、基材2の成形の自由度が増す(成形のし易さが向上する)ため、より複雑な形状の時計用文字板1であっても、容易かつ確実に製造することができる。また、ポリカーボネートは、各種プラスチック材料の中でも比較的安価で、時計用文字板1の生産コストの低減に寄与することができる。
また、基材2は、金属粉末を含むものである。これにより、基材2に入射した光を乱反射させることができ、時計用文字板1の美的外観、特に、光沢感、高級感を優れたものとすることができる。より詳しく説明すると、後に詳述する亜鉛硫化物層4と、ケイ素酸化物層3と、主としてポリカーボネートで構成された基材2とが積層されることによる効果と、基材2が金属粉末を含むことによる効果とが相乗的に作用し合い、時計用文字板1の美的外観を非常に優れたものとすることができる。また、基材2の強度や、基材2とケイ素酸化物層3との密着性を特に優れたものとすることができ、その結果、時計用文字板1の耐久性を特に優れたものとすることができる。これに対し、基材として、金属粉末を含まないものを用いると、時計用文字板の美的外観を十分に優れたものとすることが困難となり、時計用文字板の耐久性も低いものとなる。
基材2中に含まれる金属粉末は、主として金属材料(合金を含む)で構成されたものであればよく、金属粉末を構成する金属材料としては、例えば、Fe、Cu、Zn、Ni、Mg、Cr、Mn、Mo、Nb、Al、V、Zr、Sn、Au、Pd、Pt、Hf、Ag、Co、In、W、Ti、Rhや、これらのうち少なくとも1種を含む合金が挙げられる。上記のような材料の中でも特に、Ag、Pt、Cr、Au、Al、Ti、Sn、Inから選択される少なくとも1種を含む材料(合金を含む)で構成されたものであるのが好ましい。これにより、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
金属粉末は、各部位でその組成が実質的に均一な組成を有するものであってもよいし、部位によって組成の異なるものであってもよい。例えば、金属粉末は、金属材料で構成されたコア部(核、芯部)と、コア部の表面に設けられ、金属酸化物で構成されたシェル部(殻部)とを有するものであってもよい。これにより、例えば、金属粉末とポリカーボネートとの密着性を特に優れたものとし、基材2の強度を特に優れたものとすることができる。また、基材2とケイ素酸化物層3との密着性を特に優れたものとすることができる。その結果、時計用文字板1全体としての耐久性を特に優れたものとすることができる。また、金属粉末が金属酸化物で構成されたシェル部を有するものであると、金属粉末のポリカーボネートに対する分散性を特に優れたものとすることができ、時計用文字板1の美的外観をより安定的に優れたものとすることができる。金属粉末が、シェル部を有するものである場合、シェル部の厚さは、特に限定されないが、0.005〜1.0μmであるのが好ましく、0.007〜0.5μmであるのがより好ましい。これにより、時計用文字板1の美的外観に悪影響を及ぼすのをより確実に防止しつつ、時計用文字板1の耐久性を特に優れたものとすることができる。
基材2中に含まれる金属粉末の比表面積(金属粉末1g当たりの総表面積)は、1.0×10−3〜8.0×10−1/gであるのが好ましく、6.0×10−3〜5.0×10−1/gであるのがより好ましい。金属粉末の比表面積が前記範囲内の値であると、上記のような効果がより顕著に発揮される。また、金属粉末の比表面積が前記範囲内の値であると、基材2中における金属粉末の含有率が比較的低い場合であっても、金属粉末を含むことによる効果が十分に発揮されるため、後に詳述する亜鉛硫化物層4と、ケイ素酸化物層3と、主としてポリカーボネートで構成された基材2とが積層されることによる効果をより顕著に発揮させることができる。
また、基材2中に含まれる金属粉末の平均粒径は、0.1〜200μmであるのが好ましく、5〜160μmであるのがより好ましい。金属粉末の平均粒径が前記範囲内の値であると、上記のような効果がより顕著に発揮される。また、金属粉末の平均粒径が前記範囲内の値であると、基材2中における金属粉末の含有率が比較的低い場合であっても、金属粉末を含むことによる効果が十分に発揮されるため、後に詳述するケイ素酸化物層3と、主としてポリカーボネートで構成された基材2とが積層されることによる効果をより顕著に発揮させることができる。
また、基材2中における金属粉末の含有率は、特に限定されないが、10〜40wt%であるのが好ましく、15〜35wt%であるのがより好ましい。金属粉末の含有率が前記範囲内の値であると、電磁波(電波、光)の透過率を十分に高いものとしつつ、時計用文字板1の美的外観をさらに優れたものにすることができる。また、基材2の強度や、基材2とケイ素酸化物層3との密着性を特に優れたものとすることができ、その結果、時計用文字板1の耐久性を特に優れたものとすることができる。
また、基材2中に含まれる金属粉末は、粒状、板状、鱗片状、瓦状、針状、棒状等、いかなる形状を有するものであってもよい。また、金属粉末は、不定形のものであってもよい。
なお、基材2は、上記以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、可塑剤、酸化防止剤、着色剤(各種発色剤、蛍光物質、りん光物質等を含む)、光沢剤等が挙げられる。例えば、基材2が着色剤を含む材料で構成されたものであると、時計用文字板1の色のバリエーションを広げることができる。
基材2の屈折率は、特に限定されないが、1.55〜1.60であるのが好ましく、1.58〜1.59であるのがより好ましい。これにより、基材2とケイ素酸化物層3との界面、および基材2のケイ素酸化物層3で被覆された面側とは反対の表面において、光をより好適に反射、屈折させることができる。結果として、時計用文字板1の美的外観をさらに優れたものとすることができる。
基材2の厚さは、特に限定されないが、150〜700μmであるのが好ましく、200〜600μmであるのがより好ましく、300〜500μmであるのがさらに好ましい。基材2の厚さが前記範囲内の値であると、時計用文字板1が適用される時計が、厚型化するのを効果的に防止しつつ、時計用文字板1の機械的強度、形状の安定性等を十分に優れたものとすることができる。また、一般的に基材2の厚さが増すほど、時計用文字板1としての電磁波の透過性、美的外観は劣っていく。しかし、ポリカーボネートは屈折率が低いため、基材2の厚さが前記範囲内であれば、基材2の厚さによる電磁波の透過性、美的外観の違いが生じることはなく、時計用文字板1の美的外観を十分に優れたものとしつつ、電磁波の透過性を特に優れたものとすることができる。
また、基材2は、いかなる方法で成形されたものであってもよいが、基材2の成形方法としては、例えば、圧縮成形、押出成形、射出成形等が挙げられる。
[ケイ素酸化物層]
基材2の表面には、主としてケイ素酸化物で構成されたケイ素酸化物層3が設けられている。
ケイ素酸化物は、各種金属酸化物の中でも、優れた電磁波の透過性を有しているため、ケイ素酸化物層3を用いた時計用文字板1の電磁波の透過性を特に優れたものとすることができる。また、ケイ素酸化物層3の屈折率は、基材2よりも低く、ケイ素酸化物層3と基材2との屈折率の違いにより、ケイ素酸化物層3と基材2との界面において入射光を好適に反射、屈折させる。同様に、ケイ素酸化物層3の屈折率は亜鉛硫化物層4よりも低く、ケイ素酸化物層3と亜鉛硫化物層4との界面において入射光を好適に反射、屈折させる。これにより、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。また、ケイ素酸化物は、ポリカーボネート、および亜鉛硫化物との親和性が高く、また、光や熱等の外部ストレスによって、変形しにくい特性を持つため、ケイ素酸化物層3はポリカーボネートおよび金属粉末で構成された基材2と亜鉛硫化物層4との密着性に優れている。結果として、時計用文字板1の耐久性を優れたものとすることができる。また、ケイ素酸化物は、ポリカーボネート、および、金属粉末を構成する金属材料との親和性に優れているが、その一方で、後述する亜鉛硫化物は、ポリカーボネートとの親和性が低い。そのため、時計用文字板1では、基材2と後述する亜鉛硫化物層4との間にケイ素酸化物層3を備えた構成を有することによって、基材表面に亜鉛硫化物層が被覆された時計用文字板に比べ、優れた耐久性を有する。さらに、ケイ素酸化物層3が比較的厚い場合であっても、ケイ素酸化物層3でのクラック、および基材2とケイ素酸化物層3との界面での剥離不良が生じにくいため、ケイ素酸化物層3を比較的厚いものとした場合でも、電磁波の透過性に優れながらも、時計用文字板1の美的外観を優れたものとすることができる。
