JP2008198437A - 燃料電池用膜−電極接合体およびその製造方法ならびにそれを用いた燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】ホットプレス法による膜−電極接合体の製造方法において、メタノールクロスオーバーが軽減された膜−電極接合体を得ることができる製造方法を提供する。
【解決手段】アノード電極用ガス拡散層A1(1)およびカソード電極用ガス拡散層A2(1’)に、それぞれ触媒層A1(2)およびA2(2’)を形成する工程A、固体高分子電解質膜(3)の一方の面に触媒層B1(4)を、他方の面に触媒層B2(4’)を形成する工程B、ならびに前記触媒層A1(2)と前記触媒層B1(4)、および前記触媒層A2(2’)と前記触媒層B2(4’)を熱圧着する工程Cを含む方法により、膜−電極接合体を製造する。
【選択図】図1
【解決手段】アノード電極用ガス拡散層A1(1)およびカソード電極用ガス拡散層A2(1’)に、それぞれ触媒層A1(2)およびA2(2’)を形成する工程A、固体高分子電解質膜(3)の一方の面に触媒層B1(4)を、他方の面に触媒層B2(4’)を形成する工程B、ならびに前記触媒層A1(2)と前記触媒層B1(4)、および前記触媒層A2(2’)と前記触媒層B2(4’)を熱圧着する工程Cを含む方法により、膜−電極接合体を製造する。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池用膜−電極接合体の製造方法に関し、特にダイレクトメタノール型燃料電池に適用した場合に、メタノールクロスオーバーが軽減される膜−電極接合体の製造方法に関する。本発明はまた、当該製造方法により得られる膜−電極接合体、および当該膜−電極接合体を用いた燃料電池に関する。
近年、高効率、低環境負荷である燃料電池が次世代のエネルギー源として期待されている。その中で、固体高分子型燃料電池が、自動車用動力源、家庭用コジェネレーション等として利用可能性があることから、最も注目を集めている。
固体高分子型燃料電池は、固体高分子電解質膜と電極とを複合化した膜−電極接合体(MEA)を発電ユニットとする。固体高分子電解質膜は、プロトンを伝導するための電解質として機能し、同時に燃料である水素やメタノールと酸素とを直接混合させないための隔膜としての役割も有する。
固体高分子電解質膜として世界で最も広く用いられている標準的なものは、デュポン社で開発されたパーフルオロスルホン酸膜「ナフィオン」である。この膜の電荷担体は水分子を伴ったプロトンで、これがスルホン酸基を介して移動する。また、スルホン酸基を有する、フッ素系樹脂および炭化水素系樹脂も開発されている。しかしながら、「ナフィオン」を始めとする従来の固体高分子電解質膜は、液体燃料を改質しないで直接使用するダイレクトメタノール型燃料電池に用いると、メタノールが電解質膜を透過(メタノールクロスオーバー)してしまい、燃料ロスが発生するという問題点を有する。さらには、メタノールクロスオーバーが起こった場合、透過したメタノールがカソードで酸化反応を起こして電池の起電力を引き下げ、ギ酸やホルムアルデヒドといった部分酸化物を生成する問題点もある。
膜−電極接合体の製造方法としては、各種の方法が提案されているが、現在、ホットプレス法が一般的であり、このホットプレス法では、通常、ガス拡散層上に触媒層を設けて電極を形成し、ホットプレスにより触媒層と電解質膜とを熱圧着する(例えば、特許文献1および2等参照)。しかし、このホットプレス法により製造された膜−電極接合体においては、メタノールクロスオーバーが、未処理膜に比して起こりやすくなる可能性がある。
特開平05−343078号公報
特開2005−276599号公報
本発明は、上記問題を鑑みてなされたものであり、ホットプレス法による膜−電極接合体の製造方法において、メタノールクロスオーバーが軽減された膜−電極接合体を得ることができる製造方法を提供することを目的とする。また本発明は、メタノールクロスオーバーが軽減された膜−電極接合体、およびそれを用いた燃料電池を提供することを目的とする。
