JP2011175891A - マイクロポーラス層とガス拡散層および燃料電池セル - Google Patents

マイクロポーラス層とガス拡散層および燃料電池セル Download PDF

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Abstract

【課題】気孔率や透気度を最適化でき、もって排水性が良好となり、触媒層との界面接合強度も十分に保証され、さらにはひび割れの発生が解消されて、電解質膜収縮抑制効果やフラッティング抑制効果に優れ、耐久性の向上を図ることのできるマイクロポーラス層と、このマイクロポーラス層を具備するガス拡散層、およびこのガス拡散層を具備する燃料電池セルを提供する。
【解決手段】燃料電池セル10の拡散層基材1と触媒層5の間に介層されるマイクロポーラス層2であって、平均粒径が異なる3種類以上のカーボン粒子2a,2b,2cが相互に略均等となる量で配合され、これらとフッ素樹脂2dとから形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池セルのガス拡散層を構成するマイクロポーラス層と、このマイクロポーラス層を具備するガス拡散層、このガス拡散層を具備する燃料電池セルに関するものである。
固体高分子型燃料電池の燃料電池セルは、イオン透過性の電解質膜と、該電解質膜を挟持するアノード側およびカソード側の各電極触媒層と、から膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)を成し、各電極触媒層の外側にガス流れの促進と集電効率を高めるためのガス拡散層(GDL)が設けられて電極体(MEGA:MEAとGDLの接合体)を成し、このガス拡散層の外側にセパレータが配されて燃料電池セルが形成されている。実際には、これらの燃料電池セルが発電性能に応じた基数だけ積層され、燃料電池スタックが形成されることになる。
上記する燃料電池では、アノード電極に燃料ガスとして水素ガス等が提供され、カソード電極には酸化剤ガスとして酸素や空気が提供され、各電極では固有のガス流路層もしくはセパレータのガス流路溝にて面内方向にガスが流れ、次いでガス拡散層にて拡散されたガスが電極触媒に導かれて電気化学反応がおこなわれるものである。この電気化学反応では、アノード電極にて生成された水素イオンと水が水和状態で電解質膜を透過してカソード電極に至り、カソード電極にて生成水が生成されることとなる。したがって、MEA内における水の移動態様や電気化学反応による生成水の生成態様により、発電経過とともにアノード電極は乾燥し易く、場合によってはドライアップに至る一方、カソード電極では水分過多となり易く、場合によってはフラッティングに至り易いという課題がある。なお、ドライアップの場合には、水素ガスが乾燥しているためにイオン交換膜(電解質膜)のプロトン伝導性が低下し、燃料電池セルの発電性能が低下するし、フラッティングの場合には、カソード側のガス拡散層やガス流路層(もしくはセパレータのガス流路溝)に水が滞留して酸化剤ガスの流れを阻害し、MEAに十分な酸化剤ガスが提供されないために燃料電池セルの発電性能が低下する。
ところで、燃料電池セルを構成するガス拡散層には、燃料ガスや酸化剤ガスを触媒層に提供するためのガス透過性や、膜電極接合体にて生成された生成水を撥水する撥水性、膜電極接合体による発電電気をセパレータに集電させるための導電性、さらには、燃料電池スタック形成時の圧縮力を触媒層の面内に可及的均一に提供するための弾性(もしくは変形性能)、などが要求されている。
そして、これらの諸性能を発揮するべく、実際には、拡散層基材とその触媒層側の表面に形成されたマイクロポーラス層とからガス拡散層が形成されることが一般的である。この拡散層基材はたとえばカーボンペーパーやカーボンクロスなどから形成され、この表面にマイクロポーラス層形成用のインクが塗工・乾燥されて双方が密着した姿勢で形成される。なお、このマイクロポーラス層形成用のインクは、カーボン粒子と撥水性のフッ素樹脂を水等の溶媒内で混合して生成される。なお、マイクロポーラス層は、MPL(Micro Porous Layer)と称されることもある。
