JP2008300133A - 燃料電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、触媒電極層と撥水層との密着性が高く、ガス拡散性が良好な燃料電池を製造可能な燃料電池の製造方法を提供することを主目的とするものである。
【解決手段】上記目的を達成するために、本発明は、固体電解質膜と、前記固体電解質膜の両側の表面に形成された触媒電極層と、前記触媒電極層の外側の表面に形成されたガス拡散層と、前記ガス拡散層の外側の表面に形成されたセパレータとを備え、少なくとも一方の前記触媒電極層および前記ガス拡散層の間に撥水層が設けられた燃料電池を製造する燃料電池の製造方法であって、前記撥水層の触媒電極層と接する側の表面に親水化処理を施して親水性部を形成する親水化処理工程を行った後、前記親水性部と前記触媒電極層とを接合させる接合工程を行うことを特徴とする燃料電池の製造方法を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、撥水層と触媒電極層との接着性を向上させることが可能な燃料電池の製造方法に関するものである。
固体高分子電解質型燃料電池(以下、単に燃料電池と称する場合がある。)の最小発電単位である単位セルは、一般に固体電解質膜の両側に触媒電極層が接合されている膜電極複合体を有し、この膜電極複合体の両側には拡散層が配されている。さらに、その外側にはガス流路を備えたセパレータが配されており、拡散層を介して膜電極複合体の触媒電極層へと供給される燃料ガスおよび酸化剤ガスを通流させるとともに、発電により得られた電流を外部に伝える働きをしている。
このような燃料電池においては、運転時に水素(H)と酸素(O)とが反応し、燃料電池内に生成水(HO)が生じる。この生成水が触媒電極層中に残留した場合、生成水が触媒電極層の空隙を塞ぎ、ガスの拡散が阻害されるため、燃料電池の発電効率が低下する。そのため、生成水を燃料電池の外部に効率良く排出する必要があり、一般的には、触媒電極層とガス拡散層との間に撥水層が設けられる。
このような撥水層には、通常フッ素系樹脂等の撥水性材料が用いられる。ところが、触媒電極層は、通常親水性の電解質材料を含有しているため、撥水性を有する撥水層と触媒電極層とでは、接着性が不十分となる。そのため、発電中に触媒電極層と撥水層との界面で剥離が起こりやすく、その結果、電気抵抗の増加や、剥離した空間に水が滞留してガス拡散性の低下等が起こり、セル性能が低下するといった問題があった。
触媒電極層と撥水層との接着性を良好とする方法としては、例えば特許文献1に示すように、触媒電極層とガス拡散層との間に、撥水性および接着性がそれぞれ異なる2層の撥水性を有する導電層を設ける方法が開示されている。この方法によれば、触媒電極層と接触する導電層を、もう一方の導電層に比べて、接着性が強く、撥水性の弱いものとすることにより、触媒電極層と導電層との接着性を向上させ、かつ拡散層に接触している導電層によって撥水性が確保されるとしている。
しかしながら、特許文献1による方法の場合、撥水機能を特に必要とする触媒電極層界面に接触させる導電層として、比較的撥水性の弱いものが使用されているため、生成水の排水が効率的に行われず、撥水層と触媒電極層との界面近辺で水分の滞留が起こってしまい、その結果、ガスおよび生成水の拡散性が低下するといった問題を有するものであった。
特開2005−71755号公報 特開2005−222813号公報 特開平11−135132号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、触媒電極層と撥水層との密着性が高く、ガス拡散性が良好な燃料電池を製造可能な燃料電池の製造方法を提供することを主目的とするものである。
本発明は、上記目的を達成するために、固体電解質膜と、上記固体電解質膜の両側の表面に形成された触媒電極層と、上記触媒電極層の外側の表面に形成されたガス拡散層と、上記ガス拡散層の外側の表面に形成されたセパレータとを備え、少なくとも一方の上記触媒電極層および上記ガス拡散層の間に撥水層が設けられた燃料電池を製造する燃料電池の製造方法であって、上記撥水層の触媒電極層と接する側の表面に親水化処理を施して親水性部を形成する親水化処理工程を行った後、上記親水性部と上記触媒電極層とを接合させる接合工程を行うことを特徴とする燃料電池の製造方法を提供する。
