JP2014020409A - 固定具およびカーテンエアバッグ固定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】固定具1は、ロックピン挿入穴20および係止孔26、28を有するクリップ本体10と、ロックピン挿入穴20に挿入されるロックピン50と、を備える。ロックピン50は、ピン可撓部58とピン係止爪56と延設部64とを有する。延設部64は、ピン可撓部58のピン係止爪形成部分からロックピン軸方向にピン頭部52側に延びる。CSA固定装置2は固定具1を用いて被取付部材であるCSA80を車両のボデー90に固定する。ロックピン抜去時には、ラジオペンチ等の工具3により一対の延設部64を挟んでピン係止爪56を係止孔28または26から外し、そのまま引くことにより、ロックピン50をクリップ本体10から容易に抜去できる。
【選択図】 図9
Description
(イ)ロックピン挿入穴まわりのクリップ本体側壁部の切欠きが大きいので、ロックピン頭部を誤って指などで押してしまい、ロックピンの誤挿入が発生するおそれがある。仮固定位置にあるべき時にロックピンを本固定位置まで誤挿入すると、クリップ本体を車両ボデーの固定具取付孔に挿入できなくなる。
ロックピンは、ピン頭部と、ピン脚部と、ピン可撓部と、ピン係止爪と、延設部とを有する。
ピン脚部はピン頭部からロックピン挿入穴への挿入方向に延びる。
ピン可撓部は、ロックピン軸方向にピン頭部から隔たった位置にある結合部でピン脚部と結合し結合部からピン頭部側に延びており、結合部にある変形支点まわりにロックピン軸方向と直交する方向に弾性変形可能である。
ピン係止爪は爪先端部と連結部とを有しており、爪先端部は係止孔に突入可能であり突入した時に係止孔に係止し、連結部は爪先端部とピン可撓部の外面とを連結している。
延設部は、ピン可撓部のピン頭部側端部からピン頭部側にロックピン軸方向に延び、ロックピン中心軸線の両側に一対設けられている。一対の延設部はロックピン抜去時にロックピン抜去用の工具により一対の延設部の外面から挟まれることが可能である。
延設部の外面とピン係止爪の第1の面とはピン頭部側に向かって拡開する凹部を形成している。
爪先端部は、連結部からロックピン中心軸線と直交する方向でロックピン中心軸線から離れる方向に爪先端部の先端まで延びる第2の面と、爪先端部の先端からピン頭部に近づく方向にかつロックピン中心軸線に近づく方向に爪先端部のピン頭部側端部まで斜めに延びる第3の面を有している。
第1の状態では、クリップ本体が車両のボデーに形成された固定具取付孔に押し込まれ、ロックピンがクリップ本体のロックピン挿入穴に挿入されている。
第2の状態では、ロックピン抜去用の工具がロックピン挿入穴に挿入され、延設部が工具により挟まれてロックピン中心軸線側に変位され、爪先端部がクリップ本体の係止孔から外れており、工具で前記延設部を挟んだまま工具を引くことによりロックピンがロックピン挿入穴から抜去可能となっている。
図1−図11の一部の図において、Lは平面視で長方形状の固定具の長手方向を示し、Pは長手方向と直交する方向を示す。また、図10において、FRは車両前方を示し、UPは車両上方を示し、図11において、INは車両左右方向の内側方向を示す。
図11に示すように、CSA固定装置2は、固定具1を用いて被取付部材、たとえばCSA80を車両のボデー90に固定する装置である。
CSA固定装置2は、被取付部材、たとえばCSA80と、CSA80をタブ80b部位にて車両のボデー90に取り付ける固定具1と、を備える。被取付部材はCSA80以外のもの、たとえばCSAケーシング(図示略)であってもよい。
図11は、CSA80が取り付けられるボデーがAピラーである場合を例にとって示している。ボデー90は、インナーパネル90a、アウターパネル90b、リインホースメント90cを含む。
また、図11は、車両のフロントシールドガラス92、ウエザーストリップ94、96、Aピラーガーニッシュ98も示している。
