JP2014022140A - 燃料電池用の膜電極接合体及びこれを備える燃料電池、並びに、膜電極接合体に用いられるガス拡散層。 - Google Patents

燃料電池用の膜電極接合体及びこれを備える燃料電池、並びに、膜電極接合体に用いられるガス拡散層。 Download PDF

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Abstract

【課題】発電性能の低下を招くことなく、マイクロポーラス層と触媒層との間の接合強度を高める。
【解決手段】発明の燃料電池用の膜電極接合体は、電解質膜の表面に触媒層が形成された触媒層形成電解質膜と、触媒層に接合されたガス拡散層と、を備える。ガス拡散層は、ガス拡散基材層と、ガス拡散基材層上に積層形成され、触媒層に接合されたマイクロポーラス層と、を備える。マイクロポーラス層は、少なくとも、粒子状のカーボンと、撥水性部材とから構成されており、積層方向の圧縮弾性率が0.1MPa〜50MPaの物性を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池用の膜電極接合体のガス拡散層に関するものである。
固体高分子型燃料電池(以下、単に「燃料電池」と呼ぶ)は、通常、膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly )と、MEAを挟持するセパレータと、を備えるセルを直列に積層して構成される。MEAは、プロトン(H+)伝導性を有する固体高分子電解質膜(以下、単に「電解質膜」とも呼ぶ)と、電解質膜の両面に形成された触媒層および各触媒層上に形成されたガス拡散層で構成された電極と、を備える。特許文献1には、ガス拡散層の触媒層側にマイクロポーラス層(MPL:Microporous Layer )を有する構成のMEAの例が記載されている。
特開2010−073586号公報
MEAに含まれる電解質膜は、運転条件に応じて膨潤と収縮を繰り返すことによる膜の疲労の蓄積によって、膜の脆化に伴う機械強度の低下を招き、破膜に至った場合には燃料電池の発電が不能状態となる、という場合がある。
ここで、一般的なMEAの作製方法の例として、電解質膜の両面に触媒層が形成された触媒層形成電解質膜(CCM:Catalyst Coated Membrane)の触媒層の面にガス拡散層を加熱圧着して接合することによりMEAを作製する方法が挙げられる。この方法により作製したMEAでは、ガス拡散層を構成するガス拡散基材層として用いられるカーボンペーパやカーボンクロス、ステンレス繊維性ペーパ、等の基材は一般的に剛性が高いので、電解質膜とガス拡散層との接合強度が高ければ、膨潤と収縮による電解質膜の変位を抑制することが可能となり、電解質膜の機械強度(機械物性)の低下を抑制することが可能となる。
しかしながら、特許文献1に記載されたMEAは、CCMの両面に、ガス拡散層をマイクロポーラス層が内側となるように配置してMEAとしているものであり、ガス拡散層が電解質膜に接合されているものではない。また、仮に、CCMとガス拡散層とを圧着して接合させたとしても、触媒層とマイクロポーラス層との間の接合性について何ら考慮されていないため、膨潤と収縮による電解質膜の変位を抑制する効果が弱い、と考えられる。なお、接合のための圧着強度を高めて触媒層とマイクロポーラス層との間の接合強度を強制的に高めることも考えられるが、この場合、触媒層やマイクロポーラス層等に存在する細孔が潰れて、発電性能の低下を招く可能性がある。そのため、発電性能の低下を招くことなく、電解質膜の膨潤と収縮の抑制効果を高めて、MEAの耐久性を高めることが可能な技術が望まれていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、燃料電池用の膜電極接合体が提供される。この膜電極接合体は、電解質膜の表面に触媒層が形成された触媒層形成電解質膜と;前記触媒層に接合されたガス拡散層と;を備える。前記ガス拡散層は、ガス拡散基材層と;前記ガス拡散基材層上に積層形成され、前記触媒層に接合されたマイクロポーラス層と;を備える。前記マイクロポーラス層は、少なくとも、粒子状のカーボンと、撥水性部材とから構成されており、積層方向の圧縮弾性率が0.1MPa〜50MPaの物性を有する。この形態の膜電極接合体によれば、発電性能の低下を招くことなく、マイクロポーラス層と触媒層との間の接合強度を高めることができる。これにより、触媒層およびマイクロポーラス層を介してガス拡散基材層に接合される電解質膜の膨潤と収縮の抑制効果を高めることができ、結果として、膜電極接合体の耐久性を高めることが可能となる。
