JP2008128848A - 時計用文字板、時計用文字板の製造方法、時計、および装飾用化粧板 - Google Patents

時計用文字板、時計用文字板の製造方法、時計、および装飾用化粧板 Download PDF

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Abstract

【課題】光の透過性に優れるとともに、優れた美的外観を備えた時計用文字板を提供すること、また、前記時計用文字板を備えた時計を提供することにある。
【解決手段】時計用文字板1Aは、複数枚の透明フィルムを有する積層体2Aで構成されたものであって、透明フィルムは光透過性を有する樹脂材料で構成されたものであり、積層体2Aは、第1の透明フィルム11と、第1の透明フィルム11よりも屈折率の低い第2の透明フィルム12とを有するものであり、第1の透明フィルム11の屈折率n11、第2の透明フィルム12の屈折率n12との比n11/n12は、1.03〜1.18であり、積層体2Aは、第1の透明フィルム11と第2の透明フィルム12とが、交互に積層されたものであり、積層体中、第1の透明フィルム11と第2の透明フィルム12との合計枚数が、100〜250であることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、時計用文字板、時計用文字板の製造方法、時計、および装飾用化粧板に関する。
ソーラー時計(太陽電池を備えた時計)用の文字板では、太陽電池が十分な起電力を発生するのに十分な光量の光を透過させる機能(光透過性)が求められる。このため、従来から、ソーラー時計用文字板としては、透明性の高いプラスチック製の部材が用いられてきた。ところが、プラスチック製の時計用文字板を用いたソーラー時計では、太陽電池が目立ってしまい、美的外観に劣るものであった。この問題を解決するため、時計用文字板を構成するプラスチック材料中に、ガラス質の拡散剤を分散させたり、表面を粗面化することで、文字板に入射する光を散乱させることにより、文字板自体が白色化するのを利用して、太陽電池を目立たなくさせる試みがある。(例えば、特許文献1)
しかしながら、このような構成を備えた時計用文字板は、文字板の下部に配置された太陽電池の存在を十分に目立たないようにすることができず、満足できる美的外観を備えたものではなかった。また、太陽電池を、十分に目立たなくさせるためには、文字板を構成するプラスチック中の拡散剤の含有量を多くする必要がある。このような場合には、時計用文字板を透過させて、太陽電池に十分な光量の光を照射することができず、十分な起電力を発生させることができなかった。
特開2005−189201号公報
本発明の目的は、光の透過性に優れるとともに、優れた美的外観を備えた時計用文字板を提供すること、また、前記時計用文字板を製造することができる時計用文字板の製造方法を提供すること、また、前記時計用文字板を備えた時計を提供すること、また、光の透過性に優れるとともに、優れた美的外観を有する装飾用化粧板を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の時計用文字板は、複数枚の透明フィルムを有する積層体で構成された時計用文字板であって、
前記積層体は、屈折率の異なる複数種の前記透明フィルムを有するものであり、
前記透明フィルムは、光透過性を有する樹脂材料で構成されたものであり、
前記積層体中、隣り合う前記透明フィルムは屈折率が異なり、かつ、
隣り合う前記透明フィルムのうち、大きい屈折率を有する透明フィルムAの屈折率をn、小さい屈折率を有する透明フィルムBの屈折率をnとしたとき、透明フィルムAと透明フィルムBとの屈折率の比n/nは、1.03〜1.18であり、
前記積層体は、100〜250枚の前記透明フィルムを有するものであることを特徴とする。
これにより、光の透過性に優れるとともに、優れた美的外観を備えた時計用文字板を提供することができる。
本発明の時計用文字板は、複数枚の透明フィルムを有する積層体で構成された時計用文字板であって、
前記透明フィルムは、光透過性を有する樹脂材料で構成されたものであり、
前記積層体は、前記透明フィルムとして、第1の透明フィルムと、第1の透明フィルムよりも屈折率の低い第2の透明フィルムとを有するものであり、
前記第1の透明フィルムの屈折率をn、前記第2の透明フィルムの屈折率をnとしたとき、第1の透明フィルムと第2の透明フィルムとの屈折率の比n/nは、1.03〜1.18であり、
前記積層体は、前記第1の透明フィルムと、前記第2の透明フィルムとが、交互に積層されたものであり、
前記積層体中、前記第1の透明フィルムと、前記第2の透明フィルムとの合計枚数が、100〜250であることを特徴とする。
これにより、光の透過性に優れるとともに、優れた美的外観を備えた時計用文字板を提供することができる。
本発明の時計用文字板では、前記透明フィルムを構成する樹脂材料の絶対屈折率は、1.4〜1.7であることが好ましい。
これにより、光の透過性を十分に高いものとしつつ、時計用文字板としての美的外観を特に優れたものとすることができる。
本発明の時計用文字板では、前記透明フィルムの平均厚さは、0.5〜20μmであることが好ましい。
これにより、光の透過性を十分に高いものとしつつ、時計用文字板としての美的外観を特に優れたものとすることができる。
本発明の時計用文字板では、前記透明フィルムとして、ポリエチレンテレフタレートを含む材料で構成されたものと、ポリプロピレンを含む材料で構成されたものとを含んでいることが好ましい。
これにより、光の透過性を十分に高いものとしつつ、時計用文字板としての耐久性、および美的外観を特に優れたものとすることができる。
本発明の時計用文字板では、着色剤を含む材料で構成された着色フィルムを、前記積層体を構成する前記透明フィルム間に含むことが好ましい。
これにより、時計用文字板の美的外観をさらに優れたものとすることができる。
本発明の時計用文字板では、着色剤を含む材料で構成された着色フィルムを、前記積層体の、外光が入射する側の第1の面側とは反対の第2の面側に配したことが好ましい。
これにより、時計用文字板の美的外観をさらに優れたものとすることができる。
本発明の時計用文字板では、入射した光を拡散する機能を有する拡散フィルムを、前記積層体を構成する前記透明フィルム間に含むことが好ましい。
これにより、時計用文字板の美的外観をさらに優れたものとすることができる。
本発明の時計用文字板では、入射した光を拡散する機能を有する拡散フィルムを、前記積層体の、外光が入射する側の第1の面側とは反対の第2の面側に配したことが好ましい。
これにより、時計用文字板の美的外観をさらに優れたものとすることができる。
本発明の時計用文字板では、前記積層体の法線方向から入射した光の透過率は、20〜50%であることが好ましい。
これにより、ソーラー時計用の時計用文字板として、より好適に用いることができる。
本発明の時計用文字板の製造方法は、複数枚の透明フィルムを有する積層体で構成された時計用文字板を製造する方法であって、
前記積層体は、前記透明フィルムとして、光透過性を有する樹脂材料Xで構成された第1の透明フィルムと、樹脂材料Xよりも屈折率が低い光透過性を有する樹脂材料Yで構成された第2の透明フィルムとを有するものであり、
前記樹脂材料Xの屈折率をn、前記樹脂材料Yの屈折率をnとしたとき、樹脂材料Xと樹脂材料Yとの屈折率の比n/nは、1.03〜1.18であり、
前記積層体は、前記第1の透明フィルムと前記第2の透明フィルムとを、合計で100〜250枚有するものであり、
前記第2の透明フィルムは、前記第1の透明フィルム上に、前記樹脂材料Yを構成する液体を、液滴吐出法を用いて吐出し、乾燥若しくは、熱や紫外線で硬化させて形成されたものであることを特徴とする。
これにより、光の透過性に優れるとともに、美的外観に優れた時計用文字板を製造することができる。
本発明の時計は、本発明の時計用文字板を備えたことを特徴とする。
これにより、美的外観に優れた時計を提供することができる。また、外部からの光を有効に利用することが可能な時計(例えば、ソーラー時計、ソーラー電波時計等)を提供することができる。
本発明の装飾用化粧板は、複数枚の透明フィルムを有する積層体で構成された装飾用化粧板であって、
前記透明フィルムは、光透過性を有する樹脂材料で構成されたものであり、
前記積層体は、前記透明フィルムとして、第1の透明フィルムと、第1の透明フィルムよりも屈折率の低い第2の透明フィルムとを有するものであり、
前記第1の透明フィルムの屈折率をn、前記第2の透明フィルムの屈折率をnとしたとき、第1の透明フィルムと第2の透明フィルムとの屈折率の比n/nは、1.03〜1.18であり、
前記積層体は、前記第1の透明フィルムと、前記第2の透明フィルムとが、交互に積層されたものであり、
前記積層体中、前記第1の透明フィルムと、前記第2の透明フィルムとの合計枚数が、100〜250であることを特徴とする。
これにより、光の透過性に優れるとともに、美的外観に優れた装飾用化粧板を提供することができる。
本発明によれば、光の透過性に優れるとともに、優れた美的外観を備えた時計用文字板を提供すること、また、前記時計用文字板を製造することができる時計用文字板の製造方法を提供すること、また、前記時計用文字板を備えた時計および装飾用化粧板を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
<時計用文字板(第1次実施形態)>
まず、本発明の時計用文字板、時計用文字板の製造方法の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の時計用文字板の第1次実施形態を示す断面図である。