本発明は、アノード電極用ガス拡散層A1およびカソード電極用ガス拡散層A2に、それぞれ触媒層A1およびA2を形成する工程A、固体高分子電解質膜の一方の面に触媒層B1を、他方の面に触媒層B2を形成する工程B、ならびに前記触媒層A1と前記触媒層B1、および前記触媒層A2と前記触媒層B2を熱圧着する工程Cを含む膜−電極接合体の製造方法である。
また本発明は、当該製造方法により得られる膜−電極接合体である。
さらに本発明は、膜−電極接合体を用いたダイレクトメタノール型燃料電池である。
また本発明は、当該製造方法により得られる膜−電極接合体である。
さらに本発明は、膜−電極接合体を用いたダイレクトメタノール型燃料電池である。
本発明によれば、メタノールクロスオーバーが軽減された膜−電極接合体およびダイレクトメタノール型燃料電池が提供される。当該ダイレクトメタノール型燃料電池は、電池出力に優れる。
本発明において、ガス拡散層(アノード電極用ガス拡散層A1およびカソード電極用ガス拡散層A2)には、例えば、カーボンペーパー、カーボンクロス、カーボンフェルト等の導電性の多孔質シートを用いることができる。また、ガス拡散層は、カーボンペーパー、カーボンクロス、カーボンフェルト等の上に、フッ素樹脂で撥水処理を行った材料を用いることが好ましい。このような材料をガス拡散層に用いることにより、触媒層中で発生する水などが、ガス拡散層に形成されている孔を塞いでガスの拡散を抑制することを回避することができる。
ガス拡散層の厚みとしては、100〜300μmが好ましく、150〜200μmがより好ましい。
本発明において、固体高分子電解質膜としては、特に限定はないが、例えば、フッ素系固体高分子電解質膜、炭化水素系固体高分子電解質膜等を用いることができる。電解質膜を構成するフッ素系高分子の例としては、パーフルオロカーボンスルホン酸、ポリトリフルオロスチレンスルホン酸、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等が挙げられる。炭化水素系高分子の例としては、ポリイミド(PI)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェノキシベンゾイルフェニレン(PPBP)等をスルホン化したものが挙げられる。中でも、熱プレスによる接着の観点からガラス転移温度が低いもの(例、ポリフッ化ビニリデン等)が好ましい。
固体高分子電解質膜の厚みとしては、58〜62μmが好ましい。
本発明において、触媒層(触媒層A1、A2、B1およびB2)は、導電材、バインダー(固体高分子電解質)および触媒を含み、通常、触媒は導電材に担持させる。
触媒は、水素の酸化反応、及び酸素の還元反応に触媒作用を有する限り特に限定されず、例えば、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、タングステン、鉛、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウム等の金属、およびそれらの合金等を使用できる。これらのうち、CO被毒や電池出力の観点から、白金・ルテニウムの二元系触媒が好ましい。
導電材は、触媒を高分散担持させるために十分な比表面積を有し、集電体として十分な電子導電性を有しているものであればよく、例としては、カーボンブラック、活性炭、コークス、黒鉛等が挙げられる。導電材の比表面積、粒子径等については、公知の導電材と同程度であってよい。
導電材への触媒の担持は公知の方法に準じて行えばよい。
バインダーとしては、高いプロトン伝導性を有する高分子を用い、また固体高分子電解質膜を構成する高分子よりもガラス転移温度が低い高分子を選択する。バインダーを構成する高分子の例としては、電解質膜を構成する高分子と同様のスルホン酸基を有するフッ素系高分子および炭化水素系高分子、ならびにアイオノマーが挙げられる。中でも、アイオノマーは、135〜145℃で熱プレスが可能であるため特に好ましい。
触媒層は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等の撥水性高分子を含んでいてもよい。撥水性高分子により、触媒層の撥水性を高めることができ、発電時に生成した水などを速やかに排出することができる。
