JP4910681B2 - 時計用文字板および時計 - Google Patents

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本発明は、時計用文字板および時計に関する。
時計用文字板には、実用品としての優れた視認性とともに、装飾品としての優れた美的外観が要求される。従来、このような目的を達成するために、一般に、時計用文字板の構成材料として、Au、Ag等の金属材料を用いてきた。
また、一方で、生産コストの低減や、時計用文字板の成形の自由度を向上させる等の目的で、基材としてプラスチックを用い、その表面に、金属材料で構成された被膜を形成する試みがある(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、プラスチックは、一般に、金属材料との密着性に劣っている。このため、基材と被膜との間での剥離が生じ易く、時計用文字板の耐久性に劣るという問題点があった。
また、例えば、電波時計やソーラー時計(太陽電池を備えた時計)では、時計用文字板に電磁波(電波、光)の透過性が求められる。このため、このような時計用文字板としては、プラスチック製のものが用いられてきたが、プラスチックの外観は高級感に欠けるため、時計用文字板の美的外観を向上させる目的で、金属材料で構成された薄膜で被覆する試みがある。しかしながら、上記のように、プラスチックは金属材料との密着性に劣るという問題点があった。また、電磁波(電波、光)の透過性を高めるためには、薄膜の厚さを十分に薄くする必要があるが、薄膜の厚さを十分に薄くした場合、時計用文字板全体としての美的外観が低下するという問題点があった。
特開2003−239083号公報(第4頁左欄第37〜42行目)
本発明の目的は、電磁波(電波、光)の透過性を有するとともに、美的外観および耐久性に優れた時計用文字板を提供すること、また、前記時計用文字板を備えた時計を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の時計用文字板は、主としてガラス繊維で構成されたガラス繊維シートと、
前記ガラス繊維シートの一方の主面である第1の面側に設けられた第1の膜と、
前記ガラス繊維シートの他方の主面である第2の面側に設けられた第2の膜とを有し、
前記ガラス繊維は、その横断面が角部を有するものであり、
前記ガラス繊維シートは、前記第1の面の表面付近に設けられ、前記第1の膜の少なくとも一部が入り込んだ第1の領域と、前記第2の面の表面付近に設けられ、前記第2の膜の少なくとも一部が入り込んだ第2の領域と、前記第1の領域と前記第2の領域との間に設けられ、前記第1の膜および前記第2の膜が入り込んでいない第3の領域とを有するものであることを特徴とする。
これにより、電磁波(電波、光)の透過性を有するとともに、美的外観および耐久性に優れた時計用文字板を提供することができる。
本発明の時計用文字板では、前記ガラス繊維の横断面における絶対最大長さをL[μm]、前記横断面の面積をS[μm]としたときに、下記式(I)で示されるXの値が、1.10〜2.80であることが好ましい。
X=(L/S)*(π/4) ・・・(I)
これにより、電磁波(電波、光)の透過性を十分に優れたものとしつつ、時計用文字板の美的外観を特に優れたものとすることができる。また、時計用文字板の耐久性を特に優れたものとすることができる。
本発明の時計用文字板では、前記ガラス繊維は、その横断面が略多角形状をなすものであることが好ましい。
これにより、電磁波(電波、光)の透過性を十分に優れたものとしつつ、時計用文字板の美的外観を特に優れたものとすることができる。また、時計用文字板の耐久性を特に優れたものとすることができる。
本発明の時計用文字板では、前記第1の膜の厚さは、50〜400μmであることが好ましい。
これにより、電磁波(電波、光)の透過性を十分に優れたものとしつつ、時計用文字板の美的外観および耐久性を特に優れたものとすることができる。
本発明の時計用文字板では、前記第1の膜は、前記ガラス繊維シートに入り込む領域である第1の部位が、粘接着剤成分を含む材料で構成されたものであり、かつ、当該第1の部位よりも外表面側の領域である第2の部位が、ポリカーボネート(PC)、アクリル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)から選択される少なくとも1種を含む材料で構成されたものであることが好ましい。
これにより、時計用文字板の美的外観を十分に優れたものとしつつ、電磁波(電波、光)の透過性を特に優れたものとすることができる。また、第1の膜とガラス繊維シートとの密着性を特に優れたものとすることができ、時計用文字板の耐久性を特に優れたものとすることができる。
本発明の時計用文字板では、前記第2の膜の厚さは、50〜400μmであることが好ましい。
これにより、電磁波(電波、光)の透過性を十分に優れたものとしつつ、時計用文字板の美的外観および耐久性を特に優れたものとすることができる。
本発明の時計用文字板では、前記第2の膜は、前記ガラス繊維シートに入り込む領域である第1の部位が、粘接着剤成分を含む材料で構成されたものであり、かつ、当該第1の部位よりも外表面側の領域である第2の部位が、ポリカーボネート(PC)、アクリル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)から選択される少なくとも1種を含む材料で構成されたものであることが好ましい。
これにより、時計用文字板の美的外観を十分に優れたものとしつつ、電磁波(電波、光)の透過性を特に優れたものとすることができる。また、第2の膜とガラス繊維シートとの密着性を特に優れたものとすることができ、時計用文字板の耐久性を特に優れたものとすることができる。
本発明の時計用文字板では、前記ガラス繊維シートの厚さは、10〜300μmであることが好ましい。
これにより、時計用文字板の美的外観および耐久性を十分に優れたものとしつつ、電磁波(電波、光)の透過性を特に優れたものとすることができる。
本発明の時計用文字板では、前記ガラス繊維の太さは、1〜20μmであることが好ましい。
これにより、電磁波(電波、光)の透過性を十分に優れたものとしつつ、時計用文字板の美的外観を特に優れたものとすることができる。また、ガラス繊維シートの、第1の膜、第2の膜に対する密着性を特に優れたものとすることができ、また、時計用文字板の機械的強度(変形に対する安定性)等を特に優れたものとすることができる。その結果、時計用文字板の耐久性は特に優れたものとなる。
本発明の時計用文字板では、前記ガラス繊維シートの面密度は、20〜500g/mであることが好ましい。
これにより、電磁波(電波、光)の透過性を十分に優れたものとしつつ、時計用文字板の美的外観を特に優れたものとすることができる。また、ガラス繊維シートの、第1の膜、第2の膜に対する密着性を特に優れたものとすることができ、また、時計用文字板の機械的強度(変形に対する安定性)等を特に優れたものとすることができる。その結果、時計用文字板の耐久性は特に優れたものとなる。
本発明の時計用文字板では、前記第1の領域の厚さは、0.1〜50μmであることが好ましい。
これにより、時計用文字板の美的外観を十分に優れたものとしつつ、ガラス繊維シートと第1の膜との密着性を特に優れたものとすることができ、時計用文字板の耐久性を特に優れたものとすることができる。
本発明の時計用文字板では、前記第2の領域の厚さは、0.1〜50μmであることが好ましい。
これにより、時計用文字板の美的外観を十分に優れたものとしつつ、ガラス繊維シートと第2の膜との密着性を特に優れたものとすることができ、時計用文字板の耐久性を特に優れたものとすることができる。
本発明の時計用文字板では、前記第3の領域の厚さは、3〜250μmであることが好ましい。
これにより、時計用文字板の耐久性を十分に優れたものとしつつ、時計用文字板の美的外観を特に優れたものとすることができる。
本発明の時計は、本発明の時計用文字板を備えたことを特徴とする。
これにより、美的外観および耐久性に優れた時計を提供することができる。また、外部からの電磁波(電波、光)を有効に利用することが可能な時計(例えば、電波時計、ソーラー時計、ソーラー電波時計等)を提供することができる。
本発明によれば、電磁波(電波、光)の透過性を有するとともに、美的外観および耐久性に優れた時計用文字板を提供すること、また、前記時計用文字板を備えた時計を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