本実施形態の時計用文字板1Aは、光透過性を有する樹脂材料で構成された、第1の透明フィルム11と、第1の透明フィルム11よりも屈折率の低い第2の透明フィルム12とが、交互に積層された積層体2Aで構成されている。以下の説明では、図中上側が光が入射する側、すなわち、観察者側となるようにして用いられるものとする。また、時計用文字板1Aを構成する積層体2Aの、光が入射する側の面を第1の面15、第1の面とは反対側の面を第2の面16として説明する。なお、後述する図2、図3、図4、図5についても同様とする。また、特に断りのない限り、本発明における屈折率とは、Na−Dランプ(光源波長:589.3nm)を用い、測定温度:20℃で測定される絶対屈折率を示す。
時計用文字板1Aを構成する積層体2Aは、光透過性を有する、第1の透明フィルム11と第2の透明フィルム12とで構成されたものであるため、外表面側から入射した光を好適に透過させることできる。また、積層体2Aを構成する第1の透明フィルム11、および第2の透明フィルム12、さらに積層体2Aの周囲に存在する空気は、それぞれ異なる屈折率を有している。そのため、積層体2A中、第1の透明フィルム11と第2の透明フィルム12との界面、および、第1の面15および第2の面16では、第1の面15側から入射した光を、第2の面16側へと透過させるとともに、入射光の一部を、第1の面15側へと反射する。これにより、例えば、時計用文字板1Aの第2の面16側に太陽電池を備えた時計では、太陽電池が、外表面側から目立ってしまうのを好適に防止することができる。さらに、時計用文字板1Aは、複数枚の第1の透明フィルム11と第2の透明フィルム12とが、交互に積層されたものであるため、積層体2A中には、第1の透明フィルム11と第2の透明フィルム12との界面が複数存在する。これらの界面、および第1の面15と第2の面16とで反射された光が重なり合うことによって、時計用文字板1Aは、真珠光沢のような優れた美的外観を備えたものとなる。
また、時計用文字板1Aを構成する積層体2A中、第1の透明フィルム11の屈折率をn11、第2の透明フィルム12の屈折率をn12としたとき、第1の透明フィルム11と第2の透明フィルム12との屈折率の比n11/n12は、1.03〜1.18であり、かつ、第1の透明フィルム11と第2の透明フィルム12との合計枚数は、100〜250である。一般に、屈折率の異なる材料で構成された2種類の光透過性フィルムを交互に積層すると、両フィルムの界面において、所定の割合で透過、反射が起こる。本発明者は、鋭意検討の結果、隣接する光透過性フィルムの屈折率の比、および積層枚数を上記のように規定することによって、光透過性を十分なものとしつつ、しっとりとした真珠光沢のような、優れた美的外観を備えた時計用文字板となる条件を見出した。すなわち、上記条件を満足する積層体2Aでは、第1の透明フィルム11と第2の透明フィルム12との界面での透過、および反射は好適なものとなるとともに、各界面で反射された光が、重なり合って、好適に第1の面15側に出射される。これにより、十分な光透過性を有するとともに、時計用文字板1Aは、しっとりとした真珠光沢のような、優れた美的外観を備えたものとなる。
上述したように、第1の透明フィルム11と第2の透明フィルム12との屈折率の比n11/n12は、1.03〜1.18であるが、この条件を満足しない積層体で構成された時計用文字板では、上記のような効果を得ることができない。すなわち、第1の透明フィルム11と第2の透明フィルム12との屈折率の比n11/n12が上記範囲の下限値よりも小さい場合、第1の透明フィルムと第2の透明フィルムとの界面で反射される光の光量が少なくなってしまう。したがって、このような第1の透明フィルムと第2の透明フィルムとで構成される時計用文字板の第2の面側に太陽電池を備えた時計では、太陽電池の存在が目立つものとなってしまい、美的外観に劣るものとなってしまう。また、太陽電池の存在を目立たなくさせるために、両透明フィルムの積層枚数を、上述した範囲よりも多くすることも考えられるが、このような時計用文字板では、白色度が高くなり過ぎてしまい、光透過性が極端に悪化するとともに、時計用文字板1Aに比べ、美的外観の劣ったものとなってしまう。一方、第1の透明フィルム11と第2の透明フィルム12との屈折率の比n11/n12が上記範囲の上限値よりも大きい場合には、第1の透明フィルムと第2の透明フィルムとの界面で反射される光の光量は十分に確保されるが、界面を透過する光成分が減少してしまう。したがって、このような第1の透明フィルムと第2の透明フィルムとで構成される時計用文字板は、ソーラー時計用の文字板として好適に用いることが困難である。また、このような第1の透明フィルムと第2の透明フィルムとで構成される時計用文字板では、時計用文字板1Aが備える真珠光沢のような美的外観を表現し難くなってしまう。これは、このような光沢観が、時計用文字板1Aを構成する積層体2A中における、各界面の反射率と、界面の数とが相乗的に作用し、発現されるものであるためと考えられる。
また、上述したように、時計用文字板1Aを構成する積層体2A中、交互に積層された第1の透明フィルム11と第2の透明フィルム12との合計枚数は、100〜250であるが、この条件を満足しない積層体で構成された時計用文字板でも、上記のような効果を得ることができない。すなわち、時計用文字板中の、透明フィルムの積層数が、上記範囲の下限値よりも少ない場合、時計用文字板は十分な光透過性を有するものとなるが、第1の透明フィルムと第2の透明フィルムとの界面で起こる反射現象の回数が、時計用文字板1Aに比べ少なくなってしまう結果、真珠光沢のような美的外観を得ることができなくなってしまう。また、このような時計用文字板をソーラー時計用文字板として用いた場合には、太陽電池が目立ってしまい、十分に満足できる美的外観を得ることができない。一方、透明フィルムの積層数が、上記範囲の上限値よりも多い場合、外表面側から入射した光を反射する面が増える結果、時計用文字板を通して、第2の面側へと透過する光の量が少なくなってしまう。このため、ソーラー時計用の文字板として、このような時計用文字板を好適に用いることは困難である。
このように、時計用文字板1Aは、時計用文字板1Aを構成する積層体2A中、第1の透明フィルム11と第2の透明フィルム12との屈折率の比n11/n12が、1.03〜1.18であり、かつ、第1の透明フィルム11と第2の透明フィルム12との合計枚数が、100〜250であるものであるが、このような条件を満足するものの中でも、上記n11/n12が、1.03〜1.10である場合には、第1の透明フィルム11と第2の透明フィルム12との合計積層枚数は、150〜250枚であるのが好ましい。これにより、第1の透明フィルムと第2の透明フィルムとの界面で起こる反射現象の回数をより多くすることができ、時計用文字板1Aは、よりしっとりとした真珠光沢のような、優れた美的外観を備えたものとなる。また、上記n11/n12が、1.11〜1.18である場合には、第1の透明フィルム11と第2の透明フィルム12との合計積層枚数は、100〜150枚であるのが好ましい。これにより、上記のように、第1の透明フィルム11と第2の透明フィルム12との積層枚数を、比較的少なくしても、時計用文字板1Aの光透過性、および美的外観は優れたものとなるため、生産性の向上を図ることができる。
[第1の透明フィルム]
時計用文字板1Aを構成する積層体2Aは、上述したように、光透過性を有する樹脂材料で構成された第1の透明フィルム11を複数枚有するものである。
このような第1の透明フィルム11は、第1の透明フィルム11に対して垂直に入射した可視光(波長:380〜780nm)の透過率が、90%以上であるのが好ましい。これにより、時計用文字板1Aの光透過率をさらに優れたものとすることができる。また、例えば、時計用文字板1Aの第2の面16側に太陽電池を備えた時計では、太陽電池に十分な光量の光を照射することができ、ソーラー時計や、ソーラー電波時計として、実用上、十分な起電力を発生させることができる。
また、第1の透明フィルム11を構成する樹脂材料の屈折率n11は、1.45〜1.70であることが好ましく、1.48〜1.68であるのがより好ましく、1.50〜1.66であるのがさらに好ましい。これにより、第1の透明フィルム11と第2の透明フィルム12との界面において、入射光を好適に反射、透過させることができる。これにより、光透過性を十分に高いものとしつつ、時計用文字板1Aの美的外観を特に優れたものとすることができる。
また、第1の透明フィルム11の1枚当たりの平均厚さは、0.5〜20μmであるのが好ましく、0.8〜10μmであるのがより好ましく、1〜8μmであるのがさらに好ましい。両透明フィルムの平均厚さが前記範囲内の値であると、時計用文字板1A全体としての光透過性を十分に高いものとしつつ、美的外観を特に優れたものとすることができる。さらには、多数積層しても、全体厚みを薄く作ることができる。
また、第1の透明フィルム11を構成する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル−ブタジエンースチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、ブレンド樹脂、ポリマーアロイ等として)用いることができる。
