JP2014024419A - 車両の制動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】制動制御時における制動装置の制動性能のばらつきを抑えることができる車両の制動制御装置を提供する。
【解決手段】制動装置11は、空気が貯留されているエアタンク21と、空気圧室23aと液圧室23bとが区画形成されてなるエアマスタシリンダ23と、エアタンク21から空気圧室23aに流れる空気の流量を調整するエアリニアバルブ24と、液圧室23bに連結されるホイールシリンダ12a〜12dのブレーキ液圧を調整する液圧回路311,312と、を備えている。そして、制御装置40は、制動制御を行うに際し、ブレーキ液の粘性が高いときには、ブレーキ液の粘性が低いときよりもエアリニアバルブ24の開度を大きくする補正処理を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、エア・オーバー・ハイドロリック(AOH)方式の制動装置を制御する車両の制動制御装置に関する。
従来、エア・オーバー・ハイドロリック方式の制動装置として、例えば特許文献1に記載の装置が提案されている。この制動装置は、高圧の空気が貯留されているエアタンクと、車両の運転者によるブレーキ操作によって作動するブレーキバルブと、このブレーキバルブを介してエアタンクに連結されるエアマスタシリンダとを備えている。このエアマスタシリンダにはピストンによって区画される空気圧室と液圧室とが形成されている。そして、運転者によるブレーキ操作時には、エアタンクからブレーキバルブを介して空気圧室に空気が流入するとともに、この空気圧室内の空気圧に応じたブレーキ液圧(以下、「マスタシリンダ圧」ともいう。)が液圧室で発生する。
また、上記のような制動装置としては、横滑り抑制制御などのような制動制御時に作動するエアリニアバルブが設けられた装置も知られている。こうしたエアリニアバルブは、ブレーキバルブに並列配置されている。そして、制動制御時にあっては、エアリニアバルブの開度を調整することにより、運転者がブレーキ操作を行っていない状態であってもエアタンクからエアリニアバルブを介してエアマスタシリンダの空気圧室に空気が流入される。
そして、空気圧室に空気が流入して空気圧室の空気圧が高くなると、液圧室のマスタシリンダ圧もまた高くなる。その結果、液圧室に液路を介して連結されるホイールシリンダには、エアマスタシリンダからブレーキ液が供給され、ホイールシリンダのブレーキ液圧(以下、「ホイールシリンダ圧」ともいう。)が高くなる。これにより、車輪にはホイールシリンダ圧に応じた制動トルクが付与されるようになる。
実公平7−6044号公報
一般に、上記のような制動装置で利用されるブレーキ液の粘性は、ブレーキ液の温度が低温であるほど高くなる。そして、ブレーキ液の粘性が高くなると、エアマスタシリンダからホイールシリンダまでの間での液圧のロスが大きくなる。その結果、マスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧との液圧差が大きくなり、車輪に付与される制動トルクは、ブレーキ液の粘性が低い場合よりも小さくなるおそれがある。すなわち、制動制御時における制動性能が、ブレーキ液圧の粘性によってばらつくこととなる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。その目的は、制動制御時における制動装置の制動性能のばらつきを抑えることができる車両の制動制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
本発明の一態様は、空気が貯留されているエアタンク(21,211,212)と、空気圧室(23a)と液圧室(23b)とが区画形成されてなるエアマスタシリンダ(23,231,232)と、エアタンク(21,211,212)から空気圧室(23a)に流れる空気の流量を調整するエアリニアバルブ(24,241,242)と、液圧室(23b)に連結されるホイールシリンダ(12a,12b,12c,12d)のブレーキ液圧を調整する液圧回路(311,312)と、を備え、ホイールシリンダ(12a,12b,12c,12d)のブレーキ液圧に応じた制動トルクを車輪(FL,FR,RL,RR)に付与する制動装置(11)に適用され、エアリニアバルブ(24,241,242)の開度を調整してホイールシリンダ(12a,12b,12c,12d)のブレーキ液圧を制御する制動制御を行う車両の制動制御装置を前提としている。この制動制御装置では、制動制御を行うに際し、ブレーキ液の粘性が高いときには、ブレーキ液の粘性が低いときよりもエアリニアバルブ(24,241,242)の開度を大きくする補正処理(S33〜S36)を行うようにした。