本発明においては、撥水層の触媒電極層と接する側の面に表面処理を施して撥水層表面に親水性部を形成することにより、親水性の触媒電極層に対する密着性および撥水層としての機能である撥水性の双方の特性を有する撥水層を形成することが可能となる。したがって、触媒電極層と撥水層との界面が剥離することにより起こる抵抗の増大や、剥離部分に生じる空間に水が滞留することによるガス拡散性の低下等を防止することが可能となり、かつ、触媒電極層で発生した生成水の排出が効率よく行われ、ガスの拡散性の低下を防止することが可能となり、発電性能の良好な燃料電池を得ることが可能となる。
上記発明においては、上記親水化処理が、コロナ放電により行われることが好ましい。コロナ放電による親水化処理は、簡便に行うことが可能であるからである。
また本発明は、固体電解質膜と、上記固体電解質膜の両側の表面に形成された触媒電極層と、上記触媒電極層の外側の表面に形成されたガス拡散層と、上記ガス拡散層の外側の表面に形成されたセパレータとを備え、少なくとも一方の上記触媒電極層および上記ガス拡散層の間にはカーボンおよびフッ素系樹脂を含有する撥水層が設けられた燃料電池であって、上記撥水層は、上記触媒電極層と接する側の表面に、表面が親水化された上記カーボンと上記フッ素系樹脂とを含有する親水性部を有することを特徴とする燃料電池を提供する。
本発明においては、撥水層の触媒電極層と接する側の面に、表面が親水化されたカーボンおよびフッ素系樹脂を含有する親水性部を有していることにより、親水性の触媒電極層に対する密着性および撥水性を同時に満たす撥水層とすることが可能となる。したがって、触媒電極層と撥水層との界面が剥離することにより起こる抵抗の増大や、剥離部分に生じる空間に水が滞留することによるガス拡散性の低下等を防止することが可能となり、かつ、触媒電極層で発生した生成水の排出が滞りなく行われ、ガスの拡散性の低下を防止することが可能となり、発電性能の良好な燃料電池とすることが可能となる。
本発明によれば、触媒電極層と撥水層との密着性が高く、ガス拡散性が良好な燃料電池を製造することが可能となるといった効果を奏する。
以下、本発明の燃料電池の製造方法および燃料電池について説明する。
A.燃料電池の製造方法
まず、本発明の燃料電池の製造方法について、図面を用いて説明する。図1は、本発明の燃料電池の製造方法の一例を示す工程図である。本発明の燃料電池の製造方法は、例えば図1に示すように、ガス拡散層10上に形成された撥水層1の触媒電極層と接する側の表面に、親水化処理Aを施して、親水性部aを形成する親水化処理工程(図1(a))を行った後、撥水層1の親水性部aと、例えば固体電解質膜11上に形成された触媒電極層2とを接合させる接合工程(図1(b))を行うものである。
本発明によれば、触媒電極層に対する密着性および撥水層としての機能である撥水性の双方の特性を有する撥水層を形成することが可能となる。
すなわち、本発明においては、撥水層の触媒電極層と接する側の面に親水化処理を施して親水性部を形成する親水化処理工程を行った後に、撥水層の親水化処理された面(図1中では、親水性部a)と触媒電極層とを接合させる接合工程を行うことにより、撥水層と触媒電極層との接触面の密着性を向上させることができる。これは、触媒電極層には、通常親水性の電解質材料が含有されていることから、触媒電極層は親水性の性質を有するため、撥水層の触媒電極層との接触面を親水化処理することにより、触媒電極層と撥水層の親水化処理された面とが互いに親水的となり、接触面の密着性が高まるからである。したがって、触媒電極層と撥水層とが剥離した場合に起こる抵抗の増大や、剥離した部分に生じる空間に水が滞留してガスの拡散性が低下すること等を防止することが可能となり、発電性能に優れた燃料電池を得ることが可能となる。
また、本発明においては、撥水層の表面のみを親水化処理することから、撥水層の極表面のみに親水性部を形成することができるため、形成された親水性部は極めて薄いものとすることができる。これにより、撥水機能が損なわれることがなく、生成水を燃料電池の外部に効率良く排出することが可能となり、また外部からの水の浸入等も防ぐことが可能となるため、触媒電極層内の空隙が水によって塞がれることがないものとすることができる。したがって、触媒電極層内のガス拡散性を低下させることがなく、発電性能の良好な燃料電池を製造することが可能となる。
以下、本発明の燃料電池の製造方法について、各工程に分けて説明する。
1.親水化処理工程
まず、本発明における親水化処理工程について説明する。本発明における親水化処理工程は、上記撥水層と触媒電極層とを接合させる前に、上記撥水層の触媒電極層と接する側の表面に親水化処理を施して親水性部を形成する工程である。
