JP2001232993A - 転写媒体 - Google Patents
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Abstract
報の読み書きに支障をきたすことなく、カード上に設け
た磁気媒体を表面がマット状な隠蔽層を用いることで視
覚的に隠蔽し、デザインの自由度を広げた転写媒体を提
供する。 【解決手段】支持体20上に少なくとも、剥離保護層2
1、隠蔽層24、接着剤層25を設けてある転写媒体1
1において、隠蔽層24はマット状に粗面化、非導電性
薄膜層、或いは非導電性薄膜層でかつマット状に粗面化
されている隠蔽層であることを特徴とする転写媒体11
である。
Description
要とするクレジットカードやキャッシュカード等の磁気
情報を有した磁気情報記録媒体の転写媒体に関する。さ
らに詳しくは前記情報記録媒体に偽造防止効果を付与す
るためOVD画像を形成したOVDを有する転写媒体に
関わる。
画像を表現し得る、ホログラムや回折格子、光学特性の
異なる薄膜を重ねることにより、見る角度により色の変
化(カラーシフト)を生じる多層薄膜のようなOVD
(Optical Variable Device)の開発が進められてい
る。
微細な凹凸パターンや、屈折率の異なる縞状パターンな
どの回折構造からなっており、これにより光の回折と干
渉により見る角度(すなわち、ホログラムを支持してい
る角度)に応じて、固有の像や色の変化(カラーシフ
ト)を生じる。一方、多層薄膜は光学特性の異なるセラ
ミックスや金属材料を幾重にも積層した構造でなる。
膜厚により得られる光の干渉作用を利用した表示技術で
あり、特定の波長域に反射・透過特性を有しいるため、
観察する角度によりカラーシフトを生じる。
格子や多層薄膜などの光の干渉を利用した表示技術を総
称してOVDと称することとする。
いった独特な印象を与えるため、優れた装飾効果を有し
ており各種包装材や絵本、カタログ等の一般的な印刷物
に利用されている。さらに、このOVDは高度な製造技
術を要することから有効な偽造防止手段としてクレジッ
トカード、有価証券、証明書類等に形成され使用されて
いる。最近では、OVDの有する装飾効果に着目し媒体
の全面に形成したものも現れてきている。
あるキャッシュカードやクレジットカードは黒色あるい
は茶褐色でなる磁気テープの色を隠蔽し、デザイン制限
ないカードを作ることが試みられてきた。その方法とし
ては、カードの色自体を磁気テープの色と合わせる手法
や白色、黒色あるいは銀色等の隠蔽インキを上から塗布
した後に絵柄の印刷を施す手法が取られている。前者の
場合色が制限されるために、デザインが限定されてしま
うという問題がある。後者の方法ではデザインの幅が広
がるが、その隠蔽および印刷の厚みが厚くなるため、磁
気出力が低下するという問題があった。
場合に、OVD分の厚みが増すためにより出力が低下
し、読みとりエラーを生じやすいという問題を有してい
た。具体例を挙げるならば磁気ストライプを有するクレ
ジットカード等の磁気カードは磁気テープの性能にもよ
るが、一般に約6μm程度の印刷が限界であり、それ以
下にしなければならないという問題がある。
付与した磁気情報記録媒体は読み取り難い媒体であっ
た。特開平9−29443号公報によれば隠蔽層をAl
やNi等の金属薄膜で形成することにより薄膜化し、光
回折画像(ホログラムや回折格子)を形成しても出力が
低下しない構成が提案されている。しかしながら、この
構成はその情報媒体上に導電体である金属と絶縁体であ
るプラスチック材料を積層した構造であり、電荷のたま
りやすい構造のため、加工時に静電気による様々な不具
合を起こすほか、磁気情報を書き込むあるいは読み出す
際に電荷の放電によりエラーを生じやすい構成であっ
た。
する課題は、OVDを有した転写媒体において、例えば
カード上に本転写媒体を転写して設けた場合、磁気情報
の読み書きに支障をきたすことなくカード上に設けた磁
気媒体を表面がマット状な隠蔽層を用いることで視覚的
に隠蔽し、デザインの自由度を広げたことを特徴とする
転写媒体の提案である。
するためになされた発明であり、請求項1に記載の発明
は、支持体上に少なくとも、剥離保護層、隠蔽層、接着
剤層を設けてある転写媒体において、隠蔽層はマット状
に粗面化し/かつ非導電性薄膜層から成る隠蔽層である
ことを特徴とする転写媒体である。
反射することなく乱反射し白色に近い色調を得られる事
から、デザインの選択性を広げる事ができ、非導電性薄
膜層を設けることで隠蔽性が格段に向上し磁気情報の読
み書きに支障をきたすことがなくなる。
体において、剥離保護層と隠蔽層の層間に印刷層、OV
D層を設けたことを特徴とする請求項1に記載の転写媒
