JP2004078725A - 光学効果付き非接触icタグ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】外部にあるデータ読み書き装置との間で、非接触でデータの送受信を行う非接触ICタグであって、支持体に少なくとも、前記非接触でデータの送受信に用いるアンテナとICチップ、及び、少なくとも目視で光学的な効果を呈するOVD層を備えており、該OVD層が導電性を有してないことを特徴とする光学効果付き非接触ICタグである。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、目視で光学的な効果を呈するOVD層を備え、外部にあるデータ読み書き装置との間で、非接触でデータの送受信を行うことができる非接触ICタグに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、小売店やレンタル店での商品の管理において、ICチップとアンテナを備えた非接触ICタグが利用されている。これは非接触ICタグを商品に取り付け、専用のデータ読み書き装置によって商品のデータを読み書きし、商品の出入庫管理、在庫管理、貸し出し管理等を行うものである。ICチップを備えている為、商品コードだけでなく、入荷日、担当者と言ったの豊富な情報を商品と一体で管理することができる。特に物品管理等においては、マイクロ波を用いた非接触ICタグは、静電結合や電磁誘導を用いた非接触ICタグに比べ通信距離が1m程度と長いことから多く利用されている。
【0003】
また、非接触ICタグが普及するにつれ、非接触ICタグにOVD(Optical Variable Device)を付与することが期待されている。OVDとは、光の干渉を用いて立体画像や特殊な装飾画像を表現できるホログラムや回折格子、光学特性の異なる薄膜を重ねることにより見る角度により色の変化を生じる多層薄膜の総称である。これらOVDは立体画像や色の変化といった独特な印象を与えるため、優れた装飾効果を有しており、各種包装材や絵本、カタログ等の一般的な印刷物に利用されている。さらに、このOVDは高度な製造技術を要することから偽造防止手段としてクレジットカード、有価証券、証明書類等に形成されている。
【0004】
OVDが非接触ICタグに形成されると下記のようなメリットがある。例えば、非接触ICタグとOVDが別々に商品等に形成されていた場合には、非接触ICタグとOVDを一体化して同時に形成することができる。また、OVDを非接触ICタグに形成することによって、意匠性や高級感、偽造防止効果を与えることができる。偽造防止効果例については、OVDを非接触ICタグに形成する事により、データ読み書き装置と目視の双方から非接触ICタグの真偽判定が可能となり、例えばデータ読み書き装置がない場合でも、目視にて非接触ICタグの真偽判定が可能となる。また、更に高度な偽造防止媒体として利用する場合は、OVDに機械読み取り可能な光学情報を記録しておき、非接触ICタグのICチップ内の情報と関連付ける事によって、OVDもしくはICチップのどちらかが偽造された際に真偽判定を行うことができる。
【0005】
上記の様にOVDを形成した非接触ICタグは様々なアプリケーションへの展開が期待できるが、非接触ICタグにOVDを形成する事によって、データ読み書き装置と非接触ICタグとの通信に不具合を生じる場合がある。これはOVDに多層薄膜を用いる場合には、薄膜材料が導電性を有している場合、あるいはOVDにホログラムや回折格子を用いる場合には、その光学効果を持たせる目的でアルミ蒸着層等を有している場合である。
【0006】
図6(a)はマイクロ波を用いた非接触ICタグの一実施例を示す透視図であり、同図(b)はA−A´付近の断面図である。非接触ICタグにはホログラムによるOVD層(2)を形成し、その回折効率を高める為に厚み500Å程度のアルミ蒸着層によるOVD効果層(26)を形成してある。データ読み書き装置によって非接触ICタグと通信を行う場合に、図6に示す様にデータ読み書き装置からの電波(62)に対して、非接触ICタグのアンテナ(12)の前方にOVD効果層(26)が重なる構成となってしまうと、アルミ蒸着層からなるOVD効果層(26)は導電性を有している為、データ読み書き装置からの電波が遮蔽されてしまい、データ読み書き装置と非接触ICタグとの通信距離が短くなってしまう問題や、通信不能となってしまう問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、装飾性に優れているOVDを有していても、外部の読み書き装置との間で非接触でデータの送受信を行う能力を維持することができる非接触ICタグを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、まず請求項1においては、外部にあるデータ読み書き装置との間で、非接触でデータの送受信を行う非接触ICタグであって、支持体に少なくとも、前記非接触でデータの送受信に用いるアンテナとICチップ、及び、少なくとも目視で光学的な効果を呈するOVD層を備えており、該OVD層が導電性を有してないことを特徴とする光学効果付き非接触ICタグである。
