JP2014025279A - 制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】GPSにより取得可能な位置の情報を用いて、車両ドアの施錠・開錠システムにおける識別信号要求信号の送信による無駄な電力消費を回避する制御システムを提供する。
【解決手段】本システムでは、例えば車両に搭載されたナビ機能によりGPS信号から車両の駐車位置を算出する。さらに、マップを参照して、算出された駐車位置が所定の駐車区域であるか否か、さらにどのような駐車区域なのか、例えば空港なのか、会社なのか、自宅なのか等を算出する。そしてどのような駐車区域があるかに応じて、スマートキーを用いた車両ドアの開錠・施錠システムにおいて車両から間欠的に送信されるポーリング信号の送信間隔のプランを設定する。あるいは乗員が携帯するスマートフォンなどにより乗員の現在位置を算出し、車両の駐車位置と乗員の現在位置との間隔に応じてポーリング信号の送信間隔のプランを設定する。
【選択図】図4

Description

本発明は、制御システムに関する。
自動車車両におけるスマートキーシステムが普及している。スマートキーシステムにおいては、例えば、車両から周期的にポーリング信号(識別信号要求信号)を送信して、乗員が所持するスマートキーがそれを受信したら、固有のID(識別信号)を返信し、車両側で認証が成功したらドアの開錠(解錠)等の処理を実行する。これにより乗員はスマートキーを携帯しているのみで、車両から所定距離(ポーリング信号到達距離)以内に近づけば自動的にドアが開錠し、所定距離以上離れれば自動的にドアが施錠される。
このようなスマートキーシステムに関して、下記特許文献1には、スマートキーを携帯したユーザが車両から遠ざかるときには短距離の所でロックし、車両に向かって近づいているときには遠距離の所でアンロックする技術が開示されている。
特許3724628号公報
周期的にポーリング信号を送信するシステムにおいてはポーリング信号送信のためにバッテリーの電力を使うので、使用者が車両を長期間離れている場合、バッテリー電力の不必要な消費となり望ましくない。したがって乗員が車両を長期間離れることが推測されるような場合には、ポーリング信号の送信間隔を長くする等の対処を行えばバッテリー電力の不必要な消費が回避できる。そうした例としては車両が空港の駐車場で駐車する場合がある。その場合、乗員は飛行機でどこか遠くへ移動し、しばらくは車両まで戻ってこないことが推測可能である。
また、車両外に出た乗員の現在位置が車両から遠く離れている場合にも、現在時点でのポーリング送信間隔を短くすることには意味がない。したがって乗員の現在位置が車両から遠い場合にも、ポーリング送信間隔を長くすればバッテリー電力の不必要な消費が回避できる。
車両の駐車場所の情報、あるいは車両外の乗員の現在位置の情報は、いずれも位置に関係する情報である。位置の情報は近年では例えばGPSにより取得可能である。しかし、こうした取得可能な位置の情報を用いてポーリング信号送信による無駄な電力消費を回避する技術はこれまで提案されていない。
そこで本発明が解決しようとする課題は、上記に鑑み、GPSにより取得可能な位置の情報を用いて、車両ドアの施錠・開錠システムにおける識別信号要求信号の送信による無駄な電力消費を回避する制御システムを提供することにある。
上記課題を達成するために、本発明に係る制御システムは、GPS信号を受信することにより算出された車両の駐車場所の情報を取得する取得手段と、駐車した前記車両の乗員が前記車両の外部にいる状態で、前記取得手段が取得した駐車場所の情報を含む情報に応じて、乗員が携帯する携帯機に認証処理のための認証信号の送信を要求するために車両から間欠的に送信される信号である要求信号の現在以降の送信間隔の推移を設定する設定手段と、その設定手段によって設定された送信間隔のもとで間欠的に車両から要求信号を送信するように指令する指令手段と、を備えたことを特徴とする。これにより、車両の駐車場所情報を含む情報に応じて適切に要求信号の送信間隔を設定するので、要求信号の不必要な送信による無駄な電力消費が回避できる。