<時計用文字板>
まず、本発明の時計用文字板の好適な実施形態について説明する。
図1は、本発明の時計用文字板の好適な実施形態を模式的に示す断面図、図2は、図1に示す時計用文字板を構成するガラス繊維の横断面形状を模式的に示す図、図3は、時計用文字板を構成するガラス繊維の横断面形状の他の例を模式的に示す図である。
図1に示すように、時計用文字板1は、ガラス繊維シート2と、第1の膜3と、第2の膜4とを有している。時計用文字板1は、通常、後述するような時計に適用される場合等において、第1の膜3が設けられた面側、第2の膜4が設けられた面側のうち、いずれかが、外表面側となるようにして用いられるものであるが、以下の説明では、第2の膜4が設けられた面側が外表面側となるようにして用いられるものとして説明する。
[ガラス繊維シート]
ガラス繊維シート2は、主としてガラス繊維26で構成されたものである。
また、ガラス繊維26を構成するガラス材料は、一般に、電磁波(電波、光)の透過性(電磁波透過性)に優れている。また、ガラス繊維シート2は、一般に、ガラス繊維26−ガラス繊維26間に空隙を有しているため、特に優れた電磁波(電波、光)透過性を有している。
ガラス繊維26の構成材料としては、例えば、ソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス等が挙げられる。
ガラス繊維26の構成材料の屈折率(絶対屈折率)は、特に限定されないが、1.40〜1.70であるのが好ましく、1.45〜1.65であるのがより好ましく、1.50〜1.60であるのがさらに好ましい。ガラス繊維26の構成材料の屈折率が前記範囲内の値であると、電磁波(電波、光)の透過性を十分に優れたものとしつつ、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
ガラス繊維26は、その横断面形状が、異形状をなすものである。このように、ガラス繊維26の横断面形状が異形状であることにより、外光を効果的に乱反射させることができる。これにより、光沢感のある白色の外観を呈する。このようなガラス繊維26で構成されたガラス繊維シート2により、時計用文字板1の美的外観を優れたものとすることができる。また、ガラス繊維26で構成されたガラス繊維シート2を備えるものであることにより、時計用文字板1は、立体的な質感を持つものとなり、従来にない優れた外観を有するものとなる。また、ガラス繊維26の横断面形状が異形状をなすものであることにより、後述する第1の膜3および第2の膜4に対するガラス繊維シート2の密着性を優れたものとすることができ、時計用文字板1の耐久性を優れたものとすることができる。なお、本願明細書において、「異形状」とは、円形以外の二次元形状のことを指す。
これに対し、ガラス繊維の横断面形状が異形状でない場合、すなわち、ガラス繊維の横断面形状が略円形である場合には、上記のような効果は得られない。すなわち、ガラス繊維の横断面形状が異形状でない場合、上記のような光の乱反射が起こらず、時計用文字板の審美性、特に、高級感を、十分に優れたものとすることができない。また、後述するような膜(第1の膜および第2の膜)に対するガラス繊維シートの密着性を十分に優れたものとすることができず、時計用文字板は、耐久性に劣ったものとなる。
ガラス繊維26は、その横断面形状が異形状であればよいが、以下のような条件を満足するものであるのが好ましい。
すなわち、ガラス繊維26の横断面における絶対最大長さをL[μm]、前記横断面の面積(横断面積)をS[μm]としたときに、下記式(I)で示されるXの値が、1.10〜2.80であるのが好ましく、1.15〜2.20であるのがより好ましく、1.20〜2.00であるのがさらに好ましい。
X=(L/S)*(π/4) ・・・(I)
Xが前記範囲内の値であると、時計用文字板1全体としての光の透過率の減少を十分に防止しつつ、外光をより効果的に乱反射させることができ、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。また、時計用文字板1の耐久性を特に優れたものとすることができる。
また、ガラス繊維26は、その横断面形状が角部を有するものであるのが好ましい。これにより、時計用文字板1全体としての光の透過率の減少を十分に防止しつつ、外光をより効果的に乱反射させることができ、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。また、時計用文字板1の耐久性を特に優れたものとすることができる。
また、ガラス繊維26は、その横断面が略多角形状をなすものであるのが好ましい。これにより、時計用文字板1全体としての光の透過率の減少を十分に防止しつつ、外光をより効果的に乱反射させることができ、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。また、時計用文字板1の耐久性を特に優れたものとすることができる。ガラス繊維26の横断面が略多角形状である場合、前記多角形の角数は、3〜10であるのが好ましく、3〜6であるのがより好ましい。すなわち、ガラス繊維26の横断面が略多角形状である場合、ガラス繊維26の横断面は、略三角形から略十角形であるのが好ましく、略三角形から略六角形であるのがより好ましい。これにより、時計用文字板1全体としての光の透過率の減少を十分に防止しつつ、外光をより効果的に乱反射させることができ、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。また、時計用文字板1の耐久性を特に優れたものとすることができる。
また、ガラス繊維26の横断面が略多角形状である場合、前記多角形は、正多角形(例えば、正三角形、正方形、正五角形、正六角形等)であるのが好ましい。これにより、ガラス繊維シート2におけるガラス繊維26の配向による、時計用文字板1を各方向から観察した際の外観のばらつき、時計用文字板1(ガラス繊維シート2)の面方向の各部位での外観のばらつきの発生を効果的に防止することができ、時計用文字板1を、安定的に優れた外観を有するものとすることができる。また、複数個の時計用文字板について、各個体間での審美性(美的概観)のばらつきを防止することができる。
また、ガラス繊維シート2を構成するガラス繊維26の太さは、特に限定されないが、1〜20μmであるのが好ましく、2〜15μmであるのがより好ましく、4〜13μmであるのがさらに好ましい。ガラス繊維26の太さが前記範囲内の値であると、電磁波(電波、光)の透過性を十分に優れたものとしつつ、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。また、ガラス繊維シート2の、第1の膜3、第2の膜4に対する密着性を特に優れたものとすることができ、また、時計用文字板1の機械的強度(変形に対する安定性)等を特に優れたものとすることができる。その結果、時計用文字板1の耐久性は特に優れたものとなる。これに対し、ガラス繊維26の太さが前記下限値未満であると、時計用文字板1としての美的外観が低下するとともに、電磁波(電波、光)透過性も低下する傾向がある。一方、ガラス繊維26の太さが前記上限値を超えると、時計用文字板1としての美的外観が低下する(特に、白色度の高い高級感あふれる外観を得るのが困難になる)とともに、外観のバリエーションの幅が狭くなる傾向がある。また、第1の膜3、第2の膜4との密着性についても低下する傾向が現れる。なお、ガラス繊維26の太さとしては、例えば、ガラス繊維26の横断面における最小長さ(例えば、ガラス繊維26の横断面形状が、正三角形である場合には一辺を底辺としたときの長さ、正方形である場合にはその一辺の長さ、)、最大長さ(例えば、ガラス繊維26の横断面形状が、正三角形である場合にはその一辺の長さ、正方形である場合にはその対角線の長さ)のいずれを採用してもよいが、ガラス繊維26の横断面における最大長さ(最大太さ)が、前記範囲内の値であるのが好ましく、ガラス繊維26の横断面における最大長さ(最大太さ)および最小長さ(最小太さ)が、いずれも、前記範囲内の値であるのがより好ましい。
図2に示す構成では、ガラス繊維26は、その横断面形状が、略正六角形をなすものであるが、例えば、図3に示すように、略正三角形(3a)、略正方形(3b)、星型(芒星形)(3c、3d)等の形状をなすものであってもよい。