上記するガス拡散層に要求されるガス透過性、撥水性、導電性、弾性に関し、拡散層基材とマイクロポーラス層の双方にガス透過性、撥水性、導電性が要求され、厚みを有する拡散層基材にはさらに弾性が要求されている。
上記するマイクロポーラス層に関し、これを中間層と称して、ラジカルの生成を抑制する性能をもつ活性炭を配合してこの中間層を形成し、この中間層を具備する膜電極接合体やこれを備えた燃料電池に関する技術が特許文献1に開示されている。
特開2005−339962号公報
上記特許文献1で開示の中間層(マイクロポーラス層)をはじめとする従来のマイクロポーラス層においては、その構成カーボン粒子が微粒径でしかもその平均粒径が均一なものから形成されているために、そのミクロ構造が極めて緻密であり、マイクロポーラス層の気孔率や透気度の最適化が困難となることで排水性の悪化に繋がるという懸念があった。また、平均粒径が均一な微粒子カーボンの緻密構造により、このマイクロポーラス層と触媒層の界面の接合に寄与するとされるフッ素樹脂、より具体的には繊維状のフッ素樹脂量が十分に確保されずに界面接合強度が不足する懸念もあった。さらには、マイクロポーラス層の乾燥時において、その表面張力によってひび割れが生じ、マイクロポーラス層の機能低下、たとえば、フラッティングの助長、電解質膜収縮抑制効果の低減などの懸念もあった。
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、気孔率や透気度を最適化でき、もって排水性が良好となり、触媒層との界面接合強度も十分に保証され、さらにはひび割れの発生が解消されてフラッティング抑制効果や電解質膜の収縮抑制効果に優れ、耐久性の向上を図ることのできるマイクロポーラス層と、このマイクロポーラス層を具備するガス拡散層、およびこのガス拡散層を具備する燃料電池セルを提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明によるマイクロポーラス層は、燃料電池セルの拡散層基材と触媒層の間に介層されるマイクロポーラス層であって、平均粒径が異なる3種類以上のカーボン粒子が相互に略均等となる量で配合され、これらとフッ素樹脂とから形成されてなるものである。
本発明のマイクロポーラス層は、導電性を有し、平均粒径が異なる3種以上のカーボン粒子とフッ素樹脂とから形成されたものであり、このフッ素樹脂は繊維状で各カーボン粒子表面に密着しているものが好ましい。
ここで、「平均粒径が異なる3種類以上のカーボン粒子が相互に略均等となる量で配合され」とは、たとえば平均粒子径の異なる3種類のカーボン粒子が、3:3:4の割合で配合されていること、1:1:1の同一割合で配合されていること、などを意味しており、各カーボン粒子間で双方の配合割合に大きな隔たりがない状態を「略均等となる量」と称している。したがって、4種類のカーボン粒子からなる場合には、1:1:1:1の配合割合、2:2:2:3、2:1:2:3、2:1:1:1などの各配合割合もこの「略均等となる量」に包含される。
このように粒径の異なる3種以上のカーボン粒子を使用し、さらには、各カーボン粒子の配合割合を相互に略均等量となる配合でマイクロポーラス層を形成することにより、燃料電池セルの発電性能、耐久を向上させるような、当該マイクロポーラス層の気孔率と透気度が得られ、かつ、触媒層との接合強度を保証する繊維化された所望のフッ素樹脂量が確保される。
また、マイクロポーラス層の乾燥時において、その表面張力によるひび割れを抑制でき、電解質膜収縮の抑制をも図ることが可能となる。また、単一粒子径からなる緻密なミクロ構造を有しておらず、異種径の粒子間で多様な気孔が形成されていることより、ガス透過性にも優れており、所望量のフッ素樹脂によって撥水性にも優れ、フラッティング抑制効果の高いものとなっている。