体である。隠蔽層を擬似的に白色とすることでOVD層
の効果が格段に向上し偽造防止効果が得られる。
体において、隠蔽層は無機フィラ/或いは有機フィラ/
或いは着色顔料を混入させ表面をマット状とし/かつ非
導電性薄膜層を設けたことを特徴とする請求項1又は請
求項2に記載の転写媒体である。
体において、隠蔽層は熱圧によるエンボス方式により表
面をマット状とし/かつ非導電性薄膜層を設けたことを
特徴とする請求項1又は請求項2に記載の転写媒体であ
る。
体において、隠蔽層はサンドブラスト法により表面をマ
ット状とし/かつ非導電性薄膜層を設けたことを特徴と
する請求項1又は請求項2に記載の転写媒体である。
て、隠蔽層は相溶性の異なる2種類以上の樹脂をブレン
ドして成膜課程で表面をマット状にし/かつ非導電性薄
膜層を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に
記載の転写媒体である。
おいて、隠蔽層の非導電性薄膜層は島状構造を有した金
属薄膜よりなることを特徴とする請求項1〜6のいずれ
か1項に記載の転写媒体である。この金属薄膜は各々の
島は導電性を示すが、島と島の間が離れているために、
膜自体では導電性を示さない性質を有している。
おいて、隠蔽層の非導電性薄膜層は金属酸化物等の誘電
体薄膜よりなることを特徴とする請求項1〜6のいずれ
か1項に記載の転写媒体である。
て図面を参照して詳細に説明する。全図にわたり、同一
部材・個所には同一符号が付されている
施例を示す断面図ある。更に図3は本発明の転写媒体を
磁気情報記録媒体に転写して用いた一応用例を示す断面
図である。以降、これらの図を用いて詳しく説明する。
(20)の上層に剥離保護層(21)、隠蔽層(24)
として樹脂層(24−1)、非導電性薄膜層(24−
2)を設け、接着剤層25を積層した構成である。
(20)の上層に剥離保護層(21)、印刷層(2
2)、OVD層(23)としてOVD樹脂層(23−
1)、OVD効果層(23−2)を設け、この上層に隠
蔽層(24)として樹脂層(24−1)、非導電性薄膜
層(24−2)を設け、接着剤層(25)を積層した構
成である。
媒体(11)を磁気情報記録媒体(30)に転写し、磁
気層(31)を隠蔽しOVD層(23)の意匠性を高め
た一応用例の断面図である。
詳しく説明する。図1,図2において、転写媒体の支持
体(20)は耐熱性、引っ張り強度等に優れた強靱なプ
ラスチックフィルムが適用できる。例えば、ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(PETフィルム)、ポリエ
チレンナフタレートフィルム(PENフィルム)、ポリ
イミドフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム
(PPSフィルム)等のフィルムが使用できる。これら
フィルムは加工性、操作性を考慮し、物理特性の優れた
厚み2μmから200μmの範囲から選択され、好まし
くは4.5μmから100μm前後の厚みが用いられ
る。
転写媒体(11)を磁気情報記録媒体(30)へ転写す
るものであり、更に、磁気ヘッドや何らかの物理的な擦
れ、汗、薬品等の刺激から転写媒体(11)を保護する
役割を果たすものであり、印刷法、コーティング法等に
より、膜厚0.2から10μm程度に設けることができ
る。
ル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニル樹脂−酢酸ビニ
ル共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、メラミン系樹脂、
エポキシ系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリイミド樹脂
等の従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線ま
たは電子線硬化樹脂を単独或いは、混合物して用いられ
る。更に、耐性の向上、記録の際のスティッキング防止
のために、樹脂を架橋する硬化剤、ポリエチレンワッ
ス、カルナバワックス、シリコンワックス等のワックス
類、或いは炭酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、シリ
カ、アルミナ、タルク等の体質顔料、シリコ−ン油脂等
の油脂類を透明性を損なわない範囲で添加することがで
きる。
れ、文字や記号あるいはキャラクター等絵柄の目視確認
可能な情報や背景が印刷される。この印刷層は当業者に
公知の材料・印刷方法にて設けられるが、転写媒体(1
1)を磁気層上に転写する場合は、印刷膜厚が厚く形成
すると磁気出力の低下の原因となるため1〜3μm程度