本発明の制御システムの実施例1における構成図。 実施例1における送信間隔プラン設定の処理手順の例を示すフローチャート。 ポーリング信号送信の処理手順の例を示すフローチャート。 実施例1における送信間隔プランの例を示す図。 実施例2における制御システムの構成例を示す図。 実施例2における駐車位置記憶の処理手順の例を示すフローチャート。 実施例2における接近情報送信の処理手順の例を示すフローチャート。 実施例2における離間情報送信の処理手順の例を示すフローチャート。 実施例2における送信間隔設定の処理手順の例を示すフローチャート。 実施例2における送信間隔プランの例を示す図。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。まず図1は、本発明に係る車両の制御システム1(以下、システム)の実施例1における装置構成の概略図である。システム1は、車両2、キー3(スマートキー、携帯機)に渡って構成される。
車両2は、スマートキーシステムを制御するスマートECU20(Electronic Control Unit、電子制御ユニット)を備える。スマートECU20は、公知のコンピュータと同様の構造を有して、LF送信部21、RF受信部22等を制御する。スマートECU20は、不揮発性のメモリ200を備える。メモリ200は、キー3の認証のためのマスターID201、本システムの処理に関係するデータやプログラム202等を記憶する。さらにメモリ200は本発明に関係するポーリング信号(要求信号)の送信間隔プラン203も記憶する(詳細は後述)。
LF送信部21は、LF(長波)帯域で無線信号を送信する。RF受信部22は、RF(無線周波数)の信号を受信する。LF送信部21は送信領域ごとのアンテナ(車室内用アンテナ、車外用アンテナ、より詳しくは車両2のドアごとのアンテナ、そしてトランク(バックドア外)アンテナ)を備えて、それぞれに割り当てられた送信範囲内にLF信号を送信すればよい。
車両2は、さらに本実施例に関係する構成として、車両ドア23を備える。ドア23は車両2に装備された複数のドアおよびトランク等を指すとし、ドア23にはロック機構230、タッチセンサ231、カーテシスイッチ232が備えられている。ドアロック機構230により、ドアが施錠(ロック)あるいは開錠(アンロック)される。タッチセンサ231は、スマートキーシステムにおけるドアの開錠のために備えられ、ドアが施錠状態でユーザが接触して、認証が成功の場合に、当該ドアが開錠される。カーテシスイッチ232はドアの開閉を検出する。
車両2は、さらに本実施例に関係する構成として、ナビECU24(カーナビゲーションECU)を備える。ナビECU24はCPU240、GPS受信部241、マップ242等を備える。CPU240はナビゲーションに関する情報処理全般を司る。GPS受信部241は、周知のとおりGPS衛星から送信されるGPS信号を受信して車両2の現在位置(緯度、軽度)を算出する。マップ242は、例えばGPS受信部241が算出した現在位置をマップの参照によって修正するため等に装備される。本実施例においてはマップ242には(車両が駐車した)場所の種別に関する情報が記憶されている(詳細は後述)。また車両2は時間(現在時間)を計測(算出)する計時部25を備える。以下の説明における現在時刻を算出する処理は全て計時部25で行うとすればよい。
次に、キー3はスマートキーシステムに関わる電子キーであり、ユーザが携帯可能で、LF受信部32、RF送信部33、CPU30、メモリ31を備える。
CPU30は、キー3に装備された各部を制御し、キー3で必要な各種情報処理を司る。メモリ31は、CPU30での情報処理に必要なデータやプログラム等を記憶する不揮発性の記憶部(例えばEEPROM)である。メモリ31は、当該キー3の認証のためのキー3に固有のID310を記憶する。LF受信部32は、車両2のLF送信部21から送信されたポーリング信号を受信する。RF送信部33は、ポーリング信号の受信を受けて、当該キー3を車両が認証するために必要なID310をRF信号として送信する。