【0009】
請求項2においては、前記OVD層が導電性を有してない多層薄膜によりなることを特徴とする請求項1記載の光学効果付き非接触ICタグである。
【0010】
請求項3においては、前記OVD層はOVD形成層とOVD効果層とからなり、OVD形成層は少なくとも、微細な凹凸パターンが形成された層であって、一方OVD効果層は薄膜でできており、OVD形成層との組合せで光学的効果を発生することを特徴とする請求項1または2記載の光学効果付き非接触ICタグである。
【0011】
請求項4においては、前記OVD効果層が少なくとも可視光を反射し易い反射膜であって、微細な島状を成す金属の薄膜が互いに微細な距離を隔てて多数集まって出来ていることを特徴とする請求項3に記載の光学効果付き非接触ICタグである。
【0012】
請求項5においては、前記OVD効果層が、前記OVD形成層の材料よりも高い屈折率をもつ材料で出来た薄膜であり、少なくとも可視光の一部を反射することを特徴とする請求項3に記載の光学効果付き非接触ICタグである。
【0013】
請求項6においては、前記非接触ICタグの通信方式がマイクロ波を用いたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学効果付き非接触ICタグである。
【0014】
本発明におけるICチップとは、いわゆるIC、LSI、VLSI等々のチップを総称したものであり、集積回路を使用したチップは全て含まれる。
本発明における非接触ICタグとは、ICチップと非接触通信用のアンテナを備えているが、ICチップ上にアンテナを形成し、ICチップとアンテナが一体となった形状のものも含まれる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき説明する。
図1(a)は本発明の光学効果付き非接触ICタグの一実施例を示す透視図であり、同図(b)はA−A´付近の断面図である。以降、これらの図を用いて詳しく説明する。
【0016】
図1に示す様に光学効果付き非接触ICタグ(1)は支持体(11)に、非接触でデータの送受信に用いるアンテナ(12)とICチップ(13)を収納し、OVD層(2)、印刷層(3)、保護層(4)が設けられた構成となっている。図1では伝送方式としてマイクロ波方式を用いた非接触ICタグを示すが、静電結合方式や電磁結合方式、電磁誘導方式等を利用している非接触ICタグを用いることもできる。非接触ICタグの通信方式については特に限定されず、非接触ICタグが利用されるアプリケーションの仕様により決定される。
【0017】
非接触ICタグの支持体(11)の平面形状、大きさ、厚み、材質についても特に限定されない。図1においてはカード形状の非接触ICタグを示したが、例えばコインのような円形状、楕円形状、三角形状、多角形状を用いることができる。大きさについては、非接触ICタグが取り付けられる物品より小さいほうが好ましい。厚みは非接触ICタグが備えているICチップやアンテナの厚みにもよるが、0.1mm〜50mm程度が適当である。材質は主に紙やプラスチック等を用いることができる。図1のカードではPVCやPETの熱可塑性の樹脂シートでICチップとアンテナをラミネートして作製したプレート状の支持体を示している。ABS等を用いて射出成型法により支持体を得る方法等も用いることができる。
【0018】
アンテナ(12)の材料および厚みとしては限定されないが、通常のマイクロ波を用いた非接触ICタグに使用されている基材を用いることができる。例として、PET、ポリイミド、PVC等のアンテナ基材(14)上に形成された銅、アルミ等の金属箔をエッチングすることによりアンテナ(12)を形成する。アンテナ(12)としては、その他に銅線等からなるアンテナ、導電性のインキを印刷した印刷アンテナも用いることができる。ICチップ(13)のアンテナ(12)への取り付けは、ワイヤボンディング、フリップチップ実装等によって取り付けることができる。
【0019】