本発明は、上記工程A、上記工程Bおよび上記工程Cを含む。工程Aでは、アノード電極用ガス拡散層A1およびカソード電極用ガス拡散層A2に、それぞれ触媒層A1およびA2を形成する。
工程Aは、例えば、触媒が担持された導電材およびバインダーを、水やアルコール系有機溶媒等の溶媒中に混合分散させて触媒層インクを調製し、当該触媒層インクをガス拡散層上に、バーコート法、スクリーン印刷法、沈積法、スプレー法等により塗布し、次いで乾燥させることにより行うことができる。具体的な作業条件については、公知の方法に準じればよい。塗布方法については、塗布の簡便さの観点からバーコート法が好ましい。
また、必要に応じ、接着性の向上を目的として、ガス拡散層上に触媒層インクを塗布したものをホットプレスしてもよい。
触媒層Aの厚みとしては、20〜25μmが好ましい。
工程Bでは、固体高分子電解質膜の一方の面に触媒層B1を、他方の面に触媒層B2を形成する。
工程Bは、例えば、上記と同様にして触媒層インクを調製し、当該触媒層インクを固体高分子電解質膜の両面に、バーコート法、スクリーン印刷法、沈積法、スプレー法等により塗布し、次いで乾燥させることにより行うことができる。具体的な作業条件については、公知方法に準じればよい。塗布方法については、塗布効率、コストおよび固体高分子電解質膜の膨張による作業性の観点からスプレー法(すなわち、前記固体高分子電解質膜に、触媒層インクをスプレーして塗布する方法)が好ましい。
触媒層Bの厚みとしては、5〜10μmが好ましい。
なお、工程Aおよび工程Bは、いずれの工程を先に実施してもよく、同時並行して行ってもよい。
工程Cでは、前記触媒層A1と前記触媒層B1、および前記触媒層A2と前記触媒層B2とを熱圧着する。
従来は、触媒層およびガス拡散層からなる2枚の電極(アノード電極とカソード電極)と、固体高分子電解質膜(触媒層なし)とを、一般に、電解質膜を構成する高分子のガラス転移温度(Tg)付近(例えば、高分子がPVdFの場合、175〜185℃程度)まで加熱してホットプレスすることにより、膜−電極接合体を製造していた。しかしながら、ホットプレス時の熱および圧力により、固体高分子電解質膜の変形または損傷が起こり得るものであった。そのため、固体高分子電解質膜の厚みが均一である膜−電極接合体を得ることが困難であった。一般に、メタノールクロスオーバーは、固体高分子電解質膜の厚みと関連性がある。厚みが不均一であると、メタノールとの接触面積が大きくなり、部分的に厚みが小さくなった部分において、メタノールが透過する。それ故に、従来の方法では、固体高分子膜の変形または損傷による膜の厚みの不均一性により、メタノールクロスオーバーが起こりやすくなっていたのである。
そこで本発明では、2枚の電極部材および固体高分子電解質膜の両方に触媒層を設けた。このような構成では、触媒層同士が熱圧着されればよいので、通常よりも低い温度でホットプレスすることが可能であり、さらに、ホットプレスの圧力に対し、固体高分子電解質膜上の触媒層が、緩衝材の役割を果たし得る。そのため、ポットプレス時の熱および圧力による、固体高分子電解質膜の変形および損傷を抑制することができ、膜−電極接合体のメタノールクロスオーバーを軽減することができるのである。
工程Cは、例えば、触媒層A1が形成されたアノード電極用ガス拡散層A1および触媒層A2が形成されたカソード電極用ガス拡散層A2と、触媒層B1およびB2が形成された固体高分子電解質膜とを、前記触媒層A1と前記触媒層B1とが、および前記触媒層A2と前記触媒層B2とが接触するように重ね合わせ、ホットプレスすることにより行うことができる。
ホットプレスの温度は、固体高分子電解質膜のTgよりも触媒層中のバインダー樹脂のTgが低いため、従来のホットプレス法での温度よりも35〜45℃低い温度を選択することができ、これにより、固体高分子電解質膜の変形および損傷の抑制に加え、製造コストも削減できる。ホットプレス温度は、135〜145℃が好ましく、135〜140℃がより好ましい。
ホットプレスの圧力は、低ければ低いほど良く、例えば1.5〜2.0MPaとするとよい。
ホットプレスの時間は、短ければ短い程良く、例えば4〜5分とするとよい。
