JP4281191B2 - 転写媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、偽造防止効果を必要とするクレジットカードやキャッシュカード等の磁気情報を有した磁気情報記録媒体を製造するための転写媒体に関する。さらに詳しくは前記磁気情報記録媒体に偽造防止効果を付与するためOVD画像を形成したOVDを有する磁気情報記録媒体を製造するための転写媒体に関わる。
【0002】
【従来の技術】
光の干渉を用いて立体画像や特殊な装飾画像を表現し得る、ホログラムや回折格子、光学特性の異なる薄膜を重ねることにより、見る角度により色の変化(カラーシフト)を生じる多層薄膜のようなOVD(Optical Variable Device)の開発が進められている。
【0003】
ホログラムや回折格子のごときOVDは、微細な凹凸パターンや、屈折率の異なる縞状パターンなどの回折構造からなっており、これにより光の回折と干渉により見る角度(すなわち、ホログラムを支持している角度)に応じて、固有の像や色の変化(カラーシフト)を生じる。一方、多層薄膜は光学特性の異なるセラミックスや金属材料を幾重にも積層した構造でなる。この多層薄膜は構成する材料の光学特性と膜厚により得られる光の干渉作用を利用した表示技術であり、特定の波長域に反射・透過特性を有しいるため、観察する角度によりカラーシフトを生じる。
【0004】
本明細書においてはホログラムおよび回折格子や多層薄膜などの光の干渉を利用した表示技術を総称してOVDと称することとする。
【0005】
これらOVDは立体画像やカラーシフトといった独特な印象を与えるため、優れた装飾効果を有しており各種包装材や絵本、カタログ等の一般的な印刷物に利用されている。
さらに、このOVDは高度な製造技術を要することから有効な偽造防止手段としてクレジットカード、有価証券、証明書類等に形成され使用されている。
最近では、OVDの有する装飾効果に着目し媒体の全面に形成したものも現れてきている。
【0006】
一方、磁気情報記録部を有する情報媒体であるキャッシュカードやクレジットカードは黒色あるいは茶褐色でなる磁気テープの色を隠蔽し、デザイン制限ないカードを作ることが試みられてきた。その方法としては、カードの色自体を磁気テープの色と合わせる手法や白色、黒色あるいは銀色等の隠蔽インキを上から塗布した後に絵柄の印刷を施す手法が取られている。
【0007】
前者の場合、色が制限されるためにデザインが限定されてしまうという問題がある。後者の方法ではデザインの幅が広がるが、その隠蔽および印刷の厚みが厚くなるため、磁気出力が低下するという問題があった。
特に絵柄印刷上に前述のOVDを形成した場合に、OVD分の厚みが増すためにより出力が低下し、読みとりエラーを生じやすいという問題を有していた。具体例を挙げるならば磁気ストライプを有するクレジットカード等の磁気カードは磁気テープの性能にもよるが、一般に約6μm程度の印刷が限界であり、それ以下にしなければならないという問題がある。
【0008】
このような、偽造防止効果の高いOVDを付与した磁気情報記録媒体は読み取り難い媒体であった。
特開平9−29443号公報によれば隠蔽層をAlやNi等の金属薄膜で形成することにより薄膜化し、光回折画像(ホログラムや回折格子)を形成しても出力が低下しない構成が提案されている。
しかしながら、この構成はその情報媒体上に導電体である金属と絶縁体であるプラスチック材料を積層した構造であり、電荷のたまりやすい構造のため、加工時に静電気による様々な不具合を起こすほか、磁気情報を書き込むあるいは読み出す際に電荷の放電によりエラーを生じやすい構成であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたもので、装飾性に優れているOVDを有した磁気情報記録媒体の製造において用いられる転写媒体であって、静電気による磁気情報の書き込み、読みとりエラーや加工時の不具合を防止することができる転写媒体を提供することを課題としている。