また、ガラス繊維シート2の面密度は、特に限定されないが、20〜500g/mであるのが好ましく、40〜400g/mであるのがより好ましく、100〜300g/mであるのがさらに好ましい。ガラス繊維シート2の面密度が前記範囲内の値であると、電磁波(電波、光)の透過性を十分に優れたものとしつつ、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。また、ガラス繊維シート2の、第1の膜3、第2の膜4に対する密着性を特に優れたものとすることができ、また、時計用文字板1の機械的強度(変形に対する安定性)等を特に優れたものとすることができる。その結果、時計用文字板1の耐久性は特に優れたものとなる。
ガラス繊維シート2の厚さは、特に限定されないが、10〜300μmであるのが好ましく、15〜220μmであるのがより好ましく、20〜175μmであるのがさらに好ましい。ガラス繊維シート2の厚さが前記範囲内の値であると、時計用文字板1の美的外観および耐久性を十分に優れたものとしつつ、電磁波(電波、光)の透過性を特に優れたものとすることができる。これに対し、ガラス繊維シート2の厚さの前記下限値未満であると、ガラス繊維シート2の構成材料等によっては、時計用文字板1の美的外観を十分に優れたものとするのが困難になる。また、ガラス繊維シート2の厚さの前記下限値未満であると、後述する第1の領域23、第2の領域24を十分な厚さで設けることが困難となり、その結果、時計用文字板1の耐久性を十分に高めるのが困難になる可能性がある。一方、ガラス繊維シート2の厚さが前記上限値を超えると、時計用文字板1全体としての厚さが大きくなり、例えば、後述するような時計に適用した場合、時計の薄型化にとって不利となる。また、ガラス繊維シート2の厚さが前記上限値を超えると、ガラス繊維シート2の構成材料等によっては、時計用文字板1としての電磁波の透過率が低下し、ソーラー時計(太陽電池を内蔵する時計)等に好適に適用することが困難になる。
また、ガラス繊維シート2は、例えば、平織、綾織、朱子織、からみ織、模紗織等、いかなる織組織で構成されたものであってもよく、また、織られたものではない不織布のようなものでもよい。中でも、織組織で構成されたものであるのが好ましく、平織で織られた織組織で構成されたものであるのがより好ましい。これにより、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
ガラス繊維シート2の一方の主面である第1の面21側には、第1の膜3が設けられている。また、ガラス繊維シート2の他方の主面(第1の面21とは反対側の主面)である第2の面22側には、第2の膜4が設けられている。
そして、ガラス繊維シート2は、第1の面21の表面付近に、第1の膜3の少なくとも一部が入り込んだ第1の領域23を有しており、また、第2の面22の表面付近に、第2の膜4の少なくとも一部が入り込んだ第2の領域24を有している。
このように、ガラス繊維シートの表面が膜で被覆されることにより、時計用文字板は機械的強度に優れたものとなる。そして、本発明では、膜がガラス繊維シートの厚さ方向の一部に入り込んでいるため、ガラス繊維シートと膜との密着性は優れたものとなる。また、ガラス繊維シート2は、複数のガラス繊維26で構成されているため(複数のガラス繊維26が絡み合っているため)、ガラス繊維26−ガラス繊維26間等に膜が入り込むことにより、アンカー効果が効果的に発揮され、ガラス繊維シートと膜との密着性は特に優れたものとなる。したがって、時計用文字板1は、優れた耐久性を有し、長期間にわたって安定的に優れた機械的強度を保持することができる。また、ガラス繊維シートの表面が膜(第1の膜および第2の膜)で被覆され、ガラス繊維シートの厚さ方向の一部に膜が入り込んだ構成を有することにより、ガラス繊維シートを構成するガラス繊維26がほつれるのを効果的に防止することができる。その結果、ガラス繊維26のほつれによる時計用文字板の美的外観の低下を長期間にわたって確実に防止することができる。また、ほつれたガラス繊維26によるムーブメント等への悪影響の発生を確実に防止することができ、時計の信頼性を特に優れたものとすることができる。特に、本発明においては、ガラス繊維は、その横断面形状が上記のような形状(異形状)をなすものであるため、上記のような効果が顕著に発揮され、時計用文字板、当該時計用文字板を備えた時計の耐久性は、非常に優れたものとなる。
また、ガラス繊維シートの表面に膜が設けられることにより、以下のような効果も得られる。すなわち、ガラス繊維シートは、多数のガラス繊維26で構成されているため、そのままでは、表面に比較的大きな凹凸があり、印刷、植字(植時)、時字の貼着等の処理が困難であり、また、これらの密着性を十分に高めるのが困難であるため、時計用文字板に適用するのは困難であったが、上記のようにガラス繊維シートの表面に膜を設けることにより、上記のような処理を容易かつ確実に行うことができる。
また、このような膜(少なくともその一部がガラス繊維シートの厚さ方向の一部に入り込んだ膜)は、ガラス繊維シートの両面側に設けられている。このため、温度変化等が生じた場合等においても、膜の構成材料と、ガラス繊維シートの構成材料との間での熱膨張係数の違い等による時計用文字板の反り等の発生を効果的に防止することができる。すなわち、ガラス繊維シートの両面側に膜を有することにより、時計用文字板の形状の安定性を優れたものとすることができる。
第1の領域23の厚さは、ガラス繊維シート2の厚さ、第2の領域24の厚さ等により異なるが、0.1〜50μmであるのが好ましく、0.2〜10μmであるのがより好ましく、0.3〜4.0μmであるのがさらに好ましい。第1の領域23の厚さが前記範囲内の値であると、時計用文字板1の美的外観を十分に優れたものとしつつ、ガラス繊維シート2と第1の膜3との密着性を特に優れたものとすることができ、時計用文字板1の耐久性(機械的強度、形状の安定性等)を特に優れたものとすることができる。これに対し、第1の領域23の厚さが前記下限値未満であると、第1の膜3の構成材料等によっては、ガラス繊維シート2と第1の膜3との密着性を十分に高めることが困難となり、時計用文字板1の耐久性を十分に高めることが困難となる。一方、第1の領域23の厚さが前記上限値を超えると、ガラス繊維シート2の厚さ、第2の領域24の厚さ等によっては、後述する第3の領域25の厚さが小さくなり、時計用文字板1の美的外観が低下する傾向を示す。
また、第2の領域24の厚さは、ガラス繊維シート2の厚さ、第1の領域23の厚さ等により異なるが、0.1〜50μmであるのが好ましく、0.2〜10μmであるのがより好ましく、0.3〜4.0μmであるのがさらに好ましい。第2の領域24の厚さが前記範囲内の値であると、時計用文字板1の美的外観を十分に優れたものとしつつ、ガラス繊維シート2と第2の膜4との密着性を特に優れたものとすることができ、時計用文字板1の耐久性(機械的強度、形状の安定性等)を特に優れたものとすることができる。これに対し、第2の領域24の厚さが前記下限値未満であると、第2の膜4の構成材料等によっては、ガラス繊維シート2と第2の膜4との密着性を十分に高めることが困難となり、時計用文字板1の耐久性を十分に高めることが困難となる。一方、第2の領域24の厚さが前記上限値を超えると、ガラス繊維シート2の厚さ、第1の領域23の厚さ等によっては、後述する第3の領域25の厚さが小さくなり、時計用文字板1の美的外観が低下する傾向を示す。
また、ガラス繊維シート2は、上記のような第1の領域23、第2の領域24に加え、第1の領域23と第2の領域24との間には、第1の膜3および第2の膜4が入り込んでいない第3の領域(空気層)25を有している。第3の領域25において、ガラス繊維シート2を構成するガラス繊維26は、通常、空気等の雰囲気に覆われている。このような雰囲気は、一般に、ガラス繊維26を構成する材料よりも十分に小さい屈折率(1.001程度)を有している。