(2)上記の膜電極接合体において、前記カーボンはすべて粒子状になっていることが好ましい。上記した物性を有するマイクロポーラス層の形成が容易である。
(3)上記の膜電極接合体において、前記撥水性部材はポリテトラフルオロエチレンであることが好ましい。上記接合強度を高めるとともに、撥水性に優れた上記マイクロポーラス層の形成が容易である。
本発明は、膜電極接合体以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、膜電極接合体を備える燃料電池や膜電極接合体に用いられるガス拡散層、膜電極接合体の作製方法、ガス拡散層の作製方法等の形態で実現することができる。
本発明の一実施形態としての膜電極接合体を用いた燃料電池の概略構成を示す断面模式図である。 図1に示した膜電極接合体の作製手順の一例を示す説明図である。 各サンプルのMPLの圧縮弾性率と接合強度との関係を示すグラフである。
A.実施形態:
図1は、本発明の一実施形態としての膜電極接合体を用いた燃料電池の概略構成を示す断面模式図である。この燃料電池10は、膜電極接合体(MEA)100と、膜電極接合体100を両側から挟持するアノード側セパレータ200aおよびカソード側セパレータ200cと、を備える単セル構造の燃料電池である。なお、燃料電池は、通常、複数の単セルを用いたスタック構造で構成される。
MEA100は、触媒層形成電解質膜(CCM)130と、CCM130のアノード側の面に形成されたアノード側ガス拡散層140aと、カソード側の面に形成されたカソード側ガス拡散層140cと、を備えている。CCM130は、電解質膜110と、電解質膜110のアノード側の面に形成されたアノード側触媒層112aと、カソード側の面に形成されたカソード側触媒層112cと、を備えている。アノード側ガス拡散層140aは、アノード側ガス拡散基材層114aと、アノード側ガス拡散基材層114aのアノード側触媒層112a側の面に形成されたアノード側マイクロポーラス層(MPL)116aと、を備えている。アノード側ガス拡散層140aは、アノード側MPL116aがアノード側触媒層112aに接合するように形成されている。カソード側ガス拡散層140cは、カソード側ガス拡散基材層114cと、カソード側ガス拡散基材層114cのカソード側触媒層112c側の面に形成されたカソード側マイクロポーラス層(MPL)116cと、を備えている。カソード側ガス拡散層140cは、カソード側MPL116cがカソード側触媒層112cに接合するように形成されている。アノード側触媒層112aおよびアノード側ガス拡散層140aが、電解質膜110のアノード側の面に形成されたアノード側電極120aとなり、カソード側触媒層112cおよびカソード側ガス拡散層140cが、電解質膜110のカソード側の面に形成されたカソード側電極120cとなる。なお、アノード側の構成とカソード側の構成とは、電解質膜110を挟んで対称になっている。
アノード側セパレータ200aおよびカソード側セパレータ200cは、ガス不透過の導電性部材、例えば、カーボンを圧縮してガス不透過とした緻密質カーボンや、プレス成型した金属板によって構成することができる。アノード側セパレータ200aの表面は凸凹形状となっており、アノード側ガス拡散層140aのアノード側ガス拡散基材層114aとの間には、燃料ガス(アノードガス」とも呼び、例えば、水素ガス:H2が用いられる)が流れる燃料ガス流路202aが形成されている。同様にして、カソード側セパレータ200cとカソード側ガス拡散層140cのカソード側ガス拡散基材層114cとの間には、酸化ガス(「カソードガス」とも呼び、例えば、酸素ガス:O2を含む空気が用いられる)が流れる酸化ガス流路202cが形成されている。なお、図1の例では、アノード側セパレータ200aは、互いに平行な複数の溝からなる凸凹形状を有しているが、これに限らず、アノード側セパレータ200aとアノード側ガス拡散基材層114aとの間に燃料ガスの流路を形成可能な任意の形状とすることができる。また、カソード側セパレータ200cについても同様に、カソード側セパレータ200cとカソード側ガス拡散基材層114cとの間に酸化ガスの流路を形成可能な任意の形状とすることができる。また、アノード側セパレータ200aやカソード側セパレータ200cを単に板状のセパレータとし、アノード側ガス拡散基材層114aやカソード側ガス拡散基材層114cとの間にガス流路層を別途設ける構造とすることもできる。