で設けることが好ましい。
脂層(23−1)、OVD効果層(23−2)で構成さ
れるが、次に示すとおりこれに限定されるものではな
い。続いてOVD層に関して詳しく説明する。OVD層
(23)は前述した光の干渉を利用したOVD画像を形
成する層であり、立体画像の表現や見る角度により色が
変化するカラーシフトを生じる表示体を形成する層であ
る。その中でホログラムや回折格子のごときOVDとし
ては、光の干渉縞を微細な凹凸パターンとして平面に記
録するレリーフ型や体積方向に干渉縞を記録する体積型
が挙げられる。
法により微細な凹凸パターンからなるレリーフ型のマス
ターホログラムを作製し、これから電気メッキ法により
凹凸パターンを複製したニッケル製のプレス版を複製
し、このプレス版をホログラム形成層上に加熱押圧する
という周知の方法により大量複製が行われている。この
タイプのホログラムは、レリーフ型ホログラムと称され
ている。
感光性樹脂などの記録材を用いて、体積方向に干渉縞を
記録する体積型ホログラムと称されるものもある。この
型のホログラムではリップマンホログラムと呼ばれるも
のが一般に使用されており、これは感光性樹脂の屈折率
を体積方向に変化させ、反射型ホログラムとしたもので
ある。
ム画像とは異なり、微小なエリアに複数種類の単純な回
折格子を配置して画素とし、画像を表現するグレーティ
ングイメージ、ピクセルグラムといった回折格子画像も
また、レリーフ型ホログラムと同様な方法で大量複製が
行われ、
り、光学特性の異なるセラミックスや金属材料の薄膜を
積層し、見る角度により色の変化(カラーシフト)を生
じる多層膜方式もその例である。これら、OVDの中で
も量産性やコストを考慮した場合には、レリーフ型ホロ
グラム(回折格子)や多層薄膜方式のものが好ましい。
以降、これらに関して詳しく説明する。
細な凹凸パターンを有するプレス版を加熱しOVD層に
押し当て、そのパターンを複製する方式である。それゆ
え、OVD層は熱による成形性が良好で、プレスムラが
生じ難く、明るい再生像が得られる材料であって、ポリ
カーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル
樹脂などの熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メ
ラミン樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、あるい
は、ラジカル重合性不飽和基を有する紫外線や電子線硬
化性樹脂を単独あるい複合して用いることができる。ま
た、上記以外ものでも、OVDレリーフパターンを形成
可能な材料であれば適宜使用可能である。
子)を用いた場合、その回折効率を高めるためOVD層
で使用される高分子材料と屈折率の異なる反射層を設け
ることができる。このOVD効果層を設けることによ
り、回折効率が向上し、より鮮明な画像や色の変化をも
たらす。用いる材料としては、屈折率の異なるTi
O2 、Si2 O 3 、SiO、Fe2 O3 、ZnS、など
の高屈折率材料やより反射効果の高いSn、Al等の島
状構造薄膜が挙げられ、これら材料を単独あるいは積層
して使用できる。これらの層は導電性を示さない材料が
好ましく、これらに限定されるものではない。これらの
材料は真空蒸着法、スパッタリング等の公知の薄膜形成
技術やエッチング法にて形成され、その膜厚は用途によ
って異なるが、100Å〜10000Å程度で形成され
る。
料としては、その屈折率が、OVD層(23)で使用さ
れる高分子材料(屈折率n=1.3〜1.5)よりも高
く、導電性を示さない材料であれば、上記の無機材料以
外の有機系、有機無機複合体、有機系材料に無機系フィ
ラーを分散したものであっても使用可能である。これら
の材料はグラビアコート、ダイコート、スクリーン印刷
等の公知のコーティング法、や印刷法にて0.1μm〜
10μm程度形成される。さらには、上記以外の材料で
あっても反射性を有した材料であれば、適宜使用するこ
とが可能である。
層(23)は、前述したように、異なる光学適性を有す
る多層薄膜層からなり、金属薄膜、セラミックス薄膜ま
たはそれらを併設してなる複合薄膜として積層形成され
る。例えば屈折率の異なる薄膜を積層する場合、高屈折
率の薄膜と低屈折率の薄膜を組み合わせても良く、また
特定の組み合わせを交互に積層するようにしてもよい。
それらの組み合わせにより、所望の多層薄膜を得ること
ができる。
どの材料が用いられ、おおよそ2以上の高屈折率材料と
屈折率が1.5程度の低屈折率材料を所定の膜厚で積層
したものである。以下に用いられる材料の一例を挙げ
る。まず、セラミックスとしては、Sb2 O3 (3.