【0010】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、基材上に少なくともOVD層、隠蔽層、磁気層、接着層を有した転写媒体であって、前記隠蔽層がTiO2 、Si2 O3 、ZnSから選ばれる誘電体薄膜からなり、隠蔽層を形成する面が細かく荒れており反射光を散乱させることにより白色の隠蔽層とすることを特徴とする転写媒体である。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、前記基材とOVD層の間に印刷層有することを特徴とする請求項1記載の転写媒体である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態によって図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明によってなる転写媒体の一実施例を示す構成を示す断面図、図2は本発明の転写媒体を使用した磁気情報記録媒体の一実施例を示し、(A)は平面図であり、(B)は(A)の磁気情報記録媒体のX−X線における断面図である。
以降、これらの図を用いて詳しく説明する。
【0016】
図1に示す転写媒体(10)は、転写媒体基材(11)上に剥離保護層(16)、印刷層(17)、OVD層(12)、隠蔽層(13)、磁気層(14)、接着層(15)の順に構成される。ただし、上記の層のうち、剥離保護層(16)および印刷層(17)は必須要件ではなく、必要に応じて設けられるものである。この転写媒体(10)を被転写基材に転写したものが図2である。
転写後には磁気情報記録媒体として用いることが可能なので、転写された後の状態を、磁気情報記録媒体(20)と呼ぶこととする。
図2に示した磁気情報記録媒体(20)は、被転写基材(21)に接着層(25)を介して磁気層(24)、隠蔽層(23)、OVD層(22)、印刷層(27)、剥離保護層(26)が設けられた形になり、外見では印刷である『☆』や『IDCARD』の絵柄や文字およびOVD(22)である『BANK』のパターンしか確認できない。磁気層は隠蔽層の下側になっているので見ることができない。
【0017】
転写媒体基材(11)としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン等の合成樹脂のあるいは天然樹脂、紙、合成紙などを単独で又は組合わせた複合体が使用可能であるが、一般的には耐熱性や加工適性、平滑性、コスト等を鑑み、ポリエチレンテレフタレートフィルムが使用されることが多い。
【0018】
隠蔽層(13)は磁気層(14)を隠蔽する層であり導電性のない薄膜でなる。例えば島状構造でなる金属薄膜やセラミックス材料からなる薄膜が挙げられる。以降これらに関してさらに詳しく説明する。
島状構造でなる金属薄膜とは、サイズ0.02〜1μmの粒子が間隔0.001〜0.5μm程度で各々が孤立した島状に形成された薄膜であり、島同士が離れているため、薄膜全体では導電性を示さない。また、その間隔も非常に小さいため、膜全体では光を反射する特性を示し、磁気層(14)を隠蔽することが可能となる。
【0019】
この薄膜は真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の薄膜形成法により直接形成する方法(特公平6−6783号公報)があり、Sn、Sn−Al合金、Sn−Si合金、Ti、Cr、Fe、Ni、Co、Si、Ge等が挙げられるが、融点の低い金属や貴金属が加工に適しており、Sn、Sn−Al合金、Sn−Si合金が好ましい。
【0020】
その他に島状構造の薄膜を形成する方法としては、Alのような島状構造の蒸着が難しい材料であっても、一旦連続した薄膜を形成した後、島状構造となるようにエッチングにより部分的に薄膜を除去し製造することも可能である。これら以外の方法であっても各々が独立した島構造の薄膜が形成できる公知の手法であれば利用可能であり、限定されるものではない。
【0021】
一方、金属酸化物、硫化物等の誘電体材料を用いた隠蔽層は例えばTiO2 、Si2 3 、SiO、SiO2 、Fe2 3 、ZnS、MgO、Al2 3 、AlF2 等のセラミックス材料が挙げられる。これら材料は色調や光透過性の程度から様々ではあるが200Å〜10000Åの範囲にて公知の真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の薄膜形成法で設けられる。
【0022】
これらの材料は導電性を示さず、静電気による不具合を生じにくい媒体が得られるが、いずれも透明性が高く隠蔽性に劣る。しかしながらTiO2 、Si2 3 、ZnS等の材料はプラスチック材料と屈折率が異なるため、プラスッチック材料と積層した場合、その境界で光を反射する特性を有している。この特性を利用し薄膜を形成する面を予め細かく荒らしておき光の反射面積をより多くし、更に反射光を散乱させることにより、白色の隠蔽層を得ることが可能である。
【0023】