ブレーキ液の粘性が高いときには、エアマスタシリンダ(23,231,232)の液圧室(23b)に発生するブレーキ液圧とホイールシリンダに発生するブレーキ液圧との液圧差が大きくなりやすい。そのため、制動制御を行うに際し、ブレーキ液の粘性が高いときには、ブレーキ液の粘性が低いときよりも補正処理(S33〜S36)によってエアリニアバルブ(24,241,242)の開度が大きくされる。その結果、エアマスタシリンダ(23,231,232)の空気圧室(23a)にはエアリニアバルブ(24,241,242)の開度調整によってエアタンク(21,211,212)から多くの空気が供給され、空気圧室(23a)の空気圧はブレーキ液の粘性が低いときよりも高くされる。こうした空気圧室(23a)の空気圧に連動し、液圧室(23b)及びホイールシリンダ(12a,12b,12c,12d)のブレーキ液圧もまた、ブレーキ液の粘性が低いときよりも高圧となる。これにより、ブレーキ液の粘性が高い場合における車輪(FL、FR,RL,RR)に対する制動トルクを、要求する制動トルクに近づけることができる。したがって、制動制御時における制動装置(11)の制動性能のばらつきを抑えることができるようになる。
このような制動制御装置にあっては、ブレーキ液の粘性を推定する推定処理(S16〜S25)を行い、制動制御を行う際には補正処理(S33〜S36)を推定処理(S16〜S25)での推定結果に基づいて行うことが好ましい。
ここで、上記のような制動装置(11)に設けられる液圧回路(311,312)には、ホイールシリンダ(12a,12b,12c,12d)のブレーキ液圧を減圧する際にホイールシリンダ(12a,12b,12c,12d)から流出したブレーキ液をエアマスタシリンダ(23,231,232)側に吐出する電動式のポンプ(361,362)が設けられている。こうしたポンプ(361,362)にあっては、その駆動源であるモータ(37)の制御が終了された後でも、しばらくの間、惰性で作動する。このようにポンプ(361,362)が惰性で作動する場合には、モータ(37)もポンプ(361,362)に連動して惰性で回転するため、このモータ(37)から電圧が誘起される。このようにモータ(37)で誘起される電圧は、モータ(37)の駆動速度、即ちポンプ(361,362)の作動速度が速いほど大きい値となる。
また、モータ(37)、即ちポンプ(361,362)の制御終了後におけるポンプ(361,362)の惰性での作動期間は、液圧回路(311,312)内のブレーキ液の粘性が高いほど短くなりやすい。そのため、モータで誘起される電圧の低下勾配は、ブレーキ液圧の粘性が高いほど急勾配になりやすい。
そこで、推定処理(S16〜S25)では、液圧回路(311,312)に設けられているポンプ(361,362)の制御の終了後に、この制御終了時点からモータ(37)で誘起される電圧(Vmt)が規定電圧(VmtTh)未満となる時点までの経過時間(T2)を取得することが好ましい。そして、補正処理(S33〜S36)では、制動制御を行うに際し、推定処理(S16〜S25)で取得した経過時間(T2)が短いときには同経過時間(T2)が長いときよりもエアリニアバルブ(24,241,242)の開度を大きくすることが好ましい。
また、推定処理(S16〜S25)では、液圧回路(311,312)に設けられているポンプ(361,362)の制御の終了後に、モータ(37)で誘起される電圧の低下勾配(ΔVmt)を取得することが好ましい。そして、補正処理(S33〜S36)では、制動制御を行うに際し、推定処理(S16〜S25)で取得した電圧の低下勾配(ΔVmt)が急勾配であるときには同低下勾配(ΔVmt)が緩勾配であるときよりもエアリニアバルブ(24,241,242)の開度を大きくすることが好ましい。
このようにブレーキ液の粘性によって変動しうるパラメータ(経過時間(T2)、電圧の低下勾配(ΔVmt)など)を実際に取得することにより、ブレーキ液の実際の粘性を推定することができる。そして、こうした推定処理(S16〜S25)の推定結果に基づいて補正処理(S33〜S36)を行うことにより、ブレーキ液の粘性に応じてエアリニアバルブ(24,241,242)を制御することが可能となり、制動制御時における制動装置(11)の制動性能のばらつきを抑えることができるようになる。
なお、本発明をわかりやすく説明するために実施形態を示す図面の符号に対応づけて説明したが、本発明が実施形態に限定されるものではないことは言うまでもない。
本発明の制動制御装置の一実施形態である制御装置を備える制動装置の概略構成を示す構成図。 推定処理を行っている場合にモータ電圧Vmtが変化する様子を示すタイミングチャート。 補正処理を行う場合にエアリニアバルブに対する指示空気圧が変化する様子を示すタイミングチャート。 補正期間を決定するためのマップ。 粘性推定処理ルーチンを説明するフローチャート。 バルブ制御処理ルーチンを説明するフローチャート。 別の実施形態において補正期間を決定するためのマップ。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図6に従って説明する。なお、以下における本明細書中の説明においては、車両の進行方向(前進方向)を前方(車両前方)として説明する。