ケイ素酸化物層3の屈折率は、特に限定されないが、1.20〜1.60であるのが好ましく、1.40〜1.50であるのがより好ましい。これにより、ケイ素酸化物層3の基材2と亜鉛硫化物層4との界面において、光をより好適に反射、屈折させることができ、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
また、ケイ素酸化物層3の屈折率をn、基材2の屈折率をnとしたとき、ケイ素酸化物層3と基材2との屈折率の差であるn−nの値は、0.05〜0.30であるのが好ましく、0.07〜0.20であるのがより好ましい。これにより、ケイ素酸化物層3と基材2との界面において入射光を好適に反射、屈折させ、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
ケイ素酸化物層3を構成するケイ素酸化物としては、例えば、SiO、SiO等が挙げられるが、ケイ素酸化物層3は、主としてSiOで構成されていることが好ましい。これにより、電磁波の透過性をより優れたものとしつつ、ケイ素酸化物層3と基材2との界面、ケイ素酸化物層3と亜鉛硫化物層4との界面において、光をより好適に反射、屈折させることができ、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
ケイ素酸化物層3の厚さは特に限定されないが5〜200nmであるのが好ましく、10〜150nmであるのがより好ましく、20〜100nmであるのがさらに好ましい。ケイ素酸化物層3の厚さが前記範囲内の値であると、電磁波(電波、光)の透過率を十分に高いものとしつつ、時計用文字板1の美的外観をさらに優れたものにすることができる。ケイ素酸化物層3の厚さが前記下限値未満であると、亜鉛硫化物層4の厚さによっては、十分に光を反射、屈折させることが困難となり、優れた美的外観を得ることが難しくなる可能性がある。一方、ケイ素酸化物層3の厚さが前記上限値を超えると、時計用文字板1の電磁波の透過性が十分に得られない可能性がある。さらに、ケイ素酸化物層3の厚さが前記上限値を超えると、ケイ素酸化物層3と基材2との収縮率の違いにより、時計用文字板1に外部ストレス(熱、光)が加わることによるケイ素酸化物層3でのクラックや、ケイ素酸化物層3と亜鉛硫化物層4との界面で剥離不良が発生する等の外観不良が生じる可能性がある。
[亜鉛硫化物層]
ケイ素酸化物層3の基材2に対向する面とは反対の面側には、主として亜鉛硫化物で構成された亜鉛硫化物層4が設けられている。このように、時計用文字板1が、基材2上に、ケイ素酸化物層3、および、亜鉛硫化物層4が、この順に被覆された構造を有することにより、電磁波の透過性を十分に優れたものとしつつ、時計用文字板の美的外観を優れたものとすることができる。
亜鉛硫化物層4を構成する亜鉛硫化物は、ZnとSとの化合物である。この亜鉛硫化物は、一般に、無色透明な材料であり、優れた電磁波の透過性を有しているため、亜鉛硫化物層4を用いた時計用文字板1の電磁波の透過性を特に優れたものとすることができる。また、亜鉛硫化物層4の屈折率はケイ素酸化物層3よりも高く、亜鉛硫化物層4とケイ素酸化物層3との屈折率の違いにより、亜鉛硫化物層4とケイ素酸化物層3との界面において入射光を好適に反射、屈折させる。これにより、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。また、亜鉛硫化物は、ケイ素酸化物との親和性が高く、また、光や熱等の外部ストレスによって、変形しにくい特性を持つため、亜鉛硫化物層4はケイ素酸化物層3との密着性に優れている。結果として、時計用文字板1の耐久性を優れたものとすることができる。
亜鉛硫化物層4の屈折率は、特に限定されないが、2.20〜2.60であるのが好ましく、2.30〜2.35であるのがより好ましい。これにより、亜鉛硫化物層4とケイ素酸化物層3との界面において、光をより好適に反射、屈折させることができ、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
また、亜鉛硫化物層4の屈折率をnとしたとき、亜鉛硫化物層4とケイ素酸化物層3との屈折率の差であるn−nの値は、0.60〜1.40であるのが好ましく、0.80〜1.20であるのがより好ましい。これにより、亜鉛硫化物層4とケイ素酸化物層3との界面において入射光を好適に反射、屈折させ、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
また、基材2とケイ素酸化物層3との屈折率の差であるn−nの値、亜鉛硫化物層4とケイ素酸化物層3との屈折率の差であるn−nの値、ともに前記の条件を満たし、かつ、亜鉛硫化物層4と基材2との屈折率の差であるn−nの値は、0.5〜1.4であるのが好ましく、0.7〜1.2であるのがより好ましい。これにより、基材2、ケイ素酸化物層3、および亜鉛硫化物層4の各々隣接する層の界面において入射光を好適に反射、屈折させ、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
亜鉛硫化物層4の厚さは、特に限定されないが、3〜100nmであるのが好ましく、5〜80nmであるのがより好ましく、10〜50nmであるのがさらに好ましい。亜鉛硫化物層4の厚さが前記範囲内の値であると、電磁波(電波、光)の透過率を十分に高いものとしつつ、時計用文字板1の美的外観をさらに優れたものにすることができる。これに対し、亜鉛硫化物層4の厚さが前記下限値未満であると、ケイ素酸化物層3の厚さによっては、十分に光を反射、屈折させることが困難となり、優れた美的外観を得ることが難しくなる可能性がある。一方、亜鉛硫化物層4の厚さが前記上限値を超えると、時計用文字板1の電磁波の透過性が十分に得られない可能性がある。さらに、亜鉛硫化物層4の厚さが前記上限値を超えると、時計用文字板1に外部ストレス(熱、光)が加わることによる亜鉛硫化物層4でのクラックや、亜鉛硫化物層4とケイ素酸化物層3との界面で剥離不良が発生する等の外観不良が生じる可能性がある。
ケイ素酸化物層3、および亜鉛硫化物層4の形成方法は、特に限定されず、例えば、スピンコート、ディッピング、刷毛塗り、噴霧塗装、静電塗装、電着塗装等の塗装、電解めっき、浸漬めっき、無電解めっき等の湿式めっき法や、熱CVD、プラズマCVD、レーザーCVD等の化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の乾式めっき法(気相成膜法)、溶射等が挙げられるが、乾式めっき法(気相成膜法)が好ましい。ケイ素酸化物層3、および亜鉛硫化物層4の形成方法として乾式めっき法(気相成膜法)を適用することにより、均一な膜厚を有し、均質で、かつ、基材2、ケイ素酸化物層3および亜鉛硫化物層4のお互いに隣接する層同士の密着性が特に優れた時計用文字板1を確実に形成することができる。その結果、最終的に得られる時計用文字板1の美的外観、耐久性を特に優れたものとすることができる。また、ケイ素酸化物層3、および亜鉛硫化物層4の形成方法として乾式めっき法(気相成膜法)を適用することにより、形成すべきケイ素酸化物層3、および亜鉛硫化物層4が比較的薄いものであっても、膜厚(層の厚さ)のばらつきを十分に小さいものとすることができる。このため、例えば、得られる時計用文字板1の耐久性を十分に高いものとしつつ、時計用文字板1の電磁波の透過性を向上させることができる。したがって、得られる時計用文字板1を電波時計、ソーラー時計等に、より好適に適用することができる。また、上記のような乾式めっき法(気相成膜法)の中でも、真空蒸着を適用することにより、上記のような効果はより顕著なものとなる。