このように、ガラス繊維シートが、その厚さ方向に、膜の構成材料が入り込んでいない領域(第3の領域)を有することにより、外光を効果的に乱反射させること等ができ、時計用文字板の美的外観を特に優れたものとすることができる。これに対し、第3の領域を有していないと、外光の乱反射等を効果的に行うことができず、ガラス繊維シートが有する、優れた美的外観を発揮することができない。より詳しく説明すると、第3の領域を有していないと、時計用文字板自体の透明性が高くなりすぎてしまい、時計用文字板の一方の面(主面)側を見た場合、時計用文字板を介して、その反対の面(主面)側の様子まで見えてしまい、ガラス繊維シート時計用文字板の美的外観は著しく低いものとなる。これは、第1の膜3、第2の膜4の構成材料は、一般に、空気等の気体に比べて十分に大きな屈折率を有しており、通常、ガラス繊維26の屈折率との差の小さい屈折率を有しているため、ガラス繊維26による外光の乱反射等を防止してしまうためであると考えられる。また、上記のような問題を防止する目的で、時計用文字板の構成材料として比較的多量の着色剤等を用いることも考えられるが、このような場合、光の透過率が著しく低下し、後述するようなソーラー時計等に適用することができない。また、比較的多量の着色剤を用いた場合、時計用文字板は、高級感がなく美的外観に劣ったものになってしまう。
第3の領域25の厚さは、特に限定されないが、3〜250μmであるのが好ましく、5〜200μmであるのがより好ましく、7〜170μmであるのがさらに好ましい。第3の領域25の厚さが前記範囲内の値であると、時計用文字板1の耐久性を十分に優れたものとしつつ、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。これに対し、第3の領域25の厚さが前記下限値未満であると、第2の膜4の構成材料、厚さ等によっては、時計用文字板1の美的外観を十分に優れたものとするのが困難になる可能性がある。一方、第3の領域25の厚さが前記上限値を超えると、ガラス繊維シート2の厚さ等によっては、第1の領域23、第2の領域24の厚さを十分に大きくすることが困難となり、時計用文字板1の耐久性を十分に高めるのが困難となる。また、第3の領域25の厚さが前記上限値を超える場合において、第1の領域23、第2の領域24の厚さを大きくするために、ガラス繊維シート2の厚さを大きいものとすることも考えられるが、このような場合、時計用文字板1全体としての厚さが大きくなり、例えば、後述するような時計に適用した場合、時計の薄型化にとって不利となるとともに、時計用文字板1としての電磁波の透過率が低下し、ソーラー時計等に好適に適用することが困難になる可能性がある。
[第1の膜]
第1の膜3は、いかなる材料で構成されるものであってもよいが、透明性の高い材料(例えば、可視光の透過率が60%以上の材料)で構成されているのが好ましく、特に、各種プラスチック材料等の有機系高分子材料で構成されたものであるのが好ましい。これにより、時計用文字板1の美的外観を十分に優れたものとしつつ、電磁波(電波、光)の透過性を特に優れたものとすることができる。また、第1の膜3とガラス繊維シート2との密着性を特に優れたものとすることができ、時計用文字板1の耐久性を特に優れたものとすることができる。
第1の膜3を構成する有機系高分子材料としては、各種熱可塑性樹脂、各種熱硬化性樹脂が挙げられ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリパラキシリレン(poly-para-xylylene)、ポリモノクロロパラキシリレン(poly-monochloro-para-xylylene)、ポリジクロロパラキシリレン(poly-dichloro-para-xylylene)、ポリモノフルオロパラキシリレン(poly-monofluoro-para-xylylene)、ポリモノエチルパラキシリレン(poly-monoethyl-para-xylylene)等のポリパラキシリレン樹脂等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、ブレンド樹脂、ポリマーアロイ等として)用いることができる。
また、第1の膜3は、各部位でその組成が実質的に均一な組成を有するものであってもよいし、部位によって組成の異なるものであってもよい。例えば、第1の膜3は、複数の層を有する積層体や、その組成が厚さ方向に順次変化するもの(傾斜材料)であってもよい。第1の膜3がこのような構成を有するものであることにより、例えば、第1の膜3を構成する複数種の材料の特長をより効果的に発揮させることができる。より具体的には、例えば、第1の膜3のうち、ガラス繊維シート2に入り込む部位(第1の部位)を構成する材料と、ガラス繊維シート2に入り込まない部位(第2の部位)を構成する材料との組み合わせを選択することにより、第1の膜3のガラス繊維シート2に対する密着性を特に優れたものとしつつ、時計用文字板1の耐久性(形状の安定性、機械的強度等)を特に優れたものとすることができる。
第1の膜3が上記のような構成を有するもの(積層体や傾斜材料)である場合、ガラス繊維シート2に入り込む領域(第1の部位)が、粘接着剤成分(粘着剤または接着剤)を含む材料で構成されたものであり、かつ、前記領域よりも外表面側の領域(第2の部位)が、ポリカーボネート(PC)、アクリル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)から選択される少なくとも1種を含む材料で構成されたものであるのが好ましい。第1の膜3がこのような材料で構成されたものであると、前述した効果をより顕著に発揮させることができる。
また、粘接着剤成分としては、例えば、ポリエステル(ポリエステル系系粘接着剤)、ウレタン系樹脂(ウレタン系粘接着剤)、アクリル系樹脂等で構成されたものが挙げられるが、中でも、アクリル系樹脂(アクリル系粘接着剤)が好ましい。アクリル系樹脂(アクリル系粘接着剤)は、前述したガラス繊維シート2の構成材料、第2の部位の構成材料との親和性が特に高いため、第1の部位の、ガラス繊維シート2や第2の部位に対する密着性を特に優れたものとすることができ、その結果、ガラス繊維シート2と第1の膜3との密着性を特に優れたものとすることができる。また、アクリル系樹脂(アクリル系粘接着剤)は、特に優れた耐光性と耐薬品性を有しており、時計用文字板1全体の耐久性を向上させることができる。なお、時計用文字板1の製造においては、粘接着剤成分として、例えば、液状の粘接着剤や、粘着シート、粘着テープ、熱圧着テーップ、熱圧着シート等、いかなる形態のものを用いてもよい。
また、ポリカーボネートは、各種プラスチック材料の中でも比較的安価で、時計用文字板1の生産コストのさらなる低減に寄与することができる。また、アクリル系樹脂は、特に優れた耐光性と耐薬品性を有しており、時計用文字板1全体の耐久性を向上させることができる。ABS樹脂は、特に優れた耐薬品性も有しており、時計用文字板1全体としての耐久性をさらに向上させることができる。
なお、第1の膜3は、上記以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、可塑剤、酸化防止剤、着色剤(各種発色剤、顔料、染料、蛍光物質、りん光物質等を含む)、光沢剤、フィラー等が挙げられる。
第1の膜3の構成材料の屈折率(絶対屈折率)は、特に限定されないが、1.35〜1.7であるのが好ましく、1.45〜1.6であるのがより好ましい。
また、第1の膜3の厚さは、特に限定されないが、50〜400μmであるのが好ましく、100〜350μmであるのがより好ましく、150〜300μmであるのがさらに好ましい。第1の膜3の厚さが前記範囲内の値であると、時計用文字板1の電磁波(電波、光)の透過性を十分に優れたものとしつつ、時計用文字板1の美的外観および耐久性を特に優れたものとすることができる。また、第1の膜3の厚さが前記範囲内の値であると、例えば、時計用文字板1において、第1の膜3は、ガラス繊維シート2、第2の膜4を支持する基板(基部)としての機能を十分に発揮することができる。これに対し、第1の膜3の厚さが前記下限値未満であると、時計用文字板1の機械的強度、形状の安定性等を十分に優れたものとすることが困難となり、時計用文字板1の耐久性を十分に優れたものとするのが困難になる可能性がある。一方、第1の膜3の厚さが前記上限値を超えると、第1の膜3の構成材料等によっては、時計用文字板1の美的外観を十分に優れたものとするのが困難になる可能性がある。また、第1の膜3の厚さが前記上限値を超えると、第1の膜3の構成材料等によっては、第1の膜3の内部応力が高くなり、時計用文字板1としての形状の安定性が低下する可能性がある。
また、第1の膜3が上述したような第1の部位と第2の部位とを有するもの(例えば、積層体、傾斜材料等)である場合、第1の部位の厚さは、特に限定されないが、0.5〜80μmであるのが好ましく、0.7〜40μmであるのがより好ましく、1.0〜20μmであるのがさらに好ましい。また、第2の部位の厚さは、特に限定されないが、49〜320μmであるのが好ましく、99〜310μmであるのがより好ましく、149〜280μmであるのがさらに好ましい。このような条件を満足することにより、上記のような効果はさらに顕著なものとして発揮される。