この中でも、第1の透明フィルム11は、ポリエチレンテレフタレート(PET)で構成されたものであることが好ましい。PETは光透過性に優れた材料である。このため、PETで構成された第1の透明フィルム11を備えた時計用文字板1Aは、光透過性に優れたものとなる。また、PETは、強度の高い材料であるとともに、耐熱性に優れているという特性を持っている。このため、積層体2A全体としての強度が高くなるとともに、PETで構成された第1の透明フィルム11と後述するような第2の透明フィルム12との密着性が高まり、積層体2A中において、外部から熱が加わっても、剥離現象が起こるのを好適に防止することができる。これにより、時計用文字板1Aの耐久性をさらに優れたものとすることができる。また、PETは、各種プラスチック材料の中でも比較的安価で、時計用文字板1Aの生産コストのさらなる低減に寄与することができる。
なお、第1の透明フィルム11は上記に挙げた材料以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、可塑剤、酸化防止剤、光沢剤、フィラー等が挙げられる。
また、第1の透明フィルム11は、第1の透明フィルム11全体として、上述したような条件を満足するものであればいかなるものであってもよく、フィルム全体が均一な屈折率分布を有するものであってもよいし、フィルム内に異なる屈折率の領域を有するものであってもよい。例えば、フィルムの厚さ方向で、傾斜的に屈折率が変化するものであってもよいし、屈折率の異なる複数の層からなる積層体であってもよい。
また、積層体2Aを構成する複数の第1の透明フィルム11は、互いに同じ材料で構成されたものであってもよいし、異なるものであってもよい。
また、第1の透明フィルム11の形状、大きさは、特に限定されず、通常、時計用文字板1Aの形状、大きさに基づいて決定される。
また第1の透明フィルム11はいかなる方法で成形されたものであってもよいが、これらの透明フィルムの成形方法としては、例えば、液滴吐出法を用いたフィルム成形、ロール延伸成形、塗布成形、スピンキャスト成形等が挙げられる。
[第2の透明フィルム]
時計用文字板1Aを構成する積層体2Aは、上述したように、光透過性を有する樹脂材料で構成された第2の透明フィルム12を複数枚有するものである。
このような第2の透明フィルム12は、第2の透明フィルム12に対して垂直に入射した可視光(波長:380〜780nm)の透過率が、90%以上であるのが好ましい。これにより、時計用文字板1Aの光透過率をさらに優れたものとすることができる。また、例えば、時計用文字板1Aの第2の面16側に太陽電池を備えた時計では、太陽電池に十分な光量の光を照射することができ、ソーラー時計や、ソーラー電波時計として、実用上、十分な起電力を発生させることができる。
また、第2の透明フィルム12を構成する樹脂材料の屈折率n12は、1.40〜1.55であることが好ましく、1.43〜1.54であるのがより好ましく、1.45〜1.53であるのがさらに好ましい。これにより、第1の透明フィルム11と第2の透明フィルム12との界面において、入射光を好適に反射、透過させることができる。これにより、光透過性を十分に高いものとしつつ、時計用文字板1Aの美的外観を特に優れたものとすることができる。
また、第2の透明フィルム12の1枚当たりの平均厚さは、0.5〜20μmであるのが好ましく、0.8〜10μmであるのがより好ましく、1〜8μmであるのがさらに好ましい。両透明フィルムの平均厚さが前記範囲内の値であると、時計用文字板1A全体としての光透過性を十分に高いものとしつつ、美的外観を特に優れたものとすることができる。さらには、多数積層しても、全体厚みを薄く作ることができる。
また、第2の透明フィルム12を構成する材料としては、例えば、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル−ブタジエンースチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンナフサレート(PEN)等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、ブレンド樹脂、ポリマーアロイ等として)用いることができる。
この中でも、第2の透明フィルム12は、ポリプロピレン(PP)で構成されたものであることが好ましい。PPは上述したような材料の中でも、特に高強度(高硬度)の材料である。このため、PPで構成された第2の透明フィルム12を備えた時計用文字板1Aは、耐久性が特に優れたものとなる。また、前述したPETと同様に、PPも、各種プラスチック材料の中でも比較的安価で、時計用文字板1Aの生産コストのさらなる低減に寄与することができる。また、特に、第2の透明フィルム12を構成する材料がPPであり、かつ、第1の透明フィルム11を構成する材料がポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた場合においては、PETで構成された第1の透明フィルム11とPPで構成された第2の透明フィルム12とが交互に積層されることにより、PETの特性である、高強度、高耐熱性が反映される。これにより、積層体2A中、隣り合う第1の透明フィルム11と第2の透明フィルム12との間で剥離が起こるのを、長期間に渡って効果的に防止することができる。さらに、第1の透明フィルム11と第2の透明フィルム12とがこのような材料で構成された積層体2Aでは、硬度の高いPPを、PPよりも硬度の低いPETで挟み込む構成を有している。これにより、積層体2Aでは、PPで構成された透明フィルムのみで構成された積層体では得られなかったような、高靭性を備えたものとなる。これにより、時計製造時などにおいて、このような時計用文字板1Aを、時計に組み込む際に、時計用文字板1Aの周囲が欠けたり、割れたりするのを好適に防止することができる。
なお、第2の透明フィルム12は上記に挙げた材料以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、可塑剤、酸化防止剤、光沢剤、フィラー等が挙げられる。
また、第2の透明フィルム12は、第2の透明フィルム12全体として、上述したような条件を満足するものであればいかなるものであってもよく、フィルム全体が均一な屈折率分布を有するものであってもよいし、フィルム内に異なる屈折率の領域を有するものであってもよい。例えば、フィルムの厚さ方向で、傾斜的に屈折率が変化するものであってもよいし、屈折率の異なる複数の層からなる積層体であってもよい。
また、積層体2Aを構成する複数の第2の透明フィルム12は、互いに同じ材料で構成されたものであってもよいし、異なるものであってもよい。
また、第2の透明フィルム12の形状、大きさは、特に限定されず、通常、時計用文字板1Aの形状、大きさに基づいて決定される。
また、第2の透明フィルム12はいかなる方法で成形されたものであってもよいが、これらの透明フィルムの成形方法としては、例えば、液滴吐出法を用いたフィルム成形、ロール延伸成形、塗布成形、スピンキャスト成形等が挙げられる。
また、上述したような構成を有する時計用文字板1Aは、時計用文字板1Aを構成する積層体の法線方向から入射した可視光(波長:380〜780nm)の透過率が、20〜50%であるのが好ましい。これにより、例えば、時計用文字板1Aの第2の面側に太陽電池を備えた時計では、太陽電池に十分な光量の光を照射することができ、ソーラー時計や、ソーラー電波時計として、実用上、十分な起電力を発生させることができる。
また、図1に示すように、時計用文字板1Aを構成する積層体2Aは、第1の面15、および第2の面16が、第1の透明フィルム11の表面であるように構成されたものであるが、第1の透明フィルム11の代わりに第2の透明フィルム12の表面が第1の面15、および第2の面16となるように構成されたものであってもよい。
次に上述した時計用文字板1Aの製造方法について説明する。
時計用文字板1Aの製造方法は、第1の透明フィルム11を準備する第1の透明フィルム準備工程と、第1の透明フィルム11上に、第2の透明フィルム12を構成する樹脂材料を有機溶剤で溶解させた液体(樹脂分散液)を、液滴吐出法を用いて吐出する液滴吐出工程と、吐出された樹脂分散液上に、第1の透明フィルム11を積層する第1の透明フィルム積層工程とを有しており、このような液滴吐出工程と第1の透明フィルム積層工程とを繰り返し、所望の枚数の第1の透明フィルム11と第2の透明フィルム12とを交互に、積層した積層体2A(時計用文字板1A)を得ることができる。
[第1の透明フィルム準備工程]
第1の透明フィルム11としては、前述したようなものを用いることができる。
このような第1の透明フィルム11としては、時計用文字板の形状に対応するものを用いてもよいが、以下の説明では、第1の透明フィルム11を構成する材料で構成されたシート状のフィルムを用意し、積層体を作製した後、時計用文字板の形状に打ち抜くものとして説明する。
[液滴吐出工程]
上記のシート状の第1の透明フィルム上に、前述したような第2の透明フィルム12を構成する樹脂材料を有機溶剤で溶解させた液体(樹脂分散液)を、該液体の貯留部と、圧電素子と、吐出部とからなるヘッドを備えた液滴吐出装置(いわゆる、インクジェット方式の液滴吐出装置)を用いて吐出する。