図1に示すように、エア・オーバー・ハイドロリック(AOH)方式の制動装置11は、ブレーキ液圧を発生する液圧発生装置20と、車輪FL,FR,RL,RR毎に設けられるホイールシリンダ12a,12b,12c,12dのホイールシリンダ圧を調整すべく作動するブレーキアクチュエータ30とを備えている。こうした液圧発生装置20及びブレーキアクチュエータ30は、制動制御装置としての制御装置40によって制御される。
ブレーキアクチュエータ30は、前輪FL,FRのホイールシリンダ12a,12bに連結される第1の液圧回路311と、後輪RL,RRのホイールシリンダ12c,12dに連結される第2の液圧回路312とを備えている。そして、第1の液圧回路311には左前輪用の経路32a及び右前輪用の経路32bが設けられるとともに、第2の液圧回路312には左後輪用の経路32c及び右後輪用の経路32dが設けられている。こうした経路32a〜32dには、ホイールシリンダ12a〜12dのホイールシリンダ圧の増圧を規制する際に作動する常開型の電磁弁である増圧弁33a,33b,33c,33dと、ホイールシリンダ圧を減圧させる際に作動する常閉型の電磁弁である減圧弁34a,34b,34c,34dとが設けられている。
また、液圧回路311,312には、ホイールシリンダ12a〜12dから減圧弁34a〜34dを介して流出したブレーキ液を一時貯留するリザーバ351,352と、リザーバ351,352内のブレーキ液を吸引して液圧回路311,312における液圧発生装置20側に吐出するためのポンプ361,362とが設けられている。これら各ポンプ361,362は、同一のモータ37を駆動源としている。
液圧発生装置20は、高圧の空気が貯留されているエアタンク21と、運転者によるブレーキペダル13の操作態様(操作量や操作速度など)に応じて開閉するブレーキバルブ22と、空気圧をブレーキ液圧に変換するエアマスタシリンダ23とを備えている。また、本実施形態の液圧発生装置20は、制御装置40からの指示によって開度が調整される常閉型のリニア電磁弁であるエアリニアバルブ24を備えている。こうしたエアリニアバルブ24は、ブレーキバルブ22に並列配置されている。
また、液圧発生装置20には、ブレーキバルブ22を介した空気及びエアリニアバルブ24を介した空気のうち何れか一方を選択してエアマスタシリンダ23に供給する選択装置25が設けられている。こうした選択装置25は2つの入力部と1つの出力部を有する機械式の切替弁である。そして、ブレーキバルブ22に連結される第1の入力部に作用する空気圧がエアリニアバルブ24に連結される第2の入力部に作用する空気圧よりも高圧であるときには、第1の入力部から流入する空気が出力部からエアマスタシリンダ23に向けて流出される。一方、第2の入力部に作用する空気圧が第1の入力部に作用する空気圧よりも高圧であるときには、第2の入力部から流入する空気が出力部からエアマスタシリンダ23に向けて流出される。
エアマスタシリンダ23には、その内部を空気圧室23aと液圧室23bとに区画するピストン23cと、空気圧室23aを狭くする方向(図1では右方)にピストン23cを付勢するばね部材23dとが設けられている。空気圧室23aは、選択装置25などを介してエアタンク21に連結されている。液圧室23bは、ブレーキ液を貯留するリザーバ26と、ブレーキアクチュエータ30に連結されている。
そして、空気圧室23aに空気が供給されて空気圧室23a内の空気圧が高くなると、ピストン23cがばね部材23dからの付勢力に抗して移動し、液圧室23b内のブレーキ液圧(以下、「マスタシリンダ圧」ともいう。)が高くなる。このとき、液圧室23bからは、ブレーキ液がブレーキアクチュエータ30に送出される。その結果、ホイールシリンダ12a〜12dにブレーキ液が供給され、ホイールシリンダ圧が高くなる。これにより、車輪FR,FL,RR,RLには、ホイールシリンダ圧に応じた制動トルクが付与される。
なお、本実施形態の液圧発生装置20は、ブレーキアクチュエータ30の第1の液圧回路311に連結される前輪系統と、第2の液圧回路312に連結される後輪系統とに区分することができる。そして、前輪系統のブレーキバルブ22、エアマスタシリンダ23、エアリニアバルブ24、選択装置25を、ブレーキバルブ221、エアマスタシリンダ231、エアリニアバルブ241、選択装置251という。同様に、後輪系統のブレーキバルブ22、エアマスタシリンダ23、エアリニアバルブ24、選択装置25を、ブレーキバルブ222、エアマスタシリンダ232、エアリニアバルブ242、選択装置252という。また、エアタンク21には、前輪系統用の区画室211と、後輪系統用の区画室212とが形成されている。
次に、制動装置11の制御装置40について説明する。