ケイ素酸化物層3と亜鉛硫化物層4との合計の厚さは、特に限定されないが、10〜250nmであるのが好ましく、20〜220nmであるのがより好ましく、30〜200nmであるのがさらに好ましい。ケイ素酸化物層3と亜鉛硫化物層4との合計の厚さが前記範囲内の値であると、電磁波(電波、光)の透過率を十分に高いものとしつつ、時計用文字板1の美的外観をさらに優れたものにすることができる。
上記のような時計用文字板1は、ケイ素酸化物層3、および亜鉛硫化物層4が設けられている側の面の色調は、JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図において、aが−10〜10であり、かつ、bが−10〜10であるのが好ましく、aが−5〜5であり、かつ、bが−5〜5であるのがより好ましい。これにより、時計用文字板1の美的外観は、特に優れたものとなる。
また、時計用文字板1は、ケイ素酸化物層3、および亜鉛硫化物層4が設けられている側の面の色調は、JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図において、Lが50〜85であるのが好ましく、Lが70〜85であるのがより好ましい。これにより、時計用文字板1の美的外観は、白色度が高く、より高級感に優れたものとなる。
また、時計用文字板1の厚さは、特に限定されないが、150〜700μmであるのが好ましく、200〜600μmであるのがより好ましく、300〜500μmであるのがさらに好ましい。時計用文字板1の厚さが前記範囲内の値であると、時計用文字板1が適用される時計が、厚型化するのを効果的に防止しつつ、時計用文字板1の機械的強度、形状の安定性等を十分に優れたものとすることができる。
また、上述したように、時計用文字板1は、基材2上に、ケイ素酸化物層3と亜鉛硫化物層4とを有しているため、時計用文字板1全体についての、可視光領域(380〜780nmの波長領域)における各波長での反射率のばらつきを十分に小さなものとすることができる。このように、可視光領域における各波長での反射率のばらつきが十分に小さいものであると、白色度が高く、高級感にあふれる優れた美的外観が得られる。言い換えると、可視光領域(380〜780nmの波長領域)において、反射率が最大となる波長での反射率A[%]と、反射率が最小となる波長での反射率B[%]との差A−Bが十分に小さいと、上記のような効果が得られる。このように、A−Bの値は、十分に小さいものであるのが好ましいが、より具体的には、25%未満であるのが好ましく、20%未満であるのがより好ましく、10%未満であるのがさらに好ましい。これにより、上記のような効果はさらに顕著なものとして発揮される。
上述したように、時計用文字板1は、美的外観に優れるとともに、電磁波の透過性にも優れている。このため、時計用文字板1は、電波時計やソーラー時計(太陽電池を内蔵する時計)、ソーラー電波時計等に好適に適用することができる。
また、時計用文字板1は、耐久性にも優れているため、携帯時計(例えば、腕時計)に好適に適用することができる。
<時計用文字板(第2実施形態)>
次に、本発明の時計用文字板の第2実施形態について説明する。以下の説明では、前述した実施形態(第1の実施形態)との違いを中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
図2は、本発明の時計用文字板の第2実施形態を示す断面図である。
図2に示すように、本実施形態の時計用文字板1’は、主としてポリカーボネートで構成され、かつ、金属粉末を含む材料で構成された基材2と、主としてケイ素酸化物で構成されたケイ素酸化物層3と、ケイ素酸化物層3の基材2に対向する面とは反対の面側に設けられた亜鉛硫化物で構成された亜鉛硫化物層4を有し、基材2のケイ素酸化物層3と対向する面とは反対の面側に設けられた偏光体5と、基材2と偏光体5との間に配された着色層(着色体)6および拡散層(拡散体)7とを有している。すなわち、本実施形態の時計用文字板1’は、基材2のケイ素酸化物層3、および亜鉛硫化物層4が形成された面とは反対側の表面に、着色層6と拡散層7と偏光体5とがこの順に積層されている以外は、前記第1実施形態で説明した時計用文字板1と同様である。以下、偏光体5、着色層6、拡散層7について説明する。
[偏光体]
偏光体5は、入射した光を偏光させる機能を有するものである。
このような偏光体5を有することにより、時計用文字板1’全体としての光透過性を十分に高いものとしつつ、時計用文字板1’を外部から(時計用文字板1’のケイ素酸化物層3、および亜鉛硫化物層4が設けられた面側(図中上側)から)見た際に、時計用文字板1’を介して、時計用文字板1’の内側(時計用文字板1’のケイ素酸化物層3、および亜鉛硫化物層4が設けられた面側(図中下側))の様子が透けて見えてしまうのをより効果的に防止することができ、時計用文字板1’の装飾性(美的外観)を特に優れたものとすることができる。
偏光体5は、入射した光を偏光させる機能を有するものであれば、いかなるものであってもよいが、所定方向に振動する第1の光を透過し、かつ、振動方向が前記第1の光の振動方向に対して垂直な第2の光を反射する機能を有する、反射型偏光体であるのが好ましい。これにより、時計用文字板1の光透過性を十分に高いものとしつつ、時計用文字板1’を外部から(時計用文字板1’のケイ素酸化物層3、および亜鉛硫化物層4が設けられた面側(図中上側)から)見た際に、時計用文字板1’を介して、時計用文字板1’の内側(時計用文字板1’のケイ素酸化物層3、および亜鉛硫化物層4が設けられた面側(図中下側))の様子が透けて見えてしまうのをさらに効果的に防止することができ、時計用文字板1’の装飾性(美的外観)を特に優れたものとすることができる。
偏光体(反射型偏光体)5は、いかなる材料で構成されたものであってもよいが、例えば、主としてポリエステル系樹脂で構成されたものとすることができる。これにより、上述したような効果をさらに顕著なものとして発揮させることができる。
また、偏光体(反射型偏光体)5は、複数の層が積層されてなるフィルム(積層体)であるのが好ましい。これにより、上述したような効果をさらに顕著なものとして発揮させることができる。
図3に、複数の層が積層されてなる偏光体の好適な実施形態を示す。
図3に示すように、積層体としての偏光体5は、異なる2種の層、すなわち、偏光性フィルム層(A層)51と、偏光性フィルム層(B層)52とが交互に複数層積層された構造を有している。この偏光体5においては、A層51のX軸方向の屈折率(nAX)とB層52のX軸方向の屈折率(nBX)とは異なるが、A層51のY軸方向の屈折率(nAY)とB層52のY軸方向の屈折率(nBY)とは実質的に等しい。この偏光体5に入射する光のうちY軸方向の直線偏光の光は、A層51とB層52とで屈折率が実質的に等しいので、偏光体5を透過する。一方、この偏光体5のA層51におけるZ軸方向における平均厚さをt、B層52における平均厚さをtとしたとき、下記式(I)を満足することにより、波長λの光であって偏光体5に入射した光のうちX軸方向の直線偏光の光は、偏光体5によって好適に反射されることとなる。
・nAX+t・nBX=λ/2・・・(I)
そして、A層51におけるZ軸方向の平均厚さおよびB層52におけるZ軸方向の平均厚さを種々変化させているので、この偏光体5は、可視波長領域の広範囲にわたって偏光体5に入射した光のうちX軸方向の直線偏光の光を反射する。
上記のような偏光体5により、時計用文字板1’への入射光の一部を透過しつつ、また入射光の一部を反射させて、時計用文字板1’’を外部から(時計用文字板1’のケイ素酸化物層3、および亜鉛硫化物層4が設けられた面側(図中上側)から)見た際に、時計用文字板1’を介して、時計用文字板1’の内側(時計用文字板1’のケイ素酸化物層3、および亜鉛硫化物層4が設けられた面側(図中下側))の様子が透けて見えてしまうのをより効果的に防止することができる。