印刷層(3)は、図1においては、保護層(4)とOVD層(2)の間に設けてある。しかし、OVD層が透明で印刷層の絵柄、文字等が判読できるならば、OVD層(2)と支持体(11)の間に印刷層が有っても構わない。図1の非接触ICタグ(1)においては、『TOP』の印刷で示した部分が印刷層であり、文字や記号あるいはキャラクター等絵柄の目視確認可能な情報や背景が印刷される。この印刷層は公知の材料・印刷方法にて設けられる。なお、印刷層(3)は必須構成要件ではなく、用途によって必要な場合に設ければ良い。
【0020】
保護層(4)は、OVD層や印刷層を外傷から保護する役割を持つもので、必要に応じて形成される。使用される樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニル樹脂−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリイミド樹脂等の従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線または電子線硬化樹脂を単独或いは、混合物して用いられる。更に、サーマルヘッド等による画像形成時の印字痕防止のために、樹脂を架橋する硬化剤、ポリエチレンワッス、カルナバワックス、シリコンワックス等のワックス類、或いは炭酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、シリカ、アルミナ、タルク等の体質顔料、シリコ−ン油脂等の油脂類を透明性が損なわれない範囲で添加することができる。保護層(4)に用いる樹脂は、例えばグラビア印刷法、スクリーン印刷法、ノズルコーター法等の既知の塗布手段およびオフセット印刷法、フレキソ印刷法等の印刷手段により塗工する。
【0021】
光学効果付き非接触ICタグ(1)の物品への取り付けについては、例えば支持体上に接着剤層、その上に接着剤層から剥離可能な剥離基材を備えておき、剥離基材を剥がして物品に貼り付ける方法や、熱転写可能な転写シート構成とし、熱スタンプ、熱ロール、熱ヘッド等によって非接触ICタグが物品に転写される方法を用いることができる。また、図1に示す様に、非接触ICタグ(1)に孔(15)を形成しておき、鎖類、紐類、あるいはリング類によって他の物品に係合させる方法等も用いることができる。
【0022】
以下、OVD層(2)に関して詳しく説明する。
OVD層(2)は前述した光の干渉を利用したOVD画像を形成する層であり、立体画像の表現や見る角度により色が変化するカラーシフトを生じる表示体を形成する層である。その中でホログラムや回折格子のごときOVDとしては、光の干渉縞を微細な凹凸パターンとして平面に記録するレリーフ型や体積方向に干渉縞を記録する体積型が挙げられる。レリーフ型とは、一般的に光学的な撮影方法により微細な凹凸パターンからなるレリーフ型のマスターホログラムを作製し、これから電気メッキ法により凹凸パターンを複製したニッケル製のプレス版を複製し、このプレス版をホログラム形成層上に加熱押圧するという周知の方法により大量複製が行われている。このタイプのホログラムは、レリーフ型ホログラムと称されている。また、レリーフ型ホログラムとは異なり、感光性樹脂などの記録材を用いて、体積方向に干渉縞を記録する体積型ホログラムと称されるものもある。この型のホログラムではリップマンホログラムと呼ばれるものが一般に使用されており、これは感光性樹脂の屈折率を体積方向に変化させ、反射型ホログラムとしたものである。更に、この立体画像を再生し得るホログラム画像とは異なり、微小なエリアに複数種類の単純な回折格子を配置して画素とし、画像を表現するグレーティングイメージ、ピクセルグラムといった回折格子画像もまた、レリーフ型ホログラムと同様な方法で大量複製が行われ、一方、ホログラムや回折格子と手法が異なり、光学特性の異なるセラミックスや金属材料の薄膜を積層し、見る角度により色の変化(カラーシフト)を生じる多層薄膜方式もその例である。これら、OVDの中でも量産性やコストを考慮した場合には、レリーフ型ホログラム(回折格子)や多層薄膜方式のものが好ましい。
【0023】