制御装置40には、車輪FR,FL,RR,RLの車輪速度を検出するための車輪速度センサ41などの各種センサと、運転者がブレーキ操作を行っているか否かを検知するためのブレーキスイッチ42とが電気的に接続されている。そして、制御装置40は、液圧発生装置20のエアリニアバルブ24、ブレーキアクチュエータ30の増圧弁32a〜32d、減圧弁34a〜34d及びモータ37を個別に制御する。
こうした制御装置40は、CPU、ROM及びRAMなどで構成されるデジタルコンピュータを有している。ROMには、CPUに実行される制御プログラム及び各種マップなどが記憶されている。また、RAMには、適宜書き換えられる各種情報(車体速度など)が記憶される。
ところで、制動装置11で利用されるブレーキ液の粘性は、常に一定であるとは限らない。例えば、車両の走行環境の温度が非常に低い場合などにおいては、ブレーキ液の温度が非常に低くなり、ブレーキ液の粘性が高くなることがある。また、ブレーキ液の粘性は、ブレーキ液の特性の経年変化などによっても変化し得る。
このようにブレーキ液の粘性が変わると、横滑り抑制制御及びトラクション制御などのようにエアリニアバルブ24の作動を伴う制動制御時における制動特性が変わりうる。こうしたブレーキ液の粘性に起因した制動特性のばらつきを抑えるためには、実際に制動制御が開始される前までにブレーキ液の粘性を推定する推定処理を行い、制動制御時には推定処理での推定結果に基づいてエアリニアバルブ24の開度を補正する補正処理を行うことが好ましい。
次に、推定処理について図2を参照して説明する。
図2に示すように、推定処理では、予め設定された推定期間TmtThの間、ポンプ361,362の駆動源であるモータ37が駆動される。このとき、モータ37に対する指令信号のデューティ比は「100%」とされる。また、推定期間TmtThは、リザーバ351,352にブレーキ液が貯留されていなくても、減圧弁34a〜34dとポンプ361,362とを繋ぐ液路からブレーキ液が完全には無くならない程度の期間に設定されている。
そして、駆動開始時点t11からモータ37が駆動し始めると、駆動開始時点t11から推定期間TmtThが経過した終了時点t12で、モータ37に対する指令信号のデューティ比が「0%」に変更される。すなわち、モータ37の制御が終了される。すると、制御装置40によるモータ37の制御が終了してからも、しばらくの間、モータ37が惰性で駆動する。このようにモータ37が惰性で駆動する場合、モータ37では電圧が誘起される。また、モータ37が惰性で駆動する期間の長さは、液圧回路311,312内のブレーキ液の粘性が高いときほど短くなる。これは、ブレーキ液の粘性が高いほど、ポンプ361,362を作動させる際の抵抗が大きくなるためである。
そこで、本実施形態の推定処理では、終了時点t12からのモータ37に対する電圧であるモータ電圧Vmtが観察されるとともに、モータ電圧Vmtが予め設定された規定電圧VmtTh以下になるまでの計測時間が計測される。そして、図2にて一点鎖線で示すように、終了時点t12から判定時間KTが経過した経過時点t14よりも後の第5の時点t15でモータ電圧Vmtが規定電圧VmtThに達するときには、ブレーキ液の粘性が低いと推定される。一方、図2にて破線で示すように、経過時点t14よりも前の第3の時点t13でモータ電圧Vmtが規定電圧VmtThに達するときには、ブレーキ液の粘性が高いと推定される。なお、規定電圧VmtThは、モータ37の制御時におけるモータ電圧Vmtよりも低い値に設定されている。
次に、補正処理について図3を参照して説明する。
図3に示すように、補正処理は、エアリニアバルブ24を作動させるような制動制御の開始時点t21から行われる。すなわち、補正処理では、要求される要求空気圧Preqに対して予め設定された補正空気圧Aupが加算された空気圧が指示空気圧Pinとされ、この指示空気圧Pinに応じた指示信号がエアリニアバルブ24のソレノイドに入力される。そして、開始時点t21から補正期間Thが経過した補正終了時点t22で、補正処理が終了される。すなわち、補正終了時点t22以降では、指示空気圧Pinは、要求空気圧Preqとされる。なお、補正処理の実行期間である補正期間Thは、上記の推定処理によって推定されたブレーキ液の粘性に応じた長さに設定される。
そこで次に、制御装置40のROMに記憶される各種マップのうち、補正期間Thを決定するためのマップについて図4を参照して説明する。なお、図4に示す「第2の経過時間T2」は、図2で示した「終了時点t12からの計測時間」に対応するパラメータである。
図4に示すように、補正期間Thは、第2の経過時間T2が大きくなるに連れて次第に小さくなる。そして、第2の経過時間T2が、上記の判定時間KTに対応する経過時間判定値T2Th以上である場合、補正期間Thは「0(零)」とされる。すなわち、第2の経過時間T2が経過時間判定値T2Th以上である場合には、制動制御の開始時に補正処理が行われない。
次に、本実施形態の制御装置40が実行する各種処理ルーチンについて説明する。
始めに、粘性推定処理ルーチンについて、図5に示すフローチャートを参照して説明する。