0)、Fe2 O3 (2.7)、TiO2 (2.6)、C
dS(2.6)、CeO2(2.3)、ZnS(2.
3)、PbCl2 (2.3)、CdO(2.2)、Sb
2 O3 (2.0)、WO3 (2.0)、SiO(2.
0)、Si2 O3 (2.5)、In2 O3 (2.0)、
PbO(2.6)、Ta 2 O3 (2.4)、ZnO
(2.1)、ZrO2 (2.0)、MgO(1.6)、
SiO2 (1.5)、MgF2 (1.4)、CeF
3 (1.6)、CaF2 (1.3〜1.4)、AlF3
( 1.6)、Al2 O3 (1.6)、GaO(1.7)
等が挙げられ、金属材料としては金属単体もしくは合金
の島状構造を有した薄膜、例えばAl、Sn、Sn−A
l、等が挙げられる。尚、この括弧内の数値は屈折率n
を示す。
リエチレン(1.51)、ポリプロピレン(1.4
9)、ポリテトラフロロエチレン(1.35)、ポリメ
チルメタアクリレート(1.49)、ポリスチレン
(1.60)等が使用可能である。この括弧内の数値は
屈折率nを示す。これらの高屈折率材料もしくは30%
〜60%透過性を有する島状構造の金属薄膜より少なく
とも一種、低屈折率材料より少なくとも一種選択し、所
定の厚さで交互に積層させる事により、特定の波長の可
視光に対する吸収あるいは反射を示すものである。な
お、金属から構成される薄膜は、構成材料の状態や形成
条件などにより、屈折率などの光学特性が変わってくる
ため、本発明の実施例では一定の条件における値を用い
ている。
率等の光学特性や耐候性、耐薬品性、層間密着性などに
基づき適宜選択され、薄膜として積層され多層薄膜を形
成する。形成方法は公知の手法を用いることができ、膜
厚、成膜速度、積層数、あるいは光学膜厚(=n・d、
n:屈折率、d:膜厚)などの制御が可能な、通常の真
空蒸着法、スパッタリング法などの物理的気相析出法や
CVD法などの化学的気相析出法を用いることができ
る。
しては、公知のグラビア印刷方、オフセット印刷方、ス
クリーン印刷方などの印刷方法やバーコート法、グラビ
ア法、ロールコート法等などの塗布方法等を用いること
ができる。なお、本発明ではセラミックス・金属のみを
開示しているが、セラミックス・金属と同等、あるいは
類似する屈折率と反射率を有するものであれば、用いる
ことが可能である。
ば、その層厚が50〜20000Åの範囲であり、また
薄膜の層構成は上記した高屈折率の材料もしくは金属材
料からなる薄膜、例えばZnS、TiO2 、ZrO2 、
In2 O3 、SnO、ITO、CeO2 、ZnO、Ta
2 O3 、Al、Snなどと、上記した低屈折率の材料か
らなる薄膜、例えばMgF2 、SiO2 、CaF2 、M
gO、Al2 O3 などとの組み合わせであり、それらを
交互に積層し、その積層数が2層以上であり、好ましく
は2層〜9層であるものが挙げられる。尚、用いられる
材料、組み合わせにより多層膜の光学特性が異なるた
め、これに限定されるものではない。
び非導電性薄膜層(24−2)から構成され、非導電性
薄膜層(24−2)は樹脂層(24−1)と積層した場
合その境界で光を反射する特性を有している。この特性
を利用し薄膜を形成する面を予め細かく荒らしておくこ
とで光の反射面積をより多くし、さらには反射光を散乱
させることにより、白色の隠蔽層を得ることが可能であ
る。また、セラミックス材料以外の金属を用いた場合に
おいても、薄膜を形成する面を予め細かく荒らしておく
ことで金属光沢を抑え、より白色に近い隠蔽層を得る事
が可能である。
脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル
樹脂、ポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂、不飽和ポ
リエステル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂などの熱
硬化性樹脂、あるいは、ラジカル重合性不飽和基を有す
る紫外線や電子線硬化性樹脂を単独あるい複合して用い