理解を容易にするために以上の工程A〜Cの一例を概念的に示した図が、図1である。図1(a)の工程においては、アノード電極用ガス拡散層A1(1)に、触媒層インクをバーコート法により塗布し、触媒層A1(2)を形成している。カソード電極用ガス拡散層A2(1’)についても同様に触媒層A2(2’)を形成する。
図1(b)の工程においては、固体高分子電解質膜(3)の両面に、触媒層インクをスプレー法により塗布して触媒層B1(4)およびB2(4’)を形成している。
図1(c)の工程において、触媒層A1(2)と触媒層B1(4)、および触媒層A2(2’)と触媒層B2(4’)が熱圧着されるように、固体高分子電解質膜(3)とガス拡散層A1(1)およびA2(1’)とをホットプレスして、固体高分子電解質膜(3)−電極(5,5’)接合体(8)を得る。
かくして得られる膜−電極接合体は、電極と接合した部分の固体高分子電解質膜の厚みが比較的均一であり、メタノールクロスオーバーが起こりにくいものである。特に、電極と接合した部分の固体高分子電解質膜の厚みのばらつきについては、最大厚みと最小厚みとの差が15μm以下、さらには12μm以下にもなるものである。例えば、実施例ではその差は10μm前後となり、それよりもばらつきを抑えることも可能である。
膜−電極接合体において、電極と接合した部分の固体高分子電解質膜の平均厚みは、58〜62μmが好ましい。
当該膜−電極接合体の、触媒層の触媒担持量としては、1〜3mg/cm2が好ましい。
当該膜−電極接合体は、燃料電池を構成する最小限のユニットとなるものである。本発明のダイレクトメタノール型燃料電池は、公知のダイレクトメタノール型燃料電池の膜−電極接合体を、上記の製造方法で得られる膜−電極接合体に置き換えて構成すればよい。
例えば、図2に示すように、固体高分子電解質膜3に、触媒層2または2’およびガス拡散層1または1’からなる2つの電極が接合した膜−電極接合体8が、メタノール燃料又は酸化剤ガスの通流溝を有し膜−電極接合体8で発電した電気を外部に取り出す機能を有する2枚のセパレータ7で挟持され、ガスシール体6が備えられた単セルとすればよく、場合により当該単セルを複数積層して燃料電池を構成してもよい。
例えば、図2に示すように、固体高分子電解質膜3に、触媒層2または2’およびガス拡散層1または1’からなる2つの電極が接合した膜−電極接合体8が、メタノール燃料又は酸化剤ガスの通流溝を有し膜−電極接合体8で発電した電気を外部に取り出す機能を有する2枚のセパレータ7で挟持され、ガスシール体6が備えられた単セルとすればよく、場合により当該単セルを複数積層して燃料電池を構成してもよい。
本発明のダイレクトメタノール型燃料電池は、メタノールクロスオーバーが軽減されたものであり、従って、電池出力に優れるものである。本発明のダイレクトメタノール型燃料電池は、自動車用動力源、家庭用コジェネレーション等として利用可能である。
実施例(本発明の製造方法で作製した燃料電池用膜−電極接合体)
厚み200μmのガス拡散層(カーボンペーパー)に、貴金属触媒担持カーボンおよびアイオノマーを含む触媒層インクをバーコートにより塗布し、その後60℃恒温槽で10分間乾燥して、Pt担持量1.0mg/cm2の触媒層を形成し、カソード電極部材を作製した。また、厚み200μmのガス拡散層(カーボンペーパー)に、貴金属触媒およびアイオノマーを含む触媒層インクをバーコートにより塗布し、その後60℃恒温槽で10分間乾燥した。さらに、それを135℃、2.0MPa、1分間の条件でホットプレスして、Pt/Ru担持量2.5mg/cm2の触媒層を形成して、アノード電極部材を作製した。
厚み200μmのガス拡散層(カーボンペーパー)に、貴金属触媒担持カーボンおよびアイオノマーを含む触媒層インクをバーコートにより塗布し、その後60℃恒温槽で10分間乾燥して、Pt担持量1.0mg/cm2の触媒層を形成し、カソード電極部材を作製した。また、厚み200μmのガス拡散層(カーボンペーパー)に、貴金属触媒およびアイオノマーを含む触媒層インクをバーコートにより塗布し、その後60℃恒温槽で10分間乾燥した。さらに、それを135℃、2.0MPa、1分間の条件でホットプレスして、Pt/Ru担持量2.5mg/cm2の触媒層を形成して、アノード電極部材を作製した。