図5に示す粘性推定処理ルーチンは、予め設定された所定周期毎に実行されるサブルーチンである。こうした粘性推定処理ルーチンにおいて、制御装置40は、最後に推定処理を行ってからの経過時間である第1の経過時間T1を更新する(ステップS11)。続いて、制御装置40は、車輪FL.FR,RL,RR毎に設けられた各車輪速度センサ41のうち少なくとも一つの車輪速度センサ41からの検出信号に基づいた車体速度VSが予め設定された車速判定値VSth(例えば、6km/h)を超えているか否かを判定する(ステップS12)。この車速判定値VSthは、運転者によるアクセル操作によって車両が走行中であるか否かを判断するために設定された値である。
車体速度VSが車速判定値VSth以下である場合(ステップS12:NO)、車両が未だ発進していない可能性があるため、制御装置40は、後述する駆動時間Tmt及びカウント数Cntを「0(零)」とし(ステップS13)、粘性推定処理ルーチンを一旦終了する。一方、車体速度VSが車速判定値VSthを超えている場合(ステップS12:YES)、車両が走行中であるため、制御装置40は、非制動中であるか否かを判定する(ステップS14)。このステップS14では、運転者がブレーキ操作を行っていないこと、及びエアリニアバルブ24が作動していないこと(即ち、制動制御が行われていないこと)が共に成立しているときに、非制動中であると判定される。
そして、制動中である場合(ステップS14:NO)、制御装置40は、その処理を前述したステップS13に移行する。一方、非制動中である場合(ステップS14:YES)、制御装置40は、ステップS11で更新した第1の経過時間T1が規定推定間隔T1Th以上であるか否かを判定する(ステップS15)。第1の経過時間T1が規定推定間隔T1Th(例えば、10分)未満である場合(ステップS15:NO)、制御装置40は、その処理を前述したステップS13に移行する。一方、第1の経過時間T1が規定推定間隔T1Th以上である場合(ステップS15:YES)、制御装置40は、推定処理(ステップS16〜S25)を行う。
すなわち、制御装置40は、駆動時間Tmtを「1」だけインクリメントし(ステップS16)、この駆動時間Tmtが上記推定期間TmtTh未満であるか否かを判定する(ステップS17)。駆動時間Tmtが推定期間TmtTh未満である場合(ステップS17:YES)、制御装置40は、モータ37に対する指令信号のデューティ比を「100%」とする(ステップS18)。続いて、制御装置40は、カウント数Cntを「0(零)」とし(ステップS19)、粘性推定処理ルーチンを一旦終了する。
一方、駆動時間Tmtが推定期間TmtTh以上である場合(ステップS17:NO)、制御装置40は、モータ37に対する指令信号のデューティ比を「0%」とする(ステップS20)。続いて、制御装置40は、検出したモータ電圧Vmtが上記規定電圧VmtTh未満であるか否かを判定する(ステップS21)。モータ電圧Vmtが規定電圧VmtTh以上である場合(ステップS21:NO)、制御装置40は、カウント数Cntを「1」だけインクリメントし(ステップS22)、粘性推定処理ルーチンを一旦終了する。
一方、モータ電圧Vmtが規定電圧VmtTh未満である場合(ステップS21:YES)、制御装置40は、第2の経過時間T2を現時点のカウント数Cntとする(ステップS23)。そして、制御装置40は、図4に示すマップを用い、補正期間Thを第2の経過時間T2に応じた値に決定し(ステップS24)、第1の経過時間T1を「0(零)」にリセットする(ステップS25)。その後、制御装置40は、粘性推定処理ルーチンを一旦終了する。
次に、バルブ制御処理ルーチンについて、図6に示すフローチャートを参照して説明する。このバルブ制御処理ルーチンは、制動制御時におけるエアリニアバルブ24の駆動態様を決定するための処理ルーチンである。
図6に示すバルブ制御処理ルーチンは、上記の粘性推定処理ルーチンの実行周期と同一周期毎に実行されるサブルーチンである。こうしたバルブ制御処理ルーチンにおいて、制御装置40は、エアリニアバルブ24を作動させるような制動制御の実行中であるか否かを判定する(ステップS31)。制動制御中ではない場合(ステップS31:NO)、制御装置40は、指示空気圧Pinを「0(零)」とし(ステップS32)、バルブ制御処理ルーチンを一旦終了する。なお、本実施形態では、2つのエアリニアバルブ241,242のうち少なくとも一つを作動させる際又は作動させている際には、ステップS31の判定結果が「YES」となる。
一方、制動制御中である場合(ステップS31:YES)、制御装置40は、実行中の制動制御が開始されてからの経過時間である制動時間T3を更新する(ステップS33)。そして、制御装置40は、更新した制動時間T3が、上記ステップS24で決定された補正期間Th未満であるか否かを判定する(ステップS34)。