図2は、レリーフ型のホログラムや回折格子をOVDとして用いた本発明の非接触ICタグの断面図である。アンテナ(12)とICチップ(13)を収納した支持体(11)に、OVD層(2)、印刷層(3)、保護層(4)が設けられた構成になっている。この場合、OVD層(2)はOVD形成層(21)およびOVD効果層(22)から成っており、OVD効果層(22)はより回折効率が得られるよう光を反射する高屈折材料薄膜や金属薄膜によりなる。レリーフ型のホログラム(回折格子)は前述したように微細な凹凸パターンを有するプレス版を加熱しOVD形成層(21)に押し当て、そのパターンを複製する方式である。それゆえ、OVD形成層(21)は熱による成形性が良好で、プレスムラが生じ難く、明るい再生像が得られる材料であって、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などの熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、あるいは、ラジカル重合性不飽和基を有する紫外線や電子線硬化性樹脂を単独あるいは複合して用いることができる。また、上記以外ものでも、OVDレリーフパターンを形成可能な材料であれば適宜使用可能である。また、レリーフ型のホログラム(回折格子)を用いた場合、その回折効率を高めるためOVD形成層(21)で使用される高分子材料と屈折率の異なる反射層(OVD効果層(22))を設けることが好ましい。このOVD効果層(22)を設けることにより、回折効率が向上し、より鮮明な画像や色の変化をもたらす。用いる材料としては、屈折率の異なるTiO2、Si2 O3 、SiO、Fe2O3 、ZnS、などの高屈折率材料やより反射効果の高いSn、Al等の島状構造でなる金属薄膜が挙げられ、これら材料を単独あるいは積層して使用できる。
【0024】
島状構造でなる金属薄膜とは、図3に示すようなサイズ0.02〜1μmの粒子(51)が間隔0.001〜0.5μm程度で各々が孤立した島状に形成された薄膜であり、島同士が離れているため、薄膜全体では導電性を示さない。また、その間隔も非常に小さいため、膜全体では光を反射する特性を示す。この薄膜は真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の薄膜形成法により直接形成する方法(特公平6−6783号公報)があり、Sn、Sn−Al合金、Sn−Si合金、Ti、Cr、Fe、Ni、Co、Si、Ge等が挙げられるが、融点の低い金属や貴金属が加工に適しており、Sn、Sn−Al合金、Sn−Si合金が好ましい。その他に島状構造の薄膜を形成する方法としては、Alのような島状構造の蒸着が難しい材料であっても、一旦連続した薄膜を形成した後、島状構造となるようにエッチングにより部分的に薄膜を除去し製造することも可能である。これら以外の方法であっても各々が独立した島構造の薄膜が形成できる公知の手法であれば利用可能であり、限定されるものではない。
【0025】
一方、図2のOVD効果層(22)には金属酸化物、硫化物等の誘電体材料を用いる事もでき、例えばTiO2 、Si2O3 、SiO、SiO2 、Fe2O3、ZnS、MgO、Al2O3 、AlF3 等のセラミックス材料が挙げられる。これら材料は色調や光透過性の程度から様々ではあるが200Å〜10000Åの範囲にて公知の真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の薄膜形成法で設けられる。これらの材料は導電性を示さず、透明性が高いが、プラスチック材料と屈折率が異なるため、プラスッチック材料と積層した場合、その境界で光を反射する特性を有している。上記以外でも、OVD効果層(22)を構成する材料としては、その屈折率が、OVD形成層(21)で使用される高分子材料(屈折率n=1.3〜1.5)よりも高く、導電性を示さない材料であれば、上記の無機材料以外の有機系、有機無機複合体、有機系材料に無機系フィラーを分散したものであっても使用可能である。これらの材料はグラビアコート、ダイコート、スクリーン印刷等の公知のコーティング法、や印刷法にて0.1μm〜10μm程度形成される。さらには、上記以外の材料であっても反射性を有した材料であれば、適宜使用することが可能である。
【0026】
図4は、多層薄膜をOVDとして用いた非接触ICタグの一実施例の断面図である。アンテナ(12)とICチップ(13)を収納した支持体(11)に、OVD層(2)、印刷層(3)、保護層(4)が設けられた構成になっている。図4に示す多層薄膜方式にて形成されるOVD層(2)は、異なる光学特性を有する多層薄膜層(23、24、25)からなり、金属薄膜、セラミックス薄膜またはそれらを併設してなる複合薄膜として積層形成される。例えば屈折率の異なる薄膜を積層する場合、高屈折率の薄膜と低屈折率の薄膜を組み合わせても良く、また特定の組み合わせを交互に積層するようにしてもよい。それらの組み合わせにより、所望の多層薄膜を得ることができる。この多層薄膜層は、セラミックスや金属などの材料が用いられ、おおよそ2以上の高屈折率材料と屈折率が1.5程度の低屈折率材料を所定の膜厚で積層したものである。以下に用いられる材料の一例を挙げる。