ることができる。更に隠蔽層(24)の構成層である樹
脂層(24−1)をマット化する方法として、無機フィ
ラ/或いは有機フィラ/或いは着色顔料のマット剤を使
用した方法、エンボス方式により表面をマット化する方
法、サンドブラスト法により表面をマット化する方法、
相溶性の異なる2種類以上の樹脂をブレンドして成膜課
程で表面をマット化する方法があげられる。何れの方法
においても、隠蔽層(24)表面を細かく荒らすこと
で、例えば金属光沢の得られる薄膜を設けたとしても、
入射光は乱反射し白色な隠蔽層(24)が得られる。
状構造でなる金属薄膜やセラミックス材料からなる薄膜
を用いるのが良い。以降これらに関してさらに詳しく説
明する。
ようにサイズ200Å〜1μmの粒子が間隔10Å〜5
000Å程度で各々が孤立した島状に形成された薄膜で
あり、島(41)同士が離れているため、薄膜全体には
導電性を示さない。また、その間隔も非常に小さいた
め、膜全体では光を反射する特性を示し、磁気層(3
1)を隠蔽することが可能となる。この薄膜は真空蒸
着、スパッタリング、イオンプレーティング等の薄膜形
成法により直接形成する方法(特公平6−6783号公
報)があり、Sn、Sn−Al合金、Sn−Si合金、
Ti、Cr、Fe、Ni、Co、Si、Ge等がが挙げ
られるが、融点の低い金属や貴金属が加工に適してお
り、Sn、Sn−Al合金、Sn−Si合金が好まし
い。
しては、Alのような島状構造の蒸着が難しい材料であ
っても、一旦連続した薄膜を形成した後、島状構造とな
るようにエッチングにより部分的に薄膜を除去し製造す
ることも可能である。これら以外の方法であっても各々
が独立した島構造の薄膜が形成できる公知の手法であれ
ば利用可能であり、限定される物ではない。
を用いた隠蔽層は例えばTiO2 、Si2 O3 、Si
O、SiO2 、Fe2 O3 、ZnS、MgO、Al2 O
3 、AlF3 等のセラミックス材料が挙げられる。これ
ら材料は色調や光透過性の程度から様々ではあるが20
0Å〜10000Åの範囲にて公知の真空蒸着、スパッ
タリング、イオンプレーティング等の薄膜形成法で設け
られる。
よる不具合を生じにくい媒体が得られるが、いずれも透
明性が高く隠蔽性に劣る。しかしながらTiO2 2、S
i2O3 、ZnS等の材料はプラスチック材料と屈折率
が異なるため、入射光は反射して隠蔽性が得られる。
気情報記録媒体(30)に接着させる構成層であり、軟
化点150℃以下の高分子材料を印刷法、コーティング
法により膜厚0. 5μm〜10μmに塗布し設けられ
る。高分子材料としてはポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリウ
レタン系樹脂、アクリル系樹脂の単独、混合或いは共重
合物、エラストマー等が用いられる。好ましくはポリ塩
化ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂が
用られる。
な偽造防止効果を必要とするクレジットカードやキャッ
シュカード、IDカード、更にはポイントカード等の磁
気層31を有した磁気情報記録媒体が使用される。この
際、磁気層(31)が磁気情報記録媒体(30)の一部
に設けられている場合、その他の部分を磁気層(31)
と同色系の印刷を施すか、顔料、或いは染料等を用いて
着色することで、全体の色バラツキを無くしても差し支
えない。
を全面、或いは部分的に印刷法、コーティング法等で設
けることができる。更には、磁気テープ等を熱プレス、
熱転写等で設けることも差し支えないものである。
の形態あるいは製造方法により各層の上に接着層や印刷
層を適宜設けることは可能である。また、その積層する
順もこれに示した限りでなく、例えばOVD層(23)
の下層に印刷層(22)を有する構成やOVD効果層
(23−2)が隠蔽層(24)を兼ねる構成であっても
良い。
インキや赤外線インキや液晶高分子等にて潜像を付与し
た構成も付け加えることも可能である。
明する。 [実施例1]図2に示した本発明の転写媒体の一実施例