このような液滴吐出装置は、圧電素子を作動させることにより、上記の樹脂分散液を、ヘッドの吐出部より、微小な液滴として吐出する。このような装置を用いることにより、シート状の第1の透明フィルム上に、液滴(樹脂分散液)を均一に吐出させることができる。このような方法を用いて、第1の透明フィルム11上に形成される第2の透明フィルム12は、膜厚が均一なものとなり、時計用文字板1Aを構成する積層体2Aの外観は、光沢にムラのない優れたものとすることができる。また、上記方法を用いることにより、第2の透明フィルム12の膜厚を比較的薄いものであっても、バラツキのないものとすることができる。また、上記のような方法を用いることにより、一回の吐出工程で、シート全体に対して均一に上記樹脂分散液を吐出することができる。これにより、時計用文字板の生産性を高めることができる。また、ヘッドの圧電素子の作動条件、および吐出部の形状、大きさを調製することにより、第2の透明フィルム12の膜厚を正確に設計することができる。
また、後の工程の前に、吐出した樹脂分散液中に含まれる有機溶剤の一部を除去してもよい。これにより、第1のフィルム上において、樹脂分散液の流動性を制御することができるため、積層体2A中、第2の透明フィルム12の膜厚にバラツキがでるのを、より確実に防止することができる。
[第1の透明フィルム積層工程]
次に、上記のようにして吐出した樹脂分散液上に、シート状の第1の透明フィルムを積層する。
ここで、上記のようにして吐出した樹脂分散液は、積層するシート状の第1の透明フィルムに対しての接着剤と同じような効果を発現する。このため、上記のようにして吐出した樹脂分散液上に、シート状の第1の透明フィルムを重ねるだけで、簡単に積層することができるとともに、積層体2A中、第2の透明フィルム12と第1の透明フィルム11との密着性を特に優れたものとすることができる。
第1の透明フィルム積層工程後、上述した液滴吐出工程と第1の透明フィルム成膜工程とを繰り返し行うことにより、所望の枚数の第1の透明フィルムと第2の透明フィルムとが交互に積層された積層体を得た後、時計用文字板1Aの形状に型抜きすることにより、時計用文字板1Aを得ることができる。
上記の方法で形成された積層体2Aは、積層体2A中、第1の透明フィルム11と第2の透明フィルム12との密着性は優れたものとなり、時計用文字板1Aの耐久性は特に優れたものとなる。
また、図1に示すように、積層体2Aは、上述した液滴吐出工程と第1の透明フィルム積層工程とが繰り返され、最後は、第1の透明フィルム積層工程で終了し、第1の透明フィルムの外表面が第1の面15となるように構成されたものであるが、本実施形態の時計用文字板の製造方法は、これに限られるものではない。例えば、最終的に、第1の透明フィルムを、吐出された樹脂分散液上に重ねることなく、液滴吐出工程後、樹脂分散液中の有機溶剤を除去して終了し、第2の透明フィルムの外表面が第1の面15となるように時計用文字板を製造したものであってもよい。
また、上記の時計用文字板1Aの製造方法では、シート状の第1の透明フィルム上に、第2の透明フィルム12を構成する樹脂材料を有機溶剤で溶解させた液体を、液滴吐出装置を用いて吐出するものとして説明したが、第1の透明フィルムと第2の透明フィルムとが、逆の構成であってもよい。すなわち、シート状の第2の透明フィルム上に、第1の透明フィルム11を構成する樹脂材料を有機溶剤で溶解させた液体を、液滴吐出装置を用いて吐出する方法であってもよい。
また、液滴吐出工程で吐出された樹脂分散液上に、第1の透明フィルム11を積層する方法としては、上述したような第1の透明フィルム積層工程で説明した方法に限られるものではない。例えば、液滴吐出工程後、樹脂分散液中の有機溶剤を完全に除去し、固形化された第2の透明フィルム上に、光学接着剤(1液性の光硬化型接着剤など)を塗布してから、第1の透明フィルム11を接着させることにより積層させてもよい。
また、液滴吐出工程で第1の透明フィルム上に吐出した樹脂分散液中に含まれる有機溶剤は、第1の透明フィルム積層工程で除去されるものであってもよいし、積層体の形成途中、または、積層体を完成してから除去してもよい。また、このような有機溶剤の除去の方法としては、自然乾燥であってもよいし、熱処理を行って除去してもよい。
また、上記の時計用文字板1Aの製造方法では、第1の透明フィルム11上に、第2の透明フィルム12を構成する樹脂材料を有機溶剤で溶解させた樹脂分散液を、液滴吐出法を用いて吐出することによって、第2の透明フィルム12を形成する(液滴吐出工程)として説明したが、本実施形態の時計用文字板1Aの製造方法としては上記液滴吐出工程を有していなくてもよい。例えば、第2の透明フィルムとして、第1の透明フィルムと同様に、シート状のフィルムを用意し、このような、シート状の第1の透明フィルムと、同じくシート状の第2の透明フィルムとを、上記の光学接着剤を介して、交互に接着(積層)させ、このようなフィルムの積層体を得た後、時計用文字板1Aの形状に型抜きすることにより、時計用文字板1Aを製造することができる。
<時計用文字板(第2実施形態)>
次に、本発明の時計用文字板、時計用文字板の製造方法の第2実施形態について説明する。以下の説明では、前述した実施形態(第1実施形態)との違いを中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
図2は、本発明の時計用文字板の第2実施形態を示す断面図である。
本実施形態の時計用文字板1Bは、着色剤を含む着色フィルム13を積層体2B中に有している以外は、第1実施形態の時計用文字板1Aと同じ構成を有している。
このような着色フィルム13は、入射した光を透過させる機能と、入射した光の一部を着色剤により色のついた光(着色光)として反射する機能とを有している。このような着色フィルム13を、積層体2Bを構成するフィルムとして、前述した第1の透明フィルム11、および第2の透明フィルム12と同じように積層体中に含む時計用文字板1Bは、第1の透明フィルム11と第2の透明フィルム12とが交互に積層されることにより発現する真珠光沢のような美的外観に、着色フィルム13による色彩が加わったものとなる。これにより、時計用文字板1Bは、第1実施形態の時計用文字板1Aでは表現できなかったような色調を表現することができ、特に優れた美的外観を備えたものとなる。また、着色フィルム13の構成材料などを変更することにより、時計用文字板1Bの色彩を簡単に調整することができる。
また、時計用文字板1Bを構成する積層体2B中、着色フィルム13の外表面側には、第1の透明フィルム11と第2の透明フィルム12とがそれぞれ、1枚ずつ、もしくは複数枚ずつ積層されている。これにより、着色フィルム13で反射された着色光が、第1の面15側に反射される際、着色光は、着色フィルム13の第1の面側に配された第1の透明フィルム11、および第2の透明フィルム12を透過することにより、しっとりとした光沢感のある光となり、時計用文字板1Bの外観をさらに高級感溢れるものとすることができる。
また、時計用文字板1Bを構成する積層体2B中、透明フィルム11の積層枚数は、着色フィルム13で透過率が下がる分だけ積層数を減らして補正することが好ましい。これにより、光透過性に優れるとともに、時計用文字板1Bの外観をさらに高級感溢れるものとすることができる。特に、時計用文字板1Bを構成する積層体2B中、第1の面15に近い位置に積層すれば、するほど、着色フィルム13の色彩をより色濃く表現することができる。また、逆に、第2の面16に近い位置に積層すれば、するほど、着色フィルム13の色彩をより淡く表現することができる。このように、時計用文字板1Bを製造する際に、積層体2B中、着色フィルム13の積層する位置を変更することによって、好みの色調の時計用文字板1Bを製造することができる。
このような、着色フィルム13を構成する着色剤として、例えば、顔料、染料などが挙げられる。
また、着色フィルム13は、構成材料として、樹脂材料を含むものであるのが好ましい。これにより、時計用文字板1Bを構成する積層体2Bの強度を高くすることができ、結果として、時計用文字板1Bの耐久性を優れたものとすることができる。このような樹脂材料としては、例えば、上述したような、第1の透明フィルム11、および第2の透明フィルム12を構成する樹脂材料や、ウレタン系樹脂等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、ブレンド樹脂、ポリマーアロイ等として)用いることができる。
また、着色フィルム13の厚さは、特に限定されないが、構成上薄くて機能するものが望まれる。着色フィルム13の厚さが前記範囲内の値であると、着色フィルム13の両表面において、より好適に、光を透過、反射させることができ、光透過性に優れながらも、時計用文字板1Bの色調制御された装飾性(美的外観)を特に優れたものにすることができる。
次に、上述した時計用文字板1Bの製造方法について説明する。
時計用文字板1Bの製造方法は、第1の透明フィルム11を準備する第1の透明フィルム準備工程と、第1の透明フィルム11上に、第2の透明フィルム12を構成する樹脂材料を有機溶剤で溶解させた液体(樹脂分散液)を、液滴吐出法を用いて吐出する液滴吐出工程と、吐出された樹脂分散液上に、第1の透明フィルム11を積層する第1の透明フィルム積層工程と、液滴吐出工程と第1の透明フィルム積層工程とを繰り返し、積層体を形成する過程において、形成途中の積層体に上述したような着色フィルム13を積層する着色フィルム積層工程とを有している。すなわち、積層体のいずれかの位置に着色フィルムを積層した以外は、前述した第1実施形態と同様である。
[着色フィルム積層工程]
液滴吐出工程と第1の透明フィルム積層工程とを繰り返し、積層体を形成する過程において、液滴吐出工程後、上述したような第1の透明フィルムを積層するのと同様に、樹脂分散液上に着色フィルムを重ね、さらに着色フィルムの上側の面に光学接着剤(1液性の光硬化型接着剤など)を塗布してから、第1の透明フィルム11を積層することにより、積層体2B中、着色フィルム13と隣り合う透明フィルム11、および透明フィルム12との密着性を優れたものとすることができる。