まず、セラミックスとしては、Sb2 O3 (3.0=屈折率n:以下同じ)、Fe2O3(2.7)、TiO2(2.6)、CdS(2.6)、CeO2(2.3)、ZnS(2.3)、PbCl2(2.3)、CdO(2.2)、Sb2 O3(2.0)、WO3(2.0)、SiO(2.0)、Si2O3(2.5)、In2 O3(2.0)、PbO(2.6)、Ta2O3(2.4)、ZnO(2.1)、ZrO2(2.0)、MgO(1.6)、SiO2(1.5)、MgF2(1.4)、CeF3 (1.6)、CaF2(1.3〜1.4)、AlF3(1.6)、Al2O3(1.6)、GaO(1.7)等が挙げられ、金属材料としては金属単体もしくは合金の島状構造を有した薄膜、例えばAl、Sn、Sn−Al等が挙げられる。
【0027】
また、低屈折率の有機ポリマー、例えばポリエチレン(1.51)、ポリプロピレン(1.49)、ポリテトラフロロエチレン(1.35)、ポリメチルメタアクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.60)等が使用可能である。
【0028】
これらの高屈折率材料もしくは30%〜60%透過性を有する島状構造の金属薄膜より少なくとも一種、低屈折率材料より少なくとも一種選択し、所定の厚さで交互に積層させる事により、特定の波長の可視光に対する吸収あるいは反射を示すものである。なお、金属から構成される薄膜は、構成材料の状態や形成条件などにより、屈折率などの光学特性が変わってくるため、本発明の実施例では一定の条件における値を用いている。上記した各材料から屈折率、反射率、透過率等の光学特性や耐候性、耐薬品性、層間密着性などに基づき適宜選択され、薄膜として積層され多層薄膜を形成する。形成方法は公知の手法を用いることができ、膜厚、成膜速度、積層数、あるいは光学膜厚(=n・d、n:屈折率、d:膜厚)などの制御が可能な、通常の真空蒸着法、スパッタリング法などの物理的気相析出法やCVD法などの化学的気相析出法を用いることができる。
【0029】
また、低屈折率有機ポリマーの成膜方法としては、公知のグラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法などの印刷方法やバーコート法、グラビア法、ロールコート法等などの塗布方法等を用いることができる。
【0030】
なお、本発明ではセラミックス・金属のみを開示しているが、セラミックス・金属と同等、あるいは類似する屈折率と反射率を有するものであれば、用いることが可能である。この多層薄膜層の具体例を挙げるならば、その層厚が50〜20000Åの範囲であり、また薄膜の層構成は上記した高屈折率の材料もしくは金属材料からなる薄膜、例えばZnS、TiO2、ZrO2、In2O3、SnO、ITO、CeO2、ZnO、Ta2O3、Al、Snなどと、上記した低屈折率の材料からなる薄膜、例えばMgF2、SiO2、CaF2、MgO、Al2O3などとの組み合わせであり、それらを交互に積層し、その積層数が2層以上であり、好ましくは2層〜9層であるものが挙げられる。尚、用いられる材料、組み合わせにより多層膜の光学特性が異なるため、これに限定されるものではない。
【0031】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
図2は本発明の光学効果付き非接触ICタグの一実施例を示す断面図である。非接触ICタグ(1)は支持体(11)に、非接触でデータの送受信に用いるアンテナ(12)とICチップ(13)を収納し、OVD形成層(21)、OVD効果層(22)、印刷層(3)、保護層(4)が設けられた構成となっている。また、図2では伝送方式としてマイクロ波方式を用いた非接触ICタグとなっている。
【0032】
図2に示す光学効果付き非接触ICタグは下記の様に作製した。まず、厚み100μmのポリイミドのアンテナ基材(14)上に、厚み20μmの銅箔からなる非接触通信用のアンテナ(12)をエッチングにより形成した。さらにアンテナ(12)にはフリップチップ実装によりICチップ(13)を取り付けた。更にICチップとアンテナを厚み250μmのPETシートで挟みこみ、熱ラミネートによりプレート状の支持体(11)を得た。支持体(11)の表面にOVD効果層(22)としてSnを島状構造で500Å蒸着した後、以下の組成でなるOVD形成層(21)をグラビア法で厚み1μm形成したあと、ロールエンボス法を用いて140℃に熱したレリーフホログラムのスタンパーを押し当て、ホログラムパターンを形成した。更に印刷層(3)をスクリーン印刷にて厚み1μm程度で形成し、保護層(4)として以下の組成からなる紫外線硬化材料を2μm塗布し、紫外線を照射して硬化させ、光学効果付き非接触ICタグを得た。