本工程に用いられる撥水層としては、通常、導電性材料と撥水性を有する撥水性材料とで構成されたものが使用される。本工程においては、このような撥水層表面に後述する親水化処理を施すことにより、撥水層表面に存在する導電性材料が親水化され、後述する親水性部が形成される。
上記導電性材料は、撥水層に導電性を付与するものである。上記導電性材料としては、導電性を有し、後述する親水化処理によって親水化されるものであれば特に限定されるものではないが、例えばカーボン粒子やカーボン繊維等のカーボンを挙げることができる。
上記カーボン粒子として、具体的には、オイルファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック等を挙げることができる。中でも、本工程においては、オイルファーネスブラック、アセチレンブラックが好ましい。導電性を付与する効果に優れているからである。また、カーボン粒子の一次粒径としては、特に限定されるものではないが、1μm以下であることが好ましい。
上記カーボン繊維としては、VGCF(気相成長法炭素繊維)、カーボンナノチューブ等を挙げることができる。
上記撥水性材料としては、撥水性を有し、燃料電池の運転により生じる生成水を燃料電池外部に排出することができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、フッ素系樹脂等を挙げることができる。このようなフッ素系樹脂としては、具体的には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニリデンフルオリド(PVDF)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、パーフルオロエチレン−プロペン共重合体(FEP)、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、フルオロオレフィン−炭化水素系共重合体、フルオロアクリレート共重合体、フルオロエポキシ化合物等を挙げることができる。中でも本発明においては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオリドが好ましく、特にポリテトラフルオロエチレンが好ましい。撥水性に優れた撥水層を得ることができるからである。
このような撥水層の膜厚としては、撥水層としての機能を発揮できる厚みであれば特に限定されるものではない。
本工程においては、上記撥水層の触媒電極層と接する側の表面に親水化処理を施すものである。このような親水化処理は、撥水層の表面のみを親水化処理することが可能な方法であれば特に限定されるものではなく、例えばコロナ放電等を挙げることができる。コロナ放電を用いることにより、簡便に撥水層の表面のみを親水化処理することが可能となるからである。
また、本工程においては、撥水層の触媒電極層の接する側の表面を、水との接触角が、80°以下であることが好ましく、中でも20°〜70°の範囲内、特に20°〜50°の範囲内となる程度に親水化処理することが好ましい。接触角が上記範囲内にあることにより、触媒電極層と撥水層との接着性が十分なものとなるからである。なお、ここでいう水との接触角は、例えば、協和界面科学社製DM100等の公知の接触角度計により測定したものである。
本工程においては、撥水層の表面に親水化処理が施されて親水性部が形成されるものであるが、この親水性部の厚みとしては、触媒電極層に対する接着性が確保できる厚みであれば特に限定されるものではない。親水性部の厚みが薄いと、親水性を十分に発現させることができず、触媒電極層との密着性が不十分となる場合がある。また、親水性部の厚みが厚いと、親水性が高くなり、生成水の排水効率が低下する傾向にあるからである。
2.接合工程
次に、本発明における接合工程について説明する。本発明における接合工程は、上述した親水化処理工程を行った後、上記撥水層の親水性部と上記触媒電極層とを接合させる工程である。
本発明における接合工程には、撥水層の親水性部と触媒電極層とを熱圧着等により接合させる第1実施態様と、撥水層の親水性部上に触媒電極層を形成する第2実施態様とがある。
以下、本工程におけるそれぞれの実施態様について説明する。
a.第1実施態様
本工程における第1実施態様は、予め形成された触媒電極層と、ガス拡散層上に形成された撥水層の親水性部とを熱圧着等により接合させる工程である。