本システム1は、キー3を用いたスマートキーシステムによって、車両ドア23の開錠・施錠処理等を実行する。従来のスマートキーシステムにおけるドア開錠・施錠方法の一例は次のとおりである。
車両2が駐車されて、ドア23の開放が検出されたら、乗員が降車していると判断して、LF送信部21からポーリング信号の周期的な送信を開始する。降車した乗員(の所持するキー3)が、ポーリング信号の到達範囲内に存在する間は、ポーリング信号を受信したキー3がID310を返信する。
そのID310がRF受信部22で受信されてマスターID201との認証が成功したら、乗員はまだ車両2の近くにいると判断してドア23を施錠しない。乗員(の所持するキー3)が、ポーリング信号の到達範囲外に出たら、キー3からID310が返信されなくなる。RF受信部22でID310が受信されなくなったら、乗員は車両2から遠くに離れたと判断してドア23を自動的に施錠する。
また車両2のドア23が施錠された状態で、LF送信部21からは周期的にポーリング信号が送信される。乗員(の所持するキー3)がポーリング信号の到達範囲外にいる場合、キー3からID310が返信されないので、車両側は、乗員が車両2から所定距離以上離れていると判断して車両2のドア3は開錠されない。乗員(の所持するキー3)がポーリング信号の到達範囲内に入ると、ポーリング信号を受信したキー3がID310を返信し、そのID310がRF受信部22で受信されてマスターID201との認証が成功したら、車両側は、乗員が車両2から所定距離以内に近づいたと判断してドア23を施錠する。
従来のスマートキーシステムにおけるドア開錠方法としては以下に述べる方法もある。施錠された車両に乗員が近づいて車両のドアハンドルを握る。ドアハンドルに備えられたタッチセンサ231がこの接触を検出すると、LF送信部21から車室外のキー3へ向けて、キー認証に必要な信号の返信を要求するLF波によるリクエスト信号を送信する。キー3はリクエスト信号をLF受信部32で受信すると、ID310をRF送信部33から返信する。スマートECU20は、RF受信部22で受信した信号がマスターID201と一致したら認証は成功したと判定する。認証が成功したら、ドアのドアロック機構230を開錠する。
本発明では、前者のドア開錠・施錠方法(周期的なポーリング信号を使用する方法)におけるポーリング信号の送信間隔を適切に制御して無駄な電力消費を抑制する。その際、後者のタッチセンサを用いたドア開錠方法を併用するとすればよい。なお本発明におけるスマートキーシステムにおけるドア開錠・施錠は、いわゆるアプローチ機能の一部として実現すればよい。アプローチ機能においては、乗員が車両に近づくとヘッドライトが点灯する、等の処理を実行する。この場合、例えば広い駐車スペース内で自分の車両が即座に見つけられる等の効果がある。
本発明の実施例1での処理手順の例が図2、図3に示されている。図2はポーリング信号の送信間隔を設定する処理手順である。図3は施錠時、開錠時のポーリング信号送信の処理手順である。図2、図3の処理を並列的に実施すればよい。図2、図3の処理手順はプログラム202としてメモリ200に記憶しておき、スマートECU20が自動的に呼び出して実行すればよい。
図2の処理ではまずS10でスマートECU20は、車両2が駐車したことを示す情報(駐車情報)を取得する。駐車情報の例としては、イグニッションオフとなったことを示す情報、シフトレバーがパーキングに入った事を示す情報等がある。続いてS20でナビECU24は、駐車位置(駐車場所)を算出する。具体的には、その時点での車両位置(緯度、経度)を算出して、それを駐車位置とみなせばよい。
そしてS30でナビECU24は、S20で算出された駐車位置の種別を算出する。ここで駐車位置の種別とは例えば、公共施設の駐車場、商業施設の駐車場、勤務先の駐車場、自宅の駐車場、それ以外等である。さらに公共施設を、駅、空港などとさらに細分化してもよい。商業施設も個々の商業施設名で細分化してもよい。