偏光体5が上記のような積層体で構成されるものである場合、各層(A層51、B層52)は、いかなる材料で構成されたものであってもよいが、偏光体5のA層51は、ポリエチレンナフタレートで構成されたもの(特に、ポリエチレンナフタレートで構成されたフィルムを延伸したもの)であるのが好ましく、B層52は、ナフタレンジカルボン酸とテレフタル酸とのコポリエステルで構成されたものであるのが好ましい。これにより、時計用文字板1’の光透過性を十分に高いものとしつつ、時計用文字板1’を外部から(時計用文字板1’のケイ素酸化物層3、および亜鉛硫化物層4が設けられた面側(図中上側)から)見た際に、時計用文字板1’を介して、時計用文字板1’の内側(時計用文字板1’のケイ素酸化物層3、および亜鉛硫化物層4が設けられた面側(図中下側))の様子が透けて見えてしまうのをさらに効果的に防止することができ、時計用文字板1’の装飾性(美的外観)を特に優れたものとすることができる。なお、偏光体5を構成する材料は、上記のようなものに限定されず、偏光性フィルム(偏光板)を形成するのに適するものとして知られている材料を適宜選択して使用することができる。
また、偏光体5が上記のような積層体で構成されるものである場合、積層する層の数は、限定はないが、2〜20が好ましく、6〜12がより好ましく、8〜10がさらに好ましい。これにより、上述した効果はさらに顕著なものとなる。
偏光体5の厚さは、特に限定されないが、20〜300μmであるのが好ましく、100〜200μmであるのがより好ましい。偏光体5の厚さが前記範囲内の値であると、上述したような効果をより顕著なものとして発揮させることができる。
[着色層]
着色層6は、着色剤を含む材料で構成されている。これにより、基材2側から入射した光(外光)を、前述した偏光体5側に出射しつつ、入射した光の一部は、着色剤により色のついた光となって、基材2側に反射される。また、偏光体5側から入射した光についても、着色剤により色のついた光となって、基材2側に出射することができる。その結果、基材2側から入射した光(外光)を、偏光体5側(後述する腕時計100において太陽電池94が配される側)に出射しつつ、時計用文字板1’を外部から(時計用文字板1’のケイ素酸化物層3、および亜鉛硫化物層4が設けられた面側(図中上側)から)見た際に、時計用文字板1’に色彩を持たせることができるとともに、時計用文字板1’を介して、時計用文字板1’の内側(時計用文字板1’の偏光体5が設けられた面側(図中下側))の様子が透けて見えてしまうのをさらに効果的に防止することができる。結果として時計用文字板1’の装飾性(美的外観)を特に優れたものとすることができる。特に、ケイ素酸化物層3、亜鉛硫化物層4および着色層6を兼ね備えた時計用文字板1’では、ケイ素酸化物層3と亜鉛硫化物層4とが持つ光沢に、着色層6により発色される色彩が加わり、電磁波の透過性を十分に高いものとしつつ、優れた装飾性(美的外観)を有する電波時計やソーラー時計(太陽電池を備えた時計)用の時計用文字板として有効である。また、着色層6を備えた時計用文字板1’では、ケイ素酸化物層3や亜鉛硫化物層4、金属粉末のみでは表現することのできなかった色彩を表現することができる。また、着色層の構成材料を変更することにより、時計用文字板の色彩を調整することができるため、少量他品目の生産に有効である。
また、着色剤として、例えば、顔料、染料等が挙げられる。
また、着色層6は、粘着性、接着性を有する材料で構成されたものであるのが好ましい。これにより、基材2と偏光体5との密着性を向上させることができ、その結果、時計用文字板1’の耐久性(耐衝撃性等)を向上させることができ、実用品、装飾品としての時計用文字板1’の信頼性を特に優れたものとすることができる。
上記のような粘着性、接着性を有する材料(粘着・接着材料)としては、例えば、粘着剤、接着剤等に用いられる材料を用いることができるが、粘着・接着材料としては、例えば、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂が挙げられ、特にウレタン系樹脂を用いることが好ましい。これにより、時計用文字板1’全体としての光の透過性、美的外観等を十分に保持しつつ、基材2と偏光体5との密着性を特に優れたものとすることができる。
着色層6が上記のような粘着・接着材料を含むものである場合、着色層6は、主として粘着・接着材料で構成されたものであるのが好ましい。これにより、基材2と偏光体5との密着性を特に優れたものとすることができる。
着色層6の厚さは、特に限定されないが、1〜25μmであるのが好ましく、5〜15μmであるのがより好ましい。着色層6の厚さが前記範囲内の値であると、着色層6と基材2との界面、および着色層6と偏光体5との界面において、より好適に、光を屈折、反射させることができ、時計用文字板1’の装飾性(美的外観)をとくに優れたものにすることができる。
基材2に着色剤を含ませたものを用いることにより、着色層を導入した時計用文字板1’と同様の色彩を持たせることもできるが、この方法を用いると、基材に含まれる着色剤の影響で、基材とケイ素酸化物層との密着性が悪化する可能性がある。また、基材2に要求される電磁波の透過性を十分に得られなくなる可能性がある。また、入射光による基材2と隣接する層との界面で生じる屈折、および反射により発生する時計用文字板1’の美的外観が損なわれる可能性がある。したがって、本実施形態では着色層を導入することにより、時計用文字板1’の美的外観を容易かつ、確実に優れたものとすることができる。
[拡散層]
拡散層7は、入射した光を拡散する機能を有する拡散剤を含む材料で構成されている。これにより、基材2側から入射した光(外光)を、前述した偏光体5側に出射しつつ、入射した光の一部を基材2側にも散乱させることができる。また、偏光体5側から入射した光についても、基材2側に散乱させつつ、出射することができる。その結果、基材2側から入射した光(外光)を、偏光体5側(後述する腕時計100において太陽電池94が配される側)に出射しつつ、時計用文字板1’を外部から(時計用文字板1’のケイ素酸化物層3、および亜鉛硫化物層4が設けられた面側(図中上側)から)見た際に、時計用文字板1’を介して、時計用文字板1’の内側(時計用文字板1’の偏光体5が設けられた面側(図中下側))の様子が透けて見えてしまうのをさらに効果的に防止することができる。特に、時計用文字板1’では、拡散層7において光が基材2側に出射(散乱)されるため、時計用文字板1’としての外観は、白色度(光沢度)のより高いものとなり、特に優れた高級感を有するものとなる。
拡散層7を構成する拡散剤としては、光を拡散する機能を有するものであればいかなるものを用いてもよい。
また、拡散剤は、例えば、粒状(粉末状)、鱗片状、針状等、いかなる形状のものであってもよく、また、不定形のものであってもよい。また、拡散層7は、実質的に、拡散剤のみで構成されるものであってもよい。
また、拡散剤の構成材料として、例えば、シリカ、ガラス、樹脂等が挙げられる。
また、拡散層7は、粘着性、接着性を有する材料で構成されたものであるのが好ましい。これにより、基材2と偏光体5との密着性を向上させることができ、その結果、時計用文字板1’の耐久性(耐衝撃性等)を向上させることができ、実用品、装飾品としての時計用文字板1’の信頼性を特に優れたものとすることができる。
上記のような粘着性、接着性を有する材料(粘着・接着材料)としては、例えば、粘着剤、接着剤等に用いられる材料を用いることができるが、粘着・接着材料としては、例えば、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂が挙げられ、特にウレタン系樹脂を用いることが好ましい。これにより、時計用文字板1’全体としての光の透過性、美的外観等を十分に保持しつつ、基材2と偏光体5との密着性を特に優れたものとすることができる。
拡散層7が上記のような粘着・接着材料を含むものである場合、拡散層7は、主として粘着・接着材料で構成されたものであるのが好ましい。これにより、上述したような効果をさらに顕著なものとして発揮させることができる。
拡散層7の厚さは、特に限定されないが、10〜30μmであるのが好ましく、15〜25μmであるのがより好ましい。拡散層7の厚さが前記範囲内の値であると、上述したような効果をより顕著なものとして発揮させることができる。