印刷層(27)は、転写した際、隠蔽層(23)により隠蔽されないように隠蔽層より上になるようにする。したがって、図1においては、印刷層は(17)は剥離保護層(16)とOVD層(12)の間に設けてある。しかし、OVD層が透明で印刷層の絵柄、文字等が被転写基材に転写した際、これらの絵柄、文字等が判読できるならば、OVD層(12)と隠蔽層(13)の間に印刷層が有っても構わない。
【0024】
転写された図2の磁気情報記録媒体(20)においては、『IDCARD』や『☆』の印刷で示した部分が印刷層であり、文字や記号あるいはキャラクター等絵柄の目視確認可能な情報や背景が印刷される。この印刷層は公知の材料・印刷方法にて設けられるが、転写した場合、印刷層(27)は磁気層(24)の上になるので、厚く形成すると磁気出力の低下の原因となるため1〜3μm程度で設けることが好ましい。なお、印刷層(27)は必須構成要件ではなく、用途によって必要な場合に設ければ良い。
【0025】
次にOVD層(12)に関して詳しく説明する。OVD層(12)は前述した光の干渉を利用したOVD画像を形成する層であり、立体画像の表現や見る角度により色が変化するカラーシフトを生じる表示体を形成する層である。
その中でホログラムや回折格子のごときOVDとしては、光の干渉縞を微細な凹凸パターンとして平面に記録するレリーフ型や体積方向に干渉縞を記録する体積型が挙げられる。
【0026】
レリーフ型とは、一般的に光学的な撮影方法により微細な凹凸パターンからなるレリーフ型のマスターホログラムを作製し、これから電気メッキ法により凹凸パターンを複製したニッケル製のプレス版を複製し、このプレス版をホログラム形成層上に加熱押圧するという周知の方法により大量複製が行われている。このタイプのホログラムは、レリーフ型ホログラムと称されている。
【0027】
また、レリーフ型ホログラムとは異なり、感光性樹脂などの記録材を用いて、体積方向に干渉縞を記録する体積型ホログラムと称されるものもある。この型のホログラムではリップマンホログラムと呼ばれるものが一般に使用されており、これは感光性樹脂の屈折率を体積方向に変化させ、反射型ホログラムとしたものである。
【0028】
更に、この立体画像を再生し得るホログラム画像とは異なり、微小なエリアに複数種類の単純な回折格子を配置して画素とし、画像を表現するグレーティングイメージ、ピクセルグラムといった回折格子画像もまた、レリーフ型ホログラムと同様な方法で大量複製が行われ、一方、ホログラムや回折格子と手法が異なり、光学特性の異なるセラミックスや金属材料の薄膜を積層し、見る角度により色の変化(カラーシフト)を生じる多層膜方式もその例である。
これら、OVDの中でも量産性やコストを考慮した場合には、レリーフ型ホログラム(回折格子)や多層薄膜方式のものが好ましい。以降、これらに関して詳しく説明する。
【0029】
図3及び図4は、OVDの形態による本発明の転写媒体を用いて転写後の情報媒体の実施例を説明する断面図を示した。
図3は、レリーフ型のホログラムや回折格子をOVDとして用いた例であり、被転写基材(31)上に接着層(35)を介して磁気層(34)、隠蔽層(33)、OVD層(32)、印刷層(37)、剥離保護層(36)が設けられた構成になっている。
この場合、OVD層(32)はOVD形成層(32a)およびOVD効果層(32b)から成っており、OVD効果層(32b)はより回折効率が得られるよう光を反射する高屈折材料薄膜や金属薄膜によりなる。
また、図4は、OVDとしてカラーシフトを生じる多層膜構成の断面図を示したもので、OVD層(42)は光学特性の異なる薄膜(42a、42b,42c)の多層膜構成となっている。
このようにOVD層の構成はOVD形成方法により異なり、その形態により複数の材料を積層した構成となる。それゆえ、その構成は図3や図4に限定されるものではなく、一実施例である。
【0030】
レリーフ型のホログラム(回折格子)は前述したように微細な凹凸パターンを有するプレス版を加熱しOVD形成層(32a)に押し当て、そのパターンを複製する方式である。それゆえ、OVD形成層(32a)は熱による成形性が良好で、プレスムラが生じ難く、明るい再生像が得られる材料であって、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などの熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、あるいは、ラジカル重合性不飽和基を有する紫外線や電子線硬化性樹脂を単独あるい複合して用いることができる。また、上記以外ものでも、OVDレリーフパターンを形成可能な材料であれば適宜使用可能である。