ロックピン50がロックピン挿入穴20から抜去され、本体係止爪44のロックが外れた状態で、工具3とは別の治具を用いてクリップ本体10の本体係止爪44をクリップ本体中心軸線10a側に後退させ、クリップ本体10をボデー90の固定具取付孔90dから抜去し、固定具1をボデー90から取り外す。
図1−図3および図7−図9に示すように、固定具1は、本体頭部12と本体脚部40とを有するクリップ本体10と、クリップ本体10とは別体でクリップ本体10のロックピン挿入穴20に取り外し可能に挿入されるロックピン50と、クリップ本体10とは別体で本体脚部40に嵌合されるスペーサ70と、からなる。クリップ本体10とロックピン50とスペーサ70は、可撓性を有する樹脂材からなる。樹脂材は、たとえばポリアセタールまたはポリヘキサメチレンアジポアミドである。ただし、可撓性を有し必要な強度をもつ樹脂材であれば、それ以外の樹脂材であってもよい。
クリップ本体10はクリップ本体中心軸線10aを有する。本体頭部12と本体脚部40は、クリップ本体中心軸線10aと直交する面内における外形形状が長方形状である。この場合、長方形状には長方形の角を丸めた形状を含む。
図11に示すように、固定具1によりCSA80をボデー90の固定具取付孔90dに取り付けた状態では、本体頭部12の平面視で長方形外形形状の長辺が延びる方向とCSA本体80aの延びる方向とは互いに平行である。
CSA長手方向と直交する方向Pにおいて、狭幅部16の幅は座部14の幅より狭い。これによって、図11に示すようにCSA80の断面の外形をクリップ本体10の中心軸線10aに近づけることができ、Aピラーガーニッシュ98の幅を狭くすることができる。連結部18の、CSA長手方向と直交する方向Pの幅は、狭幅部16から座部14に近づくにつれて増大する。
ロックピン挿入穴20内にはバックアップリブ48が設けられている。バックアップリブ48は、座部14の上面とほぼ同じ高さ位置から本体脚部40の下端部近傍にある底壁まで下方に延びる。バックアップリブ48と中空の本体脚部40の内面との間には、ロックピン50のピン脚部54が挿入される空間部が設けられている。
一対の側壁22Lの長手方向中央部22Lcの内面間の間隔および一対の側壁22Pの内面間の間隔は、指が入らないかまたは入り難いように設定されており、ロックピン50が奥へと誤挿入され難いようになっている。
図1−図3に示すように、ロックピン50はロックピン中心軸線50aを有する。ロックピン50はロックピン中心軸線50aをクリップ本体中心軸線10aに一致させてロックピン挿入穴20に挿入される。
図2、図7に示すように、ロックピン50がロックピン挿入穴20への挿入の途中にある仮保持位置P1にある時に、ロックピン50はクリップ本体10に仮保持される。
図3、図8に示すように、ロックピン50がロックピン挿入穴20に奥まで挿入された本保持位置P2にある時に、ロックピン50はクリップ本体10に本保持される。
ピン頭部52の平面視での外形形状は長方形状である。この長方形状には長方形の角部をカットし、長辺の中央部をロックピン中心軸線50a側に後退させた形状を含む。図11に示すように、固定具1にてCSA80を車両ボデー90に取り付け、ロックピン50をロックピン本体10に仮保持または本保持した状態では、ロックピン50の長方形状の長辺が延びる方向とCSA本体80aの延びる方向とは互いに平行である。
ここで、結合部66とは、ピン中心軸線50aと平行な方向に、結合部66のピン脚部54側端から結合部66のピン可撓部58側端までの範囲にある部分を云い、ピン中心軸線50aと直交する方向に、結合部66のピン脚部54側端での厚みの範囲内にある部分を云うものとする。
図1−図3および図7−図9に示すように、クリップ本体10の本体頭部12の一対の側壁22Lには、側壁22Lの長手方向中央部22Lcに、クリップ本体中心軸線10aのCSA長手方向と直交する方向Pにおける両側に、長手方向中央部22Lcを貫通する、仮保持(仮止め)係止孔26と、その奥側に本保持(本止め)係止孔28が設けられている。仮保持係止孔26、本保持係止孔28は、本体頭部12の先端部側から座部14側に向かって順に設けられており、クリップ本体軸方向に、互いに間隔をおいて設けられている。