制動時間T3が補正期間Th未満である場合(ステップS34:YES)、制御装置40は、設定されている要求空気圧Preqに補正空気圧Aupを加算し、この加算結果を指示空気圧Pinとし(ステップS35)、バルブ制御処理ルーチンを一旦終了する。一方、制動時間T3が補正期間Th以上である場合(ステップS34:NO)、制御装置40は、指示空気圧Pinを、設定されている要求空気圧Preqとし(ステップS35)、バルブ制御処理ルーチンを一旦終了する。したがって、本実施形態では、ステップS33,S34,S35により、制動制御を行うに際し、ブレーキ液の粘性が高いときには、ブレーキ液の粘性が低いときよりもエアリニアバルブ24の開度を大きくする補正処理が構成される。
次に、車両が発進する際の動作について説明する。なお、前提として、第1の経過時間T1が規定推定間隔T1th以上となっており、且つ非制動中であるものとする。
運転者のアクセル操作によって車両が発進し、この車両の車体速度VSが車速判定値VSthを超えると、非制動中であるため、推定処理が開始される。すると、駆動時間Tmtが推定期間TmtThに達するまでの間、モータ37の駆動に基づいてポンプ361,362が作動する。
そして、駆動時間Tmtが推定期間TmtThに達すると(図2における終了時点t12)、モータ37の制御が終了される。すると、ポンプ361,362は、しばらくの間、惰性で作動する。このとき、ポンプ361,362の駆動源であるモータ37もまた惰性で駆動するため、このモータ37では電圧が誘起される。すると、モータ37の制御が終了した時点からモータ電圧Vmtが規定電圧VmtTh未満となる時点までの計測時間が計測される、すなわち、カウント数Cntが定期的にインクリメントされる。そして、この計測時間に相当する第2の経過時間T2が取得され、補正期間Thは、第2の経過時間T2に応じた値に決定される。すなわち、補正期間Thは、ブレーキ液の粘性が高いときには粘性が低いときよりも長い期間に決定される。
このように推定処理が行われた後に、エアリニアバルブ24を作動させるような制動制御が開始されるときには、推定処理での推定結果に基づいて補正処理が行われる。すなわち、推定処理によって決定された補正期間Thの間、補正処理が行われる。すると、エアマスタシリンダ23の空気圧室23aの空気圧は、補正処理が行われない場合と比較して高くなる。その結果、マスタシリンダ圧及びホイールシリンダ圧もまた、補正処理が行われない場合と比較して高くなる。
これにより、エアマスタシリンダ23とホイールシリンダ12a〜12dとの間の液路で生じる液圧のロスによってマスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧との液圧差が大きいとしても、ホイールシリンダ圧を所望する要求液圧に近づけることができる。したがって、車輪には、ブレーキ液の粘性の程度に拘わらず、制御装置40で要求する要求制動トルクに近い値の制動トルクが付与されるようになる。
以上説明したように、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)ブレーキ液の粘性が高いときには、マスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧との液圧差が大きくなりやすいため、補正処理によってエアリニアバルブ24の開度が大きくされる。これにより、ブレーキ液の粘性が高い場合であっても、ホイールシリンダ圧を、要求される要求液圧に近づけることができる。すなわち、ブレーキ液の粘性に応じてエアリニアバルブ24の開度を調整することにより、制動制御時にあってはブレーキ液の粘性に応じたホイールシリンダ圧のばらつきを抑えることが可能となる。したがって、制動制御時における制動装置11の制動性能のばらつきを抑えることができるようになる。
(2)本実施形態では、補正処理の実行期間、即ち補正期間Thは、ブレーキ液の粘性が高いときほど長い期間に決定される。すなわち、マスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧との液圧差が発生しやすいときほど、エアマスタシリンダ23の空気圧室23aの空気圧が高圧に調整される期間が長くなる。その結果、ホイールシリンダ12a〜12dにブレーキ液を十分に供給することができ、ホイールシリンダ圧を要求液圧に近い値にしやすくなる。したがって、制動制御時における制動装置11の制動性能のばらつきを抑えることができるようになる。
(3)本実施形態では、ブレーキ液の粘性を推定する推定処理を行い、この推定処理での推定結果に基づいて補正期間Thが決定される。しかも、推定処理では、モータ37を実際に駆動させ、モータ37の制御終了時点からモータ電圧Vmtが規定電圧VmtTh未満になる時点までの時間に相当する第2の経過時間T2が取得される。そして、この第2の経過時間T2が短いときには、第2の経過時間T2が長いときよりも補正期間Thが長い期間に決定される。