S30での処理は具体的には、ナビが備えるマップ242に場所の種別が予め記憶されており、S20で算出された駐車位置をマップ242と照らし合わせることにより種別を求めればよい。こうして算出された駐車場所の種別は車内通信によりスマートECU20へ送られる。
そしてS40で送信間隔プランを設定する。送信間隔プランとはポーリング信号の現在時点以降の推移のプラン(計画)である。図1に示すとおり、送信間隔プラン203は予め例えばスマートECU20のメモリ200に記憶されている。S40での設定の1つの例が図4に示されている。図4に示すとおり、S30で求められた駐車場所の種別(上記のとおり例えば空港、会社、自宅、それ以外、等)に応じて、自動的にポーリング信号の送信間隔プランを設定する。
駐車場所が空港の場合の送信間隔プラン(図4ではプランA)の例は以下のとおりである。駐車場所が空港の場合、乗員が飛行機で遠くまで移動すると推測できる。さらに、例えば午後に駐車したならば乗員は少なくとも翌日の早朝までは車両2へ戻ってこない、午前に駐車したならば少なくとも午後遅くまでは車両2へ戻ってこない、等と推測できる。したがって図4のプランAの例としては、駐車時刻が午後の場合は翌日の早朝までポーリング信号の送信間隔を相対的に長くし、駐車時刻が午前の場合は午後遅くまでポーリング信号の送信間隔を相対的に長くする、といった例がある。この例のように、本発明では駐車場所の情報のみでなく駐車時刻の情報も組み合わせて送信間隔プランを設定するとしてもよい。すなわち本発明では、駐車時間の情報を取得する手段と、取得された駐車場所と駐車時間との情報に応じて現在以降のポーリング信号(要求信号)の送信間隔の推移を設定する手段と、をさらに備えるとしてよい。
駐車場所が自宅の駐車区画の場合、例えば夕方以降に駐車した場合、少なくとも翌日の早朝までは再び車両2を発進させない、等が想定できる。したがって図4のプランBの例としては、夕方以降に駐車した場合翌日の早朝まではポーリング信号の送信間隔を相対的に長くする、といった例がある。さらに自宅においては、アプローチ機能は必要ないとしてポーリング信号の送信を停止してもよい。
駐車場所が会社(勤務先)の駐車場の場合、勤務先の勤務形態に応じて次に車両2を発進させる時間が想定できる場合がある。したがって図4のプランCの例としては、勤務先の勤務形態により次に車両2を発進させる可能性が高い時間帯ほどポーリング信号の送信間隔を相対的に短くする、といった例がある。
駐車場所が所定の駐車区域でない場合は、すぐに乗員が車両2にもどって来る可能性があると推測される。したがって図4のプランXの例としては、送信間隔を変更しない(通常の送信間隔と同じとする)、という例がある。
以上のとおり、所定の駐車区域(場所)とは、乗員が車両に戻ってくる時期に関する推測が成り立つような場所と考えてよい。その際、推測とは確実な推測から弱い推測まで幅広いレベルの推測を含むとすればよい。その推測においては、現在時点以降において、車両の乗員が再び車両に近づく可能性が高い時期と近づく可能性が低い時期とが存在する。
また上述のとおり、送信間隔プランは、単に現在以降の送信間隔を現在の送信間隔よりも長く設定するか短く設定するかといったプランのみでなく、例えば未来のある時間帯では送信間隔を短くし、それ以外では長くする、といったかたちのプランも含む。つまり本発明では現在以降に送信間隔を時間とともに変化させるとしてよい。
すなわち、送信間隔プラン203は、現在時点以降におけるポーリング信号の送信間隔の時間的推移を設定するプランである。そしてその時間的推移は例えば、駐車場所に応じて、乗員が次に車両に接近する可能性が相対的に高い期間ほど送信間隔を相対的に短くし、乗員が次に車両に接近する可能性が相対的に低い期間ほど送信間隔を相対的に長くするように設定する。以上が図2の処理手順である。この処理手順によって、GPSで取得された駐車場所に応じてポーリング信号の送信間隔が適切に設定できる。
次に図3を説明する。図3の処理ではまずS100でスマートECU20は、乗員が車外にいるとみなされるか否かを判別する。乗員が車外にいるとみなされる場合(S100:YES)はS110へ進み、乗員が車外にいないとみなされる場合(S100:NO)はS100を繰り返す。乗員車外にいるとみなされるか否かの判別は、例えば車両が停車してイグニッションオフとなってドアが開放され閉鎖されたら乗員が車外に出たと推測する、等の推測を用いればよい。