第1の膜3は、少なくともその一部が、ガラス繊維シート2内に入り込んでいればよく、例えば、第1の膜3の厚さ方向のほぼ全体がガラス繊維シート2内に入り込んでいてもよいが、図示の構成では、ガラス繊維シート2内に入り込んでいない部分を有している。これにより、文字板表面が平坦になり植字、印刷、塗装等の意匠をつけることが容易になるという効果が得られる。
[第2の膜]
第2の膜4は、いかなる材料で構成されるものであってもよいが、透明性の高い材料(例えば、可視光の透過率が60%以上の材料)で構成されているのが好ましく、特に、各種プラスチック材料等の有機系高分子材料で構成されたものであるのが好ましい。これにより、時計用文字板1の美的外観を十分に優れたものとしつつ、電磁波(電波、光)の透過性を特に優れたものとすることができる。また、第2の膜4とガラス繊維シート2との密着性を特に優れたものとすることができ、時計用文字板1の耐久性を特に優れたものとすることができる。
第2の膜4を構成する有機系高分子材料としては、各種熱可塑性樹脂、各種熱硬化性樹脂が挙げられ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリパラキシリレン(poly-para-xylylene)、ポリモノクロロパラキシリレン(poly-monochloro-para-xylylene)、ポリジクロロパラキシリレン(poly-dichloro-para-xylylene)、ポリモノフルオロパラキシリレン(poly-monofluoro-para-xylylene)、ポリモノエチルパラキシリレン(poly-monoethyl-para-xylylene)等のポリパラキシリレン樹脂等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、ブレンド樹脂、ポリマーアロイ等として)用いることができる。
また、第2の膜4は、各部位でその組成が実質的に均一な組成を有するものであってもよいし、部位によって組成の異なるものであってもよい。例えば、第2の膜4は、複数の層を有する積層体や、その組成が厚さ方向に順次変化するもの(傾斜材料)であってもよい。第2の膜4がこのような構成を有するものであることにより、例えば、第2の膜4を構成する複数種の材料の特長をより効果的に発揮させることができる。より具体的には、例えば、第2の膜4のうち、ガラス繊維シート2に入り込む部位(第1の部位)を構成する材料と、ガラス繊維シート2に入り込まない部位(第2の部位)を構成する材料との組み合わせを選択することにより、第2の膜4のガラス繊維シート2に対する密着性を特に優れたものとしつつ、時計用文字板1の耐久性(形状の安定性、機械的強度等)を特に優れたものとすることができる。
第2の膜4が上記のような構成を有するもの(積層体や傾斜材料)である場合、ガラス繊維シート2に入り込む領域(第1の部位)が、粘接着剤成分(粘着剤または接着剤)を含む材料で構成されたものであり、かつ、前記領域よりも外表面側の領域(第2の部位)が、ポリカーボネート(PC)、アクリル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)から選択される少なくとも1種を含む材料で構成されたものであるのが好ましい。第2の膜4がこのような材料で構成されたものであると、前述した効果をより顕著に発揮させることができる。
また、粘接着剤成分としては、例えば、ポリエステル(ポリエステル系系粘接着剤)、ウレタン系樹脂(ウレタン系粘接着剤)、アクリル系樹脂等で構成されたものが挙げられるが、中でも、アクリル系樹脂(アクリル系粘接着剤)が好ましい。アクリル系樹脂(アクリル系粘接着剤)は、前述したガラス繊維シート2の構成材料、第2の部位の構成材料との親和性が特に高いため、第1の部位の、ガラス繊維シート2や第2の部位に対する密着性を特に優れたものとすることができ、その結果、ガラス繊維シート2と第2の膜4との密着性を特に優れたものとすることができる。また、アクリル系樹脂(アクリル系粘接着剤)は、特に優れた耐光性と耐薬品性を有しており、時計用文字板1全体の耐久性を向上させることができる。なお、時計用文字板1の製造においては、粘接着剤成分として、例えば、液状の粘接着剤や、粘着シート、粘着テープ、熱圧着テーップ、熱圧着シート等、いかなる形態のものを用いてもよい。
また、ポリカーボネートは、各種プラスチック材料の中でも比較的安価で、時計用文字板1の生産コストのさらなる低減に寄与することができる。また、アクリル系樹脂は、特に優れて耐光性と耐薬品性を有しており、時計用文字板1全体の耐久性を向上させることができる。ABS樹脂は、特に優れた耐薬品性も有しており、時計用文字板1全体としての耐久性をさらに向上させることができる。
なお、第2の膜4は、上記以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、可塑剤、酸化防止剤、着色剤(各種発色剤、顔料、染料、蛍光物質、りん光物質等を含む)、光沢剤、フィラー等が挙げられる。
第2の膜4の構成材料の屈折率(絶対屈折率)は、特に限定されないが、1.35〜1.7であるのが好ましく、1.45〜1.6であるのがより好ましい。
また、第2の膜4の厚さは、特に限定されないが、50〜400μmであるのが好ましく、100〜350μmであるのがより好ましく、150〜300μmであるのがさらに好ましい。第2の膜4の厚さが前記範囲内の値であると、時計用文字板1の電磁波(電波、光)の透過性を十分に優れたものとしつつ、時計用文字板1の美的外観および耐久性を特に優れたものとすることができる。これに対し、第2の膜4の厚さが前記下限値未満であると、時計用文字板1の機械的強度、形状の安定性等を十分に優れたものとすることが困難となり、時計用文字板1の耐久性を十分に優れたものとするのが困難になる可能性がある。一方、第2の膜4の厚さが前記上限値を超えると、第2の膜4の構成材料等によっては、時計用文字板1の美的外観を十分に優れたものとするのが困難になる可能性がある。また、第2の膜4の厚さが前記上限値を超えると、第2の膜4の構成材料等によっては、第2の膜4の内部応力が高くなり、時計用文字板1としての形状の安定性が低下する可能性がある。
また、第2の膜4が上述したような第1の部位と第2の部位とを有するもの(例えば、積層体、傾斜材料等)である場合、第1の部位の厚さは、特に限定されないが、0.5〜80μmであるのが好ましく、0.7〜40μmであるのがより好ましく、1.0〜20μmであるのがさらに好ましい。また、第2の部位の厚さは、特に限定されないが、49〜320μmであるのが好ましく、99〜310μmであるのがより好ましく、149〜280μmであるのがさらに好ましい。このような条件を満足することにより、上記のような効果はさらに顕著なものとして発揮される。
第2の膜4は、少なくともその一部が、ガラス繊維シート2内に入り込んでいればよく、例えば、第2の膜4の厚さ方向のほぼ全体がガラス繊維シート2内に入り込んでいてもよいが、図示の構成では、ガラス繊維シート2内に入り込んでいない部分を有している。これにより、時計用文字板1の第2の膜4が設けられた面側に、印刷、植字(植時)、時字の貼着等の処理を容易かつ確実に施すことができる。
上記のような時計用文字板1の厚さは、特に限定されないが、110〜700μmであるのが好ましく、200〜650μmであるのがより好ましく、300〜600μmであるのがさらに好ましい。時計用文字板1の厚さが前記範囲内の値であると、電磁波(電波、光)の透過性を十分に優れたものとしつつ、時計用文字板1の美的外観および耐久性を特に優れたものとすることができ、時計を製造した際にも時計厚みの自由度を狭めることなく製造できる。
時計用文字板1の光の透過率は、20%以上であるのが好ましく、22〜50%であるのがより好ましく、25〜40%であるのがさらに好ましい。
上述したように、時計用文字板1は、美的外観に優れるとともに、電磁波の透過性にも優れている。このため、時計用文字板1は、電波時計やソーラー時計(太陽電池を内蔵する時計)、ソーラー電波時計等に好適に適用することができる。