アノード側セパレータ200aおよびカソード側セパレータ200cは、上記したように膜電極接合体100を挟持して、発電のための燃料ガスや酸化ガスの外部への流出を遮断するとともに膜電極接合体100へ供給する役割と、発電により発生した電気を伝えるための導電部材としての役割を果たしている。
以下の説明において、各構成要素のアノード側とカソード側を特に区別しない場合には、各構成要素の「アノード側」および「カソード側」の記載を省略する場合もある。
電解質膜110は、種々のフッ素系固体高分子電解質膜や炭化水素系固体高分子電解質膜を用いることができる。本例では、フッ素系固体高分子電解質膜を用いるものとする。触媒層112a,112cは、触媒として機能する白金等の白金族金属や白金族元素の合金が、導電性物質として機能するカーボンブラック等の炭素系粒子材料に担持された触媒担持カーボンと、電解質膜110と同様の電解質成分と、から構成される。
ガス拡散層140a,140cのガス拡散基材層114a,114cは、例えば、カーボンペーパやカーボンクロス等のカーボン多孔質体や、金属メッシュや発泡金属等の金属多孔質体で構成される。なお、拡散層用基材を、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等)の分散液に浸漬して撥水処理を施してもよい。また、ガス拡散層140a,140cのMPL116a,116cは、ガス拡散基材層114a,114cよりも微細な気孔を有しており、導電性部材としての粒子状のカーボンとして、例えば、カーボンブラックと、撥水性部材として、例えば、PTFEやPFA等と、を少なくとも含む構造を有している。また、MPL116a,116cは、撥水性部材として、例えばPTFEやPFA等を含む構造を有していてもよい。なお、以下では、導電性部材としての粒子状のカーボンと撥水性部材とを含む構造として説明する。
図2は、図1に示した膜電極接合体の作製手順の一例を示す説明図である。触媒層形成電解質膜(CCM)130の、アノード側触媒層112a上にアノード側ガス拡散層140aのアノード側MPL116aが接するように重ね合わせるとともに、カソード側触媒層112c上にカソード側ガス拡散層140cのカソード側MPL116cが接するように重ね合わせる。そして、あらかじめ定めた温度および圧力で加熱圧着して、アノード側触媒層112aとアノード側MPL116a、および、カソード側触媒層112cとカソード側MPL116cを接合させて一体化する。以上のようにして、CCM130の触媒層112a,112cとガス拡散層140a,140cのMPL116a,116cとを接合させたMEA100を作製することができる。
CCM130は、例えば、電解質膜110の両側の面上に触媒インクや触媒ペーストを塗工し、乾燥・焼成してアノード側触媒層112aおよびカソード側触媒層112cを形成することにより、作製することができる。触媒インクや触媒ペーストとしては、上記した触媒担持カーボンや、電解質膜110と同様のプロトン伝導性を有する電解質を含むアルコール系電解質溶液等を混合したものを用いることができる。
アノード側ガス拡散層140aは、カーボンペーパ等のガス拡散基材層114aの一方の面上に、MPL用インクやMPL用ペーストを塗工し、乾燥・焼成してMPL116aを形成することにより、作製することができる。カソード側ガス拡散層140cも、同様にして作製することができる。MPL用インクやMPL用ペーストとしては、粒子状のカーボンおよび撥水性部材や、有機溶媒等を混合したものを用いることができる。粒子状のカーボンおよび撥水部材の分散性を向上させるために、界面活性剤などの添加剤を加えても良い。