また、第1の透明フィルム積層工程後に、着色フィルムを積層する際には、着色フィルムの形成途中の積層体とは対向する面に、上述したような光学接着剤を塗布し、第1の透明フィルムと、着色フィルムとを接着させ、その後、液滴吐出工程を行うことにより、積層体中、着色フィルム13と隣り合う透明フィルム11、および透明フィルム12との密着性を優れたものとすることができる。
また、上記の説明では、着色フィルムと第1の透明フィルムとの間には、光学接着剤を含むものとして説明したが、着色フィルム上に第1の透明フィルムを積層する方法は上記の方法に限られず、例えば、着色フィルム13を構成する材料として、第1の透明フィルム11、および第2の透明フィルム12のどちらよりも融点の低い材料を用いることにより、積層体に着色フィルム13を構成する樹脂材料の融点よりも高く、両透明フィルムを構成する材料の融点よりも低い温度で熱処理を行い、着色フィルムと第1の透明フィルムとを融着させて、積層させてもよい。
<時計用文字板(第3実施形態)>
次に、本発明の時計用文字板、時計用文字板の製造方法の第3実施形態について説明する。以下の説明では、前述した実施形態(第1実施形態、第2実施形態)との違いを中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
図3は、本発明の時計用文字板の第3実施形態を示す断面図である。
本実施形態の時計用文字板1Cは、積層体2C中に、入射した光を拡散する機能を有する拡散フィルム14を有している。以下、拡散フィルム14について説明する。
このような拡散フィルム14は、入射した光を透過させる機能と、入射した光の一部を散乱(拡散)させる機能を有している。このような拡散フィルム14を、積層体2Cを構成するフィルムとして、前述した第1の透明フィルム11、および第2の透明フィルム12と同じように積層体中に含む時計用文字板1Bは、第1の透明フィルム11と第2の透明フィルム12とが交互に積層されることにより発現する真珠光沢のような美的外観に、拡散フィルム14により反射(散乱)される白色度の高い光が加わったものとなる。これにより、時計用文字板1Cは、時計用文字板1A、および時計用文字板1Bでは表現出来なかったような、深みのある高級感溢れる光沢を表現することができ、特に優れた美的外観を備えたものとなる。
また、時計用文字板1Cを構成する積層体2C中、拡散フィルム14の外表面側には、第1の透明フィルム11と第2の透明フィルム12とがそれぞれ、1枚ずつ、もしくは複数枚ずつ積層されている。これにより、拡散フィルム14で反射(散乱)された光が、第1の面側に反射される際、反射した光は、拡散フィルム14の第1の面15側に配された第1の透明フィルム11、および第2の透明フィルム12を透過することにより、しっとりとした光沢感のある光となり、時計用文字板1Cの外観をさらに高級感溢れるものとすることができる。
また、時計用文字板1Cを構成する積層体2C中、透明フィルム11の積層枚数は、拡散フィルム14で透過率が下がる分だけ積層数を減らして補正することが好ましい。これにより、光透過性に優れるとともに、時計用文字板1Cの外観をさらに高級感溢れるものとすることができる。特に、時計用文字板1Cを構成する積層体2C中、第1の面15に近い位置に積層すれば、するほど、拡散フィルム14の色彩をより色濃く表現することができる。また、逆に、第2の面16に近い位置に積層すれば、するほど、拡散フィルム14の色彩をより淡く表現することができる。このように、時計用文字板1Cを製造する際に、積層体2C中、拡散フィルム14の積層する位置を変更することによって、好みの色調の時計用文字板1Cを製造することができる。
このような、拡散フィルム14は、入射した光を拡散する機能を有するものであればよく、例えば、光を拡散する機能を有する拡散剤を含むものや、フィルムの表面に微小な凹凸(表面粗さ計を用いて測定されるフィルム表面の表面粗さ:Raの値が1〜50μmとなるもの)を有するものなどを好適に用いることができる。
また、上述したような拡散剤は、例えば、粒状(粉末状)、鱗片状、針状等、いかなる形状のものであってもよく、また、不定形のものであってもよい。このような、拡散剤の構成材料として、例えば、シリカ、ガラス等が挙げられる。
また、拡散フィルム14は、構成材料として、樹脂材料を含むものであるのが好ましい。これにより、時計用文字板1Cを構成する積層体2Cの強度を高くすることができ、結果として、時計用文字板1Cの耐久性を優れたものとすることができる。このような樹脂材料としては、例えば、上述したような、第1の透明フィルム11、および第2の透明フィルム12を構成する樹脂材料や、ウレタン系樹脂等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、ブレンド樹脂、ポリマーアロイ等として)用いることができる。
また、拡散フィルム14が、上述したような拡散剤、および樹脂材料を含むものである場合、拡散剤の配合量は、樹脂材料の重量に対して、30重量%以下であることが好ましい。これにより、十分な光透過率を備えるとともに、時計用文字板1Cの美的外観は、さらに高級感溢れるものとすることができる。
また、時計用文字板1Cは、積層体2C中に着色フィルム13をさらに含むものである。このため、時計用文字板1Cは、前記時計用文字板1Bが有するような色調と、上述したような、深みのある高級感溢れる光沢とが重なり合い、これらの相乗効果で、特に優れた美的外観を備えたものとなる。
また、時計用文字板1Cを構成する積層体2C中、着色フィルム13、および拡散フィルム14が積層される位置は特に限定されないが、着色フィルム13が、拡散フィルム14よりも、第1の面側に配された時計用文字板1Cの外観は、着色フィルム13から発せられる反射光の色がより鮮明なものとなる。一方、拡散フィルム14が、着色フィルム13よりも、第1の面側に配された時計用文字板1Cの外観は、着色フィルム13から発せられる反射光の色がより淡いものとなる。すなわち、時計用文字板1Cでは、着色フィルム13と拡散フィルム14との積層位置を変えることにより、文字板が有する色彩の濃淡を制御することができる。
また、時計用文字板1Cを構成する積層体は、着色フィルム13、および拡散フィルム14、両方を含むものとして説明したが、着色フィルム13はなくてもよい。
次に、上述した時計用文字板1Cの製造方法について説明する。
時計用文字板1Cの製造方法は、第1の透明フィルム11を準備する第1の透明フィルム準備工程と、第1の透明フィルム11上に、第2の透明フィルム12を構成する樹脂材料を有機溶剤で溶解させた液体(樹脂分散液)を、液滴吐出法を用いて吐出する液滴吐出工程と、吐出された樹脂分散液上に、第1の透明フィルム11を積層する第1の透明フィルム積層工程と、液滴吐出工程と第1の透明フィルム積層工程とを繰り返し、積層体を形成する過程において、形成途中の積層体に上述したような着色フィルム13を積層する着色フィルム積層工程と、着色フィルム13と同様に、上述したような拡散フィルム14を積層する拡散フィルム積層工程とを有している。すなわち、積層体のいずれかの位置に着色フィルム13、および拡散フィルム14を積層した以外は、前述した第1実施形態と同様である。
[拡散フィルム積層工程]
液滴吐出工程と第1の透明フィルム積層工程とを繰り返し、積層体を形成する過程において、液滴吐出工程後、上述したような第1の透明フィルムを積層するのと同様に、樹脂分散液上に拡散フィルムを重ね、さらに拡散フィルムの上側の面に光学接着剤(1液性の光硬化型接着剤など)を塗布してから、第1の透明フィルム11を積層することにより、積層体2C中、着色フィルム13と隣り合う透明フィルム11、および透明フィルム12との密着性を優れたものとすることができる。
また、第1の透明フィルム積層工程後に、拡散フィルムを積層する際には、拡散フィルムの形成途中の積層体とは対向する面に、上述したような光学接着剤を塗布し、第1の透明フィルムと、拡散フィルムとを接着させ、その後、液滴吐出工程を行うことにより、積層体中、拡散フィルム14と隣り合う透明フィルム11、および透明フィルム12との密着性を優れたものとすることができる。
また、上記の説明では、拡散フィルムと第1の透明フィルムとの間には、光学接着剤を含むものとして説明したが、着色フィルム上に第1の透明フィルムを積層する方法は上記の方法に限られず、例えば、拡散フィルム14を構成する材料として、第1の透明フィルム11、および第2の透明フィルム12のどちらよりも融点の低い材料を用いることにより、積層体に拡散フィルム14を構成する樹脂材料の融点よりも高く、両透明フィルムを構成する樹脂材料の融点よりも低い温度で熱処理を行い、拡散フィルムと第1の透明フィルムとを融着させて、積層させてもよい。
また、第1の透明フィルム11上に、着色フィルム13、拡散フィルム14を、順に積層するような構成の時計用文字板を製造する場合には、拡散フィルム14を構成する樹脂材料が、着色フィルム13を構成する樹脂材料よりも融点の低い材料で構成されたものであるのが好ましい。これにより、第1の透明フィルム上に着色フィルムを融着させることができる温度よりも、着色フィルム上に拡散フィルムを融着させる温度を低くすることができる。このような温度条件の熱処理を加えることにより、第1の透明フィルム、第2の透明フィルム、着色フィルム、および拡散フィルムのいずれも、製造時の熱処理による不本意な変形が起こるのを好適に防止することができる。
<時計用文字板(第4実施形態)>