また、時計用文字板1は、着色剤を含む材料で構成されたものであってもよい。上述したように、時計用文字板1は、ガラス繊維シート2を備えたものである。ガラス繊維を構成するガラス材料は、通常、それ自体は本来無色であり、このようなガラス材料で構成されたガラス繊維シートは、(光沢感のある)白色を呈する。したがって、着色剤を用いることにより、色のバリエーションの広い時計用文字板1を提供することができる。このような着色剤は、時計用文字板1のいかなる部分に含まれるものであってもよく、例えば、着色剤は、ガラス繊維シート2の構成成分として含まれるものであってよいし、第1の膜3の構成成分として含まれるものであってよいし、第2の膜4の構成成分として含まれるものであってよい。
上記の説明では、時計用文字板が、ガラス繊維シートと、第1の膜と、第2の膜とで構成されるものとして説明したが、本発明の時計用文字板は、これら以外に、さらなる構成を有するものであってもよい。例えば、本発明の時計用文字板は、第2の膜上(第1の膜に対向する面とは反対の面側)にコート層を有していてもよい。これにより、例えば、時計用文字板全体としての、耐候性、耐水性、耐油性、耐擦傷性、耐摩耗性、耐変色性等の各種特性を向上させることができる。その結果、時計用文字板としての耐久性を特に優れたものとすることができる。このようなコート層は、例えば、第1の膜上(第1の膜に対向する面とは反対の面側)に設けてもよい。
上述したような時計用文字板1は、例えば、第1の膜3と、ガラス繊維シート2と、第2の膜4とを、この順で重ね合わせた状態で、加圧したり、加熱したり、加圧しつつ加熱すること等により製造することができる。また、ガラス繊維シート2と一方の膜(第1の膜3または第2の膜4)とを接合した後、ガラス繊維シート2の前記膜が接合された面側とは反対側において、他方の膜(第2の膜4または第1の膜3)を接合することにより製造することもできる。なお、第1の領域23、第2の領域24の厚さ等は、例えば、加圧圧力、加熱温度等を調整することにより、所望の値とすることができる。
なお、上記のような方法で製造する場合、製造に用いる第1の膜3は、ガラス繊維シート2よりも剛性の高いものであるのが好ましい。これにより、時計用文字板1の形状の安定性等を特に優れたものとすることができる。また、第1の膜3として上述したような積層体を用いる場合、第1の膜3の第2の部位(第2の層)は、ガラス繊維シート2よりも剛性の高いものであるのが好ましい。これにより、上述したような効果を十分に発揮しつつ、時計用文字板1の形状の安定性等を特に優れたものとすることができる。
また、上記のような方法で製造する場合、製造に用いる第2の膜4は、ガラス繊維シート2よりも剛性の高いものであるのが好ましい。これにより、時計用文字板1の形状の安定性等を特に優れたものとすることができる。また、第2の膜4として上述したような積層体を用いる場合、第2の膜4の第2の部位(第2の層)は、ガラス繊維シート2よりも剛性の高いものであるのが好ましい。これにより、上述したような効果を十分に発揮しつつ、時計用文字板1の形状の安定性等を特に優れたものとすることができる。
<時計>
次に、上述したような本発明の時計用文字板を備えた本発明の時計について説明する。
本発明の時計は、上述したような本発明の時計用文字板を有するものである。上述したように、本発明の時計用文字板は、光透過性(電磁波透過性)および装飾性(美的外観)に優れたものである。このため、このような時計用文字板を備えた本発明の時計は、ソーラー時計や電波時計としての求められる要件を十分に満足することができる。なお、本発明の時計を構成する時計用文字板(本発明の時計用文字板)以外の部品としては、公知のものを用いることができるが、以下に、本発明の時計の構成の一例について説明する。
図4は、本発明の時計(腕時計)の好適な実施形態を示す断面図である。
図4に示すように、本実施形態の腕時計(携帯時計)100は、胴(ケース)72と、裏蓋73と、ベゼル(縁)74と、ガラス板(カバーガラス)75とを備えている。また、ケース72内には、前述したような本発明の時計用文字板1と、太陽電池9と、ムーブメント71とが収納されており、さらに、図示しない針(指針)等が収納されている。
ガラス板75は、通常、透明性の高い透明ガラスやサファイア等で構成されている。これにより、本発明の時計用文字板1の審美性を十分に発揮させることができるとともに、太陽電池9に十分な光量の光を入射させることができる。
ムーブメント71は、太陽電池9の起電力を利用して、指針を駆動する。
図4中では省略しているが、ムーブメント71内には、例えば、太陽電池9の起電力を貯蔵する電気二重層コンデンサー、リチウムイオン二次電池や、時間基準源として水晶振動子や、水晶振動子の発振周波数をもとに時計を駆動する駆動パルスを発生する半導体集積回路や、この駆動パルスを受けて1秒毎に指針を駆動するステップモーターや、ステップモーターの動きを指針に伝達する輪列機構等を備えている。
また、ムーブメント71は、図示しない電波受信用のアンテナを備えている。そして、受信した電波を用いて時刻調整等を行う機能を有している。
太陽電池9は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する機能を有する。そして、太陽電池9で変換された電気エネルギーは、ムーブメントの駆動等に利用される。
太陽電池9は、例えば、非単結晶シリコン薄膜にp型の不純物とn型の不純物とが選択的に導入され、さらにp型の非単結晶シリコン薄膜とn型の非単結晶シリコン薄膜との間に不純物濃度の低いi型の非単結晶シリコン薄膜を備えたpin構造を有している。
胴72には巻真パイプ76が嵌入・固定され、この巻真パイプ76内にはりゅうず77の軸部771が回転可能に挿入されている。
胴72とベゼル74とは、プラスチックパッキン78により固定され、ベゼル74とガラス板75とはプラスチックパッキン79により固定されている。
また、胴72に対し裏蓋73が嵌合(または螺合)されており、これらの接合部(シール部)83には、リング状のゴムパッキン(裏蓋パッキン)82が圧縮状態で介挿されている。この構成によりシール部83が液密に封止され、防水機能が得られる。
りゅうず77の軸部771の途中の外周には溝772が形成され、この溝772内にはリング状のゴムパッキン(りゅうずパッキン)81が嵌合されている。ゴムパッキン81は巻真パイプ76の内周面に密着し、該内周面と溝772の内面との間で圧縮される。この構成により、りゅうず77と巻真パイプ76との間が液密に封止され防水機能が得られる。なお、りゅうず77を回転操作したとき、ゴムパッキン81は軸部771と共に回転し、巻真パイプ76の内周面に密着しながら周方向に摺動する。
なお、上記の説明では、時計の一例として、ソーラー電波時計としての腕時計(携帯時計)を挙げて説明したが、本発明は、腕時計以外の携帯時計、置時計、掛け時計等の他の種類の時計にも同様に適用することができる。また、本発明は、ソーラー電波時計を除くソーラー時計や、ソーラー電波時計を除く電波時計等、いかなる時計にも適用することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記のようなものに限定されるものではない。
例えば、本発明の時計用文字板、時計では、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
また、ガラス繊維シートは、前述したような第1の領域、第2の領域、第3の領域以外の領域を有するものであってもよい。
また、前述した実施形態では、第3の領域は、ガラス繊維シートの面方向(主面方向)の全体に設けられているものとして説明したが、ガラス繊維シートの面方向の少なくとも一部に設けられていればよく、ガラス繊維シートの全面(主面全体)に設けられていなくてもよい。言い換えると、例えば、ガラス繊維シートは、面方向の一部に、厚さ方向の全体にわたって第1の膜および/または第2の膜が入り込んだ領域を有するものであってもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.時計用文字板の製造
(実施例1)
以下に示すような方法により、時計用文字板を製造した。
まず、ガラス繊維で構成されたガラス繊維シート、第1の膜および第2の膜を用意した。用意したガラス繊維シート、第1の膜、第2の膜は、いずれも、縦50cm×横50cmの大きさであった。
[ガラス繊維シート]
ガラス繊維シートとしては、約200本のガラス繊維が束ねられてなる繊維束が平織で織られた織組織で構成されたものを用意した。