ヒーターで温度を70〜100℃に保ちながら、厚み60μmの固体高分子電解質膜(ポリフッ化ビニリデン(PVdF))のカソード側の面に貴金属触媒担持カーボンおよびアイオノマーを含む触媒層インクを、アノード側の面に貴金属触媒およびアイオノマーを含む触媒層インクをそれぞれスプレーで塗布し、カソード側の面にPt担持量0.5mg/cm2の触媒層を、アノード側の面にPt/Ru担持量0.5mg/cm2の触媒層を形成した。
上記で作製したカソード電極部材およびアノード電極部材と、両表面上に触媒層が形成された固体高分子電解質膜とを、それらの触媒層同士が接触するように重ね合わせ、135℃、2.0MPa、5分間の条件でホットプレスを行い接合することで燃料電池用膜−電極接合体を得た。この膜−電極接合体のトータルの貴金属担持量はカソード電極1.5mg/cm2、アノード電極3.0mg/cm2であった。
比較例(従来のホットプレス法で作製した燃料電池用膜−電極接合体)
厚み200μmのガス拡散層(カーボンペーパー)に、貴金属触媒担持カーボンおよびアイオノマーを含む触媒層インクをバーコートにより塗布し、その後60℃恒温槽で10分間乾燥して、Pt担持量1.5mg/cm2の触媒層を形成し、カソード電極を作製した。また、厚み200μmのガス拡散層(カーボンペーパー)に、貴金属触媒およびアイオノマーを含む触媒層インクをバーコートにより塗布し、その後60℃恒温槽で10分間乾燥した。さらに、それを135℃、1.5MPa、1分間の条件でホットプレスして、Pt/Ru担持量3.0mg/cm2の触媒層を形成して、アノード電極を作製した。
厚み200μmのガス拡散層(カーボンペーパー)に、貴金属触媒担持カーボンおよびアイオノマーを含む触媒層インクをバーコートにより塗布し、その後60℃恒温槽で10分間乾燥して、Pt担持量1.5mg/cm2の触媒層を形成し、カソード電極を作製した。また、厚み200μmのガス拡散層(カーボンペーパー)に、貴金属触媒およびアイオノマーを含む触媒層インクをバーコートにより塗布し、その後60℃恒温槽で10分間乾燥した。さらに、それを135℃、1.5MPa、1分間の条件でホットプレスして、Pt/Ru担持量3.0mg/cm2の触媒層を形成して、アノード電極を作製した。
上記で作製したカソード電極およびアノード電極と、厚み60μmの固体高分子電解質膜(ポリフッ化ビニリデン(PVdF))とを180℃、2.0MPa、5分の条件でホットプレスを行い接合することで燃料電池用膜−電極接合体を得た。この膜−電極接合体のトータルの貴金属担持量はカソード電極1.5mg/cm2、アノード電極3.0mg/cm2であった。
a)メタノールクロスオーバーの評価
燃料電池用膜−電極接合体をセルスタックに組込んだ状態でカソード側に窒素、アノード側に所定濃度のメタノールを供給し、ポテンショ/ガルバノスタットを用いてカソード側へ電圧をリニアに掃引した。アノード側よりカソード側へクロスオーバーしてきたメタノールからプロトンを引き抜く反応が起こる際に流れる電流値を計測し、その飽和値をメタノールクロスオーバー指標とした。計測の具体的な条件を以下に示す。
・メタノール濃度:1M、2M、5M(M=mol/l)
・メタノール流量:2ml/min
・窒素流量:250ml/min
・窒素条件:70℃
・セル温度:70℃
・測定電圧範囲:0.3−1.0V(vs.アノード電位)
・掃引条件:1mV/s
燃料電池用膜−電極接合体をセルスタックに組込んだ状態でカソード側に窒素、アノード側に所定濃度のメタノールを供給し、ポテンショ/ガルバノスタットを用いてカソード側へ電圧をリニアに掃引した。アノード側よりカソード側へクロスオーバーしてきたメタノールからプロトンを引き抜く反応が起こる際に流れる電流値を計測し、その飽和値をメタノールクロスオーバー指標とした。計測の具体的な条件を以下に示す。
・メタノール濃度:1M、2M、5M(M=mol/l)
・メタノール流量:2ml/min
・窒素流量:250ml/min
・窒素条件:70℃
・セル温度:70℃
・測定電圧範囲:0.3−1.0V(vs.アノード電位)
・掃引条件:1mV/s
b)燃料電池用膜−電極接合体の断面観察
燃料電池用膜−電極接合体を樹脂で包埋した後、断面研磨を行い、顕微鏡にて断面形状を観察した。