すなわち、ブレーキ液の粘性によって変動するパラメータを実際に計測してブレーキ液の粘性を推定し、こうした推定結果に基づいて補正期間Thが決定される。そのため、補正期間Thを、ブレーキ液の実際の粘性に応じた長さに決定することができ、ホイールシリンダ圧を要求液圧に近い値にしやすくなる。したがって、制動制御時における制動装置11の制動性能のばらつきを抑えることができるようになる。
(4)こうした推定処理は、非制動時に行われる。また、推定処理中に車両制動の開始が検知されたときには、推定処理が速やかに終了される。そのため、推定処理と車両制動との時間的な重複が極力回避されるため、ブレーキ液の粘性の推定をより正しく行うことができ、車両制動時には、ホイールシリンダ圧を適切に発生させることができるようになる。
(5)なお、ブレーキ液の温度が低いためにブレーキ液の粘性が高い場合には、車両の走行中にブレーキ液の温度が上昇することを契機に、ブレーキ液の粘性が低くなることがある。そこで、本実施形態では、概ね規定推定間隔T1Th毎に推定処理が行われ、補正期間Thは、最後に行われた推定処理での推定結果に基づいた値に決定される。その結果、ブレーキ液の粘性が低くなってから補正処理が行われる際に、その実行時間が必要以上に長くなることを抑制することができる。すなわち、車輪FL,FR,RL,RRに対する制動トルクの付与過多を抑制することができる。したがって、制動制御時における制動装置11の制動性能のばらつきを抑えることができるようになる。
(6)また、ブレーキ液の粘性を推定する方法としては、液圧回路311,312内のブレーキ液の温度を検出し、検出した温度が低いときほどブレーキ液の粘性が高いと推定する方法も考えられる。しかし、この方法では、ブレーキ液の温度とは関係ない要因(例えば、ブレーキ液の特性の経年変化)でブレーキ液の粘性が高くなっているときには、粘性の推定精度が低くなる。この点、本実施形態では、ブレーキ液の温度によって補正期間Thを設定するのではないため、ブレーキ液の温度とは関係ない要因でブレーキ液の粘性が高くなっているときであっても、粘性の推定精度が低くなることを抑制できる。
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・上記実施形態の推定処理は、各減圧弁34a〜34dは閉弁された状態で行われる。そのため、推定処理によってポンプ361,362が作動しても、ホイールシリンダ圧が減圧されることはない。そのため、推定処理を、運転者によるブレーキ操作時に行ってもよい。また、推定処理の実行中にブレーキ操作が開始されたとしても、今回の推定処理を継続させてもよい。さらには、車両の停止中にエアリニアバルブ24が作動していない場合には、推定処理を行ってもよい。
・推定処理では、各減圧弁34a〜34dのうち少なくとも一つの減圧弁を開弁させた状態で行ってもよい。例えば、推定処理を、第1の液圧回路311に設けられた各減圧弁34a,34bを開弁させた状態で行ってもよいし、第2の液圧回路312に設けられた各減圧弁34c,34dを開弁させた状態で行ってもよい。また、推定処理を、第1の液圧回路311に設けられた各減圧弁34a,34bの何れか一方を開弁させるとともに、第2の液圧回路312に設けられた各減圧弁34c,34dの何れか一方を開弁させた状態で行ってもよい。さらに、推定処理を、全ての減圧弁34a〜34dを開弁させた状態で行ってもよい。
このように減圧弁を開弁させた状態で推定処理を行うことにより、減圧弁とポンプ361とを繋ぐ液路内からブレーキ液が無くなる事態を回避することができる。その結果、推定処理によるブレーキ液の粘性の推定精度の低下を抑制することができる。
・推定処理時におけるモータ37に対する指示信号のデューティ比を、「100%」以外の他の比率(例えば、50%)としてもよい。
・推定処理では、第2の経過時間T2の取得の代わり、モータ37の制御終了後におけるモータ電圧の低下勾配ΔVmtを算出するようにしてもよい。そして、図7に示すマップを用い、補正期間Thを、算出した低下勾配ΔVmtに応じた値に決定するようにしてもよい。
図7に示すマップは、モータ電圧の低下勾配ΔVmtと補正期間Thとの関係を示している。すなわち、低下勾配ΔVmtが大きいときには、低下勾配ΔVmtが小さいときよりも補正期間Thが大きい値に決定されることとなる。このように補正期間Thを決定しても、上記実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。
・推定処理では、モータ37の制御終了時点から所定時間が経過した後のモータ電圧Vmtに基づいて補正期間Thを決定するようにしてもよい。この場合、補正期間Thは、所定時間が経過した後のモータ電圧Vmtが低いときにはモータ電圧Vmtが高いときよりも長い期間に決定される。
・推定処理では、補正空気圧Aupを、ブレーキ液の粘性が高いときには粘性が低いときよりも大きい値に決定するようにしてもよい。この場合、補正期間Thは、予め設定された所定値であってもよいし、ブレーキ液の粘性に応じた値であってもよい。