ガラス繊維シートを構成するガラス繊維は、ソーダガラス(屈折率(絶対屈折率):1.56)で構成され、横断面形状が角部を有する略正六角形をなすものであり(図2参照)、その一辺の長さが3μm(横断面における最小長さ(最小幅)が5.2μm、最大長さ(最大幅)が6μm)であった。また、ガラス繊維シートの厚さは、140μm、面密度は220g/mであった。
[第1の膜]
第1の膜は、アクリル系樹脂(アクリル系粘着剤)で構成された第1の部位(第1の層)と、ポリカーボネート(屈折率(絶対屈折率):1.58)で構成された第2の部位(第2の層)とを有する積層体として製造した。第1の膜の厚さ(総厚)は170μmであり、第1の部位の厚さは5μm、第2の部位の厚さは165μmであった。また、第1の膜についての可視光の透過率は90%以上であった。また、第2の部位(第2の層)は、上記のガラス繊維シートよりも剛性の高いものであり、第1の膜全体としての剛性も、上記ガラス繊維シートの剛性より高かった。
[第2の膜]
第2の膜は、アクリル系樹脂(アクリル系粘着剤)で構成された第1の部位(第1の層)と、ポリカーボネート(屈折率(絶対屈折率):1.58)で構成された第2の部位(第2の層)とを有する積層体として製造した。第2の膜の厚さ(総厚)は190μmであり、第1の部位の厚さは5μm、第2の部位の厚さは185μmであった。また、第2の膜についての可視光の透過率は90%以上であった。また、第2の部位(第2の層)は、上記のガラス繊維シートよりも剛性の高いものであり、第2の膜全体としての剛性も、上記ガラス繊維シートの剛性より高かった。
[第1の膜、ガラス繊維シート、第2の膜の接合]
次に、表面が平坦な台の上において、上記の第1の膜、ガラス繊維シート、第2の膜をこの順で重ね合わせた。この際、第1の膜は、第1の部位がガラス繊維シート接触するように配置した。また、第2の膜は、第1の部位がガラス繊維シート接触するように配置した。
次に、第1の膜、ガラス繊維シート、第2の膜を重ね合わせたものを、これらの面方向に垂直な方向に、圧力:0.3MPaの力で押圧した。この押圧は、室温で行い、加熱は行わなかった。これにより、第1の膜の一部(第1の部位の一部)がガラス繊維シートの内部に入り込み第1の領域を形成するとともに、第2の膜の一部(第1の部位の一部)がガラス繊維シートの内部に入り込み第2の領域を形成した。形成された第1の領域の厚さは2.5μm、第2の領域の厚さは2.5μmであった。また、ガラス繊維シートのうち第1の膜、第2の膜のいずれもが入り込んでいない第3の領域の厚さは135μmであった。
その後、第1の膜、ガラス繊維シート、第2の膜の接合体から、打ち抜き成形を行い、略楕円形状の時計用文字板を多数個製造した。得られた時計用文字板は、平面視した際の形状が、短軸方向の長さ:40mm、長軸方向の長さ:55mmの略楕円形状のものであった。
(実施例2)
第1の膜および第2の膜としてポリカーボネート単体で構成されたもの(積層体ではない)を用い、第1の膜、ガラス繊維シート、第2の膜を重ね合わせたものを押圧する際の温度を180℃、圧力を1.3MPaとした以外は、前記実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。
(実施例3〜14)
ガラス繊維シート、第1の膜、第2の膜の構成を表1、表2に示すようにするとともに、第1の膜、ガラス繊維シート、第2の膜との接合を行う工程(接合工程)における圧力、温度条件を表1、表2に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。
(実施例15)
第1の膜として、アクリル系樹脂(アクリル系粘着剤)で構成された層と、ポリカーボネート(屈折率(絶対屈折率):1.58)で構成された層と、ウレタン系樹脂および白色顔料との混合物で構成された層(着色層)とが、この順で積層された積層体を用いた以外は、前記実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。
(比較例1)
第1の膜、第2の膜で被覆せずに、ガラス繊維シートを打ち抜き成形した以外は、前記実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。
(比較例2)
第1の膜を設けずに、ガラス繊維シートと第2の膜との接合体を製造し、この接合体を打ち抜き成形した以外は、前記実施例2と同様にして時計用文字板を製造した。
(比較例3)
第2の膜を設けずに、ガラス繊維シートと第1の膜との接合体を製造し、この接合体を打ち抜き成形した以外は、前記実施例2と同様にして時計用文字板を製造した。
(比較例4)
まず、前記実施例1で用いたのと同様なガラス繊維シートを用意した。
次に、このガラス繊維シートに、ウレタン系樹脂の溶液(溶媒:シンナー)を含浸させた。その後、含浸指せた溶液から溶媒を除去することにより、ガラス繊維シートの空隙に実質的に完全にウレタン系樹脂が充填された板状部材を得た。その後、この板状部材を前記実施例1と同様にして打ち抜き成形することにより、時計用文字板を得た。
(比較例5)
前記ガラス繊維シートを構成するガラス繊維として、横断面が直径6μmの円形をなすものを用いた以外は、前記実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。
各実施例および各比較例について、時計用文字板の構成、および接合工程での条件を表1、表2にまとめて示す。なお、表1、表2中、ポリカーボネートをPC、アクリル系樹脂(アクリル系粘着剤)をPMMA、ポリエチレンテレフタレートをPET、ウレタン系樹脂をPU、白色顔料をPIGで示した。また、表1、表2中には、ガラス繊維の横断面における絶対最大長さをL[μm]、前記横断面の面積をS[μm]としたときに、X=(L/S)*(π/4)で示されるXの値もあわせて示した。
Figure 0004910681
Figure 0004910681
2.時計用文字板の外観評価
前記各実施例および各比較例で製造した各時計用文字板について、目視および顕微鏡による観察を行い、これらの外観を以下の4段階の基準に従い、評価した。
◎◎:外観がきわめて優れている。
◎:外観が優れている。
○:外観が良好である。
△:外観がやや不良である。
×:外観が不良である。
3.形状の安定性評価
前記各実施例および各比較例の各時計用文字板について、以下のような方法により、形状の安定性を評価した。
各実施例および各比較例の時計用文字板について、長軸方向の一方の端部から4mmの部位(固定部)を固定し、固定部から50mmの位置(長軸方向の他方の端部)でのたわみ量(自重によるたわみ量)を測定し、以下の5段階の基準に従い、評価した。たわみ量が小さいほど、形状の安定性に優れているといえる。
◎◎:たわみ量が0.6μm未満。
◎:たわみ量が0.6μm以上0.8μm未満。
○:たわみ量が0.8μm以上1.8μm未満。
△:たわみ量が1.8μm以上4.0μm未満。
×:たわみ量が4.0μm以上。
4.膜(第1の膜、第2の膜)の密着性評価
前記各実施例および各比較例で製造した各時計用文字板について、以下に示すような2種の試験を行い、膜(第1の膜、第2の膜)の密着性を評価した。
4−1.折り曲げ試験
各時計用文字板について、直径3mmの鉄製の棒材を支点とし、時計用文字板の中心を基準に90°の折り曲げを行った後、時計用文字板の外観を目視により観察し、これらの外観を以下の4段階の基準に従い、評価した。折り曲げは、圧縮/引っ張りの両方向について行った。
◎:膜の浮き、剥がれ等が全く認められない。
○:膜の浮きがほとんど認められない。
△:膜の浮きがはっきりと認められる。
×:膜のひび割れ、剥離がはっきりと認められる。
4−2.熱サイクル試験
各時計用文字板を、以下のような熱サイクル試験に供した。
まず、時計用文字板を、20℃の環境下に1.5時間、次いで、70℃の環境下に3時間、次いで、20℃の環境下に1.5時間、次いで、−30℃の環境下に3時間静置した。その後、再び、環境温度を20℃に戻し、これを1サイクル(9時間)とし、このサイクルを合計5回繰り返した(合計45時間)。
その後、時計用文字板の外観を目視により観察し、これらの外観を以下の4段階の基準に従い、評価した。
◎:膜の浮き、剥がれ、および、時計用文字板の変形等が全く認められない。
○:膜の浮き、および、時計用文字板の変形がほとんど認められない。
△:膜の浮きがはっきりと認められる。