次に、本発明の時計用文字板、時計用文字板の製造方法の第4実施形態について説明する。以下の説明では、前述した実施形態(第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態)との違いを中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
図4は、本発明の時計用文字板の第4実施形態を示す断面図である。
本実施形態の時計用文字板1Dは、前記第1実施形態で説明した時計用文字板1Aを構成する積層体2Aの第2の面16に、前述した着色フィルム13が配されたものである。このような構成を有する時計用文字板1Dは、積層体中、着色フィルム13を含む時計用文字板1Bと同様の優れた美的外観、および光透過性を備えたものとなる。さらに、時計用文字板1Dを構成する着色フィルム13は、積層体2Aの第2の面16側に配されたものであるため、簡単に取り外しが可能である。したがって、例えば、時計用文字板1Dを備えた時計では、着色フィルム13を外したり、異なる着色剤を含む着色フィルムや、前述したような拡散フィルム14に交換することにより、簡単に、好みの外観の文字板を備えた時計に交換することができ、多品種の時計用文字板の生産に有効である。
また、本実施形態の時計用文字板は、上記の構成に限られず、例えば、時計用文字板1Dを構成する積層体2Aの第2の面16側に、着色フィルム13と拡散フィルム14とを、両方とも備えたものでもよい。
また、本実施形態の時計用文字板で用いる着色フィルム13は、積層体2Aの第2の面16と対向する面側に粘着性、接着性を付与することにより、積層体2Aから、着色フィルム13の着脱をさらに簡単に行うことができ、多品種の時計用文字板の生産にさらに有効である。
次に、上述した時計用文字板1Dの製造方法について説明する。
時計用文字板1Dの製造方法は、第1実施形態で説明した製造方法を用いて積層体2Aを得た後、積層体2Aの第2の面16側に、積層体2Aとは対向する面に着色フィルム13を接着する工程とを有している。
このような接着方法としては、上述したような光学接着剤を用いたり、適合する一般的な接着剤やプライマーを用いたり、紫外線硬化型の接着剤も利用できる。また、熱処理により融着させる方法を用いてもよい。
<時計用文字板(第5実施形態)>
次に、本発明の時計用文字板、時計用文字板の製造方法の第5実施形態について説明する。以下の説明では、前述した実施形態(第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態、第4実施形態)との違いを中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
図5は、本発明の時計用文字板の第5実施形態を示す断面図である。
本実施形態の時計用文字板1Eは、時計用文字板1Dを構成する着色フィルム13の代わりに、拡散フィルム14を配したものである。このような時計用文字板1Eは、積層体中、拡散フィルム14を含む時計用文字板と同様の優れた美的外観を備えたものとなるとともに、拡散フィルム14の着脱を簡単に行うことができる。したがって、例えば、時計用文字板1Eを備えた時計では、拡散フィルム14を外したり、着色フィルム13に交換することにより、簡単に、好みの外観の文字板を備えた時計に交換することができ、多品種の時計用文字板の生産に有効である。
また、本実施形態の時計用文字板で用いる拡散フィルム14は、積層体2Aの第2の面16と対向する面側に粘着性、接着性を付与することにより、積層体2Aから、拡散フィルム14の着脱をさらに簡単に行うことができ、多品種の時計用文字板の生産にさらに有効である。
次に、上述した時計用文字板1Eの製造方法について説明する。
時計用文字板1Eの製造方法は、第1実施形態で説明した製造方法を用いて積層体2Aを得た後、積層体2Aの第2の面16側に、積層体2Aとは対向する面に拡散フィルム14を接着する工程とを有している。
このような接着方法としては、上述したような光学接着剤を用いたり、適合する一般的な接着剤やプライマーを用いたり、紫外線硬化型の接着剤も利用できる。また、熱処理により融着させる方法を用いてもよい。
<時計>
次に、上述したような本発明の時計用文字板を備えた本発明の時計について説明する。
本発明の時計は、上述したような本発明の時計用文字板を有するものである。上述したように、本発明の時計用文字板は、光透過性および装飾性(美的外観)に優れたものである。このため、このような時計用文字板を備えた本発明の時計は、ソーラー時計やソーラー電波時計としての求められる要件を十分に満足することができる。なお、本発明の時計を構成する前記時計用文字板(本発明の時計用文字板)以外の部品としては、公知のものを用いることができるが、以下に、本発明の時計の構成の一例について説明する。
図6は、本発明の時計(腕時計)の好適な実施形態を示す断面図である。
図6に示すように、本実施形態の腕時計(携帯時計)100は、胴(ケース)72と、裏蓋73と、ベゼル(縁)74と、ガラス板(カバーガラス)75とを備えている。また、ケース72内には、前述したような本発明の時計用文字板1(1A、1B、1C、1D、1E)と、太陽電池88と、ムーブメント71とが収納されており、さらに、図示しない針(指針)等が収納されている。そして、時計用文字板1は、第1の面15がガラス板75側を向くように配置されている。
ガラス板75は、通常、透明性の高い透明ガラスやサファイア等で構成されている。これにより、本発明の時計用文字板としての文字板1の審美性を十分に発揮させることができるとともに、太陽電池88に十分な光量の光を入射させることができる。
ムーブメント71は、太陽電池88の起電力を利用して、指針を駆動する。
図6中では省略しているが、ムーブメント71内には、例えば、太陽電池88の起電力を貯蔵する電気二重層コンデンサー、リチウムイオン二次電池や、時間基準源として水晶振動子や、水晶振動子の発振周波数をもとに時計を駆動する駆動パルスを発生する半導体集積回路や、この駆動パルスを受けて輪列機構を1秒毎に指針を駆動するステップモーターや、ステップモーターの動きを指針に伝達する輪列機構等を備えている。
また、ムーブメント71は、図示しない電波受信用のアンテナを備えている。そして、受信した電波を用いて時刻調整等を行う機能を有している。
太陽電池88は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する機能を有する。そして、太陽電池88で変換された電気エネルギーは、ムーブメントの駆動等に利用される。
太陽電池88は、例えば、非単結晶シリコン薄膜にp型の不純物とn型の不純物とが選択的に導入され、さらにp型の非単結晶シリコン薄膜とn型の非単結晶シリコン薄膜との間に不純物濃度の低いi型の非単結晶シリコン薄膜を備えたpin構造を有している。
胴72には巻真パイプ76が嵌入・固定され、この巻真パイプ76内にはりゅうず77の軸部771が回転可能に挿入されている。
胴72とベゼル74とは、プラスチックパッキン78により固定され、ベゼル74とガラス板75とはプラスチックパッキン79により固定されている。
また、胴72に対し裏蓋73が嵌合(または螺合)されており、これらの接合部(シール部)85には、リング状のゴムパッキン(裏蓋パッキン)84が圧縮状態で介挿されている。この構成によりシール部85が液密に封止され、防水機能が得られる。
りゅうず77の軸部771の途中の外周には溝772が形成され、この溝772内にはリング状のゴムパッキン(りゅうずパッキン)83が嵌合されている。ゴムパッキン83は巻真パイプ76の内周面に密着し、該内周面と溝772の内面との間で圧縮される。この構成により、りゅうず77と巻真パイプ76との間が液密に封止され防水機能が得られる。なお、りゅうず77を回転操作したとき、ゴムパッキン83は軸部771と共に回転し、巻真パイプ76の内周面に密着しながら周方向に摺動する。
なお、上記の説明では、時計の一例として、腕時計(携帯時計)を挙げて説明したが、本発明は、腕時計以外の携帯時計、置時計、掛け時計等の他の種類の時計にも同様に適用することができる。
なお、上記の説明では、文字板として本発明の時計用文字板が適用されたものを用いるものとして説明したが、文字板以外の部品(時計用文字板)に本発明の時計用文字板が適用されてもよい。例えば、時計を構成する胴(ケース)、針等が本発明の時計用文字板で構成されたものであってもよい。また、時計を構成する複数の部品(時計用文字板)が本発明の時計用文字板で構成されたものであってもよい。
以上、上記の説明では、時計用文字板1(1A、1B、1C、1D、1E)について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、時計用文字板を構成する積層体の周面部が、樹脂材料で覆われていてもよい。これにより、積層体中の隣り合う透明フィルム、および、着色フィルム、拡散フィルム間で起こる剥離現象を長期間に渡って、効果的に防止することができ、時計用文字板の耐久性、および信頼性はさらに優れたものとなる。
また、上述したような各実施形態の時計用文字板に含まれる、着色フィルム、および拡散フィルムは、1枚であってもよいし、複数枚であってもよい。
また、本発明の時計用文字板は、時計用文字板を構成する積層体の最外表面側に、光透過性を有する材料で構成されたコート層(保護膜)を有していてもよい。このようなコート層(保護膜)を有することにより、例えば、光の透過性を十分に高いものとしつつ、光沢性、色調等を調整することができ、時計用文字板の美的外観をさらに優れたものとすることができる。また、このようなコート層(保護膜)を有することにより、例えば、時計用文字板全体としての、耐食性、耐候性、耐水性、耐油性、耐擦傷性、耐摩耗性、耐変色性等の各種特性を向上させることができ、外部環境の影響による透明フィルムの劣化、変性等をより確実に防止することができる。その結果、時計用文字板としての耐久性を特に優れたものとすることができる。