【0031】
また、レリーフ型のホログラム(回折格子)を用いた場合、その回折効率を高めるためOVD形成層(32a)で使用される高分子材料と屈折率の異なる反射層(OVD効果層(32b))を設けることが好ましい。
このOVD効果層(32b)を設けることにより、回折効率が向上し、より鮮明な画像や色の変化をもたらす。用いる材料としては、屈折率の異なるTiO2 、Si2 3 、SiO、Fe2 3 、ZnS、などの高屈折率材料やより反射効果の高いSn、Al等の島状構造薄膜が挙げられ、これら材料を単独あるいは積層して使用できる。これらの層は前述したように、導電性を示さない材料が用いられ、これらに限定されるものではない。
これらの材料は真空蒸着法、スパッタリング等の公知の薄膜形成技術やエッチング法にて形成され、その膜厚は用途によって異なるが、100Å〜10000Å程度で形成される。
【0032】
上記以外でも、OVD効果層(32b)を構成する材料としては、その屈折率が、OVD形成層(32a)で使用される高分子材料(屈折率n=1.3〜1.5)よりも高く、導電性を示さない材料であれば、上記の無機材料以外の有機系、有機無機複合体、有機系材料に無機系フィラーを分散したものであっても使用可能である。
これらの材料はグラビアコート、ダイコート、スクリーン印刷等の公知のコーティング法、や印刷法にて0.1μm〜10μm程度形成される。さらには、上記以外の材料であっても反射性を有した材料であれば、適宜使用することが可能である。
【0033】
一方、図4に示す多層薄膜方式にて形成されるOVD層(42)は、前述したように、異なる光学特性を有する多層薄膜層(42a、42b、42c)からなり、金属薄膜、セラミックス薄膜またはそれらを併設してなる複合薄膜として積層形成される。例えば屈折率の異なる薄膜を積層する場合、高屈折率の薄膜と低屈折率の薄膜を組み合わせても良く、また特定の組み合わせを交互に積層するようにしてもよい。それらの組み合わせにより、所望の多層薄膜を得ることができる。
【0034】
この多層薄膜層は、セラミックスや金属などの材料が用いられ、おおよそ2以上の高屈折率材料と屈折率が1.5程度の低屈折率材料を所定の膜厚で積層したものである。以下に用いられる材料の一例を挙げる。まず、セラミックスとしては、Sb2 3 (3.0=屈折率n:以下同じ)、Fe2 3 (2.7)、TiO2 (2.6)、CdS(2.6)、CeO2 (2.3)、ZnS(2.3)、PbCl2 (2.3)、CdO(2.2)、Sb2 3 (2.0)、WO3 (2.0)、SiO(2.0)、Si2 3 (2.5)、In2 3 (2.0)、PbO(2.6)、Ta2 3 (2.4)、ZnO(2.1)、ZrO2 (2.0)、MgO(1.6)、SiO2 (1.5)、MgF2 (1.4)、CeF3 (1.6)、CaF2 (1.3〜1.4)、AlF3 (1.6)、Al2 3 (1.6)、GaO(1.7)等が挙げられ、金属材料としては金属単体もしくは合金の島状構造を有した薄膜、例えばAl、Sn、Sn−Al等が挙げられる。
【0035】
また、低屈折率の有機ポリマー、例えばポリエチレン(1.51)、ポリプロピレン(1.49)、ポリテトラフロロエチレン(1.35)、ポリメチルメタアクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.60)等が使用可能である。これらの高屈折率材料もしくは30%〜60%透過性を有する島状構造の金属薄膜より少なくとも一種、低屈折率材料より少なくとも一種選択し、所定の厚さで交互に積層させる事により、特定の波長の可視光に対する吸収あるいは反射を示すものである。
なお、金属から構成される薄膜は、構成材料の状態や形成条件などにより、屈折率などの光学特性が変わってくるため、本発明の実施例では一定の条件における値を用いている。
【0036】
上記した各材料から屈折率、反射率、透過率等の光学特性や耐候性、耐薬品性、層間密着性などに基づき適宜選択され、薄膜として積層され多層薄膜を形成する。形成方法は公知の手法を用いることができ、膜厚、成膜速度、積層数、あるいは光学膜厚(=n・d、n:屈折率、d:膜厚)などの制御が可能な、通常の真空蒸着法、スパッタリング法などの物理的気相析出法やCVD法などの化学的気相析出法を用いることができる。
【0037】