S110へ進んだらスマートECU20は、車両2のドア23が開錠状態にあるか否かを判別する。開錠状態にある場合(S110:YES)はS120へ進み、施錠されている場合(S110:NO)はS150へ進む。
S120へ進む場合は、車両2を停止させて乗員が車外へ出た場合であり、乗員が車両2から所定距離離れると自動的に施錠する。具体的にはまずS120でスマートECU20は、LF送信部21からポーリング信号を送信する。そしてS130で、ポーリング信号を受信したキー3から返信されたIDを受信したか否かを判別する。
IDを受信した場合(S130:YES)は乗員がまだ車両2の近くにいると判断してS120へ戻ってポーリング信号の送信を繰り返す。そしてIDを受信しなくなったら(S130:NO)乗員が車両2から遠くに離れたと判断して、S140に進んで、スマートECU20から施錠指令を出してロック機構230によりドア23を施錠する。
一方S150へ進む場合は、施錠された車両2から乗員が所定距離より遠く離れている場合であり、乗員が所定距離以内に近づくと自動的に開錠する。具体的にはまずS150でスマートECU20は、LF送信部21からポーリング信号を送信する。そしてS160で、ポーリング信号を受信したキー3から返信されたIDを受信したか否かを判別する。
IDを受信しない場合(S160:NO)は乗員がまだ車両2から遠くにいると判断してS150へ戻ってポーリング信号の送信を繰り返す。そしてIDを受信したら(S160:YES)乗員が車両2の近くに接近したと判断して、S170に進んで、スマートECU20から開錠指令を出してロック機構230によりドア23を開錠する。以上が図3の処理手順である。図3の処理手順により、乗員(ユーザ)がキー3を携帯して車両に近づいたり離れたりするのみで自動的にドアが開錠あるいは施錠される。
なお本発明では図2、図3に示されたポーリング信号による車両ドア開錠(および施錠)と、上述のタッチセンサ231による車両ドア開錠とを併用すればよい。また送信間隔プランにおいては、車両を発進させる可能性が相対的に低い期間ではポーリング信号の送信を停止してもよい。その場合、ポーリング信号の送信を停止しても、タッチセンサ231による方法で車両ドアは開錠できる。
次に実施例2を説明する。実施例1が車両2の駐車場所情報を用いたのに対して、実施例2では駐車した車両2と乗員の間の距離情報を用いる。両実施例ともにGPSによる駐車場所の情報を用いている点が共通している。
図5は、実施例2におけるシステム構成の例を示している。図5の構成例では、車両2、キー3に加えて、乗員が携帯する(ことが想定された)スマートフォン4、およびサービスセンター5を備える。つまり本実施例においては、乗員がキー3とスマートフォン4とを携帯することが想定される。スマートフォン4に装備されたナビ機能によって車両の駐車位置と乗員の現在位置が算出される。サービスセンター5は乗員のスマートフォン4と車両2との間の通信のために配置される。なおスマートフォン4は、乗員が携帯することが可能な任意の通信端末(携帯電話機や、通信機能を有するコンピュータ等)に変更してもよい。
図5の構成において図1と同符号の部分は同じ機能であり重複する説明は省略する。図5のシステム1aでは、車両2は図1での構成に加えて、近距離無線通信部26、公衆無線通信部27を備える。近距離無線通信部26は、近距離無線通信の規格に従って、本発明では例えばスマートフォン4の近距離無線通信部42と無線通信する。近距離無線通信の例はbluetooth(登録商標)、wi−fi(登録商標)である。公衆無線通信部27は、既存の電話回線網(公衆回線網、携帯電話網を含む)を通じて通話や通信を行う。