ここで、MPL116a,116cは、後述するように、それぞれの積層方向の圧縮弾性率が0.1MPa〜50MPaの範囲内となる物性を有するように形成されていることが好ましい。圧縮弾性率は、後述するように、MPLに対して積層方向に任意の荷重を掛けたときに生じる変位を測定し、その傾きから求められる。なお、MPLの圧縮弾性率は、空孔が多いと変位が大きくなって、小さくなることがある。上限値の理由は、後述するように、圧縮弾性率が50MPa以下の場合には、熱圧着後の変形が大きくなり、固い触媒層が柔らかいMPLに食い込んで、アンカー効果のような効果を得ることが可能となり、触媒層に対するMPLの接合性が良くなる、と考えられるからである。また、下限値の理由は、CCM130とガス拡散層140a、140cとを熱圧着するために必要な圧力、例えば、0.5MPa〜1.5MPa程度の圧力が加わったとしても、MPL内の細孔が潰れてしまわないような弾性が必要である、と考えられるからである。
MPLの圧縮弾性率は、粒子状のカーボンの種類や、撥水性部材の種類、添加剤の有無、添加剤の種類、成分組成、形成方法等を種々調整することにより制御することが可能である。形成方法には、MPL用インク作製時における各種成分の分散方法や、MPL用インク塗工時の塗工方法、焼成温度や焼成時間等が考えられる。分散方法、例えば、部材のせん断度合いに応じて、作製されたMPLの均質性が変化し、これに応じて圧縮弾性率が変化する。塗工方法に応じて、作製されたMPL表面の平滑性や均質性が変化し、これに応じて圧縮弾性率が変化する。焼成温度や焼成時間に応じて、作製されたMPLの硬度が変化して、これに応じて圧縮弾性率が変化する。
MPL116a,116cに含まれる粒子状のカーボンとしては、20〜100m2/gの比表面積を有するものが好ましい。比表面積が高すぎると粒子が凝集し易くなって分散が難しくなるため、均一な細孔構造を形成し難くなるからである。また、比表面積が低すぎると肥大粒子が混在し、均一な細孔構造を形成し難くなるからである。
粒子状のカーボンとしては、カーボンブラックが用いられるが、特に、アセチレンブラックが好ましい。アセチレンブラックは、一般的にファーネスブラックに比べ高純度であり、MPLの均質化に有利である。また、粒子状のカーボンとしているのは、炭素繊維のような繊維構造のカーボンでは、触媒層と接触するための面積が著しく小さくなり、接合性が確保できなくなる、と考えられるからである。なお、粒子状のカーボンには、粒子だけでなく粒子が連なった形状も含む。
撥水性部材としては、PTFEやテPFA等が用いられるが、特に、撥水性や耐食性等に優れるPTFEが好ましい。
以上のように、ガス拡散層140a,140cのMPL116a,116cが、粒子状のカーボンを少なくとも含む構造で、かつ、積層方向の圧縮弾性率が0.1MPa〜50MPaの範囲となる物性を有することにより、触媒層112a,112cとMPL116a,116cとの間の接合強度を高めることが可能である、と考えられる。これにより、MEA100の電解質膜110とガス拡散層140a,140cとの接合性が向上し、膨潤と収縮による電解質膜110の変位の抑制効果が向上し、電解質膜110の機械物性の低下を抑制することが可能である、と考えられる。この結果、発電性能の低下を招くことなく、電解質膜の膨潤と収縮の抑制効果を高めて、MEAの耐久性を高めることが可能となり、これを用いた燃料電池の耐久性を高めることが可能である、と考えられる。なお、上記説明では、アノード側およびカソード側のガス拡散層が触媒層に接合されている場合を例に説明しているが、アノード側又はカソード側の一方のみが接合され、他方が接合されていなくてもよい。
B.実施例:
以下では、本発明を具体的に説明するために、異なる4種類のMPLを有する4種類のガス拡散層を作製し、作製した4種類のガス拡散層を用いて4種類のMEAを作製し、それぞれのMPLの圧縮弾性率を測定するとともに、それぞれのMEAの接合強度により接合性を評価した。ただし、本発明はこれらの具体的なガス拡散層およびMEAに限定されるものではない。
(1)膜電極接合体の作製
<触媒層形成電解質膜の作製>
デュポン社のNafion(ナフィオン,登録商標)膜NR211を電解質膜として用いることとした。また、アルコール系電解質溶液としてデュポン社のNafion溶液D2020に、触媒担持カーボンを混合した触媒インクを用いることとした。そして、アプリケータを用いて、電解質膜の両側の面に触媒インクを塗工し、乾燥・焼成して、触媒層形成電解質膜(CCM)を作製した。
<サンプル1のガス拡散層および膜電極接合体の作製>