また、低屈折率有機ポリマーの成膜方法としては、公知のグラビア印刷方、オフセット印刷方、スクリーン印刷方などの印刷方法やバーコート法、グラビア法、ロールコート法等などの塗布方法等を用いることができる。なお、本発明ではセラミックス・金属のみを開示しているが、セラミックス・金属と同等、あるいは類似する屈折率と反射率を有するものであれば、用いることが可能である。
【0038】
この多層薄膜層の、具体例を挙げるならば、その層厚が50〜20000Åの範囲であり、また薄膜の層構成は上記した高屈折率の材料もしくは金属材料からなる薄膜、例えばZnS、TiO2 、ZrO2 、In2 3 、SnO、ITO、CeO2 、ZnO、Ta2 3 、Al、Snなどと、上記した低屈折率の材料からなる薄膜、例えばMgF2 、SiO2 、CaF2 、MgO、Al2 3 などとの組み合わせであり、それらを交互に積層し、その積層数が2層以上であり、好ましくは2層〜9層であるものが挙げられる。尚、用いられる材料、組み合わせにより多層膜の光学特性が異なるため、これに限定されるものではない。
【0039】
剥離保護層は、図1の転写媒体(10)にあっては剥離層であり、転写された図2にあってはOVD形成層(22)や印刷層(27)を外傷から保護する役割を持つもので、必要に応じて形成される。使用される樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニル樹脂−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリイミド樹脂等の従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線または電子線硬化樹脂を単独或いは、混合物して用いられる。
【0040】
更に、サーマルヘッド等による画像形成時の印字痕防止のために、樹脂を架橋する硬化剤、ポリエチレンワッス、カルナバワックス、シリコンワックス等のワックス類、或いは炭酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、シリカ、アルミナ、タルク等の体質顔料、シリコ−ン油脂等の油脂類を透明性が損なわれない範囲で添加することができる。この剥離保護層(16)に用いる樹脂は、例えばグラビア印刷法、スクリーン印刷法、ノズルコーター法等の既知の塗布手段およびオフセット印刷法、フレキソ印刷法等の印刷手段により塗工する。
【0041】
以上に説明したように転写媒体として、接着層/磁気層/隠蔽層/OVD層/印刷層/剥離保護層を積層した構成は、一例であり、商品の形態あるいは製造方法により各層の上に接着層や印刷層を適宜設けることは可能である。また、その積層する順もこれに示した限りでなく、例えばOVD層上に印刷層を有する構成やOVD効果層が隠蔽層を兼ねる構成であってもよい。
一方、偽造防止を向上させるべく蛍光発色インキや赤外線インキや液晶高分子等にて潜像を付与した構成も付け加えることも可能である。
【0042】
【実施例】
本発明を、具体的な実施例を挙げて詳細に説明する。
【0043】
参考例1]図3に示した本発明の磁気情報記録媒体を作製するための転写媒体(10)の一実施例を示す断面図を用いて詳しく説明する。まず、厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる転写媒体基材(11)に以下の組成でなる剥離保護層(16)をグラビア法で1μmの膜厚で、更に剥離保護層に印刷層(17)として絵柄をオフセット印刷にて1μm程度の厚みで印刷を施した。この後、OVD形成層(12)をグラビア法で1μm、OVD効果層としてTiO2 を真空蒸着にて500Å形成した後、ロールエンボス法を用いて140℃に熱したレリーフ型レインボーホログラムのスタンパーを押し当て、レインボーホログラムパターンを成形した。さらに、隠蔽層(13)としてSnを島状構造で500Å蒸着したのち、磁気層(14)として、650Oeの磁気テープを転写後、表面を平滑にするため、平滑なステンレス板にはさみ、4.9MPa(50kg/cm2 ) 、100℃にて30分間の加熱加圧プレスを行った。最後に接着層(15)として、ソルバインA(日信化学(株)製塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂)を主成分とするワニスを乾燥厚み2μmで設け、転写媒体を得た。
【0044】
〈剥離保護層組成〉
アクリル樹脂 20部
ポリエチレンワックス 2部
MEK(メチルエチルケトン) 39部
トルエン 39部
〈OVD形成層組成〉
ポリエステル 20部