×:膜のひび割れ、剥離がはっきりと認められる。または、時計用文字板の変形がはっきりと認められる。
5.印刷についての評価
前記各実施例および各比較例で製造した各時計用文字板について、その表面(第2の膜を有するものについては第2の膜が形成された面側)に対して印刷を行い、以下の4段階の基準に従い、評価した。
◎:良好な印刷ができ、印刷部にかすれ等の問題が全くない。
○:印刷ができ、印刷部にかすれなどの問題がほとんど無い。
△:形成された印刷部にわずかに密着不良が認められる。
×:形成された印刷部に明らかな密着不良が認められる。
6.植字の貼着についての評価
前記各実施例および各比較例で製造した各時計用文字板について、その表面(第2の膜を有するものについては第2の膜が形成された面側)に対して植字の貼着を行い、以下の4段階の基準に従い、評価した。
◎:植字の貼着を容易に行うことができ、貼着した植字の密着性も非常に優れている

○:植字の貼着を容易に行うことができるが、貼着した植字の密着性がやや劣る。
△:植字の貼着を容易に行うことができるが、貼着した植字の密着性が劣る。
×:植字の貼着の操作性に劣るとともに、貼着した植字の密着性も劣っている。
7.時計用文字板の光透過性評価
前記各実施例および各比較例で製造した各時計用文字板について、以下のような方法により、光透過性を評価した。
まず、太陽電池と各時計用文字板とを暗室にいれた。その後、太陽電池単体でその受光面に対し、所定距離離間した蛍光灯(光源)からの光を入射させた。この際、太陽電池の発電電流をA[mA]とした。次に、前記太陽電池の受光面の上面に時計用文字板を重ね合わせた状態で、前記と同様に所定距離離間した蛍光灯(光源)からの光を入射させた。この状態での、太陽電池の発電電流をB[mA]とした。そして、(B/A)×100で表される時計用文字板の光透過率を算出し、以下の4段階の基準に従い、評価した。時計用文字板の光透過率が大きいほど、時計用文字板の光透過性は優れたものであるといえる。
◎:32%以上。
○:25%以上32%未満。
△:17%以上25%未満。
×:17%未満。
その後、前記各実施例および各比較例で製造した時計用文字板を用いて、図4に示すような腕時計を製造した。なお、このとき、時計用文字板は、第2の膜が設けられた面(植字が貼着された面)側が外表面側となるようにして配置した。そして、製造された各腕時計を暗室にいれた。その後、時計の時計用文字板側の面(ガラス板側の面)から、所定距離離間した蛍光灯(光源)からの光を入射させた。この際、光の照射強度が次第に大きくなるように照射強度を一定の速度で変化させた。その結果、本発明の時計では、比較的照射強度が小さい場合でもムーブメントが駆動した。
8.電波透過性の評価
前記各実施例および各比較例で製造した各時計用文字板について、以下に示すような方法で電波透過性を評価した。
まず、時計ケースと、電波受信用のアンテナを備えた腕時計用内部モジュール(ムーブメント)とを用意した。
次に、時計ケース内に、腕時計用内部モジュール(ムーブメント)および、時計用文字板を組み込み、この状態での電波の受信感度を測定した。
時計用文字板を組み込まない状態での受信感度を基準とし、時計用文字板を組み込んだ場合における受信感度の低下量(dB)を以下の4段階の基準に従い、評価した。電波の受信感度の低下が低いものほど、時計用文字板の電波透過性は優れたものであるといえる。
◎:感度の低下が認められない(検出限界以下)。
○:感度の低下が0.7dB未満で認められる。
△:感度の低下が0.7dB以上1.0dB未満。
×:感度の低下が1.0dB以上。
これらの結果を表3に示す。
Figure 0004910681
表3から明らかなように、本発明の時計用文字板は、優れた美的外観を有するとともに、膜の密着性、形状の安定性にも優れており、優れた耐久性を示した。また、本発明の時計用文字板は、いずれも電磁波(光、電波)の透過性に優れていた。これに対し、比較例では、満足な結果が得られなかった。
また、各実施例および各比較例で得られた時計用文字板を用いて、図4に示すような時計を組み立てた。このようにして得られた各時計について、上記と同様の試験、評価を行ったところ、上記と同様の結果が得られた。
本発明の時計用文字板の好適な実施形態を模式的に示す断面図である。 図1に示す時計用文字板を構成するガラス繊維の横断面形状を模式的に示す図である。 時計用文字板を構成するガラス繊維の横断面形状の他の例を模式的に示す図である。 本発明の時計(携帯時計)の好適な実施形態を示す部分断面図である。
符号の説明
1…時計用文字板 2…ガラス繊維シート 21…第1の面 22…第2の面 23…第1の領域 24…第2の領域 25…第3の領域 26…ガラス繊維 3…第1の膜 4…第2の膜 9…太陽電池 71…ムーブメント 72…胴(ケース) 73…裏蓋 74…ベゼル(縁) 75…ガラス板(カバーガラス) 76…巻真パイプ 77…りゅうず 771…軸部 772…溝 78…プラスチックパッキン 79…プラスチックパッキン 81…ゴムパッキン(りゅうずパッキン) 82…ゴムパッキン(裏蓋パッキン) 83…接合部(シール部) 100…腕時計(携帯時計)

Claims (14)

  1. 主としてガラス繊維で構成されたガラス繊維シートと、
    前記ガラス繊維シートの一方の主面である第1の面側に設けられた第1の膜と、
    前記ガラス繊維シートの他方の主面である第2の面側に設けられた第2の膜とを有し、
    前記ガラス繊維は、その横断面が角部を有するものであり、
    前記ガラス繊維シートは、前記第1の面の表面付近に設けられ、前記第1の膜の少なくとも一部が入り込んだ第1の領域と、前記第2の面の表面付近に設けられ、前記第2の膜の少なくとも一部が入り込んだ第2の領域と、前記第1の領域と前記第2の領域との間に設けられ、前記第1の膜および前記第2の膜が入り込んでいない第3の領域とを有するものであることを特徴とする時計用文字板。
  2. 前記ガラス繊維の横断面における絶対最大長さをL[μm]、前記横断面の面積をS[μm]としたときに、下記式(I)で示されるXの値が、1.10〜2.80である請求項1に記載の時計用文字板。
    X=(L/S)*(π/4) ・・・(I)
  3. 前記ガラス繊維は、その横断面が略多角形状をなすものである請求項1または2に記載の時計用文字板。
  4. 前記第1の膜の厚さは、50〜400μmである請求項1ないしのいずれかに記載の時計用文字板。
  5. 前記第1の膜は、前記ガラス繊維シートに入り込む領域である第1の部位が、粘接着剤成分を含む材料で構成されたものであり、かつ、当該第1の部位よりも外表面側の領域である第2の部位が、ポリカーボネート(PC)、アクリル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)から選択される少なくとも1種を含む材料で構成されたものである請求項1ないしのいずれかに記載の時計用文字板。
  6. 前記第2の膜の厚さは、50〜400μmである請求項1ないしのいずれかに記載の時計用文字板。
  7. 前記第2の膜は、前記ガラス繊維シートに入り込む領域である第1の部位が、粘接着剤成分を含む材料で構成されたものであり、かつ、当該第1の部位よりも外表面側の領域である第2の部位が、ポリカーボネート(PC)、アクリル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)から選択される少なくとも1種を含む材料で構成されたものである請求項1ないしのいずれかに記載の時計用文字板。
  8. 前記ガラス繊維シートの厚さは、10〜300μmである請求項1ないしのいずれかに記載の時計用文字板。
  9. 前記ガラス繊維の太さは、1〜20μmである請求項1ないしのいずれかに記載の時計用文字板。
  10. 前記ガラス繊維シートの面密度は、20〜500g/mである請求項1ないしのいずれかに記載の時計用文字板。
  11. 前記第1の領域の厚さは、0.1〜50μmである請求項1ないし10のいずれかに記載の時計用文字板。
  12. 前記第2の領域の厚さは、0.1〜50μmである請求項1ないし11のいずれかに記載の時計用文字板。
  13. 前記第3の領域の厚さは、3〜250μmである請求項1ないし12のいずれかに記載の時計用文字板。
  14. 請求項1ないし13のいずれかに記載の時計用文字板を備えたことを特徴とする時計。
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