を示す断面図を用いて詳しく説明する。厚み12μmの
ポリエチレンテレフタレートフィルムから成る支持体
(20)に剥離保護層塗料をグラビア印刷法にて1μm
塗布し、剥離保護層(21)を設けた。この上層に絵柄
をオフセット印刷法にて1μm程度の厚みで印刷層(2
2)を施した。この上層にOVD層をグラビア印刷法で
1μm、OVD効果層としてTiO2 を真空蒸着にて5
00Å形成した後、ロールエンボス法を用いて140℃
に熱したレリフー型レインボーホログラムのスタンパー
を押し当て、レインボーホログラムパターンを成形し
た。この上層に隠蔽層(24)として樹脂層(24−
1)をグラビア印刷法にて1μm塗布し、更に非導電性
薄膜層(24−2)としてSnを真空蒸着法にて島状に
蒸着した。この上層に接着剤層塗料をグラビア印刷法に
て1μm塗布し、接着剤層(25)を形成し転写媒体
(11)とした。得られた転写媒体(11)を、予め磁
気層(31)として650Oeの磁気テープを熱により
埋め込んだ厚み760μmの塩化ビニルから成る磁気情
報記録媒体(30)に140℃の熱ロール法にて接着し
図3の如くカードを形成した。
示す。 (剥離保護層塗料) アクリル樹脂 10部 カルナバワックス 1部 MEK(メチルエチルケトン) 45部 トルエン 45部 〈OVD層塗料〉 ポリエステル 20部 HMDI(ヘキサメチレンジイソシアネート) 5部 MEK 50部 トルエン 25部 (隠蔽層塗料) ポリエステル樹脂 20部 シリカ 2部 MEK 40部 トルエン 40部 (接着剤層塗料) ポリエステル樹脂 10部 ウレタン樹脂 10部 MEK 40部 トルエン 40部
は外見では磁気層が確認されず、わずか500ÅのSn
蒸着にて隠蔽可能であった。また磁気出力も、その磁気
テープ上の印刷の厚みが5.0μm程度であるため良好
な出力が得られた。また、積み重ねた状態で電荷をため
ることもなく、電気を急激に放電することもないので、
作業がしやすく、磁気情報の数十回書込読出を行っても
エラーは生じなかった。
テレフタレートフィルムから成る支持体(20)に上記
実施例1記載の剥離保護層塗料をグラビア印刷法にて1
μm塗布し、剥離保護層(21)を設けた。この上層に
絵柄をオフセット印刷法にて1μm程度の厚みで印刷層
(22)を施した。この上層に上記実施例1記載のOV
D層をグラビア印刷法で1μm、OVD効果層としてT
iO2 を真空蒸着にて500Å形成した後、ロールエン
ボス法を用いて140℃に熱したレリフー型レインボー
ホログラムのスタンパーを押し当て、レインボーホログ
ラムパターンを成形した。この上層に隠蔽層(24)と
して樹脂層(24−1)をグラビア印刷法にて1μm塗
布し、120℃の熱ロール法にてマット調にエンボスし
た後、更に非導電性薄膜層(24−2)としてSnを真
空蒸着法にて島状に蒸着した。この上層に上記実施例1
記載の接着剤層塗料をグラビア印刷法にて1μm塗布
し、接着剤層(25)を形成し転写媒体(11)とし
た。得られた転写媒体(11)を、予め磁気層(31)
として650Oeの磁気テープを熱により埋め込んだ厚
み760μmの塩化ビニルから成る磁気情報記録媒体
(30)に140℃の熱ロール法にて接着し図3の如く
カードを形成した。
では磁気層が確認されず、わずか500ÅのSn蒸着に
て隠蔽可能であった。また磁気出力も、その磁気テープ
上の印刷の厚みが5.0μm程度であるため良好な出力
が得られた。また、積み重ねた状態で電荷をためること
もなく、電気を急激に放電することもないので、作業が
しやすく、磁気情報の数十回書込読出を行ってもエラー
は生じなかった。
テレフタレートフィルムから成る支持体(20)に上記
実施例1記載の剥離保護層塗料をグラビア印刷法にて1
μm塗布し、剥離保護層(21)を設けた。この上層に
絵柄をオフセット印刷法にて1μm程度の厚みで印刷層
(22)を施した。この上層に上記実施例1記載のOV
D層をグラビア印刷法で1μm、OVD効果層としてT
iO2 を真空蒸着にて500Å形成した後、ロールエン