また、前述した第2実施形態の時計用文字板1B、および第3実施形態の時計用文字板1Cでは、着色フィルム13、もしくは拡散フィルム14は、積層体中、第1の透明フィルム11間に含むものとして説明したが、積層体を構成するフィルムとして最外表面に配されたものであってもよい。
また、上述した液滴吐出方法は、上記の方式に限られず、他の方法を用いてもよい。例えば、樹脂分散液を吐出(噴射)する方法としては、いわゆるバブルジェット(「バブルジェット」は登録商標)法等の方法を用いてもよい。いわゆるバブルジェット(「バブルジェット」は登録商標)法を適用した方法としては、特願2002−169348号明細書に記載された方法等が挙げられる。すなわち、樹脂分散液を吐出(噴射)する方法として、「気体の体積変化によりヘッド部から分散液を間欠的に吐出する方法」を適用することができる。また、静電アクチュエータ型、静電吸引型の液滴吐出装置を用いたものであっても良い。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.時計用文字板の製造
(実施例1)
以下に示すような方法により、時計用文字板を製造した。
まず、屈折率が1.66のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ社製、商品名「ルミラー」、平均厚さ6μm)を用意した。
次に、上記のようなPETフィルム上に、光学接着剤であるオプトクレーブOPM55(アーデル社製)を、インクジェット方式の液滴吐出装置を用いて均一に吐出した。このように吐出した接着剤上に、屈折率が1.52のポリプロピレン(PP)フィルム(東レ社製、商品名「トレファン」、平均厚さ6μm)を重ねた。
次に、PPフィルム上に、上述した方法を用いて、オプトクレーブOPM55(アーデル社製)を吐出し、このように吐出した接着剤上に、さらに、上記のPETフィルムを重ねた。
このように、PETフィルムとPPフィルムとを、光学接着剤を介して、交互に、200枚積層された積層体を得た。このようにして得られた積層体を腕時計用外装部品(文字板)の形状になるように、型抜きし、直径:約27mmとなる時計用文字板を得た。
(実施例2)
PETフィルムとPPフィルムとを合わせた積層枚数を表1に示すようにした以外は、実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。
(実施例3)
実施例1で用いたPETフィルム上に、透明アクリロニトリル−ブタジエンースチレン共重合体(ABS)をメチルエチルケトンで溶解させた液体(樹脂分散液)を、実施例1で用いたインクジェット方式の液滴吐出装置を用いて、均一に吐出した。
次に、上記のように、PETフィルム上に均一に吐出された樹脂分散液上に、さらに、上記のPETフィルムを重ねた。
なお、PETフィルム上に吐出した樹脂分散液は、PETフィルムを重ねた後には、有機溶剤が自然蒸発することによって固形化されており、このようにして形成されたABSフィルムの平均厚さは1μmであった。
このように、PETフィルム上にABSとメチルエチルケトンとで構成された樹脂分散液を上記装置で吐出させる工程と、その上にPETフィルムを重ねる工程とを繰り返し、PETフィルムとABSフィルムとが交互に、230枚積層された積層体を得た。このようにして得られた積層体を腕時計用外装部品(文字板)の形状になるように、型抜きし、直径:約27mmとなる時計用文字板を得た。
(実施例4)
実施例3で用いたPETフィルム、および樹脂分散液を用いて、PETフィルム上に樹脂分散液を実施例1で用いた液滴吐出装置で吐出させる工程と、その上にPETフィルムを重ねる工程とを繰り返し、PETフィルムとABSフィルムとが交互に、169枚積層された積層体を得た。
次に、169枚目のPETフィルム上に上記樹脂分散液を上記装置で吐出させた後、吐出した樹脂分散液上に着色剤とウレタン系粘着剤(ウレタン系樹脂)とで構成される着色フィルム(平均厚さ:35μm)を重ねた。その後、着色フィルムの上に、実施例1と同様の方法を用いて、光学接着剤であるオプトクレーブOPM55(アーデル社製)を均一に吐出し、その上に、さらに上記のPETフィルムを重ねた。その後、着色フィルムの上に、PETフィルムとABSフィルムとが交互に、合計10枚積層された積層体を得た。このようにして得られた積層体を腕時計用外装部品(文字板)の形状になるように、型抜きし、直径:約27mmとなる時計用文字板を得た。
(実施例5)
実施例3で用いたPETフィルム、および樹脂分散液を用いて、PETフィルム上に樹脂分散液を実施例1で用いた液滴吐出装置で吐出させる工程と、その上にPETフィルムを重ねる工程とを繰り返し、PETフィルムとABSフィルムとが交互に、167枚積層された積層体を得た。
次に、167枚目に積層されたPETフィルムの上に上記樹脂分散液を上記装置で吐出させた後、吐出した樹脂分散液上に拡散剤とウレタン系粘着剤(ウレタン系樹脂)とで構成される拡散フィルム(平均厚さ:30μm)を重ねた。その後、拡散フィルムの上に、実施例1と同様の方法を用いて、光学接着剤であるオプトクレーブOPM55(アーデル社製)を均一に吐出し、上記のPETフィルムを重ねた。
さらに、このようにして重ねられたPETフィルムの上に上記樹脂分散液を吐出し、吐出した樹脂分散液上に着色剤とウレタン系粘着剤(ウレタン系樹脂)とで構成される着色フィルム(平均厚さ:35μm)を重ねた。その後、着色フィルムの上に、上記光学接着剤を同様に吐出し、上記のPETフィルムを重ねた。その後、着色フィルムの上に、PETフィルムとABSフィルムとが交互に、合計10枚積層された積層体を得た。このようにして得られた積層体を腕時計用外装部品(文字板)の形状になるように、型抜きし、直径:約27mmとなる時計用文字板を得た。
(比較例1、2)
PETフィルムとPPフィルムとを合わせた積層枚数を表1に示すようにした以外は、実施例1と同様に時計用文字板を製造した。
(比較例3)
ペレット状のポリカーボネートを、圧縮成形により、フィルム状にし、腕時計用外装部品(文字板)の形状になるように、必要箇所を切削、研磨し、透明フィルムとした。なお、このようにして得られたPCフィルムは、略円盤状をなし、直径:約27mm×厚さ:約800μmであった。
次に、実施例4で用いた着色フィルムを、上記PCフィルムの第2の面側に貼り合わせ、時計用文字板を得た。
(比較例4)
ペレット状のポリカーボネート:100重量部と、シリカ(平均粒径3.0μm):13重量部とを、溶融混練し、ポリカーボネート中に、酸化ケイ素を十分に分散させた。このようにして得られた溶融混練物を、圧縮成形により、フィルム状にし、腕時計用外装部品(文字板)の形状になるように、必要箇所を切削、研磨し、フィルム状に形成した。なお、このようにして得られたフィルムは、略円盤状をなし、直径:約27mm×厚さ:約800μmであった。
(比較例5)
ペレット状のポリカーボネート:100重量部と、シリカ(平均粒径3.0μm):35重量部とを、溶融混練し、ポリカーボネート中に、酸化ケイ素を十分に分散させた。このようにして得られた溶融混練物を、圧縮成形により、フィルム状にし、腕時計用外装部品(文字板)の形状になるように、必要箇所を切削、研磨し、フィルム状に形成した。なお、このようにして得られたフィルムは、略円盤状をなし、直径:約27mm×厚さ:約800μmであった。
各実施例および各比較例の時計用文字板の構成を表1にまとめて示す。なお、表1中、ポリエチレンテレフタレートをPET、ポリプロピレンをPP、透明アクリロニトリル−ブタジエンースチレン共重合体をABS、ポリカーボネートをPC、シリカをSiOでそれぞれ示した。
Figure 2008128848
2.時計用文字板の外観評価
前記各実施例および各比較例で製造した各時計用文字板について、第2の面側に太陽電池を備えた時計用文字板として使用する際の外表面側(第1の面側)から、目視による観察を行い、これらの外観を以下の6段階の基準に従い、評価した。
◎◎:極めて優れた外観を有している。
◎:優れた外観を有している。
○:良好な外観を有している。
△:外観がやや不良。
×:外観が不良。
××:外観が極めて不良。
3.時計用文字板の光透過率評価
前記各実施例および各比較例で製造した各時計用文字板について、以下のような方法により、光透過率を評価した。
まず、太陽電池と各時計用文字板とを暗室にいれた。その後、太陽電池単体でその受光面に対し、所定距離離間した蛍光灯(光源)からの光を入射させた。この際、太陽電池の発電電流をA[mA]とした。次に、前記太陽電池の受光面の上面に、第2の面が前記太陽電池に対向するように時計用文字板を重ね合わせた状態で、前記と同様に所定距離離間した蛍光灯(光源)からの光を入射させた。この状態での、太陽電池の発電電流をB[mA]とした。そして、(B/A)×100で表される時計用文字板の光透過率を算出し、以下の4段階の基準に従い、評価した。光透過率が大きいほど、時計用文字板の光透過性は優れたものであるといえる。なお、時計用文字板は、基材の金属化合物が形成された面側が蛍光灯(光源)側を向くように重ね合わせた。
◎:30%以上。
○:25%以上30%未満。
△:21%以上25%未満。
×:21%未満。