ロックピン50が仮保持位置P1にある時に、固定具1の脚部40がCSA80のタブ80bの貫通孔80cに挿通され、さらに車両ボデー90の固定具取付孔90dに挿通され、CSA80が車両ボデー90に固定具1によって取り付けられる。この時には、ロックピン50はまだ仮保持位置P1にある。
図7に示すように、爪先端部60は、ピン可撓部58の揺動弾性変形の変形支点66aを通りロックピン中心軸線50aと平行な線50bからロックピン中心軸線50aと反対側にオフセットされている。これによって、仮保持位置P1にあるロックピン50を押し込む時に、仮保持係止孔26の縁部下面から上方への力F1が働き、ピン可撓部58が変形支点66aまわりに内側方向M1に変形し、爪先端部60が容易に仮保持係止孔26から外れて円滑に奥へと移動できる。
図4−図6に示すように、ピン係止爪56は、ピン可撓部58のピン頭部側端部の外面に一体に形成されている。
延設部64は、ピン可撓部58のピン頭部側端部、すなわち外面にピン係止爪56が形成されているピン可撓部部分からロックピン軸方向にピン頭部52側に延びている。延設部64は、その先端面がロックピン頭部52の先端面と同じロックピン軸方向位置まで延びている。ロックピン正面視における延設部64の幅は、ピン可撓部58の幅にほぼ等しく、ピン係止爪56の幅よりは広い。延設部64の厚み方向外面64aとクリップ本体10の側壁22Lの長手方向中央部22Lcの内面との間には、ロックピン抜去用の工具3、たとえばラジオペンチ、の先端部を受入れ可能な空間が存在する。
延設部64は、ロックピン中心軸線50aの両側に一対設けられている。一対の延設部64はロックピン抜去時に工具3により一対の延設部64の外面から挟まれる。
延設部64の外面64aとピン係止爪56の第1の面62aとはピン頭部52側に向かって拡開する凹部67を形成している。
図9に示すように、ロックピン抜去時にロックピン抜去用工具3を凹部67内に進入させた時、工具3の先端が凹部67の湾曲底面に当たって止まる。その停止位置が工具3が一対の延設部64を挟む適正位置となる。そのため、ロックピン抜去用工具3が一対の延設部64を適正位置で挟むことができるようになっている。
スペーサ70は、図1−図3から明らかなように、平面視で長方形状を有し、この長方形状の長手方向中央部に脚部嵌合孔72を有し、この脚部嵌合孔72にて本体脚部40と嵌合する。スペーサ70は、脚部嵌合孔72のスペーサ長手方向両端よりも脚部嵌合孔72のスペーサ長手方向中心寄りのスペーサ部位からスペーサ70の長手方向両端にわたって形成された弾性変形部76を有している。弾性変形部76は、クリップ本体軸方向に弾性変形可能である。
〔ロックピン本体、ロックピン、スペーサの作用、効果〕
固定具1を用いて被取付部材、たとえばCSA80を車両のボデー90に取り付ける前においては、ロックピン50が仮保持位置P1でクリップ本体10に取り付けられている状態で、固定具1が搬送され、取り扱われる。
ピン可撓部58からロックピン軸方向にピン係止爪56よりピン頭部52側に延びる延設部64が設けられている。ロックピン50をクリップ本体10から取り外す時には、工具3、たとえばラジオペンチをロックピン挿入穴20に挿入し、一対の延設部64を工具3で挟んで延設部64とピン係止爪56をピン中心軸線50a側に変位させ、ピン係止爪56を係止孔26または28から外す。ついで、一対の延設部64を工具3で挟んだまま工具3をロックピン50を引くことによりロックピン50をクリップ本体10から抜去することができる。そのため、ロックピン50のクリップ本体10からの抜去は容易である。
このため、ロックピン50をロックピン挿入穴20に押し込んで行くときに第2の面60aにピン頭部52側に向かう荷重がかかり、ピン可撓部58が結合部66の支点66aまわりにピン中心軸線50a側に倒れ変形し、ロックピン50を容易に奥に挿入することができる。
ロックピン50抜去時に第3の面60bがたとえ係止孔26または28のピン頭部側の面と干渉しても、第3の面60bが傾斜しているので、係止孔26または28のピン頭部側の面から第3の面60bにかかる力にピン係止爪56がピン中心軸線50a側に変位させる分力が働き、ロックピン50の抜去が容易になる。