また、図2に示した本実施形態の時計用文字板1’は、基材2のケイ素酸化物層3、および亜鉛硫化物層4が形成された面とは反対側の表面に、着色層6と拡散層7と偏光体5とがこの順に積層されたもので説明したが、着色層6と拡散層7を入れ替えて積層したものであってもよい。さらに、同一の層に着色剤と拡散剤とを含ませた層を、着色層6と拡散層7との代わりに備えた形態でもよい。時計用文字板が、上記のいずれの構成を有しても上述した効果を得ることができる。
上述したように、時計用文字板1’においては、基材2、ケイ素酸化物層3、および亜鉛硫化物層4に加え、偏光体5、着色層6、拡散層7を有している。このため、基材2として、前述した通り、比較的薄いもの(150〜700μm)を用いた場合であっても、時計用文字板1’の機械的強度、形状の安定性等を十分に優れたものとすることができる。
また、時計用文字板1’の厚さは、特に限定されないが、150〜700μmであるのが好ましく、200〜600μmであるのがより好ましく、300〜500μmであるのがさらに好ましい。時計用文字板1’の厚さが前記範囲内の値であると、時計用文字板1’が適用される時計が、厚型化するのを効果的に防止しつつ、時計用文字板1’の機械的強度、形状の安定性等を特に優れたものとすることができる。
上述したように、時計用文字板1’は、美的外観に優れるとともに、電磁波の透過性にも優れている。このため、時計用文字板1’は、電波時計やソーラー時計(太陽電池を内蔵する時計)、ソーラー電波時計等に好適に適用することができる。
また、時計用文字板1’は、耐久性にも優れているため、携帯時計(例えば、腕時計)に好適に適用することができる。
<時計>
次に、上述したような本発明の時計用文字板を備えた本発明の時計について説明する。
本発明の時計は、上述したような本発明の時計用文字板を有するものである。上述したように、本発明の時計用文字板は、光透過性(電磁波透過性)および装飾性(美的外観)に優れたものである。このため、このような時計用文字板を備えた本発明の時計は、ソーラー時計や電波時計としての求められる要件を十分に満足することができる。なお、本発明の時計を構成する時計用文字板(本発明の時計用文字板)以外の部品としては、公知のものを用いることができるが、以下に、本発明の時計の構成の一例について説明する。
図4は、本発明の時計(腕時計)の好適な実施形態を示す断面図である。
図4に示すように、本実施形態の腕時計(携帯時計)100は、胴(ケース)82と、裏蓋83と、ベゼル(縁)84と、ガラス板(カバーガラス)85とを備えている。また、ケース82内には、前述したような本発明の時計用文字板1(または時計用文字板1’)と、太陽電池94と、ムーブメント81とが収納されており、さらに、図示しない針(指針)等が収納されている。
ガラス板85は、通常、透明性の高い透明ガラスやサファイア等で構成されている。これにより、本発明の時計用文字板1(または時計用文字板1’)の審美性を十分に発揮させることができるとともに、太陽電池94に十分な光量の光を入射させることができる。
ムーブメント81は、太陽電池94の起電力を利用して、指針を駆動する。
図4中では省略しているが、ムーブメント81内には、例えば、太陽電池94の起電力を貯蔵する電気二重層コンデンサー、リチウムイオン二次電池や、時間基準源として水晶振動子や、水晶振動子の発振周波数をもとに時計を駆動する駆動パルスを発生する半導体集積回路や、この駆動パルスを受けて1秒毎に指針を駆動するステップモーターや、ステップモーターの動きを指針に伝達する輪列機構等を備えている。
また、ムーブメント81は、図示しない電波受信用のアンテナを備えている。そして、受信した電波を用いて時刻調整等を行う機能を有している。
太陽電池94は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する機能を有する。そして、太陽電池94で変換された電気エネルギーは、ムーブメントの駆動等に利用される。
太陽電池94は、例えば、非単結晶シリコン薄膜にp型の不純物とn型の不純物とが選択的に導入され、さらにp型の非単結晶シリコン薄膜とn型の非単結晶シリコン薄膜との間に不純物濃度の低いi型の非単結晶シリコン薄膜を備えたpin構造を有している。
胴82には巻真パイプ86が嵌入・固定され、この巻真パイプ86内にはりゅうず87の軸部871が回転可能に挿入されている。
胴82とベゼル84とは、プラスチックパッキン88により固定され、ベゼル84とガラス板85とはプラスチックパッキン89により固定されている。
また、胴82に対し裏蓋83が嵌合(または螺合)されており、これらの接合部(シール部)93には、リング状のゴムパッキン(裏蓋パッキン)92が圧縮状態で介挿されている。この構成によりシール部93が液密に封止され、防水機能が得られる。
りゅうず87の軸部871の途中の外周には溝872が形成され、この溝872内にはリング状のゴムパッキン(りゅうずパッキン)91が嵌合されている。ゴムパッキン91は巻真パイプ86の内周面に密着し、該内周面と溝872の内面との間で圧縮される。この構成により、りゅうず87と巻真パイプ86との間が液密に封止され防水機能が得られる。なお、りゅうず87を回転操作したとき、ゴムパッキン91は軸部871と共に回転し、巻真パイプ86の内周面に密着しながら周方向に摺動する。
上記のような携帯時計(腕時計)は、各種時計の中でも特に優れた耐久性(例えば、耐衝撃性等)が求められるものであるため、優れた美的外観とともに、優れた耐久性が得られる本発明を、より好適に適用することができる。
なお、上記の説明では、時計の一例として、ソーラー電波時計としての腕時計(携帯時計)を挙げて説明したが、本発明は、腕時計以外の携帯時計、置時計、掛け時計等の他の種類の時計にも同様に適用することができる。また、本発明は、ソーラー電波時計を除くソーラー時計や、ソーラー電波時計を除く電波時計等、いかなる時計にも適用することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記のようなものに限定されるものではない。
例えば、本発明の時計用文字板、時計では、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。例えば、各種印刷法により形成された印刷部を有するものであってもよい。
また、前述した第2実施形態では、基材と偏光体との間に着色層と拡散層とを有するものとして説明したが、着色層、拡散層はなくてもよい。例えば、基材と偏光体とは隣接するものであってもよいし、基材と偏光体との間に、着色層、拡散層以外の中間層を有していてもよい。
また、本発明の時計用文字板は、上述した構成に加えて、他の構成を有するものであってもよい。例えば、時計用文字板の表面(基材2の表面(ケイ素酸化物層3、および亜鉛硫化物層4に対向する面とは反対の面)や、偏光体5の表面(ケイ素酸化物層3、および亜鉛硫化物層4に対向する面とは反対の面)、ケイ素酸化物層3、および亜鉛硫化物層4の表面(基材2に対向する面とは反対の面))には、少なくとも1層の層(コート層)が設けられていてもよい。これにより、例えば、色調等を調整し、時計用文字板の美的外観をさらに優れたものにしたり、時計用文字板全体としての、耐食性、耐候性、耐水性、耐油性、耐擦傷性、耐摩耗性、耐変色性等の各種特性を向上させたりすることができる。なお、このような層は、例えば、時計用文字板の使用時等において除去されるものであってもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.時計用文字板の製造
(実施例1)
以下に示すような方法により、時計用文字板を製造した。
まず、ポリカーボネートと、金属粉末としての銀微粒子とを用意した。
次に、これらを混合、混練し、ポリカーボネート中に銀微粒子が分散した組成物を得た。
次に、この組成物を用いて、圧縮成形により、時計用文字板の形状を有する基材を作製し、必要箇所を切削、研磨した。得られた基材は、略円盤状をなし、直径:27mm×厚さ:450μmであった。得られた基材中におけるポリカーボネートの含有率は70wt%、金属粉末の含有率は30wt%であった。また、基材中における金属粉末の平均粒径は、30μmであった。また、基材中における金属粉末の比表面積は、2.0×10−2/gであった。また、銀微粒子は、実質的にAgのみで構成されたもの(Ag含有率:99.9wt%以上)であった。