本実施態様に用いられる触媒電極層としては、通常、電解質材料および触媒を担持した導電性材料とで構成されたものが使用される。このような触媒電極層に用いられる構成材料としては、燃料電池の触媒電極層に一般的に用いられるものと同様とすることができる。具体的には、電解質材料として、パーフルオロスルホン酸系ポリマーのようなフッ素系の樹脂や、プロトン伝導基を有するポリイミドなどの炭化水素系の樹脂等が好ましく、特にパーフルオロスルホン酸系ポリマーが好ましく、中でもNafion(商品名、デュポン株式会社製)が好ましい。また、触媒を担持した導電性材料としては具体的に、触媒として白金や白金合金が用いられ、導電性材料としてカーボンブラック等のカーボン粉末が用いられたものを使用することができる。
また、本実施態様に用いられる触媒電極層は、単独に形成された膜であってもよく、また固体電解質膜上に形成されたものであってもよい。触媒電極層を単独で形成する場合、その形成方法としては、例えば撥水性を有する基材上に触媒電極層の構成材料と溶媒とからなる触媒電極層形成用塗工液を塗布し、乾燥固化させる方法を挙げることができる。また、触媒電極層が固体電解質膜上に形成されたものとする場合、例えば固体電解質膜上に上記触媒電極層形成用塗工液を直接塗布し、乾燥固化させる方法や、撥水性を有する基材上に上記触媒電極層形成用塗工液を塗布し、乾燥固化させた塗膜を固体電解質膜に転写させる方法等を挙げることができる。なお、塗布方法および乾燥方法としては、特に限定されるものではなく、一般的な塗布方法および乾燥方法が用いられる。
また、上記固体電解質膜としては、燃料電池の固体電解質膜として一般的に用いられるものと同様とすることができ、具体的には、パーフルオロスルホン酸系ポリマーのようなフッ素系の樹脂やプロトン伝導基を有するポリイミドなどの炭化水素系の樹脂が好ましく、特にパーフルオロスルホン酸系ポリマーが好ましく、中でもNafion(商品名、デュポン株式会社製)が好ましい。
また、本実施態様に用いられるガス拡散層としては、通常の燃料電池に用いられているものを用いることができる。具体的には、カーボン繊維から成るカーボンクロスやカーボンペーパーなどの多孔体が好適に用いられる。
また、上記撥水層をガス拡散層上に形成する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば撥水層構成材料を溶媒に分散させた撥水層形成用塗工液を、ガス拡散層上に塗布し、乾燥させる方法等を挙げることができる。なお、撥水層の構成材料としては、上述した「1.親水化処理工程」で説明したものを使用することができる。また、撥水層形成用塗工液に使用する溶媒としても撥水層を形成する際に一般に用いられるものを使用することができる。
また、上記撥水層の親水性部と上記触媒電極層とを接合させる接合方法としては、特に限定されるものではなく、例えば燃料電池における部材を接合させる際に、一般に用いられる熱圧着法等を用いることができる。
b.第2実施態様
本工程における第2実施態様は、ガス拡散層上に形成された撥水層の親水性部上に、直接触媒電極層を形成する工程である。なお、本工程後、通常触媒電極層と固体電解質膜とを当接させて、熱圧着等による接合が行われる。
本実施態様において、撥水層の親水性部上に直接触媒電極層を形成する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば上述した第1実施態様における固体電解質膜上に触媒電極層を形成する方法と同様とすることができる。
また、本実施態様における触媒電極層、撥水層、ガス拡散層、固体電解質膜、撥水層の形成方法等については、上述した第1実施態様と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
3.その他の工程
本発明の燃料電池の製造方法は、上述した工程以外にも、通常、燃料電池の製造方法において必要とされる他の工程を有していてもよい。このような他の工程としては、例えばガス拡散層の外側の表面にセパレータを形成するセパレータ形成工程等が挙げられる。
上記セパレータ工程に用いられるセパレータとしては、通常の燃料電池に用いられているものを用いることができる。具体的には、カーボンタイプのもの、金属タイプのもの等を用いることができる。
また、上記セパレータ工程におけるセパレータを形成する方法としては、特に限定されるものではなく、一般的な燃料電池の製造方法に用いられる方法と同様とすることができる。
B.燃料電池