燃料電池用膜−電極接合体を樹脂で包埋した後、断面研磨を行い、顕微鏡にて断面形状を観察した。
評価結果
メタノール濃度が1M、2M、5Mにおけるメタノールクロスオーバー指標を測定した結果を、図3に示す。また、図3のグラフより、電位の増加に伴って増えていく電流密度値が飽和した値を読み取ったメタノールクロスオーバー指標値を表1に示す。さらに、燃料電池用膜−電極接合体断面のイメージ図を図4に示す。また、断面の走査型電子顕微鏡(SEM)観察により得られた、電極と接合した部分の電解質膜の最大厚み、最小厚みおよびそれらの差、並びに平均厚みを表2に示す。なお、平均厚みは、断面SEM像にて100μm毎に電解質膜の厚みを10ヶ所測定して求めた。
メタノール濃度が1M、2M、5Mにおけるメタノールクロスオーバー指標を測定した結果を、図3に示す。また、図3のグラフより、電位の増加に伴って増えていく電流密度値が飽和した値を読み取ったメタノールクロスオーバー指標値を表1に示す。さらに、燃料電池用膜−電極接合体断面のイメージ図を図4に示す。また、断面の走査型電子顕微鏡(SEM)観察により得られた、電極と接合した部分の電解質膜の最大厚み、最小厚みおよびそれらの差、並びに平均厚みを表2に示す。なお、平均厚みは、断面SEM像にて100μm毎に電解質膜の厚みを10ヶ所測定して求めた。
表1より、実施例の燃料電池用膜−電極接合体は、比較例の燃料電池用膜−電極接合体に比べてメタノールクロスオーバー指標値が小さく、メタノール濃度が濃くなるとその差が顕著になっていることがわかる。これは、本発明の製造方法により得られた膜−電極接合体をダイレクトメタノール型燃料電池に用いることにより、メタノールクロスオーバー(特にメタノールが高濃度の際)を軽減できることを意味している。
また、燃料電池用膜−電極接合体断面のイメージおよび表2より、実施例は比較例に比して電解質膜の厚みのばらつきが小さい。メタノールクロスオーバーは固体高分子電解質膜の厚みと相関性があり、従来法により得られた比較例の燃料電池用膜−電極接合体においては、電解質膜の厚みが特に小さいところから選択的にメタノールが透過したと考えられる。しかし、本発明の製造方法により得られた実施例の燃料電池用膜−電極接合体においては、電極と接合した部分の電解質膜の厚みが比較的均一であり、特に厚みが小さくなった部分がないために、メタノールクロスオーバー指標値が小さくなったと考えられる。
1,1’ ガス拡散層A1,A2
2,2’ 触媒層A1,A2
3 固体高分子電解質膜
4,4’ 触媒層B1,B2
5,5’ 電極(アノード電極,カソード電極)
6 ガスシール体
7 セパレータ
8 膜−電極接合体
2,2’ 触媒層A1,A2
3 固体高分子電解質膜
4,4’ 触媒層B1,B2
5,5’ 電極(アノード電極,カソード電極)
6 ガスシール体
7 セパレータ
8 膜−電極接合体
Claims (6)
- アノード電極用ガス拡散層A1およびカソード電極用ガス拡散層A2に、それぞれ触媒層A1およびA2を形成する工程A、固体高分子電解質膜の一方の面に触媒層B1を、他方の面に触媒層B2を形成する工程B、ならびに前記触媒層A1と前記触媒層B1、および前記触媒層A2と前記触媒層B2を熱圧着する工程Cを含む膜−電極接合体の製造方法。
- 前記工程Bの触媒層B1およびB2の形成が、前記固体高分子電解質膜に、触媒層インクをスプレーして塗布することを含む請求項1に記載の製造方法。
- 前記工程Cの熱圧着が、130〜140℃で行われる請求項1または2に記載の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の方法により得られる膜−電極接合体。
- 電極と接合した部分の固体高分子電解質膜の平均厚みが58〜62μmであり、かつ当該部分の最大厚みと最小厚みとの差が、15μm以下である、請求項4に記載の膜−電極接合体。
- 請求項4または5に記載の膜−電極接合体を用いたダイレクトメタノール型燃料電池。
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2007
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