【0033】
〈OVD形成層組成〉
ポリエステル 20部
HMDI(ヘキサメチレンジイソシアネート) 5部
MEK(メチルエチルケトン) 50部
トルエン 25部
【0034】
〈保護層組成〉
ウレタンアクリレート 50部
アクリレートモノマ− 45部
光重合開始剤 5部
【0035】
上記の工程でSnを島状構造ではなく、支持体(11)の表面に一様に蒸着を行った光学効果付き非接触ICタグも用意し、図5に示す様にデータ読み書き装置(6)を用いて、通信テストを行った。通信テストは光学効果付き非接触ICタグとデータ読み書き装置との間隔を1mで行った。支持体(11)の表面に一様に蒸着を行った光学効果付き非接触ICタグでは、Snの蒸着層がデータ読み書き装置からの電波を遮蔽してしまう為、データ読み書き装置との通信を行うことができなかったが、本発明のSnを島状構造で蒸着を行った光学効果付き非接触ICタグは、Snの蒸着層が導電性を有していない為、1m離れた位置からでもデータ読み書き装置との通信を行う事ができた。
【0036】
【発明の効果】
本発明は以上の構成であるから下記に示す如き効果がある。 即ち導電性を有していないOVD層を備えた非接触ICタグであるので、データ読み書き装置との通信に不具合を生じる事が無く、また、非接触ICタグが取り付けられる物品に対して、非接触ICタグとOVDを同時に形成することができ、また従来の非接触ICタグに比べ、意匠性や高級感、偽造防止効果を与えることができる光学効果付き非接触ICタグである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の光学効果付き非接触ICタグの一実施例の構造を示す透視図である。
(b)本発明の光学効果付き非接触ICタグの一実施例におけるA−A´付近の断面図である。
【図2】OVD層がホログラムや回折格子である光学効果付き非接触ICタグの一実施例における断面図である。
【図3】金属が島状に形成された薄膜の例である。
【図4】OVD層が多層薄膜である非接触ICタグの一実施例における断面図である。
【図5】データ読み書き装置と非接触ICタグとの通信テストの概略図である。
【図6】(a)OVDが形成された非接触ICタグである。
(b)OVDが形成された非接触ICタグの断面図である。
【符号の説明】
1 光学効果付き非接触ICタグ
11 非接触ICタグの支持体
12 アンテナ
13 ICチップ
14 アンテナの基材
15 非接触ICタグに形成された孔
2 OVD層
21 OVD形成層
22 OVD効果層
23 多層薄膜を形成する薄膜
24 多層薄膜を形成する薄膜
25 多層薄膜を形成する薄膜
26 アルミ蒸着層からなるOVD効果層
3 印刷層
4 保護層
5 金属が島状に形成された薄膜
51 薄膜を形成する粒子
6 データ読み書き装置
61 データ読み書き装置のアンテナ
62 データ読み書き装置からの電波
Claims (6)
- 外部にあるデータ読み書き装置との間で、非接触でデータの送受信を行う非接触ICタグであって、支持体に少なくとも、前記非接触でデータの送受信に用いるアンテナとICチップ、及び、少なくとも目視で光学的な効果を呈するOVD層を備えており、該OVD層が導電性を有してないことを特徴とする光学効果付き非接触ICタグ。
- 前記OVD層が導電性を有してない多層薄膜によりなることを特徴とする請求項1記載の光学効果付き非接触ICタグ。
- 前記OVD層はOVD形成層とOVD効果層とからなり、OVD形成層は少なくとも、微細な凹凸パターンが形成された層であって、一方OVD効果層は薄膜でできており、OVD形成層との組合せで光学的効果を発生することを特徴とする請求項1または2記載の光学効果付き非接触ICタグ。
- 前記OVD効果層は少なくとも可視光を反射し易い反射膜であって、微細な島状を成す金属の薄膜が互いに微細な距離を隔てて多数集まって出来ていることを特徴とする請求項3に記載の光学効果付き非接触ICタグ。
- 前記OVD効果層は、前記OVD形成層の材料よりも高い屈折率をもつ材料で出来た薄膜であり、少なくとも可視光の一部を反射することを特徴とする請求項3に記載の光学効果付き非接触ICタグ。
- 前記非接触ICタグの通信方式がマイクロ波を用いたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学効果付き非接触ICタグ。
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