2 CSA固定装置
3 ロックピン抜去用工具
10 クリップ本体
10a クリップ本体中心軸線
12 本体頭部
26 係止孔(仮保持係止孔)
28 係止孔(本保持係止孔)
20 ロックピン挿入穴
22 側壁
50 ロックピン
50a ロックピン中心軸線
52 ピン頭部
54 ピン脚部
56 ピン係止爪
58 ピン可撓部
60 爪先端部
60a 第2の面
60b 第3の面
60c 爪先端部の先端
60d ピン頭部側端部
62 連結部
62a 第1の面
64 延設部
64a 延設部の外面
66 結合部
66a 変形支点
67 凹部
80 カーテンエアバッグ(CSA)
80b タブ
90 車両のボデー
90d 固定具取付孔
Claims (6)
- ロックピン挿入穴と係止孔が形成されたクリップ本体と、ロックピン中心軸線を有し前記クリップ本体のロックピン挿入穴に挿入可能なロックピンと、を備えた固定具であって、
前記ロックピンは、ピン頭部と、ピン脚部と、ピン可撓部と、ピン係止爪と、延設部とを有し、
前記ピン脚部はピン頭部からロックピン挿入穴への挿入方向に延びており、
前記ピン可撓部は、ロックピン軸方向にピン頭部から隔たった位置にある結合部でピン脚部と結合し該結合部からピン頭部側に延びており、前記結合部にある変形支点まわりにロックピン軸方向と直交する方向に弾性変形可能であり、
前記ピン係止爪は爪先端部と連結部とを有しており、前記爪先端部は前記係止孔に突入可能であり突入した時に該係止孔に係止し、前記連結部は前記爪先端部と前記ピン可撓部のピン頭部側端部とを連結しており、
前記延設部は、前記ピン可撓部の前記ピン頭部側端部から前記ピン頭部側にロックピン軸方向に延び、前記ロックピン中心軸線の両側に一対設けられ、該一対の延設部はロックピン抜去時にロックピン抜去用の工具により該一対の延設部の外面から挟まれることが可能である、固定具。 - 前記クリップ本体は前記ロックピン挿入穴を側方から覆う側壁を有し、前記係止孔は該側壁に形成されている請求項1記載の固定具。
- 前記ピン係止爪の連結部は前記ピン係止爪の爪先端部のピン頭部側端部と前記延設部の外面とを接続しピン頭部から離れる方向にかつロックピン中心軸線に近づく方向に斜めに延びる部分を有する第1の面を有しており、
前記延設部の外面と前記ピン係止爪の第1の面とはピン頭部側に向かって拡開する凹部を形成している、請求項1または請求項2記載の固定具。 - 前記爪先端部は、前記ピン可撓部の前記変形支点を通りロックピン中心軸線と平行な線からロックピン中心軸線と反対側にオフセットされており、
前記ピン係止爪の爪先端部は、前記連結部からロックピン中心軸線と直交する方向でロックピン中心軸線から離れる方向に爪先端部の先端まで延びる第2の面と、爪先端部の先端からピン頭部に近づく方向にかつロックピン中心軸線に近づく方向に前記爪先端部のピン頭部側端部まで斜めに延びる第3の面を有している、請求項1−請求項3の何れか1項に記載の固定具。 - 請求項1−請求項4の何れか1項に記載の固定具を用いて被取付部材であるカーテンエアバッグを車両のボデーに固定するカーテンエアバッグ固定装置。
- 前記カーテンエアバッグ固定装置は、固定具が車両のボデーに組み付けられた第1の状態と、ロックピン抜去用の工具を用いてロックピンがクリップ本体から抜去可能な第2の状態と、固定具が固定具抜去用の治具を用いて車両のボデーから抜去可能な第3の状態と、をとることが可能であり、
前記第1の状態では、前記クリップ本体が車両のボデーに形成された固定具取付孔に押し込まれ、前記ロックピンがクリップ本体のロックピン挿入穴に挿入されており、
前記第2の状態では、ロックピン抜去用の工具が前記ロックピン挿入穴に挿入され、前記延設部が前記工具により挟まれてロックピン中心軸線側に変位され、前記爪先端部がクリップ本体の係止孔から外れており、前記工具で前記延設部を挟んだまま前記工具を引くことにより前記ロックピンが前記ロックピン挿入穴から抜去可能となっている、請求項5記載のカーテンエアバッグ固定装置。
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