ボス法を用いて140℃に熱したレリフー型レインボー
ホログラムのスタンパーを押し当て、レインボーホログ
ラムパターンを成形した。この上層に隠蔽層(24)と
して樹脂層(24−1)をグラビア印刷法にて1μm塗
布し、サンドブラスト法にてマット調にした後、更に非
導電性薄膜層(24−2)としてSnを真空蒸着法にて
島状に蒸着した。この上層に上記実施例1記載の接着剤
層塗料をグラビア印刷法にて1μm塗布し、接着剤層
(25)を形成し転写媒体(11)とした。
(31)として650Oeの磁気テープを熱により埋め
込んだ厚み760μmの塩化ビニルから成る磁気情報記
録媒体(30)に140℃の熱ロール法にて接着し図3
の如くカードを形成した。
では磁気層が確認されず、わずか500ÅのSn蒸着に
て隠蔽可能であった。また磁気出力も、その磁気テープ
上の印刷の厚みが5.0μm程度であるため良好な出力
が得られた。また、積み重ねた状態で電荷をためること
もなく、電気を急激に放電することもないので、作業が
しやすく、磁気情報の数十回書込読出を行ってもエラー
は生じなかった。
テレフタレートフィルムから成る支持体(20)に上記
実施例1記載の剥離保護層塗料をグラビア印刷法にて1
μm塗布し、剥離保護層(21)を設けた。この上層に
絵柄をオフセット印刷法にて1μm程度の厚みで印刷層
(22)を施した。この上層に上記実施例1記載のOV
D層をグラビア印刷法で1μm、OVD効果層としてT
iO2 を真空蒸着にて500Å形成した後、ロールエン
ボス法を用いて140℃に熱したレリフー型レインボー
ホログラムのスタンパーを押し当て、レインボーホログ
ラムパターンを成形した。この上層に隠蔽層(24)と
して相溶性の異なる樹脂をブレンドした塗料をグラビア
印刷法にて1μm塗布し樹脂層(24−1)を得た。更
に非導電性薄膜層(24−2)としてSnを真空蒸着法
にて島状に蒸着した。この上層に上記実施例1記載の接
着剤層塗料をグラビア印刷法にて1μm塗布し、接着剤
層(25)を形成し転写媒体(11)とした。
31として650Oeの磁気テープを熱により埋め込ん
だ厚み760μmの塩化ビニルから成る磁気情報記録媒
体(30)に140℃の熱ロール法にて接着し図3の如
くカードを形成した。
では磁気層が確認されず、わずか500ÅのSn蒸着に
て隠蔽可能であった。また磁気出力も、その磁気テープ
上の印刷の厚みが5.0μm程度であるため良好な出力
が得られた。また、積み重ねた状態で電荷をためること
もなく、電気を急激に放電することもないので、作業が
しやすく、磁気情報の数十回書込読出を行ってもエラー
は生じなかった。
しも導電性を有しない薄膜である必要はなく、表面をマ
ット化して置けば良い。しかし、磁気テープが設けられ
ている場合には、磁気情報を書き込む或いは読み出す際
に電荷の放電によるエラーを防ぐため導電性を有しない
薄膜であることが必要である。
は、表面をマット状にした隠蔽層を設けることでデザイ
ンの自由度が向上し、更にはOVDが形成されているに
もかかわらず、十分な磁気出力が得られるとともに、取
り扱い時の不具合や、磁気情報の書込読出時にもエラー
を生じない媒体を提供することができた。
る。
る。
た一応用例を示す断面図である。
Claims (8)
- 【請求項1】支持体上に少なくとも、剥離保護層、隠蔽
層、接着剤層を設けてある転写媒体において、隠蔽層は
マット状に粗面化、非導電性薄膜層、或いは非導電性薄
膜層でかつマット状に粗面化されている隠蔽層であるこ
とを特徴とする転写媒体。 - 【請求項2】前記転写媒体において、剥離保護層と隠蔽
層の層間に印刷層、OVD層を設けたことを特徴とする
請求項1に記載の転写媒体。 - 【請求項3】前記転写媒体において、隠蔽層は無機フィ
ラ、有機フィラ、着色顔料或いはこれらを混合して混入
させ表面をマット状にしたことを特徴とする請求項1又
は請求項2に記載の転写媒体。 - 【請求項4】前記転写媒体において、隠蔽層は熱圧によ
るエンボス方式により表面をマット状にしたことを特徴