次に、この基材を洗浄した。基材の洗浄としては、まず、アルカリ浸漬脱脂を30秒間行い、その後、中和を10秒間、水洗を10秒間、純水洗浄を10秒間行った。
その後、上記のようにして洗浄を行った基材の表面に、ケイ素酸化物層、亜鉛硫化物層を順次形成することにより、時計用文字板を形成した。ケイ素酸化物層、亜鉛硫化物層の形成は、以下に詳述するように、金属材料で構成された複数の薄膜材料を蒸発源とし、高真空槽内において、蒸発源を加熱し、蒸発源から薄膜材料を蒸発させることにより行った。
まず、洗浄済みの基材を真空蒸着装置内に取付け、その後、真空蒸着装置内を1.3×10−4Paまで排気(減圧)した。このような状態で、蒸発源として純度99%以上のSiOで構成された薄膜にレーザーを照射し、処理時間:2分間という条件で99wt%以上のSiOで構成されたケイ素酸化物層を形成した。このようにして形成されたケイ素酸化物層の厚さは、100nmであった。
引き続き、上記のようにして形成されたケイ素酸化物層の表面に、真空蒸着装置内を1.3×10−4Paまで排気(減圧)した状態で、蒸発源として純度99%以上のZnSで構成された薄膜にレーザーを照射し、処理時間:1分間という条件で99wt%以上のZnSで構成された亜鉛硫化物層を形成した。このようにして形成された亜鉛硫化物層の厚さは、20nmであった。
上記のようにして得られた、ケイ素酸化物層、および亜鉛硫化物層の合計の厚さは120nmであった。
なお、ケイ素酸化物層、亜鉛硫化物層、また、ケイ素酸化物層と亜鉛硫化物層との合計の厚さは、JIS H 5821で規定される顕微鏡断面試験方法に従い測定した。
(実施例2)
まず、アルミニウムで構成されたアルミニウム微粒子(Al含有率:99.9wt%以上)を用意した。このアルミニウム微粒子に酸化処理(陽極酸化処理)を施し、さらに、95〜100℃の純水中で、20分間熱処理を施すことにより、酸化アルミニウムで構成された被膜を形成した。これにより、アルミニウムで構成されたコア領域と、酸化アルミニウムで構成されたシェル領域とを有する金属粉末が得られた。シェル領域の厚さは、0.10μmであった。
このようにして得られた金属粉末を基材の成形に用いた以外は、前記実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。
(実施例3〜7)
基材作製用の組成物の調製に用いる金属粉末の種類、組成物中における樹脂材料、金属粉末の含有率、および、基材の厚さを調整するとともに、ケイ素酸化物層、および亜鉛硫化物層の形成工程での処理時間を変更することにより、時計用文字板が表に示すような構成となるようにした以外は、前記実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。
(実施例8)
まず、ポリカーボネートと、金属粉末としての銀微粒子とを用意した。
次に、これらを混合、混練し、ポリカーボネート中に銀微粒子が分散した組成物を得た。
次に、この組成物を用いて、圧縮成形により、時計用文字板の形状を有する基材を作製し、必要箇所を切削、研磨した。得られた基材は、略円盤状をなし、直径:27mm×厚さ:300μmであった。得られた基材中におけるポリカーボネートの含有率は70wt%、金属粉末の含有率は30wt%であった。また、基材中における金属粉末の平均粒径は、30μmであった。また、基材中における金属粉末の比表面積は、2.0×10−2/gであった。また、銀微粒子は、実質的にAgのみで構成されたもの(Ag含有率:99.9wt%以上)であった。
次に、この基材を洗浄した。基材の洗浄としては、まず、アルカリ浸漬脱脂を30秒間行い、その後、中和を10秒間、水洗を10秒間、純水洗浄を10秒間行った。
その後、上記のようにして洗浄を行った基材の表面に、ケイ素酸化物層、亜鉛硫化物層を順次形成した。ケイ素酸化物層、亜鉛硫化物層の形成は、以下に詳述するように、金属材料で構成された複数の薄膜材料を蒸発源とし、高真空槽内において、蒸発源を加熱し、蒸発源から薄膜材料を蒸発させることにより行った。
まず、洗浄済みの基材を真空蒸着装置内に取付け、その後、装置内を予熱しながら、真空蒸着装置内を1.3×10−4Paまで排気(減圧)した。
このような状態で、蒸発源として純度99%以上のSiOで構成された薄膜にレーザーを照射し、処理時間:2分間という条件で99wt%以上のSiOで構成されたケイ素酸化物層を形成した。このようにして形成されたケイ素酸化物層の厚さは、100nmであった。
引き続き、上記のようにして形成されたケイ素酸化物層の表面に、真空蒸着装置内を1.3×10−4Paまで排気(減圧)した状態で、蒸発源として純度99%以上のZnSで構成された薄膜にレーザーを照射し、処理時間:1分間という条件で99wt%以上のZnSで構成された亜鉛硫化物層を形成した。このようにして形成された亜鉛硫化物層の厚さは、20nmであった。
上記のようにして得られた、ケイ素酸化物層、および亜鉛硫化物層の合計の厚さは120nmであった。
次に、基材のケイ素酸化物層、および亜鉛硫化物層が形成された面とは反対側の表面に、着色剤とウレタン系粘着剤(ウレタン系樹脂)とで構成される着色層組成物を介して、偏光体(反射型偏光体)を貼り合わせた。これにより、亜鉛硫化物層、ケイ素酸化物層、基材、着色層、偏光体がこの順で積層された時計用文字板が得られた。なお、偏光体としては、ポリエチレンナフタレートで構成されたシート材を一軸方向に延伸することにより得られたシート材からなる層と、ナフタレンジカルボン酸とテレフタル酸とのコポリエステルで構成されたシート材を一軸方向に延伸することにより得られたシート材からなる層とを、交互に合計8層積層することにより形成した物を用いた。この偏光体の厚さは、160μmであった。また、着色剤としてはウレタン塗料を用いた。また、着色層の厚さは10μmであった。
(実施例9)
まず、アルミニウムで構成されたアルミニウム微粒子(Al含有率:99.9wt%以上)を用意した。このアルミニウム微粒子に酸化処理(陽極酸化処理)を施し、さらに、95〜100℃の純水中で、15分間熱処理を施すことにより、酸化アルミニウムで構成された被膜を形成した。これにより、アルミニウムで構成されたコア領域と、酸化アルミニウムで構成されたシェル領域とを有する金属粉末が得られた。シェル領域の厚さは、0.02μmであった。
このようにして得られた金属粉末を基材の成形に用いた以外は、前記実施例8と同様にして時計用文字板を製造した。
(実施例10)
着色層の代わりに拡散剤とウレタン系粘着剤(ウレタン系樹脂)とで構成される拡散層を形成した以外は前記実施例9と同様に時計用文字板を製造した。また、拡散剤として、粉末状のシリカを用いた。また、拡散層の厚さは20μmであった。
(実施例11)
着色層と偏光体との間に、拡散剤とウレタン系粘着剤(ウレタン系樹脂)とで構成される拡散層を形成した以外は前記実施例9と同様に時計用文字板を製造した。これにより、ケイ素酸化物層、亜鉛硫化物層、基材、着色層、拡散層、偏光体がこの順で積層された時計用文字板が得られた。また、拡散剤として、粉末状のシリカを用いた。また、拡散層の厚さは20μmであった。
(実施例12〜16)
基材作製用の組成物の調製に用いる金属粉末の種類、組成物中における樹脂材料、金属粉末の含有率、および、基材の厚さを調整するとともに、ケイ素酸化物層、および亜鉛硫化物層の形成工程での処理時間を変更することにより、時計用文字板が表に示すような構成となるようにした以外は、前記実施例11と同様にして時計用文字板を製造した。
(比較例1)
基材の表面に亜鉛硫化物層を、表に示す厚さに形成した後、ケイ素酸化物層を形成しなかった以外は、前記実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。すなわち、基材の表面に、1層の亜鉛硫化物層を、表に示す厚さに形成した以外は、前記実施例1と同様にして時計用文字板を形成した。
(比較例2)
亜鉛硫化物層の形成工程における、真空蒸着装置内での処理時間を変更することにより、亜鉛硫化物層の厚さを表に示すように変更した以外は、前記比較例1と同様にして時計用文字板を製造した。
(比較例3)