ここで、本発明者等による検証によれば、前記3種類以上のカーボン粒子として、平均粒径が、60nm未満の粒子と、60nm以上で120nm未満の粒子と、120nm以上の粒子を適用し、それぞれの配合割合を3:3:4、もしくは3:4:3、もしくは4:3:3の略均等となる量の配合とした際に、触媒層との接合強度が大幅に向上することが実証されている。
また、乾燥時のマイクロポーラス層表面のひび割れの有無やその程度を観察した結果、ひび割れ抑制効果が向上していることが実証されている。
このように、触媒層との接合強度に優れ、高耐久で、ガス透過性および撥水性に優れたマイクロポーラス層からガス拡散層を形成し、このガス拡散層を膜電極接合体のアノード側およびカソード側の双方もしくはいずれか一方に具備する燃料電池セルとすることで、発電性能および耐久性に優れた燃料電池スタックが得られる。
以上の説明から理解できるように、本発明のマイクロポーラス層とガス拡散層および燃料電池セルによれば、平均粒子径の異なる3種類のカーボン粒子を略均等となる量で配合して当該マイクロポーラス層を形成したことにより、気孔率と透気度が最適化され、触媒層との接着強度も高く、表面ひび割れの生じ難いマイクロポーラス層を得ることができる。したがって、このマイクロポーラス層を拡散層基材と触媒層の間に具備する燃料電池セルは、高耐久かつ発電性能に優れたものとなる。
(a)は本発明のマイクロポーラス層を具備するガス拡散層の縦断面図であり、(b)は図1aのb領域を拡大した図であってマイクロポーラス層のミクロ構造を模擬した図である。 図1で示すガス拡散層をアノード側およびカソード側に具備する燃料電池セルの縦断面図である。 本発明のマイクロポーラス層(実施例)と従来のマイクロポーラス層(比較例)それぞれの触媒層との接合強度を検証した実験結果を示すグラフである。 (a)は本発明のマイクロポーラス層表面のSEM写真図であり、(b)は従来のマイクロポーラス層表面のSEM写真図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、図示する燃料電池セルはアノード側およびカソード側の双方に本発明のマイクロポーラス層を有するガス拡散層を備えたものであるが、アノード側とカソード側のいずれか一方にのみこのマイクロポーラス層を具備するガス拡散層が配された燃料電池セルであっても、従来構造の燃料電池セルに比してその性能向上を図ることができる。
図1aは本発明のマイクロポーラス層を具備するガス拡散層の縦断面図であり、図1bは図1aのb領域を拡大した図であってマイクロポーラス層のミクロ構造を模擬した図である。
ガス拡散層3は、比較的剛性があり、かつ厚みと変形性能を有する拡散層基材1の表面にマイクロポーラス層2が密着して構成されている。
ここで、拡散層基材1の形成素材は、電気抵抗が低く、集電を行えるものであれば特に限定されるものではないが、たとえば、導電性無機物質を主とするものを挙げることができ、この導電性無機物質としては、ポリアクリロニトリルからの焼成体、ピッチからの焼成体、黒鉛及び膨張黒鉛等の炭素材やこれらのナノカーボン材料、ステンレススチール、モリブデン、チタン等を挙げることができる。また、拡散層基材1の導電性無機物質の形態は特に限定されるものではなく、たとえば繊維状あるいは粒子状で用いられるが、ガス透過性の点から無機導電性繊維であって、特に炭素繊維が好ましい。無機導電性繊維を用いた拡散層基材としては、織布あるいは不織布いずれの構造のものも使用することができ、カーボンペーパーやカーボンクロスなどを挙げることができる。織布としては、紋織、平織など、特に限定されるものではなく、不織布としては、抄紙法、ウォータージェットパンチ法によるものなどが挙げられる。さらに、この炭素繊維としては、フェノール系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維などを挙げることができる。一方、マイクロポーラス層2は、アノード側、カソード側の触媒層に燃料ガスや酸化剤ガスを提供するとともに、生成水を排水する撥水作用を奏し、かつ導電性を有するものであり、カーボン粒子とフッ素樹脂である繊維状のPTFE樹脂から形成される。なお、フッ素樹脂はPTFE樹脂のほかにも、ETFE樹脂、PVDF樹脂、PVF樹脂、CTFE樹脂、ECTFE樹脂などであってもよい。