HMDI(ヘキサメチレンジイソシアネート) 5部
MEK(メチルエチルケトン) 50部
トルエン 25部
〈剥離保護層組成〉
ウレタンアクリレート 50部
アクリレートモノマ− 45部
光重合開始剤 5部
【0045】
続いて、得られた転写媒体(10)の接着層(15)面を、被転写材である760μm厚の塩化ビニルシートに重ね、圧力9.8MPa(100kg/cm2 )、温度120℃で30分間加熱加圧プレスを行って転写させた後、転写媒体基材(11)を取り除いて、JIS規格に打ち抜き、図3の構成よりなる磁気カードを得た。
【0046】
このようにして得られた磁気カードは外見では磁気層が確認されず、わずか500ÅのSn蒸着にて隠蔽可能であった。また磁気出力も、その磁気テープ上の印刷の厚みが3.0μm程度であるため良好な出力が得られた。また、積み重ねた状態で電荷をためることもなく、電気を急激に放電することもないので、作業がしやすく、磁気情報の数十回書込読出を行ってもエラーは生じなかった。
【0047】
参考例2]図4に示した本発明の磁気情報記録媒体を作製するための転写媒体の一実施例を示す断面図を用いて詳しく説明する。OVD層(12)として多層薄膜にした以外は実施例と同様な方法で実施例2の磁気カードを得た。
【0048】
この多層箔薄膜として、ZnSー400Å、SiO2 −5800Å、ZnS−800Åを順に形成してOVD層(12)とした。
【0049】
このようにして得られた磁気カードは外見では磁気層が確認されず、わずか500ÅのSn蒸着にて隠蔽可能であった。また磁気出力も、その磁気テープ上の印刷の厚みが6.0μm程度であるため良好な出力が得られた。また、積み重ねた状態で電荷をためることもなく、電気を急激に放電することもないので、作業がしやすく、磁気情報の数十回書込読出を行ってもエラーは生じなかった。
一方、本実施例では多層薄膜のOVD層が形成されているため、見る角度により色が変化する装飾性の高いカードが得られた。
【0050】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の転写媒体を用いることによって、磁気情報記録媒体は導電性を示さない薄膜にて磁気層を隠蔽することで、OVDが形成されているにもかかわらず、十分な磁気出力が得られるとともに、取り扱い時の不具合や、磁気情報の書込読出時にもエラーを生じない媒体を提供することができる。
すなわち、外見では磁気層が確認されず、隠蔽可能であり、積み重ねた状態で電荷をためることも、静電気をを急激に放電することもないので、作業がしやすく、磁気情報の書込読出時にエラーを生じることのない情報記録媒体である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転写媒体の一実施例を示す断面図である。
【図2】本発明の転写媒体を用いて作製された磁気情報記録媒体の一実施例を示し、(A)は平面図、(B)はXーX線部に於ける断面図である。
【図3】本発明の転写媒体を用いて作製された磁気情報記録媒体の一実施例を示す断面図である。
【図4】本発明の転写媒体を用いて作製された他の磁気情報記録媒体の一実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
10…転写媒体
11…転写媒体基材
12…OVD層
13…隠蔽層
14…磁気層
15…接着層
16…剥離保護層
17…印刷層
20…磁気情報記録媒体
21…被転写基材
22…OVD層
23…隠蔽層
24…磁気層
25…接着層
26…剥離保護層
27…印刷層
30…磁気情報記録媒体
31…被転写基材
32…OVD層
32a…OVD形成層
32b…OVD効果層
33…隠蔽層
34…磁気層
35…接着層
36…剥離保護層
37…印刷層
40…磁気情報記録媒体
41…被転写基材
42…OVD層
42a,42b,42c…薄膜層
43…隠蔽層
44…磁気層
45…接着層
46…剥離保護層
47…印刷層

Claims (2)

  1. 基材上に少なくともOVD層、隠蔽層、磁気層、接着層を有した転写媒体であって、前記隠蔽層がTiO2 、Si2 O3 、ZnSから選ばれる誘電体薄膜からなり、隠蔽層を形成する面が細かく荒れており反射光を散乱させることにより白色の隠蔽層とすることを特徴とする転写媒体。
  2. 前記基材とOVD層の間に印刷層有することを特徴とする請求項1記載の転写媒体。
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