基材の表面にケイ素酸化物層を形成した後、亜鉛硫化物層を形成しなかった以外は、前記実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。すなわち、基材の表面に、1層のケイ素酸化物層を形成した以外は、前記実施例1と同様にして時計用文字板を形成した。
(比較例4)
真空蒸着装置内での処理時間を変更することにより、ケイ素酸化物層の厚さを表に示すように変更した以外は、前記比較例3と同様にして時計用文字板を製造した。
(比較例5)
ケイ素酸化物層を形成する工程、亜鉛硫化物層を形成する工程を省略した以外は、前記実施例8と同様にして時計用文字板を製造した。
(比較例6)
ケイ素酸化物層を形成する工程と、亜鉛硫化物層を形成する工程との順番を入れ換えた以外は、前記実施例8と同様にして時計用文字板を製造した。これにより、ケイ素酸化物層、亜鉛硫化物層、基材、着色層、拡散層および偏光体がこの順で積層された時計用文字板が得られた。
(比較例7)
基材成形用の組成物として、ポリカーボネートと金属粉末との混練物の代わりに、ポリカーボネートを用いた以外は、前記実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。
(比較例8)
基材の表面にケイ素酸化物層および亜鉛硫化物層を形成する代わりに、当該表面に、99wt%以上のMgFで構成されたフッ化マグネシウム層を形成した以外は前記実施例8と同様に時計用文字板を製造した。フッ化マグネシウム層の形成は、蒸発源として純度99wt%以上のMgFを用いた真空蒸着により行った。
(比較例9)
基材の表面にケイ素酸化物層および亜鉛硫化物層を形成する代わりに、当該表面に、99wt%以上のTiで構成された五酸化三チタン層を形成した以外は前記実施例8と同様に時計用文字板を製造した。五酸化三チタン層の形成は、蒸発源として純度99wt%以上のTiを用いた真空蒸着により行った。
(比較例10)
基材の表面にケイ素酸化物層および亜鉛硫化物層を形成する代わりに、当該表面に、99wt%以上のMgFで構成されたフッ化マグネシウム層、99wt%以上のTiで構成された五酸化三チタン層を、この順に形成した以外は、前記実施例8と同様に時計用文字板を製造した。フッ化マグネシウム層の形成は、蒸発源として純度99wt%以上のMgFを用いた真空蒸着により行い、五酸化三チタン層の形成は、蒸発源として純度99wt%以上のTiを用いた真空蒸着により行った。
(比較例11)
基材の作製に、ポリカーボネートと金属粉末とを含む組成物を用いる代わりに、アクリロニトリル−ブタジエンースチレン共重合体(ABS樹脂)と金属粉末とを含む組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。
各実施例および各比較例の時計用文字板の構成を表1、表2にまとめて示す。なお、表中、ポリカーボネートをPC、またABS樹脂をABSで、それぞれ示した。上記の実施例および比較例で形成した金属化合物層の屈折率は、以下の通りであった。すなわち、亜鉛硫化物(ZnS)層の屈折率は2.30、ケイ素酸化物(SiO)層の屈折率は1.46、フッ化マグネシウム(MgF)層の屈折率は1.38、および五酸化三チタン(Ti)層の屈折率が2.25であった。また、金属粉末が金属材料で構成されたコア領域と、金属酸化物で構成されたシェル領域とを有するものである場合、金属粉末の平均粒径を示す欄に、かっこ書きで、シェル領域の厚さを示した。
Figure 2008185427
Figure 2008185427
2.目視による外観評価
前記各実施例および各比較例で製造した各時計用文字板について、金属化合物層が形成された面側(比較例5については、偏光体が形成された面とは反対の面側)から、目視による観察を行い、これらの外観を以下の6段階の基準に従い、評価した。
◎◎:極めて優れた外観を有している。
◎:優れた外観を有している。
○:良好な外観を有している。
△:外観がやや不良。
×:外観が不良。
××:外観が極めて不良。
3.色度計による外観評価
色度計(ミノルタ社製、CM−2022)を用いて、前記各実施例および各比較例で製造した時計用文字板について、金属化合物層が形成された面側(比較例5については、偏光体が形成された面とは反対の面側)の色度を測定し、JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図におけるa、bの値を以下の4段階の基準に従い、評価した。
◎:JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図において、a
が−5〜5でありかつbが−5〜5の範囲内である。
○:JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図において、a
が−10〜10でありかつbが−10〜10の範囲内である(ただし、◎の
範囲を除く)。
△:JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図において、a
が−15〜15でありかつbが−15〜15の範囲内である(ただし、◎お
よび○の範囲を除く)。
×:JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図において、a
が−15〜15でありかつbが−15〜15の範囲外である。
なお、色度計の光源としては、JIS Z 8720で規定されるD65のものを用い、視野角:2°で測定した。
また、JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図におけるLの値を以下の4段階の基準に従い、評価した。
◎:JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図において、L
75≦L≦90である。
○:JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図において、L
55≦L<75である。
△:JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図において、L
45≦L<55である。
×:JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図において、L
<45である。
4.可視光領域における反射率のばらつき
前記各実施例および各比較例で製造した時計用文字板について、金属化合物層が形成された面側(比較例5については、偏光体が形成された面とは反対の面側)の、可視光領域(380〜780nmの波長領域)における各波長での反射率を測定した。この測定結果から、可視光領域(380〜780nmの波長領域)において、反射率が最大となる波長での反射率A[%]と、反射率が最小となる波長での反射率B[%]との差A−Bを求め、以下の6段階の基準に従い、評価した。A−Bの値が小さいほど、可視光領域における反射率のばらつきが小さいものであるといえる。なお、反射率の測定は、時計用文字板の裏側に太陽電池を配した状態で行った。
◎◎:A−Bの値が8%未満。
◎:A−Bの値が8%以上15%未満。
○:A−Bの値が15%以上20%未満。
△:A−Bの値が20%以上25%未満。
×:A−Bの値が25%以上30%未満。
××:A−Bの値が30%以上。
5.時計用文字板の光透過率評価
前記各実施例および各比較例で製造した各時計用文字板について、以下のような方法により、光透過率を評価した。
まず、太陽電池と各時計用文字板とを暗室にいれた。その後、太陽電池単体でその受光面に対し、所定距離離間した蛍光灯(光源)からの光を入射させた。この際、太陽電池の発電電流をA[mA]とした。次に、前記太陽電池の受光面の上面に、時計用文字板を重ね合わせた状態で、前記と同様に所定距離離間した蛍光灯(光源)からの光を入射させた。この状態での、太陽電池の発電電流をB[mA]とした。そして、(B/A)×100で表される時計用文字板の光透過率を算出し、以下の4段階の基準に従い、評価した。光透過率が大きいほど、時計用文字板の光透過性は優れたものであるといえる。なお、時計用文字板は、基材の金属化合物層が形成された面側(比較例5については、偏光体が形成された面とは反対の面側)が蛍光灯(光源)側を向くように重ね合わせた。