スマートフォン4は本発明に関係する主な構成として、CPU40、メモリ41、近距離無線通信部42、ナビゲーション部43(ナビ)、公衆無線通信部44を備える。CPU40はスマートフォン4における情報処理全般を司り、メモリ41は、CPU40の作業領域としてのRAMや、不揮発性の記憶部等を含む。メモリ41は特に本発明における処理に関わるプログラム410を記憶する。近距離無線通信部42は、近距離無線通信の規格に従って、本発明では例えば車両2の近距離無線通信部26と無線通信する。ナビ43は、GPS受信部430等を装備することによって、スマートフォン4の位置(緯度、経度)を算出する。公衆無線通信部44は、既存の電話回線網(公衆回線網、携帯電話網を含む)を通じて通話や通信を行う。
サービスセンター(のサーバ装置)5は、通常のコンピュータと同様の構成を有し、本発明に係る情報処理を司るCPU50や記憶部(メモリ)51を備える。メモリ51は、CPU50の作業領域のためのRAMや、本発明に必要なデータやプログラムを記憶する不揮発性の記憶部を含むとすればよい。
上述のとおり実施例2においては、駐車された車両2と車外の乗員との間の距離が所定距離よりも離間している場合と接近している場合で、車両2から送信するポーリング信号の送信間隔を変更する。したがって実施例2におけるポーリング信号の送信間隔のプランは、例えば図10に示されたものとなる。
すなわち実施例2として用いられるGPSによる位置情報は、接近(車両2と乗員とが所定距離より接近している)か離間(車両2と乗員とが所定距離より離間している)であり、それぞれの場合に接近時送信間隔プランと離間時送信間隔プランとを用いる。例えば、接近時送信間隔プランは、離間時送信間隔プランよりも送信間隔が短いプランとすればよい。
図6から図9は、実施例2における処理手順の例を示す。なお実施例2においては図3の処理も実行すればよい。図6は車両2の駐車時にその駐車位置をスマートフォン4に記憶する処理手順である。図7は駐車した車両2から一旦離れた乗員が再び車両2に接近する際の処理手順である。図8は駐車した車両2から乗員が離れる際の処理手順である。図9は実施例2におけるポーリング信号の送信間隔の設定のための処理手順である。
図6から図9の処理手順は、図3の処理手順とともに並列的に処理すればよい。図7、図8の処理は乗員が車外にいる条件下で実行すればよい。図6から図9に示された車載ECU(スマートECU20)における処理、スマートフォン4側の処理、サービスセンタ5側の処理は、それぞれ予めプログラム化されてプログラム202、プログラム410、プログラム510として記憶されており、スマートECU20、CPU40、CPU50がそれらを自動的に呼び出して(あるいはユーザ操作により起動して)実行すればよい。
図6の処理ではまずS200とS240で近距離無線通信部26と近距離無線通信部42との間の距離が所定の通信可能距離となることにより、近距離無線通信部26と近距離無線通信部42との間で、近距離無線通信接続が自動的に確立される。
スマートECU20は次にS210で車両2が駐車したことを示す情報(駐車情報)を例えば車内通信を介して取得する。続いてS220でスマートECU20は、駐車情報を近距離無線通信部26から近距離無線送信する。S200で送信された駐車情報を、スマートフォン4の近距離無線通信部42はS250で受信する。
そしてS260でCPU40は、ナビ43を用いてスマートフォン4の位置(緯度、経度)を算出する。車両2の駐車から時をおかずにS260が実行されるので、S260で算出された位置は車両2の駐車位置と等しいとみなされる。続いてS270でCPU40は、S250で算出されたスマートフォン4の位置(あるいは車両2の駐車位置)の情報を自身のメモリ41に記憶する。
これとは別にスマートECU20はS230で、上述の接近時送信間隔プランを選択する。ここで選択された接近時送信間隔プランに基いて、スマートECU20は図3を処理してポーリング信号を送信すればよい。以上が図6の処理手順である。
次に図7の処理手順ではまずS300でナビ43によりスマートフォン4の位置を算出する。スマートフォン4は車両2の乗員が携帯していることが想定されるので、S300で算出された位置は車外にいる乗員の現在位置である。