ガス拡散基材層としてカーボンペーパを用いることとした。また、粒子状のカーボンとしてアセチレンブラック(比表面積<80m2/g)を用い、PTFE分散液に混合してMPL用インク1を作製した。作製したMPL用インク1を、アプリケータを用いてガス拡散基材層の一方の面に塗工し、150℃以上200℃未満で30分間乾燥・焼成して、サンプル1のガス拡散層を作製した。そして、作製したサンプル1のガス拡散層を、作製した触媒形成電解質膜(CCM)の両面に温度100℃および圧力1.2MPaで熱圧着することにより、サンプル1のガス拡散層とCCMとが接合されたサンプル1のMEAを作製した。
<サンプル2のガス拡散層および膜電極接合体の作製>
サンプル1と同様に、MPL用インク1をガス拡散基材層(カーボンペーパ)の一方の面に塗工し、250℃以上300℃未満で30分間乾燥・焼成して、サンプル2のガス拡散層を作製した。そして、作製したサンプル2のガス拡散層を、作製したCCMの両面に温度100℃および圧力1.2MPaで熱圧着することにより、サンプル2のガス拡散層とCCMとが接合されたサンプル2のMEAを作製した。
<サンプル3のガス拡散層および膜電極接合体の作製>
サンプル1と同様に、MPL用インク1をガス拡散層基材(カーボンペーパ)の一方の面に塗工し、300℃以上350℃未満で30分間乾燥・焼成して、サンプル3のガス拡散層を作製した。そして、作製したサンプル3のガス拡散層を、作製したCCMの両面に温度100℃および圧力1.2MPaで熱圧着することにより、サンプル3のガス拡散層とCCMとが接合されたサンプル3のMEAを作製した。
<サンプル4のガス拡散層および膜電極接合体の作製>
粒子状のカーボン粒子ではなく繊維状のカーボン(カーボンファイバ,比表面積<20m2/g)を用い、PTFE分散液に混合してMPL用インク2を作製した。作製したMPL用インク2を、アプリケータを用いてガス拡散基材層(カーボンペーパ)の一方の面に塗工し、150℃以上200℃未満で30分間乾燥・焼成して、サンプル4のガス拡散層を作製した。そして、作製したサンプル4のガス拡散層を、作製したCCMの両面に温度100℃および圧力1.2MPaで熱圧着することにより、サンプル4のガス拡散層とCCMとが接合されたサンプル4のMEAを作製した。
(2)圧縮弾性率の測定および接合強度の測定
<圧縮弾性率>
作製した4種類のガス拡散層(サンプル1〜4)から、それぞれ、MPL部分のみを直径1mmに打ち抜いて4種類のMPLのサンプル1〜4とした。作製した4種類のMPL(サンプル1〜4)の圧縮弾性率を、それぞれ、JIS規格(JISR1644)に従って測定した。具体的には、MPLの各サンプルを熱機械測定装置にセットし、セットした測定サンプルに対して、常温(23℃)常湿(50%RH)でガス拡散基材層とMPLとが積層された方向(積層方向)に0〜5MPaの圧力を掛けたときの変位量を測定した。そして、ひずみ量が5%以下の範囲における圧力の傾きから、圧縮弾性率を算出した。
<接合強度の測定>
作製した4種類のMEA(サンプル1〜4)の接合強度を、それぞれ、JIS規格(JISK6854−1)の90°剥離試験に従って測定した。具体的には、MEAの各サンプルを引っ張り試験機にセットし、常温(23℃)常湿(50%RH)および引っ張り速度60mm/minで、90°剥離試験を実施し、触媒層とMPLとの界面で剥離したときの応力を測定し、接合強度とした。
図3は、各サンプルのMPLの圧縮弾性率と接合強度との関係を示すグラフである。なお、図の接合強度は、サンプル2の接合強度を1とした相対強度で示している。各サンプルのMPLの圧縮弾性率は、サンプル1(S1)が48MPa、サンプル2(S2)が59MPa、サンプル3(S3)が63MPa、サンプル4(S4)が45MPaであった。
各サンプルの接合強度は、サンプル1の接合強度に対して、サンプル2および3の接合強度は非常に低く、1/30程度であった。言い換えると、サンプル1の接合強度は、サンプル2および3に比べて非常に高く、30倍程度であった。また、サンプル4の接合強度はサンプル2および3よりも更に低く、サンプル1に対して1/30以下であり、殆ど接合していなかった。