次に、本発明の燃料電池について説明する。本発明の燃料電池は、固体電解質膜と、上記固体電解質膜の両側の表面に形成された触媒電極層と、上記触媒電極層の外側の表面に形成されたガス拡散層と、上記ガス拡散層の外側の表面に形成されたセパレータとを備え、少なくとも一方の上記触媒電極層および上記ガス拡散層の間にはカーボンおよびフッ素系樹脂を含有する撥水層が設けられた燃料電池であって、上記撥水層は、上記触媒電極層と接する側の表面に、表面が親水化された上記カーボンと上記フッ素系樹脂とを含有する親水性部を有することを特徴とするものである。
本発明の燃料電池について、図面を用いて具体的に説明する。図2は、本発明の燃料電池の最小単位である単位セルの構造の一例を示す概略断面図である。上記単位セルは、図2に示すように、固体電解質膜11の両側に触媒電極層2が形成されている膜電極複合体12を有し、この膜電極複合体12の両側には撥水層1が形成され、その撥水層1の両側には、ガス拡散層10が配され、さらに、その外側にはセパレータ13が配され、撥水層1の触媒電極層2と接触する表面には表面が親水化されたカーボンおよびフッ素系樹脂を含有する親水性部aを有するものである。
本発明においては、撥水層の触媒電極層と接する側の面に、表面が親水化されたカーボンおよびフッ素系樹脂を含有する親水性部を有していることにより、親水性の触媒電極層に対する密着性および撥水性を同時に満たす撥水層とすることが可能となる。
すなわち、本発明によれば、撥水層の触媒電極層と接する側の面に、表面が親水化されたカーボンを含有する親水性部を有することにより、撥水層と親水性の材料を含有する触媒電極層との密着性を向上させることができる。したがって、触媒電極層と撥水層とが剥離することにより起こる抵抗の増大や、剥離部分に生じる空間に水が滞留することによるガス拡散性の低下等を防止することが可能となり、発電性能に優れた燃料電池とすることが可能となる。
また、本発明においては、撥水層の表面に形成された親水性部がフッ素系樹脂を含有していることから、撥水機能を有するものとすることができるため、生成水を燃料電池の外部に効率よく排出することが可能となり、また外部からの水の浸入を防ぐことが可能となる。したがって、ガスや生成水の拡散性が低下することがなく、発電性能の良好な燃料電池とすることが可能となる。
上記親水性部に含有される表面が親水化されたカーボンとしては、例えば表面に親水基が形成されたカーボンとすることができる。このような表面に親水基が形成されたカーボンの形成方法としては、特に限定されるものではないが、例えば上述した「A.燃料電池の製造方法」の親水化処理工程の項に記載した親水化処理方法を用いることができる。また、上記親水基としては、上述した「A.燃料電池の製造方法」の親水化処理工程の項に記載した親水基と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
なお、上記フッ素系樹脂、カーボンおよび上記親水性部の厚み、親水性部の形成方法等については、上述した「A.燃料電池の製造方法」の親水化処理工程の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
また、本発明における固体電解質膜、触媒電極層、ガス拡散層およびセパレータ等については、上述した「A.燃料電池の製造方法」で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例]
(触媒電極層の形成)
Nafion(商品名、デュポン社製)、白金担持カーボンおよび水とエタノールとの混合溶媒からなる触媒電極層形成用塗工液をポリテトラフルオロエチレンシート上に塗布し、乾燥させたものをNafion(商品名、デュポン社製)からなる固体電解質膜上に転写し、固体電解質膜上に触媒電極層を形成した。
(撥水層の形成)
カーボン粒子としてのアセチレンブラック(電機化学工業(株)製)と、ポリテトラフルオロエチレンの水性ディスパージョン(ダイキン工業(株)製)とを混合し、乾燥重量としてPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を20重量%含む撥水層形成用塗工液を調整し、カーボンペーパーからなるガス拡散層上に塗布し、乾燥させて、撥水層を形成した。
(親水化処理工程)
上記撥水層の表面を窒素雰囲気下のコロナ放電により親水化処理を行った。
(接合工程)