とする請求項1又は請求項2に記載の転写媒体。 - 【請求項5】前記転写媒体において、隠蔽層はサンドブ
ラスト法により表面をマット状としたことを特徴とする
請求項1又は請求項2に記載の転写媒体。 - 【請求項6】前記転写媒体において、隠蔽層は相溶性の
異なる2種類以上の樹脂をブレンドして成膜課程で表面
をマット状にしたことを特徴とする請求項1又は請求項
2に記載の転写媒体。 - 【請求項7】前記転写媒体において、隠蔽層の非導電性
薄膜層は島状構造を有した金属薄膜よりなることを特徴
とする請求項1から6のいずれか1項に記載の転写媒
体。 - 【請求項8】前記転写媒体において、隠蔽層の非導電性
薄膜層は金属酸化物等の誘電体薄膜よりなることを特徴
とする請求項1から6のいずれか1項に記載の転写媒
体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000044166A JP2001232993A (ja) | 2000-02-22 | 2000-02-22 | 転写媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000044166A JP2001232993A (ja) | 2000-02-22 | 2000-02-22 | 転写媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001232993A true JP2001232993A (ja) | 2001-08-28 |
Family
ID=18566973
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000044166A Pending JP2001232993A (ja) | 2000-02-22 | 2000-02-22 | 転写媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001232993A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006114876A1 (ja) * | 2005-04-21 | 2006-11-02 | Reiko Co., Ltd. | 金属光沢に優れた耐久性ある絶縁被膜を有する製品 |
JP2007108829A (ja) * | 2005-10-11 | 2007-04-26 | Toppan Printing Co Ltd | 磁気転写シート及び磁気記録媒体 |
JP2008229997A (ja) * | 2007-03-20 | 2008-10-02 | Kawai Optical Co Ltd | 装飾体 |
JP2009051055A (ja) * | 2007-08-24 | 2009-03-12 | Fujitsu Component Ltd | 装飾筐体及びその製造方法 |
-
2000
- 2000-02-22 JP JP2000044166A patent/JP2001232993A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006114876A1 (ja) * | 2005-04-21 | 2006-11-02 | Reiko Co., Ltd. | 金属光沢に優れた耐久性ある絶縁被膜を有する製品 |
JP2007108829A (ja) * | 2005-10-11 | 2007-04-26 | Toppan Printing Co Ltd | 磁気転写シート及び磁気記録媒体 |
JP2008229997A (ja) * | 2007-03-20 | 2008-10-02 | Kawai Optical Co Ltd | 装飾体 |
JP2009051055A (ja) * | 2007-08-24 | 2009-03-12 | Fujitsu Component Ltd | 装飾筐体及びその製造方法 |
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