図3のグラフから解るように、サンプル2(S2)の圧縮弾性率59MPa以下では、圧縮弾性率が低くなるにつれて接合強度が高くなる。特に、圧縮弾性率55MPa以下では急激に接合強度が上昇し、圧縮弾性率が52MPa以下ではサンプル2の10倍程度以上高くなり、圧縮弾性率が50MPa以下では接合強度はサンプル2の20倍程度以上高くなることがわかった。また、粒子状のカーボンではなく繊維状のカーボン(カーボンファイバ)を用いてMPLを形成した場合には、サンプル4(S4)のように、例え圧縮弾性率が50MPa以下であったとしても、高い接合強度が得られないことがわかった。
以上のように、MPLを、粒子状のカーボンを含む構造で、積層方向の圧縮弾性率を53MPa以下、より好ましくは、50MPa以下の物性を有するようにすれば、触媒層とMPLとの間の接合強度を急激に高めて、膜電極接合体の接合性を急激に高めることが可能であることを確認できた。従って、上記したように、上記実施形態の膜電極接合体では、膨潤と収縮による電解質膜の変位の抑制効果を高めることが可能で、電解質膜の機械物性の低下を抑制することができる。これにより、発電性能の低下を招くことなく、電解質膜の膨潤と収縮の抑制効果を高めて、膜電極接合体の耐久性を高めることが可能であり、これを用いた燃料電池の耐久性を高めることが可能である、と考えられる。
C.変形例:
(1)変形例1
上述した実施形態では、粒子状のカーボンおよび撥水性部材を少なくとも含む構造のマイクロポーラス層であったが、必ずしも、これに限定されるものではなく、少なくとも、粒子状のカーボンを含む構造で、積層方向の圧縮弾性率が0.1MPa〜50MPaの物性を有するマイクロポーラス層であってもよい。
(2)変形例2
上述した実施例では、サンプル1〜3で示したように、塗工したMPL用インクの乾燥・焼成温度の制御によって圧縮弾性率を制御している場合を示したが、上記したように、粒子状のカーボンの種類(例えば、カーボンブラックの種類、比表面積、粒径等)や、撥水性部材の種類、添加剤、各成分の組成、分散方法、塗工方法、焼成時間等について、単独、あるいは、組み合わせを種々調整することにより、圧縮弾性率を制御するようにしても良い。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…燃料電池
100…膜電極接合体(MEA)
110…電解質膜
112a…アノード側触媒層
112c…カソード側触媒層
114a…アノード側ガス拡散基材層
114c…カソード側ガス拡散基材層
116a…アノード側マイクロポーラス層(MPL)
116c…カソード側マイクロポーラス層(MPL)
120a…アノード側電極
120c…カソード側電極
130…触媒層形成電解質膜(CCM)
140a…アノード側ガス拡散層
140c…カソード側ガス拡散層
200a…アノード側セパレータ
200c…カソード側セパレータ
202a…燃料ガス流路
202c…酸化ガス流路

Claims (5)

  1. 燃料電池用の膜電極接合体であって、
    電解質膜の表面に触媒層が形成された触媒層形成電解質膜と、
    前記触媒層に接合されたガス拡散層と、
    を備え、
    前記ガス拡散層は、
    ガス拡散基材層と、
    前記ガス拡散基材層上に積層形成され、前記触媒層に接合されたマイクロポーラス層と、
    を備え、
    前記マイクロポーラス層は、少なくとも、粒子状のカーボンと、撥水性部材とから構成されており、積層方向の圧縮弾性率が0.1MPa〜50MPaの物性を有する、膜電極接合体。
  2. 請求項1に記載の膜電極接合体であって、
    前記カーボンはすべて粒子状になっている、膜電極接合体。
  3. 請求項1または請求項2に記載の膜電極接合体であって、
    前記撥水性部材はポリテトラフルオロエチレンである、膜電極接合体。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の膜電極接合体を備える燃料電池。
  5. 燃料電池用の膜電極接合体に用いられるガス拡散層であって、
    ガス拡散基材層と、
    前記ガス拡散基材層上に積層形成されたマイクロポーラス層と、
    を備え、
    前記マイクロポーラス層は、少なくとも、粒子状のカーボンと、撥水性部材とから構成されており、積層方向の圧縮弾性率が0.1MPa〜50MPaの物性を有する、ガス拡散層。
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