ここで、図示するマイクロポーラス層2では、平均粒径が異なる3種類のカーボン粒子2a,2b,2cが略均等量配合され、これらのカーボン粒子2a,2b,2cの周囲に繊維状のPTFE樹脂2dが巻き付いた状態でその全体が形成されている。
同図からも明らかなように、平均粒径が異なる3種類のカーボン粒子2a,2b,2cから構成されるミクロ構造を呈していることで、所望する気孔が形成でき、その気孔率や透気度の調整が容易となり、ガス透過性に優れたマイクロポーラス層となる。なお、カーボン粒子の平均粒径は、光学顕微鏡や電子顕微鏡を用いた顕微鏡法や光散乱回折法などを適用して各カーボン粒子の短軸径を計測し、その平均値を求める等の方法で特定することができる。
さらに、これら3種類のカーボン粒子2a,2b,2cの表面に所望量の繊維状のPTFE樹脂2dが巻き付いていることより、このPTFE樹脂2dが触媒層との間の高い接合強度を保証する。
ここで、このガス拡散層3の製造方法を概説する。まず、水等の溶媒内に、導電性を有し、平均粒径が異なる3種類のカーボン粒子を同程度の割合で投入し、PTFE樹脂を添加し、必要に応じて界面活性剤を添加し、コロイドミルや超音波ホモジナイザー等で攪拌してマイクロポーラス層用インクを調合する。
調合された上記インクを拡散層基材表面に塗工し、ホットプレート等を使用して乾燥させ、焼成することでガス拡散層が形成できる。なお、この塗工方法としては、スプレー法、コーター法、ドクターブレード法などを適用すればよい。
図2は、製造されたガス拡散層3を膜電極接合体のアノード側およびカソード側に具備する燃料電池セルを示したものである。
図示する燃料電池セル10は、電解質膜4と、カソード側およびアノード側の触媒層5,5と、から形成された膜電極接合体6を、カソード側およびアノード側のガス拡散層3,3が挟持し、これを、ガス拡散層側に直線状もしくは蛇行状のガス流路溝7aが形成され、他方側に冷却水用の流路溝7bが形成されたカソード側およびアノード側のセパレータ7,7が挟持して構成されている。なお、いわゆるフラットタイプモジュールのセパレータであって、3層構造でその内部に冷却水の蛇行流路を形成するための多数のディンプルを備えたセパレータを用いてもよく、このセパレータを用いる場合には、当該セパレータとガス拡散層の間にエキスパンドメタルなどからなるガス流路層が介層される。
ここで、膜電極接合体6を構成する電解質膜4は、たとえば、スルホン酸基やカルボニル基を持つフッ素系イオン交換膜、置換フェニレンオキサイドやスルホン化ポリアリールエーテルケトン、スルホン化ポリアリールエーテルスルホン、スルホン化フェニレンスルファイドなどの非フッ素系のポリマーなどから形成される。また、触媒層5は、触媒が担持された導電性担体(粒子状のカーボン担体)と、高分子電解質(アイオノマ)と、分散溶媒(有機溶媒)と、を混合して触媒インクを生成し、これを電解質膜4やガス拡散層3等の基材にたとえば塗工ブレードにて層状に引き伸ばして塗膜を形成し、温風乾燥炉等で乾燥することで形成される。
この触媒インクを形成する高分子電解質は、プロトン伝導性ポリマーである、有機系の含フッ素高分子を骨格とするイオン交換樹脂、例えばパーフルオロカーボンスルフォン酸樹脂、スルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホン化ポリスルホン、スルホン化ポリスルフィド、スルホン化ポリフェニレン等のスルホン化プラスチック系電解質、スルホアルキル化ポリエーテルエーテルケトン、スルホアルキル化ポリエーテルスルホン、スルホアルキル化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホアルキル化ポリスルホン、スルホアルキル化ポリスルフィド、スルホアルキル化ポリフェニレンなどのスルホアルキル化プラスチック系電解質などを挙げることができる。なお、市販素材としては、ナフィオン(Nafion)(登録商標、デュポン社製)やフレミオン(Flemion)(登録商標、旭硝子株式会社製)などを挙げることができる。また、分散溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、プロピレンカーボネート、酢酸エチルや酢酸ブチルなどのエステル類、芳香族系あるいはハロゲン系の種々の溶媒を挙げることができ、さらには、これらを単独で、もしくは混合液として使用することができる。