◎:25%以上。
○:20%以上25%未満。
△:15%以上25%未満。
×:15%未満。
その後、前記各実施例および各比較例で製造した時計用文字板を用いて、図4に示すような腕時計を製造した。そして、製造された各腕時計を暗室にいれた。その後、時計の文字板側の面(ガラス板側の面)から、所定距離離間した蛍光灯(光源)からの光を入射させた。この際、光の照射強度が次第に大きくなるように照射強度を一定の速度で変化させた。その結果、本発明の時計および比較例の時計すべてが、比較的照射強度が小さい場合でもムーブメントが駆動した。
6.電波透過性の評価
前記各実施例および各比較例で製造した各時計用文字板について、以下に示すような方法で電波透過性を評価した。
まず、時計ケースと、電波受信用のアンテナを備えた腕時計用内部モジュール(ムーブメント)とを用意した。
次に、時計ケース内に、腕時計用内部モジュール(ムーブメント)および、時計用文字板を組み込み、この状態での電波の受信感度を測定した。
時計用文字板を組み込まない状態での受信感度を基準とし、時計用文字板を組み込んだ場合における受信感度の低下量(dB)を以下の4段階の基準に従い、評価した。電波の受信感度の低下が低いものほど、時計用文字板の電波透過性は優れたものであるといえる。なお、時計用文字板は、基材の金属化合物層が形成された面とは反対の面側(比較例5については、偏光体が形成された面側)が腕時計用内部モジュール側を向くように重ね合わせた。
◎:感度の低下が認められない(検出限界以下)。
○:感度の低下が0.7dB未満で認められる。
△:感度の低下が0.7dB以上1.0dB未満。
×:感度の低下が1.0dB以上。
7.耐久性評価
前記各実施例および各比較例で製造した各時計用文字板について、以下に示すような2種の試験を行い、金属化合物層の密着性を評価した。
7−1.折り曲げ試験
各時計用文字板について、直径4mmの鉄製の棒材を支点とし、時計用文字板の中心を基準に35°の折り曲げを行った後、時計用文字板の外観を目視により観察し、これらの外観を以下の4段階の基準に従い、評価した。折り曲げは、圧縮/引っ張りの両方向について行った。
◎:基材からの被膜(金属化合物層、着色層、拡散層、偏光体)の浮き、剥がれ等が
全く認められない。
○:基材からの被膜(金属化合物層、着色層、拡散層、偏光体)の浮きがほとんど認
められない。
△:基材からの被膜(金属化合物層、着色層、拡散層、偏光体)の浮きがはっきりと
認められる。
×:基材からの被膜(金属化合物層、着色層、拡散層、偏光体)のひび割れ、剥離が
はっきりと認められる。
7−2.熱サイクル試験
各時計用文字板を、以下のような熱サイクル試験に供した。
まず、時計用文字板を、20℃の環境下に1.5時間、次いで、70℃の環境下に2時間、次いで、20℃の環境下に1.5時間、次いで、−25℃の環境下に3時間静置した。その後、再び、環境温度を20℃に戻し、これを1サイクル(8時間)とし、このサイクルを合計3回繰り返した(合計24時間)。
その後、時計用文字板の外観を目視により観察し、これらの外観を以下の4段階の基準に従い、評価した。
◎:基材からの被膜(金属化合物層、着色層、拡散層、偏光体)の浮き、剥がれ等が
全く認められない。
○:基材からの被膜(金属化合物層、着色層、拡散層、偏光体)の浮きがほとんど認
められない。
△:基材からの被膜(金属化合物層、着色層、拡散層、偏光体)の浮きがはっきりと
認められる。
×:基材からの被膜(金属化合物層、着色層、拡散層、偏光体)のひび割れ、剥離が
はっきりと認められる。
これらの結果を表3に示す。
Figure 2008185427
表3から明らかなように、本発明の時計用文字板は、いずれも優れた美的外観を有するとともに、電磁波(光、電波)の透過性に優れていた。また、時計用文字板の外表面側から、亜鉛硫化物(ZnS)層、ケイ素酸化物(SiO)層の順に積層され、かつ、基材がポリカーボネートおよび金属粉末を含む材料で構成された本発明の時計用文字板では、金属化合物層と基材との密着性に優れており、優れた耐久性を有していた。中でも、基材中の金属粉末が金属酸化物で構成されたシェル部を有するものである場合、時計用文字板の耐久性は、特に優れたものであり、また、美的外観も特に優れたものであった。
これに対し、比較例では、満足な結果が得られなかった。すなわち、各比較例の時計用文字板では、優れた美的外観、電磁波の優れた透過性および時計用文字板としての耐久性を同時に満足させることができなかった。
また、各実施例および各比較例で得られた時計用文字板を用いて、図4に示すような時計を組み立てた。このようにして得られた各時計について、上記と同様の試験、評価を行ったところ、上記と同様の結果が得られた。
本発明の時計用文字板の第1実施形態を示す断面図である。 本発明の時計用文字板の第2実施形態を示す断面図である。 複数の層が積層されてなる偏光体の好適な実施形態を示す斜視図である。 本発明の時計(携帯時計)の好適な実施形態を示す部分断面図である。
符号の説明
1、1’…時計用文字板 2…基材 3…ケイ素酸化物層 4…亜鉛硫化物層 5…偏光体(反射型偏光体) 51…偏光性フィルム層(A層) 52…偏光性フィルム層(B層) 6…着色層 7…拡散層 94…太陽電池 81…ムーブメント 82…胴(ケース) 83…裏蓋 84…ベゼル(縁) 85…ガラス板(カバーガラス) 86…巻真パイプ 87…りゅうず 871…軸部 872…溝 88…プラスチックパッキン 89…プラスチックパッキン 91…ゴムパッキン(りゅうずパッキン) 92…ゴムパッキン(裏蓋パッキン) 93…接合部(シール部) 100…腕時計(携帯時計)

Claims (15)

  1. 主としてポリカーボネートで構成された基材と、
    主としてケイ素酸化物で構成されたケイ素酸化物層と、
    前記ケイ素酸化物層の前記基材に対向する面とは反対の面側に設けられ、主として亜鉛硫化物で構成された亜鉛硫化物層とを有し、
    前記基材中に金属粉末を含むことを特徴とする時計用文字板。
  2. 前記基材中における前記金属粉末の含有率が10〜40wt%である請求項1に記載の時計用文字板。
  3. 前記金属粉末の比表面積は、1.0×10−3〜8.0×10−1/gである請求項1または2に記載の時計用文字板。
  4. 前記金属粉末の平均粒径は、0.1〜200μmである請求項1ないし3のいずれかに記載の時計用文字板。
  5. 前記ケイ素酸化物層は、主としてSiOで構成されたものである請求項1ないし4のいずれかに記載の時計用文字板。
  6. 前記ケイ素酸化物層の厚さが5〜200nmである請求項1ないし5のいずれかに記載の時計用文字板。
  7. 前記亜鉛硫化物層の厚さが3〜100nmである請求項1ないし6のいずれかに記載の時計用文字板。
  8. 前記ケイ素酸化物層と前記亜鉛硫化物層との合計の厚さが10〜250nmである請求項1ないし7のいずれかに記載の時計用文字板。
  9. 入射した光を偏光させる機能を有する偏光体を、前記基材の前記亜鉛硫化物層が設けられている側の面とは反対の面側に備えている請求項1ないし8のいずれかに記載の時計用文字板。
  10. 着色剤を含む材料で構成された着色層を、前記基材と前記偏光体との間に有する請求項9に記載の時計用文字板。
  11. 前記着色層は、粘着性、接着性を有する材料で構成されたものである請求項10に記載の時計用文字板。
  12. 入射した光を拡散する機能を有する拡散剤を含む材料で構成された拡散層を、前記基材と前記偏光体との間に有する請求項9ないし11のいずれかに記載の時計用文字板。
  13. 前記拡散層は、粘着性、接着性を有する材料で構成されたものである請求項12に記載の時計用文字板。
  14. 前記亜鉛硫化物層が設けられている側の面の色調は、JIS Z 8729で規定されるL表示の色度図において、aが−10〜10であり、かつ、bが−10〜10である請求項1ないし13のいずれかに記載の時計用文字板。
  15. 請求項1ないし14のいずれかに記載の時計用文字板を備えたことを特徴とする時計。
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