次にS310でCPU40は、S300で算出された位置が、乗員が車両2から所定範囲の外部から内部に入ったことを示しているか否かを判別する。乗員が車両2から所定範囲の外部から内部に入ったことを示す場合(S310:YES)はS320に進み、そうでない場合(S310:NO)はS300に戻って位置算出を繰り返す。所定範囲の外部から内部に入ったことの判別は、例えば、1回前の位置算出における乗員位置を記憶しておき、1回前の位置は所定範囲外にあり、現在の位置は所定範囲内にあることにより判別すればよい。ここでの所定範囲(後述のS410での所定範囲も同様)は任意に設定すればよいが、例えばポーリング信号到達範囲よりも狭くすれば、無駄なポーリング信号の送信が回避できる。
S320に進んだらCPU40は、乗員が車両2から所定範囲の外部から内部に入ったことを示す情報(接近情報)を公衆無線通信部44を用いてサービスセンター5に向けて送信する。その際、車両2やスマートフォン4を識別する情報(何らかのID等)とともに送信すればよい。
S320で送信された接近情報をサービスセンター5はS330で受信する。そしてS340でサービスセンター5のCPU50は接近情報を、当該車両2のスマートECU20へ向けて送信する。S340で送信された接近情報を、S350で車両2は公衆無線通信部27を用いて受信する。
なおS340、S350における通信(後述のS440,S450も同様)は、例えば車両のナビECU(図1に記載)とサービスセンター5とがナビ機能のために(常時)接続しており、その接続を用いた(兼用した)通信としてもよい(ナビECUでなく車両2とサービスセンター5の間の任意の既存の通信接続を用いてもよい)。あるいはS340(S440)の時点で車両2とサービスセンター5の間で通信を確立してもよい。以上が図7の処理手順である。
次に図8の処理手順ではまずS400で、ナビ43によりスマートフォン4の位置を算出する。S300と同様にS400で算出されたスマートフォン4の位置は車外にいる乗員の現在位置であるとみなせる。
次にS410でCPU40は、S400で算出された位置が、乗員が車両2から所定範囲の内部から外部に出たことを示しているか否かを判別する。乗員が車両2から所定範囲の内部から外部に出たことを示す場合(S410:YES)はS420に進み、そうでない場合(S410:NO)はS400に戻って位置算出を繰り返す。所定範囲の内部から外部に出たことの判別は、例えば、1回前の位置算出における乗員位置を記憶しておき、1回前の位置は所定範囲内にあり、現在の位置は所定範囲外にあることにより判別すればよい。
S420に進んだらCPU40は、乗員が車両2から所定範囲の内部から外部に出たことを示す情報(離間情報)を公衆無線通信部44を用いてサービスセンター5に向けて送信する。その際、車両2やスマートフォン4を識別する情報(何らかのID等)とともに送信すればよい。
S420で送信された離間情報をサービスセンター5はS430で受信する。そしてS440でサービスセンター5のCPU50は離間情報を当該車両のスマートECU20へ向けて送信する。S440で送信された離間情報を、S430で車両2は公衆無線通信部27を用いて受信する。以上が図8の処理手順である。
図9の処理手順ではまずS500でスマートECU20は、上述のS350の離間情報受信があったか否かを判別する。接近情報の受信があった場合(S500:YES)はS520へ進み、接近情報の受信がない場合(S500:NO)はS510へ進む。
S510へ進んだらスマートECU20は、上述のS450の離間情報受信があったか否かを判別する。離間情報の受信があった場合(S510:YES)はS530へ進み、離間情報の受信がない場合(S510:NO)は図9の処理を終了する。
S520へ進んだらスマートECU20は、接近情報を受信したので、現在時点以降は乗員が車両に接近する可能性が相対的に高い期間であると判断して、ポーリング信号の送信間隔プランを接近時送信間隔プランに変更する。S530へ進んだらスマートECU20は、離間情報を受信したので、現在時点以降は乗員が車両に接近する可能性が相対的に低い期間であると判断して、ポーリング信号の送信間隔プランを離間時送信間隔プランに変更する。