また、導電性担体としては、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーなどのカーボン担体が用いられる。さらに、カーボン担体に担持される金属触媒としては、たとえば、白金や白金合金、パラジウム、ロジウム、金、銀、オスミウム、イリジウムなどのうちのいずれか一種を使用することができ、好ましくは白金または白金合金を使用するのがよい。さらに、この白金合金としては、たとえば、白金と、アルミニウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ガリウム、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、バナジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、チタンおよび鉛のうちの少なくとも一種との合金を挙げることができる。
[本発明のマイクロポーラス層(実施例)と従来のマイクロポーラス層(比較例)それぞれの触媒層との接合強度を検証した実験とその結果]
本発明者等は、以下の表1で示す15種のマイクロポーラス層を製作し、触媒層との間での剥離試験を実施して双方の接合強度に同定した。
以下、表1では、そのサンプル(1)〜(12)までが比較例であり、これは、一種類の平均粒径のカーボン粒子からなるもの、2種類の平均粒径のカーボン粒子からなるものである。一方、サンプル(13)〜(15)までが実施例であり、各カーボン粒子の混合割合は、ほぼ均等に調合されている。
また、各マイクロポーラス層と触媒層との接合条件は、150℃、1.5MPa、4分間の高温加圧条件にて接合し、各サンプルの15mm幅で引張速度を1mm/secで剥離させ、剥離時の剥離強度を測定した。その結果を図3に示している。
Figure 2011175891
図3より、従来のマイクロポーラス層に比べて、各実施例のマイクロポーラス層はおよそ4割程度も接合強度が増加することが実証されている。
また、上記する比較例および実施例の各サンプル表面をSEM観察した写真図を図4に示しており、図4aは実施例の一つを、図4bは比較例の一つをそれぞれ観察したものである。
図4bでは、多数の表面ひび割れが観察されるのに対して、図4aでは、大きなひび割れは観察されず、実施例におけるひび割れ抑制効果が十分に期待できることが実証されている。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…拡散層基材、2…マイクロポーラス層、2a,2b,2c…カーボン粒子、2d…繊維状PTFE樹脂、3…ガス拡散層、6…膜電極接合体、10…燃料電池セル

Claims (4)

  1. 燃料電池セルの拡散層基材と触媒層の間に介層されるマイクロポーラス層であって、
    平均粒径が異なる3種類以上のカーボン粒子が相互に略均等となる量で配合され、これらとフッ素樹脂とから形成されてなるマイクロポーラス層。
  2. 前記3種類以上のカーボン粒子は、平均粒径が、60nm未満の粒子と、60nm以上で120nm未満の粒子と、120nm以上の粒子からなる請求項1に記載のマイクロポーラス層。
  3. 請求項1または2に記載のマイクロポーラス層と拡散層基材とからなるガス拡散層。
  4. 膜電極接合体と、請求項3に記載のガス拡散層と、セパレータとが積層されてなる燃料電池セル。
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