続いて、上記撥水層付きガス拡散層の撥水層の親水化処理された面と、固体電解質膜上に形成された触媒電極層とを接触させた後、これらを120℃、3MPaで熱圧着させ、ガス拡散層−撥水層−触媒電極層−固体電解質膜−触媒電極層−撥水層−ガス拡散層が積層された接合体を得た。
(セパレータ形成工程)
上記接合体の両ガス拡散層の外側に、ガス流路が表面に形成されたセパレータを密着して積層することにより、燃料電池の単セルを得た。
[比較例1]
撥水層の表面を親水化処理(コロナ放電)しなかったこと以外は、実施例1と同様にして燃料電池の単セルを得た。
[比較例2]
撥水層の表面を親水化処理(コロナ放電)しなかったこと、撥水層と触媒電極層との間に保水層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして燃料電池の単セルを得た。保水層は、以下の方法により形成した。保水成分としてのケイ酸、ジルコニア、シリカゲル、ゼオライトなどの無機物粘土鉱物、吸水性高分子などが使用できるが、ここではケイ酸粒子を使用した。また、イオン伝導性成分としてナフィオンを使用した。これらを、水を溶媒として溶液とし、撥水層表面に塗布後、乾燥させて、保水層を得た。
[I−V特性評価]
実施例、比較例1および比較例2で作製した燃料電池の単セルを用いて、フル加湿条件下でI−V測定を行った。その結果を図3に示す。
図3の結果から、実施例では、高負荷事時でもガス透過性を損なうことなく、また、フラッディングも防止できるので、比較例に比べて特性が向上することが分かった。
[サイクル試験]
実施例、比較例1および比較例2で作製した燃料電池の単セルを用いて、サイクル試験を行った。その結果を表1に示す。なお、サイクル試験は、セル温:80℃、露点:アノード80℃/カソード80℃、10minの条件、および、セル温:80℃、露点:アノードdry/カソードdry、10minの条件を交互に繰り返し、100サイクル行った。
サイクル試験前後の燃料電池の単セルのI−V性能を比較した。その結果を表1に示す。なお、I−V性能の比較は、露点:アノード60℃/カソード60℃の条件下で、1.2A/cmとした際におけるサイクル試験前と後との電圧および抵抗値を測定し、その変化量を算出して行った。
Figure 2008300133
表1の結果から、比較例1は、親水性の触媒層と撥水性の撥水層との密着が悪く、発電を継続するうちに剥離が生じ、電気抵抗が増加してセル性能が低下した。比較例2は、保水層が一層追加されているため、ガス透過のバリヤーとなり、セル性能が低下した。これに対し、実施例では、触媒層と撥水層との密着力が高く、また、ガス透過性も高いので、セル性能は高いものとなった。
本発明の燃料電池の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明の燃料電池の一例を示す概略断面図である。 本発明における実施例の結果を示すI−V測定のグラフである。
符号の説明
1…撥水層
2…触媒電極層
10…ガス拡散層
11…固体電解質膜
13…セパレータ
A…親水化処理
a…親水性部

Claims (3)

  1. 固体電解質膜と、前記固体電解質膜の両側の表面に形成された触媒電極層と、前記触媒電極層の外側の表面に形成されたガス拡散層と、前記ガス拡散層の外側の表面に形成されたセパレータとを備え、少なくとも一方の前記触媒電極層および前記ガス拡散層の間に撥水層が設けられた燃料電池を製造する燃料電池の製造方法であって、
    前記撥水層の触媒電極層と接する側の表面に親水化処理を施して親水性部を形成する親水化処理工程を行った後、前記親水性部と前記触媒電極層とを接合させる接合工程を行うことを特徴とする燃料電池の製造方法。
  2. 前記親水化処理が、コロナ放電により行われることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の製造方法。
  3. 固体電解質膜と、前記固体電解質膜の両側の表面に形成された触媒電極層と、前記触媒電極層の外側の表面に形成されたガス拡散層と、前記ガス拡散層の外側の表面に形成されたセパレータとを備え、少なくとも一方の前記触媒電極層および前記ガス拡散層の間にはカーボンおよびフッ素系樹脂を含有する撥水層が設けられた燃料電池であって、
    前記撥水層は、前記触媒電極層と接する側の表面に、表面が親水化された前記カーボンと前記フッ素系樹脂とを含有する親水性部を有することを特徴とする燃料電池。
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