その後、前記各実施例および各比較例で製造した時計用文字板を用いて、図6に示すような腕時計を製造した。そして、製造された各腕時計を暗室にいれた。その後、時計の文字板側の面(ガラス板側の面)から、所定距離離間した蛍光灯(光源)からの光を入射させた。この際、光の照射強度が次第に大きくなるように照射強度を一定の速度で変化させた。その結果、本発明の時計および比較例の時計すべてが、比較的照射強度が小さい場合でもムーブメントが駆動した。
5.積層体の密着性評価
前記各実施例および各比較例(但し、比較例3〜5は除く。)で製造した各時計用文字板について、以下に示すような2種の試験を行い、時計用文字板を構成する積層体の密着性を評価した。
5−1.折り曲げ試験
各時計用文字板について、直径4mmの鉄製の棒材を支点とし、時計用文字板の中心を基準に30°の折り曲げを行った後、時計用文字板の外観を目視により観察し、これらの外観を以下の4段階の基準に従い、評価した。折り曲げは、圧縮/引っ張りの両方向について行った。
◎:積層体を構成するいずれの層にも、浮き、剥がれ等が全く認められない。
○:積層体を構成する各層に、浮きがほとんど認められない。
△:積層体を構成する各層に、浮きがはっきりと認められる。
×:積層体を構成する各層に、ひび割れ、剥離がはっきりと認められる。
5−2.熱サイクル試験
各時計用文字板を、以下のような熱サイクル試験に供した。
まず、時計用文字板を、20℃の環境下に1.5時間、次いで、60℃の環境下に2時間、次いで、20℃の環境下に1.5時間、次いで、−20℃の環境下に3時間静置した。その後、再び、環境温度を20℃に戻し、これを1サイクル(8時間)とし、このサイクルを合計3回繰り返した(合計24時間)。
その後、時計用文字板の外観を目視により観察し、これらの外観を以下の4段階の基準に従い、評価した。
◎:積層体を構成するいずれの層にも、浮き、剥がれ等が全く認められない。
○:積層体を構成する各層に、浮きがほとんど認められない。
△:積層体を構成する各層に、浮きがはっきりと認められる。
×:積層体を構成する各層に、ひび割れ、剥離がはっきりと認められる。
これらの結果を表2に示す。
Figure 2008128848
表2から明らかなように、本発明の時計用文字板は、いずれも真珠光沢のような優れた美的外観を有するとともに、光の透過性に優れていた。
また、実施例1〜3の各時計用文字板に対して、各時計用文字板の第2の面に、実施例4で用いた着色フィルムを張り合わせたところ、実施例4の時計用文字板が有するような美的外観を備えた時計用文字板を得ることができた。また、同様に、実施例1〜3の各時計用文字板に対して、各時計用文字板の第2の面に、実施例5で用いた拡散フィルムを張り合わせた後、この拡散フィルムに、さらに上記着色フィルムを張り合わせたところ、実施例5の時計用文字板が有するような美的外観を備えた時計用文字板を得ることができた。
これに対し、比較例では、満足な結果が得られなかった。すなわち、これらの比較例の時計用文字板では、優れた光透過性と、優れた美的外観とを同時に両立することができなかった。
また、各実施例および各比較例で得られた文字板(時計用文字板)を用いて、図6に示すような時計を組み立てた。このようにして得られた各時計について、上記と同様の試験、評価を行ったところ、上記と同様の結果が得られた。
さらに、電波受信用のアンテナを備えた腕時計用内部モジュール(ムーブメント)の外表面側(光が入射する側)に各実施例および各比較例で製造した時計用文字板を配置し、この状態における腕時計用内部モジュール(ムーブメント)の電波の受信感度を評価した。その結果、各実施例で得られた時計用文字板を用いたものは、電磁波の透過性にも優れているものであった。
本発明の時計用文字板の第1実施形態を示す断面図である。 本発明の時計用文字板の第2実施形態を示す断面図である。 本発明の時計用文字板の第3実施形態を示す断面図である。 本発明の時計用文字板の第4実施形態を示す断面図である。 本発明の時計用文字板の第5実施携帯を示す断面図である。 本発明の時計(携帯時計)の好適な実施形態を示す部分断面図である。
符号の説明
1(1A、1B、1C、1D、1E)…時計用文字板 2(2A、2B、2C)…積層体 11…第1の透明フィルム 12…第2の透明フィルム 13…着色フィルム 14…拡散フィルム 15…第1の面 16…第2の面 71…ムーブメント 72…胴(ケース) 73…裏蓋 74…ベゼル(縁) 75…ガラス板(カバーガラス) 76…巻真パイプ 77…りゅうず 771…軸部 772…溝 78…プラスチックパッキン 79…プラスチックパッキン 83…ゴムパッキン(りゅうずパッキン) 84…ゴムパッキン(裏蓋パッキン) 85…接合部(シール部) 88…太陽電池 100…腕時計(携帯時計)

Claims (13)

  1. 複数枚の透明フィルムを有する積層体で構成された時計用文字板であって、
    前記積層体は、屈折率の異なる複数種の前記透明フィルムを有するものであり、
    前記透明フィルムは、光透過性を有する樹脂材料で構成されたものであり、
    前記積層体中、隣り合う前記透明フィルムは屈折率が異なり、かつ、
    隣り合う前記透明フィルムのうち、大きい屈折率を有する透明フィルムAの屈折率をn、小さい屈折率を有する透明フィルムBの屈折率をnとしたとき、透明フィルムAと透明フィルムBとの屈折率の比n/nは、1.03〜1.18であり、
    前記積層体は、100〜250枚の前記透明フィルムを有するものであることを特徴とする時計用文字板。
  2. 複数枚の透明フィルムを有する積層体で構成された時計用文字板であって、
    前記透明フィルムは、光透過性を有する樹脂材料で構成されたものであり、
    前記積層体は、前記透明フィルムとして、第1の透明フィルムと、第1の透明フィルムよりも屈折率の低い第2の透明フィルムとを有するものであり、
    前記第1の透明フィルムの屈折率をn、前記第2の透明フィルムの屈折率をnとしたとき、第1の透明フィルムと第2の透明フィルムとの屈折率の比n/nは、1.03〜1.18であり、
    前記積層体は、前記第1の透明フィルムと、前記第2の透明フィルムとが、交互に積層されたものであり、
    前記積層体中、前記第1の透明フィルムと、前記第2の透明フィルムとの合計枚数が、100〜250であることを特徴とする時計用文字板。
  3. 前記透明フィルムを構成する樹脂材料の絶対屈折率は、1.4〜1.7である請求項1または2に記載の時計用文字板。
  4. 前記透明フィルムの平均厚さは、0.5〜20μmである請求項1ないし3のいずれかに記載の時計用文字板。
  5. 前記透明フィルムとして、ポリエチレンテレフタレートを含む材料で構成されたものと、ポリプロピレンを含む材料で構成されたものとを含んでいる請求項1ないし4のいずれかに記載の時計用文字板。
  6. 着色剤を含む材料で構成された着色フィルムを、前記積層体を構成する前記透明フィルム間に含む請求項1ないし5のいずれかに記載の時計用文字板。
  7. 着色剤を含む材料で構成された着色フィルムを、前記積層体の、外光が入射する側の第1の面側とは反対の第2の面側に配した請求項1ないし6のいずれかに記載の時計用文字板。
  8. 入射した光を拡散する機能を有する拡散フィルムを、前記積層体を構成する前記透明フィルム間に含む請求項1ないし7のいずれかに記載の時計用文字板。
  9. 入射した光を拡散する機能を有する拡散フィルムを、前記積層体の、外光が入射する側の第1の面側とは反対の第2の面側に配した請求項1ないし8のいずれかに記載の時計用文字板。
  10. 前記積層体の法線方向から入射した光の透過率は、20〜50%である請求項1ないし9のいずれかに記載の時計用文字板。
  11. 複数枚の透明フィルムを有する積層体で構成された時計用文字板を製造する方法であって、
    前記積層体は、前記透明フィルムとして、光透過性を有する樹脂材料Xで構成された第1の透明フィルムと、樹脂材料Xよりも屈折率が低い光透過性を有する樹脂材料Yで構成された第2の透明フィルムとを有するものであり、
    前記樹脂材料Xの屈折率をn、前記樹脂材料Yの屈折率をnとしたとき、樹脂材料Xと樹脂材料Yとの屈折率の比n/nは、1.03〜1.18であり、
    前記積層体は、前記第1の透明フィルムと前記第2の透明フィルムとを、合計で100〜250枚有するものであり、
    前記第2の透明フィルムは、前記第1の透明フィルム上に、前記樹脂材料Yを構成する液体を、液滴吐出法を用いて吐出し、乾燥若しくは、熱や紫外線で硬化させて形成されたものであることを特徴とする時計用文字板の製造方法。
  12. 請求項1ないし10のいずれかに記載の時計用文字板を備えたことを特徴とする時計。
  13. 複数枚の透明フィルムを有する積層体で構成された装飾用化粧板であって、
    前記透明フィルムは、光透過性を有する樹脂材料で構成されたものであり、
    前記積層体は、前記透明フィルムとして、第1の透明フィルムと、第1の透明フィルムよりも屈折率の低い第2の透明フィルムとを有するものであり、
    前記第1の透明フィルムの屈折率をn、前記第2の透明フィルムの屈折率をnとしたとき、第1の透明フィルムと第2の透明フィルムとの屈折率の比n/nは、1.03〜1.18であり、
    前記積層体は、前記第1の透明フィルムと、前記第2の透明フィルムとが、交互に積層されたものであり、
    前記積層体中、前記第1の透明フィルムと、前記第2の透明フィルムとの合計枚数が、100〜250であることを特徴とする装飾用化粧板。
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