・ブレーキ液の温度を検出するための温度センサ(サーミスタなど)が制動装置11に設けられている場合には、推定処理を行わなくてもよい。この場合、ブレーキ液の温度が低いときほどブレーキ液の粘性が高いと推定して補正処理を行うようにしてもよい。
また、温度センサを備える制動装置11であっても、モータ37を駆動させる推定処理を行うようにしてもよい。例えば、車両のイグニッションスイッチがオンになってから推定処理が一度も行われていない状態で制動制御が行われる際には、ブレーキ液の温度に基づいて補正処理を行うようにしてもよい。その一方で、車両のイグニッションスイッチがオンになってから推定処理が行われた状態で制動制御が行われる際には、推定処理での推定結果に基づいて補正処理を行うようにしてもよい。
次に、上記実施形態及び別の実施形態から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記推定処理(S16〜S25)を、車両の発進後における非制動時に行う。
(ロ)前記推定処理(S16〜S25)では、ブレーキ液の粘性を推定するとともに、ブレーキ液の粘性が高いと推定したときには粘性が低いと推定したときよりも補正期間(Th)を長い期間に決定し、
制動制御が行われるに際し、前記推定処理(S16〜S25)で決定された補正期間(Th)の間、前記補正処理(S33〜S36)を行う。
(ハ)前記規定電圧(Vmt)は、前記ポンプ(361,362)の作動時に前記モータ(36)に印加される制御電圧よりも低い値である。
11…制動装置、12a〜12d…ホイールシリンダ、21,211,212…エアタンク、23,231,232…エアマスタシリンダ、23a…空気圧室、23b…液圧室、24,241,242…エアリニアバルブ、311,312…液圧回路、361,362…ポンプ、37…モータ、40…制動制御装置としての制御装置、FL,FR,RL,RR…車輪、T2…第2の経過時間、Vmt…モータ電圧、VmtTh…規定電圧、ΔVmt…モータ電圧の低下勾配。

Claims (3)

  1. 空気が貯留されているエアタンク(21,211,212)と、空気圧室(23a)と液圧室(23b)とが区画形成されてなるエアマスタシリンダ(23,231,232)と、前記エアタンク(21,211,212)から前記空気圧室(23a)に流れる空気の流量を調整するエアリニアバルブ(24,241,242)と、前記液圧室(23b)に連結されるホイールシリンダ(12a,12b,12c,12d)のブレーキ液圧を調整する液圧回路(311,312)と、を備え、前記ホイールシリンダ(12a,12b,12c,12d)のブレーキ液圧に応じた制動トルクを車輪(FL,FR,RL,RR)に付与する制動装置(11)に適用され、
    前記エアリニアバルブ(24,241,242)の開度を調整して前記ホイールシリンダ(12a,12b,12c,12d)のブレーキ液圧を制御する制動制御を行う車両の制動制御装置において、
    前記制動制御を行うに際し、ブレーキ液の粘性が高いときには、ブレーキ液の粘性が低いときよりも前記エアリニアバルブ(24,241,242)の開度を大きくする補正処理(S33〜S36)を行う
    ことを特徴とする車両の制動制御装置。
  2. 前記制動制御装置は、ブレーキ液の粘性を推定する推定処理(S16〜S25)を行うようになっており、
    前記推定処理(S16〜S25)では、前記液圧回路(311,312)に設けられているポンプ(361,362)の制御の終了後に、この制御終了時点から同ポンプ(361,362)の駆動源であるモータ(37)で誘起される電圧(Vmt)が規定電圧(VmtTh)未満となる時点までの経過時間(T2)を取得し、同経過時間(T2)が短いときほどブレーキ液の粘性が高いと推定し、
    前記補正処理(S33〜S36)では、前記制動制御を行うに際し、前記推定処理(S16〜S25)で取得した経過時間(T2)が短いときには同経過時間(T2)が長いときよりも前記エアリニアバルブ(24,241,242)の開度を大きくする
    請求項1に記載の車両の制動制御装置。
  3. 前記制動制御装置は、ブレーキ液の粘性を推定する推定処理(S16〜S25)を行うようになっており、
    前記推定処理(S16〜S25)では、前記液圧回路(311,312)に設けられているポンプ(361,362)の制御の終了後に、同ポンプ(361,362)の駆動源であるモータ(37)で誘起される電圧の低下勾配(ΔVmt)を取得し、同低下勾配(ΔVmt)が急勾配であるときほどブレーキ液の粘性が高いと推定し、
    前記補正処理(S33〜S36)では、前記制動制御を行うに際し、前記推定処理(S16〜S25)で取得した電圧の低下勾配(ΔVmt)が急勾配であるときには同低下勾配(ΔVmt)が緩勾配であるときよりも前記エアリニアバルブ(24,241,242)の開度を大きくする
    請求項1に記載の車両の制動制御装置。
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