接近時送信間隔プランおよび離間時送信間隔プランの例は、上述のとおり例えば、接近時送信間隔プランにおいて離間時送信間隔プランよりも送信間隔を短くプランである。例えば離間時送信間隔プランにおいては、ポーリング信号の送信を停止するとしてもよい。以上が図9の処理手順である。図6から図9の処理手順を実行することにより、車両の停車位置と乗員の現在位置のGPS情報に応じて、ポーリング信号の送信間隔が適切に設定できる。また付随的な効果として、乗員が再び車両に近づく際にスマートフォン4を携帯していない場合には、車両に近づいても何の反応もないので乗員がスマートフォン4の自宅などへの置き忘れに気づくといった効果もある。上記のようにスマートフォン4から接近情報、離間情報を送信することによりポーリング信号の送信間隔プランが変更されるので、事実上スマートフォン4から送信間隔プランを設定し、その間隔での送信を指令するとみなすこともできる。以上のとおり本発明では、取得された車両の駐車場所と取得された乗員の位置との間隔が相対的に遠い場合にポーリング信号(要求信号)の現在以降の送信間隔の推移を相対的に長くし、同間隔が相対的に近い場合に要求信号の現在以降の送信間隔の推移を相対的に短くするように設定する設定手段を備えるとしてもよい。
上記実施例は特許請求の範囲に記載された趣旨の範囲内で任意に変更してよい。例えば上記実施例2においては、車両と乗員との間隔を接近と離間の2段階に分けたが、これは3段階、4段階など何段階(あるいは連続的)としてもよい。そして、乗員が車両に近い段階ほどポーリング信号の送信間隔を短くすればよい。
1 制御システム
2 車両
3 キー(スマートキー、電子キー、携帯機)
4 スマートフォン(携帯通信装置)
5 サービスセンター(サーバ装置)

Claims (6)

  1. GPS信号により算出された車両の駐車場所の情報を取得する取得手段と、
    駐車した前記車両の乗員が前記車両の外部にいる状態で、前記取得手段が取得した駐車場所の情報を含む情報に応じて、乗員が携帯する携帯機に認証処理のための認証信号の送信を要求するために車両から間欠的に送信される信号である要求信号の現在以降の送信間隔の推移を設定する設定手段と、
    その設定手段によって設定された送信間隔のもとで間欠的に車両から要求信号を送信するように指令する指令手段と、
    を備えたことを特徴とする制御システム。
  2. 前記設定手段が設定する送信間隔の推移は、前記取得手段が取得した駐車場所の情報を含む情報に応じた、前記車両の乗員が前記車両に接近する可能性が相対的に高い期間に送信間隔を相対的に短くし、前記車両の乗員が前記車両に接近する可能性が相対的に低い期間に送信間隔を相対的に長くした送信間隔の推移である請求項1に記載の制御システム。
  3. 前記取得手段は、前記取得手段が取得した駐車場所が所定の駐車場所であるか否かの情報を取得する第1副取得手段を備え、
    前記設定手段は、前記第1副取得手段が取得した所定の駐車場所であるか否かの情報に応じて、要求信号の現在以降の送信間隔の推移を設定する第1副設定手段を備えた請求項1又は2に記載の制御システム。
  4. 前記所定の駐車場所は、現在時点以降において、前記車両の乗員が再び車両に近づく可能性が高い時期と近づく可能性が低い時期とがある場所である請求項3に記載の制御システム。
  5. 前記取得手段は、GPS信号を用いて算出された前記車両の乗員の位置の情報を取得する第2副取得手段を備え、
    前記設定手段は、前記取得手段が取得した車両の駐車場所の情報と前記第2副取得手段が取得した乗員の位置との間の間隔に応じて、要求信号の現在以降の送信間隔の推移を設定する第2副設定手段を備えた請求項1ないし4のいずれか1項に記載の制御システム。
  6. 前記第2副取得手段および第2副設定手段は、乗員が携帯する携帯通信装置に備えられた請求項5に記載の制御システム。
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